JP6965958B2 - 袋 - Google Patents
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Description
袋10は、第1フィルム11と、第1フィルム11に対向する第2フィルム12と、折り返し部13cに沿って折り返された状態で第1フィルム11と第2フィルム12との間に配置された中間フィルム13と、を含む。図1は、第1フィルム11の側から見た場合の袋10を示す。
次に、シール部及び非シール部について説明する。袋10は、フィルムの内面同士が結合されているシール部と、フィルムの内面同士が結合されていない非シール部と、を備える。図1においては、シール部にハッチングが施されている。
以下、蒸気抜け機構30の構成について、図3及び図4を参照して説明する。図3は、図1に示す蒸気抜け機構30を拡大して示す図である。図4は、図3に示す蒸気抜け機構30をIV−IV線に沿って見た場合を示す断面図である。
以下、突出シール部33の構成について説明する。突出シール部33は、シール部のうち、袋10の外縁に沿って延びる外縁シール部20aに接続されるとともに、収容部15を画成する第1非シール部20bに向かって突出するように構成された部分である。本実施の形態において、突出シール部33は、第1上縁21に沿って延びる第1上縁シール部21aに接続されている。
突出シール部33は、収容部15のうち中間点P1が存在する側に向かって突出している。そして、一対の第1部分33aは、突出シール部33のうち、内接点P2よりも上述の1つの外縁(ここでは第1上縁21)側に位置するとともに2本の内接直線L2の間に位置する一対の部分である。
また、一対の第1部分33aは線対称であるが、一対の第2部分33bは線対称でない、という形状を採用してもよい。また、一対の第2部分33bは線対称であるが、一対の第1部分33aは線対称でない、という形状を採用してもよい。
次に、第2非シール部20cについて説明する。第2非シール部20cは、袋10の外部に連通している。例えば、本実施形態においては、図4に示すように、第1フィルム11を貫通する貫通孔31が第2非シール部20cに形成されている。このため、第1上縁21に沿って延びる第1上縁シール部21aが、突出シール部33の一端33xから他端33yへ延びる場合であっても、突出シール部33の破壊された部分を通って第2非シール部20cに到達した蒸気が袋10の外部へ抜けることができる。なお、本明細書において、「シール部の破壊」とは、シール部であった部分においてフィルムの剥離が生じることを意味する。
次に、第1フィルム11、第2フィルム12及び中間フィルム13の層構成の一例について、図5を参照して説明する。
熱可塑性樹脂層51を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどを用いることができる。
フィルム11、12、13の厚みは、例えば20〜250μmの範囲内になっている。
またノッチに代えて、切り込みや傷痕群を袋10の外縁に沿った外縁シール部20aに形成してもよい。傷痕群は例えば、フィルム11、12、13を貫通するように形成された複数の貫通孔を含んでいてもよい。若しくは、傷痕群は、フィルム11、12、13を貫通しないようにフィルム11、12、13に形成された複数の孔を含んでいてもよい。
次に、本実施の形態による袋10の製造方法について説明する。
はじめに、各フィルム11、12、13の元となる積層フィルムの原反を作製する工程の一例について説明する。まず、1つの基材層52の原反を準備する。ここで原反とは、巻き取られたロール状のフィルムを意味している。次に、1つの原反から巻き出された長尺状の基材層52を連続的に搬送しながら、基材層52のフィルムの一方の面に印刷表示を施してもよい。例えば、長尺状の基材層52のフィルムの一方の側部側に、第1フィルム11用の印刷表示を繰り返し施し、また、長尺状の基材層52のフィルムの他方の側部側に、第2フィルム12用の印刷表示を繰り返し施してもよい。次に、ドライラミネート法や溶融押出ラミネート法を用いて、長尺状の基材層52のフィルムに熱可塑性樹脂層51を積層して、長尺状の積層フィルムを作製する。このようにして、各フィルム11、12、13のための積層フィルムの原反が得られる。なお印刷表示は、基材層のフィルムの状態で施さずに、積層フィルムに施すようにしてもよい。
次に、図6Aに示すように、積層フィルムの原反を適切に切断して、第1フィルム11と、第2フィルム12と、折り返し部13cに沿って折り返された状態で第1フィルム11と第2フィルム12との間に配置される中間フィルム13と、を準備する。なお、蒸気抜け機構30が上述のように貫通孔31を含む場合、この段階で第1フィルム11に貫通孔31を形成しておいてもよい。
その後、第1フィルム11および第2フィルム12を外縁に沿って外面11y、12y側から加熱して、第1フィルム11の内面11xの一部と第2フィルム12の内面12xの一部とを熱溶着し、中間フィルム13の内面13xと第1フィルム11の内面11xとを熱溶着し、中間フィルム13の内面13xと第2フィルム12の内面12xとを熱溶着する。これによって、図6Bに示すように、外縁シール部20aや突出シール部33などのシール部を形成する。この結果、シール部によって囲まれた非シール部20b,20cが画成される。熱溶着工程は、図6Bに示すように、第1フィルム11の1つの外縁又は第2フィルム12の1つの外縁(ここでは第1フィルム11の第1上縁21)に蒸気抜け機構30を設けるよう、実施される。また、熱溶着工程は、この段階ではフィルム11,12の下縁23にシール部を形成しないよう、実施される。
次に、図6Cに示すように、シール部によって互いに結合された各フィルム11,12,13を、袋10の輪郭に沿って切断する。このようにして、第1上縁21に形成された蒸気抜け機構30を備えた袋10を作製する。このとき、第1フィルム11と中間フィルム13とを切断することにより、第1上縁21を形成するようにしてもよい。
次に、下縁23の下縁シール予定部23b(充填口)を介して内容物を袋10に充填する。その後、第1フィルム11の内面11xと第2フィルム12の内面12xとを下縁23に沿って熱溶着して下縁シール部23aを形成する。このようにして、図6Dに示すように、内容物が収容部15に密封された袋10を得ることができる。
次に、袋10の収容部15に収容された内容物を加熱する方法の一例について説明する。
このため、膨張部40に起因して発生する力を、はじめに先端点33cに集中的に作用させることができる。従って、先端点33cにおいて第1フィルム11を中間フィルム13から容易に剥離させて突出シール部33を破壊することができる。すなわち、フィルムの剥離の起点を先端点33cに容易に作成することができる。
以下、蒸気抜け機構30の形状の変形例をいくつか挙げる。図8乃至図12は、それぞれ、蒸気抜け機構30の変形例を示す図である。
上述の本実施の形態においては、突出シール部33の一対の第2部分33bが直線状に延びる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、一対の第2部分33bが湾曲した部分を含んでいてもよい。この場合、好ましくは、図8に示すように、一対の第2部分33bは、その内縁側から外縁側に向かって凸となる凸形状を有している。これによって、図8に示すように、先端点33cにおいて一対の第2部分33bがなす角度θをより小さくすることができ、例えば90°未満にすることができる。このように第2部分33bを構成することにより、膨張部40に起因する力をより先端点33cに集中させることができる。
なお、図9に示すように、一対の第2部分33bが直線状に延びる場合であっても、先端点33cにおいて一対の第2部分33bがなす角度θを90°未満にすることは可能である。
また、上述の本実施の形態においては、突出シール部33第2非シール部20cの輪郭が、略五角形である例を示した。しかしながら、第2非シール部20cにおいて蒸気を袋10の外部に蒸気を適切に抜くことができる限りにおいて、第2非シール部20cの輪郭が特に限られることはない。例えば、図10に示すように、第2非シール部20cの輪郭が円形状であってもよい。
また、上述の本実施の形態においては、円形状の貫通孔31を蒸気抜け機構30の第2非シール部20cに形成する例を示した。しかしながら、第2非シール部20cを袋10の外部に連通させて蒸気を抜くことができる限りにおいて、貫通孔31の形状が特に限られることはない。例えば、図11に示すように、スリット状の貫通孔31を第2非シール部20cに形成してもよい。スリット状の貫通孔31は、例えば、第1フィルム11や中間フィルム13に切れ込みを入れることによって形成される。
また、上述の本実施の形態においては、第1上縁シール部21aが、突出シール部33の一端33xから他端33yへ延びる部分を含み、且つ、突出シール部33及び第1上縁シール部21aによって囲まれた第2非シール部20cに貫通孔31を形成する例を示した。しかしながら、収容部15の蒸気を袋10の外部へ抜けさせることができる限りにおいて、突出シール部33の外縁よりも外側の部分における蒸気抜け機構30の構成が特に限られることはない。例えば、図12に示すように、突出シール部33の外縁に接する第2非シール部20cを、第1上縁21に接するように形成してもよい。すなわち、第1上縁シール部21aが、突出シール部33の一端33xから他端33yへ延びる部分を含んでいなくてもよい。この場合、第2非シール部20cに貫通孔が形成されていなくても、突出シール部33の破壊された部分を通って第2非シール部20cに到達した蒸気は、第1上縁21から袋10の外部に抜けることができる。
以下、袋10の構成の変形例をいくつか挙げる。図13及び図14は、それぞれ、袋10の変形例を示す図である。
上述の本実施の形態においては、袋10が、折り返された状態で第1フィルム11と第2フィルム12との間に配置された中間フィルム13を含み、突出シール部33が、第1フィルム11及び中間フィルム13が結合されてなる外縁シール部20aに接続されている例を示した。しかしながら、外縁シール部20aに接続された突出シール部33を含む蒸気抜け機構30を形成することができる限りにおいて、袋10の構成が特に限られることはない。例えば、図13に示すように、袋10は、第1フィルム11及び第2フィルム12を含み、中間フィルム13を含まない、いわゆる平パウチであってもよい。この場合、突出シール部33は、第1フィルム11及び第2フィルム12が結合されてなる外縁シール部20aに接続される。
また、上述の本実施の形態においては、袋10の第1上縁シール部21aに接続された突出シール部33を形成する例を示したが、突出シール部33を設ける位置が特に限られることはない。例えば、図14に示すように、袋10の第1側縁シール部24aに接続された突出シール部33を形成してもよい。
以下、本発明の一実施形態について記載する。
上述の図1に示す、一対の第1部分33a、一対の第2部分33b及び先端点33cを含む突出シール部33を有する蒸気抜け機構30を備えた袋10を準備した。なお、一対の第2部分33bが先端点33cでなす角度θは、120°とした。また、図3に示す第1距離H1及び第2距離H2は、それぞれ4mm及び6mmとした。また、中間点P1を起点として算出される上述の距離S1、距離S2、距離S3及び距離S4は、それぞれ76mm、76mm、62mm及び62mmであった。
図1において、突出シール部30を図15に示す突出シール部133に変更した以外は、図1と同様にして、蒸気抜け機構を備えた袋を準備した。図15に示す突出シール部133においては、先端点33cにおいて接続される直線状の一対の第2部分33bが、第1上縁シール部21aにまで延びている。なお、一対の第2部分33bが先端点33cでなす角度は90°とした。
結果、10個の袋のサンプルの全てにおいて、突出シール部133において生じたフィルムの剥離が、第1側縁シール部24aまたは第2側縁シール部25aまで進行した。このため、第1側縁24または第2側縁25から水が外に漏れだした。
11 第1フィルム
12 第2フィルム
13 中間フィルム
15 収容部
17 ウイング部
20a シール部
20b 第1非シール部
20c 第2非シール部
21 第1上縁
21a 第1上縁シール部
22 第2上縁
22a 第2上縁シール部
23 下縁
23a 下縁シール部
23b 下縁シール予定部
24 第1側縁
24a 第1側縁シール部
25 第2側縁
25a 第2側縁シール部
30 蒸気抜け機構
31 貫通孔
33 突出シール部
33a 第1部分
33b 第2部分
33c 先端点
40 膨張部
L1 中心線
L2 内接直線
P1 中間点
P2 内接点
Claims (5)
- フィルムを含み、内容物を収容する袋であって、
対向する前記フィルム同士が結合されているシール部と、
対向する前記フィルム同士が結合されていない非シール部と、
ウイング部と、を備え、
前記シール部は、前記袋の外縁に沿って延びる外縁シール部と、前記外縁シール部に接続された突出シール部と、を有し、
前記非シール部は、前記突出シール部の内縁に接し、前記内容物が収容される収容部を画成する第1非シール部を有し、
前記袋の前記外縁は、前記ウイング部の外縁を構成する第1上縁と、第2上縁と、前記第1上縁及び前記第2上縁に対向する下縁と、を含み、
前記第1上縁から前記下縁までの距離は、前記第2上縁から前記下縁までの距離よりも短く、
前記突出シール部は、前記外縁シール部のうち、前記第1上縁に沿って前記フィルム同士が結合されてなる第1上縁シール部に接続されており、
前記突出シール部のうち、前記突出シール部が接続されている前記外縁シール部に沿う前記袋の1つの外縁から最も離れている箇所を先端点と称し、前記袋の前記1つの外縁に対して直交する直交方向に延びるとともに前記先端点を通る直線を中心線と称し、前記中心線上に位置するとともに前記直交方向における前記収容部の中間に位置する点を中間点と称する場合、前記突出シール部は、前記中間点に向かって突出しており、
前記突出シール部は、前記中間点を通るとともに前記突出シール部の内縁に内接点で接する2本の内接直線を描いた場合に前記内接点よりも前記1つの外縁側に位置するとともに前記2本の内接直線の間に位置する一対の第1部分と、前記内接点よりも前記中間点側に位置するとともに前記2本の内接直線の間に位置し、前記先端点において接続される一対の第2部分と、を有し、
前記一対の第1部分及び前記一対の第2部分は、前記突出シール部が略五角形の輪郭を有するよう構成されており、
前記一対の第2部分が前記先端点においてなす角度は、90°以上180°未満であり、
前記直交方向における、前記突出シール部が接続されている前記外縁シール部と、前記内接点との間の距離を第1距離と称し、前記直交方向における、前記先端点と前記内接点との間の距離を第2距離と称する場合、前記第1距離は前記第2距離よりも短い、袋。 - 前記直交方向における、前記突出シール部が接続されている前記外縁シール部と、前記内接点との間の距離は、3mm以上である、請求項1に記載の袋。
- 前記直交方向における、前記先端点と前記内接点との間の距離は、3mm以上である、請求項1又は2に記載の袋。
- 前記一対の第1部分及び前記一対の第2部分はいずれも、前記中心線に対して線対称である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の袋。
- 前記フィルムは、第1フィルム及び第2フィルムと、折り返された状態で前記第1フィルムと前記第2フィルムとの間に配置された中間フィルムと、を含み、
前記中間フィルムの一端が前記第1上縁に位置し、前記中間フィルムの他端が前記第2上縁に位置している、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の袋。
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