JP6953141B2 - シリンダ装置、スラグクラッシャ、ガス化複合発電装置、シリンダ装置におけるシール方法 - Google Patents

シリンダ装置、スラグクラッシャ、ガス化複合発電装置、シリンダ装置におけるシール方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリンダ装置、スラグクラッシャ、ガス化複合発電装置、シリンダ装置におけるシール方法に関するものである。
例えば、ガス化設備として、石炭等の炭素含有固体燃料をガス化炉内に供給し、炭素含有固体燃料を部分燃焼させてガス化することで、可燃性ガスを生成する炭素含有燃料ガス化装置(石炭ガス化装置)が知られている。
石炭ガス化複合発電設備(以下「IGCC」という。)は、一般的に、給炭設備、石炭ガス化炉、チャー回収装置(サイクロン、ポーラスフィルタ等)、ガス精製設備、ガスタービン、蒸気タービン、発電機、排熱回収ボイラ、ガス化剤供給装置等を具備して構成されている。
このような石炭ガス化複合発電設備では、石炭ガス化炉に対し、給炭設備から石炭(微粉炭)が供給されると共に、ガス化剤供給装置からガス化剤(空気、酸素富化空気、酸素、水蒸気など)が供給される。
石炭ガス化炉内では、石炭がガス化剤により部分酸化されてガス化され、可燃性ガス(石炭ガス)が生成される。
例えば特許文献1に開示されているように、石炭ガス化炉の鉛直方向下部には、コンバスタで微粉炭が高温燃焼されることによって、可燃性ガスである石炭ガスが生成されると共に、微粉炭中の灰分が溶融して落下したスラグ(溶融スラグ)を集めるスラグホッパが備えられている。
スラグホッパにはスラグ水(冷却水)が貯留されており、スラグはこのスラグ水中に落下して急冷されることにより固化し、破砕される。すなわち、スラグホッパの鉛直下方側には、スクリーン及びスプレッダを備えて、コンバスタから落下したスラグを破砕するスラグクラッシャが設けられる。コンバスタから落下するスラグは、スラグホッパに貯められた水で急速に冷却されて固化し、スラグクラッシャが備えるスクリーンの上面に落下する。
このスクリーンは、複数の開口部を備えており、開口部の径よりも小さなスラグは開口部を通過して鉛直下方側に落下し、開口部の径よりも大きなスラグは、スクリーンの上面に残存する。
スプレッダは、例えば油圧シリンダによってスクリーンの上面に沿って、進退駆動される。スプレッダは、スクリーンの上面に堆積したスラグに力を加えることで破砕し、スクリーンの開口部の径よりも小さく破砕されたスラグは、スクリーンの開口部を通って落下する。スクリーンの開口部から落下したスラグは、ガス化炉からロックホッパを介して系外へ排出される。
特許第3477244号公報
ところで、上記したようなスラグクラッシャにおいて、スプレッダを進退駆動させる油圧シリンダは、スラグを冷却する冷却水中に没している。
この冷却水中には、スラグを破砕した時に生じる微細なスラグ粉等が混在している。冷却水中のスラグ粉が、油圧シリンダを構成する筒状のシリンダ本体と、シリンダ本体内に収容されて、油圧によってシリンダ本体から出入する作動ロッドとの隙間に入り込むと、シリンダ本体の内周面や作動ロッドの外周面が摩耗損傷することがある。このため、シリンダ本体と作動ロッドとの隙間に、スラグ粉の侵入を防ぐため、摺動部材を用いたシール部材を複数重に設けている。
しかしながら、シール部材を設けても、特に、シリンダ本体から突出していた作動ロッドをシリンダ本体内に引き込むときに、スラグ粉がシリンダ本体の引き込みに巻き込まれてシール部材を通過してしまうことがある。したがって、シール部材を設けることで、シリンダ本体の内周面や作動ロッドの外周面の摩耗損傷を確実に防止することは困難となっている。また、スラグ粉がシール部材を通過するときに、シール部材を傷つけてシール性を損ない、スラグ粉がシリンダ本体内へと侵入するおそれもある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、シリンダ本体と作動ロッドとの隙間にスラグ粉等の異物が侵入するのを抑え、シリンダ部材の各部の損傷を抑えて長寿命化を図ることのできるシリンダ装置、スラグクラッシャ、ガス化複合発電装置、シリンダ装置におけるシール方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のシリンダ装置、スラグクラッシャ、ガス化複合発電装置、シリンダ装置におけるシール方法は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係るシリンダ装置は、筒状のシリンダ本体と、前記シリンダ本体の開口部から前記シリンダ本体の内部に挿入され、前記シリンダ本体内に供給される作動流体の圧力によって前記シリンダ本体の前記開口部から前記シリンダ本体の中心軸方向に沿って出入可能に設けられた作動ロッドと、前記シリンダ本体の内周面と前記作動ロッドの外周面との間に設けられた少なくとも1つ以上のシール部材と、前記シール部材に対し、前記シリンダ本体の前記開口部側に配置され、前記シリンダ本体の内周面と前記作動ロッドの外周面との隙間にシール用流体を供給し、前記シリンダ本体の前記開口部と前記作動ロッドの外周面との隙間から前記シール用流体を流出させる流体シール機構と、を備えることを特徴とする。
本発明に係るシリンダ装置によれば、シール部材に対して、シリンダ本体の開口部側で、シリンダ本体の内周面と作動ロッドの外周面との隙間にシール用流体を供給することによって、シリンダ本体の開口部と作動ロッドの外周面との隙間からシール用流体を流出させるようにしたので、外部からシリンダ本体の開口部と作動ロッドの外周面との隙間に異物等が侵入しにくくなる。
これによって、シール部材を通過して異物が侵入するのを抑え、シリンダ本体の内周面、作動ロッドの外周面、シール部材等が異物によって摩耗したり損傷するのを抑えることが可能となる。
上記シリンダ装置において、前記流体シール機構は、前記シリンダ本体の内周面と前記作動ロッドの外周面との間に形成され、前記作動ロッドの外周面に沿って周方向に連続する環状のキャビティと、前記キャビティに、前記シリンダ本体の外部から前記シール用流体を供給する流体供給路と、を備えるとさらに好適である。
このようなシリンダ装置によれば、外部から流体供給路を通して供給されたシール用流体は、環状のキャビティによって、シリンダ本体と作動ロッドとの間で周方向の全体に行き渡る。これによって、シリンダ本体の内周面と作動ロッドの外周面との隙間において、周方向の全体からシール用流体を流出させることができ、異物等の侵入を確実に抑えることができる。
上記シリンダ装置において、前記シール用流体が通過する前記キャビティ内の前記シリンダ本体の中心軸に沿った方向の断面積は、前記シリンダ本体の前記開口部における前記シリンダ本体の内周面と前記作動ロッドの外周面との隙間により形成される断面積よりも大きいとさらに好適である。
このようなシリンダ装置によれば、外部から供給されたシール用流体は、環状のキャビティから、シリンダ本体の開口部におけるシリンダ本体の内周面と作動ロッドの外周面との隙間に流れ込むと、流路断面積が小さくなるのでその流速が速くなる。隙間での流体の流速が速くなることで、外部から隙間にスラグ粉等の異物等が侵入しにくくなる。
上記シリンダ装置において、前記キャビティ内に、前記キャビティ内を径方向に仕切る環状の仕切部材が設けられ、前記仕切部材に、前記キャビティ内の径方向外周側と内周側とを連通する連通孔が、周方向に間隔をあけて複数形成されているとさらに好適である。
このようなシリンダ装置によれば、環状のキャビティにおいて、シール用流体が仕切部材の外周側に供給されると、仕切部材に複数形成された連通孔における圧力損失によって、各連通孔を通してシール用流体が仕切部材の内周側に略均一な流量で供給される。これによって、仕切部材の外周側で、シール用流体は、周方向の全体に行き渡った後、各連通孔を通して仕切部材の内周側に略均一な流量で流れ込む。これによって、シリンダ本体の開口部と作動ロッドの外周面との隙間において、シール用流体を、周方向の全体から、より均一に流出させることができ、異物等の侵入を確実に抑えることができる。
上記シリンダ装置において、前記流体シール機構における前記シール用流体の供給量を調整する流体供給量調整部を備え、前記流体供給量調整部は、前記作動ロッドが前記シリンダ本体から突出する方向に移動する場合に、前記作動ロッドが前記シリンダ本体内に挿入される方向に移動する場合よりも、前記シール用流体の供給量を減少させるとさらに好適である。
このようなシリンダ装置によれば、作動ロッドがシリンダ本体内に挿入される方向に移動する場合には、異物をシリンダ本体と作動ロッドとの隙間に巻き込みやすいが、この場合に、作動ロッドがシリンダ本体から突出する方向に移動する場合よりもシール用流体の供給量を増加させることで、異物の侵入を抑制することができる。一方、作動ロッドがシリンダ本体から突出する方向に移動する場合に、作動ロッドがシリンダ本体内に挿入される方向に移動する場合よりも、シール用流体の供給量を減少させることで、シール用流体の使用量を抑えることができ、効率的な運用となる。
本発明に係るスラグクラッシャによれば、炭素含有固体燃料をガス化させるガス化炉のコンバスタで生成されて落下し、前記コンバスタの鉛直下方側に設置したスラグホッパの貯留された冷却水に落下して急冷されて固化したスラグを粉砕するスラグクラッシャであって、前記スラグの落下方向に対して交差するように設けられると共に複数の開口部を有し、前記開口部の開口径より小さな前記スラグを通過させるスクリーンと、前記スクリーンの上面に沿って移動し、前記スクリーンの上面に位置する前記スラグを破砕する破砕部材と、前記スラグ破砕部材を、前記スクリーンの上面に沿って移動させる、上記したようなシリンダ装置と、を備えることを特徴とする。
このようなスラグクラッシャによれば、破砕部材によってスラグを破砕することで生じたスラグ粉等が、シリンダ装置のシリンダ本体と作動ロッドとの隙間に侵入するのを抑えることができる。これによって、シリンダ装置のシリンダ本体の内周面、作動ロッドの外周面、シール部材等が異物によって摩耗したり損傷するのを抑えることが可能となり、信頼性と耐久性をより向上できる。
上記スラグクラッシャにおいて、前記シール用流体は、前記冷却水を濾過して供給するようにしてもよい。
このようなスラグクラッシャによれば、外部から新たにシール用流体を追加する必要がなく、効率的な運用が可能となる。
本発明に係るガス化複合発電装置は、上記スラグクラッシャを備えることを特徴とする。
本発明に係るシリンダ装置におけるシール方法は、筒状のシリンダ本体と、前記シリンダ本体の開口部から前記シリンダ本体の中心軸方向に沿って出入可能に設けられた作動ロッドと、前記シリンダ本体の内周面と前記作動ロッドの外周面との間に設けられた少なくともつ以上のシール部材と、前記シール部材に対し、前記シリンダ本体の前記開口部側に配置され、前記シリンダ本体の内周面と前記作動ロッドの外周面との隙間にシール用流体を供給し、前記シリンダ本体の前記開口部と前記作動ロッドの外周面との隙間から前記シール用流体を流出させる流体シール機構と、を備え、前記流体シール機構は、前記シリンダ本体の内周面と前記作動ロッドの外周面との間に形成され、前記作動ロッドの外周面に沿って周方向に連続する環状のキャビティと、前記キャビティに、前記シリンダ本体の外部から前記シール用流体を供給する流体供給路とを有するシリンダ装置におけるシール方法であって、前記シリンダ本体の内周面と前記作動ロッドの外周面との間に設けられたシール部材に対し、前記シリンダ本体の前記開口部側で、前記シリンダ本体の内周面と前記作動ロッドの外周面との隙間にシール用流体を供給し、前記シリンダ本体の前記開口部と前記作動ロッドの外周面との隙間から前記シール用流体を流出させることを特徴とする。
本発明によれば、シリンダ本体と作動ロッドとの隙間にスラグ粉等の異物が侵入するのを抑え、シリンダ部材の各部の損傷を抑えて長寿命化を図ることが可能となる。
本発明の実施形態に係るシリンダ装置、スラグクラッシャを備える石炭ガス化複合発電設備の概略構成図である。 本発明の第1実施形態におけるシリンダ装置、スラグクラッシャを備えるガス化炉設備の概略構成を示す立断面図である。 本発明のスラグクラッシャの構成を示す立断面図である。 本発明のシリンダ装置の構成を示す断面図である。 本発明のシリンダ装置に設けられた流体シール機構の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備の冷却水の循環系統を示す構成図である。 本発明の第2実施形態におけるシリンダ装置の構成を示す立断面図である。 本発明のシリンダ装置に設けられた流体シール機構におけるシール用流体の供給量の変化の一例を示す図である。
以下に、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
先ず、本発明のガス化複合発電装置の一実施形態である石炭ガス化複合発電設備について説明する。
図1に示すように、石炭ガス化複合発電設備(IGCC:Integrated Coal Gasification Combined Cycle)10は、空気を酸化剤として用いており、ガス化炉設備(ガス化炉)14において、燃料から可燃性ガス(生成ガス)を生成する空気燃焼方式を採用している。そして、石炭ガス化複合発電設備(ガス化複合発電装置)10は、ガス化炉設備14で生成した生成ガスを、ガス精製設備16で精製して燃料ガスとした後、ガスタービン17に供給して発電を行っている。すなわち、本実施形態の石炭ガス化複合発電設備10は、空気燃焼方式(空気吹き)の発電設備となっている。ガス化炉設備14に供給する燃料としては、例えば、石炭等の炭素含有固体燃料が用いられる。
石炭ガス化複合発電設備10は、給炭設備11と、ガス化炉設備14と、チャー回収設備15と、ガス精製設備16と、ガスタービン17と、蒸気タービン18と、発電機19と、排熱回収ボイラ(HRSG:Heat Recovery Steam Generator)20とを備えている。
給炭設備11は、原炭として炭素含有固体燃料である石炭が供給され、石炭を石炭ミル(図示無し)などで粉砕することで、細かい粒子状に粉砕した微粉炭を製造する。給炭設備11で製造された微粉炭は、給炭ライン11a出口で後述する空気分離設備42にから供給される搬送用イナートガスとしての窒素ガスによって加圧されて、ガス化炉設備14へ向けて供給される。イナートガスとは、酸素含有率が約5体積%以下の不活性ガスであり、窒素ガスや二酸化炭素ガスやアルゴンガスなどが代表例であるが、必ずしも約5%以下に制限されるものではない。
ガス化炉設備14は、給炭設備11で製造された微粉炭が供給されると共に、チャー回収設備15で回収されたチャー(石炭の未反応分と灰分)が戻されて再利用可能に供給されている。
また、ガス化炉設備14には、ガスタービン17(圧縮機61)からの圧縮空気供給ライン41が接続されており、ガスタービン17で圧縮された圧縮空気の一部が昇圧機68で所定圧力に昇圧されてガス化炉設備14に供給可能となっている。空気分離設備42は、大気中の空気から窒素と酸素を分離生成するものであり、第1窒素供給ライン43によって空気分離設備42とガス化炉設備14とが接続されている。そして、この第1窒素供給ライン43には、給炭設備11からの給炭ライン11aが接続されている。また、第1窒素供給ライン43から分岐する第2窒素供給ライン45もガス化炉設備14に接続されており、この第2窒素供給ライン45には、チャー回収設備15からのチャー戻しライン46が接続されている。更に、空気分離設備42は、酸素供給ライン47によって、圧縮空気供給ライン41と接続されている。そして、空気分離設備42によって分離された窒素は、第1窒素供給ライン43及び第2窒素供給ライン45を流通することで、石炭やチャーの搬送用ガスとして利用される。また、空気分離設備42によって分離された酸素は、酸素供給ライン47及び圧縮空気供給ライン41を流通することで、ガス化炉設備14において酸化剤として利用される。
ガス化炉設備14は、例えば、2段噴流床形式のガス化炉を備えている。ガス化炉設備14は、内部に供給された石炭(微粉炭)およびチャーを酸化剤(空気、酸素)により部分燃焼させることでガス化させ生成ガス(ガス)とする。なお、ガス化炉設備14は、微粉炭に混入した異物(スラグ)を除去する異物除去設備48が設けられている。そして、このガス化炉設備14には、チャー回収設備15に向けて生成ガスを供給するガス生成ライン49が接続されており、チャーを含む生成ガスが排出可能となっている。この場合、ガス生成ライン49にシンガスクーラ(ガス冷却器)を設けることで、生成ガスを所定温度まで冷却してからチャー回収設備15に供給してもよい。
チャー回収設備15は、集塵設備51とチャー供給ホッパ52とを備えている。この場合、集塵設備51は、1つまたは複数のサイクロンやポーラスフィルタにより構成され、ガス化炉設備14で生成された生成ガスに含有するチャーを分離することができる。そして、チャーが分離された生成ガスは、ガス排出ライン53を通してガス精製設備16に送られる。チャー供給ホッパ52は、集塵設備51で生成ガスから分離されたチャーを貯留するものである。そして、チャー供給ホッパ52からのチャー戻しライン46が第2窒素供給ライン45に接続されている。
ガス精製設備16は、チャー回収設備15によりチャーが分離された生成ガスに対して、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物を取り除くことで、ガス精製を行うものである。そして、ガス精製設備16は、生成ガスを精製して燃料ガスを製造し、これをガスタービン17に供給する。なお、チャーが分離された生成ガス中にはまだ硫黄分(HSなど)が含まれているため、このガス精製設備16では、アミン吸収液などによって硫黄分を除去回収して、有効利用する。
ガスタービン17は、圧縮機61、燃焼器62、タービン63を備えており、圧縮機61とタービン63とは、回転軸64により連結されている。燃焼器62には、圧縮機61からの圧縮空気供給ライン65が接続されると共に、ガス精製設備16からの燃料ガス供給ライン66が接続され、また、タービン63に向かって延びる燃焼ガス供給ライン67が接続されている。また、ガスタービン17は、圧縮機61からガス化炉設備14に延びる圧縮空気供給ライン41が設けられており、中途部に昇圧機68が設けられている。従って、燃焼器62では、圧縮機61から供給された圧縮空気の一部とガス精製設備16から供給された燃料ガスの少なくとも一部とを混合して燃焼させることで燃焼ガスを発生させ、発生させた燃焼ガスをタービン63へ向けて供給する。そして、タービン63は、供給された燃焼ガスにより回転軸64を回転駆動させることで発電機19を回転駆動させる。
蒸気タービン18は、ガスタービン17の回転軸64に連結されるタービン69を備えており、発電機19は、この回転軸64の基端部に連結されている。排熱回収ボイラ20は、ガスタービン17(タービン63)からの排ガスライン70が接続されており、給水とタービン63の排ガスとの間で熱交換を行うことで、蒸気を生成するものである。そして、排熱回収ボイラ20は、蒸気タービン18のタービン69との間に蒸気供給ライン71が設けられると共に蒸気回収ライン72が設けられ、蒸気回収ライン72に復水器73が設けられている。また、排熱回収ボイラ20で生成する蒸気には、ガス化炉設備14のシンガスクーラで生成ガスと熱交換して生成された蒸気を含んでもよい。従って、蒸気タービン18では、排熱回収ボイラ20から供給された蒸気によりタービン69が回転駆動し、回転軸64を回転させることで発電機19を回転駆動させる。
そして、排熱回収ボイラ20の出口から煙突75までには、ガス浄化設備74を備えている。
ここで、本実施形態の石炭ガス化複合発電設備10の作動について説明する。
本実施形態の石炭ガス化複合発電設備10において、給炭設備11に原炭(石炭)が供給されると、石炭は、給炭設備11の石炭ミル(図示無し)において細かい粒子状に粉砕されることで微粉炭となる。給炭設備11で製造された微粉炭は、空気分離設備42から供給される窒素により第1窒素供給ライン43を流通してガス化炉設備14に供給される。また、後述するチャー回収設備15で回収されたチャーが、空気分離設備42から供給される窒素により第2窒素供給ライン45を流通してガス化炉設備14に供給される。更に、後述するガスタービン17から抽気された圧縮空気が昇圧機68で昇圧された後、空気分離設備42から供給される酸素と共に圧縮空気供給ライン41を通してガス化炉設備14に供給される。
ガス化炉設備14では、供給された微粉炭及びチャーが圧縮空気(酸素)により燃焼し、微粉炭及びチャーがガス化することで、生成ガスを生成する。そして、この生成ガスは、ガス化炉設備14からガス生成ライン49を通って排出され、チャー回収設備15に送られる。
このチャー回収設備15にて、生成ガスは、まず、集塵設備51に供給されることで、生成ガスに含有する微粒のチャーが分離される。そして、チャーが分離された生成ガスは、ガス排出ライン53を通してガス精製設備16に送られる。一方、生成ガスから分離した微粒のチャーは、チャー供給ホッパ52に堆積され、チャー戻しライン46を通ってガス化炉設備14に戻されてリサイクルされる。
チャー回収設備15によりチャーが分離された生成ガスは、ガス精製設備16にて、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物が取り除かれてガス精製され、燃料ガスが製造される。圧縮機61が圧縮空気を生成して燃焼器62に供給する。この燃焼器62は、圧縮機61から供給される圧縮空気と、ガス精製設備16から供給される燃料ガスとを混合し、燃焼することで燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスによりタービン63を回転駆動することで、回転軸64を介して圧縮機61及び発電機19を回転駆動する。このようにして、ガスタービン17は発電を行うことができる。
そして、排熱回収ボイラ20は、ガスタービン17におけるタービン63から排出された排ガスと給水とで熱交換を行うことにより蒸気を生成し、この生成した蒸気を蒸気タービン18に供給する。蒸気タービン18では、排熱回収ボイラ20から供給された蒸気によりタービン69を回転駆動することで、回転軸64を介して発電機19を回転駆動し、発電を行うことができる。
なお、ガスタービン17と蒸気タービン18は同一軸として1つの発電機19を回転駆動しなくてもよく、別の軸として複数の発電機を回転駆動しても良い。
その後、ガス浄化設備74では排熱回収ボイラ20から排出された排気ガスの有害物質が除去され、浄化された排気ガスが煙突75から大気へ放出される。
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態におけるシリンダ装置、スラグクラッシャ、シリンダ装置におけるシール方法について、図1〜図5を用いて説明する。
上記ガス化炉設備14では、灰融点以上の1500℃を超える高温雰囲気とされるコンバスタ101において、給炭設備11から供給される微粉炭と、チャー回収設備15で回収されて供給されるチャーとが、酸化剤と反応する。これにより、コンバスタ101では、微粉炭が高温燃焼されることによって、可燃性ガスである石炭ガスが生成されると共に、微粉炭中の灰分が溶融したスラグ90が生成される。
コンバスタ101の高温燃焼により得られた高温の石炭ガスは、コンバスタ101の上段に設けられたリダクタ102に流れ込む。このリダクタ102においても、微粉炭とチャーとが供給され、供給された微粉炭及びチャーが更にガス化して、石炭ガスによる可燃性ガスが生成される。なお、本第1実施形態に係るコンバスタ101は、噴流床式であるが、これに限らず、流動床式や固定床式でもよい。
ガス化炉設備14には、コンバスタ101の鉛直下方に、コンバスタ101で生成されて落下したスラグ90を集めるスラグホッパ110が備えられている。
スラグホッパ110は、鉛直上方から鉛直下方に向かってその内径が漸次縮小するよう形成され、その下端部110bが下方に向かって開口している。ガス化炉設備14の鉛直方向下部は、スラグホッパ110が備えられる領域まで、冷却水Wで満たされた状態とされている。
コンバスタ101から落下するスラグ90は、スラグホッパ110内の冷却水Wによって急速に冷却されて固化する。固化したスラグ90は、スラグホッパ110の下端部110bの開口から、鉛直方向下方側のスラグクラッシャ120のスクリーン121の上面に落下する。
スラグホッパ110の鉛直方向下方側には、スラグ90を破砕するスラグクラッシャ120が設けられている。図3に示すように、スラグクラッシャ120は、スクリーン121と、二個一対のスプレッダ(破砕部材)122と、油圧シリンダ(シリンダ装置)123と、を備えている。
スクリーン121は、スラグホッパ110の下端部110bに形成された開口の鉛直下方に配置されている。スクリーン121は、スラグ90の落下方向に対して交差するように設けられた板状の部材であり、その上下を貫通する複数の開口部121hを有している。スクリーン121は、スラグホッパ110の下端部110bから落下したスラグ90を受け止め、開口部121hの開口径より小さなスラグ90は開口部121hを通って鉛直下方側に落下し、開口部121hの開口径よりも大きなスラグ90は、スクリーン121上に残る。
なお、開口部121hの形状は特に限定されず、例えば、円形や多角形等である。
図2に示すように、このスクリーン121の鉛直下方側には、下部ホッパ105が設けられており、スクリーン121から下方に落下したスラグ90は、下部ホッパ105を介して系外へ排出される。
なお、図1のガス化炉設備14は、一例として、スラグ90を下部ホッパ105まで落下させることで系外へ排出する重力落下方式を採用しているが、これに限らず、スラグ90を下部ホッパ105へ落下させることなく、後述するスラグ冷却水循環ライン201により冷却水Wとともに吸引して、ガス化炉14の側部からスラグ90を取り出す横吸出方式などが採用されてもよい。
図3に示すように、スプレッダ122は、スクリーン121の鉛直方向上方に、スラグ90の落下方向に交差する水平方向に間隔をあけて、互いに対向して二個一対が配置されている。各スプレッダ122は、鉛直上下方向に沿ってスプレッダ本体122aと、スプレッダ本体122aに設けられた突起部122bおよび下部突起部122cと、を一体に備えている。また、対向する各スプレッダ122は、その突起部122bおよび下部突起部122cによる凹凸形状が、互いに噛み合うように設けられている。
スプレッダ本体122aは、耐食性と強度から例えばステンレス鋼などによって形成された板状とされている。スプレッダ本体122aは、その下端部がスクリーン121の上面121fに沿う位置に配置されている。
このスプレッダ本体122aは、ガイド部材124によって、二個一対のスプレッダ122が互いに対向する方向に沿って移動可能に支持されている。これにより、二個一対のスプレッダ122は、スクリーン121の上面121fに沿って、互いに接離可能とされている。
油圧シリンダ123は、二個一対のスプレッダ122のそれぞれに設けられ、各スプレッダ122を、スクリーン121の上面121fに沿って、対向する他のスプレッダ122に向かって接離するよう進退駆動させることができる。本実施形態では、油圧シリンダ123の作動ロッド132(図4参照)が水平方向に出入して移動し、作動ロッド132の先端がスプレッダ122に接続され、対向する他のスプレッダ122は水平方向に相互に接離するよう移動することが出来る。なお、図3に示されるスプレッダ122の位置は、スプレッダ122が互いに接近する前の待機位置である。
各油圧シリンダ123によって、二個一対のスプレッダ122が互いに接近すると、スクリーン121の上面121f上に残存、堆積していたスラグ90は、スプレッダ本体122aおよび下部突起部122cによってかき集められる。かき集められたスラグ90は、互いに対向するスプレッダ122の突起部122bおよび下部突起部122cに挟み込まれることで、破砕される。
破砕され、開口部121hの開口径よりも小さくなったスラグ90は、開口部121hを通過して鉛直下方側の下部ホッパ105に落下する。
ここで、上記油圧シリンダ123の構成について詳述する。
図4に示すように、油圧シリンダ123は、シリンダ本体131と、作動ロッド132と、を主に備えている。
シリンダ本体131は、中心軸C方向に沿って連続する筒状で、その一端部側に開口部131aが形成され、他端部側(図示無し)が閉塞された有底筒状をなしている。
作動ロッド132は、シリンダ本体131の一端部側に形成された開口部131aからシリンダ本体131の内部に挿入されている。この作動ロッド132は、シリンダ本体131内に供給される油等の作動流体Lの圧力によって、シリンダ本体131の開口部131aからシリンダ本体131の中心軸C方向に沿って出入可能に設けられている。このようなシリンダ本体131および作動ロッド132は、例えば耐食性と硬度の高いステンレス鋼(SUS630)などによって形成される。
油圧シリンダ123は、シリンダ本体131の内周面131gと作動ロッド132の外周面132fとの間に、摺動可能なシール部材133を備えている。この実施形態では、シール部材133として、例えば4重のシール部材133A〜133Dを備えている。シリンダ本体131の開口部131aから最も遠い位置に配置されたシール部材133A,133Bは、作動ロッド132の出入にあたりシリンダ本体131内に供給される油圧駆動用の油など作動流体Lの高い圧力を受け、作動流体Lの漏出を防ぐことを主目的とする。最もシリンダ本体131の開口部131aに近い位置に配置されたシール部材133Dは、外部から異物等が侵入するのを防ぐことができる。シール部材133Dに対して、シール部材133A,133B側に設けられたシール部材133Cは、後述するシール用流体W2が、シール部材133Dを通り抜け、シール部材133A,133B側に侵入するのを防ぐことができる。
ここで、この実施形態では、複数のシール部材133A〜133Dを備えたが、その数、用途、材質についてはなんら限定するものではない。
油圧シリンダ123は、流体シール機構135をさらに備えている。
流体シール機構135は、シール部材133(133A〜133D)に対し、シリンダ本体131の開口部131a側に設けられている。この流体シール機構135は、シリンダ本体131の内周面131gと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sにシール用流体W2を供給し、シリンダ本体131の開口部131aと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sからシール用流体W2を流出させるものである。流体シール機構135は、キャビティ136と、流体供給路137と、を備えている。
キャビティ136は、シリンダ本体131の開口部131aの近傍で、シリンダ本体131の内周面131gに、径方向外側に窪んで周方向に連続するよう形成された環状の溝136mによって構成されている。このキャビティ136は、シリンダ本体131の内周面131gと作動ロッド132の外周面132fとの間で、作動ロッド132の外周面132fに沿って周方向に連続するよう環状に形成されている。
また、流体供給路137は、このキャビティ136に、シリンダ本体131の外部からシール用流体W2を供給する。流体供給路137は、シリンダ本体131の外部とキャビティ136とを連通するよう形成されている。この流体供給路137に、シール用流体W2を供給する供給配管(図示無し)が接続されている。
このような流体シール機構135は、供給配管(図示無し)および流体供給路137を通して、キャビティ136内にシール用流体W2を供給すると、シール用流体W2がキャビティ136の内周側から、シリンダ本体131の内周面131gと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sに流れ込み、シリンダ本体131の開口部131aと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sからシリンダ本体131の外部に流出する。
ここで、図5に示すように、流体W2が通過する流路の断面について、キャビティ136の、シリンダ本体(131)の中心軸(C)に沿った方向の断面積D1は、シリンダ本体131の開口部131aにおけるシリンダ本体131の内周面131gと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sの断面積D2よりも大きく形成されている。
これにより、シール用流体W2は、環状のキャビティ136から、シリンダ本体131の開口部131aにおけるシリンダ本体131の内周面131gと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sに流れ込むと、流路断面積が小さくなるのでその流速が速くなる。隙間Sでの流体W2の流速が速くなることで、外部から隙間Sにスラグ粉等の異物等が侵入しにくくなる。
また、キャビティ136内には、キャビティ136内を径方向に2つの空間に分割するように仕切る環状の仕切部材138が設けられている。仕切部材138は、シリンダ本体131の中心軸Cに対して、作動ロッド132の外径よりも大径、かつキャビティ136を形成する溝136mの外周径よりも小径の位置に形成されている。仕切部材138は、キャビティ136内の径方向外周側と内周側とを連通する連通孔138hが、周方向に間隔をあけて複数形成されている。ここで、連通孔138hは、例えば直径が1〜3mmで、周方向に等間隔で18〜36個が形成されている。
このような仕切部材138によって、外周側の流体供給路137からキャビティ136内に供給されるシール用流体W2は、仕切部材138の外周側に流れ込む。仕切部材138に複数形成された連通孔138hにおける圧力損失によって、仕切部材138の外周側に流れ込んだシール用流体W2は、各連通孔138hを通して仕切部材138の内周側に略均等に分配されて流れ込む。これによって、仕切部材138の外周側で、シール用流体W2は、周方向の全体に行き渡った後、各連通孔138hを通して仕切部材138の内周側に略均一に流れ込む。これによって、シリンダ本体131の開口部と作動ロッド132の外周面との隙間Sにおいて、シール用流体W2を、周方向の全体から、より均一に流出させることができ、異物等の侵入を確実に抑えることができる。
上記したような流体シール機構135を備えた油圧シリンダ123におけるシール方法は、以下の通りである。
すなわち、シリンダ本体131の内周面131gと作動ロッド132の外周面132fとの間に設けられたシール部材133(133A〜133D)に対し、シリンダ本体131の開口部131a側で、シリンダ本体131の内周面131gと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sにシール用流体W2を供給する。これによって、シリンダ本体131の開口部131aと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sからシール用流体W2を流出させる。これにより、外部からシリンダ本体131の開口部131aと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sにスラグ粉等の異物等が侵入しにくくなる。
ここで、流体シール機構135で用いるシール用流体W2は、油圧シリンダ123の外部から供給され、ガス化炉設備14内の冷却水Wよりも清浄度が高く、隙間Sを流出する際に支障となる微小な異物を含まないものであれば、その供給源については何ら限定するものではない。
例えば、石炭ガス化複合発電設備10内で用いられる水を、適宜個所からシール用流体W2として流体シール機構135に供給するようにしても良い。
より具体的な例を挙げると、図6に示すように、石炭ガス化複合発電設備10では、下部ホッパ105内に溜まったスラグ90は、下部ホッパ105の底部に接続されたスラグ冷却水循環ライン201から冷却水Wとともに排出され、所定の濾過器によって濾過された後、冷却器を通って冷却され、循環ポンプにより加圧されて再び下部ホッパ105に循環される。このような冷却水Wの循環系統200において、濾過された冷却水Wを、シール用流体W2として油圧シリンダ123の流体シール機構135に供給するようにしてもよい。
本実施形態における上記冷却水Wの循環系統200について、一例をあげて説明する。
図6に示すように、下部ホッパ105にはスラグ冷却水循環ライン201が接続されている。このスラグ冷却水循環ライン201は、下部ホッパ105の底部から破砕されたスラグを排出するラインである。スラグ冷却水循環ライン201の上流端201pは下部ホッパ105の底部において、鉛直下方側に向かって開口している。スラグ冷却水循環ライン201の下流端201qは、ガス化炉設備14内のスラグホッパ110における冷却水Wの浅層部に相当する高さに接続され、スラグ冷却水循環ライン201の途中に設置された循環水ポンプ220により、冷却水Wの水流が形成されている。
スラグ冷却水循環ライン201中には粗粒スラグ分離装置210が接続されている。粗粒スラグ分離装置210は、スラグ冷却水循環ライン201を流れるスラグスラリーから比較的粒径の大きな粗粒スラグ(一例として約100μm以上)を分離するものであり、例えば遠心分離装置(液体サイクロン等)が好適であるが、ストレーナやフィルタのような濾過式の分離手段を用いてもよい。スラグスラリーは、スラグ冷却水循環ライン201を流れる水流によって粗粒スラグ分離装置210に移送される。
粗粒スラグ分離装置210の下部にはロックホッパ212と排出弁214とが接続されている。ロックホッパ212は、粗粒スラグ分離装置210にて冷却水Wから分離されたスラグを貯留する。ロックホッパ212に貯留されたスラグは、排出弁214を開くことで、払い出される。払い出されたスラグは図示しない運搬車両等によってガス化炉設備14の系外に搬出される。
粗粒スラグ分離装置210の下流側には、ストレーナ218と循環ポンプ220と冷却器222とがこの順で接続されている。
ストレーナ218は、スラグ冷却水循環ライン201中に混入した異物を除去し、この異物が循環ポンプ220に吸入されて支障を来すことを防止する。
循環ポンプ220は、スラグ冷却水循環ライン201中に、上流端201pから下流端201qに向かう冷却水Wの流れを生じさせる。循環ポンプ220が作動することにより、スラグ冷却水循環ライン201中に、下部ホッパ105から粗粒スラグ分離装置210側へ流れる水流が形成される。
冷却器222は、スラグ冷却水循環ライン201中を流れる冷却水Wを冷却する。
冷却水Wの循環系統200は、スラグ冷却水循環ライン201から分岐し、再び合流する常圧ライン202を備えている。常圧とは、大気圧付近の圧力であり、常圧ライン202で水流を確保できる程度の圧力を保有するものである。常圧ライン202は、スラグ冷却水循環ライン201の、粗粒スラグ分離装置210と循環ポンプ220(厳密にはストレーナ218)との間に設けられた分岐点202aの位置でスラグ冷却水循環ライン201から分岐し、この分岐点202aと循環ポンプ220(ストレーナ218)との間を合流点202bとして再びスラグ冷却水循環ライン201に合流するループ経路状に配設されている。即ち、スラグ冷却水循環ライン201の流れ方向で合流点202bは分岐点202aに対して下流側に位置している。
常圧ライン202には、細粒スラグ分離装置216が設けられている。細粒スラグ分離装置216は、常圧ライン202を複数の分岐ライン202sに分岐させて再び1本に集合させた分岐区間202Aと、この分岐区間202Aの複数の分岐ライン202sにそれぞれ設けられた細粒スラグ濾過部216aと、この細粒スラグ濾過部216aの上流側と下流側にそれぞれ設けられた遮断弁217a,217bとを備えて構成されている。細粒スラグ濾過部216aとしては高分子フィルタを例示できるが、他の種のフィルタや静電フィルタ等を用いてもよい。
この細粒スラグ分離装置216は、常圧ライン202を介して粗粒スラグ分離装置210の下流側に接続され、冷却水Wに含まれる細粒スラグを分離する。
常圧ライン202には、分岐点202a側から順に、遮断弁228と、減圧部230と、重力式濾過部232と、細粒スラグ分離装置216と、昇圧部234とが接続されている。減圧部230としては多段式オリフィスを例示できるが、他の減圧手段を用いてもよい。この減圧部230により、スラグ冷却水循環ライン201から常圧ライン202に加わるガス化炉設備14からの圧力が常圧(大気圧付近)まで減圧される。なお、遮断弁228を流量調整弁とし、その開度を小さく調整することで減圧部230としての機能を持たせることも考えられる。重力式濾過部232としてはスラグ沈降槽を例示できる。昇圧部234としては循環ポンプを例示できる。この昇圧部234により、減圧部230によって減圧された冷却水Wが再び昇圧されてスラグ冷却水循環ライン201に循環される。
上記のように構成された冷却水Wの循環系統200において、スラグ冷却水循環ライン201に設けられた循環ポンプ220が作動すると、スラグ冷却水循環ライン201中に、下部ホッパ105から粗粒スラグ分離装置210側へ流れる水流が形成される。したがって、下部ホッパ105内のスラグが冷却水Wとともにスラグ冷却水循環ライン201の上流端201pから吸い出され、このスラグは粗粒スラグ分離装置210を通過することにより粗粒スラグを除去される(一次濾過)。
また、常圧ライン202に設けられた遮断弁228が開かれ、昇圧部234(循環ポンプ)が作動すると、常圧ライン202中に分岐点202aから合流点202bへ流れる水流が形成される。このため、スラグ冷却水循環ライン201を流れる、粗粒スラグ分離装置210によって粗粒スラグを除去された冷却水Wの一部または全量が常圧ライン202に抽水される。
常圧ライン202にはスラグ冷却水循環ライン201からガス化炉設備14からの圧力が加わるが、この圧力は減圧部230によって減圧され、常圧ライン202を流れる冷却水Wの圧力は常圧(大気圧付近)となる。この常圧の冷却水Wが細粒スラグ分離装置216を通過して細粒スラグを除去される(二次濾過)。その後、昇圧部234によって昇圧され、合流点202bから再びスラグ冷却水循環ライン201に循環される。
上記のような冷却水Wの循環系統200において、油圧シリンダ123の流体シール機構135にシール用流体W2として供給するシール用流体供給ライン203は、常圧ライン202から分岐して設けることができる。シール用流体供給ライン203は、常圧ライン202の、昇圧部234と合流点202bとの間に設けられた分岐点203aの位置で常圧ライン202から分岐している。シール用流体供給ライン203は、油圧シリンダ123に形成された流体供給路137に接続されている。
このシール用流体供給ライン203により、油圧シリンダ123の流体シール機構135には、シール用流体W2として、粗粒スラグ分離装置210、細粒スラグ分離装置216を経て濾過された冷却水Wが供給される。シール用流体W2に粗粒スラグと細粒スラグを分離し濾過された冷却水Wを用いることで、外部から新たにシール用流体W2を追加する必要がなく、効率的な運用が可能となる。
上述したような油圧シリンダ123、スラグクラッシャ120、石炭ガス化複合発電設備10、油圧シリンダ123におけるシール方法によれば、シール部材133(133A〜133D)に対して、シリンダ本体131の開口部131a側で、シリンダ本体131の内周面131gと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sにシール用流体W2を供給する。これによって、シリンダ本体131の開口部131aと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sからシール用流体W2を流出させ、外部からシリンダ本体131の開口部131aと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sにスラグ粉等の異物等が侵入しにくくなる。
これによって、シール部材133までスラグ粉等の異物が侵入するのを抑え、シリンダ本体131の内周面131gや、作動ロッド132の外周面132f、およびシール部材133がスラグ粉等の異物によって摩耗したり損傷するのを抑えることが可能となる。
また、シリンダ本体131の内周面131gと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sにおけるシール性を高めようとしてシール部材133の数を増やすと、コストが掛かるうえ、摺動抵抗が大きくなって作動性が低下する。これに対し、上記したようにシール用流体W2を隙間Sから流出させることで、隙間Sにおけるシール性も高まるため、シール部材133の数を最低限に抑えて、コストを抑えるとともに、油圧シリンダ123の作動性を高めることもできる。
また、シリンダ本体131の内周面131gと作動ロッド132の外周面132fとの間にキャビティ136を設けたので、外部から供給されたシール用流体W2は、環状のキャビティ136において、シリンダ本体131と作動ロッド132との間で周方向の全体に行き渡る。これによって、シリンダ本体131の開口部131aと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sにおいて、周方向の全体からシール用流体W2を流出させることができ、スラグ粉等の異物等の侵入を確実に抑えることができる。
また、流体W2が通過する流路断面について、シリンダ本体131の中心軸方向となるキャビティ136の断面積D1を、シリンダ本体131の開口部131aにおけるシリンダ本体131の内周面131gと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sの断面積D2よりも大きくしたので、シール用流体W2は、環状のキャビティ136から、シリンダ本体131の開口部131aにおけるシリンダ本体131の内周面131gと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sに流れ込み、このとき流体W2の流速が速くなる。これによって、シール用流体W2を隙間Sから勢いよく吹き出させることができ、シリンダ本体131の開口部131aと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sに、より一層に外部からスラグ粉等の異物が侵入し難くなる。
さらに、キャビティ136内に、キャビティ136内を径方向に仕切るとともに複数の連通孔138hを設けた環状の仕切部材138が設けられているので、シール用流体W2が、キャビティ136において、仕切部材138の外周側に供給されると、仕切部材138に複数形成された連通孔138hにおける圧力損失によって、シール用流体W2がキャビティ136の外周側で周方向の全体に行き渡った後、各連通孔138hを通して仕切部材138の内周側に略均一に分配されて流れ込む。これによって、シリンダ本体131の開口部131aと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sにおいて、シール用流体W2を、周方向の全体から、より均一に流出させることができ、スラグ粉等の異物等の侵入を確実に抑えることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態におけるシリンダ装置について、図7〜図8を用いて説明する。ここで、以下に説明する第2実施形態におけるシリンダ装置は、上記第1実施形態におけるシリンダ装置に対し、シール用流体W2の流量を自動調整する構成を備えている点のみが異なる。すなわち、シリンダ装置、およびシリンダ装置を備えたスラグクラッシャ120や、石炭ガス化複合発電設備10の構成について、上記第1実施形態と共通する構成については、その説明を省略する。
図7に示すように、油圧シリンダ(シリンダ装置)123Bは、流体シール機構135におけるシール用流体W2の供給量を調整する流量調整弁からなる流体供給量調整部139と、流体供給量調整部139におけるシール用流体W2の供給量を制御するコントローラ140と、を備えている。
コントローラ140は、油圧シリンダ123Bの作動ロッド132が出入する伸縮動作に連動して、流体供給量調整部139の動作を制御する。
具体的には、図8に示すように、コントローラ140は、作動ロッド132がシリンダ本体131から突出する方向に移動する場合(図8中の符号(Ma))に、作動ロッド132がシリンダ本体131内に挿入される方向に移動する場合(図8中の符号(Mb))よりも、シール用流体W2の供給量を減少させる。また、コントローラ140は、油圧シリンダ123Bの伸縮動作が停止している場合(図8中の符号(Mc))には、シール用流体W2の供給量を、さらに減少させることもできる。
油圧シリンダ123Bでは、作動ロッド132がシリンダ本体131内に挿入される方向に移動する場合、スラグ粉等の異物をシリンダ本体131と作動ロッド132との隙間Sに巻き込みやすいが、この場合に、コントローラ140の制御によって、作動ロッド132がシリンダ本体131から突出する方向に移動する場合よりもシール用流体W2の供給量を増加させることで、スラグ粉等の異物の侵入を抑制する。一方、作動ロッド132がシリンダ本体131から突出する方向に移動する場合は、スラグ粉等の異物を隙間Sに巻き込み難いので、作動ロッド132がシリンダ本体131内に挿入される方向に移動する場合よりも、シール用流体W2の供給量を減少させても良く、これにより、シール用流体W2の使用量を抑えることができる。
上述したような油圧シリンダ123Bによれば、上記第1実施形態と同様、シリンダ本体131の開口部131aと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sからシール用流体W2を流出させることによって、外部からシリンダ本体131の開口部131aと作動ロッド132の外周面132fとの隙間Sにスラグ粉等の異物等が侵入しにくくなる。
これによって、シール部材133までスラグ粉等の異物が侵入するのを抑え、シリンダ本体131の内周面131gや、作動ロッド132の外周面132f、およびシール部材133がスラグ粉等の異物によって摩耗したり損傷するのを抑えることが可能となる。
しかも、作動ロッド132がシリンダ本体131から突出する方向に移動する場合に、作動ロッド132がシリンダ本体131内に挿入される方向に移動する場合よりも、シール用流体W2の供給量を減少させることで、シール用流体W2の使用量を抑えることができる。また、油圧シリンダ123Bの作動ロッド132が出入する伸縮動作を停止しているときは、スラグ粉等の異物を隙間Sに巻き込みは殆ど発生しないので、シール用流体W2の供給量を更に減少させても良く、シール用流体W2の使用量を一層に抑えることができる。
なお、上記実施形態では、スラグクラッシャ120を、二個一対のスプレッダ122と、それぞれのスプレッダ122を進退駆動させる油圧シリンダ123(123B)とを備えるようにしたが、スプレッダ122および油圧シリンダ123を、それぞれ一つのみ備える場合であっても、本発明を同様に適用することができる。
さらに、スラグクラッシャ120の各部の構成については、一例を示したに過ぎず、上記に示した以外の構成を適宜採用することが可能である。
また、油圧シリンダ123を、スラグクラッシャ120のスプレッダ122の進退駆動のために用いるようにしたが、本発明においては、その用途を何ら問うものではない。
また、上記実施形態では、微粉炭から可燃性ガスを生成する石炭ガス化炉を備えたIGCCを一例として説明したが、本発明のガス化設備は、例えば間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ等のバイオマス燃料など、他の炭素含有固体燃料をガス化するものにも適用可能である。また、本発明のガス化設備は、発電用に限らず、所望の化学物質を得る化学プラント用ガス化炉にも適用可能である。
また、上述した実施形態では、燃料として石炭を使用したが、高品位炭や低品位炭であっても適用可能であり、また、石炭に限らず、再生可能な生物由来の有機性資源として使用されるバイオマスであってもよく、例えば、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などを使用することも可能である。
10 石炭ガス化複合発電設備
11 給炭設備
11a 給炭ライン
14 ガス化炉設備(ガス化炉)
15 チャー回収設備
16 ガス精製設備
17 ガスタービン
18 蒸気タービン
19 発電機
20 排熱回収ボイラ
41 圧縮空気供給ライン
42 空気分離設備
43 第1窒素供給ライン
45 第2窒素供給ライン
46 チャー戻しライン
47 酸素供給ライン
48 異物除去設備
49 ガス生成ライン
51 集塵設備
52 チャー供給ホッパ
53 ガス排出ライン
61 圧縮機
62 燃焼器
63 タービン
64 回転軸
65 圧縮空気供給ライン
66 燃料ガス供給ライン
67 燃焼ガス供給ライン
68 昇圧機
69 タービン
70 排ガスライン
71 蒸気供給ライン
72 蒸気回収ライン
73 復水器
74 ガス浄化設備
75 煙突
90 スラグ
101 コンバスタ
102 リダクタ
105 下部ホッパ
110 スラグホッパ
110b 下端部
120 スラグクラッシャ
121 スクリーン
121f 上面
121h 開口部
122 スプレッダ(破砕部材)
122a スプレッダ本体
122b 突起部
122c 下部突起部
123、123B 油圧シリンダ(シリンダ装置)
124 ガイド部材
131 シリンダ本体
131a 開口部
131g 内周面
132 作動ロッド
132f 外周面
133、133A、133B、133C、133D シール部材
135 流体シール機構
136 キャビティ
136m 溝
137 流体供給路
138 仕切部材
138h 連通孔
139 流体供給量調整部
140 コントローラ
200 循環系統
201 スラグ冷却水循環ライン
201p 上流端
201q 下流端
202 常圧ライン
202A 分岐区間
202a 分岐点
202b 合流点
202s 分岐ライン
203 シール用流体供給ライン
203a 分岐点
210 粗粒スラグ分離装置
212 ロックホッパ
214 排出弁
216 細粒スラグ分離装置
216a 細粒スラグ濾過部
217a 遮断弁
217b 遮断弁
218 ストレーナ
220 循環ポンプ
222 冷却器
228 遮断弁
230 減圧部
232 重力式濾過部
234 昇圧部
C 中心軸
D1 断面積
D2 断面積
L 作動流体
S 隙間
W 冷却水
W2 シール用流体

Claims (8)

  1. 筒状のシリンダ本体と、
    前記シリンダ本体の開口部から前記シリンダ本体の中心軸方向に沿って出入可能に設けられた作動ロッドと、
    前記シリンダ本体の内周面と前記作動ロッドの外周面との間に設けられた少なくとも1つ以上のシール部材と、
    前記シール部材に対し、前記シリンダ本体の前記開口部側に配置され、前記シリンダ本体の内周面と前記作動ロッドの外周面との隙間にシール用流体を供給し、前記シリンダ本体の前記開口部と前記作動ロッドの外周面との隙間から前記シール用流体を流出させる流体シール機構と、
    前記流体シール機構における前記シール用流体の供給量を調整する流体供給量調整部と、
    を備え、
    流体供給量調整部は、前記作動ロッドが前記シリンダ本体から突出する方向に移動する場合及び前記作動ロッドが前記シリンダ本体内に挿入される方向に移動する場合の何れ場合にも前記シール用流体を前記隙間に供給するとともに、前記作動ロッドが前記シリンダ本体から突出する方向に移動する場合に、前記作動ロッドが前記シリンダ本体内に挿入される方向に移動する場合よりも、前記シール用流体の供給量を減少させることを特徴とするシリンダ装置。
  2. 前記流体シール機構は、前記シリンダ本体の内周面と前記作動ロッドの外周面との間に形成され、前記作動ロッドの外周面に沿って周方向に連続する環状のキャビティと、
    前記キャビティに、前記シリンダ本体の外部から前記シール用流体を供給する流体供給路と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
  3. 前記シール用流体が通過する前記キャビティ内の前記シリンダ本体の中心軸に沿った方向の断面積は、前記シリンダ本体の前記開口部における前記シリンダ本体の内周面と前記作動ロッドの外周面との隙間により形成される断面積よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のシリンダ装置。
  4. 前記キャビティ内に、前記キャビティ内を径方向に仕切る環状の仕切部材が設けられ、
    前記仕切部材に、前記キャビティ内の径方向外周側と内周側とを連通する連通孔が、周方向に間隔をあけて複数形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載のシリンダ装置。
  5. 炭素含有固体燃料をガス化させるガス化炉のコンバスタで生成されて落下し、前記コンバスタの鉛直下方側に設置したスラグホッパの貯留された冷却水に落下して急冷されて固化したスラグを粉砕するスラグクラッシャであって、
    前記スラグの落下方向に対して交差するように設けられると共に複数の開口部を有し、前記開口部の開口径より小さな前記スラグを通過させるスクリーンと、
    前記スクリーンの上面に沿って移動し、前記スクリーンの上面に位置する前記スラグを破砕する破砕部材と、
    前記破砕部材を、前記スクリーンの上面に沿って移動させる、請求項1から4のいずれか一項に記載のシリンダ装置と、
    を備えることを特徴とするスラグクラッシャ。
  6. 前記シール用流体は、前記冷却水を濾過して供給することを特徴とする請求項5に記載のスラグクラッシャ。
  7. 請求項5または6に記載のスラグクラッシャを備えることを特徴とするガス化複合発電装置。
  8. 筒状のシリンダ本体と、
    前記シリンダ本体の開口部から前記シリンダ本体の中心軸方向に沿って出入可能に設けられた作動ロッドと、
    前記シリンダ本体の内周面と前記作動ロッドの外周面との間に設けられた少なくとも1つ以上のシール部材と、
    前記シール部材に対し、前記シリンダ本体の前記開口部側に配置され、前記シリンダ本体の内周面と前記作動ロッドの外周面との隙間にシール用流体を供給し、前記シリンダ本体の前記開口部と前記作動ロッドの外周面との隙間から前記シール用流体を流出させる流体シール機構と、
    前記流体シール機構における前記シール用流体の供給量を調整する流体供給量調整部と、を備え、
    前記流体シール機構は、前記シリンダ本体の内周面と前記作動ロッドの外周面との間に形成され、前記作動ロッドの外周面に沿って周方向に連続する環状のキャビティと、
    前記キャビティに、前記シリンダ本体の外部から前記シール用流体を供給する流体供給路とを有するシリンダ装置におけるシール方法であって、
    前記シリンダ本体の内周面と前記作動ロッドの外周面との間に設けられた前記シール部材に対し、前記シリンダ本体の前記開口部側に、前記シリンダ本体の内周面と前記作動ロッドの外周面との隙間に前記シール用流体を供給し、前記シリンダ本体の前記開口部と前記作動ロッドの外周面との隙間から前記シール用流体を流出させ、
    流体供給量調整部は、前記作動ロッドが前記シリンダ本体から突出する方向に移動する場合及び前記作動ロッドが前記シリンダ本体内に挿入される方向に移動する場合の何れ場合にも前記隙間に前記シール用流体を供給するとともに、前記作動ロッドが前記シリンダ本体から突出する方向に移動する場合に、前記作動ロッドが前記シリンダ本体内に挿入される方向に移動する場合よりも、前記シール用流体の供給量を減少させることを特徴とするシリンダ装置におけるシール方法。
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