JP2021031500A - ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物 Download PDF

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明香 粟野
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Kazuyuki Tando
和志 丹藤
章裕 向井
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章裕 向井
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Abstract

【課題】高い難燃性と透明性を高度に両立したポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物を提供する。【解決手段】アルケニル基含有のポリジオルガノシロキサンブロックを含む、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(A)およびアルケニル基含有のポリジオルガノシロキサンブロックを含まない、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(B)を99:1〜1:99の重量比で含有するポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物であって、下記一般式[1]で表されるポリカーボネートブロックを含む。(上記一般式[1]において、R1及びR2は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基等であり、e及びfは夫々1〜4の整数、Wは単結合もしくはカルボニル基等からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。)【選択図】なし

Description

本発明は、高い難燃性と透明性を高度に両立するポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物に関する。
ポリカーボネートは、耐衝撃性に優れ、高い熱変形温度を有するので、強度、耐熱性を必要とする多くの用途(例えば電気・電子機器分野、自動車分野など)に用いられている。最も広範に生産されているポリカーボネートは、ビスフェノールA(BPA)を重合することにより形成されるホモポリマーであるが、用途分野の拡大に伴って更に性能の優れたポリカーボネートの開発が望まれている。そこで、拡大する用途に適合させるために、BPAなどの一般的なモノマー原料に各種の共重合モノマー単位を導入することによる共重合体に関する研究が行われてきている。それら共重合体の研究において、特にBPAとポリジオルガノシロキサンコモノマーからなるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、BPAを重合したホモポリカーボネートと比較して、難燃性や低温耐衝撃性に優れることが知られている(特許文献1〜3)。
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の更なる難燃性改良の方法として、特許文献4には、ビニル基含有フェノール変性シロキサンの使用が記載されている。該特許文献4には、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン樹脂組成物は難燃性に優れているものの、複雑な成形品を作製する際の高温や滞留時間延長といった厳しい成形条件下においては、白濁が生じたりなどの外観不良を起こしやすいことが分かった。
特開平5−186675号公報 特開平5−247195号公報 WO1991/00885号公報 特開2013−209546号公報
本発明は、上記従来技術の課題を背景になされたもので、高い難燃性と透明性を高度に両立したポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らはこの目的を達成せんとして鋭意研究を重ねた結果、アルケニル基含有のポリジオルガノシロキサンブロックを用いたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体とアルケニル基を含有しないポリジオルガノシロキサンブロックを用いたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を含む樹脂組成物が、極めて高い難燃性と透明性に優れることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
1.ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(A)およびポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(B)を99:1〜1:99の重量比で含有するポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物であって、
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(A)は、下記一般式[1]で表されるポリカーボネートブロックと下記一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックを含み、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(B)は、下記一般式[3]で表されるブロックを含まず、下記一般式[1]で表されるポリカーボネートブロックと下記一般式[4]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックを含むことを特徴とするポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物。
Figure 2021031500
[(上記一般式[1]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、それぞれ複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、e及びfは夫々1〜4の整数であり、Wは単結合もしくは下記一般式[2]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。)
Figure 2021031500
(上記一般式[2]においてR11,R12,R13,R14,R15,R16,R17及びR18は夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数6〜14のアリール基及び炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R19及びR20は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、gは1〜10の整数、hは4〜7の整数である。)]
Figure 2021031500
(上記一般式[3]において、R、R、R、R、R及びRは、夫々独立に水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又は炭素原子数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R、R、R、Rのうち少なくとも一つは炭素原子数2〜10のアルケニル基であり、R及びR10は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、pは自然数であり、qは0又は自然数であり、平均鎖長p+qは1〜150の自然数である。Xは炭素原子数2〜8の二価脂肪族基である。)
Figure 2021031500
(上記一般式[4]において、R23、R24、R25及びR26は、夫々独立に水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又は炭素原子数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R21及びR22は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、p’は1〜150の自然数である。Xは炭素原子数2〜8の二価脂肪族基である。)
2.前記一般式[3]中の全R〜R中に占めるアルケニル基の含有率が、1〜60モル%である前記1に記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物。
3.前記一般式[3]のアルケニル基を含むシロキサン繰り返し単位数が、1〜50である前記1又は2に記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物。
4.前記アルケニル基がビニル基であることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物。
5.前記樹脂組成物中のアルケニルシロキサン成分含有量が、樹脂組成物の全重量を基準にして0.01〜3重量%である前記1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
6.前記ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(A)がさらに上記一般式[4]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックを含む前記1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物。
7.厚み2.0mm部位における全光線透過率(%)が60%以上である請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物は、高い難燃性と透明性を高度に両立するため、その奏する産業上の効果は格別である。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物は、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(A)およびポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(B)を99:1〜1:99の重量比で含有する。
(ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(A))
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(A)(以下共重合体(A)と略すことがある)は、式[1]のポリカーボネートブロックおよび式[3]のポリジオルガノシロキサンブロックを含有する。
<式[1]のポリカーボネートブロック>
ポリカーボネートブロックは、下記式[1]で表される。
Figure 2021031500
[上記式[1]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表す。RおよびRが夫々複数ある場合は、それらは同一でも異なっていても良い。
ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
炭素原子数1〜18のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基である。
炭素原子数1〜18のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキトキシ基、オクトキシ基、等が挙げられる。炭素原子数1〜6のアルコキシ基が好ましい。
炭素原子数6〜20のシクロアルキル基として、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。炭素原子数6〜12のシクロアルキル基が好ましい。
炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基として、好ましくはシクロヘキシルオキシ基、シクロオクチルオキシ基等が挙げられる。炭素原子数6〜12のシクロアルキル基が好ましい。
炭素原子数2〜10のアルケニル基として、メテニル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等が挙げられる。炭素原子数1〜6のアルケニル基が好ましい。
炭素原子数6〜14のアリール基として、フェニル基、ナフチル基等挙げられる。炭素原子数6〜14のアリールオキシ基として、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。炭素原子数7〜20のアラルキル基として、ベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基として、ベンジルオキシ基、フェニルエチルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、水素、メチル基、フェニル基が特に好ましい。
eおよびfは夫々独立に1〜4の整数である。
Wは、単結合もしくは下記式[2]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。
Figure 2021031500
式[2]においてR11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数6〜14のアリール基および炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表わす。
炭素原子数1〜18のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基である。
炭素原子数6〜14のアリール基として、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。これらは置換されていてもよい。置換基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素原子数1〜6のアルキル基が挙げられる。炭素原子数7〜20のアラルキル基として、ベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
19およびR20は夫々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基およびカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表す。複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良い。
ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
炭素原子数1〜18のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基である。
炭素原子数1〜10のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等が挙げられる。炭素原子数1〜6のアルコキシ基が好ましい。
炭素原子数6〜20のシクロアルキル基として、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。炭素原子数6〜12のシクロアルキル基が好ましい。
炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基として、シクロヘキシルオキシ基、シクロオクチル基等が挙げられる。炭素原子数6〜12のシクロアルコキシ基が好ましい。
炭素原子数2〜10のアルケニル基として、メテニル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等が挙げられる。炭素原子数1〜6のアルケニル基が好ましい。
炭素原子数6〜14のアリール基として、フェニル基、ナフチル基等挙げられる。
炭素原子数6〜14のアリールオキシ基として、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
炭素原子数7〜20のアラルキル基として、ベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基として、ベンジルオキシ基、フェニルエチルオキシ基等が挙げられる。
gは1〜10の整数、好ましくは1〜6の整数であり、より好ましくは1〜3の整数である。hは4〜7の整数、好ましくは4〜5の整数である。
式[1]で表されるポリカーボネートブロックは、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4−ビフェノール、4,4’−スルホニルジフェノール、2,2’−ジメチル−4,4’−スルホニルジフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン等が好ましく、より好ましくは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(BPZ)、4,4−ビフェノール、4,4’−スルホニルジフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンであり、特に好ましくは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンより誘導されたブロックである。
式[1]で表されるポリカーボネートブロックの含有量は、共重合体(A)の全重量を基準にして、好ましくは50〜99.9重量%、より好ましくは70〜99.5重量%、さらに好ましくは80〜99.0重量%である。
<式[3]のポリジオルガノシロキサンブロック>
ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサンから誘導される下記式[3]で表される。
Figure 2021031500
上記式[3]において、R、R、R、R、RおよびRは夫々独立に、水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基または炭素原子数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R、R、R、Rの少なくとも一つは炭素原子数2〜10のアルケニル基である。
炭素原子数1〜12のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基である。
炭素原子数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基として、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。置換基としてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などの炭素原子数1〜12のアルキル基が挙げられる。
炭素原子数2〜10のアルケニル基として、メテニル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等が挙げられる。炭素原子数1〜6のアルケニル基が好ましい。R、R、R、Rがメチル基およびエテニル基(慣用名:ビニル基)であることが特に好ましい。
およびR10は夫々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基である。
ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
炭素原子数1〜10のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基である。
炭素原子数1〜10のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。RおよびR10が、水素原子、メトキシ基であることが特に好ましい。
Xは、炭素原子数2〜8の二価脂肪族基である。二価脂肪族基として、炭素原子数2〜8のアルキレン基が挙げられる。アルキレン基としてエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
pは自然数であり、qは0または自然数であり、p+qは1〜150の自然数である。p+qは好ましくは3〜120、より好ましくは5〜100、特に好ましくは10〜90である。
pとqの繰り返し単位はブロックでもランダムでもよい。
pの繰り返し単位には、R、Rが異なる単位をいくつも含んでいてもよい。例えば下記式[8]のようにp1とp2の繰り返し単位があってもよく、その場合、p1とp2の繰り返し単位の合計がpとなり、この時のp1とp2の繰り返し単位はブロックとランダムでもよい。
Figure 2021031500
qの繰り返し単位には、R、Rが異なる単位をいくつも含んでいてもよい。例えば下記式[9]のようにq1とq2の繰り返し単位があってもよく、その場合、q1とq2の繰り返し単位の合計がqとなり、この時のq1とq2の繰り返し単位はブロックとランダムでもよい。
Figure 2021031500
かかる特定の鎖長範囲を満足するために異なる2種類またはそれ以上の、平均鎖長p+qを有するヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン原料を混合して調製しても良い。ポリジオルガノシロキサン原料の混合調製の方法としては、末端をヒドロキシアリール変性させた適当なポリジオルガノシロキサン原料同士を混合する方法でも、末端をヒドロキシアリール変性させる前の適当な平均鎖長を有するポリジオルガノシロキサン前駆体同士を予め混合した後に、末端をヒドロキシアリール変性させる方法のどちらでも良い。
共重合体(A)として、ポリジオルガノシロキサン平均鎖長は30〜150であり、好ましくは30〜100、より好ましくは35〜90である。上述の範囲内であれば、低温における耐衝撃性と生産性の両立が十分に達成される。
上記式[3]中の全R〜R中に占めるアルケニル基の含有率は1〜60モル%であり、好ましくは1〜50モル%であり、より好ましくは4〜50モル%であり、さらに好ましくは4〜25モル%であり、最も好ましくは8〜25モル%である。例えば、Rがアルケニル基、R〜Rがメチル基かつp=12、q=23の場合は、16.7モル%となり、RとRがアルケニル基、R〜Rがメチル基かつp=12、q=23の場合は、33.3モル%となる。
アルケニル基の含有率が下限より少ない場合は、アルケニル基の架橋増粘によるドリップ防止効果が弱くなり十分な難燃性が発現せず、また、上限より多い場合は、架橋によるシロキサンの凝集が進みすぎて難燃性が悪化するため、好ましくない。
上記式[3]中のアルケニル基を含むシロキサン繰り返し単位数pは1〜80であり、好ましくは1〜60であり、より好ましくは1〜50であり、さらに好ましくは1〜25であり、最も好ましいのは5〜25である。
上記式[3]中のアルケニル基を含むシロキサン繰り返し構造の含有量(以下アルケニルシロキサン成分含有量と略すことがある)は、共重合体(A)の全重量を基準にして、好ましくは0.1〜6重量%、より好ましくは、0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.15〜4重量%、最も好ましくは0.15〜3.5重量%である。
共重合体(A)中のポリジオルガノシロキサンブロックの含有量(以下ポリジオルガノシロキサン成分含有量と略すことがある)は、共重合体(A)の全重量を基準にして、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜14重量%、さらに好ましくは3〜13重量%である。
共重合体(A)の粘度平均分子量は、好ましくは13,000〜25,000、より好ましくは14,000〜23,000である。この範囲の粘度平均分子量の共重合体は多くの分野において実用上の機械的強度が得られるため、汎用されている。
共重合体(A)には、上記一般式[4]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックを含むことができる。上記一般式[4]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックを含むことでアルケニル基を含むシロキサン構造の過度な凝集を抑制し、より高い難燃性及び透明性が得られる。
(ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(B))
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(B)(以下共重合体(B)と略すことがある)は、上記一般式[3]で表されるブロックを含まず、式[1]のポリカーボネートブロックおよび式[4]のポリジオルガノシロキサンブロックを含有する。式[1]のポリカーボネートブロックは、式[1]で表されるポリカーボネートブロックの含有量が、共重合体(B)の全重量を基準にして、好ましくは50〜99.9重量%、より好ましくは70〜99.5重量%、さらに好ましくは80〜99.0重量%であること以外は、上記ポリジオルガノシロキサン共重合体(A)と同じである。
<式[4]のポリジオルガノシロキサンブロック>
ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサンから誘導される下記式[4]で表される。
Figure 2021031500
上記一般式[4]において、R23、R24、R25及びR26は、夫々独立に水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基であり、アルケニル基を含まないこと以外はそれぞれ上記式[3]のR、R、RおよびRと同義である。R23、R24、R25、R26、R27、R28がメチル基であることが特に好ましい。
21及びR22は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、それぞれ上記式[3]のR、R10と同義である。R21およびR22が、水素原子、メトキシ基であることが特に好ましい。
Xは、炭素原子数2〜8の二価脂肪族基であり、上記式[3]と同義である。
p’は1〜150の自然数であり、好ましくは10〜120、より好ましくは20〜100、特に好ましくは30〜90である。
p’の繰り返し単位には、R23、R24が異なる単位をいくつも含んでいてもよい。例えば下記式[10]のようにp’1とp’2の繰り返し単位があってもよく、その場合、p’1とp’2の繰り返し単位の合計がp’となる。
Figure 2021031500
かかる特定の鎖長範囲を満足するために異なる2種類またはそれ以上の、平均鎖長p’を有するヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン原料を混合して調製しても良い。ポリジオルガノシロキサン原料の混合調製の方法としては、末端をヒドロキシアリール変性させた適当なポリジオルガノシロキサン原料同士を混合する方法でも、末端をヒドロキシアリール変性させる前の適当な平均鎖長を有するポリジオルガノシロキサン前駆体同士を予め混合した後に、末端をヒドロキシアリール変性させる方法のどちらでも良い。
共重合体(B)として、ポリジオルガノシロキサン平均鎖長は30〜150であり、好ましくは30〜100、より好ましくは35〜90である。上述の範囲内であれば、低温における耐衝撃性と生産性の両立が十分に達成される。
共重合体(B)中のポリジオルガノシロキサン成分含有量は、共重合体(B)の全重量を基準にして、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜14重量%、さらに好ましくは3〜13重量%である。
共重合体(B)の粘度平均分子量は、好ましくは13,000〜25,000、より好ましくは14,000〜23,000である。この範囲の粘度平均分子量の共重合体は多くの分野において実用上の機械的強度が得られるため、汎用されている。
(ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物)
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物は、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(A)およびポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(B)を、99:1〜1:99の重量比で含有するものであれば制限されず、その他の樹脂等を少なくとも一つ含んでもよい。好ましくは(A)/(B)=70〜1/30〜99(重量%/重量%)、より好ましくは(A)/(B)=50〜1/50〜99(重量%/重量%)である。樹脂組成物に共重合体(B)を含むことで、アルケニル基を含むシロキサン構造の過度な凝集を抑制し、透明性が得られると推定される。
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物として、ポリジオルガノシロキサン平均鎖長は30〜150であり、好ましくは30〜100、より好ましくは35〜90である。上述の範囲内であれば、低温における耐衝撃性と生産性の両立が十分に達成される。
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物のポリジオルガノシロキサン成分含有量は、樹脂組成物の全重量を基準にして、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜14重量%、さらに好ましくは3〜13重量%である。
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物中のアルケニルシロキサン成分含有量は、樹脂組成物の全重量を基準にして0.01〜5重量%であり、好ましくは0.01〜3重量%、より好ましくは0.01〜1.5重量%、さらに好ましくは0.04〜1.5重量%、最も好ましくは0.04〜1.3重量%である。上述の範囲内であれば、耐衝撃性と透明性の両立が十分に達成される。
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物の粘度平均分子量は、好ましくは13,000〜25,000、より好ましくは14,000〜23,000である。この範囲の粘度平均分子量のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物は多くの分野において実用上の機械的強度が得られるため、汎用されている。
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物のUL94垂直燃焼試験において、厚み3.2mmの合計燃焼秒数は、好ましくは140秒以下、より好ましくは130秒以下、さらに好ましくは120秒以下、特に好ましくは110秒以下である。
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物の厚み2.0mm部位における全光線透過率(%)に関して、好ましくは55%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは75%以上、最も好ましくは80%以上である。上記の範囲内であれば、極めて高い透明性を維持することができる。
また本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物は特性を損なわない範囲で後述のような第3成分としてその他の樹脂成分を併用することが出来る。
<その他の樹脂成分>
本発明の樹脂組成物は、他の樹脂成分として例えば、ポリエチレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリスルホン、ポリアリレート、ABS樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリカーボネート等を含んでもよく、好ましくはポリカーボネートが挙げられる。具体的なポリカーボネートとしては、上記式[1]を誘導する二価フェノールから構成されており、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエ−テル、4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2’−ジメチル−4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド、2,2’−ジフェニル−4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルジフェニルスルフィド、1,3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン等が挙げられる。
なかでも、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−スルホニルジフェノール、2,2’−ジメチル−4,4’−スルホニルジフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼンが好ましく、殊に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(BPZ)、4,4’−スルホニルジフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンが好ましい。中でも強度に優れ、良好な耐久性を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが最も好適である。また、これらは単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
(ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造方法)
本発明におけるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(A)及び(B)は、工程(i)および工程(ii)により製造することができる。
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(A)
<工程(i)>
工程(i)は、水に不溶性の有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液中において、下記式[5]で表わされる二価フェノールと炭酸エステル形成性化合物とを反応させ、末端クロロホーメート基を有するカーボネートオリゴマーを含有する溶液を調製する工程である。
Figure 2021031500
(式中、R、R、e、fおよびWは、前記と同じである。)
式[5]で表される二価フェノールとしては、上述のポリカーボネートを誘導する二価フェノールが好適に使用される。
<工程(ii)>
工程(i)で調製した二価フェノールのカーボネートオリゴマーと下記式[6](下記式[7]を含んでもよい)であるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサンとの界面重縮合反応を行い、本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(A)を得る工程である。
Figure 2021031500
Figure 2021031500
(式中R〜R10、R21〜R26、X、p、qおよびp’は、前記と同じである。)
工程(i)において末端クロロホルメート基を有する二価フェノール(I)のオリゴマーを含む混合溶液を得た後、該混合溶液を攪拌しながら一般式[5]であるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)を二価フェノール(I)の仕込み量に対して0.004モル当量/min以下の速度で加え、該ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)と該オリゴマーを界面重縮合させることにより、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(A)を得る。
本発明の製造において、溶媒としては、公知のポリカーボネートの製造に使用されるものなど各種の反応に不活性な溶媒を1種単独であるいは混合溶媒として使用すればよい。代表的な例としては、例えば、キシレンの如き炭化水素溶媒、並びに、塩化メチレンおよびクロロベンゼンをはじめとするハロゲン化炭化水素溶媒などが挙げられる。特に塩化メチレンの如きハロゲン化炭化水素溶媒が好適に用いられる。二価フェノール(I)の濃度は、好ましくは500g/L以下、より好ましくは450g/L以下、更に好ましくは300g/L以下である。二価フェノール(I)の濃度は、製造効率の観点から、その下限は150g/L以上が好ましい。
界面重縮合反応の際は、酸結合剤を反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜追加してもよい。酸結合剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、ピリジン等の有機塩基あるいはこれらの混合物などが用いられる。具体的には、上記式[3]や上記式[4]を導くヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン、又は上記の如く二価フェノールの一部を添加モノマーとしてこの反応段階に添加する場合には、後添加分の二価フェノールとヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサンとの合計モル数(通常1モルは2当量に相当)に対して2当量若しくはこれより過剰量のアルカリを用いることが好ましい。
二価フェノールのオリゴマーとヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサンとの界面重縮合反応による重縮合は、上記混合液を激しく攪拌することにより行われる。
かかる重合反応においては、末端停止剤或いは分子量調節剤が通常使用される。末端停止剤としては一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられ、通常のフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、トリブロモフェノールなどの他に、長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、ヒドロキシフェニルアルキル酸エステル、アルキルエーテルフェノールなどが例示される。その使用量は用いる全ての二価フェノール系化合物100モルに対して、100〜0.5モル、好ましくは50〜2モルの範囲であり、二種以上の化合物を併用することも当然に可能である。
重縮合反応を促進するために、トリエチルアミンのような第三級アミン又は第四級アンモニウム塩などの触媒を添加してもよい。
かかる重合反応の反応時間は、未反応ポリジオルガノシロキサン成分を低減するためには比較的長くする必要がある。好ましくは30分以上、更に好ましくは50分以上である。一方、長時間の反応溶液の撹拌によってポリマーの析出が発生し得るため、好ましくは180分以下、更に好ましくは90分以下である。
反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでも可能であるが、通常は、常圧もしくは反応系の自圧程度で好適に行いえる。
反応温度は−20〜50℃の範囲から選ばれ、多くの場合は重合に伴い発熱するので水冷または氷冷することが望ましい。
所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイドなどの酸化防止剤を少量添加してもよい。
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(B)
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(A)の製造において、<工程ii)>において、ポリジオルガノシロキサンに上記式[6]であるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサンを使用する代わりに、上記式[7]であるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサンを用いた以外は、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(A)の製造と同様な方法でポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(B)を作成した。
(ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物の製造方法)
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物は本発明の効果を損なわない範囲で通常ポリカーボネート樹脂に配合される各種の難燃剤、強化充填材、添加剤を配合することができる。
本発明において、本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物は、例えば単軸押出機、二軸押出機の如き押出機を用いて、溶融混練することによりペレット化することができる。かかるペレットを作製するにあたり、上記各種難燃剤、強化充填剤、添加剤を配合することもできる。
難燃剤としては、従来、熱可塑性樹脂、特に芳香族ポリカーボネート樹脂の難燃剤として知られる各種の化合物が適用できるが、より好適には、有機金属塩系難燃剤(例えば、有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩、ホウ酸金属塩系難燃剤、および錫酸金属塩系難燃剤など)、有機リン系難燃剤(例えば、モノホスフェート化合物、ホスフェートオリゴマー化合物、ホスホネートオリゴマー化合物、ホスホニトリルオリゴマー化合物、ホスホン酸アミド化合物およびホスファゼンなど)、シリコーン化合物からなるシリコーン系難燃剤、フィブリル化PTFE等である。その中でも、有機金属塩系難燃剤、有機リン系難燃剤が特に好ましい。尚、かかる化合物の配合は難燃性の向上をもたらすが、それ以外にも各化合物の性質に基づき、例えば帯電防止性、流動性、剛性、および熱安定性の向上などがもたらされる。
本発明において、本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物は、通常前記の如く製造されたペレットを射出成形して各種製品を製造することができる。更にペレットを経由することなく、押出機で溶融混練された樹脂を直接シート、フィルム、異型押出成形品、ダイレクトブロー成形品、および射出成形品にすることも可能である。
かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などの射出成形法を用いて成形品を得ることができる。これら各種成形法の利点は既に広く知られるところである。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。
また本発明において、本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物は、押出成形により各種異形押出成形品、シート、およびフィルムなどの形で利用することもできる。またシート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法なども使用可能である。さらに特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物を回転成形やブロー成形などにより成形品とすることも可能である。
更に本発明において、本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物からなる成形品には、各種の表面処理を行うことが可能である。ここでいう表面処理とは、蒸着(物理蒸着、化学蒸着など)、メッキ(電気メッキ、無電解メッキ、溶融メッキなど)、塗装、コーティング、印刷などの樹脂成形品の表層上に新たな層を形成させるものであり、通常のポリカーボネート樹脂に用いられる方法が適用できる。表面処理としては、具体的には、ハードコート、撥水・撥油コート、紫外線吸収コート、赤外線吸収コート、並びにメタライジング(蒸着など)などの各種の表面処理が例示される。
以下に本発明を実施例を挙げてさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。特記しない限り、実施例中の部は重量部であり、%は重量%である。なお、評価は下記の方法に従った。
(1)粘度平均分子量(Mv)
次式にて算出される比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mvを算出する。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]c (但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4Mv0.83
c=0.7
(2)ポリジオルガノシロキサン成分含有量、アルケニルシロキサン成分含有量およびポリジオルガノシロキサン繰返し数
日本電子株式会社製 JNM−AL400を用い、得られたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体とそれを含む樹脂組成物の1H−NMRスペクトルを測定し、二価フェノール(ビスフェノールA)由来のピーク(1.4〜1.8ppm)の積分曲線とポリジオルガノシロキサン由来のピーク(−0.2〜0.3ppm)の積分曲線、アルケニルシロキサン由来ピーク(ビニル基の場合は、5.6〜6.1ppm)の積分曲線から算出した積分比より各成分含有量を算出した。
同様に、ヒドロキシアリール末端由来のピーク(0.4〜0.6ppmおよび2.5〜2.7ppm)の積分曲線とポリジオルガノシロキサン由来のピークの積分曲線から算出した積分比を比較することによりポリジオルガノシロキサンの繰り返し数を算出した。
(3)難燃性
米国アンダーライターラボラトリー社の定める方法(UL94)により、垂直燃焼試験(UL94V)を実施。
(a)3.2mm合計燃焼秒数および(b)3.2mm難燃性クラス
試験片厚さ3.2mmにおける垂直燃焼試験を実施して評価した。その際、5個の試料に合計10回の接炎を行い、合計燃焼秒数を表記した。なお、V−0、V−1、V−2のいずれの判定にもあてはまらないものについてはnot−Vと表記した。
(4)全光線透過率
ペレットをシリンダー温度350℃で10分滞留させて幅50mm、長さ90mm、厚みがゲート側から3.0mm(長さ20mm)、2.0mm(長さ45mm)、1.0mm(長さ25mm)の3段型プレートを成形し、かかる厚み2.0mm部位における全光線透過率(%)を日本電飾工業(株)製Haze Meter NDH 2000を用い、ASTM D1003に準拠し測定した。
[ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン]
実施例および比較例では、下記構造のポリジオルガノシロキサン化合物を使用した。
Figure 2021031500
Figure 2021031500
Figure 2021031500
Figure 2021031500
Figure 2021031500
[ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(A)の製造]
(製造例1)
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水17590部、25%水酸化ナトリウム水溶液6883部を入れ、上記一般式[1]で表される二価フェノール(I)として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3748部(16.41モル)、およびハイドロサルファイト7.5部を溶解した後、塩化メチレン14060部(二価フェノール(I)に対して10モル当量)を加え、撹拌下16〜24℃でホスゲン1900部を70分要して吹き込んだ。25%水酸化ナトリウム水溶液1324部、p−tert−ブチルフェノール107部を塩化メチレン8000部に溶解した溶液を加え、攪拌しながらPMVS−1 444部(0.142モル)を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加えて乳化状態とした後、再度激しく撹拌した。かかる攪拌下、反応液が26℃の状態でトリエチルアミン4.2部を加えて温度26〜31℃において1時間撹拌を続けて反応を終了した。反応終了後有機相を分離し、塩化メチレンで希釈して水洗を繰り返し洗浄液が中性になったところで塩酸酸性水にて水洗した。その後、イオン交換水で繰り返し洗浄し水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで温水を張ったニーダーに投入して、攪拌しながら塩化メチレンを蒸発し、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体のパウダーを得た。脱水後、熱風循環式乾燥機により120℃で12時間乾燥した。得られたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(PMVS−PC−1)の粘度平均分子量は19,600、ポリジオルガノシロキサン成分含有量は8.4重量%、アルケニルシロキサン成分含有量は3.0重量%であった。
(製造例2)
PMVS−1をPMVS−2 434部(0.142モル)に変更した以外は、PMVS−PC−1の製造法と同様にした。得られたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(PMVS−PC−2)の粘度平均分子量は19,500、ポリジオルガノシロキサン成分含有量は8.4重量%、アルケニルシロキサン成分含有量は1.5重量%であった。
(製造例3)
PMVS−1をPMVS−3 425部(0.142モル)に変更した以外は、PMVS−PC−1の製造法と同様にした。得られたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(PMVS−PC−3)の粘度平均分子量は19,300、ポリジオルガノシロキサン成分含有量は8.3重量%、アルケニルシロキサン成分含有量は0.2重量%であった。
(製造例4)
PMVS−1をPMVS−4 541部(0.142モル)に変更した以外は、PMVS−PC−1の製造法と同様にした。得られたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(PMVS−PC−4)の粘度平均分子量は19,200、ポリジオルガノシロキサン成分含有量は9.5重量%、アルケニルシロキサン成分含有量は3.2重量%であった。
(製造例5)
PMVS−1 444部(0.142モル)をPMVS−1 222部(0.071モル)およびPDMS 208部(0.071モル)に変更した以外は、PMVS−PC−1の製造法と同様にした。得られたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(PMVS−PC−5)の粘度平均分子量は19,500、ポリジオルガノシロキサン成分含有量は8.4重量%、アルケニルシロキサン成分含有量は1.5重量%であった。
[ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(B)の製造]
(製造例6)
PMVS−1を使用せず、PDMS 415部(0.142モル)に変更した以外は、PMVS−PC−1の製造法と同様にした。得られたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(PDMS−PC)の粘度平均分子量は19,500、ポリジオルガノシロキサン成分含有量は8.3重量%であった。
(PC)
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを繰返し骨格とする溶液粘度分子量19,700の直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人(株)製パンライトL−1225WX)。
以上の結果を、表1に示す。
(実施例1〜8、比較例1〜4)
上記製造法で得られたPMVS−PC−1〜5とPDMS−PC、PCとを下表の配合割合を参考に、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(BASF(株)製:イルガフォス168)300ppmを混合した後、ベント式二軸押出機(テクノベル(株)製,KZW15−25MG)によって溶融混錬してペレットを得た。押出条件は、吐出量2.5kg/h、スクリュー回転数200rpmであり、押出温度は第1供給口からダイス部分まで280℃とした。得られたペレットを射出成形機(日本製鋼所(株)製、JSW J−75EIII)にて3.2mmUL試験片およびシリンダー温度350℃で10分滞留させた2mm成形片を作製し各種評価を実施した。評価結果を表2に示す。
Figure 2021031500
Figure 2021031500
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、高い難燃性と透明性を高度に両立していることが認められる。
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、高い難燃性と透明性を高度に両立しているため、光学部品、電気・電子機器分野、自動車分野において幅広く使用することができる。中でも、寒冷地や高温熱処理といった厳しい環境にさらされることが想定される各種ハウジング成形品で実用性が高い。

Claims (7)

  1. ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(A)およびポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(B)を99:1〜1:99の重量比で含有するポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物であって、
    ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(A)は、下記一般式[1]で表されるポリカーボネートブロックと下記一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックを含み、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(B)は、下記一般式[3]で表されるブロックを含まず、下記一般式[1]で表されるポリカーボネートブロックと下記一般式[4]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックを含むことを特徴とするポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物。
    Figure 2021031500
    [(上記一般式[1]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、それぞれ複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、e及びfは夫々1〜4の整数であり、Wは単結合もしくは下記一般式[2]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。)
    Figure 2021031500
    (上記一般式[2]においてR11,R12,R13,R14,R15,R16,R17及びR18は夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数6〜14のアリール基及び炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R19及びR20は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、gは1〜10の整数、hは4〜7の整数である。)]
    Figure 2021031500
    (上記一般式[3]において、R、R、R、R、R及びRは、夫々独立に水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又は炭素原子数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R、R、R、Rのうち少なくとも一つは炭素原子数2〜10のアルケニル基であり、R及びR10は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、pは自然数であり、qは0又は自然数であり、平均鎖長p+qは1〜150の自然数である。Xは炭素原子数2〜8の二価脂肪族基である。)
    Figure 2021031500
    (上記一般式[4]において、R23、R24、R25及びR26は、夫々独立に水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又は炭素原子数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R21及びR22は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、p’は1〜150の自然数である。Xは炭素原子数2〜8の二価脂肪族基である。)
  2. 前記一般式[3]中の全R〜R中に占めるアルケニル基の含有率が、1〜60モル%である請求項1に記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物。
  3. 前記一般式[3]のアルケニル基を含むシロキサン繰り返し単位数が、1〜50である請求項1又は2に記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物。
  4. 前記アルケニル基がビニル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物。
  5. 前記樹脂組成物中のアルケニルシロキサン成分含有量が、樹脂組成物の全重量を基準にして0.01〜3重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 前記ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体(A)がさらに上記一般式[4]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックを含む請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂組成物。
  7. 厚み2.0mm部位における全光線透過率(%)が60%以上である請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
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