JP6961305B2 - 船舶推進装置 - Google Patents

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Description

この発明は、スケグ部を備える船舶推進装置に関する。
従来、スケグ部を備える船舶推進装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、スケグ部を備える船外機(船舶推進装置)が開示されている。この船舶推進装置には、プロペラ翼と、プロペラ軸と、プロペラ軸を収納する下部ケーシングと、下部ケーシングから下方に延びるように配置されているスケグとが設けられている。このスケグは、左側面が凸面形状を有するように形成されており、右側面が凹面形状を有するように形成されている。これにより、この船外機では、スケグの周囲を水が後方に向かって流れる時に、左側面に負圧が生じて、スケグに対して左方向に荷重が発生する。そして、この船舶推進装置は、左方向に発生する荷重により、プロペラ翼が回転されることにより、スケグに対して右方向に生じる反力(舵取りトルク、カウンタートルク)が打ち消されるように構成されている。
特開2016−203803号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された船外機では、スケグの左側面が凸面形状を有し、スケグの右側面が凹面形状を有するため、スケグの周囲を水が後方に向かって流れる時(航走推進中の常時)、スケグに荷重が加わる。そこで、スケグに荷重が加わった状態でもスケグの機械的強度を確保するために、スケグの厚みを増大させることが考えられる。しかしながら、スケグ(スケグ部)の厚みを増大させた場合、船外機(船舶推進装置)の推進力に対する水の抵抗力が増大することにより、船舶の最高速度が低下する。したがって、従来の船外機(船舶推進装置)では、スケグ部の厚みが増大するのを抑制しながら、スケグ部の機械的強度を確保することが困難であるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、スケグ部の厚みが増大するのを抑制しながら、スケグ部の機械的強度を確保することが可能な船舶推進装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明の一の局面による船舶推進装置は、プロペラシャフトの回転軸線回りに回転するプロペラと、プロペラシャフトが内部に配置されたケース部と、ケース部から下方に延びるとともに、水平方向に沿った断面がプロペラシャフトに平行な方向に沿った中心線に対して非対称の翼形状を有する部分を含むスケグ部とを備え、スケグ部には、スケグ部を構成する母材よりも機械的強度が大きい補強部が設けられており、補強部は、スケグ部のうちの非対称の翼形状を有する部分に部分的に設けられている
この一の局面による船舶推進装置では、上記のように、スケグ部に、スケグ部を構成する母材よりも機械的強度が大きい補強部を設ける。これにより、スケグ部の厚みを増大させることなく、スケグ部の機械的強度を大きくすることができるので、スケグ部の厚みが増大するのを抑制しながら、スケグ部の機械的強度を確保することができる。その結果、船舶の最高速度が低下するのを抑制しながら、スケグ部の機械的強度を確保することができる。
上記一の局面による船舶推進装置において、好ましくは、非対称の翼形状を有する部分は、中心線に向かって窪む窪み部を含み、補強部は、窪み部に設けられている。このように構成すれば、容易にスケグ部の厚みを増大させることなく、補強部によりスケグ部の機械的強度を大きくすることができる。また、非対称の翼形状の有する部分のうちの窪み部(正圧側)には、荷重(引っ張り応力)が加わるため、他の部分よりも大きな機械的強度が必要になる。これに対して、本発明では、荷重が加わる窪み部に補強部を設けることにより、比較的大きな機械的強度が必要な部分をより効果的に補強することができる。
上記補強部が窪み部に設けられている船舶推進装置において、好ましくは、スケグ部は、前方部分が、中心線に対して略線対称に形成されているとともに、後方部分に、補強部が設けられた非対称の翼形状を有する部分が設けられている。このように構成すれば、スケグ部のうちの荷重が加わる非対称の翼形状を有する部分を、補強部により補強することができる。なお、本願明細書では、「前方」とは、船舶が前進する方向を意味する。また、「前後方向」とは、船舶推進装置のプロペラが回転することによって生じる推進力の方向に沿った方向であるとともに、実際の船舶の前後進方向に限らず、プロペラシャフトに沿った方向をも含む広い概念を意味するものとして記載している。
上記後方部分に補強部を有する船舶推進装置において、好ましくは、補強部は、後方部分の少なくとも後端部に設けられているとともに、後端部の近傍において、鉛直方向に延びるように形成されている。ここで、スケグ部の後端部の近傍は、スケグ部が非対称の翼形状を有することにより生じる荷重によって、他の部分に比べ応力(引っ張り応力)が大きくなるため、他の部分に比べて、大きな機械的強度が必要になる。これに対して、本発明では、補強部を少なくとも後端部に設けるとともに、補強部を、後端部の近傍において鉛直方向に延びるように形成することにより、比較的大きな機械的強度を必要とする後端部を効果的に補強することができる。
上記一の局面による船舶推進装置において、好ましくは、母材には、スケグ部の側面から、プロペラシャフトに平行な方向に沿った中心線に向かって窪む補強部配置部が設けられており、補強部は、母材の補強部配置部に配置されている。このように構成すれば、補強部が窪む補強部配置部に配置されるので、容易にスケグ部の厚みを増大させることなく、補強部によりスケグ部の機械的強度を大きくすることができる。
上記一の局面による船舶推進装置において、好ましくは、補強部は、スケグ部の側面に沿った板状に形成されている、このように構成すれば、予め板状に成形された補強部をスケグ部(母材)に取り付けることができるので、スケグ部(母材)上で補強部を成形する場合に比べて、容易に補強部を母材に取り付ける(配置)することができる。
上記一の局面による船舶推進装置において、好ましくは、補強部は、スケグ部の側面から、スケグ部の後端面に渡って設けられている。このように構成すれば、側面と後端面とを別個の補強部により構成する場合と異なり、船舶推進装置の部品点数が増加するのを抑制することができる。
上記一の局面による船舶推進装置において、好ましくは、スケグ部は、前後方向および鉛直方向に沿って広がるとともに、厚みが鉛直方向において変化する平板状に形成されており、補強部と母材との鉛直方向上方の境界部におけるスケグ部の厚みは、スケグ部の鉛直方向の中央部の厚みよりも大きい。ここで、補強部と母材との境界部(接続部分)は、補強部本体または母材本体の機械的強度(引っ張り強度)よりも機械的強度が小さくなる場合がある。これに対して、本発明では、境界部におけるスケグ部の厚みをスケグ部の鉛直方向の中央部の厚みよりも大きくすることにより、補強部と母材との境界部(接続部分)を、比較的厚みが大きく機械的強度が大きい部分に設けることができる。その結果、鉛直方向上方の境界部におけるスケグ部の機械的強度を確保することができる。
上記一の局面による船舶推進装置において、好ましくは、補強部は、接着材により母材に接着されている。このように構成すれば、溶接により補強部と母材とを接合する場合と異なり、溶接に起因するスケグ部の形状変化および歪みが生じないので、スケグ部の形状変化および歪みを抑制しながら、補強部を母材に配置する(取り付ける)ことができる。
上記一の局面による船舶推進装置において、好ましくは、補強部の引っ張り強度は、母材の引っ張り強度よりも大きい。ここで、スケグ部の左方向または右方向のいずれか一方向に荷重が加わった場合、スケグ部の他方向の側面には引っ張り応力が生じる。これに対して、本発明では、補強部の引っ張り強度を母材の引っ張り強度よりも大きくすることにより、スケグ部の引っ張り強度を大きくすることができるので、スケグ部に荷重か生じることにより引っ張り応力が生じる場合でも、補強部によりスケグ部の引っ張り強度を確保することができる。なお、本願明細書では、「引っ張り強度」とは、引っ張り応力(断面の単位面積にかかる引っ張り力)に抗する機械的強度であり、たとえば、引っ張り応力の測定試験中に加わった最大引っ張り応力の大きさに対応する強度(力)である。
この場合、好ましくは、補強部は、繊維材料を含む。このように構成すれば、繊維材料は、繊維が延びる方向に沿って引っ張り強度を容易に大きく構成することができるので、容易に母材よりも引っ張り強度が大きい補強部を構成することができる。
上記補強部が繊維材料を含む船舶推進装置において、好ましくは、繊維材料は、炭素繊維、または、ガラス繊維のうちの少なくとも一方を含む。このように構成すれば、炭素繊維およびガラス繊維は、母材となる材料(たとえば、アルミニウム)よりも、引っ張り強度を容易に大きく構成することができるので、補強部に炭素繊維またはガラス繊維を含めることにより、より一層容易に補強部を構成することができる。また、補強部に炭素繊維を含める場合には、炭素繊維は金属材料(たとえば、アルミニウム)に比べて軽量であるので、スケグ部の機械的強度(引っ張り強度)を向上させるとともに、軽量化することができる。
上記補強部が繊維材料を含む船舶推進装置において、好ましくは、補強部は、繊維材料の繊維方向が水平方向に交差する方向に沿うように形成されている。ここで、スケグ部の左右方向に荷重が生じる場合には、スケグ部の左右方向の一方側の側面が水平方向に交差する方向(たとえば、略鉛直方向)に伸びるように引っ張り応力が生じる。これに対して、本発明では、繊維材料のうち比較的引っ張り強度が大きい方向である繊維方向が、水平方向に交差する方向に沿うように、補強部が形成されるので、補強部によりスケグ部の引っ張り応力に対する引っ張り強度を効果的に補強することができる。
上記一の局面による船舶推進装置において、好ましくは、母材は、アルミニウムを含み、補強部は、ステンレス鋼、または、チタンのうちの少なくとも1つの材料を含む。このように構成すれば、アルミニウムよりも機械的強度が大きいステンレス鋼またはチタンのうちの少なくとも1つの材料が補強部に含まれるので、スケグ部の機械的強度を、ステンレス鋼またはチタンの少なくとも1つの材料を含む補強部により容易に補強することができる。
上記一の局面による船舶推進装置において、好ましくは、スケグ部は、前後方向および鉛直方向に沿って広がるとともに、厚みが前後方向において変化する平板状に形成されており、補強部と母材との前方の境界部が、スケグ部の厚みが最も小さい位置とは異なる位置に設けられている。このように構成すれば、スケグ部の厚みが最も小さいことにより水圧が最も小さく、比較的キャビテーションが生じやすい部分以外の部分に、境界部を形成することができるので、キャビテーションが生じるのを効果的に抑制することができる。
本発明によれば、上記のように、スケグ部の厚みが増大するのを抑制しながら、スケグ部の機械的強度を確保することができる。
本発明の第1実施形態による船舶推進装置全体の構成を示した側面図である。 本発明の第1実施形態によるプロペラの構成を模式的に示した後面図である。 本発明の第1実施形態によるスケグ部の構成を模式的に示した正面図である。 本発明の第1実施形態によるスケグ部の構成を模式的に示した側面図である。 図4の400−400線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態によるスケグ部の後方部分の構成を示した断面図である。 本発明の第1実施形態による繊維材料の繊維方向を模式的に示した図である。 本発明の第1実施形態によるスケグ部の引っ張り応力の測定を説明するための図である。 本発明の第2実施形態による船舶推進装置(スケグ部)の構成を示す側面図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(船舶推進装置の全体構成)
図1〜図7を参照して、本発明の第1実施形態による船舶推進装置100の構成について説明する。
図1に示すように、船舶推進装置100は、たとえば、船体101のBWD方向の部分(後部)に取り付けられている船外機として構成されている。そして、船舶推進装置100と船体101とにより船舶が構成されている。
なお、下記の説明において、「前方(前部)」と記載した場合は、船舶の航走前進方向(図中の「FWD」の方向)を意味し、「後方(後部)」と記載した場合は、図中の「BWD」の方向を意味する。また、「前後方向」と記載した場合は、船舶(船舶推進装置100)の前後方向を意味し、たとえば、後述するプロペラシャフト3に平行な方向を意味する。また、鉛直方向とは、船舶推進装置100のトリム・チルト方向であり、「上方向」を「矢印Z1方向」とし、「下方向」を「矢印Z2方向」とする。また、「左右方向」とは、鉛直方向に直交する方向で、かつ、前後方向に直交する方向を意味し、図中の「左方向」を「矢印X1方向」とし、「右方向」を「矢印X2方向」とする。また、「水平方向」とは、鉛直方向に直交する水平面に沿った方向であり、操舵方向である。
船舶推進装置100は、エンジン1と、エンジン1に接続されたドライブシャフト2と、プロペラシャフト3と、ドライブシャフト2とプロペラシャフト3とに接続されるギア部4と、プロペラシャフト3の回転軸線C1回りに回転するプロペラ5とを備える。また、船舶推進装置100は、ブラケット6と、カウリング7と、ケース部8と、スケグ部9とを備える。
船舶推進装置100は、ブラケット6により船体101に固定されている。エンジン1は、カウリング7の内部に配置されている。ドライブシャフト2とプロペラシャフト3とギア部4とは、ケース部8の内部に配置されている。プロペラ5は、ケース部8により、ケース部8の後方において支持されている。スケグ部9は、ケース部8から下方に突出するように設けられている。
エンジン1は、ガソリンや軽油などの爆発燃焼により駆動される内燃機関、または、電力により駆動される電動機により構成されている。ドライブシャフト2は、ケース部8の内部において、略鉛直方向に延びるように形成されている。そして、ドライブシャフト2は、エンジン1の運動を回転運動として、ギア部4に伝達するように構成されている。プロペラシャフト3は、ケース部8の内部において、前後方向に延びるように形成されている。ギア部4は、鉛直方向に延びるドライブシャフト2からの回転運動を、前後方向に延びるプロペラシャフト3に伝達するように構成されている。
(プロペラの構成)
プロペラ5には、図2に示すように、後方から見て、複数枚(たとえば、3枚)のプロペラ翼51が設けられている。そして、複数のプロペラ翼51は、プロペラシャフト3を中心として等角度間隔に配置されている。そして、複数のプロペラ翼51は、プロペラシャフト3に接続されており、プロペラ翼51は、プロペラシャフト3が回転することにより、プロペラシャフト3の回転軸線C1を回転中心として矢印R1方向に回転するように構成されている。
プロペラ翼51は、図1に示すように、プロペラシャフト3の下方に位置する状態において、前方部分が左方向に、後方部分が右方向に傾斜するように配置されている。そして、図2に示すように、プロペラ翼51が矢印R1方向に回転されることにより、船舶推進装置100は、プロペラ翼51の周囲の水をBWD方向に押し出して、船舶推進装置100および船体101がFWD方向に推進するための推進力を生じさせるように構成されている。
ここで、複数のプロペラ翼51が矢印R1方向に回転する際に、プロペラ5の周囲の水はBWD方向に押圧されるとともに矢印R1方向に押圧される。これにより、たとえば、プロペラシャフト3の下方において、プロペラ翼51は、矢印X1方向に水を押圧する押圧力F1を生じさせ、押圧力F1の反力F2(カウンタートルク、舵取りトルク)が矢印X2方向に生じる。また、反力F2は、図3に示すように、プロペラ5を支持するケース部8およびスケグ部9(船舶推進装置100)に伝達される。
(ケース部の構成)
ケース部8は、図1に示すように、カウリング7の下方に接続され、ドライブシャフト2の上方部分が配置されている上部ケース部8aと、上部ケース部8aの下方に接続され、ドライブシャフト2の下部、ギア部4、および、プロペラシャフト3が配置された下部ケース部8bとを含む。また、下部ケース部8bは、水中に配置され、プロペラ5を支持している。ケース部8は、金属材料により構成されている。たとえば、ケース部8は、アルミニウムまたはアルミニウム合金によりアルミダイキャストとして(アルミ鋳造成形されて)構成されている。
(スケグ部の構成)
スケグ部9(フィン)は、第1実施形態では、図1に示すように、ケース部8の下部ケース部8bから下方に突出するように設けられている。具体的には、スケグ部9は、プロペラシャフト3よりも下方に位置するプロペラ翼51の前方に設けられている。そして、右方向から見て、スケグ部9は、下部(下端部9a)が短辺、および、上部が長辺となる略台形形状を有する。
詳細には、スケグ部9は、下部ケース部8bに連続して形成されている。たとえば、スケグ部9の母材10は、下部ケース部8bと一体的に、アルミダイキャストとして形成(鋳造成形)されている。また、第1実施形態では、図3および図4に示すように、スケグ部9は、前後方向および鉛直方向に沿った平面に広がる平板状に形成されており、船舶の操舵性を向上させる機能を有する。
〈非対称の翼形状について〉
図3に示すように、スケグ部9は、プロペラ5のプロペラ翼51が回転することにより生じる力である反力F2の少なくとも一部を打ち消す力F3を生じる形状を有する。具体的には、図5に示すように、スケグ部9は、水平方向に沿った断面(図5のハッチング部分)が、プロペラシャフト3に平行な方向に沿った中心線C2に対して非対称の翼形状を有することにより、反力F2を打ち消す力F3が生じるように構成されている。すなわち、スケグ部9は、非対称の翼形状を有することにより、スケグ部9の左右方向において、前方から後方に流れる水による正圧と負圧との圧力差を生じさせて、反力F2に抗する力F3を生じるように構成されている。
詳細には、スケグ部9には、中心線C2に対して略線対称に形成されているとともに、FWD方向の部分である前方部分20と、BWD方向の部分であるとともに、非対称の翼形状を有する部分である後方部分30とが設けられている。ここで、スケグ部9の中心線C2は、プロペラシャフト3が延びる方向に略平行な方向である。たとえば、スケグ部9の前後後方の中心線C3よりも前方の部分が、前方部分20であり、中心線C3よりも後方の部分が、後方部分30である。なお、後方部分30は、特許請求の範囲の「非対称の翼形状を有する部分」の一例である。
前方部分20は、母材10に塗装剤等が塗布されることにより構成されている。そして、前方部分20の前方左側面21および前方右側面22とは、弧状を有するととともに、中心線C2に対して略線対称に形成されている。スケグ部9の前方部分20は、先細り形状を有し、スケグ部9のFWD方向の先端部20aに向かって厚みtがt1から0まで徐々に小さくなるように構成されている。なお、スケグ部9の前方部分20における厚みtとは、前方左側面21から前方右側面22までの長さである。また、スケグ部9の後方部分30における厚みtとは、後述する後方左側面31から後方右側面32までの長さである。
後方部分30は、図6に示すように、後端面30aが、中心線C2に対して右方向(矢印X2方向)に傾く(寄った)、非対称の形状を有する。言い換えると、後方部分30は、中心線C2に交差するように延びている。具体的には、後方部分30の後端面30aにおいて、後方左側面31の中心線C2からの距離D1は、後方部分30の後方右側面32の中心線C2からの距離D2よりも小さい。また、後方部分30の最も厚みが小さい位置P1において、後方左側面31の中心線C2からの距離D11は、後方部分30の後方右側面32の中心線C2からの距離D12よりも大きい。また、後端面30aは、左右方向に長さL11を有する。長さL11は、後述する厚みt11およびt12の大きさよりも大きい。なお、後端面30aは、特許請求の範囲の「後方部分の後端部」の一例である。
また、後方左側面31および後方右側面32は、それぞれ、弧状を有する。図5に示すように、後方部分30の後方左側面31は、前方部分20の前方左側面21に連続して形成されている。また、後方部分30の後方右側面32は、前方部分20の前方右側面22に連続して形成されている。
図6に示すように、第1実施形態では、後方部分30には、後方右側面32に設けられ、中心線C2に向かって窪む窪み部32aと、後方左側面31に設けられ、中心線C2から遠ざかる方向に凸形状を有する凸部31aとが形成されている。これにより、スケグ部9の後方右側面32に沿って流れる水による圧力(正圧)と、スケグ部9の後方左側面31に沿って流れる水による圧力(負圧)との圧力差により左方向に力F3が生じる。そして、力F3と、右方向に加わる反力F2の少なくとも一部とが、互いに打ち消し合うことにより、船舶推進装置100におけるプロペラ5に起因する舵取りトルクが低減される。
そして、スケグ部9では、力F3が生じることにより、後方右側面32の鉛直方向に引っ張り応力が生じる。なお、後述するように、後方右側面32の鉛直方向中央部32bにおいて、引っ張り応力が最も大きくなる。また、鉛直方向中央部32b(図3および図8参照)とは、スケグ部9を鉛直方向の中心を含む部分であり、たとえば、後述する図8における上部から4番目(後述するNo.4の位置)および5番目(後述するNo.5の位置)に対応する位置である。
〈補強部の構成〉
図6に示すように、第1実施形態では、スケグ部9には、スケグ部9を構成する母材10よりも機械的強度が大きい補強部材40が設けられている。なお、補強部材40は、特許請求の範囲の「補強部」の一例である。
具体的には、スケグ部9では、補強部材40の機械的強度としての引っ張り強度が、母材10の引っ張り強度よりも大きく構成されている。すなわち、補強部材40の引っ張り強度は、母材10のアルミニウム(またはアルミニウム合金)の引っ張り強度よりも大きい。本願明細書では、「引っ張り強度」とは、引っ張り応力(断面の単位面積にかかる引っ張り力)に抗するための機械的強度であり、たとえば、後述する引っ張り応力の測定試験中、加わった最大引っ張り応力の大きさに対応する力(強度)である。
補強部材40は、図7に示すように、第1実施形態では、繊維材料を含む。好ましくは、補強部材40は、炭素繊維、または、ガラス繊維のうちの少なくとも一方を含む、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)からなる。より好ましくは、補強部材40は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)またはガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)を含む。たとえば、補強部材40は、母材10の引っ張り強度よりも大きい引っ張り強度を有する炭素繊維強化プラスチックにより形成されている。また、補強部材40が、炭素繊維強化プラスチックにより構成されている場合、補強部材40の比強度は、母材10の比強度よりも大きい。
第1実施形態では、補強部材40は、スケグ部9の前後方向に交差する方向(右方向)の側面である後方右側面32に沿った板状に形成されている。たとえば、補強部材40は、複数枚のシート状の炭素繊維強化プラスチックが左右方向(厚み方向)に積層されることにより、板状に成形されている。
図7(a)に示すように、第1実施形態では、補強部材40は、繊維材料(炭素繊維)の繊維方向が水平方向に交差する方向に沿うように形成されている。好ましくは、補強部材40は、繊維方向が略鉛直方向(Z方向)に沿うように形成されている。たとえば、図7(b)に示すように、補強部材40の後方右側面32の表面部分40b(または外表面を構成するシート)では、繊維方向が鉛直方向に沿った繊維材料と、繊維方向が前後方向に沿った繊維材料とが組み合わされることにより形成されている。そして、補強部材40の表面部分40bよりも内部40aの繊維方向は、鉛直方向に沿った繊維材料(図7(a))のみにより形成されている。なお、図7では、補強部材40の繊維を説明のために、模式的に記載しており、繊維の本数および編み方等は、図示に限られない。
ここで、第1実施形態では、図6に示すように、補強部材40は、スケグ部9のうちの中心線C2よりも力F3に抗する方向(矢印X2方向)の部分である右部分に設けられている。詳細には、補強部材40は、スケグ部9において、後方部分30の窪み部32aに設けられている。
詳細には、下方から見て、補強部材40は、水平方向の断面形状がL字状に形成されている。すなわち、補強部材40は、後方右側面32から略一定の厚みt11を有し、略前後方向に延びる部分と、後端面30aから厚みt12を有し、略左右方向に延びる部分とが連続するように形成されている。
また、第1実施形態では、母材10には、スケグ部9の後方右側面32から中心線C2に向かって窪む凹部11が設けられている。具体的には、凹部11は、L字状の補強部材40の形状に沿って窪むように形成されている。そして、補強部材40は、母材10の凹部11に嵌った状態で配置されている。なお、凹部11は、特許請求の範囲の「補強部配置部」の一例である。
後方部分30における母材10の厚みt21は、補強部材40の厚みt11よりも大きい。また、補強部材40の厚みt11は、スケグ部9の後方部分30の最小厚みt2よりも小さく、たとえば、2分の1以下である。これにより、厚みt11を、厚みt2の2分の1よりも大きくする場合に比べて、補強部材40の材料の量が増大するのを抑制することができる。
図4に示すように、第1実施形態では、補強部材40は、後端面30aに設けられているとともに、後端面30aの近傍において、鉛直方向に延びるように形成されている。詳細には、右方向から見て、補強部材40は、略台形形状または略三角形形状に形成されている。そして、補強部材40は、スケグ部9の後方部分30において、上部から下部に渡って設けられている。
また、図6に示すように、第1実施形態では、補強部材40は、接着材60により母材10に接着されていることにより、固定されている。接着材60は、たとえば、熱硬化性樹脂により形成されている。そして、接着材60は、補強部材40と母材10との間に配置されて硬化されることにより、補強部材40と母材10とを互いに固定するように構成されている。
〈補強部材と母材との境界部の構成〉
図4に示すように、補強部材40と母材10との鉛直方向上方の境界部を上方境界部91とし、鉛直方向下方の境界部を下方境界部92とし、前方の境界部を前方境界部93とする。なお、「境界部」とは、補強部材40と母材10とが接着材60により接着されている部分、および、接着されている部分の近傍部分を意味するものとする。「近傍部分」とは、前方境界部93の場合、図6の点線丸印で示す範囲であり、たとえば、接着されている部分から、補強部材40の母材10に対する対向面の幅、または、母材10の補強部材40に対する対向面の幅の大きさの範囲である。
上方境界部91および下方境界部92は、図4に示すように、略水平方向に沿って形成されている。前方境界部93は、上部が前方に、下部が後方に傾斜する直線状に形成されている。
また、補強部材40の前後方向の最大長さL1は、母材10の前後方向の最大長さL2よりも小さい。補強部材40の前後方向の長さとは、後端面30aから前方境界部93までの長さである。また、右方向から見て、上方境界部91と前方境界部93とが接続されている部分は、弧状を有する。また、下方境界部92と前方境界部93とが接続されている部分は、弧状を有する。
そして、図3に示すように、第1実施形態では、補強部材40と母材10との上方境界部91におけるスケグ部9の厚みt3は、スケグ部9の鉛直方向中央部32bの厚みt4よりも大きい。なお、厚みt3および厚みt4は、前方からスケグ部9を見た場合の最大の厚みを意味するものとして記載している。
前方境界部93は、図6に示すように、スケグ部9の厚みtが最も小さい厚みt2となる位置P1とは異なる位置P2に設けられている。具体的には、スケグ部9の厚みtが最も小さい厚みt2となる位置P1よりも前方の厚みt5を有する位置P2に前方境界部93が設けられている。
(引っ張り応力の測定結果)
次に、図8を参照して、第1実施形態による船舶推進装置100のスケグ部9の引っ張り応力の測定結果について説明する。
まず、スケグ部9の後方右側面32の後端面30aの近傍に、後端面30aが延びる方向に沿って等間隔に、引っ張り応力測定用素子を8箇所取り付け、スケグ部9の下端部9aの近傍を左方向に押圧する荷重Fgを加えた。具体的には、スケグ部9の最も上方向の測定位置をNo.1として、No.1から下方向に順に、No.2、No.3、No.4、No.5、No.6、No.7、および、No.8の位置において引っ張り応力の測定を行った。また、後方左側面31の測定位置No.1と同じ高さ位置を、支点として荷重を加えた。ここで、第1実施形態では、少なくともNo.4およびNo.5の位置(スケグ部9の鉛直方向中央部32b)には、補強部材40が設けられており、たとえば、No.1〜No.8の全体に渡って、補強部材40により引っ張り強度が補強されている。
引っ張り応力の測定の結果、No.4およびNo.5において、引っ張り応力が最も大きくなった。詳細には、No.4およびNo.5の引っ張り応力の大きさを1とした場合、各測定位置における引っ張り応力は、No.1では、0.84、No.2では、0.93、No.3では、0.95、No.6では、0.94、No.7では、0.94、No.8では、0.79となった。
したがって、上記の引っ張り応力の測定の結果、スケグ部9のうちの鉛直方向中央部32bの引っ張り応力が最も大きくなり、第1実施形態による船舶推進装置100では、補強部材40によりスケグ部9における引っ張り応力が最も大きくなる部分(鉛直方向中央部32b)が補強されることが判明した。
[第1実施形態の効果]
上記第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、スケグ部9に、スケグ部9を構成する母材10よりも機械的強度が大きい補強部材40を設ける。これにより、スケグ部9の厚みtを増大させることなく、スケグ部9の機械的強度を大きくすることができるので、スケグ部9の厚みtが増大するのを抑制しながら、スケグ部9の機械的強度を確保することができる。その結果、船舶(船舶推進装置100および船体101)の最高速度が低下するのを抑制しながら、スケグ部9の機械的強度を確保することができる。
また、第1実施形態では、スケグ部9に、水平方向に沿った断面がプロペラシャフト3に平行な方向に沿った中心線C2に対して非対称の翼形状を有する部分である後方部分30を設ける。そして、補強部材40を、後方部分30に設ける。これにより、後方部分30を非対称の翼形状を有する部分として構成することにより、航走中に、スケグ部9の右方向を流れる水の圧力と、左方向を流れる水の圧力との圧力差に起因して、中心線C2に交差する方向(左方向)に荷重(力F3)が加わる。この結果、圧力差に起因する荷重F3により、プロペラ翼51が回転することにより右方向に生じる力F2(舵取りトルク)を打ち消すことができるので、船舶の操縦性を向上させることができる。また、圧力差に起因する荷重(力F3)が加わる非対称の翼形状を有する部分(後方部分30)に、補強部材40が設けられるので、効果的に、スケグ部9の厚みtが増大するのを抑制しながら、スケグ部9の機械的強度を確保することができる。
また、第1実施形態では、後方部分30に、中心線C2に向かって窪む窪み部32aを設ける。そして、補強部材40を、窪み部32aに設ける。これにより、容易にスケグ部9の厚みtを増大させることなく、補強部材40によりスケグ部9の機械的強度を大きくすることができる。また、比較的大きな機械的強度が必要な部分である窪み部32aをより効果的に補強することができる。
また、第1実施形態では、前方部分20を、中心線C2に対して略線対称に形成するとともに、後方部分30に、補強部材40が設けられた非対称の翼形状を有する部分を形成する。これにより、スケグ部9のうちの荷重(力F3)が加わる非対称の翼形状を有する部分を、補強部材40により補強することができる。
また、第1実施形態では、補強部材40を、後方部分30の少なくとも後端面30aに設けるとともに、後端面30aの近傍において、鉛直方向に延びるように形成する。これにより、比較的大きな機械的強度を必要とする後端面30aを効果的に補強することができる。
また、第1実施形態では、母材10に、スケグ部9の後方右側面32から、中心線C2に向かって窪む凹部11を設ける。また、補強部材40を、母材の凹部11に設ける。これにより、凹部11に補強部材40が設けられるので、容易にスケグ部9の厚みtを増大させることなく、補強部材40によりスケグ部9の機械的強度を大きくすることができる。
また、第1実施形態では、補強部材40を、スケグ部9の後方右側面32に沿った板状に形成する。これにより、予め板状に成形された補強部材40をスケグ部9(母材10)に取り付けることができるので、スケグ部(母材)上で補強部材を成形する場合に比べて、容易に補強部材40を母材10に取り付ける(配置)することができる。
また、第1実施形態では、補強部材40を、スケグ部9の後方右側面32から、スケグ部9の後端面30aに渡って設ける。これにより、後方右側面32と後端面30aとを別個の補強部材により構成する場合と異なり、船舶推進装置100の部品点数が増加するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、スケグ部9を、前後方向および鉛直方向に沿って広がるとともに、厚みtが鉛直方向において変化する平板状に形成する。そして、補強部材40と母材10との鉛直方向上方の上方境界部91におけるスケグ部9の厚みt3を、スケグ部9の鉛直方向中央部32bの厚みt4よりも大きくする。これにより、上方境界部91を、比較的厚みが大きく機械的強度が大きい部分(厚みt3を有する部分)に設けることができる。その結果、上方境界部91におけるスケグ部9の機械的強度を確保することができる。
また、第1実施形態では、補強部材40を、接着材60により母材10に接着する。これにより、溶接により補強部材40と母材10とを接合する場合と異なり、溶接に起因するスケグ部9の形状変化および歪みが生じないので、スケグ部9の形状変化および歪みを抑制しながら、補強部材40を母材10に配置する(取り付ける)ことができる。
また、第1実施形態では、補強部材40の引っ張り強度は、母材10の引っ張り強度よりも大きい。これにより、スケグ部9の引っ張り強度を大きくすることができるので、スケグ部9に荷重(F3)か生じることにより引っ張り応力が生じる場合でも、補強部材40によりスケグ部9の引っ張り強度を確保することができる。
また、第1実施形態では、補強部材40に、繊維材料を設ける。これにより、繊維材料は、繊維が延びる方向に沿って引っ張り強度を容易に大きく構成することができるので、容易に母材10よりも引っ張り強度が大きい補強部材40を構成することができる。
また、第1実施形態では、補強部材40に設けられる繊維材料に、炭素繊維、または、ガラス繊維のうちの少なくとも一方を設ける。これにより、炭素繊維およびガラス繊維は、母材10となる材料(たとえば、アルミニウム)よりも、引っ張り強度を容易に大きく構成することができるので、補強部材40に炭素繊維またはガラス繊維を含めることにより、より一層容易に補強部材40を構成することができる。また、補強部材40に炭素繊維を含める場合には、炭素繊維は金属材料(たとえば、アルミニウム)に比べて軽量であるので、スケグ部9の機械的強度(引っ張り強度)を向上させるとともに、軽量化することができる。
また、第1実施形態では、補強部材40を、繊維材料の繊維方向が水平方向に交差する方向に沿うように形成する。水平方向に交差する方向に沿うように、補強部材40が形成されるので、補強部材40によりスケグ部9の引っ張り応力に対する引っ張り強度を効果的に補強することができる。
また、第1実施形態では、スケグ部9を、前後方向および鉛直方向に沿って広がるとともに、厚みtが前後方向において変化する平板状に形成する。そして、補強部材40と母材10との前方境界部93を、スケグ部9の厚みtが最も小さい位置P1とは異なる位置P2に設ける。これにより、スケグ部9の厚みtが最も小さいことにより水圧が最も小さく、比較的キャビテーションが生じやすい部分以外の部分に、前方境界部93を形成することができるので、キャビテーションが生じるのを効果的に抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、図9を参照して、本発明の第2実施形態による船舶推進装置200の構成について説明する。第2実施形態の船舶推進装置200では、繊維材料を含む補強部材40が設けられていた第1実施形態による船舶推進装置100とは異なり、金属材料からなる補強部材240が設けられている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する。
図9に示すように、第2実施形態による船舶推進装置200は、スケグ部209を備える。スケグ部209は、母材210と補強部材240とが設けられている。母材210は、アルミニウム(またはアルミニウム合金)からなり、補強部材240は、アルミニウムの機械的強度よりも機械的強度が大きい金属材料から構成されている。たとえば、補強部材240は、ステンレス鋼またはチタンを含む金属材料により構成されている。母材210の形状は、第1実施形態による母材10と同様である。補強部材240の形状は、第1実施形態による補強部材40と同様である。なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、上記のように、母材210に、アルミニウムを設ける。また、補強部材240に、ステンレス鋼、または、チタンのうちの少なくとも1つの材料を設ける。これにより、母材210のアルミニウムよりも機械的強度が大きいステンレス鋼またはチタンのうちの少なくとも1つの材料が補強部材240に含まれるので、スケグ部209の機械的強度を、ステンレス鋼またはチタンの少なくとも1つの材料を含む補強部材240により容易に補強することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、本発明の船舶推進装置を船外機に適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、本発明の船舶推進装置を船外機以外の船舶推進装置に適用してもよい。たとえば、本発明を、船内機、または、船内外機を備えた船舶に適用してもよいし、ジェット推進機を備えた船舶に適用してもよい。
また、上記実施形態では、スケグ部を非対称の翼形状に形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、左右方向の中心線に線対称のスケグ部を、プロペラシャフトの回転軸線に対して、傾けることにより、プロペラ翼が回転することに起因する反力を打ち消すように、スケグ部を構成してもよい。
また、上記実施形態では、補強部材の材料として、繊維材料(炭素繊維強化プラスチック)、ステンレス鋼、または、チタンを用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、補強部材の材料は、機械的強度が母材の機械的強度よりも大きいものであればよい。
また、上記実施形態では、補強部材と母材とを接着材により接着する例を示したが、本発明はこれに限られない。スケグ部の歪みによる寸法変化に問題がなければ、補強部材と母材とを溶接して接合してもよい。
また、上記実施形態では、補強部材の繊維材料を、繊維方向が略鉛直方向に沿うように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、補強部材の繊維材料は、繊維方向が水平方向に交差する方向であれば好ましく、繊維方向が鉛直方向に対して傾斜していてもよい。
3 プロペラシャフト、5 プロペラ、8 ケース部、9 209 スケグ部、10 210 母材、11 凹部(補強部配置部)、20 前方部分、30 後方部分(非対称の翼形状を有する部分)、30a 後端面(後方部分の後端部、スケグ部の後端面)、32 後方右側面(スケグ部の側面)、32a 窪み部、32b 鉛直方向中央部(中央部)、40 240 補強部材、51 プロペラ翼(プロペラ)、60 接着材、91 上方境界部(鉛直方向上方の境界部)、93 前方境界部(前方の境界部)、94 段差部(段差形状)、100 200 船舶推進装置、C1 回転軸線、C2 中心線

Claims (15)

  1. プロペラシャフトの回転軸線回りに回転するプロペラと、
    前記プロペラシャフトが内部に配置されたケース部と、
    前記ケース部から下方に延びるとともに、水平方向に沿った断面が前記プロペラシャフトに平行な方向に沿った中心線に対して非対称の翼形状を有する部分を含むスケグ部とを備え、
    前記スケグ部には、前記スケグ部を構成する母材よりも機械的強度が大きい補強部が設けられており
    前記補強部は、前記スケグ部のうちの前記非対称の翼形状を有する部分に部分的に設けられている、船舶推進装置。
  2. 前記非対称の翼形状を有する部分は、前記中心線に向かって窪む窪み部を含み、
    前記補強部は、前記窪み部に設けられている、請求項に記載の船舶推進装置。
  3. 前記スケグ部は、前方部分が、前記中心線に対して略線対称に形成されているとともに、後方部分に、前記補強部が設けられた前記非対称の翼形状を有する部分が設けられている、請求項またはに記載の船舶推進装置。
  4. 前記補強部は、前記後方部分の少なくとも後端部に設けられているとともに、前記後端部の近傍において、鉛直方向に延びるように形成されている、請求項に記載の船舶推進装置。
  5. 前記母材には、前記スケグ部の側面から、前記プロペラシャフトに平行な方向に沿った中心線に向かって窪む補強部配置部が設けられており、
    前記補強部は、前記母材の前記補強部配置部に配置されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
  6. 前記補強部は、前記スケグ部の側面に沿った板状に形成されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
  7. 前記補強部は、前記スケグ部の側面から、前記スケグ部の後端面に渡って設けられている、請求項1〜のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
  8. 前記スケグ部は、前後方向および鉛直方向に沿って広がるとともに、厚みが鉛直方向において変化する平板状に形成されており、
    前記補強部と前記母材との鉛直方向上方の境界部における前記スケグ部の厚みは、前記スケグ部の鉛直方向の中央部の厚みよりも大きい、請求項1〜のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
  9. 前記補強部は、接着材により前記母材に接着されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
  10. 前記補強部の引っ張り強度は、前記母材の引っ張り強度よりも大きい、請求項1〜のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
  11. 前記補強部は、繊維材料を含む、請求項1〜1のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
  12. 前記繊維材料は、炭素繊維、または、ガラス繊維のうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の船舶推進装置。
  13. 前記補強部は、前記繊維材料の繊維方向が水平方向に交差する方向に沿うように形成されている、請求項1または1に記載の船舶推進装置。
  14. 前記母材は、アルミニウムを含み、
    前記補強部は、ステンレス鋼、または、チタンのうちの少なくとも1つの材料を含む、請求項1〜1のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
  15. 前記スケグ部は、前後方向および鉛直方向に沿って広がるとともに、厚みが前後方向において変化する平板状に形成されており、
    前記補強部と前記母材との前方の境界部が、前記スケグ部の前記厚みが最も小さい位置とは異なる位置に設けられている、請求項1〜1のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
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