以下、本発明の実施形態(以下、本実施形態という)について図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る電子時計を示す平面図である。図1には、電子時計100の外装(時計ケース)である胴1、胴1内に配置された文字板2と時刻を示す指針である時針3、分針4、秒針5が示されている。また、胴1の3時側の側面にはユーザが種々の操作を行うための操作部6としての竜頭61、ボタン62が配置されている。胴1の12時側及び6時側の側面からは、バンドを固定するためのバンド固定部8が伸びている。なお、図1には図示しないが、文字板2には日付を表示する日窓や曜日を表示する曜日窓が設けられてもよい。
なお、図1に示した電子時計100のデザインは一例である。ここで示したもの以外にも、例えば、胴1を丸型でなく角型にしてもよいし、竜頭61やボタン62の数、配置は任意である。また、本実施形態では、指針を時針3、分針4、秒針5の3本としているが、これに限定されず、秒針5を省略してもよいし、あるいは、タイムゾーンやサマータイムの有無、電波の受信状態、各種の表示を行う指針等を追加したりしてもよい。
また、図1に示すように、本実施形態に係る電子時計100は、文字板2上に電圧レベル表示部70を備えている。電圧レベル表示部70は、後述の二次電池26の電圧レベルを表示する。
本実施形態では、電子時計100として、GPS(Global Positioning System)衛星から送信される衛星信号を受信し、その衛星信号に含まれる日付や時刻に関する情報に基づいて内部時刻を修正する機能を有する電波腕時計を用いて説明をする。ただし、腕時計に限られるものではなく、時計機能を有する他のウェアラブル端末であってもよい。なお、内部時刻とは、電子時計100内部の制御回路47が保持する時刻情報(時刻及び日付を含む)である。本実施形態の電子時計100においては、指針により内部時刻を示し、ユーザが内部時刻を視認できる構成となっている。
図2は、図1のA-A線による断面図である。電子時計100の文字板2を覆うように風防9が胴1に取り付けられ、また、風防9の反対側では、裏蓋10が胴1に取り付けられる。風防9の材質は、ガラス等の透明な材料であり、非磁性かつ非導電性である。また、胴1及び裏蓋10の材質は、特に限定はされないが、本実施形態では金属である。本実施形態では、以降、電子時計100の風防9が配置される方向(図2における上方向)を風防側、裏蓋10が配置される方向(図2における下方向)を裏蓋側と呼ぶ。
文字板2の裏蓋側には、発電デバイスとしての太陽電池(光起電パネル)11が配置され、風防側から入光した光により発電がなされる。そのため、文字板2はある程度光線を透過する材質で形成されるとよい。本実施形態では、文字板2は、太陽電池11を挟むようにして、ベース部材12に固定される。なお、本実施形態においては、発電デバイスとして太陽電池11を例に挙げて説明するが、これに限られるものではなく、物理的な動力を電力に変換することにより発電を行うものを用いてもよい。
ベース部材12は、合成樹脂等の非磁性かつ非導電性の材質からなり、パッチアンテナ14や指針を駆動するための歯車機構25等、各種部材を支持する。パッチアンテナ14には、その厚み方向を貫くように給電ピン14bが設けられ、風防側の面が衛星からの電波を受信する受信面14aとなっている。
ベース部材12の裏蓋側には、回路基板24が配置され、さらにその裏蓋側には二次電池26が配置される。回路基板24には歯車機構25の駆動源であるモータ23が取り付けられている。モータ23は、二次電池26に蓄えられた電力により動作する負荷である。
二次電池26は、太陽電池11により生じる電力を蓄えるものである。本実施形態においては、二次電池26としてボタン型のリチウムイオン二次電池を用いた。ただし、これに限られるものではなく、二次電池として、例えば、リチウムイオンキャパシタやニッケル水素畜電池を用いてもよい。
ここで、図2に示されるようにパッチアンテナ14の受信面14aは太陽電池11の受光面と平行に設けられており、いずれも風防側を向いている。また、図1に示されるように太陽電池11は概略円形をなし、その外周の一部が矩形状に切りかかれている。そして、この部分にパッチアンテナ14が配置されている。
図3は、本実施形態に係る電子時計のシステム構成の概要を示すブロック図である。電子時計1は、上述した太陽電池11、二次電池26等に加えて、図3に示すように、受信回路31、制御回路47、発電量積算部48、電圧検出回路80を含む。なお、図3に示す回路要素は、主に回路基板24上に配置される。
制御回路47は、メモリ等を内蔵するマイクロコンピュータであって、メモリに記憶されるプログラムに従って、電子時計1に含まれる各種回路等の動作を制御するものである。また、制御回路47は、消費電力制御部47aを含むものであるが、その詳細については後述する。
受信回路31は、制御回路47からの指令を受けて、時刻に関する情報等を受信するための受信動作を行う回路であって、二次電池26に蓄えられた電力により動作する負荷である。受信回路31は、高周波回路46及びデコーダ回路53を含む。パッチアンテナ14により受信された衛星信号は、高周波回路46によりベースバンド信号に変換され、デコーダ回路53により時刻に関する情報、具体的には時刻や日付を示す情報が抽出され、制御回路47へと受け渡される。なお、受信回路31による受信動作は、所定期間毎、または内部時刻が所定の時刻になった際に、自動で開始されるものであってもよいし、ユーザが操作部6を操作することにより開始されるものであってもよい。
また、図3に示すように、太陽電池11はスイッチ29を介して二次電池26に接続可能に構成されており、制御回路47からの指令によりスイッチ29が太陽電池11と二次電池26とを導通させている状態において、太陽電池11により発電された電力は、二次電池26に蓄積される。そして、受信回路31及び制御回路47は、二次電池26から供給される電力により動作を行う。
また、太陽電池11はスイッチ29を介して発電量積算部48にも接続可能に構成されており、制御回路47からの指示によりスイッチ29が太陽電池11と発電量積算部48を導通させている状態では、太陽電池11により生じる電流は発電量積算部48に流れる。発電量積算部48は、この電流をデジタル値であるポイントに変換して積算し、制御回路47に供給する。なお、ポイントの変換についての詳細は後述する。
スイッチ56は、受信回路31、すなわち高周波回路46及びデコーダ回路53への電力供給のオン/オフを切り替えるスイッチであり、制御回路47により制御される。高周波数で動作する高周波回路46とデコーダ回路53はその消費電力が大きいため、制御回路47は、衛星信号を受信する時のみスイッチ56をオンとして受信回路31、すなわち高周波回路46及びデコーダ回路53を動作させ、それ以外の時はスイッチ56をオフとして、消費電力を低減するとよい。
ここで、電子時計100における各種動作は、電圧検出回路80により検出された二次電池26の検出電圧値に応じて、消費電力制御部47aにより制御される。例えば、消費電力制御部47aは、検出電圧値が所定の閾値以上の場合は動作クロックが高速である高速モードに切り替え、所定の閾値未満の場合は動作クロックが低速である低速モードに切り替える。なお、電圧検出回路80による電圧の検出は、例えば、2秒に1回程度行われるとよい。
図4は、従来例における電圧レベルに応じて行われる動作について示す図である。図4においては、電圧レベルに応じて許容又は禁止される動作を示している。図4に示すように、従来例においては、電圧検出回路により検出された二次電池の検出電圧値に応じてL0、L1、L2、L3の4つにレベル分けし、その電圧レベルに応じて、動作するときに発生する負荷の消費電力を制御するため、動作の種類や動作レベルを切り替えている。すなわち、電圧レベルが大きいほど、消費電力の大きな動作を実行し、電圧レベルが小さいほど、消費電力の小さい動作を実行する又は動作を禁止することとしている。
例えば、検出電圧値による電圧レベルがL3の場合、受信回路31による自動受信を1日に1回行うことを許容し、電圧レベルがL2の場合、受信回路31による自動受信を3日に1回行うことを許容し、電圧レベルがL1の場合、受信回路31による自動受信を禁止し、ユーザが操作部6を操作することによる強制受信のみを許容する。
また、例えば、検出電圧による電圧レベルがL2以上の場合、針位置検出(図中の針検)において、時針3、分針4、秒針5のそれぞれの針位置検出(図中の全針)を行い、電圧レベルがL1の場合、秒針5のみの針位置検出行い、電圧レベルがL0の場合、針位置検出を禁止する。なお、針位置検出を行うための機構についての詳細な説明については省略するが、当該機構は、二次電池26に蓄えられた電力により動作する負荷である。
また、例えば、検出電圧による電圧レベルがL1以上の場合、発振器の近傍に配置された温度センサで検出された温度を用いて、発振器の周波数補正(図中の温度補正)を行い、電圧レベルがL0の場合、発振器の周波数補正を禁止する。
その他、運針、モータ駆動、指針の同時運針等については図4に示す通りであり、その詳細な説明については省略する。なお、図4で示した動作は一例であり、これら以外の動作についても、電圧レベルに応じて動作の種類や動作レベルを切り替えることとしてもよい。
腕時計のような小型の電子時計においては、検出電圧値は上述のように電圧レベルのいずれかとして検出され、実際の電圧値と検出電圧値との間には不可避的に差異が生じうる。また、例えば、太陽電池11が接続された状態で、二次電池26の電圧値が検出される場合には、検出電圧値は太陽電池11の起電力の影響を受け、実際の電圧値と検出電圧値との間には差異を生じうる。そのため、例えば、検出電圧値による電圧レベルがL3の場合であっても、実際の電圧値はL2相当である場合がある。その場合であっても、電圧レベルに応じて動作の内容や動作レベルが切り替えられるため、図4に示すように、受信回路31による自動受信が1日に1回行われることとなる。このように実際の電圧値よりも検出電圧値が小さいにも関わらず、消費電力の大きい動作が実行されることにより、電池電圧が急激に低下してしまう可能性がある。その結果、現在時刻を保持する等の枢要な動作を担う内蔵プロセッサが動作不能となる、システムダウンを生じるおそれがある。一方、検出電圧値よりも実際の電圧値の方が大きいにも関わらず、消費電力の小さい動作しか実行されないという状況にもなり得る。
そこで、本実施形態においては、より緻密な電圧制御を可能にすべく、太陽電池11の発電量の積算値に基づいて電圧レベルを従来よりも細分化し、細分化した電圧レベルに応じて消費電力の制御を行うこととした。具体的には、太陽電池11の発電状態に応じた値を積算することにより太陽電池11の発電積算値を算出し、発電積算値に基づいて、動作するときに発生する負荷の消費電力を制御する構成を採用した。なお、本実施形態においては、負荷の例として、モータ23、受信回路31、針位置検出を行うための機構等を挙げたが、これに限られるものではなく、負荷は二次電池26に蓄えられた電力により動作するものであればよい。以下、さらに詳細について説明する。
図5は、本実施形態における電圧レベル表示部を示す図である。図6は、本実施形態における電圧レベルに応じて行われる動作について示す図である。
図5に示すように、本実施形態においては、電圧レベル表示部70に表示される電圧レベルを、L3、L2++、L2+、L2、L1++、L1+、L1、L0の8つにレベル分けした。例えば、電圧レベルがL2++の場合、指針71がL2++を指し示す。これにより、ユーザは、電子時計100がどのような動作を実行できる状態にあるのかを把握することができる。例えば、指針71がL3を指し示す場合、図6に示すように、ユーザは、自動測位受信が1日に1回行われることが許容される状態にあることを把握することができる。また、指針71がL2++を指し示す場合、図6に示すように、ユーザは、自動測時受信が1日に1回行われることが許容される状態にあることを把握することができる。なお、測時受信とは、時刻情報のみを受信する動作である。測位受信とは、時刻情報に加えて位置情報も受信する受信動作であって、測時受信よりも消費電力の大きい動作である。
なお、本実施形態においては、電圧レベル表示部70により電圧レベルが文字板2上に表示される例について説明するが、現在の電圧レベルがいずれのレベルに設定されているかに関する情報を制御回路47が内部に保持するのみであり、必ずしもユーザが視認できるように文字板2上に表示される構成でなくてもよい。
本実施形態においては、5分に1回、太陽電池11と発電量積算部48とをスイッチ29を介して導通させ、発電量積算部48が、太陽電池11における発電量をデジタル値に変換したポイントを積算し、その積算値を制御回路47へと供給する。
ここで、発電量のポイントへの変換について説明する。透過率が面内で略均一な文字板2であって、所定の照度が所定時間得られた場合、太陽電池11の発電による二次電池26の充電量は、太陽電池11の発電特性、太陽電池11の発電領域の面積、文字板2の透過率、所定照度が与えられた時間、充電に係る回路の効率、二次電池26の充電特性を乗算して求めることができる。本実施形態においては、例えば0.572[μAh]を1ポイントとして正規化し、発電量をポイントに変換した例について説明する。なお、本実施形態においては、照度に応じた発電量をポイントに変換して、そのポイントを積算する例について説明するが、これに限られるものではなく、例えば、太陽電池11により生じた電流値を電圧値に変換し、変換された電圧値[V]を積算することとしてもよい。ただし、ポイントに変換した場合の方がソフトウエア上の処理が簡易になる。
図7は、二次電池の電圧値[V]と、二次電池の充電可能量[mAh]との関係を示す図である。図8は、図7に示す関係をグラフで示した図である。なお、本実施形態においては、二次電池26の電池電圧と、二次電池26の充電可能量が線形的な関係にあるとの前提で説明を行う。ただし、実際には電池電圧と充電可能量の関係が非線形である場合もあり、その場合においては、後述の各閾値が非線形の形状に対応するようにそれぞれ設定されるとよい。
図7、図8に示すように、2.550VをL3閾値とし、2.550V以上の場合、電圧レベルをL3に設定する。電圧値がL3閾値の場合における二次電池26の充電可能量は0[mAh]である。また、2.450VをL2閾値とし、2.450V以上の場合、電圧レベルをL2に設定する。電圧値がL2閾値の場合における二次電池26の充電可能量は、3.003003[mAh]である。また、2.325VをL1閾値とし、2.325V以上の場合、電圧レベルをL1に設定する。電圧値がL1閾値の場合における二次電池26の充電可能量は6.7567568[mAh]である。
図8においては、L3閾値、L2閾値、L1閾値とそれに対応する充電可能量を黒丸でプロットして示す。そして、それら黒丸を直線で繋ぎ、L1閾値からL2閾値の間、L2閾値からL3閾値の間に細分化した電圧レベルを設定した。細分化した電圧レベルをL2++、L2+、L1++、L1+として、L3とL2の間、及びL2とL1の間にそれぞれ設定した。また、それら電圧レベルとなる電圧値の閾値をそれぞれ、L2++閾値、L2+閾値、L1++閾値、L1+閾値と称する。また、電圧値が、L2++閾値、L2+閾値、L1++閾値、L1+閾値の場合における二次電池26の充電可能量は、図7に示す通りである。
なお、図8に示すように、本実施形態においては、L2+閾値とL2++閾値の間隔、及びL2++閾値とL3閾値の間隔を比較的狭く設定した。これは、過充電などの管理するために消費電力の制御を緻密に行うためである。また、L0閾値とL1閾値の間隔、及びL1閾値とL1+閾値の間隔も比較的狭く設定した。これは、システムダウンを抑制するために消費電力の制御を緻密に行うためである。一方で、L1+閾値とL1++閾値の間隔、L1++閾値とL2閾値の間隔、L2閾値とL2+閾値の間隔を比較的広く設定した。これは、安定した動作が行われる電圧範囲においては消費電力の制御を必要以上に緻密に行う必要がないためである。
ここで、図7に示すように、電圧値がL1閾値(2.325V)の場合、二次電池26の充電可能量は6.7567568[mAh]であり、電圧値がL1+閾値(2.350V)の場合、二次電池26の充電可能量は6.006006[mAh]である。すなわち、電圧値がL1閾値の場合とL1+閾値の場合とでは、充電可能量は0.7508[mAh]≒750.75[μAh]の差がある。この差をポイントに変換すると、750.75[μAh]÷0.572[μAh]≒1312ポイントとなる。すなわち、L1からL1+に電圧レベルを更新するために必要なポイントの積算値は、1312ポイントとなる。
同様の考え方により、図9の上段に示すように、L1+からL1++に電圧レベルを更新するために必要なポイントの積算値は2625ポイントとなり、L2からL2+に電圧レベルを更新するために必要なポイントの積算値は2625ポイントとなり、L2+からL2++に電圧レベルを更新するために必要なポイントの積算値は1312ポイントとなる。
これらより、図9の下段に示すように、電圧レベルを2段階分上げるためには、すなわち、L1からL1++に電圧レベルを更新するためには3937ポイントの積算値が必要であり、L2からL2++に電圧レベルを更新するためには3937ポイントの積算値が必要であるといえる。
本実施形態においては、例えば、電圧検出回路80により検出した検出電圧値が電圧レベルL2に対応する電圧であった場合であって、発電量積算部48が算出したポイントの積算値が2625ポイント以上であった場合、電圧レベルをL2+に更新し、電圧レベル表示部70によりL2+を表示するとよい。そして、消費電力制御部47aが、図6に示す表に基づいて、電圧レベルがL2+の場合における動作を実行するとよい。同様に、電圧検出回路80により検出した検出電圧値が電圧レベルL2に対応する電圧であった場合であって、発電量積算部48が算出したポイントの積算値が3937ポイント以上であった場合、電圧レベルをL2++に更新し、電圧レベル表示部70によりL2++を表示するとよい。そして、消費電力制御部47aが、図6に示す表に基づいて、電圧レベルがL2++の場合における動作を実行するとよい。
また、例えば、前回の検出時の検出電圧値の電圧レベルがL1であって、今回検出した検出電圧値の電圧レベルがL2であった場合において、所定時間継続して電圧レベルがL2で維持された場合、電圧レベルをL2に更新するとよい。一方、所定時間が経過する前は、すぐに表示をL2に更新するのではなく、一旦、表示をL1++とするとよい。検出電圧値がL2の電圧レベルに相当する値であった場合であっても、実際の電圧値がそれより低い可能性があるため、所定時間継続してL2が維持された場合のみL2に更新することにより、より精度の高い消費電力の制御が可能となるためである。なお、ここでの所定時間は、例えば、1時間とするとよい。
また、前回の検出時の検出電圧の電圧レベルがL3であって、今回検出した検出電圧の電圧レベルがL2であった場合においては、電圧レベルを一旦L2++に更新するとよい。前回の検出時の検出電圧の電圧レベルがL3であった場合、実際の電圧値はL2相当の電圧値よりも高い可能性が高いためである。
また、検出電圧値の電圧レベルがL2であって、そのレベルが24時間継続して維持された場合は、発電量積算部48がポイントの積算値から所定の固定値分減算し、減算後のポイントの積算値に基づいて、電圧レベルを更新するとよい。
また、所定の動作が行われた際に、積算値の減算を行ってもよい。積算値の減算値は、モータ23や受信回路31による動作の種類や動作レベルに応じて変えてもよい。例えば、受信回路31による受信動作のうち、測時に関する受信動作を行った場合よりも、測位に関する受信動作を行った場合の方が減算するポイントを大きくするとよい。測位に関する受信動作の方が、測時に関する受信動作よりも消費電力が大きいためである。また、受信回路31による受信動作の動作クロックに応じて積算値を減算してもよい。すなわち、動作クロックが高速である場合、消費電力が大きいため、減算するポイントを大きくするとよい。
同様に、モータ23の動作速度に応じて積算値を減算してもよい。すなわち、モータ23の動作速度が速い場合、消費電力が大きいため、減算するポイントを大きくするとよい。また、モータ23により駆動される指針の数に応じて積算値を減算してもよい。すなわち、モータ23により駆動される指針の数が多い場合、消費電力が大きいため、減算するポイントを大きくするとよい。
また、ユーザが竜頭61やボタン62等の操作部6を操作することにより、所定の動作が行われた場合において、操作が行われたタイミングで積算値を減算してもよい。所定の動作としては、例えば、時刻の修正、受信動作、又は指針の基準位置修正等が挙げられる。
積算値の減算のタイミングは、例えば、動作の開始タイミング、動作の終了タイミング、ユーザによる操作部6の操作が行われたタイミングであるとよい。又は、積算値の減算は、動作のログや操作部6の操作のログを記憶しておき、所定の間隔のタイミング毎(例えば5分毎)に行ってもよい。この場合、積算値の減算を、発電量に基づく積算値の加算と同時に行ってもよい。
また、所定照度以下の照度を検出した場合や、所定照度を瞬間的にしか検出できず、発電量が基準値を満たさなかった場合は、発電量のポイントをゼロに設定するとよい。ただし、実際には微量ではあるが充電をしているため、二次電池26の電池電圧も合わせて検出を行うことが必要である。さらに電池電圧の変化に追従性をよくするため、発電量検出の間隔よりも電池電圧の検出の間隔を短くする方が望ましい。
以上のように、本実施形態においては、太陽電池11の発電状態に応じた値を積算しつつ、経過時間や負荷の動作内容に応じて積算値を減算して算出される積算値に基づいて、電圧レベルを更新する。
なお、上記では主に電圧検出回路80により検出された検出値の電圧レベルがL2の場合について説明したが、電圧検出回路80により検出された検出値の電圧レベルがL1の場合についても同様の制御を行うことにより、電圧レベルを更新するとよい。
以上説明した電圧レベルの更新を、図10、図11に示すフローチャートを参照して、さらに詳細に説明する。図10及び図11は、本実施形態における電圧レベルの更新について説明するフローチャートである。
まず、制御回路47は、発電量積算部48が算出した積算値を取得する(ステップS1)。本実施形態においては、発電量積算部48は5分に1回、積算値を算出することとする。また、制御回路47は、電圧検出回路80により検出された検出電圧値を取得する(ステップS2)。本実施形態においては、電圧検出回路80は2秒に1回、検出電圧値を検出することとする。
そして、制御回路47は、検出電圧値の電圧レベルがL3以上であるか否かを判定する(ステップS3)。検出電圧値の電圧レベルがL3以上の場合(ステップS3のYES)、制御回路47は過充電機能をセットする(ステップS4)。なお、ここで、過充電機能とは、二次電池26の充電量が過度に大きくなることを抑制する機能である。その後、積算値をクリアして(ステップS5)、電圧レベル表示部70における表示をL3に更新する(ステップS6)。
検出電圧値の電圧レベルがL3未満の場合(ステップS3のNO)、制御回路47は検出電圧値の電圧レベルがL2以上か否かを判定する(ステップS7)。検出電圧値の電圧レベルがL2以上の場合(ステップS7のYES)、制御回路47は、検出電圧値がL1からL2に変化したか否か(ステップS8)、L3からL2に変化したか否か(ステップS9)、前回変化から24時間経過したか否か(ステップS10)を判定する。
検出電圧値がL1からL2に変化した場合であって(ステップ8のYES)、L1からL2に変化した後、1時間が経過しない場合(ステップS11のNO)、すぐにL2に更新するのではなく、一旦、電圧レベル表示部70における表示をL1++に更新する(ステップS12)。
一方、L1からL2に変化した後、その後1時間経過してもL2であった場合、すなわち、L1からL2に変化してから1時間以内に変化がなかった場合(ステップS11のYES)、積算値をクリアする(ステップS13)。その後、積算値が、L2からL2++に更新するために必要な積算値である3937ポイント以上であるか否か(ステップS14)、L2からL2+に更新するために必要な積算値である2625ポイント以上であるか否か(ステップS15)を判定する。ステップS13において、積算値はクリアされて0となっているため、L2からL2++に更新するために必要な積算値である3937ポイント未満であり(ステップS14のNO)、L2からL2+に更新するために必要な積算値である2625ポイント未満である(ステップS15のNO)したがって、検出電圧値がL1からL2に変化した場合であって(ステップS8のYES)、1時間以内に変化がない場合(ステップS11のYES)、電圧レベル表示部70における表示をL2に更新する(ステップS16)。
検出電圧値がL3からL2に変化した場合(ステップS9のYES)、過充電機能を解除し(ステップS17)、積算値を、電圧レベルをL2からL2++に更新するために必要な3937ポイントにセットする。(ステップS18)。このため、積算値は、L2からL2++に更新するために必要な積算値である3937ポイント以上となる(ステップS14のYES)。したがって、検出電圧値がL3からL2に変化した場合(ステップS9のYES)、電圧レベル表示部70における表示をL2++に更新する(ステップS19)。
このように、電圧レベルが大(L3)から小(L2)に変化した場合に積算値は3937ポイントに更新され、電圧レベルが小(L1)から大(L2)に変化した場合に積算値はクリアされて0ポイントに更新されるため、同じ電圧レベルでも大から小に変化した場合と、小から大に変化した場合とで、積算発電量(ポイント)は異なる値に更新されることになる。なお、後述のように、電圧レベルが大(L2)から小(L1)に変化した場合と、小(L0)から大(L1)に変化した場合も同様に、同じ電圧レベルであっても積算発電量は異なる値に更新されることになる。
検出電圧値がL1からL2に変化した場合でなく(ステップS8のNO)、L3からL2に変化した場合でもない場合であって(ステップ9のNO)、前回の変化から24時間が経過した場合(ステップS10のYES)、すなわち24時間、検出電圧値がL2であった場合、積算値から1日分の固定値を減算する(ステップS20)。そして、減算後の積算値が、L2からL2++に更新するために必要な積算値である3937ポイント以上であるか否か(ステップS14)、L2からL2+に更新するために必要な積算値である2625ポイント以上であるか否か(ステップS15)を判定し、電圧レベル表示部70における表示を更新する。一方、前回の変化から24時間が経過していない場合(ステップS10のNO)、固定値を減算することなく、積算値が、L2からL2++に更新するために必要な積算値である3937ポイント以上であるか否か(ステップS14)、L2からL2+に更新するために必要な積算値である2625ポイント以上であるか否か(ステップS15)を判定し、電圧レベル表示部70における表示を更新する。積算値が3937ポイント以上である場合、電圧レベル表示部70における表示をL2++に更新し(ステップS19)、積算値が3937ポイント未満であり2625ポイント閾値以上である場合、電圧レベル表示部70における表示をL2+に更新する(ステップS21)。
また、ステップS7において、検出電圧値の電圧レベルがL2未満であると判定された場合(図10中のA)、図11のフローチャートへ進む。そして、検出電圧値の電圧レベルがL1であるか否かを判定する(ステップS22)。検出電圧値の電圧レベルがL1以上であった場合(ステップS22のYES)、検出電圧値がL0からL1へ変化したか否か(ステップS23)、L2からL1へ変化したか否か(ステップS24)、前回変化から24時間経過したか否か(ステップS25)を判定する。
検出電圧値がL0からL1に変化した場合であって(ステップ23のYES)、L0からL1に変化した後、1時間が経過しない場合(ステップS26のNO)、電圧レベル表示部70における表示をL0に更新する(ステップS27)。
一方、L0からL1に変化した後、その後1時間経過してもL1であった場合、すなわち、L0からL1に変化してから1時間以内に変化がなかった場合(ステップS26のYES)、充電警告機能を解除し(ステップS28)、積算値をクリアする(ステップS29)。なお、充電警告機能とは、秒針5を2秒毎に運針させるなど、二次電池26の消費電力を抑制する機能である。
その後、L1からL1++に更新するために必要な積算値である3937ポイント以上であるか否か(ステップS30)、L1からL1+に更新するために必要な積算値である1312ポイント以上であるか否か(ステップS31)を判定する。ステップS29において、積算値はクリアされて0となっているため、積算値は3937ポイント未満であり(ステップS30のNO)、1312ポイント未満である(ステップS31のNO)。したがって、検出電圧値がL0からL1に変化した場合であって(ステップS23のYES)、1時間以内に変化がない場合(ステップS26のYES)、電圧レベル表示部70における表示をL1に更新する(ステップS32)。
検出電圧値がL2からL1に変化した場合(ステップS24のYES)、積算値を、L1からL1++に更新するために必要な積算値である3937ポイントにセットする。このため、積算値は、L1からL1++に更新するために必要な積算値である3937ポイント以上となる(ステップS30のYES)。したがって、検出電圧値がL2からL1に変化した場合(ステップS24のYES)、電圧レベル表示部70における表示をL1++に更新する(ステップS34)。
検出電圧値がL0からL1に変化した場合でなく(ステップS23のNO)、L2からL1に変化した場合でもない場合であって(ステップ24のNO)、前回の変化から24時間が経過した場合(ステップS25のYES)、すなわち24時間、検出電圧値がL1であった場合、積算値から1日分の固定値を減算する(ステップS35)。そして、減算後の積算値が、L1からL1++に更新するために必要な積算値である3937ポイント以上であるか否か(ステップS30)、L1からL2+に更新するために必要な積算値である1312ポイント以上であるか否か(ステップS31)を判定し、電圧レベル表示部70における表示を更新する。一方、前回の変化から24時間が経過していない場合(ステップS25のNO)、固定値を減算することなく、L1からL1++に更新するために必要な積算値である3937ポイント以上であるか否か(ステップS30)、L1からL1+に更新するために必要な積算値である1312ポイント以上であるか否か(ステップS31)を判定し、電圧レベル表示部70における表示を更新する。積算値が、L1からL1++に更新するために必要な積算値である3937ポイント以上である場合、電圧レベル表示部70における表示をL1++に更新し(ステップS34)、積算値が、L1からL1++に更新するために必要な積算値である3937ポイント未満であり、L1からL1+に更新するために必要な積算値である1312ポイント以上である場合、電圧レベル表示部70における表示をL1+に更新する(ステップS36)。
また、ステップS22において、検出電圧値がL1未満であると判定された場合、充電警告機能をセットし(ステップS37)、積算値をクリアした上で(ステップS38)、電圧レベル表示部70における表示をL0に更新する。
以上説明したように、本実施形態においては、従来例と同様に、まず、電圧検出回路80により二次電池26の電圧を検出し、検出電圧値の電圧レベルがL3、L2、L1、L0のいずれであるかを判定する。さらに、本実施形態においては、発電量積算部48が、太陽電池11における発電量をデジタル値に変換したポイントを積算する。そして、消費電力制御部47aが、ポイントの積算値(積算発電量)に基づいて、電圧レベルをL3、L2++、L2+、L2、L1++、L1+、L1、L0のいずれかに更新し、更新された電圧レベルに応じてモータ23や受信回路31等の負荷における消費電力を制御する。これにより、より緻密な消費電力の管理を行うことが可能となる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、この実施形態に示した具体的な構成は一例として示したものであり、本発明の技術的範囲をこれに限定することは意図されていない。当業者は、これら開示された実施形態を適宜変形してもよく、本明細書にて開示される発明の技術的範囲は、そのようになされた変形をも含むものと理解すべきである。