以下、本発明に係る照明器具、照明装置、器具本体並びに照明システムの実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本発明の一例にすぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態の照明器具1は、図1〜図6に示すように、照明装置に相当する光源ユニット3と、光源ユニット3を支持する器具本体2とを有している。ただし、以下の説明においては、照明器具1が造営材である壁に設置される場合を想定している。そのため、特に断りのない限り、図1に矢印で示す前後、左右、上下の各向きを照明器具1並びに光源ユニット3、器具本体2の前後、左右、上下の各向きと規定する。なお、照明器具1が設置される造営材は壁に限定されず、天井や床などの壁以外の造営材に照明器具1が設置される場合もある。
光源ユニット3は、図7〜図10に示すように、光源に相当する2つのLEDモジュール4と、点灯装置5と、筐体6と、カバー7と、2つのエンド部材8とを備えている。
2つのLEDモジュール4はそれぞれ、固体発光素子に相当するLED(Light Emitting Diode)40と、複数のLED40を前面に実装したLED基板41と、LED基板41の前面に実装された複数のレセプタクルコネクタ42と、複数の電線43とを有している。
LED基板41は、例えば、ガラス布基材エポキシ樹脂基板などの樹脂製の絶縁基板により、左右方向を長手方向とする長尺の矩形平板状に形成されている。ただし、2つのLED基板41は、長手方向の寸法が異なっている。したがって、以下の説明においては、LED基板41の長手方向の寸法が長い方のLEDモジュール4を第1のLEDモジュール4Aと呼び、LED基板41の長手方向の寸法が短い方のLEDモジュール4を第2のLEDモジュール4Bと呼ぶ場合がある。
LED40は、例えば、照明用白色LEDである。ただし、固体発光素子はLEDに限定されず、有機エレクトロルミネッセンス素子や半導体レーザなどであっても構わない。LED40は、LED基板41の短手方向(上下方向)の中央においてLED基板41の長手方向(左右方向)に沿って等間隔に1列に並ぶように実装されている(図10参照)。
第1のLEDモジュール4AのLED基板41の前面には、合計4つのレセプタクルコネクタ42(42A、42B、42C、42D)が実装されている。4つのレセプタクルコネクタ42A〜42Dのうちの2つのレセプタクルコネクタ42A、42Bは、第1のLEDモジュール4AのLED基板41の右側の端部前面においてLED40の上下両側に振り分けて実装されている。
残り2つのレセプタクルコネクタ42C、42Dは、第1のLEDモジュール4AのLED基板41の長手方向中央の前面においてLED40の下側に上下方向に並べて実装されている。ただし、2つのレセプタクルコネクタ42C、42Dは、左右方向にずらして実装されている(図10参照)。
第1のLEDモジュール4AのLED基板41において、2つのレセプタクルコネクタ42C、42Dよりも中央寄り(右寄り)の下端部に3つの電線挿通溝44(44A、44B、44C)が設けられている。
第2のLEDモジュール4BのLED基板41の前面には、2つのレセプタクルコネクタ42(42E、42F)が実装されている。2つのレセプタクルコネクタ42E、42Fは、第2のLEDモジュール4BのLED基板41の左側の端部前面においてLED40の上下両側に振り分けて実装されている。
複数(図示例では4本)の電線43(43A、43B、43C、43D)のうち1本の電線43Aは、第1のLEDモジュール4Aのレセプタクルコネクタ42Aと第2のLEDモジュール4Bのレセプタクルコネクタ42Eとを電気的に接続している(図10参照)。
また、電線43Bは、第1のLEDモジュール4Aのレセプタクルコネクタ42Bと第2のLEDモジュール4Bのレセプタクルコネクタ42Fとを電気的に接続している。つまり、第1のLEDモジュール4Aの複数のLED40と第2のLEDモジュール4Bの複数のLED40とは、2本の電線43A、43Bと4つのレセプタクルコネクタ42A、42B、42E、42Fとによって電気的に接続されている。
残り2本の電線43C、43Dのうちの1本の電線43Cは、第1のLEDモジュール4Aのレセプタクルコネクタ42Cとプラグコネクタ45とを電気的に接続している。もう1本の電線43Dは、第1のLEDモジュール4Aのレセプタクルコネクタ42Dとプラグコネクタ45とを電気的に接続している(図10参照)。これら2本の電線43C、43Dは、左端の電線挿通溝44Aに前方から後方に挿通された後、中央の電線挿通溝44Bに後方から前方へ挿通され、さらに、右端の電線挿通溝44Cに前方から後方へ挿通される(図10参照)。つまり、LED基板41は、3つの電線挿通溝44A、44B、44Cに挿通させることによって2本の電線43C、43Dを張力止めしている。なお、2本の電線43C、43Dの先端に設けられているプラグコネクタ45は、後述する点灯装置5の出力コネクタ500と電気的に接続される。
点灯装置5は、外部の電源(例えば、商用の電力系統)から供給される交流電力を直流電力に変換する電力変換回路と、外部から受け取る制御信号に応じて電力変換回路を制御する制御回路とを有している。電力変換回路は、例えば、力率改善回路と、降圧チョッパ回路(バックコンバータ)とを有している。制御回路は、例えば、バックコンバータをPWM(Pulse Width Modulation)制御することによって出力コネクタ500から出力する直流電流を調整してLEDモジュール4を調光するように構成されている。ただし、このような電力変換回路及び制御回路の回路構成は従来周知であるから詳細な回路構成の図示及び説明は省略する。
点灯装置5は、回路基板50を備えている(図10参照)。回路基板50は、例えば、矩形平板状に形成されている。回路基板50には電力変換回路及び制御回路を構成する種々の回路部品58が実装されている。
回路基板50の前面における右端に第1端子台51が実装されている。第1端子台51は、2極のねじなし締結具を有する端子台である。そして、第1端子台51の各極に、2本の第1電源線52のうちの対応する第1電源線52の1本がそれぞれ電気的に接続されている。なお、2本の第1電源線52の各導体が第1電源コネクタ53の2つのコンタクトのうちの対応するコンタクトと電気的に接続されている。
回路基板50の前面における左端に第2端子台54が実装されている。第2端子台54は、第1端子台51と同じ2極のねじなし締結具を有する端子台である。そして、第2端子台54の各極に、2本の第2電源線55のうちの対応する第2電源線55の1本がそれぞれ電気的に接続されている。さらに、2本の第2電源線55の各導体が第2電源コネクタ56の2つのコンタクトのうちの対応するコンタクトと電気的に接続されている。なお、第1端子台51の各極と第2端子台54の各極とは、回路基板50の導体によって電気的に接続されている。また、第1電源コネクタ53であるプラグコネクタは、第2電源コネクタ56であるレセプタクルコネクタと接続可能に構成されている。
さらに、回路基板50の前面における左端には、1つの出力コネクタ500と、2つの制御用コネクタ501、502とが実装されている。出力コネクタ500は、回路基板50の導体を介してバックコンバータの出力端子と電気的に接続されている。そして、出力コネクタ500は、LEDモジュール4(4A)の2本の電線43C、43Dの先端に設けられているプラグコネクタ45と接続される。
また、2つの制御用コネクタ501、502の各々に、制御信号を伝送するための信号ケーブル503、504が電気的に接続される。一方の制御用コネクタ501と電気的に接続される信号ケーブル503は、回路基板50の左側に引き出されている。他方の制御用コネクタ502と電気的に接続される信号ケーブル504は、回路基板50の右側に引き出されている。一方の信号ケーブル503の先端には第1信号コネクタ505が電気的に接続されている。他方の信号ケーブル504の先端には第2信号コネクタ506が電気的に接続されている。また、第1信号コネクタ505であるレセプタクルコネクタは、第2信号コネクタ506であるプラグコネクタと接続可能に構成されている。
筐体6は、長尺の底壁60と、底壁60の長手方向に沿った上端及び下端から前方へ突出する一対の側壁61とを有する角樋状に形成されている(図10参照)。なお、筐体6は、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂の押出成形体である。
各側壁61の外側面には内側に凹んだ凹所610が形成されている(図8及び図10参照)。
各側壁61には被係合部62がそれぞれ設けられている。被係合部62は、長尺の矩形平板状であって、凹所610の後端から前方に向かって凹所610の底面と平行に突出するように形成されている(図8参照)。
各側壁61には、係合溝63と係合突部64がそれぞれ設けられている。係合溝63は、側壁61の内側面の後端部分において、側壁61の長手方向(左右方向)の全長にわたって上下方向に凹むように形成されている(図8及び図10参照)。
係合突部64は、側壁61の内側面の前端部分において、側壁61の長手方向(左右方向)の全長にわたって上下方向に突出するように形成されている(図8及び図10参照)。なお、図示は省略しているが、底壁60の長手方向(左右方向)の両端寄りの位置に円形のねじ挿通孔がそれぞれ1つずつ貫通している。
カバー7は、前方から見た形状が長方形状であるカバー本体70と、カバー本体70の一対の長辺の各々から後方へ突出する一対の脚部71とを有している(図10参照)。カバー本体70と一対の脚部71とは、例えば、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂の押出成形によって一体に形成されている。
カバー本体70は、前方に向かって弧状に湾曲している。カバー本体70は、LEDモジュール4から放射される光を透過及び拡散させるように構成されている(図9参照)。
一対の脚部71の各々は、長尺の板状に形成されている。各脚部71は、保持部72及び引掛部73を有している(図10参照)。
保持部72は、脚部71の内側面における前端部分において、脚部71の長手方向(左右方向)の全長にわたって上下方向に突出する一対の突片720を有している。一対の突片720は、前後方向に間隔を空けて対向している。保持部72は、一対の突片720の間にLED基板41の端部を挟み込むようにしてLEDモジュール4を保持する(図8参照)。
引掛部73は、長尺の三角柱状に形成されている。引掛部73は、脚部71の外側面における後端部分において、脚部71の長手方向の全長にわたって上下方向に突出している(図8及び図10参照)。引掛部73は、筐体6の側壁61に設けられている係合突部64に後方から引っ掛かる(図8参照)。
2つのエンド部材8は、互いにほぼ同じ構造を有している(図10参照)。なお、以下の説明においては、カバー7の左側に配置されるエンド部材8を第1のエンド部材8Aと呼び、カバー7の右側に配置されるエンド部材8を第2のエンド部材8Bと呼ぶ場合がある。
エンド部材8は、第1エンド部81、第2エンド部82、連結部83を有している。エンド部材8は、更に、底板部84、一対の側板部85、一対の突部86を有している。なお、エンド部材8は、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの合成樹脂の成形体で構成されている。
第1エンド部81は、おおよそ半円板状に形成されている(図5及び図6参照)。第1エンド部81の内側面(カバー7と対向する側の面)に弧状のリブ810が設けられている(図8参照)。
第2エンド部82は、おおよそ四角形の平板状に形成されている(図5及び図6参照)。第2エンド部82の外側(第1エンド部81と対向する側)の側面にボス820が形成されている。ボス820は、軸方向が前後方向と平行となる略半円筒形状に形成されている。ボス820の後面に開口が設けられている。ボス820の開口からタッピンねじがねじ込まれる。つまり、ボス820の後面に、後述する紐保持金具822がねじ止めされる。
第1のエンド部材8Aの第2エンド部82には、第2電源コネクタ56が取り付けられている(図7参照)。また、第1のエンド部材8Aの第2エンド部82には、信号ケーブル503が取り付けられている(図5参照)。信号ケーブル503は、第2エンド部82を貫通した状態で第2エンド部82に取り付けられている。
第2のエンド部材8Bの第2エンド部82には、第1電源線52及び信号ケーブル504が取り付けられている(図6及び図7参照)。第1電源線52及び信号ケーブル504は、第2エンド部82を貫通した状態で第2エンド部82に取り付けられている。ただし、第1電源線52及び信号ケーブル504には張力止め57が取り付けられている(図7参照)。
連結部83は、前後方向から見た形状が長方形である底面部830と、底面部830の上下両端からそれぞれ前方へ突出する一対の側面部831とを有している(図10参照)。底面部830及び一対の側面部831の長手方向の一方の端部に第1エンド部81が連結され、底面部830及び一対の側面部831の長手方向の他方の端部に第2エンド部82が連結されている(図7及び図10参照)。
底面部830は、各側面部831から底板部84の上下方向の中央に向かうにつれて階段状に前方へ突出するように形成されている(図10参照)。
各側面部831の長手方向の端部のうち第1エンド部81と反対側の端部に、それぞれ突部86が設けられている。各突部86は、概ね矩形平板状に形成され、対応する側面部831の端部から側面部831と平行に突出している。なお、各突部86の後端部分は、内側(上側の突部86の下側、下側の突部86の上側)に向かって湾曲している(図8参照)。
エンド部材8の底板部84は矩形平板状に形成されている。底板部84は、第2エンド部82の側面から連結部83と反対の側に突出している(図10参照)。底板部84の前面における先端部分には、1つのねじ止め部840及び2つの突起841が前方へ突出するように設けられている(図10参照)。
ねじ止め部840は、底板部84の後面に開口を有する有底円筒形状に形成されている。ねじ止め部840は、底板部84の前面における短手方向(上下方向)のほぼ中央に配置されている。ねじ止め部840の内周面には、底板部84の後面の開口からねじ込まれるタッピンねじ(固定ねじ800)によってねじ溝が形成される。
2つの突起841は、底板部84の前面における短手方向の両端に配置されている。各突起841は、角柱状に形成されている(図10参照)。
一対の側板部85は、底板部84の前面における短手方向(上下方向)の両端から前方へ突出している。各側板部85は、矩形平板状に形成されている。また、各側板部85の外側面に係合突起850が設けられている。係合突起850は、側板部85の外側面における後端部分から側板部85の長手方向(左右方向)の全長にわたって直線状に突出している(図10参照)。
次に、光源ユニット3の組立手順を説明する。ただし、第1のエンド部材8Aの第2エンド部82に対する第2電源コネクタ56及び信号ケーブル503の取付と、第2のエンド部材8Bの第2エンド部82に対する第1電源線52及び信号ケーブル504の取付とは事前に完了している。
まず、組立作業を行う作業者は、カバー7の一端(例えば、左端)から保持部72の一対の突片720の間にLED基板41の端部を挿入することにより、カバー7の保持部72にLEDモジュール4を保持させる(図7及び図8参照)。さらに、作業者は、カバー7の左端部を第1のエンド部材8Aにおける一対の側面部831及び突部86の間に挿入する。
続いて、作業者は、LEDモジュール4のプラグコネクタ45を点灯装置5の出力コネクタ500に接続する。また、作業者は、第2電源コネクタ56に接続されている第2電源線55を点灯装置5の第2端子台54に接続し、第1信号コネクタ505に接続されている信号ケーブル503を制御用コネクタ501に接続する。さらに、作業者は、第1電源コネクタ53に接続されている第1電源線52を点灯装置5の第1端子台51に接続し、第2信号コネクタ506に接続されている信号ケーブル504を点灯装置5の制御用コネクタ502に接続する。
次に、作業者は、点灯装置5と、LEDモジュール4を保持させたカバー7とを筐体6に収容する。まず、作業者は、筐体6の左端からカバー7の引掛部73を挿入し、筐体6の係合突部64に引掛部73を係合させて筐体6にカバー7を取り付ける。また、作業者は、回路基板50の左端に設けられている一対のかん合孔507に第1のエンド部材8Aの一対の突起841を後方からかん合させる。作業者は、筐体6の左端から点灯装置5の回路基板50の上下両側の端部を筐体6の係合溝63に挿入し、筐体6の係合溝63に回路基板50の端部を係合して筐体6に点灯装置5を取り付ける(図7及び図8参照)。さらに、作業者は、第1のエンド部材8Aの一対の側板部85の外側面に設けられている係合突起850を筐体6の係合溝63に挿入し、筐体6の係合溝63に第1のエンド部材8Aの係合突起850を係合して筐体6の左端に第1のエンド部材8Aを取り付ける。また、作業者は、第1のエンド部材8Aの一対の突部86と、カバー7の一対の脚部71との間に生じる空間に筐体6の各側壁61の前端部分を挿入する。
続いて、作業者は、カバー7の右端部を第2のエンド部材8Bにおける一対の側面部831及び突部86の間に挿入する。さらに、作業者は、第2のエンド部材8Bの一対の側板部85の外側面に設けられている係合突起850を筐体6の係合溝63に挿入し、筐体6の係合溝63に第2のエンド部材8Bの係合突起850を係合して筐体6の右端に第2のエンド部材8Bを取り付ける。
最後に、作業者は、筐体6にエンド部材8をねじ止めする。具体的には、作業者は、筐体6の底壁60の左端に設けられている貫通孔600に、タッピンねじである固定ねじ800を挿通する。そして、作業者は、貫通孔600に挿通した固定ねじ800を、第1のエンド部材8Aのねじ止め部840にねじ込むことにより、第1のエンド部材8Aを筐体6にねじ止めする(図7参照)。同様に、作業者は、筐体6の底壁60の右端に設けられている貫通孔600に、タッピンねじである固定ねじ800を挿通する。そして、作業者は、貫通孔600に挿通した固定ねじ800を、第2のエンド部材8Bのねじ止め部840にねじ込むことにより、第2のエンド部材8Bを筐体6にねじ止めする(図7参照)。
以上の手順で光源ユニット3の組立作業が完了する。ただし、上述した組立手順は一例であって、一部の手順の順番を入れ替えることも可能である。
ここで、光源ユニット3において、カバー7を形成する材料(ポリカーボネート樹脂)とエンド部材8を形成する材料(PBT樹脂)とが異なり、かつ、カバー7の長手方向の寸法がエンド部材8の長手方向の寸法よりもかなり大きく(長く)なっている。そのため、光源ユニット3では、LEDモジュール4の点灯中におけるカバー7の膨張量がエンド部材8の膨張量よりも大きくなると考えられる。したがって、LEDモジュール4が消灯している状態で第1エンド部81とカバー7の端部とが接触していると、LEDモジュール4の点灯中にカバー7が膨張したときにカバー7と第1エンド部81に過大な応力が生じる可能性がある。
そこで、光源ユニット3においては、常温において第1エンド部81とカバー7の端部との間に僅かな隙間(例えば、1mm〜2mm)が空くようにカバー7の寸法等が設計されている。そのため、LEDモジュール4の点灯中にカバー7が熱膨張しても第1エンド部81にカバー7の端部が接触し難くなるので、カバー7と第1エンド部81に過大な応力が生じる可能性を大きく下げることができる。ただし、カバー7の端部と第1エンド部81の間に隙間が存在すると、塵埃や虫などの異物が隙間を通して光源ユニット3内(カバー7とLEDモジュール4に囲まれた空間内)に侵入するおそれがある。
そのため、光源ユニット3においては、各エンド部材8A、8Bの第1エンド部81とカバー7の両端部との間に、それぞれシール部30が配置されている(図7及び図10)。シール部30は、例えば、シリコーンゴムによって略半円環状に形成されている(図10参照)。シール部30は、第1エンド部81とカバー7に密着することで第1エンド部81とカバー7の隙間をシールしている(図7参照)。シール部30が第1エンド部81とカバー7の隙間をシールすることにより、光源ユニット3内への異物の侵入を抑えつつ、熱膨張時にカバー7の端部と第1エンド部81に生じる応力を低減することができる。
器具本体2は、図1に示すように、本体部20と、一対の支持部材21とを備えている。本体部20は、亜鉛鋼板などの金属板によって角樋状に形成されている。本体部20は、長尺の矩形平板状に形成された底部200と、底部200の長手方向(左右方向)に沿った両端(上端及び下端)からそれぞれ前方へ突出する一対の側部201とを有している。
底部200は、一対の被かん合部202と、一対の連結部205と、一対の取付孔206と、複数の突部207とを有している。
被かん合部202は、3つのかん合孔(第1かん合孔202A、第2かん合孔202B、第3かん合孔202C)を有している。第1かん合孔202Aと第2かん合孔202Bは同一寸法の角孔であり、第3かん合孔202Cは第1かん合孔202A及び第2かん合孔202Bよりも小さい角孔である。第1かん合孔202Aと第3かん合孔202Cと第2かん合孔202Bは、底部200の長手方向に沿って一列に並ぶように配置されている。つまり、第1かん合孔202Aと第2かん合孔202Bの間に第3かん合孔202Cが配置されている。
連結部205は、底部200の長手方向の一端(左端)と他端(右端)にそれぞれ1つずつ設けられている。左側の連結部205は、底部200の左端において、底部200の短手方向(上下方向)の中央より上の範囲全体から外側(左側)に突出する矩形平板状に形成されている。一方、右側の連結部205は、底部200の右端において、底部200の短手方向の中央より下の範囲全体から外側(右側)に突出する矩形平板状に形成されている。
取付孔206は、底部200の左端及び右端にそれぞれ1つずつ設けられている。取付孔206は長孔である。各取付孔206は、長軸の方向を底部200の長手方向に一致させるように底部200を貫通している。
複数の突部207は、底部200の左端及び右端にそれぞれ2つずつの計4つ設けられている。各突部207は、底部200の左端及び右端において、取付孔206の上下両側から後方に向かって突出するドーム状に形成されている(図1及び図3〜図6参照)。
各側部201は、一対の開口部203と、一対の規制部204と、紐係止部208とを有している(図1参照)。
開口部203は、側部201の左端及び右端における前端部分に1つずつ設けられている。各開口部203は、上下方向から見た外形形状が長方形である溝状に形成されている。なお、各開口部203は、本体部20の長手方向において第2かん合孔202Bと第3かん合孔202Cとほぼ同じ位置に配置されている。
規制部204は、側部201において開口部203の3つの辺(縁)から側部201の外側に突出する3つの突片2041と、3つの突片2041の先端と繋がった規制片2040とを有している。規制片2040は、長方形の平板状に形成されている。なお、規制部204(規制片2040及び3つの突片2041)は、側部201を構成している金属板が絞り加工されることによって側部201と一体に形成されることが好ましい。
紐係止部208は、上側の側部201の右端と、下側の側部201の左端とにそれぞれ1つずつ設けられている(図1参照)。各紐係止部208は、正方形状の挿通孔2080と、円形の抜け止め孔2081と、挿通孔2080の1つの頂点と抜け止め孔2081とを連結する連結溝2082とを有している。紐係止部208は、側部201を構成している金属板が打ち抜き加工されることによって、挿通孔2080と抜け止め孔2081と連結溝2082が一体に形成されることが好ましい。
支持部材21は、筐体6の側壁61に設けられた被係合部62と係合する一対の係合部210と、各係合部210を側壁61の外側面と接離する方向(上下方向)に変位させる変位部211とを有している。また、支持部材21は、係合部210が被係合部62と係合する向きに筐体6を押圧するばね部212と、本体部20に設けられた被かん合部202とかん合するかん合部213とを有している。さらに、支持部材21は、矩形平板状の板部214を有している。なお、支持部材21が有する一対の係合部210、一対の変位部211、ばね部212、かん合部213並びに板部214は、ステンレス鋼板などの金属板が打ち抜き加工及び曲げ加工されることによって一体に形成されている。
一対の変位部211は、板部214の上端と下端からそれぞれ1つずつ突出している。各変位部211は、板部214の上端又は下端から斜め前方へ突出する第1変位片211Aと、第1変位片211Aの先端から前方へ突出する第2変位片211Bとを有している。板部214の上端から突出する変位部211は上向きに撓むように変位し、板部214の下端から突出する変位部211は下向きに撓むように変位する。
一対の係合部210は、左右方向から見て略U字状に形成されている。各係合部210は、一対の変位部211のうちの対応する変位部211の第2変位片211Bの先端(前端)から後方へUターンするように突出している(図12参照)。
ばね部212は、前方から見て略C字状に形成されている(図10及び図11参照)。ばね部212は、板部214の左右方向の端から板部214と離れる向きに突出している。ばね部212の両腕は、板部214から離れるにつれて徐々に前方へ突出するように湾曲している。ばね部212の両腕を繋いでいるばね部212の先端部分は、前方に向かって緩やかに突出している。なお、ばね部212の先端部分は、筐体6を押圧する押圧面2120と、押圧面2120から離れるにつれて筐体6との距離を大きくするように湾曲した曲面2121とを有している(図7参照)。
かん合部213は、第1かん合片2131と、第2かん合片2132と、第3かん合片2133と、第4かん合片2134と、かん合爪2135とを有している(図1参照)。ただし、第1かん合片2131、第2かん合片2132、第3かん合片2133、第4かん合片2134並びにかん合爪2135は、板部214に対して切り起こしなどの加工が施されることによって板部214と一体に形成されている。
第1かん合片2131は、板部214の中央部分を後方へ切り起こすようにして鉤形に形成されている。かん合爪2135は、第1かん合片2131の一部を前方へ切り起こすようにして矩形平板状に形成されている。
第2かん合片2132、第3かん合片2133並びに第4かん合片2134は、板部214の左右方向の端のうち、ばね部212と反対側の端に設けられている。第2かん合片2132は、板部214の端における上下方向の中央部分を後方へ切り起こすようにして鉤形に形成されている。第3かん合片2133は、板部214の端における第2かん合片2132の上側の部分で構成されている。第4かん合片2134は、板部214の端における第2かん合片2132の下側の部分で構成されている。第3かん合片2133及び第4かん合片2134のそれぞれの先端部分が前方へ曲げ起こされている。
支持部材21は、以下のような手順で本体部20に固定される。支持部材21の第1かん合片2131が本体部20の第1かん合孔202Aに前方から挿入され、支持部材21の第2かん合片2132が本体部20の第2かん合孔202Bに前方から挿入される。そして、支持部材21が本体部20の底部200と平行に移動させられると、第1かん合片2131から切り起こされているかん合爪2135が本体部20の第3かん合孔202Cに後方から挿入される。また、支持部材21が本体部20の底部200と平行に移動させられると、第2かん合片2132が第2かん合孔202Bの側方へ移動して底部200の後面に接触する。つまり、支持部材21は、かん合爪2135を第3かん合孔202Cにかん合させることで底部200に対する移動を規制し、かつ、第2かん合片2132と第3かん合片2133及び第4かん合片2134とで底部200を挟むことによって本体部20に固定される。なお、本体部20に支持部材21が固定された状態においては、支持部材21の係合部210及び第2変位片211Bが、本体部20の側部201の開口部203と上下方向において対向している。
次に、照明器具1の施工手順を説明する。
施工作業を行う作業者は、始めに造営材(例えば、壁)に器具本体2を取り付ける。作業者は、本体部20の一対の取付孔206に木ねじなどの取付ねじを挿通して本体部20を壁にねじ止めする。
続いて、作業者は、光源ユニット3の筐体6を前方から本体部20に挿入する。作業者は、筐体6の後端における上下両端部分で支持部材21の係合部210を押することにより、支持部材21の一対の変位部211を外向きに撓ませる。そして、変位部211の第2変位片211Bと係合部210は、側部201の開口部203を通過して側部201の外に変位する。ただし、第2変位片211Bと係合部210の変位は規制部204(規制片2040)によって規制される。
作業者は、光源ユニット3の筐体6の後面に支持部材21のばね部212の押圧面2120が接触した後もばね部212のばね力(押圧力)に抗して本体部20に筐体6を挿入する。そして、支持部材21の係合部210が側壁61の凹所610に到達すると、撓んでいた変位部211が元の状態に戻る。そして、作業者が光源ユニット3から手を離すと、ばね部212に押圧された筐体6が前方へ移動し、支持部材21の係合部210が筐体6の被係合部62と係合する。このようにして、作業者は筐体6を一対の支持部材21に支持させて光源ユニット3を本体部20に取り付ける。
上述のように作業者は、ドライバなどの工具を使わずに器具本体2に光源ユニット3を取り付けることができる。そのため、照明器具1は、設置に要する作業時間の短縮を図ることができる。
ここで、被係合部62は、側壁61の長手方向の全長にわたって設けられており、筐体6の長手方向において係合部210よりも幅広に形成されている。そのため、係合部210と被係合部62とは、側壁61の長手方向に沿って互いに移動可能に係合している。つまり、光源ユニット3の筐体6は、器具本体2に対して、器具本体2の本体部20の長手方向に沿って移動可能に支持部材21に支持されている。このように筐体6が本体部20の長手方向に沿って移動可能に支持部材21に支持されているため、筐体6が熱膨張した場合に支持部材21から筐体6に過大な応力が印加されることを防ぐことができる。ただし、光源ユニット3の筐体6の移動範囲(被係合部62に対する係合部210の移動範囲)は、係合部210がエンド部材8の第2エンド部82に接触しない範囲に限られる。つまり、本実施形態の照明器具1においては、エンド部材8の第2エンド部82が、係合部210の移動範囲を制限する制限部に相当する。
次に、本実施形態の照明システム10を説明する。照明システム10は、複数の照明器具1を有している。ただし、照明システム10が有する複数の照明器具1は、長手方向の大きさ(全長)が異なる数種類の照明器具1を含んでいる。例えば、照明システム10は、図13に示すように、標準の長さの照明器具1(1A)と、標準の長さの倍の長さを有する照明器具1(1B)とを含んでいる。ただし、2台の照明器具1A、1Bは長手方向の大きさ(全長)が異なる点を除いてほぼ同じ構成を有している。
2台の照明器具1A、1Bは、長手方向に沿って一列に並べて配置される。ここで、照明器具1Aの器具本体2と照明器具1Bの器具本体2は、各々の器具本体2の本体部20に設けられている連結部205によって連結される。本体部20の長手方向の両端に設けられている連結部205は、本体部20の長手方向に沿った中心線に対して対称である。そのため、各本体部20の連結部205同士が上下方向及び左右方向にかん合することにより、2つの本体部20同士を長手方向に沿って一列に並ぶように互いに機械的に連結させることができる。
そして、壁に固定された各々の本体部20に、照明器具1A、1Bのそれぞれの光源ユニット3が取り付けられる。この場合、照明器具1Aの第2電源コネクタ56と、照明器具1Bの第1電源コネクタ53とが電気的に接続される(図15)。つまり、2台の照明器具1A、1Bには、電源線の送り配線によって交流電力が供給される。また、照明器具1Aの第1信号コネクタ505と、照明器具1Bの第2信号コネクタ506とが電気的に接続される。つまり、2台の照明器具1A、1Bには信号線の送り配線によって制御信号が伝送される。
ここで、光源ユニット3の長手方向の両端においては、カバー7の端部及びエンド部材8の一部が筐体6よりも外側にはみ出している。さらに、筐体6の長手方向の両端の外側には、本体部20の側部201が配置されている。つまり、互いに電気的に接続されている第1電源コネクタ53と第2電源コネクタ56、及び互いに電気的に接続されている第1信号コネクタ505と第2信号コネクタ506の上下方向への移動範囲が一対の側部201によって規制される。そのため、前方から見たときに、第1電源コネクタ53、第2電源コネクタ56、第1信号コネクタ505並びに第2信号コネクタ506が器具本体2の外にはみ出さず、照明システム10の外観品質の向上を図ることができる。しかも、照明器具1(1A;1B)においては、第1電源コネクタ53等の移動範囲を規制するための部品が不要であるから、器具本体2及び光源ユニット3とは別の部品を必要とする場合と比較して施工作業の作業性の向上を図ることができる。
また、照明システム10は、入線金具11と終端金具12を有している。
入線金具11は、図16及び図17に示すように、ベース金具110と、入線用カバー111と、固定ねじ112とを有している。ベース金具110は、平板状の固定板1100と、固定板1100に繋がった平板状の背板1101と、背板1101の先端から前方へ突出する縦板1102と、縦板1102の前端から背板1101と平行に突出する突片1103とを有している(図17参照)。また、突片1103にはめねじ部1104が設けられている。
固定板1100は、長孔からなるねじ挿通孔を有している。本体部20の取付孔206に挿通される取付ねじが固定板1100のねじ挿通孔にも挿通される。つまり、固定板1100は、取付ねじによって本体部20の底部200に固定される。なお、背板1101は本体部20の外に配置される。
縦板1102には第1電線挿通口1105と第2電線挿通口1106が設けられている。第1電線挿通口1105は、縦板1102の上部に設けられている。第2電線挿通口1106は、縦板1102の下部に設けられている。
入線用カバー111は、平板状の前板1110と、前板1110の上端及び下端から後方へ突出する一対の側板1111とを有している(図17参照)。前板1110にはねじ挿通孔が貫通している。入線用カバー111は、前板1110のねじ挿通孔に挿通される固定ねじ112がベース金具110のめねじ部1104にねじ込まれることによってベース金具110に固定される。
終端金具12は、ベース金具と、終端用カバー121と、固定ねじ122とを有している(図18参照)。ベース金具は、入線金具11のベース金具110とほぼ同一の構成を有している。ただし、終端金具12のベース金具においては、第1電線挿通口及び第2電線挿通口が設けられていない。
終端用カバー121は、入線金具11の入線用カバー111と同じく、平板状の前板1210と、前板1210の上端及び下端から後方へ突出する一対の側板1211とを有している(図18参照)。前板1210にはねじ挿通孔が貫通している。終端用カバー121は、前板1210のねじ挿通孔に挿通される固定ねじ122がベース金具のめねじ部にねじ込まれることによってベース金具に固定される(図18参照)。
次に、照明システム10の施工手順を更に詳しく説明する。
まず、施工作業を行う作業者は、施工の対象である複数台の照明器具1(1A;1B)の全ての器具本体2を一列に並ぶように配置して造営材(壁)に固定する。また、作業者は、一列に並んだ複数の器具本体2のうちの一方の端の器具本体2に入線金具11のベース金具110を取り付け、一列に並んだ複数の器具本体2のうちの他方の端の器具本体2に終端金具12のベース金具を取り付ける。
作業者は、入線金具11のベース金具110の第1電線挿通口1105に電源ケーブル13を挿通し、ベース金具110の第2電線挿通口1106に制御信号用の信号ケーブル14を挿通する。電源ケーブル13は、外部の電源(例えば、商用の電力系統)に接続されている。ただし、電源ケーブル13の先端には、第1電源コネクタ53と同一の構造を有するプラグコネクタが接続されている。また、信号ケーブル14は、制御信号の送信元であるコントローラに接続されている。ただし、信号ケーブル14の先端には、第2信号コネクタ506と同一の構造を有するプラグコネクタが接続されている。
続いて、作業者は、光源ユニット3の紐保持金具822に保持されている紐の先端部分を、ベース金具110を取り付けた器具本体2の紐係止部208に係止する。すなわち、作業者は、光源ユニット3と器具本体2を紐で繋ぐことによって、作業中の光源ユニット3の落下を防止している。
作業者は、第1電線挿通口1105に挿通した電源ケーブル13の先端に接続されたプラグコネクタを光源ユニット3の第2電源コネクタ56に接続する。また、作業者は、第2電線挿通口1106に挿通した信号ケーブル14の先端に接続されたプラグコネクタを光源ユニット3の第1信号コネクタ505に接続する。
作業者は、光源ユニット3の第2電源コネクタ56及び第1信号コネクタ505が配置されている側の筐体6の端部を器具本体2の本体部20に挿入した後、光源ユニット3を回転させながら筐体6全体を本体部20に挿入する。そして、作業者は、器具本体2の2つの支持部材21に筐体6を支持させるようにして器具本体2に光源ユニット3を取り付ける。
続いて、作業者は、最初に器具本体2に取り付けた光源ユニット3の第1電源コネクタ53に、2台目の光源ユニット3の第2電源コネクタ56を接続する。また、作業者は、最初に器具本体2に取り付けた光源ユニット3の第2信号コネクタ506に、2台目の光源ユニット3の第1信号コネクタ505を接続する。
作業者は、2台目の光源ユニット3の第2電源コネクタ56及び第1信号コネクタ505が配置されている側の筐体6の端部を2台目の器具本体2の本体部20に挿入した後、2台目の光源ユニット3を回転させながら筐体6全体を本体部20に挿入する。そして、作業者は、2台目の器具本体2の2つの支持部材21に筐体6を支持させるようにして2台目の器具本体2に2台目の光源ユニット3を取り付ける。そして、作業者は、上述した手順を繰り返しながら、複数台の器具本体2の各々に、各器具本体2と対応する光源ユニット3を1台ずつ取り付ける。
作業者は、終端金具12のベース金具を取り付けた器具本体2に最後の光源ユニット3を取り付けた後、ベース金具に終端用カバー121をねじ止めして取り付ける。このとき、作業者は、ベース金具と終端用カバー121に囲まれた終端金具12の内部に、最後の光源ユニット3の第1電源コネクタ53と第2信号コネクタ506を収容する(図18参照)。
上述した手順によって照明システム10の施工作業が完了する。照明システム10は、複数台の照明器具1が送り配線によって外部の電源と接続されており、外部の電源からの給電を入切することで全ての照明器具1を点滅させることができる。また、照明システム10は、複数台の照明器具1が送り配線によってコントローラと接続されており、コントローラから各照明器具1に伝送される制御信号により、全ての照明器具1を調光制御することができる。
ここで、合成樹脂製の筐体6が熱膨張することを考慮して、隣接する2台の照明器具1(1A;1B)の光源ユニット3の間に隙間S1が設けられている(図15参照)。この隙間S1の大きさ(距離)は、例えば、5mm程度が好ましい。
また、各照明器具1(1A;1B)において、被係合部62に対する係合部210の移動範囲は、2台の光源ユニット3の間の隙間S1の半分以下(例えば、2.5mm)であることが好ましい。つまり、各照明器具1(1A;1B)における係合部210の移動範囲は、隣接した2台の照明器具1(1A;1B)の光源ユニット3同士が接触しても2台の光源ユニット3の間に過大な応力が発生しない程度の範囲に設定されている。
上述のように本発明の第1の態様に係る照明器具(1)は、光源(LEDモジュール4)及び光源を収容する筐体(6)を備えた照明装置(光源ユニット3)と、照明装置を支持する器具本体(2)とを有している。器具本体(2)は、少なくとも前面が開放された箱状に形成されて造営材に固定される本体部(20)と、本体部(20)に固定され、筐体(6)を本体部(20)に支持させる支持部材(21)とを有している。本体部(20)は、前面を通して筐体(6)の一部を収容するように構成されている。支持部材(21)は、筐体(6)の外側面に設けられた被係合部(62)と係合する少なくとも1つの係合部(210)と、係合部(210)を外側面と接離する方向に変位させる変位部(211)とを有している。支持部材(21)は、変位部(211)に係合部(210)を外側面から離れる方向に変位させ、かつ、前面に対して筐体(6)の一部が収容される方向に沿って係合部(210)を被係合部(62)に係合させるように構成されている。
第1の態様に係る照明器具(1)では、本体部(20)の前面から筐体(6)が挿入されると、係合部(210)を介して筐体(6)に押された変位部(211)が筐体(6)の外側面から離れる向きに撓み、最終的に被係合部(62)と係合部(210)が係合する。つまり、第1の態様に係る照明器具(1)は、ドライバなどの工具を使わずに器具本体(2)に照明装置(光源ユニット3)を取り付けることができるので、設置に要する作業時間の短縮を図ることができる。
本発明の第2の態様に係る照明器具(1)は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様に係る照明器具(1)において、器具本体(2)は、本体部(20)に固定され、係合部(210)が被係合部(62)と係合する向きに筐体(6)を押圧するばね部(212)を有することが好ましい。
第2の態様に係る照明器具(1)は、ばね部(212)に筐体(6)を押圧させることにより、係合部(210)と被係合部(62)の係合を外れ難くすることができる。
本発明の第3の態様に係る照明器具(1)は、第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様に係る照明器具(1)において、ばね部(212)と、係合部(210)と、変位部(211)とが一体に形成されていることが好ましい。
第3の態様に係る照明器具(1)は、ばね部(212)と係合部(210)と変位部(211)とが一体に形成されることにより、部品点数の削減を図ることができる。
本発明の第4の態様に係る照明器具(1)は、第2又は第3の態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様に係る照明器具(1)において、ばね部(212)は、筐体(6)を押圧する押圧面(2120)と、押圧面(2120)から離れるにつれて筐体(6)との距離を大きくするように湾曲した曲面(2121)とを有することが好ましい。
第4の態様に係る照明器具(1)は、ばね部(212)において押圧面(2120)の近くに曲面(2121)を有することにより、ばね部(212)が筐体(6)に引っ掛かって塑性変形することを防ぐことができる。
本発明の第5の態様に係る照明器具(1)は、第1〜第4のいずれか1つの態様との組み合わせにより実現され得る。第5の態様に係る照明器具(1)において、支持部材(21)は、本体部(20)に設けられた被かん合部(202)とかん合するかん合部(213)を有することが好ましい。
第5の態様に係る照明器具(1)は、支持部材(21)のかん合部(213)を本体部(20)の被かん合部(202)にかん合させることで支持部材(21)を本体部(20)に取り付けている。そのため、第5の態様に係る照明器具(1)は、支持部材(21)を本体部(20)にねじ止めする場合などと比較して、器具本体(2)の組立作業の簡素化を図ることができる。
本発明の第6の態様に係る照明器具(1)は、第1〜第5のいずれか1つの態様との組み合わせにより実現され得る。第6の態様に係る照明器具(1)において、本体部(20)は、筐体(6)の外側面と対向する側部(201)を有することが好ましい。側部(201)は、係合部(210)と対向する位置に、係合部(210)が通過可能な開口部(203)を有することが好ましい。
第6の態様に係る照明器具(1)は、係合部(210)が通過可能な開口部(203)を側部(201)に有することにより、本体部(20)の小型化を図ることができる。
本発明の第7の態様に係る照明器具(1)は、第1〜第6のいずれか1つの態様との組み合わせにより実現され得る。第7の態様に係る照明器具(1)において、器具本体(2)は、変位部(211)に接触することによって係合部(210)が変位する範囲を規制する規制部(204)を有することが好ましい。
第7の態様に係る照明器具(1)は、規制部(204)によって係合部(210)が変位する範囲を規制するので、係合部(210)が塑性変形することを防ぐことができる。
本発明の第8の態様に係る照明器具(1)は、第1〜第7のいずれか1つの態様との組み合わせにより実現され得る。第8の態様に係る照明器具(1)において、本体部(20)及び筐体(6)は、筐体(6)の外側面に沿った方向の長さが外側面の法線方向の長さよりも長くなる長尺の形状に形成されていることが好ましい。係合部(210)と被係合部(62)とは、外側面に沿った方向に互いに移動可能に係合していることが好ましい。
第8の態様に係る照明器具(1)は、係合部(210)と被係合部(62)とが外側面に沿った方向に互いに移動可能であるので、筐体(6)が熱膨張した場合に支持部材(21)から筐体(6)に過大な応力が印加されることを防ぐことができる。
本発明の第9の態様に係る照明器具(1)は、第8の態様との組み合わせにより実現され得る。第9の態様に係る照明器具(1)において、照明装置(光源ユニット3)は、外側面に沿った方向から係合部(210)に接触することによって係合部(210)の移動範囲を制限する制限部(第2エンド部82)を備えることが好ましい。
第9の態様に係る照明器具(1A)は、係合部(210)の移動範囲を制限することにより、隣り合って配置される別の照明器具(1B)との間で2台の照明装置(光源ユニット3)同士が接触して過大な応力が印加されることを防ぐことができる。
本発明の第10の態様に係る照明装置(光源ユニット3)は、第1〜第9のいずれか1つの態様に係る照明器具が有する照明装置である。第10の態様に係る照明装置は、光源(LEDモジュール4)と、光源を収容する筐体(6)とを備えている。筐体(6)は、支持部材(21)が有する係合部(210)と係合する被係合部(62)が外側面に設けられている。筐体(6)は、少なくとも前面が開放された箱状に形成されて造営材に固定される器具本体(2)の本体部(20)に収容された状態で支持部材(21)によって本体部(20)に支持される。
第10の態様に係る照明装置は、ドライバなどの工具を使わずに器具本体(2)に取り付けることができるので、設置に要する作業時間の短縮を図ることができる。
本発明の第11の態様に係る器具本体(2)は、少なくとも前面が開放された箱状に形成されて造営材に固定される本体部(20)と、本体部(20)に固定され、照明装置の筐体(6)を本体部(20)に支持させる支持部材(21)とを有している。本体部(20)は、前面を通して筐体(6)の一部を収容するように構成されている。支持部材(21)は、筐体(6)の外側面に設けられた被係合部(62)と係合する少なくとも1つの係合部(210)と、係合部(210)を外側面と接離する方向に変位させる変位部(211)とを有している。係合部(210)は、前面に対して筐体(6)の一部が収容される方向に沿って被係合部(62)と係合するように構成されている。
第11の態様に係る器具本体(2)は、ドライバなどの工具を使わずに照明装置を取り付けることができるので、設置に要する作業時間の短縮を図ることができる。
本発明の第12の態様に係る照明システム(10)は、第1〜第9のいずれか1つの態様に係る照明器具(1)を複数有している。複数の照明器具(1A;1B)は、一列に並べて配置された状態で隣り合う2つの照明器具(1A;1B)を互いに電気的に接続する接続部(第1端子台51、第1電源線52、第1電源コネクタ53、第2端子台54、第2電源線55、第2電源コネクタ56)を有している。複数の照明器具(1A;1B)は、一列に並べて配置された状態で隣り合う2つの照明器具(1A;1B)を互いに機械的に連結する連結部(205)を有している。
第12の態様に係る照明システム(10)は、複数の照明器具(1A;1B)を一列に並べて配置するように設置される場合において、設置に要する作業時間の短縮を図ることができる。