JP6972028B2 - 熱伝導性樹脂組成物、放熱シート、放熱部材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2では、実際、シート硬度(2.5mm)の低い放熱シートとして、アスカーC硬度48かつ熱伝導率5.2W/mKでアルミナ充填率72.5体積%の放熱シート(実施例46)、及びアスカーC硬度39かつ熱伝導率4.6W/mKでアルミナ充填率71.4体積%の放熱シート(比較例45)が作製できたことが記載されている。
具体的には、従来、高熱伝導な放熱シートを得ようとすると放熱シートの柔軟性が悪化するため、放熱シートを挟持した時に基板への応力が大きく、基板のたわみにより搭載された素子が剥がれたり、発熱素子に無理な力がかかる懸念がある。
さらに、放熱シートの柔軟性を付与するため無機フィラーの充填率を抑えると、自ずと放熱シートの熱伝導率が下がり必要な放熱特性を満足しない欠点がある。
斯様に、従来、高熱伝導性と高柔軟性との両方を満足させることができる放熱シートを提供することができていなかった。
〔1〕 以下の成分(A)〜(D)を含む、樹脂成形体の硬さがアスカーCにて30以下となる熱伝導性樹脂組成物。
(A)少なくとも末端又は側鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキサンと、少なくとも末端又は側鎖に2個以上のH−Si基を有するオルガノポリシロキサンと、を含む、25℃での粘度が100〜2,500mPa・sである二液付加反応型液状シリコーン
(B)少なくとも末端又は側鎖に2つ以上のビニル基を有する高分子量シリコーン 1〜20体積%
(C)アルキルアルコキシシラン 0.05〜2体積%
(D)無機フィラー 63〜85体積%
〔3〕 前記無機フィラーの粒度分布が平均粒子径10〜100μm、1〜10μm及び1μm未満の範囲で極大値又はピークを持ち、
平均粒子径10〜100μmの無機フィラーが、23〜50体積%であり、
平均粒子径1〜10μmの無機フィラーが、15〜30体積%であり、
平均粒子径1.0μm未満の無機フィラーが、5〜20体積%である、〔1〕又は〔2〕記載の熱伝導性樹脂組成物。
〔5〕 〔1〕〜〔3〕の何れか1つに記載の熱伝導性樹脂組成物を用いた放熱シート。
〔6〕 〔1〕〜〔3〕の何れか1つに記載の熱伝導性樹脂組成物を用いた、熱伝導率3W/mK以上かつアスカーC硬度が30以下である、通信用部材に使用される放熱シート又は高熱伝導性放熱部材。
〔7〕 〔1〕〜〔3〕の何れか1つに記載の熱伝導性樹脂組成物の製造方法。
<本発明の熱伝導性樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、
成分(A)(a1)少なくとも末端又は側鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキサンと、(a2)少なくとも末端又は側鎖に2個以上のH−Si基を有するオルガノポリシロキサンと、を含む、25℃での粘度が100〜2,500mPa・sである二液付加反応型液状シリコーン;
成分(B)両末端ビニル基を有する高分子量シリコーン 1〜20体積%;
成分(C)アルキルアルコキシシラン 0.05〜2体積%;
成分(D)無機フィラー 63〜85体積%;
を含む、樹脂成形体の硬さがアスカーCにて30以下となる熱伝導性樹脂組成物である。
さらに、無機フィラーを高含有させることができるので、高熱伝導性の樹脂成形体を得ることができる。
本発明の成分(A)二液付加反応型液状シリコーンは、成分(a1)少なくとも末端又は側鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキサン(以下、「ビニル基を有するオルガノポリシロキサン」ともいう。)と、成分(a2)少なくとも末端又は側鎖に2個以上のH−Si基を有するオルガノポリシロキサン(以下、「H−Si基を有するオルガノポリシロキサン」ともいう。)と、を含むものである。前記成分(A)は、25℃での粘度が100〜2,500mPa・sであることが望ましい。また、好適には、前記(a1):前記(a2)との比が1:1.5〜1.5:1の間であることが望ましい。
このビニル基含有量は、成分(a1)中に、0.01〜15モル%であることが望ましく、また成分(a1)中に、0.01〜5モル%であることがより好ましい。
前記成分(a1)のビニル基を有するオルガノポリシロキサンは、ビニル基を有するアルキルポリシロキサンが好適である。このアルキル基は、炭素数1〜3(例えば、メチル基、エチル基等)が好ましく、より好ましくはメチル基である。
また、成分(a1)のビニル基を有するオルガノポリシロキサンは、質量平均分子量が400,000未満のものが好ましく、より好ましくは10,000〜200,000であり、さらに好ましくは15,000〜200,000である。
ここで、本発明における「ビニル基の含有量」とは、成分(a1)を構成する全ユニットを100モル%としたときのビニル基含有シロキサンユニットのモル%のことをいうのである。ただし、ビニル基含有シロキサンユニット1つに対して、ビニル基1つであるとする。
<ビニル基含有量測定方法>
NMRによりビニル基含有量を測定した。具体的には、JEOL社製 ECP−300NMRを使用し、サンプルを重溶媒として重クロロホルムに溶解して測定した。(ビニル基+H−Si基+Si−メチル基)を100モル%とした場合のビニル基の割合をビニル基含有量モル%とした。
このH−Si基含有量は、(a2)中に、0.01〜15モル%であることが望ましく、また成分(a2)中に、0.01〜5モル%であることがより好ましい。
前記成分(a2)のオルガノポリシロキサンは、H−Si基を有するアルキルポリシロキサンが好適である。このアルキル基は、炭素数1〜3(例えば、メチル基、エチル基等)が好ましく、より好ましくはメチル基である。
また、成分(a2)のH−Si基を有するオルガノポリシロキサンは、質量平均分子量が、400,000以下のものが好ましく、より好ましくは10,000〜200,000であり、さらに好ましくは15,000〜200,000である。
ここで、本発明における「H−Si基の含有量」とは、成分(a2)を構成する全ユニットを100モル%としたときのH−Si基含有シロキサンユニットのモル%のことをいう。
<H−Si基含有量測定方法>
NMRによりH−Si基含有量を測定した。JEOL社製 ECP−300NMRを使用し、サンプルを重溶媒として重クロロホルムに溶解して測定した。(ビニル基+H−Si基+Si−メチル基)を100モル%とした場合に含有するH−Si基の割合をH−Si基の含有量モル%とした。
前記成分(A)の粘度(25℃)が100mPa・s未満であると分子量が小さいため硬化後のシートが避けやすくなるおそれがあり、2,500mPa・s超であると無機フィラーを高充填することが難しくなるおそれがある。
<粘度測定>
二液付加型シリコーンの粘度についてはBROOKFIELD社製B型粘度計「RVDVIT」を用いて測定した。スピンドルはfシャフトを使用し、20rpmの粘度を用いて測定することができる。
前記二液付加反応型液状シリコーンを構成するベースポリマーは、その主鎖に有機基(例えば、メチル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基等)を持つものが好ましい。例えば、オルガノポリシロキサンの繰り返し構造は、ジメチルシロキサンユニット、フェニルメチルシロキサン、ジフェニルシロキサンユニット等が挙げられる。また、ビニル基、エポキシ基等の官能基を有する変性オルガノポリシロキサンを用いてもよい。
また、前記成分(A)二液付加反応型液状シリコーンには、付加反応を促進させるための付加反応触媒を用いることができる。
また、前記成分(A)二液付加反応型液状シリコーンは、上記各種条件を満たす市販製品を使用すればよい。
本発明の成分(B)末端又は側鎖のいずれかに2つ以上のビニル基を有する高分子量シリコーンは、質量平均分子量が400,000〜900,000であることが好ましい。
ここで、本発明における「ビニル基の含有量」とは、成分(B)を構成する全ユニットを100モル%としたときのビニル基含有シロキサンユニットのモル%のことをいうのである。なお、ビニル基含有量の測定方法は、下記に示す通りである。
<ビニル基含有量測定方法>
NMRによりビニル基含有量を測定した。具体的には、JEOL社製 ECP−300NMRを使用し、サンプルを重溶媒として重クロロホルムに溶解して測定した。(ビニル基+H−Si基+Si−メチル基)を100モル%とした場合のビニル基の割合をビニル基含有量モル%とした。
炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられ、このうち、ビニル基が好ましい。
炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
前記式(B)中、複数のR3は互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
下記一般式(B1)において、好適にはR1がメチル基であり、好適にはR2がビニル基である。
モメンティブ会社製TSE−201(商品名)はビニル基含有量:0.2mol%、質量平均分子量800,000であり、モメンティブ会社製SRH−32(商品名)はビニル基含有量:0.1mol%、質量平均分子量500,000である。
本発明の成分(C)アルキルアルコキシシランは、特に限定されず、置換基を有していてもよい。市販品を適宜使用することができ、例えば、東レダウコーニング社製Z−6210等が挙げられる。東レダウコーニング社製Z−6210(商品名)は、n−デシルトリメトキシシランである。
前記成分(C)は、炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキルアルコキシシランが好ましい。
また、「アルキルアルコキシシラン」のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状の何れのアルキル基でもよい。
また、「アルキルアルコキシシラン」のアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基を問わず使用することができる。
前記成分(C)は、以下の一般式(C)で示されるものがより好ましい。
前記式(C)中、R5は、メチル基が好ましい。
前記式(C)中、pは、0が好ましいので、「X3」が好ましい。
前記式(C)中、Xは、炭素数1〜6アルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピオキシ基、i−プロピオキシ基、フェノキシ基等が好ましい。このうち、メトキシ基がフィラーとの親和性の点で有効である。
前記式(C)中、「X3−n」は、トリメトキシ基が好ましい。
前記アルキルアルコキシシランとしては、揮発しにくいことから、好ましくはn−デシルトリメトキシシランである。
本発明の樹脂組成物における熱伝導性フィラーの含有率は、好ましくは全体積中の63体積%以上であり、より好ましくは65〜85体積%、特に70〜85体積%であることが望ましい。
熱伝導性フィラーの含有率が63体積%未満では樹脂組成物を硬化したシートの熱伝導性が不十分となりやすいので、含有量が高いほど望ましい。また、85体積%を越えると、樹脂組成物の流動性が悪くなり、0.3mm未満の厚さでの樹脂組成物の硬化物の作製が困難となりやすいので、85体積%以下が望ましい。
これらのうち、酸化アルミニウムは、高熱伝導性を示すとともに、樹脂への充填性が良好なため、望ましい。
また、球状アルミナ粉末の結晶構造は、単結晶体、多結晶体の何れでもよいが、高熱伝導性の点から結晶相はα相望ましく、また比重は3.7以上が望ましい。比重が3.7未満であると、粒子内部に存在する空孔と低結晶相の存在割合が多くなるため、熱伝導率を2.5W/mK以上に高めることが困難となる。球状アルミナ粉末の粒度調整は、球状アルミナ粉末の分級・混合操作によって行うことができる。
球状アルミナ粉末を使用する場合は、球形度が0.85以上である。球形度が0.85未満では流動性が低下してスペーサー内でフィラーが偏析してしまい物性のばらつきが大きくなる。球形度が0.85以上である市販品として、例えば、デンカ株式会社製の球状アルミナDAW70(商品名)、球状アルミナDAW45S(商品名)、球状アルミナDAW05(商品名)、球状アルミナASFP20(商品名)等が挙げられる。
前記平均粒子径10〜100μmの無機フィラーが、無機フィラー中、好ましくは23体積%以上、より好ましくは25〜30体積%、さらに好ましくは30〜48体積%、よりさらに好ましくは34〜47体積%である。
また、前記平均粒子径1〜10μmの無機フィラーが、無機フィラー中、好ましくは15〜30体積%、より好ましくは20〜28体積%、さらに好ましくは20〜25体積%である。
また、前記平均粒子径1.0μm未満の無機フィラーが、無機フィラー中、好ましくは5〜20体積%、より好ましくは10〜15体積%、さらに好ましくは11〜13体積%である。
前記無機フィラーの粒度分布は、これら3つの範囲の無機フィラーを適宜組み合わせることが好ましい。
本発明の無機フィラーの粒度分布は、平均粒子径10〜100μmの無機フィラーが25〜50体積%(より好適には34〜47体積%)であり、平均粒子径1〜10μmの無機フィラーが15〜30体積%(より好適には20〜25体積%)であり、平均粒子径1.0μm未満の無機フィラーが5〜20体積%(より好適には11〜13体積%)であることが、好ましい。
本発明の高熱伝導性樹脂成形体は、公知の製造方法にて得ることができる。例えば、前記成分(A)〜(D)を混合することで得ることができる。
また、本発明の高熱伝導性樹脂成形体は、例えば、原料の混合・成形・加硫工程を経て製造される。混合には、ロールミル、ニーダー、バンバリーミキサー等の混合機が用いられる。成形方法はドクターブレード法が好ましいが、樹脂の粘度によって押し出し法・プレス法・カレンダーロール法等を用いることができる。加硫温度は、50〜200℃が望ましく、加熱硬化時間は2〜14時間が好ましい。50℃未満では加硫が不十分であり、200℃をこえるとスペーサーの一部が劣化する。加硫は、一般的な熱風乾燥機、遠赤外乾燥機、マイクロ波乾燥機等を用いて行われる。このようにして熱伝導性樹脂成形体を得ることができる。 本発明で使用される樹脂原料としては、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分(A)〜(C)以外に、アクリル樹脂及びエポキシ樹脂等の樹脂原料を適宜選択し使用してもよい。また、本発明の組成物が100体積%となるように配合してもよいし、本発明の組成物100体積%にさらに添加してもよい。
本発明の樹脂組成物を用いることにより、高熱伝導性かつ高柔軟性を有する樹脂成形体及び発熱シートを提供することができる。
本発明の樹脂成形体は、高い熱伝導性を有するものであり、熱伝導率3W/mK以上、さらに5W/mK以上のものを提供することが可能である。
さらに、本発明の樹脂成形体は、高熱伝導性を有しつつ、そのアスカーC硬度30以下を有するものである。当該樹脂成形体のアスカーC硬度は、好ましくは30以下であり、より好ましくは5〜30であり、さらに好ましくは7〜15である。アスカーC硬度が、5より小さいとシートを取り扱う際のハンドリングが困難となるおそれがある。
また、本発明の樹脂成形体の圧縮率は、好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは35%以上である。
また、本発明の樹脂成形体は、高柔軟性を有していることから、圧縮率25%以上と高い圧縮率を有することが可能である。
さらに、本発明によれば、その高熱伝導性放熱部材を使用した携帯基地局用途や、蓄電池用途、パワーコンディショナー装置を提供することにある。
また、本発明の樹脂組成物の放熱部材は、高柔軟性であり発熱素子との密着性に優れ、電子機器としては、スマートフォン、タブレットPC、パーソナルコンピューター、家庭用ゲーム機、電源、自動車、例えば無線基地局用途に適用できる。
本発明であれば、無線基地局用途等の用途に使用される電子部品に用いる放熱シート又は高熱伝導性放熱部材は、熱伝導率3W/mK以上かつアスカーC硬度が30以下である条件を満たすものを提供することが可能である。さらに、熱伝導率3W/mK以上かつアスカーC硬度が30以下及び圧縮率25%以上である条件を満たすものを提供することも可能である。
混合した樹脂組成物を使用してドクターブレード(法)を用いて、所定の厚さにシート(樹脂成形体)を作製し、110℃で8時間加熱硬化を行った。
試験例1〜5、試験例11〜20、試験例28〜30について、成分(A)〜(D)を用いることによって、シートの厚みが0.3〜6mmの範囲において、良好な柔軟性を有する、熱伝導性放熱性シートを得ることができた。さらに(a1)と成分(a2)との比は、1.4:1から1:1.4の間まで良好な柔軟性を有する、熱伝導性放熱性シートを得ることができた。
また、試験例31〜34について、成分(C)アルコキシシランを含有させない場合には、良好な柔軟性を有する、熱伝導性放熱性シートを得ることができなかった。
特に、平均粒子径60〜100μm、1〜10μm及び1μm未満の範囲で極大値又はピークをもった場合、特に良好な柔軟性を有する、熱伝導性放熱性シートを得ることができた。
[成分(A)二液付加反応型シリコーン]
*1)二液付加反応型シリコーン(ビニル基を有するオルガノポリシロキサン(ビニル基含有量 0.8mol%):H−Si基を有するオルガノポリシロキサン(H−Si含有量 1.0mol%)=(a1)1.4:(a2)1);モメンティブ社製X14−B8530;粘度 350mPa・sec;各オルガノポリシロキサンの質量平均分子量21,000。
*1−2)二液付加反応型シリコーン(ビニル基を有するオルガノポリシロキサン(ビニル基含有量 0.8mol%):H−Si基を有するオルガノポリシロキサン(H−Si含有量 1.0mol%)=(a1)1:(a2)1);モメンティブ社製X14−B8530;粘度 350mPa・sec;各オルガノポリシロキサンの質量平均分子量 21,000。
*1−3)二液付加反応型シリコーン(ビニル基を有するオルガノポリシロキサン(ビニル基含有量 0.8mol%):H−Si基を有するオルガノポリシロキサン(H−Si含有量 1.0mol%)=(a1)1:(a2)1.4);モメンティブ社製X14−B8530;粘度 350mPa・sec;各オルガノポリシロキサンの質量平均分子量 21,000。
*2−2)二液付加反応型シリコーン(ビニル基を有するオルガノポリシロキサン(ビニル基含有量 0.3mol%):H−Si基を有するオルガノポリシロキサン(H−Si含有量 0.5mol%)=(a1)1:(a2)1);東レダウコーニング社製SE−1885;粘度 430mPa・sec;各オルガノポリシロキサンの質量平均分子量 120,000。
*2−3)二液付加反応型シリコーン(ビニル基を有するオルガノポリシロキサン(ビニル基含有量 0.3mol%):H−Si基を有するオルガノポリシロキサン(H−Si含有量 0.5mol%)=1:1.4);東レダウコーニング社製SE−1885;粘度 420mPa・sec;各オルガノポリシロキサンの質量平均分子量 120,000。
*2−4)二液付加反応型シリコーン(ビニル基を有するオルガノポリシロキサン(ビニル基含有量 0.3mol%):H−Si基を有するオルガノポリシロキサン(H−Si含有量 0.5mol%)=1:1.6);東レダウコーニング社製SE−1885;粘度 400mPa・sec;各オルガノポリシロキサンの質量平均分子量 120,000。
*4)二液付加反応型シリコーン(ビニル基を有するオルガノポリシロキサン:H−Si基を有するオルガノポリシロキサン)=(a1)1.4:(a2)1モメンティブ社製二液付加型シリコーンTSE−3331K(ビニル基を有するオルガノポリシロキサン:H−Si基を有するオルガノポリシロキサン=1.4:1)粘度 3,000mPa・sec。
*7)アルコキシシラン;東レダウコーニング社製Z−6210;n−デシルトリメトキシシラン。
無機フィラーは、下記の酸化アルミニウムを使用した。表の無機フィラーの体積%は、使用した各球状フィラー及び各結晶性アルミナの合計量である。
フィラーd50:70μm:デンカ株式会社製 球状アルミナDAW70
フィラーd50:45μm:デンカ株式会社製 球状アルミナDAW45S
フィラーd50:5μm:デンカ株式会社製 球状アルミナDAW05
フィラーd50:0.3μm:デンカ株式会社製 球状アルミナASFP20
また、結晶性アルミナ粉末は、下記を使用した。
d50:3μm:住友化学株式会社製 結晶性アルミナAA−3
d50:0.5μm:住友化学株式会社製 結晶性アルミナAA−05
評価は、以下で判断した。
*熱伝導率3W/mK未満のとき不可、熱伝導率3W/mK以上のとき良好、5W/mK以上のとき優秀。
圧縮率25%未満のとき不可、圧縮率25%以上のとき良好。
アスカーC硬度 30より大きいとき高柔軟性 不可、アスカーC硬度 30以下のとき高柔軟性 良好、アスカーC硬度 15以下のとき高柔軟性 優秀。
上記で得られたシートについて、TO−3型に裁断し、熱抵抗を測定した。そして、下記の(1)式及び(2)式により、熱伝導率を算出した。
熱伝導率は、TO−3型に裁断した試料をトランジスタの内蔵されたTO−3型銅製ヒーターケース(有効面積6.0cm2)と銅板との間に挟み、初期厚みの10%が圧縮されるように荷重をかけてセットした後、トランジスタに電力15Wをかけて5分間保持し、ヒーターケースと放熱フィンとの温度差(℃)から、次の(1)式で算出される熱抵抗(℃/W)を(2)式で換算したものである。
「熱抵抗(℃/W)=(ヒーター側温度(℃)−冷却側温度(℃))/電力(W)・・・(1)」の式にて算出した。そして、「熱伝導率(W/mK)=厚み(m)/(断面積(m2)×熱抵抗(℃/W))・・・(2)」の式により算出することが出来る。
本発明に用いられるシリコーン樹脂の硬化後の硬さは、25℃のSRIS0101に準拠するアスカーCタイプのスプリング式硬さで測定することができる。アスカーC硬さは、高分子計器株式会社製「アスカーゴム硬度計C型」で測定することができる。シリコーン樹脂の硬化後のタイプCアスカーC硬さは5〜30であり、7〜15であることが望ましい。タイプC硬さが5より小さいとシートを取り扱う際のハンドリングが困難となる。
また、30を超えると、熱伝導性シート自体が硬くなり、発熱素子との密着性が損なわれ熱伝導性が悪くなる。
本発明に用いられる圧縮率は、スペーサーを10×10mmに打ち抜いた後、卓上試験機(島津製作所製EZ−LX)により、厚さ方向に0.1MPaの荷重をかけたときの圧縮変形量を計測し、圧縮率(%)={圧縮変形量(mm)×100}/元の厚さ(mm)
にて、圧縮率を算出した。
ポリオルガノシロキサン及びシリコーンの質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー分析の結果から求めたポリスチレン換算での値とした。分離は非水系の多孔性ゲル(ポリスチレン−ジメチルベンゼン共重合体)で、移動相としてトルエンを使い、検出には示差屈折計(RI)を使用した。
無機充填材の平均粒径、最大粒子径及び極大値は、島津製作所製「レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−20」を用いて測定を行った。評価サンプルは、ガラスビーカーに50ccの純水と測定する無機充填材粉末を5g添加して、スパチュラを用いて撹拌し、その後超音波洗浄機で10分間、分散処理を行った。分散処理を行った無機充填材の粉末の溶液を、スポイトを用いて、装置のサンプラ部に一滴ずつ添加して、吸光度が測定可能になるまで安定するのを待った。このようにして吸光度が安定になった時点で測定を行う。レーザー回折式粒度分布測定装置では、センサで検出した粒子による回折/散乱光の光強度分布のデータから粒度分布を計算する。平均粒径は測定される粒子径の値に相対粒子量(差分%)を掛けて、相対粒子量の合計(100%)で割って求められる。なお、平均粒径は粒子の平均直径であり、極大値又はピーク値である累積重量平均値D50(又はメジアン径)として求めることができる。なおD50は、出現率が最も大きい粒子径になる。
Claims (7)
- 以下の成分(A)〜(D)を含む、樹脂成形体の硬さがアスカーCにて30以下となる熱伝導性樹脂組成物。
(A)少なくとも末端又は側鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキサンと、少なくとも末端又は側鎖に2個以上のH−Si基を有するオルガノポリシロキサンと、を含む、25℃での粘度が100〜2,500mPa・sである二液付加反応型液状シリコーン
(B)少なくとも末端又は側鎖に2つ以上のビニル基を有する高分子量シリコーン 1〜20体積%
(C)アルキルアルコキシシラン 0.05〜2体積%
(D)無機フィラー 63〜85体積% - 前記成分(A)における少なくとも末端又は側鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキサンと、少なくとも末端又は側鎖に2個以上のH−Si基を有するオルガノポリシロキサンとの比は、1:1.5〜1.5:1である、請求項1に記載の熱伝導性樹脂組成物。
- 前記無機フィラーの粒度分布が平均粒子径10〜100μm、1〜10μm及び1μm未満の範囲で極大値又はピークを持ち、
平均粒子径10〜100μmの無機フィラーが、23〜50体積%であり、
平均粒子径1〜10μmの無機フィラーが、15〜30体積%であり、
平均粒子径1.0μm未満の無機フィラーが、5〜20体積%である、請求項1又は2に記載の熱伝導性樹脂組成物。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載の熱伝導性樹脂組成物からなる樹脂成形体。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の熱伝導性樹脂組成物を用いた放熱シート。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の熱伝導性樹脂組成物を用いた、熱伝導率3W/mK以上かつアスカーC硬度が30以下である、通信用部材に使用される放熱シート又は高熱伝導性放熱部材。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の熱伝導性樹脂組成物の製造方法。
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