JP7248238B2 - 懸濁液濾過機、スラグ水濾過循環システム、ガス化炉、ガス化複合発電設備、及び懸濁液濾過方法 - Google Patents

懸濁液濾過機、スラグ水濾過循環システム、ガス化炉、ガス化複合発電設備、及び懸濁液濾過方法 Download PDF

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Description

本開示は、懸濁液濾過機、これを備えたスラグ水濾過循環システム、ガス化炉、ガス化複合発電設備、及び懸濁液濾過方法に関するものである。
例えば、ガス化炉設備として、石炭等の炭素含有固体燃料をガス化炉内に供給し、炭素含有固体燃料を部分燃焼させてガス化することで、可燃性ガスを生成する炭素含有燃料ガス化設備(石炭ガス化設備)が知られている。
このようなガス化炉では、炭素含有固体燃料の灰分が溶融し、スラグとしてガス化炉の下方に設けられたスラグ水貯留部に堆積する。スラグ水貯留部にはスラグ水(冷却水)が貯留されており、スラグはこのスラグ水中に落下して急冷されることにより固化し、破砕される。
このように固化・破砕されてスラグ水貯留部内に溜まったスラグは、ガス化炉の外部に設けられたロックホッパを経てガス化炉の系外へと排出される。スラグはスラグ水に比べて密度が大きいため、従来は特許文献1に開示されているようなスラグ排出システムが提案されている。このスラグ排出システムでは、ロックホッパをガス化炉の側方に配置し、スラグホッパからロックホッパへと連通するスラグ排出ラインを設け、循環ポンプによってスラグ排出ライン中にスラグホッパからロックホッパへの水流を形成し、この水流によってスラグホッパ内のスラグをロックホッパへ排出するようにしている。
また、特許文献2に開示されているスラグ排出システムは、スラグ水貯留部の底部に接続されたスラグ取出部からスラグ水とともにスラグ水貯留部内に溜まったスラグが排出され、所定の濾過器によって濾過された後、冷却器を通って冷却され、循環ポンプにより加圧されて再びスラグ水貯留部に循環される。
特許第5743093号公報 特開2017-206575号公報
従来より、上記のようにスラグ水貯留部から排出されたスラグとスラグ水との混合物は、まずスラグ分離部(スラグサイクロン)にて粗粒スラグが除去された清浄スラグ水と、粗粒スラグが除去されていないスラグ水とに分離される。スラグ分離部での分離後、ロックホッパを介して粗粒スラグが除去されていないスラグ水は、スラグ脱水貯留槽でさらに分離されて、粗粒スラグが系外へ排出され、スラグ排水ピットへ微粒スラグを含むスラグ水が導かれる。スラグ排水ピットに貯留された微粒スラグが除去されていないスラグ水がスラグ水濾過機にて濾過され、スラグが濾過された濾過水は、スラグ水貯留部側へと返送される。
微粒スラグが除去されていないスラグ水の濾過に使用されるスラグ水濾過機としては、水槽の内部に濾過フィルタ(濾布)を複数設置して、濾布の内側にスラグ水を導いて濾過する構成とした装置が使用されている。この装置の濾布を洗浄する際には、スラグ水濾過機の水槽から水を抜き、洗浄ブラシを用いて、濾布表面に付着したスラグをこそぎ取るようにして除去していた。
しかしながら、前述した洗浄手段では、濾布表面に洗浄ブラシが接触する際に、スラグが濾布の隙間へ押し込まれてしまうなどといった、濾布表面に付着したスラグを十分に除去できない場合があった。このため、濾布表面のスラグを除去するために洗浄ブラシで強くこそぎ過ぎると、濾布表面が損傷して濾布の濾過性能が低下することで、濾布の寿命が短くなる可能性があった。
上記の事情から、濾布への損傷を軽減させるため、洗浄ブラシから洗浄水の水流に変更して濾布表面のスラグを除去することが試みられた。
しかしながら、洗浄水の水流による洗浄方式を採用するに当たっては、スラグ水濾過機のサイズが大きくならないようにするために、洗浄水噴出し部分と濾布との距離を短くする必要があり、洗浄水噴出し部分から濾布に水流を噴射させる長さには制限が生じることになる。
また、スラグ水濾過機が大きくならないようにしながら、濾布表面に広く洗浄水噴出し部分を設けるためには、洗浄水噴出し部分の配置スペースを工夫しながら、洗浄水噴出し部分の数を多くする必要があるが、一方では通常のスラグ水濾過機運転時に洗浄水噴出し部分に固形粒(数百μmクラス)や錆等の小さい径の異物が詰まる可能性もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、洗浄水噴出し部分に洗浄ノズルを用いて、固形粒や錆等の小さい径の異物によって洗浄ノズルの噴出孔が詰まる機会を減らして信頼性を向上することができるとともに、濾布の寿命を向上させることができる懸濁液濾過機及び懸濁液濾過方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示は以下の手段を採用する。
本開示の懸濁液濾過機は、濾過対象である懸濁液を貯水可能な水槽と、前記水槽内に設置され、前記懸濁液中に含まれる固形物を捕獲する濾過フィルタと、前記水槽の高さ方向に沿って直線状に伸びるように前記濾過フィルタに面して設けられるとともに、前記濾過フィルタを洗浄するための洗浄液が導入される洗浄管と、を備え、前記洗浄管には、複数の洗浄ノズルが、前記洗浄管の軸長手方向に沿って隣接する前記洗浄ノズルから噴射する前記洗浄液の水流に干渉しない位置にそれぞれが設けられており、前記複数の洗浄ノズルのそれぞれには、前記複数の洗浄ノズルから前記濾過フィルタの面側に向けて前記洗浄液を水平両方向に噴射するように、一対の噴出孔が形成されており、前記一対の噴出孔は、隣接する前記複数の洗浄ノズル間で噴射方向がずれるように前記洗浄ノズルの軸長手方向において千鳥状に形成されている。
本開示の懸濁液濾過機においては、洗浄ノズルに、洗浄液を水平両方向に噴射するように一対の噴出孔が形成されている。これにより、特に洗浄管の水平両方向側に濾過フィルタ(濾布)が存在する場合においては、洗浄液を一方向のみに噴射する噴出孔を備えた洗浄ノズルを設ける場合に比べ、洗浄ノズルの数を減らすことができる。このように洗浄ノズルの数を減らすことで、懸濁液濾過機運転時に洗浄ノズルからの洗浄液の噴射が停止していても、固形粒や錆等の小さい径の異物によって噴出孔が詰まる機会を減らすことができる。
また、本開示の懸濁液濾過機においては、洗浄ノズルに設けられる噴出孔が、隣接する複数の洗浄ノズル間で噴射方向がずれるように洗浄ノズルの軸長手方向において千鳥状に形成されている。これにより、それぞれの洗浄ノズルから噴射される水流は、他の洗浄ノズルから噴射される水流に干渉しないため、各洗浄ノズルから濾過フィルタ全体へ洗浄液を均一に噴き付けることができる。従って、本開示の懸濁液濾過機においては、洗浄ノズルの噴出孔から濾過フィルタに対して、洗浄ノズルを正断面視(洗浄ノズルの噴出孔から噴射される洗浄液の噴射方向と直交する方向)したときに水流が広角な扇状となるように均一に洗浄液を噴射することができる。水流が広角な扇状となるように均一に濾過フィルタに洗浄液を噴射することで、扇状に広がらずに狭角で直線状に濾過フィルタに洗浄液を噴射した場合に比べて濾過フィルタへの打力を可能な限り低減させることができる。これにより、濾過フィルタが損傷して濾過性能が低下することを抑制できるため、濾過フィルタの寿命を向上させることができる。
上記懸濁液濾過機において、前記固形物はスラグであり、前記懸濁液は前記スラグを含むスラグ水であることが好ましい。
このような懸濁液濾過機であれば、石炭ガス化複合発電設備に好適に適用できる。
上記懸濁液濾過機において、前記洗浄管に設けられた複数の前記洗浄ノズルは、前記洗浄管の軸長手方向に沿って直線状に並んで等間隔に設けられていることが好ましい。
洗浄管に設けられた複数の洗浄ノズルが、洗浄管の軸長手方向に沿って直線状に並んで等間隔に設けられていることで、各洗浄ノズルから濾過フィルタ全体へ洗浄液を一層均一に噴き付けることができる。
上記懸濁液濾過機において、前記水槽の上部に設けられ、前記水槽の上部を前記濾過フィルタ長手方向に移動する台車と、該台車と前記洗浄管とを接続する脱着可能なフランジと、を備えることが好ましい。
このように水槽の上部に設けられて濾過フィルタ長手方向へ移動可能とされた台車に洗浄管が設置されて濾過フィルタに対する洗浄管の位置が管理されるとともに、洗浄管と台車とを接続する脱着可能なフランジを設けていることで、台車から洗浄管を容易に脱着可能となる。これにより、洗浄管に設けた洗浄ノズルに固形物としてのスラグや錆等が詰まった際に、懸濁液濾過機の上部から容易に洗浄管が交換可能となる。また、懸濁液濾過機の運転中で、洗浄管を使用しない場合には、洗浄管を取り外しておくことができるため、懸濁液濾過機の運転中に洗浄管の洗浄ノズルに固形物としてのスラグ等が詰ってしまうことを防止することができる。これにより、洗浄管自体の性能を維持し寿命を向上させることができる。
本開示のスラグ水濾過循環システムは、前記スラグ水が貯留されるスラグ水貯留部と、該スラグ水貯留部に導かれた前記スラグを前記スラグ水とともに取り出すスラグ取出部と、該スラグ取出部に接続されるとともに清浄スラグ水と前記スラグを含む前記スラグ水とに分離するスラグ分離部と、該スラグ分離部から分離及び排出された前記スラグ水と前記清浄スラグ水の少なくとも一部を濾過する上述の懸濁液濾過機と、該懸濁液濾過機にて前記スラグを捕獲された濾過水を前記清浄スラグ水と混合して前記スラグ水貯留部に返送するスラグ水返送部と、を備える。
本開示のスラグ水濾過循環システムであれば、上述の懸濁液濾過機を備えているため、懸濁液濾過機に備えられている濾過フィルタの寿命を向上させることができる。これにより、低コストのスラグ水濾過循環システムとなる。
本開示のガス化炉は、上述のスラグ水濾過循環システムを備え、炭素含有固体燃料を加圧下で加熱してガス化する。
本開示のガス化炉であれば、上述の懸濁液濾過機を備えているため、懸濁液濾過機に備えられている濾過フィルタの寿命を向上させることができる。これにより、低コストのガス化炉となる。
本開示のガス化複合発電設備は、上述のガス化炉と、前記ガス化炉で生成した生成ガスの少なくとも一部を燃焼させることで回転駆動するガスタービンと、前記ガスタービンから排出されるタービン排ガスを導入する排熱回収ボイラで生成した蒸気により回転駆動する蒸気タービンと、前記ガスタービンおよび/または前記蒸気タービンの回転駆動に連結された発電機と、を備える。
本開示のガス化複合発電設備であれば、上述の懸濁液濾過機を備えているため、懸濁液濾過機に備えられている濾過フィルタの寿命を向上させることができる。これにより、低コストのガス化複合発電設備となる。
本開示の懸濁液濾過方法は、濾過対象である懸濁液を貯水可能な水槽と、前記水槽内に設置され、前記懸濁液中に含まれる固形物を捕獲する濾過フィルタと、前記水槽の高さ方向に沿って直線状に伸びるように前記濾過フィルタに面して設けられるとともに、前記濾過フィルタを洗浄するための洗浄液が導入される洗浄管と、を備え、前記洗浄管には、複数の洗浄ノズルが、前記洗浄管の軸長手方向に沿って隣接する前記洗浄ノズルから噴射する前記洗浄液の水流に干渉しない位置にそれぞれが設けられており、前記複数の洗浄ノズルのそれぞれには、前記複数の洗浄ノズルから前記濾過フィルタの面側に向けて前記洗浄液を水平両方向に噴射するように、一対の噴出孔が形成されており、前記一対の噴出孔は、隣接する前記複数の洗浄ノズル間で噴射方向がずれるように前記洗浄ノズルの軸長手方向において千鳥状に形成されている懸濁液濾過機を用いた懸濁液濾過方法において、前記洗浄管に前記洗浄液を導入して、前記一対の噴出孔から前記濾過フィルタに前記洗浄液を噴き付けて前記濾過フィルタの洗浄を行う洗浄工程を含む。
本開示の懸濁液濾過方法は、上記のような懸濁液濾過機を用いて濾過フィルタを洗浄する洗浄工程を行うため、各洗浄ノズルから濾過フィルタ全体へ洗浄液を均一に噴き付けることができる。従って、本開示の懸濁液濾過方法であれば、洗浄ノズルの噴出孔から濾過フィルタに対して、洗浄ノズルを正断面視(洗浄ノズルの噴出孔から噴射される洗浄液の噴射方向と直交する方向)したときに水流が広角な扇状となるように均一に洗浄液を噴射することができる。水流が広角な扇状となるように均一に濾過フィルタに洗浄液を噴射することで、扇状に広がらずに狭角で直線状に濾過フィルタに洗浄液を噴射した場合に比べて濾過フィルタへの打力を可能な限り低減させることができる。これにより、濾過フィルタの損傷により濾過性能が低下することを抑制できるため、濾過フィルタの寿命を向上させることができる。また、上記のような懸濁液濾過機を用いることで、洗浄液を一方向のみに噴射する噴出孔を備えた洗浄ノズルを設けたものよりも、洗浄ノズルの数が少ないものを用いることができる。これにより、懸濁液濾過機運転時に洗浄ノズルからの洗浄液の噴射が停止していても、固形粒や錆等の小さい径の異物によって噴出孔が詰まる機会を減らすことができ、信頼性が向上する。
上記懸濁液濾過方法において、前記固形物はスラグであり、前記懸濁液は前記スラグを含むスラグ水であることが好ましい。
このような懸濁液濾過方法であれば、石炭ガス化複合発電設備に好適に適用できる。
本開示の懸濁液濾過機及び懸濁液濾過方法によれば、固形粒や錆等の小さい径の異物によって洗浄ノズルの噴出孔が詰まる機会を減らして信頼性を向上することができるとともに、濾過フィルタの寿命を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備を示す概略構成図である。 図1のガス化炉設備を示した概略構成図である。 図2のガス化炉設備に接続された本実施形態のスラグ水濾過循環システムを示す概略構成図である。 本実施形態の懸濁液濾過機の構成を示す斜視図である。 図4の懸濁液濾過機における洗浄管の洗浄ノズルから洗浄液が噴射される状態を示す正断面図である。 本実施形態の懸濁液濾過機における洗浄管の斜視図である。 図6Aにおいて矢印Nで示す洗浄ノズルの正断面図である。 図6Aにおける洗浄管及び洗浄ノズルのA-A断面図である。 図6Aにおける洗浄管及び洗浄ノズルのB-B断面図である。 図6Aにおいて矢印Nで示す洗浄ノズルの上視図である。 図6Aにおいて矢印Nで示す洗浄ノズルの側面図である。
以下に、本開示に係る懸濁液濾過機及び懸濁液濾過方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、上方とは鉛直上側の方向を、下方とは鉛直下側の方向を示している。また、本明細書において、懸濁液とは、微小の固形物が分散された状態の溶液を示し、固形物とは、濾過フィルタを通過させることにより捕獲することが可能な物質(スラグ粒や錆等の小さい径の異物)を示す。
〔石炭ガス化複合発電設備〕
以下、本発明の一実施形態に係る懸濁液濾過機について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る懸濁液濾過機を適用する石炭ガス化複合発電設備の概略構成図である。
本実施形態に係るガス化炉設備14が適用される石炭ガス化複合発電設備(IGCC:Integrated Coal Gasification Combined Cycle)10は、空気を酸化剤として用いており、ガス化炉設備14において、燃料から可燃性ガス(生成ガス)を生成する空気燃焼方式を採用している。そして、石炭ガス化複合発電設備10は、ガス化炉設備14で生成した生成ガスを、ガス精製設備16で精製して燃料ガスとした後、ガスタービン17に供給して発電を行っている。すなわち、本実施形態の石炭ガス化複合発電設備10は、空気燃焼方式(空気吹き)の発電設備となっている。ガス化炉設備14に供給する燃料としては、例えば、石炭等の炭素含有固体燃料が用いられる。
石炭ガス化複合発電設備(ガス化複合発電設備)10は、図1に示すように、給炭設備11と、ガス化炉設備14と、チャー回収設備15と、ガス精製設備16と、ガスタービン17と、蒸気タービン18と、発電機19と、排熱回収ボイラ(HRSG:Heat Recovery Steam Generator)20とを備えている。
給炭設備11は、原炭として炭素含有固体燃料である石炭が供給され、石炭を石炭ミル(図示略)などで粉砕することで、細かい粒子状に粉砕した微粉炭を製造する。給炭設備11で製造された微粉炭は、給炭ライン11a出口で後述する空気分離設備42から供給される搬送用イナートガスとしての窒素ガスによって加圧されて、ガス化炉設備14へ向けて供給される。イナートガスとは、酸素含有率が約5体積%以下の不活性ガスであり、窒素ガスや二酸化炭素ガスやアルゴンガスなどが代表例であるが、必ずしも約5体積%以下に制限されるものではない。
ガス化炉設備14は、給炭設備11で製造された微粉炭が供給されると共に、チャー回収設備15で回収されたチャー(石炭の未反応分と灰分)が再利用を目的として供給されている。
また、ガス化炉設備14には、ガスタービン17(圧縮機61)からの圧縮空気供給ライン41が接続されており、ガスタービン17で圧縮された圧縮空気の一部が昇圧機68で所定圧力に昇圧されてガス化炉設備14に供給可能となっている。空気分離設備42は、大気中の空気から窒素と酸素を分離生成するものであり、第1窒素供給ライン43によって空気分離設備42とガス化炉設備14とが接続されている。そして、この第1窒素供給ライン43には、給炭設備11からの給炭ライン11aが接続されている。また、第1窒素供給ライン43から分岐する第2窒素供給ライン45もガス化炉設備14に接続されており、この第2窒素供給ライン45には、チャー回収設備15からのチャー戻しライン46が接続されている。更に、空気分離設備42は、酸素供給ライン47によって、圧縮空気供給ライン41と接続されている。そして、空気分離設備42によって分離された窒素は、第1窒素供給ライン43及び第2窒素供給ライン45を流通することで、石炭やチャーの搬送用ガスとして利用される。また、空気分離設備42によって分離された酸素は、酸素供給ライン47及び圧縮空気供給ライン41を流通することで、ガス化炉設備14において酸化剤として利用される。
ガス化炉設備14は、例えば、2段噴流床形式のガス化炉101(図2参照)を備えている。ガス化炉設備14は、内部に供給された石炭(微粉炭)およびチャーを酸化剤(空気、酸素)により部分燃焼させることでガス化させ生成ガスとする。なお、ガス化炉設備14には、微粉炭に混入した異物(スラグ等の固形物)を除去する異物除去設備が設けられている。この異物除去設備については、後述の図3を用いてスラグ水系統を説明する際に合わせて説明する。
また、このガス化炉設備14には、チャー回収設備15に向けて生成ガスを供給する生成ガスライン49が接続されており、チャーを含む生成ガスが排出可能となっている。この場合、図2に示すように、生成ガスライン49にシンガスクーラ102(ガス冷却器)を設けることで、生成ガスを所定温度まで冷却してからチャー回収設備15に供給してもよい。
チャー回収設備15は、集塵設備51と供給ホッパ52とを備えている。この場合、集塵設備51は、1つまたは複数のサイクロンやポーラスフィルタにより構成され、ガス化炉設備14で生成された生成ガスに含有するチャーを分離することができる。そして、チャーが分離された生成ガスは、ガス排出ライン53を通してガス精製設備16に送られる。供給ホッパ52は、集塵設備51で生成ガスから分離されたチャーを貯留するものである。なお、集塵設備51と供給ホッパ52との間にビンを配置し、このビンに複数の供給ホッパ52を接続するように構成してもよい。そして、供給ホッパ52からのチャー戻しライン46が第2窒素供給ライン45に接続されている。
ガス精製設備16は、チャー回収設備15によりチャーが分離された生成ガスに対して、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物を取り除くことで、ガス精製を行うものである。そして、ガス精製設備16は、生成ガスを精製して燃料ガスを製造し、これをガスタービン17に供給する。なお、チャーが分離された生成ガス中にはまだ硫黄分(HSなど)が含まれているため、このガス精製設備16では、アミン吸収液などによって硫黄分を除去回収して、有効利用する。
ガスタービン17は、圧縮機61、燃焼器62、タービン63を備えており、圧縮機61とタービン63とは、回転軸64により連結されている。燃焼器62には、圧縮機61からの圧縮空気供給ライン65が接続されると共に、ガス精製設備16からの燃料ガス供給ライン66が接続され、また、タービン63に向かって延びる燃焼ガス供給ライン67が接続されている。また、ガスタービン17は、圧縮機61からガス化炉設備14に延びる圧縮空気供給ライン41が設けられており、中途部に昇圧機68が設けられている。従って、燃焼器62では、圧縮機61から供給された圧縮空気の一部とガス精製設備16から供給された燃料ガスの少なくとも一部とを混合して燃焼させることで燃焼ガスを発生させ、発生させた燃焼ガスをタービン63へ向けて供給する。そして、タービン63は、供給された燃焼ガスにより回転軸64を回転駆動させることで発電機19を回転駆動させる。
蒸気タービン18は、ガスタービン17の回転軸64に連結されるタービン69を備えており、発電機19は、この回転軸64の基端部に連結されている。排熱回収ボイラ20は、ガスタービン17(タービン63)からの排ガスライン70が接続されており、排熱回収ボイラ20への給水とタービン63の排ガスとの間で熱交換を行うことで、蒸気を生成するものである。そして、排熱回収ボイラ20は、蒸気タービン18のタービン69との間に蒸気供給ライン71が設けられると共に蒸気回収ライン72が設けられ、蒸気回収ライン72に復水器73が設けられている。また、排熱回収ボイラ20で生成する蒸気には、ガス化炉101のシンガスクーラ102で生成ガスと熱交換して生成された蒸気を含んでもよい。従って、蒸気タービン18では、排熱回収ボイラ20から供給された蒸気によりタービン69が回転駆動し、回転軸64を回転させることで発電機19を回転駆動させる。
そして、排熱回収ボイラ20の出口から煙突75までには、ガス浄化設備74を備えている。
ここで、本実施形態の石炭ガス化複合発電設備10の作動について説明する。
本実施形態の石炭ガス化複合発電設備10において、給炭設備11に原炭(石炭)が供給されると、石炭は、給炭設備11において細かい粒子状に粉砕されることで微粉炭となる。給炭設備11で製造された微粉炭は、空気分離設備42から供給される窒素により第1窒素供給ライン43を流通してガス化炉設備14に供給される。また、後述するチャー回収設備15で回収されたチャーが、空気分離設備42から供給される窒素により第2窒素供給ライン45を流通してガス化炉設備14に供給される。更に、後述するガスタービン17から抽気された圧縮空気が昇圧機68で昇圧された後、空気分離設備42から供給される酸素と共に圧縮空気供給ライン41を通してガス化炉設備14に供給される。
ガス化炉設備14では、供給された微粉炭及びチャーが圧縮空気(酸素)により燃焼し、微粉炭及びチャーがガス化することで、生成ガスを生成する。そして、この生成ガスは、ガス化炉設備14から生成ガスライン49を通って排出され、チャー回収設備15に送られる。
このチャー回収設備15にて、生成ガスは、まず、集塵設備51に供給されることで、生成ガスに含有する微粒のチャーが分離される。そして、チャーが分離された生成ガスは、ガス排出ライン53を通してガス精製設備16に送られる。一方、生成ガスから分離した微粒のチャーは、供給ホッパ52に堆積され、チャー戻しライン46を通ってガス化炉設備14に戻されてリサイクルされる。
チャー回収設備15によりチャーが分離された生成ガスは、ガス精製設備16にて、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物が取り除かれてガス精製され、燃料ガスが製造される。圧縮機61が圧縮空気を生成して燃焼器62に供給する。この燃焼器62は、圧縮機61から供給される圧縮空気と、ガス精製設備16から供給される燃料ガスとを混合し、燃焼することで燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスによりタービン63を回転駆動することで、回転軸64を介して圧縮機61及び発電機19を回転駆動する。このようにして、ガスタービン17は発電を行うことができる。
そして、排熱回収ボイラ20は、ガスタービン17におけるタービン63から排出された排ガスと排熱回収ボイラ20への給水とで熱交換を行うことにより蒸気を生成し、この生成した蒸気を蒸気タービン18に供給する。蒸気タービン18では、排熱回収ボイラ20から供給された蒸気によりタービン69を回転駆動することで、回転軸64を介して発電機19を回転駆動し、発電を行うことができる。
なお、ガスタービン17と蒸気タービン18は同一軸として1つの発電機19を回転駆動しなくてもよく、別の軸として複数の発電機を回転駆動しても良い。
その後、ガス浄化設備74では、排熱回収ボイラ20から排出された排気ガスの有害物質が除去され、浄化された排気ガスが煙突75から大気へ放出される。
次に、図1及び図2を参照して、上述した石炭ガス化複合発電設備10におけるガス化炉設備14について詳細に説明する。図2は、図1のガス化炉設備を示した概略構成図である。
ガス化炉設備14は、図2に示すように、ガス化炉101と、シンガスクーラ102と、を備えている。
ガス化炉101は、鉛直方向に延びて形成されており、鉛直方向の下方側に微粉炭及び酸素が供給され、部分燃焼させてガス化した生成ガスが鉛直方向の下方側から上方側に向かって流通している。ガス化炉101は、圧力容器110と、圧力容器110の内部に設けられるガス化炉壁111とを有している。そして、ガス化炉101は、圧力容器110とガス化炉壁111との間の空間にアニュラス部115を形成している。また、ガス化炉101は、ガス化炉壁111の内部の空間において、鉛直方向の下方側(つまり、生成ガスの流通方向の上流側)から順に、コンバスタ部116、ディフューザ部117、リダクタ部118を形成している。
圧力容器110は、内部が中空空間となる筒形状に形成され、上端部にガス排出口121が形成される一方、下端部(底部)にスラグ水貯留部122(図2中では詳細な構成を省略して示す)が形成されている。ガス化炉壁111は、内部が中空空間となる筒形状に形成され、その壁面が圧力容器110の内面と対向して設けられている。本実施形態では圧力容器110は円筒形状で、ガス化炉壁111のディフューザ部117も円筒形状に形成されている。そして、ガス化炉壁111は、図示しない支持部材により圧力容器110内面に連結されている。
ガス化炉壁111は、圧力容器110の内部を内部空間144と外部空間146に分離する。ガス化炉壁111は、横断面形状がコンバスタ部116とリダクタ部118との間のディフューザ部117で変化する形状とされている。ガス化炉壁111は、鉛直上方側となるその上端部が、圧力容器110のガス排出口121に接続され、鉛直下方側となるその下端部が圧力容器110の底部と隙間を空けて設けられている。そして、圧力容器110の底部に形成されるスラグ水貯留部122には、貯留水が溜められており、ガス化炉壁111の下端部が貯留水に浸水することで、ガス化炉壁111の内外を封止している。ガス化炉壁111には、バーナ126、127が挿入され、内部空間144にシンガスクーラ102が配置されている。
アニュラス部115は、圧力容器110の内側とガス化炉壁111の外側に形成された空間、つまり外部空間146であり、空気分離設備42で分離された不活性ガスである窒素が、図示しない窒素供給ラインを通って供給される。このため、アニュラス部115は、窒素が充満する空間となる。なお、このアニュラス部115の鉛直方向の上部付近には、ガス化炉101内を均圧にするための図示しない炉内均圧管が設けられている。炉内均圧管は、ガス化炉壁111の内外を連通して設けられ、ガス化炉壁111の内部(コンバスタ部116、ディフューザ部117及びリダクタ部118)と外部(アニュラス部115)との圧力差を所定圧力以内となるよう略均圧にしている。
コンバスタ部116は、微粉炭及びチャーと空気とを一部燃焼させる空間となっており、コンバスタ部116におけるガス化炉壁111には、複数のバーナ126からなる燃焼装置が配置されている。コンバスタ部116で微粉炭及びチャーの一部を燃焼した高温の燃焼ガスは、ディフューザ部117を通過してリダクタ部118に流入する。
リダクタ部118は、ガス化反応に必要な高温状態に維持されコンバスタ部116からの燃焼ガスに微粉炭を供給し部分燃焼させて、微粉炭を揮発分(一酸化炭素、水素、低級炭化水素等)へと分解してガス化されて生成ガスを生成する空間となっており、リダクタ部118におけるガス化炉壁111には、複数のバーナ127からなる燃焼装置が配置されている。
シンガスクーラ102は、ガス化炉壁111の内部に設けられると共に、リダクタ部118のバーナ127の鉛直方向の上方側に設けられている。シンガスクーラ102は熱交換器であり、ガス化炉壁111の鉛直方向の下方側(生成ガスの流通方向の上流側)から順に、蒸発器(エバポレータ)131、過熱器(スーパーヒータ)132、節炭器(エコノマイザ)134が配置されている。これらのシンガスクーラ102は、リダクタ部118において生成された生成ガスと熱交換を行うことで、生成ガスを冷却する。また、蒸発器(エバポレータ)131、過熱器(スーパーヒータ)132、節炭器(エコノマイザ)134は、図に記載されたその数量を限定するものではない。
ここで、上述のガス化炉設備14の動作について説明する。
ガス化炉設備14のガス化炉101において、リダクタ部118のバーナ127により窒素と微粉炭が投入されて点火されると共に、コンバスタ部116のバーナ126により微粉炭及びチャーと圧縮空気(酸素)が投入されて点火される。すると、コンバスタ部116では、微粉炭とチャーの燃焼により高温燃焼ガスが発生する。また、コンバスタ部116では、微粉炭とチャーの燃焼により高温ガス中で溶融スラグが生成され、この溶融スラグがガス化炉壁111へ付着すると共に、炉底へ落下し、最終的にスラグ水貯留部122内の貯水へ排出される。そして、コンバスタ部116で発生した高温燃焼ガスは、ディフューザ部117を通ってリダクタ部118に上昇する。このリダクタ部118では、ガス化反応に必要な高温状態に維持されて、微粉炭が高温燃焼ガスと混合し、高温の還元雰囲気において微粉炭を部分燃焼させてガス化反応が行われ、生成ガスが生成される。ガス化した生成ガスが鉛直方向の下方側から上方側に向かって流通する。
[スラグ水系統]
次に、図3を示してガス化炉設備14のスラグ水系統(スラグ水濾過循環システム)1について説明する。
図3に示されているように、ガス化炉101内で微粉炭がガス化される際に、スラグ(固形物)が生成される。スラグは、約1800℃~約2000℃の顕熱を有しており、重力により下方に落下する。
ガス化炉101の下方には、スラグ水(懸濁液)が貯留されたスラグ水貯留部122が設けられている。スラグ水貯留部122は、ガス化炉101に連通して接続されている。したがって、スラグ水貯留部122内の圧力は、ガス化炉101と同様に加圧状態とされており、例えば3~4MPa(ゲージ圧)とされる。
スラグ水貯留部122には、石炭がガス化される際に生じたスラグが導かれる。スラグ水貯留部122には、スラグを粉砕するスラグクラッシャ78が設けられている。スラグクラッシャ78によって粉砕されたスラグは、スラグ水貯留部122の下方へ沈降し、底部に集積される。
スラグ水貯留部122の底部には、水力輸送配管(スラグ取出部)79の吸込口が配置されている。水力輸送配管79によって、スラグがスラグ水とともにスラグ水貯留部122の外部へと取り出される。
水力輸送配管79の下流端は、スラグサイクロン(スラグ分離部)80が接続されている。スラグサイクロン80は、遠心力によって粗粒スラグが除去された清浄スラグ水と、粗粒スラグを含むスラグ水へと分離する。スラグサイクロン80にて分離されたスラグ水(粗粒スラグが除去されていないスラグ水)は、下方へと導かれ、スラグロックホッパ81にて一時的に貯留された後に、スラグ分配器82を介してスラグ脱水貯留槽83へと導かれる。スラグサイクロン80とスラグロックホッパ81との間には第1スラグ排出弁84が設けられ、スラグロックホッパ81とスラグ分配器82との間には第2スラグ排出弁85が設けられている。スラグを排出する際は、第1スラグ排出弁84を開から閉とした後に、第2スラグ排出弁85を閉から開とする。これにより、スラグロックホッパ81内のスラグがスラグ分配器82へと導かれる。
スラグ分配器82には、スプレー水が供給されるようになっている。これにより、スラグとともに導かれたスラグ水がフラッシュすることを防止し、スラグ水が系外へ放出されることを可及的に回避している。
スラグ分配器82からスラグ脱水貯留槽83へとスラグが導かれ、脱水された後の粗粒スラグが車両86によって回収される。スラグ脱水貯留槽83にて分離された粗粒が除去された微粒スラグを含むスラグ水は、スラグ排水ピット88へと導かれる。スラグ排水ピット88へと導かれたスラグ水は、スラグ水濾過機給水ポンプ89によって懸濁液濾過機(スラグ水濾過機)151に導かれ、スラグ水濾過機151にてスラグ水が濾過される。スラグ水濾過機151にてスラグを捕獲された濾過水は、スラグ水濾過タンク90に導かれた後、スラグ濾過水給水ポンプ91によってスラグ水貯留部122側へと導かれる。
スラグサイクロン80にて分離された清浄スラグ水(粗粒スラグが除去されたスラグ水)は、スラグ水返送配管(スラグ水返送部)94を通り、スラグ水循環ポンプ95へと導かれる。スラグ水循環ポンプ95の上流側で、スラグ濾過水給水ポンプ91から導かれた濾過水が合流する。
また、スラグサイクロン80で分離された清浄スラグ水は、微粒スラグを含んだまま循環するため、スラグ水返送配管(スラグ水返送部)94への微粒スラグの蓄積を抑制する目的でスラグ水返送配管(スラグ水返送部)94に流量調整弁97および流量計98を設けて所定流量の清浄スラグ水を清浄スラグ水給水ライン99からスラグ排水ピット88へ導き、スラグ水濾過機151でさらに濾過されるとより好ましい。
スラグ濾過水給水ポンプ91から導かれた濾過水は、スラグサイクロン80にて分離されてスラグ水返送配管(スラグ水返送部)94から導かれた清浄スラグ水と合流して、スラグ水循環ポンプ95を通り、スラグ水冷却器(スラグ水熱回収部)96へと導かれる。スラグ水冷却器96は、水と水とが熱交換する熱交換器となっている。スラグ水冷却器96で得られた熱を熱源として、生成ガス中の不純物を除去する際に所定の熱量を必要とするガス精製設備16に供給することとし、石炭ガス化複合発電設備10の熱効率を向上させる。
なお、スラグ水循環ポンプ95及びスラグ水冷却器96は、本実施形態では、それぞれ並列に2つ設けられているが、個数に限定されることなくそれぞれ1つとしても良い。
[懸濁液濾過機]
次に、本実施形態に係る懸濁液濾過機について、図4~図6Fを示して説明する。
図4は、本実施形態の懸濁液濾過機の構成を示す斜視図である。本実施形態に係る懸濁液濾過機は、図3のスラグ水濾過機151に適用される。
図4に示されるように、スラグ水濾過機151は、濾過対象であるスラグ水(懸濁液)を貯水可能な直方体状の水槽152を備えている。水槽152には、スラグ水が水槽152の上方側から供給され(図4の紙面左側の太矢印で示す)、内部に貯留される。なお、図4中の白抜き三角は、水槽152内に貯留されたスラグ水の水位を示す。
この水槽152内には、スラグ水中に含まれるスラグ(固形物)Sを捕獲する直方体状の濾過フィルタ(濾布)153が複数(本実施例では、例えば2つ)、水槽152の濾過フィルタ153長手方向に沿って平行に設置されている。濾過フィルタ153は、例えばパイプ等の枠材で構成される立方四角形の枠体に対し、この枠体の周囲を覆うように濾過フィルタ153の生地を取り付けた構成となっている。即ち、濾過フィルタ153の内部は空洞となっている。濾過フィルタ153にてスラグSを捕獲された濾過水は、濾過フィルタ153の内部の空洞に導かれる。濾過フィルタ153の高さ(水槽152の高さ方向における長さ)は、特に限定されないが、処理するスラグ水と機器の設置スペースにもよるが、好ましくは0.5~2mであり、例えば約1mである。
濾過フィルタ153の底部には、スラグSを捕獲された濾過水を集水するための集水管154が濾過フィルタ153の濾過フィルタ153長手方向に沿って設けられている。集水管154の一端は、集水器155に接続されており、スラグSが捕獲された濾過水は、集水管154を介して集水器155に集められ、後流側の装置へ送水される。
水槽152内には、水槽152の高さ方向に沿って直線状に伸びるように濾過フィルタ153の数量に合せた洗浄管156が濾過フィルタ153の間に挟まれるように設けられている。洗浄管156には、濾過フィルタ153を洗浄するための洗浄液(洗浄水)Cが一端側より導入される。なお、洗浄管156の他端側は塞がれており、洗浄管156の他端側からは洗浄液Cは噴射しない。
洗浄管156には、複数の洗浄ノズル157(材質:例えばSUS304等)が、洗浄管156の軸長手方向に沿って直線状に並んで等間隔で設けられている。ここで、「直線状」とは、複数の洗浄ノズル157が厳密に一直線上に設けられていることを意味するものではない。具体的には、「直線状」には、隣接する洗浄ノズル157間において、一方の洗浄ノズル157から噴射される洗浄液Cが、他方の洗浄ノズル157から噴射される洗浄液Cに干渉しない範囲で凡そ直線状に設けられている場合も含まれる。
水槽152の上部には、水槽152の上部側に設けられ、上部を図4の紙面左右方向に移動する台車158が設けられている。台車158は不図示の移動装置と複数の車輪159とを備えており、水槽152上に配設された不図示のレールに沿って所定の速度で自動での往復移動が可能な構成となっている。また、台車158の一端側(台車158と洗浄管156との間)には、台車158と洗浄管156とを接続する脱着可能なフランジ160が設けられている。また、台車158の他端側には、フレキ管161を介して給水ポンプ162が接続されており、台車158が移動中でも給水ポンプ162によって洗浄管156に洗浄液Cが供給される。
次に、図5を示して本実施形態の洗浄管156の構成についてより詳しく説明する。図5は、図4のスラグ水濾過機151における洗浄管156の洗浄ノズル157から洗浄液Cが噴射される状態を示す正断面図である。
なお、図5は、洗浄ノズル157の噴出孔163,163’から噴射される洗浄液Cの噴射方向と直交する方向から視たものである。
洗浄管156に設けられた複数の洗浄ノズル157のそれぞれには、一対の噴出孔163,163’が水平両方向に洗浄液Cが噴射されるように形成されている。一対の噴出孔163,163’からは、洗浄液Cがそれぞれの噴出孔163,163’に対向する濾過フィルタ153に噴射されるように構成されている。洗浄液Cは、噴出孔163,163’から濾過フィルタ153に向かって扇形状に広がって略均一に噴射される。図5中の丸Dで囲った部分に示すように、正断面視すると、1つの洗浄ノズル157から扇形状に噴射された洗浄液Cは、隣接する洗浄ノズル157から噴射された洗浄液Cの端部と重なっているように見える。しかし、実際には図5では噴出孔163,163’は紙面前後で離れているので、1つの洗浄ノズル157から扇形状に噴射された洗浄液Cが、隣接する洗浄ノズル157から噴射された洗浄液Cの端部と重なることはない。
濾過フィルタ153へ噴射される洗浄液Cの打力は、噴出角が広くなるために噴出圧力が低いほど、そして洗浄ノズル157と濾過フィルタ153との距離が長いほど小さくなる。一方、洗浄ノズル157と濾過フィルタ153との距離が限られる(短い)条件においては、できるだけ少ない水量でスラグ除去に必要な打力を濾過フィルタ153全体に確保する必要がある。濾過フィルタ153への噴射面積及び濾過フィルタ153の洗浄効果を考慮すると、噴出孔163,163’から噴射される洗浄液Cの噴出角(図5中に示す扇形の角度R)は、例えば80°から100°程度に設定すればよい。なお、打力や噴出角は、洗浄液Cの水圧等で調整すればよい。
次に、図6A~図6Fを示して、本実施形態の洗浄管及び洗浄ノズルの構成についてより具体的に説明する。
図6Aは本実施形態の懸濁液濾過機における洗浄管の斜視図である。
図6Aに示すように、洗浄管156には、複数の洗浄ノズル157が、洗浄管156の軸長手方向に沿って直線状に並んで、例えば等間隔で設けられている。洗浄ノズル157を設ける間隔(ピッチ)は、特に限定されないが、例えば40~55mmピッチであり、さらに好ましくは約50mmピッチである。また、1本の洗浄管156に対して設ける洗浄ノズル157の個数は、特に限定されないが、できるだけ少ない方が好ましく、好ましくは20~25個であり、例えば洗浄管長さが1mあたり20個である。
図6Bは、図6Aにおいて矢印Nで示す洗浄ノズルの正断面図である。
図6Bに示すように、円筒状の洗浄ノズル157には、洗浄液Cを噴射するための一対の噴出孔163,163’が正断面視で左右両側に設けられている。
なお、上記の正断面視は、洗浄ノズル157の噴出孔163,163’から噴射される洗浄液Cの噴射方向と直交する方向から視たものである。また、図6B中のハッチングは洗浄ノズル157の管厚を示す。
次に、図6C及び図6Dを示して、隣接する洗浄ノズル157間における噴出孔の位置関係についてより具体的に説明する。図6Cは、図6Aにおける洗浄管156及び洗浄ノズル157のA-A断面図であり、図6Dは、図6Aにおける洗浄管156及び洗浄ノズル157のB-B断面図である。図6Cと図6Dは、互いに隣接する洗浄ノズル157である。
図6Cに示す洗浄ノズル157においては、洗浄ノズル157の軸長手方向に直交する方向においてずれるように一対の噴出孔163,163’が形成されている。具体的には、噴出孔163’の方が噴出孔163よりも洗浄管156側に近い位置に形成されている。
図6Dに示す洗浄ノズル157においても、洗浄ノズル157の軸長手方向に直交する方向においてずれるように一対の噴出孔163,163’が形成されている。ただし、図6Cに示す洗浄ノズル157とは異なり、図6Dに示す洗浄ノズル157においては、噴出孔163の方が噴出孔163’よりも洗浄管156側に近い位置に形成されている。
図6Aに示す洗浄管156においては、洗浄管156の軸長手方向に沿って、図6Cに示す洗浄ノズル157と図6Dに示す洗浄ノズル157とが交互に設けられている。即ち、図6Aに示す洗浄管156においては、隣接する洗浄ノズル157間で洗浄液Cの噴射方向がずれるように、洗浄ノズル157の軸長手方向において一対の噴出孔163,163’が千鳥状に形成されるように構成されている。したがって、図5に示すように、正断面視では、図5中の丸Dで囲った部分の通り、噴射された洗浄液Cの端部が重なって見えるものの、奥行方向の位置(紙面垂直方向)はそれぞれずれている。従って、隣接する洗浄ノズル157間においては、一方の洗浄ノズル157から噴射される洗浄液Cは、他方の洗浄ノズル157から噴射される洗浄液Cに干渉しない。
次に、図6E及び図6Fを示して、本実施形態で使用する洗浄ノズルの構成について説明する。図6Eは、図6Aにおいて矢印Nで示す洗浄ノズルの上視図であり、図6Fは、図6Aにおいて矢印Nで示す洗浄ノズルの側面図である。
図6E及び図6Fに示す通り、洗浄ノズル157においては、上視したときに、洗浄ノズル157の軸長手方向に直交する方向においてずれるように一対の噴出孔163,163’が形成されている。洗浄ノズル157はノズル取付部164を備えており、ノズル取付部164を介して洗浄管156への接続ができるようになっている。
なお、洗浄時の洗浄時間は、例えば台車158の移動速度と往復回数を調整することで決定される。洗浄時間の調整に当たっては、濾過するスラグ水のスラグ濃度、濾過フィルタ153の汚れ度合、濾過フィルタ153への損傷等が発生しない条件を考慮し、洗浄液Cの水圧との関係を考慮して設定するのが良い。
濾過フィルタ153の洗浄を行うタイミングは、特に限定されないが、例えば所定時間を選定して数時間毎(例えば、8時間毎や12時間毎等)に定期的に行えばよい。また、スラグ水濾過機151を透過する水量や濾過フィルタ153前後の圧力損失を測定し、測定した数値が所定の閾値を上回った段階で洗浄を行う態様としてもよい。
上記のような洗浄時間や洗浄のタイミングの制御や台車158の移動速度と往復回数などは、制御部165によって自動で制御する態様としてもよい。この制御部165は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータで読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータで読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
〔懸濁液濾過方法〕
次に、本開示の懸濁液濾過方法の一例について説明する。
本開示の懸濁液濾過方法は、上述のスラグ水濾過機(懸濁液濾過機)151を用いた懸濁液濾過方法である。この懸濁液濾過方法は、洗浄管156に洗浄液Cを導入して、一対の噴出孔163,163’から濾過フィルタ153に洗浄液Cを噴き付けて濾過フィルタ153の洗浄を行う洗浄工程を含む。
なお、以下では、図4に示すスラグ水濾過機151において、本開示の懸濁液濾過方法(スラグ水濾過方法)を適用する場合を一例として説明するが、これに限定されない。
(洗浄工程)
洗浄工程を行うに当たり、予め水槽152内からスラグ水を抜いておく。洗浄工程においては、洗浄管156に洗浄液Cを導入して、一対の噴出孔163,163’から濾過フィルタ153に洗浄液Cを噴き付けて濾過フィルタ153の洗浄を行う。このとき、洗浄管156は台車158に取り付けられていて、台車158の移動速度と往復回数で洗浄時間を設定することができる。
なお、洗浄工程を行うタイミングは、特に限定されず、例えば上述したように所定時間を選定して数時間毎に定期的に行ってもよい。また、スラグ水濾過時に濾過フィルタ153前後の圧力損失等を随時確認し、濾過フィルタ153前後の圧力損失が所定の閾値を超えるなどの判断情報を入手して、濾過フィルタ153の洗浄が必要と判断されたタイミングで実行する態様としてもよい。
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態のスラグ水濾過機(懸濁液濾過機)151であれば、特に洗浄管156の水平両方向側に濾過フィルタ153が存在する場合においては、洗浄液Cを一方向のみに噴射する噴出孔を備えた洗浄ノズルを設ける場合に比べ、1本の洗浄管156に対して洗浄ノズル157の数を減らすことができる。このように洗浄ノズル157の数を減らすことで、スラグ水濾過機運転時に洗浄ノズル157からの洗浄液Cの噴射が停止していても、スラグ粒(固形粒)や錆等の小さい径の異物によって噴出孔163,163’が詰まる機会を減らすことができて、信頼性が向上する。
また、本実施形態のスラグ水濾過機151においては、それぞれの洗浄ノズル157から噴射される水流は、隣接する他の洗浄ノズル157から噴射される水流に干渉しないため、各洗浄ノズル157から濾過フィルタ153全体へ洗浄液Cを広く均一に噴き付けることができる。従って、洗浄ノズル157の噴出孔163,163’から濾過フィルタ153に対して、洗浄ノズル157を正断面視(洗浄ノズル157の噴出孔163,163’から噴射される洗浄液Cの噴射方向と直交する方向)したときに水流が広角な扇状となるように均一に洗浄液Cを噴射することができる。従って、直線状に濾過フィルタ153に洗浄液Cを噴射した場合に比べて濾過フィルタ153への打力を可能な限り低減させることができる。これにより、濾過フィルタ153が損傷して濾過性能が低下することを抑制できるため、濾過フィルタ153の寿命を向上させることができる。このような本実施形態のスラグ水濾過機151であれば、石炭ガス化複合発電設備10に好適に適用できる。
洗浄管156に設けられた複数の洗浄ノズル157が、洗浄管156の軸長手方向に沿って直線状に並んで等間隔に設けられていることで、各洗浄ノズル157から濾過フィルタ153全体へ洗浄液Cを一層均一に噴き付けることができる。
洗浄管156と台車158とを接続する脱着可能なフランジ160を設けることで、台車158から洗浄管156を容易に脱着可能となる。これにより、洗浄ノズル157にスラグSや錆等が詰まった際にでも、スラグ水濾過機151の上部から容易に洗浄管156が交換可能となる。また、スラグ水濾過機151の運転中で、洗浄管156を使用しない場合には、洗浄管156を取り外しておくことができるため、スラグ水濾過機151の運転中に洗浄管156の洗浄ノズル157にスラグS等が詰ってしまうことを防止することができる。これにより、洗浄管156自体の信頼性を向上し、寿命を向上させることができる。
また、本実施形態のスラグ水濾過循環システム1であれば、上述のスラグ水濾過機151を備えているため、スラグ水濾過機151に備えられている濾過フィルタ153の寿命を向上させることができる。これにより、低コストのスラグ水濾過循環システム1となる。
また、本実施形態のガス化炉101であれば、上述のスラグ水濾過機151を備えているため、スラグ水濾過機151に備えられている濾過フィルタ153の寿命を向上させることができる。これにより、低コストのガス化炉101となる。
また、本実施形態のガス化複合発電設備10であれば、上述のスラグ水濾過機151を備えているため、スラグ水濾過機151に備えられている濾過フィルタ153の寿命を向上させることができる。これにより、低コストのガス化複合発電設備10となる。
また、本実施形態のスラグ水濾過方法(懸濁液濾過方法)は、上記のようなスラグ水濾過機151を用いて濾過フィルタ153を洗浄する洗浄工程を行うため、各洗浄ノズル157から濾過フィルタ153全体へ洗浄液Cを均一に噴き付けることができる。これにより、本実施形態のスラグ水濾過方法であれば、洗浄ノズル157の噴出孔163,163’から濾過フィルタ153に対して、水流が広角な扇状となるように均一に洗浄液Cを噴射することができる。従って、直線状に濾過フィルタ153に洗浄液Cを噴射した場合に比べて濾過フィルタ153への打力を可能な限り低減させることができる。これにより、濾過フィルタ153が損傷して濾過性能が低下することを抑制できるため、濾過フィルタ153の寿命を向上させることができる。また、上記のように、洗浄ノズル157の数が少ないスラグ水濾過機151を用いることができる。これにより、スラグ水濾過機運転時に洗浄ノズル157からの洗浄液Cの噴射が停止していても、スラグ粒(固形粒)や錆等の小さい径の異物によって噴出孔163,163’が詰まる機会を減らして信頼性を向上することができる。このような本実施形態のスラグ水濾過方法であれば、石炭ガス化複合発電設備10に好適に適用できる。
なお、上記実施形態では、微粉炭から可燃性ガスを生成する石炭ガス化炉を備えたIGCCを一例として説明したが、本発明のガス化炉設備は、例えば間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ等のバイオマス燃料など、他の炭素含有固体燃料をガス化するものにも適用可能である。また、本発明のガス化炉設備は、発電用に限らず、所望の化学物質を得る化学プラント用ガス化炉にも適用可能である。
また、上述した実施形態では、燃料として石炭を使用したが、高品位炭や低品位炭など他の炭素含有固体燃料であっても適用可能であり、また、石炭に限らず、再生可能な生物由来の有機性資源として使用されるバイオマスであってもよく、例えば、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などを使用することも可能である。
なお、本実施形態はガス化炉101として、タワー型ガス化炉について説明してきたが、ガス化炉101はクロスオーバー型ガス化炉でも、ガス化炉101内の各機器の鉛直上下方向を生成ガスのガス流れ方向を合わせるように置き換えることで、同様に実施が可能である。
1 スラグ水系統(スラグ水濾過循環システム)
10 石炭ガス化複合発電設備(ガス化複合発電設備)
11 給炭設備
11a 給炭ライン
14 ガス化炉設備
15 チャー回収設備
16 ガス精製設備
17 ガスタービン
18 蒸気タービン
19 発電機
20 排熱回収ボイラ
41 圧縮空気供給ライン
42 空気分離設備
43 第1窒素供給ライン
45 第2窒素供給ライン
46 チャー戻しライン
47 酸素供給ライン
49 生成ガスライン
51 集塵設備
52 供給ホッパ
53 ガス排出ライン
61 圧縮機
62 燃焼器
63 タービン
64 回転軸
65 圧縮空気供給ライン
66 燃料ガス供給ライン
67 燃焼ガス供給ライン
68 昇圧機
69 タービン
70 排ガスライン
71 蒸気供給ライン
72 蒸気回収ライン
73 復水器
74 ガス浄化設備
75 煙突
78 スラグクラッシャ
79 水力輸送配管(スラグ取出部)
80 スラグサイクロン(スラグ分離部)
81 スラグロックホッパ
82 スラグ分配器
83 スラグ脱水貯留槽
84 第1スラグ排出弁
85 第2スラグ排出弁
86 車両
88 スラグ排水ピット
89 スラグ水濾過機給水ポンプ
90 スラグ水濾過タンク
91 スラグ濾過水給水ポンプ
94 スラグ水返送配管(スラグ水返送部)
95 スラグ水循環ポンプ
96 スラグ水冷却器(スラグ水熱回収部)
97 流量調整弁
98 流量計
99 清浄スラグ水給水ライン
101 ガス化炉
102 シンガスクーラ
110 圧力容器
111 ガス化炉壁
115 アニュラス部
116 コンバスタ部
117 ディフューザ部
118 リダクタ部
121 ガス排出口
122 スラグ水貯留部
126 バーナ
127 バーナ
131 蒸発器
132 過熱器
134 節炭器
144 内部空間
146 外部空間
151 スラグ水濾過機(懸濁液濾過機)
152 水槽
153 濾過フィルタ(濾布)
154 集水管
155 集水器
156 洗浄管
157 洗浄ノズル
158 台車
159 車輪
160 フランジ
161 フレキ管
162 給水ポンプ
163,163’ 噴出孔
164 ノズル取付部
165 制御部
C 洗浄液(洗浄水)
R 角度
S スラグ(固形物)

Claims (9)

  1. 濾過対象である懸濁液を貯水可能な水槽と、
    前記水槽内に設置され、前記懸濁液中に含まれる固形物を捕獲する濾過フィルタと、
    前記水槽の高さ方向に沿って直線状に伸びるように前記濾過フィルタに面して設けられるとともに、前記濾過フィルタを洗浄するための洗浄液が導入される洗浄管と、
    を備え、
    前記洗浄管には、複数の洗浄ノズルが、前記洗浄管の軸長手方向に沿って隣接する前記洗浄ノズルから噴射する前記洗浄液の水流に干渉しない位置にそれぞれが設けられており、
    前記複数の洗浄ノズルのそれぞれには、前記複数の洗浄ノズルから前記濾過フィルタの面側に向けて前記洗浄液を水平両方向に噴射するように、一対の噴出孔が形成されており、
    前記一対の噴出孔は、隣接する前記複数の洗浄ノズル間で噴射方向がずれるように前記洗浄ノズルの軸長手方向において千鳥状に形成されている懸濁液濾過機。
  2. 前記固形物はスラグであり、前記懸濁液は前記スラグを含むスラグ水である請求項1に記載の懸濁液濾過機。
  3. 前記洗浄管に設けられた複数の前記洗浄ノズルは、前記洗浄管の軸長手方向に沿って直線状に並んで等間隔に設けられている請求項2に記載の懸濁液濾過機。
  4. 前記水槽の鉛直方向上部側に設けられ、前記水槽の上部を前記濾過フィルタ長手方向に往復移動する台車と、
    該台車と前記洗浄管とを接続する脱着可能なフランジと、を備える請求項2又は請求項3に記載の懸濁液濾過機。
  5. 前記スラグ水が貯留されるスラグ水貯留部と、
    該スラグ水貯留部に導かれた前記スラグを前記スラグ水とともに取り出すスラグ取出部と、
    該スラグ取出部に接続されるとともに清浄スラグ水と前記スラグを含む前記スラグ水とに分離するスラグ分離部と、
    該スラグ分離部から分離及び排出された前記スラグ水と前記清浄スラグ水の少なくとも一部を濾過する請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の懸濁液濾過機と、
    該懸濁液濾過機にて前記スラグを捕獲された濾過水を前記清浄スラグ水と混合して前記スラグ水貯留部に返送するスラグ水返送部と、
    を備えるスラグ水濾過循環システム。
  6. 請求項5に記載のスラグ水濾過循環システムを備え、
    炭素含有固体燃料を加圧下で加熱してガス化するガス化炉。
  7. 請求項6に記載のガス化炉と、
    前記ガス化炉で生成した生成ガスの少なくとも一部を燃焼させることで回転駆動するガスタービンと、
    前記ガスタービンから排出されるタービン排ガスを導入する排熱回収ボイラで生成した蒸気により回転駆動する蒸気タービンと、
    前記ガスタービンおよび/または前記蒸気タービンの回転駆動に連結された発電機と、
    を備えるガス化複合発電設備。
  8. 濾過対象である懸濁液を貯水可能な水槽と、前記水槽内に設置され、前記懸濁液中に含まれる固形物を捕獲する濾過フィルタと、前記水槽の高さ方向に沿って直線状に伸びるように前記濾過フィルタに面して設けられるとともに、前記濾過フィルタを洗浄するための洗浄液が導入される洗浄管と、を備え、前記洗浄管には、複数の洗浄ノズルが、前記洗浄管の軸長手方向に沿って隣接する前記洗浄ノズルから噴射する前記洗浄液の水流に干渉しない位置にそれぞれが設けられており、前記複数の洗浄ノズルのそれぞれには、前記複数の洗浄ノズルから前記濾過フィルタの面側に向けて前記洗浄液を水平両方向に噴射するように、一対の噴出孔が形成されており、前記一対の噴出孔は、隣接する前記複数の洗浄ノズル間で噴射方向がずれるように前記洗浄ノズルの軸長手方向において千鳥状に形成されている懸濁液濾過機を用いた懸濁液濾過方法において、
    前記洗浄管に前記洗浄液を導入して、前記一対の噴出孔から前記濾過フィルタに前記洗浄液を噴き付けて前記濾過フィルタの洗浄を行う洗浄工程を含む懸濁液濾過方法。
  9. 前記固形物はスラグであり、前記懸濁液は前記スラグを含むスラグ水である請求項8に記載の懸濁液濾過方法。
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