JP6959553B2 - 正極材料、及びその製造方法、前記正極材料を用いた電池及びその製造方法、並びに前記電池を用いた電子機器 - Google Patents

正極材料、及びその製造方法、前記正極材料を用いた電池及びその製造方法、並びに前記電池を用いた電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、正極材料、及びその製造方法、前記正極材料を用いた電池及びその製造方法、並びに前記電池を用いた電子機器に関する。
従来、携帯電話、モバイルパソコン、センシングデバイス、電気自動車などに用いる蓄電池として、二次電池が広く使用されている。二次電池としては、例えば、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムイオン電池などが挙げられる。これらの中でも、エネルギー密度が高い点から、リチウムイオン電池が注目されている。
一般に電池は、酸化還元反応を行う正極活物質を正極に有しており、酸化還元反応を行う負極活物質を負極に有している。リチウムイオン電池の場合は、リチウムイオンを放出又は吸蔵する際に酸化還元反応が行われている。リチウムイオン電池の場合は、リチウムイオンを放出又は吸蔵することができる正極活物質を正極に有している(例えば、特許文献1)。リチウムイオン電池では、正極と負極との間において、酸化還元反応であるリチウムイオンの行き来が行われ、これにあわせて電子が動き、電気が流れる。この流れた電気をリチウムイオン電池から取り出すことで、リチウムイオン電池はその機能を発現している。
現在実用化されている正極材料とそのエネルギー密度としては、LiCoO(570Wh/kg)、LiFePO(530Wh/kg)、LiMn(590Wh/kg)などがある。つまり、現在実用化されている正極材料のエネルギー密度は、500Wh/kg〜600Wh/kgの範囲内である。しかし、電池を更に小型化するためにはこれらのエネルギー密度では不十分であるため、これらの材料より高いエネルギー密度を有する新規正極材料の開発が望まれている。
国際公開2015/056412号パンフレット
本発明は、高エネルギー密度を有する正極材料、及びその製造方法、並びに前記正極材料を用いた電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
1つの態様では、正極材料は、
波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有し、
空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有し、
組成式Li2−2xCo1+x(−0.2≦x≦0.2)により表される。
また、1つの態様では、正極材料の製造方法は、
波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有し、
空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有し、
組成式Li2−2xCo1+x(−0.2≦x≦0.2)により表される正極材料を製造する正極材料の製造方法であって、
リチウム源、コバルト源、及びリン酸源の混合物を熱処理する工程を含む。
また、1つの態様では、電池は、正極材料を含む正極と、負極と、正極と負極との間に設けられた電解質と、を有し、
前記正極材料が、
波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有し、
空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有し、
組成式Li2−2xCo1+x(−0.2≦x≦0.2)により表される正極材料である。
また、1つの態様では、電池の製造方法は、
正極材料を含む正極と、負極と、正極と負極との間に設けられた電解質とを有する電池の製造方法であって、
リチウム源、コバルト源、及びリン酸源の混合物を熱処理して前記正極材料を得る工程を含み、
前記正極材料が、
波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有し、
空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有し、
組成式Li2−2xCo1+x(−0.2≦x≦0.2)により表される正極材料である。
また、1つの態様では、電子機器は、
正極材料を含む正極、負極、及び正極と負極との間に設けられた電解質を有する電池と、
正極及び負極と電気的に接続された電子回路と、
を備え、
前記正極材料が、
波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有し、
空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有し、
組成式Li2−2xCo1+x(−0.2≦x≦0.2)により表される正極材料である。
1つの側面として、高エネルギー密度を有する正極材料を提供できる。
また、1つの側面として、高エネルギー密度を有する正極材料の製造方法を提供できる。
また、1つの側面として、高エネルギー密度を有する電池を提供できる。
また、1つの側面として、高エネルギー密度を有する電池の製造方法を提供できる。
また、1つの側面として、高エネルギー密度を有する電子機器を提供できる。
図1は、LiCoPの結晶構造を示す概略図である。 図2は、開示の正極材料の結晶構造を示す概略図である。 図3は、開示の正極材料のXRDスペクトルの一部である。 図4は、開示の電池の一例を示す概略断面図である。 図5は、実施例1(A)及び比較例1(B)の正極材料のXRDスペクトルである。 図6は、実施例4及び比較例4の正極材料を用いたハーフセルの定電流充放電曲線である。 図7は、実施例6の正極材料を用いたハーフセルの定電流充放電曲線である。 図8は、開示の電子機器の一例を示す概略断面図である。
(正極材料)
開示の正極材料の一態様は、Li2−2xCo1+x(−0.2≦x≦0.2)で表される。
前記正極材料の一態様は、単斜晶の結晶構造を有し、空間群P2/cに属する。
前記正極材料の一態様は、波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有する。
開示の正極材料の他の一態様は、Li2−2xFe1+x(−0.2≦x≦0.2)で表される。
前記正極材料の他の一態様は、単斜晶の結晶構造を有し、空間群P2/cに属する。
前記正極材料の他の一態様は、波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有する。
これまでにも正極材料については種々の報告があり、その中の一つに結晶性のLiCoPについての報告がある(Kim, H.et al., Chemistry of Materials 2011, 23(17),3930−3937)。この報告では、LiCoPは、理論的には1,000Wh/kgのエネルギー密度を有するとある。これは、従来の正極材料のエネルギー密度の2倍程度のエネルギー密度である。このように、大きなエネルギー密度が予想される理由は、以下の2点である。
・電圧が4.9Vと高い
・下記(I)式のように正極材料内の全てのリチウムイオンが充放電に利用されると仮定した場合の容量密度が、216mAh/gと大きい
LiCoP⇔CoP+2Li+2e(I)
しかし、現状では、理論容量密度の約40%にあたる90mAh/gの容量密度しか実証できていない。
そこで、本発明者らは、上記の報告にあるLiCoPの結晶構造(ICSD#261899)に問題があると仮定した。この結晶構造を図1に示す。この結晶構造では、リチウム原子又はコバルト原子1、リチウム原子2、酸素原子3、及びリン原子4が図1のように配置されている。ここで、リチウム原子又はコバルト原子1とは、該当する位置の原子がリチウム原子の単位格子と、該当する位置の原子がコバルト原子の単位格子とが混在していることを示している。
リチウムイオン電池においては、充電時又は放電時においてリチウム原子(リチウムイオン)が移動する。正極においては、正極材料(正極活物質)からリチウムイオンが脱挿入する。したがって、正極材料の結晶が、正極材料(正極活物質)として機能するためには、次のような状態であることが必要である。充電時又は放電時において移動するリチウム原子(リチウムイオン)が、正極材料の結晶から脱挿入しても、その正極材料の結晶構造が変わらない、又は可逆的に変化できることが必要である。
LiCoPにおいて、リチウム原子の一部が、LiCoPの結晶構造を維持するにあたり重要な場所に配置されている場合、そのリチウム原子は、結晶構造の維持にのみ使われる。したがって、そのリチウム原子は、充放電の際の正極−負極間のやりとり、即ち、酸化還元反応に利用することができない。これが、報告された正極材料において理論容量値を実証できない要因である可能性がある。
そこで、本発明者らは、異なる結晶構造を有するLiCoPについて検討した。その結果、図2に示す結晶構造を有するLiCoPを見出し、本発明の完成に至った。
また、本発明者らは、図2に示す結晶構造において、コバルト原子を鉄原子に置換したLiFePも正極材料として使用できることを見出した。
正極材料において、コバルト原子又は鉄原子に配位する酸素原子の数としては、4〜5が好ましい。
コバルト原子又は鉄原子に配位する酸素原子の数は、結晶構造において、コバルト原子と酸素原子との距離、又は鉄原子と酸素原子との距離を見積もることで算出できる。コバルト原子と酸素原子との距離、又は鉄原子と酸素原子との距離は、X線回折におけるピークの高さ(ピーク強度)からシミュレーションにより算出できる。例えば、開示の正極材料の結晶構造においては、コバルト原子又は鉄原子と酸素原子との理想的な距離は、2.2Åから2.8Åである。このことから、コバルト原子又は鉄原子を中心に、2.2Åから2.8Åの距離にある酸素原子を数えて、コバルト原子又は鉄原子に配位する酸素原子を数えることができる。
図2において、リチウム又はコバルト原子1を中心に示されている多面体は、コバルト原子を中心にして2.5Å離れた距離にある酸素原子を表す多面体である。
<X線回折のピーク>
本発明の正極材料のうち、組成式Li2−2xCo1+x(−0.2≦x≦0.2)により表される正極材料は、波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、次の位置に回折ピークを有する。
2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°
図3は、本発明の正極材料(LiCoP)のX線回折のチャートのうち、2θ=7.5°〜20.5°の部分を示す。図3に示すように、いくつかあるピークのうち、他のピークと比較して強度が強いピークが、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に現れている。したがって、X線回折において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有するとは、このピークが他のピークと比較して極めて高い強度を示しているピークであることを意味する。
本発明の正極材料のうち、組成式Li2−2xFe1+x(−0.2≦x≦0.2)により表される正極材料は、波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、次の位置に回折ピークを有する。
2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°
正極材料の格子定数としては、a=8.2Å、b=13.5Å、c=9.7Å、及びβ=148°であることが好ましい。
正極材料の格子定数は、上記のX線回折データから算出できる。
(正極材料の製造方法)
開示の正極材料の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下の正極材料の製造方法が好ましい。
開示の正極材料の製造方法の一態様は、リチウム源、コバルト源、及びリン酸源の混合物を熱処理する工程を含み、更に必要に応じて混合工程などのその他の工程を含む。
前記正極材料の製造方法の一態様は、以下の(1)〜(3)を満たす正極材料の製造方法である。
(1)組成式Li2−2xCo1+x(−0.2≦x≦0.2)で表される。
(2)空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有する。
(3)波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有する。
開示の正極材料の製造方法の他の一態様は、リチウム源、鉄源、及びリン酸源の混合物を熱処理する工程を含み、更に必要に応じて混合工程などのその他の工程を含む。
前記正極材料の製造方法の他の一態様は、以下の(4)〜(6)を満たす正極材料の製造方法である。
(4)組成式Li2−2xFe1+x(−0.2≦x≦0.2)で表される。
(5)空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有する。
(6)波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有する。
<混合工程>
混合工程は、リチウム源、コバルト源、及びリン酸源を混合し、それらの混合物を得る工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、遊星ボールミルを用いて行うことができる。この混合工程を用いた場合、組成式Li2−2xCo1+xで表される正極材料が得られる。
混合工程は、リチウム源、鉄源、及びリン酸源を混合し、それらの混合物を得る工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、遊星ボールミルを用いて行うことができる。この混合工程を用いた場合、組成式Li2−2xFe1+xで表される正極材料が得られる。
リチウム源としては、例えば、リチウム塩などが挙げられる。
リチウム塩を構成するアニオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化物イオン、炭酸イオン、シュウ酸イオン、酢酸イオン、硝酸アニオン、硫酸アニオン、リン酸イオン、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化リチウム(LiOH)、炭酸リチウム(LiCO)、硝酸リチウム(LiNO)、硫酸リチウム(LiSO)、過塩素酸リチウム(LiClO)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF)などが挙げられる。これらは水和物であってもよいし、無水物であってもよい。これらの中でも、炭酸リチウム、硝酸リチウムが、副反応が起こらない点で好ましい。
コバルト源としては、例えば、コバルト塩などが挙げられる。
コバルト塩を構成するアニオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭酸イオン、シュウ酸イオン、酢酸イオン、硝酸アニオン、硫酸アニオン、リン酸イオン、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、コバルト塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シュウ酸コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト、塩化コバルトなどが挙げられる。これらは水和物であってもよいし、無水物であってもよい。
鉄源としては、例えば、鉄塩などが挙げられる。
前記鉄塩を構成するアニオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化物イオン、炭酸イオン、シュウ酸イオン、酢酸イオン、硝酸アニオン、硫酸アニオン、リン酸イオン、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、鉄塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化第一鉄、シュウ酸鉄(II)、硝酸鉄(II)、硫酸鉄(II)、塩化鉄(II)などが挙げられる。これらは水和物であってもよいし、無水物であってもよい。
リン酸源としては、例えば、リン酸、リン酸塩などが挙げられる。
リン酸塩を構成するカチオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アンモニウムイオンなどが挙げられる。
リン酸塩としては、例えば、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウムなどが挙げられる。
また、リチウム源、及びリン酸源に代えて、リチウム源かつリン酸源である化合物として、リン酸リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸二水素リチウムなどを用いてもよい。
混合の際の、リチウム源、コバルト源、及びリン酸源の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Li:Co:P=1.6〜2.4:0.8〜1.2:2.0(元素比)などが挙げられる。
混合の際の、リチウム源、鉄源、及びリン酸源の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Li:Fe:P=1.6〜2.4:0.8〜1.2:2.0(元素比)などが挙げられる。
<熱処理工程>
熱処理工程としては、上述した混合物を熱処理するかぎり、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
熱処理工程を行う回数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、2回であることが好ましい。
1回目の熱処理工程は、リチウム源、リン酸源、コバルト源、鉄源などから発生する二酸化炭素、及びアンモニアを除去するために行われる。
1回目の熱処理の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、500℃以上720℃以下が好ましい。
1回目の熱処理の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以上24時間以下が好ましく、2時間以上18時間以下がより好ましく、3時間以上15時間以下が特に好ましい。
2回目の熱処理は、混合物を所望の結晶構造にするために行われる。熱処理を1回のみで行う場合、熱処理条件は、以下に示す2回目の熱処理の条件を適用する。
2回目の熱処理の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、420℃以上520℃以下が好ましく、450℃以上510℃以下がより好ましい。熱処理の温度が、420℃未満、又は520℃を超えると、所望の結晶構造が得られないことがある。
前記熱処理の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以上24時間以下が好ましい。
前記熱処理は、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。不活性雰囲気としては、例えば、アルゴン雰囲気などが挙げられる。
(電池)
開示の電池は、正極材料を含む正極と、負極と、正極と負極との間に設けられた電解質と、を有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記電池の一態様は、以下の(1)〜(3)を満たす正極材料を含む正極を有する。
(1)組成式Li2−2xCo1+x(−0.2≦x≦0.2)で表される。
(2)空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有する。
(3)波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有する。
前記電池は、高エネルギー密度を有する開示の正極材料を使用している。したがって、開示の電池は、高エネルギー密度を有する電池となる。
前記電池の他の一態様は、以下の(4)〜(6)を満たす正極材料を含む正極を有する。
(4)組成式Li2−2xFe1+x(−0.2≦x≦0.2)で表される。
(5)空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有する。
(6)波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有する。
電池は、例えば、正極を少なくとも有し、更に必要に応じて、負極、電解質、セパレータ、正極ケース、負極ケースなどのその他の部材を有する。
<<正極>>
正極は、開示の正極材料を少なくとも有し、更に必要に応じて、正極集電体などのその他の部を有する。
正極において、前記正極材料は、いわゆる正極活物質として機能する。
正極における前記正極材料の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極において、前記正極材料は、導電材、及び結着材とともに混合され、正極層を形成していてもよい。
導電材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素系導電材料などが挙げられる。炭素系導電材料としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラックなどが挙げられる。
結着材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などが挙げられる。
正極の材質、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、棒状、円板状などが挙げられる。
−正極集電体−
正極集電体の形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極集電体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ニッケルなどが挙げられる。
正極集電体は、端子である正極ケースに対して正極層を良好に導通させるためのものである。
<<負極>>
負極は、負極活物質を少なくとも有し、更に必要に応じて、負極集電体などのその他の部を有する。
負極の大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
負極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、棒状、円板状などが挙げられる。
−負極活物質−
負極活物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属元素を有する化合物が挙げられる。
アルカリ金属元素を有する化合物としては、例えば、金属単体、合金、金属酸化物、金属窒化物などが挙げられる。
アルカリ金属元素としては、例えば、リチウムなどが挙げられる。
金属単体としては、例えば、リチウムなどが挙げられる。
合金としては、例えば、リチウムを有する合金などが挙げられる。リチウムを有する合金としては、例えば、リチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金などが挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、リチウムを有する金属酸化物などが挙げられる。リチウムを有する金属酸化物としては、例えば、リチウムチタン酸化物などが挙げられる。
金属窒化物としては、例えば、リチウムを含有する金属窒化物などが挙げられる。リチウムを含有する金属窒化物としては、例えば、リチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物などが挙げられる。
負極における負極活物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
負極において、負極活物質は、導電材、及び結着材とともに混合され、負極層を形成していてもよい。
導電材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素系導電材料などが挙げられる。炭素系導電材料としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラックなどが挙げられる。
結着材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などが挙げられる。
−負極集電体−
負極集電体の形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
負極集電体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ニッケルなどが挙げられる。
負極集電体は、端子である負極ケースに対して負極層を良好に導通させるためのものである。
<<電解質>>
電解質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非水電解液、固体電解質などが挙げられる。
−非水電解液−
非水電解液としては、例えば、リチウム塩と、有機溶媒とを含有する非水電解液などが挙げられる。
−−リチウム塩−−
リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、六フルオロリン酸リチウム、四フルオロホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
リチウム塩の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記有機溶媒中に0.5mol/L〜3mol/Lであることがイオン伝導度の点で好ましい。
−−有機溶媒−−
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機溶媒の前記非水電解液中の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、75質量%〜95質量%が好ましく、80質量%〜90質量%がより好ましい。
有機溶媒の含有量が、75質量%未満であると、非水電解液の粘度が増加し、電極への濡れ性が低下するため、電池の内部抵抗の上昇を招くことがあり、95質量%を超えると、イオン伝導度が低下し、電池の出力の低下を招くことがある。一方、有機溶媒の含有量が、前述のより好ましい範囲内であると、高いイオン伝導度を維持することができ、非水電解液の粘度を抑えることで電極への濡れ性を維持することができる点で有利である。
−固体電解質−
固体電解質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機固体電解質、真性ポリマー電解質などが挙げられる。
無機固体電解質としては、例えば、LISICON材料、ペロブスカイト材料などが挙げられる。
真性ポリマー電解質としては、例えば、エチレンオキシド結合を有するポリマーなどが挙げられる。
電池における電解質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<<セパレータ>>
セパレータの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、セロハン、ポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布などが挙げられる。紙としては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙などが挙げられる。
セパレータの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シート状などが挙げられる。
セパレータの構造は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
セパレータの大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<<正極ケース>>
正極ケースの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、ステンレス鋼、ステンレス鋼又は鉄にニッケルなどのめっきを施した金属などが挙げられる。
正極ケースの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、周囲が反り上がった底の浅い皿状、有底円筒形、有底角柱状などが挙げられる。
正極ケースの構造は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。積層構造としては、例えば、ニッケル、ステンレス鋼、及び銅の三層構造などが挙げられる。
正極ケースの大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<<負極ケース>>
負極ケースの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、ステンレス鋼、ステンレス鋼又は鉄にニッケルなどのめっきを施した金属などが挙げられる。
負極ケースの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、周囲が反り上がった底の浅い皿状、有底円筒形、有底角柱状などが挙げられる。
負極ケースの構造は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。積層構造としては、例えば、ニッケル、ステンレス鋼、及び銅の三層構造などが挙げられる。
負極ケースの大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
電池の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コイン型、円筒状、角形、シート型などが挙げられる。
開示のリチウムイオン二次電池の一例を図を用いて説明する。図4は、開示の電池の一例である、リチウムイオン二次電池を示す概略断面図である。
図4に示すリチウムイオン二次電池は、コイン型のリチウムイオン二次電池である。コイン型のリチウムイオン二次電池は、正極集電体11及び正極層12からなる正極10と、負極集電体21及び負極層22からなる負極20と、正極10及び負極20の間に介在する電解質層30とを備える。図4のリチウムイオン二次電池においては、正極集電体11及び負極集電体21は、各々、正極ケース41及び負極ケース42に対して、集電体43を介して固定されている。正極ケース41と負極ケース42との間は、例えば、ポリプロピレン製のパッキング材44で封止されている。集電体43は、正極集電体11と正極ケース41との間、及び負極集電体21と負極ケース42との間の空隙を埋めつつ導通を図るためのものである。
ここで、正極層12は、開示の正極材料を用いて作製される。
(電池の製造方法)
開示の電池の製造方法は、前述の電池を得る方法である。
開示の電池の製造方法は、正極材料を含む正極と、負極と、正極と負極との間に設けられた電解質とを有する電池の製造方法である。
前記電池の製造方法の一態様は、リチウム源、コバルト源、及びリン酸源の混合物を熱処理して正極材料を得る工程を含み、更に必要に応じて正極及び負極等を所望の構造に組み立てる工程などのその他の工程を含む。
前記電池の製造方法の一態様において、前記正極材料は、以下の(1)〜(3)を満たす。
(1)組成式Li2−2xCo1+x(−0.2≦x≦0.2)で表される。
(2)空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有する。
(3)波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有する。
開示の電池は、高エネルギー密度を有する開示の正極材料を使用している。そして、開示の電池は、高エネルギー密度を有する電池となる。したがって、開示の電池の製造方法は、高エネルギー密度を有する電池を得る方法である。
前記電池の製造方法の他の一態様は、リチウム源、鉄源、及びリン酸源の混合物を熱処理して正極材料を得る工程を含み、更に必要に応じて正極及び負極等を所望の構造に組み立てる工程などのその他の工程を含む。
前記電池の製造方法の他の一態様において、前記正極材料は、以下の(4)〜(6)を満たす。
(4)組成式Li2−2xFe1+x(−0.2≦x≦0.2)で表される。
(5)空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有する。
(6)波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有する。
(電子機器)
開示の電子機器は、電池と、電子回路と、を備え、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<電池>
電池は、正極材料を含む正極と、負極と、正極と負極との間に設けられた電解質とを有し、更に必要に応じてその他の部材を有する。
負極、電解質、及びその他の部材については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、前述のものを使用することが好ましい。
前記電池の一態様は、以下の(1)〜(3)を満たす正極材料を含む正極を有する。
(1)組成式Li2−2xCo1+x(−0.2≦x≦0.2)で表される。
(2)空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有する。
(3)波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有する。
前記電池は、高エネルギー密度を有する開示の正極材料を使用している。したがって、開示の電池は、高エネルギー密度を有する電池となる。そして、開示の電子機器は、高エネルギー密度を有する電池を備える。
前記電池の他の一態様は、以下の(4)〜(6)を満たす正極材料を含む正極を有する。
(4)組成式Li2−2xFe1+x(−0.2≦x≦0.2)で表される。
(5)空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有する。
(6)波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有する。
電池の形状、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。
電子機器に備えられる電池の個数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、電池を複数個集めた電池パックとして電子機器に組み込んでもよい。
<電子回路>
電子回路は、正極及び負極と電気的に接続されている。
電子回路の材質、形状、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。
電子回路は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、周辺ロジック部、インターフェース部および記憶部などを備え、電子機器の全体を制御するものであってもよい。
電子機器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、以下のものが挙げられる。例として、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯電話(例えばスマートフォンなど)、携帯情報端末(Personal Digital Assistants:PDA)、撮像装置(例えばデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなど)、オーディオ機器(例えばポータブルオーディオプレイヤー)、ゲーム機器、コードレスフォン子機、電子書籍、電子辞書、ラジオ、ヘッドホン、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、照明機器、玩具、医療機器、ロボットなどが挙げられる。
開示の電子機器の一例を図を用いて説明する。図8は、開示の電子機器の一例を示す概略断面図である。電子機器001は、電子機器本体の電子回路002と、電池パック003とを備える。電池パック003は、正極端子003aおよび負極端子003bを介して電子回路002に対して電気的に接続されている。電子機器001は、例えば、ユーザにより電池パック003を着脱自在な構成を有している。なお、電子機器001の構成はこれに限定されるものではなく、ユーザにより電池パック003を電子機器001から取り外しできないように、電池パック003が電子機器001内に内蔵されている構成を有していてもよい。
電池パック003は、組電池004と、充放電回路005とを備える。組電池004は、複数の二次電池004aを直列および/または並列に接続して構成されている。複数の電池004aは、例えばn並列m直列(n、mは正の整数)に接続される。電池004aとしては、前記電池またはその変形例に係る電池が用いられる。組電池004に代えて、一つの二次電池004aのみを備える構成としてもよい。
電子回路002は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、周辺ロジック部、インターフェース部および記憶部などを備え、電子機器001の全体を制御する。
電池パック003の充電時には、電池パック003の正極端子003a、負極端子003bがそれぞれ、充電器(図示せず)の正極端子、負極端子に接続される。一方、電池パック003の放電時(電子機器001の使用時)には、電池パック003の正極端子003a、負極端子003bがそれぞれ、電子回路002の正極端子、負極端子に接続される。
充電時には、充放電回路005は、組電池004に対する充電を制御する。一方、放電時(すなわち電子機器001の使用時)には、充放電回路005は、電子機器001に対する放電を制御する。
以下、開示の技術の実施例について説明するが、開示の技術は下記実施例に何ら限定されるものではない。
実施例、比較例で用いた以下の原材料は、以下の各社から入手して用いた。
炭酸リチウム:株式会社高純度化学研究所
シュウ酸コバルト二水和物:純正化学株式会社
シュウ酸鉄二水和物:純正化学株式会社
リン酸水素二アンモニウム:和光純薬工業株式会社
酸化コバルト:シグマ・アルドリッチジャパン株式会社
(実施例1)
<正極材料の作製>
炭酸リチウム(2.96g)、シュウ酸コバルト二水和物(7.32g)、及びリン酸水素二アンモニウム(10.56g)を遊星ボールミル容器に入れた。その後、遊星ボールミル容器をボールミル装置に配し、ボールミル装置を駆動させて、原材料を混合した。得られた混合物をアルゴン雰囲気下600℃で12時間焼成した。得られた焼成物を遊星ボールミルにより粉砕することで、アモルファス状のLiCoPを得た。これをさらにアルゴン雰囲気下500℃で30分間アニールすることで、正極材料である、結晶構造を持つLiCoPが得られた。
得られた正極材料の波長1Åの放射光回折(X線回折)スペクトルを図5の(A)に示す。得られたスペクトルには、2θ=13.1°、14.0°、18.4°に強度の大きい回折ピークがあった。このスペクトルを用いてLiCoPの結晶構造を解析した結果、結晶相は単斜晶(monoclinic)であり、空間群P2/cに属することがわかった。格子定数は以下のとおりとなった。
[格子定数]
a=8.2Å
b=13.5Å
c=9.7Å
β=148°
(実施例2)
炭酸リチウム(3.55g)、シュウ酸コバルト二水和物(5.86g)、及びリン酸水素二アンモニウム(10.56g)を遊星ボールミル容器に入れた。その後、遊星ボールミル容器をボールミル装置に配し、ボールミル装置を駆動させて、原材料を混合した。得られた混合物をアルゴン雰囲気下600℃で12時間焼成した。得られた焼成物を遊星ボールミルにより粉砕することで、アモルファス状のLi2.4Co0.8を得た。これをさらにアルゴン雰囲気下500℃で30分間アニールすることで、正極材料である、結晶構造を持つLi2.4Co0.8が得られた。
得られた正極材料の波長1Åの放射光回折(X線回折)測定を行った。その結果、図5の(A)と同様の回折図形が得られ、実施例1の正極材料と同様の結晶格子であることが分かった。
(実施例3)
炭酸リチウム(2.37g)、シュウ酸コバルト二水和物(8.78g)、及びリン酸水素二アンモニウム(10.56g)を遊星ボールミル容器に入れた。その後、遊星ボールミル容器をボールミル装置に配し、ボールミル装置を駆動させて、原材料を混合した。得られた混合物をアルゴン雰囲気下600℃で12時間焼成した。得られた焼成物を遊星ボールミルにより粉砕することで、アモルファス状のLi1.6Co1.2を得た。これをさらにアルゴン雰囲気下500℃で30分間アニールすることで、結晶構造を持つLi1.6Co1.2が得られた。
得られた正極材料の波長1Åの放射光回折(X線回折)測定を行った。その結果、図5の(A)と同様の回折図形が得られ、実施例1の正極材料と同様の結晶格子であることが分かった。
(比較例1)
炭酸リチウム(2.96g)、シュウ酸コバルト二水和物(7.32g)、及びリン酸水素二アンモニウム(10.56g)を遊星ボールミル容器に入れた。その後、遊星ボールミル容器をボールミル装置に配し、ボールミル装置を駆動させて、原材料を混合した。得られた混合物をアルゴン雰囲気下600℃で12時間焼成することで,正極材料である、結晶構造を持つLiCoPが得られた。
得られた正極材料の波長が1Åの放射光回折実験スペクトルを図5の(B)に示す。得られたスペクトルには、2θ=9.3°、10.7°、16.3°、17.1°、18.7°、21.3°、21.6°に強度の大きい回折ピークがあった。このスペクトルを用いてLiCoPの結晶構造を解析した結果、結晶相は単斜晶(monoclinic)であり、空間群P2/cに属することがわかった。格子定数は以下のとおりとなった。
[格子定数]
a=9.8Å
b=9.7Å
c=11.0Å
β=102°
(比較例2)
炭酸リチウム(2.96g)、シュウ酸コバルト二水和物(7.32g)、及びリン酸水素二アンモニウム(10.56g)を遊星ボールミル容器に入れた。その後、遊星ボールミル容器をボールミル装置に配し、ボールミル装置を駆動させて、原材料を混合した。得られた混合物をアルゴン雰囲気下600℃で12時間焼成した。得られた焼成物を遊星ボールミルにより粉砕することで,アモルファス状のLiCoPを得た。これをさらにアルゴン雰囲気下550℃で30分間アニールすることで、正極材料である、結晶構造を持つLiCoPが得られた。
得られた正極材料の波長1Åの放射光回折(X線回折)測定を行った。その結果、比較例1と同様の回折スペクトルが得られた(図5の(B))。このスペクトルを用いてLiCoPの結晶構造を解析した結果、結晶相は単斜晶(monoclinic)であり、空間群P2/cに属することがわかった。格子定数は以下のとおりとなった。
[格子定数]
a=9.8Å
b=9.7Å
c=11.0Å
β=102°
(比較例3)
化学量論比に合わせて秤量したLiCO(1.1084g)、Co(2.4080g)、及び(NHHPO(7.9234g)を遊星ボールミル容器に入れた。その後、遊星ボールミル容器をボールミル装置に配し、ボールミル装置を駆動させて、原材料を混合した。得られた混合物をアルゴン雰囲気下1,100℃で焼成し、正極材料である、LiCoPを得た。
得られた正極材料の波長1Åの放射光回折(X線回折)測定を行った。得られたスペクトルを用いて結晶解析を行った結果,単一相ではなく、既知構造のLiCoPとLiCo10(ICSD#82382)の複相混合物であることが分かった。
(実施例4)
<ハーフセルの作製>
実施例1で作製した正極材料(正極活物質)を用いて、ハーフセルを作製した。
正極材料と導電性カーボン(ケッチェンブラック、ライオン株式会社、ECP600JD)とポリフッ化ビニリデン(株式会社クレハ、KF#1300)とを質量比(正極活物質:導電性カーボン:ポリフッ化ビニリデン)85:10:5の割合で含有する合剤を正極とした。
電解液としては1MのLithium bis(trifluorosulfonyl)imide (LiTFSI)を、1−methyl−1−propylpyrrolidinium bis(trifluorosulfonyl)imide (MPPyr−TFSI)に溶解させたもの(キシダ化学より購入)を用いた。
負極には金属リチウムを用いた。
<定電流充放電試験>
作製したハーフセルに対し定電流充放電試験を行った。定電流充放電試験の条件は以下の通りである。
充電放電共に電圧値終止とした。充電は5.7V終止とした。放電は2.0V終止とした。
作製したハーフセルからは、160mAh/gの放電容量が得られた。
図6に、定電流充放電曲線を示す。
(比較例4)
<ハーフセルの作製及び定電流充放電試験>
実施例4において、正極材料を、比較例1で作製した正極材料に代えた以外は、実施例4と同様にしてハーフセルを作製した。
作製したハーフセルに対し、定電流充放電試験を行った。定電流充放電試験の条件は以下の通りである。
充電放電共に電圧値終止とした。充電は5.5V終止とした。放電は3.0V終止とした。
作製したハーフセルからは、75mAh/gの放電容量が得られた。
図6に、定電流充放電曲線を示す。
実施例4では、160mAh/gの放電容量が得られ、比較例4では、75mAh/gの放電容量が得られた。実施例4の放電容量は、理論容量の約74%にあたる。このことから、全てのリチウム原子が充放電に利用されているわけではないが、比較例1の従来の正極材料と比較すると、充放電に使用できるリチウム原子の割合が多くなったことを示している。
また、実施例4の結果から、エネルギー密度は860Wh/kgであることがわかり、従来の正極材料の約1.5倍のエネルギー密度が得られた。
本発明の正極材料は、充放電に伴いCoの価数が変化する。ここで、x=0の場合における実施例1の結果(放電容量160mAh/g)に基づき、考察する。
充放電中におけるLiCoPの酸化還元反応を式で表すと、
LiCoP⇔Li0.52CoP+1.48Li+1.48e
となる。ここから、充放電の際にCoの平均価数は2〜3.48の間で変化することがわかる。
ここで、同様に、−0.2≦x≦0.2において充放電の際にコバルトの平均価数は2〜3.48の範囲を取ることを仮定して、x=−0.2(実施例2)、+0.2(実施例3)の時の充放電反応及びその容量をシミュレーションする。
x=−0.2においては、
反応式:Li2.4Co0.8⇔Li1.22Co0.8+1.18Li+1.18e
ここから、容量:133mAh/gと算出できた。
x=+0.2においては、
反応式:Li1.6Co1.2⇔Co1.2+1.6Li+1.6e
ここから、容量:168mAh/gと算出できた。
以上の結果から、x=−0.2(実施例2)、+0.2(実施例3)はともに高い放電容量を持つと推測される。そして、高い放電容量を持つと推測されることから、x=−0.2(実施例2)、+0.2(実施例3)は、ともに高エネルギー密度であることも推測できる。
(なお、x=+0.2においては、容量は正極材料内のリチウム含有量に律速される。また、この場合コバルトの平均価数は2〜3.33の範囲をとる)
(実施例5)
炭酸リチウム(2.96g)、シュウ酸鉄二水和物(7.21g)、及びリン酸水素二アンモニウム(10.56g)を遊星ボールミル容器に入れた。その後、遊星ボールミル容器をボールミル装置に配し、ボールミル装置を駆動させて、原材料を混合した。得られた混合物をアルゴン雰囲気下600℃で12時間焼成した。得られた焼成物を遊星ボールミルにより粉砕することで,アモルファス状のLiFePを得た。これをさらにアルゴン雰囲気下500℃で30分間アニールすることで、正極材料である、結晶構造を持つLiFePが得られた。
得られた正極材料の波長1Åの放射光回折(X線回折)測定を行った。その結果、図5の(A)と同様の回折図形が得られ、また単一相であることが分かった。得られたスペクトルには、2θ=13.1°、14.0°、18.4°に強度の大きい回折ピークがあった。このスペクトルを用いてLiFePの結晶構造を解析した結果、結晶相は単斜晶(monoclinic)であり、空間群P2/cに属することがわかった。格子定数は以下のとおりとなった。
[格子定数]
a=8.3Å
b=13.6Å
c=9.7Å
β=148°
(実施例6)
実施例4において、正極材料を、実施例5で作製した正極材料に代えた以外は、実施例4と同様にしてハーフセルを作製した。
作製したハーフセルに対し、定電流充放電試験を行った。定電流充放電試験の条件は以下の通りである。
充電放電共に電圧値終止とした。充電は4.5V終止とした。放電は2.0V終止とした。その結果、89mAh/gの放電容量が得られた。図7に、定電流充放電曲線を示す。
(実施例7)
実施例4で作成したハーフセルを用いて、2並列3直列の電池パックを作製した。この際、各ハーフセルはあらかじめ充電器に接続することで満充電の状態とした。この電池パックに対し定電流放電試験(6.0V終止)を行ったところ、14V付近の領域にプラトーが現れた。
1 リチウム原子又はコバルト原子
2 リチウム原子
3 酸素原子
4 リン原子
10 正極
11 正極集電体
12 正極層
20 負極
21 負極集電体
22 負極層
30 電解質層
41 正極ケース
42 負極ケース
43 集電体
44 パッキング材

Claims (14)

  1. 波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有し、
    空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有し、
    組成式Li2−2xCo1+x(−0.2≦x≦0.2)により表されることを特徴とする正極材料。
  2. 前記結晶構造において、Co原子に配位する酸素原子の数が、4〜5である請求項1に記載の正極材料。
  3. 格子定数が、a=8.2Å、b=13.5Å、c=9.7Å、及びβ=148°である請求項1から2のいずれかに記載の正極材料。
  4. 波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有し、
    空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有し、
    組成式Li2−2xCo1+x(−0.2≦x≦0.2)により表される正極材料を製造する正極材料の製造方法であって、
    リチウム源、コバルト源、及びリン酸源の混合物を熱処理する工程を含むことを特徴とする正極材料の製造方法。
  5. 前記熱処理をする際の温度が、420℃以上520℃以下である請求項4に記載の正極材料の製造方法。
  6. 前記熱処理が、不活性雰囲気下で行われる請求項4から5のいずれかに記載の正極材料の製造方法。
  7. 正極材料を含む正極と、
    負極と、
    前記正極と前記負極との間に設けられた電解質と、
    を有し、
    前記正極材料が、
    波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有し、
    空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有し、
    組成式Li2−2xCo1+x(−0.2≦x≦0.2)により表される正極材料である、ことを特徴とする電池。
  8. 正極材料を含む正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた電解質とを有する電池の製造方法であって、
    リチウム源、コバルト源、及びリン酸源の混合物を熱処理して前記正極材料を得る工程を含み、
    前記正極材料が、
    波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有し、
    空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有し、
    組成式Li2−2xCo1+x(−0.2≦x≦0.2)により表される正極材料である、ことを特徴とする電池の製造方法。
  9. 波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有し、
    空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有し、
    組成式Li2−2xFe1+x(−0.2≦x≦0.2)により表されることを特徴とする正極材料。
  10. 波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有し、
    空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有し、
    組成式Li2−2xFe1+x(−0.2≦x≦0.2)により表される正極材料を製造する正極材料の製造方法であって、
    リチウム源、鉄源、及びリン酸源の混合物を熱処理する工程を含むことを特徴とする正極材料の製造方法。
  11. 正極材料を含む正極と、
    負極と、
    前記正極と前記負極との間に設けられた電解質と、
    を有し、
    前記正極材料が、
    波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有し、
    空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有し、
    組成式Li2−2xFe1+x(−0.2≦x≦0.2)により表される正極材料である、ことを特徴とする電池。
  12. 正極材料を含む正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた電解質とを有する電池の製造方法であって、
    リチウム源、鉄源、及びリン酸源の混合物を熱処理して前記正極材料を得る工程を含み、
    前記正極材料が、
    波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有し、
    空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有し、
    組成式Li2−2xFe1+x(−0.2≦x≦0.2)により表される正極材料である、ことを特徴とする電池の製造方法。
  13. 正極材料を含む正極、負極、及び前記正極と前記負極との間に設けられた電解質を有する電池と、
    前記正極及び前記負極と電気的に接続された電子回路と、
    を備え、
    前記正極材料が、
    波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有し、
    空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有し、
    組成式Li2−2xCo1+x(−0.2≦x≦0.2)により表される正極材料である、ことを特徴とする電子機器。
  14. 正極材料を含む正極、負極、及び前記正極と前記負極との間に設けられた電解質を有する電池と、
    前記正極及び前記負極と電気的に接続された電子回路と、
    を備え、
    前記正極材料が、
    波長1Åの放射光を用いたX線回折(2θ=5°〜90°)において、2θ=13.1°±0.2°、14.0°±0.2°、及び18.4°±0.2°に回折ピークを有し、
    空間群P2/cに属する単斜晶の結晶構造を有し、
    組成式Li2−2xFe1+x(−0.2≦x≦0.2)により表される正極材料である、ことを特徴とする電子機器。
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