JP6966256B2 - 繊維強化熱可塑性樹脂複合材料、及びそれを含む成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、特定のポリカーボネート及び難燃剤を含む樹脂組成物と、連続強化繊維とを含む繊維強化熱可塑性樹脂複合材料、及びその複合材料を含む成形体に関するものである。
熱可塑性樹脂をマトリックスとする複合材料が知られている。熱可塑性樹脂を含む複合材料の具体例として、ガラス繊維、又は炭素繊維等の短繊維、又は連続繊維を含むものが挙げられる。連続繊維を用いた複合材料の例として、例えば、繊維配向方向で弾性率、及び強度に優れた特性を有するプリプレグ等が挙げられる。そしてこのような複合材料は、例えば、航空機部材、宇宙機部材、自動車部材、船舶部材、土木建築材、及びスポーツ用品等の多くの分野に用いられている。
特許文献1には、熱可塑性樹脂と2次元ランダムに配向させた炭素繊維を含む複合材料が記載されているが、このような複合材料によっては、充分に高い曲げ強度、及び弾性率等を有する成形体を製造できない可能性がある。
また、例えばポリカーボネート樹脂等を含む樹脂組成物に難燃性を付与する手段としては、従来より、有機臭素化合物等のハロゲン系難燃剤をポリカーボネート樹脂に配合することが知られている。
しかしながら、ハロゲン系難燃剤をポリカーボネート樹脂に配合した樹脂組成物は熱安定性が低下したり、成形加工時における成形機のスクリューや金型の腐食を招く恐れがある。またハロゲン系難燃剤を配合した場合は燃焼時に当該ハロゲンを含むガスが発生する恐れや製品の廃棄、回収時に環境汚染が問題になる可能性があるため、ハロゲン系難燃剤を使用することなく難燃化することが求められている。
一方、ハロゲン系難燃剤を用いること無く難燃性を付与する方法として、特許文献2に記載されているように、リン系難燃剤をポリカーボネート樹脂に使用する手法も検討されている。
しかしながら、リン系難燃剤を添加することにより、高い難燃性を有するポリカーボネート樹脂含有組成物を得ることができる可能性があるものの、一方でポリカーボネート樹脂が本来有する、曲げ弾性、曲げ強度、及び耐衝撃性等が低下するという問題が生じていた。
また、熱可塑性樹脂を含む複合材料においては、一般に、当該複合材料を用いて成形した成形体において優れた表面硬度、及び外観を実現することも必要とされる。
しかしながら、従来の熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネートを含む熱可塑性樹脂を用いて成形された成形体においては、必ずしも十分な表面硬度が達成されず、また、白化の問題も生じていた。
特開2011−178890号公報 特開昭62−4746号公報
本発明の課題は、成形体の製造に使用可能であり、難燃性に優れ、曲げ弾性率を始めとする強度、表面硬度、及び外観の良好な成形体を実現できる繊維強化熱可塑性樹脂複合材料等を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく検討を重ねた結果、特定の種類のポリカーボネート樹脂及びリン系難燃剤を含む樹脂組成物と、連続強化繊維とを含む繊維強化熱可塑性樹脂複合材料により、難燃性を向上させ、強度、表面硬度、及び外観の良好な成形体を実現できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下に示す繊維強化熱可塑性樹脂複合材料、及び成形体に関するものである。
[I]連続強化繊維(A)及び、
熱可塑性樹脂組成物(B)を含有する繊維強化熱可塑性樹脂複合材料であって、
前記熱可塑性樹脂組成物(B)が、リン系難燃剤(C)、及び下記式[1]で表される構成単位を含むポリカーボネート(D)を含み、
前記熱可塑性樹脂組成物(B)100質量部において25〜50質量部の前記リン系難燃剤(C)が含有される、繊維強化熱可塑性樹脂複合材料。
Figure 0006966256
(式[1]中、Rは単結合、炭素原子数1〜6のアルキレン基、炭素原子数6〜10のアリーレン基、又は炭素原子数3〜8の環状アルキレン基を表し、X及びYはそれぞれ独立して炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。)
[II]前記リン系難燃剤(C)が、ホスファゼン化合物を含む、上記[I]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料。
[III]前記連続強化繊維(A)を10〜80質量%、及び前記熱可塑性樹脂組成物(B)を20〜90質量%含有する、上記[I]又は[II]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料。
[IV]前記連続強化繊維(A)が、炭素繊維、ガラス繊維、及びアラミド繊維からなる群より選択される何れかの1種以上を含有する、上記[I]〜[III]のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料。
[V]前記熱可塑性樹脂組成物(B)中における前記ポリカーボネート(D)の割合が、50質量%以上である、上記[I]〜[IV]のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料。
[VI]前記ポリカーボネート(D)が、20〜100質量%の下記式[2]で表される構成単位と、80〜0質量%の下記式[3]で表される構成単位とを含む、ポリカーボネート単一重合体及び/又は共重合体である、上記[I]〜[V]のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料。
Figure 0006966256
(式[2]中、R、X、及びYは上記[I]に記載の通りである。)
Figure 0006966256
(式[3]中、Rは単結合、炭素原子数1〜6のアルキレン基、炭素原子数6〜10のアリーレン基、又は炭素原子数3〜8の環状アルキレン基を表す。)
[VII]前記ポリカーボネート(D)が、前記式[2]の構成単位として下記式[4]で表される構成単位を含み、前記式[3]の構成単位として下記式[5]で表される構成単位を含む、上記[VI]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料。
Figure 0006966256
Figure 0006966256
[VIII]上記[I]〜[VII]のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料を含む成形体。
[IX]曲げ強度が100MPa以上である、上記[VIII]に記載の成形体。
[X]上記[I]〜[VII]のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料の層の表面に透明樹脂層が積層されている、成形体。
本発明の熱可塑性樹脂複合材料により高い難燃性が達成されるとともに、本発明の熱可塑性樹脂複合材料を用いることにより、強度、表面硬度、及び外観の良好な成形体を製造できる。
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施することができる。
[繊維強化熱可塑性樹脂複合材料]
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料(以下、単に「複合材料」ともいう)は、連続強化繊維(A)と、熱可塑性樹脂組成物(B)とを含む。繊維強化熱可塑性樹脂複合材料は、各種成形体の製造に好適に用いられる。
本発明の複合材料の具体例としては、連続強化繊維(A)に熱可塑性樹脂組成物(B)を含浸させたプリプレグ、及び積層板等が挙げられる。
複合材料が、例えばシート状のプリプレグであれば、好ましい厚さは0.02〜1.0mmであり、より好ましくは0.1〜0.6mmであり、特に好ましくは0.2〜0.4mmである。厚さが上述の範囲内であれば、樹脂組成物(B)を充分に連続強化繊維(A)に含浸させることができる。また、成形体における樹脂組成物(B)の含有率を適度なレベルに保つことができるため、充分な物性の成形体が得られる。
[連続強化繊維(A)]
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料においては、連続強化繊維(A)が、10〜80質量%、好ましくは15〜70質量%、より好ましくは20〜65質量%、特に好ましくは25〜60質量%、含まれる。連続強化繊維(A)としては、炭素繊維、ガラス繊維、及びアラミド繊維を用いることができる。そして、成形体における熱可塑性樹脂組成物(B)の補強効果に優れることから、連続強化繊維(A)の形態としては、クロスなどの繊維状織物、又は繊維束を開繊し一方向に引き揃えられた繊維が好ましい。連続強化繊維の充填量の指標として、連続強化繊維の体積含有値(Vf値)が用いられ、連続強化繊維の体積含有値(Vf値)としては30〜60%が好ましく、35〜50%であることがさらに好ましい。
<炭素繊維>
炭素繊維には特に制限は無く、ポリアクリロニトリル(PAN)系、石油・石炭ピッチ系などの炭素繊維(例えば、株式会社 有沢製作所 製:CFP3113)等を使用することができる。
<ガラス繊維>
本発明で用いられるガラス繊維のガラス組成には特に制限はなく、Aガラス、Cガラス、Eガラスなどのガラス組成からなるものなどを用いることができ、例えば、平織の日東紡績株式会社製:WF350 100 BS6等が使用できる。特に、以下のような成分組成の無アルカリガラスであるEガラスがポリカーボネートを含む熱可塑性樹脂組成物(B)に悪影響を及ぼさないことから好ましい。
(Eガラス組成:質量%)
SiO:52〜56 Al:12〜16
Fe:0〜0.4
CaO:16〜25
MgO:0〜6
:5〜13
TiO:0〜0.5
O(NaO+KO):0〜0.8
ガラス繊維は、後述の表面処理剤により表面処理されたものであってもよく、このような表面処理により、樹脂成分とガラスとの接着性が向上し、高い機械的強度を達成することができるようになる。
<アラミド繊維>
アラミド繊維には特に制限は無く、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミドの文示鎖等により形成される芳香族ポリアミド(帝人株式会社製:トワロン(登録商標))等使用することができる。
<連続強化繊維用の表面処理>
本発明においては、特に、連続強化繊維(A)と熱可塑性樹脂組成物(B)との接着性を高めるために、また、連続強化繊維(A)と熱可塑性樹脂組成物(B)との接触による、熱可塑性樹脂組成物(B)中のポリカーボネート(D)の分解を抑制するために、表面処理剤で表面を処理した連続強化繊維(A)を用いることが好ましい。好適な表面処理剤の例として、アミノシラン、エポキシシラン等のシランカップリング剤、シリコーン化合物などが挙げられる。
[熱可塑性樹脂組成物(B)]
本発明の複合材料においては、熱可塑性樹脂組成物(B)が、20〜90質量%、好ましくは40〜85質量%、より好ましくは45〜75質量%、特に好ましくは55〜70質量%、含まれる。
熱可塑性樹脂組成物(B)は、以下のリン系難燃剤(C)、及びポリカーボネート(D)を含む。
[リン系難燃剤(C)]
本発明の熱可塑性樹脂組成物(B)は、リン系難燃剤(C)を、熱可塑性樹脂組成物(B)100質量部において、25〜50質量部、好ましくは27〜40質量部、より好ましくは30〜35質量部、含有する。このように難燃剤を含有することで、本発明において用いられる熱可塑性樹脂組成物(B)、及び複合材料の難燃性を効率的に向上させることができる。
本発明におけるリン系難燃剤としては、分子中にリンを含む化合物であり、低分子であっても、オリゴマーであっても、ポリマーであってもよいが、特に好ましいものとしては、熱安定性の面から、ホスファゼン化合物、より具体的には、式(i)であらわされる環状ホスファゼン化合物、および(ii)で表される直鎖状ホスファゼン化合物が挙げられる。
Figure 0006966256
[式(i)中、tは3〜25の整数であり、R5、及びR6は、同一又は異なっていてもよく、アリール基又はアルキルアリール基を示す。]
Figure 0006966256
[式(ii)中、uは3〜10,000の整数であり、R9は、−N=P(OR73基、−N=P(OR83基、−N=P(O)OR7基、−N=P(O)OR8基から選ばれる少なくとも1種を示し、R10は、−P(OR74基、−P(OR84基、−P(O)(OR72基、−P(O)(OR82基から選ばれる少なくとも1種を示す。R7及びR8は、同一又は異なっていてもよく、アリール基又はアルキルアリール基を示す。]
式(i)及び(ii)で表されるホスファゼン化合物としては、例えば、フェノキシホスファゼン、(ポリ)トリルオキシホスファゼン(例えば、o−トリルオキシホスファゼン、m−トリルオキシホスファゼン、p−トリルオキシホスファゼン、o,m−トリルオキシホスファゼン、o,p−トリルオキシホスファゼン、m,p−トリルオキシホスファゼン、o,m,p−トリルオキシホスファゼン等)、(ポリ)キシリルオキシホスファゼン等の環状及び/又は鎖状C1-6アルキルC6-20アリールオキシホスファゼンや、(ポリ)フェノキシトリルオキシホスファゼン(例えば、フェノキシo−トリルオキシホスファゼン、フェノキシm−トリルオキシホスファゼン、フェノキシp−トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,m−トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,p−トリルオキシホスファゼン、フェノキシm,p−トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,m,p−トリルオキシホスファゼン等)、(ポリ)フェノキシキシリルオキシホスファゼン、(ポリ)フェノキシトリルオキシキシリルオキシホスファゼン等の環状及び/又は鎖状C6-20アリールC1-10アルキルC6-20アリールオキシホスファゼン等が例示でき、好ましくは環状及び/又は鎖状フェノキシホスファゼン、環状及び/又は鎖状C1-3アルキルC6-20アリールオキシホスファゼン、C6-20アリールオキシC1-3アルキルC6-20アリールオキシホスファゼン(例えば、環状及び/又は鎖状トリルオキシホスファゼン、環状及び/又は鎖状フェノキシトリルフェノキシホスファゼン等)である。
式(i)で表される環状ホスファゼン化合物としては、R5及びR6は、同一又は異なっていてもよく、アリール基又はアルキルアリール基を示す。このようなアリール基又はアルキルアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、ベンジル基等が挙げられるが、なかでもR5及びR6がフェニル基である環状フェノキシホスファゼンが特に好ましい。このような環状フェノキシホスファゼン化合物としては、例えば、塩化アンモニウムと五塩化リンとを120〜130℃の温度で反応させて得られる環状及び直鎖状のクロロホスファゼン混合物から、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン、オクタクロロシクロテトラホスファゼン、デカクロロシクロペンタホスファゼン等の環状のクロルホスファゼンを取り出した後にフェノキシ基で置換して得られる、フェノキシシクロトリホスファゼン、オクタフェノキシシクロテトラホスファゼン、デカフェノキシシクロペンタホスファゼン等の化合物が挙げられる。
また、式(i)中、tは3〜25の整数を表すが、なかでもtが3〜8の整数である化合物が好ましく、tの異なる化合物の混合物であってもよい。なかでも、t=3のものが50質量%以上、t=4のものが10〜40質量%、t=5以上のものが合わせて30質量%以下である化合物の混合物が好ましい。
式(ii)中、R7及びR8は、同一又は異なっていてもよく、アリール基又はアルキルアリール基を示す。このようなアリール基又はアルキルアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、ベンジル基等が挙げられるが、R7及びR8がフェニル基である鎖状フェノキシホスファゼンが特に好ましい。このような鎖状フェノキシホスファゼン化合物は、例えば、上記の方法で得られるヘキサクロロシクロトリホスファゼンを220〜250℃の温度で開還重合し、得られた重合度3〜10,000の直鎖状ジクロロホスファゼンをフェノキシ基で置換することにより得られる化合物が挙げられる。
また、R9は、−N=P(OR73基、−N=P(OR83基、−N=P(O)OR7基、−N=P(O)OR8基から選ばれる少なくとも1種を示し、R10は、−P(OR74基、−P(OR84基、−P(O)(OR72基、−P(O)(OR82基から選ばれる少なくとも1種を示す。
また、式(ii)中、uは3〜10,000の整数を示し、好ましくは3〜1000、より好ましくは3〜100、さらに好ましくは3〜25である。
また、本発明に用いるホスファゼン化合物は、その一部が架橋された架橋ホスファゼン化合物であってもよい。このような架橋構造を有することで耐熱性が向上する傾向にある。このような架橋ホスファゼン化合物としては、例えば、4,4’−スルホニルジフェニレン(ビスフェノールS残基)の架橋構造を有する化合物、2,2−(4,4’−ジフェニレン)イソプロピリデン基の架橋構造を有する化合物、4,4’−オキシジフェニレン基の架橋構造を有する化合物、4,4’−チオジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等の、下記式(iii)で示される4,4’−ジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等が挙げられる。
Figure 0006966256
[式(iii)中、X3は−C(CH32−、−SO2−、−S−、又は−O−であり、vは0又は1であり、両端は結合部位(架橋構造の末端)を示す。]
また、架橋ホスファゼン化合物としては、式(i)においてR5及びR6がフェニル基である環状フェノキシホスファゼン化合物が上記式(iii)で表される架橋基によって架橋されてなる架橋フェノキシホスファゼン化合物、又は、上記式(ii)においてR7及びR8がフェニル基である鎖状フェノキシホスファゼン化合物が上記式(iii)で表される架橋基によって架橋されてなる架橋フェノキシホスファゼン化合物が難燃性の点から好ましく、環状フェノキシホスファゼン化合物が上記式(iii)で表される架橋基によって架橋されてなる架橋フェノキシホスファゼン化合物がより好ましい。
また、架橋フェノキシホスファゼン化合物中のフェニレン基の含有量は、式(i)で表される環状ホスファゼン化合物及び/又は式(ii)で表される鎖状フェノキシホスファゼン化合物中の全フェニル基及びフェニレン基数を基準として、通常50〜99.9%、好ましくは70〜90%である。また、該架橋フェノキシホスファゼン化合物は、その分子内にフリーの水酸基を有しない化合物であることが特に好ましい。
本発明においては、ホスファゼン化合物は、上記式(i)で表される環状フェノキシホスファゼン化合物、及び、上記式(ii)で表される鎖状フェノキシホスファゼン化合物が架橋基によって架橋されてなる架橋フェノキシホスファゼン化合物よる成る群から選択される少なくとも1種であることが、難燃性及び機械的特性の点から好ましい。
本発明に用いるリン酸エステル化合物としては、上述のものの他に、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、10−(2,3−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、10−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、リン酸エステル部位を含有するポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂も当然含まれる。
また、上述の式の化合物には含まれないものの、芳香族リン酸エステル類、例えば、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート(EHDP)、tert−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(tert−ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス−(tert−ブチルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート、トリス−(イソプロピルフェニル)ホスフェート等も、高温時の熱分解を抑制可能であれば使用可能となり得る。
本発明では、リン化合物(リン系難燃剤)のみを難燃剤として用いることが好ましい。しかしながらリン系難燃剤は、本願特許の効果が損なわれない程度において、以下の難燃剤や難燃助剤等と併用されてもよい。難燃剤又は難燃助剤としては、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、水酸化マグネシウムに代表される無機系難燃剤、メラミンシアヌレートに代表されるメラミン系難燃剤、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸マグネシウムに代表される有機スルホン酸金属塩系難燃剤、オルガノポリシロキサンに代表されるシリコーン系難燃剤が挙げられる。
ポリカーボネート(D)
本発明の熱可塑性樹脂組成物(B)は、ポリカーボネート(D)を50質量%以上、好ましくは55〜90質量部、より好ましくは60〜80質量部、含まれる。このように難燃剤を含有することで、本発明において用いられる熱可塑性樹脂組成物(B)、及び複合材料の難燃性を効率的に向上させることができる。
ポリカーボネート(D)は、ジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲン又は炭酸ジエステルと反応させることによって得られる、分岐していてもよい熱可塑性重合体、又は共重合体である。
ポリカーボネート(D)は、少なくとも、下記式[1]で表される構成単位を含む。
Figure 0006966256
式[1]中、Rは単結合、炭素原子数1〜6のアルキレン基、炭素原子数6〜10のアリーレン基、又は炭素原子数3〜8の環状アルキレン基であり、好ましくは、炭素原子数1〜6のアルキレン基であり、より好ましくは炭素原子数2〜4のアルキレン基であり、特に好ましくは=C(CHである。
式[1]中、X及びYは、それぞれ独立して炭素原子数1〜6のアルキル基であり、好ましくは炭素原子数1〜4のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
ポリカーボネート(D)において、上記式[1]で表される構成単位は、好ましくは20〜100質量%、より好ましくは25〜80質量%、特に好ましくは30〜60質量%、含まれる。
上記式[1]で表される構成単位として、好ましくは、以下の式[2]で示されるものが挙げられる。
Figure 0006966256
式[2]中、Rは単結合、炭素原子数1〜6のアルキレン基、炭素原子数6〜10のアリーレン基、又は炭素原子数3〜8の環状アルキレン基であり、好ましくは、炭素原子数1〜6のアルキレン基であり、より好ましくは炭素原子数2〜4のアルキレン基であり、特に好ましくは=C(CHである。
式[2]中、X及びYは、それぞれ独立して炭素原子数1〜6のアルキル基であり、好ましくは炭素原子数1〜4のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
さらに、上記式[1]、及び上記式[2]で表される構成単位として、特に好ましい具体例は、以下の式[4]で示される。
Figure 0006966256
ポリカーボネート(D)は、上記式[1]の構成単位の他に、下記式[3]で表される構成単位を含むことが好ましい。
Figure 0006966256
式[1]中、Rは単結合、炭素原子数1〜6のアルキレン基、炭素原子数6〜10のアリーレン基、又は炭素原子数3〜8の環状アルキレン基であり、好ましくは、炭素原子数1〜6のアルキレン基であり、より好ましくは炭素原子数2〜4のアルキレン基であり、特に好ましくは=C(CHである。
ポリカーボネート(D)において、上記式[3]で表される構成単位は、好ましくは80〜0質量%、より好ましくは75〜20質量%、より好ましくは70〜40質量部、含まれる。
上記式[3]で表される構成単位として、好ましい具体例は、以下の式[5]で示される。
Figure 0006966256
ポリカーボネート(D)原料のジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(=ビスフェノールC)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン(即ち、レゾルシノール)、1,4−ジヒドロキシベンゼン、4,4−ジヒドロキシジフェニル等のジヒドロキシベンゼン類が挙げられ、好ましくはビスフェノールC、及びビスフェノールAが挙げられ、上記式[4]からも明らかであるように、ビスフェノールCである。また、上記のジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物を使用することもできる。
また、ポリカーボネート(D)の原料のジヒドロキシ化合物として、以下のものも使用できる。
2,5−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;
2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類;
2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル、1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン等のジヒドロキシジアリールエーテル類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、α,α"−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−プロペニルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルエタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロヘキサン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−5−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;等が挙げられる。
ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、ポリカーボネート(D)は脂肪族ポリカーボネート樹脂を含んでいても良い。脂肪族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーの例を挙げると、エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、デカン−1,10−ジオール等のアルカンジオール類;
シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサノール、2,2,4,4−テトラメチル−シクロブタン−1,3−ジオール等のシクロアルカンジオール類;
2,2’−オキシジエタノール(即ち、エチレングリコール)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、スピログリコール等のグリコール類;
1,2−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジエタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,3−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン、1,6−ビス(ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、4,4’−ビフェニルジメタノール、4,4’−ビフェニルジエタノール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、ビスフェノールAビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、ビスフェノールSビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル等のアラルキルジオール類;
1,2−エポキシエタン(即ち、エチレンオキシド)、1,2−エポキシプロパン(即ち、プロピレンオキシド)、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,4−エポキシシクロヘキサン、1−メチル−1,2−エポキシシクロヘキサン、2,3−エポキシノルボルナン、1,3−エポキシプロパン等の環状エーテル類;等が挙げられる。
これらのポリカーボネート(D)の原料となるモノマーは、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、ポリカーボネート(D)の原料となるモノマーのうち、カーボネート前駆体の例を挙げると、カルボニルハライド、カーボネートエステル等が使用される。なお、カーボネート前駆体は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
カルボニルハライドとしては、具体的には、例えば、ホスゲン;ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体、ジヒドロキシ化合物のモノクロロホルメート体等のハロホルメート等が挙げられる。
カーボネートエステルとしては、具体的には例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;ジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
ポリカーボネート(D)の分子量は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]は、通常10000以上、好ましくは16000以上、より好ましくは17000以上であり、また、通常40000以下、好ましくは30000以下、より好ましくは24000以下である。粘度平均分子量を前記範囲の下限値以上とすることにより本発明にて用いられる樹脂組成物の機械的強度をより向上させることができ、機械的強度の要求の高い用途に用いる場合により好ましいものとなる。一方、粘度平均分子量を前記範囲の上限値以下とすることにより樹脂組成物の流動性低下を抑制して改善でき、成形加工性を高めて成形加工を容易に行えるようになる。なお、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート(D)を混合して用いてもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記の好適な範囲外であるポリカーボネート(D)を混合してもよい。
なお、粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10−4Mv0.83、から算出される値を意味する。また極限粘度[η]とは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
Figure 0006966256
ポリカーボネート(D)として、ポリカーボネート樹脂単独(ポリカーボネート樹脂単独とは、ポリカーボネート樹脂の1種のみを含む態様に限定されず、例えば、モノマー組成や分子量が互いに異なる複数種のポリカーボネート樹脂を含む態様を含む意味で用いる。)のものを用いてもよく、ポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂とのアロイ(混合物)とを組み合わせて用いてもよい。
さらに、例えば、難燃性や耐衝撃性をさらに高める目的で、ポリカーボネート(D)を、シロキサン構造を有するオリゴマー又はポリマーとの共重合体;熱酸化安定性や難燃性をさらに向上させる目的でリン原子を有するモノマー、オリゴマー又はポリマーとの共重合体;熱酸化安定性を向上させる目的で、ジヒドロキシアントラキノン構造を有するモノマー、オリゴマー又はポリマーとの共重合体;光学的性質を改良するためにポリスチレン等のオレフィン系構造を有するオリゴマー又はポリマーとの共重合体;耐薬品性を向上させる目的でポリエステル樹脂オリゴマー又はポリマーとの共重合体;等の、ポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体として構成してもよい。
また、成形品の外観の向上や流動性の向上を図るため、ポリカーボネート(D)は、ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。このポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、通常1500以上、好ましくは2000以上であり、また、通常9500以下、好ましくは9000以下である。さらに、含有されるポリカーボネートオリゴマーは、熱可塑性樹脂組成物(B)に含まれる全てのポリカーボネート(D)(ポリカーボネートオリゴマーを含む)の30質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは、15質量%以下である。
ポリカーボネート(D)の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知のホスゲン法(界面重合法)や溶融法(エステル交換法)により製造したものを使用することができる。また、溶融法を用いた場合には、末端基のOH基量を調整した芳香族ポリカーボネート樹脂を使用することができる。
また、分岐したポリカーボネート樹脂を得るには、上述したジヒドロキシ化合物の一部を、以下の分岐剤、即ち、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニルヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のポリヒドロキシ化合物や、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロムイサチン等の化合物で置換すればよい。これら置換する化合物の使用量は、ジヒドロキシ化合物に対して、通常0.01〜10モル%であり、好ましくは0.1〜2モル%である。
[その他の成分]
熱可塑性樹脂組成物(B)は、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。本発明のポリカーボネート樹脂組成物が含有し得るその他の成分としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
<リン系熱安定剤>
熱可塑性樹脂組成物(B)は、リン系熱安定剤を含有することができる。リン系熱安定剤は一般的に、樹脂成分を溶融混練する際、高温下での滞留安定性や樹脂成形品使用時の耐熱安定性向上に有効である。
本発明で用いるリン系熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜リン酸エステル、リン酸エステル等が挙げられ、中でも3価のリンを含み、変色抑制効果を発現しやすい点で、ホスファイト、ホスホナイト等の亜リン酸エステルが好ましい。
<酸化防止剤>
熱可塑性樹脂組成物(B)には、所望によってヒンダードフェノール系酸化防止剤などの酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤を含有することで、色相劣化や、熱滞留時の機械物性の低下が抑制できる。
<その他の添加剤>
熱可塑性樹脂組成物(B)は、本発明の効果を損なわない範囲で、更に種々の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、離型剤、紫外線吸収剤、染顔料、帯電防止剤、難燃剤、滴下防止剤、衝撃強度改良剤、及び上述のポリカーボネート(D)以外の樹脂などが挙げられる。
<その他の無機成分>
熱可塑性樹脂組成物(B)において、無機成分として繊維長が10mm以下のガラス短繊維、炭素短繊維等を含有させることにより、さらに機械物性を高めることができる。短繊維フィラーの例として、ガラス短繊維、炭素短繊維、ワラストナイト、各種無機ウイスカーなどが挙げられる。
また板状、球状のフィラーを添加することにより収縮時の異方性も改善することができる。板状フィラーの例としてガラスフレーク、マイカ、タルク等が挙げられ、球状フィラーの例としてガラスビーズ、シリカビーズ等が挙げられる。
[複合材料の製造方法]
複合材料を製造する方法は、以下の通りである。例えば、複合材料がプリプレグである場合、連続強化繊維(A)に熱可塑性樹脂組成物(B)を含浸させることにより、プリプレグとしての複合材料が製造できる。
具体的には、熱可塑性樹脂組成物(B)を溶剤に溶解させた後に連続強化繊維(A)に含浸・乾燥させる方法、溶融させた状態の熱可塑性樹脂組成物(B)を押出機から流し、繰り出された連続強化繊維(A)のシートと合流させ含浸させる方法、樹脂組成物(B)の粉末を連続強化繊維(A)の上に分散し加熱溶融させる方法、樹脂組成物(B)をフィルム化して連続強化繊維(A)に熱ラミネートさせる方法などがある。本発明の複合材料に含有される樹脂組成物(B)中のポリカーボネート(D)は、流動性に優れることから、複合材料の製造方法として、ポリカーボネート(D)を含む溶融樹脂を押出機から吐出させて連続強化繊維(A)に含浸させる方法、又はポリカーボネート(D)を含む溶融樹脂をフィルム化して連続強化繊維(A)に熱ラミネートする方法が好ましく用いられる。
溶融法にて樹脂組成物(B)を連続強化繊維(A)に含浸させる工程は、前記押出機を用いる方法以外にも、加熱プレスと冷却プレスの組合せにより、樹脂組成物(B)を溶融浸透させた連続強化繊維(A)を固化させる方法、ダブルベルトプレスを使用して加熱ゾーンや冷却ゾーンを設けて樹脂組成物(B)を連続強化繊維(A)に溶融浸透させる方法、等が含まれる。
[成形体]
本発明の成形体は、上述の複合材料を用いて形成される。このように、複合材料を用いて成形される成形体の具体例としては、連続強化繊維(A)に熱可塑性樹脂組成物(B)を含浸させたプリプレグの積層体のシート(平板シート)、及び、熱プレス等によりプリプレグ等に対して3次元形状を付与した成形体等が挙げられる。
[複合材料を用いた成形体の製造方法]
複合材料を含む成形体を製造する方法として、例えば、成形体が樹脂シートの積層体である場合、積層させた状態のプリプレグを加熱、及び加圧するプレス成形により製造される。このようなプレス成形においては、例えば、250(℃)及び0.5(MPa)の条件下で1(分)程度、積層されたプリプレグをプレスする。
本発明の成形体は、上述のように、例えばシート状であり、シート状の成形体の厚さは、通常0.1〜10mmであり、好ましくは0.2〜5mmであり、より好ましくは0.5〜1.5mmである。
本発明の複合材料を用いて製造された成形体は、製造時における樹脂組成物(B)の連続強化繊維に対する含浸性が高く、また、製造された成形体は曲げ特性に優れている。
より具体的には、本発明の成形体の曲げ強度は100MPa以上であり、好ましくは150MPa以上、より好ましくは180MPa以上であり、特に好ましくは195MPa以上である。
このように、本発明の複合材料を用いることにより、曲げ特性に優れた板状の成形品を製造することが可能であり、さらに、板状の成形体を積層させて積層体としての成形品(成形体)を成形することもできる。
[透明樹脂層]
成形体においては、複合材料の層、すなわち複合材料によって形成された層の表面に、透明樹脂層が積層されていても良い。
透明樹脂層は、例えば、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂の少なくともいずれかによって形成され、好ましくは、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、及びスチレン樹脂のいずれかを含む。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。尚、発明の効果を奏する限りにおいて、適宜実施形態を変更することが出来る。
[合成例1]
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン/2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン=4/6(質量比)の共重合ポリカーボネート(C1)の合成
9.0w/w%の水酸化ナトリウム水溶液54.5Lに、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(本州化学工業株式会社製)4116.5g(16.08mol)と2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(新日鐵化学株式会社製)6129g(26.97mol)、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド3.8g、及びハイドロサルファイト50.0gを溶解した。
これにメチレンクロライド24Lを加えて撹拌しつつ、15℃に保ちながら、引き続き、ホスゲン5390gを40分間で吹き込んだ。
ホスゲンの吹き込み終了後、p−t−ブチルフェノール210gを加え、激しく撹拌して、反応液を乳化させ、乳化後、110mlのトリエチルアミンを加え、温度20〜25℃にて約1時間撹拌し、重合させた。
重合終了後、反応液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和した。洗浄水の導電率が10μS/cm以下になるまで有機相の水洗を繰り返した。得られた有機相を、62℃に保った温水に滴下し、溶媒を蒸発除去して白色粉末状沈殿物を得た。得られた沈殿物を濾過し、温度120℃で24時間乾燥して、目的のポリカーボネート重合体粉末を得た。得られたポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は31,000であった。
[合成例2]
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンポリカーボネート(C2)の合成
9.0w/w%の水酸化ナトリウム水溶液54.5Lに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(新日鐵化学株式会社製)10215g(44.95mol)、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド3.8g、及びハイドロサルファイト50.0gを溶解した。
これにメチレンクロライド24Lを加えて撹拌しつつ、15℃に保ちながら、引き続き、ホスゲン5390gを40分間で吹き込んだ。
ホスゲンの吹き込み終了後、p−t−ブチルフェノール210gを加え、激しく撹拌して、反応液を乳化させ、乳化後、110mlのトリエチルアミンを加え、温度20〜25℃にて約1時間撹拌し、重合させた。
重合終了後、反応液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和した。洗浄水の導電率が10μS/cm以下になるまで有機相の水洗を繰り返した。得られた有機相を、62℃に保った温水に滴下し、溶媒を蒸発除去して白色粉末状沈殿物を得た。得られた沈殿物を濾過し、温度120℃で24時間乾燥して、目的のポリカーボネート重合体粉末を得た。得られたポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は28,000であった。
[実施例1]
綾織炭素繊維クロス(有沢製作所製、CFT−3113:質量200g/m2、厚み0.2mm、繊維長タテ210mm、ヨコ300mm)を、合成例1で合成したポリカーボネート樹脂(C1):27.90%、FP−110:11.96%とジメチルアセトアミド(以下、単にDMAcと表すこともある。)60.14%を含むワニスに30秒含浸させた後、100℃、1時間の乾燥を行うことで溶剤を除去し、ポリカーボネート樹脂中に炭素繊維クロスが配されたプリプレグを得た。プリプレグの厚さは0.3mmであった。
このプリプレグ材を6枚準備し、これらを重ねたものを、150℃に加熱された状態の平板形状の金型を用いてプレス時間5分、成形圧力1.0MPaの条件でプレス成形を行い、連続繊維強化ポリカーボネート樹脂シートを得た。連続繊維強化ポリカーボネート樹脂シートの厚さは、1.5mmであった。
[実施例2]
綾織炭素繊維クロス(有沢製作所製、CFT−3113:質量200g/m2、厚み0.2mm、繊維長タテ210mm、ヨコ300mm)を、合成例1で合成したポリカーボネート樹脂(C):34.80%、FP−110:14.91%とジメチルアセトアミド50.29%を含むワニスに30秒含浸させた後、100℃、1時間の乾燥を行うことで溶剤を除去し、ポリカーボネート樹脂(A)中に炭素繊維クロスが配されたプリプレグを得た。プリプレグの厚さは0.4mmであった。
このプリプレグ材を6枚準備し、これらを重ねたものを、150℃に加熱された状態の平板形状の金型を用いてプレス時間5分、成形圧力1.0MPaの条件でプレス成形を行い、連続繊維強化ポリカーボネート樹脂シートを得た。連続繊維強化ポリカーボネート樹脂シートの厚さは、2.0mmであった。
[比較例1]
綾織炭素繊維クロス(有沢製作所製、CFT−3113:質量200g/m、厚み0.2mm、繊維長タテ210mm、ヨコ300mm)を、合成例2で合成したポリカーボネート樹脂(C2):27.90%、FP−110:11・96%とジメチルアセトアミド:60.14%を含むワニスに30秒含浸させた後、100℃、1時間の乾燥を行うことで溶剤を除去し、ポリカーボネート樹脂中に炭素繊維クロスが配されたプリプレグを得た。
このプリプレグ材を6枚準備し、これらを重ねたものを、150℃に加熱された状態の平板形状の金型を用いてプレス時間5分、成形圧力1.0MPaの条件でプレス成形を行い、連続繊維強化ポリカーボネート樹脂シートを得た。
[比較例2]
綾織炭素繊維クロス(有沢製作所製、CFT−3113:質量200g/m、厚み0.2mm、繊維長タテ210mm、ヨコ300mm)を、合成例1で合成したポリカーボネート樹脂(C1):27.90%、FP−110:6.97%とジメチルアセトアミド65.13%を含むワニスに30秒含浸させた後、100℃、1時間の乾燥を行うことで溶剤を除去し、ポリカーボネート樹脂中に炭素繊維クロスが配されたプリプレグを得た。
このプリプレグ材を6枚準備し、これらを重ねたものを、150℃に加熱された状態の平板形状の金型を用いてプレス時間5分、成形圧力1.0MPaの条件でプレス成形を行い、連続繊維強化ポリカーボネート樹脂シートを得た。
[比較例3]
綾織炭素繊維クロス(有沢製作所製、CFT−3113:質量200g/m、厚み0.2mm、繊維長タテ210mm、ヨコ300mm)を、合成例1で合成したポリカーボネート樹脂(C1):15.95%、FP−110:23.93%とジメチルアセトアミド60.13%を含むワニスに30秒含浸させた後、100℃、1時間の乾燥を行うことで溶剤を除去し、ポリカーボネート樹脂中に炭素繊維クロスが配されたプリプレグを得た。
このプリプレグ材を6枚準備し、これらを重ねたものを、150℃に加熱された状態の平板形状の金型を用いてプレス時間5分、成形圧力1.0MPaの条件でプレス成形を行い、連続繊維強化ポリカーボネート樹脂シートを得た。
[難燃性評価]
各ポリカーボネート樹脂組成物の難燃性の評価は、以下の方法により行った。すなわち、上述の方法で得られた連続繊維強化ポリカーボネート樹脂の0.3mm厚のシートであるUL試験用試験片を作成し、各試験片を、温度23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間調湿し、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)が定めているUL94V試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験)に準拠して難燃性を評価した。これらのポリカーボネート樹脂の難燃性の評価結果を後述の表2に示した。
より具体的には、試験片(125×13×0.3 mm)をクランプに垂直に取り付け、20mmのバーナーの炎で3秒間接炎を2回行った際の燃焼挙動により難燃性を評価した。下記表1に記載のV−0、V−1、及びV−2の難燃性を有するためには、表中に記載のそれぞれの基準を満たすことが必要となる。
Figure 0006966256
ここで燃焼時間とは、着火源を遠ざけた後の、試験片の有炎燃焼を続ける時間の長さである。また、滴下物による綿着火の有無は、試験片の下端から約300mm下にある標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によって着火されるかどうかによって決定される。
下記表2に示すように、各実施例では、熱可塑性樹脂組成物(B)100質量部中に30質量部のリン系難燃剤(C)を添加して複合材料を形成し、各種の性状を評価した。
[曲げ弾性率・曲げ強度]
厚さが0.3mmの連続繊維強化ポリカーボネート樹脂シートについて、JIS K 7074のA法に従い曲げ特性(曲げ弾性率、曲げ強度)を評価した。
[鉛筆硬度]
厚さが0.3mmの連続繊維強化ポリカーボネート樹脂シートについてJIS K 5600に準拠し、荷重750gで鉛筆硬度を測定した。
[溶融粘度の測定]
ポリカーボネートの溶融粘度測定には、(株)東洋精機製作所社製 キャピログラフ1D PMD-Cを用いた。Carreau modelの近似式から外挿して得られた値を剪断速度0sec−1での粘度値として用いた。
上記各実施例および比較例の成形体の組成、及び試験結果について、以下の表にまとめた。
Figure 0006966256

Claims (11)

  1. 連続強化繊維(A)及び、
    熱可塑性樹脂組成物(B)を含有する繊維強化熱可塑性樹脂複合材料であって、
    前記熱可塑性樹脂組成物(B)が、リン系難燃剤(C)、及び下記式[1]で表される構成単位を含むポリカーボネート(D)を含み、
    前記熱可塑性樹脂組成物(B)100質量部において25〜50質量部の前記リン系難燃剤(C)が含有され、
    Figure 0006966256
    (式[1]中、Rは単結合、炭素原子数1〜6のアルキレン基、炭素原子数6〜10のアリーレン基、又は炭素原子数3〜8の環状アルキレン基を表し、X及びYはそれぞれ独立して炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。)
    前記ポリカーボネート(D)が、25〜80質量%の下記式[2]で表される構成単位と、75〜20質量%の下記式[3]で表される構成単位とを含む、ポリカーボネート共重合体であり、
    Figure 0006966256
    (式[2]中、R、X、及びYは前記式[1]について記載の通りである。)
    Figure 0006966256
    (式[3]中、Rは単結合、炭素原子数1〜6のアルキレン基、炭素原子数6〜10のアリーレン基、又は炭素原子数3〜8の環状アルキレン基を表す。)
    前記熱可塑性樹脂組成物(B)の厚さ0.3mmの試験片におけるUL94V試験に準拠した難燃性がV−0である、繊維強化熱可塑性樹脂複合材料。
  2. 前記リン系難燃剤(C)が、ホスファゼン化合物を含む、請求項1記載の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料。
  3. 前記連続強化繊維(A)を10〜80質量%、及び前記熱可塑性樹脂組成物(B)を20〜90質量%含有する、請求項1又は2に記載の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料。
  4. 前記連続強化繊維(A)が、炭素繊維、ガラス繊維、及びアラミド繊維からなる群より選択される何れかの1種以上を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料。
  5. 前記熱可塑性樹脂組成物(B)中における前記ポリカーボネート(D)の割合が、50質量%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料。
  6. 前記ポリカーボネート(D)が、3060質量%の記式[2]で表される構成単位と、7040質量%の記式[3]で表される構成単位とを含む、ポリカーボネート共重合体である、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料
  7. 前記ポリカーボネート(D)が、前記式[2]の構成単位として下記式[4]で表される構成単位を含み、前記式[3]の構成単位として下記式[5]で表される構成単位を含む、請求項6に記載の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料。
    Figure 0006966256
    Figure 0006966256
  8. 厚さが0.02〜1.0mmのシート状である、請求項1〜7のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料を含む成形体。
  10. 曲げ強度が100MPa以上である、請求項に記載の成形体。
  11. 請求項1〜のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂複合材料の層の表面に透明樹脂層が積層されている、成形体。
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