JP6956589B2 - マイクロ流路シート - Google Patents

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本発明は、マイクロ流路シートに関する。
水溶液等の溶液中の物質の検出や定量を行うための手段として、マイクロ流路を用いた検出方法が広く利用されている。
例えば、特許文献1では、トリハロメタンを含む試料水と塩基性ピリジン水溶液との混合物をマイクロ流路中で反応させる第1の工程と、マイクロ流路の下流側に設けられた検出部の内部で、混合物に接触する光通路を介して混合物に照射された光を用いて混合物の光学的性質を測定し、混合物中の反応生成物の定量を行う第2の工程とを備えることを特徴とするトリハロメタンの微量連続定量分析方法が開示されている。
また、近年、かかるマイクロ流路として、紙で形成されたものが注目されている。非特許文献1では、マイクロ流路ペーパー分析デバイスが開示されている。マイクロ流路ペーパー分析デバイスは、濾紙上に疎水部及び親水部を形成し、親水部に水溶液を滴下することにより分析を行うものである。
なお、特許文献2では、目付が5g/m以上100g/mの範囲にあり、数平均繊維径が2nm以上300nm以下のセルロースナノファイバーと、無機粒子、及び高分子粒子からなる群から選択される1種以上のフィラー材とを含む、分散体から有機溶媒を介在させずに抄紙・乾燥することにより製造されることを特徴とする複合シート材料が開示されている。
特開2008−241606号公報 特開2015−14078号公報
「ぶんせき」2015年11号 日本分析化学会 P499〜500
マイクロ流路ペーパー分析デバイスは、流路内で反応を速やかに進行させることができるため、オンサイトでの分析等の観点から有用である。
一方、用途によっては、溶液中の物質の検出や定量を光学的な分析により行うため、流路の全光線透過率を高くすることが望ましいことがある。しかしながら、マイクロ流路ペーパー分析デバイスに用いられる通常の濾紙では、十分な光透過率が得られない。
したがって、光を良好に透過させることができ、かつ膨潤することなく液体を良好に浸透させることができる流路を有する、マイクロ流路シートを提供する必要性が存在する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
〈態様1〉 非浸透性基材、及び
上記非浸透性基材上の光透過性多孔質マイクロ流路
を具備しており、かつ上記光透過性多孔質マイクロ流路が、セルロースナノファイバー、親水性シリカ、及びバインダーを含有している、マイクロ流路シート。
〈態様2〉 上記バインダーの上記セルロースナノファイバーに対する質量比が、0超0.10未満である、態様1に記載のマイクロ流路シート。
〈態様3〉 上記バインダーの上記セルロースナノファイバーに対する質量比が、0.02以上である、態様2に記載のマイクロ流路シート。
〈態様4〉 上記親水性シリカの上記セルロースナノファイバーに対する質量比が、0.80〜1.20である、態様1〜3のいずれか一項に記載のマイクロ流路シート。
〈態様5〉 上記バインダーが、ポリアミド樹脂、メチロール基含有樹脂、及びポリアミン樹脂、並びにこれらの混合物からなる群より選択される、態様1〜4のいずれか一項に記載のマイクロ流路シート。
〈態様6〉 上記バインダーが、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂である、態様5に記載のマイクロ流路シート。
〈態様7〉 上記非浸透性基材が、透明基材である、態様1〜6のいずれか一項に記載のマイクロ流路シート。
〈態様8〉 上記非浸透性基材及び上記光透過性多孔質マイクロ流路が積層されている部分において、JIS K 7105に準拠する全光線透過率が、50%以上である、態様1〜7のいずれか一項に記載のマイクロ流路シート。
〈態様9〉 セルロースナノファイバー、親水性シリカ、及びバインダーを水中に分散させて、セルロースナノファイバー分散体を作製すること、
(a)上記セルロースナノファイバー分散体を成形して、光透過性多孔質マイクロ流路を作製し、そして上記光透過性多孔質マイクロ流路を非浸透性基材上に積層させること;又は
(b)上記セルロースナノファイバー分散体を非浸透性基材上に印刷して、光透過性多孔質マイクロ流路を作製すること
を含む、マイクロ流路シートの製造方法。
本発明によれば、光を良好に透過させることができ、かつ膨潤することなく液体を良好に浸透させることができる流路を有する、マイクロ流路シートを提供することができる。
図1は、本発明のマイクロ流路シートの層構成を示す図である。 図2は、実施例及び比較例における非膨潤性及び流体移送性の試験の概略図である。 図3は、実施例のマイクロ流路シートの断面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。 図4は、比較例のマイクロ流路シートの断面のSEM画像である。
《マイクロ流路シート》
図1に示すように、本発明のマイクロ流路シート100は、非浸透性基材20、及び非浸透性基材20上の光透過性多孔質マイクロ流路10を具備しており、かつ光透過性多孔質マイクロ流路10が、セルロースナノファイバー、親水性シリカ、及びバインダーを含有している、マイクロ流路シートである。
本発明者らは、上記の構成により、光、特に可視光を良好に透過させることができ、かつ膨潤することなく液体を浸透させることができる流路を有する、マイクロ流路シートを提供できることを見出した。理論に拘束されることを望まないが、これは、(1)バインダーによって、セルロースナノファイバーを強固に結合させ、それによって、液体による膨潤を抑制できること、(2)個々のセルロースナノファイバー自体が液体によって膨潤しにくく、また透明性を有すること、及び(3)親水性シリカとセルロースナノファイバーとの間の親和性が良好である結果、親水性シリカがセルロースナノファイバー間に良好に分散することができ、その結果、良好な多孔性をもたらすことができることの相互作用に起因すると考えられる。
非浸透性基材及び光透過性多孔質マイクロ流路が積層されている部分において、JIS K 7105に準拠する全光線透過率は、50%以上、60%以上、70%以上、75%以上、80%以上、又は85%以上であることができ、また100%以下、95%以下、又は90%以下であることができる。この全光線透過率は、例えば株式会社村上色彩技術研究所のヘーズメーター HR100を用いて測定することができる。
以下では、本発明の各構成要素について説明する。
〈非浸透性基材〉
非浸透性基材は、流体を浸透させない基材であることができる。かかる非浸透性基材としては、樹脂フィルムを用いてもよく、又は非浸透性層及び浸透性層を有する積層体を用いることができる。
流路を通過する物質の光学的な観察を行う場合には、非浸透性基材としては、透明基材、特に透明樹脂フィルム又は透明ガラスを用いることが、マイクロ流路シート全体として光透過性を高くする観点から好ましい。
非浸透性基材の厚さは、特に限定されないが、例えば3μm以上、10μm以上、20μm以上、30μm以上、50μm以上、100μm以上、300μm以上、又は500μm以上であることができ、また10mm以下、7mm以下、5mm以下、3mm以下、又は1mm以下であることができる。
〈非浸透性基材:樹脂フィルム〉
樹脂フィルムとしては、耐衝撃性、耐摩耗性等に優れた熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン、ビニル系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド等で構成されたフィルムを単独で、又は2種類以上組み合わせて複層で用いることができる。かかるフィルムは、延伸フィルムであっても、無延伸フィルムであってもよい。
ポリオレフィンとしては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。
なお、本明細書において、ポリエチレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にエチレン基の繰返し単位を、30mol%以上、40mol%以上、50mol%以上、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、カルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性エチレンビニルアセテート共重合体、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群より選択される。
本明細書において、ポリプロピレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にプロピレン基の繰返し単位を、30mol%以上、40mol%以上、50mol%以上、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、塩素化ポリプロピレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
ビニル系ポリマーとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル(PAN)等を用いることができる。
ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
ポリアミドとしては、例えばナイロン(登録商標)6、ナイロンMXD6等のナイロン等が挙げられる。
〈非浸透性基材:積層体〉
図1(b)に示すように、積層体である態様の非浸透性基材20は、非浸透性層22及び浸透性層24を有していてよい。
非浸透性層としては、例えば樹脂フィルム又は樹脂コート層を用いることができ、浸透性層としては、例えば紙層を用いることができる。したがって、非浸透性層及び浸透性層を有する非浸透性基材としては、例えばコート紙等を用いることができる。
〈光透過性多孔質マイクロ流路〉
光透過性多孔質マイクロ流路は、セルロースナノファイバー、親水性シリカ、及びバインダーを含有している。
ここで、本発明において、「多孔質」とは、光透過性多孔質マイクロ流路の断面をSEMで5000倍に拡大して観察したときに、断面の細孔が視認可能であることを言うものである。
バインダーのセルロースナノファイバーに対する質量比は、0超、又は0.01以上、特に0.02以上、0.03以上、又は0.04以上であることが、光透過性多孔質マイクロ流路に流体を流した際の流路の膨潤を良好に抑制する観点から好ましい。また、この質量比は、0.10以下、0.09以下、又は0.08以下であることが、親水性シリカによってもたらされた多孔性を過度に損なわず、その結果、光透過性多孔質マイクロ流路中において流体を良好に浸透させる観点から好ましい。
親水性シリカのセルロースナノファイバーに対する質量比は、0.50以上、0.60以上、0.70以上、0.80以上、0.90以上、又は0.95以上であり、かつ1.50以下、1.40以下、1.30以下、1.20以下、1.10以下、又は1.05以下であってよい。
光透過性多孔質マイクロ流路の厚さは、特に限定されないが、例えば50nm以上、70nm以上、100nm以上、300nm以上、500nm以上、1μm以上、3μm以上、5μm以上、10μm以上、20μm以上、30μm以上、又は40μm以上であることができ、また5mm以下、3mm以下、1mm以下、500μm以下、300μm以下、100μm以下、80μm以下、60μm以下、又は50μm以下であることができる。
(セルロースナノファイバー)
セルロースナノファイバーは、例えばセルロースの大部分又は全部がフィブリル化した状態の微細セルロース繊維であるミクロフィブリル化セルロースであってよい。かかるミクロフィブリル化セルロース等の原料及び製法等については、特許文献2に記載されたものを上げることができる。
セルロースナノファイバーの数平均繊維径は、2nm以上、3nm以上、5nm以上、10nm以上、20nm以上、30nm以上、40nm以上、又は50nmであることができ、また300nm以下、250nm以下、200nm以下、150nm以下、又は100nm以下であることができる。
ここで、セルロースナノファイバーの数平均繊維径は、以下のようにして測定することができる。すなわち、セルロースナノファイバーの集合体の表面に関して、無作為に少なくとも2箇所、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を10,000倍相当以上30,000倍以下の範囲で、繊維径が明確に認識できる倍率で行う。得られたSEM画像に対し、画面に対し水平方向と垂直方向にラインを引き、ラインに交差する繊維の繊維径を拡大画像から実測し、交差する繊維の個数と各繊維の繊維径を数える。こうして2つのラインに交差する全ての繊維について繊維径の測定結果を用いて数平均繊維径を算出する。更に同じサンプルの別の場所を撮影した同じ倍率のSEM画像についても、同様に数平均繊維径を算出し、合計2画像分の結果の平均値を対象とする試料の数平均繊維径とする。
(親水性シリカ)
親水性シリカとしては、沈降シリカ、熱分解法シリカ、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、シリカゲル等の非晶質シリカを用いることができる。
親水性シリカの平均粒子径は、50nm以上、70nm以上、100nm以上、150nm以上、200nm以上、又は250nm以上であることができ、また1000nm以下、700nm以下、又は500nm以下であることができる。ここで、この平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒子径(D50)である。
(バインダー)
バインダーとしては、反応性バインダー、特に湿潤紙力剤として用いられる反応性バインダーを用いることができる。ここで、反応性バインダーとは、自己架橋によりセルロースナノファイバーを締結すること、及び/又はセルロースナノファイバーの官能基と共有結合することができるバインダーを意味するものである。
かかる反応性バインダーとしては、例えばポリアミド樹脂、メチロール基含有樹脂、及びポリアミン樹脂等、並びにこれらの混合物を用いることができる。
ポリアミド樹脂としては、例えばポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、グリオキザール変性ポリアクリルアミド樹脂等を用いることができる。ポリアミド樹脂は、セルロースナノファイバーの交絡部の周囲において、この交絡部を包囲するようにして自己架橋してセルロースナノファイバーを締結することにより、液体による光透過性多孔質マイクロ流路の膨潤を抑制することができると考えられる。中でも、入手容易性等の観点から、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂を用いることが好ましい。
メチロール基含有樹脂としては、例えばメラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等を用いることができる。メチロール基含有樹脂は、セルロースナノファイバーと架橋することにより、液体による光透過性多孔質マイクロ流路の膨潤を抑制することができると考えられる。
ポリアミン樹脂としては、例えばポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂等を用いることができる。
《マイクロ流路シートの製造方法》
マイクロ流路シートを製造する本発明の方法は、
セルロースナノファイバー、親水性シリカ、及びバインダーを水中に分散させて、セルロースナノファイバー分散体を作製すること、並びに
(a)セルロースナノファイバー分散体を成形して、光透過性多孔質マイクロ流路を作製し、そして光透過性多孔質マイクロ流路を非浸透性基材上に積層させること;又は
(b)セルロースナノファイバー分散体を非浸透性基材上に印刷して、光透過性多孔質マイクロ流路を作製すること。
〈セルロースナノファイバー分散体の作製〉
セルロースナノファイバー分散体の作製は、セルロースナノファイバー、親水性シリカ、及びバインダーを水中に分散させることにより行う。セルロースナノファイバー、親水性シリカ、及びバインダーとしては、マイクロ流路シートに関して挙げたものを用いることができる。
セルロースナノファイバー分散体におけるセルロースナノファイバーの含有率は、セルロースナノファイバー分散体全体の質量を基準として、0.01質量%以上、0.03質量%以上、0.05質量%以上、又は0.07質量%以上であることができ、また1.0質量%以下、0.5質量%以下、0.3質量%以下、又は0.2質量%以下であることができる。
〈態様(a):光透過性多孔質マイクロ流路の作製及び積層〉
態様(a)の光透過性多孔質マイクロ流路の作製は、セルロースナノファイバー分散体を成形して行う。成形は、例えば抄紙等により行うことができる。
光透過性多孔質マイクロ流路の非浸透性基材上への積層は、接着層を介して行ってもよく、又はセルロースナノファイバー分散体の作製とともに行ってもよい。
接着層により光透過性多孔質マイクロ流路を積層させる場合、接着層は、光透過性多孔質マイクロ流路と非浸透性基材との間に存在していてもよく、又は接着層と非浸透性基材とにより光透過性多孔質マイクロ流路を挟むようにして存在していてもよい。
〈態様(b):セルロースナノファイバー分散体の印刷〉
態様(a)の光透過性多孔質マイクロ流路の作製は、セルロースナノファイバー分散体を非浸透性基材上に印刷して行う。印刷は、例えばグラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷等により行うことができる。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
《マイクロ流路シートの作製》
〈実施例1〉
セルロースナノファイバー(CNF)分散水(レオクリスタ 1−2SP、第一工業製薬社、固形分2.0質量%)50.0g、真球親水性シリカ(平均粒径300nm)1.0g、バインダーとしてのポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(カイメンGHP12、理研グリーン株式会社)、及びイオン交換水(残部)を混合させて、セルロースナノファイバー分散体を1000.0g作製した。
次いで、セルロースナノファイバー分散体を抄紙して、流路を作製した。流路を1×100mmの大きさに切り出して、SEMを用いて断面を観察して、流路の多孔性を確認した。評価基準は以下のとおりである:
多孔質:流路の断面を5000倍に拡大して観察したときに、断面の細孔が視認可能である。
非多孔質:流路の断面を5000倍に拡大して観察したときに、断面の細孔が視認不可能である。
また、実施例3及び比較例5については、SEM画像を図3及び4にそれぞれ示している。図3(a)及び図4(a)は、5000倍に拡大した画像であり、図3(b)及び図4(b)は、20000倍に拡大した画像である。
次いで、図2(a)に示すように、切り出した流路10の両端をテープ30で留めることにより、非浸透性基材20としてのPETシート上に流路10を固定して、実施例1のマイクロ流路シートを作製した。
〈実施例2及び3、並びに比較例1〜5〉
セルロースナノファイバー分散体における真球親水性シリカ及びバインダーの質量を表1に示すように変更して、セルロースナノファイバー分散体を1000.0g作製したことを除き、実施例1と同様にして、実施例2及び3、並びに比較例1〜5のマイクロ流路シートを作製した。
《評価》
〈非膨潤性及び流体移送性の観察〉
図2(a)に示すように、流路10の端部から染色水40を滴下し、図2(b)に示すように、染色された部分10aが矢印の方向へと広がる様子を目視により観察した。評価基準は以下のとおりである。
非膨潤性の評価基準:
◎:流路が全く膨潤しない。
○:流路がやや膨潤する
△:流路の寸法変化が目視できる程度に流路が膨潤する。
×:流路の寸法変化がテープによる固定に影響を及ぼす程度に流路が膨潤する。
流体移送性の評価基準:
○:染色水が流路内を移動する。
×:染色水がPETフィルムと流路との間の界面を移動する。
結果を表1に示す。
Figure 0006956589
表1から、多孔質である実施例1〜3のマイクロ流路シートは、非多孔質である比較例1〜5のマイクロ流路シートと比較して、良好な非膨潤性及び流体移送性を有することが理解できよう。中でも、バインダーのセルロースナノファイバーに対する質量比(C/A)が、0.03及び0.05である実施例2及び3のマイクロ流路シートは、非膨潤性が特に良好であったことが理解できよう。
〈全光線透過率の評価〉
実施例3のマイクロ流路シートの、流路が存在している領域における全光線透過率を、ヘーズメーター HR100(株式会社村上色彩技術研究所)を用いて測定した。
また、比較のため、コピー用紙(古紙パルプ配合率100%の再生紙、厚み90μm)(比較例6)及び上質紙(デカンコットン、厚み180μm)(比較例7)の全光線透過率も同様にして測定した。
結果を表2に示す。
Figure 0006956589
表2から、本発明の光透過性多孔質マイクロ流路を有するマイクロ流路シートは、通常の紙と比較して、有意に高い光透過性を有することが理解できよう。
10 光透過性多孔質マイクロ流路
10a 染色された部分
20 非浸透性基材
22 非浸透性層
24 浸透性層
30 テープ
40 染色水

Claims (8)

  1. 非浸透性基材、及び
    前記非浸透性基材上の光透過性多孔質マイクロ流路
    を具備しており
    記光透過性多孔質マイクロ流路が、セルロースナノファイバー、親水性シリカ、及びバインダーを含有しており、かつ
    前記バインダーの前記セルロースナノファイバーに対する質量比が、0超0.10以下である、
    マイクロ流路シート。
  2. 前記バインダーの前記セルロースナノファイバーに対する質量比が、0.02以上である、請求項に記載のマイクロ流路シート。
  3. 前記親水性シリカの前記セルロースナノファイバーに対する質量比が、0.80〜1.20である、請求項1又は2に記載のマイクロ流路シート。
  4. 前記バインダーが、ポリアミド樹脂、メチロール基含有樹脂、及びポリアミン樹脂、並びにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載のマイクロ流路シート。
  5. 前記バインダーが、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂である、請求項に記載のマイクロ流路シート。
  6. 前記非浸透性基材が、透明基材である、請求項1〜のいずれか一項に記載のマイクロ流路シート。
  7. 前記非浸透性基材及び前記光透過性多孔質マイクロ流路が積層されている部分において、JIS K 7105に準拠する全光線透過率が、50%以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載のマイクロ流路シート。
  8. セルロースナノファイバー、親水性シリカ、及びバインダーを水中に分散させて、セルロースナノファイバー分散体を作製すること、並びに
    (a)前記セルロースナノファイバー分散体を成形して、光透過性多孔質マイクロ流路を作製し、そして前記光透過性多孔質マイクロ流路を非浸透性基材上に積層させること;又は
    (b)前記セルロースナノファイバー分散体を非浸透性基材上に印刷して、光透過性多孔質マイクロ流路を作製すること
    を含む、マイクロ流路シートの製造方法であって、
    前記マイクロ流路シートにおいて、前記バインダーの前記セルロースナノファイバーに対する質量比が、0超0.10以下である、
    マイクロ流路シートの製造方法
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