JP6962082B2 - 軟包装用表刷り積層体および軟包装袋 - Google Patents

軟包装用表刷り積層体および軟包装袋 Download PDF

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Description

本発明は、軟包装用表刷り積層体および軟包装袋に関する。
OPPフィルム、PETフィルム、NYフィルム、金属蒸着フィルムなどのフィルム基材を包装材料に使用する場合、通常は、基材の装飾または表面保護のために印刷インキを用いた印刷が施される。印刷を施した基材は、その後スリット工程を経て、ラミネート工程に送られ、最終的には食品包装用、化粧品包装、その他あらゆる用途に向けた軟包装パッケージとなる。
そのような軟包装パッケージは、フィルム基材、印刷層、接着剤層を必要に応じて任意に組み合わせて積層(ラミネート)した積層体からなり、この中で印刷層は絵柄を構成する。軟包装用の積層体は、裏刷り印刷層を有するものと表刷り印刷層を有するものの2種類に大別される。裏刷り印刷層を有する積層体は、印刷層がフィルム基材でサンドイッチされた積層構造を有し、透明基材を通して絵柄を確認できる。一方、表刷り印刷層を有する積層体では、印刷層が積層体の最外層となる。これらはそれぞれ絵柄を見たときの質感が異なるため別々に要望がある。
表刷り印刷層を有する積層体の製造方法は、あらかじめ作成しておいた積層体を被印刷体として印刷加工が施される場合が多い。積層体は、単層のプラスチック基材に印刷する場合に比べて強い張力(印刷テンションという)で印刷しなければ綺麗に印刷しにくいため、その巻取り物は内部の圧力が上昇し、印刷層は高い耐ブロッキング性が要求される。
その後、表刷り積層体はパッケージのサイズにカットされ、更に縁を熱融着(ヒートシール工程という)して包装袋となる。積層体が熱融着された袋の角部分は硬く腰があるため、他の表刷り積層体の印刷層と擦れて印刷層外観の不良を起こす場合がある。
例えば特許文献1には、印刷層にポリウレタン樹脂を有する表刷り積層体が示されており、耐ブロッキング性の向上を目的として脂肪酸アミドを有する印刷層が提案されている。しかしながら、脂肪酸アミドは基材へ浸透して接着阻害を引き起こす要素にもなり得るため、軟包装用表刷り積層体として外観良好なものを得ることは未だ困難である。
また、特許文献2では、表刷り印刷層を有する成型加工用の積層体に関しての発明が記載されており、印刷層保護のために樹脂被膜でコーティングを施すことが提案されている。このように、表刷り印刷層は傷つきやすく擦れに対する耐性の改善が求められていたが、なかでも軟包装用の積層体は、屈曲したり、皺となったり、折り曲げられたり、など印刷面にかかる負荷が大きいために達成が困難であった。
特開2003−136652号公報 特開平7−330019号公報
本発明は、軟包装用表刷り積層体の製造工程で該積層体の巻取り時に過度な巻取圧がかかってもブロッキングしない軟包装用表刷り積層体を、また包装袋とした場合に、包装袋同士の擦れによる絵柄の外観不良の改善される軟包装用表刷り積層体を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題に対して鋭意研究を重ねた結果、以下に記載の軟包装用表刷り積層体を用いることで解決することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、基材層と、前記基材層の片面に積層された印刷層とを有する軟包装用表刷り積層体であって、
前記印刷層は、バインダー樹脂および融点が50℃以上の炭化水素系ワックスを含有し、
前記基材層は、前記印刷層と接する面を構成する基材1と、前記印刷層と接触しない裏面を構成する基材2とを含んでなり、
基材層の、印刷層と接する面の濡れ指数が、印刷層と接しない面の濡れ指数よりも大きく、各濡れ指数の差が3dyn/cm以上である軟包装用表刷り積層体に関する。
更に本発明は、前記バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂および/またはポリアミド樹脂を、バインダー樹脂総質量中に合計で30質量%以上含有することを特徴とする前記軟包装用表刷り積層体に関する。
更に本発明は、バインダー樹脂が、ポリウレタン樹脂またはポリアミド樹脂と、セルロース系樹脂および/または塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂と、を30/70〜95/5の質量比で含有する、前記軟包装用表刷り積層体に関する。
更に本発明は、炭化水素系ワックスの針入度が、0.1〜15である、前記軟包装用表刷り積層体に関する。
更に本発明は、前記炭化水素系ワックスが、ポリエチレンワックスを含有することを特徴とする前記軟包装用表刷り積層体に関する。
更に本発明は、基材層が、基材1、接着剤層および基材2を順次有し、印刷層と接する面の濡れ指数が、30〜60dyn/cmである、前記軟包装用表刷り積層体に関する。
更に本発明は、前記軟包装用表刷り積層体からなる軟包装袋に関する。
本発明により、軟包装用表刷り積層体の製造工程で該積層体の巻取り時に過度な巻取圧がかかってもブロッキングしない軟包装用表刷り積層体を、また包装袋とした場合に、包装袋同士の擦れによる絵柄の外観不良の改善される軟包装用表刷り積層体を提供することが可能となった。
本発明の軟包装用表刷り積層体の構成の一例を示した模式断面図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
本発明は、2つ以上の基材が積層された基材層と、基材層の片面に積層された印刷層とを有し、
印刷層は、バインダー樹脂および融点が50℃以上の炭化水素系ワックスを含有し、
基材層は、印刷層と接する面の濡れ指数が、印刷層と接しない面の濡れ指数よりも大きく、その差が3dyn/cm以上であることを特徴とする軟包装用表刷り積層体である。
<印刷層>
印刷層は絵柄を構成する層をいう。該印刷層は多色が重ねて印刷された印刷層であっても良いし、一色のみが印刷されていても良い。また、膜厚としては1〜10μmであることが好ましい。また外観が良好となるため、該印刷層はグラビアインキまたはフレキソインキから得られる印刷層であることが好ましい。印刷層はバインダー樹脂と融点が50℃以上の炭化水素系ワックスを含有する。バインダー樹脂と炭化水素系ワックスの質量比は99:1〜90:10の質量比で含有することが好ましい。
<バインダー樹脂>
本発明において、バインダー樹脂とは有機溶剤に可溶な熱可塑性樹脂をいい、ポリウレタン樹脂および/またはポリアミド樹脂を合計で30質量%以上含有することが好ましい。その他バインダー樹脂としては、例えばセルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂およびその変性樹脂などが挙げられる。これらを数種併用しても良い。その他バインダー樹脂としてはセルロース系樹脂および/または塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂が好ましい。
ポリウレタン樹脂またはポリアミド樹脂はガラス転移温度が−70〜70℃であることが好ましい。ここでガラス転移温度は動的粘弾性測定における温度−Tanδ値曲線のピークトップの温度をいう。動的粘弾性測定は、例えばエー・アンド・デイ社製DDV01−GPなどを用いて測定することができる。なお、測定方法は引張型の測定法でも良いし、せん断型の測定法であっても良い。
また、上記バインダー樹脂は重量平均分子量が2000〜100000であることが好ましい。重量平均分子量はゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)による測定値である。
上記バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂および/またはポリアミド樹脂を合計で30質量%以上含有することが好ましく、更には40質量%以上含有することが好ましい。更に、セルロース系樹脂および/または塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を含有することが好ましく、ポリウレタン樹脂またはポリアミド樹脂と、セルロース系樹脂および/または塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂と、を30/70〜95/5の質量比で含有することが好ましく、40/60〜95/5がより好ましい。これらはバインダー樹脂中に、合計で70質量%以上含有することが好ましい。
<ポリウレタン樹脂>
上記ポリウレタン樹脂は、例えばポリオールとポリイソシアネートからなるポリウレタン樹脂であることが好ましい。これらはウレタン結合とポリオールからなる構造単位とポリイソシアネートからなる構造単位を有する。また更にジアミン、トリアミン等のアミン化合物によりウレア結合で鎖延長されたものであっても良い。基材層との接着性の観点から、ポリウレタン樹脂は水酸基および/またはアミノ基を有することが好ましい。水酸基価は1〜30mgKOH/gであることが好ましく、更に好ましくは1〜20mgKOH/gである。アミン価は1〜30mgKOH/gであることが好ましく、更に好ましくは1〜20mgKOH/gである。水酸基価はJISK0070(1992)により得られる値であり、アミン価はJISK1557−7(2011)により得られる値である。また、ポリウレタン樹脂は重量平均分子量が10000〜100000であることが好ましく、10000〜70000であることがより好ましい。またガラス転移温度が−50〜0℃であることが好ましい。
ポリオールとしては例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオールなどが挙げられ、ポリエステルポリオールを含有することが好ましい。ポリエステルポリオールは、セバシン酸やアジピン酸とジオールとの縮合物からなる構造を有することが好ましい。ジオールは炭素数2〜15のものが好ましく、ジオールの少なくとも1つの水素がアルキル基で置換された、分岐構造を有するジオールを含有することが好ましい。分岐構造を有するジオールとしては例えば、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどが好ましい。これらポリオールは数平均分子量が200〜3000であることが好ましい。
ポリイソシアネートとしては例えば、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートが挙げられ、脂肪族ポリイソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイシシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられ、芳香族ジイソシアネートとしてはトルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられ、イソシアネート基の芳香族基との結合位置はオルト位、メタ位、パラ位のいずれでも良い。
上記ポリウレタン樹脂の製造において、ポリイソシアネートの有するイソシアネート基とポリオールの有する水酸基との反応比率(NCO/OH)は0.8〜2.5の範囲で適宜調整することが好ましい。
アミン化合物を使用してウレア結合による鎖延長反応を行う場合、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メチレンジアミンなどのジアミン化合物を用いることが好ましい。
上記ポリウレタン樹脂の製造は有機溶剤中で合成することが好ましく、該有機溶剤としてはトルエン等の芳香族有機溶剤、メチルエチルケトン等のケトン系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル等のエステル系有機溶剤、イソプロパノール、エタノール等のアルコール系有機溶剤、およびこれらの混合有機溶剤が好ましい。
上記ポリウレタン樹脂は適宜公知の製造方法により製造可能である。製造方法としては例えば特開2017−025256号公報、特開2017−039896号公報等に記載の方法を挙げることができる。
<ポリアミド樹脂>
ポリアミド樹脂とは、多塩基酸と多価アミンとを重縮合して得ることができる有機溶剤に可溶な熱可塑性ポリアミドをいう。特には重合脂肪酸および/またはダイマー酸を含有する酸成分と、脂肪族および/または芳香族ポリアミンの反応物を含むポリアミド樹脂であることが好ましく、更には一級および二級モノアミンを一部含有するものが好ましい。
ポリアミド樹脂の原料で使用される多塩基酸としては、以下に限定されるものではないが、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、スベリン酸、グルタル酸、フマル酸、ピメリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、テレフタル酸、1、4−シクロヘキシルジカルボン酸、トリメリット酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、重合脂肪酸が挙げられ、とくにその中でもダイマー酸、水添ダイマー酸、重合脂肪酸が好ましい。ここで、重合脂肪酸とは、乾性または半乾性油脂脂肪酸あるいは、そのエステル重合、エステル交換反応等により得られるもので、一塩基性脂肪酸、二量化重合脂肪酸、三量化重合脂肪酸等を含むものである。
多塩基酸には、モノカルボン酸を併用することもできる。併用されるモノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、安息香酸、シクロヘキサンカルボン酸等が挙げられる。
多価アミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メチルアミノプロピルアミン等の脂肪族ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミンを挙げることができ、脂環族ポリアミンとしては、シクロヘキシレンジアミン、イソホロンジアミン等を挙げることができる。また、芳香脂肪族ポリアミンとしてはキシリレンジアミン、芳香族ポリアミンとしてはフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等を挙げることができる。
多価アミンには、一級及び二級モノアミンを併用することができる。一級及び二級モノアミンとしては、n−ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミンなどを挙げることができる。
ポリアミド樹脂は、通常のポリアミド樹脂の合成方法で製造することができる。反応温度は、180〜230℃で、反応中は不活性ガス中で行うことが好ましく、脱水反応であるため分留設備を使用することが好ましい。更に反応は減圧で行っても良い。また、反応成分のカルボキシル基:アミノ基の当量比は、0.9:1.0〜1.0:0.9であることが好ましい。
また、ポリアミド樹脂は、軟化点が80〜140℃、重量平均分子量が2,000〜70,000の範囲であることが好ましい。軟化点が80℃以上の場合は、印刷物のインキ被膜の表面タック切れが良好となり、ブロッキングを防ぐ。軟化点が140℃以下の場合はインキ被膜が柔軟となり基材への接着性が向上する。重量平均分子量の範囲はとしては2,000以上の場合はインキの被膜強度が良好となり、耐摩擦性、耐熱性、高速印刷適性が向上する。分子量が70,000以下の場合はインキの粘度が低粘度化でき、貯蔵安定性が良好となる。なお、軟化点はJISK2207(環球法)で測定された値を表す。
<塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂>
塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂は、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体を主成分とする樹脂である。その重量平均分子量は5000〜100000であることのものが好ましく、20000〜70000が更に好ましい。塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂の固形分100質量%中、酢酸ビニルモノマー由来の構造単位の含有量は1〜30質量%が好ましく、塩化ビニルモノマー由来の構造単位の含有量は70〜95質量%であることが好ましい。この場合、有機溶剤への溶解性が向上し、更に基材への密着性、被膜物性、ラミネート強度等が良好となる。
また、有機溶剤への溶解性が向上するため、ケン化反応あるいは共重合でビニルアルコール由来の水酸基を含むものが更に好ましく、水酸基価として20〜200mgKOH/gであることが好ましい。また、ガラス転移温度は50℃〜90℃であることが好ましい。
<セルロース系樹脂>
セルロース系樹脂としては例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシアルキルセルロース、およびカルボキシアルキルセルロース等が挙げられる。セルロース樹脂に任意で含まれるアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、およびヘキシル基等が挙げられる。アルキル基は置換基を有していても良い。中でも、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、およびニトロセルロースが好ましい。重量平均分子量は5000〜100000であることが好ましく、10000〜200000であることが更に好ましい。また、ガラス転移温度が100℃〜160℃であることが好ましい。
(ニトロセルロース)
ニトロセルロースは、セルロースの硝酸エステルであり、天然セルロースと硝酸とを反応させて、天然セルロース中の無水グルコピラノース基の6員環中の3個の水酸基を、硝酸基に置換した硝酸エステルとして得られるものが好ましく、平均重合度35〜480、更には50〜200の範囲のものが好ましい。平均重合度が50以上の場合、インキ被膜の強度が向上し、耐摩擦性、耐もみ性が向上するため好ましい。又、平均重合度が200以下の場合、溶剤への溶解性、インキの低温安定性、および併用樹脂との相溶性が向上するため好ましい。また、窒素分は10.5〜12.5質量%であることが好ましい。
<炭化水素系ワックス>
印刷層は融点が50℃以上の炭化水素系ワックスを含有する。融点は70℃以上であることが好ましく、更には90〜130℃であることが好ましい。この場合、印刷層の耐摩擦性や耐ブロッキング性が向上し、基材層との密着性にも優れる。
その含有量は、印刷層中に0.1〜17質量%であることが好ましい。より好ましくは0.3〜15質量%、更に好ましくは0.5〜12質量%、最も好ましくは0.8〜12質量%である。なお印刷層を構成するためのグラビアインキではインキ100質量%中、炭化水素系ワックスを0.1〜2.5質量%含有することが好ましい。
上記融点とは示差走査熱量測定(DSC法)による測定値をいう。
炭化水素系ワックスと、ポリウレタン樹脂またはポリアミド樹脂を含有するバインダー樹脂とを併用することで、更に軟包装用表刷り積層体を軟包装袋とした場合でも、それ同士が擦れたり重なり合ったりしたときに発生する摩擦による傷を抑制することができる。これは炭化水素系ワックスが上記融点である時上記バインダー樹脂との親和性が良好となり、均一かつ強靭な印刷層となるためであると考えられる。
上記炭化水素系ワックスは例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、マイクロスタリンワックスなどが好適であり、2種以上併用しても良い。中でもポリエチレンワックスおよび/またはフィッシャートロプシュワックスが好ましく、ポリエチレンワックスがより好ましい。これらは上述のようにポリウレタンまたはポリアミド樹脂との親和性が高く、印刷層を強靭にする効果を有していると思われる。
炭化水素系ワックスは針入度(硬度)が0.1〜15(単位:10−1mm)であることが好ましく、0.5〜15であることがより好ましい。なお、ここで針入度とはJISK2207により得られる値をいう。また、耐水性の観点から酸価は30mgKOH/g以下であることが好ましい。
また、印刷層は更に脂肪酸アミドを含有することが好ましい。脂肪酸アミドは炭素数8〜25の飽和または不飽和炭化水素が好ましく、例えばオレイン酸アミド、パルミチン酸アミドなどが好ましい。
<顔料>
印刷層は顔料を含有することが好ましい。バインダー樹脂と顔料の質量比率(バインダー樹脂/顔料)は99/1〜10/90であることが好ましい。更には80/20〜20/80であることがより好ましい。これは該当範囲で、基材層との接着性が良好となるためである。
顔料としては有機顔料、無機顔料いずれも使用可能であり、無機顔料を有機顔料と併用しても良い。更に硫酸バリウム、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカなどの体質顔料を含有しても良い。好ましくは、有機顔料、無機顔料である。
有機顔料としては、以下の例には限定されないが、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニ系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系などの顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、カーボンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられ、カラーインデックス記載のものを随時使用可能である。
無機顔料としては、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化クロム、アルミニウム粒子、マイカ(雲母)、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒等が挙げられ、アルミニウムはリーフィングタイプ、ノンリーフィングタイプいずれでも良い。
酸化チタンは特に限定されないが、少なくともシリカあるいはアルミナで表面処理された、結晶構造がルチル型のものであることが好ましい。また、その他の金属により処理されていても良く、例えばSi、Al、ZnおよびZrの元素からなる金属単体、Al、Znの酸化物などが挙げられる。前記「処理された」とは酸化チタン粒子の表面を被覆されている状態をいう。
また酸化チタンは、JISK5101に規定されている測定法による吸油量が14〜35ml/100gであることが好ましく、17〜32ml/100gであることがより好ましい。また、透過型電子顕微鏡により測定した平均粒子径(メディアン粒子径)が0.15〜0.35μmが好ましく、0.2〜0.3μmであることがより好ましい。また、酸化チタン顔料の合計含有量は、インキ100重量%中、10〜60重量%であることが好ましく、10〜45重量%であることがより好ましい。また複数種の酸化チタン顔料を併用しても良い。なお、本発明のグラビアインキにおいて、酸化チタン顔料の他に、その他の無機顔料、有機顔料も更に併用することができる。
<その他成分>
上記印刷層は更に添加剤成分を含んで良い。添加剤としては顔料分散剤、平滑剤、トラッピング剤、消泡剤、キレート剤、耐ブロッキング剤、潤滑剤、粘度調整剤などが挙げられる。
<基材層> 基材層は、2つ以上の基材が基材層の最外面を構成するように積層されたものであり、最外面のうち印刷層と接触する面を構成する基材1と、印刷層と接触しない面を構成する基材2の間には、接着剤層や他の基材を有していても良い。
基材層を構成する基材は、フィルム状のプラスチック基材であることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ乳酸などのポリエステル、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのポリスチレン系樹脂、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロハンなどのフィルム基材、およびこれらの複合材料からなるフィルム基材が挙げられる。プラスチック基材は、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの金属あるいは金属酸化物が蒸着されていても良く、更に蒸着面をポリビニルアルコールなどの塗料でコーティング処理を施されていてもよい。一般的に印刷される基材表面はコロナ処理などの表面処理が施されていてもよい。さらにこれらプラスチック基材については、予め防曇剤の塗工、練り込み、マット剤の表面塗工、練り込みなどプラスチックフィルムを加工して得られるフィルムも使用する事が可能である。
防曇剤は界面活性剤が好ましく、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどの多価アルコール脂肪酸エステルやエチレンオキサイド付加物などのイオン系界面活性剤を1種あるいは複数用いられる。
基材層は、印刷層と接触する面(以下、表面と略記する)の濡れ指数は、印刷層と接しない面(以下、裏面と略記する)の濡れ指数よりも大きい。その差は3dyn/cm以上であり、好ましくは5〜20dyn/cmである。なお、濡れ指数(濡れ張力)とは、濡れ指数標準液を用いてJIS K 6768に記載の方法で測定した値をいう。濡れ指数の差が上記範囲であると、表面と印刷層との接着性に優れ、かつ、印刷で積層体を被印刷体として巻き取られた場合の裏面と印刷層とのブロッキングを抑制することができる。
基材層の表面は基材1により構成され、表面の濡れ指数は30〜60dyn/cmであることが好ましく、35〜55dyn/cmであることが更に好ましい。基材1は、一軸または二軸に延伸されたプラスチック基材であることが好ましく、濡れ指数が上記範囲となるように易接着処理された易接着面を有するものであることが好ましい。易接着処理とは、例えば、コロナ放電処理、紫外線/オゾン処理、プラズマ処理、酸素プラズマ処理、プライマー処理等が挙げられる。例えばコロナ放電処理では基材上に水酸基、カルボキシル基、カルボニル基等が発現する。水素結合を利用できるためバインダー樹脂は水酸基やアミノ基といった官能基を有することが好ましい。
基材層の裏面は基材2により構成され、裏面の濡れ指数は25〜45dyn/cmであることが好ましい。基材2は、表刷り積層体の裏面同士を熱融着して軟包装袋を形成するために熱可塑性である基材が好ましい。熱可塑性基材としては、未延伸ポリエチレン、未延伸ポリプロピレンその他の未延伸プラスチック基材が好ましい。
<接着剤層>
基材層は、基材1と基材2の間に接着剤層を有することが好ましい。なおラミネート方法としてはエクストルジョンラミネート、ドライラミネート、ノンソルベントラミネートが代表的であり、更にウエットラミネート法、サーマルラミネート法、ホットメルトラミネート法なども挙げられる。
上記接着剤層は、アンカーコート剤、ウレタン系ラミネート接着剤、溶融樹脂等からなる層が挙げられ、これらを組み合わせて使用しても良い。
エクストルジョンラミネートではアンカーコート剤(AC剤)を用いることが好ましく、該AC剤としてはイミン系AC剤、イソシアネート系AC剤、ポリブタジエン系AC剤、およびチタン系AC剤が挙げられる。溶融樹脂はポリエチレンが代表的であり、280〜360℃で溶融するものを適宜利用可能である。
ウレタン系ラミネート接着剤としては例えば、ポリエーテルウレタン系ラミネート接着剤、ポリエステルウレタン系ラミネート接着剤などが挙げられ、水酸基を有する樹脂とイソシアネート基を有する樹脂の2液からなるものが挙げられる。有機溶剤を含むものがドライラミネート接着剤であり、無溶剤のものが無溶剤ラミネート接着剤である。なお、レトルトなどの工程を必要とする軟包装用途にはポリエステルウレタン系ラミネート接着剤を使用することが好ましい。
<軟包装用表刷り積層体>
本発明の軟包装用表刷り積層体(以下積層体と略記する場合がある)は、上記基材層の片面に印刷層を有するものである。
積層体の製造方法としては、は先に2つ以上の基材が積層された基材層をあらかじめ製造しておき、この基材層上に印刷層を形成する方法が好ましい。また、あらかじめ基材1に印刷層を有する印刷物を用意しておき、基材2を含む他の基材と貼り合わせ(ラミネート)ても良い。
基材のラミネート方法としては、例えば、エクストルジョンラミネートでは基材1に、アンカーコート剤を塗工した後、更にTダイと呼ばれる細いスリットから加熱溶融されたポリエチレン樹脂を薄いカーテン状に垂らしてAC層上に乗せ、更に溶融ポリエチレン上に基材2を圧着する。これらは一連の動作で行われる。製造機としては、ムサシノキカイ社製のCoエクストルジョンラミネータなどを挙げることができる。
ドライラミネートでは、基材1にウレタン系等の接着剤を塗工・乾燥し、その上にプラスチックフィルムを積層する。ラミネート接着剤は2液である場合が多いので硬化するまで一定時間が必要であり、24〜48時間程度で硬化させることが好ましい。
ノンソルベントラミネートは、ドライラミネートと工程はおよそ同様であるが、溶剤を含有しないため乾燥工程を必要としない。これらのドライラミネート、ノンソルベントラミネートの製造機としてはムサシノキカイ社製のドライラミネータなどを挙げることができる。その他のラミネート法に関しては随時公知の方法で製造可能である。
<軟包装袋>
上記で製造可能である積層体は適宜食品パッケージの大きさにカット(スリット工程と呼ばれる)される。カットされた積層体は袋状に合わせられて、縁部分を熱で圧着(ヒートシール工程と呼ばれる)して軟包装袋となる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、あくまで発明実施態様の一例であり、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における部および%は、特に注釈の無い場合、重量部および重量%を表わす。
(水酸基価)
JIS K0070に従って求めた。
(アミン価)
JIS K1557−7:2011に従って求めた。
(重量平均分子量)
重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置(東ソー株式会社製HLC−8220)を用いて分子量分布を測定し、ポリスチレンを標準物質に用いた換算分子量として求めた。下記に測定条件を示す。
カラム:下記カラムを直列に連結して使用した。
東ソー株式会社製 TSKgel SuperAW2500
東ソー株式会社製 TSKgel SuperAW3000
東ソー株式会社製 TSKgel SuperAW4000
東ソー株式会社製 TSKgel guardcolumn SuperAWH
検出器:RI(示差屈折計)
測定条件:カラム温度40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
(基材の濡れ指数)
濡れ指数標準液を用いてJIS K 6768に記載の方法に従って求めた。
(ガラス転移温度)
動的粘弾性測定機(エー・アンド・デイ社製 DDV01−GP)により測定温度範囲−70〜250℃で測定して求めた。
(融点)
示差走査熱量測定(DSC法)により、昇温速度10℃/分 測定温度範囲25〜180℃にて測定して求めた。なお測定機は 島津社製DSC−60Plusを使用した。
[基材層の作製](構成:基材1/接着剤層/基材2)
下記OPP、PETおよびアルミナ蒸着PETに、ポリエステルウレタン系ラミネート接着剤(東洋モートン社製 TM250HV/CAT−RT86L−60)を固形分20%の酢酸エチル溶液とし、乾燥後の接着剤層が2.0g/mとなるように塗工・乾燥した後、該接着剤層に基材2に対応するCPPを貼り合わせてドライラミネート加工を行って基材層J(OPP)、K(PET)、L(アルミナ蒸着PET)をそれぞれ得た。基材層の表面と裏面の濡れ指数の差は、J(5dyn/cm)、K(15dyn/cm)、L(27dyn/cm)である。
<基材1>
・OPP:東洋紡社製 二軸延伸ポリプロピレン基材
製品名P2261 膜厚20μm 上述の表面の濡れ指数38dyn/cm
・PET:ユニチカ社製 二軸延伸ポリエステル基材
製品名PTM 膜厚12μm 上述の表面の濡れ指数48dyn/cm
・アルミナ蒸着PET:三井化学東セロ社製 アルミナ蒸着二軸延伸ポリエステル基材
製品名TL−PETHS 上述の表面の濡れ指数60dyn/cm
<基材2>
・CPP:東レ社製 未延伸ポリプロピレン基材
製品名9405S 膜厚60μm 上述の裏面の濡れ指数33dyn/cm
(合成例1)[ポリウレタン樹脂PU1]
ネオペンチルグリコールとアジピン酸の縮合物である数平均分子量1000のポリエステルポリオール80部、数平均分子量1000のポリプロピレングリコール20部、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート24.9部、および酢酸エチル208部を窒素気流下に80℃で4時間反応させた。更に温度を40℃として酢酸エチル:イソプロパノール(IPA)1:1の混合溶剤208部を加えて固形分を30%に調整し、ポリウレタン樹脂溶液PU1を得た。PU1は、アミン価0.0mgKOH/g、水酸基価4.5mgKOH/g、重量平均分子量38000、ガラス転移温度−15℃であった。
(合成例2)[ポリウレタン樹脂PU2]
のメチルペンタンジオールとアジピン酸の縮合物である数平均分子量1000ポリエステルポリオール90部、数平均分子量1000のポリプロピレングリコール10部、イソホロンジイソシアネート46.7部、および酢酸エチル36.7部を窒素気流下に80℃で4時間反応させ、この反応液を40℃に冷却した。次いでイソホロンジアミン13.7部、2‐(2‐アミノエチルアミノ)エタノール5.0部および酢酸エチル:イソプロパノール1:1の混合溶剤328.4部からなる混合液に対して、前記反応液を40℃で徐々に添加し、次に80℃で1時間反応させてポリウレタン樹脂溶液PU2を得た。PU2は固形分30%、アミン価5.5mgKOH/g、水酸基価16.3mgKOH/g、重量平均分子量55000、ガラス転移温度−30℃であった。
(製造例1)[グラビアインキS1の製造]
以下の配合組成にて混合してサンドミルにて20分間、混練・分散してグラビアインキS1を得た。
・ポリウレタン樹脂溶液PU2(固形分30%):36部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂溶液(ソルバインTA3 固形分30%):4部
表中には「塩酢ビ樹脂溶液」と略記した。
・酸化チタン(石原産業社製 CR−80 ルチル型結晶構造 シリカおよびアルミナによる表面処理、平均粒子径0.25μm、吸油量20(ml/100g))30部
・ワックス粒子1(ポリエチレン(ワックス)粒子 針入度13 融点110℃):0.2部
・混合溶剤 (酢酸プロピル/IPA=70/30)29.8部
(製造例2〜15)[グラビアインキS2〜S15の製造]
以下に示す原料を用いる以外は製造例1と同様の方法でグラビアインキS2〜S15を製造した。インキ配合組成に関して表1に示した。なお表1中の原料の略称は以下を示す。
・S−2800:花王社製 ポリアミド樹脂 軟化点115℃ 重量平均分子量3500
(固形分30% IPA/トルエン=30/70溶液)
・ソルバインTA3:日信化学社製 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 塩化ビニル構造/酢酸ビニル構造/ヒドロキシアクリル構造=83/4/13 (固形分30%の酢酸エチル溶液)
・DLX5−8:ICI Novel enterprises社製 ニトロセルロース 窒素分12.0%(固形分30%イソプロパノール溶液)
・FG7400G:トーヨーカラー社製 ピグメントブルー15:4 フタロシアニン系顔料
・ワックス粒子2:ポリエチレン(ワックス)粒子 針入度7 融点109℃
・ワックス粒子3:フィッシャートロプシュ(ワックス)粒子 針入度2 融点102℃
・ワックス粒子4:パラフィン(ワックス)粒子 針入度17 融点53℃
(比較製造例1〜7)[グラビアインキT1〜T7の作成]
表2に示す原料および配合組成にて、上記製造例1〜15に記載の方法と同様の方法にてグラビアインキT1〜T7を得た。
・オレイン酸アミド:脂肪酸アミド 融点70℃
・ワックス粒子5:パラフィン(ワックス)粒子 針入度30 融点47℃
(実施例1)
<軟包装用表刷り積層体の形成>(基材層J、K、Lへのグラビア印刷)
上記で得られた、グラビアインキS1を、混合溶剤(メチルエチルケトン:Nプロピルアセテート:イソプロパノール=40:40:20)により、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈し、腐蝕175線ベタ版(版式コンプレスト、100%ベタ柄)により、上記基材層J、KおよびLの表面に印刷速度100m/分で印刷し、軟包装用表刷り積層体J1、K1、L1をそれぞれ得た。なお印刷条件は、温度25℃、湿度60%にて行った。
(実施例2〜15)
表1に記載のインキを実施例1と同様の方法にて軟包装用表刷り積層体J2〜J15、K2〜K15およびL2〜L15をそれぞれ得た。
(比較例1〜7)
表2に記載のインキを実施例1と同様の方法にて軟包装用表刷り積層体JJ1〜JJ7、KK1〜KK7およびLL1〜LL7をそれぞれ得た。
<評価>
実施例および比較例の積層体にて、以下の評価を行った。表3および表4に結果を示した。
<耐ブロッキング性>
軟包装用表刷り積層体J1〜J15、K1〜K15およびL1〜L15ならびにJJ1〜JJ7、KK1〜KK7およびLL1〜LL7について、以下の条件にて耐ブロッキング性の評価を行った。
(試料および圧力)
各種軟包装用表刷り積層体の印刷層と前述したCPPの裏面を重ねて6kg/cmの圧力をかけた。
(静置条件)40℃−80%RH 48時間
(評価方法)重ねた積層体どうしを引き剥がし、印刷面からのインキ被膜の剥離具合を目視で判定。
判定基準
5.印刷層が全く剥離せず、剥離抵抗の小さいもの(良好)
4.印刷層の剥離面積が1%以上5%未満であり、剥離抵抗の小さいもの(実用可)
3.印刷層の剥離面積が5%以上20%未満のもの(やや不良)
2.印刷層の剥離面積が20%以上50%未満のもの(不良)
1.印刷層が50%以上剥離するもの(極めて不良)
なお、5、4は実用上問題がない範囲である。
<耐スクラッチ性>
軟包装用表刷り積層体J1〜J15、K1〜K15およびL1〜L15ならびにJJ1〜JJ7、KK1〜KK7およびLL1〜LL7について、印刷層表面を爪で3回擦り、印刷層の傷つき度合を評価した。
判定基準
5.印刷層の傷つきなし(良好)
4.印刷層の傷はつかないが僅かに爪の跡が残る。(実用可)
3.印刷層の傷がつき、印刷層表面が僅かに抉れる。(やや不良)
2.印刷層の傷がつき、基材が僅かに見える。(不良)
1.印刷層の傷がつき、基材がはっきり見える。(極めて不良)
なお、5、4は実用上問題がない範囲である。
<耐摩擦性>
軟包装用表刷り積層体K1〜K15およびKK1〜KK7について、20mm×250mmに切断して試験片とし、学振型耐摩擦試験機((株)大宋科学精器製作所製)を使用して、印刷層の耐摩擦性を下記条件で評価した。
荷重:200g(カナキン3号) 摩擦回数:40回往復 温度:25℃
判定基準
5.印刷層の剥がれなし(良好)
4.印刷層の剥がれ面積が10%未満(実用可)
3.印刷層の剥がれ面積が10%以上30%未満(やや不良)
2.印刷層の剥がれ面積が30%以上50%未満(不良)
1.全面剥がれ(極めて不良)
なお、5、4は実用上問題がない範囲である。
Figure 0006962082
Figure 0006962082
Figure 0006962082
Figure 0006962082
(比較例8)
[基材層の作製](構成:基材1/接着剤層/基材2)
下記OPPに、ポリエステルウレタン系ラミネート接着剤(東洋モートン社製 TM250HV/CAT−RT86L−60)を固形分20%の酢酸エチル溶液とし、乾燥後の接着剤層が2.0g/mとなるように塗工・乾燥した後、該接着剤層に基材2に対応するCPPを貼り合わせてドライラミネート加工を行って基材層M(OPP)を得た。
<基材1>
・OPP:フタムラ化学社製 二軸延伸ポリプロピレン基材
製品名FOA 膜厚20μm 上述の表面の濡れ指数28dyn/cm
<基材2>
・CPP:東レ社製 未延伸ポリプロピレン基材
製品名9405S 膜厚60μm 上述の裏面の濡れ指数33dyn/cm
実施例1において作成したグラビアインキS4を実施例16と同様の方法にて上記基材層Mの表面に印刷し軟包装用表刷り積層体M1を得た。得られた積層体についての上述した性能評価は、耐ブロッキング性:2、耐スクラッチ性:3、耐摩擦性:3であった。
本発明により、軟包装用表刷り積層体の製造工程で該積層体の巻取り時に過度な巻取圧がかかってもブロッキングしない軟包装用表刷り積層体を、また包装袋とした場合に、包装袋同士の擦れによる絵柄の外観不良が改善される軟包装用表刷り積層体を提供することが可能となった。
1・・・印刷層
2・・・基材1
3・・・接着剤層
4・・・基材2

Claims (6)

  1. 基材層と、前記基材層の片面に積層された印刷層とを有する軟包装用表刷り積層体であって、
    前記印刷層は、バインダー樹脂および融点が50℃以上の炭化水素系ワックスを含有し、前記バインダー樹脂が、ポリウレタン樹脂またはポリアミド樹脂と、セルロース系樹脂および/または塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂と、を30/70〜95/5の質量比で含有し、
    前記基材層は、前記印刷層と接する面を構成する基材1と、前記印刷層と接触しない裏面を構成する基材2とを含んでなり、
    基材層の、印刷層と接する面の濡れ指数が、印刷層と接しない裏面の濡れ指数よりも大きく、各濡れ指数の差が3dyn/cm以上である、軟包装用表刷り積層体。
  2. バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂および/またはポリアミド樹脂を、バインダー樹脂総質量中に合計で30質量%以上含有することを特徴とする、請求項1に記載の軟包装用表刷り積層体。
  3. 炭化水素系ワックスの針入度が、0.1〜15である、請求項1または2に記載の軟包装用表刷り積層体。
  4. 炭化水素系ワックスが、ポリエチレンワックスを含有することを特徴とする、請求項1〜いずれかに記載の軟包装用表刷り積層体。
  5. 基材層が、基材1、接着剤層および基材2を順次有し、印刷層と接する面の濡れ指数が、30〜60dyn/cmである、請求項1〜いずれかに記載の軟包装用表刷り積層体。
  6. 請求項1〜いずれかに記載の軟包装用表刷り積層体からなる軟包装袋。
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