JP6966914B2 - 構造物用シート - Google Patents

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Description

本発明は、新規な構造物用シートに関する。
セメント、アスファルト、コンクリート、モルタル等の土木建築材料を用いて、家屋、道路等の構造物を施工するに際し、各種のシート(例えば防水シート等)が使用される。このようなシートとしては樹脂、不織布等のシート状物が一般に使用されているが、高い透湿抵抗等が要求される場合にはアルミニウム箔又はアルミニウム箔を含む積層体が用いられることがある。
例えば、吸水指数が1.0〜6.5である不織布と、その不織布の片面にアルミニウム箔が接合されており、さらに、そのアルミニウム箔の他面にアスファルト組成物を積層されたもので、不織布の厚みが0.1〜1.0mmで、アルミニウム箔の厚みが1〜50μmであり、アスファルト組成物の厚みが0.2〜5.0mmであるように全面にわたって積層されているモルタル下地複合シートが知られている(特許文献1)。
特開平9−300525号公報
しかしながら、これまで使用されている従来のシート等では、アスファルト、モルタル等の土木建築材料の液状原料をシートに接するかたちでして施工した場合、それが乾燥・硬化するとシートに土木建築材料が強く固着してしまうという問題がある。特に、アルミニウム箔等の金属箔に土木建築材料が固着した場合、分別することが困難となる。一般に、土木建築材料は、構造物の改築又は解体時において回収し、再利用することが望まれるが、建築現場等において金属箔と土木建築材料とを分離できなければ、土木建築材料を再利用ができず、金属を含む産業廃棄物として処理せざるを得なくなってしまう。
従って、本発明の主な目的は、金属箔と乾燥・硬化後の土木建築材料とを比較的容易に分離できる構造物用シートを提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の層構成からなるシートを採用することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の構造物用シートシートに係る。
1. 土木構造物又は建築構造物の一部又は下地として使用されるシートであって、
(1)金属箔及びその少なくとも一方の面上に形成された機能層を含み、
(2)前記機能層は、一次粒子平均径3〜100nmの疎水性粒子及び疎油性粒子の少なくとも1種の機能性粒子を含む、
ことを特徴とする構造物用シート。
2. 機能層における機能性粒子の付着量が0.1〜3.5g/mである、前記項1に記載の構造物用シート。
3. 金属箔が、
a)0.5≦Mn≦3.0質量%、
b)0.0001≦Cr<0.20質量%、
c)0.2≦Mg≦1.8質量%、
d)0.0001≦Ti≦0.6質量%、
e)0<Cu≦0.005質量%、
f)0<Si≦0.1質量%、
g)0<Fe≦0.2質量%
h)残部がアルミニウム及び不可避不純物、
からなるアルミニウム合金箔である、前記項1又は2に記載の構造物用シート。
4. 金属箔の少なくとも一方の面にさらに樹脂層を含む、前記項1〜3のいずれか記載の構造物用シート。
5. 機能性粒子が、酸化物微粒子表面にポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を含む被覆層を備えている、前記項1〜4のいずれか記載の構造物用シート。
6. 前記項1〜5のいずれかに記載のシートが土木構造物又は建築構造物の一部又は下地として使用されている構造体。
本発明によれば、セメント、アスファルト、コンクリート、モルタル、石膏、粘土等の土木建築材料と金属箔とを比較的容易に分離できる構造物用シートを提供することができる。特に、本発明のシートは、特定の機能層が金属箔上に形成されているので、たとえ土木建築材料の液状原料と接触した状態で硬化させて構築された場合であっても、将来的に土木建築材料から実質的に金属箔だけを剥離することができる。このため、解体時等において不要となった土木建築材料をより容易かつ低コストで再利用することが可能となる。
本発明のシートを土木構造物又は建築構造物の下地シートとして敷設する際の概要図である。 本発明のシートを土木構造物又は建築構造物の一部として用いる際の概要図である。
1.本発明の構造物用シート
本発明の構造物用シート(本発明シート)は、土木構造物又は建築構造物の一部又は下地として使用されるシートであって、
(1)金属箔及びその少なくとも一方の面上に形成された機能層を含み、
(2)前記機能層は、一次粒子平均径3〜100nmの疎水性粒子及び疎油性粒子の少なくとも1種の機能性粒子を含む、
ことを特徴とする。
本発明は、土木構造物又は建築構造物(以下、両者をまとめて「構造物」ともいう。)の一部又は下地として使用される建設用シートである。このような構造物としては、セメント、アスファルト、コンクリート、モルタル、粘土、石膏等の土木建築材料(特に液状原料を乾燥・硬化して得られる土木建築材料)により構成されている構造物全般をいう。
土木構造物としては、例えば道路、歩道、橋梁、トンネル、貯水槽(貯水池)、水路等が挙げられる。また、建築構造物としては、例えばビル、戸建て家屋等の床体、壁体、天井体、階段等が挙げられる。これらの構造物は、例えば鉄筋、鉄骨、木造等のいずれの構造であっても良い。本発明シートは、これらのいずれにも適用することができる。
特に、本発明シートは、例えばセメント、アスファルト、コンクリート、モルタル、石膏、粘土(例えば珪藻土)等で構成される構造物のように、土木建築材料の液状原料(粘性材料も含む。)を乾燥及び/又は硬化させて形成される構造物に好適に用いることができる。すなわち、本発明シートの機能層に直に接触するように液状原料が用いられた構造体の一部又は下地として好適に用いることができる。その結果、将来的に構造物を撤去する時には、構造体を構成する土木建築材料と金属箔とをより容易かつ確実に分別することが可能となる。なお、液状原料は、セメントのように溶媒(水等)により液状化されている材料のほか、アスファルトのように溶融により液状化されている材料のいずれも包含する。
図1には、予め敷設された本発明シート10上に構造物20を構築する模式図を示す。図1の本発明シート10は、金属箔11上に直に機能層12が形成されてなる積層体である。本発明シート10の機能層12上に構造物20が構築されている。構造物20は、予め形成された製品(プレキャスト品)又は半製品(半硬化体)であっても良いが、機能層12上に上記液状原料を配置した後、硬化して得られる構造物が好適である。
図2には、構造物20の一部として本発明シート10を含む場合の構成図を示す。図2の本発明シート10は、金属箔11の両面上に直に機能層12が形成されてなる積層体である。本発明シート10の両面の機能層12上にそれぞれ構造物20が構築されている。この場合、本発明シート10が構造体中に埋設された構造であっても良い。構造物20は、予め形成された製品(プレキャスト品)又は半製品(半硬化体)であっても良いが、機能層12上に上記液状原料を配置した後、硬化して得られる構造物が好適である。
本発明シートの厚み(総厚み)は、通常は40μm以上10mm以下の範囲内において所望の強度等に応じて適宜設定できるが、これに限定されない。
このように、本発明シートは、少なくとも金属箔及び機能層を含むものであるが、本発明の効果を妨げない限り、他の層が含まれていても良い。以下において、本発明シートを構成する各層について説明する。
金属箔
金属箔の種類は、特に限定されず、例えばアルミニウム箔、銅箔、チタン箔、ステンレス鋼箔のほか、これらの金属を含む合金箔が挙げられる。こうした金属箔を本発明シートに用いることにより、高い透湿抵抗性を得ることができる。特に、構造物自体の重量増加による歪みの発生等を抑えるために軽量なアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔を用いることが好ましく、特にアルミニウムとMn、Cr、Mg、Ti及びCuの少なくとも1種とを含むアルミニウム合金箔を用いることが耐腐食性等の点でより好ましい。
上記のようなアルミニウム合金箔を用いる場合、その合金組成はアルミニウム含有量が90質量%以上(特に94質量%以上)であれば限定的ではないが、特に0.5≦Mn≦3.0質量%のMnと、0.0001≦Cr<0.20質量%のCrと、0.2≦Mg≦1.8質量%のMgと、0.0001≦Ti≦0.6質量%のTiと、0<Cu≦0.005質量%のCuと、0<Si≦0.1質量%のSiと、0<Fe≦0.2質量%のFeとを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物とからなるアルミニウム合金箔を用いることがより好ましい。アルミニウム箔が上記組成であることによって、コンクリート、アスファルト等のアルカリ性(特に強アルカリ性)の材料に対してよりいっそう高い耐腐食性を発揮できるため、長期にわたって透湿抵抗性を持続させることができる。
金属箔の厚みは、特に限定されないが、通常は7μm以上500μm以下の範囲とすれば良く、特に40μm以上200μm以下の範囲とすることがより好ましい。このような範囲に設定することによって、構造物を施工する際に金属箔のシワの発生、カール発生、破れ等を効果的に抑えることができる。
機能層
機能層は、図1〜図2で示したように、金属箔の表面に直に接するように積層されているものである。
機能層は、一次粒子平均径3〜100nmの疎水性粒子及び疎油性粒子の少なくとも1種の機能性粒子を含む。
機能層が疎水性粒子及び疎油性粒子の少なくとも1種の機能性粒子を含むので、機能層に接して構築された構造物を撤去するような場合、機能層がいわば界面となって、構造物から金属箔を比較的容易に分離することができ、金属箔と構造物との分別が可能となる。すなわち、機能層は、セメント、アスファルト、コンクリート、モルタル、石膏、粘土等の土木建築材料、あるいはこれらの土木建築材料に接着した樹脂シートと容易に剥離することができる。その結果、土木建築材料から金属箔を分離することができるため、土木建築材料の再利用が可能となる。
機能性粒子としては、疎水性及び/又は疎油性を有するものであれば限定されない。機能層に含有される微粒子は、疎水性微粒子及び疎油性微粒子の少なくとも1種を土木建築材料の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、シート上に施工される土木建築材料が水分を多く含むものの場合には、機能層に含まれる微粒子としては疎水性微粒子を用いることが好ましい。他方、シート上に施工される土木建築材料が油分を多く含む場合には、疎油性微粒子を用いれば良い。
機能性粒子としては、上記のような性能を有するものであれば特に限定されず、例えば無機酸化物の粒子又はその粒子表面が被覆された複合粒子を好適に用いることができる。前記の無機酸化物としては、例えば酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の粒子(粉末)の少なくとも1種を用いることができる。本発明では、特に、酸化ケイ素であることが好ましい。
機能性粒子は、平均一次粒子径が通常3〜100nm程度であり、特に5〜50nmであることが好ましく、その中でも7〜30nmであることがより好ましい。
なお、本発明において、機能性粒子等の一次粒子平均径の測定は、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡を用いて実施することができる。より具体的には、平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡で撮影し、その写真上で200個以上の粒子の直径を測定し、その算術平均値を算出することによって求めることができる。
前記のようなナノレベルの機能性粒子そのものは、公知又は市販のものを使用することができる。
疎水性粒子(撥水性粒子)としては、シリカとして製品名「AEROSIL R972」、「AEROSIL R972V」、「AEROSIL R972CF」、「AEROSIL R974」、「AEROSIL RX200」、「AEROSIL RY200」(以上、日本アエロジル株式会社製)、「AEROSIL R202」、「AEROSIL R805」、「AEROSIL R812」、「AEROSIL R812S」、(以上、エボニック デグサ社製)、「サイロホービック100」「サイロホービック200」「サイロホービック603」(以上、富士シリシア化学株式会社製)等が例示できる。チタニアとしては、製品名「AEROXIDE TiO T805」(エボニック デグサ社製)等が例示できる。アルミナとしては、製品名「AEROXIDE Alu C」(エボニック デグサ社製)等をシランカップリング剤で処理して粒子表面を疎水性とした微粒子が例示できる。
この中でも、本発明では、疎水性シリカ微粒子を好適に用いることができる。特に、より優れた非付着性が得られるという点において、表面にトリメチルシリル基を有する疎水性シリカ微粒子が好ましい。これに対応する市販品としては、例えば前記「AEROSIL R812」、「AEROSIL R812S」(いずれもエボニック デグサ社製)等が挙げられる。
疎油性粒子(撥油性粒子)としては、酸化ケイ素として製品名「AEROSIL 200」(「AEROSIL」は登録商標。以下同じ)、「AEROSIL 130」、「AEROSIL 300」、「AEROSIL 50」、「AEROSIL 200FAD」、「AEROSIL 380」(以上、日本アエロジル(株)製)等により例示される粒子をコアとして、ポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂でコア表面が被覆された撥油性粒子を用いることができる。酸化チタンとしては、例えば製品名「AEROXIDE TiO T805」(エボニック デグサ社製)等により例示される粒子をコアとして、ポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂でコア表面が被覆された疎油性粒子を用いることができる。酸化アルミニウムとしては、例えば製品名「AEROXIDE Alu C 805」(エボニック デグサ社製)等により例示される粒子をコアとして、ポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂でコア表面が被覆された疎油性粒子を用いることができる。
被覆層として用いるポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂は、上記のようなコアとなる酸化物粒子(特に酸化ケイ素粒子)との親和性に優れるがゆえに比較的密着性の高い強固な被覆層を当該粒子表面上に形成できるととともに、高い撥水性・撥油性をも発現させることができる。このような樹脂そのものは公知又は市販のものを使用することができる。市販品としては、例えば製品名「CHEMINOX FAMAC−6」(ユニマテック(Japan)社製)、製品名「Zonyl TH Fluoromonomer コード421480」(SIGMA−ALDRICH(USA)社製)、製品名「SCFC−65530−66−7」(Maya High Purity Chem(CHINA)社製)、製品名「FC07−04〜10」(Fluory,Inc(USA))、製品名「CBINDEX:58」(Wilshire Chemical Co.,Inc(USA)社製)、製品名「アサヒガードAG−E530」、「アサヒガードAG−E060」(いずれも旭硝子株式会社製)、製品名「TEMAc−N」(Top Fluorochem Co.,LTD(CHINA)社製)、製品名「Zonyl 7950」(SIGMA−RBI(SWITZ)社製)、製品名「6100840〜6100842」(Weibo Chemcal Co.,Ltd(CHINA)社製)、製品名「CB INDEX:75」(ABCR GmbH&CO.KG(GERMANY)社製)等を挙げることができる。
これらの中でも、より優れた撥油性、さらには撥水性が得られる見地より、例えばa)ポリフルオロオクチルメタクリレート、b)2−N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、c)2−ヒドロキシエチルメタクリレート及びd)2,2’−エチレンジオキシジエチルジメタクリレートが共重合したコポリマーを上記樹脂として好適に採用することができる。これらも上記のような市販品を用いることができる。
コア表面をポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂で被覆する方法(複合酸化物微粒子の調製方法)は特に限定されず、コア粒子(粉末)に対して被覆材としてポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を用い、公知のコーティング方法、造粒方法等に従って被覆層を形成すれば良い。例えば、液状のポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を溶媒に溶解又は分散させた塗工液を金属酸化物の粒子にコーティングする工程(被覆工程)を含む製造方法によって複合酸化物微粒子を好適に調製することができる。
上記製造方法では、ポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂として常温(25℃)及び常圧下で液状のものを好適に用いることができる。このようなポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂としては、前記で例示した市販品を使用することもできる。
塗工液に使用する溶媒は特に制限されず、水のほか、アルコール、トルエン等の有機溶剤を使用することができるが、本発明では水を用いることが好ましい。すなわち、塗工液としてポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂が水に溶解及び/又は分散した塗工液を使用することが好ましい。
上記の塗工液中におけるポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂の含有量は特に制限されないが、一般的には10〜80重量%とし、特に20〜60重量%の範囲内に設定することが好ましい。
コア粒子表面に塗工液をコーティングする方法は、公知の方法に従えば良く、例えばスプレー法、浸漬法等のいずれも適用することができる。特に、本発明では、均一性等に優れるという点でスプレー法によるコーティングが特に好ましい。
塗工液をコーティングした後、熱処理により溶媒を除去することによって被覆粒子を得ることができる。熱処理温度は通常150〜250℃程度、特に180〜200℃とすることが好ましい。熱処理の雰囲気は限定的ではないが、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気が望ましい。また、例えば、必要に応じて、さらに被覆工程及び熱処理工程からなる一連の工程を1回以上実施することができる。これにより被覆量の制御等を好適に行うことが可能となる。
このようにして得られた複合酸化物微粒子は、その表面にポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を備えているので、無機酸化物粒子との親和性に優れるがゆえに比較的密着性の高い強固な被覆層を当該粒子表面上に形成できるとともに、構造物との分離性において高い性能を発現させることができる。
機能層中における機能性粒子の含有量は、特に制限されず、通常は10〜100重量%の範囲内で適宜設定することができる。機能性粒子の含有量を100重量%に近づければそれだけ高い撥水性及び/又は撥油性を得ることができる。従って、例えば機能層中における機能性粒子の含有量を98〜100重量%に設定することもできる。
機能層における機能性粒子の付着量(乾燥後重量)は限定的ではないが、通常0.01〜10g/mとするのが好ましく、0.2〜1.5g/mとするのがより好ましく、0.2〜1g/mとするのが最も好ましい。
こうした機能層は、金属箔の少なくとも一方の面の少なくとも一部の領域に積層されていれば良い。例えば、構造物の強度が求められている場合には、金属箔の一部の領域に機能層を有することで、機能層が積層されていない領域では金属箔と土木建築材料が接着して本発明シートのズレを防ぐことができる一方、金属箔の機能層が積層されている領域では金属箔を土木建築材料から容易に剥離することができる。
その他の層(任意的な層)
本発明シートでは、必要に応じて、金属箔の少なくとも一方の面に、樹脂層、不織布層等が積層されていても良い。また、本発明の効果を妨げない範囲内で、接着剤層、印刷層等の各層を積層することもできる。
樹脂層
樹脂層は、金属箔の少なくとも一方の面に形成することができる。例えば、a)金属箔の機能層が積層されていない方の面に樹脂層を備えた「樹脂層/金属箔/機能層」という層構成の積層体、b)金属箔の機能層が積層される側の面では金属箔と機能層との間に樹脂層を備えた「金属箔/樹脂層/機能層」という層構成からなる積層体等が挙げられる。
樹脂層に用いられる樹脂の種類は、特に限定されず、例えばポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のように、汎用樹脂、エンジニアリングプラスチックス、スーパーエンジニアリングプラスチックスに分類される各種の樹脂が挙げられる。
こうした樹脂層を金属箔の少なくとも一方の面に積層することにより、金属箔層の防食性向上が図ることができる。また、施工時にかかる応力による金属箔の引き裂きを低減することができる。
樹脂層の形成方法は、特に限定されず、フィルム状のものであっても良いが、皮膜状のものであっても良い。すなわち、金属箔の少なくとも一方の面に備えられる樹脂層は、樹脂フィルムが積層されたものであっても、樹脂コートを塗工したものであっても良い。
不織布層
不織布層は、特に液状原料を配置した後、不織布を構成する繊維の間隙によって液状原料を保持することにより液状原料が液だれすることを抑制すること等を目的として形成することができる。すなわち、建築時の作業性向上に特に有効な層である。この場合、上記樹脂層の位置に不織布層を積層することができる。
不織布の種類は、特に限定されないが、例えばセルロース繊維、ポリアミド繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリオレフィン繊維、レーヨン繊維等が挙げられる。その他にも、炭素繊維、ガラス繊維等の不織布を用いることもできる。これらの繊維質原料による不織布(シート)は、公知又は市販のものを採用することができる。
不織布の坪量は、特に限定されるものではなく、例えば10〜500g/mの範囲内で任意に選定することができる。液状構造物の保持性、金属箔と不織布層との貼り合わせ性等を考慮した場合、特に50〜300g/mとすることがより好ましい。
不織布層の形成方法は、限定的でなく、不織布シートを基材層等に接着させることにより積層する方法等により実施できる。例えば、接着剤により形成する方法のほか、スパンボンド、エアスルー、サーマルボンド等のラミネートによる接着で形成された不織布も用いることができる。
2.本発明シートの使用
本発明シートは、土木構造物又は建築構造物の一部又は下地として使用されるシートである。すなわち、本発明は、本発明シートが土木構造物又は建築構造物の一部又は下地として使用されている構造体も包含する。本発明シートの使用方法(使用形態)としては、公知の下地シート、建築用シート等と同様にして用いることができる。従って、公知又は市販の機能性シート(例えば防水シート、透湿防水シート、遮熱シート、防音シート、防虫シート、防風シート等)の代替品としても用いることができる。
特に、本発明シートは、セメント、アスファルト、コンクリート、モルタル、粘土、石膏等のような土木建築材料の液状原料が乾燥・硬化してなる土木建築材料と本発明シート(特に本発明シートの機能層)とが接触した状態で使用されるシートとして好適に用いることができる。
本発明シートは、下地シートとして用いる場合は、例えばセメント、アスファルト、コンクリート、モルタル、粘土、石膏等の土木建築材料が用いられる構造物の下地として敷設される。また、前記のような構造物の中に埋め込まれた状態で用いることもできる。すなわち、特に液状原料を乾燥・硬化してなる土木建築材料中に本発明シートの一部又は全部が埋設された状態で施工することもできる。これらのいずれの場合でも、例えば構造物の解体時、改修時等において、不要となった部分において本発明シートの金属箔と土木建築材料とを分離することが可能である。これにより、金属箔が残存しない土木建築材料を回収できるので、再利用することが可能となる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1
0.5≦Mn≦3.0質量%のMnと、0.0001≦Cr<0.20質量%のCrと、0.2≦Mg≦1.8質量%のMgと、0.0001≦Ti≦0.6質量%のTiと、0<Cu≦0.005質量%のCuと、0<Si≦0.1質量%のSiと、0<Fe≦0.2質量%のFeとを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物とからなるアルミニウム合金箔(東洋アルミニウム株式会社製、厚さ85μm)を幅15mm、長さ200mmに裁断した。
次いで、このアルミニウム合金箔の一方の面に、疎油性を有する微粒子を含む機能層を積層した。機能層の積層方法としては、まず市販の酸化ケイ素微粒子(製品名「AEROSIL 200」日本アエロジル(株)製、BET比表面積:200m/g、平均一次粒子径12nm)5gを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら市販の表面処理剤500gをスプレーし、次いで200℃で30分間攪拌した後、冷却した。これにより表面改質シリカ微粒子(複合酸化物粒微子)の粉末を得た。
上記表面処理剤としては、ポリフルオロオクチルメタクリレート、2−N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び2,2’−エチレンジオキシジエチルジメタクリレートのコポリマーの水分散液(固形分濃度:20重量%)を用いた。
上記の複合酸化物粒微子をエタノール100mlに分散させてコート液を調製した。このコート液を上記金属箔上にバーコーターを用いて塗工し、100℃で10秒の条件で乾燥した。乾燥後の目標塗工量は0.1g/mとした。このようにして、試料となるシートを得た。
実施例2
乾燥後の目標塗工量を0.8g/mとして金属箔に積層した以外は、実施例1と同様に試料を作製した。
実施例3
乾燥後の目標塗工量を3.5g/mとして金属箔に積層した以外は、実施例1と同様に試料を作製した。
比較例1
アルミニウム合金箔の一方の面に易剥離コートを施さなかったほかは、実施例1と同様に試料を作製した。
比較例2
アルミニウム合金箔の一方の面に付与するコート液をシリコーンエマルジョン(Bluestar Silicones Shanghai社製 SILCOLEASE EMULSION 902)とし、付着量を1.0g/mとした以外は、実施例1と同様に試料を作製した。
比較例3
アルミニウム合金箔の一方の面に付与するコート液をシリコーンエマルジョン(Bluestar Silicones Shanghai社製 SILCOLEASE EMULSION 902)とし、付着量を2.0g/mとした以外は、実施例1と同様に試料を作製した。
比較例4
アルミニウム合金箔の一方の面に付与するコート液をシリコーンエマルジョン(Bluestar Silicones Shanghai社製 SILCOLEASE EMULSION 902)とし、付着量を3.7g/mとした以外は、実施例1と同様に試料を作製した。
比較例5
アルミニウム合金箔の一方の面に付与するコート液をシリコーンエマルジョン(Bluestar Silicones Shanghai社製 SILCOLEASE EMULSION 902)とし、付着量を10.0g/mとした以外は、実施例1と同様に試料を作製した。
試験例1
各実施例及び比較例で得られた試料の機能層の表面に液温度250℃の溶融アスファルト(ニチレキ製アスファルトコンパウンド)を10g滴下し、23℃になるまで自然冷却させた。アスファルトと機能層との層間密着強度をオートグラフ(島津製AGS−100D)にて測定した。
密着強度が測定不可能なほどに低く、土木建築材料から引き剥がしが容易であったものを「○」、密着強度が0.1kgf以上1.0kgf未満で土木建築材料から引き剥がす際に力を要したものを「△」、密着強度が1.0kgf以上で土木建築材料に金属箔の一部が残るおそれがあるものを「×」とした。その結果を表1に示す。
Figure 0006966914
以上の結果からも明らかなように、本発明シートでは、硬化後のアスファルトとアルミニウム箔とを容易に分離できることがわかる。これにより、土木建築材料中にアルミニウム箔が残らないので、回収された土木建築材料を有効に再利用することが可能となる。

Claims (6)

  1. セメント、アスファルト、コンクリート、モルタル、粘土又は石膏の土木建築材料により構成されている土木構造物又は建築構造物の一部又は下地として使用されるシートであって、
    (1)金属箔及びその少なくとも一方の面上に形成された機能層を含み、
    (2)前記機能層は、一次粒子平均径3〜100nmの疎水性粒子及び疎油性粒子の少なくとも1種の機能性粒子を含み、
    (3)前記機能性粒子が、酸化物微粒子表面にポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を含む被覆層を備えており、
    (4)前記土木建築材料と前記機能層とが接触した状態で使用される、
    ことを特徴とする構造物用シート。
  2. 機能層における機能性粒子の付着量が0.1〜3.5g/mである、請求項1に記載の構造物用シート。
  3. 金属箔が、
    a)0.5≦Mn≦3.0質量%、
    b)0.0001≦Cr<0.20質量%、
    c)0.2≦Mg≦1.8質量%、
    d)0.0001≦Ti≦0.6質量%、
    e)0<Cu≦0.005質量%、
    f)0<Si≦0.1質量%、
    g)0<Fe≦0.2質量%
    h)残部がアルミニウム及び不可避不純物、
    からなるアルミニウム合金箔である、請求項1又は2に記載の構造物用シート。
  4. 金属箔の少なくとも一方の面にさらに樹脂層を含む、請求項1〜3のいずれか記載の構造物用シート。
  5. 土木建築材料が、液状原料を乾燥・硬化して得られるものである、請求項1〜4のいずれか記載の構造物用シート。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のシートが土木構造物又は建築構造物の一部又は下地として使用されている構造体。
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