JP6969411B2 - Cu−Zn−Si系合金の連続鋳造方法 - Google Patents
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いる。この快削黄銅は、Cu−Zn合金にPbを添加することで被削性を向上させたもの
である。しかし、近年では、環境問題等の観点から、Pbの使用が規制されており、その
用途が大幅に制限されている。
そこで、Pbの含有量を大幅に低減しても優れた被削性を有する銅合金として、例えば
特許文献1に示すCu−Zn−Si系合金が提供されている。このCu−Zn−Si系合
金は、Pbを含有していないことから、例えば、飲料水等と接触する上水道用配管の水栓
金具、給排水金具、バルブ、水道メータ金具等の各種部品に用いられている。
棒材や線材を製造する場合、通常、大型の鋳塊を熱間で押出加工又は圧延加工することにより棒材とし、この棒材に対して、抽伸加工等の塑性加工を行うことによって製造されている。しかし、押出加工又は圧延加工を行って棒材を製造する場合には、大型の鋳塊を製造する鋳造工程と、鋳塊を加熱する加熱工程と、加熱した鋳塊を押し出す押出工程又は圧延工程と、多くの工程を行う必要があり、多大な製造コスト及び製造時間を要するものであった。
ここで、特許文献2−4においては、上述のオシレーションマークにおける欠陥発生を抑制するために、間欠引抜サイクルのパターンを規定している。
また、Cu−Zn−Si系合金は、固相と液相とが混在する温度幅が広いため、モールド内において固液共存域が幅広く存在し、凝固シェルの強度が不足する傾向にある。このため、間欠引き出し時に凝固シェルが破断しやすく、上述のオシレーションマーク深さが深くなってしまうといった問題があった。
なお、この特許文献5においては、断面積10000mm2以下の鋳塊を対象としていた。
このような断面積の小さな鋳塊を連続鋳造する場合には、オシレーションマークによる影響がさらに大きく、オシレーションマーク深さをさらに浅くする必要があった。また、変質層や内部欠陥の発生も抑制する必要があった。
(1)式:7×S<ΔV<18×S−(L−l)/(T+Ta+Td+t+ta+td)
(2)式:10<(L−l)/(T+Ta+Td+t+ta+td)<100を満足し、
前記引抜距離L(mm)が、10≦L≦18、
前記引抜時間T(秒)が、0.01≦T≦0.08、
引抜時の加速時間Ta(秒)が、0.14≦Ta≦0.3、
引抜時の減速時間Td(秒)が、0≦Td≦0.2、
引抜後の停止時間Ts(秒)が、0≦Ts≦1.0、
前記押戻し距離l(mm)が、0.5≦l≦3.0、
前記鋳造炉内の銅合金溶湯の温度が970℃以上、
であることを特徴としている。
一方、移動体積ΔV=S×(L−l)が、7×Sより大きくされているので、凝固シェルの焼き付きを抑制することができる。
さらに、(L−l)/(T+Ta+Td+t+ta+td)を100よりも小さくしているので、湯回り不良の発生を抑制できる。また、引抜時の鋳型と凝固シェルとの摩擦力が大きくなることを抑制でき、引抜時の凝固シェルの破断を抑制することができる。
よって、オシレーションマーク深さを浅くすることができるとともに、変質層が厚く形成されることを抑制できる。また、内部欠陥の発生を抑制することができる。
引抜距離L(mm)が10≦L≦18の範囲内とされているので、凝固シェルの焼き付きをさらに抑制できるとともに、引抜時に十分に溶湯が供給されることにより湯回り不良の発生をさらに抑制することができる。
また、引抜時間T(秒)が0.01≦T≦0.08の範囲内、及び、引抜時の加速時間Ta(秒)が0.14≦Ta≦0.3の範囲内とされているので、凝固シェルの破断をさらに抑制できるとともに、湯回り不良の発生をさらに抑制することができる。
さらに、引抜時の減速時間Td(秒)が0≦Td≦0.2の範囲内とされているので、引抜工程全体の時間が必要以上に長くなることを抑制でき、湯回り不良の発生をさらに抑制することができる。
また、引抜後の停止時間Ts(秒)が0≦Ts≦1.0の範囲内とされているので、凝固シェルをさらに十分に成長させることができるとともに、凝固シェルの焼き付きをさらに抑制することができる。
さらに、押戻し距離l(mm)が0.5≦l≦3.0の範囲内とされているので、押戻し距離に必要な凝固収縮分を満たし、押戻しによって、凝固シェルが鋳型に強く拘束されることをさらに抑制できるとともに、1サイクル前に形成された凝固シェルと本サイクルで形成された凝固シェルとを強く溶着することができる。
また、鋳造炉内の銅合金溶湯の温度が970℃以上とされているので、湯回り不良の発生をさらに抑制することができる。
(3)式:0.05<(ta+t+td+ts)<3.0
(4)式:0.4<ts/(ta+t+td)<10
を満足することが好ましい。
また、ts/(ta+t+td)を10よりも小さくすることにより、押戻し後の停止時間tsが長くなり過ぎず、凝固シェルの焼き付きの発生をさらに抑制することができる。
一方、ts/(ta+t+td)を0.4よりも大きくすることにより、押戻し後の停止時間tsが確保され、十分な厚さの凝固シェルを成長させることができ、凝固シェルの破断をさらに抑制することができる。
本実施形態であるCu−Zn−Si系合金の連続鋳造方法は、Cuの含有量が69mass%以上79mass%以下の範囲内とされ、Siの含有量が2.0mass%以上4.0mass%未満の範囲内とされたCu−Zn−Si系合金からなる鋳塊1を連続的に鋳造するものである。また、製出される鋳塊1は、引抜方向に直交する断面の断面積が15mm2以上500mm2以下とされている
また、本実施形態では、Cu−Zn−Si系合金の鋳塊1は、引抜方向に直交する断面の形状が円形とされ、その外径が4.4mm以上25mm以下の範囲内とされている。すなわち、Cu−Zn−Si合金の鋳塊1の引抜方向に直交する断面の断面積が15.2mm2以上490.9mm2以下の範囲内とされている。
この連続鋳造装置10は、鋳造炉11と、鋳造炉11に連結された連続鋳造用鋳型20と、連続鋳造用鋳型20から製出された鋳塊1を引き抜くピンチロール17と、を備えている。
ピンチロール17は、連続鋳造用鋳型20から製出される鋳塊1を挟み込み、引抜方向Fへ引き抜くものである。本実施形態では、鋳塊1を間欠的に引き抜く構成とされている。
ここで、本実施形態では、図1に示すように、連続鋳造用鋳型20は、鋳造炉11内の銅溶湯上に耐火断熱材15を介して配置されており、鋳塊1を上方へ引き抜く構成としている。
冷却部28は、図2に示すように、モールド21の外周側に配設された水冷ジャケットとされており、冷却水を循環させることでモールド21を冷却する構成とされている。
まず、鋳造炉11の原料投入口から坩堝12内に溶解原料を投入する。原料としては、Cu単体、Zn単体およびSi単体やCu−Zn母合金およびCu−Si母合金等を用いることができる。また、ZnおよびSiを含む原料を銅原料とともに溶解してもよい。また、本合金のリサイクル材およびスクラップ材を用いてもよい。
この銅溶湯は、坩堝12内において所定の温度にまで加熱されて保持される。そして、この銅溶湯が、連続鋳造用鋳型20へと供給される。
ここで、本実施形態であるCu−Zn−Si系合金の連続鋳造方法においては、鋳塊1の間欠引抜サイクルのパターンに特徴を有している。
なお、図2に示す間欠引抜サイクルのパターン図は、設定値として記載されたものであり、実際の連続鋳造装置10においては、機械的ロス等によって、部分的に曲線状となる場合がある。
(1)式:7×S<ΔV<18×S−(L−l)/(T+Ta+Td+t+ta+td)(2)式:10<(L−l)/(T+Ta+Td+t+ta+td)<100
(3)式:0.05<(ta+t+td+ts)<3.0
(4)式:0.4<ts/(ta+t+td)<10
さらに、鋳造炉内の銅合金溶湯の温度が970℃以上とされている。
(1)式は、1回の間欠引抜サイクルにおいて引き抜かれる鋳塊の体積である移動体積ΔV=S×(L−l)を規定したものである。
上述の移動体積ΔVが大きくなると、1サイクルで必要な溶湯供給量が多くなり、湯回り不良が発生しやすくなる。ここで、(L−l)/(T+Ta+Td+t+ta+td)は、1サイクルにおける引抜長さ(L−l)を引抜工程と押戻し工程の合計時間で割ったものである。ここで、1サイクルにおける引抜長さ(L−l)を小さくしたり、引抜工程と押戻し工程の合計時間を長くしたりすることで、溶湯供給量が確保されることになり、湯回り不良の発生を抑制することが可能となる。
以上のことから、本実施形態においては、移動体積ΔVの下限を、7×Sを超えるように設定している。なお、移動体積ΔVの下限は9×S超えとすることが好ましく、10×S超えとすることがさらに好ましい。
(2)式は、上述のように、1サイクルにおける引抜長さ(L−l)を引抜工程と押戻し工程の合計時間で割ったものである。
ここで、(L−l)/(T+Ta+Td+t+ta+td)が10以下の場合には、1サイクルにおける引抜長さ(L−l)に対して引抜工程と押戻し工程の合計時間が長くなり、引抜途中において溶湯の固相率が高くなって溶湯の流動性が低下してしまい、湯回り不良が発生するおそれがある。
以上のことから、本実施形態では、(L−l)/(T+Ta+Td+t+ta+td)の下限を10超えとしている。なお、(L−l)/(T+Ta+Td+t+ta+td)の下限は15超えとすることが好ましく、31超えとすることがさらに好ましい。
以上のことから、本実施形態では、(L−l)/(T+Ta+Td+t+ta+td)の上限を100未満としている。なお、(L−l)/(T+Ta+Td+t+ta+td)の上限は97未満とすることが好ましく、33未満とすることがさらに好ましい。
(3)式は、押戻し工程の合計時間(ta+t+td+ts)を規定したものである。
ここで、(ta+t+td+ts)を0.05超えに設定することにより、押戻し工程の合計時間が確保され、凝固シェルが十分に成長し、凝固シェルの破断を抑制することが可能となる。
一方、(ta+t+td+ts)を3.0未満に設定することにより、押戻し工程の合計時間が必要以上に長くならず、凝固シェルの焼き付きを抑制することができ、凝固シェルの破断を抑制することができる。
以上のことから、本実施形態では、押戻し工程の合計時間(ta+t+td+ts)を、0.05<(ta+t+td+ts)<3.0の範囲内に設定している。
なお、(ta+t+td+ts)の下限は0.06超えとすることが好ましく、0.08超えとすることがさらに好ましい。また、(ta+t+td+ts)の上限は2.3未満とすることが好ましく、1.8未満とすることがさらに好ましい。
(4)式は、押戻し後の停止時間tsと押戻し工程における鋳塊1の移動時間(ta+t+td)との比ts/(ta+t+td)を規定したものである。
ここで、ts/(ta+t+td)を0.4超えに設定することにより、押戻し後の停止時間tsが確保され、凝固シェルが十分に成長し、凝固シェルの破断を抑制することが可能となる。
一方、ts/(ta+t+td)を10未満に設定することにより、押戻し後の停止時間tsが必要以上に長くならず、凝固シェルの焼き付きを抑制することができ、凝固シェルの破断を抑制することができる。
以上のことから、本実施形態では、押戻し後の停止時間tsと押戻し工程における鋳塊1の移動時間(ta+t+td)との比ts/(ta+t+td)を、0.4<ts/(ta+t+td)<10の範囲内としている。
なお、ts/(ta+t+td)の下限は0.41超えとすることが好ましい。また、ts/(ta+t+td)の上限は9.0未満とすることが好ましく、7.0未満とすることがさらに好ましい。
引抜工程における引抜距離L(mm)を18以下に設定することにより、引抜時における湯回り不良をさらに抑制することができる。
一方、引抜工程における引抜距離L(mm)を10以上に設定することにより、移動体積ΔVを一定以上確保することが可能となる。
なお、引抜工程における引抜距離L(mm)の下限は13以上とすることが好ましい。また、引抜工程における引抜距離L(mm)の上限は17以下とすることが好ましい。
引抜工程における引抜時間T(秒)を0.01以上に設定することにより、鋳型と凝固シェルとの間の摩擦力が過度に大きくなることを抑制できる。これにより、凝固シェルの破断を抑制することができる。
一方、引抜工程における引抜時間T(秒)を0.08以下に設定することにより、引抜中に溶湯の固相率が上昇することを抑制でき、湯回り不良の発生を抑制することが可能となる。
なお、引抜工程における引抜時間T(秒)の下限は0.02以上とすることが好ましく、0.04以上とすることがさらに好ましい。また、引抜工程における引抜時間T(秒)の上限は0.07以下とすることが好ましく、0.05以下とすることがさらに好ましい。
引抜時の加速時間Ta(秒)を0.14以上に設定することにより、鋳型と凝固シェルとの間の摩擦力が過度に大きくなることを抑制できる。これにより、凝固シェルの破断を抑制することができる。
一方、引抜時の加速時間Ta(秒)を0.3以下に設定することにより、引抜中に溶湯の固相率が高くなることを抑制でき、湯回り不良の発生を抑制することができる。
なお、引抜時の加速時間Ta(秒)の下限は0.15以上とすることが好ましく、0.2以上とすることがさらに好ましい。また、引抜時の加速時間Ta(秒)の上限は0.28以下とすることが好ましく、0.25以下とすることがさらに好ましい。
引抜時の減速時間Td(秒)を0.2以下に設定することにより、引抜中に溶湯の固相率が上昇することを抑制でき、湯回り不良の発生を抑制することができる。
なお、引抜時の減速時間Td(秒)の下限は0.005以上とすることが好ましく、0.01以上とすることがさらに好ましい。また、引抜時の減速時間Td(秒)の上限は0.19以下とすることが好ましく、0.18以下とすることがさらに好ましい。
引抜後の停止時間Ts(秒)を1.0以下に設定することにより、凝固シェルの焼き付きを抑制することができ、凝固シェルの破断を抑制することができる。
なお、停止時間Ts(秒)の上限は0.9以下とすることが好ましく、0.8以下とすることがさらに好ましい。
押戻し工程における押戻し距離l(mm)を0.5以上3.0以下の範囲内に設定することにより、押戻し距離に必要な凝固収縮分を満たし、押戻しによって、凝固シェルが鋳型に強く拘束されることを抑制できるとともに、1サイクル前に形成された凝固シェルと本サイクルで形成された凝固シェルとを強く溶着することができる。
なお、押戻し工程における押戻し距離l(mm)の上限は2.8以下とすることが好ましく、2.0以下とすることがさらに好ましい。
銅合金溶湯の温度を970℃以上に設定することにより、溶湯の流動性が確保され、湯回り不良の発生を抑制することができる。
なお、銅合金溶湯の温度の下限は980℃以上とすることが好ましく、1000℃以上とすることがさらに好ましい。また、銅合金溶湯の温度の上限については、凝固シェルの焼き付きを抑制するためには、銅合金の液相線温度+100℃以下とすることが好ましい。
まず、引抜工程によって鋳塊1を引抜方向Fに移動させることにより、鋳造炉11内の銅溶湯がモールド21内に流れこむ。
次に、モールド21内の銅溶湯が冷却されて凝固し、凝固シェルが形成される。
そして、押戻し工程により、凝固シェルとモールド21との焼き付きが防止されるとともに、1サイクル前に形成された凝固シェルと本サイクルで形成された凝固シェルが結合される。
モールド21内において凝固シェルが十分な厚さで形成された後に、再度、引抜工程によって鋳塊1を引抜方向Fに移動させる。
このように間欠引抜サイクルを繰り返し行うことにより、棒状の鋳塊1が連続的に製出される。
例えば、本実施形態では、断面円形の鋳塊を製造するものとして説明したが、これに限定されることはなく、断面多角形の鋳塊であってもよいし、断面が管状をなす鋳塊であってもよい。また、断面が凸部及び凹部を有する異形状の鋳塊であってもよい。
さらに、本実施形態では、モールド21の材質をグラファイトとしたが、グラファイトと同様に自己潤滑性を有する窒化ホウ素としてもよい。
まず、Cu:76.10mass%、Si:3.10mass%を含有し、残部がZn及び不可避不純物とされた成分組成となるように、溶解原料を調製した。
調製された溶解原料を、図1に示す鋳造炉11の坩堝内12に500kg装入して、加熱手段で加熱することにより溶解した。
そして、表1、表2に示す間欠引抜サイクルによって、鋳塊の引き抜きを行って300kgの鋳造を行った。
また、鋳塊の表層に形成された変質層の厚さを測定した。そして、変質層の厚さが190μm未満のものを◎、190μm以上200μm未満のものを○、200μm以上のものを×と評価した。
さらに、内部組織を観察し、内部欠陥の有無を確認した。
評価結果を表2に示す。また、本発明例1の観察結果を図4に、比較例1の観察結果を図5に示す。
(1)式の値が本発明の下限を外れた比較例2においては、オシレーションマークにおける欠陥深さが100μm以上、変質層の厚さが200μm以上となった。1回の間欠引抜サイクルにおいて引き抜かれる鋳塊の長さが短く、凝固シェルの焼き付きが生じたためと推測される。
(2)式の値が本発明の下限を外れた比較例4においては、オシレーションマークにおける欠陥深さが100μm以上、変質層の厚さが200μm以上となった。1サイクルにおける引抜長さに対して引抜工程と押戻し工程の合計時間が長くなり、引抜途中において溶湯の固相率が高くなって溶湯の流動性が低下してしまい、湯回り不良が発生したためと推測される。
さらに、(3)式及び(4)式を満足する本発明例1−3,6においては、変質層の厚さが190μm未満に抑えられていた。
また、本発明例1においては、オシレーションマークにおける欠陥深さが20μm未満、変質層の厚さが190μm未満とされており、非常に高品質な鋳塊を得ることができた。
10 連続鋳造装置
11 鋳造炉
20 連続鋳造用鋳型(鋳型)
21 モールド
Claims (2)
- Cuの含有量が69mass%以上79mass%以下の範囲内、Siの含有量が2.0mass%以上4.0mass%未満の範囲内とされたCu−Zn−Si系合金からなり、引抜方向に直交する断面の断面積が15mm2以上500mm2以下とされた鋳塊を間欠的に引き抜いて連続鋳造するCu−Zn−Si系合金の連続鋳造方法であって、
前記Cu−Zn−Si系合金の溶湯が貯留される鋳造炉と、この鋳造炉に連結された鋳型と、を有する連続鋳造機を用いて、引抜工程と押戻し工程とからなる間欠引出サイクルにより、前記鋳塊の引き抜きを行う構成とされ、
前記引抜工程における引抜距離L(mm)、引抜時間T(秒)、引抜時の加速時間Ta(秒)、引抜時の減速時間Td(秒)と、
前記押戻し工程における押戻し距離l(mm)、押戻し時間t(秒)、押戻し時の加速時間ta(秒)、押戻し時の減速時間td(秒)と、
前記鋳塊の引抜方向に対して直交する断面の断面積S(mm2)と引抜距離L(mm)及び押戻し距離l(mm)から算出される移動体積ΔV=S×(L−l)とが、(1)式:7×S<ΔV<18×S−(L−l)/(T+Ta+Td+t+ta+td)(2)式:10<(L−l)/(T+Ta+Td+t+ta+td)<100を満足し、
前記引抜距離L(mm)が、10≦L≦18、
前記引抜時間T(秒)が、0.01≦T≦0.08、
引抜時の加速時間Ta(秒)が、0.14≦Ta≦0.3、
引抜時の減速時間Td(秒)が、0≦Td≦0.2、
引抜後の停止時間Ts(秒)が、0≦Ts≦1.0、
前記押戻し距離l(mm)が、0.5≦l≦3.0、
前記鋳造炉内の銅合金溶湯の温度が970℃以上、
であることを特徴とするCu−Zn−Si系合金の連続鋳造方法。 - 前記押戻し工程における押戻し時間t(秒)、押戻し時の加速時間ta(秒)、押戻し時の減速時間td(秒)、押戻し後の停止時間ts(秒)が、(3)式:0.05<(ta+t+td+ts)<3.0(4)式:0.4<ts/(ta+t+td)<10
を満足することを特徴とする請求項1に記載のCu−Zn−Si系合金の連続鋳造方法。
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