JP7013726B2 - 信号処理装置及び信号処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のセンサからの出力を処理して、特定の方位から到来する信号を抽出する信号処理装置及び信号処理方法に関する。
信号処理装置が行う信号処理として、複数のセンサの出力を用いるアレイ信号処理は、ソーナー又はレーダー等の多岐に渡る分野の技術に使用されている。アレイ信号処理を代表する処理として、整相処理が知られている。整相処理は、アレイを構成する複数のセンサからの出力に対して時間遅延を与え、その結果を重み付き加算することによって、特定の方位に最大感度を有するようなビームパターンを形成し、その特定の方位から到来する信号を抽出する処理である。
整相処理の重み付き加算に用いられる重みを周囲の環境に応じて動的に変化させる処理は、適応整相処理と呼ばれる。適応整相処理では、通常、複数の定常的な妨害成分がアレイに到来していることが想定されており、その定常的な妨害成分を抑制するように、アレイを構成するセンサ出力間の相関特性を用いて、適応整相処理で使用する適応重みを計算する。なお、定常的な妨害成分を抑制することを、ヌルを形成すると呼称する。
一方で、定常的な妨害成分が到来している状態のときに、更にレベルの大きな非定常的な妨害成分を受信した際には、適応整相処理において、非定常的な妨害成分に対してヌルを形成するように適応重みの変化が生じる。このとき、アレイを構成するセンサ数と妨害成分の数の関係等にもよるが、適応整相処理において、定常的な妨害成分に対してヌルを形成することができなくなる。概して、適応重みの計算では、センサ出力間の相関特性を時間積分した結果が用いられるため、非定常的な妨害成分が到来しなくなった後も、非定常的な妨害成分の影響が、センサ出力間の相関特性に残り続ける。このため、適応整相処理において、非定常的な妨害成分が到来していた方位に対してヌルが形成され続け、定常的な妨害成分に対してはヌルが形成されないという問題が生じる。
非特許文献1には、Eigenvector/Beam Association and Excision方式(EBAE方式)と呼ばれる適応整相処理について開示されている。非特許文献1において、アレイを構成するm番目のセンサ出力の離散化された状態をsm[n]と表す。ここで、nは時刻を表すインデックスである。センサ出力sm[n]に対して離散フーリエ変換を適用したときのk番目周波数の出力をxm[k]とする。このとき、EBAE方式のk番目周波数の出力y[p,k]を次のように表す。
Figure 0007013726000001
・・・(1)
ここで、pは適応整相を行う方位インデックスを表し、[・]Hは共役転置の操作を表す。w[p,k]は方位p及び周波数kに対する適応整相重みであり、x[k]は周波数kの各センサ出力を並べた行列であり、それぞれ次のように定義する。
Figure 0007013726000002
・・・(2)
Figure 0007013726000003
・・・(3)
ここで、Mはアレイを構成するセンサ数であり、wM[p,k]はM番目のセンサ出力へ与える重みであり、xM[k]はM番目のセンサのk番目周波数の出力である。次に、センサ出力x[k]の共分散行列R[k]の推定値R*[k]を、次のように計算する。
Figure 0007013726000004
・・・(4)
ここで、Jは平均する瞬時共分散行列の数、jは推定に使用する瞬時共分散行列に付与する番号である。式(4)で計算された共分散行列の推定値R*[k]に対して、固有値分解を行い、その後、信号部分空間/雑音部分空間の分離、信号部分空間の固有ベクトルとステアリングベクトルの対応付け及びEBAE方式適応重み計算が行われる。
次に、固有値分解について説明する。共分散行列の推定値R*[k]は、固有値分解という処理を用いて、次の式のように行列の加算形式で表すことができる。
Figure 0007013726000005
・・・(5)
ここで、λm[k]は周波数kにおけるm番目の固有値、qm[k]は周波数kにおけるm番目固有値に対応する固有ベクトルである。固有値λm[k]は、信号又は雑音のパワーに関する情報を含んでおり、qm[k]は信号又は雑音の到来方位に関する情報を含んでいる。
次に、信号部分空間と雑音部分空間との分離について説明する。固有値分解の結果である式(5)は、2つの空間に分けることができる。M個の固有値のうち、D個の大きな固有値に対応する固有ベクトルによって形成される空間を信号部分空間と呼び、残りの固有ベクトルによって形成される空間を雑音部分空間と呼ぶ。このことを考慮し、式(5)を書き直すと次のようになる。
Figure 0007013726000006
・・・(6)
式(6)右辺の第1項は信号部分空間の固有値及び固有ベクトルの集まりであり、第2項は雑音部分空間の固有値と固有ベクトルの集まりである。信号部分空間に属する固有値の数Dを推定する方法としては、AIC(Akaike information criterion)又はMDL(Minimum description length)といった方法がある。信号部分空間に属する固有値の数Dの推定方法については省略し、以下において、信号部分空間に属する固有値の数Dが推定されたとして説明する。
次に、信号部分空間の固有ベクトルとステアリングベクトルとの対応付けについて説明する。適応重みの計算に使用される固有ベクトルはq1[k]~qD[k]のD個ある。例として、周波数kの固有ベクトルq1[k]に対応するステアリングベクトルの方位インデックスp1を次のように求める。
Figure 0007013726000007
・・・(7)
EBAE方式適応整相処理では、適応重みが計算される際に、信号部分空間の固有ベクトルを使用するが、式(7)で求められた方位p1に対応した適応重みが計算される際は、固有ベクトルq1[k]が計算から除外される。即ち、方位p1を除く全ての方位へ整相するときは、固有ベクトルq1[k]を適応重みの計算に使用することによって、固有ベクトルq1[k]で表される成分を除去するような適応重みが計算される。他の固有ベクトルq2[k]~qD[k]に対しても同様の処理が適用され、固有ベクトルに対して1つのステアリングベクトルを対応させ、対応するステアリングベクトルを用いて適応重みが計算されるときは、その固有ベクトルが除外される。
次に、EBAE方式の適応重みwopt[p,k]の計算について説明する。EBAE方式適応整相処理では、背景雑音が空間的に白色であると仮定し、共分散行列推定の収束速度を向上するために、大きな固有値と対応する固有ベクトルのみを用いて共分散行列の推定値を表現する。このとき、式(6)は次のように書き換えられる。
Figure 0007013726000008
Figure 0007013726000009
・・・(8)
ここで、ηは、雑音パワーの推定値であり、例えば、次に示すように雑音部分空間の固有値の平均値を推定値とする方法が一般的である。
Figure 0007013726000010
・・・(9)
次に、式(8)で表される共分散行列の推定値の逆行列R*[k]-1を次のように求める。
Figure 0007013726000011
・・・(10)
Figure 0007013726000012
・・・(11)
式(10)の結果をベースに、正規化していない適応重みwun[p,k]を次のように求める。
Figure 0007013726000013
・・・(12)
ここで、δ(z)はクロネッカーのデルタ関数であり、z=0のときにδ(z)=1、z≠0のときにδ(z)=0である。式(12)で計算された重みは、無ひずみ条件を満足していないので、無ひずみ条件を満足するように、次式に示す正規化処理が行われ、適応重みwopt[p,k]が計算される。
Figure 0007013726000014
・・・(13)
上述のような、固有ベクトルとステアリングベクトルとの1対1の対応付けと、適応重みを計算するときの固有ベクトルの除外によって、EBAE方式適応整相処理は高い方位分解能を有すると共に、様々な雑音の影響を受けた実環境でのセンサ出力に対してロバストな整相結果を得ることができる。
Stephen M. Kogon, "Robust adaptive beamforming for passive sonar using eigenvector/beam association and excision", Sensor Array and Multichannel Signal Processing Workshop Proceedings, 2002
数多くある適応整相処理の中でも、共分散行列の固有ベクトルとステアリングベクトルとの対応付けという特徴的な処理によって、EBAE方式適応整相処理は妨害成分分離能力を有している。しかしながら、この固有ベクトルとステアリングベクトルとの対応付けが、非定常的な妨害成分の受信によって変化する可能性があり、その結果、非定常的な妨害成分に対してヌルを形成し、定常的な妨害成分に対してヌルを形成しないような適応重みが得られることとなる。
図8は、従来の信号処理装置の動作を示すグラフである。図8は、非定常的な妨害成分の影響で、定常的な妨害成分に対してヌルが形成されないことを示すグラフである。図8(a)は、方位θsに定常的な妨害成分が存在しているときの、整相方位θBに対する適応整相処理のビームパターンである。この図では、センサ出力間の共分散行列の推定値が安定し、方位θsの定常的な妨害成分に対してヌルが形成されている状態を示している。図8(b)は、図8(a)の状態から、方位θtに定常的な妨害成分よりもレベルが大きい非定常的な妨害成分を受信したときのビームパターンである。ここで、適応重みを計算する際には、信号部分空間に属する固有値の数Dの推定を行うが、この図に示した状況ではD=1と推定されたとする。現実の環境においても、信号部分空間に属する固有値の数を正確に推定することは難しく、推定誤差が生じるのが普通である。
このように非定常的な妨害成分を受信した結果、非定常的な妨害成分の方位θtへヌルが向けられたビームパターンが形成される。このとき、定常的な妨害成分に対してはヌルが形成されず、整相方位θBへ向けたビームパターンの副極によって、定常的な妨害成分を受信してしまうこととなる。図8(c)は、方位θtの非定常的な妨害成分がなくなったときのビームパターンである。この時点では非定常的な妨害成分は存在しないものの、式(4)に示した共分散行列の推定において瞬時共分散行列には非定常的な妨害成分が含まれるため、方位θtにはヌルが形成され続けている。この結果、抑制したい定常的な妨害成分に対してはヌルが形成されず、受信し続けてしまう。
本発明は、上記のような課題を背景としてなされたもので、定常的な妨害成分に対してヌルを形成するような適応重みを計算している状態において非定常的な妨害成分を受信したときでも、定常的な妨害成分に対してヌルを形成し続ける信号処理装置及び信号処理方法を提供するものである。
本発明に係る信号処理装置は、複数のセンサからの出力から適応重みを算出して整相処理する信号処理装置であって、複数のセンサからの出力に基づく瞬時共分散行列に、予め設定された重み係数を付与して、共分散行列を推定する推定手段と、推定手段によって推定された共分散行列を固有値分解して、固有ベクトルを取得する分解手段と、分解手段によって取得された固有ベクトルを所定時間毎に加工する加工手段と、加工手段によって加工された固有ベクトルに基づいて、適応重みを算出する重み算出手段と、を備え、加工手段は、分解手段によって取得された固有ベクトルと、直前に取得された固有ベクトルとの類似度に基づいて、いずれかの固有ベクトルを選択するものであり、分解手段によって取得された固有ベクトルと、直前に取得された固有ベクトルとの類似度を判定する判定手段を有し、重み算出手段は、判定手段によって類似度が所定値より低いと判定された場合、所定時間前に加工された固有ベクトルを用いて、適応重みを算出するものであることを特徴とする。
本発明によれば、適応重みが、加工手段によって加工された固有ベクトルに基づいて算出されている。このため、非定常的な妨害成分を受信したときでも、定常的な妨害成分に対してヌルを形成し続けることができる。
本実施の形態1に係る信号処理装置1を示すブロック図である。 本実施の形態1に係る信号処理装置1の動作を示すグラフである。 本実施の形態2に係る信号処理装置100を示すブロック図である。 本実施の形態2に係る信号処理装置100の動作を示すグラフである。 第1変形例に係る信号処理装置200を示すブロック図である。 第2変形例に係る信号処理装置300を示すブロック図である。 第3変形例に係る信号処理装置400を示すブロック図である。 従来の信号処理装置の動作を示すグラフである。
実施の形態1.
以下、本発明に係る信号処理装置1及び信号処理方法の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、実施の形態1に係る信号処理装置1を示すブロック図である。信号処理装置1は、複数のセンサからの出力を処理して、特定の方位から到来する信号を抽出するものである。信号処理装置1は、複数のセンサからの出力から適応重みを算出して整相処理する。信号処理装置1は、行列算出手段2と、瞬時共分散行列バッファ3と、推定手段4と、分解手段5と、加工手段20と、重み算出手段8と、整相処理手段9とを備えている。
(行列算出手段2)
行列算出手段2は、複数のセンサからの出力を離散フーリエ変換して取得するベクトルであるセンサ出力x[k]を用いて、次式で瞬時共分散行列RJ+1[k]を算出するものである。ここで、J+1は現在の時刻を表すインデックスである。
Figure 0007013726000015
・・・(14)
(瞬時共分散行列バッファ3)
瞬時共分散行列バッファ3は、行列算出手段2によって算出された瞬時共分散行列RJ+1[k]を格納する記憶手段である。
(推定手段4)
推定手段4は、瞬時共分散行列に、予め設定された重み係数を付与して、共分散行列を推定するものである。推定手段4は、共分散行列の推定値R*[k]を次式で計算する。その際、推定手段4は、事前に設定された固定の重み係数ξfix,1~ξfix,Jと、瞬時共分散行列バッファ3に格納されている瞬時共分散行列R1[k]~RJ+1[k]のうち、R2[k]~RJ+1[k]とを用いる。
Figure 0007013726000016
・・・(15)
(分解手段5)
分解手段5は、推定手段4によって推定された共分散行列を固有値分解して、固有ベクトルを取得するものである。分解手段5は、式(15)で計算した共分散行列の推定値R*[k]を固有値分解し、固有ベクトルq1[k]~qM[k]と固有値λ1[k]~λM[k]とを得る。ここで、固有値λM[k]は固有ベクトルqM[k]に対応し、λ1[k]>・・・>λM[k]とする。また、固有値分解の処理では、信号部分空間に属する固有値の数Dを推定し、固有ベクトルq1[k]~qD[k]と固有値λ1[k]~λD[k]を後段へ出力する。
(加工手段20)
加工手段20は、分解手段5によって取得された固有ベクトルを所定時間毎に加工するものである。加工手段20は、例えば分解手段5によって取得された固有ベクトルと、直前に取得された固有ベクトルとの類似度に基づいて、固有ベクトルを加工する。加工手段20は、固有値固有ベクトルバッファ6と、判定手段7とを有している。
(固有値固有ベクトルバッファ6)
固有値固有ベクトルバッファ6は、直前の固有値及び固有ベクトルを格納する記憶手段である。ここで、直前の固有値及び固有ベクトルとは、所定時間前に取得された固有値及び固有ベクトルのことをいう。
(判定手段7)
判定手段7は、分解手段5によって取得された固有ベクトルと、直前の固有ベクトルとの類似度を判定するものであり、非定常成分を検出する。本実施の形態1の適応整相処理では、通常、複数の定常的な妨害成分がアレイに到来していることが想定されており、その定常的な妨害成分を抑制するように、アレイを構成するセンサ出力間の相関特性を用いて、適応整相処理で使用する適応重みを計算する。なお、定常的な妨害成分を抑制することを、ヌルを形成すると呼称する。
判定手段7は、現時点の共分散行列の推定値によって得られた信号部分空間[q1[k]q2[k]・・・qD[k]]と、固有値固有ベクトルバッファ6に格納されている固有ベクトルによって形成される信号部分空間[r1[k]r2[k]・・・rL[k]]との違いを検出する。ここで、r1[k]~rL[k]は直前の固有ベクトルであり、Lは直前の状態で推定された信号部分空間に属する固有値の数である。なお、直前の固有値をα1[k]~αL[k]とする。仮に、アレイを構成する複数のセンサ出力x[k]に含まれる信号成分が、直前の状態と変化していなければ、センサ出力間の位相差は同じである。このため、現時点の共分散行列の推定値によって得られた信号部分空間[q1[k]q2[k]・・・qD[k]]と、固有値固有ベクトルバッファ6に格納されている固有ベクトルによって形成される信号部分空間[r1[k]r2[k]・・・rL[k]]とは、同じ部分空間を示すと考えられる。
一方、現時点のセンサからの出力に、直前には観測されていなかった非定常成分が含まれていると、センサ出力間の位相差が変化する。このため、現時点の共分散行列の推定値によって得られた信号部分空間[q1[k]q2[k]・・・qD[k]]と、固有値固有ベクトルバッファ6に格納されている固有ベクトルによって形成される信号部分空間[r1[k]r2[k]・・・rL[k]]とは、異なる部分空間を示すと考えられる。そこで、判定手段7において、これら2つの部分空間の違いを計測し、2つの部分空間に違いが生じていると認められる場合は、判定手段7によって現時点のセンサ出力には非定常成分が含まれていると判断される。そして、瞬時共分散行列バッファ3に格納されている現時点の瞬時共分散行列RJ+1[k]が破棄される。また、固有値固有ベクトルバッファ6は更新されないこととする。
ここで、2つの部分空間の間の違いの計測方法について述べる。2つの部分空間の違いを表す指標として、正準角を用いる。正準角は、2つの部分空間のなす角を表すものであり、角度が小さいほど、2つの部分空間が類似していることを示す。2つの部分空間[q1[k]q2[k]・・・qD[k]]と[r1[k]r2[k]・・・rL[k]]とをそれぞれ、A及びBと表す。このとき、i番目の正準角cosφiは、AHB又はBHAの特異値分解によって得られるi番目の特異値として得られる。なお、iは1から始まり、min(D,L)が最大である。なお、min(D,L)とは、DとLとのうち小さい方の値を示す。正準角cosφiがmin(D,L)個得られたとして、次式によって正準角の2乗平均値Sが計算される。
Figure 0007013726000017
・・・(16)
Figure 0007013726000018
・・・(17)
なお、Iは予め決められた数値である。そして、判定手段7は、正準角の2乗平均値Sに対して、しきい値Sthを設定し、SとSthとの大きさを比較して、瞬時共分散行列バッファ3及び固有値固有ベクトルバッファ6の更新の有無を決定する。
次に、S<Sthの場合について説明する。この場合、現時点での瞬時共分散行列RJ+1[k]に、非定常成分が含まれていないと判断し、瞬時共分散行列バッファ3及び固有値固有ベクトルバッファ6を更新する。瞬時共分散行列バッファ3には、格納されている瞬時共分散行列R1[k]~RJ+1[k]のうち、R2[k]~RJ+1[k]のみがR1[k]~RJ[k]として再格納され、保持される。固有値固有ベクトルバッファ6には、それぞれ、q1[k]~qD[k]とλ1[k]~λD[k]が格納される。また、この場合、重み算出手段8に対し、q1[k]~qD[k]とλ1[k]~λD[k]が出力される。
次に、S≧Sthの場合について説明する。この場合、現時点での瞬時共分散行列RJ+1[k]には、非定常成分が含まれていると判断する。そして、瞬時共分散行列バッファ3には、格納されている瞬時共分散行列R1[k]~RJ+1[k]のうち、現時点での瞬時共分散行列RJ+1[k]が破棄され、R1[k]~RJ[k]のみが保持される。また、固有値固有ベクトルバッファ6は更新されない。そして、重み算出手段8に対し、直前の固有ベクトルr1[k]~rL[k]と固有値α1[k]~αL[k]が出力される。
(重み算出手段8)
重み算出手段8は、分解手段5によって取得された固有ベクトルに基づいて、適応重みを算出するものである。重み算出手段8は、分解手段5によって取得された固有ベクトルと、直前の固有ベクトルとの類似度に基づいて、適応重みを算出するものである。重み算出手段8は、判定手段7によって類似度が所定値より低いと判定された場合、直前の固有ベクトルを用いて、適応重みを算出するものである。一方、重み算出手段8は、判定手段7によって類似度が所定値より低いと判定された場合、直前の固有ベクトルを用いて、適応重みを算出するものである。ここで、適応重みは、非定常的な妨害成分の受信時に起因するビームパターンの変化を抑制するものとして算出される。
重み算出手段8では、固有ベクトルとステアリングベクトルとの対応付けが行われる。適応重みの計算に使用される固有ベクトルはq1[k]~qD[k]のD個ある。例として、周波数kの固有ベクトルq1[k]に対応するステアリングベクトルの方位インデックスp1を、次のように求める。
Figure 0007013726000019
・・・(7)
Eigenvector/Beam Association and Excision方式(EBAE方式)の適応整相処理では、適応重みを計算する際に、信号部分空間の固有ベクトルを使用するが、式(7)で求められた方位p1に対応した適応重みを計算する際は、固有ベクトルq1[k]が計算から除外される。即ち、方位p1を除く全ての方位へ整相するときは、固有ベクトルq1[k]を適応重みの計算に使用することによって、固有ベクトルq1[k]で表される成分を除去するような適応重みが計算される。他の固有ベクトルq2[k]~qD[k]に対しても同様の処理が適用され、各固有ベクトルに対して1つのステアリングベクトルを対応させ、対応するステアリングベクトルを用いて適応重みが計算されるときは、その固有ベクトルが除外される。
次に、EBAE方式の適応重みwopt[p,k]の計算について説明する。先ず、EBAE方式適応整相処理では、背景雑音が空間的に白色であると仮定し、共分散行列推定の収束速度を向上するために、大きな固有値と対応する固有ベクトルのみを用いて共分散行列の推定値を表現する。このとき、式(6)を次のように書き換える。
Figure 0007013726000020
Figure 0007013726000021
・・・(8)
ここで、ηは雑音パワーの推定値であり、例えば、次に示すように雑音部分空間の固有値の平均値を推定値とする方法が一般的である。
Figure 0007013726000022
・・・(9)
次に、式(8)で表される共分散行列の推定値の逆行列R*[k]-1を次のように求める。
Figure 0007013726000023
・・・(10)
Figure 0007013726000024
・・・(11)
式(10)の結果をベースに、正規化していない適応重みwun[p,k]を次のように求める。
Figure 0007013726000025
・・・(12)
ここで、δ(z)はクロネッカーのデルタ関数であり、z=0のときにδ(z)=1、z≠0のときにδ(z)=0である。式(12)で計算された重みは、無ひずみ条件を満足していないので、無ひずみ条件を満足するように、次式に示す正規化処理を行い、適応重みwopt[p,k]が計算される。
Figure 0007013726000026
・・・(13)
上述のような、固有ベクトルとステアリングベクトルの1対1の対応付けと、適応重みを計算するときの固有ベクトルの除外によって、EBAE方式適応整相処理は高い方位分解能を有する。また、様々な雑音の影響を受けた実環境でのセンサ出力に対してロバストな整相結果を得ることができる。
(整相処理手段9)
整相処理手段9は、センサからの出力x[k]と適応重みwopt[p,k]とに基づいて、EBAE方式のk番目周波数の出力である適応整相処理の出力値y[p,k]を式(1)によって算出する。
Figure 0007013726000027
・・・(1)
次に、本実施の形態1に係る信号処理装置1の信号処理方法について説明する。信号処理方法において、先ず、複数のセンサからの出力に基づく瞬時共分散行列に、予め設定された重み係数が付与されて、共分散行列が推定される。次に、推定された共分散行列が固有値分解されて、固有ベクトルが取得される。そして、取得された固有ベクトルが所定時間毎に加工される。その後、加工された固有ベクトルに基づいて、適応重みが算出される。
図2は、本実施の形態1に係る信号処理装置1の動作を示すグラフである。図2において、横軸は方位を示し、縦軸は出力を示す。図2(a)は、定常的な妨害成分のみが存在しているときの適応整相処理のビームパターンである。図2(a)に示すように、整相方位θBにおいて最も出力が高い。そして、方位θSにおいて、定常的な妨害成分が到来したときに、方位θSにおいてヌルが形成される。
図2(b)は、方位θtに定常的な妨害成分よりもレベルが大きい非定常的な妨害成分が受信されたときの適応整相処理のビームパターンである。図2(b)では、レベルの大きな非定常的な妨害成分を受信したことが想定される。このため、現時点の共分散行列の推定値によって得られた信号部分空間[q1[k]q2[k]・・・qD[k]]と、固有値固有ベクトルバッファ6に格納されている固有ベクトルによって形成される信号部分空間[r1[k]r2[k]・・・rL[k]]とは異なる。従って、正準角の2乗平均値Sとしきい値Sthの関係は、S≧Sthとなるため、瞬時共分散行列バッファ3及び固有値固有ベクトルバッファ6は更新されない。よって、非定常的な妨害成分を受信してもビームパターンが変わらず、方位θsに定常的な妨害成分に対してヌルが形成され続ける。これにより、定常的な妨害成分を受信してしまうことを抑制することができる。
実施の形態2.
図3は、本実施の形態2に係る信号処理装置100を示すブロック図である。本実施の形態2は、共分散行列推定重みバッファ110を備え、加工手段120が、修正手段112と、再推定手段113と、再分解手段114と、固有ベクトルバッファ111とを有している点で、実施の形態1と相違する。本実施の形態2では、実施の形態1と同一の部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
(共分散行列推定重みバッファ110)
共分散行列推定重みバッファ110は、共分散行列推定重みが格納されている記憶手段である。共分散行列推定重みξjは、瞬時共分散行列バッファ3に格納されている瞬時共分散行列と同じ数だけ必要である。ξ1~ξJのうちξ1~ξJ-1については、共分散行列推定重みバッファ110に格納されている共分散行列推定重みξ1~ξJ-1が用いられ、ξJについては暫定値として1が設定される。共分散行列の推定値R*[k]は次式によって得られる。ただし、共分散行列の推定においては、ξJ=1とする。
Figure 0007013726000028
・・・(18)
(固有ベクトルバッファ111)
固有ベクトルバッファ111は、直前の固有ベクトル[r1[k]r2[k]・・・rL[k]]を格納する記憶手段である。
(修正手段112)
修正手段112は、分解手段5によって取得された固有ベクトルと、固有ベクトルバッファ111に格納されている直前の固有ベクトルとの類似度に基づいて、重み係数を修正するものである。修正手段112は、実施の形態1の判定手段7と同様の処理により、現時点の共分散行列の推定値によって得られた信号部分空間と直前の固有ベクトルによって形成される信号部分空間の類似度を計測し、2つの部分空間の類似度に応じた重み係数を計算する。前述の如く、推定手段4で用いた共分散行列推定重みξJは、暫定値として1が設定されている。
修正手段112は、共分散行列推定重みξJを、計算した重み係数に修正し、共分散行列推定重みバッファ110に格納する。修正した共分散行列推定重みξJが瞬時共分散行列に付与されることにより、共分散行列が更新される。ここで、これら2つの部分空間の類似度が高いということは、共分散行列の信号部分空間の直前の状態からの変化が小さいということになるため、大きな重み係数ξJが与えられる。一方で、類似度が低いということは、共分散行列の信号部分空間の直前の状態からの変化が大きく、非定常成分が含まれているということになるため、小さな重み係数ξJが与えられることにより、非定常成分を含む瞬時共分散行列の影響を抑制する。このように、修正手段112は、類似度が所定値以上の場合よりも所定値より低い場合の方が、重み係数を小さくする。
ここで、2つの部分空間の類似度は、式(16)によって得られる正準角の2乗平均値Sを用いる。そして、正準角の2乗平均値Sに応じて、共分散行列推定重みξJを計算する。ここで、f(S)は正準角の2乗平均値Sを引数とする任意の関数である。
Figure 0007013726000029
・・・(19)
Figure 0007013726000030
・・・(20)
(再推定手段113)
再推定手段113は、瞬時共分散行列に、修正手段112によって修正された重み係数を付与して、共分散行列を再推定するものである。再推定手段113は、共分散行列更新バッファに格納されている共分散行列推定重みξ1~ξJと、瞬時共分散行列バッファ3に格納されている瞬時共分散行列R1[k]~RJ[k]を用いて、共分散行列の再推定値R*re[k]を式(18)によって計算する。
(再分解手段114)
再分解手段114は、再推定手段113によって推定された共分散行列を固有値分解して、固有ベクトルを取得するものである。再分解手段114は、式(18)で計算した共分散行列の推定値R*re[k]を固有値分解し、固有ベクトルq1[k]~qM[k]と固有値λ1[k]~λM[k]とを得る。ここで、固有値λM[k]は固有ベクトルqM[k]に対応し、λ1[k]>・・・>λM[k]とする。また、固有値分解の処理では、信号部分空間に属する固有値の数Dを推定し、固有ベクトルq1[k]~qD[k]と固有値λ1[k]~λD[k]を後段へ出力する。
(重み算出手段115)
重み算出手段115は、再分解手段114によって取得された固有ベクトルを用いて、適応重みを算出するものである。重み算出手段115の機能は、実施の形態1の重み算出手段8の機能と同様である。なお、全ての処理が終了した後に、瞬時共分散行列バッファ3及び共分散行列推定重みバッファ110には、新たな行列及び係数が再格納されて保持される。新たな行列及び係数は、それぞれ行列及び係数のインデックス番号1からJのうち、インデックス番号2からJのJ-1個のみがインデックス番号1からJ-1にスライドしたものである。
図4は、本実施の形態2に係る信号処理装置100の動作を示すグラフである。図4において、横軸は方位を示し、縦軸は出力を示す。図4(a)は、定常的な妨害成分のみが存在しているときの適応整相処理のビームパターンである。図4(a)に示すように、整相方位θBにおいて最も出力が高い。そして、方位θSにおいて、定常的な妨害成分が到来したときに、方位θSにおいてヌルが形成される。
図4(b)は、方位θtに定常的な妨害成分よりもレベルが大きい非定常的な妨害成分が受信されたときの適応整相処理のビームパターンである。図4(b)では、レベルの大きな非定常的な妨害成分を受信したことが想定される。このため、現時点の共分散行列の推定値によって得られた信号部分空間[q1[k]q2[k]・・・qD[k]]と、固有ベクトルバッファ111に格納されている直前の固有ベクトルによって形成される信号部分空間[r1[k]r2[k]・・・rL[k]]とは異なる。従って、正準角の2乗平均値Sは大きくなり、式(19)で計算される共分散行列推定重みξJは小さくなる。このため、非定常的な妨害成分を受信してもビームパターンが大きくは変わらず、方位θsに定常的な妨害成分に対してヌルが形成され続ける。これにより、適応重みの急激な変化による人工的な非定常成分が発生することを抑制することができる。
図4(c)は、方位θtに定常的な妨害成分よりもレベルが大きい非定常的な妨害成分が、共分散行列の積分時間よりも長く受信されたときの適応整相処理のビームパターンである。図4(c)では、方位θtに非定常的な妨害成分が、共分散行列の積分時間よりも長く観測され続けているため、固有ベクトルバッファ111には、非定常的な妨害成分が多く含まれることになる。従って、推定される共分散行列には、非定常的な妨害成分の影響が多く含まれる。また、共分散行列の固有値分解の結果である固有ベクトルを用いて計算された適応重みは、非定常的な妨害成分に対するものとなる。即ち、方位θtから到来する非定常的な妨害成分は、この時点では定常的な妨害成分とみなされる。
従って、図4(c)のようなビームパターンが形成されることによって、適応整相の出力において、妨害成分の影響をより多く抑制することが期待できる。また、非定常的な妨害成分は、定常的な簿外成分よりもレベルが大きいため、抑制効果は更に大きい。このように、非定常的な妨害成分の継続時間が共分散行列の推定のための積分時間よりも長い場合、この非定常的な妨害成分は、抑制すべき定常的な妨害成分であるとみなす方が妥当である。本実施の形態2では、非定常的な妨害成分に対してヌルを形成するため、非定常的な妨害成分が無視できないレベルに達しても、ビームパターンの変化を抑制することができる。
(第1変形例)
図5は、第1変形例に係る信号処理装置200を示すブロック図である。第1変形例は、適応重みバッファ216と、平滑手段217とを備えており、判定手段7を備えていない点で、実施の形態1と相違する。
(適応重みバッファ216)
適応重みバッファ216は、重み算出手段8によって算出された適応重みを格納する記憶手段である。
(平滑手段217)
平滑手段217は、重み算出手段8によって算出され、適応重みバッファ216に格納された適応重みを、時間方向に平滑化するものである。平滑手段217は、適応重みを平滑化することによって、非定常的な妨害成分が到来したときに起因するビームパターンの変化を抑制する。平滑手段217による時刻インデックス1~Jの適応重みwJ[p,k]の平滑化は、次式で表される。ここで、bJは平滑化係数であり、任意の関数を与えることができる。
Figure 0007013726000031
・・・(21)
平滑化された適応重みwsmooth[p,k]を用いたときの、方位p0のビームパターンysmooth[p,p0,k]は、次式により計算することができる。
Figure 0007013726000032
・・・(22)
式(21)を用いると、次式のように変形できる。
Figure 0007013726000033
・・・(23)
また、時刻インデックスjにおける、方位pに整相している時の方位p0のビームパターンyi[p,p0,k]は、次式で表される。
Figure 0007013726000034
・・・(24)
式(23)、(24)より、ysmooth[p,p0,k]は、次式のように表される。
Figure 0007013726000035
・・・(25)
式(25)からysmooth[p,p0,k]は時刻インデックス1~Jまでのビームパターンを平滑化した結果であることがわかる。
次に、変形例に係る信号処理装置1の信号処理方法について説明する。信号処理方法において、先ず、複数のセンサからの出力に基づく瞬時共分散行列に、予め設定された重み係数が付与されて、共分散行列が推定される。次に、推定された共分散行列が固有値分解されて、固有ベクトルが取得される。そして、取得された固有ベクトルに基づいて、適応重みが算出される。その後、算出された適応重みが時間方向に平滑化される。
実施の形態1及び実施の形態2は、非定常的な妨害成分到来時に起因するビームパターンの変化を抑制することを目的として、共分散行列を推定する際に、共分散行列における非定常成分の影響を除外又は抑制している。第1変形例のように、実施の形態1の判定手段7を備えていなくても、信号処理装置200が平滑手段217を備えていることによって、非定常的な妨害成分到来時に起因するビームパターンの変化を抑制することができる。
(第2変形例)
図6は、第2変形例に係る信号処理装置300を示すブロック図である。図6に示すように、第2変形例は、実施の形態1の判定手段7を備えている上で、適応重みバッファ216と、平滑手段217とを備えている。このように、信号処理装置300は、判定手段7及び平滑手段217を備えていることによって、非定常的な妨害成分到来時に起因するビームパターンの変化を更に抑制することができる。
(第3変形例)
図7は、第3変形例に係る信号処理装置400を示すブロック図である。図7に示すように、第3変形例は、実施の形態2の修正手段112、再推定手段113及び再分解手段114を備えている上で、適応重みバッファ216と、平滑手段217とを備えている。このように、信号処理装置400は、修正手段112、再推定手段113、再分解手段114及び平滑手段217を備えていることにより、非定常的な妨害成分に対してヌルを形成する。このため、非定常的な妨害成分が無視できないレベルに達しても、ビームパターンの変化を更に抑制することができる。
なお、上記実施の形態では、EBAE方式の適応整相処理について例示しているが、信号処理は、センサ出力の共分散行列を用いて適応重みを算出する適応整相処理としてもよい。
1 信号処理装置
2 行列算出手段
3 瞬時共分散行列バッファ
4 推定手段
5 分解手段
6 固有値固有ベクトルバッファ
7 判定手段
8 重み算出手段
9 整相処理手段
20 加工手段
100 信号処理装置
110 共分散行列推定重みバッファ
111 固有ベクトルバッファ
112 修正手段
113 再推定手段
114 再分解手段
115 重み算出手段
120 加工手段
200 信号処理装置
216 適応重みバッファ
217 平滑手段
300 信号処理装置
400 信号処理装置

Claims (7)

  1. 複数のセンサからの出力から適応重みを算出して整相処理する信号処理装置であって、
    複数の前記センサからの出力に基づく瞬時共分散行列に、予め設定された重み係数を付与して、共分散行列を推定する推定手段と、
    前記推定手段によって推定された共分散行列を固有値分解して、固有ベクトルを取得する分解手段と、
    前記分解手段によって取得された固有ベクトルを所定時間毎に加工する加工手段と、
    前記加工手段によって加工された固有ベクトルに基づいて、前記適応重みを算出する重み算出手段と、
    を備え
    前記加工手段は、
    前記分解手段によって取得された固有ベクトルと、直前に取得された固有ベクトルとの類似度に基づいて、いずれかの固有ベクトルを選択するものであり、
    前記分解手段によって取得された固有ベクトルと、直前に取得された固有ベクトルとの類似度を判定する判定手段を有し、
    前記重み算出手段は、
    前記判定手段によって類似度が所定値より低いと判定された場合、所定時間前に加工された固有ベクトルを用いて、前記適応重みを算出するものである
    ことを特徴とする信号処理装置。
  2. 前記重み算出手段は、
    前記判定手段によって類似度が所定値以上と判定された場合、前記分解手段によって取得された固有ベクトルを用いて、前記適応重みを算出するものである
    ことを特徴とする請求項記載の信号処理装置。
  3. 複数のセンサからの出力から適応重みを算出して整相処理する信号処理装置であって、
    複数の前記センサからの出力に基づく瞬時共分散行列に、予め設定された重み係数を付与して、共分散行列を推定する推定手段と、
    前記推定手段によって推定された共分散行列を固有値分解して、固有ベクトルを取得する分解手段と、
    前記分解手段によって取得された固有ベクトルを所定時間毎に加工する加工手段と、
    前記加工手段によって加工された固有ベクトルに基づいて、前記適応重みを算出する重み算出手段と、
    を備え
    前記加工手段は、
    前記分解手段によって取得された固有ベクトルと、直前に取得された固有ベクトルとの類似度に基づいて、固有ベクトルを加工するものであり、
    前記類似度に基づいて、前記重み係数を修正する修正手段と、
    前記瞬時共分散行列に、前記修正手段によって修正された重み係数を付与して、共分散行列を再推定する再推定手段と、
    前記再推定手段によって推定された共分散行列を固有値分解して、固有ベクトルを取得する再分解手段と、を有し、
    前記重み算出手段は、
    前記再分解手段によって取得された固有ベクトルを用いて、前記適応重みを算出するものである
    ことを特徴とする信号処理装置。
  4. 前記修正手段は、
    前記類似度が所定値以上の場合よりも前記所定値より低い場合の方が、前記重み係数を小さくする
    ことを特徴とする請求項記載の信号処理装置。
  5. 前記重み算出手段によって算出された適応重みを、時間方向に平滑化する平滑手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  6. 複数のセンサからの出力に基づく瞬時共分散行列に、予め設定された重み係数を付与して、共分散行列を推定するステップと、
    推定された共分散行列を固有値分解して、固有ベクトルを取得するステップと、
    取得された固有ベクトルと、直前に取得された固有ベクトルとの類似度を判定して、取得された固有ベクトルと、直前に取得された固有ベクトルとの類似度に基づいて、いずれかの固有ベクトルを所定時間毎に選択するステップと、
    類似度が所定値より低いと判定された場合、所定時間前に選択された固有ベクトルを用いて、適応重みを算出するステップと、
    を備えることを特徴とする信号処理方法。
  7. 複数のセンサからの出力に基づく瞬時共分散行列に、予め設定された重み係数を付与して、共分散行列を推定するステップと、
    推定された共分散行列を固有値分解して、固有ベクトルを取得するステップと、
    取得された固有ベクトルと、直前に取得された固有ベクトルとの類似度に基づいて、固有ベクトルを所定時間毎に加工して、前記類似度に基づいて、前記重み係数を修正し、前記瞬時共分散行列に、修正された重み係数を付与して、共分散行列を再推定し、推定された共分散行列を固有値分解して、固有ベクトルを取得するステップと、
    取得された固有ベクトルを用いて、適応重みを算出するステップと、
    を備えることを特徴とする信号処理方法。
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