JP6968058B2 - 質量分析法による免疫グロブリン遊離軽鎖の同定 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2015年9月24日に出願された米国仮出願第62/232,182号(その内容は、参照によりその全体において組み込まれる)に基づく優先権を主張する。
技術分野
この文書は、質量分析法を用いてサンプル中の1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖を同定する方法に関する。
免疫グロブリン(Ig)は、二回転対称性を有し、それぞれのインタクトなIgは、2つの重鎖及び2つの軽鎖を含有する。軽鎖は、C末端定常領域におけるそれらのアミノ酸配列に基づいて、2つの主なタイプ(κ及びλ)に細分される。形質細胞は、重鎖及び軽鎖の合成を担い、インタクトなIgの産生をもたらす。
ヒト免疫グロブリン軽鎖のアミノ酸配列は、N末端V領域(κについては約107アミノ酸及びλについては約110アミノ酸)、J領域(12アミノ酸)及びC末端C領域(106アミノ酸)の3つの領域からなる。各領域は、インタクトな免疫グロブリンの一部又は遊離軽鎖のいずれかとして軽鎖を作製し、分泌するB細胞においてのみ発現される遺伝子の特定のセットから翻訳される。B細胞はまた、多数の異なる遺伝子の組み合わせ(κ単独について約1.3×103個)を生じる体細胞超変異のプロセスを通して、軽鎖についてのV及びJ領域遺伝子を無作為に突然変異させることができる(例えば、Lefranc, MP. Cold Spring Harb Protoc 2011; 2011:595-603を参照)。軽鎖V及びJ領域遺伝子配列は無作為に作成されるので、中心限界定理(Mukhopadhyay, N and Chattopadhyay, B. Sequential Anal 2012; 31:265-77)により、発現された軽鎖レパートリーのアミノ酸配列は、正規分布に従う分子質量プロファイルを有するはずであることが予測される。
Lefranc, MP. Cold Spring Harb Protoc 2011; 2011:595-603 Mukhopadhyay, N and Chattopadhyay, B. Sequential Anal 2012; 31:265-77
サンプル中の1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖を同定する方法が本明細書に提供される。この方法は、(a)サンプルを提供するステップ; (b)サンプルを質量分析技術に供して、サンプルの質量スペクトルを得るステップ; 及び1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の存在を同定するステップを含む。
一部の実施形態では、サンプルは、免疫グロブリン遊離軽鎖を含むことが推測される。
一部の実施形態では、1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖は、遊離κ軽鎖及び遊離λ軽鎖、並びにそれらの混合物からなる群から選択される。例えば、免疫グロブリン遊離軽鎖は、遊離κ軽鎖であり得る。さらに、この方法は、少なくとも2つの遊離κ軽鎖を同定することを含み得る。一部の実施形態では、免疫グロブリン遊離軽鎖は、遊離λ軽鎖である。例えば、この方法は、少なくとも2つの遊離λ軽鎖を同定することを含み得る。
一部の実施形態では、1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖は、グリコシル化免疫グロブリン遊離軽鎖、システイン化免疫グロブリン遊離軽鎖、及びグルタチオン化免疫グロブリン遊離軽鎖のうちの少なくとも1つを含む。
一部の実施形態では、1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の同定は、多クローン性バックグラウンドの存在下で行われる。
一部の実施形態では、この方法は、サンプル中の1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の濃度を測定することをさらに含む。
一部の実施形態では、この方法は、サンプル中の少なくとも1つの免疫グロブリン遊離軽鎖の濃度を5〜15回測定する場合に、約15%未満のピーク面積パーセント変動を有する。例えば、この方法は、サンプル中の少なくとも1つの免疫グロブリン遊離軽鎖の濃度を5〜15回測定する場合に、約10%未満のピーク面積パーセント変動を有し得る。
一部の実施形態では、この方法は、少なくとも1つの免疫グロブリン遊離軽鎖二量体を同定することをさらに含む。
一部の実施形態では、この方法は、サンプルを質量分析技術に供する前に、サンプルを還元剤と接触させることをさらに含む。還元剤は、ジチオスレイトール(DTT)、還元型グルタチオン、β-メルカプトエタノール、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩、システイン、2-メルカプトエチルアミン、3-メルカプトプロピオン酸及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。一部の実施形態では、還元剤はジチオスレイトールである。
一部の実施形態では、この方法は、サンプルを還元剤と接触させることを含まない。
一部の実施形態では、この方法は、サンプルを精製することを含まない。
一部の実施形態では、質量分析技術はLC-MS/MSである。LC-MS/MS技術は、四重極飛行時間型質量分析計を含み得る。一部の実施形態では、質量分析技術は、トップダウン質量分析技術である。
一部の実施形態では、サンプルは、血清サンプル、尿サンプル、脳脊髄液サンプル、又は全血である。
一部の実施形態では、サンプルは単一の被験体に由来し、この方法は被験体における障害を診断することをさらに含み、障害は形質細胞疾患(plasma cell dyscrasia)である。例えば、サンプルは単一の被験体に由来してよく、この方法は、多発性骨髄腫又は軽鎖アミロイドーシスのうちの少なくとも1つを診断することをさらに含んでよい。
一部の実施形態では、サンプルは被験体に由来し、この方法は被験体における障害を診断することをさらに含み、障害は、多発性骨髄腫、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症、B細胞慢性リンパ性白血病、ワルデンストレームマクログロブリン血症、アミロイド軽鎖アミロイドーシス、又は非分泌型骨髄腫のうちの少なくとも1つである。
一部の実施形態では、サンプルは被験体に由来し、この方法は被験体において自己免疫応答を単クローン性ガンマグロブリン血症から区別することをさらに含む。
また、(a)サンプルを提供するステップ; (b)サンプルを還元剤と接触させるステップ; (c)サンプルを質量分析技術に供して、サンプルの質量スペクトルを得るステップ; 及び(d)1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の存在又は非存在を同定するステップを含む、サンプル中の1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖を同定する方法が本明細書に提供される。
さらに、被験体における障害を診断する方法が本明細書に提供される。この方法は、(a)被験体由来のサンプルを提供するステップ; (b)サンプルを質量分析技術に供して、サンプルの質量スペクトルを得るステップ; 及び(c)1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の存在又は非存在を同定するステップを含む。
一部の実施形態では、障害は、多発性骨髄腫、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症、B細胞慢性リンパ性白血病、ワルデンストレームマクログロブリン血症、アミロイド軽鎖アミロイドーシス、非分泌型骨髄腫及びそれらの組み合わせから選択される。
一部の実施形態では、サンプルは、血清サンプル、尿サンプル、脳脊髄液サンプル、又は全血である。
一部の実施形態では、被験体が障害を有すると診断した後、この方法は、障害を治療するための治療有効量の治療剤を被験体に投与することをさらに含む。治療剤は、クロラムブシル、フルダラビン、シクロホスファミド、リツキシマブ、ベンダムスチン、カルフィルゾミブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、クロラムブシル、オビヌツズマブ、オファツムマブ、ペントスタチン、アレムツズマブ、フルダラビン、ボルテゾミブ、サリドマイド、デキサメタゾン、ドキソルビシン、イブルチニブ、メルファラン、アドリアマイシン、レナリドミド、ポマリドミド、ビスホスホネート、グリコサミノグリカン、プリンヌクレオシド類似体、及びモノクローナル抗体のうちの1つ以上を含み得る。
一部の実施形態では、障害は意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症であり、治療剤はビスホスホネートである。
一部の実施形態では、障害はB細胞慢性リンパ性白血病であり、治療剤は、クロラムブシル、フルダラビン、シクロホスファミド、リツキシマブ、ベンダムスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、クロラムブシル、オビヌツズマブ、又はオファツムマブ、ペントスタチン、アレムツズマブ、フルダラビン、モノクローナル抗体及びそれらの組み合わせから選択される。
一部の実施形態では、障害はワルデンストレームマクログロブリン血症であり、治療剤は、ボルテゾミブ、サリドマイド、フルダラビン、デキサメタゾン、クロラムブシル、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、モノクローナル抗体、プリンヌクレオシド類似体、イブルチニブ、及びそれらの組み合わせから選択される。
一部の実施形態では、障害はアミロイド軽鎖アミロイドーシスであり、治療剤は、メルファラン、プレドニゾン、ビンクリスチン、アドリアマイシン、デキサメタゾン、ベンダムスチン、サリドマイド、シクロホスファミド、レナリドミド、ポマリドミド、ボルテゾミブ、グリコサミノグリカン、及びそれらの組み合わせから選択される。
一部の実施形態では、障害は非分泌型骨髄腫であり、治療剤は、サリドマイド、ボルテゾミブ、レナリドミド、カルフィルゾミブ、ポマリドミド及びそれらの組み合わせから選択される。
また、被験体における単クローン性ガンマグロブリン血症を診断する方法が本明細書に提供される。これは、(a)被験体由来のサンプルを提供するステップ; (b)サンプルを質量分析技術に供して、サンプルの質量スペクトルを得るステップ; 及び(c)1つ以上の遊離κ免疫グロブリン軽鎖又は1つ以上の遊離λ免疫グロブリン軽鎖の同定に基づいて、被験体における単クローン性ガンマグロブリン血症を診断するステップを含む。
一部の実施形態では、この方法は、サンプルを質量分析技術に供する前に、免疫グロブリン遊離軽鎖を含むサンプルを還元剤と接触させることをさらに含む。
さらに、被験体における単クローン性ガンマグロブリン血症の治療をモニタリングする方法が本明細書に提供される。この方法は、(a)治療前に得られた被験体の第1のサンプルを提供するステップ; (b)治療中又は治療後に得られた被験体の第2のサンプルを提供するステップ; (c)第1のサンプル及び第2のサンプルを質量分析技術に供して、第1のサンプル及び第2のサンプルの質量スペクトルを得るステップ; (d)第1のサンプル及び第2のサンプル中の少なくとも1つの遊離κ免疫グロブリン軽鎖又は少なくとも1つの遊離λ免疫グロブリン軽鎖の濃度を決定するステップ; 及び(e)第1のサンプル及び第2のサンプル中の少なくとも1つの遊離κ免疫グロブリン軽鎖又は少なくとも1つの遊離λ免疫グロブリン軽鎖の濃度を比較するステップを含む。
一部の実施形態では、この方法は、第1のサンプル及び第2のサンプルを質量分析技術に供する前に、免疫グロブリン遊離軽鎖を含む第1のサンプル及び第2のサンプルを還元剤と接触させることをさらに含む。
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。方法及び材料は、本発明における使用のために本明細書に記載され、当技術分野で公知の他の適切な方法及び材料も使用することができる。材料、方法、及び実施例は、例示的なものに過ぎず、限定することは意図されない。本明細書に言及された全ての刊行物、特許出願、特許、配列、データベースエントリー、及び他の参考文献は、参照によりその全体において組み込まれる。矛盾する場合、定義を含む本明細書が統制する。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになる。
図1は、HUMIRA(登録商標)でスパイクされた正常血清についてのLC-MS/MSスペクトル(非デコンボリューション、図1A及びデコンボリューション、図1B)を示す。図1Aは、HUMIRA(登録商標)でスパイクされた正常血清についてのデコンボリューションされていないLC-MS/MSスペクトルを示す。図1Bは、HUMIRA(登録商標)でスパイクされた正常血清についてのデコンボリューションされたLC-MS/MSスペクトルを示す。 図2は、κ遊離軽鎖及びHUMIRA(登録商標)の両方でスパイクされた正常血清のLC-MS/MSスペクトルを示す。図2Aは、κ遊離軽鎖及びHUMIRA(登録商標)の両方でスパイクされた正常血清のLC-MS/MSスペクトルについての保持時間を示す。図2Bは、κ遊離軽鎖及びHUMIRA(登録商標)の両方でスパイクされた正常血清のLC-MS/MSスペクトルについての合計スペクトルを示す。 図3は、λ遊離軽鎖及びHUMIRA(登録商標)の両方でスパイクされた正常血清についてのLC-MS/MSスペクトルを示す。図3Aは、HUMIRA(登録商標)でスパイクされた正常血清についてのLC-MS/MSスペクトルを示す。図3Bは、λ遊離軽鎖及びHUMIRA(登録商標)の両方でスパイクされた正常血清についてのLC-MS/MSスペクトルを示す。 図4は、λ遊離軽鎖及びHUMIRA(登録商標)の両方でスパイクされた正常血清についてのLC-MS/MSスペクトルを示し、免疫グロブリン遊離軽鎖二量体の存在を示す。図4Aは、λ遊離軽鎖及びHUMIRA(登録商標)の両方でスパイクされた正常血清についての合計スペクトルを示す。図4Bは、分子質量を示すようにデコンボリューションされている、λ遊離軽鎖及びHUMIRA(登録商標)の両方でスパイクされた正常血清についてのスペクトルを示す。 図5は、κ免疫グロブリン遊離軽鎖及びλ遊離軽鎖の連続希釈物についてのLC-MS/MS結果を示す。 図6は、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症と診断された患者から採取された血清(ジチオスレイトールで処理されている(図6A)又は処理されていない(図6B))についてのLC-MS/MSスペクトルを示す。 図7は、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症と診断された患者から採取された血清についてのトップダウン質量分析スペクトルを示す。図7Aは、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症と診断された患者から採取された、ジチオスレイトールで処理されていない血清についてのトップダウン質量分析スペクトルを示す。図7Bは、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症と診断された患者から採取された、ジチオスレイトールで処理されている血清についてのトップダウン質量分析スペクトルを示す。 図8は、くすぶり型骨髄腫と診断された患者から採取された血清についてのLC-MS/MSスペクトルを示す。図8Aは、くすぶり型骨髄腫と診断された患者から採取された血清についての合計質量スペクトルを示す。図8Bは、分子質量を示すようにデコンボリューションされている、くすぶり型骨髄腫と診断された患者から採取された血清についてのスペクトルを示す。 図9は、アダリムマブ(500mg/L)及び精製κFLC(100mg/L)の両方でスパイクされた、プールされた血清からの質量スペクトルを示す。スペクトルは以下の通りである: (i)図9Aは、κFLC単量体からの多価イオンを、質量スペクトルのデコンボリューションによって決定されたその保持時間及び分子質量とともに示し; (ii)図9Bは、κFLC二量体からの多価イオンを、質量スペクトルのデコンボリューションによって決定されたその保持時間及び分子質量とともに示し; (iii)図9Cは、アダリムマブ(重鎖及び軽鎖インタクト)からの多価イオンを、質量スペクトルのデコンボリューションによって決定されたその保持時間及び分子質量とともに示す。 図10は、MELON(商標)GELを用いた濃縮後の血清からの全イオンクロマトグラム(TIC)を示す。図10Aは、健康なドナー由来の対照血清由来である。図10Bは、AL患者由来である。番号付けしたピークは、MELON(商標)GELによって完全には除去されない高存在量タンパク質からのシグナルを表し、これらは、1 - (α-1-アンチトリプシン)、2(トランスフェリン)、及び3、未知の61kDaタンパク質と推定される。AL患者血清中のFLC二量体由来と推定されるシグナルは、TIC B中に表示される。 図11は、図10に示されるFLC二量体ピークの保持時間にわたってスペクトルを合計した後に観察された質量スペクトルを示す。多価イオンをデコンボリューションして、挿入図に示される二量体の分子質量を決定した。 図12は、質量スペクトルのデコンボリューション後に見出された分子質量を示す挿入図とともに、FLC単量体を示す質量スペクトルを示す。このスペクトルはまた、λ単量体と共溶出するA1ATからの多価イオンを示す。 図13は、図10Bと同じ、DTTで還元された(黒色トレース)及び非還元(DTTなし)赤色トレースの、同じAL患者のMELON(商標)GEL濃縮血清サンプルからの全イオンクロマトグラム(TIC)を示す。対応する重鎖が還元されるため、多クローン性軽鎖によって質量分析計で観察される応答の実質的な増加の結果として、還元サンプルにおいて、非還元サンプルほど単クローン性FLCからの応答が顕著ではないことをTICは示す。 図14は、還元型におけるAL患者血清からのFLCλ単量体多価イオンを示す質量スペクトルを示す。挿入図は、デコンボリューション後の還元型単クローン性λ軽鎖の分子質量を示す。質量スペクトルはまた、m/z=2100において、λ多クローン性分布において明らかに観察されるλ単クローン性軽鎖とともに多クローン性λ及びκ+11荷電状態を示す。 図15は、非還元型におけるシステイン化κFLC(上部)及び還元型における非システイン化κ軽鎖(下部)からのC末端y-イオンを示すトップダウンMSフラグメントイオン質量スペクトルを示す。y7+システイン化フラグメントイオン及びy7フラグメントイオンは、C末端システイン残基のシステイン化に起因する質量の差を示すために矢印で標識される。 図16は、AL患者FLCの線形回帰分析を示す。グラフを、質量分析計で観察されたFLCについてのピーク面積に対してネフェロメトリーによるFLCの濃度をプロットすることによって生成した。外れ値を除去して、κ及びλFLCについてR2相関係数を記載する。 図17は、グリコシル化FLCを含む患者サンプルからのFLCλ単量体多価イオンを示す質量スペクトルを示す(上部)。挿入図は、デコンボリューション後のグリコシル化軽鎖の分子質量を示す。 図18は、FLCのグリコシル化の検出及び確認を示す、トップダウンMSフラグメントイオン質量スペクトルを示す。
正常な形質細胞は、血清中に排出される過剰κ及び軽鎖を産生する(遊離軽鎖、FLC)。λ軽鎖に対して約2倍多くのκ軽鎖がヒトで産生される。各FLC分子は約220個のアミノ酸を含有し、各分子は、可変(VL)領域を含有するN末端ドメイン及び定常(CL)領域を含有するC末端ドメインから構成される。本明細書に記載のこの方法は、形質細胞クローン性のマーカーとしてVL領域の固有の質量を利用する。
形質細胞免疫グロブリン産生は、ジスルフィド結合を介した軽鎖(LC)と重鎖(HC)とのマッチングを伴う。次いで、HC-LC二量体は、さらなるジスルフィド結合を介して別のHC-LC二量体と対になり、細胞から分泌される免疫グロブリンを形成する。正常な免疫グロブリン産生の間、形質細胞は、循環中に分泌される過剰な多クローン性遊離軽鎖(FLC)を産生し、健康な個体において、これらの過剰FLCは腎臓において再吸収され、代謝される。しかし、形質増殖障害(plasmaproliferative disorder)を有する個体は、正常な多クローン性LCレパートリーより高い濃度で単クローン性FLCを循環中に分泌するクローン性形質細胞の集団を有する。血清FLC測定の臨床応用は、単クローン性ガンマグロブリン血症を有する患者に対するものである。これらの疾患では、調節不全の又は悪性の形質細胞クローン(単数又は複数)が、正常な多クローン性バックグラウンドと比較して、Ig及びFLCを過剰産生し、これは、歪んだκ/λFLC比によって、又は多クローン性バックグラウンドを超えるIgの定量によって検出できる。
現在、臨床医学において、FLC比は、FLC中の抗原性部位に結合する特定の抗体に依存するイムノアッセイによって測定される。しかし、現在の方法は個々のκ及びλFLCに特異的ではなく、したがって、これらの群の定量は多クローン性(モノクローナル)バックグラウンドを含む。したがって、単クローン(モノクローナル)性は、κ/λ比から推測しなければならない。残念ながら、κ/λ比への依存は、患者に起こる他の状態によって影響され得る。例えば、自己免疫疾患を有する患者は、単クローン性ガンマグロブリン血症とは無関係に、又はそれに加えて、歪んだ多クローン性κ及びλ比を有し得る。
本明細書に記載の方法は、高い質量精度を用いて、血清、尿、脳脊髄液(CSF)、及び他の体液中のFLCを測定する。質量精度は、各κ及びλ軽鎖の直接定量を可能にする。したがって、κ及びλ比のみへの依存は、単クローン性を推測するために必要ではない。
サンプル中の1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖を同定する方法が本明細書に提供される。この方法は、(a)サンプルを提供するステップ; (b)サンプルを質量分析技術に供して、サンプルの質量スペクトルを得るステップ; 及び1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の存在又は非存在を同定するステップを含む。
本明細書で使用される場合、用語「免疫グロブリン遊離軽鎖」は、形質細胞から血清に排出される過剰なκ及びλ軽鎖(遊離軽鎖、FLC)を指す。免疫グロブリン遊離軽鎖は、免疫グロブリン遊離軽鎖の二量体を指すこともできる。
一部の実施形態では、サンプルは、免疫グロブリン遊離軽鎖を含むことが推測される。
一部の実施形態では、1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖は、遊離κ軽鎖、遊離λ軽鎖、及びそれらの混合物からなる群から選択される。例えば、免疫グロブリン遊離軽鎖は、遊離κ軽鎖であり得る。さらに、この方法は、少なくとも2つの遊離κ軽鎖(すなわち、異なる質量又は質量電荷比を有するκ軽鎖)を同定することを含んでもよい。一部の実施形態では、免疫グロブリン遊離軽鎖は、遊離λ軽鎖である。さらに、この方法は、少なくとも2つの遊離λ軽鎖(すなわち、異なる質量又は質量電荷比を有するλ軽鎖)を同定することを含んでもよい。
一部の実施形態では、1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖は、グリコシル化免疫グロブリン遊離軽鎖、システイン化免疫グロブリン遊離軽鎖、及びグルタチオン化免疫グロブリン遊離軽鎖のうちの少なくとも1つを含む。例えば、1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖は、グリコシル化免疫グロブリン遊離軽鎖及びシステイン化免疫グロブリン遊離軽鎖のうちの少なくとも1つを含んでもよい。システイン化免疫グロブリン遊離軽鎖は、免疫グロブリン遊離軽鎖について観察される質量と、免疫グロブリン遊離軽鎖について計算される質量との間の差に基づいて同定することができる。例えば、免疫グロブリン遊離軽鎖について観察される質量と、免疫グロブリン遊離軽鎖について計算される質量との間の約119ダルトン(Da)の差は、システイン化免疫グロブリン遊離軽鎖の存在を示し得る。同様に、グルタチオン化免疫グロブリン遊離軽鎖は、免疫グロブリン遊離軽鎖について観察される質量と、免疫グロブリン遊離軽鎖について計算される質量との間の差があれば同定することができる。例えば、免疫グロブリン遊離軽鎖について観察される質量と、免疫グロブリン遊離軽鎖について計算される質量との間の約305Da(システイン残基へのグルタチオン付加の質量に等しい)の差は、グルタチオン化免疫グロブリン遊離軽鎖の存在を示し得る。
本明細書に記載の方法を用いたグリコシル化免疫グロブリン遊離軽鎖を含有するサンプルの例示的なスキャンを図17及び18に示す。
一部の実施形態では、1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の同定は、多クローン性バックグラウンドの存在下で行われる。
一部の実施形態では、この方法は、サンプル中の1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の濃度を測定することをさらに含む。例えば、1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の濃度は、得られた質量分析スペクトルのピーク面積を調べ、これを標準化曲線と比較することによって測定することができる。一部の実施形態では、内部サンプルをサンプル中に含めるか、又はサンプルに添加することができる。
一部の実施形態では、この方法は、サンプル中の少なくとも1つの免疫グロブリン遊離軽鎖の濃度を5〜15回測定する場合に、約15%未満のピーク面積パーセント変動を有する。例えば、この方法は、サンプル中の少なくとも1つの免疫グロブリン遊離軽鎖の濃度を5〜15回測定する場合に、約10%未満のピーク面積パーセント変動を有してもよい。
一部の実施形態では、この方法は、少なくとも1つの免疫グロブリン遊離軽鎖二量体を同定することをさらに含む。例えば、κ遊離軽鎖二量体又はλ遊離軽鎖二量体。
一部の実施形態では、この方法は、サンプルを質量分析技術に供する前に、サンプルを還元剤と接触させることをさらに含む。免疫グロブリン軽鎖は、軽鎖と重鎖の間のジスルフィド結合の切断により、免疫グロブリン重鎖から切り離すことができる。さらに、還元剤は、ジスルフィド結合を還元することによって、免疫グロブリン遊離軽鎖二量体を切り離すことができる。還元剤は、ジチオスレイトール(DTT)、還元型グルタチオン、β-メルカプトエタノール、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩、システイン、2-メルカプトエチルアミン、3-メルカプトプロピオン酸及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。一部の実施形態では、還元剤はジチオスレイトールである。
一部の実施形態では、この方法は、サンプルを還元剤と接触させることを含まない。
一部の実施形態では、この方法は、サンプルを質量分析技術に供する前に、サンプルを精製することを含まない。例えば、一部の実施形態では、この方法は、サンプルを質量分析技術に供する前に、サンプルを免疫精製することを含まない。同様に、一部の実施形態では、この方法は、サンプルを質量分析技術に供する前に、サンプルに対してクロマトグラフィーを実施することを含まない。一部の実施形態では、この方法は、サンプルを質量分析技術に供する前に、サンプルを精製すること(例えば、免疫精製)を含まないが、サンプルを質量分析技術に供する前に、サンプルを遠心分離することを含む。一部の実施形態では、この方法は、サンプルを質量分析技術に供する前に免疫精製を含まない。一部の実施形態では、この方法は、抗体(例えば、免疫グロブリン遊離軽鎖に特異的な抗体)を用いた免疫精製を含む。一部の実施形態では、この方法は、MELON(商標)GELを用いる精製を含む。
一部の実施形態では、サンプルを質量分析技術に供する前に、サンプルをアフィニティー精製(例えば、サンプルをMELON(商標)GELビーズと混合することなど、MELON(商標)GEL精製)によって精製することができる。さらに、この方法は、サンプルを質量分析技術に供する前に、サンプルを非還元性緩衝剤(例えば、重炭酸アンモニウム)と接触させることを含んでもよい。
一部の実施形態では、質量分析技術はLC-MS/MSである。LC-MS/MS技術は、四重極飛行時間型質量分析計を含み得る。四重極質量分析器(Q)は、互いに平行に配置された4つの円筒形ロッドからなる。四重極質量分析計では、四重極は、質量電荷比(m/z)に基づくサンプルイオンのフィルタリングを担っている機器の構成要素である。飛行時間型(TOF)分析器は、電場を用いて、同じ電位を通してイオンを加速し、次いで、それらが検出器に到達するのにかかる時間を測定する。粒子が全て同じ電荷を有する場合、運動エネルギーは同一であり、それらの速度はそれらの質量のみに依存する。より軽いイオンは、最初に検出器に到達する。任意のESI-Q-TOF質量分析計を使用することができ、例えば、ABSciex TripleTOF 5600四重極飛行時間型質量分析計を使用することができる。質量スペクトル、例えば、多価のインタクトな軽鎖又は重鎖ポリペプチドイオンの質量スペクトルを分析して、その鎖について予期される適切な質量/電荷における1つ以上のピークを同定することができる。例えば、軽鎖について、ピークは、約600〜2700m/z、700〜2400m/z、800〜2100m/z、900〜1800m/z、1000〜1600m/z、又は約1000〜1500m/zに生じ得る。一部の実施形態では、ピークは約600〜2500m/zに生じ得る。フラグメントイオンピークは、250〜2000のm/zの範囲に検出することができる。一部の実施形態では、+11及び+18荷電状態の少なくとも1つを、免疫グロブリン遊離軽鎖単量体について使用する。例えば、免疫グロブリン遊離軽鎖単量体について+18荷電状態を用いて生成された抽出イオンクロマトグラム(EIC)からのピーク面積を用いて、%CV値を計算することができる。一部の実施形態では、+33及び+36荷電状態の少なくとも1つを、免疫グロブリン遊離軽鎖二量体について使用する。例えば、免疫グロブリン遊離軽鎖二量体について+36荷電状態を用いて生成された抽出イオンクロマトグラム(EIC)からのピーク面積を用いて、%CV値を計算することができる。
一部の実施形態では、ソース条件は、約4500ボルト(V)〜約6500V又は約5000V〜6000V、又は約4500V、5000V、5500V、6000V、又は約6500VのIS(イオンスプレー電圧)を含む。例えば、ソース条件は、約5500VのISを含んでもよい。
一部の実施形態では、ソース条件は、約350℃〜約650℃、約400℃〜約600℃、約450℃〜約550℃、又は約475℃〜約525℃、又は約350℃、400℃、450℃、475℃、500℃、525℃、550℃、600℃又は約650℃の温度を含む。例えば、ソース条件は、約500℃の温度を含んでもよい。
一部の実施形態では、ソース条件は、約35〜約55、又は約40〜約50、又は約35、40、45、50、又は約55のカーテンガス流(CUR)を含む。例えば、ソース条件は、約45のカーテン圧力(CUR)を含んでもよい。
一部の実施形態では、ソース条件は、約25〜約45又は約30〜約40、又は約25、30、35、40、又は約45のイオンソースガス1(GS1)を含む。例えば、ソース条件は、約35のイオンソースガス1(GS1)を含んでもよい。
一部の実施形態では、ソース条件は、約20 約40又は約25〜約35、又は約20、25、30、35、又は約40のイオンソースガス2(GS2)を含む。例えば、ソース条件は、約30のイオンソースガス2(GS2)を含んでもよい。
一部の実施形態では、ソース条件は、30±5、40±5、50±5、60±5、又は70 50±5の衝突エネルギー(CE)(例えば、衝突セルにわたる電位降下)を含む。例えば、ソース条件は、50±5のCEを含んでもよい。
一部の実施形態では、ソース条件は、約5500のIS、約500℃の温度、約45psiのCUR、約35psiのGS1、約30psiのGS2、及び50±5のCEを含む。
一部の実施形態では、質量分析技術は、トップダウン質量分析技術である。例えば、トップダウン質量分析技術が使用される場合、この方法は、免疫グロブリン遊離軽鎖のアイソタイプを同定することを含み得る。
さらなる質量分析技術は、PCT/US2015/24379及びPCT/US2014/022475に記載されており、その各々は参照によりその全体において組み込まれる。
一部の実施形態では、サンプルは単一の被験体に由来し、この方法は被験体における障害を診断することをさらに含み、障害は形質細胞疾患である。例えば、サンプルは単一の被験体に由来してよく、この方法は、多発性骨髄腫又は軽鎖アミロイドーシスのうちの少なくとも1つを診断することをさらに含んでよい。
一部の実施形態では、サンプルは、血清サンプル、尿サンプル、脳脊髄液サンプル、又は全血サンプルである。
一部の実施形態では、サンプルは単一の被験体に由来し、この方法は被験体における障害を診断することをさらに含み、障害は、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症、B細胞慢性リンパ性白血病、ワルデンストレームマクログロブリン血症、アミロイド軽鎖アミロイドーシス、又は非分泌型骨髄腫のうちの少なくとも1つである。
正常な血清サンプルでは、遊離κ軽鎖は3.3〜19.4mg/Lの範囲を有することができ、遊離λ軽鎖は5.7〜26.3mg/Lの範囲を有することができる。例えば、Clin Chem. 2002 Sep; 48(9) 1437-44頁を参照のこと。
一部の実施形態では、サンプルは単一の被験体に由来し、この方法は被験体において自己免疫応答を単クローン性ガンマグロブリン血症から区別することをさらに含む。
また、(a)サンプルを提供するステップ; (b)サンプルを還元剤と接触させるステップ; (c)サンプルを質量分析技術に供して、サンプルの質量スペクトルを得るステップ; 及び(d)1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の存在又は非存在を同定するステップを含む、サンプル中の1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖を同定する方法が本明細書に提供される。
さらに、被験体における障害を診断する方法が本明細書に提供される。この方法は、(a)被験体由来のサンプルを提供するステップ; (b)サンプルを質量分析技術に供して、サンプルの質量スペクトルを得るステップ; 及び(c)1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の存在又は非存在を同定するステップを含む。
一部の実施形態では、障害は、単クローン性ガンマグロブリン血症である。一部の実施形態では、障害は、多発性骨髄腫、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症、B細胞慢性リンパ性白血病、ワルデンストレームマクログロブリン血症、アミロイド軽鎖アミロイドーシス、非分泌型骨髄腫及びそれらの組み合わせから選択される。
一部の実施形態では、サンプルは、血清サンプル、尿サンプル、脳脊髄液サンプル、又は全血サンプルである。
一部の実施形態では、被験体が障害を有すると診断した後、この方法は、障害を治療するための治療剤(例えば、治療有効量)を被験体に投与することをさらに含む。治療剤は、クロラムブシル、フルダラビン、シクロホスファミド、ベンダムスチン、カルフィルゾミブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、クロラムブシル、ペントスタチン、フルダラビン、ボルテゾミブ、サリドマイド、デキサメタゾン、ドキソルビシン、イブルチニブ、メルファラン、アドリアマイシン、レナリドミド、ポマリドミド、ビスホスホネート、グリコサミノグリカン、プリンヌクレオシド類似体、及びモノクローナル抗体(例えば、リツキシマブ、オビヌツズマブ、及びアレムツズマブ)のうちの1つ以上を含み得る。
一部の実施形態では、障害は意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症であり、治療剤はビスホスホネートである。ビスホスホネートの非限定的な例としては、アレンドロネート(例えば、BINOSTO(登録商標)、FOSAMAX(登録商標))、リセドロネート(例えば、ACTONEL(登録商標)、ATELVIA(登録商標))、イバンドロネート(例えば、BONIVA(登録商標))及びゾレドロン酸(例えば、RECLAST(登録商標)、ZOMETA(登録商標))が挙げられる。
一部の実施形態では、障害はB細胞慢性リンパ性白血病であり、治療剤は、クロラムブシル、フルダラビン(例えば、FLUDARA(登録商標))、シクロホスファミド(例えば、CYTOXAN(登録商標))、ベンダムスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン(例えば、ONCOVIN(登録商標))、プレドニゾン、クロラムブシル、オビヌツズマブ、オファツムマブ、ペントスタチン(例えば、NIPENT(登録商標))、アレムツズマブ(例えば、CAMPATH(登録商標))、フルダラビン、モノクローナル抗体(例えば、リツキシマブ)及びそれらの組み合わせから選択される。
一部の実施形態では、障害はワルデンストレームマクログロブリン血症であり、治療剤は、ボルテゾミブ、サリドマイド、フルダラビン、デキサメタゾン、クロラムブシル、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、モノクローナル抗体(例えば、リツキシマブ)、プリンヌクレオシド類似体(例えば、クラドリビン)、イブルチニブ、及びそれらの組み合わせから選択される。
一部の実施形態では、障害はアミロイド軽鎖アミロイドーシスであり、治療剤は、メルファラン、プレドニゾン、ビンクリスチン、アドリアマイシン、デキサメタゾン、ベンダムスチン、サリドマイド、シクロホスファミド、レナリドミド、ポマリドミド、ボルテゾミブ、グリコサミノグリカン(例えば、エプロジセート)、及びそれらの組み合わせから選択される。
一部の実施形態では、障害は非分泌型骨髄腫であり、治療剤は、サリドマイド、ボルテゾミブ、レナリドミド、カルフィルゾミブ、ポマリドミド及びそれらの組み合わせから選択される。
一部の実施形態では、被験体が障害を有すると診断した後、この方法は、血漿交換又は幹細胞移植(例えば、自己末梢血幹細胞移植)などの治療を行うことをさらに含む。
一部の実施形態では、被験体が障害を有すると診断した後、この方法は、障害を治療するための治療有効量の治療剤を被験体に投与すること、並びに血漿交換及び幹細胞移植のうちの1つ以上をさらに含む。
また、被験体における単クローン性ガンマグロブリン血症を診断する方法が本明細書に提供される。この方法は、(a)被験体由来のサンプルを提供するステップ; (b)サンプルを質量分析技術に供して、サンプルの質量スペクトルを得るステップ; 及び(c)1つ以上の遊離κ免疫グロブリン軽鎖又は1つ以上の遊離λ免疫グロブリン軽鎖の同定に基づいて、被験体における単クローン性ガンマグロブリン血症を診断するステップを含む。
一部の実施形態では、この方法は、サンプルを質量分析技術に供する前に、免疫グロブリン遊離軽鎖を含むサンプルを還元剤と接触させることをさらに含む。
さらに、被験体における単クローン性ガンマグロブリン血症の治療をモニタリングする方法が本明細書に提供される。この方法は、(a)治療前に得られた被験体の第1のサンプルを提供するステップ; (b)治療中又は治療後に得られた被験体の第2のサンプルを提供するステップ; (c)第1のサンプル及び第2のサンプルを質量分析技術に供して、第1のサンプル及び第2のサンプルの質量スペクトルを得るステップ; (d)第1のサンプル及び第2のサンプル中の少なくとも1つの遊離κ免疫グロブリン軽鎖又は少なくとも1つの遊離λ免疫グロブリン軽鎖の濃度を決定するステップ; 及び(e)第1のサンプル及び第2のサンプル中の少なくとも1つの遊離κ免疫グロブリン軽鎖又は少なくとも1つの遊離λ免疫グロブリン軽鎖の濃度を比較するステップを含む。治療前に得られた第1のサンプルは、任意の治療の開始前、特定の投与計画の開始前、又は単回投与の前に得ることができる。治療のモニタリングの間、同定された免疫グロブリン遊離軽鎖のピークの高さ又はピーク面積の減少は、治療が確実に進行していることを示し得る。同様に、治療のモニタリングの間、同定された免疫グロブリン遊離軽鎖の濃度の減少は、治療が確実に進行していることを示し得る。治療のモニタリングの間、同定された免疫グロブリン遊離軽鎖のピークの高さ又はピーク面積の増加は、治療剤の投与量を増加させるべきであることを示し得る。同様に、治療のモニタリングの間、同定された免疫グロブリン遊離軽鎖の濃度の増加は、治療剤の投与量を増加させるべきであることを示し得る。
一部の実施形態では、この方法は、第1のサンプル及び第2のサンプルを質量分析技術に供する前に、免疫グロブリン遊離軽鎖を含む第1のサンプル及び第2のサンプルを還元剤と接触させることをさらに含む。
[実施例1]
スパイクされたサンプル中のκFLCの検出
正常なプールされた血清を用いて、2つのスパイクされたサンプルを作製した。サンプルAは、0.5g/dLのHUMIRA(登録商標)(モノクローナルIgGκ治療抗体)でスパイクし、一方、サンプルBは、HUMIRA(登録商標)及び市販のκ軽鎖の両方で0.125g/dLでスパイクした。次に、50μLの各スパイク血清を、450μLのMELON(商標)Gel緩衝液で希釈し、スピンカラムに添加し、5分間混合した。
遠心分離後、精製したサンプルの2μL注入を、25μL/分で流れる1.0×75mm Poroshell 300SB-C3、5μmカラム上に行った。15分間の勾配を、80%A/20%Bで開始し、0.5分間保持し、1分間かけて70%A/30%Bまで傾斜させ、次いで4分間かけて60%A/40%Bまで傾斜させ、次いで5分間かけて5%A/95%Bまで傾斜させ、2.5分間保持し、次いで1分間かけて80%A/20%まで傾斜させ、次いで1分間80%A/20%で平衡化した。
スペクトルを、自動化キャリブラント送達システム(CDS)を備えたTurbo V二重イオンソースを用いてESIポジティブモードでABSciex TripleTOF 5600四重極飛行時間型質量分析計(ABSciex, Vaughan ON, CA)で収集した。ソース条件は、IS: 5500、Temp: 500、CUR: 45、GS1: 35、GS2: 30、CE: 50±5であった。TOF MSスキャンを、100msの取得時間でm/z 600〜2500から取得した。フラグメントイオンスキャンを、100msの取得時間でm/z 350〜2000から取得した。機器を、製造業者によって供給された較正溶液を用いてCDSを通して5回の注入毎に較正した。
得られた質量分布は、κ/λFLCの比に依存しない、インタクトなモノクローナルIg(HUMIRA(登録商標))由来のκ遊離軽鎖(FLC)を検出するこの方法の能力を実証する。図1は、HUMIRA(登録商標)のみによる正常な血清スパイクの結果(非デコンボリューション及びデコンボリューション)を示し、インタクトなIgの検出を実証する。図2は、κFLC及びHUMIRA(登録商標)の両方でスパイクされた正常血清の結果を示し、インタクトなIgの存在下でFLCを検出するこの方法の能力を実証する。
[実施例2]
スパイクされたサンプル中のκFLCの検出
正常なプールされた血清を用いて、2つのスパイクされたサンプルを作製した。サンプルAは、0.5g/dLのHUMIRA(登録商標)(モノクローナルIgGκ治療抗体)でスパイクし、一方、サンプルBは、HUMIRA(登録商標)及び市販のλ軽鎖の両方で0.125g/dLでスパイクした。サンプルを実施例1に記載の分析手順に供した。
得られた質量分布は、インタクトなモノクローナルIg(HUMIRA(登録商標))由来のλ遊離軽鎖(FLC)を検出するこの方法の能力を実証し、これはκ/λFLCの比に依存しない。図3は、λFLC及びHUMIRA(登録商標)の両方でスパイクされた正常血清の結果を示し、インタクトなIgの存在下でFLCを検出する能力を実証する。この実施例では、図4に示すように、この方法は、FLCの存在を確認するだけでなく、軽鎖が二量体として循環していることを実証することもできた。
[実施例3]
血清中のFLC量の測定
κ及びλFLCの連続希釈物を、κ及びλ遊離軽鎖を用いた正常ヒト血清スパイクを希釈することによって作製した。遊離軽鎖の量の定量は、実施例に記載の手順を用いて行った。図5は、FLCのピーク面積が、血清中のFLC濃度に正比例することを示す。
[実施例4]
FLC測定の精度
ヒト血清を0.125g/dLのκFLCでスパイクし、実施例1に記載の手順を用いて12回繰り返し測定した。ピーク面積パーセント変動は8.8%であると決定された。この変動量は、臨床業務にとって許容可能である。
[実施例5]
単クローン性ガンマグロブリン血症を有する患者におけるFLCの検出
ネフェロメトリーによる関連した異常なκ/λFLC比3.81を伴うIgGκ単クローン性ガンマグロブリン血症を有する77歳のMGUS(意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症)患者(A)由来の血清を、実施例1に記載の手順を用いて調べた。同じ患者由来の第2のサンプルを、Ig単離及び測定の前に、DTT(ジチオスレイトール)還元剤で処理して、軽鎖及び重鎖を分離した。
得られたスペクトルは、図6A及び6Bに示され、κFLCが、インタクトなIgGκに関連するκクローンとわずかに異なる質量を有することを実証する。図7は、トップダウン質量分析法を用いることにより、フラグメンテーションパターンが、各イオンについてκ定常領域を明らかにすることを示す。
[実施例6]
ネフェロメトリーによる関連した異常なκ/λFLC比0.483を伴うIgGλ単クローン性ガンマグロブリン血症を有する70歳のくすぶり型骨髄腫患者(A)由来の血清を、実施例1に記載の手順を用いて調べた。得られたスペクトルは、図8に示され、複数のλベースのクローンの存在を実証する。複数のFLCを検出する能力は、この方法に特有である。
[実施例7]
材料
血清サンプル: ALを有する患者由来の15個の血清サンプルを、ミネソタ州ロチェスターのメイヨークリニック(Mayo Clinic)にてアミロイドバイオバンクIRBプロトコール521-93に関連する患者のインフォームドコンセントの下で得た。ALを有する患者由来のさらなる15個の血清サンプルを、イタリアのパヴィアにあるIRCCS Policlinico San Matteoにてアミロイドバイオバンク(Giampaolo、IRB番号を記入されたい)に関連する患者のインフォームドコンセントの下で得た。
試薬: 重炭酸アンモニウム、ジチオスレイトール(DTT)及びギ酸を、Sigma-Aldrich(St. Louis, MO)から購入した。水、アセトニトリル、及び2-プロパノールを、Honeywell Burdick and Jackson(Muskegon, MI)から購入した。
モノクローナル免疫グロブリン: 治療用モノクローナル免疫グロブリンアダリムマブ(Humira)を、Abbott Laboratories(Chicago, IL)から購入した。λ及びκ免疫グロブリン軽鎖標準を、Bethyl Laboratories(Montgomery, TX)から購入した。尿をモノクローナル免疫グロブリン軽鎖標準の供給源として使用することに同意した多発性骨髄腫患者の尿から、標準は精製された。各標準の濃度を、結合部位(The Binding Site)FLCネフェロメトリーアッセイを用いて確認した。Bradwell AR, Carr-Smith HD, Mead GP, et al. “Highly sensitive, automated immunoassay for immunoglobulin free light chains in serum and urine.” Clinical chemistry. 2001;47(4):673-680。
血清FLC調製: 20μLの容量の血清を、1.5mLのマイクロ遠心チューブ(Thermo-Fisher Scientific, Waltham MA)中の200μLのMELON(商標)GELビーズスラリーと混合した。血清及びビーズをシェーカー上で室温にて5分間混合し、その後、ビーズを沈降させた。20μLの容量の、FLCを含有するMELON(商標)GEL上清を取り出し、20μLの50mM重炭酸アンモニウムと混合し、次いで、マイクロLC-ESI-Q-TOF MSによって分析した。MELON(商標)GEL精製サンプルはまた、DTTでの還元後に分析した。この場合、20μLの容量のMELON(商標)GEL上清を、20μLの50mM重炭酸アンモニウム、10μLの200mM DTTと混合し、55℃で15分間還元してからマイクロLC-ESI-Q-TOF MSによって分析した。
LC条件: Eksigent Ekspert 200マイクロLC(Dublin, CA)を分離に使用した; 移動相Aは水+0.1%FAであり、移動相Bは90%アセトニトリル+10%2-プロパノール+0.1%FAであった。60に加熱し、25μL/分で流れる1.0×75mm Poroshell 300SB-C3、5μmカラム上に2μLの注入を行った。25分間の勾配を、80%A/20%Bで開始し、1分間保持し、1分間かけて75%A/25%Bまで傾斜させ、次いで10分間かけて65%A/35%Bまで傾斜させ、次いで4分間かけて50%A/50%Bまで傾斜させ、次いで2分間かけて95%A/5%Bまで傾斜させ、5分間保持し、次いで1分間かけて80%A/20%まで傾斜させ、次いで1分間80%A/20%で平衡化した。
ESI-Q-TOF MS: スペクトルを、自動化キャリブラント送達システムを備えたTurbo V二重イオンソースを用いてESIポジティブモードでABSciex TripleTOF 5600四重極飛行時間型質量分析計(ABSciex, Vaughan ON, CA)で収集した。ソース条件は、IS: 5500、Temp: 500、CUR: 45、GS1: 35、GS2: 30、CE: 50±5であった。TOF MSスキャンを、100msの取得時間でm/z 600〜2500から取得した。機器を、製造業者によって供給された較正溶液を用いてCDSを通して5回の注入毎に較正した。
MSデータ分析: Analyst TF v1.6を機器制御に使用した。データを、Analyst TF v1.6及びPeakView v1.2.0.3を使用して表示した。多価イオンピーク重心を用いて、平均分子質量を計算し、ピーク面積値を、Analyst TFが提供されるBioAnalystソフトウェアによる定量化に使用した。多重イオンデコンボリューションを、BioAnalystにおけるBayesian Protein Reconstructソフトウェアパッケージを使用して行った。以下の設定を使用した: 開始質量(Start mass)(Da)=22,000、停止質量(Stop mass)(Da)=65,000Da、ステップ質量(Step mass)(Da)= 1、S/N閾値=20、最小強度%=0、反復=20、付加物: 水素。全ての質量は、平均分子質量として報告される。
結果
モデル系としての正常血清中の精製FLC及びアダリムマブ
治療用mAbアダリムマブが、血清中のモノクローナル免疫グロブリンを模倣するための標準としてよく機能することが以前に示されている。本明細書中に提示された一連の実験において、アダリムマブ及び精製κFLCを、健康な個体からプールされた血清にスパイクした。図9は、500mg/Lの濃度のアダリムマブ及び100mg/Lの濃度の精製κFLCの両方でスパイクされたプールされた血清から取得された3つの質量スペクトルを示す。Aと表示された質量スペクトルは、6.0〜6.5分の保持時間にわたって質量スペクトルを合計することによって生成され、m/z=1,000〜1,500Daの間のκFLCの単量体形態についての多重荷電状態を明確に示す。また、m/z=1,500を超えて観察される他の多価イオンの異種セットも存在する。最も豊富なイオンは、45,056.5Daの分子質量を有するタンパク質と関連しており、これは、α-1-アンチトリプシン(A1AT)の最も一般的なグリコフォームである可能性が高い。これらのピークは、正常なプールされた血清中にも見られる。Bと表示された質量スペクトルは、6.8〜7.3分の保持時間にわたって質量スペクトルを合計することによって生成され、m/z=1,000〜1,500Daの間のκFLCの二量体形態を明確に示す。Cと表示された質量スペクトルは、7.4〜8.0分の保持時間におけるインタクトなアダリムマブを示し、mAb由来の多価イオンがm/z=2,500〜3,500Daの間に見出される。m/z=1,800〜2,200の間に観察される他の多価イオンは、79,551.9Daの計算分子質量を有し、κFLCなしの正常なプールされた血清中に存在するトランスフェリン(Tf)である可能性が高い。MELON(商標)GELは、血清からトランスフェリンを完全には枯渇させないことが知られている。本方法のマイクロLC-ESI-Q-TOF MS部分における不正確さを、正常なプールされた血清にスパイクされた100mg/LのκFLCの同じウェルから20回の反復注入を行うことによって調べた。単量体についての+18荷電状態(図9A、m/z=1,316.78Da)及び二量体についての+36荷電状態(図9B、m/z=1,310.11Da)を用いて生成された抽出イオンクロマトグラム(EIC)からのピーク面積を用いて、%CV値を計算した。%CVは、単量体について5.6、二量体について3.5、及び単量体に対する二量体の比について6.6であった。連続希釈物(100、50、25、12.5、6.25、3.12)はまた、正常血清で希釈された正常なプールされた血清にスパイクされた100mg/LのκFLCで開始して調製した。単量体及び二量体の線形回帰分析を、EICピーク面積を用いて行った。連続希釈物の単量体線形回帰分析はR2=0.996を有し、一方、二量体線形回帰分析はR2=0.993を有した。単量体は6.25mg/L〜100mg/Lで検出され、一方、二量体は3.12mg/L〜100mg/Lで検出された。κFLC単量体及び二量体及びアダリムマブについての分子質量も図9に記載される。二量体を2で割り、プロトンの質量を加えることによって見出された単量体の計算分子質量は、23,565.3Daである。観察された単量体質量と、計算された単量体質量との間の質量の差(23,684.3-23,565.3)は、119.0Daに等しい。この質量は、システイン化システイン残基の分子質量と一致する。DTTをサンプルに添加した後、二量体はもはや観察されず、単量体の分子質量は23,565.3Daであった。不正確さはまた、正常なプールされた血清にスパイクされた100mg/Lの精製λFLCの同じウェルからの20回の反復注入について調べた。これらのスペクトルでは、λFLCの二量体のみが観察された。EICを生成するため、二量体の+33荷電状態(m/z=1,373.56Da)を用い、6.9の%CVが、反復注入からのピーク面積について見出された。
AL患者コホート比較
FLCを、MELON(商標)GELを用いて血清から濃縮できたことを実証した後、アミロイドーシスの確認された症例を有する30人の患者(パヴィアバイオバンクから15人及びメイヨーバイオバンクから15人)のコホートを調べた。全ての患者サンプルを、モデルFLC調製物について記載したのと同じ方法を用いて、非還元型(DTTなし; FLC存在)及び還元型(DTTあり; 全ての軽鎖が観察される)で調べた。患者サンプル中のFLC及び非FLC軽鎖を決定するプロセスを、公知のλFLCを有するAL患者について以下に示す。
非還元血清からの全イオンクロマトグラム(TIC)の例を図10に示し、ここで、正常血清TICはAと表示され、ALを有する患者の血清TICはBと表示される。TICは、α-1-アンチトリプシン(A1AT)、トランスフェリン(Trf)、及び未知の61kDaタンパク質とそれぞれ推定される1、2及び3と表示される3つのピークを有する。しかし、AL患者からのTICは、6.3分の保持時間に、対照において観察されないピークを示す。図11は、このピークの保持時間にわたり質量スペクトルを合計した後に観察された質量スペクトルを示す。質量スペクトルは、一連の多価イオンを明確に示し、挿入図は、45,388.4Daの計算分子質量とともに、これらのイオンについてのデコンボリューションされたスペクトルを示す。これらのイオンは、2つのFLCλ単量体(それぞれ22,699.2Da(45,388.4/2+1H(二量体を形成した還元されたシステイン)+4H(還元された内部ジスルフィド結合))の単量体分子質量を有する)から構成される二量体であると推定された。FLCの単量体形態は、TICのみを観察することによって容易に明らかではなかった。単量体を同定するために、質量スペクトルを30秒の保持時間ウインドウにわたって合計し、手作業で検索した。FLC単量体は、5.5〜6.6分の保持時間でピーク1と共溶出することが見出された。FLCのアイソタイプは、トップダウンMSを用いてλであることが確認された。図12は、この保持時間にわたって生成された質量スペクトルを示し、これは、ピークが、多価イオンの2つの異なるセットを含有することを示す。m/z=1,000〜1,600の範囲内のイオンのデコンボリューションは、図12の挿入図に示すように、22,813.9Daの分子質量を有する単一のピークを生じた。m/z=1,700〜2,400の範囲内のイオンのデコンボリューションは、正常対照血清で観察されるA1ATアイソフォームと一致した多重イオンを生じた。
単量体の計算分子質量が、単量体の観察された質量と一致しなかったため、サンプルをDTTで還元した。この実験の目的は、1)二量体が2つの単量体に還元されるかどうかを決定すること、及び2)得られた単量体の分子質量が、FLC単量体の分子質量と一致するかどうかを決定することであった。図13は、DTTの添加前(赤色トレース)及び後(黒色トレース)の同じサンプルからのTICのオーバーレイを示す。図13における還元サンプルからのTICの強度は、非還元サンプルからの図10に示されるTICの2倍を超えて高い。これは、多クローン性κ及びλ軽鎖並びにそれらの対応する重鎖からの全体的なイオン電流への寄与に起因し、これらの軽鎖及び重鎖は、還元型にあり、これらの種からの多価イオンが、実験のm/zスキャン範囲ウインドウ内にここでは存在するため、質量分析計によってここで観察される。FLC単量体は、30秒の保持時間間隔で質量スペクトルを手作業で合計した後に観察され、6.2〜6.7分の保持時間を有することが見出された。この保持時間ウインドウ内に見出された多価イオンは図14に示される。これらの多価イオンの計算分子質量は、挿入図に見られるように、22,698.9Daであることが見出された。単クローン性軽鎖のアイソタイプは、トップダウンMS 4によってλであることが確認された。λ軽鎖単量体の計算分子質量及び図14から観察された分子質量からわずか0.3Daの質量差が存在する。
非還元サンプル中の単量体の分子質量は、還元サンプル中に観察された単量体よりも質量が116Da大きく、これは、以前他者によって記載されたように、C末端システインのシステイン化(+119Daの付加)に起因する公知の翻訳後修飾に近い。本明細書中に開示される方法(例えば、モノクローナル免疫グロブリン迅速正確質量測定-miRAMM)を用いて調べたコホート中のAL患者の何人かはκFLCを有していた。トップダウンMSを、システイン化を示す+119Daの質量差を示した非還元及び還元κFLC単量体について実施した。図15は、非還元(上部)及び還元(下部)κFLC単量体からのトップダウンMS質量スペクトルを示す。単クローン性κ軽鎖は、トップダウンMS 4により主にC末端y-イオンを産生し、結果として、非還元FLCからの各C末端フラグメントイオンは、システイン化がC末端システインで生じるために、還元FLCと比較して、質量が+119Da大きい。この観察は、κFLC単量体中のシステイン化の位置を確認するものであり、単クローン性軽鎖中のシステイン化を特徴付けするためのトップダウンMSを用いた最初の報告である。
本明細書中に開示される方法を用いて調べたAL患者コホートからの結果を表1に記載する。表は、非還元FLC分子質量、単量体及び/又は二量体の存在、観察された翻訳後修飾(PTM)、還元FLC分子質量、及びFLCアイソタイプを記載する。表は、正確な分子質量データによって明らかなように、血清中のFLCを同定するための本明細書中に開示される方法の並外れた特異性を強調する。しかし、本明細書中に開示される方法はまた、同じ分析において二量体及び/若しくは単量体並びにPTMの存在に関する情報を提供する。例えば、サンプルパヴィア7は、2つの単量体及び2つの二量体FLCアイソフォームを、PTMのシステイン化及びグルタチオン化とともに有していた。非還元サンプル中の2つの異なる単量体及び二量体間の質量差が、システイン残基21へのグルタチオン付加の質量に等しい305Daであったため、グルタチオン化が存在すると推定された。この質量差は、還元サンプル中の単量体においても観察され、このことは、PTMが、22を用いた還元条件下で安定であることを示唆する。非還元サンプル及び還元サンプル中のFLC単量体間の観察された質量差が117Daであり、これは、システイン化(+119Da)の喪失と、続く、ジスルフィド結合間再形成(interdisulfide bond reformation)後の2つの水素の喪失に等しいため、システイン化PTMが推定された。非還元サンプルと還元サンプルの間の-116〜-119Daの範囲の喪失を示した患者は、システイン化の証拠を有すると分類された。患者のうちの何人かは、FLCの分子質量の増加によって証明されるグリコシル化、並びに非還元及び還元サンプルの両方において保存されたヘキソース(162Da)が異なるLC質量ピークのオリゴクローン性質(2〜4個のグリコフォーム)を示すFLCを有し、最も豊富なグリコフォームのみが表1に記載される。
Figure 0006968058
表2は、アイソタイプ(最初にκ、続いてλ)、並びにκ/λ比、アイソタイプ特異的FLC濃度(mg/L)、及び質量分析計において観察された各単クローン性FLCの対応するピーク面積(1秒あたりのカウント)によって記載された各患者のFLCを示す。表に記載されたピーク面積は、正常血清にスパイクされた精製FLCについての直線性及び正確性を決定するために使用されたのと同じ方法を用いて見出された。表は、アイソタイプ特異的FLC濃度が、メイヨーコホートと比較して、パヴィア患者コホートにおいてはるかに高いこと、及びFLC濃度が数桁にわたって存在することを示す。線形回帰分析を実施して、本明細書中に開示される方法を用いて見出された各患者の単クローン性FLCのピーク面積と、ネフェロメトリーを用いて決定されたFLCの濃度との相関を決定し、その結果を図16に示す。κFLCと示された線形回帰は、合計8個のうち2個の外れ値(患者パヴィア4及びメイヨー10)を取り除く。λFLCと示された線形回帰は、合計15個のうち4個の患者外れ値(患者パヴィア7、パヴィア13、パヴィア14、及びパヴィア15)を取り除く。
Figure 0006968058
考察
実施例7は、マイクロLC-ESI-Q-TOF質量分析法が、インタクトなFLCについての正確な分子質量情報、及び特定の単クローン性FLCについての定量的情報を提供できることを実証する。さらに、翻訳後修飾に関する情報も、質量分析法を用いて定義することができる。強力な分析的特性のこの組み合わせにより、質量分析法は、単クローン性FLCをモニタリングするための包括的なプラットフォームになる。さらに、実施例7は、本明細書中に開示される方法が、多クローン性バックグラウンドから単クローン性FLCを容易に同定でき、また、単クローン性FLCが存在するかどうかを決定するための参照範囲の必要性を排除するトップダウンMSによって軽鎖のアイソタイプを同定できることを実証する。さらに、実施例7は、本明細書中に開示される方法を用いて、二量体/単量体比及びPTMをモニタリングできることを実証する。
他の実施形態
本発明は、その詳細な説明とともに記載されているが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を例示するものであり、本発明の範囲を限定するものではないと理解されるべきである。他の態様、利点、及び改変は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。
本開示は以下の実施形態を包含する。
[1] サンプル中の1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖を同定する方法であって、
a. サンプルを提供するステップ;
b. サンプルを質量分析技術に供して、サンプルの質量スペクトルを得るステップ; 及びc. 1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の存在を同定するステップ
を含む、方法。
[2] サンプルが、免疫グロブリン遊離軽鎖を含むことが推測される、実施形態1に記載の方法。
[3] 1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖が、遊離κ軽鎖、遊離λ軽鎖、及びそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態1に記載の方法。
[4] 免疫グロブリン遊離軽鎖が、遊離κ軽鎖である、実施形態1に記載の方法。
[5] 少なくとも2種の遊離κ軽鎖を同定することを含む、実施形態1に記載の方法。
[6] 免疫グロブリン遊離軽鎖が、遊離λ軽鎖である、実施形態1に記載の方法。
[7] 少なくとも2種の遊離λ軽鎖を同定することを含む、実施形態1に記載の方法。
[8] 1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖が、グリコシル化免疫グロブリン遊離軽鎖、システイン化免疫グロブリン遊離軽鎖、及びグルタチオン化免疫グロブリン遊離軽鎖のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1に記載の方法。
[9] 1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の同定が、多クローン性バックグラウンドの存在下で行われる、実施形態1に記載の方法。
[10] サンプル中の1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の濃度を測定することをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
[11] 少なくとも1つの免疫グロブリン遊離軽鎖二量体を同定することをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
[12] サンプルを質量分析技術に供する前に、サンプルを還元剤と接触させることをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
[13] 還元剤が、ジチオスレイトール(DTT)、還元型グルタチオン、β-メルカプトエタノール、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩、システイン、2-メルカプトエチルアミン、3-メルカプトプロピオン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態12に記載の方法。
[14] 還元剤がジチオスレイトールである、実施形態12に記載の方法。
[15] サンプルを還元剤と接触させることを含まない、実施形態1に記載の方法。
[16] サンプルを精製することを含まない、実施形態1に記載の方法。
[17] 質量分析技術がLC-MS/MSである、実施形態1に記載の方法。
[18] LC-MS/MS技術が、四重極飛行時間型質量分析計を含む、実施形態17に記載の方法。
[19] 質量分析技術が、トップダウン質量分析技術である、実施形態1に記載の方法。
[20] サンプルが、血清サンプル、尿サンプル、脳脊髄液サンプル、又は全血サンプルである、実施形態1に記載の方法。
[21] サンプルが単一の被験体に由来し、前記方法が被験体における障害を診断することをさらに含み、障害が形質細胞疾患である、実施形態1に記載の方法。
[22] サンプルが単一の被験体に由来し、前記方法が被験体における障害を診断することをさらに含み、障害が多発性骨髄腫又は軽鎖アミロイドーシスのうちの少なくとも1つである、実施形態1に記載の方法。
[23] サンプルが単一の被験体に由来し、前記方法が被験体における障害を診断することをさらに含み、障害が、多発性骨髄腫、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症、B細胞慢性リンパ性白血病、ワルデンストレームマクログロブリン血症、アミロイド軽鎖アミロイドーシス、又は非分泌型骨髄腫のうちの少なくとも1つである、実施形態1に記載の方法。
[24] サンプルが単一の被験体に由来し、前記方法が被験体において自己免疫応答を単クローン性ガンマグロブリン血症から区別することをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
[25] サンプル中の1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖を同定する方法であって、
a. サンプルを提供するステップ;
b. サンプルを還元剤と接触させるステップ;
c. サンプルを質量分析技術に供して、サンプルの質量スペクトルを得るステップ; 及びd. 1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の存在を同定するステップ
を含む、方法。
[26] 被験体における障害を診断する方法であって、
a. 被験体由来のサンプルを提供するステップ;
b. サンプルを質量分析技術に供して、サンプルの質量スペクトルを得るステップ; 及びc. 1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の存在を同定するステップ
を含む、方法。
[27] 障害が、多発性骨髄腫、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症、B細胞慢性リンパ性白血病、ワルデンストレームマクログロブリン血症、アミロイド軽鎖アミロイドーシス、非分泌型骨髄腫及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態26に記載の方法。
[28] サンプルが、血清サンプル、尿サンプル、脳脊髄液サンプル、又は全血サンプルである、実施形態26に記載の方法。
[29] 被験体が障害を有すると診断した後、障害を治療するための治療剤を被験体に投与することをさらに含む、実施形態26に記載の方法。
[30] 治療剤が、ビスホスホネート、クロラムブシル、フルダラビン、シクロホスファミド、リツキシマブ、ベンダムスチン、カルフィルゾミブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、クロラムブシル、オビヌツズマブ、オファツムマブ、ペントスタチン、アレムツズマブ、フルダラビン、ボルテゾミブ、サリドマイド、デキサメタゾン、ドキソルビシン、イブルチニブ、メルファラン、アドリアマイシン、レナリドミド、ポマリドミド、グリコサミノグリカン、プリンヌクレオシド類似体、及びモノクローナル抗体のうちの1つ以上である、実施形態29に記載の方法。
[31] 障害が意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症であり、治療剤がビスホスホネートである、実施形態29に記載の方法。
[32] 障害がB細胞慢性リンパ性白血病であり、治療剤が、クロラムブシル、フルダラビン、シクロホスファミド、リツキシマブ、ベンダムスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、クロラムブシル、オビヌツズマブ、オファツムマブ、ペントスタチン、アレムツズマブ、フルダラビン、モノクローナル抗体及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態29に記載の方法。
[33] 障害がワルデンストレームマクログロブリン血症であり、治療剤が、ボルテゾミブ、サリドマイド、フルダラビン、デキサメタゾン、クロラムブシル、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、モノクローナル抗体、プリンヌクレオシド類似体、イブルチニブ、及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態29に記載の方法。
[34] 障害がアミロイド軽鎖アミロイドーシスであり、治療剤が、メルファラン、プレドニゾン、ビンクリスチン、アドリアマイシン、デキサメタゾン、ベンダムスチン、サリドマイド、シクロホスファミド、レナリドミド、ポマリドミド、ボルテゾミブ、グリコサミノグリカン、及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態29に記載の方法。
[35] 障害が非分泌型骨髄腫であり、治療剤が、サリドマイド、ボルテゾミブ、レナリドミド、カルフィルゾミブ、ポマリドミド及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態29に記載の方法。
[36] 被験体における単クローン性ガンマグロブリン血症を診断する方法であって、
a. 被験体由来のサンプルを提供するステップ;
b. サンプルを質量分析技術に供して、サンプルの質量スペクトルを得るステップ; 及びc. 1つ以上の遊離κ免疫グロブリン軽鎖又は1つ以上の遊離λ免疫グロブリン軽鎖の同定に基づいて、被験体における単クローン性ガンマグロブリン血症を診断するステップ
を含む、方法。
[37] サンプルを質量分析技術に供する前に、免疫グロブリン遊離軽鎖を含むサンプルを還元剤と接触させることをさらに含む、実施形態36に記載の方法。
[38] 被験体における単クローン性ガンマグロブリン血症の治療をモニタリングする方法であって、
a. 治療前に得られた被験体の第1のサンプルを提供するステップ;
b. 治療中又は治療後に得られた被験体の第2のサンプルを提供するステップ;
c. 第1のサンプル及び第2のサンプルを質量分析技術に供して、第1のサンプル及び第2のサンプルの質量スペクトルを得るステップ;
d. 第1のサンプル及び第2のサンプル中の少なくとも1つの遊離κ免疫グロブリン軽鎖又は少なくとも1つの遊離λ免疫グロブリン軽鎖の濃度を決定するステップ; 及び
e. 第1のサンプル及び第2のサンプル中の少なくとも1つの遊離κ免疫グロブリン軽鎖又は少なくとも1つの遊離λ免疫グロブリン軽鎖の濃度を比較するステップ
を含む、方法。
[39] 第1のサンプル及び第2のサンプルを質量分析技術に供する前に、免疫グロブリン遊離軽鎖を含む第1のサンプル及び第2のサンプルを還元剤と接触させることをさらに含む、実施形態38に記載の方法。

Claims (28)

  1. サンプル中の1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖を同定する方法であって、
    a. サンプルを提供するステップ;
    b. サンプルをトップダウン質量分析技術に供して、サンプルの質量スペクトルを得るステップ;
    c. 1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の存在を同定するステップ、及び
    d.サンプル中の1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の濃度を測定するステップ、
    を含
    サンプルが、血清サンプル、脳脊髄液サンプル、又は全血サンプルである、方法。
  2. サンプルが、免疫グロブリン遊離軽鎖を含むことが推測される、請求項1に記載の方法。
  3. 1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖が、遊離κ軽鎖、遊離λ軽鎖、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 免疫グロブリン遊離軽鎖が、遊離κ軽鎖である、請求項1に記載の方法。
  5. 少なくとも2種の遊離κ軽鎖を同定することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 免疫グロブリン遊離軽鎖が、遊離λ軽鎖である、請求項1に記載の方法。
  7. 少なくとも2種の遊離λ軽鎖を同定することを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖が、グリコシル化免疫グロブリン遊離軽鎖、システイン化免疫グロブリン遊離軽鎖、及びグルタチオン化免疫グロブリン遊離軽鎖のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の同定が、多クローン性バックグラウンドの存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
  10. 少なくとも1つの免疫グロブリン遊離軽鎖二量体を同定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  11. サンプルを質量分析技術に供する前に、サンプルを還元剤と接触させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  12. 還元剤が、ジチオスレイトール(DTT)、還元型グルタチオン、β-メルカプトエタノール、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩、システイン、2-メルカプトエチルアミン、3-メルカプトプロピオン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 還元剤がジチオスレイトールである、請求項11に記載の方法。
  14. サンプルを還元剤と接触させることを含まない、請求項1に記載の方法。
  15. サンプルを精製することを含まない、請求項1に記載の方法。
  16. 質量分析技術がLC-MS/MSである、請求項1に記載の方法。
  17. LC-MS/MS技術が、四重極飛行時間型質量分析計を含む、請求項16に記載の方法。
  18. サンプルが単一の被験体に由来し、前記方法が被験体における障害を診断することを補助することをさらに含み、障害が形質細胞疾患である、請求項1に記載の方法。
  19. サンプルが単一の被験体に由来し、前記方法が被験体における障害を診断することを補助することをさらに含み、障害が多発性骨髄腫又は軽鎖アミロイドーシスのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
  20. サンプルが単一の被験体に由来し、前記方法が被験体における障害を診断することを補助することをさらに含み、障害が、多発性骨髄腫、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症、B細胞慢性リンパ性白血病、ワルデンストレームマクログロブリン血症、アミロイド軽鎖アミロイドーシス、又は非分泌型骨髄腫のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
  21. サンプルが単一の被験体に由来し、前記方法が被験体において自己免疫応答を単クローン性ガンマグロブリン血症から区別することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  22. サンプル中の1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖を同定する方法であって、
    a. サンプルを提供するステップ;
    b. サンプルを還元剤と接触させるステップ;
    c. サンプルをトップダウン質量分析技術に供して、サンプルの質量スペクトルを得るステップ;
    d. 1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の存在を同定するステップ、及び
    e. 該1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の濃度を測定するステップ、
    を含
    サンプルが、血清サンプル、脳脊髄液サンプル、又は全血サンプルである、方法。
  23. 被験体における障害を診断することを補助する方法であって、
    a. 被験体由来のサンプルを提供するステップ;
    b. サンプルをトップダウン質量分析技術に供して、サンプルの質量スペクトルを得るステップ;
    c. 1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の存在を同定するステップ、及び
    d. 該1つ以上の免疫グロブリン遊離軽鎖の濃度を測定するステップ、
    を含
    サンプルが、血清サンプル、脳脊髄液サンプル、又は全血サンプルである、方法。
  24. 障害が、多発性骨髄腫、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症、B細胞慢性リンパ性白血病、ワルデンストレームマクログロブリン血症、アミロイド軽鎖アミロイドーシス、非分泌型骨髄腫及びそれらの組み合わせから選択される、請求項23に記載の方法。
  25. 被験体における単クローン性ガンマグロブリン血症を診断することを補助する方法であって、
    a. 被験体由来のサンプルを提供するステップ;
    b. サンプルをトップダウン質量分析技術に供して、サンプルの質量スペクトルを得るステップ;
    c. サンプル中の少なくとも1つの遊離κ免疫グロブリン軽鎖又は少なくとも1つの遊離λ免疫グロブリン軽鎖の濃度を決定するステップ;
    d. サンプル中の少なくとも1つの遊離κ免疫グロブリン軽鎖又は少なくとも1つの遊離λ免疫グロブリン軽鎖の濃度を比較するステップ、及び
    e. 1つ以上の遊離κ免疫グロブリン軽鎖又は1つ以上の遊離λ免疫グロブリン軽鎖の同定に基づいて、被験体における単クローン性ガンマグロブリン血症を診断するステップ
    を含み、
    サンプルが、血清サンプル、脳脊髄液サンプル、又は全血サンプルである、方法。
  26. サンプルを質量分析技術に供する前に、免疫グロブリン遊離軽鎖を含むサンプルを還元剤と接触させることをさらに含む、請求項25に記載の方法。
  27. 被験体における単クローン性ガンマグロブリン血症の治療をモニタリングすることを補助する方法であって、
    a. 治療前に得られた被験体の第1のサンプルを提供するステップ;
    b. 治療中又は治療後に得られた被験体の第2のサンプルを提供するステップ;
    c. 第1のサンプル及び第2のサンプルをトップダウン質量分析技術に供して、第1のサンプル及び第2のサンプルの質量スペクトルを得るステップ;
    d. 第1のサンプル及び第2のサンプル中の少なくとも1つの遊離κ免疫グロブリン軽鎖又は少なくとも1つの遊離λ免疫グロブリン軽鎖の濃度を決定するステップ; 及び
    e. 第1のサンプル及び第2のサンプル中の少なくとも1つの遊離κ免疫グロブリン軽鎖又は少なくとも1つの遊離λ免疫グロブリン軽鎖の濃度を比較するステップ
    を含み、
    サンプルが、血清サンプル、脳脊髄液サンプル、又は全血サンプルである、方法。
  28. 第1のサンプル及び第2のサンプルを質量分析技術に供する前に、免疫グロブリン遊離軽鎖を含む第1のサンプル及び第2のサンプルを還元剤と接触させることをさらに含む、請求項27に記載の方法。
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