JP6952981B2 - 調理麺用蕎麦粉の品質改質方法 - Google Patents

調理麺用蕎麦粉の品質改質方法 Download PDF

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Description

本発明は、茹でてから喫食するまでに時間が経過する場合であっても調理麺の食感の低下の抑制又は食感を向上させることができる調理麺用穀物粉の品質改質方法、その方法で得られた調理麺用穀物粉及びその穀物粉を用いて調理された調理麺に関する。
家事の簡便化や時間短縮のニーズ、さらに核家族化による家庭内での調理技術の伝承の希薄化が進んでいる現在、予め調理された調理食品や惣菜への需要が伸びている。そうした調理食品や総菜は、コンビニエンスストアをはじめスーパーや百貨店でも販売されている。
調理された焼きそば、うどん、そば、スパゲッティ等の調理麺には多くの需要があり、これら調理麺は穀物を粉砕した穀物粉(主にそば粉等)を原料としている。従来、うどん、そば等の麺類は、小麦粉、そば粉、澱粉等の製麺用粉を主原料とし、これに食塩や水を加えて作られる。茹でたての麺類は、見た目がみずみずしく、硬さ、弾力、粘性等の食感も良い。
しかし、お湯を通さずにそのまま食べることができる調理麺、レンジアップして食べる調理麺、又は、小分け包装して販売されていて家庭等でお湯を通して食べることができる茹で麺は、工場で茹でてから出荷した後に消費者が購入して喫食するまで12〜48時間程度は少なくとも経過する。そのため、調理麺や茹で麺(以下これらを合わせて「調理麺」と略す。)は、時間の経過と共に、澱粉の老化、麺表面と中心部との水分勾配の均一化、等々が起こる。その結果、麺の硬さが増したり、弾性、粘性、なめらかさが減少したりする等の食感が低下し易く、茹でたての食感とは異なってくる。従来、このような欠点を改善するために、一般的には、小麦グルテン、卵白粉末、加工でんぷん、酵素製剤等の添加剤を加えている。しかしながら、それら添加剤の使用によっても、食感の低下を抑制することが十分ではなかった。
なお、本出願人により出願された特許文献1は、保存中に品質が劣化した穀物の品質改善方法を提供するものであり、穀物の表面に酸素ナノバブル水で処理し、その後に過熱水蒸気で処理する方法が提案されている。
特開2011−55794号公報
本発明の目的は、茹でてから喫食するまでに時間が経過する場合であっても調理麺の食感の低下の抑制又は食感を向上させることができる調理麺用穀物粉の品質改質方法、その方法で得られた調理麺用穀物粉及びその穀物粉を用いて調理された調理麺を提供することにある。
(1)本発明に係る調理麺用穀物粉の品質改質方法は、穀物に180℃以上300℃以下の範囲内の過熱水蒸気を接触させ、その後に粉砕することを特徴とする。
この発明によれば、穀物に180℃〜300℃の範囲内の過熱水蒸気を接触させ、その後に粉砕するので、特に高温での過熱水蒸気によって処理時間を短縮することができる。さらに、処理した後の穀物を粉砕した穀物粉で調理麺を製造することにより、茹でてから喫食するまでに時間(例えば24〜48時間程度)が経過した場合であっても、硬さの顕著な増加、弾性、粘性、なめらかさの減少等の食感の低下の抑制又は食感を向上させることができる。なお、特許文献1では、保存中に品質が劣化した穀物に対して酸素ナノバブル水と過熱水蒸気で処理することにより、調理麺の原料となる穀物の品質を改善しているが、本発明では、穀物に対して特許文献1とは異なる条件で過熱水蒸気で処理し、その後に粉砕した穀物粉で調理麺を作製することにより、茹でてから喫食するまでに時間が経過する場合であっても調理麺の食感の低下の抑制又は食感を向上させている。
本発明に係る調理麺用穀物粉の品質管理方法において、前記穀物は、水で処理したものであることが好ましい。この発明によれば、水を接触させた穀物を用いることにより、茹でてから喫食するまでに時間が経過した場合であっても食感の低下の抑制又は食感をより向上させる調理麺用穀物粉とすることができる。この水は、マイクロナノバブル水であることが好ましい。
本発明に係る調理麺用穀物粉の品質改質方法において、前記過熱水蒸気の接触は、前記過熱水蒸気の噴流を流した管の中を前記穀物を通過させて行う。この発明によれば、過熱水蒸気の噴流を流した管の中を穀物を通過させて接触させるので、過熱水蒸気の噴流の速度をコントロールすることにより、その噴流で送られる穀物と過熱水蒸気との接触時間を調整することができる。
本発明に係る調理麺用穀物粉の品質改質方法において、前記過熱水蒸気と前記穀物とを接触させる時間は、前記管の長さと、該管内を流す噴流の圧力とで調整して5秒以下の範囲とすることが好ましい。
本発明に係る調理麺用穀物粉の品質改質方法において、前記穀物は、蕎麦、小麦、米、大麦、雑穀、トウモロコシから選ばれる1種又は2種以上の穀物である。
(2)本発明に係る調理麺用穀物粉は、上記本発明に係る調理麺用穀物粉の品質改質方法で得られたことを特徴とする。
(3)本発明に係る調理麺は、上記本発明に係る調理麺用穀物粉の品質改質方法で得られた調理麺用穀物粉で調理したことを特徴とする。この調理麺は、未処理の穀物粉に比べて、最大荷重とひずみ率がいずれも1倍以上である。
本発明によれば、品質改質された調理麺用穀物粉で調理した調理麺は、得られた茹でてから喫食するまでに時間が経過する場合であっても調理麺の食感の低下の抑制又は食感を向上させることができる。
以下、本発明に係る調理麺用穀物粉の品質改質方法、品質改質された調理麺用穀物粉、及びその調理麺用穀物粉で調理された調理麺について詳しく説明する。なお、本発明は、以下の実施形態や実施例だけに限定されず、その要旨を含む範囲を包含する。
[調理麺用穀物粉の品質改質方法]
本発明に係る調理麺用穀物粉の品質改質方法は、穀物に180℃以上300℃以下の範囲内の過熱水蒸気を接触させ、その後に粉砕することを特徴とする。なお、この発明は、「品質改善された調理麺用穀物粉の製造方法」ということができる。この品質改質方法では、特に高温(180℃以上300℃以下)での過熱水蒸気によって処理時間の短縮化(例えば5秒以下)させることができる点で有利である。さらに、処理した後の穀物粉で調理麺を製造することにより、茹でてから喫食するまでに時間(例えば24〜48時間程度)が経過した場合であっても、硬さの顕著な増加、弾性、粘性、なめらかさの減少等の食感の低下の抑制又は食感を向上させることができる。
また、本発明に係る調理麺用穀物粉は、上記品質改質方法で処理された調理麺用穀物粉であり、本発明に係る調理麺は、上記品質改質方法で処理された調理麺用穀物粉で調理された調理麺である。
以下、本発明の構成を詳しく説明する。
(穀物)
対象となる穀物は、蕎麦、小麦、米、大麦、雑穀及びトウモロコシから選ばれる1種又は2種以上の穀物である。これらの穀物は、単独であってもよいし、2種以上の穀物が混ざっているものであってもよい。本発明に係る品質改質方法は、食感の改善(低下の抑制又は向上)を目的とするものであり、適用対象は、保管期間が長期間経過した穀物でも、収穫直後の穀物のいずれであってもよい。
(過熱水蒸気)
過熱水蒸気は、180℃以上300℃以下の範囲内の蒸気である。この過熱水蒸気を、穀物に対して接触させる。過熱水蒸気の温度をこの範囲内とすることにより、茹でてから喫食するまでに時間が経過する場合であっても調理麺の食感の低下の抑制又は食感を向上させることができる。温度が180℃未満では、食感の低下の抑制や食感の向上が十分に見込めないことがある。温度が300℃を超えた場合には、特に粘性等が低下してしまい、食感の低下を抑制することができないことがある。なお、好ましい温度範囲は、180℃以上、250℃以下の範囲内であり、特に硬さ、弾性、粘性が良くなり、食感をより向上させることができる。なお、過熱水蒸気の温度は、噴射ノズル口の位置で測定したときの温度である。
過熱水蒸気と穀物との接触は、過熱水蒸気の噴流によって行うことが好ましい。過熱水蒸気の噴流は、噴射ノズル等から過熱水蒸気を噴出させて発生させることができる。具体的には、過熱水蒸気の噴流と穀物との接触は、過熱水蒸気の噴流を流した管の中を穀物を通過させて行う。こうすることにより、過熱水蒸気の噴流の速度をコントロールすることにより、その噴流で送られる穀物と過熱水蒸気との接触時間を調整することができる。
過熱水蒸気と穀物とを接触させる時間(接触時間という。)は、前記管の長さと、その管内を流す噴流の圧力とで調整することができる。過熱水蒸気の温度が180℃以上300℃以下の温度であるので、その接触時間は短時間であることが好ましい。「短時間」とは、5秒以下の範囲内であり、好ましくは1秒以下の範囲内のことである。本発明では、180℃以上300℃以下の範囲内の高温の過熱水蒸気を穀物に短時間接触させる。5秒(好ましくは1秒)以下の短時間であるからこそ、180℃以上300℃以下の高温の過熱水蒸気を接触させることができ、その結果、茹でてから喫食するまでに時間が経過する場合であっても調理麺の食感の低下の抑制又は食感の向上に貢献することができる。接触時間が5秒を超えると、長すぎて食感の低下の抑制又は食感の向上に貢献できないことがある。なお、食感の低下の抑制又は食感の向上に貢献できる接触時間の下限は特に限定されず、過熱水蒸気と穀物とが接触すればよく、例えば0.01秒程度のような短い時間であっても接触していればよい。
過熱水蒸気と穀物との接触を過熱水蒸気の噴流を流した管の中で行う場合、接触時間のコントロールは、過熱水蒸気の噴流圧力で調整することができる。例えば穀物100gに対しては、0.1MPa以上1MPa以下の範囲内の過熱水蒸気の噴流によって、穀物100gと過熱水蒸気とを所定時間接触させながら管の中を通過させることができる。こうした噴流圧力で過熱水蒸気を流すとともに、管の長さを規定することにより、穀物と過熱水蒸気とを5秒以下の短時間接触させることができる。なお、管の内径は特に限定されないが、後述する実施例では内径約76mmのものを用いている。
過熱水蒸気の噴流は、噴射ノズルで発生させることが好ましく、その噴流圧力は、ノズル先端口径、噴射量等によって任意に設定することができる。一例として、口径約30mmのノズル先端から過熱水蒸気の噴流を発生する場合には、その噴流圧力を0.1MPa以上1MPa以下の範囲内とすることにより、短時間(5秒以下の範囲内)で所定量(穀物100g)の穀物に接触させることができる。
過熱水蒸気と穀物との接触を上記圧力の過熱水蒸気噴流を流した管の中で行う場合、流す過熱水蒸気の量は特に限定されないが、例えば穀物100gに対して0.1m以上2m以下の範囲内であることが好ましい。穀物100gに対して0.1m未満の場合は、量が少なすぎて食感の低下の抑制又は食感の向上に貢献できないことがある。穀物100gに対して2mを超える場合は、量が多すぎて食感の低下の抑制又は食感の向上に貢献できないことがある。
過熱水蒸気を接触させた後は、冷風冷却して、穀物を冷却させる。その後に粉砕することにより調理麺用穀物粉を得ることができる。粉砕手段は特に限定されず、従来公知の粉砕手段を挙げることができる。例えば、石臼挽き等の粉砕手段を挙げることができる。粉砕された調理麺用穀物粉は、品質改質処理された穀物を粉砕したものであるので、その穀物粉で調理麺を作った場合に、茹でてから喫食するまでに時間が経過しても食感の低下の抑制又は食感を向上させることができる。
(水の接触)
穀物に過熱水蒸気を接触させる前には、穀物に水を接触させておくことが好ましい。このときの水の接触は必要に応じて任意に行われるものであるが、接触させておくことがよい。接触させる水は、上水、純水、脱イオン水、硬水、軟水、特定源泉水等、ナノバブル水、マイクロナノバブル水等、その種類は特に限定されない。後述の実施例ではマイクロナノバブル水を用いているが、もちろんそれに限定されない。水を接触させた穀物は、水を吸って含水状態になる。
なお、マイクロナノバブル水について少し詳しく説明すれば、マイクロナノバブル水は、粒径が50nm以下の気泡が含まれている水であれば特に限定されず、粒径が50nmを超える気泡を含んでいてもよいし、20nm以下の粒径の気泡を含んでいてもよい。こうした微細な気泡を含むマイクロナノバブル水は、穀物への接触性が良好なので好ましく用いることができる。マイクロナノバブル水としては、上市されているものを購入することができ、例えば、株式会社REO研究所製の「ナーガの雫」等を例示できるが、これに限定されない。マイクロナノバブル水は、そのまま用いてもよいし、水に希釈して用いてもよい。水に希釈したマイクロナノバブル水を「マイクロナノバブル水溶液」といい、原料である「マイクロナノバブル水」と区別する。マイクロナノバブル水溶液は、0.5%〜100%の濃度のマイクロナノバブル水を含むものであり、5%〜100%の濃度のマイクロナノバブル水を含むものがより好ましい。なお、100%のマイクロナノバブル水を含むものとは、マイクロナノバブル水の原液である。
水で処理する場合には、穀物の0.01質量%以上10質量%以下の範囲内の処理量で穀物に接触させる。この範囲内で水を接触させることにより、その後に静置し、さらに過熱水蒸気を接触させることによって、茹でてから喫食するまでに時間が経過した場合であっても食感の低下の抑制又は食感をより向上させる調理麺用穀物粉とすることができる。水の処理量が穀物の0.01質量%未満では、穀物の表面に水が行き届かないことがあり、食感の低下の抑制や食感の向上が不十分な場合がある。水の処理量が穀物の10質量%を超えてもよいが、その場合は、既に穀物の表面に水が行き届いているので、食感の低下の抑制効果又は食感の向上効果が飽和し、効果の向上が見込めない。そのため、ここでは、上限を10質量%としている。穀物に対する好ましい処理量は0.1質量%以上5質量%以下の範囲内であり、食感の低下の抑制効果又は食感の向上効果をより安定化させることができる。
処理手段としては、浸漬又は噴霧を挙げることができる。「浸漬」は、処理量を上記範囲内にした水に、穀物を浸漬させることである。「噴霧」は、上記範囲内の処理量の水を、穀物に満遍なく噴霧することである。噴霧は、スプレーノズル等で行うことができる。
水を穀物の表面に接触させた場合、その後は、3時間以上24時間以下の範囲内で静置する。「接触させた後」とは、接触させた状態でという意味であり、浸漬の場合は浸漬した状態での時間であり、噴霧の場合は噴霧した水で湿らせた状態での時間である。したがって、接触させた水が徐々に蒸発等しないように、蓋や樹脂フィルム等で覆っておくことが好ましい。この静置により、水を穀物の表面全体に均一に接触させ、染みこませることができる。
静置時間は環境温度や湿度によっても影響し、環境温度が例えば20℃超40℃以下のような高めの場合は例えば3時間〜12時間程度でよいし、環境温度が例えば0℃超20℃以下のような低めの場合は例えば6時間〜24時間程度でよい。また、湿度は、通常、35%〜55%であることが好ましいが、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、その範囲から少し外れても構わない。なお、環境温度と湿度は、工場内で測定したときの温度である。
[調理麺用穀物粉及び調理麺]
本発明に係る調理麺用穀物粉は、水で穀物を処理し、その後に180℃以上300℃以下の範囲内の過熱水蒸気を接触させ、その後に粉砕して得られる。また、本発明に係る調理麺は、水で穀物を処理し、その後に180℃〜300℃の範囲内の過熱水蒸気を接触させ、その後に粉砕して得られた調理麺用穀物粉で調理して得られる。なお、この調理麺は、未処理の穀物粉に比べて、最大荷重とひずみ率がいずれも1倍以上になっている。
この調理麺用穀物粉までのプロセスは、上記した調理麺用穀物粉の品質改質方法の説明欄で既に説明したのでここではその説明を省略する。
なお、調理麺用穀物粉と調理麺は、穀物に上記温度範囲内の過熱水蒸気を接触させることを技術的な特徴として得られるものであるが、上記接触させて得た調理麺用穀物粉や調理麺と、上記接触させないで得た調理麺用穀物粉や調理麺との構造上又は特性上の違いを直接特定することが本出願時点では困難であり、およそ実際的でないという事情が存在するものと言える。
(調理麺の製造)
調理麺用の製麺原料は、上記のようにして得られた調理麺用穀物粉と、所定量の水とを混練(ミキシングともいう。)して準備する。必要に応じて各種の添加剤を含有させてもよい。混練は、通常、市販のミキサー等の混練機が用いられる。このときの水の配合量は、穀物粉の種類や麺製品の種類や要求される食感特性等に応じて所定量が配合される。水の種類は特に限定されず、上水、純水、脱イオン水、硬水、軟水、特定源泉水等を任意に用いることができる。
添加剤は、製麺原料に必要に応じて配合される。添加剤として、例えば食塩、かん水、植物性たんぱく質、卵粉、やまいも粉、乳化剤、糖類、糖アルコール、増粘多糖類、色素、膨張剤、及び、保存料として通常使用可能な添加物、等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、添加剤は必要に応じて配合されるものであり、麺製品の種類や要求特性によっては含まれていなくてもよい。添加剤の種類と配合量についても、穀物粉の種類、麺製品の種類、要求される特徴等を考慮して選択され、1種又は2種以上の添加剤が必要量配合される。
調理麺の製造は、準備された製麺原料を、最終製品の種類に応じた太さ、形状、断面形状等に加工する。通常、製麺原料を製麺機に投入して行われる。製麺機は、最終製品に応じた装置又は種々の製麺部品を組み合わせた装置である。例えば、うどん、そば、パスタ、中華麺、素麺、冷麦、春雨、米麺(ビーフン、フォー等)、葛切り、ワンタン等では、それぞれ要求される太さが異なり、ストレート麺、ちぢれ麺、ウエーブ麺のような形態も異なり、丸断面、異形断面、空洞断面等のように断面形状も異なることから、それらに応じた装置又は製麺部品を用いて、所定形状や大きさ等に製麺することができる。なお、製麺機としては、ロール製麺機等を挙げることができる。
以下に本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、単に「部」というときは質量部をいう。
[調理麺に適する過熱水蒸気温度の検討]
最初に、そばむき実を水と過熱水蒸気で処理し、その後に粉砕してそば粉とし、そのそば粉で調理麺を作製した。作製した調理麺の食感等に対する過熱水蒸気温度の影響を検討した。
<比較実験例1/未処理の穀物>
そばむき実(産地:中国、品種:マンカン)をそのまま石臼(オーストラリアのモラ社製、商品名:電動石臼製粉機 モラ A−400J)で粉砕し、得られたそば粉を試料とした。
<実験例1〜9/処理した穀物>
そばむき実(産地:中国、品種:マンカン)に対し、水としてマイクロナノバブル水(株式会社REO研究所製、商品名:ナーガの雫、バブル粒径:10nm以下)を使用し、そのマイクロナノバブル水が3質量%となるように噴霧し、その後、温度20℃、湿度45%の環境下で、12時間静置した。
静置した後、そばむき実を過熱水蒸気が通過する長さ3mの管中(内径約76mm)に供給し、そばむき実の管中の通過時間が約0.2秒となるように通過させた。なお、そばむき実を上記短時間で通過させることができるよう、過熱水蒸気を0.27MPaの圧力で管中に供給した。そばむき実に接触させる過熱水蒸気の温度は、120℃(実験例1)、160℃(実験例2)、180℃(実験例3)、200℃(実験例4)、215℃(実験例5)、230℃(実験例6)、245℃(実験例7)、320℃(実験例8)、370℃(実験例9)とした。
処理後のそばむき実を24時間静置し、その後に石臼(オーストラリアのモラ社製、商品名:電動石臼粉製機 モラ A−400J)で粉砕し、得られたそば粉を試料とした。
<そば麺の作製>
実験例1〜9及び比較実験例1それぞれについて、そば粉55部に、加工でん粉33部、グルテン11部、卵白1部の計100部に対して、水42部を加え、混合して、生地を作製した。それぞれの生地を製麺し、その麺厚さを1.15mmとした。麺は、沸騰したお湯で1分30秒間茹で、冷水水洗(10℃、1分間)の後、ほぐれ剤を噴霧し、容器に盛り付け、乾燥しないように樹脂フィルムで覆って10℃の冷蔵庫で保管した。
<官能評価>
24時間保管した後の調理麺の官能評価を行った。官能評価は、専門の6人のパネラーにより、表1に示す7項目(色、硬さ、弾性、粘性、なめらかさ、食味、総合)について7段階(1〜7)のランクポイントで評価した。なお、未処理のそばむき実から得た比較実験例1の調理麺を標準(ふつう/ランクポイント4)とした。表2は、パネラーによる評価の平均を示す。
Figure 0006952981
Figure 0006952981
表2の結果より、過熱水蒸気の温度が増すにしたがって食感が向上する傾向があり、実験例3〜7の調理麺は比較実験例1の調理麺に比べてランクポイントが6%以上向上している項目が半数以上あった。一方、過熱水蒸気の温度が高すぎると、比較実験例1の調理麺に比べてランクポイントが10%以上低下している項目が2以上あった。この結果より、比較実験例1の調理麺に比べてランクポイントが6%以上向上している実験例3〜7の調理麺は、比較実験例1の調理麺に比較して、特に硬さ、弾性及び粘性が向上し、良好な食感になっていることがわかった。
<物性測定>
テクスチャーアナライザ(マイクロステイブル社製、商品名:TA−XT2i)を用い、SPAGHETTI/NOODLETENSILERIGを使用して最大荷重と歪み率を測定した。測定は、茹で麺を8℃で24時間保存したもの(表3中、D+1)と、8℃で48時間保存したもの(表3中、D+2)で行った。その結果を表3に示す。
Figure 0006952981
表3の結果より、過熱水蒸気の温度が高くなるほど、最大荷重も歪み率も増しているのがわかる。最大荷重を食感の硬さ、歪み率を粘性及び弾性とみなすと、最大荷重と歪み率が大きいので、硬さ、粘性及び弾性が良好なものになったと言える。
以上より、本発明によれば、茹でてから喫食するまでに時間が経過する場合であっても調理麺の食感の低下を抑制することができる。

Claims (3)

  1. 蕎麦に180℃以上300℃以下の範囲内の過熱水蒸気を接触させ、その後に粉砕する方法であって、前記過熱水蒸気の接触は、前記過熱水蒸気の噴流を流した管の中を前記蕎麦を通過させて行い、前記過熱水蒸気と前記蕎麦とを接触させる時間は、前記管の長さと、該管内を流す噴流の圧力とで調整して1秒以下の範囲とする、ことを特徴とする調理麺用蕎麦粉の品質改質方法。
  2. 前記蕎麦は、水で処理したものであり、該処理手段は、前記蕎麦を前記水に浸漬させる、又は、前記蕎麦に前記水を噴霧する、請求項1に記載の調理麺用蕎麦粉の品質改質方法。
  3. 前記水が、マイクロナノバブル水である、請求項2に記載の調理麺用蕎麦粉の品質改質方法。
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