JP6959286B2 - 化成処理液 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼板などの表面に皮膜を形成するための化成処理液に関する。
従来、自動車等の鋼板には錆び止めのために化成処理が施されており、リン酸亜鉛化成処理、リン酸鉄処理、ジルコニウム化成処理などの処理方法が採用されている。またリン酸鉄処理における耐食性強化のためにアルカリ金属リン塩を主成分とする化成処理液に、Mn、Ni、Coなどの2価ないし3価の金属イオンを加えた化成処理液(特許文献1)が知られている。
特開昭49−5839号公報
しかしながら、リン酸亜鉛化成処理の場合には、化成膜(亜鉛の結晶)が金属表面に積層する構造であり、ポロシティーが大きいので、リン酸亜鉛の結晶臨界にそって、水分が侵入するため十分良好な耐食性は得られないこと、工程数が多いことなどの問題がある。
加えて、十分な耐食性を得るためには、一定以上の厚みが必要となり、コスト面、作業面の負担が増加する。さらに、リン酸亜鉛処理の場合には、亜鉛量の維持、化成反応の促進などのために、処理液中に硝酸、亜硝酸の含有が必要となるが、これらの硝酸や亜硝酸は水質汚濁防止の面から環境への負荷が大きいなどの問題もある。
一方、リン酸鉄処理の場合には、工程数も少なく、硝酸や亜硝酸を含まないものの、耐食性能的に十分ではない。さらに、特許文献1記載の処理液は、その安定性に問題があり、耐食性もあまり向上しないことが確認された。
ジルコニウム化成処理は、環境負荷の大きい重金属塩を用いず、スラッジの発生量がきわめて小さいプロセスであるが、現状のジルコニウム系化成処理皮膜は非晶質構造で、膜厚は数十nmのオーダーに過ぎず、ある程度の耐食性は期待できるがリン酸亜鉛処理に匹敵する耐食性は得られないという問題がある。また、処理液中にフッ化物や硝酸類を含有するため、リン酸亜鉛よりは環境負荷が少ないが、水質汚濁防止法に定める有害物質をなお含むという問題がある。
本発明者らは、鋭意研究の結果、リン酸に亜鉛、ニッケル、コバルト、カルシウムより選ばれた金属イオンを少なくとも1つ以上を一定量含有させ、処理液のpHを2.0〜3.5とした化成処理液は、化成処理により、非晶質の皮膜を形成するとともに、該皮膜は、優れた耐食性を有すること、化成処理において脱脂及び皮膜化成の同時処理が可能となり、化成処理の簡便化を図ることができ、かつ硝酸および亜硝酸なしに優れた化成皮膜を形成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、リン酸5〜15g/Lと、金属元素として、亜鉛およびニッケルのすくなくとも一つを含有し、前記金属元素の含有量が、亜鉛10〜750mg/L、ニッケル10〜1000mg/Lであり、pHが2.0〜3.5であることを特徴とする皮膜形成用の化成処理液である。
また、本発明は、さらに、界面活性剤を0.1〜3.0g/Lを含むことを特徴とする。
また、本発明は、硝酸、亜硝酸を含まないことを特徴とする。
また、本発明は、前記化成処理液が、非晶質皮膜形成用であることを特徴とする。
また、本発明は、前記化成処理液を、被塗物に化成反応させて皮膜を形成することを特徴とする皮膜形成方法である。
また、本発明は、前記化成処理液を、皮膜重量が10〜1000mg/mとなるように皮膜化成することを特徴とする。
本発明によれば、リン酸亜鉛皮膜の化成処理と比較して、必要となる工程数が少なくできるうえ、水質汚濁防止法に定められている有害物質を含まないので、化成処理が簡単であるという利点を有する。たとえば、通常のリン酸亜鉛の化成処理では、脱脂、水洗、除錆、水洗、表面調整などの工程が、化成処理の前に必要であるが、本発明の化成処理液では、前記のうち、脱脂、水洗、除錆、表面調整工程の各工程を省略することができる。また、本発明は、界面活性剤を含むことで脱脂及び皮膜化成の同時処理が可能となるという効果を奏する。
また、本発明の化成処理液で形成される非晶質皮膜は、リン酸鉄皮膜に比べて高い耐食性を有するという利点がある。
実施例2で製造した化成処理膜の電子顕微鏡写真である。 比較例1で製造した化成処理膜の電子顕微鏡写真である。
本発明の化成処理液は、皮膜の形成用であって、リン酸5〜15g/Lと、金属元素として、亜鉛およびニッケルのすくなくとも一つを含有し、前記金属元素の含有量が、亜鉛10〜750mg/L、ニッケル10〜1000mg/Lであり、pHが2.0〜3.5であることを特徴とすることを特徴とする皮膜の形成用の化成処理液である。


本発明において、リン酸は化成処理液中に、5〜15g/L含まれる。
リン酸としては、特に限定されず、オルトリン酸(HPO)のほか、ピロリン酸、トリポリリン酸、メタリン酸、ウルトラリン酸などの縮合リン酸があげられる。これらのリン酸は、遊離のものだけでなく、種々の塩であってもよく、オルトリン酸の場合には、ナトリウム塩、カリウム塩などのリン酸アルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのリン酸アルカリ土類金属塩があげられる。
また、縮合リン酸の塩としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などがあげられる。
これらのリン酸もしくはリン酸塩、または縮合リン酸もしくは縮合リン酸塩は単独でもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記リン酸は、オルトリン酸換算で前記範囲となる量を用いることができる。
化成処理液中のリン酸含有量が5g/L以下の場合には、反応不足となり、15g/Lを越えると過剰反応となるので、好ましくない。
本発明において、リン酸は、とりわけ5〜10g/Lであるのが好ましい。
本発明の化成処理液が亜鉛を含む場合、亜鉛は化成処理液中に1〜750mg/L含まれる。
亜鉛としては、種々のものを用いることができ、たとえば金属亜鉛、亜鉛末、塩化亜鉛、過酸化亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、硫化亜鉛、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛などを用いることができ、酸化亜鉛、炭酸亜鉛などの水溶性無機亜鉛が好ましい。これらの亜鉛は単独でもよく、2種類以上を併用してもよい。
化成処理液中の亜鉛含有量が、1mg/L未満の場合には、耐食性が悪化し、750mg/Lを越えてもまた耐食性が悪化するので、好ましくない。
本発明の化成処理液がニッケルを含む場合、ニッケルは化成処理液中に1〜1000mg/L含まれる。
本発明において、ニッケルとしては、種々のものを用いることができ、たとえば金属ニッケル、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、二硫化ニッケル(NiS)、一硫化ニッケル(NiS)、二硫化三ニッケル、酢酸ニッケル、炭酸ニッケル(NiCO)、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、などの無機ニッケル塩があげられる。
前記のうち、酸化ニッケル、炭酸ニッケル、水酸化ニッケルなどの水溶性無機ニッケルが好ましい。これらのニッケルは、単独でもよく、2種類以上を併用してもよい。
化成処理液中の、ニッケル含有量が1mg/L未満の場合には耐食性が悪化し、1000mg/Lを越えると化成処理膜の化成反応が不十分となり、好ましくない。
本発明の化成処理液がコバルトを含む場合、コバルトは化成処理液中に1〜300mg/L含まれる。
本発明においてコバルトとしては、種々のものを用いることができ、たとえば水酸化コバルト、酸化コバルト、塩化コバルトなどがあげられ、これらのコバルトは単独でもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明の化成処理液がカルシウムを含む場合、カルシウムは1〜1000mg/L含まれる。本発明においてカルシウムとしては、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウムなどがあげられる。これらのカルシウムは単独でもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明の化成処理液は、pHが2.0〜3.5である。pHの調整は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、過酸化水素水、リン酸などのナトリウム塩や無機酸を用いて行うことができる。前記のうち、好ましくは水酸化ナトリウム、リン酸があげられる。
これらのpH調整剤は、単独でもよく、2種類以上を併用してもよい。
化成処理液のpHが、2.0未満であるとメッキ材、非鉄が溶解し耐食性の低下となり、3.5を越えると処理液が不安定となるので、好ましくない。
また、本発明の化成処理液には、界面活性剤を0.1〜3.0g/Lを含んでいてもよい。界面活性剤としては、特に限定されず、この技術分野において使用されるものであればよく、たとえばカチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両性型界面活性剤などがあげられる。
具体的にはEO・POブロックポリマー型界面活性剤、アルキルエーテル型非イオン界面活性剤、エステル型非イオン界面活性剤、特殊フェノール型非イオン界面活性剤、アマイド型非イオン界面活性剤、ポリエチレングリコール型界面活性剤、硫酸塩型界面活性剤、リン酸エステル型界面活性剤、アルキルカチオン型界面活性剤、アミド型界面活性剤などを用いることができる。これらの界面活性剤は単独でもよく、2種類以上を併用してもよい。
また、本発明の化成処理液には、硝酸および亜硝酸を含有しないことが好ましい。
また、本発明は、前記化成処理液を、被塗物に化成反応させて皮膜を形成させる皮膜形成方法である。
本発明において、化成反応とは、耐食、防食性を付与するための対象となる金属材料の被塗物に、上記の本発明の化成処理液を、この技術分野における常法によって、化成させることをいう。
前記対象となる金属材料の被塗物としては、冷間圧延鋼、熱間圧延鋼などの鋼板のほか、電気亜鉛メッキ鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、合金化メッキ鋼板などの表面処理鋼板(金属板)があげられる。
本発明の化成処理液を化成させる前記常法としては、前記金属に処理液を噴霧、浸漬、塗布、(高圧)スプレーなどの方法により、化成させる方法があげられる。
本発明の化成処理液にて、非晶質皮膜が形成されるまでの時間、前記化成処理液と金属板とを接触させ、必要に応じて、金属板を洗浄し、乾燥することによって金属板上に、非晶質皮膜を形成させることができる。
また、本発明の化成皮膜は、リン酸鉄と、酸化鉄と、金属元素として、亜鉛、ニッケル、コバルトおよびカルシウムの少なくとも一つを含み、実質的にリン酸亜鉛結晶を含まない化成皮膜である。
本発明において、非晶質膜とは、リン酸金属の結晶が、皮膜中に一定量以上含まれないことを云い、具体的には、走査型電子顕微鏡下の観察において、たとえば結晶粒径が20μm以下の結晶が、皮膜10000μm中に、50個以下、好ましくは10個以下、より好ましくは5個以下であることをいう。
さらに、本発明の化成処理液により形成される好ましい非晶質化成皮膜は、皮膜が非晶質の化成皮膜のみから形成されたものであり、このような皮膜は、たとえば結晶粒径が20μm以下のリン酸亜鉛結晶が、皮膜10000μm中に認められないことを言う。
かかる非晶質の化成皮膜のみから形成された皮膜を形成することができる化成処理液の組成は、例えば、リン酸5〜10g/Lに、金属元素として、亜鉛10〜500mg/L、ニッケル10〜500mg/L、コバルト10〜100mg/L、カルシウム10〜500mg/Lの金属元素を少なくとも1つ以上含み、界面活性剤を0.5〜2.0g/L含み、pHが2.0〜3.0の化成処理液である。
本発明において、非晶質皮膜が形成される理由としては、化成処理液中の遊離したリン酸が、鋼板表面を溶解することにより、鋼板界面のpHが上昇することで金属のイオンが析出した結果、非晶質皮膜が形成されるものと推測される。
本発明において、非晶質皮膜が形成されるまでの時間は、処理方法によっても相違するが、概ね、0.5〜10分間である。
前記化成処理液と金属製被塗物との接触は、常温において実施してもよいが、たとえば加温下に実施してもよく、たとえば20〜80℃に加温することがあげられる。
かくして得られる非晶質皮膜は、リン酸鉄と、酸化鉄と、金属元素を含み、実質的にリン酸亜鉛結晶を含まないことを特徴とする非晶質皮膜である。
本発明の非晶質皮膜をより詳細に説明すると、リンと添加金属を含むおよび鉄の酸化膜からなる複合皮膜、さらにリン酸鉄(FePO・2HO)と、三酸化二鉄(Fe)を含む非晶質皮膜である。
さらに、本発明は、前記化成処理液を皮膜重量10〜1000mg/mとなるように皮膜化成することを特徴とする非晶質皮膜の形成方法である。
本発明において、化成処理液を皮膜重量10〜1000mg/mとなるように皮膜化成するとは、化成処理後、乾燥した皮膜重量が10〜1000mg/mであることをいう。
塗布方法の意義および具体的な方法は前記のとおりである。本発明において、皮膜重量が10mg/m未満の場合には、皮膜の塗膜密着性が低下し、また1000mg/mを超える場合にも同様に塗膜密着性が低下するので好ましくない。
本発明の化成処理液は、リン酸および前記金属元素、要すれば界面活性剤を水中で混合したのち、pH調整剤でpHが所定の範囲となるよう調整するか、または、リン酸および前記金属元素、pH調整剤、要すれば界面活性剤を水中で混合するか、あるいは
リン酸、前記金属元素、pH調整剤、要すれば界面活性剤を順次水中に添加して混合することにより、容易に製造することができる。
かくして得られた本発明の非晶質皮膜は、さらにその表面に塗膜を施すことができ、かかる塗膜としては、たとえば電着塗装による塗膜があげられる。
電着塗膜としては、カチオン電着塗装による塗膜が好ましい。
本発明の皮膜形成方法の1例を示すとすれば、冷間圧延鋼(SPCC)を、加工、成型したのち、冶具に設置し、これに前処理スプレー装置を用いて、本発明の化成処理液を40℃に加温し、3分間、噴霧して、処理液と鋼板とを接触させたのち、水洗、乾燥することにより、非晶質皮膜を形成させることができる。
以下、実施例により本発明の効果を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。
実施例において使用された金属材料および化成処理液の調整方法は以下のとおりである。
<金属材料>
SPCC:JIS G3141:2011で規格された冷延圧延軟鋼板(厚さ0.8mm)
SPHC:JIS G3131:2011で規格された熱間圧延軟鋼板(厚さ1.8mm)
SGCC:JIS G3302:2012で規格された溶融亜鉛めっき鋼板(厚さ0.8mm)
GA:JIS G3302:2012で規格された合金化溶融亜鉛めっき鋼板(厚さ0.8mm)
SECC:JIS G3313:2010で規格された電気亜鉛めっき鋼板(厚さ0.8mm)
<化成処理液の調製>
実施例および比較例で使用した化成処理液は、表1に示す各成分を所定量配合した後、水酸化ナトリウムで所定のpHに調整することにより、実施例1〜22および比較例1〜13の化成処理液を調製した。
Figure 0006959286
(1)実施例1〜1422および比較例4〜13
SPCC表面に、各実施例の化成処理液を40℃で180秒間スプレーし、金属材料の表面上に化成皮膜を製造した。得られた化成皮膜を有する金属材料の表面上を水道水、脱イオン水の順で洗浄し、80℃で乾燥した。
前記化成被膜を有する金属材料を陰極とし、シントーサクセード#80V2 黒(神東塗料株式会社製カチオン電着塗料)を用いて陰極電解することで塗膜を形成させた。なお、電圧は200V、浴液温度は28±1℃、通電時間は2〜3分(スロースタート30秒)にて、膜厚が20μmとなるように調整して行った。電着塗装後、塗膜の表面を脱イオン水で洗浄し、160℃で20分間焼き付けを行うことにより、カチオン電着塗膜を有する試験片を作成した。
(2)実施例15
SPCCに代えてSPHCを用いる他は、実施例1と同様に実施して試験片を製造した。
(3)実施例16
SPCCに代えてSECCを用いる他は、実施例1と同様に実施して試験片を製造した。
(4)実施例17
SPCCに代えてSEGCを用いる他は、実施例1と同様に実施して試験片を製造した。
(5)実施例18
SPCCに代えてGAを用いる他は、実施例1と同様に実施して試験片を製造した。
(6)実施例19
実施例1と同様にして製造した化成被膜を有する金属材料の表面上にイノバックスPシリーズ(神東塗料株式会社製 ブロックイソシアネート硬化タイプ粉体塗料)を用いて静電粉体塗装を行った。塗装後、180℃で20分間焼き付けを行うことにより、粉体塗膜を有する試験片を作成した。なお、膜厚は60±10μmになるように調整した。
(7)実施例20
実施例1と同様にして製造した金属材料の表面上に溶剤塗料(神東塗料株式会社製 シントーマルチプライマーSP)をエアスプレーガンにてエアー霧化塗装した。塗装後、60℃で20分間強制乾燥を行うことにより、溶剤系塗膜を有する試験片を作成した。なお、塗膜厚は20±5μmとなるように調整した。
(8)実施例21
SPCC表面に脱脂剤(グランダクリーナー487F1;ミリオン化学株式会社;20g/Lの濃度となるように水に溶解した水溶液)を43℃で120秒間スプレーすることにより脱脂した。その後、30秒間スプレー水洗した。続いて、実施例21の化成処理液を金属材料の表面上に40℃で180秒間スプレーし、金属材料の表面上に化成皮膜を製造した。得られた化成皮膜を有する金属材料の表面上を水道水、脱イオン水の順で洗浄し、80℃で乾燥し、さらに実施例1と同様にカチオン電着塗装して、試験片とした。
(9)比較例1
SPCC表面に脱脂剤(グランダクリーナー487F1;ミリオン化学株式会社;20g/Lの濃度となるように水に溶解した水溶液)を43℃で120秒間スプレーすることにより脱脂した。その後、30秒間スプレー水洗した。続いて、表面調整剤(グランダファイナー10;ミリオン化学株式会社;3g/Lの濃度となるように水に溶解した水溶液を使用)を20℃で30秒間スプレーすることにより表面調整を行った。
続いて、比較例1の化成処理液を金属材料の表面上に40℃で180秒間スプレーし、金属材料の表面上に化成皮膜を製造した。得られた化成皮膜を有する金属材料の表面上を水道水、脱イオン水の順で洗浄し、80℃で乾燥し、さらに実施例1と同様にカチオン電着塗装して、試験片とした。
(10)比較例2および3
各比較例の化成処理液を用いる他は、実施例1と同様に実施して、比較例の試験片を得た。
得られた試験片の評価は、以下の方法で行った。
<塩水噴霧試験>
カッターナイフを用いて、各種試験片の塗膜面に、×状に金属素地に達する傷をつけ、塩水噴霧試験法(JIS−Z2371)に基づき、中性塩水噴霧を行った。カチオン電着塗装を行ったSPCCおよびSPHCの試験片に対しては720時間、合金化メッキの試験片に対しては480時間、溶融亜鉛メッキの試験片に対しては240時間、電気亜鉛メッキの試験片に対しては72時間の中性塩水噴霧を行った。
また、粉体塗装を行った試験片に対しては480時間、溶剤塗装を行った試験片に対しては72時間中性塩水噴霧を行った。
中性塩水噴霧後、実施例26〜30の試験片について、傷部(クロスカット部)からの塗膜膨れ幅(片側最大膨れ幅)を測定し、以下の評価基準に従って耐食性を評価した。また、カチオン電着塗装を行った実施例1〜25および比較例1〜3の試験片について、中性塩水噴霧720時間後にテープ剥離試験を行い、試験片の傷部(クロスカット部)からの塗膜剥離幅(片側最大剥離幅)を測定し、以下の評価基準に従って耐食性を評価した。
<耐食性>
実施例1620の試験片
A :片側膨れ幅が0.0mm以上3.0mm以下
B :片側膨れ幅が3.0mm超え5.0mm以下
C :片側膨れ幅が5.0mm超え
実施例1〜152122および比較例1〜13の試験片
A :片側剥離幅が0.0mm以上3.0mm以下
B :片側剥離幅が3.0mm超え5.0mm以下
C :片側剥離幅が5.0mm超え
<脱脂兼用>
防錆油の付着したSPCCの試験板に、実施例1〜22および比較例1〜13の処理液を、スプレー装置を使用して、処理温度40℃、180秒間噴霧した際の脱脂性の確認を行った。
脱脂性については、実施例1〜22および比較例1〜13の処理液にて処理後に水洗を行い、水濡れ確認(試験版表面に水弾きがないか)で判断する。水弾きがある場合は、油分が残留していると判断し不適とする。不適の比較例1および実施例21は前工程にてアルカリ脱脂および水洗を別途行い、皮膜を化成させた。
<スラッジ発生>
試験片として冷延鋼板(パルテック社 SPCC−SD (t0.8×70×150m
m))を使用し、実施例1〜22および比較例1〜13の処理液1Lに20枚≒0.42mを浸漬法にて処理温度40℃、180秒化成処理を実施した。その際に発生したスラッジを回収および濾過した後、100℃にて3時間乾燥させ、スラッジ重量を測定した。その後スラッジ重量をm当たりに換算して数値を求めた。
<皮膜質量(重量)>
日本工業規格 K3151−1996 5.5に準拠して測定した。
<結晶の有無>
前記各試験片を、走査型電子顕微鏡(型式:JSM6380LA、日本電子株式会社製)を用いて、加速電圧15KV、高真空HV、撮影倍率1000倍の条件で撮影し、試験片表面の任意の10000μmを選択し、該表面に含まれる結晶の数を測定した。
結果は表2に示すとおりである。
Figure 0006959286

Claims (5)

  1. リン酸5〜15g/Lと、金属元素として、亜鉛およびニッケルのすくなくとも一つを含有し、前記金属元素の含有量が、亜鉛10〜750mg/L、ニッケル10〜1000mg/Lであり、コバルトを含む場合には、コバルトの含有量は、1〜300mg/Lであり、カルシウムを含む場合には、カルシウムの含有量は、1〜1000mg/Lであり、pHが2.0〜3.5であり、硝酸、亜硝酸を含まないことを特徴とする皮膜形成用の化成処理液。
  2. さらに、界面活性剤を0.1〜3.0g/Lを含むことで脱脂及び皮膜化成の同時処理が可能となることを特徴とする請求項1に記載の化成処理液。
  3. 前記化成処理液が、非晶質皮膜形成用であることを特徴とする請求項1または2に記載の化成処理液。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の化成処理液を、被塗物に化成反応させて皮膜を形成することを特徴とする皮膜形成方法。
  5. 前記化成処理液を、皮膜重量が10〜1000mg/mとなるように皮膜化成することを特徴とする請求項に記載の皮膜形成方法。
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