JP6971989B2 - 往復運動衝撃ハンマー - Google Patents

往復運動衝撃ハンマー Download PDF

Info

Publication number
JP6971989B2
JP6971989B2 JP2018537608A JP2018537608A JP6971989B2 JP 6971989 B2 JP6971989 B2 JP 6971989B2 JP 2018537608 A JP2018537608 A JP 2018537608A JP 2018537608 A JP2018537608 A JP 2018537608A JP 6971989 B2 JP6971989 B2 JP 6971989B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hammer
impact
weight
striker pin
reciprocating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018537608A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019500227A5 (ja
JP2019500227A (ja
Inventor
ロブソン、アンガス
Original Assignee
ロブソン、アンガス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ロブソン、アンガス filed Critical ロブソン、アンガス
Publication of JP2019500227A publication Critical patent/JP2019500227A/ja
Publication of JP2019500227A5 publication Critical patent/JP2019500227A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6971989B2 publication Critical patent/JP6971989B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E02HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
    • E02FDREDGING; SOIL-SHIFTING
    • E02F3/00Dredgers; Soil-shifting machines
    • E02F3/04Dredgers; Soil-shifting machines mechanically-driven
    • E02F3/96Dredgers; Soil-shifting machines mechanically-driven with arrangements for alternate or simultaneous use of different digging elements
    • E02F3/966Dredgers; Soil-shifting machines mechanically-driven with arrangements for alternate or simultaneous use of different digging elements of hammer-type tools
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B28WORKING CEMENT, CLAY, OR STONE
    • B28DWORKING STONE OR STONE-LIKE MATERIALS
    • B28D1/00Working stone or stone-like materials, e.g. brick, concrete or glass, not provided for elsewhere; Machines, devices, tools therefor
    • B28D1/26Working stone or stone-like materials, e.g. brick, concrete or glass, not provided for elsewhere; Machines, devices, tools therefor by impact tools, e.g. by chisels or other tools having a cutting edge

Description

本発明は、衝撃力がマスの往復運動からもたらされる衝撃ハンマー、落下ハンマー、および他の破壊装置を含む装置を駆動するための手段に関する。より詳細には、本発明は、真空アシスト往復運動衝撃ハンマーに関する。
重力衝撃ハンマーは、主として、露出した岩石、コンクリート、または他の材料の表面を破壊するように設計され、一般的には、ハウジングまたはガイド内で或る高さまで持ち上げられた後に解放されるマスで構成される。マスは、重力のもとで落下し、破壊すべき表面に直接的に(すなわち、ハンマーハウジングの開口部を通って突出して)衝突し、あるいはストライカピンを介して間接的に衝突する。
本発明は、特許文献1〜4、及び特許文献11に対応する特許文献5に記載の装置を含む本発明の発明者によって発明された砕石装置に関して、本明細書において論じられる。これらの刊行物は、ハウジング内で或る高さへと持ち上げられた後に解放されて落下し、破壊すべき岩または物品へと力を伝達する「ストライカピン」または他のツールの一端に衝突することができるマスを備える砕石ハンマーを記載している。
やはり本発明の発明者による特許文献6〜8が、下方駆動機構によって加えられる追加の運動力を伴って表面に衝突するように持ち上げられて落下させられるハウジング内の単一のウエイトを備える駆動式ハンマーに関して、衝撃ハンマーのロック、駆動機構、および砕石装置をそれぞれ記載している。
したがって、重力落下ハンマーまたは衝撃ハンマーという用語は、本明細書において、重力のみによって動作するハンマーに加えて、動力式の衝撃ハンマーも包含するように使用される
本発明の発明者は、特許文献5に記載の「クッションスライド」の使用を通じて、上述の衝撃ハンマーの性能の改善を可能にした。クッションスライドは、マスとハウジングとの間においてハンマーに取り付けられ、ハウジングの内壁に接触する低摩擦の外側層と、マスに対するクッション性の内側層とを含む。
上述のクッションスライドは、摩擦損失を低減し、ハンマー駆動機構でより重いマスを持ち上げることを可能にし、下方駆動のハンマーの場合において、より小さい摩擦でウエイトを下方へと駆動することで、衝撃エネルギーを改善することが明らかになっている。
さらに、衝撃を吸収する内側層ゆえに装置へと加わる衝撃荷重が低減されることで、装置の稼働寿命を延ばすことができ、あるいはより軽量で安価な構成のハウジングを製造できるようになる。さらに、上述のクッションスライドの使用は、装置をより広い公差で製造することを可能にすることで、コストをさらに低減する。したがって、クッションスライドの利点を真空駆動衝撃ハンマーに取り入れることが、望ましいかもしれない。
重力落下ハンマー(本出願の出願人自身の先行の特許文献1〜3に記載されている)などの衝撃ハンマーは、主として、露出した表面の岩石を破壊するために利用される。これらのハンマーは、一般に、重いハンマーウエイトを収容するハウジングの端部に配置されたノーズコーンの外側へと延びるストライカピンからなる。使用時には、ストライカピンの下端が岩石に対して配置され、次いでハンマーウエイトを、重力のもとで上方位置から落下させてストライカピンの上端に衝突させることができ、ストライカピンが衝撃力を岩石に伝達する。
「ストライカピン」という用語は、移動するマスの運動エネルギーを岩石または作業面に伝達するための導管として働く任意の要素を指す。好ましくは、ストライカピンは、反対向きの2つの端部を有する細長い要素を備え、一方の端部(通常はハウジングの内部に位置する)が、ハンマーウエイトからの衝突によってもたらされる衝撃によって駆動される駆動端であり、他方の端部が、衝撃を被るべき作業面に配置される衝撃端(ハウジングの外部に位置する)である。ストライカピンを、任意の適切な形状またはサイズとなるように構成することができる。
このような破壊動作に伴う大きな衝撃力により、ハンマー装置および関連の支持機械(例えば、キャリアとして知られる掘削機)の全体に、高い応力レベルが発生する。特許文献1が、単一の衝撃吸収手段をノーズコーン内でストライカピンを支持するリテーナと併せて使用することにより、このような動作からの衝撃力を緩和するための装置を開示している。したがって、このような衝撃吸収装置の利点を真空アシスト衝撃ハンマーに取り入れることが望ましい。
アキュムレータが、エネルギーを貯蔵することができる手段として種々の工学分野で使用される周知の装置であり、小さな連続的な動力源を短いエネルギーのサージへと変換し、あるいは逆の変換を行うために使用されることもある。アキュムレータは、電気、流体、または機械に拠ることができ、充電式電池、あるいは油圧アキュムレータ、キャパシタ、コンパルセータ、蒸気アキュムレータ、波動エネルギー機械、または揚水式水力発電プラント、などの形態をとることができる。
油圧アキュムレータは、ピストンアキュムレータ、ブラダアキュムレータ、ダイアフラムアキュムレータ、ウエイトおよびばね荷重によるアキュムレータ、など、多数の形態で製造されている。油圧アキュムレータの主な役目の1つは、油圧システムの特定の量の加圧流体を保持し、必要に応じてシステムへと戻すことである。しかしながら、油圧アキュムレータを、エネルギーの貯蔵、衝撃、振動、および脈動の減衰、エネルギーの回収、体積流量の補償、などを含む複数の役目を果たすように構成することもできる。
大部分のアキュムレータは、サイクル動作のピークパワーの一部を取り出し、サイクルのうちの利用可能なパワーが少ない部分へと再導入することによって、出力の一貫性を改善することを主な目的としている。しかしながら、これは、逆の要件を有するサイクル動作、すなわち非一定な出力を必要とするサイクル動作においては、役に立たない。とくに、大部分のアキュムレータは、サイクルの一部において利用されない利用可能なパワーが存在し得るが、サイクルの他の部分において追加のパワーが強く望まれる衝撃ハンマーなどのサイクル動作において、役に立たない。本発明の発明者による特許文献9が、衝撃ハンマーのサイクルの一部分において過剰な利用可能エネルギーを蓄え、衝撃ハンマーの下降行程において放出することで、印加力を大きく増加させるように設計されたアキュムレータを記載している。
それとは別に、特許文献12は、ハウジング、ハウジングに固定されたシリンダ、任意の適切な駆動部によって駆動されるクランク機構のような往復運動駆動機構からシリンダ内で往復運動するピストン、動力工具の前部に取り付けられた作業工具、及び作業工具の後部とピストンの下端の間の空間でシリンダ内を摺動するフローティングストライカを備える真空圧縮型衝突動力工具を開示している。動力工具は、シリンダを囲む中空のケーシングによって形成された密閉された補助チャンバ、及びストライカの下の空間を有する。補助チャンバは、一連の補正穴と一連のアイドルストローク穴を介して、ピストンとストライカとの間に形成されたメイン作業チャンバに接続される。ピストンの上端面と閉じたカバーとの間のシリンダの上部にポンプチャンバが形成される。ポンプチャンバは、大気からの空気の侵入に対して密閉され、一対の逆止弁を有し、その一方は大気からこのチャンバに空気を入れ、その他方はポンプチャンバから補助チャンバに空気を入れる。往復運動駆動機構は、ポンプチャンバに位置することができる。
真空アシストシステムの性能上の利点を、衝撃ハンマーにおいて、上記で引用した刊行物における特徴の1つ以上と併せて利用することが、望ましいと考えられる。
本明細書において言及されるあらゆる特許または特許出願を含むすべての参考文献は、援用によって本明細書に組み込まれる。いかなる参考文献も、決して先行技術を構成すると認められるものではない。参考文献の検討においては、それらの文献の著者の主張の内容が述べられ、本出願の出願人は、引用された文献の正確性および適切性に疑問を呈する権利を留保する。本明細書において、いくつかの先行技術文献に言及するが、そのような言及が、それらの文献のいずれかがニュージーランドおよびその他の国々における共有の一般的技術知識の一部を形成すると認めるものではないことを、明らかに理解できるであろう。
用語「…を備える(comprise)」は、種々の法域において、排他的な意味または包括的な意味のいずれかに帰することができると認識されている。本明細書の目的において、用語「…を備える」は、別段の記載がない限り、包括的な意味を有するものとされ、すなわちこの用語が直接参照する列挙された構成要素だけでなく、他の非特定の構成要素または要素も含むことを意味すると解釈される。この解釈は、用語「…を備えた(comprised)」または「…を備えている(comprising)」が、方法またはプロセスにおける1つ以上のステップに関して用いられる場合にも使用される。
米国特許第5,363,835号明細書 米国特許第8,037,946号明細書 米国特許第7,980,240号明細書 米国特許第8,181,716号明細書 国際公開第2014/013466号 米国特許第7,407,017号明細書 米国特許第7,331,405号明細書 米国特許第8,316,960号明細書 国際公開第2013/054262号 国際公開第2004/035939号 米国特許出願公開第2015/202763号明細書 米国特許第4,932,479号明細書
本発明の目的は、以上の問題に対処することにあり、あるいは少なくとも公衆に有用な選択肢を提供することにある。
本発明のさらなる態様および利点は、あくまでも例示として与えられる以下の説明から明らかになるであろう。
本発明の第1の態様によれば、作業面を破壊するための衝撃ハンマーが提供され、衝撃ハンマーは、
・収容面の少なくとも一部分を形成する少なくとも1つの内側側壁を有するハウジングと、
・駆動機構と、
・ハウジング内に少なくとも部分的に位置する往復運動ハンマーウエイトであって、往復運動ハンマーウエイトは、往復運動軸に沿って往復運動することが可能であり、往復運動ハンマーウエイトの往復運動サイクルは、往復運動軸がほぼ垂直軸上にあるときに、
往復運動ハンマーウエイトが駆動機構によって往復運動軸に沿って上方に移動させられる上昇行程、および
往復運動ハンマーウエイトが往復運動軸に沿って下方に移動する下降行程
を含む、往復運動ハンマーウエイトと、
・被駆動端および作業面衝撃端を有するストライカピンであって、作業面衝撃端がハウジングから突出するようにハウジング内に位置するストライカピンと、
・ストライカピンに結合された衝撃吸収装置と、
・可変容積の真空チャンバであって、
収容面の少なくとも一部分と、
ハンマーウエイトに結合された少なくとも1つの上部真空シーリングと、
下降行程の少なくとも一部において可変容積の真空チャンバから流体を逃がすことを可能にするように動作することができる少なくとも1つの下降行程ベントと
を含む可変容積の真空チャンバと、
を備え、
可変容積の真空チャンバは、少なくとも1つの下部真空シーリングを含み、可変容積の真空チャンバは、上昇行程の少なくとも一部において大気圧未満の圧力を有するように構成されて、往復運動ハンマーウエイトは、下降行程の少なくとも一部において大気と大気圧未満の圧力との間の圧力差によってストライカピンに向かって駆動される。
本発明は、往復運動経路に沿って移動することができる往復運動ハンマーウエイトを含んでいる装置を提供し、往復運動ハンマーウエイトは、このハンマーウエイトの往復運動の最中に装置の収容面と少なくとも部分的なシーリング接触をなすように構成および配置される。
往復運動ハンマーウエイトを含むこのような装置は、多数の形態をとることができ、本発明は、いかなる特定の構成にも限定されない。そのような装置の例として、機械式衝撃ハンマー、重力落下ハンマー、動力式落下ハンマー、ジャッキハンマー、杭打ち機、岩石破砕機、などが挙げられる。
本明細書において使用されるとき、用語「往復運動」は、装置の動作の最中に往復運動コンポーネントを直線状の経路、非直線の経路、中断のある経路、環状の経路、不規則な経路、およびこれらの任意の組み合わせなどの同じ経路に沿って繰り返し移動させる装置のあらゆる動作サイクルを含む。
本明細書において使用されるとき、用語「部分的な接触」は、収容面との時間および/または距離ならびにこれらの任意の組み合わせに関して断続的な接触、連続的な接触、中断のある接触、瞬間的な接触、部分的な接触、不定期な接触、周期的な接触、および不規則な接触を含む。
本明細書において使用されるとき、用語「収容面」は、装置の動作の最中に往復運動コンポーネント、その一部分、またはその付属品に少なくとも部分的に接触するように配置された任意の構造、表面、物体、などを含む。
本明細書において使用されるとき、用語「作業面」は、装置による衝撃、接触、操作、または移動を被る任意の表面、材料、または物体を含む。本明細書に開示される多数の実施形態において、作業面は、典型的には、岩石、鋼、コンクリート、または破損されるべき他の材料を含む。
本明細書において使用されるとき、用語「大気」および「大気の」は、装置を取り囲む気体の塊または膜を指し、あるいは装置を取り囲む気体の塊または膜に関連し、気体の塊は、流体を含む。
本明細書において使用されるとき、用語「真空」は、大気圧よりも低いあらゆる圧力を含み、すなわち大気よりも低い流体圧力を有する。したがって、「真空」への言及を、絶対真空を必要とすると解釈すべきではない。
本明細書において使用されるとき、用語「ベント」は、受動的であるか、あるいは能動的であるかにかかわらず、流体の通過を許す任意の造作、機構、またはシステムを含む。
本明細書において使用されるとき、用語「弁」は、流体の通過を選択的に防止するように構成することができる任意のベントを含む。
本明細書において使用されるとき、用語「真空シーリング」は、互いに相対移動が可能な少なくとも2つの表面の間のシーリングを指し、相対移動の最中に表面の間に少なくとも部分的なシールを維持することができる任意の可撓、可変、および/または摺動可能なシールを含む。
本明細書において使用されるとき、用語「駆動機構」は、往復運動コンポーネントを重力の作用に逆らって持ち上げるなど、往復運動コンポーネントを作業面から遠ざかるように移動させるために使用される任意の機構を含むとともに、持ち上げの駆動機構とは別の駆動部または持ち上げの駆動機構の一体の一部分として、重力の作用との組み合わせにおいて往復運動コンポーネントを降下させるなど、往復運動コンポーネントを作業面に向かって駆動するために使用される任意の下方への駆動機構を含む。駆動機構は、油圧ラムまたは回転チェーン駆動装置など、任意の好都合な形態をとることができる。本明細書においては、例示の目的で、チェーン駆動による下方への駆動機構がさらに詳細に検討されるが、これが決して限定ではないことを、理解できるであろう。
本発明は、機械式の衝撃ハンマーにおける使用にとくに適しており、分かり易さのため、および冗長さをさらに減らすために、本明細書においては、本発明を機械式の衝撃ハンマーにおける使用に関して説明する。しかしながら、これは単なる例示であり、本発明が必ずしもこれに限定されないことを、理解できるであろう。
典型的には、重力式の衝撃ハンマーは、岩石、コンクリート、石、金属、アスファルト、などを砕くために、大きなウエイトの形態で設けられた往復運動コンポーネントを周期的に上昇および落下させ、ここで、ウエイトは、何らかの形態(例えば、油圧)の動力式の駆動機構によって持ち上げられ、重力のもとで自由に落下する。このような重力式の衝撃ハンマーの開発において、本発明の発明者は、ウエイトが表面に衝撃を与えるために下方へと積極的に駆動される動力式の衝撃ハンマー(特許文献7に記載されており、本明細書に援用される)を考案した。
本明細書におけるウエイト、ハンマーウエイト、衝撃マス、などへの言及は、「往復運動コンポーネント」も指すものと理解されるべきである。
いくつかの実施形態において、用語「ハンマーウエイト」は、往復運動サイクルにおいてハンマーウエイトと一緒に移動するようにハンマーウエイトに取り付けられ、結合し、接続され、あるいは他のやり方で係合した任意のコンポーネント、アイテム、または中間要素も含むことができる。
ハンマーは、横断面が不規則、矩形、正方形、または円形であるなど、任意の形状に形成されてよいが、典型的には鉛直方向に細長く、直線状の衝撃軸の周りで上昇および下降させられる。
ウエイト自体を、ハンマーとして直接形成してもよく、その場合、ウエイトの1つ以上の遠位端が、作業面を打撃するように形作られたツール端を備えて形成される。あるいは、ウエイトを、下降行程において作業面を打撃するためのストライカピンへと落下する任意の好都合な形状のブロックとして単純に形成してもよい(本明細書に援用される本発明の発明者の先行の刊行物である特許文献1〜4を参照)。
ウエイトは、装置の脆弱部分を保護するとともに、打撃動作からのデブリの進入による装置の汚損を軽減するハウジング内に少なくとも部分的に配置され、そのようなハウジング内で動作する。さらに、ハウジングは、装置の損傷および/または不安定の発生を防止するために、上昇または下降の行程におけるウエイトの経路が横方向について拘束された状態であることを保証するためのガイドとしても機能する。理想的には、ウエイトは、ハウジングの内側に触れることなく上下に移動することで、有害な摩擦を回避する。
実際には、打撃作業は、さまざまな傾きで行われ、完全に鉛直であることはまれである。さらに、作業面の性質ゆえに、破砕が生じるまでに複数回の衝撃が必要とされる可能性があり、したがって、ハンマーまたはストライカピンが、破壊されていない作業面から跳ね返る可能性がある。ハンマー/ストライカピンの跳ね返りの方向は、横方向の成分を主に含むことにより、ハンマー/ストライカピンをハウジングの内側側壁に接触させる。本発明の一実施形態においては、ハンマーの往復運動部とハウジングの収容面との間の接触の望ましくない影響を緩和するために、クッションスライドが利用される。クッションスライドの構成および実装は、後でさらに詳しく検討される。
分かり易くするために、本発明およびその構成要素の向きが、往復運動コンポーネントを往復運動経路に沿って移動させることによって動作する装置を、実質的に鉛直な往復運動軸の周りで使用する場合について言及され、したがって「下」および「上」という記述子は、それぞれ「作業面」に近い位置および「作業面」から遠い位置を相対的に指すものとされる。しかしながら、この向きの呼び方が、あくまでも説明の目的のためのものにすぎず、決して装置を鉛直軸における使用に限定するものではないことを、理解できるであろう。実際に、本発明の好ましい実施形態は、以下でさらに説明されるように、広範囲の向きにて動作することができる。
一態様によれば、往復運動コンポーネントの往復運動経路は、直線状の衝撃軸を含む。好ましくは、ハンマーウエイトは、衝撃軸に沿った一定の方向における往復運動経路の大きさに等しい行程長を有する。
一実施形態において、装置は、ハウジングを含み、収容面は、衝撃ハンマーのハウジングの内側側壁を含む。
一態様によれば、本発明は、ハンマーウエイトと収容面の少なくとも一部分との間に形成された可変容積の真空チャンバを提供し、真空チャンバは、往復運動の少なくとも一部分において大気圧よりも低い圧力を有する。
好ましくは、真空チャンバは、真空チャンバに流体連通する少なくとも1つのベントを含む。
好ましくは、真空チャンバは、
・少なくとも1つの可動真空ピストン面、および
・ハンマーウエイトと収容面の少なくとも一部分との間の少なくとも1つの真空チャンバ真空シーリング(本明細書においては、上部真空シーリングと称される)
を含む。
好ましくは、真空ピストン面は、ハンマーウエイトの一部分によって形成される。
代案の実施形態によれば、真空ピストン面は、ハンマーウエイトの一部として一体的に形成されてもよく、あるいはハンマーウエイトの付属物を含んでもよい。好ましくは、真空ピストン面は、往復運動経路に平行または同軸な経路に沿って移動可能である。
好ましくは、真空チャンバは、
・ハンマーウエイトと収容面との間の上部真空シーリング、および
・下部真空シーリング
を含む。
下部真空シーリングの位置および構成は、衝撃ハンマーのウエイトが、自身の衝撃エネルギーをストライカピンを介して作業面に伝達するウエイトとして構成されているか、あるいは作業面を直接打撃するためのツール端を備えて形成されているかに依存する。前者の場合、下部真空シーリングを、ウエイトの下部付近またはストライカピンアセンブリの周りのいずれかに形成することができる。後者の場合、下部真空シーリングは、上部真空シーリングよりも下方の位置においてハンマーウエイトと収容面との間に位置することができる。
どちらのウエイトの構成においても、ウエイトと収容面との間の移動は、シーリングが両者の間の相対的な摺動運動に対応できることを言外に要求する。シーリングを、ウエイト、ストライカピンアセンブリ、収容面、またはこれらの組み合わせに取り付けることができ、これらの変種は、後でさらに詳細に検討される。
さらに、可能な上述のウエイトの構成の違いにもかかわらず、上述した同じ真空チャンバ構成基準を採用することができる。動作時、装置の完全な往復運動サイクルは、上昇行程、上部行程移行、下降行程、および下部行程移行からなる4つの基本段階(さらに詳しくは後述される)を含む。
これらの4つの段階において、真空チャンバにおけるそれぞれの結果は、以下のとおりである。
・上昇行程:ウエイトが駆動機構によって作業面から遠ざかるように駆動される(すなわち、鉛直に向けられた衝撃軸において、ウエイトが上昇する)につれて、真空チャンバの容積が増加する。真空チャンバは、収容面、ウエイトの表面、および上下の真空シーリングによって空気の進入から封止されているため、チャンバの容積の膨張は、上下の真空シーリングの漏れに応じて、真空チャンバと、典型的には1バールの大気圧である真空チャンバの外側の圧力との間に、対応する圧力差を生じさせる。シーリングの損失の影響にもかかわらず、ハンマーウエイトが往復運動経路の上昇行程の移動限界まで移動するとき、真空チャンバの圧力差は維持される。
・上部行程移行:ポテンシャルエネルギー最大の位置(すなわち、鉛直な往復運動軸における最大高さに対応する上昇行程の移動限界)において、ウエイトは解放され(下方への駆動機構が使用されている場合には、その作用にかかわらず)、重力およびウエイトに作用する圧力差の両方のもとで、作業面に向かって移動する。
・下降行程:ウエイトが作業面/ストライカピンに移動するとき、ウエイトが下降行程の終わりに達するまで、真空チャンバの容積が減少する。
・下部行程移行:真空チャンバの容積は、ウエイトが往復運動サイクルの最下部に位置するウエイトから作業面へのエネルギー伝達の瞬間に、最小になる。次いで、このサイクルが繰り返される。
すでに示したように、上記の説明は、真空チャンバの容積の増加によって上昇行程において生じる圧力差を小さくすると考えられるシーリングの損失の影響を無視している。
したがって、本発明の一態様によれば、衝撃ハンマーが提供され、この衝撃ハンマーは、
・内側側壁を有するハウジングと、
・直線状の衝撃軸に沿って往復移動することができるハンマーウエイトであって、このハンマーウエイトの往復移動時にインパクトハンマーのハウジング内側側壁を含む収容面と少なくとも部分的なシーリング接触をなすように構成および配置されたハンマーウエイトと、
・ハンマーウエイトと収容面の少なくとも一部分との間に形成された可変容積の真空チャンバと
を含む衝撃ハンマーが提供される。
好ましくは、鉛直に向けられたときの直線状の衝撃軸に沿ったハンマーウエイトの完全な往復運動サイクルが、
・ハンマーウエイトのポテンシャルエネルギーが最小である下方の初期位置からハンマーウエイトのポテンシャルエネルギーが最大であるハウジングの遠位端に位置する上方位置までのハンマーウエイト上昇行程長に等しい距離にわたって、ハンマーウエイトが衝撃軸に沿って移動する上昇行程と、
・ハンマーウエイトの移動が、衝撃軸に沿った方向の反転に先立って静止する上部行程移行と、
・ハウジングの遠位端に位置する上方位置から下方位置までのハンマーウエイト下降行程長に等しい距離にわたって、ハンマーウエイトが再び衝撃軸に沿って移動する下降行程と、
・ハンマーウエイトの移動が、後の上昇行程に先立って静止する下部行程移行と
で構成される4つの段階を含む。
好ましくは、ハンマーウエイトのポテンシャルエネルギーは、
・ハンマーウエイトの上昇行程開始位置からの鉛直変位量に重力による力を乗算したものに等しい重力ポテンシャルエネルギーと、
・真空ピストン面の面積と、真空チャンバと大気との間の圧力差との積に、ハンマーウエイト行程長を乗算したものに等しい真空チャンバが発生させるポテンシャルエネルギーと
を含む。
衝撃ハンマーの構成によれば、ハンマーウエイトの上昇行程長とハンマーウエイトの下降行程長とは、等しくてもよいし、わずかに異なっていてもよい。後者の場合、例えば、ストライカピンが摺動可能な結合を備えている場合に、上昇行程の開始時のハンマーウエイトの精密な位置が、作業者がストライカピンをハウジング内に部分的に押し込むかどうかによって決まる。
一態様によれば、収容面は、衝撃軸を取り囲んで実質的に細長く、上部遠位端および反対側の下部遠位端を有する。
好ましくは、収容面の下端は、衝撃ハンマーをキャリアに取り付けるための取り付け位置の近くにある。
好ましくは、往復運動の動作サイクルの際に、収容面の上部および下部遠位端において、ハンマーウエイトは、それぞれ最大および最小のポテンシャルエネルギーを有する。
一態様によれば、ハウジングは、衝撃軸を取り囲んで実質的に細長く、上部遠位端および反対側の下部遠位端を有する。
好ましくは、収容面の下端は、衝撃ハンマーをキャリアに取り付けるための取り付け位置の近くにある。
衝撃ハンマーの分野における本発明の意義を充分に理解するために、適用可能な衝撃ハンマーの構成の範囲およびそれらの顕著な特徴の結果を、考慮することが有用である。
2つの主要な代案のウエイト構成、すなわち
ケース1.衝撃ハンマーのウエイト自体が遠位ツール端を有するハンマーを直接形成するウエイト構成、または
ケース2.衝撃ハンマーのウエイトがストライカピンに衝撃を加えるマスであり、ストライカピンが作業面に衝撃を加えるウエイト構成
が存在し、どちらも、それぞれの種類のウエイト構成に適用することができる2種類の構成にさらに分類することができる。
ケース1またはケース2のいずれにおいても、往復運動サイクルの下降行程を、
・持ち上げたウエイトを重力のもとでのみ落下させ、その運動エネルギーを作業面に伝達するように構成でき、あるいは
・ウエイトを作業面に向かって積極的に駆動して、衝突面に伝達される運動エネルギーを、重力のみによってもたらされる運動エネルギーと比べて増加させるように構成できる。
さらに、上述したハンマーウエイトおよび駆動機構の構成の各々における装置の有効性および効率は、以下の核となる性能パラメータ、すなわち
・装置の全体としての質量(および、サイズ);ならびに、装置の動作および操作に必要なキャリアのサイズおよび出力への相応する影響、
・必要とされる衝撃エネルギー;ならびに、必要な衝撃エネルギーレベルを生み出すためにハンマーウエイトに必要なハンマー質量および高さ、
・必要とされる衝撃エネルギーの頻度;ならびに、駆動機構および/またはハウジングへの悪影響を伴うことなく対応する時間枠内でウエイトを往復運動させる衝撃ハンマーの能力
に左右される。
従来からの重力式衝撃ハンマーの場合、上記のパラメータのいずれかを他のパラメータへの悪影響を伴うことなく改善するための随意選択肢が、きわめて限られる。エネルギー生成量は、通常は、ハンマーウエイトの重力加速度と鉛直落下距離との積から、摩擦、鉛直からの角度、またはリフト機構からの引き摺りによって引き起こされる損失を引き算したものである。作業面にもたらされる衝撃エネルギーは、すべてがウエイトの運動エネルギーによってもたらされ、ハンマーウエイトの質量と速度の2乗との積に比例する。したがって、既存の衝撃ハンマーにおける上記のパラメータの相互依存性は、総質量、衝撃エネルギー、または衝撃頻度を、残りの2つのパラメータの一方または両方に悪影響を及ぼすことなく大幅に改善することを、著しく妨げる。
従来からの重力式衝撃ハンマーにおけるパラメータの相互依存性の限界は、以下の求められる3つの主要な性能改善に関して、さらに充分に説明される。
・衝撃エネルギーを維持しつつハンマーの重量を減らすこと:所与の運動エネルギーをより軽量なハンマーウエイトを使用して達成することは、それに対応して衝撃ハンマーがより軽量になり、したがってキャリアをより軽量にできる可能性があるという潜在的利益をもたらす。しかしながら、これは、求められる衝突速度の必要な増加を達成するために、(落下高さを増加させるための)行程長の増加を必要とすると考えられる。しかしながら、往復運動周期および/または装置の使い勝手/操作性に悪影響を及ぼすことなく実現できる最大のウエイト高さには、実施上の制約が存在する。
追加の落下高さは、追加の装置構造を必然的に必要とし、結果として、キャリアが支えるべき質量を増やす。さらに、距離の増加にもかかわらず同じリフト時間を維持するために、より強力な駆動機構を使用することで、装置の重量および費用が容赦なく増加する。あるいは、同じ出力の駆動機構を使用すると、サイクル時間が長くなると考えられる。さらに、ハンマーウエイトは、往復運動経路にて再び戻る前に上部行程移行において停止しなければならないため、非現実的なほどに頑丈でますます大柄な衝撃吸収用の緩衝器を必要とすることなくウエイトを停止まで減速させるために、実行できるハンマーウエイトの上昇速度に不可避の限界が存在する。そのような緩衝器がないならば、アセンブリハウジングの高さを、重力の作用および駆動機構の摩擦のみによってハンマーウエイトを減速させることができるように、さらにもっと高くしなければならない。
すでに述べたように、これは、結果として、追加の必要なウエイトの移動距離ゆえに、より強力な駆動機構の利益を無効にし、達成可能な衝撃頻度をさらに低下させる。このように、ハンマー重量の軽減による利益が、衝撃頻度の減少、使い勝手/操作性の低下、および上述の他の重量増加によって弱められてしまう。
・ハンマーの重量を増加させることなく衝撃エネルギーを大きくする:落下高さを大きく(上述した同じ付随の欠点を伴う)しない限り、従来からの衝撃ハンマーの衝撃エネルギーをハンマー重量を増やさずに増大させることは、ほぼ不可能である。
・ハンマーの重量を減らさずに衝撃頻度を増やす:ハンマーの重量を減らさずに衝撃頻度を増すためには、落下高さを減らさなければならず、あるいは駆動機構のリフト速度を高めなければならない。しかしながら、前者の場合、衝撃エネルギーはそれに応じて減少する。後者の場合、高くなったハンマーウエイトの速度を下降行程の前に停止させる必要があるという困難が、依然として存在する。上述のように、これは、より大きな落下高さおよび/または緩衝器を必要とし、どちらも総重量を増加させると考えられる。
これらの要因が、重力式衝撃ハンマーのウエイトの衝突速度を高める別の方法を奨励する。そのような方法の1つは、下降行程においても駆動機構を利用して下向きの力を加えること、すなわち下降駆動機構である。第2の方法は、上昇行程においてウエイトを持ち上げる際に利用可能な駆動機構からの余剰の未利用の力を蓄え、衝撃の下降行程において使用することで、第1の方法を補う。これらの方法は、どちらも、ハンマーの重量の削減、上昇高さの低減、衝撃エネルギーの増加、または往復運動周期の短縮を含む衝撃ハンマーパラメータのうちの1つ以上を好都合に変更する能力を提供する。
これらの方法はどちらも、特許文献7および9にそれぞれ記載された本発明の発明者の先行の発明において取り組みがなされてる。これらの方法のどちらも上述の利点をもたらすが、下降駆動機構およびエネルギー貯蔵コンポーネントならびに下降行程におけるウエイトへの結合の手段は、本質的に装置の複雑さおよび重量を増す。
本明細書に記載の装置は、本発明の発明者の上述の両方の方法と同様の利点をもたらすだけでなく、それらを装置の重量または複雑さを増すことなく達成する。好都合には、本明細書に記載の装置を、随意により、上述の方法の一方または両方に加えて使用して、さらに改善された装置をもたらすことができる。
往復運動経路の上昇行程におけるウエイトの上昇時に真空チャンバ内に真空を作り出すことで、真空チャンバと大気との間の圧力差に起因する対応する反対向きの力が生じる。ウエイトは往復運動経路へと拘束されているため、ウエイトに加わる大気圧の力は、往復運動経路に沿って下方に向かい、ハンマーウエイトに作用する重力と合成される。
しかしながら、(ウエイトを介して)真空チャンバの真空ピストン面に加わる大気圧は、キャリアまたは駆動機構からのいかなる追加のエネルギーも必要とせずに、下降行程に作用する。また、真空チャンバアセンブリは、追加の外部貯蔵装置の追加の重量および複雑さを必要としない。とくに、無視できる程度であるシーリングの重量を除き、真空チャンバ自体は、必ずしも装置の質量を増やさない。ハンマーウエイトおよび衝撃ハンマーの関連のハウジングは、ハンマーウエイトの下方にきわめて大きな真空の発生を可能にするかなりの断面を有する。
したがって、衝撃エネルギー、時間あたりのトン数発生速度、または衝撃ハンマー重量などのパラメータの改善を、残りの衝撃ハンマー性能変数を実質的に一定に保ちつつ個々に確認することによって、先行技術の重力のみの衝撃ハンマーに対する本明細書に記載の衝撃ハンマーの比較評価を行うことが可能である。主な例として、衝撃ハンマーの軽量化(ひいては、より軽量な掘削機を使用できることによるコスト節約)の利点を比較するために、比較される衝撃ハンマーが、例えば同じ衝撃エネルギーまたは他の適切な性能指標を示すことが必要である。関連のキャリア/掘削機の全体的なコストに対する衝撃ハンマーの軽量化の重要性は、次のように説明される。
掘削機市場は、充分に確立されており、商業的、伝統的、および慣習的理由から、掘削機は、指定されたバンドまたはクラスに該当する仕様で製造される。とくに、掘削機は、主として、以下のクラスに該当する総重量にて構成されている。
・20〜25トン
・30〜36トン
・40〜55トン
・65〜80トン
・100〜120トン
各々のクラスは、大きな重量範囲を含んでいるが、掘削機のコストは、個々の重量によって直接的に左右される。したがって、掘削機の購入者は、必要とされる作業を実行することができる所与のクラス内で最も軽量な掘削機を選択するように強く動機付けられる。例えば、56トンの掘削機を必要とするアタッチメントを有する作業者/購入者は、約10米ドル/kgのコストを被る可能性があり、したがって理論上の56トンの掘削機のコストは、570,000米ドルになるはずである。しかしながら、作業者は実際にはコストが650,000米ドルである65トンの掘削機を使用する必要があり、これは、より軽量なクラスからの掘削機に比べて14%のコスト増である。商業的な実際の現実は、クラスの重量境界の限界に精密に位置する掘削機の入手可能性によってさらに複雑であり、作業者はさらに重い掘削機の使用を強いられる。さらに、キャリアのキログラム当たりのコストは、異なる重量クラスの間で均一ではなく、むしろ重いキャリアクラス(とくには、40トン超)について、利用可能性が限られているため、不釣り合いに増加する。このように、必要な最軽量の掘削機を使用してコストを節約することが、最も重要であると理解することができる。
キャリアの重量と任意のアタッチメントについてのキャリアの重量支持能力との間の相互関係は、この技術分野において周知であり、これにより、比例関係において、キャリア(典型的には、掘削機)はアタッチメントの重量の少なくとも6〜7倍の重量でなければならない。したがって、衝撃ハンマーなどのアタッチメントの軽量化は、アタッチメントの操作に必要な掘削機の重量に、対応する6〜7倍の削減を生み出す可能性を有し得る。以下に、掘削機の重量クラスと、より高い重量クラスからの移行に必要な軽量化との比較を示す。
表1から、あらゆるクラスにおいて、約11〜20%の間の衝撃ハンマー総重量の軽量化が、必要とされる掘削機をより軽量なクラスに変更するために潜在的に充分であることを、見て取ることができる。これらの潜在的な重量の削減は、掘削機クラスの隣接する限界間の移行に必要な最小限の軽量化に基づく。したがって、上記の表は、より軽量なクラスの掘削機を使用できるというきわめて有益なコスト節約につながるアタッチメントの軽量化の最小範囲を本質的に概説している。
さらに大きな軽量化は、作業者がクラス内のより重い掘削機の大幅に広い選択項目から選択を行うことを可能にすると考えられる。実際には、任意の所与の時点/場所における利用可能な掘削機の選択は、最適な重量の掘削機の使用を容易に妨げ、より重い機械の使用を強いる可能性がある。さらに、掘削機の各クラスにおいて、重量帯の中央の重量を有する機械の方が、重量帯の周辺の重量を有する機械よりもはるかに多い。したがって、次のクラスの境界の充分に内側の掘削機の使用を可能にする衝撃ハンマーの軽量化は、掘削機の重量クラスを単にまたぐにすぎない軽量化と比べ、不釣り合いな利益をもたらす。このような軽量化のための本発明の潜在的可能性は、多数の他の性能パラメータに加えて、先行技術との比較において以下に例示される。
当然ながら、上述したように、軽量化自体は、単に衝撃ハンマーの他の性能パラメータに妥協することにより、さまざまな手段によって達成可能である。したがって、意味のある評価は、例えば衝撃ハンマーの重量などの単一のパラメータの先行技術との比較において、特定の重要なパラメータを固定することによってのみ可能である。
したがって、表2〜表3(付録を参照)が、真空アシスト衝撃ハンマーの一実施形態の3つの異なる衝撃ハンマーウエイトについて、最良の性能の同等の先行技術の重力のみの衝撃ハンマーとの比較を示している。挙げられている先行技術のハンマーは、上記の重量クラスの掘削機を必要とする市販の最上の性能の衝撃ハンマーである。DX900およびDX1800は、重力のみのハンマーウエイトをストライカピンへと落下させ、ストライカピンで作業面に衝撃を加えるように構成された異なるサイズ/重量の衝撃ハンマーである。本発明の発明者は、両方のDX装置の創作者である。両方のDX衝撃ハンマーが、本発明に最も近い性能の競争相手を呈するが、SS80およびSS150の形態のさらなる先行技術が、適切な業界の状況を示すために含まれる。SS80およびSS150は、Surestrike International,Incによって製造され、やはりストライカピンへと落下する重力のみのハンマーウエイトによって同様に構成された装置である。
上記の表2および表3(付録を参照)は、実際の先行技術の重力のみの衝撃ハンマーおよび本発明による真空アシスト衝撃ハンマーの重要な物理的パラメータおよび性能パラメータを詳しく示している。先行技術の衝撃ハンマーは、それらの同等なハンマーウエイト質量および行程長ゆえに比較用として選択されている。当然ながら、XT1000、XT2000、およびXT4000と標記された本明細書に開示の実施形態は、とくに先行技術の衝撃ハンマーとの比較を容易にするように構成されているわけではなく、したがって衝撃エネルギーおよび生産性などのいくつかの点で異なっている。本発明の真空アシストの利点の1つは、性能の改善が、異なるサイズの衝撃ハンマーへと本質的に拡大縮小可能であることである。したがって、以下の表4および表5は、先行技術の重力のみの衝撃ハンマーの特定のパラメータに一致するように精密に構成された真空アシスト衝撃ハンマー(1〜8で示されている)について作成されている。
表4(付録を参照)は、先行技術のDX900、SS80、DX188、およびSS150と、同じ衝撃ハンマー総重量(したがって、キャリア重量)および行程長を有する真空衝撃ハンマー1〜4とを比較しており、それぞれ105%、260%、183%、および206%の衝撃エネルギーの改善がもたらされている。鉛直な衝撃軸における生産速度の相応の改善は、それぞれ325%、695%、337%、および505%でさらにもっと異なる。45°の衝撃軸の傾きにおいて、生産速度の改善は、それぞれ712%、1,394%、727%、および1,045%へとさらに大きくなる。
表5(付録を参照)は、衝撃エネルギーを等しくしたときの上記の先行技術の衝撃ハンマーと本発明の真空衝撃ハンマー(5〜8)との間の重量の差に注目している。本発明の衝撃ハンマー(5〜8)とDX900、SS80、DX188、およびSS150との間で得られた重量削減は、それぞれ42%、60%、48%、および58%である。本発明の衝撃ハンマー5〜8は、より軽量なキャリアをより短いサイクル時間(他の箇所でさらに充分に検討する)とともに使用することができる結果として、DX900、SS80、DX188、およびSS150のコストに対してそれぞれ65%、81%、69%、および76%の削減という(鉛直な衝撃軸の向きにおける)生産1時間当たりのトン当たりのキャリアコストの改善をもたらす。
表6(付録を参照)は、生産性をこれまでの例において参照したものと同じ先行技術の衝撃ハンマーのそれぞれと同じにした本発明の衝撃ハンマー(No.9〜12)のさらに4つの構成を示している。すでに見られたように、本発明は、同等の先行技術の衝撃ハンマーと比べて著しく軽い。
したがって、本発明が生産性において先行技術と名目上同一であるように構成されたとしても、その軽量化は、必要なキャリアのコストの大幅な節約、ならびに必要とされるハウジングおよびハンマーウエイトが相応に軽くて済むがゆえの製造コストの節約をもたらす。これらの節約は、鉛直に向けられた衝撃軸において、それぞれDX900、SS80、DX188、およびSS150に対して151%、345%、181%、および274%という真空衝撃ハンマーNo.9〜12による生産1時間当たりのトン当たりのキャリアコストの改善へと変換される。この改善は、45°における生産1時間当たりのトン当たりのキャリアコストの数値によって示されるように、傾斜した衝撃軸の向きにおいてさらに顕著である。
本明細書に記載の実施形態は、先行技術に対するきわめて大きな性能改善を達成するための手段を提供する。衝撃ハンマーの真空アシストは、より軽量なハンマーウエイトの使用を可能にし、これは、衝撃ハンマー自体の材料および製造コストを低減するだけでなく、より軽量な掘削機を使用することに関連する運転コストも低減する。
本発明と先行技術との間の大差は、より控えめな改善(以下に詳述する)であっても本発明の実施形態によってもたらされる本発明の利点の明確な現れを呈するような大差である。
好ましくは、衝撃ハンマーは、
・3.6トンまでの装置総重量において、少なくとも70キロジュールの衝撃エネルギー、
・3.6トンまでの装置総重量で、重量が4.5〜6.5トンの間である重力のみの衝撃ハンマーと同等以上の衝撃エネルギーを出力、
・3.6トンまでの装置総重量で、30〜36トンのキャリアを必要とする重力のみの衝撃ハンマーと同等以上の衝撃エネルギーを出力、
・6.0トンまでの装置総重量において、少なくとも150キロジュールの衝撃エネルギー、
・6.0トンまでの装置総重量で、重量が8〜11トンの間である重力のみの衝撃ハンマーと同等以上の衝撃エネルギーを出力、
・6.0トンまでの装置総重量で、65〜80トンのキャリアを必要とする重力のみの衝撃ハンマーと同等以上の衝撃エネルギーを出力、
・11トンまでの装置総重量において、少なくとも270キロジュールの衝撃エネルギー、
・11トンまでの装置総重量で、重量が15〜20トンの間である重力のみの衝撃ハンマーと同等以上の衝撃エネルギーを出力、
・11トンまでの装置総重量で、65〜80トンのキャリアを必要とする重力衝撃ハンマーが出力する衝撃エネルギーの少なくとも50%増に相当する衝撃エネルギーを出力
のうちの1つ以上にて構成される。
掘削機の典型的な資本コストは、おおむねキロ当たり10米ドルまたは6.25ユーロであるため、上記の構成のいずれも、とりわけより重いクラスの掘削機において上述のようにコストが不釣り合いに高くなることに鑑みて、顕著なコスト削減をもたらすことがすぐに分かる。
やはり上記で明らかに実証されているように、作業面への必要な衝撃エネルギーを達成するために、可能な限り最も軽い衝撃ハンマー重量を利用することが、きわめて望ましい。ハンマーウエイト自体が衝撃ハンマー装置の総重量の支配的要因であるため、より軽量なハンマーウエイトが、後で説明される多数の結果的な重量削減(例えば、収容面/ハウジングが軽くて済む)とともに、より軽い装置総重量に直接貢献する。
したがって、本発明の実施形態は、下方駆動機構の使用によって生じる重量増加を伴うことなく、下降行程においてウエイトへと超重力(重力よりも大きい力)を加えることを可能にする。
従来からの重力のみの衝撃ハンマーに対する本発明の実施形態のさらに別の利点は、非鉛直な衝撃軸の向きでの動作における大幅に改善された性能能力である。典型的には、重力のみの衝撃ハンマーは、傾けられるにつれて、有効落下高さが減少する一方で、ハンマーウエイトが周期的な動作においてハウジングにますます支えられるようになるため、摩擦に起因する抵抗が増大する。衝撃軸の鉛直から傾斜角度が60°を超えると、典型的には、重力のみのハンマーにおいては、往復運動するハンマーウエイトが動かなくなってしまう。
しかしながら、衝撃ハンマーの真空アシストによってもたらされるポテンシャルエネルギーは、向きの変化によって減少することはなく、反対に、上向きを含む衝撃軸のいかなる向きでも、変化しないままである。さらに、真空効果は、衝撃ハンマーの質量を増やすことがないため、衝撃ハンマーが傾けられたとき、真空に起因する収容面との摩擦の増加は存在しない。したがって、衝撃エネルギーのうちの真空によって生み出される部分は、傾けられた衝撃ハンマーにおいて摩擦を増やすことなく、より大きな衝撃エネルギーをもたらすがゆえに、傾けられた真空アシスト衝撃ハンマーの総摩擦損失は、同じ衝撃エネルギーを可能にする従来からの重力のみの衝撃ハンマーと比べてはるかに少ない。
数値例にて性能上の利点を説明するために、表8(付録を参照)は、0°および45°の両方の衝撃軸の傾斜において、重力のみの衝撃ハンマーを、真空アシスト衝撃ハンマーの形態の本発明の実施形態と比較している。
上記の比較において分かるように、鉛直な衝撃軸および理論上等しい衝撃エネルギー(30,000J)であっても、重力のみの衝撃ハンマーは、より大きなエネルギー損失を招き、すなわちエネルギー損失が、真空アシスト衝撃ハンマーにおける1,600Jと比較して、4,500Jである。この大きな損失は、より大きなハンマーウエイトによって生じるより大きな摩擦と、より大きい空気変位損失との直接的な結果である。この差は、衝撃軸の傾斜が大きくなるにつれて著しく増加する。衝撃軸の傾斜が45°であるとき、重力のみの衝撃ハンマーおよび真空アシスト衝撃ハンマーの摩擦および空気変位によるエネルギー損失は、今やそれぞれ6,360Jおよび2,350Jであることを見て取ることができる。このように、真空アシスト式衝撃ハンマーは、衝撃軸の傾斜が0°であるとき、重力のみの衝撃ハンマーによって行われる仕事の115%を実行することができ、衝撃軸の傾斜が45°になると194%に増加する。この差は、重力のみの衝撃ハンマーが完全に機能しなくなる点(約65〜70°)まで、傾斜が増加するにつれてますます顕著になる。
好ましくは、衝撃ハンマーは、0°から少なくとも60°までの鉛直からの衝撃軸の傾斜角度で動作可能であるように構成されている。
一実施形態において、鉛直からの動作可能な衝撃軸の傾斜角度は、0〜90°である。
さらなる実施形態において、鉛直からの動作可能な衝撃軸の傾斜角度は、0〜180°である。
一実施形態において、最大の重力によるポテンシャルエネルギーは、最大の真空チャンバによるポテンシャルエネルギーよりも小さい。
好ましくは、ハンマーウエイトは、ストライカピンの長手軸に実質的に同軸な衝撃軸に沿ってストライカピンの被駆動端に衝突する。
好ましくは、ストライカピンは、衝撃端がハウジングから突出するように、ノーズブロックにおいてハウジング内に位置することができ、衝撃吸装置は、ノーズブロックの内部でストライカピンに結合される。
本発明の別の態様によれば、実質的に上述したとおりの衝撃ハンマーを移動式のキャリアによって支持されて備える移動式衝撃ハンマーが提供され、この衝撃ハンマーは、使用時に、0°から少なくとも45°、好ましくは少なくとも60°の鉛直からの衝撃軸の傾斜角度で動作可能である。
好ましくは、移動式衝撃ハンマーは、ハンマーウエイトの往復運動サイクル毎に少なくとも5000ジュールの衝撃エネルギーを与えるように構成される。
このような傾斜角度で動作できる能力は、狭い領域での作業、急峻な岩壁の付近での作業、トンネル掘削、溝掘り、などの重力のみの衝撃ハンマーでは実行不可能な用途における作業を可能にする。
本発明の別の態様によれば、移動式衝撃ハンマーは、この衝撃ハンマーが支持の移動式キャリアの質量と実質的に等しいか、あるいはそれ以上であるように構成される。
さらなる実施形態によれば、衝撃ハンマーは、遠隔操作式および/またはロボット式のトンネル掘削衝撃ハンマーとして構成される。
本発明は、専用のロボット式トンネル掘削衝撃ハンマーが、作業者を危険に曝すデブリの落下の恐れなく、浅い衝撃角度で動作することを可能にする。当然ながら、水平に近い衝撃軸の角度での動作は、衝撃エネルギーの大部分(>80%)を真空効果によって発生させることを必要とし、したがって大きな重量対真空表面積比を必要とする。
理解されるように、衝撃ハンマーが任意の上向き傾斜で動作するように意図される場合、ハンマーウエイトは、索、拘束具、リース、などを備えることができる。このようなハンマーウエイトの拘束は、駆動機構のコンポーネントを傷める可能性および危険を呈する可能性がある真空チャンバのシーリングの不具合の場合のハウジングからのウエイトの滑落を、防止すると考えられる。また、トンネル掘削作業および/または60°超での他の対象への衝撃印加作業が可能な本発明の衝撃ハンマーが、作業の個々の状況に応じて、必ずしもロボット式および/または遠隔制御式でなくてもよいことを、理解できるであろう。本発明の真空アシスト衝撃ハンマーを備える適切に保護された人の操作による掘削機も、このような状況において使用可能である。
好ましくは、駆動機構は、往復運動軸に沿ってハンマーウエイトを上昇させるように動作可能な上昇行程駆動機構である。
好ましくは、駆動機構は、可撓コネクタによってハンマーウエイトに接続された駆動部を含む。可撓コネクタは、ベルト、ケーブル、環索、チェーン、ロープ、ワイヤ、ライン、または他の充分に強い可撓性の接続部を含むことができる。
好ましくは、駆動部は、ハウジングの上部遠位端よりも下方に配置される。
好ましくは、駆動部は、重心をハウジングの上部遠位端とストライカピンの被駆動端との間に位置させてハンマーウエイトの上昇行程の終わりよりも下方に位置する。
好ましくは、駆動部は、重心を収容面の遠位端の間に位置させてハンマーウエイトの上昇行程の終わりよりも下方に位置する。
好ましくは、可撓コネクタは、ハウジングの上部遠位端に位置する少なくとも1つのプーリの周囲を通過し、駆動部は、プーリの周囲の可撓コネクタを介してハンマーウエイトを上方へと引っ張るように構成される。
駆動部は、直線往復運動駆動部である、請求項1に記載の衝撃ハンマー。
一態様によれば、駆動機構は、好ましくは、重心を収容面の遠位端の間に位置させてハンマーウエイトの上昇行程の終わりよりも下方に位置する。
好ましくは、駆動機構は、重心をハウジングの遠位端とストライカピンの被駆動端との間に位置させてハンマーウエイトの上昇行程の終わりよりも下方に位置する。
一実施形態によれば、駆動機構は、
・駆動部と、
・少なくとも1つの環索と、
・少なくとも1つのシーブと
を含む。
好ましくは、駆動機構は、プーリおよび/またはウインチをさらに含む。好ましくは、駆動部は、(直接的に、あるいはプーリまたはウインチを介して)環索によってハンマーウエイトを引っ張るように構成され、ハウジングの上端のシーブの周囲で向きを変える油圧または空気圧ラムなどを含む。
このようにして、衝撃ハンマーは、緩衝器のマス、あるいは駆動機構のラム駆動部、圧力チャンバ、などをハウジング/収容面の上部遠位端に不都合にも加えることなく、傾けられた衝撃軸での動作において効果的な衝撃エネルギーレベルおよび低サイクル時間を提供することができる。これにより、衝撃ハンマーは、キャリアの取り付け点に過度の追加のトルク負荷を加えることなく、依然として従来からのキャリア/掘削機によって移動可能かつ操作可能である。
さらに、真空アシストを備えることで、所与の衝撃エネルギーの達成において、ハンマー重量の削減に加えて、またさらなる結果としての重量節約がもたらされる。
他の箇所で論じられるとおり、動作サイクルにおいて、下降行程の終わりに、ハンマーウエイトがストライカピンの被駆動端に衝突し、運動エネルギーがストライカピンを介して作業面に伝達される。
実際には、下記の事象など、ハンマーウエイトの運動エネルギーのすべてが作業面に伝達されるわけではない。
・作業者が衝撃端を作業面に接触させることなくストライカピンの被駆動端へとハンマーウエイトを落下させたときに、ハンマーウエイトの衝突が衝撃ハンマーを通過する相当の衝撃荷重をもたらし、衝撃ハンマーによって吸収される「ミスヒット」。
・たとえ作業面が打撃によって首尾よく砕けたとしても、衝撃によって吸収されるエネルギーがストライカピンおよびハンマーウエイトの運動エネルギーの一部でしかない可能性がある「オーバーヒット」。そのような場合、衝撃ハンマーへの結果としての影響は、「ミスヒット」に直接匹敵する。
・割れが生じるまでに複数回の衝撃を必要とし、したがってストライカピンまたはハンマーウエイトが破壊されていない作業面から跳ね返り得る作業面の性質。跳ね返るハンマーウエイトの方向は、主に衝撃軸に対して横方向の成分を含み、したがってハンマーウエイトを収容面に接触させる。
実際には、衝撃印加作業は、さまざまな傾きで行われ、衝撃軸を完全に鉛直にして実行されることはまれである。
このような横方向の衝撃からのハンマーウエイトと収容面との間の主な接触領域の位置は、ストライカピンに接触するときのハンマーウエイトに直接隣接する。したがって、ストライカピンとの衝突の時点におけるハンマーウエイトを取り囲む収容面および隣接するハンマーハウジングの横接触領域(本明細書において、ハウジング増強部分と称される)は、ハウジングの残りの部分と比べてさらに強化される。このように、本発明の実施形態は、衝撃軸に平行なハンマーウエイトのサイズの縮小ゆえにハウジング増強部分が短くて済むため、同じ衝撃エネルギーを発生する重力のみの衝撃ハンマーと比較して、さらなる軽量化を図ることができる。
さらなる態様によれば、真空アシスト衝撃ハンマーは、同等の衝撃エネルギーを発生させる同じ断面積の重力のみの衝撃ハンマーとの比較におけるハウジング重量の節約的低減を提供することができ、このハウジング重量の節約的低減は、衝撃軸に沿ったウエイトの寸法の差に比例する。
ハウジング重量の節約的低減は、下記を含むいくつかのさらなる要素ゆえのハンマーウエイトの体積サイズの縮小に比例する。
・真空アシスト衝撃ハンマーは、ハンマーウエイトの体積サイズがより小さいため、より短いハウジングおよび収容面で、衝撃軸に沿った同じハンマーウエイト移動距離を囲むことができる。
・真空アシスト衝撃ハンマーは、ハンマーウエイトの体積サイズがより小さく、質量が小さいため、これに比例してハウジング増強部分への横方向の衝撃力が小さく、したがって必要な増強が少ない。
・真空アシスト衝撃ハンマーは、(同等の横断面積のハンマーウエイトにおいて)衝撃軸に平行なハンマーウエイトの長さが短いため、ハンマーウエイトの横移動から生じる偶力がより小さく、したがって収容面との点荷重の横方向の衝突もより小さく、これに比例して必要な増強が少ない。
上述の理由のいずれか/すべてのために重力のみの衝撃ハンマーが必要とする追加の重量は、全体的な重量の増加がその値の6〜7倍を必要な掘削機の重量に加算する結果となるため、本発明の実施形態と比べた相対的な性能の欠点をさらに悪化させる。
したがって、好ましくは、衝撃軸に沿ったウエイトの寸法の差に比例するハウジング重量の節約的低減は、
・ハンマーウエイト上昇行程長の差に対応するハウジング長の差によるハウジング重量の節約、
・上昇行程の出発位置から衝撃軸に沿ったウエイトの寸法に少なくとも実質的に等しい長さにわたるハウジング増強部分の衝撃軸に平行に延びる寸法の差に比例したハウジング重量の節約、および/または
・上昇行程の出発位置から衝撃軸に沿ったウエイトの寸法に少なくとも実質的に等しい長さにわたるハウジング増強部分の衝撃軸に対して横方向に延びる寸法の差に起因するハウジング重量の節約
のうちの少なくとも1つを含む。
本発明の実施形態のまたさらなる利点は、動作サイクル時間の改善に関する。すでに述べたように、動作時、装置の完全な往復運動サイクルは、上昇行程、上部行程移行、下降行程、および下部行程移行からなる4つの基本段階を含む。往復運動サイクルの支配的な時間成分は、上部行程移行が典型的には瞬時であることに鑑みて、上昇行程および下降行程である。下部行程移行のタイミングは、ハンマーウエイトが最初の衝突後の跳ね返りを停止したことを保証するために必要な時間によって左右されるが、跳ね返りの大きさも、真空チャンバ内に生成された対応する真空の影響によって弱められる。
しかしながら、単純に上昇速度を高めることへの障害は、上昇行程の終わりにおいてハンマーウエイトを停止させるという問題である。駆動機構が上昇行程においてハンマーウエイトを積極的に上昇させることを止めた後に、運動量が、重力ならびに駆動機構および収容面との接触からの摩擦に逆らって、ハンマーウエイトの運動を継続するように作用する。したがって、ハンマーウエイトの上昇速度を大きくすると、駆動機構による積極的な持ち上げの終わりにおけるハンマーウエイトの運動量が大きくなり、ウエイトをウエイトが減速して停止するまで収容および案内するために、より長い収容面が必要になる。
ハンマーウエイトをより短い距離で減速させるために緩衝器または何らかの形態のクッションを追加するという代案も、ほとんど魅力的でない。ハンマーウエイトの大きな質量ゆえに、意味のある効果を提供するため、および充分に堅牢であるために、緩衝器はかなりのものである必要がある。どちらの代案によっても、ハウジングの上端に加えられる追加の重量は、著しい性能への影響を呈する。追加の重量がキャリアへの衝撃ハンマーの取り付けに作用させる追加のトルクは、追加のハウジング長の直接の重量の不利益に加えて、対応する強化を必要とする。
より重要なことに、物理的な緩衝器へのハンマーウエイトの衝撃は、作業者による作業面上の所望の位置(例えば、岩石の中心、または亀裂、など)へのストライカピンの配置を乱すことが避けられず、時間のかかる再配置を必要にし、さらには/あるいは望ましくない「ミスヒット」を引き起こす。
下降行程の継続時間は、単純に有効落下高さと、ハンマーウエイトとハウジングの収容面との間の反対向きの摩擦力と、駆動機構の慣性との関数である。やはり上述したように、衝撃ハンマーの傾きが鉛直な衝撃軸から離れるにつれて、ハンマーウエイトの有効落下高さが減少し、反対向きの摩擦力が増加することを、理解できるであろう。したがって、下降行程の可能な最小の継続時間は、重力のもとで落下する拘束のないウエイトの自由落下時間よりも短くはなり得ない。したがって、実際には、上述の摩擦による拘束ゆえに、下降行程の継続時間は常にこれよりも長い。
上述の両方の制約とは対照的に、真空アシストの追加は、上述の欠点のいずれも伴うことなく、全体としてのサイクル時間の明らかな短縮をもたらす。真空チャンバへの大気圧は、向きにかかわらず、真空チャンバを圧縮するようにウエイトを駆動するように作用する。したがって、上昇行程において、駆動機構によるハンマーウエイトの上昇の停止後に、真空チャンバの膨張(すなわち、衝撃軸に沿って上昇するハンマーウエイトの継続した移動)に逆らう力が、重力の作用に加えて、ハンマーウエイトを減速させて停止させるように依然として働く。同様に、下降行程において、真空チャンバに作用する大気の復元力は、重力に加えて、ハンマーウエイトへの力を増加させる。この明白かつ大きな利点を説明するために、表9が、5mという同じ落下高さ、同じハンマーウエイト、および同じ駆動機構を有しており、本発明の衝撃ハンマーが真空アシストを備える点においてのみ異なっている同等の衝撃ハンマー間の比較を行っている。重力のみの衝撃ハンマーおよび真空アシスト衝撃ハンマーの数値は、両方とも、典型的な引き摺り要因を有する鉛直に向けられた衝撃軸から得られている。表9の例において、真空対重量比は2:1である。より大きな真空比により、それに対応する短いサイクル時間をもたらすことができることを、理解できるであろう。
実際には、ハンマーウエイトについて選択される停止距離は、他の衝撃ハンマー性能基準の重要性に応じて、200mmから500mmまでさまざまであり得る。しかしながら、意味のある比較を保証するために、重力のみの衝撃ハンマーおよび真空アシスト衝撃ハンマーの停止距離の間の一致は、3m/sおよび5m/sというそれぞれのハンマーウエイト速度で達成される420mmである。
したがって、実際の最小サイクル時間が、重力のみの衝撃ハンマーの場合に約3.27秒であり、真空アシスト衝撃ハンマーの場合に約1.91秒であると、理解することができる。このサイクル時間の短縮は、真空アシスト衝撃ハンマーに重力のみ衝撃ハンマーに対する171%の改善をもたらす。衝撃ハンマーの生産性は作業面への打撃の頻度に直接的に関係するため、このサイクル時間の短縮は、生産性の向上に直接的につながる。
ハンマーウエイトへの駆動機構の作用の停止後の上昇行程におけるハンマーウエイトの運動の減速または制動における真空の効果は、本質的に緩衝作用をもたらす。真空によるポテンシャルエネルギーの大きさは、上昇行程の終わりにおいてピークにある。しかしながら、シーリングの損失にもかかわらず、真空チャンバに対して(ハンマーウエイトを介して)作用する大気圧の力は、上昇行程の全体を通して一定であり、したがって駆動機構がハンマーウエイトを積極的に進めることを止めた後でさえ、ハンマーウエイトの運動に制動作用を加え続ける。したがって、大気の圧力差が、重力の減速効果と複合して、サイクルのこの部分からサイクル時間を大幅に減少させるように作用する。
このような強い制動効果を物理的な緩衝システムで再現することには、非常に問題がある。第1に、ハウジングの上部遠位端に配置された追加の質量の位置が、衝撃ハンマーが運動時に掘削機の取り付けへと生じさせるトルク負荷を、激化させると考えられる。第2に、追加の重量の大きさは、上述したように、掘削機の重量に6〜7倍の増加を加えると考えられる。第3に、衝撃軸の傾きが大きくなると、重力の減速効果がさらに減少するので、さらに強力であり、したがってより重い緩衝器が必要になると考えられる。対照的に、真空による制動力は、角度の向きに影響されない。
一実施形態によれば、本発明は、衝撃ハンマーであり、
衝撃ハンマーは、
・内側側壁を有するハウジングと、
・直線状の衝撃軸に沿って往復移動することができるハンマーウエイトであって、ハンマーウエイトの往復移動の際に衝撃ハンマーの収容面と少なくとも部分的なシーリング接触をなすように構成および配置され、収容面はハウジングの内側側壁を含んでいるハンマーウエイトと、
・駆動機構と
を含み、
動作時に、鉛直に向けられたときの直線状の衝撃軸に沿ったハンマーウエイトの完全な往復運動サイクルが、
・ハンマーウエイトが、初期の被駆動部分と非駆動部分とからなるハンマーウエイト上昇行程長に等しい距離にわたって衝撃軸に沿って移動し、ハンマーウエイトは、駆動機構によって下方の初期位置から被駆動部分に沿って移動させられた後に、非駆動部分に沿ってハウジングの遠位端に位置する最終的な上方位置に移動する上昇行程と、
・ハンマーウエイトの移動が、衝撃軸に沿った上昇行程に対して往復運動方向を反対にする前に停止する上部行程移行と、
・ハンマーウエイトが、ハウジングの遠位端に位置する上方位置から下方位置までのハンマーウエイト下降行程長に等しい距離にわたって、再び衝撃軸に沿って移動する下降行程と、
・ハンマーウエイトの移動が、後の上昇行程に先立って停止される下部行程移行と
で構成される4つの段階を含み、
衝撃ハンマーは、
・ハンマーウエイトと収容面の少なくとも一部分との間に形成された可変容積の真空チャンバ
を含む大気上昇行程ブレーキをさらに含み、
上昇行程における衝撃軸に沿ったハンマーウエイトの移動が、真空チャンバと衝撃ハンマー大気との間に圧力差を生じさせ、上昇行程大気ブレーキは、非駆動部分におけるハンマーウエイトの移動に対して圧力差を印加して、ハンマーウエイトの上昇行程の移動を減速させる。
好ましくは、ハンマーウエイトの上面の少なくとも一部分は、大気に開放されている。
さらなる態様によれば、本発明は、上昇行程大気ブレーキを含む実質的に上述したとおりの移動式キャリアおよび真空アシスト衝撃ハンマーを提供し、衝撃ハンマーは、0°から少なくとも45°、好ましくは少なくとも60°の鉛直からの衝撃軸の傾斜角度で動作可能である。
本明細書において参照される本発明の多数の構成から気付くことができるとおり、真の多用途性が、それ自体、真空アシストハンマーの注目すべき特徴である。衝撃エネルギーを増やし、重量を削減し、装置をコンパクトにし、運転および製造コストを削減し、生産性を高め、サイクル時間を短くする、などの真空アシストの能力は、種々の作業者の優先順位に適するように衝撃ハンマーを最適に設定するために設計者にとって利用可能な広範囲の可変のパラメータを示す。以下の比較表が、さまざまな性能の優先順位を有する作業者に本発明が対応するいくつかの幅広くさまざまな状況を示す。各々の状況における本発明の真空アシスト衝撃ハンマーが、最も近い性能の先行技術の重力のみの衝撃ハンマーと比較される。先行技術の衝撃ハンマーのいずれも、それぞれの性能基準を満たすうえで、ほとんど太刀打ちできないことに注意すべきである。
図面から分かるように、本発明について考えられるさまざまな表出ならびに先行技術に対するその利点の実装の柔軟性は、それ自体が独特の利点を呈する。
上述したように、表1が、(一定の衝撃エネルギーにおいて)所与の重量クラス内の最も軽い掘削機によって運転される衝撃ハンマーを隣接するより軽量なクラス内の最も重い掘削機によって運転できるようにするために必要な最小限の衝撃ハンマーの軽量化を示している。これは、運転におけるきわめて大きな経済的節約をもたらすが、作業者に最大限の理論的汎用性を与えるために、理想的な重量削減は、或るクラスの重量下限と次のクラスの重量上限との間の移行を可能にすると考えられる。
例として、表11が、2つの最も重い最も強力な重力のみの衝撃ハンマー、すなわちSS150およびDX1800のそれぞれの時間当たりの生産トン数に依然として匹敵しつつ、可能な限り最も軽い掘削機で担持することができる衝撃ハンマーを求める作業者の状況を示している。時間当たりの生産トン数が、衝撃印加の作業における生産性の主要な指標であるが、キャリアのコストが、単一の最大の運転コストである。
したがって、前者を同等に維持しつつ、後者を減らすことにより、本発明の一実施形態の真空アシスト衝撃ハンマー(XT1200と標記されている)は、著しく費用効果が高い。さらに、重量が3.9トンであるXT1200が、20〜25トンのクラスからの25トンのキャリアによって担持可能である一方で、先行技術のSS150およびDX1800ハンマーは、どちらも65〜80トンのクラスからのキャリアを必要とすることを、見て取ることができる。したがって、XT1200は、65トンおよび80トンのDX1800およびSS150と比べて完全に2クラス分は軽いキャリアしか必要とせず、キャリアのコスト削減はそれぞれ330,000ドルおよび480,000ドルである。XT1200の優位性は、傾斜した衝撃軸での生産トン数を考慮すると、実際にはさらにもっと顕著になる。表に示されるように、45°の傾斜においてXT1200はSS150およびDX1800の約2倍の出力を生む。
表12は、作業者がトンネル掘削または他の頭上の制限のもとで直面されるような5mの最大高さ制限を有する環境において衝撃ハンマーを動作させることを必要とする典型的な状況を示している。表12のすべての衝撃ハンマーは、ストライカピンの構成を備えており、ストライカピンの構成は、衝撃ハンマーの他の必要な部分とともに5mの高さすき間のうちの2mを占め、最大3mの上昇行程長を可能にしている。しかしながら、重力のみの衝撃ハンマーのウエイトの追加のサイズは、さらに1mを占める。したがって、重力のみの衝撃ハンマーは、最大鉛直上昇行程長が、真空アシスト衝撃ハンマーの3mと比較して、2mである。前述のように、重力のみの衝撃ハンマーは、衝撃軸を鉛直にして動作するときに最大の衝撃エネルギーおよびサイクル時間を生じる。表12は、重力のみのハンマーが、鉛直な向きにて33,354Jの最大衝撃エネルギーを生み、サイクル速度は15であることを示している。
しかしながら、より大きな重力衝撃ハンマーを非鉛直な衝撃軸に傾けて使用することは、損失がより低い衝撃エネルギーおよびより低いサイクル速度を依然としてもたらすため、無益である。一例として、45°に傾けられた2.82mの上昇行程長の衝撃ハンマーは、2mの上昇行程長のハンマーと同じ鉛直落下を有するが、12というサイクル速度で32,212Jの衝撃エネルギーしか生み出さず、すなわち直立の3mの重力のみの衝撃ハンマーよりも3.4%少ない。結果としての生産性も、それぞれ22から低下する。対照的に、45°に傾けられた真空アシスト式の4.24mの上昇行程長の衝撃ハンマー(3mの鉛直に向けられた重力アシスト衝撃ハンマーと同等のハンマーウエイト鉛直落下を有する)は、直立の3mの真空アシスト衝撃ハンマーよりも30%大きい衝撃エネルギーを生み、(より低いサイクル速度にもかかわらず)14%大きい生産性の向上を生む。さらに、45°に傾けられた真空アシスト衝撃ハンマーの生産性は、完全な条件において重力のみの衝撃ハンマーよりも568%も高い。したがって、作業者に、特別製作の短い衝撃ハンマーを注文する代わりに、単により大きな既存の真空アシスト衝撃ハンマーを使用するという随意選択肢が提供される。
表13は、オペレータの優先順位が、所与のキャリア重量に対する生産トン数の速度である状況を示している。このような状況は、騒音および/または交通規制によって衝撃印加の作業が限られた時間の機会に制限され、したがって大幅に重い衝撃ハンマー、およびそれに対応する重量がより大きく、より高価であり、入手性が悪いキャリアに頼ることなく、生産速度を高めることが重要とされる場合に存在し得る。
ここで、真空アシスト衝撃ハンマー(XT2000)が最も近い先行技術の重力のみの衝撃ハンマー(DX900)よりもわずかに軽く、必要なキャリアが40トンの代わりに36トンであるにもかかわらず、その生産性は、63トン/時と比較して315トン/時であり、すなわち5倍高速であることを、見て取ることができる。したがって、傾けられた動作角度において生産速度の差が大きくなる(296対31トン/時、すなわち9.5倍高速)ことを考慮しても、真空アシストハンマーは、想定される5日間の作業を1日で完了すると考えられる。
本発明のさらなる態様によれば、実質的に本明細書において上述したとおりの衝撃ハンマーを、往復運動周期、衝撃エネルギー、往復運動経路長、およびキャリア重量を含むグループのうちの少なくとも2つが重力のみの衝撃ハンマーと同等である対応する重力のみの衝撃ハンマーに対する衝撃ハンマー性能指標の以下の改善のうちの少なくとも1つを選択することによって構成する方法が提供され、
改善は、
・所与の往復運動周期、衝撃エネルギー、ハンマーウエイト、往復運動経路長、およびキャリア重量において、作業面に加える衝撃エネルギーがより大きいこと、
・所与の往復運動周期、衝撃エネルギー、キャリア重量、および往復運動経路長において、ハンマーウエイトがより軽いこと、
・所与のハンマーウエイト、往復運動周期、キャリア重量、および衝撃エネルギーにおいて、往復運動経路がより短いこと、

・所与の往復運動経路長、ハンマーウエイト、キャリア重量、および衝撃エネルギーにおいて、往復運動周期がより短いこと、および/または
・所与の往復運動衝撃エネルギー、経路長、ハンマーウエイト、および衝撃エネルギーにおいて、キャリア重量がより軽いこと
を含む。
上記の列挙がすべてを挙げ尽くしたものではなく、所望の性能結果に応じてパラメータの1つ以上の組み合わせをさまざまな程度に変化させてもよいことは、疑いもなく明らかである。
さらなる態様によれば、本発明は、往復運動周期、衝撃エネルギー、往復運動経路長、ハンマーウエイト、ハウジング重量、衝撃ハンマー重量、およびキャリア重量を含む性能指標を有する重力のみの衝撃ハンマーを改良する方法を提供でき、
この方法は、
重力のみの性能指標のうちの少なくとも2つを実質的に不変に保ちつつ実質的に本明細書において上述したとおりの真空チャンバを取り入れることによる
・往復運動周期の短縮、
・衝撃エネルギーの増大、
・往復運動経路長の短縮、
・キャリア重量の削減、
・ハンマーウエイトの削減、
・ハウジング重量の削減、
・衝撃ハンマー重量の削減、
・鉛直からの動作衝撃角度の増大
を含む改善のグループからの選択を含む。
すでに述べたように、重力ハンマーのエネルギー生成量は、通常は、ハンマーウエイトの重力加速度と落下距離との積から、摩擦、鉛直からの角度の逸脱、駆動機構からの引き摺り、およびハンマーウエイトの下方のガイド柱の下部の空気の圧縮によって引き起こされる損失を差し引いたものである。本発明の真空アシスト衝撃ハンマーの実施形態の場合、同じ力および損失が依然として当てはまる。真空チャンバ内に残留の空気または漏れによる空気が存在すると、そのような空気が上昇行程によって生成される真空の有効性を低下させるように作用する一方で、下降行程における空気の圧縮は、ハンマーウエイトの運動量を減速させる力を生む。真空チャンバ内に残る空気のこれらの明らかに有害な影響は、理想的には軽減される。
シーリングの損失および/または真空チャンバ内の残留空気の影響を考慮する前に、真空チャンバの形成に利用することができるシーリングの随意選択肢およびそれらの性能の結果を検討することが有用である。
下部真空シーリングの位置および構成は、衝撃ハンマーのウエイトが、自身の衝撃エネルギーをストライカピンを介して作業面に伝達する別個のウエイトとして構成されているか、あるいは作業面を直接打撃するためのツール端を備えて形成されているかに依存する。前者の場合、下部真空シーリングを、ハウジングの下部付近またはストライカピンアセンブリの周りのいずれかに形成することができる。後者の場合、下部真空シーリングは、上部真空シーリングよりも下方の位置においてハンマーウエイトと収容面との間に位置することができる。したがって、非ストライカピンの衝撃ハンマーの構成と併せて使用される場合、上部および下部の両方の真空シーリングについて、同じシーリングの構成を複製することが可能である。
どちらのウエイトの構成においても、ウエイトと収容面との間の移動は、シーリングが両者の間の相対的な摺動運動に対応できることを言外に要求する。シーリングを、ウエイト、ノーズブロック/ストライカピンアセンブリ、収容面、またはこれらの組み合わせに取り付けることができ、これらの変種は、後でさらに詳細に検討される。
上部真空シーリングを考えると、位置、構造、および構成は、収容面およびハンマーウエイトの制約ならびに要求される要求性能特性に応じてさまざまであってよい。上部真空シーリングをハンマーウエイト上に位置する(あるいは、ハンマーウエイトに取り付けられた)1つ以上のシールから形成することに、例えば下記のようないくつかの利点が存在する。
・衝撃軸に沿ったハンマーウエイトの移動距離は、ウエイト自体の長さよりも大きい。したがって、シールは、収容面に配置されるならばウエイトの移動距離にわたって延びる必要がある一方で、ウエイト上に配置されるシーリングは、衝撃軸の周りの単一の位置にのみ配置されればよい。
・ハンマーウエイトの移動経路に沿って収容面上に位置するシーリングは、衝撃吸収および耐摩耗の能力を備えないならば、ウエイトの横移動によって損傷を被り易い。対照的に、ハンマー上のシーリングは、横方向の衝撃吸収またはセンタリングの能力を用意することも必要とせずに、横方向のウエイトの移動を受け入れるように構成することが可能である。
・ウエイトをハウジングから取り外すことができるため、磨耗したシールの交換がより容易である。
・シールは、本質的に柔軟であり、通常はハウジングとは異なる材料で製作される。典型的には、衝撃ハンマーが使用され得る広い範囲の周囲温度および動作温度が存在する。シーリング材料およびハウジングの熱膨張係数は、典型的にはきわめて異なり、種々の温度においてそれらの形状を変化させる。この形状変化は、物理的に管理することが困難であり、シールがハウジングまたはハンマーウエイトのいずれかに良好に適合していないときは常に、シールの品質が損なわれる。
ハンマーウエイトとともに含まれるシーリングの性能特性は、ウエイトの質量、サイズ、衝撃軸に沿った速度、衝撃軸からの横方向の移動の程度、衝撃軸の向き、収容面の均一性、精度、および表面仕上げ、などにも依存し得る。
一態様によれば、ハンマーウエイトは、下部衝撃面と、上面と、少なくとも1つの側面とを含む。円柱形のハンマーが、ただ1つの「側」面を含むことを、理解すべきである。
ストライカピンを備える衝撃ハンマーの実施形態においては、下部衝撃面が使用時にストライカピンに衝突する一方で、非ストライカピンの衝撃ハンマーの実施形態においては、下部衝撃面が使用時に作業面に衝突することを、理解できるであろう。
また、ハンマーウエイトが、立方体、直方体、細長い実質的に矩形/直方体のプレートまたはブレードの構成、角柱、円柱、平行六面体、多面体、などを含む任意の好都合な形状をとり得ることも、理解できるであろう。
一態様によれば、上部真空シーリングは、ハンマーウエイトの側面を巡って周囲に位置する1つ以上のシールを含む。
好ましくは、シールは、ハンマーウエイトを横方向に包囲する少なくとも1つの実質的に中断のないシーリングを形成する。好ましくは、シーリングは、当接し、重なり合い、境界を共有し、噛み合い、嵌合し、さらには/あるいは近接する隣接したシールから形成されてよい。複数のシールを利用する実施形態において、1つ以上のシールが、異なる構成または寸法とされてよく、さらには/あるいはシーリングの提供に加えて別の機能または能力を備えてもよいことを、理解できるであろう。
一態様によれば、シールは、
・クッションスライド、
・中間要素への取り付け、保持、または付着、
・ハンマーウエイト、クッションスライド、および/または中間要素の凹部、ボイド、空間、開口部、または溝、などにおける保持、
・側面への直接取り付け、ならびに/あるいは
・上記の任意の組み合わせまたは順列
によってハンマーウエイトに結合される。
一態様によれば、シールは、可撓エラストマーから形成される。
さらなる態様によれば、シールは、プレロードによって収容面に接触するように付勢された剛体または弾性材料から形成される。プレロードは、これらに限られるわけではないが、圧縮性媒体、ばね、エラストマー、バッファ、などを含むいくつかの形態をとることができる。
一実施形態においては、保持によってハンマーウエイトに結合されたシールを、収容面と密に接触するように付勢することができる。この付勢は、ばねまたは同等物、圧縮性媒体、エラストマー、バッファ、などによってもたらすことができ、シールに衝撃軸から横方向外側および/または円周方向に作用することができる。
円柱形のハンマーウエイトを利用する実施形態において、円周方向の付勢は、隣接するシール間の1つ以上の交差部を介して加えられる。好ましくは、補助フィレットが、シールの交差部の間に気密の連続性をもたらすことで、収容面とハンマーウエイトとの間の実質的に連続的なシーリングを維持する。
2つ以上の頂点において接合された複数の側面を有するハンマーウエイトを利用する実施形態においては、円周方向の付勢を、頂点の間の交差部を介して加えることができる。
使用時に、衝撃ハンマーが非鉛直な向きにて動作させられる場合、保持によってハンマーウエイトに結合されたシーリングを、たとえハンマーウエイトが衝撃軸に対して横方向に変位したとしても収容面に密に接触するように依然として付勢することができる。
一態様によれば、シールの少なくとも一部が、一方向ベントをもたらすように構成される。さらなる実施形態においては、シールの大部分または全体が、一方向ベントをもたらすように構成される。一実施形態において、シールは、少なくとも1つの一方向ベントを含む。
好ましくは、クッションスライドは、複合クッションスライドである。
一態様によれば、ハンマーウエイトに、ハンマーウエイトの外面に位置する少なくとも1つの複合クッションスライドが取り付けられ、このクッションスライドは、
・コンポーネントの往復運動の際に装置の収容面と少なくとも部分的な摺動接触を行うように構成および配置された外面を備えて、所定の摩擦および/または耐摩耗の特性の材料から形成された外側の第1の層、および
・第1の層と往復運動コンポーネントとの間に位置し、所定の衝撃吸収特性を有する衝撃吸収材料で少なくとも部分的に形成された内側の第2の層
を含む。
好ましくは、第2の層は、第1の層に接続された少なくとも1つの表面と、ハンマーウエイトに接続された内面とを有する。
第1の層の外面は、好ましくは、第2の層よりも低摩擦の表面である。
本明細書において使用されるとき、「接続され」という用語は、第1および第2の層に関して、接続のための任意の可能な機構または方法を指し、これらに限られるわけではないが、付着、取り外し可能な接続部、嵌合する外形または造作、入れ子、クリップ、ねじ、ねじ山、カップリング、などを含む。
またさらなる態様によれば、上部真空シーリングは、少なくとも部分的または全体的に、クッションスライドによって直接もたらされる。
一態様によれば、1つ以上の中間要素が、衝撃面の下方および/または上面の上方においてハンマーウエイトに結合し、この中間要素は、使用時に中間要素が上部真空シーリングの少なくとも一部を形成するように、この中間要素の周縁を巡って位置する1つ以上のシールを収容面に密に接触させて含んでいる。中間要素は、プレート、ディスク、環状リング、などを含む種々の形態で構成することが可能である。衝撃面の下方のハンマーウエイトに結合した中間要素が、ハンマーウエイトとストライカピンとの間の妨げのない接触を可能にする中央開口を備えて構成されることは、容易に理解されるであろう。
中間要素のハンマーウエイトへの結合は、可撓性(ストラップ、ライン、リンク装置、カップリング、などを含む)であってよく、さらには/あるいは衝撃軸に対して平行な方向において実質的に剛直である一方で、衝撃軸に対して横方向に摺動可能であってよい。このような結合の構成は、例えば可撓リンク装置の形態のカップリングが移動の方向およびハンマーウエイトに対する中間要素の相対位置に応じてハンマーウエイトの移動によって往復運動経路に沿って押し引きされるなど、中間要素がハンマーウエイトの横方向移動に影響されることなく収容面との有効なシーリングを維持することを可能にする。
好ましくは、真空ピストン面は、ハンマーウエイトの一部分によって形成される。一実施形態において、真空ピストン面は、ハンマーウエイトの衝撃面を含む。クッションスライドを含むハンマーウエイトに取り付けられた可動シールが、真空ピストン面の一部を形成してもよいことを、理解できるであろう。
代案の実施形態によれば、真空ピストン面は、ハンマーウエイトの一部として一体的に形成されてもよく、あるいはハンマーウエイトの付属物を含んでもよい。好ましくは、真空ピストン面は、往復運動経路あるいは往復運動経路に平行または同軸な経路に沿って移動可能である。
使用時に、真空チャンバが上昇行程において膨張するとき、真空チャンバへの大気の進入が、シールまたは収容面の不完全、磨耗、または損傷、空中の残留デブリからの干渉、材料または設計の特性または限界、などに起因するシーリングの漏れによって生じ得る。限られた程度の漏れの存在は、実際には、要求される性能と製造および/または動作の現実性との間のバランスのとれた妥協点をもたらすために、意図的に取り入れられることもある。シーリングの漏れは、とりわけ典型的に関係する真空の持続時間がきわめて一時的(例えば、2〜4秒)であることに鑑みて、上昇行程の際に発生する真空の大きさに必ずしも大きな影響を有さない。たとえシーリングの漏れによって真空のレベルに例えば60%の低下などの大きな低下が生じたとしても、残りの40%の衝撃ハンマーへの真空のアシストは、以前として意味のある性能上の利点をもたらすと考えられる。
また、ハンマーウエイトの動きが届くことのないボイドの存在など、さまざまな理由で、上昇行程の開始前に真空チャンバ内に残留空気が存在する可能性がある。さらに、このような高速かつ高エネルギーの往復運動において完全に通過不能な真空チャンバのシールを達成することはきわめて困難であり、したがって、上昇行程において、上部真空シーリングおよび/または下部真空シーリングは、或る程度の空気が真空チャンバへと通過して真空チャンバの圧力を上昇させることを許すことができる。このような空気漏れの量は、シーリングの有効性、シーリングの面積、真空チャンバと大気との間の圧力差、およびシーリングに圧力差が印加される曝露時間を含むいくつかのパラメータに依存する。
より多くのシールおよびより柔軟なシールを使用することによって、漏れを最小限に抑えることができるが、これは本質的に摩擦を増加させ、そのような高速な往復運動において、このようなシールは、早期に損傷したり、あるいはハンマーウエイトの動きを妨げたりする可能性がある。したがって、シーリング効果と摩擦との間にバランスが必要である。好ましい実施形態において、ハンマーウエイトは、ゴムまたは他の「ソフト」なシールなどのきわめて有効なシールが、早期に損傷して機能できなくなるような速度および力で運動する。したがって、たとえ真空チャンバへの空気の漏れが多くなる可能性があるとしても、あまり効果的ではないが大きな摩擦荷重に耐えることができる「ハード」なシールを使用することが好ましい。
しかしながら、下降行程における真空チャンバの内部の空気の存在は、衝撃ハンマーによって達成可能な衝撃力に有害である。真空チャンバ内の空気は、圧力差を小さくし、下降行程の際にどんどん圧縮されることで、ハンマーウエイトの運動に対して減速力を加えるとともに、空気の圧縮に起因するかなりの有害な加熱効果をもたらす。
本発明は、真空チャンバに少なくとも1つの下降行程ベントを組み込むことによって、この重大な問題に対処する。下降行程ベントは、下降行程の少なくとも一部分において空気の排出を可能にするとともに、好ましくは上昇行程の少なくとも一部分、より好ましくは上昇行程の大部分または全体において、空気の進入を防止し、あるいは少なくとも制限する。
ベントは、好ましくは、下降行程において真空チャンバからの空気の排出を可能にするように動作することができる一方向弁として構成される。
好ましくは、弁は、フラップ弁あるいは閉じ方向に付勢されたフラップまたは同等の機構を有する同様の弁であり、この弁は、付勢を超える力を加えてフラップまたは同等の機構を開くために充分な大気との差圧が形成されるような超大気圧に真空チャンバ内の空気の圧力が達したときに開くことができる。自動であっても、受動的であってもよい他の種類の弁も、上昇行程において空気の進入を制限または防止し、下降行程の少なくとも一部において空気の排出を可能にする限りにおいて、利用可能であることを、理解できるであろう。
下降行程ベントは、真空チャンバと流体連通している限りにおいて、必ずしもハウジング内またはハウジング上に位置する必要はない。したがって、一実施形態においては、下降行程ベントを、真空チャンバに接続された導管に接続されたポートによって形成することができる。
好ましくは、少なくとも1つのダウンストロークベントが、
・収容面、
・上部真空シーリング、
・下部真空シーリング、
・ノーズブロック、および/または
・ハンマーウエイト
に形成または配置され、あるいはこれらを通って形成または配置される。
ベントを、例えばV字形の外側断面、外方向へとテーパ状の外縁、またはリップ状の可撓な外縁など、シール自体の形状に取り入れることができ、これらは、より高圧の空気がシールの縁部を収容面から持ち上げるように一方側から通過することを可能にする。反対に、反対側のより高い圧力の空気は、外縁を収容面へとますます押し付ける。
ベントを、一方向性の自動シーリング弁またはシールを有するハウジングまたはハンマーウエイトを通るポートとして形成することができる。弁は、弾性またはばねでの付勢によるフラップまたは可撓ポペット(または、マッシュルーム)弁、剛体ポペット弁、および横開きフラップ弁、あるいはその他の種類の好都合な一方向弁であってよい。
閉鎖時(例えば、上昇行程の最中および下降行程の少なくとも一部分)、ベントは、真空チャンバへの流体の進入を防止または制限する。下降行程ベントが(例えば、真空チャンバ内の流体の圧縮によって圧力が大気圧レベルを上回って上昇する下降行程において)開くとき、圧縮された流体を、ベントに直接隣接する大気へと直接排出することができ、あるいはより遠方の場所へと導管を介して排出することができる。導管は、剛体、可撓性、またはこれらの組み合わせであってよく、ハウジングの内部または外部に通すことができる。
一実施形態においては、導管を、真空チャンバからハンマーウエイトの上方の位置の収容面までの流体通路を提供するように通すことができる。さらなる実施形態においては、往復運動経路に沿ったハンマーウエイトの動きを、上昇行程および下降行程のそれぞれにおいてベントを開閉して一方向弁の役割をもたらすために使用することができる。
さらなる実施形態においては、往復運動の動作サイクルの全体において残留空気を除去し、さらには/あるいは真空チャンバ内の真空を維持するために、真空ポンプをベントまたはポートに接続することができる。
下降行程ベントを、
・真空チャンバと大気との間の圧力差の大きさ、
・真空チャンバと下降行程ベントに流体連通した導管との間の圧力差の大きさ、
・下降行程におけるハンマーウエイトの位置、
・下降行程における真空チャンバの温度、
・下降行程におけるハンマーウエイトの移動の経過時間、
・これらの任意の組み合わせまたは順列
を含む種々さまざまなパラメータに応じて開くように構成できることを、理解できるであろう。
したがって、一実施形態においては、下降行程において、ハンマーウエイトは、重力ならびにハンマーウエイト上面に作用する大気圧と真空チャンバ内の圧力との間の圧力差の作用のもとで降下する。ハンマーウエイトが作業面に向かって移動するにつれて、以前の往復運動および/または真空シーリングの漏れからの真空チャンバ内の残留空気が、圧縮される。これにより、真空チャンバ内の圧力が、大気圧に等しくなるまで上昇する。したがって、ハンマーウエイトのさらなる下降行程の移動は、ベントが生じない限り、真空チャンバ内に超大気圧を生じさせる。
下降行程ベントを、上述したように、下降行程の最中の任意の段階で開くように構成することができる。好ましくは、一実施形態において、下降行程ベントは、真空チャンバにおける超大気圧の発生と実質的に同時に開くように構成される。
上述したように、本発明の一態様によれば、ハウジングと、衝撃軸に沿って移動することができる往復運動ハンマーウエイトとを含んでいる上述のとおりの衝撃ハンマーであって、
・被駆動端および衝撃端と、被駆動端と衝撃端との間を延びる長手軸とを有しており、衝撃端がハウジングから突出するようにハウジング内に位置することができるストライカピンと、
・ストライカピンに結合された衝撃吸収装置と
をさらに含み、
ストライカピンの長手軸に実質的に同軸な衝撃軸に沿ってストライカピンの被駆動端に衝撃をもたらす衝撃ハンマーが提供される。
好ましくは、衝撃吸収装置は、リテーナによってストライカピンに結合させられ、リテーナは、ストライカピンの長手軸に沿い、あるいはストライカピンの長手軸に平行にハウジングの内部に配置された第1および第2の衝撃吸収アセンブリ(上側および下側衝撃吸収アセンブリとも称される)の間に介装され、第1の衝撃吸収アセンブリは、リテーナとハンマーウエイトとの間に位置する。
好ましくは、第1の衝撃吸収アセンブリは、非弾性層によって交互にされた少なくとも2つの弾性層を含む複数の非結合層から形成される。
一実施形態によれば、第2の衝撃吸収アセンブリは、非弾性層によって交互にされた少なくとも2つの弾性層を含む複数の非結合層から形成される。あるいは、第1および第2の衝撃吸収アセンブリのいずれかまたは両方を、単一の弾性層などの単一の衝撃吸収層またはバッファから形成してもよい。
好ましくは、ストライカピンは、摺動可能な結合によってリテーナに結合させられる。好ましくは、摺動可能な結合は、ストライカピンの長手軸と同軸または平行なストライカピンとリテーナとの間の相対運動を可能にする。
衝撃ハンマーのうちの作業面に近い領域は、当然ながら、塵埃、岩石、コンクリート、鋼片、土、デブリ、および破砕作業の他の副生成物にきわめて近接する。したがって、下部真空シーリングの構成が、ストライカピンの周囲の領域を介した異物の進入を軽減することを、確実にすることが望ましい。上部真空シーリングとは対照的に、下部真空シーリングは、隣接するシーリング面の間の大きな相対移動を被ることはない。上部真空シーリングは、往復運動軸に沿ったハンマーウエイトの移動の全範囲にわたるハンマーウエイトの動きに対応することが必要とされる。対照的に、ストライカピンの構成の下部真空シーリングは、衝撃吸収装置に対するストライカピンの比較的小さな移動しか被ることがない。
好ましい実施形態において、ストライカピンとリテーナとの間の相対移動は、保持位置内での摺動可能な結合の移動からもたらされる。好ましくは、保持位置は、ストライカピンの被駆動端に対して、近位側の移動ストッパおよび遠位側の移動ストッパによって境界付けられる。
一実施形態において、リテーナ(「リコイルプレート」としても知られる)は、ストライカピンを少なくとも部分的に取り囲む剛体プレートとして形成され、第1および/または第2の衝撃吸収アセンブリのそれぞれの弾性層に隣接して接触する平坦かつ平行な下面および上面を有する。一実施形態によれば、衝撃吸収装置は、衝撃吸収アセンブリの間に配置されたリテーナを含む。
本明細書において使用されるとき、「摺動可能な結合」という用語は、ハウジングおよび/またはリテーナに対する少なくとも或る程度のストライカピンの長手軸方向の移動を許容する任意の可動または摺動可能な結合または係合あるいは構成を含む。好ましくは、作業における使用時に、摺動可能な結合が近位側または遠位側のいずれかの移動ストッパに係合することで、衝撃吸収装置へと力が伝達される。好ましくは、作業における使用時に、摺動可能な結合が遠位側および近位側の移動ストッパに係合することで、それぞれ第1および第2の衝撃吸収アセンブリへと力が伝達される。
好ましい実施形態において、摺動可能な結合は、リテーナまたはストライカピンのいずれか一方を少なくとも部分的に通過し、リテーナまたはストライカピンの他方の長手方向の凹部へと少なくとも部分的に突出する1つ以上の保持ピンを含む。好ましくは、長手方向の凹部は、保持位置である。簡単さを助け、説明を明確にするために、保持位置の長手方向の凹部は、本明細書においてはストライカピン上に位置するものとして説明されるが、これに限られるわけではない。
ストライカピンのハウジングからの突出の最大および最小範囲は、ストライカピンの長さ、凹部の位置および長さ、ならびに解放可能な保持ピンの位置によって定められる。第1の衝撃吸収アセンブリへの衝撃の伝達に加えて、近位側の移動ストッパは、使用中にストライカピンがハウジングから脱落することを防止する。遠位側の移動ストッパは、跳ね返りの衝撃を第2の衝撃吸収アセンブリに伝達する他に、作業者がストライカピンをプライム位置に配置するときにストライカピンがハウジングの内部へと完全に押し込まれてしまうことを防止する。
第1および第2の衝撃吸収アセンブリ(リテーナまたは「リコイルプレート」が間に挟まれている)は、好ましくは、ハウジングの一部分(本明細書において、「ノーズブロック」と称される)の内部に、ノーズブロックの内壁とストライカピンの外壁の一部分とによって互いに密接に保持された要素の集合として収容される。一実施形態において、リテーナを含むノーズブロック内の衝撃吸収アセンブリのすべての要素は、互いに非結合である。
本明細書において使用されるとき、「非結合」という用語は、接着されておらず、一体的に形成されておらず、接合されておらず、取り付けられておらず、あるいは物理的接触以外のいかなるやり方でも接続されていない2つの表面の間のあらゆる接触を含む。
ノーズブロックは、第1および第2のそれぞれの衝撃吸収アセンブリのために、ストライカピンのための開口が設けられた下側および上側の実質的に平坦な境界を提供し、これらの平坦な境界の各々は、ストライカピンの長手軸に対して直角に向けられている。ノーズブロックの上側および下側境界は、必要な丈夫さおよびメンテナンスのアクセスの能力を提供する任意の好都合な形態をとることができる。
一実施形態において、ノーズブロックの上側境界は、好ましくは平坦な下面とストライカピン用の開口とを有する堅固なキャッププレートによってもたらされる。
ノーズブロックの下側境界は、一実施形態においては、好ましくは平坦な上面とストライカピン用の開口とを有する堅固なノーズプレート(「ノーズコーン」とも呼ばれる)によってもたらされる。リテーナならびに第1および第2の衝撃吸収アセンブリは、ノーズブロックの側壁によって囲まれてキャッププレートとノーズプレートとの間に積み重ねられて一体に位置する。ノーズブロックおよび/またはノーズプレート/コーンを、対応する形状の側壁によって境界付けられた円形、正方形、長方形、多角形、などの任意の好都合な横断面にて形成することができる。
本発明の一態様によれば、キャッププレートおよびノーズプレートは、ストライカピンの長手軸に平行な細長いノーズブロックボルトによって、第1および第2の衝撃吸収アセンブリを一緒にノーズブロック側壁の内側に固定する。好ましくは、ノーズブロックは、平面図の断面において正方形または円形であり、ストライカピンが、衝撃吸収アセンブリおよびリテーナを貫いて中央を通過している。
代案の実施形態においては、ノーズブロックおよびノーズコーンを、単一の連続的な剛体構造から少なくとも部分的に形成することができる。
このように、ノーズブロックの上側および下側境界の平坦な表面ならびにリテーナの平坦な表面が、衝撃吸収アセンブリの弾性層に隣接する4つの堅固な非弾性の表面を提供することを、理解できるであろう。したがって、実施形態において使用される弾性層および非弾性層の数に応じて、個々の弾性層を、
・ノーズブロックの上側境界と非弾性層、
・ノーズブロックの下側境界と非弾性層、
・2つの非弾性層、または
・非弾性層とリテーナ
のいずれかの堅固かつ平坦な非弾性の表面によって挟むことができる。
上記の構成の各々において、弾性層は、ストライカピンの長手軸に直交する隣同士の堅固な非弾性の表面の平行な平坦面の間に挟まれる。
このように、ストライカピンを備える本発明による衝撃ハンマーを、
・キャッププレートと、
・第1の(または、上側の)衝撃吸収アセンブリと、
・リテーナと、
・第2の(または、下側の)衝撃吸収アセンブリと、
・ノーズコーンと
を含むノーズブロック構成要素を、実質的にストライカピンの周囲で、ストライカピンの被駆動端と衝撃端との間に、衝撃軸に対する上述の順序で配置して構成できることを、理解できるであろう。
下部真空シーリングは、上記のノーズブロック構成要素の並びにおけるいくつかの代案の位置または累積的位置に配置されたシールを含むことができる。
一態様によれば、下部真空シーリングは、
・キャッププレートとストライカピンとの間、
・第1の(または、上側の)衝撃吸収アセンブリとストライカピンとの間、
・リテーナとストライカピンとの間、
・リテーナとノーズブロック内側側壁との間、
・第2の(または、下側の)衝撃吸収アセンブリとストライカピンとの間、および/または
・ノーズコーンとストライカピンとの間
に位置する1つ以上のシールを含む。
別の態様によれば、上記に加え、あるいは上記に代えて、下部真空シーリングは、
・ノーズコーンと下側の衝撃吸収アセンブリとの間、
・第1の(または、上側の)衝撃吸収アセンブリとキャッププレートとの間、および/または
・キャッププレートとハンマーウエイトの下部衝撃面の下方移動限界との間
に位置してストライカピンを横から囲む個々の独立した層として形成された1つ以上のシールによってもたらされる。
一実施形態によれば、個々の独立した層は、可撓ダイアフラムを含む。好ましくは、可撓ダイアフラムのうちのストライカピンに当接してシールを形成する部分が、衝撃軸に沿ったストライカピンの動きとともに自由に動く。
さらなる態様によれば、個々の独立した層は、ダイアフラムとノーズブロック内壁との間の少なくとも1つの固定シールをさらに含む。
下部真空シーリングのシールは、上部真空シーリングに関して本明細書で説明した形態などの種々の形態をとることができる。
したがって、下部真空シーリングのシールは、
・可撓エラストマー、
・プレロードまたは密な嵌まり合いによってストライカピンおよび/またはノーズブロック内側側壁に接触するように付勢された弾性または非弾性材料、
・少なくとも1つの一方向ベント、および/または
・上記の任意の組み合わせまたは順列
を含むことができる。
少なくとも1つの衝撃吸収アセンブリに位置するシールは、
・弾性層の一体の一部分、
・衝撃吸収アセンブリの弾性層に隣接して配置された別個の弾性シール、
・衝撃吸収アセンブリの非弾性層内に形成された弾性または非弾性シール、
・衝撃吸収アセンブリの非弾性層内に配置され、もしくは衝撃吸収アセンブリの非弾性層に隣接して配置された弾性または非弾性シール、
・衝撃吸収アセンブリの非弾性層とストライカピンとの間の密な嵌まり合い、および/または
・上記の任意の組み合わせまたは順列
として形成されてよい。
一実施形態において、弾性層は、エラストマーなどの実質的に非圧縮性の材料から形成される。そのような実施形態においては、衝撃吸収装置が使用中に圧縮力を被るとき、非圧縮性の弾性層について唯一の許される撓み方向は、ストライカピンの長手軸に直交する横方向である。この形状の変化は、以下では横「撓み」と称され、同等の膨張、変形、歪み、広がり、などを含む。したがって、弾性層のこの横撓みを受け入れるために、弾性層の縁とノーズブロックの壁および/またはストライカピンとの間に、充分な側方の容積が存在することが不可欠である。
すでに述べたように、衝撃ハンマーは、使用中に、弾性層がストライカピンの長手軸に関して非弾性層に対して横方向に移動可能であるように構成される。本明細書において使用されるとき、用語「移動可能」が、あらゆる動き、変位、撓み、並進、拡大、広がり、膨出、膨張、収縮、追尾、などを含むことを、理解すべきである。
さらに、弾性層が2つの非弾性表面の間で圧縮されているとき、弾性材料は、横方向に撓み、あるいは「広がる」ことを、理解できるであろう。隣接する弾性表面と非弾性表面とは互いに非結合であるため、弾性材料は、非弾性表面を横切って横方向に摺動することができる。ストライカピンを横方向において取り囲むように構成された弾性層を有する実施形態において、弾性材料は、圧縮時にヌル位置から外側および内側の両方に移動する。非弾性層に結合した弾性層を有する従来技術の衝撃吸収装置は、上述のような横方向に移動が不可能である。
さらに、弾性層が撓むとき、弾性層と非弾性層との間にかなりのレベルの摩擦が生じる。摩擦は、弾性層の撓みに対抗し、したがって、結合多層または一体の衝撃吸収装置と比べて、衝撃吸収能力を劇的に改善する。
好ましくは、第1および/または第2の衝撃吸収アセンブリは、ノーズプレートおよび/またはキャッププレートの磨耗を補償するために、横「すき間」を備えて構成される。一実施形態において、第1および/または第2の衝撃吸収アセンブリの非弾性層は、ストライカピンとの心出しの係合を除いて、ノーズブロック内で横方向について拘束されておらず、横すき間は非弾性層の側縁とノーズブロック内壁との間に形成される。さらなる態様によれば、第1および/または第2の衝撃吸収アセンブリの弾性層は、ノーズブロック内壁によって心出しされ、横すき間は衝撃吸収アセンブリの側縁とストライカピンとの間に設けられる。
一実施形態によれば、少なくとも1つの弾性層および/または非弾性層が、ストライカピンの長手軸の周囲で実質的に環状および/または同心である。本明細書において使用されるとき、弾性層を、30ギガパスカル(GPa)未満のヤング率を有する任意の材料から形成できる一方で、非弾性層は、30GPaよりも大きい(好ましくは、50GPaよりも大きい)ヤング率を有する任意の材料を含むと定義される。このような定義は、材料を弾性または非弾性に分類するための定量化可能な境界を提供するが、最適なヤング率が必ずやこれらの値の近くにあると指示するものではない。好ましくは、非弾性および弾性層のヤング率は、それぞれ>180×109Nm−2および<3×109Nm−2である。
好ましくは、非弾性層は、鋼板(典型的には、約200GPaのヤング率を有する)または高い応力および圧縮荷重に耐えることができ、好ましくは比較的低い摩擦の程度を示す同様の材料から形成される。弾性材料は、或る程度の弾性を呈する種々の材料から選択可能であるが、ポリウレタン(0.02×109Nm−2よりも大きいヤング率を有する)が、この用途に理想的な特性を提供することが判明している。
圧縮荷重の際に、ゴム材料などは、体積が減少し、さらには/あるいは良好でない熱、弾性、荷重、および/または回復特性を示す可能性がある。しかしながら、ポリウレタンなどのエラストマーポリマーは、本質的に非圧縮性流体であり、したがって圧縮荷重の際に体積ではなく形状を変化させようとする一方で、所望の熱、弾性、荷重、および回復特性も示す。したがって、好ましい実施形態において、弾性層は、剛体表面間の対向する実質的に平行な平面に挟まれたエラストマー層として形成され、したがってエラストマー層の平面に対して実質的に直角に加わる圧縮力が、非結合のエラストマーを横方向に撓ませる。横方向の撓みの程度は、自由に膨張することができる荷重が加わっていない表面の総面積に対する1つの荷重が加えられた表面の面積の比によって与えられる経験的に得られた「形状係数」に依存する。
平行な非弾性剛体平面の間に配置された実質的に平坦なエラストマー層が、圧縮下でエラストマーを横方向に撓ませ、あるいは「広げる」とき、正味の効果は、有効荷重支持面積の増加である。非弾性層をもたらす鋼板をポリウレタンで形成された弾性層の間に介装して有する衝撃吸収アセンブリは、単一の一体の弾性材料で達成できるよりもはるかに大きな圧縮強度をもたらす構成を提供することが、判明している。これは、主に弾性層の「形状係数」に起因し、すなわち、厚さに対する直径の比が大きくなると、荷重支持能力が指数関数的に向上し、結果として、複数のより薄い層は、同じ空間において使用される単一のより厚い層と比べてはるかに大きい荷重能力を有することに起因する。
以下で詳述されるように、衝撃吸収装置の各層などのノーズブロックの内部コンポーネントの容積効率を最大にすることが、きわめて有利である。複数の薄い層を、同じ全体としての体積を有する単一のより厚い層の代わりに使用することは、大きな荷重能力をもたらす一方で、個々の弾性層が被る撓みは、管理可能な程度の撓みでしかない。一例として、各々が30%、すなわち18mmの撓みを呈する30mmのポリウレタンの2つの別個の層は、18mmの撓みを呈する単一の60mmの層の2倍の荷重支持能力を有する。これは、先行技術に対して顕著な利点を提供する。試験において、本発明が、単一の一体の弾性層を有する同等の衝撃吸収装置の2倍の荷重に耐え、同じ体積のハンマーノーズブロック内の衝撃吸収装置によって2倍の衝撃荷重を阻止することを可能にすることが、明らかになっている。
撓みの程度は、弾性層の厚さの変化に正比例し、弾性層の厚さの変化は、ハンマーウエイトの減速の速度に影響し、全体の厚さの変化が小さいほど、減速はより激しくなる。したがって、弾性材料のいくつかのより薄い層を使用することにより、ハンマーウエイトの減速の速度をハンマーの特定のパラメータに合わせて効果的に調整することも可能になるが、これは単一の一体的な弾性コンポーネントでは実現できないと考えられる。
負荷表面の状態の変化は、弾性層の剛性に重大な結果的変動を引き起こし、例えば、潤滑された表面は、横方向の移動に対して実質的に抵抗をもたらさない一方で、清浄な乾燥した負荷表面は、より大きな摩擦抵抗を提供する。しかしながら、先行技術の解決策で使用されているように弾性材料と非弾性材料とを互いに結合させることは、弾性層と非弾性層との間の界面における横方向の動きを有害に妨げると考えられる。したがって、弾性層と両側の隣接する堅固な非弾性表面との間に非結合の界面を設けることで、結合した界面と比べて大きな利点がもたらされると理解することができる。
ハウジングのノーズブロック内の空間の容積は限られており、したがって空間の節約は、軽量化および/またはより強力でより能力の高いコンポーネントを収めることを可能にし、結果として性能を向上させることができる。本発明は、より軽量なキャリアを輸送/作業に使用することを可能にするために充分なハンマーノーズブロック軽量化(典型的には、10〜15%)を可能にすることができる。例として、36トンのキャリア(典型的な先行技術の重力のみの衝撃ハンマーに使用される)から30トンのキャリアへの削減は、運用および保守のコストを下げつつ効率を向上させることに加え、約37500ユーロ(約6.25ユーロ/kgとする)の購入節約をもたらす。さらに、36トンのキャリアを輸送することは、はるかに現実的である30トンのキャリアと比較して、運転者にとって高価かつ困難な負担である。
前述のように、2つの剛体平行非弾性表面の間で荷重を被るエラストマーなどの弾性層は、外側へと撓む。弾性層が、ストライカピンを横方向において取り囲む実質的に環状の構成にて構成されている場合、弾性材料は、開口の中心に向かって内側にも撓む。この反対向きの横方向の同時移動は、衝撃吸収アセンブリの剛体要素(すなわち、非弾性層および/またはリテーナ)を、ストライカピンの周囲に心出しされた状態のままとどまる一方で、弾性層が依然として内縁および外縁の全体において自由に撓むことができるように、慎重に管理することを必要とする。弾性および非弾性プレートならびにリテーナからなる衝撃吸収アセンブリの全体が、ストライカピンの長手軸に平行または同軸に自由に動くことができ、横方向においてはハウジングの壁および/またはストライカピンに衝突する弾性層による直接接触が最小限または皆無であることが、重要である。
衝撃吸収の用途において、衝撃吸収アセンブリは、ストライカピンの長手軸に平行に移動する。したがって、弾性層が直接的にノーズブロックの壁および/またはストライカピンに知覚できるほどに衝突すると、弾性層が接触点において変形または損傷する可能性がある。しかしながら、衝撃吸収装置は、移動の際にノーズブロック内の中心にとどまる必要もあり、したがって弾性層の何らかの形態の整列または心出しが望ましい。
一実施形態においては、1つ以上のボイド低減物体が、ハンマーウエイトの下部衝撃面とノーズブロックとの間に配置される。一態様によれば、ボイド低減物体は、球、互いに噛み合う形状、膨張可能な発泡体、などのうちの少なくとも1つを含む。
ハンマーウエイトと収容面との間の望ましくない接触は、衝撃印加の動作の周期的なプロセスの3つの別々の段階において生じる可能性があり、そこでは、ハンマーウエイトが、
・上昇行程の最中にハウジングの収容面に対して引き摺りを生じ、
・下降行程において斜めに接触し、あるいは跳ね返って収容面に接触し、
・とりわけ装置が鉛直から傾けられている場合に、下降行程においてハンマーウエイトがハウジングに沿って摺動するときに収容面に横接触し、
・駆動機構によって加えられる力によって収容面に横接触し、さらには/あるいは
・作業面との衝突後にハウジングの内側側壁へと跳ね返る
ことを、理解できるであろう。
上述したハンマーウエイトと収容面との間の接触は、装置の設計、衝撃印加の作業時の装置の傾き、および作業面の仕様に応じて、継続時間、衝突角度、および大きさがさまざまであり得る。出願人自身の破砕機におけるハンマーウエイトの速度は、駆動式ハンマーでは8ms−1に達し、重力のみの衝撃ハンマーでは最大10ms−1に達することができる。重力のみの衝撃ハンマーは、ハンマーウエイトがハウジングの側壁に支えられるため、鉛直から約30°傾けられたときにピークPV(圧力×速度)となる。
装置の設計に関して、関連するパラメータとして、ハンマーウエイトのサイズおよび形状ならびにハンマーウエイトの側縁と収容面との間の横すき間の程度が挙げられる。
すでに述べたように、収容面は、材料の進入に対する障壁として機能するとともに、収容面の横境界内のハンマーウエイトの動きを制限または案内する。先行技術の装置において、ハンマーウエイトと収容面との間のすき間は、競合する因子間の妥協点であり、すなわち
・すき間が小さいと、ハンマーウエイトにとって横方向の加速のための空間が最小になるため、収容面への衝撃力は小さくなるが、製造時に高い精度が必要になり、
・すき間が大きいと、製造時に必要とされる精度は低くて済むが、ハンマーウエイトがより長い時間にわたって横方向の力の成分の作用のもとで加速でき、結果として収容面への衝撃力が大きくなる。
衝撃ハンマーの動作効率を最大にするために、ハンマーウエイトの上昇時に、磨耗を増加させ、装置のサイクル時間を遅くしかねないハウジングによって引き起こされる障害、妨害、または引き摺りを最小にすることが望ましい。同様に、下降行程におけるハンマーウエイトの通過に対するこのような障害は、作業面にもたらされるはずのエネルギーを消散させてしまう。したがって、ハンマーウエイトは、典型的には、例えばハンマーウエイトの上部中央に取り付けられた環索を介して、ハウジングへの過度の接触圧力を回避するように設計されたやり方で駆動機構によって持ち上げられる。
収容面はハンマーウエイトの経路を制限するが、ウエイトの経路に対して継続的、積極的、または直接的な方向の制御をもたらすという意味ではハンマーウエイトを常には案内しないことを、理解できるであろう。しかしながら、ハンマーウエイトの経路に隣接するハウジングの内側側壁は、依然として横方向についてハンマーウエイトの経路を所定の境界の内側にとどめ、実質的にガイドとして作用する。
したがって、分かり易くするために、ハンマーウエイトの経路に隣接する収容面を、本明細書においてハウジングの内側側壁と呼ぶこともできる。
衝撃ハンマーなどの機械式の破砕装置は、衝突の瞬間の大きなハンマーウエイトの急激な減速によって達成される作業面への大きな衝撃力の印加によって動作する。したがって、ハンマーウエイトの下向きの加速によって生じる高エネルギーの運動力の避けられない結果として、ハウジングの内側側壁との衝突により、相当の衝撃力および騒音が引き起こされる。さらに、作業面が破壊されず、あるいは衝撃エネルギーのすべてを完全に消散させるには不充分な様相で変形する場合、跳ね返るハンマーウエイトの運動の横方向の成分が、ハンマーウエイトとハウジング内側側壁との間の衝突を生じさせ、やはり高いレベルの衝撃および騒音を発生させる。
本発明の実施形態は、往復運動するハンマーウエイトにクッションスライドを設けることによって、これらの困難に対処する。クッションスライドをハウジングの内側側壁の動くことがない表面に配置することも考えられるが、これは、いくつかの理由により、あまり実用的でなく、経済的でもない。
第1に、ハンマーウエイトの往復運動経路の長さ全体に、クッションスライドの保護が必要になる。これと比較して、ハンマーウエイトの比較的小さな部分だけをクッションスライドで覆えばよく、したがって材料コストの節約になる。
第2に、ハウジング(収容面を含む)は、きわめて丈夫でなければならないため、典型的には鍛造による鋼の細長い通路として形成され、したがって収容面に取り付けられるクッションスライドを追加し、維持し、あるいは交換することがきわめて難しい。
第3に、細長いクッションスライドにハンマーウエイトが繰り返し衝突/接触する結果として、第1および第2の層に波打ちが生じ、落下するハンマーウエイトの経路へと変形し、最終的に破損に至る。
最後に、ハンマーウエイトへのクッションスライドの配置と比べ、上述の欠点を埋め合わせる本質的な利点をもたらさない。当然ながら、クッションスライドに使用される材料の特性が、それらが首尾よく機能するために重要である。
上述したハンマーウエイトと収容面との間の接触の種類は、高い速度およびきわめて大きい衝撃力を特徴とする。残念なことに、低い摩擦係数を有する材料は、典型的には、衝撃吸収性が高くない。逆に、衝撃吸収性の高い材料は、典型的には、高い摩擦係数を有する。したがって、単一の材料から効果的なクッションスライドを生成することは、実現可能でない。
さらなる困難として、衝撃ハンマーのウエイトの表面にクッションスライドを取り付け、あるいは形成するという実際的な課題が挙げられる。作業面に(直接またはストライカピンを介して)衝突するときに必然的に伴う大きな衝撃力および往復運動するハンマーウエイトのほぼ瞬時の減速に起因して、きわめて大きい荷重(例えば、2000G)が、スライドをハンマーウエイトに固定するために用いられる取り付けシステムに加わる。したがって、クッションスライドを、そのような荷重を最小にするために可能な限り軽くすることが望ましい。
第1の層の外面は、好ましくは、所定の低摩擦特性の材料、ならびにハウジングの内側側壁との繰り返しの高速接触(例えば、最大10ms−1)において摩擦の最小化および耐摩耗性の最大化を可能にする適切な材料で形成される。一態様によれば、第1の層は、
・超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、Spectra(登録商標)、Dyneema(登録商標)、
・ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、
・ポリアミドイミド(PAI)、
・ポリベンズイミダゾール(PBI)、
・ポリエチレンテレフタレート(PET P)、
・ポリフェニレンスルフィド(PPS)、
・Nylatron(商標)NSMまたはNylatron(商標)GSM(登録商標)などの潤滑剤および/または強化充填ナイロンを含むナイロン、
・Orkotなどの複合材料
・上記の任意の組み合わせまたは順列
を含むエンジニアリングプラスチックのグループから形成される。
上記の列挙は限定を意味せず、フィラー、補強材料、およびポリマー鎖の架橋のための照射などの形成後の処理の改変による上記材料の改変を含むと解釈されるべきである。第1の層の材料の望ましい特性として、軽さ、中程度〜高い速度および圧力のもとでの高い耐磨耗性、耐衝撃性、低い摩擦係数、および衝撃時の騒音レベルを最小にする低い硬度が挙げられる。
より丈夫な材料が必要とされる場合、第1の層に金属を使用することも可能であり、一実施形態において、第1の層は、
・鋳鉄、および/または
・鋼(鋼の任意の合金および/または熱処理を含む)
から形成される。
金属板の重量は、大部分の用途では大きすぎる可能性があり、したがって第1の層に使用される場合、好ましくは、単位面積当たりの質量を低減するために中空化などの軽量化手段が利用される。
グラフェンなどの新材料は、現時点においては商業的に実行可能でないが、近いうちに上記のプラスチック材料または金属材料の有用な代替物となる可能性があり、第1の層の物理的要件を満たし、あるいは超えるならば、本発明における使用に好適となり得る。
好ましくは、第1の層の所定の低摩擦特性は、潤滑なしでの摩擦係数が、表面粗さRa0.8〜1.1μmの乾いた鋼において0.35未満である。
好ましくは、第1の層の所定の耐摩耗性は、ASTM D4060からメートル法換算を使用して10×10−5/N未満の磨耗率である。
好ましくは、第1の層は、
・20MPaを超える引っ張り強さ、および30MPaを超える10%撓み時の圧縮強度と、
・55を超えるショアD硬度と、
・例えば3000を上回る高いPV(圧力x速度)値と
をさらに有する。
摩擦係数が低い材料が、必ずしも高い耐摩耗性を有するとは限らず、逆もまた然りであることを、当業者であれば理解できるであろう。UHMWPEの使用は、より低い速度および圧力における低摩擦および耐摩耗性の両方に関して特定の性能上の利点をもたらす。UHMWPEは、高い靭性を有し、経済的に使用することができ、第2の層をより薄い層および/またはそれほど複雑でない層として形成することを可能にする。より高い速度および圧力のために、Nylatron(商標)NSMなどの高いPVを有するが靭性は低くなる他のより高価なプラスチックを第1の層に使用し、第2の層を単位面積当たりでより多くの衝撃吸収が可能であるように形成することができる。
鋼などの高密度材料の使用は、衝撃印加の作業中にハンマーウエイトから外れることがないことを保証するために、適切に設計された取り付けを必要とする。
一実施形態においては、第1の層の外面に、噴き付けグラファイト、テフロン(登録商標)、または二硫化モリブデンなどの乾燥潤滑剤を適用することができ、さらには/あるいは第1の層に、二硫化モリブデンなどの乾燥潤滑剤を埋め込むことができる。
第1の層の外面について選択される材料の選択は、クッションスライドの有効性にとって重要であり、往復運動するコンポーネントのサイズ、関与する力、および動作環境に応じて選択される。低摩擦材料においては、第2の層によって行われる衝撃吸収の後に残る衝撃力に対して充分な耐衝撃性を有さないきわめて低摩擦の材料(例えば、PTFE)において磨耗と耐衝撃性との間で行われるトレードオフが多くの場合に存在する。1つの好ましい実施形態において、第1の層の材料は、可能な限り低い摩擦係数を有しつつ、おおむねRa=0.8〜3μmの表面粗さを有する鋼のハウジング内側側壁において使用されたときに、0.05MPaを超え最大4MPaまでの摺動圧力において、5ms−1を超え最大10ms−1までの瞬間摺動速度に、1メートルの移動につき0.01cm以下の磨耗率で耐えることができるように選択される。第1の層の材料は、好ましくは、恒久的な変形を伴うことなく0.3MPaを超え最大20MPaまでの衝撃圧力に耐えることができる。
第2の層は、好ましくは所定の衝撃吸収特性を有する材料から形成され、金属製のウエイトおよび第1の層に取り付けることが可能であり、可撓で衝撃吸収性であることが必要である。
第2の層の衝撃吸収特性は、より高い衝撃力を吸収することができる材料を選択することによって、または単純に同じ材料のより厚い層を作製することによって改善することができる。しかしながら、より厚い層は、次の衝撃に備えて元の形状に戻るためにより長い時間を要し、自身の形状を維持せず、過熱する可能性もある。一実施形態において、第2の層は、複数のサブ層から形成される。第2の層に複数のサブ層を設けることにより、同じ厚さの単一層の欠点を伴わずに、衝撃吸収特性を改善することができる。したがって、本明細書における第2の層への言及は、潜在的に複数のサブ層を含み、単一の一体的な層に限定されないと解釈されるべきである。
一実施形態によれば、第2の層は、エラストマー層を含み、好ましくはポリウレタンを含む。
好ましくは、エラストマーは、40〜95のショアA尺度値を有する。
クッションスライドにおいて第1および第2の層の特性を組み合わせることにより、第1の層を損傷させ、あるいは破壊する大きな衝撃荷重が防止され、容易に磨耗する第2の層について、ハウジングの内側側壁との繰り返しの摺動接触による損傷または摩滅が防止される。
第1および第2の層の異種材料を互いに成功裏に組み合わせることは、衝撃印加の作業において加わる荷重に耐えることができる丈夫な構造を必要とする。好ましくは、第1および第2の層は、互いに取り外し可能に取り付けられる。この取り外し可能な取り付けは、クリップ、ねじ、協働する結合部品、逆皿穴、または入れ子の形態をとることができる。一実施形態において、取り外し可能なア取り付けは、ハウジングの内側側壁が往復運動コンポーネントにおけるソケット内の所定の場所に層を保持するような入れ子配置であってもよい。別の実施形態においては、第1および第2の層が、一体的に形成され、あるいは結合され、もしくは何らかの他のやり方で取り外し不可能である。しかしながら、第1の層を第2の層から取り外しできるように構成することで、磨耗の期間の後にクッションスライド全体の交換を必要とすることなく層を交換できることを、理解できるであろう。
圧縮荷重が第2の層を形成するエラストマーに加わるとき、エラストマーは、衝突点から遠ざかるエラストマーの体積の変位によって衝撃を吸収する。エラストマーが堅固な境界によって取り囲まれている場合、これによりエラストマーの体積の変位の方向が、制限されていない境界で生じる。したがって、エラストマーが上面および下面において堅固な表面によって境界付けられている場合、エラストマーは、圧縮時に堅固な層の間で横方向に変位する。しかしながら、エラストマーが自由に変位できない場合、エラストマーは、閉じ込められた非圧縮性液体のように作用し、結果として、大きな潜在的に破壊的な圧力を周囲に加える。周囲の構造が充分に丈夫であれば、エラストマー自体は機能しなくなる。
衝撃吸収装置として効果的に機能するために、エラストマーは、圧縮の作用のもとで変位した体積が進入することができるボイドを必要とする。
したがって、本発明のさらなる態様によれば、クッションスライドおよび/またはクッションスライドに隣接する往復運動コンポーネントの一部分に、圧縮時に変位した第2の層の一部分を受け入れるように構成された少なくとも1つの変位用ボイドが設けられる。
一実施形態においては、変位用ボイドを、
・第1の層、
・第2の層、
・往復運動コンポーネント、または
・上記の組み合わせ
に形成することができる。
変位用ボイドは第1の層に形成されてよいが、これらは、典型的には、第1の層の材料(例えば、UHMWPE、ナイロン、または鋼)の構造への機械加工を必要とする。さらに、圧縮用ボイドは、ハンマーウエイトに機械加工または他のやり方で直接形成されてよいが、ハンマーウエイトの表面における不連続による応力割れの発生を回避するように注意する必要がある。
したがって、第2の層に少なくとも1つの変位用ボイドを形成することが、製造および取り付けを容易にするいくつかの利点を提供する。したがって、本発明のさらなる態様によれば、クッションスライドは、少なくとも1つの変位用ボイドを備えて形成される。好ましくは、ボイドは、
・第2の層を貫いて延びる開口、
・第1の層および/または往復運動コンポーネントに接触する第2の層の少なくとも1つの面に付与された繰り返される波状、畝状、ビーズ状、鋸歯状、および/または城郭状のパターン、
・スカラップ状または他の凹状の側縁部、
・上記の任意の組み合わせまたは順列
として形成される。
好ましくは、第1および第2の層は、実質的に平行である。好ましくは、第2の層は、往復運動コンポーネントの外面に実質的に平行である。したがって、衝撃力は、通常は、第2の層の大部分に対して垂直に作用する。
一実施形態において、第1および第2の層は、互いに非結合であり、好ましくはクリップ、ねじ、ねじ山、カップリング、などによって互いに接触した状態に保持される。対照的に、エラストマーを接着剤などによって第1の層に取り付けると、外縁を除くエラストマーの圧縮下での横方向変位が妨げられる。これは、結果として、エラストマーの衝撃吸収能力を低下させるだけでなく、2つの層が相互の結合を引き裂くように作用するため、高荷重下での損傷の可能性を増大させる。
衝撃印加の作業に伴う激しい減速によって発生する大きな力は、静止時のハンマーウエイトおよびハンマーウエイトに取り付けられたコンポーネントによって加えられる重力に対して1000倍もの増加(1000G)を生じさせることが、実務において明らかになっている。したがって、重さわずか0.75kgのクッションスライドは、2000Gに曝されたときに750kgの衝撃荷重を発生させる。
一実施形態において、本発明は、クッションスライドをハンマーウエイトまたは往復運動コンポーネントにおけるソケットに配置することによって、クッションスライドへのこのような大きいG力に耐えるという問題に対処する。
一態様によれば、クッションスライドは、往復運動コンポーネント上で少なくとも1つのソケット内に位置し、往復運動コンポーネントは、下部衝撃面および少なくとも1つの側面を有し、ソケットは、少なくとも1つの畝、段部、突起、凹部、リップ、突出部、または下部衝撃面と往復運動コンポーネントの側壁上のソケット内に位置するクッションスライドの少なくとも一部分との間の堅固な保持面を呈する他の構造を備えて形成される。
あるいは、往復運動コンポーネントが下部衝撃面および少なくとも1つの側面を有する場合に、クッションスライドは、側面の外面において往復運動コンポーネント上に位置し、側面に、少なくとも1つの畝、段部、突起、凹部、リップ、突出部、または下部衝撃面と往復運動コンポーネントの側壁上に位置するクッションスライドの少なくとも一部分との間の堅固な保持面を呈する他の構造が形成されている。
一実施形態において、保持面は、
・クッションスライドの側縁、
・クッションスライドを貫く内側開口部、および/または
・クッションスライドの凹部
の付近に位置したクッションスライドの周囲に位置する。
保持面は、往復運動コンポーネントが作業面/ストライカピンおよび/またはハウジング内側側壁に衝突したときにクッションスライドが往復運動コンポーネントから外れることを防止するための支持を提供する。保持面を、往復運動コンポーネントの表面の側壁に実質的に直交する突起または凹部をそれぞれ形成する外側または内側に延びる壁として形成することができる。
また、保持面に、やはり往復運動コンポーネントの側壁に実質的に直交する力の成分からクッションスライドを往復運動コンポーネントの側壁に固定するための種々の保持造作を形成することもできる。そのような保持造作として、これらに限られるわけではないが、逆テーパ、上部リップ、Oリング溝、ねじ山、入れ子、または往復運動コンポーネントに取り付けられたクッションスライドを保持するための他の噛み合い造作を挙げることができる。
一実施形態においては、保持面を、少なくとも第2の層の開口を通過し、随意により第1の層の開口も通過する少なくとも1つの位置決め突起を形成する壁として形成することができる。
一実施形態においては、クッションスライドの第1の層の位置決め部分が、第2の層を通って往復運動コンポーネントの側壁の凹部へと延びることにより、この凹部は位置決め部分に対する保持面を呈する。
位置決め部分および/または位置決め突起の使用が、クッションスライドを、クッションスライドの外周全体を囲む保持面を必要とすることなく、往復運動コンポーネントの側壁の遠位端に配置できるようにすることを、理解できるであろう。
さらに、第1の層を、逆テーパ、上部リップ、Oリング溝、ねじ山、クリップ、入れ子、あるいは他の噛み合いまたは相互結合の構成を含む種々の固定用の造作によって第2の層へと解放可能に固定することができる。
一実施形態において、第2の層は、往復運動コンポーネントの側壁の表面に直接結合したエラストマー層である。当業者であれば精通しているとおり、ポリウレタンなどのエラストマーの表面は、高度に付着性であり、直接接触して形成されることによって鋼製のハンマーウエイト往復運動コンポーネントに結合することができる。
クッションスライドのサイズ、位置、および形状は、往復運動コンポーネントの形状に明らかに依存する。ストライカピンへの衝突に使用される矩形/正方形断面のブロック状ハンマーウエイトとして形成された往復運動コンポーネントの場合に、4つの側面および角のいずれも、潜在的にハウジング内側側壁に接触し得ることを、理解できるであろう。
往復運動コンポーネントが下方に移動するとき、往復運動コンポーネントの経路および/またはハウジング内側側壁の向きの完全な鉛直方向からの逸脱は、相互の接触につながる可能性がある。そのような接触の初期の衝突点は、主に、例えば側面の間の角部など、往復運動コンポーネントの「頂部」のうちの1つの付近である。この衝突が、往復運動コンポーネントにモーメントを加え、正反対に位置する頂部において衝突が生じるまで、往復運動コンポーネントを回転させる。したがって、クッションスライドは、好ましくは、往復運動コンポーネントの遠位端に向かって配置される。本明細書において言及されるとき、往復運動コンポーネントの「頂部」は、正方形または長方形断面の角あるいは往復運動コンポーネントの2つの面の間の接合部など、往復運動コンポーネントの側方の点または縁を指す。
したがって、一態様によれば、第1の層は、クッションスライドに隣接する往復運動コンポーネントの側壁の外縁を越えて突出するように形成される。
一態様によれば、往復運動コンポーネントは、横断面が正方形または長方形であり、実質的に平坦な側壁が4つの頂部によって接続されており、クッションスライドは、少なくとも2つの側面、2つの頂部、ならびに/あるいは1つの側面および1つの頂部に位置する。好ましくは、クッションスライドは、少なくとも2対の対向する側壁および/または頂部に配置される。
上述したクッションスライドの横方向の配置に加えて、(細長い往復運動コンポーネントの長手軸に対する)クッションスライドの長手方向の位置は、装置の動作特性によって影響される。クッションスライドの適切な長手方向の配置は、以下の分類へと細分化することができる。
・例えばストライカピンに衝撃を加えるために使用される単一のハンマーウエイトおよびウエイトなど、一方向。
・例えば反転させることができるハンマーの両端の衝撃ツール端を有する単一のハンマーウエイトならびに/あるいはレバリング作業およびレーキ作業にも使用される一方向ハンマーなど、双方向。
特許文献10に記載されているような衝撃ハンマーも、ハンマーハウジングから延びるハンマーチップを用いて岩石などのレーキ作業およびレバリング作業を行うために使用される。作業面のこのような操作は、きわめて摩耗性があり、作業面がハンマーウエイトのうちのクッションスライドを有する部分に接触することは、クッションスライドを損傷させるため、回避されなければならない。したがって、2つの反対向きのツール端を有する反転させることができるハンマーと組み合わせて使用される場合、クッションスライドは、いずれの向きにおいてもハンマーによる損傷を避けるために、露出したハンマーツール端から充分に遠く等距離に配置される必要がある。
反転させることができるハンマーとともに使用されるクッションスライドの実施形態は、好ましくは、細長い実質的に矩形/直方体のプレートまたはブレードの構成として形作られ、1対の幅広い平行な長手方向の面を1対の平行な狭い側面でつないで有している。このような構成は、短い側面に配置されたクッションスライドが、ハンマーウエイトの側面に事実上巻き付いて両方の広い側面にクッションをもたらすように充分に広がることを、容易にすることができる。このような構成は、2つのクッションスライドを用いるだけで、4つの側面のすべてについて衝撃からの保護を可能にする。
したがって、一態様によれば、本発明は、矩形断面の往復運動コンポーネントの反対向きの面に配置された少なくとも2つのクッションスライドを含み、これらのクッションスライドは、1対の隣接する頂部の周りを延びるような構成および寸法を有する。
典型的な砕石機の往復運動サイクルは、衝撃行程の前にハンマーウエイトを持ち上げることを含む。ハンマーウエイトは、1つまたは2つのハウジング側壁に沿ってハウジング内を落下し、岩石の表面またはストライカピンに衝突して跳ね返り、他の側壁に衝突し得る。この後続の側壁との衝突が、大きな騒音を発生させる。上述したように、ハンマーウエイトとハウジング内側側壁との衝突から生じる得る衝撃力および騒音は、ハンマーウエイトとハウジング内側側壁との間の隔たりが大きいほど、ハンマーウエイトにとって相対速度を高めるための距離が大きくなるがゆえに増大する。しかしながら、壁に対する「すき間」を減少させるためには、ハウジングおよびハンマーウエイトをより精密に製造する必要がある。
さらなる実施形態によれば、クッションスライドは、第1の層をハウジングの側壁に向かって付勢するための少なくとも1つのプリテンション造作または「プレロード」を含む。
1つの好ましい実施形態において、プリテンション造作は、
・第1の層の下面、
・第2の層の上面、
・第2の層の下面、
・第2の層のサブ層の表面、および/または
・第2の層の下側に隣接する往復運動コンポーネントの側壁面
のうちの少なくとも1つに形成されたプリテンション表面造作であってよく、
プリテンション造作は、少なくとも1つのプリテンション造作が設けられた表面と、プリテンション造作に接触する隣接面とを、離すように付勢する。
プリテンション造作は、好ましくは、第2の層よりも容易に圧縮されるような形状およびサイズとされた表面造作である。
一実施形態において、プリテンション造作は、第2の層の材料よりも低い弾性率を有する材料から形成される。
別の実施形態において、プリテンション造作は、第2の層またはそのサブ層を付勢をもたらすように作り上げ、好ましくはクッションスライドを往復運動コンポーネントに組み付けるときに緊張させることによって形成される。
このようにして、プリテンション造作は、第1の層をハウジングの側壁に向けて付勢して、往復運動コンポーネントをハウジングの側壁から明らかに離間させることができる。したがって、プリテンション造作は、クッションスライドとハウジング側壁との間のすき間をなくし、あるいは少なくとも減らすことによって、生じ得る横方向の衝突の騒音を低減することができる。さらに、プリテンション造作は、磨耗による第1の層の厚さの減少を補償する。また、プリテンション造作は、往復運動コンポーネントが鉛直でなく、あるいは横すき間が変化するハウジングを通って移動するときに、往復運動コンポーネントの心出しを補助することができる。
好ましくは、少なくとも1つのプリテンション造作を備えたクッションスライドを有する往復運動コンポーネントは、少なくとも1つのクッションスライドが往復運動コンポーネントの往復運動の最中にハウジング内側側壁に継続的に接触するような構成および寸法とされる。好ましくは、プリテンション造作は、弾性的である。
一実施形態においては、プリテンション造作を、往復運動コンポーネントがハウジング内側側壁の内側で横方向に等距離に位置するときに、あらかじめ緊張させることができる。
したがって、ハウジングが実質的に鉛直であるとき、クッションスライドの第1の層の外面が、ハウジングの内側側壁に軽く接触するように付勢される。使用時に、往復運動コンポーネントが往復運動するとき、往復運動コンポーネントが被る力の横成分が、プリテンション造作を圧縮するように作用する。このようにして、プリテンション造作は、それ以上の圧縮力が加わると先の実施形態において上述したように第2の層のエラストマーが撓む時点まで、圧縮される。プリテンション造作の形状および付勢ならびに第2の層のエラストマーを適切に選択することにより、第1の層を、往復運動の最中の脱落を防止するが、第2の層の衝撃吸収能力を妨げることはない充分な付勢で、ハウジング内側側壁に接触した状態に保つことができる。
一実施形態において、プリテンション造作は、第2の層に形成されたスパイク、フィン、ボタン、などを含む。
またさらなる態様によれば、クッションスライドは、磨耗バッファを含む。例えば、衝撃ハンマーがかなりの傾きで長期間使用された場合、力は最下部のハウジング内側側壁および下部側壁に面するクッションスライドに生じる。そのような長期間の使用は、該当のクッションスライドのエラストマーに過度の応力を作用させ、不具合を生じさせる可能性がある。エラストマーは、過度の応力の強度および/または持続時間が特定の限界を超えないならば、弾性能力を回復することができる。したがって、磨耗バッファは、所定のしきい値を超えて第2の層のエラストマーを圧縮することを防止する手段を提供する。一実施形態において、磨耗バッファは、第2の層および第1の層の開口を通過する少なくとも1つの位置決め突起を形成する壁として構成された保持面によってもたらされる。上述のように、位置決め突起は、衝撃力のもとでの往復運動コンポーネントの側壁にクッションスライドを固定する手段である。しかしながら、位置決め突起は、磨耗バッファとして構成される能力も提供し、第2の層のエラストマーの撓みが所定の点を超えてエラストマーの厚さを減少させた後に、位置決め突起が第1の層の開口を通ってハウジング内側側壁に接触するように充分に延びる。したがって、鋼製のハウジング側壁が位置決め突起に当接し、エラストマーの第2の層のさらなる圧縮または損傷を防止する。これは、騒音の発生を或る程度増加させるが、それはバッファがまったく存在しない場合よりも大幅に少ないと考えられる。
別の実施形態において、クッションスライドは、第2の層がその通常の動作限界(典型的なエラストマーにおいて、典型的には30%)を超えて圧縮されたときに、クッションスライドを収容する凹部を取り囲む往復運動コンポーネントの表面がハウジング内側側壁に当接するような寸法にて構成される。
さらなる態様によれば、本発明は、装置内の往復運動コンポーネントに取り付けられるクッションスライドを提供し、
往復運動コンポーネントは、装置の少なくとも1つの収容面に少なくとも部分的に接触して往復運動経路に沿って移動可能であり、
クッションスライドは、外側の第1の層と、内側の第2の層とを備えて形成され、
・第1の層は、所定の低摩擦特性の材料から形成され、コンポーネントの往復運動の最中に収容面と少なくとも部分的に接触するように構成および配置された外面を備えて形成され、
・第2の層は、所定の衝撃吸収特性の材料から形成され、
第1の層に接続された少なくとも1つの表面と、往復運動コンポーネントに接続可能な少なくとも1つの内面とを備えて形成される。
さらなる態様によれば、往復運動コンポーネントを組み立てる方法が提供され、この方法は、上述のクッションスライドを往復運動コンポーネントに取り付けるステップを含む。
すでに述べたように、本発明は、衝撃ハンマーまたは他の砕石装置に限定されず、装置の部品間の多数の相互衝突を含む往復運動コンポーネントを有する任意の装置に適用可能である。
したがって、本発明は、衝撃性能の改善、ならびに製造コスト、騒音、および維持費の低減の点で、先行技術に対して顕著な利点を提供する。
本発明は、本出願の出願人の重力衝撃ハンマーにおいて、15dBAの騒音低減を達成することが明らかになっている。これは、きわめて大きな運用の改善をもたらす。初期の衝撃ハンマーは、使用時に30mで90dBAを発生させたが、本発明は、30mでわずか75dBAしか発生させない。さらに、市街地の近くでのこのような機械の運転に関して一般的な55dBAという法律上の騒音制限に、以前は1700mで達していたが、今や300mでなければこのような値に達せず、これは5倍超の改善である。
衝撃ハンマーウエイトの典型的な摩擦による力の損失は、おおむね12〜15%である。鋼における鋼の摩擦係数が0.35である一方で、鋼におけるUHMWPEまたはナイロンは、0.20未満である。したがって、クッションスライドの第1の層としてUHMWPEを使用する本発明は、これらの損失を約40%〜7〜9%低減することが明らかになっている。したがって、ハンマー駆動機構は、3〜5%重いハンマーウエイトを持ち上げることができ、下方駆動ハンマーの場合には、ハンマーウエイトを3〜5%少ない損失で下方へと駆動でき、破壊効果を相応に改善することができる。
衝撃を吸収する第2の層ゆえに装置へと加わる衝撃荷重が低減されることで、装置の稼働寿命を延ばすことができ、あるいはより軽量で安価な構成のハウジングを製造できるようになる。
さらに、上述のクッションスライドの使用は、装置をより広い公差で製造することを可能にすることで、コストをさらに低減する。これは、ハンマーウエイトとハウジングハンマーウエイトガイド(ハウジングの内側ガイド壁)との間の鋼対鋼の接触が、低摩擦の第1の層(例えば、UHMWPE)の鋼製のハウジングハンマーウエイトガイドとの接触に変更されることで達成可能である。鋼/鋼の接触は、衝撃および騒音のレベルを可能な限り最小にするために、高水準の加工精度および小さい公差を必要とする。さらに、ハウジングケーシングは、典型的には、正確な公差へと製造することが困難な機械加工によらない溶接物であり、不正確である場合、困難であって時間がかかり、非標準部品を必要とするハンマーウエイトの機械加工を必要とする。
対照的に、前述のクッションスライドを使用することにより、クッションスライドを配置するためにハンマーウエイト側面の比較的小さな部分を正確に機械加工する前に、ハンマーウエイトを粗い公差で製造することができ、あるいは粗く鋳造または鍛造することができる。ハンマーウエイトの必要な幅のいかなる不一致も、典型的には第1の層の調整を介してクッションスライドの厚さを調整するだけで対応することができる。
本発明に関連するストライカピンの構成の詳細が、以下でさらに深く検討される。
使用時に、ストライカピンは、作業者がストライカピンの衝撃端を作業面に当接させ、あるいは可能な限り作業面に近付けて配置することにより、プライム位置に配置される。作業面に当接して配置された場合、ストライカピンは、保持ピンが遠位側の移動ストッパと係合することによって拘束されるまで、ハウジング内に押し込まれる。衝撃ハンマーは、このようにして、ハンマーウエイトからの衝撃を受け取って作業面に伝えるように準備される。
ハンマーウエイトがストライカピンへと落下するとき、ストライカピンは、作業面が砕けない場合を除き、ハンマーウエイトに最も近い摺動結合用凹部の端部に位置する近位側移動ストッパに保持ピンが接触することによってさらなる移動が阻止されるまで、作業面へと押し込まれる。衝撃後に作業面が砕けず、あるいはストライカピンが貫通するほどには充分に変形しない非有効な打撃の場合、ストライカピンは、ストライカピンの軸に沿って逆方向に跳ね返り、遠位側の移動ストッパを保持ピンに当接させる。
作業者が衝撃端を作業面に接触させることなくハンマーウエイトをストライカピンの被駆動端へと落下させる場合に、「ミスヒット」が生じる。ミスヒットの場合、ハンマーウエイトの衝撃は、近位側の移動ストッパを摺動可能に結合した保持ピンに当接させる。
打撃後に作業面が首尾よく砕けたとしても、衝撃が、ストライカピンおよびマスの運動エネルギーの一部しか吸収しない可能性もある。「オーバーヒット」として知られるそのような場合には、衝撃ハンマーへの結果としての影響は、「ミスヒット」に直接匹敵する。
したがって、保持ピンが遠位側または近位側のいずれかの移動ストッパに係合しているときの衝撃印加の動作において、残りのストライカピンの運動量は、リテーナに伝達され、リテーナが、衝撃吸収システムに作用する。
さらなる実施形態によれば、少なくとも1つの衝撃吸収アセンブリが、ストライカピンの周りでハウジング内に摺動可能に保持され、衝撃ハンマーは、衝撃印加の動作の最中に衝撃吸収アセンブリの弾性層に心出し効果をもたらすように構成されたガイド要素を、ノーズブロック内に配置して備える。
本発明は、上述の細長いスライドに加えて、多数の異なる構成のガイド要素の使用を可能にする。物理的形態および実装の違いにもかかわらず、すべてのガイド要素の実施形態は、弾性層とハウジングおよび/またはストライカピンとの相対位置を維持するという共通の目的を共有している。衝撃吸収装置は、ガイド要素がなくても機能することができるが、ハウジングおよび/またはストライカピンの壁と干渉することなく各々の弾性層について最大の当接面を取り入れるために利用することができる使用可能容積を最大にするために、ガイド要素を備えることが有利であることを、理解できるであろう。
本明細書において使用されるとき、用語「センタリング」または「心出し」は、衝撃印加の動作の最中に長手方向の衝撃軸から遠ざかろうとする衝撃吸収アセンブリの横変位に対して復帰または矯正効果を少なくとも部分的に加える任意の構成または配置を含む。衝撃軸とストライカピンの長手軸とは、通常は実質的に同軸であるが、ストライカピンによるノーズブロックの磨耗が、ストライカピンの長手軸のずれを生じさせる可能性があることを、理解できるであろう。そのようなずれにより、衝撃吸収装置アセンブリがノーズブロックの側壁に不利に干渉する可能性があるため、復帰センタリング作用によって衝撃吸収装置の整列を許容限界の範囲内に保つ必要がある。
さらに、本明細書のどこかでさらに詳しく検討されるとおり、衝撃吸収アセンブリの弾性層は、非弾性層、隣接するノーズブロックの下側および上側の平坦な境界、ならびに/あるいはリテーナに接着されたり、あるいは取り付けられたりすることなく、圧縮時に横方向に自由に撓むように構成される。したがって、ノーズブロック内の弾性層の横方向の整列が、ストライカピンの表面、ノーズブロックの側壁、および/またはノーズブロックのボルトとの破壊的な干渉を防止するために、許容可能なレベルに維持されなければならず、すなわち心出しされなければならない。
さらなる態様によれば、衝撃吸収アセンブリの弾性層の整列は、弾性層の一部として形成された下部真空シーリングによってもたらされるが、この整列を、非弾性層によって直接もたらすこともでき、その場合、下部真空シーリングは、非弾性層によって形成され、非弾性層に形成され、あるいは非弾性層に隣接して形成される。
一態様によれば、ガイド要素は、ハウジングの内壁に配置され、ストライカピンの長手軸に平行に向けられた細長いスライドの形態で設けられ、細長いスライドは、弾性層の縁の協働する形状の部分に摺動可能に係合するように構成される。一実施形態において、細長いスライドガイド要素は、長手方向の凹部を備えて形成され、弾性層の形状の部分は、賞賛の突起として形成される。別の実施形態においては、細長いスライドが、長手方向の突起にて形成され、弾性層の形状の部分が、突起の断面に賞賛の凹部として形成される。別の実施形態においては、ガイド要素を、ストライカピンの外側に配置された細長いスライドの形態で設けることができる。弾性層の縁とストライカピンとの間の摺動可能な係合を、細長いスライドであるガイド要素の凹部と弾性層の縁の突起、あるいはこの逆によって形成できることも、理解できるであろう。
好ましくは、突起は、相補的な形状の凹部または溝において摺動する実質的に丸みを帯び、あるいは湾曲した先端の三角形の構成である。このようにして、上述の実施形態は、衝撃吸収の衝撃によって生じる長手方向の運動の最中に弾性層の位置決めまたは「センタリング」を提供し、弾性層の横方向に変位した/撓んだ部分がハウジングおよび/またはストライカピンの壁に衝突することを防止する。
圧縮サイクルにおいて、弾性層の縁部は、サイズおよび形状の大きな変化を被る。縁部における過度の急激な幾何学的不連続は、ゆるやかな不連続よりも著しく高い応力を被る。したがって、弾性層は、好ましくは、いずれも強い応力集中および結果としての割れを引き起こしかねない鋭い半径、小さな穴、細い突起、などを持たない実質的に滑らかな環として形成される。したがって、エラストマー層上に直接形成される非支持の安定化の造作は、首尾よく実装することが困難であり、細長いスライドガイド要素が堅固な材料から形成されたならば急速に磨耗しかねず、引きちぎられてしまうことすら考えられる。したがって、さらなる態様によれば、細長いスライドガイド要素は、半剛体または少なくとも部分的に可撓性の材料から形成される。
大型および/または非支持の安定化造作が形成された場合、対応する衝撃吸収アセンブリの側縁を出る地点に沿って破損する危険性がある。
ポリウレタンなどの弾性層が堅固な表面によって局部的に拘束される(すなわち、特定の方向の膨張が防止される)地点において、ポリウレタンなどの弾性層は、その位置において非圧縮性となり、加えられた圧縮力によって引き起こされる強力な自発的発熱によってすぐに破壊される。したがって、弾性層は、圧縮サイクルの全体にわたって、少なくとも1つの方向に自由に、または比較的自由に膨張することができなければならない。これは、弾性層の横方向の寸法を過度に控えめに抑えることによって単純に達成することができる。しかしながら、そのような手法は、ノーズブロック内の利用可能な断面積を衝撃の吸収に効率的に使用していない。したがって、弾性層の完全性を危うくすることなく、利用可能な横方向の領域を最大限に使用することが有利である。ガイド要素の組み込みは、このような効率を達成する手段を提供する。
弾性層はストライカピンに向かって内側にも膨張するが、ストライカピンとの接触は、負荷された衝撃吸収アセンブリ(すなわち、衝撃吸収時の圧縮中の衝撃吸収アセンブリ)とストライカピンとが実質的に同時に長手方向に移動するがゆえに問題にならないことを、理解すべきである。本発明の一態様によれば、細長いスライドの形態のガイド要素は、弾性層よりも弾性が大きい(すなわち、より柔らかい)材料から形成される。結果として、弾性層が使用時に圧縮下で横方向に膨張し、突起がガイド要素との接触を増すように移動するとき、2つの異なる種類の相互作用機構が生じる。最初に、突起が、ガイド要素がストライカピンの長手軸に平行に弾性要素と一緒の移動を開始する点に接触圧力が達するまで、ストライカピンの長手軸に平行に摺動する。このようにして、細長いスライドガイド要素は、弾性層の突起に最小限の摩耗または移動の抵抗を提供する。さらに、突起が局部的に非圧縮性になることを防止することに加えて、弾性層の突起と比べてガイド要素の柔らかさを増すことにより、磨耗をガイド要素がもっぱら受け持つという効果が生じる。これにより、衝撃吸収アセンブリを取り外して分解する必要なく、ガイドを容易に交換できるため、保守の負荷が低減される。
さらなる態様によれば、少なくとも1つの突起は、突起の頂部に実質的に凹状の凹部を含む。好ましくは、凹部は、幾何学的な回転軸を弾性層の平面内に位置させた部分円柱の断面として構成される。圧縮荷重下で、弾性層の中心は、外側へと最大限に変位する。突起の頂部からの材料の除去による凹部または「スクープ」は、突起の中心を弾性層の縁を超えて横方向に膨出させることなく、弾性層が外側へと広がることを可能にする。凹部の容積および形状は、弾性層の縁が弾性層および非弾性層の平坦な表面に垂直であったならば隣接する非弾性層を超えて外側へと突出することになるであろう弾性層の逆または反転の形状および容積と実質的に同等である。
凹部を形成するための材料の除去は、衝撃吸収によって弾性層の圧縮が引き起こされる際に、弾性層の縁がガイド要素および/またはノーズブロックの側壁に接触することによって被る圧力を(そのような凹部を持たない弾性層と比べて)減少させる。圧縮された弾性層の周縁部が実質的に単一の表面を有するガイド要素および/またはノーズブロックの側壁に接触するとき、表面積は、凹部を持たない弾性層において生じる膨出部の接触点のより小さい表面積と比べて大きくなる(したがって、圧力は小さくなる)。
弾性層の縁とガイド要素および/またはノーズブロックの側壁との間の接触圧を低減するための代案の方法は、弾性層および非弾性層の周縁部の輪郭の変化によって達成することができる。一実施形態によれば、周縁部に隣接する弾性層の厚さが、テーパ部分を形成するように減少させられる。別の実施形態によれば、周縁部に隣接する非弾性層の厚さが、テーパ部分を形成するように減少させられる。効果的なことに、どちらの実施形態も、弾性層の周縁部または非弾性層の周縁部のいずれかの体積を、全体としての層の体積または厚さには無視できる影響しか及ぼさずに減少させることによって、圧縮下で弾性層の縁に加わる圧力を低減するための手段を提供する。
上述の実施形態における弾性層がガイド要素に作用させる圧力の低減は、衝撃吸収装置アセンブリの圧縮時のガイド要素の機能または完全性への悪影響を防止するというさらなる利点を有する。
別の実施形態において、ガイド要素は、弾性層の内縁と外縁との間に配置され、ストライカピンの長手軸に実質的に平行に個々の衝撃吸収アセンブリの各々の弾性層を通過するように向けられ、各々の弾性層を横方向について位置決めする位置決めピンとして形成される。好ましくは、ピンは、非弾性層に取り付けられ、非弾性層の平坦な表面から直角に延び、弾性層を通過する。一実施形態において、非弾性層の反対向きの平坦な面上の位置決めピンは、同軸に整列させられ、随意により単一の連続的な要素として形成され、少なくとも2つの弾性層および1つの非弾性層を通過する。別の実施形態において、ピンは、非弾性層の反対向きの面に同軸に取り付けられるペアにて配置される。しかしながら、非弾性層の各側の位置決めピンが、必ずしも整列している必要はなく、あるいは同じ数である必要はないことを、理解できるであろう。
弾性層は、圧縮下で、ノーズブロックの壁に向かって外側へと撓むとともに、ストライカピンに向かって内側へと撓むが、内縁と外縁との間に静止しているヌル点位置が存在することを、容易に理解できるであろう。このヌル点位置は、衝撃吸収の際に横方向に移動することがないため、弾性層と弾性層を通過する位置決めピンガイド要素との間に相対運動が存在せず、したがって両者の間に引っ張りも圧縮も生じない。したがって、別の代案の実施形態において、位置決めピンは、対応する弾性層のヌル位置に対応する位置において非弾性層上に配置される。おおむね環状の弾性層のヌル位置は、弾性層の内周と外周との間に位置するおおむね環状の経路であることを、理解できるであろう。
好ましくは、4つの位置決めピンが、非弾性層の各側に用いられ、ストライカピンの周りに等距離に放射状に配置される。しかしながら、2つ以上のピンを使用して弾性層のセンタリングを保証できることを、理解できるであろう。
またさらなる実施形態においては、ガイド要素の別の代案の構成が、弾性層と1つ以上のアンカー点とを囲む張力バンドの形態で設けられる。一実施形態において、アンカー点は、ノーズブロックの壁の各面の中心に等距離で配置された4つのノーズブロックボルトによって提供される。好ましくは、各々の弾性層に別々の張力バンドが設けられる。しかしながら、張力バンドは、ノーズブロックボルトならびに/あるいはノーズブロック側壁の他の部分またはノーズブロック側壁への取り付け物を含むさまざまな数のアンカー点の周囲を通過するように構成されてよいことを、理解できるであろう。
張力バンドを、エラストマーなどの弾性材料で形成することも可能である。一態様によれば、張力バンドのうちのノーズブロックボルトの周りを通過する部分が、隣接するノーズブロック側壁の浅いくぼみを通過することで、使用時にバンドをノーズブロックボルト上で上下に摺動することがないように固定する。張力バンドは、必ずしもノーズボルトの回りを通過する必要はなく、代わりに、側壁の一部および/または何らかの他のフィッティングなどの他のアンカー点の周囲を通過しても、あるいはそのようなアンカー点を通過してもよい。張力バンドによって弾性層に加えられるセンタリング力は、バンドが2つのアンカー点の間の直接の直線経路から弾性層の外縁によってどの程度変位させられたかに比例する。したがって、張力バンドによって加えられ得る復帰のセンタリングのポテンシャル力を、異なる張力バンド材料の選択、アンカー点の隔たりおよび位置、弾性層の形状および寸法、ならびに連続するアンカー点の間のバンド部分の弾性層による撓みの程度によって変えることができることを、理解できるであろう。
すでに述べたように、弾性層の縁に直接形成される非支持の安定化造作は、成功裏に実装することが難しく、堅固でない細長いスライドの形態のガイド要素とともに使用されない限り、使用時に急速に磨耗し、機能できなくなる可能性すらある。しかしながら、別の実施形態においては、ノーズブロックの側壁に接触するように弾性層の外縁から直接突出した被支持安定化造作の形態のガイド要素のさらなる別の構成が提供される。好ましくは、弾性層上の被支持安定化造作は、対応する形状の隣接する非弾性層によって少なくとも1つの平面上に支持される。一実施形態において、非弾性層は、実質的に正方形または長方形の平面を有して形成され、隣接する弾性層の対応する安定化造作の形状および/または位置に実質的に対応するように形作られた少なくとも1つのタブ部を外周に配置して有している。好ましくは、タブ部は、非弾性層の各々の頂部に位置し、隣接するノーズボルトの間をノーズブロック側壁のすぐ近くまで通過するように形作られる。
使用の不可避の結果として、衝撃ハンマーは、当然ながら、磨耗および割れを被る。ストライカピンの浸食磨耗に加えて、ストライカピンの側面が、ノーズプレートおよびキャッププレートを貫く開口の側面を磨耗させる。この磨耗により、ストライカピンの長手軸が衝撃軸からずれてしまい、結果として、ストライカピンを取り囲む衝撃吸収アセンブリがノーズブロックの壁により近付く。ストライカピンと非弾性層の内縁との間あるいはノーズブロックの側壁と非弾性層の外縁との間のいずれかに或る程度の横すき間を取り入れることで、これに相当する程度の磨耗を首尾よく許容することができる。一貫したすき間による隔たりを維持するために、弾性層の上述のセンタリングに加えて、非弾性層の対向する側縁も、何らかの形態のセンタリングを必要とする。非弾性層は、当然ながら圧縮されても横方向に広がったり、撓んだりしないが、衝撃印加における使用の最中に横方向の整列が変化すると、ノーズブロックの壁ならびに/あるいはノーズブロックボルトなどのノーズブロックの内部の他の構造との干渉を引き起こす可能性がある。
一実施形態において、非弾性層は、非弾性層の外縁とノーズブロックの壁との間にすき間を空けつつ、内縁がストライカピンにすぐ隣接して位置するように構成される。
代案の実施形態において、非弾性層は、非弾性層の内縁とストライカピンとの間にすき間を空けつつ、外縁がノーズブロックの壁の少なくとも一部分および/またはノーズボルトにすぐ隣接して位置するように構成される。前者の実施形態では、非弾性層がストライカピンへの近接によって心出しされた状態を維持するが、非円形の非弾性層がストライカピンを中心にして回転し、ノーズブロックの側壁および/またはノーズブロックボルトに不都合にも干渉する可能性が残る。
したがって、本発明は、ノーズブロック内壁の周りに配置され、非弾性層の回転を妨げるような配置および寸法とされる一方で、長手方向の衝撃軸に平行な移動は許容する1対の拘束要素を備える。一実施形態において、拘束要素は、ノーズブロック側壁に位置する1対のノーズボルトの間においてノーズブロック内壁に隣接して配置され、ノーズブロック側壁に位置する1対のノーズボルトを超えてストライカピンに向かって横方向内側に延びている1対の実質的に細長い直方体を備える。
一実施形態において、用語「ハウジング」は、ハンマーウエイトと、装置の一部であるならばストライカピンとを、設置および固定するために使用される衝撃ハンマーの任意の部分であって、任意の外ケーシングまたは保護カバー、ノーズブロック(ストライカピンを突出させる)、ならびに/あるいは保護カバーの内部または外部に位置し、ハンマーウエイトをストライカピンなどに接触させるように動作させ、さらには/あるいは案内するその他の付属品または機構などの部分を含むように使用される。ノーズブロックは、(ハウジングの残りの部分に取り付けられる)別個の品目として形成されても、一体的に形成されたハウジングの一部であってもよく、これらの両方のノーズブロックの構成の変種は、本明細書で定義されるとおりのハウジングの一部として含まれる。
このように、本発明の種々の実施形態は、これらに限られるわけではないが
・ハンマーウエイトの重量に対する断面の比に応じて、真空によってもたらされる総衝撃エネルギーの割合を容易に設定できる、
・真空アシスト衝撃ハンマーを同等のサイズの重力のみの衝撃ハンマーと比べて2倍の重量対衝撃エネルギーの比にて製造することを可能にするための充分な重量削減、
・同じ衝撃エネルギーにおいてより下位の掘削機重量クラスへの移動に充分であるだけでなく、掘削機の資本コストの低減が先行技術の重力式ハンマーの総コストを上回るような総ハンマー重量の削減を伴って構成された真空アシスト衝撃ハンマー
など、本明細書に記載のとおりの先行技術に対する多数の利点および利益を提供する。
本明細書の開示が、いずれかの実施形態または態様の特徴、構成要素、方法、または態様の任意の1つ以上を個別に、または部分的に、あるいは集合的に、その他の実施形態または態様のその他の特徴と任意のやり方で組み合わせることができる実施形態を包含し、本明細書の開示が、そのようでないと明示的に述べられていない限り、任意の可能な組み合わせを排除するものではないことを、理解すべきである。
本発明のさらなる態様および利点は、あくまでも例として添付の図面を参照して与えられる以下の説明から、明らかになるであろう。
掘削機に取り付けられた衝撃ハンマーの形態の装置の本発明の好ましい実施形態を示している。 ハンマーウエイトが下降行程の最下部に位置している図1に示した衝撃ハンマーの側面断面拡大図である。 ハンマーウエイトが上昇行程の最上部に位置している図2aに示した衝撃ハンマーの側面断面図を示している。 図2に示した衝撃ハンマーの下端部の断面の拡大側面図を示している。 好ましい実施形態によるシールおよびクッションスライドの側面断面拡大図を示している。 好ましい実施形態による組み合わせられたシールおよびクッションスライドの側面断面拡大図を示している。 ウエイト、クッションスライド、およびシールの側面断面図を示している。 図4cのウエイト、クッションスライド、およびシールの断面XXの平面図を示している。 図4cのウエイト、クッションスライド、およびシールの断面YYの平面図を示している。 代案のウエイト、クッションスライド、およびシールの平面断面図を示している。 図4fに示したウエイト、クッションスライド、およびシールの下側平面断面図を示している。 中間要素を有するストライカピンおよびノーズブロックの側面図を示している。 図4fに示した中間要素の拡大側面図を示している。 さらなる中間要素を含むさらなる実施形態の側面図を示している。 図4hに示した中間要素の拡大側面図を示している。 ベントおよび一方向可撓ポペット弁の側面断面図を示している。 ベントおよび一方向剛体ポペット弁の側面断面図を示している。 ベントおよび一方向横開きフラップ弁の側面断面図を示している。 ベントおよび真空ポンプの側面断面図を示している。 ベント、真空チャンバ、および真空ポンプの側面断面図を示している。 下部真空シーリングの実施形態を有するストライカピンおよびノーズブロックの拡大側面図を示している。 さらなる下部真空シーリングの実施形態を有するストライカピンおよびノーズブロックの側面図を示している。 図9aの下部真空シーリングの実施形態の拡大側面図を示している。 さらなる下部真空シーリングの実施形態を有するストライカピンおよびノーズブロックの拡大側面図を示している。 さらなる下部真空シーリングの実施形態を有するストライカピンおよびノーズブロックの拡大側面図を示している。 さらなる下部真空シーリングの実施形態を有するストライカピンおよびノーズブロックの拡大側面図を示している。 さらなる下部真空シーリングの実施形態を有するストライカピンおよびノーズブロックの拡大側面図を示している。 ロボット遠隔制御衝撃ハンマーの形態の本発明のさらなる実施形態の側面図を示している。 図1の衝撃ハンマーの側面断面図および先行技術の衝撃ハンマーの側面断面図を示している。 小型掘削機に取り付けられた小型衝撃ハンマーの形態の装置の本発明の好ましい実施形態の側面断面図を示している。 大型掘削機に取り付けられた大型衝撃ハンマーの形態の装置の本発明のさらなる実施形態の側面断面図を示している。 図1に示した実施形態によるハンマーウエイトおよびクッションスライドの斜視図を示している。 図1に示した実施形態によるハンマーウエイトおよびクッションスライドの斜視図を示している。 図1に示した実施形態によるハンマーウエイトおよびクッションスライドの斜視図を示している。 図1に示した実施形態によるハンマーウエイトおよびクッションスライドの斜視図を示している。 図1に示した実施形態によるウエイトおよびクッションスライドの斜視図を示している。 図1に示した実施形態によるウエイトおよびクッションスライドの分解拡大平面断面図を示している。 20aに示したウエイトおよびクッションスライドの拡大平面断面図を示している。 20cのウエイトおよびクッションスライドの平面断面図を示している。 クッションスライドのさらなる実施形態を備える図1に示した実施形態によるウエイトの斜視図を示している。 図1に示した実施形態によるハンマーウエイトおよびクッションスライドの正面図を示している。 22aに示した実施形態に対する別のハンマーウエイトおよびクッションスライドの正面図を示している。 作業面に衝突する図1に示した実施形態のハンマーウエイトの正面図を示している。 23aに示した実施形態の側面図を示している。 図1に示した実施形態のハンマーウエイトの正面図を示している。 図1に示したハンマーウエイトのためのクッションスライドの等角投影図を示している。 図1に示したウエイトの頂部のためのクッションスライドの等角投影図を示している。 図1に示したウエイトの側壁のための矩形のクッションスライドの等角投影図を示している。 図1に示したウエイトの側壁のための円形のクッションスライドの等角投影図を示している。 圧縮されていない状態および圧縮された状態の図25aのAAに沿ったクッションスライドの第2の層の断面図を示している。 圧縮されていない状態および圧縮された状態の図25bのBBに沿ったクッションスライドの第2の層の断面図を示している。 圧縮されていない状態および圧縮された状態の図25cのCCに沿ったクッションスライドの第2の層の断面図を示している。 圧縮されていない状態および圧縮された状態の図25dのDDに沿ったクッションスライドの第2の層の断面図を示している。 第1の固定用造作を有するクッションスライドの縁部分の拡大側面断面図を示している。 第2の固定用造作を有するクッションスライドの縁部分の拡大側面断面図を示している。 第3の固定用造作を有するクッションスライドの縁部分の拡大側面断面図を示している。 第4の固定用造作を有するクッションスライドの縁部分の拡大側面断面図を示している。 第5の固定用造作を有するクッションスライドの縁部分の拡大側面断面図を示している。 第6の固定用造作を有する図1のハンマーウエイトの一部分の平面断面図を示している。 第7の固定用造作を有する図1のハンマーウエイトの一部分の平面断面図を示している。 第8の固定用造作を有する図1のハンマーウエイトの一部分の平面断面図を示している。 第9の固定用造作を有する図1のハンマーウエイトの一部分の平面断面図を示している。 第10の固定用造作を有する図1のハンマーウエイトの一部分の平面断面図を示している。 第11の固定用造作を有する図1のハンマーウエイトの一部分の平面断面図を示している。 さらなる実施形態によるクッションスライドの拡大分解断面図を示している。 29aのクッションスライドの組み立てられた図を示している。 17のウエイトに取り付けられたクッションスライドの拡大された分解平面断面図を示している。 30aのウエイトに取り付けられたクッションスライドの拡大された組み立て後の図を示している。 さらなるクッションスライドの実施形態を備えた図1のウエイトの部分分解等角投影図を示している。 図1のウエイトに取り付けられたプリテンション造作を備えるクッションスライドの拡大分解平面断面図である。 ハウジング内側側壁の内側に配置された図32のウエイトおよびクッションスライドの拡大平面断面図を示しており、クッションスライドはプリテンション造作を備えている。 プリテンション造作に圧縮力が加わっている状態の図33aのウエイトおよびクッションスライドの拡大平面断面図を示している。 本発明の別の実施形態によるクッションスライドの分解図を示している。 34aのクッションスライドの組み立て後の図を示している。 本発明の好ましい実施形態による砕石衝撃ハンマーのノーズブロックアセンブリの側面断面図を示している。 35のノーズブロックアセンブリの平面断面図を示している。 35および図36に示したノーズブロックアセンブリの分解斜視図を示している。 効果的な打撃の前の衝撃ハンマーの概略図を示している。 効果的な打撃の後の衝撃ハンマーの概略図を示している。 ミスヒットの前の衝撃ハンマーの概略図を示している。 ミスヒットの後の衝撃ハンマーの概略図を示している。 無効な打撃の前の衝撃ハンマーの概略図を示している。 無効な打撃の後の衝撃ハンマーの概略図を示している。 本発明のさらなる好ましい実施形態による砕石衝撃ハンマーのノーズブロックアセンブリの平面断面図を示している。 41のノーズブロックアセンブリの平面断面図を示している。 本発明のさらなる好ましい実施形態による砕石衝撃ハンマーのノーズアセンブリの側面断面図を示している。 43のノーズブロックアセンブリの平面断面図を示している。 本発明のさらなる好ましい実施形態による砕石衝撃ハンマーのノーズアセンブリの側面断面図を示している。 44のノーズブロックアセンブリの平面断面図を示している。 本発明のさらなる好ましい実施形態による砕石衝撃ハンマーのノーズアセンブリの側面断面図を示している。 47のノーズブロックアセンブリの平面断面図を示している。 本発明のさらなる好ましい実施形態による図47のノーズブロックアセンブリに示された断面AAの拡大図を示している。 本発明のさらなる好ましい実施形態による図47のノーズブロックアセンブリに示された断面AAの拡大図を示している。
図1〜図15が、真空アシスト衝撃ハンマー(1)の形態の装置として設けられた衝撃ハンマーの別個の実施形態を示している。図1は、掘削機(2)の形態のキャリアに取り付けられた衝撃ハンマー(1)を、尺度の目的のための身長1.8mの作業者(3)の隣に示している。図1に示した衝撃ハンマー(1)の実施形態は、衝撃および操作の作業のための作業面(5)との接触点としてのストライカピン(4)を備えて構成されている。作業面(5)は、衝撃ハンマー(1)による衝撃、接触、操作、および/または移動を被る任意の表面、材料、または物体を含み、例えば、作業面は、採石場の岩石であってよい。ストライカピン(4)は、衝撃ハンマー(1)の脆弱な部分を保護し、デブリの進入を減らし、掘削機のアーム(7)を介した掘削機(2)への取り付けを提供するハウジング(6)から突出している。
図2aおよび図2bは、図1の衝撃ハンマー(1)の拡大縦断面を示している。ハウジング(6)が、衝撃軸または往復運動軸(10)の形態の往復運動経路に沿って移動することができるハンマーウエイト(9)の形態の往復運動コンポーネントを囲む収容面(8)の形態の内側側壁を有する実質的に中空の細長い円筒形の柱として構成されている。駆動機構(11,12,14)の形態のリフトおよび/または往復運動機構が、ハンマーウエイト(9)を衝撃軸(10)に沿ってストライカピン(4)との接触位置(図2aに示されているとおり)から往復運動経路の反対側の最大範囲(図2bに示されているとおり)まで上昇させる。駆動機構が、概略的に示されており、柱(6)の一方の側に配置された油圧ラム(11)の形態で設けられたリニア駆動部を含む。ラム(11)は、一連のプーリ(14)の回りを通る可撓コネクタ(12)を介してハンマーウエイト(9)に接続されている。可撓コネクタ(12)は、ハウジング(6)の上部外縁(または、上端付近)に位置する回転可能なシーブ(14a)を越えた後にハンマーウエイト(9)の上面(13)に取り付けられた環索(strop)、ベルト、または帯である。
プーリ(14a)は、シーブとして形成され、シーブ(14a)の回転軸に沿ったコネクタ(12)の横方向移動を制限する。
衝撃ハンマー(1)が図1および図2に示されるように衝撃軸(10)を鉛直に向けて配置された場合、衝撃軸(10)に沿ったハンマーウエイト(9)の行程の最大範囲(図2bに示されるとおり)が、ウエイト(9)にとって到達可能な最大の鉛直高さでもあることを、理解できるであろう。
読み易さおよび分かり易さを高めるために、衝撃ハンマー(1)およびその構成要素の向きは、ハンマーウエイト(9)を衝撃軸(10)に沿って移動させることによって動作する衝撃ハンマー(1)を、実質的に鉛直な軸の周囲で使用する場合に関して言及され、したがって「下」および「上」という記述子は、それぞれ鉛直方向において作業面(5)に近い位置および作業面(5)から遠い位置を相対的に指すものとされる。しかしながら、この向きの呼び方が、あくまでも説明の目的のためのものにすぎず、決して装置を鉛直軸における使用に限定するものではないことを、理解できるであろう。衝撃ハンマー(1)は、さらに後述されるように、広範囲の向きで動作することができる。
動作時に、駆動機構(11)が、可撓性の環索(12)を介してハンマーウエイト(9)を持ち上げる。ハンマーウエイト(9)は、実質的に円柱形に形成され、上面(13)の反対側の下部衝突面(15)と、ハンマーウエイト側面(16)とを有する。
図1および図2に示した衝撃ハンマー(1)の実施形態は、被駆動端(17)および衝撃端(18)を有するストライカピン(4)を備えて構成され、長手軸が被駆動端(17)と衝撃端(18)との間を延びている。ストライカピン(4)は、衝撃端(18)がハウジング(6)から突出するようにハウジング(6)内に配置可能である。
ハンマーウエイト(9)は、ストライカピン(4)の長手軸に実質的に同軸な衝撃軸(10)に沿ってストライカピン(4)の被駆動端(17)に衝突する。
衝撃吸収装置(19)が、ストライカピン(4)に結合され、両者は、本明細書において「ノーズブロック」(20)と称されるハウジング(6)の下部に保持されている。
容積可変の真空チャンバ(22)が、
・ハンマーウエイト(9)と収容面(8)との間に配置され、ハンマーウエイト(9)を囲む/包囲する上部真空シーリング(24)と、
・ハンマーウエイト(9)の下部衝撃面(15)と、
・ノーズブロック(20)の上部境界(本明細書において、「キャッププレート」(21)と呼ばれる)と、
・キャッププレート(21)を通って突出するストライカピン(4)の被駆動端(17)と、
・収容面(8)の少なくとも一部分と、
・図8〜図13においてより明瞭に確認できる下部真空シーリング(25)と
によって形成される。
真空チャンバ(22)は、ハンマーウエイトと収容面との間の上部真空シーリング(24)と、下部真空シーリング(25)(図8〜図13においてより明瞭に確認できる)とを含む。
図2aが、最小の容積に近い真空チャンバ(22)を示している一方で、図2bは、最大の真空チャンバ(22)の容積を示している。
真空チャンバ(22)は、図2の実施形態においてはハンマーウエイト(9)の下側衝撃面(15)によってもたらされる少なくとも1つの可動真空ピストン面(23)を備えて構成される。代案の実施形態(図示せず)においては、真空ピストン面(23)を、例えば下側衝撃面(15)のように一体に形成するのではなく、ハンマーウエイト(9)の付属物から形成することができる。その構成にかかわらず、真空ピストン面(23)は、衝撃軸(10)に平行または同軸な経路に沿って移動可能である。
ノーズブロック(20)は、衝撃吸収装置(19)およびストライカピン(4)に加えて、リコイルプレート(26)の形態のリテーナと、保持ピン(27)と、剛体ノーズプレートの形態の下部境界(本明細書においては、ノーズコーン(28)と称される)と、衝撃ハンマー(1)を掘削機(2)に取り付けるための取り付けカップリング(29)とをさらに含む。ノーズブロック(20)の構成要素の相互作用は、他の箇所でさらに詳細に説明される。
衝撃ハンマー(1)の動作ならびに使用時のハンマーウエイト(9)およびストライカピン(4)の両者の移動は、真空シーリング(24,25)が真空シーリング(24、25)間の相対および/または摺動移動を許容できることを必要とする。真空シーリング(24,25)を、ハンマーウエイト(9)に取り付けることができ、ノーズブロック(20)または収容面(8)に取り付けることができ、あるいはこれらの組み合わせが可能であり、これらの変種は、後にさらに詳細に検討される。
動作時、衝撃ハンマー(1)の完全な往復運動サイクルは、上昇行程、上部行程移行、下降行程、および下部行程移行からなる4つの基本段階(さらに詳しくは後述される)を含む。
これらの4つの段階(衝撃軸(10)が鉛直になるように向けられた衝撃ハンマー(1)に関して)において、真空チャンバ(22)における対応する効果は、以下のとおりである。
・上昇行程:図2aに示されている出発位置から、ハンマーウエイト(9)がキャッププレート(8)およびストライカピン(4)から遠ざかるように可撓性コネクタ(12)を介して駆動部(11)によって上方へと引かれるにつれて、真空チャンバ(22)の容積が増大する。真空チャンバ(22)の容積の増大は、シーリングの損失にかかわらず、真空チャンバ(22)の外部の空気圧(すなわち、大気)に対する相応の圧力低下を、真空チャンバ(22)内に引き起こす。ハンマーウエイト(9)は、ハンマーウエイト(9)が往復運動経路の上昇行程移動限界(図2bに示されている)に達するまで、真空チャンバ(22)内の相応の圧力低下を伴いつつ引き上げられる。
・上部行程移行:図2bは、最大ポテンシャルエネルギー位置にあるハンマーウエイト(9)を示しており、この後に、ハンマーウエイト(9)は解放され、重力およびハンマーウエイト(9)の体積を介して真空チャンバ(22)へと作用する大気圧の両者のもとで、キャッププレート(8)およびストライカピン(4)に向かって駆動される。
・下降行程:ハンマーウエイト(9)がストライカピン(4)の被駆動端(17)に向かって移動するにつれて、真空チャンバ(22)の容積が圧縮され、下降行程の終わり(図2aに示されている)に達するまで、内部の圧力が上昇する。
・下部行程移行:ストライカピン(4)を介してハンマーウエイト(9)から作業面(5)へとエネルギーが移動した後で、真空チャンバ(22)の容積は最小である。この時点で、ハンマーウエイト(9)は、往復運動サイクルの底にある。
次いで、ハンマー(1)を往復運動させることによって作業面(5)を破壊するためのサイクルが繰り返される。
使用時に、ストライカピン(4)は、作業面(5)へと駆動されるときに、図2aに示されているよりもさらに下降し、したがってストライカピン(4)およびハンマーウエイト(9)について考えられる最下点は、図3840においてさらに明瞭に見て取ることができるとおり、さらに低い。したがって、真空チャンバ(22)も、図2aに示されているよりも小さな容積を有する。しかしながら、本明細書の目的において、最小容積または最下点への言及は、往復運動サイクルの開始点であるがゆえに図2aに示されている容積または地点を指す。
上述の往復運動サイクルにおいて、上部真空シーリング(24)は、静止している収容面(8)と移動するハンマーウエイト(9)との間の動的シーリングを形成する。図2〜図4および図8〜図13に示される実施形態において、ハンマーウエイト(9)は、その側面(16)の周りにクッションスライド(1−13)を備える。クッションスライド(1−13)は、
・所定の低摩擦特性の材料(例えば、UHMWPE、ナイロン、PEEK、または鋼)から形成された第1の層(1−14)と、
・エラストマーなどの所定の衝撃吸収特性の材料、例えばポリウレタンから形成された第2の層(1−15)と
で形成される。
クッションスライド(1−13)の機能および役割は、図1〜図34bを参照して、以下でより包括的に拡大される。図1〜図3に示される実施形態は、1対のクッションスライドシール(30)およびウエイト内シール(31)の形態の2種類の上部真空シーリング(24)を備えている。クッションスライド(1−13)を、クッションスライドシール(30)を形成するためのウエイト内シール(31)の構成などの追加のシールの結合、取り付け、または保持に使用することができる。クッションスライド(1−13)が、上部(および/または、下部)真空シーリング(24,25)の一部または全部を直接形成してもよく、したがってクッションスライドシール(30)と呼ばれてもよいことを、理解できるであろう。
図4aが、クッションスライドシール(30)およびウエイト内シール(31)の両方をより詳細に示している。
図4b〜図4kが、上部真空シーリング(24)のさらなる実施形態を示している。
代案の実施形態(図示せず)において、上部真空シーリング(24)がハウジング(6)の収容面(8)に取り付けられてもよいことを、理解できるであろう。しかしながら、ハンマーウエイト(9)に上部真空シーリング(24)を配置することには、いくつかの利点がある。第1に、衝撃軸(10)に沿ったハンマーウエイト(9)の移動距離は、ハンマーウエイト(9)の側面(16)の長さを大きく超える。収容面(8)に配置される上部真空シーリング(24)が、衝撃軸(10)に沿ったハンマーウエイト(9)の移動の全範囲にわたって延びる必要がある一方で、ハンマーウエイト(9)に配置される上部真空シーリング(24)は、衝撃軸(10)の周りのただ1つの位置においてのみ不可欠である。第2に、衝撃軸(10)に沿ったハンマーウエイト(9)の経路に隣接する収容面(8)に配置される上部真空シーリング(24)は、ハンマーウエイト(9)の横方向移動による損傷を受け易い。これは衝撃吸収および耐摩耗の能力を取り入れることによって対処可能であるが、これらは、ハンマーウエイト(9)の通路に隣接する収容面(8)の全範囲に沿って延びなければならない。対照的に、ハンマーウエイト(9)に配置された上部真空シーリング(24)は、横方向の衝撃吸収またはセンタリングの能力を用意することも必要とせずに、横方向のウエイトの移動を受け入れるように構成することが可能である。
また、ハンマーウエイト(9)を、立方体、直方体、細長い実質的に矩形/直方体のプレートまたはブレードの構成、角柱、円柱、平行六面体、多面体、などを含む種々の固体体積にて形成できることも、理解できるであろう。図1〜図4に示される実施形態は、円柱形のハンマーウエイト(9)を備えているが、これは例示にすぎない。円柱形のハンマーウエイト(9)の利点は、多面のハンマーウエイト(9)の各々の側面(16)のための別個のシールの代わりに、ハンマーウエイト(9)の横周りまたは側面(16)を囲むリング状のシールを利用できることである。
図4aが、ウエイト内シール(31)に形成された下降行程ベントの拡大図を示している。シール(31)は、磨耗しにくい可撓性の材料、あるいは耐摩耗性、可撓性、および耐熱性をもたらす他の材料から形成される。ウエイト内シール(31)の外形は、頂点を真空チャンバ(22)から離れるように上方に傾けて位置する複数のV字形の突出部(32)を有するように構成される。これらの突出部(32)は、下降行程ベントを形成し、下降行程において真空チャンバ(22)への空気の移動を許容しつつ、上昇行程において空気の進入を防止し、あるいは少なくとも制限する。したがって、ハンマーウエイト(9)が引き上げられる上昇行程の際に、真空チャンバ(22)の圧力が大気圧を下回るレベルへと低下することで、真空チャンバ(22)と周囲の大気との間の圧力差が増大する。このように、v字形の突出部(32)が収容面(8)に押し付けられ、真空チャンバ(22)を空気の進入から遮断する。下降行程の底において、真空チャンバに存在する空気は、残留の空気であっても、あるいは真空シーリング(24,25)を過ぎて漏れた空気であっても、超大気圧レベル(すなわち、大気圧よりも高い)へと圧縮され、したがって圧力差は逆になり、突出部(32)が押し開かれて、空気は大気へと排気される。
図4a)は、クッションスライド(1−13)の第1の層(1−14)の最外面が、収容面(8)に密着して摺動するクッションスライドシール(30)として機能できる実施形態を示している。クッションスライド(1−13)が、クッションスライドシール(30)としても機能するか、あるいはクッションスライド(1−13)としてのみ機能するかは、シーリングバリアを形成するハンマーウエイトの側面(16)の周囲におけるクッションスライド(1−13)の連続性の程度に依存することを、理解できるであろう。
図4bは、クッションスライド(1−13)の第1の層(1−14)のインサート内の円周シールとして形成されたクッションスライドシール(30)の別の実施形態を示している。図4aのウエイト内シール(31)に対応するやり方で、クッションスライドシール(30)の外形も、頂部を真空チャンバ(22)から離れるように上方に傾けて位置する複数のV字形の突出部(32)を有するように構成される。図4bのクッションスライド(1−13)は、クッションスライドシール(30)を収容面(8)に向かって半径方向外側へと付勢するエラストマーリングから形成された「プレロード」(36)を収容する保持凹部(33)の形態の追加の造作を示している。このようなプレロード(36)は、他の真空シーリング(24,25)の実施形態においても使用可能である。例えば鉛直でない衝撃軸、ストライカピン(4)との衝突後のハンマーの反発、収容面(8)の不完全、などに起因して、ハンマーウエイト(9)が往復運動サイクルの最中に横方向の移動を被る場合に、クッションスライドシール(30)は、クッションスライドシール(30)がクッションスライドの第1の層(1−14)の隣接面と同一面に位置するまで、保持凹部(33)に押し込まれ、プレロード(36)の層を圧縮することができる。これは、ハンマーウエイト(9)の潜在的に顕著な横方向の力が、比較的脆弱なクッションスライドシール(30)の小さな表面領域だけで支えられることを回避する。
上部真空シーリング(24)は、ハンマーウエイト(9)を横方向から包囲する実質的に途切れのないシーリングを形成する。上部真空シーリング(24)を、単一の連続的な途切れのないシールから形成することができ、あるいは複数の当接し、重なり合い、境界を共有し、噛み合い、嵌合し、さらには/もしくは近接する隣接したシール部から形成することができる。
図4cに示す実施形態において、クッションスライドシール(30)は、ハンマーウエイトの側面(6)の保持凹部(33)に配置されている。クッションスライドシール(30)は、クッションスライドの第1の層(1−14)の外面によって直接形成され、円形または部分的に円形であるクッションスライドの第1の層(1−14)内の分離部に位置する付勢手段(ばね(34))によって収容面(8)にシーリング接触した状態に保たれる。付勢手段(34)は、プレロード(36)のさらなる形態であり、第1の層(1−14)のクッションスライドシール(30)を半径方向外側へと付勢して収容面(8)に密に接触させるように円周方向に作用する弾性材料または圧縮ばねなどの形態をとることができる。ハンマーウエイト(9)が動作時に収容面(8)に接触するように押された場合、クッションスライドシール(30)は、クッションスライドの第2の層(1−15)の圧縮によって保持凹部(33)へと引っ込むことで、潜在的に有害な荷重を回避することができる。
図4c〜図4eは、シールの漏れを引き起こしかねない付勢手段(34)の周りの空気の迂回を防止するために、上部および下部付勢手段(34)の間に配置されたフィレット(35)を示している。図4dは、図4cの付勢手段(34)のXX断面の平面図であり、図4eは、フィレット(35)の直上のYY断面の平面図を示している。周状のシール(円柱形のハンマーウエイト(9)で使用される図4c〜図4eに示したシールなど)においては、中断部が1つだけ必要である。対照的に、立方体、直方体、または他の多面のハンマーウエイト(9)は、ハンマーウエイト(9)の各頂点(37)の周囲のシーリングを維持するために、複数の個々のシールの組み込みを必要とし得る。
図4fおよび図4gは、正方形の断面形状のウエイト(9)に使用される上部真空シーリング(24)を示している。シーリング(24)は、直方体のハンマーウエイト(6)の頂点(37)を取り囲む複数のクッションスライドシール(30)の形態で設けられる。この実施形態のクッションスライドシール(30)は、クッションスライド(1−13)の第1の層(1−14)の外面によって形成される。付勢ばね(34)が、クッションスライドシール(30)が図4c〜図4eに示したやり方と類似のやり方で収容面(8)へと付勢されることを保証する。フィレット(35)が、シールの漏れを引き起こしかねない付勢手段(34)の周りの空気の迂回を防止するために、上部および下部付勢手段(34)の間に配置される。
これらの実施形態において、真空シーリング(24,25)は、半径方向に作用するプレロード(36)と円周方向に作用する付勢手段(34)とを有するシールを含むことができる。プレロードは、これらに限られるわけではないが、圧縮性媒体、ばね、エラストマー、バッファ、などを含むいくつかの形態をとることができる。
図4h〜図4kが、上部真空シーリング(24)を衝撃軸(10)に沿ったハンマーウエイト(9)の運動にリンクさせつつ、衝撃軸(10)に対して横方向の分離した移動を可能にする手段をもたらすために、衝撃面(10)の下方および/または上面(13)の上方においてハンマーウエイト(9)に結合された中間要素(38)を有する実施形態を示している。図4h〜図4kに示されている中間要素(38)は、真空チャンバ(22)の上部真空シーリング(24)を形成するように構成されているが、中間要素(38)を、クッションスライドシール(30)およびウエイト内シール(31)などの本明細書に記載の他の種類のシールと併せて使用することも可能であることを、理解できるであろう。
中間要素(38)は、プレート、ディスク、環状リング、などを含む種々の形態で構成することが可能である。図4hおよび図4iは、ストラップ(39)の形態の可撓性リンクを介してハンマーウエイト(9)の上面(13)に結合された中間要素(38)を示している。
中間要素(38)をハンマーウエイト(9)に結合させるための代案の実施形態は、衝撃軸に対して横方向に摺動可能である一方で、衝撃軸に平行な方向においては実質的に剛体である非可撓性カップリング、ならびにライン、ワイヤ、ひも、チェーン、ユニバーサルジョイント、などの代替の可撓性リンクを含む。このような結合の構成により、中間要素(38)は、ハンマーウエイト(9)の横方向の動きの影響を受けることなく、収容面(8)との有効なシーリングを維持することができる。
図4hの実施形態においては、単一の中間要素(38)が、ハンマーウエイト(9)への取り付けのための環索(12)の通過を可能にする中央開口部を備えた実質的に平坦なディスクとして形成される。環索(12)と中間要素(38)との間の可撓性シール(40)が、真空チャンバ(22)への潜在的な空気の進入を防止する。実質的に平坦なディスク状の中間要素(38)は、上部真空シーリング(24)を形成することができる外周リム部分(74)を含む。これに代え、あるいはこれに加えて、上部真空シーリング(24)は、中間要素(38)に結合された別個のシール(75)(図4h〜図4kに示されるとおり)を含むことができる。
図4j〜図4kは、ハンマーウエイト(9)の両側に配置され、可撓性の環状膜(41aおよび41b)を介して上面(13)および下部衝撃面(15)にそれぞれ結合された1対の中間要素(38aおよび38b)を有するさらなる実施形態を示している。しかしながら、先の実施形態とは対照的に、図4jおよび図4kの中間要素(38)は、実質的に環状のリングとして構成されることにより、中央の開口部が、ハンマーウエイト(9)の下部衝撃面(15)とストライカピン(4)の被駆動端(17)との間の妨げのない接触を可能にしている。環状膜(41)も、可動な上部真空シーリング(24)の一部をもたらす。
衝撃ハンマー(1)の往復動作の最中に、中間要素(38)(ストラップ(39)および環状膜(41a、41b)を含む)は、ハンマーウエイト(9)の運動によって、移動の方向およびハンマーウエイト(9)に対する中間要素(38)の相対位置に応じて、往復経路に沿って押し引きされる。
したがって、上部真空シーリング(24)を形成するシールを、
・クッションスライド(1−13)、
・中間要素(38)への取り付け、保持、または付着、
・ハンマーウエイト(9)、クッションスライド(1−13)、および/または中間要素(38)の凹部(33)、空隙、空間、開口部、溝などにおける保持、
・側面(16)への直接取り付け、ならびに/あるいは
・上記の任意の組み合わせまたは順列
によってハンマーウエイト(9)に結合できると理解することができる。
すでに述べたように、上昇行程の際に真空チャンバ(22)が膨張する衝撃動作の最中に、真空チャンバ(22)への空気の漏れが、正しく整列しておらず、装着不良であり、磨耗しており、不適当であり、もしくは損傷しているシールまたは収容面、空中の残留デブリからの干渉、材料または設計の特性または限界、などによって生じ得る。また、図1〜図4に示したすべての実施形態において、残留空気が、下部衝撃面(15)、収容面(8)、キャッププレート(21)、およびキャッププレート(21)を貫いて突出するストライカピンの被駆動端(17)の間に形成されるボイド(42)において、上昇行程の開始前に真空チャンバ(22)内に存在し得る。
このような高速かつ高エネルギーの往復運動において完全に通過不能な真空シーリング(24,25)を達成することはきわめて困難であり、したがって、上昇行程において、上部真空シーリング(24)および/または下部真空シーリング(25)は、或る程度の空気が真空チャンバ(22)へと通過して真空チャンバ(22)の圧力を上昇させることを許すことができる。このような空気漏れの量は、シーリングの有効性、シーリングの面積、真空チャンバ(22)と大気との間の圧力差、およびシーリングに圧力差が印加される曝露時間を含むいくつかのパラメータに依存する。
圧力差の印加時間は、各々の往復運動のサイクル時間が2〜4秒であるため、比較的短い。2〜4秒のサイクル時間での3〜6メートルの行程長にわたる重いウエイト(9)(数1000キログラム程度)の往復は、例えばゴム製の「ソフト」なシーリング(24,25)における摩擦によって生じる熱で、そのようなシーリングが数回の行程の後に溶融し得るような高い速度である。
より多くのシールおよび/またはより柔軟なシールを使用することによって、漏れを最小限に抑えることができるが、これは本質的に摩擦を増加させ、そのような高速な往復運動において、このようなシールは、早期に損傷したり、あるいはハンマーウエイトの動きを妨げたりする可能性がある。したがって、シーリング効果と摩擦との間にバランスが必要である。好ましい実施形態において、ハンマーウエイト(9)は、ゴムまたは他の「ソフト」なシールなどのきわめて有効なシールが、早期に損傷して機能できなくなるような速度および力で運動する。したがって、たとえ真空チャンバへの空気の漏れが多くなる可能性があるとしても、あまり効果的ではないが大きな摩擦荷重に耐えることができる「ハード」なシールを使用することが好ましい。
ボイド(42)内の残留空気ならびに真空シーリング(24,25)および/またはハウジング(6)を介する漏れは、真空チャンバ(22)内に生成される真空の程度を下げる原因となる。さらに、下降行程において、真空チャンバ(22)内の空気は、下降行程の最中にどんどん圧縮され、ハンマーウエイト(22)の運動を遅くする力をもたらす。
図2および図3に示されるとおり、衝撃ハンマーは、下降行程において空気の排出を保証するために真空チャンバ(22)に流体連通するハウジング(6)の側面に形成された一方向性の下降行程ベント(43)を備えることによって、この重大な問題に対処する。
しかしながら、これに代え、あるいはこれに加えて、1つ以上のベント(43)を(図2および図4a〜図4iに示されるように)上部真空シーリング(24)に形成してもよいことを、理解できるであろう。
これに代え、あるいはこれに加えて、下降行程ベントを、下部真空シーリング(25)、ノーズブロック(20)、および/またはハンマーウエイト(9)(図示せず)に形成することも可能である。
図2および図3に示されるベント(43)は、収容面(8)に位置し、大気へとハウジング(6)を通過し、一方向弁(44)を含む。図5a〜図5cが、それぞれ可撓ポペット(または、マッシュルーム)弁(図5a)、剛体ポペット弁(図5b)、および横開きフラップ弁(図5c)の形態の一方向性自動シーリング弁(44)の3つの変種を示している。それぞれのシーリング弁(44)の開放ベント位置が、図5a〜図5cのそれぞれにおいて参照番号(44’)で示されている。
真空チャンバ(22)内の残留空気を除去する追加の機構または代案の機構が、図6に示されており、ベント(43)に接続された外部真空ポンプ(45)の形態の下降行程ベントによってもたらされる。
図7も、中間真空タンク(46)への弁(44)を介してベント(43)に取り付けられた外部真空ポンプ(45)を示している。真空ポンプ(45)を、動作サイクル中に連続的に動作するように構成でき、しきい値真空レベルに従ってトリガされるように構成でき、あるいは他の感知または入力基準に従ってトリガされるように構成できる。真空タンク(46)は、真空ポンプ(45)が必ずしも動作していなくてもベント(43)に或る程度の真空圧力をもたらす。
各々の実施形態において、下降行程ベント(43)は、ハンマーの下降行程において開いて真空チャンバ(22)からの空気の排出を可能にし、上昇行程において閉じて真空チャンバ(22)への空気の進入を防止し、あるいは少なくとも制限するように設計される。下降行程ベントは、真空チャンバ内の圧力が例えば0.1バールなどのしきい値超大気圧レベルに達したときに開く一方で、ハンマーの振動または衝撃に起因する望まれない開放を防止するための充分なバイアスで、閉じた状態に付勢される。
したがって、真空チャンバ内の空気の圧縮および結果としての熱が、空気および熱がベントされるがゆえに、最小限に抑えられる。ボイド(42)内に空気が残る可能性を減らすための随意による手段が、図3に示されており、真空チャンバ(22)のうちのストライカピン(4)の被駆動端(17)の周囲の部分が、1つ以上のボイド低減物体によって少なくとも部分的に満たされている。図3は、下部衝撃面(15)とストライカピンの被駆動端(17)との間の衝撃の際のハンマーウエイト(9)からの接触を妨げることがないようにボイド(42)内に配置された発泡体(73)の形態のボイド低減物体が示されている。代案のボイド低減物体として、球体、噛み合う形状、ゲルなどが挙げられる。
下部真空シーリング(25)を形成するために、上部真空シーリング(24)からの種々の代案としてのシーリング構成を採用することができる。
上部真空シーリング(24)とは対照的に、下部真空シーリング(25)は、隣接するシーリング面の間に同じ大きさの相対移動を被ることはない。上部真空シーリング(24)は、往復運動軸に沿った移動(少なくとも数メートル)におけるハンマーウエイト(9)の運動をシールしなければならないが、下部真空シーリング(25)は、ノーズブロック(20)の構成要素に対するストライカ(4)の運動だけをシールすればよい。
図8〜図13が、衝撃ハンマー(1)のノーズブロック(20)に配置された下部真空シーリング(25)の種々の実施形態を示している。ストライカピン(4)、衝撃吸収装置(19)、およびノーズブロック(20)内のそのハウジングのさらに完全な説明は、図35〜図48cを参照して後述される。しかしながら、部分的には、図1〜図4および図8〜図13に関して、以下を見て取ることができる。
・ストライカピン(4)は、2つの保持ピン(27)の形態の摺動可能な結合によって衝撃ハンマー(1)に取り付けられ、保持ピン(27)は、各々のピン(27)の一部分がストライカピン(4)に形成された凹部(47)へと内側に部分的に突出するようにリコイルプレート(26)を横方向に通過する。
・リコイルプレート(26)は、(ストライカピン(4)の被駆動端に対して)遠位側および近位側の移動ストッパ(48、49)の間の凹部(47)の長さによって定められる保持位置に位置する摺動可能な結合を介してストライカピン(4)に接続される。
・第1および第2の衝撃吸収アセンブリ(50,51)(上側および下側衝撃吸収アセンブリ(50,51)とも呼ばれる)の形態の衝撃吸収装置(19)は、ノーズブロック(20)内でストライカピン(4)を横方向において囲み、リコイルプレート(26)を挟む。
・とりわけ図2、図4f、図4h、および図9に示される実施形態において、第2の衝撃吸収アセンブリ(51)は、非弾性層(53,26,28)によって交互にされた複数の弾性層(52)を含む複数の非結合層から形成される。これは、図9bに最もよく示されている。
・図8〜図13の第1の衝撃吸収アセンブリ(50)ならびに図8および図10〜図13の第2の衝撃吸収アセンブリ(51)は、バッファ記号として示されており、単一の弾性層(52)などの一体の衝撃吸収層またはバッファ、あるいは非弾性層(53)によって交互にされた少なくとも2つの弾性層(52)を含む複数の非結合層のいずれかを意味している。
ノーズブロック(20)の内側境界の平坦な表面は、上端においてはキャッププレート(21)によって形成され、下端においてはノーズコーン(28)によって形成される。
したがって、これらの内側境界ならびにリコイルプレート(26)の上側および下側の平坦面が、衝撃吸収アセンブリ(50,51)に隣接する4つの堅固な非弾性の表面をもたらすことを、見て取ることができる。したがって、一実施形態において使用される弾性層(52)および非弾性層(53)の数に依存して、個々の弾性層(52)を、
・キャッププレート(21)と非弾性層(53)、
・ノーズコーン(28)と非弾性層(53)、
・2つの非弾性層(53)、または
・非弾性層(53)とリコイルプレート(26)
のいずれかの堅固かつ平坦な表面によって挟むことができる。
上記の構成の各々において、弾性層(52)は、衝撃軸(10)に同軸なストライカピンの長手軸に直交する隣同士の剛体面の平行な平坦面の間に挟まれる。
したがって、ストライカピン(4)の周囲において被駆動端(17)と衝撃端(18)との間に、ノーズブロック(20)の構成要素、すなわち
・キャッププレート(21)、
・第1の(または、上側)衝撃吸収アセンブリ(50)、
・リコイルプレート(26)、
・第2の(または、下側)衝撃吸収アセンブリ(51)、および
・ノーズコーン(28)
が、上記の順序で配置されることを、見て取ることができる。
下部真空シーリング(25)が、空気が上述のノーズブロック構成要素を介して真空チャンバ(22)に進入することを防止し、あるいは少なくとも制限するために必要とされ、上記の一連のノーズブロック構成要素におけるいくつかの代案としての位置または累積的な位置に配置されるシールから形成されてよい。
したがって、下部真空シーリング(25)を、ノーズブロック(20)の隣接する構成要素間の1つ以上の境界面に配置された1つ以上のシールによってもたらすことができる。考えられる種々のシール位置は、
・ノーズコーン(28)とストライカピン(4)との間(図8参照)、
・下部衝撃吸収アセンブリ(51)とストライカピン(4)との間(図9aおよび図9bを参照)、
・リコイルプレート(26)とストライカピン(4)との間(図10を参照)および/またはノーズブロック内側側壁(54)の間(図10を参照)、
・上部衝撃吸収アセンブリ(50)とストライカピン(4)との間(図示せず)、および/または
・キャッププレート(21)とストライカピン(4)との間(図示せず)
である。
さらなる実施形態によれば、下部真空シーリング(25)は、
・ノーズコーン(28)と下部衝撃吸収アセンブリ(51)との間(図11を参照)、
・上部衝撃吸収アセンブリ(50)とキャッププレート(21)との間(図12を参照)、および/または
・キャッププレート(21)とハンマーウエイト(9)の下部衝撃面(15)の行程の下端との間(図13を参照)
に位置してストライカピンを横方向において囲む個々の独立したシーリング層(55)として形成される1つ以上のシールによってもたらされる。
上述の構成をさらに詳しく個別に検討すると、図8は、ノーズコーン(28)の対応する環状凹部(57)に配置された複数のノーズコーンリングシール(56)から形成された下部真空シーリング(25)を示している。ノーズコーンリングシール(56)は、空気、塵埃、および屑のノーズブロック(20)の内部への進入、およびその後の真空チャンバ(22)への進入を妨げるために、ストライカピン(4)の表面に係合している。ノーズコーンリングシール(56)は、ベント式(すなわち、追加の下降行程ベントとして働く)または非ベント式であってよく、ストライカピン(4)に対して付勢された弾性または非弾性材料から形成されてよい。衝撃ハンマー(1)の個々の要件に応じて、図9〜図13に示される下部真空シーリング(25)の実施形態のいずれも、ベント式または非ベント式シールとして形成されてよいことを、理解できるであろう。ベントは、ハウジング(6)のベント(43)および/または上部真空シーリング(24)によって実行可能であるため、下部真空シーリング(25)によるベントの実行は、必須ではないかもしれない。さらに、下部真空シーリング(25)をベントを備えずに形成することで、より丈夫かつより高性能なシールを使用することが可能になり、結果として大気の進入への抵抗をより大きくすることができる。ノーズブロック(20)の位置が、衝撃動作からのデブリおよび浮遊汚染物質に直接曝される位置であることに鑑み、典型的には、真空チャンバ(22)のベントを補うよりもむしろ、ノーズブロック(20)における大気の進入の防止を最大にすることが、より望ましい。
図9aは、ストライカピン(4)と、下部衝撃吸収アセンブリ(51)および上部衝撃吸収アセンブリ(50)のいずれかまたは両方との間に形成された下部真空シーリング(25)を示している。
図9bは、非弾性層(53)によって交互にされた複数の弾性層(52)から形成された下部衝撃吸収アセンブリ(51)の拡大図を示している。シールを、弾性層(52)および非弾性層(53)のいずれかまたは両方から形成でき、あるいは弾性層(52)および非弾性層(53)のいずれかまたは両方に形成でき、図9bは、いくつかの代案となる構成を示している。図9bにおける下部真空シーリング(25)の配置の図は、例示にすぎず、シールのこのような組み合わせが必要であることや、本発明がシールのこのような組み合わせに限定されることを、意味するものではない。
図9bは、下部衝撃吸収アセンブリ(51)における以下の形態の下部真空シーリング(25)を示している。
・ストライカピン(4)に隣接する弾性層(52)の内周縁(および、随意により外周縁(図示せず))を形成する一体の弾性層シール(58)。シール(58)は、上側の圧力が超大気圧である場合に空気を通過させるように形作られ、すなわちシール(58)は、すでに説明した下降行程ベントとして働く。
・ストライカピン(4)に隣接する弾性層(52)の内周縁(および、随意により外周縁(図示せず))に当接する別個の弾性層シール(59)。このシール(59)も、シール(58)と同様に下降行程ベントとして機能する。
・非弾性層(51)の内周縁(および、随意により外周縁(図示せず))に保持され、あるいは結合させられ、弾性または非弾性材料から形成された非弾性層シール(60)。
・衝撃吸収アセンブリの非弾性層(51)とストライカピン(4)との間、および/または非弾性層(51)とノーズブロック内側側壁(54)との間(図示せず)の密着によるシール(61)。
・ストライカピン(4)に隣接する非弾性層(53)の内周縁(および、随意により外周縁(図示せず))に当接する別個の弾性または非弾性層シール(75)。
・上記の任意の組み合わせまたは順列。
図10は、ストライカピン(4)およびノーズブロック内側側壁(54)にそれぞれ隣接してリコイルプレート(26)の内周および外周を巡る環状凹部(63)に配置された1対のリコイルプレートリングシール(62)を示している。ノーズブロック内側側壁(54)に係合する外側のリコイルプレートリングシール(62)は、内側のリコイルプレートリングシール(62)に対する追加の安全予防シールとして存在することを、理解すべきである。ノーズブロック(20)の構成要素(すなわち、上側および下側衝撃吸収アセンブリ(50,51)ならびにリコイルプレート(26))が組み合わせられて積み重ねられること自体が、空気の進入に対する複合シールを効果的に提供する。したがって、ノーズブロックの内側側壁(54)と上側および下側衝撃吸収アセンブリ(50,51)との間の対応するシール(図示せず)も、追加の安全予防シールとして可能であることを、理解できるであろう。
図11〜図13は、下部真空シーリング(25)をもたらすための個々の独立したシーリング層(55)の使用を示している。独立したシーリング層(55)を、さまざまな形態にて構成することが可能であるが、図11〜図13の実施形態において、各々の独立したシーリング層(55)は、内側可撓ダイアフラム(64)部分と、円筒形の実質的に堅固な外側リム(65)部分とで形成される。ストライカピン(4)に接触する可撓ダイアフラム(64)の周縁は、衝撃軸(10)に沿ったストライカピン(4)の移動につれて自由に撓み、すなわちストライカピン(4)が下方に移動するとき、ストライカピン(4)が最も上方の位置にあるときの上方位置(64)から下方位置(64’)へとストライカピン(4)と一緒に移動する。さらに、外側リム(65)は、隣接するノーズブロック構成要素の間にシーリング壁をもたらす。ダイアフラムのリム部分(65)とノーズブロック内壁(54)との間に、追加の安全予防固定シール(66)が配置されている。
図11は、ノーズコーン(28)と下部衝撃吸収アセンブリ(51)との間に配置された独立したシーリング層(55)を示している。
図12において、独立したシーリング層(55)は、上部衝撃吸収アセンブリ(50)とキャッププレート(21)との間に配置されている。
図13において、独立したシーリング層(55)は、ノーズブロック(2)の外部において、キャッププレート(21)とハンマーウエイトの下部衝突面(15)の行程下端との間のボイド(42)に配置されている。
代わりに、下部真空シーリング(25)は、プレロードまたは密着によってストライカピンおよび/またはノーズブロック内側側壁に接触するように付勢された可撓エラストマー、弾性材料、または非弾性材料、一方向ベント、ならびに/あるいはこれらの任意の組み合わせまたは順列から形成されてよく、あるいはそれらを含むことができる。
上述のように、好ましい実施形態は、上向きを含む衝撃軸(10)の任意の傾きにおいて効果的に動作することができる。これは、一般的な衝撃印加動作、採石、採鉱、抽出、解体作業、などに多大な汎用性を提供する。これは、衝撃ハンマーを、図14に示されるロボット式トンネル掘削衝撃ハンマー(200)の形態のさらなる実施形態などの特殊用途に適用することも可能にする。トンネル掘削作業における頭上の岩石の崩落からの本質的な作業者の危険は、当然ながら、遠隔制御の衝撃ハンマーの使用を促す。トンネル掘削作業に多くの場合につきまとう狭さは、衝撃エネルギー/体積の比が大きいコンパクトな衝撃ハンマーにさらに適する。衝撃軸(10)を大きく傾けて動作する必要性は、従来技術の重力のみの衝撃ハンマーの適合性をさらに制限する。図14に示したロボット式トンネル掘削衝撃ハンマー(200)は、先の実施形態に示した構成に匹敵するハウジング(6)内に位置するストライカピン(4)の構成を含む。ハウジング(6)が、衝撃軸(10)の傾斜角度(θ)の変更を衝撃ハンマー(200)にとって可能にするアジマスクレードル(72)を介して無限軌道式キャリア(71)に取り付けられる。図14において、衝撃ハンマー(200)は、3つの向きX、X、Xにて図示されており、それぞれの衝撃軸(10)の傾きは、垂直からθ=70°、90°、および105°である。当然ながら、これらの向きは例示にすぎず、本発明はこれに限定されない。さらに、ロボット式トンネル掘削衝撃ハンマー(200)が、必ずしもトンネル掘削作業に限定されず、他の狭い領域、急峻な岩壁の付近、溝掘り、などにも使用できることは、容易に明らかであろう。
図15が、図示の先行技術の重力のみの衝撃ハンマー(100)と、1つの好ましい実施形態による真空アシスト衝撃ハンマー(1)との間の比較を示している。より軽いハンマーウエイト(9)を使用して(さらには、より短い最大落下高さで)従来からの先行技術の重力のみの衝撃ハンマー(100)と同じ衝撃エネルギーを達成するという上述の能力は、またさらなる軽量化ならびに製造および関連の経済的利益をもたらす。動作サイクルにおいて、下降行程の終わりに、ハンマーウエイト(9)がストライカピン(4)の被駆動端(17)に衝突することで、ストライカピン(4)を介して作業面(5)へと運動エネルギーが伝達される。
しかしながら、他の箇所でさらに詳しく説明されるように、以下の場合など、ハンマーウエイト(4)の運動エネルギーのすべてが作業面(5)に伝達されるわけではない。
・作業者が衝撃端(18)を作業面(5)に接触させることなくストライカピン(4)の被駆動端(17)へとハンマーウエイト(4)を落下させたときに、ハンマーウエイト(9)の衝撃によって近位側の移動ストッパ(49)が摺動可能に結合された保持ピン(27)(図3に最も明瞭に示されている構成要素)に押し付けられる「ミスヒット」。このようにして、相当の衝撃荷重が、衝撃ハンマー(1)を介して伝達され、衝撃ハンマー(1)によって吸収される。
・たとえ作業面(5)が打撃によって首尾よく砕けたとしても、衝撃によって吸収されるエネルギーがストライカピン(4)およびハンマーウエイト(9)の運動エネルギーの一部でしかない可能性がある「オーバーヒット」。そのような場合、衝撃ハンマー(1)への結果としての影響は、「ミスヒット」に直接匹敵する。実際には、衝撃印加作業は、さまざまな傾きで行われ、衝撃軸(10)を完全に鉛直にして実行されることはまれである。
・割れが生じるまでに複数回の衝撃を必要とし、したがってストライカピン(4)またはハンマーウエイト(9)が破壊されていない作業面(5)から跳ね返り得る作業面(5)の性質。跳ね返るストライカピン/ハンマーウエイト(4,9)の方向は、主に衝撃軸(10)に対して横方向の成分を含み、したがってハンマーウエイトをハウジング(6)の収容面(8)に接触させる。
衝撃ハンマー(1)の残りの部分と比較して比較的大きいハンマーウエイト(9)の質量ゆえに、ハンマーウエイト(9)と収容面(8)との間の接触領域は、きわめて損傷を被り易い。したがって、収容面(8)および隣接するハンマーハウジング(6)のうち、ハンマーウエイト(9)をストライカピン(4)との衝突の地点において取り囲む部分は、ハウジング(6)の残りの部分と比較して追加の増強を必要とする。図15は、真空アシスト衝撃ハンマー(1)の
・ハンマーウエイト高さV
・ハンマー行程長V
・ハウジング柱の全長V、および
・ハウジングの増強部分V
ならびに
重力のみの先行技術の衝撃ハンマー(100)の
・ハンマーウエイト高さG
・ハンマー行程長G
・ハウジング柱の全長G、および
・ハウジング(6)の増強部分G
の間の相対的差異を示しており、
ここで
・ハウジング柱の全高V、Gは、ストライカピン(4)の被駆動端(17)とハウジング(6)の上部遠位端との間の衝撃軸(10)に平行な収容面(8)の長さであり、
・ハンマー行程長V、Gは、収容面(8)の内側における衝撃軸(10)に沿ったハンマーウエイト(9)の移動距離である。
すでに説明したように、衝撃ハンマー(1)は、著しく軽いハンマーウエイト(4)を使用して、先行技術の重力のみの衝撃ハンマー(100)と同じ衝撃エネルギーを達成することができる。(比較を容易にするために)直径が同じであると仮定すると、真空アシスト衝撃ハンマー(1)のハンマーウエイト高さVは、従来技術の衝撃ハンマー(100)のハンマーウエイト高さGよりも小さい。ハンマーウエイト高さGと比べて小さいハンマーウエイト高さVは、衝撃ハンマー(1)にとって多くの利点を生む。すなわち、
・ハンマー行程長Vがハンマー行程長Gに等しいにもかかわらず、柱の全長Vが柱の全長Gよりも小さい。先行技術の衝撃ハンマー(100)が必要とするハウジング柱の全長Gの追加の長さは、当然ながら、衝撃ハンマー(100)の総重量を増加させ、必要とされる掘削機(2)の重量にその値の6〜7倍を追加する結果となる。この先行技術のハンマー(100)における余分な重量は、ハウジング(6)の端部に位置するため、その極慣性モーメントが、不都合なことに、この種の掘削機(2)について衝撃ハンマー(100)を効果的に操ることができるために必要な強度(したがって、重量)も増大させる。
・衝撃ハンマー(1)のハウジング増強部分Vは、ハンマーウエイト高さの差G−Vに正比例して、対応する部分Gよりも短い。これにより、真空アシスト衝撃ハンマー(1)について、さらなる軽量化がもたらされる。
・真空アシスト衝撃ハンマー(1)のハンマーウエイト高さVは、先行技術のインパクトハンマー(100)のハンマーウエイト高さGの3分の1にすぎないため、収容面(8)に横方向に衝突する際のそれぞれのハンマーウエイト(9)の挙動は異なる。ハンマーウエイト(9)が収容面(8)に向かって横方向にそれるとき、収容面(8)とハンマーウエイトの側面(16)とが精密に平行な状態で同時に均一に接触することは、ほとんどない。代わりに、ハンマーウエイト(9)が収容面(8)に対して回転し、偶力を生む傾向にある。結果として、収容面(8)との衝突は、ハウジングの増強部分V、Gの長さに沿って均一に逃がされるよりもむしろ、点荷重である。真空アシスト衝撃ハンマー(1)の大幅に短縮されたハンマーウエイト高さVは、そのような力の大きさを著しく減少させ、先行技術のハンマー(100)と比べてハウジングの増強部分Vについて必要とされる強化の大きさをさらに低減する。
図1〜図1が、ウエイトにクッションスライドが取り付けられた衝撃ハンマーの形態の別個の実施形態による装置を示している。
図1は、小型掘削機(1−2)に取り付けられた小型衝撃ハンマー(1−1)の形態の装置のさらなる実施形態を示している。
衝撃ハンマー(1−1)は、
・リフトおよび/または往復運動機構(図示せず)と、
・作業面(1−5)に衝突する一体のツール端(1−4)を有する単一のハンマーウエイト(1−3)として構成されたウエイトの形態の往復運動コンポーネントと、
・掘削機(1−2)に取り付けられ、ハウジング内側側壁(1−7)の形態の収容面でハンマーウエイト(1−3)を部分的に囲むハウジング(1−6)と
を含む。
図1は、大型掘削機(1−102)に取り付けられた大型衝撃ハンマー(1−100)の形態の別の装置の実施形態を示している。
衝撃ハンマー(1−100)は、
・リフト機構(図示せず)と、
・ウエイト(1−103)の形態の往復運動コンポーネントと、
・掘削機(1−102)に取り付けられ、ハウジング内側側壁(1−107)の形態で設けられた「収容面」または「ハウジングウエイトガイド」でハンマーウエイト(1−103)を部分的に囲むハウジング(1−106)と
を含む。
リフト機構は、ハウジングウエイトガイド(1−107)内でウエイト(1−103)を持ち上げ、その後にウエイト(1−103)はストライカピン(1−104)へと落とされ、作業面(1−105)に衝撃を与える。
図1、図1、および図22に示されるハンマー(1−1)に関して、ハンマーウエイト(1−3)は、細長い実質的に矩形/直方体のプレートまたはブレードの構成である。ハンマーウエイト(1−3)は、矩形の横断面を有し、1対の平行な長手方向の広い側壁(1−8)を1対の平行な短い側壁(1−9)によって接続して構成され、反対向きの上端および下部遠位面(1−10,1−11)の各々にツール端(1−4)が設けられている。ハンマーウエイト(1−3)の対称形状は、ツール端(1−4)を一方が磨耗したときに交換することを可能にする。ハンマーウエイト(1−3)がハウジング(1−6)から取り外され、ツール端(1−4)の位置を逆にして再び挿入される。しかしながら、図1に示されるハンマーは、1つのツール端(1−4)しか有していない。
動作時、ハンマーウエイト(1−3)は、ハンマーウエイト(1−3)の幾何学的中心を長手方向に通過する直線状の衝撃軸(1−12)の周りを往復運動する。ハンマーウエイト(1−3)は、リフト機構によって衝撃軸(1−12)に沿って最大鉛直高さまで上方へと持ち上げられ、その後に解放され、あるいは作業面(1−5)に衝突するまで衝撃軸(1−12)に沿って再び下方へと駆動される。
図1bが、中央に位置する1対のクッションスライド(1−13)が追加された図1aのハンマーウエイト(1−2)を示している。図1cは、クッションスライド(1−13)の構成要素、すなわち
・UHMWPE、ナイロン、PEEK、または鋼などの所定の低摩擦特性の材料から形成された第1の層(1−14)、および
・エラストマーなどの所定の衝撃吸収特性の材料、例えばポリウレタンからから形成された第2の層(1−15)
を示す分解図である。
第1の層(1−14)は、側壁(1−8,1−9)とハウジングの内側側壁(1−7)との間の第1の接触点となるように構成および配置された外面(1−16)を備えて形成される。第2の層(1−15)は、第1の層(1−14)とウエイト側壁(1−8,1−9)との間に配置され、第1の層(1−14)の下面(1−18)に接続された外面(1−17)と、ウエイト側壁(1−8,1−9)に接続された内面(1−19)とを備えて形成される。
第1および第2の層(1−14,1−15)は、互いに実質的に平行であり、側壁(1−8,1−9)の外面に平行である。クッションスライド(1−13)は、側壁(1−8,1−9)のさまざまな位置に配置されてよいが、図1に示される実施形態の短い側壁(1−9)の狭い幅は、隣接する長手方向頂部(1−20)の間の狭い側壁(1−9)の全幅にまたがり、かつ両側の広い側壁(1−8)の一部分にまで延びる単一のクッションスライド(1−13)の使用を可能にする。
図1および図1に示される代案の実施形態において、ウエイト(1−103)は、下記の点で図1および図20の実施形態と異なる。
・サイズ−質量/重量が大幅に大きい。
・形状−ブレードというよりもむしろブロック状である。
・上端および下端−平坦であり、ツール端(1−4)を備えない。
ハンマー(1−103)は、図1〜図1に関して説明した真空アシストハンマー(1)の形態をとってもよい。
ウエイト(1−103)がストライカピン(1−104)に衝撃をもたらすために使用されるため、ツール端は不要であり、あるいは逆向きにできる必要はない。ウエイト(1−103)は、1対の平行な長手方向の広い側壁(1−108)を1対の平行なより短い側壁(1−109)によって接続するとともに、反対向きの上端および下部遠位面(1−110,1−111)を有している矩形の断面の実質的に直方体のブロックである。
動作時、ハンマーウエイト(1−103)は、ハンマーウエイト(1−103)の幾何学的中心を長手方向に通過する直線状の衝撃軸(1−112)の周りを往復運動する。ハンマーウエイト(1−103)は、リフト機構によって衝撃軸(1−112)に沿って最大鉛直高さまで上方へと持ち上げられ、その後に解放され、ストライカピン(1−104)に衝突するまで衝撃軸(1−112)に沿って重力および/または真空のアシストのもとで落下する。ウエイト(1−103)には、側壁(1−108,1−109)の周りに配置される複数のクッションスライド(1−113)が取り付けられる。
19および図20aが、クッションスライド(1−113)の構成要素、すなわち
・UHMWPE、PEEK、鋼、などの所定の低摩擦特性の材料から形成された第1の層(1−114)、および
・エラストマーなどの所定の衝撃吸収特性の材料、例えばポリウレタンから形成された第2の層(1−115)
の分解図を示している。
20bおよび20cが、ウエイト(1−103)の平坦な側壁(1−108,24)および4つの長手方向の頂部(1−120)の両方においてウエイト(1−103)に取り付けられた組み立てられた状態のクッションスライド(1−113)を示している。
第1の層(1−114)は、側壁(1−108,1−109)とハウジング内側側壁(1−107)との間の第1の接触点となるように構成および配置された外面(1−116)を備えて形成される。第2の層(1−115)は、第1の層(1−114)とウエイト側壁(1−108,1−109)との間に配置され、第1の層(1−114)の下面(1−118)に接続された外面(1−117)と、ウエイト側壁(1−108,1−109)に接続された内面(1−119)とを備えて形成される。第1および第2の層(1−114,1−115)は、互いに実質的に平行であり、側壁(1−108,1−109)の外面に平行である。
図1、図1、および図20の実施形態における側壁(1−108,1−109)上に配置されたクッションスライド(1−113)は、外形が矩形のプレートであるが、図21に示される円形のクッションスライド(1−113)など、別の形状も利用可能である。
22aおよび図22bが、図1および図1に示したハンマーウエイト(1−3)の2つのさらなる構成を示している。図22aは、2つの同一なツール端(1−4)を有する双子の同等のハンマーウエイト(1−3)を示しており、一方のツール端(1−4)が磨耗したときに逆向きにすることが可能である。ハンマーウエイト(1−3)は、岩石などのレバリング作業(levering)およびレーキ作業(raking)にも使用することができ、ハンマーウエイト(1−3)は、岩石などのレバリング作業を実行するために、下部遠位面(1−11)に隣接する側壁(1−8,1−9)をハウジング(1−6)を越えて外側へと突出させて、衝撃軸(1−12)に沿った移動から固定される。クッションスライド(1−13)は、レバリング作業およびレーキ作業の影響に直接曝されたならば、損傷を被ると考えられる。したがって、クッションスライド(1−13)は、ハンマーウエイト(1−3)の両遠位端(1−10,1−11)から長手方向に離して配置される。
22bは、ただ1つのツール端(1−4)を有しており、反対向きにすることはできないが、やはりレバリング作業およびレーキ作業が可能である一方向性ハンマーウエイト(1−3)を示している。したがって、クッションスライド(1−13)は、長手方向において非対称に配置され、上遠位面(1−10)の近くに位置する追加のクッションスライドを有している。
衝撃ハンマー(上述の衝撃ハンマー(1,1−1,1−100)を含む)は、ハウジング(6,1−6,1−106)からの最小限の妨げまたは抵抗でウエイトを上下させるように構成される。ハンマーウエイト(9,1−3,1−103)は、リフト機構(図示せず)に直接接続されるだけであり、ハウジング内側側壁(8,1−7,1−107)には直接接続されない。したがって、ウエイト(9,1−3,1−103)が上方または下方に移動するとき、ウエイト(9,1−3,1−103)の経路および/またはハウジング内側側壁(8,1−7,1−107)の向きの完全に鉛直な衝撃軸(10,1−12,1−112)からのずれは、相互の接触につながる可能性がある。
衝突の初期点は、主としてウエイトの頂部(1−20,1−120)のうちの1つであり、ウエイト(1−3,1−103)に対応するモーメントを加え、ウエイト(1−3,1−103)が最初に往復運動経路の最上部または最下部に到達しない限り、正反対に位置する頂部(1−20,1−120)における衝突までウエイト(1−3,1−103)を回転させる。作業面(1−5,1−105)へのウエイト(1−3,1−103)の衝突も、作業面(1−5,1−105)が衝撃軸(1−12,1−112)に対して直角でない場合、および/または作業面(1−5,1−105)が衝撃で砕けない場合に、横方向の反力を生じさせる可能性がある。
23aおよび図23bは、平らでない作業面(1−5)に衝突するハンマーウエイト(1−3)を示しており、作業面(1−5)から遠ざかる相応の横方向の反力を生じさせる。横方向の反力によってウエイト(1−3)に誘起されるモーメントが、ウエイト(1−3)を作業面(1−5)から遠ざかるように回転させる。この回転は、(図23aに示されるように)広い側壁(1−8)の平面に実質的に平行であるかもしれないし、(図23bに示されるように)狭い側壁(1−9)の平面に実質的に平行であるかもしれないし、あるいはこれらの任意の組み合わせであるかもしれない。接触の回転作用は、ウエイト(1−3)の正反対に位置する部分をウエイトハウジングガイド(1−7)に接触させる。
23a、図23bに示されているハンマーウエイト(1−3)は、レーキ作業およびレバリング作業に適した可逆の双方向性ハンマーウエイト(1−3)を表している。したがって、クッションスライド(1−13)は、レバリング作業/レーキ作業の最中の損傷を避けるために、長手方向の側壁(1−8,9)における中央に配置される。しかしながら、クッションスライド(1−13)は、第1の層(1−14)の外面(1−16)が頂部(1−20)の端部よりも前にハウジングウエイトガイド(1−7)の表面に接触することを保証するための充分な寸法とされる。
24は、図1、図1、図20の実施形態のウエイト(1−103)が下方への移動時にハウジング内側側壁(1−107)に衝突する同等の状況を示している。やはり、ウエイト側壁(1−109)の下端部分の衝突により、ウエイト(1−103)にモーメントに起因する回転が生じ、結果として反対側の側壁(1−109)の上遠位部分における対応する衝突が生じる。したがって、ウエイト(1−103)上のクッションスライド(1−113)は、これらの接触点に配置される。
ウエイト(1−3,1−103)がハウジングの内側側壁(1−7,1−107)に衝突し、圧縮荷重が第2の層(1−15,1−115)を形成するエラストマーに加わるとき、衝撃は、衝突点から遠ざかるエラストマー(1−15,1−115)の体積の変位によって吸収される。
エラストマー(1−15,1−115)を取り囲む堅固な境界が、エラストマー(1−15,1−115)の変位を拘束のない境界において生じるように制限する。エラストマー(1−15,1−115)が堅固な第1の層の下面(1−18,1−118)とエラストマー(1−15,1−115)の下方のウエイト(1−3,1−103)の堅固な上面(1−21,1−121)とによって境界付けられている先の実施形態において、エラストマー(1−15,1−115)は、圧縮下でウエイト(1−3,1−103)の表面に実質的に平行に横方向に変位する。
図1〜図1に示される実施形態は、変位させられた体積が圧縮の影響下で進入することができる変位用ボイド(1−22,1−122)を有するエラストマー(1−15,1−115)を提供する。図1cに示されるように、クッションスライド(1−13)は、第2の層(1−15)内に一連の円形の変位用ボイド(1−22)を備えており、これらの一連のボイド(1−22)は、ウエイト表面(1−21)を広い側壁(1−8)の各々および対応する狭い側壁(1−9)において覆って広がるように、第2の層(1−15)の3つの面に実質的に一様に広がっている。
図1の実施形態も、クッションスライド(1−113)の第2の層(1−115)の円形の変位用ボイド(1−122)の対応する構成を利用する。
エラストマーは、どちらの実施形態のクッションスライド(1−13,1−113)も外側の側縁においてウエイト(1−3,1−103)の堅固な部分(1−21,1−121)によって取り囲まれているため、圧縮下で横方向外側へと撓むことはできない。したがって、圧縮下で、エラストマー(1−15,1−115)は、円形の変位用ボイド(1−22,1−122)へと横方向内側に変位することだけが可能である。さらなる実施形態(図示せず)においては、変位用ボイドを、第1の層の下面(1−18,1−118)、および/またはエラストマー(1−15,1−115)の下方のウエイト(1−3,1−103)の堅固な上面(1−21,1−121)に形成することができる。
しかしながら、変位用ボイドのさまざまな代案の構成が可能であり、典型的なサンプルが、図25および図26に示されている。図25a〜25dは、それぞれ図26a〜図26dの断面図にさらに詳細に示される4つの異なる変位用ボイドの構成を備える4つの代案としての第2の層(1−15a、1−15b、1−15c、1−15d)の実施形態を示している。各々の第2の層(1−15a〜d)は、取り付け先のウエイト表面(1−21,1−121)の対応する輪郭に適合するように形作られるが、各々の第2の層(1−15a〜d)の側壁(1−8,1−9,1−108,1−109)に隣接する部分は、依然として実質的に平坦である。
25aおよび図25bは、それぞれ、長手方向の頂部(1−20,1−120)に取り付けられるように構成されたクッションスライド(1−13,1−113)を示している。図25cおよび図25dは、それぞれ、側壁(1−8,1−9,1−108,1−109)への取り付けのための矩形および円形のクッションスライド(1−13,1−113)を示している。
26a〜図26dは、それぞれ図25a〜図25dの線AA、BB、CC、およびDDによる断面の拡大図を、矢印の方向の圧縮力の印加の前(左側の図)および後(右側の図)について示している。
26aは、上面(1−17a)から下面(1−19a)まで第2の層(1−15a)を直角に貫いて延びる開口の形態の一連の変位用ベント(1−22a)を有する第2の層(1−15a)を示している。右側の図は、第2の層(1−15a)のエラストマー材料が、隣接する変位用ボイド(1−22a)へと膨出することを示している。
26bは、第2の層(1−15b)の下面(1−19b)の繰り返される波形のくぼみの形態の一連の変位用ボイド(1−22b)を有する第2の層(1−15b)を示している。波形が、圧縮の作用のもとで短くかつ幅広くなり、ボイド(1−22b)内へと撓む。
26cは、第2の層(1−15c)の下面(1−19c)および上面(1−17c)の両方における複数の円形断面の突起の間に形成された繰り返されるくぼみの形態の一連の変位用ボイド(1−22c)を有する第2の層(1−15c)を示している。圧縮のもとで、突起は変位用ボイド(1−22c)内へと撓むことで、より短くかつ幅広くなる。
26dは、対応する一連の鋸歯状の変位用ボイド(1−22d)を生成する鋸歯状の下面(1−19d)および上面(1−17d)を備えて形成された第2の層(1−15d)を示している。鋸歯形状の頂部が、圧縮の作用のもとで平たくなり、したがってボイド(1−22d)内へと撓む。他にも多数の変位用ボイドの構成が可能であり、図25a〜図25dに示したクッションスライド(1−15a〜d)と図26a〜図26dの変位用ボイド(1−22a〜d)の構成との組み合わせは、最適化された例であり、それらは本発明を限定するものと見なされるべきではないことを、容易に理解できるであろう。
上述の第2の層(1−15,1−115,1−15a〜1−15d)を形成する衝撃吸収エラストマーは、いずれも、エラストマーが変位用ボイド(1−22、1−122、1−22a〜1−22d)へと撓むことを可能にすることによってエラストマーポリマーの損傷を防止することにより、衝突の衝撃を吸収するための構成を提供する。撓みは、撓みが30%を超えるとクッションスライドに損傷が生じる可能性が高くなるため、典型的には30%未満である。
クッションスライド(1−13,1−113)の衝撃吸収潜在能力は、第1の層(1−14,1−114)および第2の層(1−15,1−115)の隣接する接触面を互いに結合していない状態または接着されていない状態に保つことによって高められる。接触面は、第1の層の上面(1−17,1−117)および第2の層の下面(1−18,1−118)である。これにより、エラストマーの上面(1−17)が、圧縮下で第1の層の下面(1−18)を横切って横方向に移動することが可能になる。しかしながら、第1の層(1−14,1−114)および第2の層(1−15,1−115)が、衝撃作用の激しい影響の下で互いの接触を維持するための手段を必要とすることは明らかである。
27は、第1の層(1−14,1−114)および第2の層(1−15,1−115)を互いに接触した状態に保つように構成された固定用造作(1−23)の典型的な構成の選択を示している。
27aは、第1の層(1−14,1−114)の側縁およびウエイト(1−3,1−103)の表面に実質的に直交する第2の層(1−15,1−115)の外リップ部分の内面に位置する噛み合うねじ山部分の形態の固定用造作(1−23a)を示している。
27b、図27c、図27d、および図27eは、やはり第1の層(1−14,1−114)の側縁およびウエイト(1−3,1−103)の表面に実質的に直交する第2の層(1−15,1−115)の外リップ部分の内面に位置する
・テーパ状の凹部および突出するリップ部、
・Oリングシールおよび相補的な溝、
・弾性クリップ部分および嵌合凹部、ならびに
・鋸歯状の噛み合い部分
の形態の固定用造作(1−23b、1−23c、1−23d、および1−23e)を示している。
第2の層(1−15,1−115)は、第1の層へと押し付けて、対応する固定用造作(1−23)を所定の位置に固定できるように、充分に可撓である。あるいは、クッションスライド(1−13,1−113)が円形である場合、第2の層(1−15,1−115)を、図27aのように適切な相手方ねじ山が設けられた第1の層(1−14,1−114)へとねじ込むことができる。
クッションスライド(1−13)を図1および図1に示される実施形態について示した賞賛の位置に倣ってハンマーウエイト(1−3)の狭い側壁(1−9)に固定するための固定用造作(1−23f〜1−23k)のまたさらなる変種が、図28a〜図28fに示されている。
28aは、隣接するクッションスライド(1−13)の間の狭い側壁(1−9)を横切る直接の物理的な接続を有することなく、長手方向の頂部(1−20)に位置する個々の第1の層(1−14a)および第2の層(1−15e)を示している。第1および第2の層(1−14a、1−15e)は、互いに直接固定されてはおらず、代わりに、固定用造作(1−23f)は、ハウジング内側側壁(1−107)の物理的な近接に頼ってクッションスライド(1−13)を所定の位置に保持する。
28bは、長手方向の頂部(1−20)の両方に位置し、狭い側壁(1−9)の幅を横切って幅の広い側壁(1−8)の一部を延びる第1の層(1−14b)および第2の層(1−15f)を示している。第1および第2の層(1−14b、1−15f)は、互いに直接固定されてはおらず、代わりに、固定用造作(1−23g)は、ハウジング内側側壁(1−107)の物理的な近接に頼ってクッションスライド(1−13)を所定の位置に保持する。
28cは、図28bに示した第1の層(1−14b)および第2の層(1−15f)と同様の配置を示している。しかしながら、固定用造作(1−23h)が、第1の層(1−14c)およびハンマー頂部(1−20)の対応する凹部と嵌合する形状および配置を有する第2の層(1−15)の突起として設けられている。したがって、固定用造作(1−23h)は、第1および第2の層(1−14c、1−15g)のそれぞれの嵌合する表面に位置するタブおよび相補的な凹部によって、クッションスライド(1−13)をウエイト(1−3)に固定する。
28dも、図28bに示した第1の層(1−14b)および第2の層(1−15f)と同様の配置を示している。固定用造作(1−23i)は、第1の層(1−14d)の皿穴を通り、第2の層(1−15h)の穴を通って、狭い側壁(1−9)のねじ穴に取り付けられるねじを備えている。
28eが、図28bに示した第1の層(1−14c)および第2の層(1−15f)と同様の配置を示している。しかしながら、代わりに、固定用造作(1−23j)は、一方の幅広い側壁(1−8)から反対側の側壁(1−8)まで第1の層(1−14e)、第2の層(1−15i)、およびウエイト(1−3)の穴を貫いて取り付けられる横ピンを備えている。
28fは、ハンマーウエイト(1−3)の凹部が第2の層(1−15g、1−15j)の基部の対応するタブと嵌合する図28cに示した配置と同様の配置を示している。しかしながら、固定用造作(1−23k)は、第1の層(1−14j)を第2の層(1−14f)へと逆の配置にて固定し、すなわち第2の層(1−15j)の凹部が第1の層(1−14f)の対応する突起と嵌合する。
上述したクッションスライド(1−13,1−113)は、充分な衝撃吸収能力および低摩擦能力を提供しつつ比較的軽量なクッションスライド(1−13,1−113)をもたらすために、UHMWPEの第1の層(1−14,1−14a〜1−14f、1−114)およびポリウレタンエラストマーの第2の層(1−15,1−15a〜1−15j、1−115)を有する。上述したように、大きな減速力(最大1000G)は、クッションスライド(1−13,1−113)の重量増加について著しい追加の力を生じさせる。したがって、第1の層(1−14,1−114)に鋼などの材料を使用することは可能であるが、この構成は、その高い密度ゆえにより大きな質量を追加することになり、したがって衝撃の際にUHMEPEの第1の層(1−14、1−114)よりも大きな慣性を有すると考えられる。
29は、鋼製の第1の層(1−14)を使用するクッションスライド(1−13)の実施形態を示している。図29は、鋼製の第1の層(1−14)およびエラストマー製の第2の層(1−15)の分解図および部分組立図である。鋼製の第1の層(1−14)は、従来からの平坦な上面(1−16)と、固定用造作(1−23m)の一部を備えて形成された下面(1−18)とを有し、固定用造作(1−23m)は、下面(1−18)から直角に突出する複数の分割壁部分を有するセル状の構成の形態である。第2の層(1−15)は、上面(1−17)から直角に突出するセル状の構成の固定用造作(1−23m)の賞賛の嵌合部分が形成された上面(1−17)を含む。第1および第2の層(1−14,1−15)は、固定用造作(1−23m)のセル状の構成によって互いに噛み合うことにより、互いに固定される。鋼製の第1の層(1−14)およびエラストマー製の第2の層(1−15)の複数の噛み合い部分は、ウエイト表面(1−21、1−121)の平面に対して平行な衝撃力の作用下での分離に大いに耐える強力な結合を生む。噛み合う固定用造作(1−23m)は、第2の層(1−15)の厚さの全体を貫いて下面(1−19)まで延びているわけではないことに、留意されたい。代わりに、下面(1−19)と固定用造作(1−23m)との間に位置する第2の層(1−15)の下部は、圧縮時に第2の層(1−15)の材料の撓みを受け入れるための変位用ボイド(1−22)の一形態を取り入れるために使用される。
第1の層(1−14,1−114)を第2の層(1−15,1−115)から分離させるように作用するあらゆる衝撃力が、クッションスライド全体(1−13,1−113)をウエイト(1−3,1−103)から分離させるようにも作用することを、理解できるであろう。また、大きな加速力の負の影響に抵抗してクッションスライド(1−13,1−113)全体をウエイト(1−3,1−103)に固定する手段は、第1の層(1−14,1−114)だけに適用される固定手段よりもさらに高度である必要がある。したがって、図1〜図22、図29、および図30に示されるように、ウエイト(1−3,1−103)は、側壁(1−8,1−108および1−9,1−109)上にソケット(1−24,1−124)の形態で設けられるクッションスライド(1−13,1−113)をウエイト(1−3,1−103)に固定するための丈夫な手段を備える。
図1〜図22、図29、および図30に示されるように、クッションスライド(1−13,1−113)は、クッションスライドに位置する保持面(1−25,1−125)によって形成されたソケット(1−24,1−124)においてウエイト(1−3,1−103)上に位置する。クッションスライドの周囲の保持面(1−25,1−125)は、
・クッションスライド(1−13,1−113)の側縁、
・クッションスライド(1−13,1−113)を貫く内側開口部、および/または
・クッションスライド(1−13,1−113)の凹部
の周囲に位置することができる。
各々の保持面(1−25,1−125)を、ウエイトの遠位端(1−10,1−110,1−11,1−111)のうちの1つと、ウエイト(1−3,1−103)の側壁(1−8,1−9,1−108,1−109)のソケット(1−25,1−125)に配置されたクッションスライド(1−13,1−113)の少なくとも一部分との間の堅固な保持面を呈する畝部、段部、突出部、凹部、リップ、突起、または他の構造として形成うることができる。
30に示されている幅広い側壁のソケット(1−124)の保持面(1−125)は、ウエイト側壁(1−108)に実質的に直交する力の成分からクッションスライド(1−13,1−113)をウエイト側壁(1−108)に固定するために、ソケット(1−124)の内側に向かってテーパ状の壁(1−125)として形成されている。他の保持造作(図示せず)は、逆テーパ、上部リップ、Oリング溝、ねじ山、またはスライド(1−113)との他の噛み合いの造作を含み得る。
上述の実施形態において、各々のソケット保持面(1−25,1−125)を、対応する側壁(1−8、1−9、1−108、および1−109)に対して実質的に直交して延びる外向きまたは内向きに延びる壁として形成することができる。
31に示される実施形態においては、保持面(1−25,1−125)が、第2の層(1−15,1−115)の下方の側壁(1−108)内のソケット(1−124)の外縁の内側に位置し、外方向に延びる壁として形成されて、対応する位置決め突起(1−126)を形成している。狭い側壁(1−109)における内側へと延びている保持面(1−125)は、位置決め突起(1−126)と同じ保持機能を実行する位置決め凹部(1−127)を形成している。
31の実施形態において、位置決め突起(1−126)は、第2の層(1−115)の開口部(1−128)および第1の層(1−114)の開口部(1−129)を通過する。やはり図31に示されているように、逆の構成が別のソケット(1−124)に示されており、位置決め部分(1−130)が、第1の層(1−114)の下面(1−118)から延び、第2の層の開口部(1−128)を通って位置決め凹部(1−127)へと突出している。
位置決め凹部(1−127)または位置決め突起(1−126)を使用することで、図1〜図1および図21〜図24に示される実施形態のようなクッションスライド(1−13,1−113)の外周全体を取り囲む保持面(1−125)を必要とせずに、クッションスライド(1−13,1−113)を上部または下部遠位面(1−110,1−111)に直接隣接させて配置することが可能になる。
このような位置決め突起(1−126)または位置決め凹部(1−127)を使用する場合、ソケット(1−124)は必ずしも必要でないかもしれないことを、理解すべきである。代わりに、クッションスライド(1−113)を、位置決め突起(1−126)または位置決め凹部(1−127)だけを対応する表面(1−108,1−109)から外側または内側へとそれぞれ延ばすことにより、外面(1−108,1−109)に直接配置することができる。
図1dが、ハンマーウエイト(1−3)に適用された対応する実施形態を示しており、位置決め突起(1−26)が、第2の層(1−15)の開口部(1−28)および第1の層(1−14)の開口部(1−29)を通過する。
すでに述べたように、ウエイト(1−3,1−103)とハウジング内側側壁(1−7,1−107)との間のすき間が大きいほど、ウエイトにとって、力(例えば、重力)の横方向成分のもとで横方向の速度を増加させるために利用できる距離が大きくなり、したがって結果としての衝撃力が大きくなる。図32および図33に示される実施形態は、ハンマーウエイト(1−103)の頂部(1−120)および側壁(1−108)に取り付けられた1対のクッションスライド(1−113)を示している。クッションスライド(1−13)は、
・第1の層の下面(1−118)、
・第2の層の上面(1−117)、
・第2の層の下面(1−119)、および
・第2の層(1−119)の下面に隣接するウエイト側壁面(1−121)
に位置する複数のプリテンション表面造作(すべてに標記されているわけではないが、1−131)を備える。
しかしながら、プリテンション表面造作(1−131)が、上手く機能するためには、上述の4つの表面のうちの1つに形成されるだけでよいことを、理解できるであろう。図32および図33に示される実施形態において、プリテンション造作は、小さなスパイクであるが、フィン、ボタン、などの代案も可能である。
プリテンション造作(1−131)は、弾性を有し、第2の層(1−115)の主平面部分よりも容易に圧縮されるように形作られている。さらに、プリテンション表面造作(1−131)は、第1の層(1−114)と第2の層(1−115)との間、および第2の層(1−115)と対応する側壁(1−108または1−109)との間に、すき間を生じさせる。
プリテンション表面造作(1−131)は、クッションスライドの外面(1−116)を付勢して、ウエイト(1−113)の往復運動の最中にハウジング内側側壁(1−107)に継続的に接触させるように形成される。使用時、図33aに示されるように、ウエイト(1−103)がハウジング内側側壁(1−107)の内側に等距離に位置するとき、プリテンション造作(1−131)は、プリテンションの状態にある。
したがって、第1の層(1−114)の外面(1−116)は、ハウジング内側側壁(1−107)が(図33aに示されるような)平衡状態にあり、例えば実質的に鉛直に向けられているときに、ハウジング内側側壁(1−107)に軽く接触するように付勢される。動作時に、ウエイト(1−103)に作用する力の横方向成分は、図33bに示されるように、プリテンション造作(1−131)を圧縮するように作用する。その時点からさらに圧縮力が継続すると、第2の層(1−115)のエラストマーが、上述の実施形態に関して説明したように撓む。
34aは、外面(1−216)および内面(1−218)を有する金属またはプラスチックのディスクから形成された第1の層(1−214)を有する代案のクッションスライド(1−213)を示している。内面(1−218)は、ディスクの厚さの一部を機械加工することによって形成される。クッションスライド(1−213)は、直線状または他の形状であってもよく、ディスクは単なる一例にすぎない。第2の層(1−215)は、エラストマー上部層(1−231)と、中間の堅固な鋼またはプラスチック層(1−232)と、下部エラストマー層(1−233)とを含む3つのサブ層から形成される。第2の層(1−215)は、第1の層の内面(1−218)に当接する外面(1−217)と、往復運動するウエイト(1−3)のソケット(1−24)に当接する第2の層の内面(1−219)とを有する。
前述の実施形態のように、層(1−231,1−232,1−233)を、圧縮下のエラストマー層(1−231,1−233)の体積変位を受け入れるための変位用ボイドを備えて形成することができる。
中間の剛体層(1−232)は、エラストマー層(1−231,1−233)のための堅固な境界を提供することで、エラストマー層が圧縮下で横方向に撓むことを確実にする。単一のより厚いエラストマー層は、良好な衝撃吸収性を提供し得るが、複数のより薄い層と比べて圧縮および膨張の量が比較的大きいため、過熱に弱い。
上部エラストマー層(1−231)は、第1の層(1−214)をハウジング内側側壁(1−7,1−107)に対して付勢するためのプリテンション造作を提供するように形作られる。プリテンション造作は、この例では、エラストマー層(1−231)を凸状の外面(1−217)を有するボウルとして形成することによって達成される。あるいは、図32および図33に示した実施形態のように、第1の層(1−214)に押し付けられるが、エラストマー層(1−231、1−233)よりも容易に圧縮される畝部、フィン、または他の突起などのプリテンション表面造作を利用してもよい。
下部エラストマー層(1−233)も、同様のプリテンション形状造作を伴って形成され、第1の層(1−214)の周壁(1−235)を収容するための凹部(1−234)をさらに含む。凹部(1−234)は、非圧縮状態に組み立てられたとき(図33b)に、第1の層の壁(1−235)が凹部(1−234)の底面に接触しておらず、したがってクッションスライド(1−213)が衝撃を受けたときに第1の層(1−214)の移動が可能であるように、充分に深い。
クッションスライド(1−213)の構成要素は、衝撃軸に沿った高い加速度に曝されたときに、剛体層(1−214,1−232)とエラストマー層(1−231,1−233)との間の相対的な滑りを被り易い可能性がある。相対的な滑りにより、剛体層(1−232)が移動して、他の層(1−233,1−231)を損傷させる可能性がある。したがって、図34に示される実施形態においては、第1の層(1−214)および第2の層(1−215)が、とりわけ衝撃軸に沿った大きな加速度に起因する剛体層(1−232)および(1−214)の接触縁の損傷などのそのような問題を防止するように、組み立てられたときにぴったりとした嵌まり合いをもたらすように寸法付けられる。
このように、クッションスライド(1−213)は、先の実施形態などの単一の第2の層(1−15)、(1−115)と比べて優れた衝撃吸収特性を提供する層状のスタックとして形成される。クッションスライド(1−213)は、より複雑かつ高価であるが、クッションスライド(1−13)、(1−113)では充分に丈夫ではないきわめて大きい衝撃力の用途に有用であり得る。したがって、第1の層(1−214)を、重量増加の一方で大きな衝撃荷重における丈夫さの改善を提供する高い耐磨耗性を有する鋼またはプラスチックから形成することができる。
衝撃ハンマーの一実施形態が、ハウジング(2−3)内で直線的に移動するように拘束されたハンマーウエイト(2−2)を含む砕石ハンマー(2−1)の形態で、図35〜図37によって示されている。ストライカピン(2−4)は、ハウジング(2−3)のノーズコーン部分に位置し、ハウジング(2−3)から部分的に突出している。ストライカピン(2−4)は、2つの端部、すなわちハンマーウエイト(2−2)が衝突する被駆動端(17)と、ハウジング(2−3)を通って突出して作業対象の岩石表面に接触する衝撃端(18)とを有する細長い実質的に円柱形のマスである。ハウジング(2−3)は、実質的に細長く、ハウジング(2−3)の一端においてノーズブロック(2−5)と呼ばれるハウジング(2−3)一部分に取り付けられた取り付けカップリング(2−6)を有する。取り付けカップリング(2−6)は、トラクタ掘削機などのキャリア(図示せず)に衝撃ハンマー(2−1)を取り付けるために使用される。
さらに、衝撃ハンマー(2−1)は、ノーズブロック(2−5)内でストライカピン(2−4)を横方向において取り囲むとともに、リコイルプレート(2−8)の形態のリテーナを挟む第1および第2の衝撃吸収アセンブリ(2−7a、2−7b)の形態の衝撃吸収装置を含む。
衝撃吸収アセンブリ(2−7a、2−7b)およびリコイルプレート(2−8)は、ストライカピン(2−4)を突出させるハンマー(2−1)の遠位部分に位置するハウジング(2−3)のノーズコーン(2−11)部分へと長手方向のボルト(2−10)を介して取り付けられる上部キャッププレート(2−9)によって、ストライカピン(2−4)を囲むスタックとしてノーズブロック(2−5)内に一緒に保持される。上部キャッププレート(2−9)は、第2の衝撃吸収アセンブリ(2−7b)の上部弾性層(2−12)に面する平坦な下面を有する堅固な非弾性プレートである。ノーズコーン(2−11)も、第1の衝撃吸収アセンブリ(2−7a)の下部弾性層(2−12)に面する平坦な上面を有する堅固なフィッティングである。リコイルプレート(2−8)は、第2の衝撃吸収アセンブリ(2−7b)の下部弾性層(2−12)および第1の衝撃吸収アセンブリ(2−7a)の上部弾性層(2−12)にそれぞれ面する堅固かつ平行な上部および下部の平坦面を備えて形成される。上部キャッププレート(2−9)、リコイルプレート(2−8)、およびノーズコーン(2−11)の平坦面は、実質的に平行であり、各々がストライカピン(2−4)の通過を可能にするための整列した中央の開口を有している。
37においてより明確に見て取ることができるように、個々の衝撃吸収アセンブリ(2−7a、2−7b)は、複数の個々の層で構成される。図35〜図48に示される実施形態において、各々の衝撃吸収アセンブリ(2−7a、2−7b)は、穴あきの鋼製プレート(2−13)の形態の非弾性層によって隔てられたポリウレタンエラストマー環状リング(2−12)の形態の2つの弾性層で構成される。衝撃吸収アセンブリ(2−7a、2−7b)は、キャッププレート(2−9)とノーズコーン(2−11)との間に保持されるが、他の点では、ストライカピン(2−4)の長手軸に平行/同軸な長手方向の移動から拘束されていない。衝撃吸収アセンブリ(2−7a、2−7b)、キャッププレート(2−9)、およびノーズコーン(2−11)における上記の構成要素は、物理的な保持による物理的な接触を除き、接合、接着、固定、または何らかの他のやり方での互いの接続は行われていない。
ストライカピン(2−4)は、2つの保持ピン(2−14)の形態の摺動可能な結合によって衝撃ハンマー(2−1)に取り付けられ、保持ピン(2−14)は、各々のピン(2−14)の一部分がストライカピン(2−4)に形成された凹部(2−15)へと内側に部分的に突出するようにリコイルプレート(2−8)を横方向に通過する。摺動可能な結合は、(ストライカピン(2−4)の被駆動端に対して)遠位側および近位側の移動ストッパ(2−20、2−21)の間の凹部(2−15)の長さによって定められる保持位置において、ストライカピン(4)をリコイルプレート(2−8)に接続する。
各々の衝撃吸収アセンブリ(2−7a、2−7b)のポリウレタンリング(2−12)は、ノーズブロック(2−5)の内壁に配置されてストライカピンの長手軸に実質的に平行に向けられた細長いスライド(2−16)の形態のガイド要素によって、ストライカピンの長手軸に垂直な所定の位置に保持される。
各々のポリウレタンリング(2−12)は、ポリウレタンリング(2−12)の平面において外周(2−23)から半径方向外側へと延びる小さな丸みを帯びた突起(2−17)を含む。細長いスライド(2−16)は、衝撃吸収アセンブリ(2−7a、2−7b)を横方向のずれがなく保持できるように、突起(2−17)に対して相補的な輪郭を有するように形作られた細長い溝を備えて構成されている。これにより、リング(2−12)が横方向に膨張できる一方で、ハウジング(2−3)の内壁へのポリウレタンリング(2−12)の衝突が防止され、すなわちリング(2−12)の中心がストライカピン(2−4)と同軸に保たれ、したがってポリウレタンリング(2−12)の摩耗/過熱による損傷の発生が防止される。
細長いスライド(2−16)は、例えばポリウレタンなど、弾性層(2−12)と同様の弾性材料から形成されたおおむね細長い矩形のパネルである。しかしながら、好ましくは、細長いスライド(2−16)は、はるかに柔らかい弾性材料、すなわちより低い弾性率の材料から形成される。これは、2つの重要な利点をもたらす。
1.細長いスライド(2−16)が、ポリウレタン環状リング(2−12)よりも容易に磨耗する。結果として、細長いスライド(2−16)は、磨耗時に容易に交換可能であり、環状リング(2−12)を交換するために衝撃吸収アセンブリ(2−7a、2−7b)を取り外したり、分解したりする必要がないため、メンテナンス費用が削減される。
2.細長いスライド(2−16)は、負荷下での環状リング(2−12)の横方向の撓みに実質的に抵抗せず、したがって突起(2−17)が局部的に非圧縮性になること(突起(2−17)の不具合につながりかねない)を回避する。
衝撃吸収のプロセスにおいて、エラストマーリング(2−12)が横方向に撓むとき、突起(2−17)は、細長いスライド(2−16)がポリウレタンリング(2−12)と一緒にストライカピンの長手軸に平行に移動し始める点に圧力が達するまで、外側へと押されて細長いスライド(2−16)との接触が増す。
35に最も明確に示されるように、各々の突起(2−17)は、突起の頂部に実質的に凹状の凹部(2−19)を含む。各々の凹部(2−19)は、幾何学的な回転軸を弾性層(2−12)の平面内に位置させた部分円柱の一部分である。圧縮荷重下で、弾性層(2−12)の鉛直中心は、横方向外側へと最大限に変位する。したがって、凹部(2−19)は、突起(2−17)の中心が突起(2−17)の外周を越えて膨らむことなく、弾性層(2−12)が外側に広がることを可能にする。
38aおよび図38b、図39aおよび図39b、ならびに図40aおよび図40bが、それぞれ有効打撃、ミスヒット、および無効打撃を行っている砕石ハンマー(2−1)の形態の衝撃ハンマーを、ハンマーウエイト(2−2)がストライカピン(2−4)に衝突する前(図38a、図39a、図40a)および後(図38b、図39b、図40b)について示している。
典型的な使用(図38a〜図38bに示されているような)において、ストライカピン(2−4)の下端が岩石(2−18)へと配置され、ハンマー(2−1)が、保持ピン(2−14)が凹部(2−15)の遠位側の移動ストッパ(2−20)に当たりるまで下降させられる。これは、「プライム」位置と呼ばれる。次いで、ハンマーウエイト(2−2)をハウジング(2−3)内のストライカピン(2−4)の上端へと落下させることができ、結果としての力が、ストライカピン(2−4)を介して岩石(2−18)に伝えられる。図38bに示されるように、衝撃が岩石(2−18)の破壊に成功するとき、ハンマーウエイト(2−2)からの衝撃エネルギーのほぼすべてが散逸し得、いずれかの衝撃吸収アセンブリ(2−7a、2−7b)によって吸収しなければならない力は、存在したとしてもわずかである。
39a〜図39bは、ハンマーウエイト(2−2)が岩石(2−18)などへの衝突によって阻まれることなくストライカピン(2−4)に衝突する「ミスヒット」または「ドライヒット」の影響を示している。結果として、ハンマーウエイト(2−2)の衝撃エネルギーの全部または大部分が、ハンマー(2−1)に伝達される。ストライカピン(2−4)に衝突するハンマーウエイト(2−2)の下向きの力は、凹部(2−15)の上端に位置する近位側の移動ストッパ(2−21)を保持ピン(2−14)に接触させる。結果として、リコイルプレート(2−8)が下方へと押され、したがってリコイルプレート(2−8)とノーズコーン(2−11)との間で下部衝撃吸収アセンブリ(2−7a)が圧縮される。衝突の衝撃を吸収する過程において、圧縮力は、ポリウレタンリング(2−12)をストライカピンの長手軸に直角に横方向に変位させる。鋼製プレート(2−13)が、ポリウレタンリングの互いの接触を防止することで、ただ1つの単一の弾性部材の使用と比べて、磨耗を回避するとともに、衝撃吸収アセンブリ(2−7a)のすべての弾性ポリウレタンリング(2−12)の組み合わせによる衝撃吸収能力を最大にする。
「ドライヒット」においては、かなりの熱が発生する。しかしながら、たとえこのような打撃が数回連続しても、作業者によって連続する衝撃作業の前に冷却期間が許されるのであれば、ポリウレタンリング(2−12)の恒久的な損傷を回避できることが明らかになっている。理想的には、ポリウレタンリング(2−12)の変形は、加えられる力の方向における厚さの約30%未満の変化であるが、これは、ドライヒットにおいて50%へと増加する可能性がある。
40a〜図40bは、ストライカピン(2−4)へのハンマーウエイト(2−2)の衝撃力が岩石を破壊するには不充分であり、ストライカピン(2−4)が往復運動経路にてハウジング(2−3)内へと跳ね返る無効打撃の影響を示している。これにより、保持ピン(2−14)がストライカピンの凹部(2−15)の最下端に接触する。結果として、上向きの力がリコイルプレート(2−8)を介して上部衝撃吸収アセンブリ(2−7b)に伝達され、弾性ポリウレタンリング(2−12)が、加えられた力を吸収する際に横方向に撓む。したがって、衝撃吸収アセンブリ(2−7b)は、ハンマー(2−1)および/またはキャリア(図示せず)に対する反跳力の有害な影響を緩和する。
41〜図48は、図35〜図37に示した構成とは別のガイド要素の構成を利用する代案の実施形態を示している。
3537に示した実施形態は、長手方向の凹部を備えて形成された細長いスライド(2−16)であるガイド要素と、弾性層上に形成された賞賛の突起(2−17)とを示している。逆の構成が、図41および図42に示される実施形態において使用され、細長いスライド(2−116)に長手方向の突起(2−117)が形成され、弾性層(2−12)の外縁(2−23)の一部が、細長いスライド(2−116)上の突起(2−117)の輪郭に一致する対応する凹部として形成される。第1および第2の実施形態の両方における細長いスライド(2−16,2−116)は、すでに述べたように、弾性層(2−12)を中心に位置させるうえで同じように機能する。
別の実施形態(図示せず)においては、細長いスライド(2−16,2−116)の形態のガイド要素を、ストライカピン(2−4)の外側に配置することができる。弾性層の内縁(2−24)とストライカピン(2−4)との間の摺動可能な係合を、細長いスライドであるガイド要素の凹部と弾性層の内縁(2−24)の突起、あるいはこの逆によって形成できることも、理解できるであろう。
43および図44が、位置決めピン(2−22)の形態のガイド要素を備えるさらなる好ましい実施形態を(それぞれ側面図および平面断面図にて)示している。4つの等間隔配置の位置決めピン(2−22)が、弾性層(2−12)を通過するようにストライカピンの長手軸に実質的に平行に向けられて、弾性層の外側の側縁(2−23)と内側の側縁(2−24)との間で非弾性層(2−13)の平坦面上に位置している。
個々のピン(2−22)を、非弾性層(2−13)の反対向きの面に位置する2つの位置決めピンや、非弾性鋼製プレート(2−13)を貫いて取り付けられて両側の弾性層(2−12)を通過する実質的に単一の連続的なピンなど、さまざまな構成にて形成することができる。図43は、位置決めピン(2−22)が非弾性プレート(2−13)の両面の同軸に整列した2つの別々の要素として形成された構成を示している。しかしながら、非弾性層(2−13)の各側の位置決めピン(2−22)が、必ずしも整列している必要はなく、あるいは同じ数である必要はないことを、理解できるであろう。
弾性層(2−12)は、圧縮下でノーズブロック(2−5)の側壁(2−27)に向かって横方向に外側へと撓むとともに、ストライカピン(2−4)に向かって内側にも撓む。位置決めピン(2−22)は、外横縁(2−23)と内横縁(2−24)との間のヌル点経路(2−25)上の各点に位置する。このヌル点(2−25)は、衝撃吸収の際に横方向に動くことがないため、エラストマー層(2−12)と位置決めピンガイド要素(2−22)との間の相対運が存在せず、したがって両者の間に張力も圧縮も存在しない。2つ以上のピン(2−22)を含む代案の構成を、弾性層(2−12)の心出しを確実にするために使用できることを、当業者であれば容易に理解できるであろう。(図43に示されるとおりの)位置決めピン(2−22)の位置を含むヌル点経路(2−25)は、外縁(2−23)と内縁(2−24)との間に位置するおおむね環状のヌル点経路(2−25)上に位置する。
45および46は、各々の弾性層(2−12)と、4つのノーズブロック側壁(2−27)の各々の中央に隣接して位置するノーズブロック縦ボルト(2−10)の形態の4つのアンカー点(2−29)とを囲む引っ張りバンド(2−26)の形態のガイド要素を備えているさらなる実施形態を示している。弾性層(2−12)毎に別個の引っ張りバンド(2−26)が設けられ、ストライカピン(2−4)の周囲の心出しされた位置からの弾性層(2−12)の変位によって引き起こされる復帰の反力を印加する。しかしながら、引っ張りバンド(2−26)を、異なる数のアンカー点(2−29)および/またはノーズブロック側壁(2−27)の他の部分もしくはノーズブロック側壁(2−27)への取り付け部ならびに対応する弾性層(2−12)の周囲を通過するように構成できることを、理解できるであろう。
引っ張りバンド(2−26)を、エラストマーなどの弾性材料で形成することも可能である。各々のアンカー点(2−29)の背後を通過する引っ張りバンド(2−26)の部分は、隣接するノーズブロック側壁(2−27)の浅いくぼみ(2−28)を通過することで、バンド(2−26)が使用時にノーズボルト(2−10)を滑り、あるいは転がって移動することを防止する。
引っ張りバンド(2−26)によって弾性層(2−12)に加えられる心出しの力は、バンド(2−26)が、隣接するアンカー点(2−29)の間の直接経路から弾性層(2−23)の外縁(2−23)によってどの程度変位させられたかに比例する。ストライカピンの長手軸を中心とするアンカー点(2−29)および弾性層(2−23)の対称的な配置は、ストライカピンの長手軸を中心とする心出し力を生成する。
47および図48aは、ノーズブロックの側壁(2−27)に接触するように弾性層の外縁(2−23)から直接突出した被支持安定化造作(2−30)の形態のガイド要素を備えるさらに別の実施形態を示している。非弾性層(2−13)の平坦面が、実質的に正方形の中央部と、中央の正方形の外縁(2−23)の4つの頂部に配置された4つのタブ部(2−31)とを備えて形成されている。非弾性層(2−13)の各々の頂部に位置するタブ部(2−31)は、隣接するノーズボルト(2−10)の間をノーズブロック側壁(2−27)のすぐ近くまで通過する。外縁(2−23)から突出する安定化造作(2−30)は、衝撃を加えるべく使用される際の横方向の撓みを許容するための境界を有しつつ、非弾性層の外縁(2−34)の形状を大まかに反映する。タブ部(2−31)がノーズブロック側壁(2−27)に最も近接している場合、安定化造作(2−30)は、衝撃を加えるべく使用される際に側壁に接触して心出しおよび安定化の効果をもたらすために充分に近い。安定化造作(2−30)を含む弾性層(2−12)の残りの部分は、非弾性層(2−13)によって支持されているため、弾性層(2−12)を損傷させる磨耗の可能性は軽減される。
48bおよび図48cが、図48aに示した実施形態の変種を備える第5および第6の実施形態を示しており、ノーズブロック側壁(2−27)に隣接する被支持安定化造作(2−30)の切断線A−Aに沿って得た側面の拡大図を示している。
48bは、非弾性層(2−13)によって交互にされた1対の弾性層(2−12)を示しており、非弾性層(2−13)は、非弾性層(2−13)の上面および下面において外縁(2−34)へと延びる外縁テーパ部(2−36)を有している。
48cは、1対の弾性層(2−12)の間に挟まれた非弾性層(2−13)を示しており、各々の弾性層(2−12)の外縁が、非弾性層(2−13)に隣接する弾性層(2−12)の表面において外縁(2−23)へと延びるテーパ部(2−37)を有している。
48bの実施形態は、隣接する弾性層(2−12)を圧縮する堅固な非弾性層(2−13)の体積を減少させることによって、外縁テーパ部(2−37)の圧縮減少時の減圧を生成する。
48cに示されている実施形態の理由に関してテーパ部(2−37)によって引き起こされる弾性層(2−12)の材料の体積の低減は、図35に関して説明した部分円柱の一部分の凹部(2−19)の効果に直接匹敵する。
継続的に使用されることで、ストライカピン(2−4)の側面は、ノーズブロック(2−5)における通過場所であるキャッププレート(2−9)およびノーズプレート(2−11)を磨耗させる。結果として、ストライカピンの長手軸が衝撃軸(2−100)からずれて、衝撃吸収アセンブリ(2−7a、2−7b)がノーズブロックの壁(2−27)に近付く。衝撃吸収アセンブリ(2−7a、2−7b)とノーズブロックの壁(2−27)との間の有害な接触を防止するために、或る程度の横すき間(2−32)が、ストライカピン(2−4)と非弾性層の内縁(2−35)との間またはノーズブロック側壁(2−27)と非弾性層の外縁(2−34)との間のいずれかに取り入れられる(図42を参照)。このようにして、衝撃ハンマー(2−1)は、キャッププレート(2−9)およびノーズプレート(2−11)のメンテナンスが必要となる前に、或る程度の磨耗を許容することができる。
このように、非弾性層(2−13)は、ストライカピン(2−4)の周囲への近接によって心出しされるが、非弾性層(2−13)は、その一様な内側円形断面ゆえに、使用時にストライカピン(2−4)の周囲で回転することができる。したがって、非弾性層(2−13)とノーズブロック側壁(2−27)および/またはノーズボルト(2−10)との間の有害な干渉を防止するために、ノーズブロック内壁(2−27)に、1対のノーズボルト(2−10)の間に配置されてストライカピン(2−4)に向かって横方向に内側へと延びる1対の実質的に細長い直方体の拘束要素(2−33)が設けられる。拘束要素(2−33)は、回転を妨げる一方で、長手方向の衝撃軸(2−100)に平行な移動を許すように、非弾性層(2−13)に充分に近接するような配置および寸法とされる。ストライカピンの長手軸と衝撃軸(2−100)とは、磨耗に起因してわずかにそれる可能性があるが、すべての図は、磨耗がなく、したがって2つの軸が同軸である状況を示している。
代案の実施形態(図示せず)において、非弾性層(2−12)は、非弾性層の内縁(2−24)とストライカピン(2−4)との間にすき間を空けつつ、外縁(2−34)がノーズブロックの壁(2−27)の少なくとも一部分および/またはノーズボルト(2−10)にすぐ隣接して位置するように構成される。
本発明の態様を、あくまでも例示として説明したが、そのような態様について、それらの範囲から逸脱することなく変更および追加が可能であることを、理解すべきである。
本明細書の開示が、いずれかの実施形態または態様の特徴、構成要素、方法、または態様の任意の1つ以上を個別に、または部分的に、あるいは集合的に、その他の実施形態または態様のその他の特徴と任意のやり方で組み合わせることができる実施形態を包含し、本明細書の開示が、そのようでないと明示的に述べられていない限り、あらゆる可能な組み合わせを排除するものではないことを、理解すべきである
1 衝撃ハンマー
2 掘削機
3 人である作業者
4 ストライカピン
5 作業面
6 ハウジング
7 掘削機のアーム
8 収容面
9 ハンマーウエイト
10 衝撃軸
11 駆動機構
12 環索
13 上面(ハンマーウエイト)
14 シーブ
15 下側衝撃面(ハンマーウエイト)
16 側面(ハンマーウエイト)
17 被駆動端(ストライカピン)
18 衝撃端(ストライカピン)
19 衝撃吸収装置
20 ノーズブロック
21 キャッププレート
22 真空チャンバ
23 真空ピストン面
24 上部真空シーリング
25 下部真空シーリング
26 リコイルプレート
27 保持ピン
28 ノーズコーン
29 取り付けカップリング
30 クッションスライドシール
31 ウエイト内シール
32 V字形の突起
33 保持凹部
34 付勢手段
35 フィレット
36 プレロード
37 頂点
38 中間要素
39 ストラップ
40 可撓性シール
41 環状膜
42 ボイド
43 下降行程ベント
44 弁
45 真空ポンプ
46 真空タンク
47 凹部(ストライカピン)
48 遠位側移動ストッパ
49 近位側移動ストッパ
50 第1の(上側の)衝撃吸収アセンブリ
51 第2の(下側の)衝撃吸収アセンブリ
52 弾性層
53 非弾性層
54 内側側壁(ノーズブロック)
55 独立したシーリング層
56 ノーズコーンリングシール
57 環状凹部(ノーズコーン)
58 一体弾性層シール
59 別個の弾性層シール
60 非弾性層シール
61 密着シール
62 リコイルプレートリングシール
63 環状凹部(リコイルプレート)
64 可撓ダイアフラム
65 外側リム
66 固定シール
67 最大衝撃高さ(先行技術)
68 傾斜した落下高さ(先行技術)
69 最大落下高さ
70 傾斜した落下高さ
71 追跡されたキャリア
72 アジマスクレードル
73 ボイド低減用発泡体
74 中間層周縁部
75 別個の弾性または非弾性層シール
100 先行技術の衝撃ハンマー
200 ロボット式トンネル掘削衝撃ハンマー
1−1 衝撃ハンマー
1−2 小型掘削機
1−3 ハンマーウエイト
1−4 ツール端
1−5 作業面
1−6 ハウジング
1−7 ハウジング内側側壁
1−8 広い側壁
1−9 狭い側壁
1−10 上部遠位面
1−11 下部遠位面
1−12 衝撃軸
1−13 クッションスライド
1−14 第1の層
1−15 第2の層
1−15a〜1−15d 第2の層
1−16 外面−第1の層
1−17 外面−第2の層
1−17a〜1−17d 外面−第2の層
1−18 下側−第1の層
1−19 内面−第2の層
1−19a〜1−19d 内面−第2の層
1−20 長手方向の頂部
1−21 第2の層の下方のウエイト表面
1−22 変位用ボイド
1−22a〜1−22d 変位用ボイド
1−23a〜1−23e 固定用造作
1−23f〜1−23k 固定用造作
1−23m 固定用造作
1−24 ソケット
1−25 保持面
1−26 位置決め突起
1−27 位置決め凹部
1−28 開口−第2の層
1−29 開口−第1の層
1−30 位置決め部分
1−101 大型衝撃ハンマー
1−102 大型掘削機
1−103 ウエイト
1−104 ストライカピン
1−105 作業面
1−106 ハウジング
1−107 ハウジング内側側壁
1−108 広い側壁
1−109 狭い側壁
1−110 上部遠位面
1−111 下部遠位面
1−112 直線衝撃軸
1−113 クッションスライド
1−114 第1の層
1−115 第2の層
1−116 外面−第1の層
1−117 外面−第2の層
1−118 下側−第1の層
1−119 内面−第2の層
1−120 長手方向の頂部
1−121 第2の層の下方のウエイト表面
1−122 変位用ボイド
1−123 固定用造作
1−124 ソケット
1−125 保持面
1−126 位置決め突起
1−127 位置決め凹部
1−128 開口−第2の層
1−129 開口−第1の層
1−130 位置決め部分
1−131 テンション造作
1−213 クッションスライド
1−214 第1の層
1−215 第2の層
1−216 第1の層の外面
1−217 第2の層の外面
1−218 第1の層の内面
1−219 第2の層の内面
1−231 上部サブ層
1−232 中間サブ層
1−233 下部サブ層
1−234 下部サブ層の凹部
1−235 下部層の側壁
2−1 砕石ハンマー
2−2 ハンマーウエイト
2−3 ハウジング
2−4 ストライカピン
2−5 ノーズブロック
2−6 取り付けカップリング
2−7a 第1の衝撃吸収アセンブリ
2−7b 第2の衝撃吸収アセンブリ
2−8 リコイルプレートの形態のリテーナ
2−9 上部キャッププレート
2−10 ノーズブロックボルト
2−11 ノーズコーン
2−12 弾性層/ポリウレタン
2−13 非弾性層−鋼板
2−14 保持ピン
2−15 凹部
2−16 細長いスライドガイド要素
2−116 細長いスライド
2−17 長手方向の突起
2−117 長手方向の突起
2−18 岩石
2−19 凹状の凹部
2−20 遠位側移動ストッパ
2−21 近位側移動ストッパ
2−22 位置決めピンガイド要素
2−23 外縁−弾性層
2−24 内縁−弾性層
2−25 ヌル点の経路/位置
2−26 張力バンドガイド要素
2−27 ノーズブロックの側壁
2−28 くぼみ−ノーズブロックの壁
2−29 アンカー点
2−30 安定化造作ガイド要素
2−31 タブ部
2−32 横すき間
2−33 拘束要素
2−34 外縁−非弾性層
2−35 内縁−非弾性層
2−36 外縁テーパ−非弾性層
2−37 外縁テーパ−弾性層
2−100 衝撃軸
Figure 0006971989
Figure 0006971989
Figure 0006971989
Figure 0006971989
Figure 0006971989
Figure 0006971989
Figure 0006971989
Figure 0006971989
Figure 0006971989
Figure 0006971989
Figure 0006971989
Figure 0006971989
Figure 0006971989
Figure 0006971989

Claims (26)

  1. 作業面を破壊するための衝撃ハンマーであって、
    ・収容面の少なくとも一部分を形成する少なくとも1つの内側側壁を有するハウジングと、
    ・駆動機構と、
    ・前記ハウジング内に少なくとも部分的に位置する往復運動ハンマーウエイトであって、前記往復運動ハンマーウエイトは、往復運動軸に沿って往復運動することが可能であり、前記往復運動ハンマーウエイトの往復運動サイクルは、前記往復運動軸がほぼ垂直軸上にあるときに、
    前記往復運動ハンマーウエイトが前記駆動機構によって前記往復運動軸に沿って上方に移動る上昇行程、および
    前記往復運動ハンマーウエイトが前記往復運動軸に沿って下方に移動する下降行程
    を含む、往復運動ハンマーウエイトと、
    前記作業面を打撃するためのストライカピンであって、前記ストライカピンが前記往復運動軸に沿って整列され、またはそれに平行であり、前記ストライカピンが被駆動端および作業面衝撃端を有し、前記往復運動ハンマーウエイトが前記下降行程の少なくとも一部分において前記ストライカピンの前記被駆動端に直接衝撃を加え、前記作業面衝撃端が前記作業面を打撃するために前記ハウジングから突出するように前記ハウジング内に位置するストライカピンと、
    ・前記ハウジングの一部分から形成され、前記ストライカピンを少なくとも部分的に囲むノーズブロックと、
    ・前記ストライカピンに結合され、前記ストライカピンからの衝撃を吸収する衝撃吸収装置と、
    ・可変容積の真空チャンバであって、
    前記収容面の少なくとも一部分と、
    前記ハンマーウエイトに結合された少なくとも1つの上部真空シーリングと、
    前記下降行程の少なくとも一部において前記可変容積の真空チャンバから流体を逃がすことを可能にするように動作することができる、前記可変容積の真空チャンバと流体連通している少なくとも1つの下降行程ベントと
    を含む可変容積の真空チャンバと、
    を備え、
    前記可変容積の真空チャンバは、少なくとも1つの下部真空シーリングを含み、前記ノーズブロックは、
    ・キャッププレートと、
    ・上部衝撃吸収アセンブリと、
    ・リテーナと、
    ・下部衝撃吸収アセンブリと、
    ・ノーズコーンと
    を含むノーズブロック構成要素を含み、
    前記上部衝撃吸収アセンブリおよび前記下部衝撃吸収アセンブリは、前記衝撃吸収装置を形成し、
    前記ノーズブロック構成要素は、前記往復運動軸に対して上述の順序で前記ストライカピンの被駆動端と前記作業面衝撃端との間の前記ストライカピンの周囲に実質的に位置し、前記少なくとも1つの下部真空シーリングは、前記ノーズブロックに位置する1つ以上のシールを含み、
    前記可変容積の真空チャンバは、前記上昇行程の少なくとも一部において大気圧未満の圧力を有て、前記往復運動ハンマーウエイトは、前記下降行程の少なくとも一部において、少なくとも大気と前記大気圧未満の圧力との間の圧力差によって前記ストライカピンに向かって駆動される、衝撃ハンマー。
  2. 前記少なくとも1つの下降行程ベントは、前記上昇行程の少なくとも一部において前記可変容積の真空チャンバへの流体の進入を少なくとも制限するように構成されている、請求項1に記載の衝撃ハンマー。
  3. 前記少なくとも1つの下降行程ベントは、前記収容面に形成されている、請求項1または2に記載の衝撃ハンマー。
  4. 前記少なくとも1つの下降行程ベントは、前記下部真空シーリングに形成されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の衝撃ハンマー。
  5. 前記少なくとも1つの下降行程ベントは、前記上部真空シーリングに形成されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の衝撃ハンマー。
  6. 前記少なくとも1つの下降行程ベントは、前記ハウジングに形成されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の衝撃ハンマー。
  7. 複数の前記下降行程ベントを含み、複数の前記下降行程ベントは、(a)前記収容面、(b)前記少なくとも1つの下部真空シーリング、(c)前記往復運動ハンマーウエイト、および(d)前記少なくとも1つの上部真空シーリングのうちの少なくとも2つに形成された少なくとも1つの形成された下降行程ベントを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の衝撃ハンマー。
  8. 真空ポンプが、前記少なくとも1つの下降行程ベントに接続されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の衝撃ハンマー。
  9. 前記少なくとも1つの下降行程ベントは、弁を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の衝撃ハンマー。
  10. 前記少なくとも1つの下降行程ベントは、前記ハウジングを貫くポートとして形成され、前記ポートは、一方向の弁またはシールを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の衝撃ハンマー。
  11. 前記少なくとも1つの上部真空シーリングは、前記往復運動ハンマーウエイトに結合された少なくとも1つのシールを含み、前記少なくとも1つのシールは、プレロードによって前記収容面に接触するように付勢された剛体材料または弾性材料から形成されている、請求項1〜1のいずれか一項に記載の衝撃ハンマー。
  12. 前記往復運動ハンマーウエイトに、前記往復運動ハンマーウエイトの外面に位置する少なくとも1つの複合クッションスライドが取り付けられ、前記クッションスライドは、
    ・前記往復運動ハンマーウエイトの往復運動の際に前記収容面と少なくとも部分的な摺動接触を行うように構成および配置された第1の層の外面を備えて形成された外側の第1の層、および
    ・前記外側の第1の層と前記往復運動ハンマーウエイトとの間に位置し、衝撃吸収材料で少なくとも部分的に形成された内側の第2の層
    を含み、
    前記第1の層の外面は、前記内側の第2の層よりも低摩擦な表面であり、前記外側の第1の層は、所定の耐摩擦性および/または耐摩耗性の材料で形成され、前記少なくとも1つの上部真空シーリングは、少なくとも部分的に前記少なくとも1つの複合クッションスライドによって直接もたらされる、請求項1〜1のいずれか一項に記載の衝撃ハンマー。
  13. 前記下部真空シーリングは、
    前記キャッププレートと前記ストライカピンとの間、
    前記上部衝撃吸収アセンブリと前記ストライカピンとの間、
    前記リテーナと前記ストライカピンとの間、
    前記下部衝撃吸収アセンブリと前記ストライカピンとの間、または
    上記の任意の組み合わせ
    に位置する1つ以上のシールを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の衝撃ハンマー。
  14. 前記少なくとも1つの下部真空シーリングは、前記ストライカピンを横から囲む、個々の独立した層として形成された1つ以上のシールを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の衝撃ハンマー。
  15. 前記少なくとも1つの下部真空シーリングは、少なくとも1つの前記衝撃吸収アセンブリに位置る1つ以上のシールを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の衝撃ハンマー。
  16. 前記衝撃吸収装置は、前記リテーナによって前記ストライカピンに結合され、前記リテーナは、前記衝撃吸収アセンブリの間に挟まれ、各々の衝撃吸収アセンブリは、非弾性層によって交互にされた少なくとも2つの弾性層を含む複数の非結合層から形成されている、請求項1〜15のいずれか一項に記載の衝撃ハンマー。
  17. 前記少なくとも1つの下部真空シーリングは、前記弾性層の少なくとも1つの一体の一部分として形成されている1つ以上のシールを含む、請求項16に記載の衝撃ハンマー。
  18. 前記下部真空シーリングは、前記弾性層の少なくとも1つと前記ストライカピンとの間の前記下部衝撃吸収アセンブリに位置する1つ以上のシールを含む、請求項16に記載の衝撃ハンマー。
  19. 前記駆動機構は、可撓コネクタによって前記往復運動ハンマーウエイトに接続された駆動部を含み、前記駆動部は、前記ハウジングの上部遠位端よりも下方に位置する、請求項1〜18のいずれか一項に記載の衝撃ハンマー。
  20. 前記駆動部は、重心を前記ハウジングの上部遠位端と前記ストライカピンの被駆動端との間に位置させて前記ハンマーウエイトの上昇行程の終わりよりも下方に位置する、請求項19に記載の衝撃ハンマー。
  21. 前記駆動部は、前記ハンマーウエイトの上部端よりも下方に位置し、前記駆動部は、重心を前記収容面の上部端と下部の間に位置させるように位置する、請求項2に記載の衝撃ハンマー。
  22. 前記可撓コネクタは、前記ハウジングの上部遠位端に位置する少なくとも1つのプーリの周囲を通過し、前記駆動部は、前記プーリの周囲の前記可撓コネクタを介して前記ハンマーウエイトを上方へと引っ張るように構成されている、請求項19〜2のいずれか一項に記載の衝撃ハンマー。
  23. 前記可変容積の真空チャンバは、前記往復運動ハンマーウエイトの上昇行程の移動を減速させるために、上昇行程の非駆動部分において前記往復運動ハンマーウエイトの移動に対して差圧を加える大気上昇行程ブレーキを形成する、請求項1〜2のいずれか一項に記載の衝撃ハンマー。
  24. 前記往復運動ハンマーウエイトは、
    ・下部衝撃面であって、前記下部衝撃面の少なくとも一部分が、真空ピストン面を形成し、前記真空ピストン面が、前記往復運動の経路に平行または同軸な経路に沿って移動可能であり、前記真空ピストン面が、前記下降行程の少なくとも一部分において前記ストライカピンの被駆動端に衝撃を加えるためのハンマーウエイト衝撃面を含む、下部衝撃面と、
    ・上面と、
    ・少なくとも1つの側面と
    を含む、請求項1〜2のいずれか一項に記載の衝撃ハンマー。
  25. 前記往復運動ハンマーウエイトの上面の少なくとも一部分は、前記上昇行程および前記下降行程の全体を通して大気へと開かれている、請求項2に記載の衝撃ハンマー。
  26. 請求項1〜2のいずれか一項に記載の衝撃ハンマーを動作させる方法であって、前記往復運動軸は、前記ストライカピンの被駆動端と前記作業面衝撃端との間を延びるストライカピン長手軸に同軸または平行な直線状の衝撃軸を含み、前記衝撃ハンマーは、垂直に向けられたときの前記衝撃軸に沿った前記往復運動ハンマーウエイトの完全な往復運動サイクルが、
    ・ハンマーウエイトのポテンシャルエネルギーが最小である下方の出発初期位置からハンマーウエイトのポテンシャルエネルギーが最大である前記ハウジングの上部遠位端に位置する上方位置までのハンマーウエイト上昇行程長に等しい距離にわたって、前記ハンマーウエイトが前記衝撃軸に沿って移動する上昇行程と、
    ・前記ハンマーウエイトの移動が、前記衝撃軸に沿った方向の反転に先立って停止される上部行程移行と、
    ・前記ハウジングの遠位端に位置する前記上方位置から前記下方位置までのハンマーウエイト下降行程長に等しい距離にわたって、前記ハンマーウエイトが再び前記衝撃軸に沿って移動する下降行程と、
    ・前記ハンマーウエイトの移動が、後の上昇行程に先立って停止される下部行程移行とで構成される4つの段階を含むように構成され、
    a)前記ストライカピンの作業面衝撃端を、作業面に位置させるステップと、
    b)前記上昇行程において前記ハンマーウエイトを持ち上げるべく前記駆動機構を動作させ、前記可変容積の真空チャンバの容積を増加させることにより、大気と前記可変容積の真空チャンバとの間の圧力差を生じさせるステップと、
    c)前記ハンマーウエイトを解放し、前記圧力差によって前記ハンマーウエイトを前記ストライカピンに向かって駆動するステップと、
    d)前記ストライカピンで衝撃力を前記作業面に伝達するステップと、
    e)ステップa)〜d)を繰り返すステップと
    を含む方法。
JP2018537608A 2015-10-05 2016-10-05 往復運動衝撃ハンマー Active JP6971989B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
NZ712986 2015-10-05
NZ71298615 2015-10-05
PCT/NZ2016/050164 WO2017061880A1 (en) 2015-10-05 2016-10-05 Reciprocating impact hammer

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2019500227A JP2019500227A (ja) 2019-01-10
JP2019500227A5 JP2019500227A5 (ja) 2020-02-06
JP6971989B2 true JP6971989B2 (ja) 2021-11-24

Family

ID=57570104

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018537608A Active JP6971989B2 (ja) 2015-10-05 2016-10-05 往復運動衝撃ハンマー

Country Status (7)

Country Link
US (1) US11008730B2 (ja)
EP (1) EP3359747B1 (ja)
JP (1) JP6971989B2 (ja)
KR (1) KR102591330B1 (ja)
CN (1) CN108291380A (ja)
CA (1) CA3000616C (ja)
WO (1) WO2017061880A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11613869B2 (en) * 2015-10-05 2023-03-28 Terminator Ip Limited Reciprocating impact hammer
EP3446835A1 (en) * 2017-08-21 2019-02-27 Sandvik Mining and Construction Oy Seal and method of sealing a tool of a breaking hammer
CN110125878A (zh) * 2018-02-02 2019-08-16 苏州宝时得电动工具有限公司 电锤及冲击机构
DE102018222523A1 (de) * 2018-12-20 2020-06-25 Robert Bosch Gmbh Bremssystemdämpfervorrichtung
CN110513377A (zh) * 2019-09-19 2019-11-29 中国科学院武汉岩土力学研究所 锁紧装置和冲击设备
KR102424003B1 (ko) * 2019-12-11 2022-07-22 (주)대동이엔지 진공 햄머
CN112992576B (zh) * 2019-12-17 2022-11-25 天津平高智能电气有限公司 真空灭弧室装配工装
KR102369966B1 (ko) 2019-12-23 2022-03-03 주식회사 브랜드뉴 임팩트 헤머장치용 치즐
CN112570612A (zh) * 2020-11-24 2021-03-30 浙江瑞朗锻造有限公司 一种用于白铁皮锻造装置
WO2023110036A1 (en) 2021-12-14 2023-06-22 Fractum Aps A hammering device and a method for operating a hammering device

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4383363A (en) 1977-09-01 1983-05-17 Sharp Kabushiki Kaisha Method of making a through-hole connector
JPS57146828A (en) * 1981-03-03 1982-09-10 Takashi Takee Oil-pressure drop hammer for driving pile
JPS61109674A (ja) * 1984-11-02 1986-05-28 株式会社 ランドマ−クウエスト 負圧吸引式さく岩機
US4828046A (en) * 1988-04-28 1989-05-09 Vladimir Pyatov Vacuum-compression type percussion power tool with an auxiliary chamber
US4932479A (en) * 1988-05-05 1990-06-12 Vladimir Pyatov Vacuum-compression type percussion power tool with a pumping chamber
US5363835A (en) 1992-08-31 1994-11-15 Rocktec Limited Nose block assembly
DE19843642B4 (de) * 1998-09-23 2004-03-25 Wacker Construction Equipment Ag Luftfederschlagwerk mit Rückholluftfeder
NZ522158A (en) 2002-10-21 2005-05-27 Rocktec Ltd A locking mechanism
ATE552383T1 (de) * 2002-10-21 2012-04-15 Terminator Ip Ii S A Verbesserte vorrichtung
NZ522157A (en) 2002-10-21 2005-09-30 Rocktec Ltd a powered hammer device
US8037946B2 (en) 2005-05-16 2011-10-18 Terminator Ip Sa Hammer assembly
NZ551876A (en) * 2006-12-07 2009-06-26 Rocktec Ltd Breaking machine shock absorbing system
US9278443B2 (en) * 2006-12-07 2016-03-08 Terminator Ip Limited Breaking machine shock absorbing apparatus
DE102010029915A1 (de) * 2010-06-10 2011-12-15 Hilti Aktiengesellschaft Werkzeugmaschine und Steuerungsverfahren
JP6208139B2 (ja) * 2011-10-10 2017-10-04 ロブソン, アンガス ピーターROBSON, Angus Peter アキュムレータ
KR101290789B1 (ko) * 2011-10-17 2013-07-30 주식회사수산중공업 유압브레이커의 피스톤 접촉면 강제 윤활장치
CN202644617U (zh) * 2012-05-24 2013-01-02 李忠学 一种液压减振破碎锤
US9821447B2 (en) * 2012-07-18 2017-11-21 Terminator Ip Limited Cushioning slides
US8733610B2 (en) * 2012-08-21 2014-05-27 Tricord Solutions, Inc. Fastener driving apparatus
US8939341B2 (en) * 2013-06-20 2015-01-27 Tricord Solutions, Inc. Fastener driving apparatus
CN104018540B (zh) * 2013-09-27 2016-03-16 上海工程技术大学 一种重力式破碎锤
US9656377B2 (en) * 2014-08-08 2017-05-23 Caterpillar Inc. Self-charging hydraulic hammer
US9636812B2 (en) * 2015-01-23 2017-05-02 Tricord Solutions, Inc. Fastener driving apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
CA3000616A1 (en) 2017-04-13
EP3359747A1 (en) 2018-08-15
EP3359747B1 (en) 2021-04-14
WO2017061880A1 (en) 2017-04-13
KR102591330B1 (ko) 2023-10-18
CA3000616C (en) 2023-12-12
KR20190008517A (ko) 2019-01-24
US11008730B2 (en) 2021-05-18
JP2019500227A (ja) 2019-01-10
CN108291380A (zh) 2018-07-17
US20180305892A1 (en) 2018-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6971989B2 (ja) 往復運動衝撃ハンマー
JP2019500227A5 (ja)
US20230279637A1 (en) Reciprocating impact hammer
US8181716B2 (en) Breaking machine shock absorbing system
US9821447B2 (en) Cushioning slides
CA2873246A1 (en) Method of equipment for converting rotary motion into reciprocating impact motion and equipment for converting rotary motion into reciprocating impact motion for implementing the method
CN107849863A (zh) 弹性滑动摩擦接头
US20160136798A1 (en) Breaking machine shock absorbing apparatus
NO319670B1 (no) Fremgangsmate og innretning for a beskytte og forhindre skader pa gjenstander, spesielt bygninger, ved svingninger i et underlag ved for eksempel jordskjelv.
EA026928B1 (ru) Горная машина c легкосъемной режущей головкой
JP2004116286A (ja) 伸長自在な細長部材
US20180180128A1 (en) Shock absorbing tool connection
KR101595245B1 (ko) 스프링 및 캠 구동식 브레이커
EP0737550A1 (en) Impact hammer
KR101575059B1 (ko) 스프링 및 압축가스식 브레이커
CN212614019U (zh) 一种建筑物的抗震结构
IL301464A (en) Hydraulic rock crusher with anti-idle start system
TW202321546A (zh) 打樁裝置及引樁器
CN104204562A (zh) 联轴接头

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191004

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191004

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201224

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211013

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6971989

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150