JP6954496B1 - 不活化装置および不活化方法 - Google Patents
不活化装置および不活化方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6954496B1 JP6954496B1 JP2021518681A JP2021518681A JP6954496B1 JP 6954496 B1 JP6954496 B1 JP 6954496B1 JP 2021518681 A JP2021518681 A JP 2021518681A JP 2021518681 A JP2021518681 A JP 2021518681A JP 6954496 B1 JP6954496 B1 JP 6954496B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- irradiation unit
- ultraviolet rays
- ultraviolet
- ultraviolet irradiation
- light
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A47—FURNITURE; DOMESTIC ARTICLES OR APPLIANCES; COFFEE MILLS; SPICE MILLS; SUCTION CLEANERS IN GENERAL
- A47K—SANITARY EQUIPMENT NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; TOILET ACCESSORIES
- A47K17/00—Other equipment, e.g. separate apparatus for deodorising, disinfecting or cleaning devices without flushing for toilet bowls, seats or covers; Holders for toilet brushes
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L2/00—Methods or apparatus for disinfecting or sterilising materials or objects other than foodstuffs or contact lenses; Accessories therefor
- A61L2/02—Methods or apparatus for disinfecting or sterilising materials or objects other than foodstuffs or contact lenses; Accessories therefor using physical phenomena
- A61L2/08—Radiation
- A61L2/10—Ultra-violet radiation
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L2/00—Methods or apparatus for disinfecting or sterilising materials or objects other than foodstuffs or contact lenses; Accessories therefor
- A61L2/24—Apparatus using programmed or automatic operation
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L2/00—Methods or apparatus for disinfecting or sterilising materials or objects other than foodstuffs or contact lenses; Accessories therefor
- A61L2/26—Accessories or devices or components used for biocidal treatment
-
- E—FIXED CONSTRUCTIONS
- E03—WATER SUPPLY; SEWERAGE
- E03D—WATER-CLOSETS OR URINALS WITH FLUSHING DEVICES; FLUSHING VALVES THEREFOR
- E03D9/00—Sanitary or other accessories for lavatories ; Devices for cleaning or disinfecting the toilet room or the toilet bowl; Devices for eliminating smells
-
- E—FIXED CONSTRUCTIONS
- E03—WATER SUPPLY; SEWERAGE
- E03D—WATER-CLOSETS OR URINALS WITH FLUSHING DEVICES; FLUSHING VALVES THEREFOR
- E03D9/00—Sanitary or other accessories for lavatories ; Devices for cleaning or disinfecting the toilet room or the toilet bowl; Devices for eliminating smells
- E03D9/002—Automatic cleaning devices
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L2202/00—Aspects relating to methods or apparatus for disinfecting or sterilising materials or objects
- A61L2202/10—Apparatus features
- A61L2202/11—Apparatus for generating biocidal substances, e.g. vaporisers, UV lamps
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L2202/00—Aspects relating to methods or apparatus for disinfecting or sterilising materials or objects
- A61L2202/10—Apparatus features
- A61L2202/14—Means for controlling sterilisation processes, data processing, presentation and storage means, e.g. sensors, controllers, programs
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L2202/00—Aspects relating to methods or apparatus for disinfecting or sterilising materials or objects
- A61L2202/20—Targets to be treated
- A61L2202/25—Rooms in buildings, passenger compartments
Abstract
Description
また、上記施設や乗物内の空間は、微生物やウイルスの感染を拡大させるリスクが高まることが懸念されている。
この傾向は、特に医療施設内で顕著である。すなわち、入院患者用の病室や病室内のトイレ、外来受付に隣接するトイレなどの狭い空間においては、患者由来の感染性微生物が撒布される。そして、撒布された感染性微生物は、この狭い空間を構成する表面(床、壁等)へ付着したり、空間内を浮遊したりする。そのため、その空間(トイレなど)に入った次の人間(他の患者や訪問者など)に感染し、場合によっては感染症が医療施設内で蔓延することもある。
また、上記施設や乗物内の空間においても、人間(場合によっては動物)の呼気や飛沫による他者への感染や、皮膚や粘膜の直接的な接触、又は、ドアノブ、手すり、スイッチ、ボタン等の表面を介しての接触感染によって、感染症が蔓延することがある。
また、特許文献2(米国特許出願公開第2010/0032859号明細書)には、エレベータに人感センサ、ドアセンサを設置し、上記センサがエレベータ内に人間が不在で、ドアが閉まった状態を検知した際、エレベータ内に殺菌用の紫外線を放出するシステムが開示されている。ここで、放出する紫外線の波長は、約240nmと約280nmとの間の波長としている。
したがって、上記従来の除染システムでは、施設や乗物内の除染を効率的に行うことができない。また、人間(患者)や動物の表面の除染を行うことができないため、人間(患者)や動物の行動範囲を考慮して、除染すべき領域を広範囲に広げる必要がある。
さらに、190nm〜235nmの波長域の光を照射するので、人や動物への悪影響を抑制しつつ、微生物やウイルスを不活化することができる。また、間欠点灯の条件は、照射する紫外線の波長に応じて設定する。紫外線照射による人体への影響の度合いは紫外線の波長ごとに異なるため、紫外線の波長に応じた条件で間欠点灯を行うことで、人体へ悪影響を及ぼすことを適切に抑制し、効率的に除染を行うことができる。
この場合、菌の光回復を効果的に阻害することができる。そのため、発光動作後の非発光動作期間において300nm〜500nmの光が照射されても、当該非発光動作期間において菌が回復することを防止することができ、発光動作による不活化効果を維持することができる。つまり、連続点灯と同等の不活化効果を得ることができる。
このように1回あたりの積算光量を低く抑えても、高い不活化効果を発揮することができる。具体的には、1回の紫外線照射量が、不活化対象の微生物やウイルスの不活化が可能な照射量よりも少なくても、間欠的な点灯を繰り返すことで、不活化対象の微生物やウイルスを適切に不活化することができる。
なお、光源から放出される光のエネルギーは、光源からの距離の2乗に反比例して減衰する。そのため、光源から離れるほど、紫外線の照度は低くなる。本発明における「積算光量」とは、微生物やウイルスの不活化を企図する特定の対象物(例えば、施設や乗物内の表面や空間)に対しての紫外線の照射量である。つまり、微生物やウイルスの不活化を企図する領域内に、積算光量が10mJ/cm2以下、特に5mJ/cm2以下となる領域があることを意味する。
さらにまた、上記の不活化装置において、前記紫外線照射部の1回の発光動作時間は、前記紫外線照射部の1回の発光動作時間と前記紫外線照射部の1回の非発光動作時間との総和に対して1%以上に制御されていてもよい。この場合、不活化環境を適切に維持することができる。
この場合、人体に悪影響を及ぼさない光量範囲内で、微生物やウイルスの不活化に適した波長を有する紫外線を人に照射することができる。
また、上記の不活化装置において、前記紫外線照射部は、中心波長222nmの紫外線を放出するKrClエキシマランプや中心波長207nmの紫外線を放出するKrBrエキシマランプを有していてもよい。この場合、給電制御により紫外線発光動作と休止時間とを高速に繰り返すことができる。そのため、例えば発光動作時間を1分以下に設定しても、安定した光出力が実現できる。また、中心波長222nmの紫外線や中心波長207nmの紫外線を放出するので、紫外線照射による人体への悪影響を適切に抑制することができるとともに、菌の光回復を適切に阻害することができる。
さらにまた、上記の不活化装置において、前記紫外線照射部は、紫外線を放出する発光ダイオード(LED)もしくはレーザダイオード(LD)を有していてもよい。この場合、給電制御により紫外線発光動作と休止時間とを高速に繰り返すことができる。そのため、例えば発光動作時間を1分以下に設定しても、安定した光出力が実現できる。
また、上記の不活化装置において、前記紫外線照射部の1回の非発光動作時間が25分以下に設定されていてもよい。この場合、空気中を漂いやすい5μm未満の小さい粒子(飛沫核)に対して、床に落下する前に適切に紫外線照射を行うことができ、空気中のウイルスや細菌を効果的に不活化することができる。
このように菌の光回復に必要な時間(例えば波長254nmの紫外線を照射した場合、1〜2時間程度)以上に休止時間を設定しても適切に不活化効果を得ることができる。
この場合、より効率的に施設や乗物内の除染を行うことができる。また、不必要に紫外線照射を行うことを抑制することもできるので、光源の使用寿命を延ばすことができる。
さらに、190nm〜235nmの波長域の光を照射するので、人や動物への悪影響を抑制しつつ、微生物やウイルスを不活化することができる。また、間欠点灯の条件は、照射する紫外線の波長に応じて設定する。紫外線照射による人体への影響の度合いは紫外線の波長ごとに異なるため、紫外線の波長に応じた条件で間欠点灯を行うことで、人体へ悪影響を及ぼすことを適切に抑制し、効率的に除染を行うことができる。
なお、本発明における「不活化」とは、微生物やウイルスを死滅させる(又は感染力や毒性を失わせる)ことを指すものである。
上記した本発明の目的、態様及び効果並びに上記されなかった本発明の目的、態様及び効果は、当業者であれば添付図面及び請求の範囲の記載を参照することにより下記の発明を実施するための形態(発明の詳細な説明)から理解できるであろう。
(第一の実施形態)
本実施形態では、頻繁に人が集まる施設の特に狭い空間(病室、トイレ、エレベータ内などの閉鎖空間)において紫外線照射を行い、人体又は動物に対して有害な微生物やウイルスを不活化する不活化システムについて説明する。本実施形態における不活化システムは、従来は安全の観点から見送られてきた人間(患者)や動物といった生体に対する紫外線照射を敢えて所定時間実施して、有害な微生物やウイルスを不活化するものである。
この不活化システムは、不活化装置100を備える。不活化装置100は、閉鎖空間(個室トイレ)内200に紫外線を放出する紫外線照射部(UV照射部)10A、10Bの少なくとも一方を備える。ここで、UV照射部10A、10Bが放出する紫外線の波長域は、例えば200nm〜320nmである。
このUV照射部10Aからは、下方向に紫外線が放出され、当該紫外線が、個室トイレ200の空間や、壁部202、床等に照射される。また、UV照射部10Aから放出される紫外線は、個室トイレ200に進入した人間(例えば、患者)300に対しては、当該人間300の上部から照射される。
このようにUV照射部10Bを設置することで、UV照射部10Bから放出される紫外線は、便器211に座した人間200の後頭部側上方より当該人間300に照射され、この人間300の目には直接には照射されない。
人感センサ11およびドアセンサ13は、個室トイレ200への人の入退出を検知するセンサであり、圧力センサ12は、個室トイレ200内における所定位置に人が存在することを検知するセンサである。
圧力センサ12は、例えば図1に示すように便座212の内部に設置され、便器211に設けられた便座212に人間300が座したかどうかを検知する。
ドアセンサ13は、例えば図1に示すようにドア203に設置され、個室トイレ200のドア203の開閉を検知する。
具体的には、制御部20は、センサ11〜13の少なくとも1つの検出信号をもとに個室トイレ200内に人間300が存在すると判断された期間中に、UV照射部10A、10Bの少なくとも一方から、紫外線を、当該紫外線の波長に応じた所定時間、上記人間300を含む個室トイレ200内に照射するように制御する。
図2は、本実施形態における不活化装置100の動作を説明するフローチャートである。
まずステップS1において、制御部20は、人感センサ11からの検出信号をもとに、個室トイレ200内における人間300の所在を検知したか否かを判定する。そして、制御部20は、人間300の所在を検知していないと判定した場合には、人間300の所在を検知するまで待機し、人間300の所在を検知するとステップS2に移行する。
次にステップS3では、制御部20は、タイマー1のカウント値をもとに、タイマー1のカウント開始から所定時間T1が経過したか否か、即ち、個室トイレ200内における人間300の所在を検知してから所定時間T1が経過したか否かを判定する。そして、制御部20は、所定時間T1が経過していない場合には所定時間T1が経過するまで待機し、所定時間T1が経過したと判定するとステップS4に移行する。
ここで、所定時間T1は、UV照射部10Aから放出される紫外線の波長に応じた時間であり、安全規格上、生体に照射可能な最大時間以下に設定される。所定時間T1については、後で詳述する。
ステップS5では、制御部20は、UV照射部10Aからの紫外線の放出を停止する。
ステップS6では、制御部20は、人感センサ11からの検出信号をもとに、個室トイレ200内から人間300が退出したか否かを判定する。そして、制御部20は、人間300が退出していないと判定した場合にはそのまま待機し、人間300が退出したと判定するとステップS7に移行する。
ステップS7では、制御部20は、UV照射部10Aからの紫外線の放出を開始し、ステップS1に戻る。
個室トイレ200内に人間300が進入する前、即ち、個室トイレ200内に人間300が不在の間は、UV照射部10Aから個室トイレ200内への紫外線照射が連続して行われている。
この状態から個室トイレ200内に人間300が進入すると、その時点Aにおいて、人感センサ11により人間300の所在が検知され、タイマー1のカウントが開始される。そして、時点Aから所定時間T1経過後に、個室トイレ200内および人間300への紫外線の照射が停止する。
そして、その後、個室トイレ200内から人間300が退出すると、その時点Bにおいて、人感センサ11により人間300が退出したことが検知され、個室トイレ200内への紫外線の照射が再開される。
UV照射部10A、10Bから放出される200nm〜320nmの波長域の紫外線は、人体に悪影響を及ぼす紫外線を含む。例えば、上記の波長域の紫外線が照射されると、紅斑や皮膚のDNA損傷による癌の誘発や、目の障害(眼痛・充血・角膜の炎症など)が起こり得る。
D(mJ/cm2)=W(mW/cm2)×N(回)×T1(sec)・・・(1)
つまり、1回の個室トイレ内滞在中における紫外線照射時間T1は、以下のように表される。
T1≦Dmax/(W×N)・・・(2)
紫外線照射される人間の照射面上の照度を0.022(mW/cm2)、病室に付属する個室トイレを1日に使用する回数(個室トイレ内に進入する回数)Nを10回とすると、上記(2)式より、1回の個室トイレ内滞在中における紫外線照射時間T1は30(sec)以下となる。
なお、上記の紫外線照射される人間の照射面上の照度は、閉鎖空間(個室トイレ)200内において人間300が立っているときの頭部(頂部)を紫外線照射面とし、閉鎖空間(個室トイレ)200の天井201から床上に立っている人間300の頭部までの距離を紫外線照射距離として設定した値である。
なお、1日に閉鎖空間内に人間が進入する回数Nは、安全サイドに多めに設定しておくことが好ましい。
エキシマランプの場合、給電後直ちに点灯する。よって、光源として低圧水銀ランプを用いる場合とは異なり、遮光用のシャッタを設ける必要はない。つまり、紫外線の照射と非照射とを比較的短い間隔で繰り返す場合には、エキシマランプに対する給電を制御すればよい。
UV放射線は、低波長ほど貫通力が小さい。例えば、約200nmといった低波長のUV放射線は、非常に効率良く水を通過するものの、ヒト細胞の外側部分(細胞質)による吸収が大きく、放射線に敏感なDNAを含む細胞核に到達するのに十分なエネルギーを有さない場合がある。そのため、上記の低波長のUV放射は、典型的には、ヒト細胞に対して、つまりヒトに対する悪影響が少ない。
したがって、上記の低波長のUV放射は、バクテリアを容易に貫通し、殺菌することが可能である。
このように、UV照射部10Aが有する紫外線光源が、中心波長222nmの紫外線を放出するKrClエキシマランプである場合、図2および図3において設定した所定時間T1は、例えば最大時間である100(sec)に設定することができる。
波長選択フィルタとしては、例えば、HfO2層およびSiO2層による誘電体多層膜を有する光学フィルタを用いることができる。具体的には、当該光学フィルタは、合成石英ガラスよりなる基板の一面にHfO2層およびSiO2層が交互に積層されてなる誘電体多層膜が形成され、基板の他面にHfO2層およびSiO2層によるARコーティングが施された構成とすることができる。例えば、誘電体多層膜におけるHfO2層の厚みは約240nm、SiO2層の厚みは1460nmで、HfO2層およびSiO2層の層数は総数33層とすることができる。
しかしながら、波長選択フィルタとしてHfO2層およびSiO2層による誘電体多層膜を有する光学フィルタを用いた場合には、SiO2層およびAl2O3層による誘電体多層膜を有する光学フィルタを用いた場合と比較して、層の総数を少なくすることができる。そのため、入射角が0°のときの紫外線の透過率を高めることができ、所望の波長域190〜235nmの紫外線の光強度を確保することができる。また、層の総数が少なくなることで、その分のコストを削減することができる。
また、閉鎖空間(個室トイレ200)から退出した人は、紫外線の照射後であり、皮膚や衣類表面に付着している有害な微生物やウイルスが減少もしくは除去されているため、閉鎖空間(個室トイレ200)から退出した人から他の領域への有害な微生物やウイルスの拡散を抑制することができる。したがって、施設内の除染すべき領域の拡大を抑制することができ、効率的に施設の除染を行うことができる。
具体的には、所定時間T1は、上記(2)式を満たす時間T1とする。このように、安全規格に基づいて、照射される紫外線の波長ごとに紫外線照射時間を設定するので、紫外線照射による人体への悪影響を適切に抑制することができる。
このように、人が不在の個室トイレ200内に紫外線を照射することで、個室トイレ200内に元々存在した有害な微生物やウイルス、人が進入したことにより個室トイレ200内部に拡散した有害な微生物やウイルス、および人が進入したときに個室トイレ200内部に流入する空気中に浮遊した有害な微生物やウイルスの少なくとも一部を不活化することができる。また、個室トイレ200内に人が不在の場合、個室トイレ200内への紫外線照射を連続して行うことで、上記の不活化をより効果的に行うことができる。
上述した第一の実施形態では、個室トイレ200内に人間300が不在の場合、UV照射部10Aから個室トイレ200内への紫外線照射が連続して行われる場合について説明した。しかしながら、個室トイレ200内に人間が不在の場合、個室トイレ200内への紫外線照射を所定時間T2だけ行われるようにしてもよい。
制御部20は、ステップS1において、個室トイレ200内における人間300の所在を検知すると、ステップS11に移行して、UV照射部10Aからの紫外線の放出を開始し、ステップS2に移行する。
次にステップS13では、制御部20は、タイマー2のカウント値をもとに、タイマー2のカウント開始から所定時間T2が経過したか否か、即ち、個室トイレ200から人間300が退出してから所定時間T2が経過したか否かを判定する。そして、制御部20は、所定時間T2が経過していない場合には所定時間T2が経過するまで待機し、所定時間T2が経過したと判定するとステップS14に移行する。
ここで、所定時間T2は、人間300が退出した個室トイレ200内に存在する有害な微生物やウイルスの少なくとも一部を不活化するのに十分な時間に設定する。
ステップS14では、制御部20は、UV照射部10Aからの紫外線の放出を停止し、ステップS1に戻る。
ここでは、個室トイレ200内に人間300が進入する前に、UV照射部10Aから個室トイレ200内への紫外線照射が停止されているものとする。
この状態で個室トイレ200内に人間300が進入すると、その時点Aにおいて、人感センサ11により人間300の所在が検知され、タイマー1のカウントが開始されるとともに、個室トイレ200内および人間300への紫外線の照射が開始する。そして、時点Aから所定時間T1経過後に、個室トイレ200内および人間300への紫外線の照射が停止する。
その後、個室トイレ200内から人間300が退出すると、その時点Bにおいて、人感センサ11により人間300が退出したことが検知され、タイマー2のカウントが開始されるとともに、個室トイレ200内への紫外線の照射が再開される。
そして、個室トイレ200内から人間300が退出した時点Bから所定時間T2経過すると、その時点Cにおいて、個室トイレ200内への紫外線の照射が停止する。
次に、本発明における第二の実施形態について説明する。
上述した第一の実施形態では、閉鎖空間(個室トイレ)200に人間300が進入したことを人感センサ11で検知し、この人感センサ11の検出信号に基づき、UV照射部10Aからの紫外線の照射を制御する場合について説明した。この第二の実施形態では、個室トイレ200内にて人間300が便座212に着座した状態を圧力センサ12で検知し、この圧力センサ12の検知信号に基づき、紫外線の照射を制御する場合について説明する。
また、紫外線照射は、UV照射部10Bを用いて行われるものとする。
まずステップS21において、制御部20は、人感センサ11からの検出信号をもとに、個室トイレ200内における人間300の所在を検知したか否かを判定する。そして、制御部20は、人間300の所在を検知していないと判定した場合には、人間300の所在を検知するまで待機し、人間300の所在を検知するとステップS22に移行する。
ステップS23では、制御部20は、圧力センサ12からの検出信号をもとに、便座212への人間300の着座を検知したか否かを判定する。そして、制御部20は、人間300の着座を検知していないと判定した場合には、着座を検知するまで待機し、人間300の着座を検知するとステップS24に移行する。
ステップS24では、制御部20は、UV照射部10Bからの紫外線の放出を開始し、ステップS25に移行する。
次にステップS26では、制御部20は、タイマー1のカウント値をもとに、タイマー1のカウント開始から所定時間T1が経過したか否か、即ち、便座212への人間300の着座を検知してから所定時間T1が経過したか否かを判定する。そして、制御部20は、所定時間T1が経過していない場合には所定時間T1が経過するまで待機し、所定時間T1が経過したと判定するとステップS27に移行する。
UV照射部10Bは、人間300が便器211に座した姿勢を取った際に、人間300の後頭部側上方から紫外線を照射することを想定して、個室トイレ200の壁部202に設置されている。そのため、この場合の人間30の照射面(頭部)での照度は、上述した第一の実施形態のようにUV照射部10Aを用いて立っている人間300に紫外線を照射する場合の照度と同じ値としてよい。つまり、紫外線照射される人間の照射面上の照度は0.092(mW/cm2)とすることができる。
ステップS28では、制御部20は、UV照射部10Bからの紫外線の放出を停止する。
ステップS29では、制御部20は、人感センサ11からの検出信号をもとに、個室トイレ200内から人間300が退出したか否かを判定する。そして、制御部20は、人間300が退出していないと判定した場合にはそのまま待機し、人間300が退出したと判定するとステップS30に移行する。
ステップS30では、制御部20は、UV照射部10Bからの紫外線の放出を開始し、ステップS21に戻る。
個室トイレ200内に人間300が進入する前、即ち、個室トイレ200内に人間300が不在の間は、UV照射部10Bから個室トイレ200内への紫外線照射が連続して行われている。
この状態から個室トイレ200内に人間300が進入すると、その時点Pにおいて、人感センサ11により人間300の所在が検知され、個室トイレ200内への紫外線の照射が停止する。
そして、その後、個室トイレ200内から人間300が退出すると、その時点Rにおいて、人感センサ11により人間300が退出したことが検知され、個室トイレ200内への紫外線の照射が再開される。
このように、閉鎖空間内の所定位置に存在する人に対して紫外線を含む光を照射することで、人体表面の意図した箇所に効果的に紫外線を照射することができる。また、個室トイレ200内にて便座212に座した状態の人間の動きは比較的小さい。そのため、便座212に座した状態の人間に紫外線を照射するようにすれば、効果的に人体表面(皮膚や衣類の表面)に存在する有害な微生物やウイルスを不活化することができる。
これにより、人が進入する前の個室トイレ200に紫外線が照射されている場合には、人が個室トイレ200内に進入した際に一旦紫外線照射を停止し、便座212に着座した状態の人間に対して所定時間(T1)紫外線を照射することができる。したがって、人が不在の個室トイレ200内への紫外線照射と、個室トイレ200に進入した人に対する紫外線照射とを適切に行うことができる。
UV照射部10Aを用いる場合、便座212に座っている人間300の紫外線照射面での照度は、床上に立っている人間300の紫外線照射面での照度と比較すると小さく、例えば0.010(mW/cm2)となる。
また、UV照射部10Aが有する光源がKrClエキシマランプである場合には、病室に付属する個室トイレを1日に使用する回数(個室トイレ内に進入する回数)Nを10回とすると、上記(2)式により、1回の個室トイレ内滞在中における紫外線照射時間(所定時間T1)は、220(sec)となる。
このように、UV照射部10Aを用いた場合、UV照射部10Bを用いた場合と比較して紫外線照射時間(所定時間T1)を長くすることができる。
上述した第二の実施形態では、個室トイレ200内に人間300が不在の場合、UV照射部10Aから個室トイレ200内への紫外線照射が連続して行われる場合について説明した。しかしながら、個室トイレ200内に人間が不在の場合、個室トイレ200内への紫外線照射を所定時間T2だけ行われるようにしてもよい。
制御部20は、ステップS21において、個室トイレ200内における人間300の所在を検知すると、ステップS23に移行する。
次にステップS31では、制御部20は、タイマー2のカウント値をもとに、タイマー2のカウント開始から所定時間T2が経過したか否か、即ち、個室トイレ200から人間300が退出してから所定時間T2が経過したか否かを判定する。そして、制御部20は、所定時間T2が経過していない場合には所定時間T2が経過するまで待機し、所定時間T2が経過したと判定するとステップS32に移行する。
ここで、所定時間T2は、人間300が退出した個室トイレ200内に存在する有害な微生物やウイルスの少なくとも一部を不活化するのに十分な時間に設定する。
ステップS33では、制御部20は、UV照射部10Bからの紫外線の放出を停止し、ステップS21に戻る。
ここでは、個室トイレ200内に人間300が進入する前に、UV照射部10Bから個室トイレ200内への紫外線照射が停止されているものとする。
この状態で個室トイレ200内に人間300が進入すると、その時点Pにおいて、人感センサ11により人間300の所在が検知される。その後、人間300が便座212に着座すると、その時点Qにおいて、圧力センサ12により人間300の着座が検知され、タイマー1のカウントが開始されるとともに、個室トイレ200内および人間300への紫外線の照射が開始する。そして、時点Qから所定時間T1経過後に、個室トイレ200内および人間300への紫外線の照射が停止する。
その後、個室トイレ200内から人間300が退出すると、その時点Rにおいて、人感センサ11により人間300が退出したことが検知され、タイマー2のカウントが開始されるとともに、個室トイレ200内への紫外線の照射が再開される。
そして、個室トイレ200内から人間300が退出した時点Rから所定時間T2経過すると、その時点Sにおいて、個室トイレ200内への紫外線の照射が停止する。
上述した第二の実施形態では、人感センサ11を用いて個室トイレ200内における人間300の所在を検知する場合について説明したが、ドアセンサ13を用いて個室トイレ200への人間300の入退出を検知するようにしてもよい。
図10は、本変形例における不活化装置100の動作を説明するタイムチャートである。
個室トイレ200内に人間300が進入する前、即ち、個室トイレ200内に人間300が不在の間は、UV照射部10Bから個室トイレ200内への紫外線照射が連続して行われている。
すると、この時点P2において、タイマー0のカウントが開始される。タイマー0は、動作開始から所定時間T0が経過した時点でカウントを終了し、カウント終了信号を制御部20に送信するとともに、リセットされるように設定されている。なお、タイマー0は、カウントの途中でも、圧力センサ12により人間300が便座212に座したことが検知された場合は、制御部20によってリセットされるように設定されている。
ここで、上記の所定時間T0は、個室トイレ200内に人間300が進入した後、便座212に座すまでの時間よりも十分長くなるように設定されている。
そして、その後、個室トイレ200内から人間300が退出すべくドア203を開けると、その時点R1において、ドアセンサ13によりドア203が開いたことが検知される。続いて、個室トイレ200から人間300が退出しドア203が閉じられた時点R2において、ドアセンサ13によりドア203が閉じられたことが検知される。
言い換えると、圧力センサ12から人間300の着座を示す検出信号を受け取った場合には、次に圧力センサ12から人間300の退座を示す検出信号を受信しない限り、ドアセンサ13によりドア203が閉じられたことを示す検出信号を受信しても、タイマー0のカウントは開始しないようにすることができる。
このように、ドアセンサ13からの検出信号と圧力センサ12からの検出信号の双方を確認することで、個室トイレ200内に人が存在しないことを適切に判断することができる。
なお、上記各実施形態においては、不活化装置100を個室トイレに設置する場合について説明したが、上記に限定されるものではない。不活化装置100は、病室やエレベータ、会議室など、頻繁に人が集まる施設の特に狭い空間に設置することができる。
また、不活化装置100から人間に紫外線を照射するタイミングは、人間が閉鎖空間内に存在する期間中の任意のタイミングであってよい。ただし、人間が閉鎖空間内に存在する期間のうち、有害な微生物やウイルスが飛散する可能性が高いタイミングを検知可能な場合には、そのタイミングで紫外線を照射することが好ましい。
例えば、エキシマランプへの給電を制御して、当該エキシマランプの発光動作時間を10ms以上1000ms以下とし、それに続く休止時間を10ms以上10秒以下として、発光動作と休止とを繰り返す場合、上記の所定時間T1は発光動作時間の総和となる。
具体的には、例えばKrClエキシマランプの発光動作時間を100ms、休止時間を100msとし、所定時間T1が30secであるときは、KrClの発光動作回数は300回となり、Krエキシマランプの動作時間は、休止時間を含め60secとなる。
例えば、人を含む空間がトイレであるとき、光源の動作が断続的となるように制御して紫外線照射期間をより長く設定することにより、排便やスプラッシュに伴う細菌、ウイルス等の飛散時にも紫外線照射を実施できる可能性を高くすることができる。
よって、紫外線光源としては、給電制御で紫外線発光動作と休止時間とを繰り返すことが可能な光源が好適である。
そのような光源としては、例えば前記したようなエキシマランプ(KeClエキシマランプ)や固体光源(発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD))などが使用可能である。
次に、本発明における第三の実施形態について説明する。
上述した実施形態では、閉鎖空間(個室トイレ)200内における人間300の所在をセンサによって検出して所定時間T1だけ紫外線を照射する場合に、発光動作とそれに続く休止とを交互に繰り返し行い、発光動作時間の総和を上記の所定時間T1としてもよいとした。つまり、上述した実施形態では、人間300の所在を検知して、UV照射部による光の発光動作と非発光動作とを交互に繰り返し行う、いわゆる間欠点灯を行ってもよいとした。
この第三の実施形態では、センサからの検出信号によらずに、間欠点灯を行う場合について説明する。
本実施形態における不活化システムは、人や動物が存在する施設や乗物内の表面や空間に対して紫外線を照射して、少なくとも当該施設や乗物内の表面や空間に存在する人体又は動物に対して有害な微生物やウイルスを不活化するものである。なお、紫外線が照射される空間である「人や動物が存在する施設や乗物内の空間」は、実際に人や動物がいる空間に限定されず、人や動物が出入りする空間であって人や動物がいない空間を含む。
この不活化システムは、不活化装置100Aを備える。不活化装置100Aは、施設200A内の表面や空間に対して紫外線を放出する紫外線照射部(UV照射部)10Cと、照明用光源10Dと、制御部20Aと、を備える。
UV照射部10Cは、例えば、施設200A内の天井201Aに設けられている。なお、UV照射部10Cは、施設200A内の表面や空間に対して紫外線を放出できればよく、設置位置は特に限定されない。UV照射部10Cが放出する光は、人体への悪影響の少ない190nm〜235nmの波長域の紫外線を含む。
このUV照射部10Cは、紫外線光源として、例えば中心波長222nmの紫外線を放出するKrClエキシマランプを備える。なお、UV照射部10Cは、波長域190nm〜235nmの光のみを透過し、それ以外の波長域の光をカットする波長選択フィルタを備える。
制御部20Aは、UV照射部10Cによる光の照射および非照射を制御する。具体的には、制御部20Aは、UV照射部10Cが放出する紫外線の波長に応じた条件で、UV照射部10Cを間欠点灯させる。ここで、UV照射部10Cの間欠点灯動作が行われる期間の少なくとも一部は、照明用光源10Dが点灯している期間に含まれる。
現行の安全規格によると、波長222nmの紫外線の1日(8時間)の最大許容紫外線露光量は、Dmax=22(mJ/cm2)である。そこで、8時間の積算光量(照射量)が22(mJ/cm2)以内となるように間欠点灯の条件を設定する。
つまり、人体の紫外線照射面における照度をW(mW/cm2)、1日(8時間)に発光動作を行う回数をNとすると、UV照射部10Cの1回の発光動作時間Ta(sec)は、以下のように表される。
Ta≦Dmax/(W×N)・・・(3)
この図12において、Taは、1回の発光動作を行う発光動作時間、Tbは、1回の非発光動作を行う非発光動作時間である。なお、本実施形態では、給電制御により紫外線光源の発光動作と非発光動作とを切り替えるものであり、以下の説明において、発光動作時間Taを点灯時間Ta、非発光動作時間Tbを休止時間Tbという。
図12に示すように、本実施形態では、例えば30(sec)の点灯動作と、88(sec)の休止動作とを繰り返し行うようにすることができる。上記動作を8時間繰り返した場合、8時間で244回の点灯動作を行うことになる。つまり、8時間内での点灯時間の総和は7348(sec)となる。
この条件で、例えば照度を0.0029mW/cm2として間欠点灯を行うと、8時間の照射量を22mJ/cm2以内に抑えることができる。
また、間欠点灯することによって、紫外線光源の使用寿命を延ばす(紫外線光源の交換が必要となるまでの時間を延ばす)ことができる。
しかしながら、細菌には、例えば波長254nmの紫外線照射によって不活化された後に波長300nm〜500nmの光が照射されると、DNAの損傷を修復させる作用を起こすものがある。これは、細菌が保有する光回復酵素(例えば、FAD(フラビンアデニンジヌクレオチド))の働きによるもので、この現象を「菌の光回復」と呼ぶ。また、波長300nm〜500nmの範囲には、太陽光や白色照明の可視光も含まれており、明るい環境において菌の光回復が進むことが知られている。
光回復酵素であるFADは、光回復に作用するリボフラビンと、ADP(アデニンヌクレオチド)とに分かれる。ADPは更にアデノシンとリン酸とに分類される。
波長222nmの紫外線と波長254nmの紫外線とでは、FADの吸光度は同じくらいである。一方、光回復に作用するリボフラビンの吸光度は、波長215nm〜230nmの紫外線の方が波長254nmの紫外線よりも大きい。これにより波長215nm〜230nmの紫外線が、リボフラビンにより効果的に作用することで、光回復の機能を阻害させる効果があると考えられる。更に、波長200nm〜230nmの範囲におけるリボフラビンの吸光度のピーク値が222nm付近に存在しており、波長222nmの紫外線照射によって「菌の光回復」を著しく阻害できたと考えられる。
また、アデノシンの吸光度は、波長254nmの紫外線が大きく、波長218nm〜245nmの範囲の紫外線よりも大きい。つまり波長254nmの紫外線は、アデノシンに対しても吸収されやすく、言い換えれば、アデノシンが防護壁となってリボフラビンに効果的に作用され難いと推察される。そのため波長218nm〜245nmの範囲の紫外線は、リボフラビンに効果的に作用しやすいと考えられる。以上の点から、波長222nmの紫外線は、上記のいずれの有効範囲をも満たす光であり、有効に菌の光回復効果を阻害することができる。
図14および図15において、横軸は経過時間(h)、縦軸は菌のlog生残率である。図14および図15において、実験結果a〜dは、紫外線照射量を0mJ/cm2、5mJ/cm2、10mJ/cm2、15mJ/cm2とした場合の菌の生残率の変化を示す。
一方、図15に示すように、波長222nmの紫外線照射を行った場合には、可視光が照射されていても菌の回復が認められない。つまり、菌の光回復が阻害されている。
したがって、波長222nmの紫外線照射を行う不活化システムは、特に、菌の光回復がしやすい環境、具体的には波長300nm〜500nmの光を含む可視光が照射される環境において効果的に作用する。
例えば、枯草菌(無害)が大腸菌(有害)と共存していると、枯草菌が出す抗菌物質により大腸菌を死滅させることができる。しかしながら、波長254nmの紫外線照射により、枯草菌と大腸菌とを不活化させると、枯草菌は復活できないが大腸菌は復活する状況を作り出してしまう。この場合、大腸菌による感染リスクを高めてしまう懸念がある。
また、菌の光回復を阻害できれば、当該菌を媒介としてウイルスが増殖することも抑制することができる。
例えば、細菌に感染するウイルス(バクテリオファージ)は、細菌を媒介として増殖することが知られている。ウイルスは、細菌に感染(ファージ)することで、細菌を媒介として増殖する場合がある。このバクテリオファージは、細菌に感染するウイルスの総称であるが、ヒトに対して有害となる場合もあり得る。例えば、溶原性ファージは、稀に、自らのゲノム中に毒性又は薬剤耐性遺伝子を有し、バクテリアを介して間接的に、これらがヒトに害をもたらす可能性が指摘されている。例として、コレラ及びジフテリアの毒素がある。
菌の光回復を阻害することは、ファージ等のウイルスの増殖を未然に防ぐことにもつながる。
また波長200nm〜230nmの紫外線、特に、波長222nmの紫外線照射により菌の光回復を阻害することができるので、紫外線が照射されない休止時間の間も、不活化の効果が維持される。つまり、連続点灯と同等の不活化効果が得られる。
図16および図17において、横軸は紫外線照射量(mJ/cm2)、縦軸は菌のlog生残率である。また、図16および図17において、破線Aは連続点灯を行った場合、実線Bは間欠点灯を行った場合の結果を示す。
間欠点灯の条件は、点灯時間Ta=50(sec)、休止時間Tb=59分10秒(3550(sec))とし、点灯デューティ比=1.39(%)に設定した。なお、点灯デューティ比とは、点灯時間Taと休止時間Tbとの総和に対する点灯時間Taの割合であり、Td=Ta/(Ta+Tnb)で表される値である。また、点灯時の紫外線照度は0.1(mW/cm2)とし、1回の点灯動作による紫外線照射量を5(mJ/cm2)に設定した。
一方、図17に示すように、波長222nmの紫外線照射の場合は、菌の光回復が阻害されるため、間欠点灯と連続点灯とで同等の不活化効果が得られている。
さらに、図16および図17に示すように、不活化対象の菌が黄色ブドウ球菌である場合、連続点灯では、どの紫外線照射量においても、波長254nmの紫外線を用いた方が波長222nmの紫外線を用いた場合よりも不活化効果が高い(図18参照)。しかしながら、間欠点灯の場合は、どの紫外線照射量においても、波長222nmの紫外線を用いた方が不活化効果は高い。
よって、波長240nmよりも短い波長帯域(190nm〜235nm)の紫外線は、人や動物への悪影響を抑制しつつ微生物やウイルスを不活化することができ、さらに、細菌やウイルスを構成する細胞組織へ効果的に作用することで、菌の光回復等の機能を抑制する効果が高められたと考えられる。また、より好ましくは波長190〜230nmの波長帯域において、菌の光回復等の機能を抑制する効果が高められると考えらえる。これにより、間欠的に紫外線を照射する場合においても効果的に細菌やウイルスの不活化を行うことができる。
図22(a)は、波長222nmの紫外線を用いた間欠点灯の動作例1を示すタイムチャートであり、図22(b)は、波長222nmの紫外線を用いた間欠点灯の動作例2を示すタイムチャートである。動作例1と動作例2とは、点灯時の紫外線照度および1回の点灯時間Taが同じであり、1回の休止時間Tbのみが異なる。
図23は、動作例1、2で間欠点灯を行った場合の不活化効果を示す図である。図23において、実験結果C1は動作例1、実験結果C2は動作例2の間欠点灯を行った場合の菌の生残率の変化を示す。また、実験結果A1は、点灯時の紫外線照度を動作例1、2と同じとした連続点灯を行った場合の菌の生残率の変化を示す。
また、動作例1、2は、いずれも点灯時の紫外線照度が0.1(mW/cm2)に設定されている。つまり、1回目の点灯動作による照射量は、いずれの場合も5mJ/cm2であり、以降、2回目、3回目、…の点灯動作による照射量を10mJ/cm2、15mJ/cm2、…としている。
また、動作例1、2の不活化効果は、同じ紫外線照度での連続点灯の不活化効果ともほぼ同等であることも確認できる。
図24(a)は、波長222nmの紫外線を用いた間欠点灯の動作例3を示すタイムチャートであり、図24(b)は、波長222nmの紫外線を用いた間欠点灯の動作例4を示すタイムチャートである。動作例3と動作例4とは、点灯時の紫外線照度および1回の点灯時間Taが同じであり、1回の休止時間Tbのみが異なる。
図25は、動作例3、4で間欠点灯を行った場合の不活化効果を示す図である。図25において、実験結果C3は動作例3、実験結果C4は動作例4の間欠点灯を行った場合の菌の生残率の変化を示す。また、実験結果A2は、点灯時の紫外線照度を動作例3、4と同じとした連続点灯を行った場合の菌の生残率の変化を示す。
また、動作例3、4は、いずれも点灯時の紫外線照度が0.01(mW/cm2)に設定されている。つまり、1回目の点灯動作による照射量は、いずれの場合も上記の動作例1、2と同様の5mJ/cm2であり、以降、2回目、3回目、…の点灯動作による照射量を10mJ/cm2、15mJ/cm2、…としている。
また、動作例3、4の場合にも、不活化効果は、同じ紫外線照度での連続点灯の不活化効果ともほぼ同等であることも確認できる。
また、間欠点灯を行うため、紫外線の積算光量が最大許容紫外線露光量Dmaxに到達するまでの期間を、同じ紫外線照度での連続点灯で紫外線の積算光量が最大許容紫外線露光量Dmaxに到達するまでの期間よりも長くすることができる。したがって、施設内に飛散された有害な微生物やウイルスを不活化できる可能性を高めることができるとともに、連続点灯の場合と比較して、UV照射部10Cの使用寿命(紫外線光源の交換が必要となるまでの時間)を長くすることができる。
ここで、間欠点灯の条件は、1回の点灯動作による積算光量、点灯動作時の照度、点灯時間Ta、休止時間Tb、点灯デューティ比Tdによって設定することができる。
図18は、人や動物への悪影響が抑制された190nm〜235nmの光のうち中心波長が222nmの紫外線と、従来から用いられている254nmの紫外線とで、微生物やウイルスの不活化(不活化率が99.9%)に必要なエネルギー量を測定した結果である。ここで紫外線の照度は10μW/cm2としている。
この結果から、222nmの紫外線と254nmの紫外線とでは、細菌やウイルスの不活化に必要なエネルギー量は多少異なることが分かる。例えば、黄色ブドウ球菌(MRSA)の殺菌には、222nmの紫外線で15mJ/cm2の積算光量が必要とされる。
本実施形態では、菌の光回復を阻害できる波長域の光を用いて間欠点灯することにより、1回あたりの積算光量を低く抑えても、高い不活化効果を発揮することができる。具体的には、1回の紫外線照射量が、不活化対象の微生物やウイルスの不活化が可能な照射量よりも少なくても、間欠的な点灯を繰り返すことで、不活化対象の微生物やウイルスを適切に不活化することができる。例えば、黄色ブドウ球菌の99.9%殺菌に必要な紫外線照射量は15mJ/cm2程度であるが、1回の点灯動作による積算光量を5mJ/cm2として間欠点灯を行っても、図23および図25に示したように、適切に不活化効果を得ることができる。
図26(a)は、1回の点灯動作による積算光量を1mJ/cm2とした動作例5のタイムチャートである。この動作例5は、点灯時間Ta=10(sec)、休止時間Tb=50(sec)、点灯時の紫外線照度が0.1(mW/cm2)に設定されている。つまり、1回目の点灯動作による積算光量は、1mJ/cm2であり、以降、2回目、3回目、…の点灯動作による積算光量を2mJ/cm2、3mJ/cm2、…としている。また、不活化対象の菌は、黄色ブドウ球菌とした。
図26(b)は、動作例5で間欠点灯を行った場合の不活化効果を示す図である。図26(b)において、実験結果C5は動作例5の間欠点灯を行った場合の菌の生残率の変化であり、実験結果A1は、点灯時の紫外線照度を動作例5と同じとした連続点灯を行った場合の菌の生残率の変化を示す。この実験結果A1は、図23に示す実験結果A1と同じである。この図26(b)に示すように、1回の点灯動作による積算光量が5mJ/cm2以下である1mJ/cm2であっても、適切に不活化効果を得ることができる。
また1回の点灯動作による積算光量は、より低い値に設定しても構わない。例えば1回の点灯動作による積算光量は0.2μJ/cm2に設定してもよい。
また、より不活化環境が維持できるよう点灯デューティ比Tdは25%以下や10%以下とすることもできる。
さらに、点灯デューティ比Tdは、例えば1%以上5%以下とすることもできる。この場合にも、図23の実験結果C2および図25の実験結果C4に示したように、適切に不活化効果を得ることができる。また、この場合、不活化環境が維持できる時間をさらに延ばすことができる。
なお、本実施形態では、光出力の立ち上がり時間が短い紫外線光源としてエキシマランプを採用する場合について説明したが、固体光源(発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD))などを採用することも可能である。
例えば、ウイルスの空気感染は、空気中の1μm以下の微小なエアロゾルに付着した状態で広まると考えられている。この場合、微小なエアロゾルが空気中を漂う時間は長く、ウイルスの種類によっては、エアロゾル中の生存時間が1時間を超えるものも存在する(例えば新型コロナウイルス)。
このようなウイルスに対して、紫外線を効果的に照射するためには、休止時間Tbを1時間以下に制御することが好ましい。これにより、エアロゾル中に生存するウイルスを適切に不活化することができ、施設や乗物内に新たに人が入ってきた場合の感染リスクを低下させることができる。また、休止時間Tbをより短く設定すれば、エアロゾル中に複数回の紫外線照射を行うことができ、不活化効果を高めることができる。
人がくしゃみをした際の飛沫は、5μm以上の大きい粒子と、5μm未満の小さい粒子(飛沫核)とに大別できる。ここで、5μm未満の小さい粒子は、その落下速度が遅く、0.06cm/s〜1.5cm/s程度の速度とされている。落下速度を0.06cm/sと仮定すると、5μm未満の小さい粒子は、1m落下するのに約27分かかることになる。
なお、空中下でウイルスに対し複数回の紫外線照射を行うならば、休止時間Tbは10分以下がより好ましい。
例えば、施設の休暇期間やシーズンの閑散期等の人の往来が殆どない期間においては、頻繁な紫外線照射の必要が無い。そのため、上記のような期間においては、休止時間Tbを長く設定してもよい。
このことは、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標3「あらゆる年齢の全ての人々が健康的な生活を確保し、福祉を促進する」に対応し、また、ターゲット3.3「2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに、肝炎、水系感染症およびその他の感染症に対処する」に大きく貢献するものである。
Claims (18)
- 微生物および/またはウイルスを不活化する不活化装置であって、
人や動物が存在する施設や乗物内の表面や空間に対して、前記微生物および/またはウイルスを不活化する波長の紫外線を含む光を照射する紫外線照射部と、
前記紫外線照射部による前記光の照射および非照射を制御する制御部と、を備え、
前記紫外線照射部から放出される前記光に含まれる紫外線は、190nm〜235nmの波長域の光であって、
前記制御部は、
人体への前記紫外線の許容積算光量を超えないように、前記紫外線照射部による前記光の発光動作と非発光動作とが交互に繰り返し行われるように制御し、かつ、
前記紫外線照射部の1回の発光動作時間を、前記紫外線照射部の1回の発光動作時間と前記紫外線照射部の1回の非発光動作時間との総和に対して16.7%以下に制御することを特徴とする不活化装置。 - 前記紫外線照射部は、波長200nm〜230nmに中心波長を有する紫外線を放出することを特徴とする請求項1に記載の不活化装置。
- 前記紫外線照射部は、中心波長222nmの紫外線を放出することを特徴とする請求項1または2に記載の不活化装置。
- 前記紫外線照射部は、中心波長207nmの紫外線を放出することを特徴とする請求項1または2に記載の不活化装置。
- 前記紫外線照射部の1回の前記発光動作による積算光量は、10mJ/cm2以下に制御されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の不活化装置。
- 前記紫外線照射部の1回の前記発光動作による積算光量は、5mJ/cm2以下に制御されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の不活化装置。
- 前記紫外線照射部の1回の発光動作時間は、前記紫外線照射部の1回の発光動作時間と前記紫外線照射部の1回の非発光動作時間との総和に対して5%以下に制御されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の不活化装置。
- 前記紫外線照射部の1回の発光動作時間は、前記紫外線照射部の1回の発光動作時間と前記紫外線照射部の1回の非発光動作時間との総和に対して1%以上に制御されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の不活化装置。
- 照射される紫外線の波長に応じて定められた人体に対する1日の最大許容紫外線露光量をDmax(mJ/cm2)、人体の紫外線照射面における照度をW(mW/cm2)、1日に前記発光動作を行う回数をNとするとき、
前記紫外線照射部の1回の発光動作時間は、下式を満たす時間Ta(sec)に設定されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の不活化装置。
Ta≦Dmax/(W×N) - 前記紫外線照射部の1回の発光動作時間が1分以下に設定されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の不活化装置。
- 前記紫外線照射部は、中心波長222nmの紫外線を放出するKrClエキシマランプを有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の不活化装置。
- 前記紫外線照射部は、中心波長207nmの紫外線を放出するKrBrエキシマランプを有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の不活化装置。
- 前記紫外線照射部は、紫外線を放出する発光ダイオード(LED)もしくはレーザダイオード(LD)を有することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の不活化装置。
- 前記紫外線照射部の1回の非発光動作時間が1時間以下に設定されていることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の不活化装置。
- 前記紫外線照射部の1回の非発光動作時間が25分以下に設定されていることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の不活化装置。
- 前記紫外線照射部の前記発光動作と前記非発光動作との動作サイクルにおいて、少なくとも一部の動作サイクルに、2時間以上の非発光動作時間が設定されていることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の不活化装置。
- 前記制御部は、
前記施設や乗物内における前記微生物および/またはウイルスの増殖状況に応じて、前記紫外線照射部の前記発光動作と前記非発光動作との動作サイクルを変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の不活化装置。 - 微生物および/またはウイルスを不活化する不活化方法であって、
人や動物が存在する施設や乗物内の表面や空間に対して、前記微生物および/またはウイルスを不活化する波長の紫外線を含む光として、190nm〜235nmの波長域の光を照射する紫外線照射部による前記光の照射および非照射を制御するに際し、
人体への前記紫外線の許容積算光量を超えないように、前記紫外線照射部による前記光の発光動作と非発光動作とが交互に繰り返し行われるように制御し、かつ、
前記紫外線照射部の1回の発光動作時間を、前記紫外線照射部の1回の発光動作時間と前記紫外線照射部の1回の非発光動作時間との総和に対して16.7%以下に制御することを特徴とする不活化方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021154100A JP7099612B2 (ja) | 2020-03-17 | 2021-09-22 | 不活化装置および不活化方法 |
JP2021154101A JP7099613B2 (ja) | 2020-03-17 | 2021-09-22 | 不活化装置および不活化方法 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020047045 | 2020-03-17 | ||
JP2020047045 | 2020-03-17 | ||
JP2020124574 | 2020-07-21 | ||
JP2020124574 | 2020-07-21 | ||
PCT/JP2021/007746 WO2021187073A1 (ja) | 2020-03-17 | 2021-03-01 | 不活化装置および不活化方法 |
Related Child Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021154100A Division JP7099612B2 (ja) | 2020-03-17 | 2021-09-22 | 不活化装置および不活化方法 |
JP2021154101A Division JP7099613B2 (ja) | 2020-03-17 | 2021-09-22 | 不活化装置および不活化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2021187073A1 JPWO2021187073A1 (ja) | 2021-09-23 |
JP6954496B1 true JP6954496B1 (ja) | 2021-10-27 |
Family
ID=77675884
Family Applications (3)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021518681A Active JP6954496B1 (ja) | 2020-03-17 | 2021-03-01 | 不活化装置および不活化方法 |
JP2021154101A Active JP7099613B2 (ja) | 2020-03-17 | 2021-09-22 | 不活化装置および不活化方法 |
JP2021154100A Active JP7099612B2 (ja) | 2020-03-17 | 2021-09-22 | 不活化装置および不活化方法 |
Family Applications After (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021154101A Active JP7099613B2 (ja) | 2020-03-17 | 2021-09-22 | 不活化装置および不活化方法 |
JP2021154100A Active JP7099612B2 (ja) | 2020-03-17 | 2021-09-22 | 不活化装置および不活化方法 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20220323624A1 (ja) |
EP (1) | EP3957222A4 (ja) |
JP (3) | JP6954496B1 (ja) |
KR (1) | KR20220144884A (ja) |
CN (4) | CN113398292B (ja) |
TW (1) | TW202203984A (ja) |
WO (1) | WO2021187073A1 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022068806A (ja) * | 2020-10-22 | 2022-05-10 | エイデン ハイジーン エンタープライズ | 人体無害uv光源を用いた殺菌装置 |
WO2023084674A1 (ja) * | 2021-11-11 | 2023-05-19 | 日本電信電話株式会社 | 紫外光照射システム及び制御方法 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7193019B2 (ja) * | 2020-07-13 | 2022-12-20 | ウシオ電機株式会社 | 不活化装置および不活化方法 |
JP2023088542A (ja) * | 2021-12-15 | 2023-06-27 | 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 | 除菌システム及び空調機、並びに除菌方法、並びに除菌プログラム |
CN114984262B (zh) * | 2022-04-20 | 2023-11-03 | 北京理工大学 | 基于紫外光的消杀灭菌系统及灭菌方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014508612A (ja) * | 2011-03-07 | 2014-04-10 | ザ トラスティーズ オブ コロンビア ユニバーシティ イン ザ シティ オブ ニューヨーク | バクテリアに選択的に作用するとともに/又は殺菌する装置、方法及びシステム |
WO2019186880A1 (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-03 | サンエナジー株式会社 | 紫外線照射装置、紫外線照射方法、照明装置および紫外線照射システム |
Family Cites Families (29)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6494940B1 (en) * | 2000-09-29 | 2002-12-17 | Hamilton Beach/Proctor-Silex, Inc. | Air purifier |
US20020162970A1 (en) * | 2001-05-02 | 2002-11-07 | Michael Sasges | Optical sensing and control of ultraviolet fluid treatment dynamics |
EP1395338B1 (en) | 2001-06-15 | 2010-12-22 | Uv-Solutions, Llc | Method for determining the transmissivity of a bandage |
US6960201B2 (en) * | 2002-02-11 | 2005-11-01 | Quanticum, Llc | Method for the prevention and treatment of skin and nail infections |
JP2004249207A (ja) * | 2003-02-20 | 2004-09-09 | Ishigaki Co Ltd | 原虫類の不活性化処理における紫外線の照射方法 |
WO2007097583A1 (en) | 2006-02-24 | 2007-08-30 | Hpm Technology Co., Ltd. | Injection molding substance and manufacturing method thereof |
JP4691004B2 (ja) * | 2006-12-07 | 2011-06-01 | 株式会社東芝 | 紫外線光による不活化処理方法 |
US8125333B2 (en) * | 2008-06-04 | 2012-02-28 | Triton Thalassic Technologies, Inc. | Methods, systems and apparatus for monochromatic UV light sterilization |
JP2011131138A (ja) * | 2009-12-22 | 2011-07-07 | Toshiba Corp | 紫外線照射装置 |
CN103096942A (zh) * | 2010-05-26 | 2013-05-08 | 埃尔维申公司 | 用于在较大制冷系统中对抗细菌培养物、病毒、真菌培养物、霉菌和微生物等在冷凝器盘管上形成和传播的方法和装置 |
US9511159B2 (en) * | 2014-07-02 | 2016-12-06 | At&T Intellectual Property I, L.P. | Method and apparatus for sterilizing a surface |
US20170080117A1 (en) * | 2014-07-16 | 2017-03-23 | LiteProducts LLC | System and method for inactivating pathogens using visible light and/or uv light |
US9662411B2 (en) * | 2014-09-12 | 2017-05-30 | Alan Rizzone | Mobile ultraviolet sterilization systems and methods |
JP2017528258A (ja) * | 2014-09-23 | 2017-09-28 | デイライト メディカル,インク. | 室内除染装置および方法 |
JP6418450B2 (ja) * | 2015-02-10 | 2018-11-07 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 点灯装置及び照明装置 |
US9937274B2 (en) * | 2015-03-18 | 2018-04-10 | GE Lighting Solutions, LLC | Light disinfection system and method |
US10960090B2 (en) * | 2015-03-18 | 2021-03-30 | Current Lighting Solutions, Llc | Light disinfection system and method |
JP6847053B2 (ja) * | 2015-06-03 | 2021-03-24 | ザ トラスティーズ オブ コロンビア ユニバーシティ イン ザ シティ オブ ニューヨーク | 選択的にウイルスに影響を及ぼすかおよび/またはそれを死滅させるための装置、方法およびシステム |
JP2017136145A (ja) * | 2016-02-02 | 2017-08-10 | ウシオ電機株式会社 | 殺菌装置 |
WO2017147433A1 (en) * | 2016-02-25 | 2017-08-31 | Ralph Birchard Lloyd | Disinfecting an occupied area using germicidal radiation based on eye protection worn by persons in the area |
US20180214585A1 (en) * | 2017-02-01 | 2018-08-02 | Patrick J. Piper | Disinfection devices and systems |
WO2018150425A1 (en) * | 2017-02-15 | 2018-08-23 | Ramot At Tel-Aviv University Ltd. | Method and device for water disinfection |
US10987439B2 (en) * | 2017-09-26 | 2021-04-27 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Sterilization method and sterilization device |
JP6493703B1 (ja) * | 2017-09-28 | 2019-04-03 | ウシオ電機株式会社 | 殺菌方法、殺菌装置 |
JP6950522B2 (ja) * | 2017-12-27 | 2021-10-13 | ウシオ電機株式会社 | 微生物の不活化処理装置および細胞活性化処理装置、並びに微生物の不活化処理方法 |
US11071799B2 (en) * | 2018-02-20 | 2021-07-27 | Freestyle Partners, LLC | Portable and disposable UV device |
JP7119534B2 (ja) * | 2018-04-24 | 2022-08-17 | ウシオ電機株式会社 | 乾燥殺菌装置および乾燥殺菌方法 |
CN110585456B (zh) * | 2019-09-25 | 2021-06-01 | 赛克赛斯生物科技股份有限公司 | 生物材料的病毒灭活方法、处理方法和应用 |
US20210285633A1 (en) * | 2020-03-12 | 2021-09-16 | Arash Esmailzadeh | Wearable uv light devices |
-
2021
- 2021-02-26 CN CN202110219521.6A patent/CN113398292B/zh active Active
- 2021-02-26 CN CN202111181554.2A patent/CN113908308A/zh active Pending
- 2021-02-26 CN CN202111181026.7A patent/CN113908306A/zh active Pending
- 2021-02-26 CN CN202111181518.6A patent/CN113908307A/zh active Pending
- 2021-03-01 WO PCT/JP2021/007746 patent/WO2021187073A1/ja unknown
- 2021-03-01 US US17/609,350 patent/US20220323624A1/en active Pending
- 2021-03-01 KR KR1020227035233A patent/KR20220144884A/ko not_active Application Discontinuation
- 2021-03-01 JP JP2021518681A patent/JP6954496B1/ja active Active
- 2021-03-01 EP EP21770927.8A patent/EP3957222A4/en active Pending
- 2021-03-05 TW TW110107915A patent/TW202203984A/zh unknown
- 2021-09-22 JP JP2021154101A patent/JP7099613B2/ja active Active
- 2021-09-22 JP JP2021154100A patent/JP7099612B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014508612A (ja) * | 2011-03-07 | 2014-04-10 | ザ トラスティーズ オブ コロンビア ユニバーシティ イン ザ シティ オブ ニューヨーク | バクテリアに選択的に作用するとともに/又は殺菌する装置、方法及びシステム |
WO2019186880A1 (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-03 | サンエナジー株式会社 | 紫外線照射装置、紫外線照射方法、照明装置および紫外線照射システム |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022068806A (ja) * | 2020-10-22 | 2022-05-10 | エイデン ハイジーン エンタープライズ | 人体無害uv光源を用いた殺菌装置 |
WO2023084674A1 (ja) * | 2021-11-11 | 2023-05-19 | 日本電信電話株式会社 | 紫外光照射システム及び制御方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7099612B2 (ja) | 2022-07-12 |
CN113908306A (zh) | 2022-01-11 |
US20220323624A1 (en) | 2022-10-13 |
JPWO2021187073A1 (ja) | 2021-09-23 |
CN113398292A (zh) | 2021-09-17 |
WO2021187073A1 (ja) | 2021-09-23 |
CN113908308A (zh) | 2022-01-11 |
JP7099613B2 (ja) | 2022-07-12 |
CN113908307A (zh) | 2022-01-11 |
EP3957222A1 (en) | 2022-02-23 |
TW202203984A (zh) | 2022-02-01 |
CN113398292B (zh) | 2023-08-11 |
JP2022008495A (ja) | 2022-01-13 |
JP2022008496A (ja) | 2022-01-13 |
EP3957222A4 (en) | 2022-07-06 |
KR20220144884A (ko) | 2022-10-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6954496B1 (ja) | 不活化装置および不活化方法 | |
JP2017136145A (ja) | 殺菌装置 | |
JP7136238B2 (ja) | 不活化装置および不活化方法 | |
WO2022014087A1 (ja) | 不活化装置および不活化方法 | |
JP7193019B2 (ja) | 不活化装置および不活化方法 | |
JP7226509B2 (ja) | 不活化装置および不活化方法 | |
US20210369879A1 (en) | Decontamination of body surfaces and articles with harmless radiation and related methods | |
JP7099500B2 (ja) | 不活化装置および不活化方法 | |
CN113975437B (zh) | 灭活装置以及灭活方法 | |
JP7197741B1 (ja) | 室内殺菌装置 | |
JP3229192U (ja) | 自動点滅殺菌灯による殺菌装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210402 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20210402 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210713 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210804 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210831 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210913 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6954496 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |