JP6954579B1 - 杭の急速載荷試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】重錘を元の高さまで安全かつ迅速に吊上げる杭の急速載荷試験装置を提供する。【解決手段】杭頭Aの近くに立設された架構体1と、架構体1に設置され、杭頭Aに落下した重錘3を重錘吊上げロッド4を介して元の高さまで吊上げる重錘吊上げジャッキ5と、重錘3を重錘吊上げロッド4の下端部に切り離し可能に垂設する重錘把持チャック7を備える。重錘吊上げジャッキ5は重錘3を吊上げるジャッキ本体8と、ジャッキ本体8の上部側と下部側にそれぞれ設置され、重錘吊上げロッド4を把持及び解放する上部チャック9と下部チャック10からなる。重錘吊上げジャッキ5が重錘3を吊上げるとき、上部チャック9は重錘吊上げロッド4を把持し、下部チャック10は重錘吊上げロッド4を解放する。上部チャック9が重錘吊上げロッド4を解放して重錘吊上げジャッキ8の収縮と共に下降するとき、下部チャック10は重錘吊上げロッド4を把持する。【選択図】図1

Description

本発明は、地盤面に突出する杭頭に落下する重錘によって前記杭頭に作用する杭の軸方向押込み力から前記杭の支持力を確認する杭の急速載荷試験装置に関し、杭頭に落下した重錘を元の高さまできわめて安全にかつ迅速に吊り上げられるようにしたものである。
杭の支持力を確認する方法として、実際の杭と同じ条件で行う静的載荷試験が広く知られているが、反力抵抗体(反力杭)や載荷梁などを設置する必要があるため、特に大きな荷重を載荷する場合は大掛かりな試験になって工期・経費の増大を伴い、また、試験に時間がかかる等の課題があった。
このため、実際の杭頭に重錘を落下させて杭に軸方向押込み力を加えて支持力を確認する杭の急速載荷試験が注目されている。
例えば、特許文献1には、杭頭に落下させる重錘と杭頭に落下して跳ね上がった重錘をキャッチするキャッチ装置と杭頭に落下した重錘を元の高さまで吊り上げる吊上げ装置を備え、特に杭頭に落下した重錘を元の高さまで吊り上げる手段として、ジャッキやウィンチ、或いはクレーン等が用いられている。
例えば、ジャッキを用いて杭頭に落下した重錘を元の高さまで吊り上げるには、これまで、ネジ付きロッドに重錘を吊り下げ、当該ネジ付きロッドを把持するジャッキを伸長または収縮させて、ピストンロッドの1ストローク長、前記ネジ付きロッドを重錘と共に吊り上げ、当該ネジ付きロッドの雄ネジ部に螺合された仮固定ナットを締め付けて、前記ネジ付きロッドを一度仮固定してピストンロッドを元に戻し、再びジャッキを伸長または収縮させてネジ付きロッドを重錘と共に吊り上げる作業を繰り返し行っていた。
特許第6613430号 特開2005-68802号公報 特開2002-303570号公報 特許第6693778号公報
「スーパージャッキシステム」2010/08/06 社会基盤事業部 JFEシビル株式会社 [2021年01月14日検索] https://www.jfe-civil.com/infra/tokkow/
しかし、杭頭に落下した重錘を、ジャッキを用いて元の高さまで吊り上げるこれまでの方法では、重錘を吊り上げるジャッキは、杭頭の周囲にかなり高く軸組された架構の上に据え付けられ、当該ジャッキの操作と重錘を吊り下げた吊上げロッドを仮固定する作業は、作業員が高台車に乗って一回一回手作業で行っているため、きわめて作業性が悪く非効率な作業であった。
特に、杭の急速載荷試験に用いられる重錘は、例えば200tもあって非常に重く、また、通常3〜4mの高さを数十cmごとに小刻みに吊り上げる作業であるため、時間がかかりきわめて非効率な作業を強いられた。
また、作業員が高所にてしかも手作業で行うため非常に危険を伴うだけでなく、作業中トラブルが発生して試験の中断を強いられることもあった。
ところで、上昇、下降の両機能を備えた吊上げジャッキを用いて吊り荷を自動的に吊り上げるジャッキ式吊上げ機械が知られており、吊り荷を吊る吊り部材にステップロッドや総ネジ付きロッド、或いはワイヤーやPC鋼より線、さらにはステップバー等が用いられ、いずれもジャッキを用いて吊り部材を吊り荷と共に一定量ずつ吊上げ、最終的に目的の高さまで吊り荷を自動的に吊り上げるように構成されている。
例えば、上昇、下降の両機能を有するジャッキを用いて吊上げはもちろん、従来困難とされた重量物の吊上げをも可能にしたスーパージャッキシステムの技術が知られている(非特許文献1)。
当該スーパージャッキシステムは、節付きのステップロッドをジャッキの伸縮によって昇降させることにより重量物を上昇または下降させるジャッキシステムであり、主として建築構造物の解体工事や建設工事などに用いられている(特許文献4)。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、特に前述のスーパージャッキシステムの技術を利用して杭頭に落下した重錘を元の高さまできわめて安全にかつ迅速に吊り上げられるようにした杭の急速載荷試験装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、地盤面に実際に突出する杭頭に落下する重錘によって前記杭頭に作用する軸方向押込み力から杭の支持力を確認する杭の急速載荷試験装置の発明であり、前記杭頭の近くに立設される架構体と、前記架構体に設置され、前記杭頭に落下した重錘を重錘吊上げロッドを介して元の高さまで吊り上げる重錘吊上げジャッキと、前記重錘吊上げロッドの端部に前記重錘を切り離し可能に垂設する重錘把持チャックと、前記重錘をガイドするガイド装置とを備え、前記重錘吊上げジャッキは前記重錘を吊り上げるジャッキ本体と、前記ジャッキ本体の上部側と下部側にそれぞれ設置され、前記重錘吊上げロッドを把持および解放する上部チャックと下部チャックを備え、前記重錘吊上げジャッキが前記重錘を吊り上げるとき、前記上部チャックは前記重錘吊上げロッドを把持し、前記下部チャックは前記重錘吊上げロッドを解放し、前記上部チャックが前記重錘吊上げロッドを解放して前記重錘吊上げジャッキの収縮の収縮と共に下降するとき、前記下部チャックは前記重錘吊上げロッドを把持するように構成されていることを特徴とするものであり、特に重錘吊上げジャッキのジャッキ本体の伸縮と上部チャックおよび下部キャックによる重錘吊上げロッドの把持と解放を交互に繰り返すことにより杭頭に落下した重錘を元の高さまできわめて安全にかつ迅速に吊り上げることができる。
また、前記重錘吊上げロッドの外周に複数の節部が前記重錘吊上げロッドの軸方向に等間隔に設けることで、上部チャックと下部チャックによって重錘吊上げロッドを確実に把持して、杭頭に落下した重錘を元の高さまで安全にかつ確実に吊り上げることができる。
さらに、前記杭頭で跳ね上った重錘を空中でキャッチする重錘キャッチング装置を備えていることで、重錘のリバウンドを防止することができ、さらに
前記重錘吊上げジャッキと前記重錘把持チャックは遠隔装置によって安全に操作することができる。
本発明は、特に重錘吊上げジャッキのジャッキ本体の伸縮と上部チャックおよび下部キャックによる重錘吊上げロッドの把持と解放を交互に繰り返すことにより杭頭に落下した重錘を元の高さまできわめて効率的かつ迅速に吊り上げることができる。
また、重錘吊上げジャッキの操作を遠隔操作による自動運転とすることで、トラブルの発生を極力無くすことができ、また重錘を元の高さまできわめて安全に吊り上げることができる。
杭の急速載荷試験装置の一実施形態であり、重錘が重錘吊上げロッドの下端部に重錘チャックによって垂設された状態を示す正面図である。 図1に図示する杭の急速載荷装置のイ−イ線断面図である。 重錘吊上げロッドの下端部に重錘チャックによって吊り下げられた重錘の側面図である。 重錘吊上げジャッキの拡大図である。 重錘吊上げジャッキの動作の説明図であり、上部チャックが重錘吊上げロッドを把持し、ジャッキ本体が伸長することにより重錘吊上げロッドを介して重錘を吊り上げる動作を示す拡大断面図である。 重錘吊上げジャッキの動作の説明図であり、上部チャックが重錘吊上げロッドを解放し、ジャッキ本体の収縮により重錘吊上げロッドに沿って下降する動作を示す拡大断面図である。 重錘吊上げジャッキの動作の説明図であり、上部チャックが重錘吊上げロッドを把持し、ジャッキ本体が収縮することにより重錘吊上げロッドが下降する動作を示す拡大断面図である。 重錘吊上げジャッキの動作の説明図であって、上部チャックが重錘吊上げロッドを解放し、ジャッキ本体の伸長により重錘吊上げロッドに沿って上昇する動作を示す拡大断面図である。 重錘チャッチング装置の一例を示す分解斜視図である。 図(a)〜(c)は、図9に図示する重錘チャッチング装置の動作を示す縦断面図である。 重錘キャッチング装置の変形例であり、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図、図(c)は動作を説明する縦断面図である。
図1〜図11は、本発明の杭の急速載荷試験装置の一実施形態を図示したものであり、図において、実際に地盤面に突出する杭頭Aを包囲するように杭の急速載荷試験装置の架構体1が据え付けられている。
架構体1の上方に架台2が設置され、当該架台2に重錘吊上げロッド4が杭頭Aに向けて鉛直に設置され、さらに当該重錘吊上げロッド4の先端部に杭頭Aに落下させる重錘3が吊り下げられている。
また、架台2には重錘吊上げロッド4を介して重錘3を落下させる高さまで吊り上げる重錘吊上げジャッキ5が据え付けられている。
重錘3は、複数のブロックをひとつに結合することにより構成され、当該ブロックの数量を増減することにより全体の重量を調整できるように構成されている。
重錘吊上げロッド4は、杭頭Aの上方延長上に重錘吊上げジャッキ5を鉛直に貫通して設置され、かつ架台2に重錘吊上げジャッキ5によって鉛直方向に昇降可能に支持されている。
また、重錘吊上げロッド4の外周に節部6が重錘吊上げロッド4の軸方向に等間隔に形成され、各節部6の外周面に下端部より上端方向に徐々に小径となる裁頭円錐台形状のテーパー面6aが形成されている。
さらに、重錘吊上げロッド4の下端部に重錘3を脱着可能に把持するチャック7が取り付けられ、重錘3はチャック7で把持することにより重錘吊上げロッド4の下端部に切り離し可能に吊り下げられている。
チャック7は、例えば油圧式などにより作動して重錘3を脱着可能に把持するように構成され、かつ無線または有線による遠隔操作によって重錘吊上げロッド4の下端部に重錘3を垂設し、また重錘吊上げロッド4の下端部から切り離して杭頭Aに落とせるようになっている。
重錘吊上げジャッキ5は、鉛直方向に伸縮することにより重錘吊上げロッド4を介して重錘3を落下したもとの高さまで吊り上げるジャッキ本体8と、ジャッキ本体8の上側と下側にそれぞれ設置され、重錘吊上げロッド4を把持および解放する上部チャック9と下部チャック10を備えている。
上部チャック9は、ジャッキ本体8のピストンロッド8aが伸長することにより重錘吊上げロッド4を介して重錘3を吊り上げるとき(図5参照)、重錘吊上げロッド4を把持して重錘吊上げロッド4と共に上昇するように構成されている。
また、ジャッキ本体8のピストンロッド8aの収縮により重錘吊上げロッド4が下降するとき(図7参照)、上部チャック9は重錘吊上げロッド4を把持して重錘吊上げロッド4と共に下降するように構成されている。
さらに、下部チャック10が重錘吊上げロッド4を把持する状態で、上部チャック9は重錘吊上げロッド4を解放し、ジャッキ本体8のピストンロッド8aの伸長により重錘吊上げロッド4に沿って上昇し(図8参照)、また、下部チャック10が重錘吊上げロッド4を把持する状態で、上部チャック9はピストンロッド8aの収縮により重錘吊上げロッド4に沿って下降するように構成されている(図6参照)。
下部チャック10は、上部チャック9が重錘吊上げロッド4を把持し、ジャッキ本体8のピストンロッド8aが伸長することにより、重錘吊上げロッド4を介して重錘3を吊り上げるとき(図3参照)、重錘吊上げロッド4を解放するように構成されている。
また、上部チャック9が重錘吊上げロッド4を把持し、ジャッキ本体8のピストンロッド8aの収縮により、重錘吊上げロッド4が下降するとき(図5参照)、および上部チャック9が重錘吊上げロッド4を解放し、ジャッキ本体8のピストンロッド8aの伸長により重錘吊上げロッド4に沿って上昇するとき(図8参照)、下部チャック10は重錘吊上げロッド4を把持するように構成されている。
上部チャック9と下部チャック10について、さらに詳しく説明すると、上部チャック9は中空に形成されたチャック本体9aと、当該チャック本体9a内に重錘吊上げロッド4の軸上下方向に可動自在に内蔵され、重錘吊上げロッド4の節部4aの下側を把持および解放する係合キー9bと、重錘吊上げロッド4の軸上下方向に伸縮可能に内蔵され、係合キー9bを重錘吊上げロッド4の軸上方向に押し上げるジャッキ9cと、係合キー9bを重錘吊上げロッド4の軸下方向に常時押し下げるスプリング9dとを備えている。
また、チャック本体9aの内側に中間リブ9eが形成され、当該中間リブ9eの下側と上側にそれぞれジャッキ9cとスプリング9dが内蔵され、さらに中間リブ9eと係合キー9bとの当接面に重錘吊上げロッド4側に傾斜するテーパー面9fが逆円錐台形状に形成されている。そして、チャック本体9a、ジャッキ9bおよび係合キー9bの中心部に形成されたルーズ孔を重錘吊上げロッド4が鉛直方向に貫通している。
このような構成において、スプリング9dが係合キー9bを重錘吊上げロッド4の軸下方向に常時押し下げることで、係合キー9bは中間リブ9eのテーパー面9fに沿って重錘吊上げロッド4側にスライドし、重錘吊上げロッド4の節部4aの下側に係合する。すなわち、上部チャック9が重錘吊上げロッド4の節部4aの下側を把持する(図5参照)。これにより、ジャッキ本体8のピストンロッド8aが伸長することにより重錘吊上げロッド4を介して重錘3をピストンロッド8aの1ストローク長分吊り上げることができる。
また、ジャッキ9cが係合キー9bを重錘吊上げロッド4の軸上方向に押し上げることにより、係合キー9bは押し上げられながら重錘吊上げロッド4の反対側方向にスライドして、重錘吊上げロッド4の節部4aの下側から外れる。すなわち、係合キー9bは重錘吊上げロッド4を解放するため、上部チャック9はジャッキ本体8のピストンロッド8aの収縮と共に重錘吊上げロッド4に沿って元の位置まで下降する(図6参照)。
なお、このとき、後述する下部チャック10が重錘吊上げロッド4を把持するため、重錘吊上げロッド4は上部チャック9と共に下降することはない。
以下、係合キー9bが重錘吊上げロッド4を把持し、ジャッキ本体8のピストンロッド8aが伸長することにより重錘吊上げロッド4を介して重錘3を吊り上げる動作(図5参照)と、係合キー9bが重錘吊上げロッド4を解放し、ジャッキ本体8のピストンロッド8aが収縮することにより上部チャック9が重錘吊上げロッド4に沿って下降する動作((図6参照))が繰り返されることにより、杭頭Aに落下した重錘3を落下したもとの高さまで吊り上げることができる。
下部チャック10は、中空に形成されたチャック本体10aと、当該チャック本体10a内に重錘吊上げロッド4の軸上下方向に可動自在に内蔵され、重錘吊上げロッド4を把持および解放する係合キー10bと、重錘吊上げロッド4の軸上下方向に伸縮可能に内蔵され、係合キー10bを重錘吊上げロッド4の軸上方向に押し上げるジャッキ10cと、係合キー10bを常時重錘吊上げロッド4の軸下方向に押し下げるスプリング10dとを備えている。
また、チャック本体10aの内側に中間リブ10eが形成され、当該中間リブ10eの下側と上側にジャッキ10cとスプリング10dがそれぞれ内蔵されている。また、中間リブ10eと係合キー10bとの当接面に重錘吊上げロッド4側に傾斜するテーパー面10fが逆円錐台形状に形成されている。そして、チャック本体10a、ジャッキ10cおよび係合キー10bの中心部に形成されたルーズ孔を重錘吊上げロッド4が鉛直方向に貫通している。
このような構成において、スプリング10dが係合キー10bを重錘吊上げロッド4の軸下方向に常時押し付けることで、係合キー10bが中間リブ10eのテーパー面10fに沿って重錘吊上げロッド4側にスライドして、重錘吊上げロッド4の節部4aの下側に係合する。すなわち、下部チャック10が重錘吊上げロッド4の節部4aの下側を把持する。
これにより、上部チャック9は吊り下げロッド4を解放し、ジャッキ本体8のピストンロッド8aの伸縮により重錘吊上げロッド4に沿って上昇(図6参照)および下降(図8参照)することができる。
また、ジャッキ10cが係合キー10bを重錘吊上げロッド4の軸上方向に押し上げることにより、係合キー10bは押し上げられながら重錘吊上げロッド4の反対側方向にスライドして重錘吊上げロッド4を解放する。
これにより、上部チャック9は重錘吊上げロッド4を把持し、ジャッキ本体8のピストンロッド8aが収縮することにより重錘吊上げロッド4と共に下降する (図7参照)。すなわち、重錘吊上げロッド4をジャッキ本体8のピストンロッド8aの1ストローク長分下降させることができる。
以下、下部チャック10が重錘吊上げロッド4を解放する状態で、係合キー9bが重錘吊上げロッド4を把持し、かつジャッキ本体8のピストンロッド8aが収縮することにより重錘吊上げロッド4が下降する動作(図7参照)と、下部チャック10が重錘吊上げロッド4を把持する状態で、係合キー9bが重錘吊上げロッド4を解放し、かつ上部チャック9がジャッキ本体8のピストンロッド8aの伸長により重錘吊上げロッド4に沿って上昇する動作((図6参照))が繰り返されることにより、重錘吊上げロッド4を杭頭Aに落下した重錘3の位置まで下げることができる。
符号11は、重錘3が杭頭Aに落下する間、および杭頭Aに落下した重錘3が元の高さまで吊り上げられる間、当該重錘3をガイドするガイド装置であり、ガイドレール11aとガイドローラ11bを備え、ガイドレール11aは架構体1の支柱1aの内側に設置され、ガイドローラ11bは重錘3と重錘チャック7に設置され、ガイドレール11aの上を走行するようになっている。
また、符号12は、重錘3が杭頭Aに落下して跳ね上がった際に、重錘3を空中でキャッチして重錘3のリバウンドを防止する重錘キャッチング装置である。重錘キャッチング装置12は、重錘キャッチングホルダー13、永電磁ホルダー14および重錘落下防止ストッパー15を備え、架構体1の上端部に据え付けられた門型フレーム16に設置されている。
重錘キャッチングホルダー13と永電磁ホルダー14は、それぞれ架構体1の上枠1aと門型フレーム16の上枠16aに設置され、重錘落下防止ストッパー15は重錘キャッチングホルダー13と永電磁ホルダー14間に設置されている。
また、重錘キャッチングホルダー13、永電磁ホルダー14および重錘落下防止ストッパー15は同一鉛直線上に設置され、かつ当該重錘キャッチングホルダー13、永電磁ホルダー14および重錘落下防止ストッパー15の中心部分を後述する重錘キャッチングロッド17が鉛直に貫通し、重錘キャッチングホルダー13と永電磁ホルダー14間を重錘落下防止ストッパー15が重錘キャッチングロッド17に沿って自由に上下動するようになっている。
また、重錘キャッチングホルダー13の上端側に重錘落下防止ストッパー15が内接する凹部13aが形成され、当該凹部13aは上端部の外径が最大で、下端方向に徐々に小径となるような逆裁頭円錐台形状に形成され、底部に重錘キャッチングロッド17が貫通するルーズ孔13bが形成されている。
重錘落下防止ストッパー15は、複数の球体18と当該球体18を保持する球体ホルダー19を備え、当該球体ホルダー19は凹部13aの形状に対応して上端部の外径が最大で、下端方向に徐々に小径となる逆裁頭円錐台形状に形成されている。
また、球体ホルダー19の中心部分に重錘キャッチングロッド17が貫通するルーズ孔19aが形成され、当該ルーズ孔19aと外周面19bとの間に内周面が凹曲面状をなす球体収納部19cが球体ホルダー本体19の周方向および上下方向に均等な間隔で複数形成されている。
各球体収納部19cのルーズ孔19a側と外周面19b側は開口し、各球体収納部19cに球体18がそれぞれ収納されている。各球体18は、球体収納部19c内にあって自由に回転し、かつルーズ孔19a側および外周面19b側に自由に移動することができ、さらにルーズ孔19a側または外周面19b側の一方の開口に必ず一部が突出する大きさに形成されている。
永電磁ホルダー14は、中心部に重錘キャッチングロッド17が貫通するルーズ孔14aを有し、また重錘3の落下時の衝撃を緩和させるコイルバネや防振ゴム等の緩衝部材を備え、門型フレーム16の上枠16aに設置されている。
さらに、永電磁ホルダー14は、通電により磁力を発生したときにだけ重錘落下防止ストッパー15を吸い付け、その通電操作は有線または無線方式の永電磁ホルダー用整流器(図省略)による遠隔操作または自動制御により行えるようになっている。
重錘キャッチングロッド17は、重錘吊上げロッド4の周囲に等間隔に複数配置され、各重錘キャッチングロッド17の下端部は重錘3の上端周縁部に接続されている。また、各重錘キャッチングロッド17の上端側は、重錘キャッチング装置12の重錘キャッチングホルダー13、重錘落下防止ストッパー15および永電磁ホルダー14の各ルーズ孔13a、15aおよび14aを連続して貫通している。
このような構成において、重錘吊上げロッド4の先端部に吊り下げられた重錘3が杭頭Aに落下し杭頭Aで跳ね上がったとき、永電磁ホルダー14への通電が遮断されると、重錘落下防止ストッパー15は永電磁ホルダー14から離れ、重錘キャッチングロッド17に沿って重錘キャッチングホルダー13の凹部13a内に落下する。
重錘落下防止ストッパー15が重錘キャッチングホルダー13の凹部13a内に落下すると同時に、球体18が、重錘キャッチングホルダー13の凹部13aの内周面によってルーズ孔15a側に強く押され、一部がルーズ孔15a内に突出して重錘キャッチングロッド17を強く把持することにより重錘3のリバンドが押さえられる。
なお、重錘落下防止ストッパー15を吸い付ける永電磁ホルダー14は、コイルバネや防振ゴム等の緩衝部材を介して門型フレーム16の上枠16aに取り付けられているため、重錘落下時の衝撃等で重錘3が誤って落下することはない。
図11(a)〜(c)は、重錘落下防止ストッパーの変形例を図示したものであり、ピースホルダー20のルーズ孔20aと外周面20bとの間に複数のスリット20cがピースホルダー20の周方向に等間隔に形成され、各スリット20cに楔状ピース21が挿入されている。
このような構成において、永電磁ホルダー14が磁力を発生させることにより、重錘落下防止ストッパー15は永電磁ホルダー14に吸い付き、永電磁ホルダー14への通電が遮断されると重錘キャッチングホルダー13の凹部13a内に落下し、そして、各楔状ピース21が凹部13aの内周面によってルーズ孔20a側に強く押され、各楔状ピース20の端部がルーズ孔20a内に突出して、重錘3と共に跳ね上った重錘キャッチングロッド17を強く把持することにより重錘3のリバンドが防止される。
本発明は、地盤面に実際に突出する杭頭に落下する重錘によって前記杭頭に作用する杭の軸方向押込み力から前記杭の支持力を確認する杭の急速載荷試験に際し、杭頭に落下した重錘を元の高さまできわめて安全にかつ迅速に吊り上げることができる。
1 架構体
2 上部架台
3 重錘
4 重錘吊上げロッド
5 重錘吊上げジャッキ
6 節部
6aテーパー
7 重錘チャック
8 ジャッキ本体
8a ピストンロッド
9 上部チャック
9a チャック本体
9b 係合キー
9c ジャッキ
9d スプリング
9e 中間リブ
9f テーパー
10 下部チャック
10a チャック本体
10b 係合キー
10c ジャッキ
10d スプリング
10e 中間リブ
10f テーパー
11 重錘ガイド装置
11a ガイドレール
11b ガイドローラ
12 重錘キャッチング装置
13 重錘キャッチングホルダー
13a 凹部
13b ルーズ孔
14 永電磁ホルダー
14a ルーズ孔
15 重錘落下防止ストッパー
16 門型フレーム
16a 上枠
17 重錘キャッチングロッド
18 球体
19 球体ホルダー
19a ルーズ孔
20 ピースホルダー
21 楔状ピース

Claims (4)

  1. 杭頭に落下する重錘によって前記杭頭に作用する軸方向押込み力から杭の支持力を確認する杭の急速載荷試験装置において、前記杭頭の近くに立設される架構体と、前記架構体に設置され、前記杭頭に落下した重錘を重錘吊上げロッドを介して元の高さまで吊り上げる重錘吊上げジャッキと、前記重錘吊上げロッドの端部に前記重錘を切り離し可能に垂設する重錘把持チャックと、前記重錘をガイドするガイド装置とを備え、前記重錘吊上げジャッキは前記重錘を吊り上げるジャッキ本体と、前記ジャッキ本体の上部側と下部側にそれぞれ設置され、前記重錘吊上げロッドを把持および解放する上部チャックと下部チャックを備え、前記重錘吊上げジャッキが前記重錘を吊り上げるとき、前記上部チャックは前記重錘吊上げロッドを把持し、前記下部チャックは前記重錘吊上げロッドを解放し、かつ前記上部チャックが前記重錘吊上げロッドを解放して前記重錘吊上げジャッキの収縮と共に下降するとき、前記下部チャックは前記重錘吊上げロッドを把持するように構成されていることを特徴とする杭の急速載荷試験装置。
  2. 請求項1記載の杭の急速載荷試験装置において、前記重錘吊上げロッドの外周に複数の節部が前記重錘吊上げロッドの軸方向に等間隔に設けられていることを特徴とする杭の急速載荷試験装置。
  3. 請求項1または2記載の杭の急速載荷試験装置において、前記杭頭で跳ね上った前記重錘を空中でキャッチする重錘キャッチング装置を備えていることを特徴とする杭の急速載荷試験
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の杭の急速載荷試験において、前記重錘吊上げジャッキと前記重錘把持チャックを遠隔操作する遠隔装置を備えていることを特徴とする杭の急速積載試験装置。
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