JP6961305B2 - 船舶推進装置 - Google Patents
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Description
(船舶推進装置の全体構成)
図1〜図7を参照して、本発明の第1実施形態による船舶推進装置100の構成について説明する。
プロペラ5には、図2に示すように、後方から見て、複数枚(たとえば、3枚)のプロペラ翼51が設けられている。そして、複数のプロペラ翼51は、プロペラシャフト3を中心として等角度間隔に配置されている。そして、複数のプロペラ翼51は、プロペラシャフト3に接続されており、プロペラ翼51は、プロペラシャフト3が回転することにより、プロペラシャフト3の回転軸線C1を回転中心として矢印R1方向に回転するように構成されている。
ケース部8は、図1に示すように、カウリング7の下方に接続され、ドライブシャフト2の上方部分が配置されている上部ケース部8aと、上部ケース部8aの下方に接続され、ドライブシャフト2の下部、ギア部4、および、プロペラシャフト3が配置された下部ケース部8bとを含む。また、下部ケース部8bは、水中に配置され、プロペラ5を支持している。ケース部8は、金属材料により構成されている。たとえば、ケース部8は、アルミニウムまたはアルミニウム合金によりアルミダイキャストとして(アルミ鋳造成形されて)構成されている。
スケグ部9(フィン)は、第1実施形態では、図1に示すように、ケース部8の下部ケース部8bから下方に突出するように設けられている。具体的には、スケグ部9は、プロペラシャフト3よりも下方に位置するプロペラ翼51の前方に設けられている。そして、右方向から見て、スケグ部9は、下部(下端部9a)が短辺、および、上部が長辺となる略台形形状を有する。
図3に示すように、スケグ部9は、プロペラ5のプロペラ翼51が回転することにより生じる力である反力F2の少なくとも一部を打ち消す力F3を生じる形状を有する。具体的には、図5に示すように、スケグ部9は、水平方向に沿った断面(図5のハッチング部分)が、プロペラシャフト3に平行な方向に沿った中心線C2に対して非対称の翼形状を有することにより、反力F2を打ち消す力F3が生じるように構成されている。すなわち、スケグ部9は、非対称の翼形状を有することにより、スケグ部9の左右方向において、前方から後方に流れる水による正圧と負圧との圧力差を生じさせて、反力F2に抗する力F3を生じるように構成されている。
図6に示すように、第1実施形態では、スケグ部9には、スケグ部9を構成する母材10よりも機械的強度が大きい補強部材40が設けられている。なお、補強部材40は、特許請求の範囲の「補強部」の一例である。
図4に示すように、補強部材40と母材10との鉛直方向上方の境界部を上方境界部91とし、鉛直方向下方の境界部を下方境界部92とし、前方の境界部を前方境界部93とする。なお、「境界部」とは、補強部材40と母材10とが接着材60により接着されている部分、および、接着されている部分の近傍部分を意味するものとする。「近傍部分」とは、前方境界部93の場合、図6の点線丸印で示す範囲であり、たとえば、接着されている部分から、補強部材40の母材10に対する対向面の幅、または、母材10の補強部材40に対する対向面の幅の大きさの範囲である。
次に、図8を参照して、第1実施形態による船舶推進装置100のスケグ部9の引っ張り応力の測定結果について説明する。
上記第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
次に、図9を参照して、本発明の第2実施形態による船舶推進装置200の構成について説明する。第2実施形態の船舶推進装置200では、繊維材料を含む補強部材40が設けられていた第1実施形態による船舶推進装置100とは異なり、金属材料からなる補強部材240が設けられている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する。
第2実施形態では、上記のように、母材210に、アルミニウムを設ける。また、補強部材240に、ステンレス鋼、または、チタンのうちの少なくとも1つの材料を設ける。これにより、母材210のアルミニウムよりも機械的強度が大きいステンレス鋼またはチタンのうちの少なくとも1つの材料が補強部材240に含まれるので、スケグ部209の機械的強度を、ステンレス鋼またはチタンの少なくとも1つの材料を含む補強部材240により容易に補強することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
Claims (15)
- プロペラシャフトの回転軸線回りに回転するプロペラと、
前記プロペラシャフトが内部に配置されたケース部と、
前記ケース部から下方に延びるとともに、水平方向に沿った断面が前記プロペラシャフトに平行な方向に沿った中心線に対して非対称の翼形状を有する部分を含むスケグ部とを備え、
前記スケグ部には、前記スケグ部を構成する母材よりも機械的強度が大きい補強部が設けられており、
前記補強部は、前記スケグ部のうちの前記非対称の翼形状を有する部分に部分的に設けられている、船舶推進装置。 - 前記非対称の翼形状を有する部分は、前記中心線に向かって窪む窪み部を含み、
前記補強部は、前記窪み部に設けられている、請求項1に記載の船舶推進装置。 - 前記スケグ部は、前方部分が、前記中心線に対して略線対称に形成されているとともに、後方部分に、前記補強部が設けられた前記非対称の翼形状を有する部分が設けられている、請求項1または2に記載の船舶推進装置。
- 前記補強部は、前記後方部分の少なくとも後端部に設けられているとともに、前記後端部の近傍において、鉛直方向に延びるように形成されている、請求項3に記載の船舶推進装置。
- 前記母材には、前記スケグ部の側面から、前記プロペラシャフトに平行な方向に沿った中心線に向かって窪む補強部配置部が設けられており、
前記補強部は、前記母材の前記補強部配置部に配置されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の船舶推進装置。 - 前記補強部は、前記スケグ部の側面に沿った板状に形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
- 前記補強部は、前記スケグ部の側面から、前記スケグ部の後端面に渡って設けられている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
- 前記スケグ部は、前後方向および鉛直方向に沿って広がるとともに、厚みが鉛直方向において変化する平板状に形成されており、
前記補強部と前記母材との鉛直方向上方の境界部における前記スケグ部の厚みは、前記スケグ部の鉛直方向の中央部の厚みよりも大きい、請求項1〜7のいずれか1項に記載の船舶推進装置。 - 前記補強部は、接着材により前記母材に接着されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
- 前記補強部の引っ張り強度は、前記母材の引っ張り強度よりも大きい、請求項1〜9のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
- 前記補強部は、繊維材料を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
- 前記繊維材料は、炭素繊維、または、ガラス繊維のうちの少なくとも一方を含む、請求項11に記載の船舶推進装置。
- 前記補強部は、前記繊維材料の繊維方向が水平方向に交差する方向に沿うように形成されている、請求項11または12に記載の船舶推進装置。
- 前記母材は、アルミニウムを含み、
前記補強部は、ステンレス鋼、または、チタンのうちの少なくとも1つの材料を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の船舶推進装置。 - 前記スケグ部は、前後方向および鉛直方向に沿って広がるとともに、厚みが前後方向において変化する平板状に形成されており、
前記補強部と前記母材との前方の境界部が、前記スケグ部の前記厚みが最も小さい位置とは異なる位置に設けられている、請求項1〜14のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
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