JP6966428B2 - 副溝結合テイルを有するdna結合物質 - Google Patents
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Description
本発明は概して、医薬品化学の分野に関連する。より具体的には、本発明は、DNAに結合できる、および/または血液脳関門を通過できる、化学療法化合物に関する。
アントラサイクリン類のダウノルビシンおよびドキソルビシン(DOX)は、よく用いられる化学療法抗生物質である。アントラサイクリン類は、トポイソメラーゼIIの阻害; DNA鎖間のインターカレーション、それによるDNAおよびRNA合成の阻害; 細胞内のタンパク質および核酸と反応し、それらを損傷するフリーラジカルの生成; 二価陽イオンのキレート化; および細胞膜との反応を含む、種々の機序によってその細胞毒性作用を達成する。可能性のある作用部位は広範囲に亘り、アントラサイクリン類の広範な有効性および毒性を説明し得る(Young et al., 1985)。ダウノルビシンとドキソルビシンの臨床的使用には顕著な差異があるが、それらの化学構造はC14上の唯一つのヒドロキシル基によってのみ異なる。これらの化合物の従前の改変は、特定の腫瘍型に対するそれらの選択性を改善するために行われてきた(米国特許第6,673,907号(特許文献1)、第7,109,177号(特許文献2)、および第7,557,090号(特許文献3)並びにPCT公報WO2008/029294(特許文献4))。特に、脳がんは多くの化合物が血液脳関門を容易に通過することができないことから処置が困難であり得る(Pardridge, 1999; Bickel, et al., 2001)。したがって、増大した活性および/または血液脳関門を通過する能力を示す、新規な化合物が臨床的に必要とされている。
式中、
X1、X2、X3、X6、およびX7は、それぞれ独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、エステル(C≦12)、置換エステル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ (C≦12)であり;
X4は、アシル(C≦18)または置換アシル(C≦18)であり;
X5 は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり;
Y1、Y2、およびY3は、それぞれ独立して、O、S、またはNHであり;
Aは、OまたはSであり;
R1、R1’、R2、R2’、R3、およびR3’は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、もしくはアルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、アルキルチオ(C≦8)、アルキルアミノ(C≦8)、ジアルキルアミノ(C≦8)、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであり;
Y4は、アレーンジイル(C≦12)、ヘテロアレーンジイル(C≦12)、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであり;
各X8は、独立して、-X9-ヘテロアレーンジイル(C≦12)または置換-X9-ヘテロアレーンジイル(C≦12) であり、ここで、
X9は、-NHC(O)-または-C(O)NH-であり;
R4は、水素、アミノ、ニトロ、アルキルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アミド(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、置換ジアルキルアミノ(C≦12)、または置換アミド(C≦12) であり;
mは0、1、2、または3であり;
nは、1、2、または3である。
式中、
X2、X3、X6、およびX7は、それぞれ独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、エステル(C≦12)、置換エステル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ (C≦12)であり;
X4は、アシル(C≦18)または置換アシル(C≦18)であり;
X5 は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり;
Y1、Y2、およびY3は、それぞれ独立して、O、S、またはNHであり;
Aは、OまたはSであり;
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、もしくはアルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、アルキルチオ(C≦8)、アルキルアミノ(C≦8)、ジアルキルアミノ(C≦8)、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであり;
Y4は、アレーンジイル(C≦12)、ヘテロアレーンジイル(C≦12)、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであり;
各X8は、独立して、-X9-ヘテロアレーンジイル(C≦12)または置換-X9-ヘテロアレーンジイル(C≦12) であり、ここで、
X9は、-NHC(O)-または-C(O)NH-であり;
R4は、水素、アミノ、ニトロ、アルキルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アミド(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、置換ジアルキルアミノ(C≦12)、または置換アミド(C≦12) であり;
mは0、1、2、または3であり;
nは、1、2、または3である。
式中、
X7は、水素、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ (C≦12)、エステル(C≦12)、または置換エステル(C≦12)であり;
X4は、アシル(C≦18)または置換アシル(C≦18)であり;
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、もしくはアルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、アルキルチオ(C≦8)、アルキルアミノ(C≦8)、ジアルキルアミノ(C≦8)、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであり;
Y4は、共有結合、アレーンジイル(C≦12)、ヘテロアレーンジイル(C≦12)、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであり;
各X8は、独立して、-X9-ヘテロアレーンジイル(C≦12)または置換-X9-ヘテロアレーンジイル(C≦12) であり、ここで、
X9は、-NHC(O)-または-C(O)NH-であり;
R4は、水素、アミノ、ニトロ、アルキルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アミド(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、置換ジアルキルアミノ(C≦12)、または置換アミド(C≦12) であり;
mは0、1、2、または3であり;
nは、1、2、または3である。
である。
としてさらに定義されるか、またはその薬学的に許容される塩である。
(a) 本明細書に記載される化合物;および
(b) 薬学的に許容される担体。
以下の式:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
式中、
X 1 、X 2 、X 3 、X 6 、およびX 7 は、それぞれ独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、エステル (C≦12) 、置換エステル (C≦12) 、アルコキシ (C≦12) 、または置換アルコキシ (C≦12) であり;
X 4 は、アシル (C≦18) または置換アシル (C≦18) であり;
X 5 は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ (C≦12) 、または置換アルコキシ (C≦12) であり;
Y 1 、Y 2 、およびY 3 は、それぞれ独立して、O、S、またはNHであり;
Aは、OまたはSであり;
R 1 、R 1 ’、R 2 、R 2 ’、R 3 、およびR 3 ’は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、もしくはアルキル (C≦8) 、アルコキシ (C≦8) 、アルキルチオ (C≦8) 、アルキルアミノ (C≦8) 、ジアルキルアミノ (C≦8) 、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであり;
Y 4 は、アレーンジイル (C≦12) 、ヘテロアレーンジイル (C≦12) 、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであり;
各X 8 は、独立して、-X 9 -ヘテロアレーンジイル (C≦12) または置換-X 9 -ヘテロアレーンジイル (C≦12) であり、ここで、
X 9 は、-NHC(O)-または-C(O)NH-であり;
R 4 は、水素、アミノ、ニトロ、アルキルアミノ (C≦12) 、ジアルキルアミノ (C≦12) 、アミド (C≦12) 、置換アルキルアミノ (C≦12) 、置換ジアルキルアミノ (C≦12) 、または置換アミド (C≦12) であり;
mは0、1、2、または3であり;
nは、1、2、または3である。
[本発明1002]
前記式が、以下:
としてさらに定義される、本発明1001の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
式中、
X 2 、X 3 、X 6 、およびX 7 は、それぞれ独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、エステル (C≦12) 、置換エステル (C≦12) 、アルコキシ (C≦12) 、または置換アルコキシ (C≦12) であり;
X 4 は、アシル (C≦18) または置換アシル (C≦18) であり;
X 5 は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ (C≦12) 、または置換アルコキシ (C≦12) であり;
Y 1 、Y 2 、およびY 3 は、それぞれ独立して、O、S、またはNHであり;
Aは、OまたはSであり;
R 1 、およびR 2 は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、もしくはアルキル (C≦8) 、アルコキシ (C≦8) 、アルキルチオ (C≦8) 、アルキルアミノ (C≦8) 、ジアルキルアミノ (C≦8) 、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであり;
Y 4 は、アレーンジイル (C≦12) 、ヘテロアレーンジイル (C≦12) 、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであり;
各X 8 は、独立して、-X 9 -ヘテロアレーンジイル (C≦12) または置換-X 9 -ヘテロアレーンジイル (C≦12) であり、ここで、
X 9 は、-NHC(O)-または-C(O)NH-であり;
R 4 は、水素、アミノ、ニトロ、アルキルアミノ (C≦12) 、ジアルキルアミノ (C≦12) 、アミド (C≦12) 、置換アルキルアミノ (C≦12) 、置換ジアルキルアミノ (C≦12) 、または置換アミド (C≦12) であり;
mは0、1、2、または3であり;
nは、1、2、または3である。
[本発明1003]
前記式が、以下:
としてさらに定義される、本発明1001または本発明1002のいずれかの化合物、またはその薬学的に許容される塩:
式中、
X 7 は、水素、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシ (C≦12) 、置換アルコキシ (C≦12) 、エステル (C≦12) 、置換エステル (C≦12) であり;
X 4 は、アシル (C≦18) または置換アシル (C≦18) であり;
R 1 およびR 2 は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、もしくはアルキル (C≦8) 、アルコキシ (C≦8) 、アルキルチオ (C≦8) 、アルキルアミノ (C≦8) 、ジアルキルアミノ (C≦8) 、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであり;
Y 4 は、共有結合、アレーンジイル (C≦12) 、ヘテロアレーンジイル (C≦12) 、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであり;
各X 8 は、独立して、-X 9 -ヘテロアレーンジイル (C≦12) または置換-X 9 -ヘテロアレーンジイル (C≦12) であり、ここで、
X 9 は、-NHC(O)-または-C(O)NH-であり;
R 4 は、水素、アミノ、ニトロ、アルキルアミノ (C≦12) 、ジアルキルアミノ (C≦12) 、アミド (C≦12) 、置換アルキルアミノ (C≦12) 、置換ジアルキルアミノ (C≦12) 、または置換アミド (C≦12) であり;
mは0、1、2、または3であり;
nは、1、2、または3である。
[本発明1004]
X 7 が、アルコキシ (C≦12) または置換アルコキシ (C≦12) である、本発明1001〜1003のいずれかの化合物。
[本発明1005]
X 7 がメトキシである、本発明1004の化合物。
[本発明1006]
X 7 がハロである、本発明1001〜1003のいずれかの化合物。
[本発明1007]
X 7 がフッ素である、本発明1006の化合物。
[本発明1008]
X 4 が、アシル (C≦18) または置換アシル (C≦18) である、本発明1001〜1005のいずれかの化合物。
[本発明1009]
X 4 がアシル (C≦8) である、本発明1008の化合物。
[本発明1010]
X 4 が-C(O)CH 3 である、本発明1009の化合物。
[本発明1011]
X 4 が置換アシル (C≦8) である、本発明1008の化合物。
[本発明1012]
X 4 が-C(O)CH 2 OHである、本発明1011の化合物。
[本発明1013]
R 1 がアルキル (C≦8) である、本発明1001〜1012のいずれかの化合物。
[本発明1014]
R 1 がメチルである、本発明1013の化合物。
[本発明1015]
R 1 が置換アルキル (C≦8) である、本発明1001〜1012のいずれかの化合物。
[本発明1016]
R 1 が、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、またはヒドロキシメチルである、本発明1015の化合物。
[本発明1017]
R 2 がヒドロキシである、本発明1001〜1014のいずれかの化合物。
[本発明1018]
mが1である、本発明1001〜1017のいずれかの化合物。
[本発明1019]
Y 4 がアレーンジイル (C≦12) である、本発明1001〜1018のいずれかの化合物。
[本発明1020]
Y 4 がベンゼンジイルである、本発明1019の化合物。
[本発明1021]
Y 4 が共有結合である、本発明1001〜1018のいずれかの化合物。
[本発明1022]
X 8 が-X 9 -ヘテロアレーンジイル (C≦12) である、本発明1001〜1021のいずれかの化合物。
[本発明1023]
X 8 が-NHC(O)-ヘテロアレーンジイル (C≦12) である、本発明1022の化合物。
[本発明1024]
X 8 のヘテロアレーンジイル (C≦12) が、2,5-ピリジンジイル、2,4-ピロールジイル、または2,4-N-メチルピロールジイルである、本発明1023の化合物。
[本発明1025]
X 8 が
である、本発明1024の化合物。
[本発明1026]
X 8 が
である、本発明1025の化合物。
[本発明1027]
X 8 が
である、本発明1026の化合物。
[本発明1028]
R 4 が水素である、本発明1001〜1027のいずれかの化合物。
[本発明1029]
R 4 がニトロである、本発明1001〜1027のいずれかの化合物。
[本発明1030]
R 4 がアミド (C≦12) である、本発明1001〜1027のいずれかの化合物。
[本発明1031]
R 4 が-NHC(O)Hである、本発明1030の化合物。
[本発明1032]
薬学的に許容される塩として表される、本発明1001〜1031のいずれかの化合物。
[本発明1033]
無機酸付加塩として表される、本発明1032の化合物。
[本発明1034]
HCl酸塩として表される、本発明1033の化合物。
[本発明1035]
以下:
としてさらに定義される、本発明1001〜1034のいずれかの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
[本発明1036]
(a) 本発明1001〜1035のいずれかの化合物;および
(b) 薬学的に許容される担体
を含む、薬学的組成物。
[本発明1037]
動脈内投与用、静脈内投与用、または経口投与用に製剤化される、本発明1036の薬学的組成物。
[本発明1038]
単位用量として製剤化される、本発明1036または本発明1037のいずれかの薬学的組成物。
[本発明1039]
治療的有効量の本発明1001〜1038のいずれかの化合物または組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、患者におけるがんを処置する方法。
[本発明1040]
がんが、膀胱、血液、骨、脳、乳房、中枢神経系、子宮頸部、結腸、子宮内膜、食道、胆嚢、胃腸管、生殖器、尿生殖路、頭、腎臓、喉頭、肝臓、肺、筋組織、頸部、口腔もしくは鼻粘膜、卵巣、膵臓、前立腺、皮膚、脾臓、小腸、大腸、胃、睾丸、または甲状腺のがんである、本発明1039の方法。
[本発明1041]
がんが、肺癌、脳がん、または膵臓癌である、本発明1040の方法。
[本発明1042]
がんが脳がんである、本発明1041の方法。
[本発明1043]
がんが膠芽腫である、本発明1042の方法。
[本発明1044]
がんが脳への転移である、本発明1042の方法。
[本発明1045]
がんが、メラノーマ、リンパ腫、乳癌、または肺癌による脳への転移である、本発明1044の方法。
[本発明1046]
前記化合物または組成物が血液脳関門を通過する、本発明1039〜1045のいずれかの方法。
[本発明1047]
前記化合物を全身的に投与し、血液脳関門を通過する拡散によって該化合物が脳に進入することを可能にすることを含む、本発明1046の方法。
[本発明1048]
第二の抗がん療法を施すことを含む、本発明1039〜1047のいずれかの方法。
[本発明1049]
第二の抗がん療法が、第二の化学療法化合物、放射線療法、外科手術、または免疫療法である、本発明1048の方法。
[本発明1050]
患者が哺乳動物である、本発明1039〜1049のいずれかの方法。
[本発明1051]
患者がヒトである、本発明1050の方法。
[本発明1052]
前記化合物を1回投与することを含む、本発明1039〜1051のいずれかの方法。
[本発明1053]
前記化合物を2回以上投与することを含む、本発明1039〜1051のいずれかの方法。
本発明の他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。ただし、詳細な説明及び特定の例は、本発明の好ましい態様を示す一方で、例示として与えられるものに過ぎないということが理解されるべきである。というのも、本発明の趣旨及び範囲内の様々な変化及び変更は、当業者にとってこの詳細な説明から明らかとなるであろうからである。
本開示は、がんを処置するため、および/またはDNAに結合するために用いられ得る化合物を提供する。いかなる理論によって拘束されることを望むことなく、アントラサイクリン部分がDNAヘリックス中にインターカレーションし、ポリアミンテイルがリン酸骨格に結合すると考えられる。いくつかの態様において、本明細書に記載の化合物は、血液脳関門を通過する透過性の増加を示し、化合物が脳組織中に進入することを可能にする。本明細書に提供される化合物は、がん、特に脳、肺、および膵臓のがんを処置するために使用され得る。
本開示によって提供される化合物は、例えば、先の発明の概要の項および以下の特許請求の範囲に示される。それらは、実施例の項で概説する方法を用いて作ることができる。これらの方法は、当業者によって適用される有機化学の原則および技術を使用して、さらに修飾および最適化することができる。そのような原則および技術は、例えば、March’s Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure (2007)に教示され、これは参照により本明細書に組み入れられる。
過剰増殖性疾患は、細胞に制御不能な複製を開始させる任意の疾患と関連し得、その典型例が、がんである。がんの重要な要素の1つは、細胞の正常なアポトーシスサイクルが妨げられることであり、従って、細胞数を低減させる薬剤はこれらの疾患を処置するための治療剤として用いることができる。本開示では、本明細書に記載される化合物は、がん細胞を死滅させるもしくはこれらの増殖を阻害する(例えば、がん細胞数の低減につながる)ために、または過剰増殖性細胞を死滅させるもしくはこれらの増殖を阻害するために用いることができ、脳、肺、および膵臓のがんを含む種々のがんを処置するために用いることができる。いくつかの態様において、本化合物は、神経膠腫などの脳がんを処置するために用いることができる。
A.薬学的組成物および製剤
臨床応用が企図されている場合、意図された用途に適した形態で薬学的組成物を調製することが必要である。いくつかの態様において、本開示の化合物を用いたこのような製剤が企図される。概して、これには発熱物質およびヒトまたは動物に有害であり得る他の不純物を本質的に含まない組成物の調製を伴う。
特に、本明細書には患者(例えば、ヒト対象)におけるがんの処置に使用することができる組成物が開示されている。上記の組成物は、好ましくは哺乳動物(例えば、齧歯類、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ウシ、ヒツジ、ウマ、ネコなど)に有効量で、すなわち、処置対象に所望の結果をもたらす(例えば、がん性細胞のアポトーシスを引き起こす)ことが可能な量で、投与される。本発明の方法で利用される組成物の毒性及び治療有効性は、標準的な薬学的手順によって決定することができる。医学及び獣医学の技術分野に周知のとおり、任意の動物1頭のための投薬量は、対象のサイズ、体表面積、体重、年齢、投与される特定の組成物、投与の期間及び経路、全体的健康状態、がんの臨床症状、及び同時に投与される他の薬物を含む、多くの要因に依存する。本明細書に記載の組成物は、通常、がん性細胞の死滅を誘導する(例えば、がん細胞のアポトーシスを誘導する)投薬量で投与され、これは、血液学的パラメータ(全血球計算(CBC))の低下、またはがん細胞の成長もしくは増殖の低下を確認することによりアッセイされる。いくつかの態様において、がんの処置に使用される化合物の量は、約0.01mg〜約10,000mg/日と算定される。いくつかの態様において、その量は、約1mg〜約1,000mg/日である。いくつかの態様において、薬物の代謝的分解の増加もしくは減少、または経口投与の場合における、消化管による摂取の減少などの、特定の患者の生物学的因子に基づいて、これらの投薬を減らすかまたは増やすことができる。加えて、化合物は、より有効であり得るため、同様の効果を達成するために必要な用量がより少量となる。そのような用量は、通常、1日に1回数週間投与されるか、またはがん細胞の十分な低減が達成されるまで投与される。
本明細書に記載の化合物は、追加の化学療法剤または患者が経験する1つまたは複数の副作用を緩和する化合物を用いて、併用療法で使用され得ることが考慮されている。
「化学療法」という用語は、がんを処置するための薬物の使用を意味する。「化学療法剤」は、癌の処置に投与される化合物又は組成物を意味するために使用される。これらの薬剤又は薬物は、細胞内でのそれらの作用形態、例えば、それらが細胞周期に影響を及ぼすかどうか、及びどの段階で細胞周期に影響を及ぼすかによって分類される。あるいは、薬剤は、DNAに直接架橋する、DNAの中にインターカレーションする、又は核酸合成に影響を及ぼすことによって染色体及び有糸分裂異常を誘導する、その能力に基づいて特徴付けられ得る。ほとんどの化学療法剤は、以下のカテゴリに属する:アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、有糸分裂阻害剤、およびニトロソウレア。
化学基との関連で使用される場合、「水素」は、-Hを意味し; 「ヒドロキシ」は、-OHを意味し; 「オキソ」は、=Oを意味し; 「カルボニル」は、-C(=O)-を意味し; 「カルボキシ」は、-C(=O)OHを意味し(-COOH又は-CO2Hとも書かれる); 「ハロ」は、独立して-F、-Cl、-Br又は-Iを意味し; 「アミノ」は、-NH2を意味し; 「ヒドロキシアミノ」は、-NHOHを意味し; 「ニトロ」は、-NO2を意味し; イミノは、=NHを意味し; 「シアノ」は、-CNを意味し; 「イソシアネート」は、-N=C=Oを意味し; 「アジド」は、-N3を意味し; 一価の状況において「ホスフェート」は、-OP(O)(OH)2又はその脱プロトン化体を意味し; 二価の状況において「ホスフェート」は、-OP(O)(OH)O-又はその脱プロトン化体を意味し; 「メルカプト」は、-SHを意味し; 「チオ」は、=Sを意味し; 「スルホニル」は、-S(O)2-を意味し; 「ヒドロキシスルフォニル」は、-S(O)2OHを意味し; 「スルホンアミド」は、-S(O)2NH2を意味し; および「スルフィニル」は、-S(O)-を意味する。
という記号は任意の結合を表し、これは、存在する場合、単結合か二重結合のいずれかである。
という記号は、単結合又は二重結合を表す。このため、例えば、式
は、
を含む。また、そのような環原子の1つは2つ以上の二重結合の一部を形成しないことが理解される。さらに、「-」という共有結合の記号は、1つまたは2つの立体原子を繋いでいる場合、好ましい立体化学を何ら示さないことが留意される。むしろこれは、全ての立体異性体及びそれらの混合物を包含する。
という記号は、結合を横切って垂直に描かれる場合(例えば、メチルについて
)、基の結合点を示す。結合点は、通常、読者が結合点を明確に特定することを補助するために、大きな基についてこの様式で特定されるのみであることが留意される。
という記号は、楔形の幅が広い方の端部に付いた基が「ページ外」である単結合を意味する。
という記号は、楔形の幅が広い方の端部に付いた基が「ページ内」である単結合を意味する。
という記号は、二重結合の周りの幾何(例えば、E又はZのいずれか)が未定義である単結合を意味する。したがって、両方の選択肢及びそれらの組み合わせが意図される。本出願において示される構造の原子上の任意の未定義の原子価は、その原子に結合した水素原子を暗黙的に表す。炭素原子上の太字の点は、その炭素に結合した水素が紙面の外に配向されることを示す。
において、Rは、安定した構造が形成される限り、示された、暗示された、又は明確に定義された水素を含め、任意の環原子に結合する任意の水素原子を置き換えることができる。「R」基が縮合環系で「浮動的な基」として示されている場合、例えば、以下の式
において、Rは、別途特定されない限り、縮合環のいずれかの任意の環原子に結合した任意の水素を置き換えことができる。置き換え可能な水素には、安定した構造が形成される限り、示された水素(例えば、上記式における窒素に結合した水素)、暗示された水素(例えば、示されてはいないが存在することが理解される上記式の水素)、明確に定義された水素、及びその存在が環原子の素性に依存する任意の水素(例えば、Xが-CH-と等しいときにX基に結合する水素)が含まれる。示された例では、Rは、縮合環系の5員環上又は6員環上のいずれかに存在し得る。上記式では、丸括弧で囲まれた「R」基の直後の下付き文字「y」は、数値変数を表す。別途特定されない限り、この変数は、0、1、2、又は2を超える任意の整数であることができ、これは、環または環系の置き換え可能な水素原子の最大数によってのみ制限される。
「アレーン」とは、式H-Rを有する化合物のクラスを意味し、ここでRはアリールであり、その用語は上記定義の通りである。ベンゼンおよびトルエンがアレーンの非限定的な例である。これらの用語のいずれかが「置換された」という修飾語付きで使用される場合、1個または複数の水素原子は独立して-OH、-F、-Cl、-Br、-I、-NH2、-NO2、-CO2H、-CO2CH3、-CN、-SH、-OCH3、-OCH2CH3、-C(O)CH3、-NHCH3、-NHCH2CH3、-N(CH3)2、-C(O)NH2、-C(O)NHCH3、-C(O)N(CH3)2、-OC(O)CH3、-NHC(O)CH3、-S(O)2OH、または-S(O)2NH2で置き換えられる。
「ヘテロアレーン」とは、式H-Rを有する化合物のクラスを意味し、ここでRはヘテロアリールである。ピリジンおよびキノリンがヘテロアレーンの非限定的な例である。これらの用語が「置換された」という修飾語付きで使用される場合、1個または複数の水素原子は、独立して、-OH、-F、-Cl、-Br、-I、-NH2、-NO2、-CO2H、-CO2CH3、-CN、-SH、-OCH3、-OCH2CH3、-C(O)CH3、-NHCH3、-NHCH2CH3、-N(CH3)2、-C(O)NH2、-C(O)NHCH3、-C(O)N(CH3)2、-OC(O)CH3、-NHC(O)CH3、-S(O)2OH、または-S(O)2NH2で置き換えられる。
以下の実施例は、本発明の好ましい態様を示すために含まれる。実施例に開示される技術は、本発明の実施に十分に機能すべく、本発明者によって発見された技術を代表するものであり、したがってその実施のための好ましい様式を構成するとみなされ得るということが当業者に認識されるべきである。しかし、当業者は、本開示に照らして、本発明の主旨および範囲を逸脱することなく、開示されている具体的な態様に多くの変更を行うことができ、かつ類似または同様の結果を依然得ることができることを認識すべきである。
本発明者は、独特のDNA結合物質の設計に「モジュール式の」方法を用いた。「モジュール式の」設計戦略は、有意な選択性を与えるべく、分子の中へのインターカレーションおよび溝結合方法を、必要なキラリティーおよび結合部位サイズと組み合わせる。それらは、モジュール式設計が、拡張したGCおよびAT含有配列を標的とする小分子バインダーを考察することを可能する、アントラサイクリン骨格およびジスタマイシンベースの断片の構築ブロックライブラリーを利用する。本発明者らは、ジスタマイシンのピロール含有断片をアントラサイクリンモジュールと接続するには、非常に特異的な要件を有することを示す。芳香族リンカーの使用が、(以下の)表1に列記される化合物の合成をもたらした。
特に、化合物WP1244(図1A〜B参照)は、サブナノモル範囲のインビトロでのIC50値を有し、極めて強力であることが見出され、現在、前臨床試験にいてその治療可能性について試験されている。WP1244は、アミノ糖に結合したポリアミド部分を有し、比較的高い分子量(MW)(981.3)を有する。WP1244を用いて行われた従前の5-マウス予備試験では、マウス脳組織におけるWP1244の存在が確認され、血漿中および脳中の平均正規化濃度は、約5mg/kgでの単回の静脈内投与の1時間後に、それぞれ283±128 ng/mL(範囲159〜487 ng/mL)および122±67.6 ng/g(範囲43〜203 ng/g)であった。この予備単回投与薬物動態学的試験の後に、特にWP1244の脳組織における、血漿経時変化および組織生体内分布をさらに解明すべく設計された完全単回投与薬物動態/生体内分布試験を行った。この試験は、55匹の動物および10mg/kgの用量の使用を含む。実験は24時間間隔で行われ、その方法および結果を以下に概説する。
インビボ手順 - 動物実験のための制度ガイドラインの下、WP1244を試験するために、マウス同所異種移植片脳神経膠腫モデルを使用した。簡潔には、継代U87 MG細胞10〜20 × 106/1ディッシュ(150mm)を10% FBSを含む25 mLのDMEM/F12中で増殖させた。この培養物から、細胞を1 × 106 U87 MG高グレード神経膠腫細胞を含有する10μLの容積に希釈し、NuNu無胸腺ヌードマウスの脳に注入した。スクリューガイドシステムを用いて細胞を右被殻に移植した。WP1244の場合、動物各6匹の3つの群があり、動物を対照群、1 mg/kg動物体重または5 mg/kg動物体重のいずれかで処置した。i.p.経路で腫瘍細胞を移植した5日後に、全ての動物を処置した。全ての対象動物が死亡してからKaplan-Meier生存曲線を作成し、実験を終了した。その結果を図5に示す。
副溝バインダー部分の合成 - メチル4-(4-アミノ-1-メチル-1H-ピロール-2-カルボキサミド)-1-メチル-1H-ピロール-2-カルボキシラートの合成。
1-メチル-4-(1-メチル-4-(1-メチル-1H-ピロール-2-カルボキサミド)-1H-ピロール-2-カルボキサミド)-1H-ピロール-2-カルボン酸(51 mg、0.138 mmol)およびHBTU(54 mg、0.142 mmol)の無水DMF(1 mL)溶液に、DIEA(0.054 mL、0.308 mmol)を加えた。得られた混合物を20分間撹拌し、次いでダウノルビシン塩酸塩(50 mg、0.088 mmol)のDMF(0.5 mL)溶液に加えた。得られた混合物を室温で4.5時間撹拌した。クロロホルム(2 mL)を加え、ヘキサンを用いて生成物を沈殿させた。固体粗生成物を、溶離系としてクロロホルム/メタノール グラジエントを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。WP1277を含有する画分を集めて合わせ、蒸発乾固させた。さらなる沈殿(CHCl3/ヘキサン)により、純粋な赤色固体を得、これを減圧下で乾燥した。61.4 mgのWP1277を79.3%の収率で得た。
Claims (17)
- 以下の式:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
式中、
X1、X2、X3、X6、およびX7は、それぞれ独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、-C(O)R a (式中、R a はアルコキシ (C≦11) 、もしくは置換アルコキシ (C≦11) である)、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり;
X4は、アシル(C≦18)または置換アシル(C≦18)であり;
X5は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり;
Y1、Y2、およびY3は、それぞれ独立して、O、S、またはNHであり;
Aは、OまたはSであり;
R1、R1’、R2、R2’、R3、およびR3’は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、もしくはアルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、アルキルチオ(C≦8)、アルキルアミノ(C≦8)、ジアルキルアミノ(C≦8)、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであり;
Y4は、アレーンジイル(C≦12)、ヘテロアレーンジイル(C≦12)、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであり;
各X8は、独立して、-X9-ヘテロアレーンジイル(C≦12)または置換-X9-ヘテロアレーンジイル(C≦12)であり、ここで、
X9は、-NHC(O)-または-C(O)NH-であり;
R4は、水素、アミノ、ニトロ、アルキルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アミド(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、置換ジアルキルアミノ(C≦12)、-NHC(O)H、または-NHR b (式中、R b はアシル (C≦12) 、もしくは置換アシル (C≦12) である)であり;
mは0、1、2、または3であり;
nは、1、2、または3である。 - X7が、アルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項1記載の化合物。
- X4が、アシル(C≦18)または置換アシル(C≦18)である、請求項1または2記載の化合物。
- R1がアルキル(C≦8)である、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
- R2がヒドロキシである、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
- mが1である、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物。
- Y4がアレーンジイル(C≦12)である、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物。
- Y4がベンゼンジイルである、請求項7記載の化合物。
- X8が-X9-ヘテロアレーンジイル(C≦12)である、請求項1〜8のいずれか一項記載の化合物。
- X8が-NHC(O)-ヘテロアレーンジイル(C≦12)である、請求項9記載の化合物。
- R4が水素である、請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物。
- (a) 請求項1〜15のいずれか一項記載の化合物;および
(b) 薬学的に許容される担体
を含む、薬学的組成物。 - 請求項1〜15のいずれか一項記載の化合物または請求項16記載の組成物を含む、患者におけるがんを処置するための医薬。
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