JP2015028127A - 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015028127A JP2015028127A JP2013218024A JP2013218024A JP2015028127A JP 2015028127 A JP2015028127 A JP 2015028127A JP 2013218024 A JP2013218024 A JP 2013218024A JP 2013218024 A JP2013218024 A JP 2013218024A JP 2015028127 A JP2015028127 A JP 2015028127A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polycarbonate resin
- mass
- parts
- bis
- resin composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- XYFPEQVFTGZZAJ-UHFFFAOYSA-N C(CC1p2(Oc3ccccc3)np(Oc3ccccc3)(Oc3ccccc3)np(Oc3ccccc3)(Oc3ccccc3)n2)C1c1ccccc1 Chemical compound C(CC1p2(Oc3ccccc3)np(Oc3ccccc3)(Oc3ccccc3)np(Oc3ccccc3)(Oc3ccccc3)n2)C1c1ccccc1 XYFPEQVFTGZZAJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Abstract
Description
本発明の目的(課題)は、高い熱伝導性と耐衝撃性と高度の難燃性を併せ有する熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、以下の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物および成形品を提供する。
[2]リン系難燃剤が、リン酸エステル化合物またはホスファゼン化合物である上記[1]に記載の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物。
[3]ホスファゼン化合物が、下記式(1)で表されるヘキサフェノキシトリシクロホスファゼン(1)と下記式(2)で表されるオクタフェノキシテトラシクロホスファゼン(2)を(1)/(2)で75/25〜95/5の質量比で含有する環状芳香族ホスファゼン化合物である上記[2]に記載の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物。
本発明の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、窒化硼素15〜50質量部、リン系難燃剤3〜30質量部及びフルオロポリマー0.001〜10質量部を含有することを特徴とする。
本発明において使用するポリカーボネート樹脂の種類に制限はなく、ポリカーボネート樹脂は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
2,5−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、
1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−5−メチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;
等が挙げられる。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、デカン−1,10−ジオール等のアルカンジオール類;
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。
以下、これらの方法のうち、特に好適なものについて具体的に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。
界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
なお、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
次に、ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。
溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートがより好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、適宜選択して決定すればよいが、粘度平均分子量[Mv]で通常10000以上、好ましくは16000以上、より好ましくは17000以上、より好ましくは18000以上であり、また、通常40000以下、好ましくは30000以下である。
ただし、再生されたポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂のうち、80質量%以下であることが好ましく、中でも50質量%以下であることがより好ましい。再生されたポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このようなポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、窒化硼素を、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、15〜50質量部の割合で含有する。このような範囲で窒化硼素を含有することによって、得られるポリカーボネート樹脂組成物の熱伝導性を大きく向上させることができ、また高い熱伝導性と耐衝撃性と難燃性のバランスに優れた熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物となる。
窒化硼素としては、25℃における熱伝導率が30W/(m・K)以上であることが好ましく、中でも50W/(m・K)以上であるものが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、リン系難燃剤を、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、3〜30質量部含有する。このようにリン系難燃剤を含有することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の難燃性を向上させることができる。
リン酸エステル化合物としては、下記一般式(3)で表されるリン酸エステル化合物が好ましい。
トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート(EHDP)、tert−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(tert−ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス−(tert−ブチルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート、トリス−(イソプロピルフェニル)ホスフェート等の芳香族リン酸エステル類;
レゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート(RDP)、レゾルシノールビス−ジキシレニルホスフェート(RDX)、ビスフェノールAビス−ジフェニルホスフェート(BDP)、ビフェニルビス−ジフェニルホスフェート等の縮合リン酸エステル類;
等が好ましく挙げられる。
ホスファゼン化合物としては、下記式(1)で表されるヘキサフェノキシトリシクロホスファゼン(1)と下記式(2)で表されるオクタフェノキシテトラシクロホスファゼン(2)を、75/25〜95/5の質量比((1)/(2))で含有する環状芳香族ホスファゼン化合物が好ましい。
ホスファゼン化合物(1)とホスファゼン化合物(2)の含量の比は、より好ましくは(1)/(2)=77/23〜95/5であり、80/20〜93/7であることがさらに好ましい。
本発明の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物は、滴下防止剤としてフルオロポリマーを含有する。
フルオロポリマーとしては、例えば、フルオロオレフィン樹脂が挙げられる。フルオロオレフィン樹脂は、通常フルオロエチレン構造を含む重合体あるいは共重合体である。具体例としては、ジフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂、テトラフルオロエチレン/パーフルアルキルビニルエーテル共重合樹脂等が挙げられる。なかでも好ましくはテトラフルオロエチレン樹脂等が挙げられる。このフルオロエチレン樹脂としては、フィブリル形成能を有するフルオロエチレン樹脂が挙げられる。
なお、フルオロポリマーは、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、エラストマーを含有することも好ましい。エラストマーの含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、その上限は好ましくは10質量部以下である。エラストマーの含有量が、前記下限値未満の場合は、エラストマーによる耐衝撃性向上効果が不十分となりやすく、前記上限値を超える場合は、難燃性、耐熱性、耐衝撃性の低下、成形品の外観不良が生じやすい。
熱可塑性エラストマーとは、常温ではゴム状弾性を持つ固体であるが、加熱すると粘度が低下するという、熱可塑性樹脂と溶融混合可能な性質を有する高分子物質の総称である。熱可塑性エラストマーの種類は特に制限されず、例えば、オレフィン系、スチレン系、ポリエステル系、ポリアミド系およびウレタン系等が挙げられる。
コア/シェル型グラフト共重合体タイプのものとしては、ポリブタジエン含有ゴム又はポリオルガノシロキサン系ゴムをコア層とし、その周囲に(メタ)アクリル酸エステルを共重合して形成されたシェル層からなる、コア/シェル型グラフト共重合体が特に好ましい。
本発明の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上記以外のその他成分を含有していてもよい。その他の成分の例を挙げると、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂、上記した以外の各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;
ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂等が挙げられる。これらの中でもアクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)は、これを含有することにより、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の流動性を向上させることができので好ましい。
なお、その他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
その他の樹脂を含有する場合は、ポリカーボネート樹脂及びその他の樹脂の合計100質量部中の、40質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましい。
樹脂添加剤としては、例えば、離型剤、熱安定剤、酸化防止剤、ガラス繊維、紫外線吸収剤、染顔料(カーボンブラックを含む)、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
以下、本発明に使用するポリカーボネート樹脂組成物に好適な添加剤の例について具体的に説明する。
離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
離型剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。離型剤の含有量が上記範囲の下限値未満の場合は、離型性の効果が十分でない場合があり、離型剤の含有量が上記範囲の上限値を超える場合は、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染などが生じる可能性がある。
熱安定剤としては、例えばリン系化合物が挙げられる。リン系化合物としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられるが、有機ホスファイト化合物が特に好ましい。
なお、熱安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリイル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
なお、酸化防止剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
ガラス繊維としては、通常熱可塑性樹脂に使用されているものであれば、Aガラス、Eガラス、ジルコニア成分含有の耐アルカリガラス組成や、チョツプドストラント、ロービングガラス、熱可塑性樹脂とガラス繊維の(長繊維)マスターバッチ等の配合時のガラス繊維の形態を問わず、公知のいかなるガラス繊維も使用可能である。なかでも本発明に用いるガラス繊維としては、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性を向上させる目的から無アルカリガラス(Eガラス)が好ましい。
収束剤としては、特に制限はないが、例えばウレタン系、エポキシ系、アクリル系等の収束剤が挙げられる。なかでも本発明に使用するガラス繊維の収束剤としては、ウレタン系、エポキシ系収束剤がより好ましく、エポキシ系収束剤がさらに好ましい。
本発明の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、ポリカーボネート樹脂、窒化硼素、リン系難燃剤及びフルオロポリマー、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240〜320℃の範囲である。
上記したポリカーボネート樹脂組成物をペレタイズしたペレットは、各種の成形法で成形して成形品とされる。またペレットを経由せずに、押出機で溶融混練された樹脂を直接、成形して成形品にすることもできる。
成形品の形状としては、特に制限はなく、成形品の用途、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、板状、プレート状、ロッド状、シート状、フィルム状、円筒状、環状、円形状、楕円形状、多角形形状、異形品、中空品、枠状、箱状、パネル状のもの等が挙げられる。
以下の実施例及び比較例に使用した各原料成分は、以下の表1のとおりである。
上記表1に記載した各成分を、下記の表3〜9に示す割合(全て質量部にて表示)にて配合し、タンブラーミキサーにて均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製TEX30HSST)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/hrにて押出機上流部のバレルより押出機にフィードし、溶融混練させてポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
上記で得られたペレットを100℃で4時間以上乾燥した後、高荷式フローテスターを用いて、278℃、荷重160kgfの条件下で組成物の単位時間あたりの流出量Q値(単位:0.01cm3/sec)を測定して、流動性を評価した。なお、オリフィスは直径1mm×長さ10mmのものを使用した。
上記の方法で得られた樹脂組成物ペレットを100℃で5時間乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所社製「J55−60H」)を用い、シリンダー設定温度270〜290℃、金型温度100℃、射出時間2秒、成形サイクル40秒の条件で射出成形を行い、ISO多目的試験片(4mm厚)を射出成形した。
得られたISO試験片を用い、ISO規格527−1及びISO527−2に準拠して23℃の温度で、引張弾性率(単位:MPa)、降伏点強度(単位:MPa)を測定した。
上記引張特性評価と同様にして製造した曲げ試験片(厚さ4mm)を用いて、ISO178に準拠して、23℃の温度で曲げ弾性率(単位:MPa)、曲げ応力(単位:MPa)を測定した。
得られたISO多目的試験片を使用し、切削加工にてノッチ有の試験片も準備した。
得られた試験片を用い、ISO179に準拠し、23℃の条件で、ノッチ有とノッチ無シャルピー耐衝撃強度(単位:kJ/m2)をそれぞれ測定した。
上記で得られたISO多目的試験片を用い、ISO75−1&2に従い、荷重1.80MPaの条件(A法)にて測定を行った。なお、表中、「DTUL」と表記する。
上記で得られたISO多目的試験片を0.15〜0.5mm厚のスライス状に切削し、これを試料として、(株)アイフェイズ製温度波熱分析装置「ai−Phase Mobile1」を使用し、MD方向(成形時の樹脂流れ方向)及び厚み方向について、測定した。
上記ペレットを100℃、5時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製「J55−60H」)にて、シリンダー設定温度340℃、金型温度120℃、成形サイクル30秒の条件で射出成形し、長さ125mm×幅13mmで、厚さが1.5mmのUL試験用試験片を成形した。
得られた試験片を、温度23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間調湿し、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)が定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験)に準拠して行なった。UL94Vとは、鉛直に保持した所定の大きさの試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後の残炎時間やドリップ性から燃焼性を評価する方法であり、V−0、V−1及びV−2の燃焼性を有するためには、以下の表2に示す基準を満たすことが必要となる。
以上の評価結果を、表3〜表9に示した。
Claims (4)
- ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、窒化硼素15〜50質量部、リン系難燃剤3〜30質量部及びフルオロポリマー0.001〜10質量部を含有することを特徴とする熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物。
- リン系難燃剤が、リン酸エステル化合物またはホスファゼン化合物である請求項1に記載の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013218024A JP2015028127A (ja) | 2013-06-24 | 2013-10-21 | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013131449 | 2013-06-24 | ||
JP2013131449 | 2013-06-24 | ||
JP2013218024A JP2015028127A (ja) | 2013-06-24 | 2013-10-21 | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015028127A true JP2015028127A (ja) | 2015-02-12 |
Family
ID=52492015
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013218024A Pending JP2015028127A (ja) | 2013-06-24 | 2013-10-21 | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015028127A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002363193A (ja) * | 2001-06-05 | 2002-12-18 | Chemiprokasei Kaisha Ltd | 環状ホスファゼン類、その製造方法、それを有効成分とする難燃剤およびそれを含む樹脂組成物と成形品 |
JP2005298552A (ja) * | 2004-04-06 | 2005-10-27 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | 熱伝導性ポリカーボネート系樹脂組成物および成形体 |
JP2007099799A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-19 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | 高熱伝導絶縁性ポリカーボネート系樹脂組成物および成形体 |
JP2011144284A (ja) * | 2010-01-15 | 2011-07-28 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | 高熱伝導性熱可塑性樹脂組成物及び成形品 |
JP2012188579A (ja) * | 2011-03-11 | 2012-10-04 | Teijin Chem Ltd | 難燃性熱可塑性樹脂組成物 |
-
2013
- 2013-10-21 JP JP2013218024A patent/JP2015028127A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002363193A (ja) * | 2001-06-05 | 2002-12-18 | Chemiprokasei Kaisha Ltd | 環状ホスファゼン類、その製造方法、それを有効成分とする難燃剤およびそれを含む樹脂組成物と成形品 |
JP2005298552A (ja) * | 2004-04-06 | 2005-10-27 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | 熱伝導性ポリカーボネート系樹脂組成物および成形体 |
JP2007099799A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-19 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | 高熱伝導絶縁性ポリカーボネート系樹脂組成物および成形体 |
JP2011144284A (ja) * | 2010-01-15 | 2011-07-28 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | 高熱伝導性熱可塑性樹脂組成物及び成形品 |
JP2012188579A (ja) * | 2011-03-11 | 2012-10-04 | Teijin Chem Ltd | 難燃性熱可塑性樹脂組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6645743B2 (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6389090B2 (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6092668B2 (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP6480120B2 (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6276019B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP6139338B2 (ja) | 摺動性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6173906B2 (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6101566B2 (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP5770487B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP5758649B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形体 | |
JP6422712B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP2015089893A (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6352030B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物および成形品 | |
JP6181508B2 (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP2013166839A (ja) | 炭素繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP5926068B2 (ja) | ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP6026129B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物、それからなる成形体およびその製造方法 | |
JP2014062178A (ja) | 高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP6250409B2 (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6092667B2 (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP2015028127A (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6411588B2 (ja) | 摺動性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6193089B2 (ja) | 摺動性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP2015199853A (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物および成形品 | |
JP2016030779A (ja) | 摺動性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20150227 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20150731 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160810 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170413 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170418 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20171107 |