JP6954061B2 - 平型エレベータケーブル及びその製造方法 - Google Patents

平型エレベータケーブル及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、平型のエレベータケーブルとその製造方法とに関する。
撚り合わされた複数本の線心からなるユニット(線心ユニット)が複数本並列に配置され、それら複数本の線心ユニットが外被によって一括被覆されている平型エレベータケーブルが知られている。このような平型エレベータケーブルには、補強線としてのワイヤロープが線心ユニットと並列に配置され、かつ、線心ユニットとともに一括被覆されることがある。この場合、撚り合わされた複数本の線材からなるワイヤロープに張力が加わると、線材の撚り方向と逆方向に回転する力が発生し、平型エレベータケーブルに捩れを生じさせる虞がある。そこで、特許文献1には、左撚りのワイヤロープと右撚りのワイヤロープとを併設することによって、それぞれのワイヤロープに発生する回転力(トルク)を相殺させ、平型エレベータケーブルの捻じれを防止することが記載されている。
実開昭55−68218号公報
ワイヤロープ(以下「ロープ」と略称する場合がある。)の自転性の指標であるトルク係数Kは、K={T/(W×D)}×10(W:ロープにかかる張力[N]、T:張力[W]によるトルク[N・m]、D:ロープの外径[mm])により求めることができる。このトルク係数Kの値が小さいほど、自転しにくいロープである。
近年、エレベータが設置される建物の高層化に伴って、平型エレベータケーブルが長尺化、大径化し、自重も重たくなる傾向にある。平型エレベータケーブルの自重が重たくなると、テンションメンバであるロープにかかる張力Wが大きくなり、ロープに発生するトルクT(=K×W×D×10-3)も大きくなる。また、トルク係数Kが同一または略同一である左撚りのワイヤロープと右撚りのワイヤロープの組み合わせを用意することは容易ではない。このため、高層・超高層ビルに使用される平型エレベータケーブルでは、左撚りのワイヤロープと右撚りのワイヤロープとにおいて発生するトルクTが十分に軽減ないし相殺されず、平型エレベータケーブルに大きな捩れが発生する虞がある。
本発明の目的は、捩れが小さい平型エレベータケーブルを提供することである。
本発明に係る平型エレベータケーブルは、複数本の絶縁線心が左右のいずれか一方の撚り方向に撚り合わされた複数本の線心ユニットと、複数本の線材が左右のいずれか一方の撚り方向に撚り合わされた一対の補強線と、を備え、これら線心ユニットおよび補強線が並列に配置され、外被により一括被覆されている。そして、前記複数本の線心ユニットには、前記一対の補強線の内側に配置されている偶数本の内側線心ユニットと、前記一対の補強線の一方の外側に配置されている第1外側線心ユニットと、前記一対の補強線の他の一方の外側に配置されている第2外側線心ユニットと、が含まれる。前記偶数本の内側線心ユニットの一部は、前記絶縁線心の撚り方向が右方向の前記線心ユニットであり、前記偶数本の内側線心ユニットの残りの一部は、前記絶縁線心の撚り方向が左方向の前記線心ユニットである。前記第1外側線心ユニットおよび前記第2外側線心ユニットは、前記絶縁線心の撚り方向が相互に反対方向の前記線心ユニットである。前記一対の補強線は、前記線材の撚り方向が相互に反対方向である。
本発明に係る平型エレベータケーブルの製造方法は、複数本の絶縁線心が左右のいずれか一方の撚り方向に撚り合わされた所定本数の線心ユニットと、複数本の線材が左右のいずれか一方の撚り方向に撚り合わされた一対の補強線と、を備え、これら線心ユニットおよび補強線が並列に配置され、外被により一括被覆されている平型エレベータケーブルを製造する方法である。本発明に係る平型エレベータケーブルの製造方法は、前記線材の撚り方向が右方向である右撚り補強線と、前記線材の撚り方向が左方向である左撚り補強線と、を用意する工程と、前記右撚り補強線の一部をその端面と対向する方向から観察して、時計方向をプラス(+)、反時計方向をマイナス(−)として回転角度(θ1)を評価する工程と、前記左撚り補強線の一部をその端面と対向する方向から観察して、時計方向をプラス(+)、反時計方向をマイナス(−)として回転角度(θ2)を評価する工程と、前記回転角度(θ1)と前記回転角度(θ2)との和(A)を求める工程と、前記和(A)に基づいて、前記所定本数の前記線心ユニットに含まれる、前記絶縁線心の撚り方向が右方向である前記線心ユニットの本数と、前記絶縁線心の撚り方向が左方向である前記線心ユニットの本数と、を決定する工程と、を有する。
本発明によれば、捩れが小さい平型エレベータケーブルが実現される。
実施形態に係る平型ケーブルの説明図である。 実施形態に係る平型ケーブルにおける線心ユニットの配列状態を示す説明図である。 実施形態に係る平型ケーブルの製造方法の一工程を示す説明図である。 実施形態に係る平型ケーブルの製造方法の他の一工程を示す説明図である。 実施例1に係る平型ケーブルにおける線心ユニットの配列状態を示す説明図である。 実施例2に係る平型ケーブルにおける線心ユニットの配列状態を示す説明図である。 実施例3に係る平型ケーブルにおける線心ユニットの配列状態を示す説明図である。 比較例1に係る平型ケーブルにおける線心ユニットの配列状態を示す説明図である。 比較例2に係る平型ケーブルにおける線心ユニットの配列状態を示す説明図である。
[平型エレベータケーブル]
次に、本発明の平型エレベータケーブル(以下「平型ケーブル」と略称する。)の実施形態の一例について説明する。本実施形態に係る平型ケーブルは、複数本の線心ユニットと、一対の補強線と、これら線心ユニットおよび補強線を一括被覆する外被と、を少なくとも有する。以下、それぞれについて図面を参照しながら詳細に説明する。
図1,図2に示されるように、本実施形態に係る平型ケーブル1は、6本の線心ユニット11,12,13,14,15,16と、一対の補強線21,22と、これら線心ユニット11,12,13,14,15,16および補強線21,22を一括被覆する外被としてのシース30と、を有する。以下の説明では、6本の線心ユニット11,12,13,14,15,16を「線心ユニット10」と総称する場合がある。また、一対の補強線21,22を「補強線20」と総称する場合がある。
図1,図2に示されているように、線心ユニット10および補強線20は、平型ケーブル1の幅方向(図1,図2の紙面左右方向)に沿って並列に配置されている。具体的には、6本の線心ユニット10のうち、4本は一対の補強線21,22の内側(2本の補強線21,22の間)に並列配置され、他の1本は補強線21の外側に並列配置され、残りの1本は補強線22の外側に並列配置されている。より具体的には、線心ユニット12,13,14,15は一対の補強線21,22の内側に並列配置され、線心ユニット11は補強線21の外側に並列配置され、線心ユニット16は補強線22の外側に並列配置されている。そこで、以下の説明では、線心ユニット12を「内側線心ユニット12」、線心ユニット13を「内側線心ユニット13」、線心ユニット14を「内側線心ユニット14」、線心ユニット15を「内側線心ユニット15」と、それぞれ呼ぶ場合がある。また、線心ユニット11を「第1外側線心ユニット11」、線心ユニット16を「第2外側線心ユニット16」と、それぞれ呼ぶ場合がある。
つまり、平型ケーブル1が有する複数本の線心ユニット10には、一対の補強線21,22の内側に配置された偶数本(4本)の内側線心ユニット12,13,14,15と、一方の補強線21の外側に配置された第1外側線心ユニット11と、他方の補強線22の外側に配置された第2外側線心ユニット16と、が含まれる。
図2に示されるように、それぞれの線心ユニット10は、複数本の絶縁線心40が左右のいずれか一方の撚り方向に撚り合わされた撚り線である。具体的には、それぞれの線心ユニット10は、ポリ塩化ビニルなどの樹脂からなる介在41と、介在41の周囲に右撚り(S撚り)、または左撚り(Z撚り)された複数本の絶縁線心40と、から形成されている。さらに、各線心ユニット10を形成しているそれぞれの絶縁線心40は、銅,銅合金又はその他の金属からなる導体40aと、天然ゴム,エチレンプロピレンゴム,ポリ塩化ビニル又はその他の絶縁性樹脂からなる絶縁体40bと、から形成されている。具体的には、導体40aは、複数本の金属線を素線とする集合撚り線であり、その断面積は0.75[mm]程度である。また、絶縁体40bの厚みは0.5[mm]〜1.5[mm]程度である。
図1,図2に示される補強線20は、複数本の線心ユニット10とともにシース30によって一括被覆されており、平型ケーブル1に作用する軸方向の張力を受けるテンションメンバとしての役割を果たす。補強線20は、ピアノ線,硬鋼線,ステンレス鋼線,炭素鋼線又はその他の引張り強度に優れた複数本の線材を撚り合わせて形成したワイヤロープである。本実施形態における補強線21は、複数本の線材を右撚り(S撚り)して形成されており、補強線22は複数本の線材を左撚り(Z撚り)して形成されている。つまり、補強線21における線材の撚り方向と補強線22における線材の撚り方向とは相互に反対方向である。そこで、以下の説明では、補強線21を「右撚り補強線21」と呼び、補強線22を「左撚り補強線22」と呼ぶ場合がある。なお、補強線20を形成する各線材の表面に、錫めっきや亜鉛めっきなどのめっきを施してもよい。
上記のように、平型ケーブル1に内蔵されている補強線21,22は撚り線である。よって、補強線21,22に張力が加わると、これら補強線21,22を形成している線材の撚り方向と逆方向に回転する力が発生し、平型ケーブル1に捩れが生じる虞がある。そこで本実施形態に係る平型ケーブル1では、絶縁線心40の撚り方向が互いに異なる複数本の線心ユニット10を意図的に混在させることにより、平型ケーブル1の捩れを抑制している。言い換えれば、複数本の線心ユニット10が平型ケーブル1に及ぼす捩れ力によって、補強線21,22が平型ケーブル1に及ぼす捩れ力を軽減ないし相殺している。特に、本実施形態に係る平型ケーブル1では、一対の補強線21,22の内側に、撚り方向が異なる複数本の内側線心ユニット12,13,14,15を並列配置することによって、補強線21,22が平型ケーブル1に及ぼす捩れ力を軽減ないし相殺している。具体的には、図2に示されるように、内側線心ユニット12は、絶縁線心40の撚り方向が左方向の線心ユニット10であり、内側線心ユニット13,14,15は、絶縁線心40の撚り方向が右方向の線心ユニット10である。つまり、一対の補強線21,22の間には、1本の左撚りの線心ユニット10と、3本の右撚りの線心ユニット10と、が混在している。かかる線心ユニット10の組み合わせは、平型ケーブル1の製造過程において決定されたものである。具体的には、平型ケーブル1の製造過程では、補強線21,22が平型ケーブル1に及ぼす捩れ力が評価され、その評価結果に基づいて、所定本数(本実施形態では6本)の線心ユニット10に占める右撚りの線心ユニット10の本数および左撚りの線心ユニット10の本数が決定されている。
[平型エレベータケーブルの製造方法]
次に、本実施形態に係る平型ケーブル1の製造方法について説明する。
(準備工程)
右撚り補強線が巻かれた第1ドラムと、左撚り補強線が巻かれた第2ドラムと、を用意する。また、絶縁線心の撚り方向が右方向の線心ユニットおよび絶縁線心の撚り方向が左方向の線心ユニットをそれぞれ複数本ずつ用意する。以下の説明では、絶縁線心の撚り方向が右方向の線心ユニット10を「線心ユニット10R」と呼び、絶縁線心の撚り方向が左方向の線心ユニット10を「線心ユニット10L」と呼ぶ。
(補強線の自転性評価工程)
図3に示されるように、第1ドラム21Aから右撚り補強線21の一部を引き出し、引き出された右撚り補強線21の一部をその端面と対向する方向から観察して、時計方向をプラス(+)、反時計方向をマイナス(−)として回転角度(θ1)を評価する。また、第2ドラム22Aから左撚り補強線22の一部を引き出し、引き出された左撚り補強線22の一部をその端面と対向する方向から観察して、時計方向をプラス(+)、反時計方向をマイナス(−)として回転角度(θ2)を評価する。その後、回転角度(θ1)と回転角度(θ2)との和(A)を求める。なお、右撚り補強線21に関する評価と左撚り補強線22に関する評価の実施順序はどちらが先でもよい。
回転角度(θ1)および回転角度(θ2)の具体的な評価方法は特に限定されないが、例えば、第1ドラム21Aから引き出した右撚り補強線21の端部外周面上にマーカ50を立て、このマーカ50の回転角度を回転角度(θ1)として評価する。また、第2ドラム22Aから引き出した左撚り補強線22の端部外周面上に同様のマーカ50を立て、このマーカ50の回転角度を回転角度(θ2)として評価する。
自転性評価のために第1ドラム21Aから引き出す右撚り補強線21の長さや、第2ドラム22Aから引き出す左撚り補強線22の長さに特に限定はないが、本実施形態では15[m]とする。また、第1ドラム21Aから引き出した右撚り補強線21の一部および第2ドラム22Aから引き出した左撚り補強線22の一部を真っ直ぐに伸ばした状態で所定時間だけ固定した後、固定を解除した状態で回転角度(θ1),(θ2)をそれぞれ評価することが好ましい。
上記のようにして求められた回転角度(θ1)と回転角度(θ2)との和(A)が−30度以上+30度以下である場合(−30°≦A≦+30°)、それら右撚り補強線21および左撚り補強線22は、トルクのバランスが取れる組み合わせであると評価する。つまり、これら右撚り補強線21および左撚り補強線22を用いて平型ケーブル1を製造した場合、製造された平型ケーブル1には、実用上問題となるレベルの捩れ力は作用しないと評価する。
一方、上記のようにして求められた回転角度(θ1)と回転角度(θ2)との和(A)が、−45度以上−30度未満である場合(−45°≦A<−30°)、それら右撚り補強線21および左撚り補強線22は、トルクのバランスが取れない組み合わせであり、これら右撚り補強線21および左撚り補強線22を用いて平型ケーブル1を製造した場合、製造された平型ケーブル1には、反時計方向に捩れ力が作用するので、この捩れ力を軽減ないし相殺する必要があると評価する。
また、上記のようにして求められた回転角度(θ1)と回転角度(θ2)との和(A)が、+30度より大きく+45度以下である場合(+30°<A≦+45°)、それら右撚り補強線21および左撚り補強線22は、トルクのバランスが取れない組み合わせであり、これら右撚り補強線21および左撚り補強線22を用いて平型ケーブル1を製造した場合、製造された平型ケーブル1には、時計方向に捩れ力が作用するので、この捩れ力を軽減ないし相殺する必要があると評価する。
また、上記のようにして求められた回転角度(θ1)と回転角度(θ2)との和(A)が、+45度を超える場合や−45度未満の場合、これら右撚り補強線21および左撚り補強線22を用いて平型ケーブル1を製造した場合、製造された平型ケーブル1に作用する捩れ力は過大であり、軽減ないし相殺することはできないと評価する。よって、このような場合には別の右撚り補強線21や左撚り補強線22を用意する。
(線心ユニットの決定工程)
上記自転性評価工程において、製造される平型ケーブル1に実用上問題となるレベルの捩れ力は作用しないと評価された場合(−30°≦A≦+30°)、当該平型ケーブル1に用いる線心ユニット10Rの本数と線心ユニット10Lの本数とを同一にする。つまり、合計6本の線心ユニット10を有する平型ケーブル1を製造する場合には、3本の線心ユニット10Rおよび3本の線心ユニット10Lを、平型ケーブル1を幅方向に二分する直線を対称軸として線対称となるように並列に配置する。具体的には、合計6本の線心ユニット10R,10Lを、線心ユニット10R,線心ユニット10R,線心ユニット10R,線心ユニット10L,線心ユニット10L,線心ユニット10Lの順で並列に配置する。例えば、右撚りの線心ユニット10Rを図1,図2に示されている第1外側線心ユニット11および内側線心ユニット12,13として配置し、左撚りの線心ユニット10Lを図1,図2に示されている内側線心ユニット14,15および第2外側線心ユニット16として配置する。
上記自転性評価工程において、製造される平型ケーブル1に時計方向の捩れ力が作用すると評価された場合(+30°<A≦+45°)、当該平型ケーブル1に用いる線心ユニット10Rの本数と線心ユニット10Lの本数とを異ならせる。具体的には、合計6本の線心ユニット10を有し、かつ、そのうちの4本が一対の補強線21,22の内側に配置される平型ケーブル1を製造する場合には、一対の補強線21,22の内側に配置される線心ユニット10に占める線心ユニット10Rの本数を線心ユニット10Lの本数よりも多くする。例えば、右撚りの線心ユニット10Rを図1,図2に示されている内側線心ユニット13,14,15として配置し、左撚りの線心ユニット10Lを図1,図2に示されている内側線心ユニット12として配置する。このような組み合わせとすることにより、一対の補強線21,22の内側に位置する4本の線心ユニット10から平型ケーブル1に反時計方向の捩れ力が作用し、補強線21,22から平型ケーブル1に作用する時計方向の捩れ力が軽減ないし相殺される。
上記自転性評価工程において、製造される平型ケーブル1に反時計方向の捩れ力が作用すると評価された場合(−45°≦A≦−30°)、当該平型ケーブル1に用いる線心ユニット10Rの本数と線心ユニット10Lの本数とを異ならせる。具体的には、合計6本の線心ユニット10を有し、かつ、そのうちの4本が一対の補強線21,22の内側に配置される平型ケーブル1を製造する場合には、一対の補強線21,22の内側に配置される線心ユニット10に占める線心ユニット10Lの本数を線心ユニット10Rの本数よりも多くする。このような組み合わせとすることにより、一対の補強線21,22の内側に位置する4本の線心ユニット10から平型ケーブル1に時計方向の捩れ力が作用し、補強線21,22から平型ケーブル1に作用する反時計方向の捩れ力が軽減ないし相殺される。
(ケーブルの形成工程)
自転性評価に基づいて選定された右撚り補強線21および左撚り補強線22、並びに右撚り補強線21および左撚り補強線22の自転性評価の結果に基づいて決定された本数(組合せ)の線心ユニット10R,10Lを並列に配置した後、これらをシース30の材料である絶縁性樹脂で一括被覆して平型ケーブル1を形成する。この際、右撚り補強線21と左撚り補強線22の内側において隣接する線心ユニット10R同士の間や,線心ユニット10Rと線心ユニット10Lとの間に隙間(空隙)が生じないように被覆することが好ましい。これにより、右撚り補強線21および左撚り補強線22、並びに線心ユニット10R,10Lから平型ケーブル1に十分な捩れ力が作用する。
(捩れ評価工程)
上記のようにして形成された平型ケーブル1における捩れの有無や程度を、例えば次のようにして評価する。図4に示されるように、平型ケーブル1(例えば、長さ100[m])を所定の曲げ半径R(例えば、400[mm])でU字状に曲げ、両端をそれぞれワイヤクリップ等の保持具51に連結して吊り下げた状態を所定時間(例えば、4時間)維持する。その後、平型ケーブル1の長さ方向2箇所以上について捩れ角度を測定する。その結果、測定された複数の捩れ角度の最大値(最大捩れ角度(θ))が±30度以下であれば、実用上問題となる捩れは発生しないものと評価する。
[実施例]
次に、本発明の実施例について、比較例とともに説明する。
(実施例1)
銅線を素線とし、断面積が0.75[mm]の集合撚り線からなる導体40aを、厚さ0.6[mm]のポリ塩化ビニルからなる絶縁体40bで被覆して、直径2.3[mm]の絶縁線心40を形成した。
上記構成の絶縁線心40を10本用意し、ポリ塩化ビニルからなる直径5.6[mm]の介在41の周囲に右撚りして、線心ユニット10Rを複数本形成した。また、上記構成の絶縁線心40を10本用意し、ポリ塩化ビニルからなる直径5.6[mm]の介在41の周囲に左撚りして、線心ユニット10Lを複数本形成した。
複数本の炭素鋼線を右撚りして直径5.6[mm]の右撚り補強線21を形成した。また、複数本の炭素鋼線を左撚りして直径5.6[mm]の左撚り補強線22を形成した。形成された右撚り補強線21および左撚り補強線22について上記自転性評価を実施したところ、回転角度(θ1)と回転角度(θ2)との和(A)は−45度であった。つまり、これら右撚り補強線21および左撚り補強線22を用いて平型ケーブルを製造した場合、製造された平型ケーブルには反時計方向の捩れ力が作用すると評価された。
そこで、右撚り補強線21および左撚り補強線22、並びに複数本の線心ユニット10R,10Lを図5に示される順序で並列に配置し、塩化ビニルで一括被覆してシース30を形成することにより、本実施例に係る平型ケーブル1Aを製造した。つまり、図5の紙面左側から、線心ユニット10R,右撚り補強線21,線心ユニット10L,線心ユニット10R,線心ユニット10R,線心ユニット10R,左撚り補強線22および線心ユニット10Lをこの順で並列に配置し、塩化ビニルで一括被覆してシース30を形成することにより、本実施例に係る平型ケーブル1Aを製造した。製造された平型ケーブル1Aの厚み(D)は15[mm]、幅(W)は85[mm]である。
(実施例2)
実施例1と同一の右撚り補強線21および左撚り補強線22を用いる一方、右撚り補強線21と左撚り補強線22との間に位置する線心ユニット10R,10Lの配列順序を図6に示されるように変更した。具体的には、図6の紙面左側から、線心ユニット10R,右撚り補強線21,線心ユニット10R,線心ユニット10L,線心ユニット10R,線心ユニット10R,左撚り補強線22および線心ユニット10Lをこの順で並列に配置し、その他は実施例1と同一とすることで、本実施例に係る平型ケーブル1Bを製造した。
(実施例3)
実施例1と同一の右撚り補強線21および左撚り補強線22を用いる一方、右撚り補強線21および左撚り補強線22の外側に位置する線心ユニット10R,10Lを図7に示されるように入れ替えた。具体的には、図7の紙面左側から、線心ユニット10L,右撚り補強線21,線心ユニット10L,線心ユニット10R,線心ユニット10R,線心ユニット10R,左撚り補強線22および線心ユニット10Rをこの順で並列に配置し、その他は実施例1と同一とすることで、本実施例に係る平型ケーブル1Cを製造した。
[比較例]
(比較例1)
実施例1と同一の右撚り補強線21および左撚り補強線22を用いる一方、図8に示されるように、右撚り補強線21と左撚り補強線22との間に位置する線心ユニット10Rおよび線心ユニット10Lの本数を同一とした。具体的には、図8の紙面左側から、線心ユニット10L,右撚り補強線21,線心ユニット10L,線心ユニット10L,線心ユニット10R,線心ユニット10R,左撚り補強線22および線心ユニット10Rをこの順で並列に配置し、その他は実施例1と同一とすることで、本比較例に係る平型ケーブル1Dを製造した。
(比較例2)
実施例1と同一の右撚り補強線21および左撚り補強線22を用いる一方、図9に示されるように、右撚り補強線21と左撚り補強線22との間に線心ユニット10Rのみを配置した。具体的には、図9の紙面左側から、線心ユニット10L,右撚り補強線21,線心ユニット10R,線心ユニット10R,線心ユニット10R,線心ユニット10R,左撚り補強線22および線心ユニット10Rをこの順で並列に配置し、その他は実施例1と同一とすることで、本比較例に係る平型ケーブル1Eを製造した。
[最大捩れ角度(θ)]
実施例1〜3に係る平型ケーブル1A〜1C、および比較例1,2に係る平型ケーブル1D,1Eについて、図4に示される方法で最大捩れ角度(θ)をそれぞれ測定した。この測定では、測定対象である各平型ケーブル1A〜1Eの長さを100[m]とし、曲げ半径Rを400[mm]とした。また、U字状に曲げて吊り下げた状態で4時間が経過した後に捩れ角度を測定した。
実施例1〜3および比較例1,2における線心ユニットの撚り方向の組み合わせを、それぞれの最大捩れ角度(θ)の測定結果と併せて表1に示す。
Figure 0006954061
表1に示されるように、比較例1,2については、最大捩れ角度(θ)が±30度の範囲外であった。一方、実施例1〜3については、最大捩れ角度(θ)が±30度の範囲内であり、一対の補強線(右撚り補強線21,左撚り補強線22)から平型ケーブル1A〜1Cに作用する捩れ力が、これら補強線の内側に配置された線心ユニット(線心ユニット10R,10L)から平型ケーブル1A〜1Cに作用する捩れ力によって軽減されていることが確認できた。
本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、補強線の外側に配置される線心ユニットの本数は4本以上の偶数本であってもよい。例えば、図1,図2に示されている第1外側線心ユニット11の外側に、絶縁線心40の撚り方向が第1外側線心ユニット11と同一の別の線心ユニットを並列配置し、かつ、第2外側線心ユニット16の外側に、絶縁線心40の撚り方向が第2外側線心ユニット16と同一の別の線心ユニットを並列配置してもよい。
また、一対の補強線の内側に配置される線心ユニットの本数は偶数本であればよいが、特に4本以上の偶数本が好ましく、例えば、一対の補強線の内側に6本または8本の線心ユニットを配置してもよい。一対の補強線の内側に配置される線心ユニットの本数が多いほど、これら線心ユニットから平型ケーブルに作用する捩れ力が大きくなる。一対の補強線の内側に6本の線心ユニットを配置する場合、例えば、4本の左撚りの線心ユニットと2本の右撚りの線心ユニットとの組合せや、5本の左撚りの線心ユニットと1本の右撚りの線心ユニットとの組合せが考えられる。なお、一対の補強線の内側に配置される線心ユニット同士は、互いに接触していてもよい一方、隣接する線心ユニット同士の間にシースが介在していてもよい。
一対の補強線がトルクのバランスの取れる組み合わせである場合には、一対の補強線の内側に配置される偶数本の線心ユニットに含まれる、絶縁線心の撚り方向が右方向の線心ユニットの本数と絶縁線心の撚り方向が左方向の線心ユニットの本数とを同一(同数)にしてもよい。
1,1A,1B,1C,1D,1E 平型エレベータケーブル(平型ケーブル)
10,10L,10R 線心ユニット
11 線心ユニット(第1外側線心ユニット)
12 線心ユニット(内側線心ユニット)
13 線心ユニット(内側線心ユニット)
14 線心ユニット(内側線心ユニット)
15 線心ユニット(内側線心ユニット)
16 線心ユニット(第2外側線心ユニット)
20 補強線
21 補強線(右撚り補強線)
21A 第1ドラム
22 補強線(左撚り補強線)
22A 第2ドラム
30 シース
40 絶縁線心
40a 導体
40b 絶縁体
41 介在
50 マーカ
51 保持具

Claims (3)

  1. 複数本の絶縁線心が左右のいずれか一方の撚り方向に撚り合わされた複数本の線心ユニットと、複数本の線材が左右のいずれか一方の撚り方向に撚り合わされた一対の補強線と、を備え、これら線心ユニットおよび補強線が並列に配置され、外被により一括被覆されている平型エレベータケーブルであって、
    前記複数本の線心ユニットには、前記一対の補強線の内側に配置されている偶数本の内側線心ユニットと、前記一対の補強線の一方の外側に配置されている第1外側線心ユニットと、前記一対の補強線の他の一方の外側に配置されている第2外側線心ユニットと、が含まれ、
    前記偶数本の内側線心ユニットの一部は、前記絶縁線心の撚り方向が右方向の前記線心ユニットであり、前記偶数本の内側線心ユニットの残りの一部は、前記絶縁線心の撚り方向が左方向の前記線心ユニットであり、
    前記第1外側線心ユニットおよび前記第2外側線心ユニットは、前記絶縁線心の撚り方向が相互に反対方向の前記線心ユニットであり、
    前記一対の補強線は、前記線材の撚り方向が相互に反対方向であり、
    前記偶数本の内側線心ユニットは、4本以上の前記線心ユニットで構成され、かつ、前記絶縁線心の撚り方向が右方向の前記線心ユニットの本数と前記絶縁線心の撚り方向が左方向の前記線心ユニットの本数とが異なり、
    ケーブル長さを100mとし、曲げ半径を400mmとしてU字状に曲げて吊り下げた状態で4時間が経過したときに測定される最大捩れ角度が±30度以下である
    平型エレベータケーブル。
  2. 請求項1に記載の平型エレベータケーブルにおいて、
    前記絶縁線心は、銅または銅合金からなる導体と、天然ゴム,エチレンプロピレンゴムまたはポリ塩化ビニルからなる絶縁体とを有し、前記導体が前記絶縁体によって被覆されている、平型エレベータケーブル。
  3. 請求項1または2に記載の平型エレベータケーブルにおいて、
    前記線材がピアノ線,硬鋼線,ステンレス鋼線または炭素鋼線のいずれかである、平型エレベータケーブル。
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