JP6959165B2 - はんだ材料及び電子部品 - Google Patents
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この出願はこのような点に鑑みなされたものであり、従って、この発明の目的は、Sn、Sb、Cu、Ag及びInを含むはんだ材料であって、圧電デバイスの気密封止材料として用いても封止前後の周波数変化量を低減できるはんだ材料を提供することにある。
従って、この発明のはんだ材料によれば、25〜45質量%のSnと、30〜40質量%のSbと、3〜8質量%のCuと、15〜25質量%のAgと、1〜9質量%のInと、合計で0.01〜5質量%のBa及びAuの双方又は一方と、からなることを特徴とする。
なお、詳細は後述するが、この発明を実施するに当たり、Ba及びAuのうちのBaを用いる場合は、Auを用いる場合に比べ、材料費の低減が図れ、また、少量で本発明の効果を得ることができる(表1、表2参照)。
この発明のはんだ材料は、25〜45質量%のSnと、30〜40質量%のSbと、3〜8質量%のCuと、15〜25質量%のAgと、1〜9質量%のInと、合計で0.01〜5質量%のBa及びAuの双方又は一方と、からなることを特徴とする。以下、具体的に説明する。
先ず好適な形態として、Si(シリコン)及びTi(チタン)を含ませることが出来る。Si及びTiを含ませることで、示差走査熱量曲線の傾きが急峻になる。その理由は、Si及びTiを加えることで半田を構成する結晶が細かくなるため、はんだを構成する粒子が細かくなり、固体から液体への変化が明瞭になるためと考えられる。Si及びTiの含有量は、これが少なすぎては上記の粒子の微細化が得られず、多すぎてはSi及びTi自体が結晶として残り易くなる。従って、Si及びTiの量はこれらを考慮し決定する。発明者の実験によれば、Si及びTiの含有量は各々0.1質量%以下が良く、好ましくは0.05質量%以下が良い。なお、Tiは硬いためドロスになり易い性質を持つので、その量が多くなるとはんだ材料の粘性が高くなるおそれがある。従って、Tiの含有量については上記のように0.1質量%以下、好ましくは0.05質量%以下で良いが、より好ましくは0.03質量%以下が良い。
上記の様にSi及びTiを含むこの発明のはんだ材料では、固体から液体への変化が明瞭になるため、はんだ材料の溶融が不十分となるおそれや、十分に固化せずにはんだ材料で固定したはずの部分が剥離するおそれが、より一層少なくなる。
次に、この発明のはんだ材料の製造方法の一例について説明する。まず、Sn、Sb、Cu、Ag、In、Ba及び又はAu各々等を、切断等して各金属材料の微小片を得る。
次に、上記のように製造した各金属材料の微小片を、この発明でいう所定の含有量、具体的には後述の表1に示した組成及び比較例の組成となるように秤量し、それらを混合する。
また、この発明のはんだ材料は、箔状に加工された後、打ち抜かれたプリフォームの形態のものでも良い。
次に、この発明のはんだ材料の効果を確認するため、電子部品の一例として、以下に説明する水晶振動子であって、表1に示した実施例及び比較例のはんだ材料によって封止した水晶振動子を試作した。ただし、これらの水晶振動子を試作する際に、封止前後での周波数変化量を測定した。
3−1.水晶振動子の構造
先ず、水晶振動子の構造について説明する。図1及び図2は、この発明のはんだ材料を気密封止材料として用いて気密封止する対象として好ましい水晶振動子の説明図であり、いずれも分解斜視図で示した図である。ただし、後述する封止前後の周波数変化を調査した水晶振動子は、図2に示した構造のものである。
次に、図2に示した構造の水晶振動子であって、以下の表1に示した実施例及び比較例のはんだ材料のうち、比較例1、実施例1、実施例3のはんだ材料を用いて気密封止した比較例1の水晶振動子、実施例1の水晶振動子及び実施例3の水晶振動子をそれぞれ試作した。試作数は、各水準ごとに20個とした。また、試作した各水晶振動子について、気密封止する前の振動周波数F1と、気密封止後の振動周波数F2とをそれぞれ測定した。そして、各水晶振動子ごとに封止前後の周波数変化量ΔFとして、ΔF=F2−F1を算出した。これら周波数変化量の結果を下記の表2に示す。
また、実施例1と実施例3とを比較した場合、実施例1ではBaの添加量が0.5質量%であり、実施例3ではAuの添加量が1質量%であり、実施例1の方がBa又はAuの添加量が少ないが、それでも実施例1の水晶振動子の方が実施例3の水晶振動子に比べて周波数変化量が小さいことが分かる。このことから、AuよりBaの方が少ない含有量で周波数変化量を小さくできると推定できる。また、標準偏差について検討しても、実施例1の方が実施例3に比べ、小さいことから、この点でも、Baは添加物として好ましいと推定できる。
次に、この発明のはんだ材料の上記の事項以外の他の事項についての検討結果を説明する。
4−1.DSC測定による結果
先ず、この発明のはんだ材料が有する物性の一例として、示差走査熱量測定(DSC)の結果の一例について、比較例のものと併せて説明する。
図3は、実施例1のはんだ材料の示差走査熱量測定の結果を示した図、図4は、比較例1のはんだ材料の示差走査熱量測定の結果を示した図である。いずれの図も、横軸に温度、縦軸に熱流をとって示したものである。なお、いずれの示差走査熱量測定においても、試料を10℃/分の昇温速度で昇温させた条件で、当該測定を実施した。
実施例1のはんだ材料の場合は、固相線温度は303℃、液相線温度は351℃であり、一方、比較例1のはんだ材料の場合は、固相線温度は318℃、液相線温度は363℃であった。また、実施例1、比較例1以外の他の実施例および比較例のはんだ材料についても、実施例1と同様にして示差走査熱量測定をした。その結果をまとめて上記の表1に示した。
はんだ付けを行う場合、液相線温度以上に加熱することが必要であるが、はんだ付される部材の耐熱等を考慮すれば、液相線温度は低い方が好ましい。この点を考慮した場合、表1から分かるように、実施例のはんだ材料の液相線温度は高くても363℃であるため、水晶振動子の気密封止材料の用途を考慮しても、このはんだ材料は実用できるといえる。
この温度幅Wはある程度狭い方が良い。なぜなら、これが狭い方がはんだ材料の溶融温度を管理し易い等の利点が得られるからである。温度幅Wが広いと、極端にいえば、はんだはダラダラと溶けてしまい好ましくないからである。
実施例及び比較例のはんだ材料中のいくつかの水準についての温度幅Wを以下の表3及び表4に示した。
表3は、Baの含有量(質量%)と上記の温度幅Wとの関係をまとめた表である。この表3から、Baを含有させる場合、温度幅Wは、Ba含有量が0.5質量%付近で最小幅になることが分かる。また、Baの含有量がゼロの場合、温度幅Wは広く、また、Ba含有量が0.5質量%を超えて1質量%と増えると温度幅Wは広くなることが分かる。
表3及び表4から、Au又はBaの含有量が多すぎると、温度幅Wが広くなってしまい好ましくないことが分かる。この温度幅Wの観点からしても、Au又はBaの含有量は5質量%以下が良いことが分かる。
上述においては、Ba及び又はAuを含有させることで封止前後の周波数変化量を小さくできる点を、説明した。しかしながら、この発明のはんだ材料の場合、その用法次第では、Inの含有量についても検討した方が好ましいことが、発明者の実験により判明した。すなわち、この発明のはんだ材料を例えば水晶振動子の気密封止材料として用いる場合であって、しかも、はんだ付け後の冷却を低速度で行った場合、冷却の際にはんだ付けした固化物に無視できない低融点相が生じてはんだ付の信頼性が落ちる場合が生じることが、判明した。また、それを回避するためには、Inの含有量を少なめに適正化することが良いことが判明した。従って、Ba及び又はAuを含有させる際、Inの量も検討することが良い場合がある。
このようなとき、この発明のはんだ材料の組成において、特にInの含有率を適正化すると、はんだ材料を溶融した後の冷却速度を5℃/秒さらには3.5℃/秒まで遅くしても、固化物に無視できない低融点相は実質的に生じないことが判明した。以下、この点について、実験結果と併せて説明する。
次に、封止直後の封止良品率、及び、封止後に良品と判定された試料を所定のリフロー炉に複数回通した後の良品率を、それぞれ調査した。なお、封止直後の封止良否判定は、水晶振動子の基体21と蓋部材22(図2)との接合具合の顕微鏡観察と、公知のHeリークテストとで行った。また、リフロー炉を通した後の都度の良否判定は、公知のHeリークテスト及びバブルリークテストにより行った。また、リフロ−は、210℃以上の温度を80秒±20秒維持し、かつ、ピーク温度として255℃の温度を30秒維持する温度プロファイルを持つリフロー炉を用いて行った。
また、表5に、封止後の良品をリフロー炉に複数回通した都度の良品率を示した。表5から分かるように、Inの含有率が1.5質量%以上で4質量%以下では、リフロー回数を増やしても良品率は100%を維持している。また、Inの含有率が1.3質量%以上で6質量%以下であっても、良品率はある程度確保できており製造条件の適正化等により製品に適用できるともいえる。これに対し、In含有量が7質量%を越える試料では、リフロ回数1回目後でも不良が発生し、リフロー回数が増えるに従い不良が発生し、In含有量が6%ではリフロー5回後で不良が発生することが分かる。
従って、Ba及び又はAuを含油させたこの発明のはんだ材料を例えば水晶振動子の気密封止材料として用いる場合ではんだ封止後の低脚速度を比較的遅くする場合は、Inの含有量を質量%でいって、1.3質量%以上で5質量%以下が良く、より好ましくは、Inの含有量は1.5質量%以上で4質量%以下とするのが良い。
4:導電性接着剤、 5:パッド
10、20:容器、 11、21:基体、 12、22:蓋部材
13:縁部、 30:励振用電極
Claims (10)
- 25〜45質量%のSnと、30〜40質量%のSbと、3〜8質量%のCuと、15〜25質量%のAgと、1〜9質量%のInと、合計で0.01〜5質量%のBa及びAuの双方又は一方と、からなることを特徴とするはんだ材料。
- 25〜45質量%のSnと、30〜40質量%のSbと、3〜8質量%のCuと、15〜25質量%のAgと、1.3〜5質量%のInと、合計で0.01〜5質量%のBa及びAuの双方又は一方と、からなることを特徴とするはんだ材料。
- 25〜45質量%のSnと、30〜40質量%のSbと、3〜8質量%のCuと、15〜25質量%のAgと、1.5〜4質量%のInと、合計で0.01〜5質量%のBa及びAuの双方又は一方と、からなることを特徴とするはんだ材料。
- Si及びTiを各々0.1質量%以下含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のはんだ材料。
- フラックスが混合されたペースト状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のはんだ材料。
- 箔状に加工された後、打ち抜かれたプリフォームであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のはんだ材料。
- 気密封止構造を持つ電子部品であって、気密封止材料として請求項1〜4のいずれか1項に記載のはんだ材料が用いられていることを特徴とする電子部品。
- 容器を構成する基体および蓋部材を有し、これら基体及び蓋部材が請求項1〜4のいずれか1項に記載のはんだ材料によって接合されていることを特徴とする電子部品。
- 電子素子を内包する容器とこれを実装している配線基板とを具え、容器及び配線基板の接続材料として請求項1〜4のいずれか1項に記載のはんだ材料が用いられていることを特徴とする電子部品。
- 請求項7〜9のいずれか1項に記載の電子部品を樹脂でモールドしたモジュール構造を有することを特徴とする電子部品。
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