JP2004249207A - 原虫類の不活性化処理における紫外線の照射方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】クリプトスポリジウムなどの原虫類を不活性化処理するために、紫外線殺菌灯の必要紫外線照射量を制御する紫外線の照射方法を提供する。
【解決手段】処理対象水(b)の濁度状況を測定し、この濁度(d)の測定値と濁度に0度から20度の濁度状況の変動に応じて予め設定した必要紫外線照射量を比較演算して、濁度(d)に対する必要紫外線照射量の電流値を算出し、紫外線殺菌灯(4)に流す電流量(f)を制御して、必要紫外線の照射量を0mWsec/cm2から10mWsec/cm2の範囲で照射するもので、クリプトスポリジウムなどの原虫類を不活性化させることができる。そして、処理対象水に照射する紫外線殺菌灯の無駄なエネルギーを使用することがない。
【選択図】 図1
【解決手段】処理対象水(b)の濁度状況を測定し、この濁度(d)の測定値と濁度に0度から20度の濁度状況の変動に応じて予め設定した必要紫外線照射量を比較演算して、濁度(d)に対する必要紫外線照射量の電流値を算出し、紫外線殺菌灯(4)に流す電流量(f)を制御して、必要紫外線の照射量を0mWsec/cm2から10mWsec/cm2の範囲で照射するもので、クリプトスポリジウムなどの原虫類を不活性化させることができる。そして、処理対象水に照射する紫外線殺菌灯の無駄なエネルギーを使用することがない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、上水、下水二次処理水、河川水、湖沼水、及び食品水などを対象として、これらの処理対象水に含まれるクリプトスポリジウムなどの感染力のある原虫類に紫外線を照射して、短時間で簡便に不活性化処理を行なう方法に関し、特に、紫外線殺菌灯の照射量の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、河川水や井戸水などを原水として浄水を製造する場合、ウイルス、細菌、あるいは、原虫などによる感染対策が必要となっている。これらのほとんどは、塩素消毒やオゾン処理において容易に殺菌や不活性化が可能であるが、クリプトスポリジウムを代表とする原虫においては、一般の塩素による浄水処理では殺菌または不活性化が困難である。近年、塩素処理に耐性を有するクリプトスポリジウムなどの感染性の原虫類による水道原水汚染の問題が国際的に注目されている。クリプトスポリジウムは5ミクロン未満の非常に微細なものであり、濁度で0.1度以下といった非常に清澄な処理水質での管理によってクリプトスポリジウムの流出がないとされている。
【0003】
そこで、凝集沈殿やろ過処理において、濁質除去を行い、同時にクリプトスポリジウムなどの原虫類を除去している。一般的な浄水処理としては、緩速砂ろ過法や膜ろ過法がある。近年において、クリプトスポリジウムを不活性化する紫外線照射装置の構造や、クリプトスポリジウムの不活性化に必要な紫外線照射量等について発表されている。膜ろ過法としては、孔の最大径がクリプトスポリジウムなどの原虫よりも小さいろ過膜を用いてろ過を行なう水処理装置も、特許文献1に記載してあるように良く知られている。また、クリプトスポリジウムに紫外線を照射して病原性を低減もしくは消滅させる不活性化方法も、特許文献2に記載してあるように公知である。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−33369号公報(明細書の段落番号0014、第1図)
【特許文献2】
特開2002−205063号公報(請求項1、明細書の段落番号0021)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらの凝集沈殿やろ過処理において、濁度0.1度以下といった条件で浄水設備を稼動管理しているが、現状降雨時の高濁度の原水流入時やろ過装置の洗浄直後などにおいて、管理目標濁度が守れない場合も発生する。緩速砂ろ過法は生物ろ過膜が発達すると原水の濁質をよく捕捉でき、生物ろ過膜を構成する生物により水質改善効果も期待できるが、水温、ろ過速度、ろ材径、ろ層厚さなどの運転条件や管理方法に大きく左右され、その機能が十分発揮されないことがある。クリプトスポリジウムは処理濁度が0.1度以上になると流出される確立が高くなり、膜処理設備以外の浄水処理施設においては何らかのクリプトスポリジウム対策が必要といえる。膜ろ過法は原虫類の確実な除去が期待できるが、透過水量に限界があり、大容量の水処理では設備が巨大化し、ろ過膜の更新にコスト負担が大きくなる課題がある。
【0006】
従来のクリプトスポリジウムを不活性化させる紫外線照射の技術は、次のような課題がある。
▲1▼クリプトスポリジウムの存在の有無に関係なく一定量の紫外線を照射しており、無駄なエネルギーを使用している。
▲2▼照射効率に関係なく一律に紫外線を照射することとなり、クリプトスポリジウムの不活性化に必要な紫外線照射量が確保できない場合もありうる。
▲3▼クリプトスポリジウムが存在する確率の高い処理対象水の高濁時には、浮遊物質などによる透過効率の低下には対応できず、クリプトスポリジウムの不活性化に必要とする紫外線照射量が確保されていないことが考えられる。
▲4▼従来の紫外線殺菌装置の管理は、紫外線照射量の低下に対応すべく紫外線殺菌灯の点灯時間を管理し、定期的に紫外線殺菌灯を交換することと、定期的な点検での紫外線殺菌灯切れに対して紫外線殺菌灯を交換していた。
▲5▼常時紫外線照射量を測定していないため、一時的にはクリプトスポリジウムの不活性化に必要な紫外線照射量が確保できないことが考えられる。
【0007】
原虫類に紫外線を照射する技術課題は、上記の状況から次の項目が挙げられる。
▲1▼クリプトスポリジウムは、濁度数値が高くなるにつれて混入の確立が高くなる。
▲2▼原水濁度が高くなるにつれて、照度が少なくなり、紫外線の照射効率が悪くなる。
▲3▼紫外線殺菌灯を長く使用していると、少しずつ紫外線照射量が低下する。
▲4▼紫外線殺菌灯が切れた場合、直ぐ紫外線照射量の不足が起こる。
本願発明は、上記の状況を考慮して、紫外線照射方法の改善を行なったもので、クリプトスポリジウムなどの原虫類を不活性化処理するために、処理対象水の濁度、あるいは紫外線照射量を測定して、紫外線殺菌灯の必要紫外線照射量を制御する紫外線の照射方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の要旨は、処理対象水に存在するクリプトスポリジウムなどの原虫類に紫外線を照射して不活性化させる方法において、処理対象水の濁度状況を測定し、この濁度の測定値と濁度に応じて予め設定した必要紫外線照射量を比較演算して、濁度に対する必要紫外線照射量の電流値を算出し、紫外線殺菌灯に流す電流量を制御するもので、処理対象水の濁度に応じて必要照射量の紫外線を照射して、クリプトスポリジウムなどの原虫類を不活性化させることができる。
【0009】
予め設定する必要紫外線照射量は、処理対象水の濁度が0度から20度の濁度状況の変動に応じて、紫外線照射量を0mWsec/cm2から10mWsec/cm2の範囲で設定したもので、処理対象水に照射する紫外線殺菌灯の無駄なエネルギーを使用することがない。また、処理対象水に対する紫外線殺菌灯の紫外線の照射を、処理対象水の濁度が0.1度以上のときだけ行なえばよいものである。原虫類を不活性化させる方法として、処理対象水に対する紫外線照射量を測定し、予め設定した必要紫外線照射量と比較演算して過不足を算定し、紫外線殺菌灯に流す電流量を制御して、設定紫外線量を常時確保してもよいもので、クリプトスポリジウムが存在する確率の高い処理対象水の高濁時にも、必要な紫外線照射量が確保できる。
【0010】
処理対象水中の浮遊物質などに影響を受けた紫外線照度を測定し、予め設定した必要紫外線照射量と比較演算して過不足を算定し、紫外線殺菌灯に流す電流量を制御してもよいもので、浮遊物質などによる透過効率の低下がない。なお、処理対象水に照射する必要紫外線照射量を算出し、点灯する紫外線殺菌灯の数を制御してもよく、効率的な設定紫外線の照射量を常時確保できる。そして、照射する紫外線殺菌灯の数に応じた定格値と紫外線照射量測定器の紫外線照射量または照度を比較して、紫外線殺菌灯の照射量が不足する場合に、紫外線殺菌灯の異常警報を出すと共に、不足量を賄うために紫外線殺菌灯への電流量を制御しても良いもので、ランプ切れや寿命低下を察知することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
河川水や井戸水などから取水した原水をろ過装置で汚濁除去を行い、紫外線殺菌装置に流入させる。汚濁除去を行った処理対象水の濁度を濁度計で測定し、濁度に対する必要紫外線照射量の電流値を算出する。紫外線殺菌装置に配設した紫外線殺菌灯に供給し、紫外線殺菌灯に流す電流量を制御して設定量の紫外線を照射する。処理対象水の濁度状況の変動は、濁度数値が高くなるにつれてクリプトスポリジウムなどの原虫の混入率が高くなり、紫外線の照射効率も悪くなる。処理対象水の濁度が0度から20度の濁りに対し、紫外線殺菌灯の紫外線照射量を0mWsec/cm2から10mWsec/cm2の範囲で処理対象水に照射して、原虫の不活性化処理を行なう。測定濁度が0.1度に満たない場合は、処理対象水にクリプトスポリジウムなどの原虫がいないものとして、殺菌灯への電流を遮断して紫外線の照射を中止する。
【0012】
処理対象水の必要紫外線照射量の算出は、濁度状況を測定する代りに紫外線照射量や照度を測定してもよく、予め設定した必要紫外線照射量と比較演算して過不足の電流量を算定し、紫外線殺菌灯に流す電流値を制御して、設定紫外線量を常時確保する。測定された照度や照度が予め設定してある紫外線照射量や照度と合致しているかどうかを比較して、殺菌灯への最適な電流を供給する。紫外線殺菌灯に流す電流値を制御することにより、クリプトスポリジウムなどの原虫類の不活性化に必要な紫外線照射量の電流を常時確保することができる。そして、紫外線殺菌灯が切れたとき、すぐ紫外線照射劣化や球切れの対処が自動化できる。
【0013】
【実施例】
この発明の実施例を図面に基づき詳述すると、まず、図1は濁度計を配設した紫外線殺菌装置のフローチャートであって、紫外線殺菌装置1に流入管2が連結してあり、河川水や井戸水などから取水した原水aを、凝集沈殿池と砂ろ過装置などのろ過装置3で汚濁除去を行い、除濁した処理対象水bを紫外線殺菌装置1に供給する。紫外線殺菌装置1に一対の紫外線殺菌灯4、4が内接してあり、処理対象水bの濁質に紫外線を照射させる。照射する紫外線で処理対象水に存在するクリプトスポリジウムなどの原虫類を死滅させ、或は不活性化させる。紫外線殺菌装置1に処理水管5が連結してあり、原虫類を死滅させ、或は不活性化させた処理水cを処理水管5から排出する。
【0014】
紫外線殺菌装置1に連結した流入管2に濁度計6が配設してあり、ろ過装置3で除濁した処理対象水bの濁度を測定する。紫外線殺菌装置1に制御装置7が併設してあり、濁度計6で処理対象水の濁度dを測定し、測定値の電気信号eを制御装置7に送信し、この濁度dの測定値と濁度dに応じて予め設定した必要紫外線照射量を比較演算させる。濁度dに対する必要紫外線照射量の電流量fを算出し、紫外線殺菌灯4に流す電流値を制御するようにしてある。
【0015】
図2は紫外線照射量測定器を配設した紫外線殺菌装置のフローチャートであって、処理対象水bの必要紫外線照射量の算出は、この実施例では、紫外線殺菌装置に垂下した紫外線照度計や紫外線強度計などの紫外線照射量測定器8が紫外線殺菌灯に対設してあり、紫外線照射量gや照度hを測定するようにしてある。紫外線殺菌装置1に供給した処理対象水bに対する紫外線照射量gを測定し、その測定値と制御装置7に予め設定した必要紫外線照射量を比較して、過不足の電流量fを算定し、その結果の電流量fの制御信号により紫外線殺菌灯に流す電流値を制御して、設定紫外線量を常時確保するようにしてある。また、処理対象水中の浮遊物質などに影響を受ける照度hを測定し、その結果をフイードバックして、紫外線殺菌灯4に流す電流値を制御しても、必要な紫外線照射量が確保できるものである。
【0016】
図3は濁度に対する設定した紫外線照射量であって、処理対象水の濁度状況の変動は、濁度数値が高くなるにつれてクリプトスポリジウムなどの原虫類の混入率が高くなり、紫外線の照射効率も悪くなる。そこで、処理対象水bの濁度の検出点を0度から20度に設定し、この濁度の測定値に対応して処理対象水bに照射する紫外線照射量を0mWsec/cm2から10mWsec/cm2の範囲に設定して、原虫の不活性化処理を行なうこととした。測定濁度が0.1度に満たない場合は、処理対象水bにクリプトスポリジウムなどの原虫がいないものとして、紫外線殺菌灯4への供給電流を遮断して紫外線の照射を中止することとした。
【0017】
【表1】
【0018】
表1は紫外線殺菌装置における紫外線照射量の可変実験結果であって、供給電流値を0.4〜0.8Aの範囲で可変にすれば、消費電力率は50〜100%となり、照射率は25℃において62〜100%、5℃において59〜100%の結果を得た。処理対象水bの濁度が低い時には紫外線照射量を減らし、高い場合には紫外線照射量を多くするといった制御が可能となる。ろ過水濁度条件により紫外線照射量を制御することが可能で、維持管理費(電力量)低減が可能であることを示している。
【0019】
図4は濁度信号に対する殺菌灯への供給電流値であって、表1の実験結果の測定値に基づき、処理対象水bの濁度を検知する0度から20度の濁度の設定点に対し、0〜5Vの電気信号eを発信させて、紫外線殺菌灯4に供給する電流を、段階的に0.1〜0.8Aの範囲の電流に切換えるようにしてある。図5は紫外線殺菌灯への供給電流値に対すると紫外線照射量であって、図4の濁度の検出点に対応した供給電力の設定に基づき、紫外線殺菌灯4に供給する電流量fが決定される。電流量fを0〜0.8Aに可変として、処理対象水に照射させる紫外線殺菌灯4の紫外線照射量を段階的に0mWsec/cm2から10mWsec/cm2になるように切換えるように設定した。
【0020】
図6は紫外線殺菌方法の処理操作のフローチャートであって、濁度計6で処理対象水bの濁度dを測定し、0度から20度の範囲において、測定される濁度の検出点の検知信号を、0〜5Vまたは4〜20mAの電気信号eとして制御装置7に送信する。この濁度dの測定値と濁度に応じて予め設定した必要紫外線照射量を算出して設定係数を変更し、紫外線殺菌灯4への電流供給を0〜0.8Aの範囲で切換える。あるいは、処理対象水bに照射する必要紫外線照射量を算出し、点灯する紫外線殺菌灯4の数を制御する。設定濁度以下では最低値の電流を供給し、最少紫外線照射量を確保してもよい。必要電流量の指令信号を入力し、紫外線殺菌灯4に流す電流値を制御して、処理対象水bの濁度dに応じて必要照射量の紫外線を照射する。
【0021】
そして、設定時間待機して、再度濁度dを測定し、紫外線殺菌灯4に供給している現在の電流量fが、設定した電流値と合致していなければ供給する電流値を修正する。処理対象水bに照射する紫外線殺菌灯4の無駄なエネルギーを使用することがない。なお、照射する紫外線殺菌灯4の数に応じた定格値と紫外線照度計の紫外線照射量gを比較して、紫外線殺菌灯4の照射量が不足する場合に、紫外線殺菌灯の異常警報を出してもよい。また、処理対象水に照射する紫外線の紫外線照射量gや照度hを測定し、測定された紫外線照射量gや照度hが予め設定してある紫外線の照射量や照度と合致しているかどうかを比較して紫外線殺菌灯4への最適な電流を供給する。紫外線殺菌灯4に流す電流値を制御することにより、クリプトスポリジウムなどの原虫類の不活性化に必要な紫外線照射量の電流を常時確保することができる。そして、紫外線殺菌灯4が切れたとき、すぐ紫外線照射劣化や球切れの対処が自動化できる。
【0022】
【発明の効果】
この発明は上記のように構成してあり、処理対象水の濁度に応じて紫外線殺菌灯の電流量を制御するので、処理対象水の高濁時にも必要な紫外線照射量が確保でき、無駄なエネルギーの使用がない。即ち、従来の緩速砂ろ過法は、運転条件や管理方法に大きく左右され、濁質の捕捉の機能が発揮されないことがある。また、膜ろ過法は、透過水量に限界があり、ろ過膜の更新にコスト負担が大きくなる。そして、従来の紫外線照射の技術は、原虫類の存在の有無に関係なく一定量の紫外線を照射しており、無駄なエネルギーの使用や、原虫類の不活性化に必要な紫外線照射量が確保できない課題がある。この発明の紫外線の照射方法は、処理対象水の濁度状況を測定し、濁度に応じて必要照射量の紫外線を照射するので、原虫類の不活性化に必要な紫外線照射量が確保できる。
【0023】
そして、予め設定する必要紫外線照射量は、濁度状況の変動に応じて、紫外線照射量を0mWsec/cm2から10mWsec/cm2の範囲で設定し、処理対象水の濁度が0.1度以上のときだけ処理対象水に紫外線を照射するので、紫外線殺菌灯の無駄なエネルギーを使用することがない。処理対象水に照射する必要紫外線照射量の算出は、紫外線照射量を測定し、あるいは、照度を測定し、紫外線殺菌灯に流す電流量を制御して、設定紫外線量を常時確保してもよく、処理対象水の高濁時にも、必要な紫外線照射量が確保でき、浮遊物質などによる透過効率の低下がない。また、必要紫外線照射量を算出し、点灯する紫外線殺菌灯の数を制御すれば、設定紫外線の照射量を効率的に確保できる。そして、照射する紫外線殺菌灯の数に応じた紫外線の照射量が不足する場合には、紫外線殺菌灯の異常警報を出しても良いもので、ランプ切れや寿命低下を察知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る原虫類の不活性化処理における紫外線の照射方法の濁度計を配設した紫外線殺菌装置のフローチャートである。
【図2】同じく、照度計を配設した紫外線殺菌装置のフローチャートである。
【図3】同じく、濁度に対して設定した紫外線照射量の対比図である。
【図4】同じく、濁度信号による紫外線殺菌灯への供給電流値の対比図である。
【図5】同じく、紫外線殺菌灯への供給電流値に対する紫外線照射量の対比図である。
【図6】同じく、紫外線殺菌方法の処理操作のフローチャートである。
【符号の説明】
4 紫外線殺菌灯
8 紫外線照射量測定器
b 処理対象水
d 濁度
f 電流量
g 紫外線照射量
h 照度
【発明の属する技術分野】
この発明は、上水、下水二次処理水、河川水、湖沼水、及び食品水などを対象として、これらの処理対象水に含まれるクリプトスポリジウムなどの感染力のある原虫類に紫外線を照射して、短時間で簡便に不活性化処理を行なう方法に関し、特に、紫外線殺菌灯の照射量の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、河川水や井戸水などを原水として浄水を製造する場合、ウイルス、細菌、あるいは、原虫などによる感染対策が必要となっている。これらのほとんどは、塩素消毒やオゾン処理において容易に殺菌や不活性化が可能であるが、クリプトスポリジウムを代表とする原虫においては、一般の塩素による浄水処理では殺菌または不活性化が困難である。近年、塩素処理に耐性を有するクリプトスポリジウムなどの感染性の原虫類による水道原水汚染の問題が国際的に注目されている。クリプトスポリジウムは5ミクロン未満の非常に微細なものであり、濁度で0.1度以下といった非常に清澄な処理水質での管理によってクリプトスポリジウムの流出がないとされている。
【0003】
そこで、凝集沈殿やろ過処理において、濁質除去を行い、同時にクリプトスポリジウムなどの原虫類を除去している。一般的な浄水処理としては、緩速砂ろ過法や膜ろ過法がある。近年において、クリプトスポリジウムを不活性化する紫外線照射装置の構造や、クリプトスポリジウムの不活性化に必要な紫外線照射量等について発表されている。膜ろ過法としては、孔の最大径がクリプトスポリジウムなどの原虫よりも小さいろ過膜を用いてろ過を行なう水処理装置も、特許文献1に記載してあるように良く知られている。また、クリプトスポリジウムに紫外線を照射して病原性を低減もしくは消滅させる不活性化方法も、特許文献2に記載してあるように公知である。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−33369号公報(明細書の段落番号0014、第1図)
【特許文献2】
特開2002−205063号公報(請求項1、明細書の段落番号0021)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらの凝集沈殿やろ過処理において、濁度0.1度以下といった条件で浄水設備を稼動管理しているが、現状降雨時の高濁度の原水流入時やろ過装置の洗浄直後などにおいて、管理目標濁度が守れない場合も発生する。緩速砂ろ過法は生物ろ過膜が発達すると原水の濁質をよく捕捉でき、生物ろ過膜を構成する生物により水質改善効果も期待できるが、水温、ろ過速度、ろ材径、ろ層厚さなどの運転条件や管理方法に大きく左右され、その機能が十分発揮されないことがある。クリプトスポリジウムは処理濁度が0.1度以上になると流出される確立が高くなり、膜処理設備以外の浄水処理施設においては何らかのクリプトスポリジウム対策が必要といえる。膜ろ過法は原虫類の確実な除去が期待できるが、透過水量に限界があり、大容量の水処理では設備が巨大化し、ろ過膜の更新にコスト負担が大きくなる課題がある。
【0006】
従来のクリプトスポリジウムを不活性化させる紫外線照射の技術は、次のような課題がある。
▲1▼クリプトスポリジウムの存在の有無に関係なく一定量の紫外線を照射しており、無駄なエネルギーを使用している。
▲2▼照射効率に関係なく一律に紫外線を照射することとなり、クリプトスポリジウムの不活性化に必要な紫外線照射量が確保できない場合もありうる。
▲3▼クリプトスポリジウムが存在する確率の高い処理対象水の高濁時には、浮遊物質などによる透過効率の低下には対応できず、クリプトスポリジウムの不活性化に必要とする紫外線照射量が確保されていないことが考えられる。
▲4▼従来の紫外線殺菌装置の管理は、紫外線照射量の低下に対応すべく紫外線殺菌灯の点灯時間を管理し、定期的に紫外線殺菌灯を交換することと、定期的な点検での紫外線殺菌灯切れに対して紫外線殺菌灯を交換していた。
▲5▼常時紫外線照射量を測定していないため、一時的にはクリプトスポリジウムの不活性化に必要な紫外線照射量が確保できないことが考えられる。
【0007】
原虫類に紫外線を照射する技術課題は、上記の状況から次の項目が挙げられる。
▲1▼クリプトスポリジウムは、濁度数値が高くなるにつれて混入の確立が高くなる。
▲2▼原水濁度が高くなるにつれて、照度が少なくなり、紫外線の照射効率が悪くなる。
▲3▼紫外線殺菌灯を長く使用していると、少しずつ紫外線照射量が低下する。
▲4▼紫外線殺菌灯が切れた場合、直ぐ紫外線照射量の不足が起こる。
本願発明は、上記の状況を考慮して、紫外線照射方法の改善を行なったもので、クリプトスポリジウムなどの原虫類を不活性化処理するために、処理対象水の濁度、あるいは紫外線照射量を測定して、紫外線殺菌灯の必要紫外線照射量を制御する紫外線の照射方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の要旨は、処理対象水に存在するクリプトスポリジウムなどの原虫類に紫外線を照射して不活性化させる方法において、処理対象水の濁度状況を測定し、この濁度の測定値と濁度に応じて予め設定した必要紫外線照射量を比較演算して、濁度に対する必要紫外線照射量の電流値を算出し、紫外線殺菌灯に流す電流量を制御するもので、処理対象水の濁度に応じて必要照射量の紫外線を照射して、クリプトスポリジウムなどの原虫類を不活性化させることができる。
【0009】
予め設定する必要紫外線照射量は、処理対象水の濁度が0度から20度の濁度状況の変動に応じて、紫外線照射量を0mWsec/cm2から10mWsec/cm2の範囲で設定したもので、処理対象水に照射する紫外線殺菌灯の無駄なエネルギーを使用することがない。また、処理対象水に対する紫外線殺菌灯の紫外線の照射を、処理対象水の濁度が0.1度以上のときだけ行なえばよいものである。原虫類を不活性化させる方法として、処理対象水に対する紫外線照射量を測定し、予め設定した必要紫外線照射量と比較演算して過不足を算定し、紫外線殺菌灯に流す電流量を制御して、設定紫外線量を常時確保してもよいもので、クリプトスポリジウムが存在する確率の高い処理対象水の高濁時にも、必要な紫外線照射量が確保できる。
【0010】
処理対象水中の浮遊物質などに影響を受けた紫外線照度を測定し、予め設定した必要紫外線照射量と比較演算して過不足を算定し、紫外線殺菌灯に流す電流量を制御してもよいもので、浮遊物質などによる透過効率の低下がない。なお、処理対象水に照射する必要紫外線照射量を算出し、点灯する紫外線殺菌灯の数を制御してもよく、効率的な設定紫外線の照射量を常時確保できる。そして、照射する紫外線殺菌灯の数に応じた定格値と紫外線照射量測定器の紫外線照射量または照度を比較して、紫外線殺菌灯の照射量が不足する場合に、紫外線殺菌灯の異常警報を出すと共に、不足量を賄うために紫外線殺菌灯への電流量を制御しても良いもので、ランプ切れや寿命低下を察知することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
河川水や井戸水などから取水した原水をろ過装置で汚濁除去を行い、紫外線殺菌装置に流入させる。汚濁除去を行った処理対象水の濁度を濁度計で測定し、濁度に対する必要紫外線照射量の電流値を算出する。紫外線殺菌装置に配設した紫外線殺菌灯に供給し、紫外線殺菌灯に流す電流量を制御して設定量の紫外線を照射する。処理対象水の濁度状況の変動は、濁度数値が高くなるにつれてクリプトスポリジウムなどの原虫の混入率が高くなり、紫外線の照射効率も悪くなる。処理対象水の濁度が0度から20度の濁りに対し、紫外線殺菌灯の紫外線照射量を0mWsec/cm2から10mWsec/cm2の範囲で処理対象水に照射して、原虫の不活性化処理を行なう。測定濁度が0.1度に満たない場合は、処理対象水にクリプトスポリジウムなどの原虫がいないものとして、殺菌灯への電流を遮断して紫外線の照射を中止する。
【0012】
処理対象水の必要紫外線照射量の算出は、濁度状況を測定する代りに紫外線照射量や照度を測定してもよく、予め設定した必要紫外線照射量と比較演算して過不足の電流量を算定し、紫外線殺菌灯に流す電流値を制御して、設定紫外線量を常時確保する。測定された照度や照度が予め設定してある紫外線照射量や照度と合致しているかどうかを比較して、殺菌灯への最適な電流を供給する。紫外線殺菌灯に流す電流値を制御することにより、クリプトスポリジウムなどの原虫類の不活性化に必要な紫外線照射量の電流を常時確保することができる。そして、紫外線殺菌灯が切れたとき、すぐ紫外線照射劣化や球切れの対処が自動化できる。
【0013】
【実施例】
この発明の実施例を図面に基づき詳述すると、まず、図1は濁度計を配設した紫外線殺菌装置のフローチャートであって、紫外線殺菌装置1に流入管2が連結してあり、河川水や井戸水などから取水した原水aを、凝集沈殿池と砂ろ過装置などのろ過装置3で汚濁除去を行い、除濁した処理対象水bを紫外線殺菌装置1に供給する。紫外線殺菌装置1に一対の紫外線殺菌灯4、4が内接してあり、処理対象水bの濁質に紫外線を照射させる。照射する紫外線で処理対象水に存在するクリプトスポリジウムなどの原虫類を死滅させ、或は不活性化させる。紫外線殺菌装置1に処理水管5が連結してあり、原虫類を死滅させ、或は不活性化させた処理水cを処理水管5から排出する。
【0014】
紫外線殺菌装置1に連結した流入管2に濁度計6が配設してあり、ろ過装置3で除濁した処理対象水bの濁度を測定する。紫外線殺菌装置1に制御装置7が併設してあり、濁度計6で処理対象水の濁度dを測定し、測定値の電気信号eを制御装置7に送信し、この濁度dの測定値と濁度dに応じて予め設定した必要紫外線照射量を比較演算させる。濁度dに対する必要紫外線照射量の電流量fを算出し、紫外線殺菌灯4に流す電流値を制御するようにしてある。
【0015】
図2は紫外線照射量測定器を配設した紫外線殺菌装置のフローチャートであって、処理対象水bの必要紫外線照射量の算出は、この実施例では、紫外線殺菌装置に垂下した紫外線照度計や紫外線強度計などの紫外線照射量測定器8が紫外線殺菌灯に対設してあり、紫外線照射量gや照度hを測定するようにしてある。紫外線殺菌装置1に供給した処理対象水bに対する紫外線照射量gを測定し、その測定値と制御装置7に予め設定した必要紫外線照射量を比較して、過不足の電流量fを算定し、その結果の電流量fの制御信号により紫外線殺菌灯に流す電流値を制御して、設定紫外線量を常時確保するようにしてある。また、処理対象水中の浮遊物質などに影響を受ける照度hを測定し、その結果をフイードバックして、紫外線殺菌灯4に流す電流値を制御しても、必要な紫外線照射量が確保できるものである。
【0016】
図3は濁度に対する設定した紫外線照射量であって、処理対象水の濁度状況の変動は、濁度数値が高くなるにつれてクリプトスポリジウムなどの原虫類の混入率が高くなり、紫外線の照射効率も悪くなる。そこで、処理対象水bの濁度の検出点を0度から20度に設定し、この濁度の測定値に対応して処理対象水bに照射する紫外線照射量を0mWsec/cm2から10mWsec/cm2の範囲に設定して、原虫の不活性化処理を行なうこととした。測定濁度が0.1度に満たない場合は、処理対象水bにクリプトスポリジウムなどの原虫がいないものとして、紫外線殺菌灯4への供給電流を遮断して紫外線の照射を中止することとした。
【0017】
【表1】
【0018】
表1は紫外線殺菌装置における紫外線照射量の可変実験結果であって、供給電流値を0.4〜0.8Aの範囲で可変にすれば、消費電力率は50〜100%となり、照射率は25℃において62〜100%、5℃において59〜100%の結果を得た。処理対象水bの濁度が低い時には紫外線照射量を減らし、高い場合には紫外線照射量を多くするといった制御が可能となる。ろ過水濁度条件により紫外線照射量を制御することが可能で、維持管理費(電力量)低減が可能であることを示している。
【0019】
図4は濁度信号に対する殺菌灯への供給電流値であって、表1の実験結果の測定値に基づき、処理対象水bの濁度を検知する0度から20度の濁度の設定点に対し、0〜5Vの電気信号eを発信させて、紫外線殺菌灯4に供給する電流を、段階的に0.1〜0.8Aの範囲の電流に切換えるようにしてある。図5は紫外線殺菌灯への供給電流値に対すると紫外線照射量であって、図4の濁度の検出点に対応した供給電力の設定に基づき、紫外線殺菌灯4に供給する電流量fが決定される。電流量fを0〜0.8Aに可変として、処理対象水に照射させる紫外線殺菌灯4の紫外線照射量を段階的に0mWsec/cm2から10mWsec/cm2になるように切換えるように設定した。
【0020】
図6は紫外線殺菌方法の処理操作のフローチャートであって、濁度計6で処理対象水bの濁度dを測定し、0度から20度の範囲において、測定される濁度の検出点の検知信号を、0〜5Vまたは4〜20mAの電気信号eとして制御装置7に送信する。この濁度dの測定値と濁度に応じて予め設定した必要紫外線照射量を算出して設定係数を変更し、紫外線殺菌灯4への電流供給を0〜0.8Aの範囲で切換える。あるいは、処理対象水bに照射する必要紫外線照射量を算出し、点灯する紫外線殺菌灯4の数を制御する。設定濁度以下では最低値の電流を供給し、最少紫外線照射量を確保してもよい。必要電流量の指令信号を入力し、紫外線殺菌灯4に流す電流値を制御して、処理対象水bの濁度dに応じて必要照射量の紫外線を照射する。
【0021】
そして、設定時間待機して、再度濁度dを測定し、紫外線殺菌灯4に供給している現在の電流量fが、設定した電流値と合致していなければ供給する電流値を修正する。処理対象水bに照射する紫外線殺菌灯4の無駄なエネルギーを使用することがない。なお、照射する紫外線殺菌灯4の数に応じた定格値と紫外線照度計の紫外線照射量gを比較して、紫外線殺菌灯4の照射量が不足する場合に、紫外線殺菌灯の異常警報を出してもよい。また、処理対象水に照射する紫外線の紫外線照射量gや照度hを測定し、測定された紫外線照射量gや照度hが予め設定してある紫外線の照射量や照度と合致しているかどうかを比較して紫外線殺菌灯4への最適な電流を供給する。紫外線殺菌灯4に流す電流値を制御することにより、クリプトスポリジウムなどの原虫類の不活性化に必要な紫外線照射量の電流を常時確保することができる。そして、紫外線殺菌灯4が切れたとき、すぐ紫外線照射劣化や球切れの対処が自動化できる。
【0022】
【発明の効果】
この発明は上記のように構成してあり、処理対象水の濁度に応じて紫外線殺菌灯の電流量を制御するので、処理対象水の高濁時にも必要な紫外線照射量が確保でき、無駄なエネルギーの使用がない。即ち、従来の緩速砂ろ過法は、運転条件や管理方法に大きく左右され、濁質の捕捉の機能が発揮されないことがある。また、膜ろ過法は、透過水量に限界があり、ろ過膜の更新にコスト負担が大きくなる。そして、従来の紫外線照射の技術は、原虫類の存在の有無に関係なく一定量の紫外線を照射しており、無駄なエネルギーの使用や、原虫類の不活性化に必要な紫外線照射量が確保できない課題がある。この発明の紫外線の照射方法は、処理対象水の濁度状況を測定し、濁度に応じて必要照射量の紫外線を照射するので、原虫類の不活性化に必要な紫外線照射量が確保できる。
【0023】
そして、予め設定する必要紫外線照射量は、濁度状況の変動に応じて、紫外線照射量を0mWsec/cm2から10mWsec/cm2の範囲で設定し、処理対象水の濁度が0.1度以上のときだけ処理対象水に紫外線を照射するので、紫外線殺菌灯の無駄なエネルギーを使用することがない。処理対象水に照射する必要紫外線照射量の算出は、紫外線照射量を測定し、あるいは、照度を測定し、紫外線殺菌灯に流す電流量を制御して、設定紫外線量を常時確保してもよく、処理対象水の高濁時にも、必要な紫外線照射量が確保でき、浮遊物質などによる透過効率の低下がない。また、必要紫外線照射量を算出し、点灯する紫外線殺菌灯の数を制御すれば、設定紫外線の照射量を効率的に確保できる。そして、照射する紫外線殺菌灯の数に応じた紫外線の照射量が不足する場合には、紫外線殺菌灯の異常警報を出しても良いもので、ランプ切れや寿命低下を察知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る原虫類の不活性化処理における紫外線の照射方法の濁度計を配設した紫外線殺菌装置のフローチャートである。
【図2】同じく、照度計を配設した紫外線殺菌装置のフローチャートである。
【図3】同じく、濁度に対して設定した紫外線照射量の対比図である。
【図4】同じく、濁度信号による紫外線殺菌灯への供給電流値の対比図である。
【図5】同じく、紫外線殺菌灯への供給電流値に対する紫外線照射量の対比図である。
【図6】同じく、紫外線殺菌方法の処理操作のフローチャートである。
【符号の説明】
4 紫外線殺菌灯
8 紫外線照射量測定器
b 処理対象水
d 濁度
f 電流量
g 紫外線照射量
h 照度
Claims (7)
- 処理対象水(b)に存在するクリプトスポリジウムなどの原虫類に紫外線を照射して不活性化させる方法において、処理対象水(b)の濁度状況を測定し、この濁度(d)の測定値と濁度に応じて予め設定した必要紫外線照射量を比較演算して、濁度(d)に対する必要紫外線照射量の電流値を算出し、紫外線殺菌灯(4)に流す電流量(f)を制御することを特徴とする原虫類の不活性化処理における紫外線の照射方法。
- 上記処理対象水(b)の濁度(d)は、0度から20度の濁度状況の変動に応じて、紫外線照射量を0mWsec/cm2から10mWsec/cm2の範囲で設定したことを特徴とする請求項1に記載の原虫類の不活性化処理における紫外線の照射方法。
- 上記処理対象水(b)に対する紫外線照射を、濁度が0.1度以上のときだけ行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の原虫類の不活性化処理における紫外線の照射方法。
- 処理対象水(b)に存在するクリプトスポリジウムなどの原虫に紫外線を照射して不活性化させる方法において、処理対象水(b)に対する紫外線照射量を測定し、予め設定した必要紫外線照射量と比較演算して過不足を算定し、紫外線殺菌灯(4)に流す電流量(f)を制御して、設定紫外線量を常時確保することを特徴とする原虫類の不活性化処理における紫外線の照射方法。
- 上記処理対象水(b)中の浮遊物質などに影響を受けた紫外線照度を測定し、予め設定した必要紫外線照射量と比較演算して過不足を算定し、紫外線殺菌灯(4)に流す電流量(f)を制御することを特徴とする請求項4に記載の原虫類の不活性化処理における紫外線の照射方法。
- 上記処理対象水(b)に照射する必要紫外線照射量を算出し、点灯する紫外線殺菌灯(4)の数を制御することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の原虫類の不活性化処理における紫外線の照射方法。
- 上記照射する紫外線殺菌灯(4)の数に応じた定格値と紫外線照射量測定器(8)の紫外線照射量(g)または照度(h)を比較して、紫外線殺菌灯(4)の照射量が不足する場合に、紫外線殺菌灯(4)の異常警報を出すと共に、不足量を賄うために紫外線殺菌灯(4)への電流量(f)を制御することを特徴とする請求項6に記載の原虫類の不活性化処理における紫外線の照射方法。
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