JP6955379B2 - 鉄道車両用車体 - Google Patents
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Description
図4は、側出入口4の下縁周辺を示す斜視断面図である。図3および図4に示すように、凹部2aは、車両長手方向に延びる溝状に形成されている。単なる一例として、本実施形態では、台枠2が、ドア対応部において、複数枚(例えば、3枚)の鋼板材を積層することによって構成され、少なくとも最下層の鋼板材を除いた数枚(例えば、上から2枚)の鋼板材に、車両長手方向に長尺の貫通穴が形成されている。これら複数枚の鋼板材の積層により、有底の凹部2aが形成される。沓摺組立体10は、この凹部2aを閉鎖するようにして台枠2の上に重ねられる。
車体1は、沓摺組立体10と台枠2との間に介在し、凹部2aに嵌められて凹部2aの内面を覆う台枠カバー部材40を備える。ここで、「凹部2aの内面」には、凹部2aの内底面、および、凹部2aの内底面から上方に延びる内周面が含まれ、内周面の上縁が凹部2aの閉ループ状の上部開口縁を形成する。
図5は、側出入口4の下縁周辺を車両長手方向に見て示す断面図である。台枠カバー部材40が凹部2aに嵌め込まれて台枠2に支持されている状態で、側出入口枠5の底辺部5aが台枠2に組み付けられる。底辺部5aは、フランジ部44に上から載置される平板部5b、および、平板部5bの車両幅方向外側端部から下方に延びる下垂部5cを有する。平板部5bには、バスタブ部41とフランジ部44とのコーナー(平面視で閉ループ状)と整合するように貫通穴が形成されている。よって、底辺部5aを台枠カバー部材40の上に重ねた状態(沓摺組立体10が取り外されている状態)では、バスタブ部41は上方に開放されている。平板部5bの車両幅方向内側端面は、フランジ部44の車両幅方向内側端面と略面一であり、これら両端面と台枠2の上面との間に車両長手方向に延びる隅肉溶接部81が形成され、底辺部5aおよび台枠カバー部材40が台枠2に接合される。
図6は、戸袋7の底部を車両長手方向に見て示す断面図である。台枠カバー部材40が台枠2に支持されると、上記のとおり側出入口枠5の底辺部5aが台枠2に組み付けられると共に、戸袋7が構成される。戸袋7は、台枠2の戸袋対応部の上面に設けられる戸袋底壁33、戸袋底壁33の車両幅方向外側縁部またはその近傍から上方に延びる戸袋外側壁34、戸袋底壁33の車両幅方向内側縁部またはその近傍から上方に延びる戸袋内側壁35を含む。戸袋7は、これら壁33〜35で囲まれて開放位置に位置付けられるドア6を収納するドア収納空間を形成する。
戸袋底壁33が設けられ、戸袋7の底部が台枠カバー部材30および戸袋対応部の上に構成されると、戸袋カバー部材50が戸袋7の内底部に嵌められ、それにより、戸袋7の内面の底部が戸袋7のドア収納空間の内側から覆われる。戸袋カバー部材50は、複数部材で構成されており、当該複数部材には、一例として、少なくとも戸袋底壁の内面を上から覆う底カバー51、戸袋外側壁の内面を横から覆う外側カバー52、および、戸袋内側壁の内面を横から覆う内側カバー53が含まれる。底カバー51は、車両幅方向の両端部で上方に折り返されており、外側カバー52および内側カバー53は、この一対の折返し部にドア収納空間の内側から重ねられている。外側カバー52と折返し部との重合部分、および、内側カバー53と折返し部との重合部分は、ネジあるいは接着剤などの接合/締結手段が用いられ、それにより戸袋カバー部材50が構成されている。外側カバー52と折返し部との間の隙間は下方に開口し、内側カバー53と折返し部との間の隙間も下方に開口している。
台枠カバー部材40は、沓摺組立体10を構成する部材とは別の部材、具体的には、側出入口枠5の底辺部5aおよび戸袋底壁33と当接する。以下、このように台枠カバー部材40と当接する部材であって沓摺組立体10の構成部材とは別の部材を「当接部材」と総称することがある。台枠カバー部材40が台枠2に組み付けられ、また、戸袋7が台枠カバー部材40および台枠2上に構成された状態で、台枠カバー部材40と当接部材との間の隙間を封止する第1シール材91が設けられる。
第1シール材91が設けられた後、沓摺組立体10が凹部2aを閉鎖するようにして設けられる。沓摺11の車両幅方向両縁部は平板部5bの上に載置される。沓摺11の下面と平板部5bの上面との間にはシート状のガスケット93が介在する。沓摺ヒータ12はバスタブ部41内に収納されており、更に言えば、バスタブ部41が嵌め込まれている凹部2aに収容されている。沓摺11は、上から挿し込まれるボルトで平板部5bに螺合される。沓摺11の側端面は閉ループ状に形成されており、この側端面に沿って第2シール材92が設けられる。この第2シール材92により、沓摺11と平板部5bとの間の隙間が封止される。また、沓摺組立体10の車両長手方向中央側の端部は、戸袋底壁33および戸袋カバー部材50の底カバー51と車両長手方向に近接対向している(突き合わされている)。第3シール材93は、沓摺11と、戸袋底壁33および戸袋カバー部材50との間の隙間も封止する。
本発明の一形態に係る鉄道車両用車体1は、側出入口4を開閉するドア6と、側出入口4に沿って車両長手方向に延び且つ上方に開放された凹部2aを有する台枠2と、側出入口4の下縁に沿って配置された沓摺組立体10とを備える。沓摺組立体10は、凹部2aを上から閉鎖する沓摺11、および、沓摺11の下面に取り付けられて凹部2aに収容される沓摺ヒータ12を含む。車体1は、沓摺組立体10と台枠2との間に介在し、凹部2aに嵌められて凹部2aの内面を覆い、沓摺ヒータ12を収納する台枠カバー部材40と、を備える。
2 台枠
2a 凹部
4 側出入口
6 ドア
7 戸袋
10 沓摺組立体
11 沓摺
12 沓摺ヒータ
33 戸袋底壁
40 台枠カバー部材
50 戸袋カバー部材
91 第1シール材
92 第2シール材
Claims (9)
- 側出入口を開閉するドアと、
前記側出入口に沿って車両長手方向に延び且つ上方に開放された凹部を有する台枠と、
前記側出入口の下縁に沿って配置された沓摺組立体であって、前記凹部を上から閉鎖する沓摺、および、該沓摺の下面に取り付けられて前記凹部に収容される沓摺ヒータを含む、沓摺組立体と、
前記沓摺組立体と前記台枠との間に介在し、前記凹部に嵌められて前記凹部の内面を覆い、前記沓摺ヒータを収納する台枠カバー部材と、を備える、鉄道車両用車体。 - 前記沓摺の下面側で、前記台枠カバー部材と、前記台枠カバー部材と当接する当接部材との間の隙間を封止する第1シール材を備える、請求項1に記載の鉄道車両用車体。
- 前記当接部材が、前記沓摺とは別の部材である、請求項2に記載の鉄道車両用車体。
- 前記台枠カバー部材の底壁に開放され、前記台枠カバー部材の内部を前記台枠カバー部材の外部に連通させる排水口を備える、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の鉄道車両用車体。
- 前記台枠カバー部材の底壁は、車両長手方向外側部に向かうにつれて下方に傾斜しており、前記排水口は、前記底壁のうち車両長手方向外側部に開放されている、請求項4に記載の鉄道車両用車体。
- 前記台枠カバー部材は、前記凹部に遊嵌されている、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の鉄道車両用車体。
- 前記側出入口と車両長手方向に隣接して設けられた戸袋、を備え、
前記戸袋が、前記沓摺と車両長手方向に近接対向する戸袋底壁を含み、
前記凹部および前記台枠カバー部材が前記戸袋の下まで延在し、前記沓摺と前記戸袋底壁との間の継ぎ目が前記台枠カバー部材の直上に位置付けられている、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の鉄道車両用車体。 - 前記側出入口と車両長手方向に隣接して設けられた戸袋と、
前記戸袋の内底部に嵌められ、前記戸袋の内面および前記台枠を覆う戸袋カバー部材と、を備える、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の鉄道車両用車体。 - 前記沓摺の側端面に沿って設けられた第2シール材を更に備える、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の鉄道車両用車体。
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