以下に図面を参照して、この発明にかかる電子機器の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
(実施の形態にかかる電子時計の外観)
図1は、実施の形態にかかる電子時計の外観の一例を示す図である。図1に示すように、実施の形態にかかる電子時計100は、電子時計100の外装をなすケース(外装ケース)101を備えている。ケース101は、たとえば、金属材料を用いて形成され、両端が開口した略円筒形状をなす。
ケース101の一端側(表側)には、当該表側の開口を閉塞する風防ガラス102と、風防ガラス102の周縁を支持するベゼル103と、が設けられている。風防ガラス102は、たとえば、透明なガラス材料を用いて形成され、略円板形状をなす。ベゼル103は、たとえば、金属材料を用いて形成され、風防ガラス102の直径と略同一の内径の環形状をなす。ケース101の他端側(裏側)には、当該裏側の開口を閉塞する裏蓋部材が設けられている。
ケース101には、操作部104が設けられている。操作部104は、たとえば、竜頭や操作ボタンなどによって実現することができる。操作部104は、使用者による操作を受け付けた場合、操作内容に応じた信号を制御回路(図2を参照)に対して出力する。制御回路は、操作部104が受け付けた操作入力の内容に応じて、衛星信号の受信処理などの処理を実行する。
ケース101の内側には、文字板105が設けられている。文字板105には、時刻指示針106の位置すなわち時刻を示すインデックス(指標)107が設けられている。時刻指示針106は、文字板105に設けられ、具体的には、たとえば、時針、分針、秒針などによって実現することができる。時刻指示針106は、文字板105の中心を回転中心として回転可能な状態で文字板105に設けられている。インデックス107は、時刻指示針106の軸心を中心とする円周上に配置されている。
また、文字板105には、アンテナによる衛星信号の受信制御に関する情報を表示するためのマーカー108が配置されている。マーカー108は、たとえば、衛星信号の受信中であることを示す「RX」や、アンテナによる衛星信号の受信処理の成否を示す「NO」や「OK」などの文字列、および、当該文字列が示す各位置を示す記号によって実現することができる。
ケース101と裏蓋部材と文字板105とによって囲まれる空間には、時刻指示針106を回転駆動する輪列やモータなどによって構成される駆動機構(図2を参照)が設けられている。時刻指示針106は、輪列を介してモータに連結されており、当該モータの駆動力を受けて回転する。電子時計100は、文字板105の表面側において、駆動機構によって時刻指示針106を回転駆動し、インデックス107に対する時刻指示針106の位置によって、現在の時刻をアナログ表示する。電子時計100においては、文字板105、時刻指示針106、インデックス107、輪列、モータなどによって時刻表示部109が構成される。
また、文字板105には、電子時計100の充電状態を示すインジケーター110が設けられている。たとえば、インジケーター110は、電源(二次電池、図2を参照)の充電状態を示す目盛り111と、電源の充電電圧に応じて変位する機能指示針112と、を備える。
(実施の形態にかかる電子時計のハードウェア構成)
図2は、実施の形態にかかる電子時計のハードウェア構成を示す説明図である。図2に示すように、実施の形態にかかる電子時計100は、アンテナ201と、受信回路202と、制御回路203と、電源204と、昇圧部205と、ソーラーセル206と、発電検出制御部207と、検出用抵抗208と、駆動機構209と、時刻表示部109と、スイッチ210と、スイッチ211と、表示画面212と、通信インタフェース214と、アンテナ215と、を備えている。
アンテナ201、受信回路202、制御回路203、電源204、昇圧部205、ソーラーセル206、発電検出制御部207、検出用抵抗208、駆動機構209、スイッチ210、スイッチ211、通信インタフェース214、アンテナ215は、たとえば、ケース101と裏蓋部材と文字板105とによって囲まれる空間内に設けられている。
アンテナ201は、複数のGPS(Global Positioning System)衛星から送信される衛星信号を受信する。たとえば、アンテナ201は、GPS衛星から送信される、周波数が約1.6[GHz]の電波を受信するパッチアンテナによって実現することができる。GPS衛星は、それぞれ、地球の周回軌道を周回しており、高精度の原子時計を搭載し、当該原子時計によって計時された時刻情報を含んだ衛星信号を周期的に送信する。
また、アンテナ201は、所定の送信局から送信される標準電波を受信してもよい。標準電波は、標準時と周波数の国家標準または国際標準として政府や国際機関が放送している電波であって、たとえば、JJYなどの標準周波数報時局から送信され、タイムコードが重畳されている。
受信回路202は、アンテナ201によって受信された衛星信号を復号して、復号の結果得られる衛星信号の内容を示すビット列(受信データ)を出力する。たとえば、受信回路202は、高周波回路(RF回路)202aとデコード回路202bとを含んで構成されている。高周波回路202aは、高周波数で動作する集積回路であって、アンテナ201が受信したアナログ信号に対して増幅および検波をおこなって、ベースバンド信号に変換する。デコード回路202bは、ベースバンド処理をおこなう集積回路であって、高周波回路202aが出力するベースバンド信号を復号してGPS衛星から受信したデータの内容を示すビット列を生成し、制御回路203に対して出力する。
制御回路203は、演算部203aと、ROM(Read Only Memory)203bと、RAM(Random Access Memory)203cと、RTC(Real Time Clock)203dと、モータ駆動回路203eと、表示制御部213と、を含む制御部である。たとえば、制御回路203は、マイクロコンピュータによって実現することができる。
演算部203aは、ROM203bに格納された各種の制御プログラムに従って各種の情報処理をおこなう。RAM203cは、演算部203aのワークメモリとして機能し、演算部203aの処理対象となるデータが書き込まれる。RTC203dは、演算部203aに対して、電子時計100の内部での計時に使用されるクロック信号を出力する。
演算部203aは、RTC203dが出力したクロック信号に基づいて内部時刻を計時する。また、演算部203aは、計時した内部時刻を、受信回路202によって受信された衛星信号に基づいて修正し、時刻表示部109に表示すべき時刻(表示時刻)を決定する。モータ駆動回路203eは、演算部203aが決定した表示時刻に応じて、駆動機構209に対して駆動信号を出力する。
駆動機構209は、モータ駆動回路203eから出力される駆動信号に応じて動作するモータや輪列を含んで構成することができる。モータは、たとえば、ステップモータによって実現することができ、モータ駆動回路203eから出力される駆動パルスに応じた正転(右回り)または逆転(左回り)の回転動作をおこなう。駆動機構209は、ステップモータの回転を、輪列を介して時刻指示針106に伝達することによって時刻指示針106を回転させる。
電子時計100においては、演算部203aが決定した表示時刻に応じた駆動信号を駆動機構209に対して出力すると、モータが駆動され、当該モータに連結された輪列を介して時刻指示針106が回動する。これにより、時刻表示部109において、制御回路203によって生成された表示時刻を表示することができる。
電源204は、受信回路202や制御回路203など、電子時計100が備える各部に電力を供給する蓄電部である。電源204は、たとえば、リチウムイオン電池などの二次電池によって実現することができる。電源204としての二次電池は、化学エネルギーを電気エネルギーに変換(放電)することにより、電子時計100が備える各部に電力を供給する電源204(化学電池)であって、放電に加えて、電気エネルギーを化学エネルギーに変換することにより蓄電(充電)することができる。
電源204は、ソーラーセル206(太陽電池)によって発電された電力を蓄積(蓄電)する。電子時計100は、電源204の電圧値(電源204の電圧値)を検出する電圧センサ(電圧検出部)を備えている。当該電圧センサの出力値(電源204の電圧値)は演算部203aに出力される。
スイッチ210は、電源204から受信回路202への電力供給路の途中に設けられており、制御回路203から出力される制御信号にしたがってオン/オフが切り換えられる。電子時計100においては、制御回路203によりスイッチ210のオン/オフを切り換えることにより、受信回路202の動作タイミングを制御することができる。受信回路202は、スイッチ210を介して電源204から電力が供給されている間だけ動作して、アンテナ201が受信した衛星信号の復号をおこなう。
ソーラーセル206は、文字板105の裏蓋側に配置されており、風防ガラス102を介して文字板105に入射する太陽光などの受光によって発電し、発電した電力を電源204に出力する発電部である。昇圧部205は、制御回路203によって駆動制御され、ソーラーセル206が発電した電力における電圧を昇圧して電源204に出力する。昇圧部205は、たとえば、DC/DCコンバータによって構成することができる。
スイッチ211は、ソーラーセル206から電源204への電力供給路の途中(ソーラーセル206と昇圧部205との間)に配置されている。スイッチ211は、制御回路203からの制御信号に応じて、ソーラーセル206の接続先を電源204(昇圧部205)または検出用抵抗208に切り換える。
制御回路203は、電源204への蓄電をおこなう際は、ソーラーセル206と電源204とをスイッチ211を介して接続する。また、制御回路203は、ソーラーセル206の発電量を検出する際には、ソーラーセル206と電源204との接続を切り離し、ソーラーセル206と検出用抵抗208とをスイッチ211を介して接続する。
発電検出制御部207は、スイッチ211および検出用抵抗208を介してソーラーセル206に接続され、ソーラーセル206に接続されている状態において、ソーラーセル206の発電量を検出する。たとえば、発電検出制御部207は、検出用抵抗208を介して、ソーラーセル206から昇圧部205を介して電源204に流れる電流値を計測することによりソーラーセル206の発電量を検出する。
表示画面212は、たとえば、LCD(Liquid Crystal Display)によって実現することができる。表示画面212は、LCDに代えて、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイを用いてもよい。表示制御部213は、制御回路203から出力される制御信号にしたがって、表示画面212を駆動制御する。表示画面212は、表示制御部213によって駆動制御されて、たとえば、発電量の積算値を表示する。
表示画面212は、発電量の積算値を直接表示するものに限らない。表示画面212は、発電量の積算値を直接表示することに代えて、あるいは加えて、たとえば、現状の発電量に基づき、充電が完了するまでにかかる時間(残り時間)を表示してもよい。また、積算値表示部は、発電量の積算値を直接表示することに代えて、あるいは加えて、現状の電圧値(充電量)で、外部電波を受信することが可能な回数(受信回数)を表示するようにしてもよい。また、積算値表示部は、受信する外部電波の種類ごとに、表示内容を変更してもよい。
また、電子時計100は、LED、LED駆動回路、アラーム、アラーム駆動回路などを備えていてもよい。LED駆動回路は、LEDを駆動してバックライトとして表示画面を照明したり、警告光を出力したりする。LEDの代わりに、EL、ランプなどを用いてもよい。アラーム駆動回路は、アラーム駆動回路が搭載する圧電素子を駆動して、アラーム(ブザー)を出力する。アラーム駆動回路は、告知の種類によって、音の種類、高さ、音量などを変えて出力してもよい。
通信インタフェース214は、アンテナ215を介して他端末との間で無線通信をおこなう通信部である。通信インタフェース214は、たとえば制御回路203によって制御される。また、通信インタフェース214は、一例としてはBluetooth(登録商標)の無線通信に対応する。
図2においては、制御回路203からの制御信号に応じて、スイッチ211によりソーラーセル206の接続先を電源204(昇圧部205)または検出用抵抗208に切り換えるようにしたが、このような構成に限らない。
たとえば、スイッチ211を省いた構成とし、ソーラーセル206と電源204(昇圧部205)、および、ソーラーセル206と検出用抵抗208とが常時接続されていてもよい。この場合は、発電量の検出時には、制御回路203からの制御によって昇圧部205を停止させる。
あるいは、スイッチ211に代えて、ソーラーセル206と電源204(昇圧部205)とを接続するスイッチを設け、このスイッチを、通常時はオン状態として昇圧部205における昇圧に使用するためにコンデンサに充電し、発電量の検出時にオフ状態とする。
(実施の形態にかかるソーラーセルの発電量の検出にかかる構成)
図3は、実施の形態にかかるソーラーセルの発電量の検出にかかる構成を示す説明図である。図3において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。ソーラーセル206の発電量を検出する発電量検出部は、発電検出制御部207および検出用抵抗208により実現される。
図3に示すように、検出用抵抗208は、たとえば、並列接続された、抵抗値の異なる複数の抵抗を備えている。図3に示す例においては、抵抗ランクが「1」のR0抵抗、抵抗ランクが「2」のR1抵抗、抵抗ランクが「3」のR2抵抗、抵抗ランクが「4」のR3抵抗、抵抗ランクが「5」のR4抵抗、抵抗ランクが「6」のR5抵抗、抵抗ランクが「7」のR6抵抗の7つの抵抗を備えている。抵抗ランクの数値が大きいほど、大きい抵抗値が設定されている。
これらの抵抗には、それぞれスイッチが接続されている。発電検出制御部207は、いずれか一つの抵抗値に電流が流れるように各スイッチのオン/オフを切り換える。各スイッチは、それぞれ、一端が各抵抗に接続され、他端が電源204に接続されている。各スイッチは、オンされた状態で電源電圧(VDD)が印加される。
発電によりソーラーセル206が出力する電流値は、ソーラーセル206が受ける光の量により変動する。発電検出制御部207は、発電量の検出に際して、ソーラーセル206と検出用抵抗208とを接続した状態において、検出用抵抗208におけるいずれか一つの抵抗のスイッチをオン状態とし、電源204の電圧値が、予め定められた検出閾値を上回るか下回るかを抵抗ごとに判断する。そして、発電検出制御部207は、検出閾値を上回ると判断した場合に、「暗」を検出する。また、発電検出制御部207は、検出閾値を下回ると判断した場合に、「明」を検出する。
発電検出制御部207は、演算部203aから出力された発電量の検出開始の指示信号を受け付けた場合に、検出用抵抗208におけるいずれか一つの抵抗に接続されたスイッチをオン状態とし、抵抗ごとに「明」か「暗」かを検出し、検出結果に基づいて、ソーラーセル206が出力する電流値(発電量)に応じた発電量ランク情報を出力する。
(実施の形態にかかる発電量ランク情報の出力にかかる発電検出制御部の処理)
図4は、実施の形態にかかる発電量ランク情報の出力にかかる発電検出制御部の処理を示すフローチャートである。図4において、発電検出制御部207は、まず、図3に示した各抵抗のスイッチをオフ状態として、「明」を検出したか否かを判断する(ステップS401)。「明」を検出していない場合(ステップS401:No)、発電検出制御部207は、発電量ランク(発電量ランク)を「0」に決定する(ステップS431)。
ステップS401において、「明」を検出した場合(ステップS401:Yes)、発電検出制御部207は、抵抗R3のスイッチをオン状態とすることにより抵抗ランクを「4」に設定し(ステップS402)、所定時間(たとえば250[ms])待機する(ステップS403:Noのループ)。そして、抵抗ランクが「4」の状態において所定時間が経過した場合(ステップS403:Yes)、発電検出制御部207は、「明」を検出したか否かを判断する(ステップS404)。
ステップS404において、「明」を検出した場合(ステップS404:Yes)、発電検出制御部207は、抵抗R5のスイッチをオン状態とすることにより抵抗ランクを「6」に設定し(ステップS405)、所定時間待機する(ステップS406:Noのループ)。そして、抵抗ランクが「6」の状態において所定時間が経過した場合(ステップS406:Yes)、発電検出制御部207は、「明」を検出したか否かを判断する(ステップS407)。
ステップS407において、「明」を検出した場合(ステップS407:Yes)、発電検出制御部207は、抵抗R6のスイッチをオン状態とすることにより抵抗ランクを「7」に設定し(ステップS408)、所定時間待機する(ステップS409:Noのループ)。そして、抵抗ランクが「7」の状態において所定時間が経過した場合(ステップS409:Yes)、発電検出制御部207は、「明」を検出したか否かを判断する(ステップS410)。
ステップS410において、「明」を検出した場合(ステップS410:Yes)、発電検出制御部207は、発電量ランクを「8」に決定する(ステップS411)。一方、ステップS410において、「明」を検出していない場合(ステップS410:No)、発電検出制御部207は、発電量ランクを「7」に決定する(ステップS412)。
ステップS407において、「明」を検出していない場合(ステップS407:No)、発電検出制御部207は、抵抗R4のスイッチをオン状態とすることにより抵抗ランクを「5」に設定し(ステップS413)、所定時間待機する(ステップS414:Noのループ)。そして、抵抗ランクが「5」の状態において所定時間が経過した場合(ステップS414:Yes)、発電検出制御部207は、「明」を検出したか否かを判断する(ステップS415)。
ステップS415において、「明」を検出した場合(ステップS415:Yes)、発電検出制御部207は、発電量ランクを「6」に決定する(ステップS416)。一方、ステップS415において、「明」を検出していない場合(ステップS415:No)、発電検出制御部207は、発電量ランクを「5」に決定する(ステップS417)。
ステップS404において、「明」を検出していない場合(ステップS404:No)、発電検出制御部207は、抵抗R1のスイッチをオン状態とすることにより抵抗ランクを「2」に設定し(ステップS418)、所定時間待機する(ステップS419:Noのループ)。そして、発電検出制御部207は、抵抗ランクが「2」の状態において所定時間が経過した場合(ステップS419:Yes)、「明」を検出したか否かを判断する(ステップS420)。
ステップS420において、「明」を検出した場合(ステップS420:Yes)、発電検出制御部207は、抵抗R2のスイッチをオン状態とすることにより抵抗ランクを「3」に設定し(ステップS421)、所定時間待機する(ステップS422:Noのループ)。そして、発電検出制御部207は、抵抗ランクが「3」の状態において所定時間が経過した場合(ステップS422:Yes)、「明」を検出したか否かを判断する(ステップS423)。
ステップS423において、「明」を検出した場合(ステップS423:Yes)、発電検出制御部207は、発電量ランクを「4」に決定する(ステップS424)。一方、ステップS423において、「明」を検出していない場合(ステップS423:No)、発電検出制御部207は、発電量ランクを「3」に決定する(ステップS425)。
ステップS420において、「明」を検出していない場合(ステップS420:No)、発電検出制御部207は、抵抗R0のスイッチをオン状態とすることにより抵抗ランクを「1」に設定し(ステップS426)、所定時間待機する(ステップS427:Noのループ)。そして、発電検出制御部207は、抵抗ランクが「1」の状態において所定時間が経過した場合(ステップS427:Yes)、「明」を検出したか否かを判断する(ステップS428)。
ステップS428において、「明」を検出した場合(ステップS428:Yes)、発電検出制御部207は、発電量ランクを「2」に決定する(ステップS429)。一方、ステップS428において、「明」を検出していない場合(ステップS428:No)、発電検出制御部207は、発電量ランクを「1」に決定する(ステップS430)。発電検出制御部207は、発電量の検出に際して、図4に示した処理を実行し、決定した発電量ランクを示す発電量ランク情報を制御回路203(演算部203a)へ出力する。
図4に示した例では、発電量の検出に際して、発電検出制御部207は、抵抗値の中央(抵抗ランク「4」のR3抵抗)から検出をおこない、抵抗値の中央から抵抗値を大きくしていく、あるいは、抵抗値の中央から抵抗値を小さくしていくように抵抗を切り換える。これにより、もっとも抵抗値が大きい抵抗から抵抗値が小さくなる抵抗に順次切り換える場合、あるいは、もっとも抵抗値が小さい抵抗から抵抗値が大きくなる抵抗に順次切り換える場合と比較して、発電量の検出(発電量ランクの決定)にかかる時間の短縮を図ることができる。ただし、抵抗値の切り換え順序はこれに限らず任意に決定できる。
(実施の形態にかかる発電量テーブル)
図5は、実施の形態にかかる発電量テーブルの一例を示す図である。図5に示す発電量テーブル500は、上記の図4に示した処理によって決定される、ソーラーセル206の発電量に応じて定められた複数段階の発電量ランクごとに、各発電量ランクにおける仮想的な発電量(発電量ポイント)を関連付ける。発電量テーブル500は、たとえば、図2に示したROM203bに記憶される。
たとえば、発電量テーブル500は、「0」ランク〜「8」ランクまでの9段階の発電量ランクと、各発電量ランクにおける発電量ポイントと、を関連付けて記憶している。図5に示す例では、「0」ランクにおける発電量ポイントは0、「1」ランクにおける発電量ポイントは1、「2」ランクにおける発電量ポイントは2、「3」ランクにおける発電量ポイントは4、「4」ランクにおける発電量ポイントは8とされている。また、「5」ランクにおける発電量ポイントは16、「6」ランクにおける発電量ポイントは32、「7」ランクにおける発電量ポイントは64、「8」ランクにおける発電量ポイントは128とされている。
制御回路203(演算部203a)は、発電検出制御部207から出力された発電量ランク情報が示す発電量ランクに対応する発電量ポイントを発電量テーブル500から判定することで、電子時計100における現在の発電量を検出することができる。
(実施の形態にかかる電子時計の各動作状態)
図6は、実施の形態にかかる電子時計の各動作状態の例を示す図である。図6に示す動作状態テーブル600は、電圧ランクと、電圧閾値と、動作状態と、の関係を示すテーブルである。たとえば、動作状態テーブル600の電圧ランクは、電源204の電圧値(出力電圧)のインデックスである。動作状態テーブル600の電圧閾値は、各電圧ランクの境界となる、電源204の電圧値の閾値である。
動作状態テーブル600の各動作状態は、充電に関する電子時計100の状態である。各通常状態は、後述の充電警告状態およびパワーブレイク状態と比べて電源204の残容量が多い状態であり、電子時計100が後述の2秒運針をおこなわない状態である。各通常状態のうち、通常状態(過充電防止)は、電源204が満充電に近く、電子時計100が、過充電を防止するために電源204の充電を停止する状態である。
通常状態(通常使用H)は、通常状態(過充電防止)より電源204の残容量が少なく、電子時計100が電源204の充電をおこなう状態である。通常状態(通常使用M)は、通常状態(通常使用H)より電源204の残容量が少なく、電子時計100が電源204の充電をおこなう状態である。通常状態(通常使用L)は、通常状態(通常使用M)より電源204の残容量が少なく、電子時計100が電源204の充電をおこなう状態である。通常状態(過充電防止)、通常状態(通常使用H)、通常状態(通常使用M)および通常状態(通常使用L)において、電子時計100の各機能は制限されない。
通常状態(連続通信禁止)は、通常状態(通常使用L)より電源204の残容量が少なく、電子時計100が電源204の充電をおこなう状態である。通常状態(連続通信禁止)において、電子時計100は、他端末との連続通信が禁止される。他端末との連続通信とは、たとえば、図2に示した通信インタフェース214において、他端末との間でデータ伝送をおこなっていない間もその他端末との間で無線接続を維持することである。
充電警告状態は、通常状態(連続通信禁止)よりも残容量が低下し、さらに残容量が低下すると電子時計100がパワーブレイク状態へ遷移する状態であって、上述の各通常状態よりも電子時計100の機能が制限される状態である。充電警告状態において、電子時計100は、上述した時刻表示等の動作をおこなうとともに、使用者に対して電源204の残容量の低下に関する所定の通知をおこなう。
この所定の通知は、一例としては、時刻指示針106の秒針を、2秒刻みに動かすことで使用者への通知をおこなう2秒運針である。ただし、この所定の通知は、2秒運針に限らず、時刻指示針106の他の運針、機能指示針112の運針、表示画面212による通知、音声、発光、振動等による通知、通信インタフェース214により使用者が所有する情報端末へ情報を送信することによる通知など各種の通知とすることができる。
また、所定の通知による通知内容は、電源204の残容量が低下していることでもよいし、このままでは電子時計100が後述のパワーブレイク状態へ遷移することでもよいし、電源204の充電を要することでもよいし、電子時計100の明るい所への移動を要することでもよいし、電子時計100への光の照射を要することでもよい。
パワーブレイク状態は、充電警告状態より残容量がさらに低下し、電子時計100の動作に十分な残容量がない状態であって、上述の充電警告状態よりも電子時計100の機能が制限される状態である。たとえば、パワーブレイク状態において、電子時計100は、制御回路203による各ハードウェアの制御を停止する。各ハードウェアの制御には、たとえば、受信回路202、駆動機構209、表示画面212、通信インタフェース214などの制御が含まれる。
たとえば、電子時計100は、上述の電圧センサにより電源204の電圧値を検出し、検出結果と電圧閾値とを比較することにより電源204の電圧ランクを判定する。たとえば、電源204の電圧値が2.40[V]未満の場合は電圧ランクが0、電源204の電圧値が2.40[V]以上2.45[V]未満の場合は電圧ランクが1、電源204の電圧値が2.45[V]以上2.50[V]未満の場合は電圧ランクが2、…のように判定される。
そして、電子時計100は、判定した電圧ランクに応じて、動作状態テーブル600においてその電圧ランクと対応付けられている動作状態へ遷移する。たとえば、電子時計100は、電源204の電圧値が2.47[V]の場合は通常状態(連続通信禁止)に遷移するが、その通常状態(連続通信禁止)において電源204の電圧値が2.45[V]を下回ると充電警告状態へ遷移する。また、電子時計100は、充電警告状態において電源204の電圧値が2.40[V]を下回るとパワーブレイク状態へ遷移する。また、電子時計100は、パワーブレイク状態において電源204の電圧値が2.40[V]に達すると充電警告状態へ遷移(復帰)する。
ただし、電子時計100は、充電警告状態から通常状態(連続通信禁止)への遷移(復帰)については、上述した発電量の積算量に基づいて、または、電源204の電圧値および上述した発電量の積算量に基づいておこなう。発電量の積算量に基づく充電警告状態から通常状態(連続通信禁止)への復帰については後述する。これらの状態遷移の制御は、たとえば図2に示した演算部203aによりおこなわれる。
また、パワーブレイク状態から充電警告状態への遷移の条件に、電源204の電圧値が電圧閾値(たとえば2.40[V])に達することに加えて、現在の電子時計100の周辺の照度が一定値(一例としては300[lx])以上であることも含めてもよい。この場合に、電子時計100は、電子時計100の周辺の照度を検出し、検出結果を制御回路203に通知する照度センサを備える。
これにより、充電警告状態に復帰した場合にどの程度の充電がおこなわれる(充電が継続する)かを予測して充電警告状態への復帰を判断することができる。このため、薄暗い場所などの充電に適さない環境で、分極によって電圧が上がってしまった場合において、充電警告状態を開始することで消電が大きくなり、充電収支がマイナスになってしまうことを抑制することができる。
(実施の形態にかかる電子時計の状態遷移)
図7は、実施の形態にかかる電子時計の状態遷移の例を示す図である。図7において、縦軸は電源204の残容量を示す。電子時計100は、電源204の残容量に応じて、たとえば図7に示す通常状態710、充電警告状態720およびパワーブレイク状態730に遷移可能である。
通常状態710は、電源204の残容量が十分な状態である。通常状態710には、たとえば図6に示した通常状態(過充電防止)、通常状態(通常使用H)、通常状態(通常使用M)、通常状態(通常使用L)および通常状態(連続通信禁止)が含まれる。通常状態710において、電子時計100は、上述した時刻表示等の動作をおこない、上述した電源204の残容量の低下に関する所定の通知をおこなわない。
充電警告状態720は、たとえば図6に示した充電警告状態である。充電警告状態720には、充電警告1および充電警告2の2つのモードがある。充電警告1は、状態遷移731に示すように通常状態710から充電警告状態720へ遷移した場合に設定されるモードである。充電警告2は、状態遷移732に示すようにパワーブレイク状態730から充電警告状態720へ遷移した場合に設定されるモードである。パワーブレイク状態730は、たとえば図6に示したパワーブレイク状態である。
上述のように、通常状態710から充電警告状態720への遷移、充電警告状態720からパワーブレイク状態730への遷移およびパワーブレイク状態730から充電警告状態720への遷移は、電源204の電圧値の検出結果に基づいておこなわれる。また、充電警告状態720から通常状態710への遷移(復帰)は、発電量の検出結果に基づいておこなわれる。
(実施の形態にかかる充電警告状態から通常状態への復帰に要する充電量)
図8は、実施の形態にかかる充電警告状態から通常状態への復帰に要する充電量の例を示す図である。図8に示す例では、電子時計100は、充電警告状態720から通常状態710へ復帰する場合に、上述の受信回路202による衛星信号の受信と、受信した衛星信号に基づく時刻修正に伴う時刻指示針106の運針と、を1回ずつおこなう。また、電子時計100は、各種のタイミングで、上述のアラーム駆動回路による使用者へのアラーム出力をおこなう。また、電子時計100は、充電警告状態720が3日以上継続した場合はパワーブレイク状態730へ遷移する(たとえば図10参照)。
復帰充電量810は、電子時計100が通常状態710から充電警告状態720(充電警告1)へ遷移した場合に、充電警告状態720(充電警告1)から通常状態710へ復帰するための充電量である。たとえば、復帰充電量810は、推定電力811〜813の合計値とすることができる。
推定電力811は、たとえば電子時計100が1回のアラーム出力に要する電力である。たとえば、電子時計100が通常状態710から充電警告状態720(充電警告1)に遷移する直前にアラーム出力をおこなった場合は、電子時計100が充電警告状態720へ遷移した時点で推定電力811が消費されている。したがって、充電警告状態720(充電警告1)から通常状態710への復帰には推定電力811の補填を要する。
推定電力812は、電子時計100が通常状態710から充電警告状態720(充電警告1)に遷移してから2秒運針により消費したと推定される電力である。電子時計100が通常状態710から充電警告状態720(充電警告1)に遷移してからの時間経過により推定電力812が消費されている。したがって、充電警告状態720(充電警告1)から通常状態710への復帰には推定電力812の補填を要する。一例としては、充電警告状態720(充電警告1)から通常状態710への復帰に1日を要すると仮定し、推定電力812を、電子時計100の充電警告状態720における2秒運針の1日分の消費電力とすることができる。
推定電力813は、たとえば電子時計100が1回の衛星信号の受信および1回の時刻指示針106の運針に要する電力である。上述のように、電子時計100は、充電警告状態720から通常状態710へ復帰する場合に、衛星信号の受信および時刻指示針106の運針を1回ずつおこなう。したがって、充電警告状態720(充電警告1)から通常状態710への復帰には推定電力811を予め充電しておくことを要する。
電子時計100は、通常状態710から充電警告状態720(充電警告1)へ遷移した場合に、充電警告状態720(充電警告1)へ遷移してからの充電量が復帰充電量810に達すると通常状態710へ復帰する。これにより、電子時計100は、通常状態710から充電警告状態720(充電警告1)へ遷移する直前に発生した可能性がある1回のアラーム出力による消費電力と、充電警告状態720(充電警告1)における2秒運針による消費電力と、を補填し、さらに、通常状態710へ復帰する際に衛星信号の受信および時刻指示針106の運針を1回ずつおこなうための電力を予め充電した状態で通常状態710へ復帰することができる。したがって、電子時計100が充電警告状態720(充電警告1)から通常状態710へ復帰した直後に電源204の充電量が不足して充電警告状態720へ戻ることを抑制することができる。
復帰充電量820は、電子時計100がパワーブレイク状態730から充電警告状態720(充電警告2)へ遷移した場合に、充電警告状態720(充電警告2)から通常状態710へ復帰するための充電量である。たとえば、電子時計100は出荷時には充電されており通常状態710になっている。このため、電子時計100がパワーブレイク状態730から充電警告状態720(充電警告2)に遷移した場合とは、たとえば、電子時計100が、通常状態710、充電警告状態720(充電警告1)、パワーブレイク状態730、充電警告状態720(充電警告2)の順に遷移した場合である。
したがって、たとえば、復帰充電量820は、推定電力821〜825の合計値とすることができる。推定電力821および推定電力825は、それぞれ復帰充電量810の推定電力811および推定電力813と同じである。
推定電力822は、電子時計100が通常状態710から充電警告状態720(充電警告1)に遷移してから充電警告状態720における2秒運針により消費したと推定される電力である。電子時計100が通常状態710から充電警告状態720(充電警告1)であった期間において推定電力822が消費されている。したがって、充電警告状態720(充電警告2)から通常状態710への復帰には推定電力822の補填を要する。
一例としては、上述のように電子時計100は充電警告状態720が3日以上継続した場合はパワーブレイク状態730へ遷移するとするため、電子時計100が充電警告状態720(充電警告1)であった時間は最大で3日分である。このため、推定電力822は、たとえば電子時計100の充電警告状態720における3日分の2秒運針の消費電力(最大見積り)とすることができる。または、電子時計100が充電警告状態720(充電警告1)であった時間がパワーブレイク状態730においてもROM203bなどに記憶されている場合は、推定電力822は、電子時計100の充電警告状態720における2秒運針の時間当たりの消費電力に、電子時計100が充電警告状態720(充電警告1)であった時間を乗じた電力としてもよい。
推定電力823は、電子時計100が充電警告状態720(充電警告1)からパワーブレイク状態730に遷移してからパワーブレイク状態730における自己放電により消費したと推定される電力である。電子時計100がパワーブレイク状態730であった期間において推定電力823が消費されている。したがって、充電警告状態720(充電警告2)から通常状態710への復帰には推定電力823の補填を要する。
一例としては、推定電力823は、電子時計100のパワーブレイク状態730における所定時間(たとえば1年間)の自己放電の消費電力とすることができる。または、電子時計100がパワーブレイク状態730であった時間を特定可能な場合は、推定電力823は、電子時計100のパワーブレイク状態730における自己放電の時間当たりの消費電力に、電子時計100がパワーブレイク状態730であった時間を乗じた電力としてもよい。
推定電力824は、電子時計100がパワーブレイク状態730から充電警告状態720(充電警告2)に遷移してから充電警告状態720(充電警告2)における2秒運針により消費したと推定される電力である。電子時計100が通常状態710から充電警告状態720(充電警告2)に遷移してからの時間経過により推定電力824が消費されている。したがって、充電警告状態720(充電警告2)から通常状態710への復帰には推定電力824の補填を要する。一例としては、充電警告状態720(充電警告2)から通常状態710への復帰に1日を要すると仮定し、推定電力824を、電子時計100の充電警告状態720における2秒運針の1日分の消費電力とすることができる。
電子時計100は、パワーブレイク状態730から充電警告状態720(充電警告2)へ遷移した場合に、充電警告状態720(充電警告2)へ遷移してからの充電量が復帰充電量820に達すると通常状態710へ復帰する。これにより、電子時計100は、充電警告状態720(充電警告1)へ遷移する直前に発生した可能性がある1回のアラーム出力による消費電力と、充電警告状態720(充電警告1)における2秒運針による消費電力と、パワーブレイク状態730における自己放電による消費電力と、充電警告状態720(充電警告2)における2秒運針による消費電力と、を補填し、さらに、通常状態710へ復帰する際に衛星信号の受信および時刻指示針106の運針を1回ずつおこなうための電力を予め充電した状態で通常状態710へ復帰することができる。したがって、電子時計100が充電警告状態720(充電警告2)から通常状態710へ復帰した直後に電源204の充電量が不足して充電警告状態720へ戻ることを抑制することができる。
図8に示したように、電子時計100は、通常状態710から充電警告状態720(充電警告1)へ遷移した場合は、パワーブレイク状態730から充電警告状態720(充電警告2)へ遷移した場合よりも、通常状態710へ復帰するための充電量を少なくする。
これにより、パワーブレイク状態730から遷移したことにより初期の残容量が少ない充電警告状態720(充電警告2)の状態に比べて、通常状態710から遷移したことにより初期の残容量が多い充電警告状態720(充電警告1)からは、少ない積算発電量により通常状態710へ復帰することができる。したがって、電子時計100は、通常状態710において電源204の電圧値が低下したことにより通常状態710より機能が制限された充電警告状態720(充電警告1)へ遷移した場合に、通常状態710へ早期に復帰することができる。
一方、初期の残容量が多い充電警告状態720(充電警告1)に比べて、初期の残容量が少ない充電警告状態720(充電警告2)の状態からは、より多くの充電をおこなってから通常状態710へ復帰することができる。したがって、電子時計100は、充電警告状態720から通常状態710への復帰の直後に充電警告状態720へ切り戻って再度機能が制限されることを抑制することができる。
(実施の形態にかかる充電警告状態から通常状態への復帰に要する充電量の変化の例)
図9は、実施の形態にかかる充電警告状態から通常状態への復帰に要する充電量の変化の例を示す図である。図9において、図8に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図8に示した例では、現在の充電警告状態720における消費電力である推定電力812,824として、充電警告状態720における2秒運針の1日分の消費電力を見積もっていたが、充電警告状態720に遷移してから1日が経過した場合は、推定電力812,824の見積もりを増加させてもよい。
たとえば、充電警告状態720に遷移してから1日が経過した場合は、図9に示すように、推定電力812,824としてそれぞれ充電警告状態720における2秒運針の2日分の消費電力を見積もる。その結果、復帰充電量810および復帰充電量820は、それぞれ充電警告状態720における2秒運針の1日分の消費電力だけ増加する。同様に、また、充電警告状態720に遷移してから2日が経過した場合は、推定電力812,824としてそれぞれ充電警告状態720における2秒運針の3日分の消費電力を見積もる。
図9に示したように、電子時計100は、充電警告状態720に遷移してからの経過時間に応じて、その充電警告状態720から通常状態710への復帰のための充電量を増加させてもよい。これにより、充電警告状態720において、積算発電量が、その充電警告状態720において消費された電力を補填する量となるまで充電をおこなってから通常状態710へ復帰することができる。このため、充電警告状態720の継続時間が長くなっても、その分の消費電力を補填してから通常状態710へ復帰することができるため、通常状態710への復帰の直後に充電警告状態720へ切り戻って再度機能が制限されることを抑制することができる。
また、図8,図9において、復帰充電量810および復帰充電量820をそれぞれ推定電力811〜813および推定電力821〜825の合計値とする構成について説明したが、このような構成に限らない。たとえば、電子時計100が充電警告状態720から通常状態710へ復帰する場合に衛星信号の受信および時刻指示針106の運針をおこなわない場合は、復帰充電量810から推定電力813を省き、復帰充電量820から推定電力825を省いてもよい。また、電子時計100が通常状態(連続通信禁止)においてアラーム出力をおこなわない場合やアラーム出力の消費電力が小さい場合は、復帰充電量810から推定電力811を省き、復帰充電量820から推定電力821を省いてもよい。
また、電子時計100が通常状態710から充電警告状態720へ遷移する直前にアラーム出力以外の消費電力が大きい動作をおこなう可能性がある場合は、復帰充電量810および復帰充電量820にその動作の消費電力を加えてもよい。また、電子時計100が充電警告状態720から通常状態710へ復帰する場合に衛星信号の受信および時刻指示針106の運針以外の動作をおこなう場合は、復帰充電量810および復帰充電量820にその動作の消費電力を加えてもよい。
(実施の形態にかかる電子時計による充電警告状態における処理)
図10は、実施の形態にかかる電子時計による充電警告状態における処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態にかかる電子時計100は、充電警告状態720へ遷移した場合に、たとえば図10に示す各ステップを実行する。まず、電子時計100は、この充電警告状態720への遷移がパワーブレイク状態730からの復帰であるか否かを判断する(ステップS1001)。
ステップS1001において、パワーブレイク状態730からの復帰である場合(ステップS1001:Yes)は、電子時計100は、充電量ポイントを0に設定(初期化)するとともに、充電警告状態720のモードを充電警告2に設定し(ステップS1002)、ステップS1004へ移行する。充電量ポイントは、充電警告状態720に遷移してからの電源204の充電量を仮想的に示す情報であり、たとえば図2に示したRAM203cに記憶される。
ステップS1001において、パワーブレイク状態730からの復帰でない場合(ステップS1001:No)、すなわちこの充電警告状態720への遷移が通常状態からの遷移である場合は、電子時計100は、充電量ポイントを0に設定(初期化)するとともに、充電警告状態720のモードを充電警告1に設定する(ステップS1003)。
つぎに、電子時計100は、電源204の電圧値が閾値(図6に示した例では2.40[V])未満か否かを判断する(ステップS1004)。電圧値が閾値未満である場合(ステップS1004:Yes)は、電子時計100は、後述のステップS1015へ移行してパワーブレイク状態730へ遷移する。電圧値が閾値未満でない場合(ステップS1004:No)は、電子時計100は、現在時刻が“00:00”であるか否か、すなわち日付が変わったか否かを判断する(ステップS1005)。
ステップS1005において、現在時刻が“00:00”でない場合(ステップS1005:No)は、電子時計100は、現在が発電量検出タイミングであるか否かを判断する(ステップS1006)。発電量検出タイミングは、たとえば周期的な(一例としては5分間隔の)タイミングである。現在が発電量検出タイミングでない場合(ステップS1006:No)は、電子時計100は、ステップS1004へ戻る。
ステップS1006において、現在が発電量検出タイミングである場合(ステップS1006:Yes)は、電子時計100は、ソーラーセル206による発電量を検出する(ステップS1007)。たとえば、電子時計100は、図4に示した処理により発電量ランクを判定し、判定した発電量ランクおよび図5に示した発電量テーブル500に基づいて発電量ポイントを判定する。たとえば発電量検出タイミングが5分間隔である場合は、ステップS1007において直近の5分間の発電量が推定される。
つぎに、電子時計100は、ステップS1007により検出した発電量に基づいて現在の充電量ポイントを加算する(ステップS1008)。たとえば、電子時計100は、ステップS1007により判定した発電量ポイントを、現在の充電量ポイントに加算する。つぎに、電子時計100は、ステップS1002,S1003により設定した充電警告状態720のモードが充電警告2であるか否かを判断する(ステップS1009)。
ステップS1009において、モードが充電警告2である場合(ステップS1009:Yes)は、電子時計100は、現在の充電量ポイントが充電警告2復帰閾値以上であるか否かを判断する(ステップS1010)。充電警告2復帰閾値は、たとえば図8に示した復帰充電量820に相当する充電量ポイントの値である。この場合に、充電警告2復帰閾値においては、現在の充電警告状態720(充電警告2)の消費電力については、上述のように充電警告状態720における2秒運針の1日分の消費電力が見積もられている。
ステップS1010において、充電量ポイントが充電警告2復帰閾値以上でない場合(ステップS1010:No)は、電子時計100は、ステップS1004へ戻る。充電量ポイントが充電警告2復帰閾値以上である場合(ステップS1010:Yes)は、電子時計100は、図6に示した通常状態(連続通信禁止)へ遷移し(ステップS1011)、充電警告状態720における一連の処理を終了する。
ステップS1009において、モードが充電警告2でない場合(ステップS1009:No)、すなわち充電警告状態720のモードが充電警告1である場合は、電子時計100は、現在の充電量ポイントが充電警告1復帰閾値以上であるか否かを判断する(ステップS1012)。充電警告1復帰閾値は、たとえば図8に示した復帰充電量810に相当する充電量ポイントの値である。この場合に、充電警告1復帰閾値においては、現在の充電警告状態720(充電警告1)における消費電力については、上述のように充電警告状態720における2秒運針の1日分の消費電力が見積もられている。
ステップS1012において、充電量ポイントが充電警告1復帰閾値以上でない場合(ステップS1012:No)は、電子時計100は、ステップS1004へ戻る。充電量ポイントが充電警告1復帰閾値以上である場合(ステップS1012:Yes)は、電子時計100は、ステップS1011へ移行して通常状態(連続通信禁止)へ遷移する。
ステップS1005において、現在時刻が“00:00”である場合(ステップS1005:Yes)、すなわち日付が変わった場合は、電子時計100は、現在の充電量ポイントを所定量減算する(ステップS1013)。所定量は、たとえば、充電警告状態720における2秒運針の1日分の消費電力に相当するポイントである。これにより、充電警告状態720の継続時間が、充電警告1復帰閾値および充電警告2復帰閾値において見積もられている1日よりも多くなる場合に、通常状態710への復帰に要する充電量を追加することができる。
つぎに、電子時計100は、現在の充電警告状態720が3日以上継続しているか否かを判断する(ステップS1014)。充電警告状態720が3日以上継続していない場合(ステップS1014:No)は、電子時計100は、ステップS1006へ移行する。ただし、この場合は、現在時刻は“00:00”(5の倍数)であるため、電子時計100はステップS1006へ移行せずにステップS1007へ移行してもよい。充電警告状態720が3日以上継続している場合(ステップS1014:Yes)は、電子時計100は、パワーブレイク状態730へ遷移し(ステップS1015)、充電警告状態720における一連の処理を終了する。
図10に示したように、電子時計100は、現在の充電警告状態720が、通常状態710から遷移した充電警告1であるか、パワーブレイク状態730から遷移した充電警告2であるかに応じて、充電警告状態720に遷移してからの充電量を示す充電量ポイントと比較する閾値を充電警告1復帰閾値および充電警告2復帰閾値に切り換える。これにより、通常状態710から充電警告状態720(充電警告1)へ遷移した場合は、パワーブレイク状態730から充電警告状態720(充電警告2)へ遷移した場合よりも、通常状態710へ復帰するための充電量(発電量の積算量)を少なくすることができる。
ステップS1005において現在時刻が“00:00”であるか否かを判断することにより、日付が変わるごとに充電量ポイントの減算をおこなう処理について説明したが、充電量ポイントの減算をおこなう間隔は任意に設定することができる。この場合に、ステップS1013における所定量は、たとえば充電量ポイントの減算をおこなう間隔に相当するポイントとする。また、電子時計100は、充電警告状態720へ移行した時刻(時間と分)を記憶しておき、ステップS1005において、現在時刻が記憶した時刻になったか否かを判断してもよい。
また、ステップS1005,S1013により所定時間ごとに充電量ポイントの減算をおこなう処理について説明したが、この処理に代えて、あるいは加えて、所定時間ごとに充電警告1復帰閾値および充電警告2復帰閾値を増加させる処理としてもよい。
また、ステップS1006において、電子時計100が現在時刻の分が5の倍数であるか否かを判断することにより、発電量に基づく発電量ポイントの加算を5分ごとにおこなう処理について説明したが、発電量に基づく発電量ポイントの加算をおこなう間隔は任意に設定することができる。
また、充電警告状態720のモード(充電警告1または充電警告2)によって電子時計100の消費電力が異なる場合は、そのときの充電警告状態720のモードに応じてステップS1013の所定量を設定してもよい。
図11は、実施の形態にかかる電子時計による充電警告状態における処理の他の一例を示すフローチャートである。実施の形態にかかる電子時計100は、充電警告状態720へ遷移した場合に、たとえば図10に示す各ステップを実行してもよい。
図11に示すステップS1101〜S1108は、図10に示したステップS1001〜S1008と同様である。ただし、ステップS1102において、電子時計100は、充電量ポイントを0(充電警告2初期値)に設定する(ステップS1102)。また、ステップS1103において、電子時計100は、充電量ポイントを充電警告1初期値に設定する(ステップS1103)。充電警告1初期値は、たとえば図8に示した復帰充電量810と復帰充電量820との間の差分に相当する充電量ポイントである。
ステップS1108のつぎに、電子時計100は、現在の充電量ポイントが所定の充電警告復帰閾値以上であるか否かを判断する(ステップS1109)。充電警告復帰閾値は、たとえば図8に示した復帰充電量810に相当する充電量ポイントの値である。この場合に、充電警告復帰閾値においては、現在の充電警告状態720の消費電力については、充電警告状態720における2秒運針の1日分の消費電力が見積もられている。
ステップS1109において、充電量ポイントが充電警告復帰閾値以上でない場合(ステップS1109:No)は、電子時計100は、ステップS1104へ戻る。充電量ポイントが充電警告復帰閾値以上である場合(ステップS1109:Yes)は、電子時計100は、図6に示した通常状態(連続通信禁止)へ遷移し(ステップS1110)、充電警告状態720における一連の処理を終了する。図11に示すステップS1111〜S1113は、図10に示したステップS1013〜S1015と同様である。
図11に示したように、電子時計100は、現在の充電警告状態720が、通常状態710から遷移した充電警告1であるか、パワーブレイク状態730から遷移した充電警告2であるかに応じて、充電量ポイントと比較する閾値ではなく、充電量ポイントの初期値を切り換える。これにより、図10に示した処理と同様に、通常状態710から充電警告状態720(充電警告1)へ遷移した場合は、パワーブレイク状態730から充電警告状態720(充電警告2)へ遷移した場合よりも、通常状態710へ復帰するための充電量(発電量の積算量)を少なくすることができる。
また、図10,図11に示した各処理を組み合わせ、電子時計100は、現在の充電警告状態720が充電警告1および充電警告2のいずれかであるかに応じて、充電量ポイントおよび充電量ポイントと比較する閾値の両方を切り換えてもよい。
また、通常状態710またはパワーブレイク状態730からの充電警告状態720への遷移時に待ち時間がある場合は、ステップS1102,S1103において設定する充電量ポイントの初期値を、たとえば電子時計100の周辺の照度に応じて増加させてもよい。一例としては、電子時計100の周辺の照度が5000[lx]である場合は、ステップS1102において設定する充電量ポイントの初期値を充電警告2初期値+200ポイントとし、ステップS1103において設定する充電量ポイントの初期値を充電警告1初期値+200ポイントとする。
このように、実施の形態にかかる電子機器(電子時計100)によれば、第1の状態(たとえば通常状態710)において蓄電部(たとえば電源204)の電圧値が第1の電圧値(たとえば2.45[V])を下回った場合に自機器の状態を第1の状態より機能が制限された第2の状態(たとえば充電警告状態720)に切り換え、第2の状態において蓄電部の電圧値が第1の電圧値より低い第2の電圧値(2.40[V])を下回った場合に自機器の状態を第2の状態より機能が制限された第3の状態(たとえばパワーブレイク状態730)に切り換え、第3の状態において蓄電部の電圧値が第1の電圧値より低い第3の電圧値(たとえば2.40[V])に達した場合に自機器の状態を第2の状態に切り換えることができる。なお、第2の電圧値および第3の電圧値は、ともに第1の電圧値より低いが、互いに異なっていてもよい。
また、電子時計100によれば、第1の状態から遷移した第2の状態(たとえば充電警告状態720の充電警告1)において発電部(たとえばソーラーセル206)による発電量の積算量が第1の積算量(たとえば復帰充電量810)に達した場合に自機器の状態を第1の状態へ切り換え、第3の状態から遷移した第2の状態(たとえば充電警告状態720の充電警告2)において発電部による発電量の積算量が第1の積算量より大きい第2の積算量(たとえば復帰充電量820)に達した場合に自機器の状態を第1の状態へ切り換えることができる。
これにより、第3の状態から遷移したことにより初期の残容量が少ない第2の状態に比べて、第1の状態から遷移したことにより初期の残容量が多い第2の状態からは、少ない積算発電量により第1の状態へ復帰することができる。したがって、第1の状態において蓄電部の電圧値が第1の電圧値を下回ったことにより第1の状態より機能が制限された第2の状態へ遷移した場合に、第1の状態へ早期に復帰することができる。このため、使用者に対して使い勝手のよい電子機器(電子時計100)を提供することができる。
また、電子時計100は、第1の状態から遷移した第2の状態の継続時間に応じて、その第2の状態から第1の状態へ復帰する基準となる第1の積算量を増加させ、第3の状態から遷移した第2の状態の継続時間に応じて、その第2の状態から第1の状態へ復帰する基準となる第2の積算量を増加させてもよい。
これにより、第2の状態において、積算発電量が、その第2の状態において消費された電力を補填する量となるまで充電をおこなってから第1の状態へ復帰することができる。このため、第2の状態の継続時間が長くなっても、その分の消費電力を補填してから第1の状態へ復帰することができるため、第1の状態への復帰の直後に第2の状態へ切り戻って再度機能が制限されることを抑制することができる。
また、電子時計100は、第1の状態から遷移した第2の状態において、蓄電部の電圧値が第2の電圧値より高い第4の電圧値(たとえば2.45[V])に達しかつ発電量の積算量が第1の積算量に達した場合に自機器の状態を第1の状態へ切り換え、第3の状態から遷移した第2の状態において、蓄電部の電圧値が第2の電圧値より高い第5の電圧値(たとえば2.45[V])に達しかつ発電量の積算量が第2の積算量に達した場合に自機器の状態を第1の状態へ切り換えてもよい。なお、第1の電圧値、第4の電圧値および第5の電圧値は、ともに第2の電圧値より高いが、互いに異なっていてもよい。
これにより、第2の状態において、上述の積算発電量に加えて蓄電部の電圧値も確認して第1の状態へ復帰することができる。このため、電圧値が低い状態で第1の状態へ復帰して動作不良を引き起こすことを抑制することができる。
また、電子時計100は、第1の状態から遷移した第2の状態において、蓄電部の電圧値が第4の電圧値より高い第6の電圧値(たとえば2.7[V])である場合は、発電量の積算量に関わらず自機器の状態を第1の状態へ切り換え、第3の状態から遷移した第2の状態において、蓄電部の電圧値が第5の電圧値より高い第7の電圧値(たとえば2.7[V])である場合は、発電量の積算量に関わらず自機器の状態を第1の状態へ切り換えてもよい。これにより、蓄電部の電圧値が十分に高い場合は第1の状態へ早期に復帰し、使用者に対して使い勝手のよい電子機器(電子時計100)を提供することができる。
なお、上述の実施の形態において、発電量を検出する際に、検出用抵抗208における抵抗の切り換えをおこなっているが、このような構成に限らない。たとえば、検出用抵抗208における抵抗の切り換えに代えて、アナログ値により検出した発電量をデジタル値に変換するAD変換を用いて発電量を検出してもよい。
また、上述の実施の形態において、発電量を計算する時に、昇圧部205(昇圧IC)による昇圧動作を停止するようにしてもよい。あるいは、発電量を計算する時に、昇圧動作をおこなうコンデンサを切り離してもよい。あるいは、発電量を計算する時に、昇圧動作をおこなう昇圧部205を切り離してもよい。この実施の形態の電子時計100のように、発電側(ソーラーセル206側)において発電量を検出することにより、過充電状態においても、あるいは昇圧部205が停止されていても発電量を検出することができる。
また、上記の発電量の検出方法および上記の方法による検出結果(検出した発電量)は通常状態から充電警告状態への遷移の判断、充電警告状態から通常状態への復帰の判断、パワーブレイク状態から充電警告状態への復帰の判断などに用いてもよい。
上述の実施の形態において、図5に示したように、複数段階の発電量ランクごとに、各発電量ランクにおける仮想的な発電量(発電量ポイント)を関連付けて記憶する完全テーブルを参照して、発電量を積算するようにしたが、発電量の積算に際して用いるテーブルは完全テーブルに限らない。発電量の積算に際しては、完全テーブルに代えて、たとえば、テーブル間隔(各発電量ランクの幅)を粗くして、テーブル間隔の中間に該当する電圧値については、直上位の電圧値と直下位の電圧値との平均を取ることによって算出し、算出した電圧値を用いて発電量を積算してもよい。
また、上述の実施の形態において、電子時計100が腕時計である構成について説明したが、このような構成に限らない。たとえば、電子時計100は、懐中時計、置き時計、掛け時計などの時計であってもよい。また、電子時計100が指針により時刻を表示するアナログ時計である構成について説明したが、このような構成に限らない。たとえば、電子時計100は、ディスプレイにより時間を表示するデジタル時計、または音声によって時間を通知する音声時計などであってもよい。
また、上述の実施の形態において、この発明を適用した電子時計100の例について説明したが、この発明は、時計に限らず、たとえばソーラーセルや二次電池を備えた各種の電子機器に適用可能である。たとえば、この発明は、ソーラーセルや二次電池を備えた電卓、人工衛星、宇宙ステーション、充電器、各種の計器などにも適用可能である。
また、この発明の発電部は、受光によって発電するソーラーセルに限らず、たとえば熱によって発電する熱電発電部であってもよい。また、この発明の発電部は、圧力や風力などの他の各種のエネルギーにより発電する発電部であってもよい。
以上説明したように、電子機器によれば、使用者に対して使い勝手のよい電子機器を提供することができる。
たとえば、従来、電子時計の充電警告状態から通常状態への復帰に、「電池電圧が一定以上まで上がったうえで、規定の時間が経過した」という条件が採用されている。規定の時間を確保することで、電池の多少の分極(充電中に見かけの電圧が上がってしまう現象)や復帰後の受信などの操作に耐えられる程度の余裕を確保している。
しかしながら、分極の特性が顕著に表れる二次電池を採用する場合は、電池電圧を基準とした復帰仕様では、十分な充電が確保できない。たとえば、高照度下ではほとんど残容量がなくても電池電圧が上昇してしまうため、電池電圧を根拠に復帰すると、短時間で充電警告状態に戻ってしまう可能性がある。また、電池電圧から残容量が推定できないため、発電量を基準に判断する場合にも、最悪ケース(電池が最も減った状態)に合わせて基準を設定することになり、充電時間が長くなってしまう。
これに対して、上述の実施の形態によれば、通常状態から電池が減って充電警告状態に遷移した場合(充電警告1)と、パワーブレイク状態から復帰して充電警告状態に遷移した場合(充電警告2)とで、充電警告状態から通常状態に復帰するために要する積算充電量を別の値とする。これにより、充電警告状態に遷移するまでの経緯(状態遷移)によってそれまでに消費した電力が異なるため、比較的多くの残容量があることが期待できる場合(充電警告1)には、充電警告状態から通常状態に復帰するために要する積算充電量を少なくできる。このため、たとえば常に最悪ケース(たとえば充電警告2)に合わせた充電をおこなう必要がなくなるため、条件によっては通常状態への復帰時間が短くなり、使用者の利便性が向上する。