JP6965561B2 - 整相器および整相処理方法 - Google Patents

整相器および整相処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6965561B2
JP6965561B2 JP2017094645A JP2017094645A JP6965561B2 JP 6965561 B2 JP6965561 B2 JP 6965561B2 JP 2017094645 A JP2017094645 A JP 2017094645A JP 2017094645 A JP2017094645 A JP 2017094645A JP 6965561 B2 JP6965561 B2 JP 6965561B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
index
signal
eigenvector
subspace
exclusion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017094645A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018189602A (ja
Inventor
学 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP2017094645A priority Critical patent/JP6965561B2/ja
Publication of JP2018189602A publication Critical patent/JP2018189602A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6965561B2 publication Critical patent/JP6965561B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

本発明は、複数のセンサで構成されたアレイによって受信した信号を処理する整相器および整相処理方法に関する。
従来、アレイを構成する複数のセンサからのセンサ出力を用いたアレイ信号処理は、ソーナー、レーダー、および地震源の推定等の種々の分野で使用されている。このような分野においては、信号源の位置を推定するために、空間的に異なる位置に複数のセンサを設置し、センサ出力間に生じる時間差情報または位相差情報に基づき、周囲に存在する信号源に関する情報を取得している。
アレイ信号処理の代表的な例としては、例えば整相処理が挙げられる。整相処理では、センサ出力に対して遅延時間を設定し、その結果に対して重み付き加算を行うことにより、特定の方位から到来した信号を抽出する。整相処理は、整相処理の重み付き加算における重みの与え方に応じて、例えば、重みが固定的な「従来整相処理」と、周囲の環境に応じて重みを動的に変化させる「適応整相処理」との2つの処理に大別して分類することができる。
ここで、DIFAR(DIrectional Frequency Analysis and Recording)を対象とした適応整相処理の1つに、MVDR(Minimum Variance Distortionless Response)方式と称する処理方式が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、適応整相処理としてMVDR方式を用いた場合には、整相方位と信号の到来方位とが一致しないと、ビーム応答のピークレベルが劣化してしまうという問題があった。そこで、最近では、このような問題を解決するために、EBAE(Eigenvector/Beam Association and Excision)方式と称する処理方式が提案されている。
EBAE方式は、センサ出力の共分散行列の固有値分解によって得られる固有ベクトルと、方位を示すとともに整相方位を決定するステアリングベクトルとを対応付ける。そして、このステアリングベクトルを用いて整相処理を行う際に、対応する固有ベクトルの情報を除外して適応的な重み計算を行うものである。
このようなEBAE方式は、固有ベクトルとステアリングベクトルとを1対1で対応付けるとともに、適応重みを計算する際に固有ベクトルの情報を除外することにより、高い方位分解能を有する。また、様々な雑音の影響を受けるような環境であっても、センサ出力に対してロバストな整相結果を得ることができる。
D.Desrochers and R.F.Marsden,"High Resolution Beamforming Techniques Applied To a DIFAR Sonobuoy", Canadian Acoustics, 1999
しかしながら、上述したEBAE方式をDIFARに適用した場合には、信号の到来方位付近に複数のピークが発生してしまうことがある。そのため、信号の到来方位を特定することが困難であるという課題があった。
そこで、適応整相処理としてEBAE方式を適用した場合でも、1つの信号に対する複数のピークの発生を抑制し、信号の到来方位を容易に特定することができる整相器および整相処理方法が望まれている。
本発明に係る整相器は、アレイを構成する複数のセンサに到来する信号を示すセンサ出力信号に基づき、アレイの周囲に存在する信号源に関する情報を取得する整相器であって、センサ出力信号に基づき、共分散行列を算出する共分散行列算出部と、共分散行列に基づき、空間を信号部分空間および雑音部分空間に分離するとともに、信号部分空間および雑音部分空間に属する固有ベクトルを取得する固有値分解処理部と、雑音部分空間に属する固有ベクトルに基づき、センサ出力信号の到来方位を推定する方位推定処理部と、推定された到来方位と、信号部分空間に属する固有ベクトルとに基づき、固有ベクトルに対応付ける到来方位に付されるインデックスを示す方位インデックスを決定する方位インデックス決定部と、決定された方位インデックスに基づき、方位インデックスに対応付けられた固有ベクトルの成分を除外する除外重みを算出する除外重み算出部と、信号部分空間に属する固有ベクトルと、算出された除外重みとに基づき、各方位に対応する適応重みを算出する重み算出部とを備え、方位インデックス決定部は、信号部分空間に属する固有ベクトルに対応付ける方位インデックスを決定する際に、決定された方位インデックスを中心として周囲の複数の方位を示す方位インデックスを、信号部分空間に属する固有ベクトルに同時に対応付け、除外重み算出部は、決定された方位インデックスに対応付けられた複数の方位について、方位インデックスの値に応じて決定される除外重みを設定するものである。
また、本発明に係る整相処理方法は、アレイを構成する複数のセンサに到来する信号を示すセンサ出力信号に基づき、アレイの周囲に存在する信号源に関する情報を取得する整相処理方法であって、センサ出力信号に基づき、共分散行列を算出する共分散行列算出ステップと、共分散行列に基づき、空間を信号部分空間および雑音部分空間に分離するとともに、信号部分空間および雑音部分空間に属する固有ベクトルを取得する固有値分解ステップと、雑音部分空間に属する固有ベクトルに基づき、センサ出力信号の到来方位を推定する方位推定ステップと、推定された到来方位と、信号部分空間に属する固有ベクトルとに基づき、固有ベクトルに対応付ける到来方位に付されるインデックスを示す方位インデックスを決定する方位インデックス決定ステップと、決定された方位インデックスに基づき、方位インデックスに対応付けられた固有ベクトルの成分を除外する除外重みを算出する除外重み算出ステップと、信号部分空間に属する固有ベクトルと、算出された除外重みとに基づき、各方位に対応する適応重みを算出する重み算出ステップとを有し、方位インデックス決定ステップは、信号部分空間に属する固有ベクトルに対応付ける方位インデックスを決定する際に、決定された方位インデックスを中心として周囲の複数の方位を示す方位インデックスを、信号部分空間に属する固有ベクトルに同時に対応付け、除外重み算出ステップは、決定された方位インデックスに対応付けられた複数の方位について、方位インデックスの値に応じて決定される除外重みを設定するものである。
以上のように、本発明によれば、信号部分空間の固有ベクトルに対応付ける方位インデックスを決定する際に、決定された方位インデックスの周囲の複数の方位を示す方位インデックスを、信号部分空間の固有ベクトルに対応付け、複数の方位について除外重みを設定することにより、1つの信号に対する複数のピークの発生を抑制し、信号の到来方位を容易に特定することができる。
DIFARの指向性と信号の到来方位との関係について説明するための概略図である。 従来のEBAE方式を用いた整相器の構成の一例を示すブロック図である。 従来型EBAE方式による問題点について説明するための概略図である。 実施の形態1に係る改善型EBAE方式を用いた整相器の構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態1における固有ベクトル除外重みの形状の一例を示す概略図である。 実施の形態1に係る整相器による整相処理結果について説明するための概略図である。 実施の形態2に係る改善型EBAE方式を用いた整相器の構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態2における信号到来方位の推定分散と定数との関係の一例を示すグラフである。 実施の形態2における固有ベクトル除外重みの形状の一例を示す概略図である。 実施の形態2に係る整相器による整相処理結果について説明するための概略図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係る整相器について説明する。本実施の形態1に係る整相器では、DIFARに対して、従来のEBAE方式を改善した改善型EBAE方式による適応整相処理を適用する。以下では、まず、本実施の形態1に係る整相器について説明する前に、本発明の前提となる「DIFARに対する適応整相処理の適用」と、「従来型EBAE方式を用いた適応整相処理」とについて説明する。
(DIFARについて)
図1は、DIFARの指向性と信号の到来方位との関係について説明するための概略図である。DIFARは、無指向性センサ、正弦指向性センサ、および余弦指向性センサの3つの音響センサによって構成されている。図1に示すように、正弦指向性センサおよび余弦指向性センサは、指向性の最大応答軸が互いに直交となるように配置されている。
このように正弦指向性センサおよび余弦指向性センサが配置された場合において、北の方角を示す真方位軸と余弦指向性センサの最大応答軸とのなす角を角度αとし、余弦指向性センサの最大応答軸と信号の到来方位とのなす角を角度φとする。また、真方位軸を基準とした場合の信号の到来方位を角度θとする。
このとき、無指向性センサ出力の時系列s[n]、正弦指向性センサ出力の時系列s[n]、および余弦指向性センサ出力の時系列s[n]は、式(1)で表される。式(1)において、記号「n」は、時刻を表すインデックスを示す。
Figure 0006965561
また、式(1)で示される各センサ出力の時系列s[n]、s[n]およびs[n]に対して離散フーリエ変換を適用した場合の、k番目の周波数の各センサ出力x[k]、x[k]およびx[k]は、式(2)および(3)で表される。
Figure 0006965561
Figure 0006965561
(DIFARへの適応整相処理の適用)
次に、DIFARに対する適応整相処理の適用について説明する。ここでは、適応整相処理の1つであるMVDR方式をDIFARに対して適用する場合について説明する。
MVDR方式において、整相方位を決定するステアリングベクトルv[p,k]は、式(4)で表される。式(4)において、「p」は、全周において整相する方位を表すインデックス(以下、「方位インデックス」と適宜称する)を示す。「φ」は、方位インデックスpに対応した整相方位を示す。
Figure 0006965561
また、MVDR方式のビーム応答E^MVDRは、ステアリングベクトルv[p,k]を用いて、式(5)によって表される。なお、以下の説明においては、数式中で「E」などの文字の上に「^」がつけられた文字を「E^」と記載するものとする。式(5)において、「[・]」は、転置の操作を示し、「R[k]−1」は、3つのセンサ出力の共分散行列R[k]の逆行列を示す。
Figure 0006965561
ここで、センサ出力の共分散行列R[k]は、k番目の周波数のセンサ出力の母平均または母分散によって定義されるため、一般的には、直接的に求めることが困難である。そのため、例えば、時刻「j−B+1」から時刻「j」までのB個の瞬時の共分散行列を平均することによって、時刻「j」における共分散行列の推定値R^[k]を求める。そして、求めた共分散行列の推定値R^[k]を、式(5)において、共分散行列R[k]の代わりに使用する。
このときの共分散行列の推定値R^[k]は、式(6)により算出することができる。なお、式(6)における「[・]」は、共役転置の操作を示す。また、以下の説明では、共分散行列の推定値R^[k]を、簡単のため「R^[k]」と表記する。
Figure 0006965561
以上により、MVDR方式による適応整相処理をDIFARに適用することができる。なお、適応整相処理としてMVDR方式を用いた場合には、整相方位と信号の到来方位とが一致しないなどの問題が発生すると、ビーム応答のピークのレベルが劣化する。
(EBAE方式について)
次に、従来のEBAE方式による適応整相処理(以下、「従来型EBAE方式」と適宜称する)について説明する。従来型EBAE方式は、上述したMVDR方式において生じるビーム応答のピークのレベルが劣化するという問題を解決するために提案されたものである。
従来型EBAE方式は、概略的には、センサ出力の共分散行列の固有値分解によって得られる固有ベクトルと、整相方位を決定するステアリングベクトルとを対応付ける。そして、このステアリングベクトルを用いて整相処理を行う際に、対応する固有ベクトルの情報を除外して重みを算出する適応整相処理である。
図2は、従来のEBAE方式を用いた整相器100の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、整相器100は、共分散行列算出部101、固有値分解処理部102、MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)処理部103、方位インデックス決定部104、固有ベクトル除外重み算出部105、適応重み算出部106、整相処理部107、および積分処理部108で構成されている。整相器100には、アレイを構成する複数のセンサによって得られる、周波数kの出力を並べたベクトルであるセンサ出力x[k]が入力される。
共分散行列算出部101は、整相器100に入力されたセンサ出力x[k]に基づき、式(6)を用いて共分散行列の推定値R^[k]を算出する。
固有値分解処理部102は、共分散行列算出部101で算出された共分散行列の推定値R^[k]に対して固有値分解処理を行う。固有値分解処理では、算出された共分散行列の推定値R^[k]を、式(7)に示すように、行列の加算形式に変換する。式(7)において、「M」は、アレイを構成するセンサ数を示す。また、「λ[k]」は、周波数kにおけるm番目の固有値を示し、「q[k]」は、周波数kにおけるm番目の固有値に対応する固有ベクトルを示す。
Figure 0006965561
このように変換された共分散行列の推定値R^[k]は、信号部分空間および雑音部分空間と称する2つの空間に分離することができる。信号部分空間は、M個の固有値のうち、D個の大きな固有値に対応する固有ベクトルによって形成される空間である。雑音部分空間は、M個の固有値のうち、残りの固有値に対応する固有ベクトルによって形成される空間である。
したがって、式(7)は、分離された信号部分空間および雑音部分空間の2つの空間を考慮することにより、式(8)のように表すことができる。式(8)における右辺の第1項は、信号部分空間の固有値および固有ベクトルの集まりを示し、第2項は、雑音部分空間の固有値および固有ベクトルの集まりを示す。固有値λ[k]は、信号または雑音のパワーに関する情報を含んでいる。また、信号部分空間の固有ベクトルq[k]は、信号の到来方位に関する情報を含んでいる。
Figure 0006965561
このように、固有値分解処理部102は、共分散行列算出部101で算出された共分散行列の推定値R^[k]を、2つの部分空間に分離し、信号部分空間および雑音部分空間それぞれの固有値λ[k]および固有ベクトルq[k]を取得する。
なお、信号部分空間に属する固有ベクトルの数Dを推定する方法としては、例えば、AIC(Akaike information criterion)、MDL(Minimum description length)等の方法がある。これらの方法は、信号部分空間に属する固有値の数Dを推定する方法として周知の方法であり、本発明における特徴を示すものではないため、ここでは説明を省略する。
MUSIC処理部103は、固有値分解処理部102で得られた雑音部分空間の固有ベクトルに基づき、信号の到来方位を推定する処理の一例であるMUSIC処理を行い、MUSICスペクトルを算出する。MUSICスペクトルM[p,k]は、式(9)に基づき算出される。このようなMUSICスペクトルM[p,k]は、信号の到来方位に関する情報を含んでおり、高い方位分解能を有している。
Figure 0006965561
方位インデックス決定部104は、信号部分空間に属する固有ベクトルq[k]に対応付ける方位インデックスpを決定する。具体的には、方位インデックス決定部104は、信号部分空間に属する固有ベクトルq[k]と、MUSICスペクトルM[p,k]とに基づき、信号部分空間に属する固有ベクトルq[k]と方位インデックスpとの対応付けを行う。
この場合には、まず、信号部分空間に属するm番目の固有ベクトルq[k]とすべての方位のステアリングベクトルv[p,k]との内積ρ[p,k]を、式(10)に基づき算出する。
Figure 0006965561
次に、式(10)によって算出された内積ρ[p,k]とMUSICスペクトルM[p,k]との乗算結果が最大となる方位インデックスpを、式(11)に基づき、固有ベクトルq[k]に対応付ける方位インデックスpとして算出する。
Figure 0006965561
固有ベクトル除外重み算出部105は、方位インデックス決定部104で決定された方位インデックスpに基づき、「m」および「p」の関数である固有ベクトル除外重みδ[m,p]を導出する。固有ベクトル除外重みδ[m,p]は、式(12)によって定義される。
Figure 0006965561
適応重み算出部106は、固有ベクトル除外重みδ[m,p]に基づき、各方位に対応する適応重みw[p,k]を算出する。信号部分空間に属する固有ベクトルq[k]に対応付けられた方位インデックスpを用いて適応重みを算出する場合には、対応する固有ベクトルq[k]の情報を除外して適応重みを算出する。
すなわち、この場合の適応重みw[p,k]は、式(13)に基づき算出される。式(13)において、βは、m番目の固有値λ[k]に対応した信号のSN(Signal/Noise)比を示す。
Figure 0006965561
整相処理部107は、センサ出力x[k]および適応重みw[p,k]に基づき、ビーム応答y[p,k]を算出する。ビーム応答y[p,k]は、式(14)に基づき算出される。
Figure 0006965561
積分処理部108は、ビーム応答y[p,k]の絶対値を2乗した後に時間積分を行う。
(DIFARを対象とした従来型EBAE方式の適用の問題点)
ところで、従来型EBAE方式においてMUSICスペクトルを算出する場合には、上述した式(9)の分母に示すように、雑音部分空間に属する固有ベクトルとすべてのステアリングベクトルとの内積の結果を加算する。これにより、従来型EBAE方式では、実際に信号が到来する方位に対してピークの方位が安定するようにしている。
しかしながら、DIFARにおいては、アレイを構成するセンサ数Mが「3」であるため、信号部分空間に属する固有ベクトル数Dを「1」もしくは「2」とした場合、雑音部分空間に属する固有ベクトル数Dは、「2」もしくは「1」である。したがって、式(9)の分母における固有ベクトルを用いた結果の加算数「M−(D+1)」は、多くとも「2」であり、ピークの方位を安定させるには、加算数が極端に不足してしまう。そのため、DIFARにおいては、MUSICスペクトルを算出する場合に、信号のピークの方位が安定しない。
図3は、従来型EBAE方式による問題点について説明するための概略図である。図3(a)は、時間変化に伴ってMUSICスペクトルのピークの方位が変化する様子を示す。図3(b)は、時間変化に伴ってビーム応答ピークの方位が変化する様子を示す。図3(c)は、図3(b)のビーム応答を時間積分した結果を示す。ここでは、2つの信号#1および信号#2の到来方位を特定する場合についての一例を示す。この例において、点線で示す方位が実際の信号#1および信号#2の到来方位であり、ピークの方位が特定した信号#1および信号#2の到来方位である。
図3(a)に示すように、信号のピークの方位が安定しないことにより、MUSICスペクトルのピークの方位は、時間変化に伴ってばらつくことになる。その結果、方位インデックス決定部104において、信号部分空間に属する固有ベクトルq[k]に対応付けられる方位インデックスpは、時間変化に伴ってばらつくこととなってしまう。
また、これにより、図3(b)に示すように、整相処理によって得られるビーム応答y[p,k]のピークもばらついてしまう。そして、各時刻におけるビーム応答y[p,k]のピーク方位がばらついているため、このようにばらついたビーム応答y[p,k]を時間積分した場合には、図3(c)に示すように、信号の到来方位付近に複数のピークが発生する。
このように、DIFARに対して従来型EBAE方式を用いた場合には、信号の到来方位付近に複数のビーム応答のピークが発生するため、信号の到来方位を特定することが困難となる。
そこで、本実施の形態1では、従来型EBAE方式を改善した改善型EBAE方式を適応整相処理として用い、信号の到来方位を特定できるようにした。具体的には、本実施の形態1では、信号部分空間に属する固有ベクトルと方位インデックスとの対応付けを行う際に、信号部分空間に属する固有ベクトルqに対応した方位インデックスpを中心に前後複数の方位インデックスを対応付ける。これにより、ビーム応答の幅が広がり、ビーム応答を時間積分した際に、ビーム応答になだらかな1つのピークを生じさせることができる。
[整相器の構成]
図4は、本実施の形態1に係る改善型EBAE方式を用いた整相器10の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、整相器10は、共分散行列算出部1、固有値分解処理部2、MUSIC処理部3、方位インデックス決定部4、固有ベクトル除外重み算出部5、適応重み算出部6、整相処理部7、および積分処理部8で構成されている。
共分散行列算出部1は、アレイを構成する複数のセンサによって得られる、周波数kのセンサ出力x[k]が入力される。共分散行列算出部1は、入力されたセンサ出力x[k]に基づき、式(6)を用いて共分散行列の推定値R^[k]を算出する。
固有値分解処理部2は、共分散行列算出部1で算出された共分散行列の推定値R^[k]が入力される。固有値分解処理部2は、入力された共分散行列の推定値R^[k]に対して固有値分解処理を行い、式(7)および式(8)を用いて、信号部分空間および雑音部分空間それぞれの固有値λ[k]および固有ベクトルq[k]を取得する。
MUSIC処理部3は、センサ出力x[k]の到来方位を推定する方位推定処理部であり、固有値分解処理部2で得られた雑音部分空間の固有ベクトルq[k]が入力される。MUSIC処理部3は、入力された雑音部分空間の固有ベクトルq[k]に基づきMUSIC処理を行い、式(9)を用いてMUSICスペクトルM[p,k]を算出する。
方位インデックス決定部4は、固有値分解処理部2で得られた信号部分空間の固有ベクトルq[k]と、MUSIC処理部3で算出されたMUSICスペクトルM[p,k]とが入力される。方位インデックス決定部4は、入力された信号部分空間の固有ベクトルq[k]およびMUSICスペクトルM[p,k]に基づき、信号部分空間に属する固有ベクトルq[k]に対応する方位インデックスpを決定する。
また、方位インデックス決定部4は、決定した方位インデックスpを中心として周囲の方位インデックスを、信号部分空間に属する固有ベクトルq[k]に同時に対応付ける。具体的には、対応付けられる方位インデックスは、前後複数の方位インデックス「p−(U−1)/2,・・・,p−(U−1)/2」である。ここで、記号「U」は、1つの固有ベクトルに対して対応付ける方位インデックスの数であり、奇数とする。
固有ベクトル除外重み算出部5は、方位インデックス決定部4で決定された方位インデックスpが入力される。固有ベクトル除外重み算出部5は、入力された方位インデックスpに基づき、「m」および「p」の関数である固有ベクトル除外重みδ[m,p]を導出する。このときの固有ベクトル除外重みδ[m,p]は、式(15)によって定義される。
Figure 0006965561
ここで、改善型EBAE方式におけるビーム応答のピーク付近の形状は、式(15)における値「ξ」の形状によって決定される。本実施の形態1では、固定的な固有ベクトル除外重みの形状が、例えば下に凸の2次関数の形状となるように、ξの値を決定する。これは、一般的に、整相処理のビーム応答のピーク付近の形状が、EBAE方式に限らず上に凸の2次関数で近似できるような形状であるためである。そして、このビーム応答のピーク付近の形状を決定するためには、整相処理のビーム応答の逆の特性となる固有ベクトル除外重みの形状が必要となるからである。したがって、固有ベクトル除外重みの形状が下に凸の2次関数となるようにξの値を決定することにより、ビーム応答のピーク付近の形状を尤もらしい形状に保つことができる。
図5は、本実施の形態1における固有ベクトル除外重みの形状の一例を示す概略図である。ここでは、図5に示すような固有ベクトル除外重みδ[m,p]を与える。また、この場合のξの値は、2次関数である「ξ=a(p−p」を満たす値とする。値「a」は、固有ベクトル除外重みの2次関数としての形状を決定する定数である。
説明は図4に戻り、適応重み算出部6は、固有ベクトル除外重み算出部5で得られた固有ベクトル除外重みδ[m,p]と、固有値分解処理部2で得られた信号部分空間に属する固有値および固有ベクトル、ならびに雑音部分空間に属する固有値と、方位インデックス決定部4で決定された方位インデックスpとが入力される。適応重み算出部6は、入力されたこれらの情報に基づき、式(13)を用いて適応重みw[p,k]を算出する。
整相処理部7は、センサ出力x[k]と、適応重み算出部6で算出された適応重みw[p,k]が入力される。整相処理部7は、入力されたセンサ出力x[k]および適応重みw[p,k]に基づき、式(14)を用いてビーム応答y[p,k]を算出する。
積分処理部8は、整相処理部7で算出されたビーム応答y[p,k]が時系列的に入力される。積分処理部8は、入力されたビーム応答y[p,k]の絶対値を2乗した後に時間積分を行う。
[整相器の動作]
次に、上記構成を有する整相器10の動作について、図4を参照して説明する。まず、アレイを構成する複数のセンサから整相器10に対してセンサ出力x[k]が入力されると、入力されたセンサ出力x[k]は、共分散行列算出部1および整相処理部7に供給される。
共分散行列算出部1は、供給されたセンサ出力x[k]に基づき、共分散行列の推定値R^[k]を算出する。算出された共分散行列の推定値R^[k]は、固有値分解処理部2に供給される。
固有値分解処理部2は、供給された共分散行列の推定値R^[k]に基づき、固有値分解処理を行う。そして、信号部分空間および雑音部分空間の分離を行うとともに、信号部分空間の固有値λ[k]および固有ベクトルq[k]、ならびに雑音部分空間の固有値λ[k]および固有ベクトルq[k]を取得する。
取得した雑音部分空間に属する固有ベクトルq[k]は、MUSIC処理部3に供給される。また、取得した信号部分空間に属する固有ベクトルq[k]は、方位インデックス決定部4に供給される。さらに、取得した信号部分空間に属する固有値λ[k]および固有ベクトルq[k]、ならびに雑音部分空間に属する固有値λ[k]は、適応重み算出部6に供給される。
MUSIC処理部3は、供給された雑音部分空間に属する固有ベクトルq[k]に基づきMUSIC処理を行い、MUSICスペクトルM[p,k]を算出する。算出されたMUSICスペクトルM[p,k]は、方位インデックス決定部4に供給される。
方位インデックス決定部4は、供給されたMUSICスペクトルM[p,k]および信号部分空間に属する固有ベクトルq[k]に基づき、信号部分空間に属する固有ベクトルq[k]に対応する方位インデックスpを決定する。また、方位インデックス決定部4は、方位インデックスpを中心とした前後複数の方位インデックスp−(U−1)/2,・・・,p−(U−1)/2を、信号部分空間に属する固有ベクトルq[k]に同時に対応付ける。決定された方位インデックスpは、固有ベクトル除外重み算出部5および適応重み算出部6に供給される。
固有ベクトル除外重み算出部5は、供給された方位インデックスpに基づき、固有ベクトル除外重みδ[m,p]を導出する。導出された固有ベクトル除外重みδ[m,p]は、適応重み算出部6に供給される。
適応重み算出部6は、供給された信号部分空間の固有値λ[k]および固有ベクトルq[k]、ならびに雑音部分空間の固有値λ[k]と、方位インデックスpと、固有ベクトル除外重みδ[m,p]とに基づき、適応重みw[p,k]を算出する。算出された適応重みw[p,k]は、整相処理部7に供給される。
整相処理部7は、供給されたセンサ出力x[k]と、適応重みw[p,k]とに基づき、ビーム応答y[p,k]を算出する。算出されたビーム応答y[p,k]は、積分処理部8に供給される。積分処理部8は、供給されたビーム応答y[p,k]の絶対値を2乗した後に時間積分を行い、ビーム応答y[p,k]の積分値を出力する。
[整相処理結果]
図6は、本実施の形態1に係る整相器10による整相処理結果について説明するための概略図である。図6は、2つの信号#1および信号#2が到来する場合の整相処理の結果を示す。図6(a)は、従来型EBAE方式を用いた場合の整相処理の結果を示す。図6(b)は、改善型EBAE方式を用いた場合の整相処理の結果を示す。図6(a)および図6(b)において、縦軸はビーム応答の出力レベルを示し、横軸は整相方位を示す。
また、図6(c)は、DIFARに対して到来する2つの信号#1および信号#2の方位およびレベルを示す。図6(c)に示すように、この例では、信号#1は、真方位160[deg]からレベルが0[dB]で入射する。また、信号#2は、真方位250[deg]からレベルが0[dB]で入射する。
図6(a)に示すように、従来型EBAE方式を用いた場合には、信号#1および信号#2の各信号の到来方位に対して複数のピークが出現する。そのため、この結果からは、各信号の到来方位を正確に判断することができない。
一方、図6(b)に示すように、改善型EBAE方式を用いた場合には、信号#1および信号#2の各信号の到来方位に対して1つのピークが出現する。また、このピークのレベルは、各信号のレベルと同様の0[dB]となっている。これにより、信号#1および信号#2の到来方位およびレベルが正確に検出できていることがわかる。
このように、本実施の形態1に係る整相器10では、改善型EBAE方式を用いることにより、従来のEBAE方式を用いた場合に、1つの信号に対して複数のピークが発生するという問題を解決することができる。
以上のように、本実施の形態1に係る整相器10は、アレイを構成する複数のセンサに到来する信号を示すセンサ出力信号に基づき、アレイの周囲に存在する信号源に関する情報を取得するものである。この整相器10は、センサ出力信号に基づき、共分散行列を算出する共分散行列算出部1と、共分散行列に基づき、空間を信号部分空間および雑音部分空間に分離するとともに、信号部分空間および雑音部分空間に属する固有ベクトルを取得する固有値分解処理部2と、雑音部分空間に属する固有ベクトルに基づき、センサ出力信号の到来方位を推定するMUSIC処理部3と、推定された到来方位と、信号部分空間に属する固有ベクトルとに基づき、固有ベクトルに対応付ける到来方位を示す方位インデックスを決定する方位インデックス決定部4と、決定された方位インデックスに基づき、方位インデックスに対応付けられた固有ベクトルの成分を除外する除外重みを算出する固有ベクトル除外重み算出部5と、信号部分空間に属する固有ベクトルと、算出された除外重みとに基づき、各方位に対応する適応重みを算出する適応重み算出部6とを備えている。
方位インデックス決定部4は、信号部分空間に属する固有ベクトルに対応付ける方位インデックスを決定する際に、決定された方位インデックスの周囲の複数の方位を示す方位インデックスを、信号部分空間に属する固有ベクトルに対応付ける。また、固有ベクトル除外重み算出部5は、決定された方位インデックスに対応付けられた複数の方位について、除外重みを設定する。
このように、本実施の形態1では、信号部分空間に属する固有ベクトルに対応付ける方位インデックスを決定する際に、決定された方位インデックスの周囲の複数の方位を示す方位インデックスを、信号部分空間に属する固有ベクトルに対応付け、決定された方位インデックスに対応付けられた複数の方位について、除外重みを設定する。これにより、1つの信号に対する複数のピークの発生を抑制し、信号の到来方位を容易に特定することができる。
実施の形態2.
次に、本実施の形態2に係る整相器について説明する。本実施の形態2では、MUSIC処理部3で算出されたMUSICスペクトルM[p,k]のばらつきの大きさに応じて固有ベクトル除外重みδ[m,p]を変化させる点で、上述した実施の形態1と相違する。
上述した実施の形態1では、固定的な固有ベクトル除外重みδ[m,p]を用いている。そのため、例えば、MUSICスペクトルのピークのばらつきが小さい場合であっても、ビーム応答の幅が必要以上に広がってしまう可能性がある。そこで、本実施の形態2では、このようなビーム応答幅の広がりを抑制するようにした。
[整相器の構成]
図7は、本実施の形態2に係る改善型EBAE方式を用いた整相器10の構成の一例を示すブロック図である。なお、以下の説明において、上述した実施の形態1と共通する部分には、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図7に示すように、整相器10は、共分散行列算出部1、固有値分解処理部2、MUSIC処理部3、方位インデックス決定部4、推定平均分散算出部21、固有ベクトル除外重み算出部25、適応重み算出部6、整相処理部7、および積分処理部8で構成されている。なお、共分散行列算出部1、固有値分解処理部2、MUSIC処理部3、方位インデックス決定部4、適応重み算出部6、整相処理部7、および積分処理部8については、実施の形態1と同様であるため、その構成および動作についての説明を省略する。
推定平均分散算出部21は、時刻jにおける方位インデックス決定部4の出力である信号部分空間に属する固有ベクトルqm,jに対応付ける方位インデックスの中心pm,jが入力される。なお、この方位インデックスpm,jは、MUSICスペクトルによって推定された、信号到来方位に最も近い方位インデックスであるため、以下では、「信号到来方位」と適宜称して説明する。
推定平均分散算出部21は、時刻j−H+1から時刻jまでの各時刻におけるH個の信号到来方位から、時刻jにおける推定平均μ^m,jおよび推定分散σ^ m,jを算出する。推定平均μ^m,jは、式(16)に基づき算出することができる。また、推定分散σ^ m,jは、式(17)に基づき算出することができる。
Figure 0006965561
Figure 0006965561
固有ベクトル除外重み算出部25は、方位インデックス決定部4で決定された信号到来方位pm,jと、推定平均分散算出部21で算出された信号到来方位pm,jの推定平均μ^m,jおよび推定分散σ^ m,jとが入力される。固有ベクトル除外重み算出部25は、入力された信号到来方位pm,jと、信号到来方位pm,jの推定平均μ^m,jおよび推定分散σ^ m,jとに基づき、固有ベクトル除外重みδ[m,p]を算出する。方位インデックスpが固有ベクトルqに対応付けられている場合、固有ベクトル除外重みδ[m,p]は、式(18)に基づき算出することができる。
Figure 0006965561
式(18)において、2次関数を決定する定数am,jは、信号到来方位pm,jの推定分散σ^ m,jの関数「am,j=f(σ^ m,j)」とする。ここで、図8は、本実施の形態2における信号到来方位pm,jの推定分散σ^ m,jと定数am,jとの関係の一例を示すグラフである。関数「am,j=f(σ^ m,j)」によって表される推定分散σ^ m,jと定数am,jとの関係は、この図8に示すように設定される。
図9は、本実施の形態2における固有ベクトル除外重みの形状の一例を示す概略図である。図9(a)および図9(b)は、それぞれ、信号到来方位pm,jの推定分散σ^ m,jが大きい場合および小さい場合の固有ベクトル除外重みδ[m,p]の形状の一例を示す。図9に示すように、固有ベクトル除外重みδ[m,p]は、信号到来方位pm,jの推定分散σ^ m,jの大きさによって形状が変化する。
[整相処理結果]
図10は、本実施の形態2に係る整相器10による整相処理結果について説明するための概略図である。図10は、図6と同様に、2つの信号#1および信号#2が到来する場合の整相処理の結果を示す。到来する信号#1および信号#2の状態は、実施の形態1と同様である(図6(c)参照)。
図10(a)は、実施の形態1における改善型EBAE方式を用いた場合の整相処理の結果を示す。図10(b)は、本実施の形態2における改善型EBAE方式を用いた場合の整相処理の結果を示す。図10(a)および図10(b)において、縦軸はビーム応答の出力レベルを示し、横軸は整相方位を示す。
図10に示すように、実施の形態1における改善型EBAE方式を用いた場合には、ビーム応答の幅がなだらかである。これに対して、本実施の形態2における改善型EBAE方式を用いた場合には、ビーム応答の幅が細くなっていることがわかる。
このように、本実施の形態2に係る整相器10では、MUSICスペクトルのばらつきの度合いに応じて固有ベクトル除外重みδ[m,p]を変化させることにより、より適切に適応整相処理を行うことができる。
以上のように、本実施の形態2に係る整相器10は、上述した実施の形態1に係る構成に加えて、決定された方位インデックスの時間的な平均および分散を推定する推定平均分散算出部21をさらに備え、固有ベクトル除外重み算出部25は、複数の方位について設定された除外重みを算出するための方位インデックスの関数を、推定された方位インデックスの平均および分散に基づき変化させる。これにより、MUSICスペクトルのばらつきが小さい場合に、ビーム応答の幅が必要以上に広がることを抑制し、信号の到来方位をより正確に特定することができる。
以上、実施の形態1および2について説明したが、本発明は、上述した実施の形態1および2に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、上述した例では、3つのセンサで構成されるDIFARを対象として、EBAE方式の適応整相処理を適用したが、これはこの例に限られない。例えば、DIFAR以外の少数のセンサで構成されるアレイに対してEBAE方式の適応整相処理を適用した場合でも、同様に1つの信号に対して複数のピークが発生することが考えられる。その場合には、本実施の形態1および2と同様に、1つの信号に対する複数のピークの発生を抑制することができる。
1、101 共分散行列算出部、2、102 固有値分解処理部、3、103 MUSIC処理部、4、104 方位インデックス決定部、5、105 固有ベクトル除外重み算出部、6、106 適応重み算出部、7、107 整相処理部、8、108 積分処理部、10、100 整相器、21 推定平均分散算出部、25 固有ベクトル除外重み算出部。

Claims (5)

  1. アレイを構成する複数のセンサに到来する信号を示すセンサ出力信号に基づき、前記アレイの周囲に存在する信号源に関する情報を取得する整相器であって、
    前記センサ出力信号に基づき、共分散行列を算出する共分散行列算出部と、
    前記共分散行列に基づき、空間を信号部分空間および雑音部分空間に分離するとともに、前記信号部分空間および前記雑音部分空間に属する固有ベクトルを取得する固有値分解処理部と、
    前記雑音部分空間に属する固有ベクトルに基づき、前記センサ出力信号の到来方位を推定する方位推定処理部と、
    推定された前記到来方位と、前記信号部分空間に属する固有ベクトルとに基づき、該固有ベクトルに対応付ける到来方位に付されるインデックスを示す方位インデックスを決定する方位インデックス決定部と、
    決定された前記方位インデックスに基づき、該方位インデックスに対応付けられた前記固有ベクトルの成分を除外する除外重みを算出する除外重み算出部と、
    前記信号部分空間に属する固有ベクトルと、算出された前記除外重みとに基づき、各方位に対応する適応重みを算出する重み算出部と
    を備え、
    前記方位インデックス決定部は、
    前記信号部分空間に属する固有ベクトルに対応付ける前記方位インデックスを決定する際に、決定された前記方位インデックスを中心として周囲の複数の方位を示す方位インデックスを、前記信号部分空間に属する前記固有ベクトルに同時に対応付け、
    前記除外重み算出部は、
    決定された前記方位インデックスに対応付けられた前記複数の方位について、前記方位インデックスの値に応じて決定される除外重みを設定する
    ことを特徴とする整相器。
  2. 前記除外重み算出部は、
    前記複数の方位について設定された前記除外重みを、前記方位インデックスの関数を用いて算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の整相器。
  3. 決定された前記方位インデックスの時間的な平均および分散を推定する推定平均分散算出部をさらに備え、
    前記除外重み算出部は、
    推定された前記方位インデックスの平均および分散に基づき、前記方位インデックスの関数を変化させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の整相器。
  4. 前記方位推定処理部は、
    MUSIC処理によって前記センサ出力信号の到来方位を推定し、
    前記方位インデックス決定部は、
    前記MUSIC処理によって得られた推定結果と、前記信号部分空間に属する固有ベクトルおよび方位を示すステアリングベクトルの内積の結果とを乗算し、
    前記乗算の結果を示す乗算値の大きさが最大となる方位を示す方位インデックスを、前記信号部分空間に属する前記固有ベクトルに対応付ける
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の整相器。
  5. アレイを構成する複数のセンサに到来する信号を示すセンサ出力信号に基づき、前記アレイの周囲に存在する信号源に関する情報を取得する整相処理方法であって、
    前記センサ出力信号に基づき、共分散行列を算出する共分散行列算出ステップと、
    前記共分散行列に基づき、空間を信号部分空間および雑音部分空間に分離するとともに、前記信号部分空間および前記雑音部分空間に属する固有ベクトルを取得する固有値分解ステップと、
    前記雑音部分空間に属する固有ベクトルに基づき、前記センサ出力信号の到来方位を推定する方位推定ステップと、
    推定された前記到来方位と、前記信号部分空間に属する固有ベクトルとに基づき、該固有ベクトルに対応付ける到来方位に付されるインデックスを示す方位インデックスを決定する方位インデックス決定ステップと、
    決定された前記方位インデックスに基づき、該方位インデックスに対応付けられた前記固有ベクトルの成分を除外する除外重みを算出する除外重み算出ステップと、
    前記信号部分空間に属する固有ベクトルと、算出された前記除外重みとに基づき、各方位に対応する適応重みを算出する重み算出ステップと
    を有し、
    前記方位インデックス決定ステップは、
    前記信号部分空間に属する固有ベクトルに対応付ける前記方位インデックスを決定する際に、決定された前記方位インデックスを中心として周囲の複数の方位を示す方位インデックスを、前記信号部分空間に属する前記固有ベクトルに同時に対応付け、
    前記除外重み算出ステップは、
    決定された前記方位インデックスに対応付けられた前記複数の方位について、前記方位インデックスの値に応じて決定される除外重みを設定する
    ことを特徴とする整相処理方法。
JP2017094645A 2017-05-11 2017-05-11 整相器および整相処理方法 Active JP6965561B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017094645A JP6965561B2 (ja) 2017-05-11 2017-05-11 整相器および整相処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017094645A JP6965561B2 (ja) 2017-05-11 2017-05-11 整相器および整相処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018189602A JP2018189602A (ja) 2018-11-29
JP6965561B2 true JP6965561B2 (ja) 2021-11-10

Family

ID=64480255

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017094645A Active JP6965561B2 (ja) 2017-05-11 2017-05-11 整相器および整相処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6965561B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6556399B2 (ja) * 2017-02-27 2019-08-07 三菱電機株式会社 レーダ装置
JP7367558B2 (ja) 2020-02-25 2023-10-24 沖電気工業株式会社 整相処理装置および整相処理方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08201498A (ja) * 1995-01-20 1996-08-09 Mitsubishi Electric Corp 測角装置
JP2008175733A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Fujitsu Ltd 音声到来方向推定・ビームフォーミングシステム、移動装置及び音声到来方向推定・ビームフォーミング方法
JP6665562B2 (ja) * 2016-02-05 2020-03-13 沖電気工業株式会社 整相器および整相処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018189602A (ja) 2018-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6665562B2 (ja) 整相器および整相処理方法
Salvati et al. Incoherent frequency fusion for broadband steered response power algorithms in noisy environments
JP5677830B2 (ja) 電子走査型レーダ装置、受信波方向推定方法及び受信波方向推定プログラム
DK2449798T3 (en) System and method for estimating a direction of arrival of sound
WO2006067869A1 (ja) 到来方向推定装置及びプログラム
Goian et al. Fast detection of coherent signals using pre-conditioned root-MUSIC based on Toeplitz matrix reconstruction
Akbari et al. MUSIC and MVDR DOA estimation algorithms with higher resolution and accuracy
JP2017036990A (ja) 到来方向推定装置
JP6965561B2 (ja) 整相器および整相処理方法
Singh et al. Near field targets localization using bistatic MIMO system with spherical wavefront based model
JP4977849B2 (ja) 電波到来方向探知装置
WO2019163632A1 (ja) 方位推定方法及び方位推定装置
JP7013726B2 (ja) 信号処理装置及び信号処理方法
Jiang et al. A new source number estimation method based on the beam eigenvalue
Gamba et al. Direction of arrival (doa) estimation
JP2017040572A (ja) 到来方向推定装置、方法およびプログラム
Srinath et al. Direction of arrival estimation for narrowband and wideband underwater targets
JP2017040573A (ja) 到来方向推定装置、方法およびプログラム
JP7077874B2 (ja) 適応整相システム、適応整相装置、適応整相処理方法およびプログラム
Hung et al. New algorithm for fast direction-of-arrival estimation using the shrinking signal subspace and the noise pseudo-eigenvector
Aoki et al. Array shape calibration using near field pilot sources with unknown distance
CN113359086B (zh) 基于增广互质阵列的加权子空间数据融合直接定位方法
Bouri A novel fast high resolution MUSIC algorithm
JP7367558B2 (ja) 整相処理装置および整相処理方法
KR20080063000A (ko) 도래각 추정 장치 및 그 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210921

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211004

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6965561

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150