本願に係る発明(以下「本発明」と称す)の一実施例として、水道、電気、ガスなどの検針業務に利用される検針票11が、切り離し線15を介して連続形成された帳票連続体10を用いて説明する。尚、以下の説明では、本発明の実施例による帳票連続体10を構成する帳票の実施例として、水道、電気、ガスなどの検針業務に利用される検針票11を用いるが、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、前記検針票11以外からなる帳票連続体にも適用できることは言うまでもない。
図1を参照すると、ハンディーターミナル1は、水道、電気、ガスなどの検針業務に用いられる携帯型の情報端末装置であり、筐体2と、該筐体2の前面側下方部における情報入力領域5に備えられた複数の情報入力手段5aと、筐体2の前面側略中央に備えられた、前記情報入力手段5aから入力された情報等を表示するディスプレイ6と、筐体2の上部に設けられた、前記検針票11に対して検針結果などを印字するプリンタ部30とを備える。尚、本明細書では説明を省略するが、実際のハンディーターミナル1には、前記情報入力手段5aから入力された情報や、該情報などをディスプレイ6に表示させる電子回路が形成された基板、前記ディスプレイ6や前記プリンタ部30を駆動する電源(バッテリ)などが備えられている。
更に図2を参照すると、この実施例におけるプリンタ部30はサーマルプリンタであり、前記帳票連続体10を受け入れる空間を有した帳票ケース21、および前記帳票ケース21に対して図示されない開閉機構により開閉自在に設けられた帳票カバー22からなる帳票収容部20と、プラテンとして機能するフィードローラ31と、該フィードローラ31に対向するように設けられたサーマルヘッド32などからなる。尚、本明細書では説明を省略するが、実際のプリンタ部30にはフィードローラ31を駆動する駆動機構などが備えられている。
帳票収容部20は、例えば、樹脂などを成形することにより形成されており、前記筐体2と一体的に形成されても良いし、前記筐体2に着脱自在に固定可能に構成された別体として構成されていてもよい。このように構成された帳票収容部20には、前記帳票カバー22を回動端22a側から図2(a)に示される矢印T方向に開放することで、前記帳票連続体10が、前記帳票ケース21の開口部から該帳票ケース21内に導入される。そして、前記帳票カバー22を閉じ前記帳票ケース21の開口部に蓋をすれば、前記帳票連続体10は前記帳票収容部20に収容される。
筐体2の前面側(図2の上方)には、前記帳票カバー22の回動端22aの近傍に、印字された検針票11が排出される帳票排紙口23が形成されている。該帳票排紙口23は前記筐体2の前面を貫通するように設けられた矩形の貫通孔であり、前記検針票11の幅方向に平行で、しかもその幅方向の寸法は、前記検針票11の幅寸法よりわずかに幅広となるように形成されている。尚、前記帳票排紙口23の幅方向に直行する方向の寸法は、印字された前記検針票11の排出を邪魔しない程度の寸法に形成されておればよいが、屋外などでの使用を考え、埃や水滴などが前記筐体2内部に簡単に侵入するのを防ぐため、余り広くしない程度に形成されている。
帳票排紙口23について更に詳細に説明する。矩形に形成された前記帳票排紙口23の4か所の開口縁の内、前記帳票ケース22の回動端22aと平行な開口縁であって、前記回動端22aとは反対側に位置する開口縁23aには、前記帳票排紙口23の幅方向に亘って、前記検針票11の幅寸法より長いカット刃25が形成されている。このカット刃25は、印字が完了した前記検針票11を、前記帳票連続体10に形成された切り離し線15(後に詳述する)において切り離す際に補助的に用いることで、前記検針票11の切り離しを容易にするために設けられたものである。尚、このカット刃25は、前記筐体2と一体に形成されたものが好適である。前記カット刃25の先端部は鋸状に形成したり、先端に向けて徐々に薄肉状に窄めたりと、前記検針票11の切り離しを容易にするものであればその形態は限定されるものではない。
更に、前記帳票排紙口23の内部には、前記検針票11を排出するための排紙機構が備えられている。この排紙機構は、前記プリンタ部30において印字された前記検針票11が前記帳票排紙口23から排紙されるように設けられたものであり、前記帳票排紙口23、前記カット刃25などを含む構造体からなる。以下の説明ではこの排紙機構の一実施例として、前記帳票排紙口23、前記カット刃25に加え、前記開口縁23aの幅方向に沿うように、前記筐体2の内部方向に向けて立設されてなる誘導部26を備えた例を用いて説明する。
前記誘導部26における前記帳票排紙口23側の面には、前記カット刃25の先端部から前記誘導部26の終端部にかけて、前記帳票ケース22の回動端22aに対して反対方向に湾曲するように形成された誘導面26aが設けられている。この誘導面26aは、前記帳票連続体10が搬送される際に、印字された前記検針票11が前記帳票排紙口23に向けて誘導されるよう設けられたものである。そして図1、図2によく示されるように、印字が完了した前記検針票11は、前記切り離し線15(後に詳述する)と前記カット刃25が略対向するように排出され、前記検針票11の切り離しが容易に行える構成となっている。尚、前記検針票11が前記帳票排紙口23から排出される構成であれば、排紙機構はこの誘導部26に限定されるものではなくその構成は問わない。
次に、図2、図3を参照して、前記帳票連続体10について説明する。本発明の実施例による帳票連続体10は、加入者向けの個票となる前記検針票11が切り離し線15を介して連続形成されたものである。図3にはこの帳票連続体10をロール状に巻き回した実施例が示されている。尚、以下の説明では、印字面18を内側にしてロール状に巻き回した所謂内巻きタイプの帳票連続体10を使って説明するが、印字面18が外側となるように巻き回した所謂外巻きタイプであっても良い。また、この実施例のようなロールタイプの帳票連続体10に限定されるものではなく、ファンフォールドタイプの帳票連続体10A(図7参照)にも適用できることは言うまでもない。尚、ファンフォールドタイプの帳票連続体10Aについての詳細は後述する。
更に図4(a)を参照して、本発明の実施例による帳票連続体10に形成された前記切り離し線15について詳細に説明する。図4(a)には前記切り離し線15の要部を拡大した説明図が示されている。この図4(a)によく示されているように、前記切り離し線15は、前記帳票連続体10の側辺10a(前記検針票11の側辺でもある。以下同様)に直交する同一直線上に配列された前記第一の切り離し部15A、および前記第二の切り離し部15Bと、前記第一の切り離し部15A、および前記第二の切り離し部15Bの配列に対して直交する方向に突出する、湾曲状に形成された第三の切り離し部15Cとからなり、前記第一の切り離し部15Aと前記第二の切り離し部15Bは、前記第三の切り離し部15Cを介して前記検針票11の幅方向に配列されることで本発明の実施例による帳票連続体10の前記切り離し線15を成す(図4(a)中の破線で囲った区間)。
前記切り離し線15について更に詳しく説明する。前記切り離し線15を構成する前記第一の切り離し部15Aは、前記帳票連続体10の一方の側辺10a側から前記第三の切り離し部15Cに向けて、切れ防止用アンカット部15gを介してカット部15aとアンカット部15bが繰り返し形成されている。同様に前記第二の切り離し部15Bは、前記帳票連続体10の他方の側辺(図示せず)側から前記第三の切り離し部15Cに向けて、前記切れ防止用アンカット部15gを介してカット部15aとアンカット部15bが繰り返し形成されている。
前記切れ防止用アンカット部15gは、前記帳票連続体10の側辺10aに前記カット部15aが掛からないように備えられたものである。この切れ防止用アンカット部15gを備えたことにより、前記帳票連続体10の搬送時などにおいて、前記切り離し線15の両端部分が前記カット部15aにおいて捲れ上がってしまうことが無いので、前記帳票連続体10の搬送性の劣化を防止できる。この切れ防止用アンカット部15gは、前記検針票11が切り離されるまでは破断せず、前記検針票11の切り離しにおいては該検針票11の切り離しの邪魔をしない程度の寸法(例えば、0.25mm)で形成すればよい。
次に、第三の切り離し部15Cについて説明する。前記第三の切り離し部15Cは、前記第一の切り離し部15A、および前記第二の切り離し部15Bの配列と同一直線上に形成されたカット部15c1と、該カット部15c1と連接して前記第一の切り離し部15A、および前記第二の切り離し部15Bの配列と直交する方向に突出する、湾曲状に形成されたカット部15c2と、からなる直線ではないカット部15cが、前記第一の切り離し部15A、および前記第二の切り離し部15Bの配列と平行に配列されたアンカット15dを介して対向するように形成されている。
上記の切り離し部15の構成は、該切り離し部15の一実施例を図4(a)に基づいて説明したものであり、本発明はこの実施例に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。上記実施例、および変形例を含めた前記切り離し線15の具体的な構成については後に詳述する。
一方、前記第一の切り離し部15Aと前記第二の切り離し部15Bとの間には、前記カット部15c1と、該カット部15c1の間を結ぶ同一直線上にあって、前記第三の切り離し部15Cを構成する前記アンカット部15dと対向する位置に配設されたカット部14fと、該カット部14fを挟むように配列されたアンカット部14eと、からなる折り返し部14Cが形成されている(図4(a)中の一点鎖線で囲った区間)。尚、本発明の実施例のように、ロールタイプの帳票連続体10に前記折り返し部14Cを適用する場合、前記カット部14fは無くても良い。この折り返し部14Cについての具体的な説明は後に詳述する。
ここで前記折り返し部14Cのアンカット部14eと前記第三の切り離し部15Cのアンカット部15dの寸法を比較すると、前記アンカット部14eの寸法>前記アンカット部15dの寸法となるように形成されている。加えて、前記第三の切り離し部15Cの直線ではないカット部15cが、前記第一の切り離し部15A(若しくは第二の切り離し部15B)と同一線上に形成されたカット部15c1から湾曲状に形成されたカット部15c2に至るまで、連続的にカットされていることから、例えば図4(a)における前記検針票11Aを前記切り離し線15より切り離す場合、前記検針票11Aが前記第一の切り離し部15A(若しくは第二の切り離し部15B)を経て前記第三の切り離し部15Cに向けて切り離されていくと、前記第三の切り離し部15Cでは、直線ではない前記カット部15cが前記検針票11Aの切り離し端を前記アンカット部15dまで一気に到達させるから、その勢いのまま直ちに前記アンカット部15dを破断し、次の直線ではないカット部15cを介して前記第二の切り離し部15B(若しくは第一の切り離し部15A)に至らせることができるので、例え前記切り離し線15が直線状に形成されていなくても、前記検針票11Aは前記切り離し線15において切り離される。
図4(a)を参照すると、本発明の実施例による帳票連続体10に上述のような切り離し線15が形成されることにより、例えば、検針票11Aが前記切り離し線15に沿うように切り離された場合、前記第三の切り離し部15Cと前記折り返し部14Cにより囲われた領域は、前記切り離し部15を介して隣接する検針票11Bにおいては、該検針票11Bから前記検針票11A方向に突出させるように形成された突出部16となり、一方、切り離された前記検針票11Aにおいては、前記突出部16に対応する位置に、該突出部16に対応する大きさの切り欠き部17が形成される。この切り離された前記検針票11Aの一実施例を図4(b)に示す。尚、図4には前記突出部16は湾曲状に形成されている例を示したが、この形状に限定されるものではなく、例えばアンカット部15dを上辺とする台形、或いは凸状に形成されていても良い。
本発明の実施例による帳票連続体10では、隣り合う前記第三の切り離し部15Cが、前記帳票連続体10の長手方向に亘って、前記検針票11の幅方向に直交する同一直線上に位置するように備えさせた例(図4(b))を示したが、例えば、前記切り離し線15(前記帳票連続体10の一方の側辺10a側から前記第一の切り離し部15A、前記第三の切り離し部15C、前記第二の切り離し部15Bを順に配設した切り離し線)と、該切り離し線15とは逆の配列となる、前記帳票連続体10の他方の側辺側から、前記第一の切り離し部15A、前記第三の切り離し部15C、前記第二の切り離し部15Bを順に配設した切り離し線と、を交互に備えさせることで、隣り合う前記第三の切り離し部15Cが前記検針票11の幅方向に直交する同一線上に位置しない構成であっても良い。
図4(b)によく示されているように、前記帳票連続体10から前記検針票11Aが切り離されると、該検針票11Aには、図4(b)において上側となる辺12には前記突出部16が形成され、下側となる辺13には隣接していた前記検針票11Bに形成される突出部16に対応する前記切り欠き部17が形成される。換言すれば、本発明の実施例による帳票連続体10は、前記検針票11の幅方向と直交する方向において対向する二つの辺の内、一方の辺に前記突出部16を、他方の辺に前記切欠き部17を備えた前記検針票11が、前記切り離し線15を介して連続形成されたものであることがわかる。
ここで、図3、図4(b)を参照して、本発明の実施例による帳票連続体10の使用の態様について説明する。図3には本発明の実施例による帳票連続体10がロール状に巻き回された実施例が示されている。即ち、図3によく示されるように、本発明の実施例による帳票連続体10は、該帳票連続体10をロール状に巻き回す際に、巻きの開始端となる検針票11の辺を、前記切欠き部17が形成される辺13側とし、巻きの終端となる検針票11Aの辺を、前記突出部16が形成される辺12側となるようにして巻き回されたものである。つまり、図4(b)の検針票11の正面図によく示されるように、前記帳票連続体10から切り離された前記検針票11は、該検針票11を正面(印字面18)側から見たときに、前記突出部16が形成された辺12が前記検針票11の上端となり、前記切り欠き部17が形成された辺13が検針票11の下端となる。
このように、本発明の実施例による帳票連続体10は、前記検針票11が該帳票連続体10から切り離された時に、上端となる辺12に前記突出部16が形成され、下端となる辺13に前記切り欠き部17が形成されるように構成された前記検針票11を、前記切り離し線15を介して連続形成したものであるから、前記帳票連続体10は、その何れの面にも貫通孔や突起が形成されず全体を平坦とすることができる。しかも図4(a)によく示されているように、前記第三の切り離し部15Cと前記折り返し部14Cにより囲まれた領域(前記突出部16若しくは前記切り欠き部17となる領域)は、例えカット部15cのカット寸法が大きく形成されていても、前記第三の切り離し部15Cのアンカット部15dにおいて隣接する前記検針票11同士が連接されているので、前記帳票連続体10をロール状に形成する場合、前記突出部16部分も前記帳票連続体10の周面に沿うように巻き回すことができ、前記突出部16となる領域の存在はロールの形成を邪魔しない。そして、このように巻き回されたロールタイプの前記帳票連続体10をハンディーターミナル1に使用する場合、該帳票連続体10が前記プリンタ部30に向けて搬送されるときでも、前記第三の切り離し部15Cと前記折り返し部14Cにより囲まれた領域が平坦のまま搬送されるので、前記帳票連続体10の搬送性を低下させることはない。
次に、図4(b)を参照して前記帳票連続体10から切り離された前記検針票11の具体的な実施例について説明する。ハンディーターミナル1から排出され、前記帳票連続体10から切り離された前記検針票11の印字面18には、前記検針票11の上端である辺12側に、検針結果などが印字される情報印字領域45が設けられている。また、前記検針票11の下端である辺13における前記切り欠き部17が形成される近傍には、所定の二次元コード41が印字される二次元コード印字領域40が設けられている。尚、前記情報印字領域45を示す二点鎖線で示した枠は、情報印字領域45を説明するために用いたものであり、実際に使用するにあたっては、前記検針票11の仕様に応じて、予め印刷などにより情報を印字する枠を備えさせておけばよい。同様に、前記二次元コード印字領域40を示す二点鎖線で示した枠は、二次元コード印字領域40を説明するために用いたものであり、実際に使用するにあたっては、この枠は無くても良い。
本発明の実施例による帳票連続体10において、前記検針票11に前記二次元コード印字領域40を備えさせる場合は、図4(b)によく示されているように、前記検針票11は、前記突出部16と前記切り欠き部17が、前記検針票11の幅方向に直交する同一直線上に位置するように前記切り離し線15により切り離される構成が良い。尚、前記二次元コード印字領域40についての具体的な説明は後に詳述する。
次に、図5を参照して、ハンディーターミナル1から前記検針票11が切り離された後の前記帳票連続体10と前記プリンタ部30の状態を説明する。これらの図の中の図5(a2)、(b2)、(c2)は、それぞれ次に印字されるのを待つ前記検針票11と前記誘導部26との位置関係を説明するために模式的に示した概略断面図であり、実際のプリンタ部30を構成するフィードローラ31、サーマルヘッド32など説明に関係ない要素は、説明を分かり易くするために省略した。尚、図5(a2)、(b2)、(c2)において示される前記検針票11は、該検針票11を非印字面19側から見た図である。
ハンディーターミナル1に対して、検針結果が入力され、前記検針票11をプリントアウトする操作がなされると、前記ハンディーターミナル1の前記帳票排紙口23から印字済みの検針票11が排出される。排出された前記検針票11は、前記帳票排紙口23に備えられた手切り用のカット刃25を補助的に用いるなどして、前記切り離し線15において前記帳票連続体10から切り離される。この時、次に控える印字待ちの検針票11の上端の辺12に前記突出部16が一体となるように残り、前記突出部16が前記帳票排紙口23から飛び出した状態(図5(a1)、(a2))となり、次の加入者宅の検針業務までこの停止状態を維持する。
印字済みの前記検針票11を切り離した時に、前記突出部16が次に控える印字待ちの検針票11と一体に残るには、印字済みの前記検針票11を前記切り離し線15において切り離す際に、前記カット刃25の存在があったとしても、次に控える印字待ちの前記検針票11と一体に形成される前記突出部16が、前記カット刃25により切り取られないようにする必要がある。より具体的には、前記検針票11の切り離しに際して、格別に注意することなく切り離し作業を行っても、前記突出部16の前記折り返し部14Cが、前記カット刃25により切り離されることが無いように構成されていることが必要となる。
図4(a)を参照すると、本発明の実施例における前記折り返し部14Cには、前記第三の切り離し部15Cにおけるカット部15c1の形成方向に対向するように、前記検針票11と前記突出部16の連接部分を構成する幅広のアンカット部14eが配列されており、しかも、前記第三の切り離し部15Cのカット部15cのカット寸法が、前記折り返し部14Cの前記アンカット部14eの寸法に比べて十分に幅広に形成されていると共に、前記第三の切り離し部15Cの前記アンカット部15dの寸法が、前記折り返し部14Cのアンカット部14eの寸法より短く形成されていることにより、印字済みの前記検針票11の切り離しに際して、前記第一の切り離し部15A(若しくは前記第二の切り離し部15B)から前記第三の切り離し部15Cに向かって順に破断していくので、前記カット刃25が前記折り返し部14Cの前記アンカット部14eを切り離すことはない。
次の加入者宅の検針業務において、ハンディーターミナル1に対して検針結果が入力され、この加入者向けの前記検針票11をプリントアウトする操作がなされると、前記プリンタ部30のバックフィード機構により、前記帳票連続体10は所定の量だけ前記サーマルヘッド32側に巻き戻され、前記検針票11の上端である辺12は、前記誘導部26などの排紙機構と接触した状態(図5(a1)、(a2))から離された状態(図5(b1)、(b2))となる。このバックフィード機構は、次に控える印字待ちの検針票11の上部(辺12の側)の余白を減らすためのものであり、前記検針票11をプリントアウトする操作がなされる度に行われる処理である。これにより、所定の大きさからなる前記検針票11の前記印字面18を有効利用することが可能となる。尚、本発明の実施例では、バックフィード機構の具体的な例として、印字前にバックフィードする例を示したが、印字後(カット後)にバックフィードする構成であっても良い。
前記帳票連続体10が所定の量だけ巻き戻されると、前記プリンタ部30において印字待ちの検針票11への印字が開始され、前記情報印字領域45に検針結果が印字されたり、前記二次元コード印字領域40に前記二次元コード41が印字されたりしながら、前記帳票連続体10は前記帳票排紙口23に向けて順次搬送される。前記帳票連続体10の搬送が始まると、先ず、印字が行われている前記検針票11の上端の辺12に形成された前記突出部16の先端部が前記誘導部26の誘導面26aに当接するから、前記検針票11と前記誘導面26aとの間に生じる抵抗(摩擦力)が小さい状態から、次第に前記検針票11の上部全体が前記誘導面26aに沿うようにスムーズに前記帳票排紙口23に向けて誘導される(図5(c1)、(c2))。尚、図5(c1)中の太い破線で示された部分は、前記検針票11が前記帳票排紙口23に向けて搬送される過程を説明するための前記検針票11の上部を示す仮想線である。
すでに詳述したように、本発明の実施例による帳票連続体10は、該帳票連続体10をロール状に巻き回す際に、巻きの開始端側を、前記検針票11における前記切り欠き部17が形成される辺13側とし、巻きの終端となる側を、前記突出部16が形成される辺12側となるようにして巻き回される構成を採用している。これは、図5によく示されるように、前記帳票連続体10が、前記プリンタ部30のバックフィード機構により巻き戻された状態から、次に控える前記検針票11を排出するときに、先ず、前記検針票11の上端である辺12に形成された前記突出部16の先端部を、前記誘導面に26aに当接させることにより、前記検針票11の上端である辺12と誘導面26aとの間に生じる抵抗を小さくするためである。
ここで、前記検針票11の上端である辺12に前記突出部16が形成されていない構成と比較する。この前記突出部16が無い場合、前記検針票11の上端である辺12は、その端面が幅方向に一直線となるから、前記帳票連続体10の搬送が始まると、前記検針票11の上端である辺12の全体が、一度に前記誘導面26aに当接することとなる。すると、前記検針票11の辺12の端面全体と前記誘導面26aとの間の生じる抵抗が大きくなることから、前記検針票11の辺12の端面が前記誘導面26aに引っ掛かるなどにより、前記帳票連続体10の搬送性に影響を及ぼす虞が生じる。更に言えば、バックフィード機構により、前記検針票11をプリントアウトする度に前記検針票11の上端の辺12と前記誘導面26aなどの排紙機構とが当接する構成であるから、前記検針票11の上端の辺12が排紙機構に引っ掛かる可能性が高くなるのである。
一方、図1、図2を参照にすると、本発明の実施例のように、印字面18を内側にした内巻きタイプのロール紙として前記帳票連続体10を巻き回した場合、前記帳票連続体10の全体、延いては各検針票11には、前記印字面18を内側にするようなカール癖が付く。このカール癖はフィードローラ(プラテン)31を通過する際に、カール癖を矯正する方向に曲げられるものの、一度付いたカール癖は容易には矯正されることがない。特に、ロールの中心部に位置するほど、前記検針票11には強いカール癖が付くことから、前記プリンタ部30により印字された前記検針票11は、前記印字面18を内側にしてより強く丸まろうとする。
図5(c1)、(c2)、(c3)を参照にして、前記検針票11に生じたカール癖について説明する。ここで図5(c3)は、図5(c1)における一点二鎖線で囲まれた領域を拡大したものである。本発明の実施例による帳票連続体10の構成では、印字された前記検針票11は、前記印字面18が内側になるようにカールする。すると、前記突出部16が無い検針票11について考えた場合、カールしようとする力によって、前記突出部16が無い検針票11の上端である辺12の端面全体が、前記誘導面26aに対して図5(c3)に示された矢印F方向に押し付けられるので、前記帳票連続体10の搬送により、検針票11の上端である辺12と誘導面26aとの当接によって生じる元々の抵抗に加え、更にカール癖による押圧力Fが加わることとなるので、全体の抵抗が一層大きくなることから、前記検針票11の上端である辺12が前記誘導部26や前記カット刃25などの排紙機構に引っ掛かるなどして、前記帳票連続体10の搬送性の劣化の原因となる可能性が高くなるのである。
次に、本発明の実施例による帳票連続体10とは逆に、前記検針票11の上端である辺12に前記切り欠き部17を形成し、下端である辺13に前記突出片16を形成した場合について検討する。この実施例の場合、上述した前記検針票11の上端である辺12に前記突出片16が無い場合と同様に、前記検針票11の上欄である辺12は切り欠き部17の部分を除いて幅方向に一直線となり、しかも、前記検針票11の幅方向の寸法に比べ、前記切り欠き部17の開口部の寸法が小さいので、前記検針票11の上端である辺12に前記突出片16が無い場合と比べても、前記検針票11の上端である辺12と前記誘導面26aとの抵抗は僅かに小さくなるものの大きな相違は生じない。つまり、前記検針票11の上端である辺12が前記誘導部26やカット刃25などの排紙機構に引っ掛かるなどして、前記帳票連続体10の搬送性の劣化の原因となる虞が相変わらず残るのである。
以上より、本発明の実施例による帳票連続体10は、該帳票連続体10をロール状に巻き回す際に、巻きの開始端側を、前記検針票11における前記切り欠き部17が形成される辺13側とし、巻きの終端となる側を、前記突出部16が形成される辺12側となるようにして巻き回される構成を採用したことにより、前記プリンタ部30のバックフィード機構により前記帳票連続体10が所定の長さだけ巻き戻された状態でも、次に控える印字待ちの前記検針票11を排出させる際には、先ず前記突出部16の先端部が前記搬出機構である前記誘導部26の前記誘導面26aに当接し、前記検針票11の上端である辺12が全体に亘って一度に誘導面26aに当接させないようにすることができるから、前記誘導面26aとの間に生じる抵抗を小さくすることができる。
このため、例え前記検針票11にカール癖が付いていたとしても、前記検針票11の上部を、前記誘導面26aに沿うようにスムーズに前記帳票排紙口23に向けて誘導させることができるので、前記検針票11は適正に搬送され、印字の欠落やダブりを防止することができる。
しかも、前記突出部16と、該突出部16に対応するように形成される前記切り欠き部17は、前記検針票11が前記切り離し線15において切り離されたときに形成されるものであるから、前記帳票連続体10を前記プリンタ部30に向けて搬送するときは、前記突出部16が形成されている領域は、前記アンカット部15dを介して隣接する検針票11同士が連設されているので、前記帳票連続体10が平坦のまま搬送されることになるから、前記突出部16となる領域の存在があっても、前記帳票連続体10の搬送性を低下させることはない。
また、本発明の実施例による帳票連続体10は、前記検針票11における前記切り欠き部17が形成される辺13を巻きの開始端側とし、前記突出部16が形成される辺12を巻きの終端となるようロール状に形成されたものであるから、市販されている何れのハンディーターミナルにも対応する汎用性と、良好な搬送性を併せ持つことで、検針業務において印字不良の発生のない極めて利便性のよいハンディーターミナル用帳票連続体10を提供できる。
次に、前記二次元コード印字領域40(換言すれば二次元コード41。尚、以下では前記検針票11の構成の説明を行うため、特に明示する場合を除いて前記二次元コード41の記載は省略する)の配設位置について詳しく説明する。既に述べたように、前記検針票11に前記二次元コード印字領域40を備えさせる場合は、図4(b)によく示されているように、前記検針票11は、前記突出部16と前記切り欠き部17が、前記検針票11の幅方向に直交する同一直線上に位置するように前記切り離し線15により切り離される構成が良い。このような構成において、前記二次元コード印字領域40は、前記検針票11が前記帳票連続体10から切り離されたときに、前記切り欠き部17の近傍において、前記突出部16と前記切り欠き部17の中心同士を結ぶ仮想の中心線(以下、中心線という)を跨ぐように設けられておればよいが、より好ましくは図4(b)によく示されているように、前記突出部16と前記切り欠き部17とを結ぶ中心線と前記二次元コード印字領域40の中心とが略重なるように設けるのが良い。
また、本発明の実施例では、前記検針票11が前記帳票連続体10から切り離されたときに、前記突出部16と前記切り欠き部17が形成される位置の好ましい例として、前記検針票11の幅方向において、該検針票11の側辺10aに沿うように位置する(換言すれば、二次元コード印字領域40が側辺10aに位置する)例を示したが、特にこの実施例に限定されるものではなく、前記突出部16と前記切り欠き部17が形成され、しかも、前記切り欠き部17の近傍に前記二次元コード印字領域40を設けることができれば、前記検針票11の幅方向の範囲内の何れの位置に形成されても良い。
ここで、前記二次元コード印字領域40に印字される前記二次元コード41について具体的な例を挙げ詳しく説明する。本発明の実施例による帳票連続体10に印字される前記二次元コード41は、この二次元コード41に記録された文字情報を、専用の二次元コード読取装置や専用のアプリケーションプログラムがインストールされたスマートフォンなどで読み取ることにより、記録された文字情報が音声を使った読み上げにより聴取できるように構成された音声コードである。
この音声コード41によると、記録された文字情報が音声を使った読み上げにより聴取できることから、前記音声コード41を前記検針票11に利用すれば、検針結果だけでなく宣伝情報やポイント情報などの種々の情報が、例えば文章が読み取れない視覚障害者や、日本語を解せない外国人などにも提供することができる。
前記音声コード41を前記検針票11に備えさせる場合は、前記検針票11を受け取った視覚障碍者が、前記音声コード41が印字された位置を簡単に特定できるように、前記音声コード41が印字される前記二次元コード印字領域40の近傍に、手探りで判別できる位置特定用マークを備えさせることが望ましい。
本発明の実施例による帳票連続体10では、上述した直線ではない前記切り離し線15を介して前記検針票11を連続形成したことにより、前記検針票11が前記帳票連続体10から切り離されたときに前記切り欠き部17が形成されることを利用して、該切り欠き部17を前記位置特定用マークとして利用している。つまり、前記検針票11に前記音声コード41を印字する場合、前記切り欠き部17が形成される側、即ち、前記検針票11の下端である辺13側の前記第三の切り離し部15Cの近傍に沿うように備えさせた前記二次元コード印字領域40に前記音声コード41を印字すれば、前記検針票11が前記帳票連続体10から切り離された時に、前記検針票11には、上端となる辺12に前記突出部16が形成され、下端となる辺13に前記切り欠き部17が形成されるから、切り離された前記検針票11には、前記切り欠き部17の近傍に前記音声コード41が配置されるのである。
尚、本発明の実施例による帳票連続体10では、前記二次元コード印字領域40は、前記検針票11が前記帳票連続体10から切り離されたときに、該検針票11の前記切り欠き部17が形成される近傍に備えさせる例を示したが、この実施例に限定されるものではなく、図6によく示されているように、前記二次元コード印字領域40は、前記検針票11の上端となる辺12における前記突出部16の近傍に備えさせても良いことは言うまでもない。この場合、検針結果を印字する情報印字領域45は前記切り欠き部17側に寄せるようにして印字すればよい。また、これまで二次元コードの実施例として前記音声コード41を用いて説明したが、この音声コード41に限定されるものではなく、異なる方式の二次元コードであってもよいことは言うまでもない。
以上より、本発明の実施例による帳票連続体10によると、検針結果、および前記音声コード41が印字された前記検針票11が前記帳票連続体10から切り離されたときに、前記音声コード41が前記検針票11に形成される前記切り欠き部17の近傍に印字されるように、前記二次元コード印字領域40が配置されていることによって、視覚障害者が手探りで前記切り欠き部17を判別することで、前記音声コード41が印字された位置を簡単に特定することができるようになる。このように前記音声コード41が印字された領域の特定がでれば、専用の読取装置や専用のアプリケーションプログラムがインストールされたスマートフォンにより、記録された文字情報が音声を使った読み上げにより聴取できることから、視覚障害者は言うまでもなく、日本語を解せない外国人など、印刷物を受け取った加入者が、種々の情報を簡単に取得することができる、極めて利便性の高い検針票11とすることができる。
また、本発明の実施例では、前記二次元コード印字領域40は、前記切り欠き部17の近傍において、前記突出部16と前記切り欠き部17とを結ぶ中心線を跨ぐ何れかの位置に設けられておればよいが、好ましくは、図4(b)によく示されているように、前記二次元コード印字領域40は、前記切り欠き部17の近傍において、前記二次元コード印字領域40の中心と、前記突出部16と前記切り欠き部17とを結ぶ中心線が略重なるような位置に設けてあるのが良い。これは、前記突出部16と前記切り欠き部17の配列が、丁度、前記帳票連続体10より切り離された前記検針票11の天地方向を示すことから、その配列と前記二次元コード印字領域40の中心(換言すれば、二次元コードの中心)が略一致させてあれば、一層早く音声コード41が印字された領域を特定することができるようになるからである。即ち、前記突出部16、および前記切り欠き部17を前記検針票11の幅方向に直交する同一直線上に位置するように備えさせたことにより、少なくとも何れか一方が判別できれば、前記音声コード41が印字されている領域を特定できるので、前記音声コード41の近傍に前記突出部16若しくは前記切り欠き部17の一方だけを設けた場合と比較して利便性をよくすることができる。
更に本発明の実施例では、前記帳票連続体10から前記検針票11が切り離されたときに、前記突出部16と前記切り欠き部17が形成される位置は、前記切り欠き部17の近傍に前記二次元コード41が印字できれば、前記検針票11の幅方向の範囲内の何れの位置に形成されても良いが、図4(b)によく示されるように、前記検針票11の一方の側辺10a側に位置させた(換言すれば、前記二次元コード印字領域40を前記検針票11の一方の側辺10a側に位置させた)実施例のように、好ましくは、前記検針票11の一方の側辺10a、若しくは他方の側辺(図示せず)に寄せて沿うように設けるのが良い。この実施例の場合、前記突出部16と前記切り欠き部17の配列と同様に、前記側辺10aが前記検針票11の天地方向を示すので、前記一方の側辺10aと前記切り欠き部17を探るだけで、より正確、且つ容易に音声コード41が印字された領域の特定を行うことができる。
次に図7を参照して、本発明の実施例による帳票連続体10の異なる実施例を説明する。この異なる実施例は、前記帳票連続体を折り重ねたファンフォールドタイプである。このファンフォールドタイプの帳票連続体10Aは、前記第一の切り離し部15Aと、前記折り返し部14Cと、前記第二の切り離し部15Bと、を折り返し線14とし、該折り返し線14、および前記切り離し線15を介して前記検針票11が連続形成された構成からなる。上述したロールタイプの帳票連続体10と同様に、前記帳票連続体10Aを折り重ねる際に、折りの開始端側を、前記検針票11における前記切り欠き部17が形成される辺13側とし、折りの終端側を、前記突出部16が形成される辺12側となるようにして折り重ねた構成としたことにより、前記ロールタイプの帳票連続体10と同じ作用効果を備えさせることができる。尚、この異なる実施例の帳票連続体10Aでは、前記検針票11を2単位毎に折り返して積み重ねた例を示したが、この実施例に限定されるものではなく、前記検針票11が連続しておればこの単位数は任意に設定できる。
このファンフォールドタイプの帳票連続体10Aでは、この帳票連続体10Aを折り重ねる際は、前記第一の切り離し部15Aと、前記折り返し部14Cと、前記第二の切り離し部15Bとからなる前記折り返し線14において行われ、この帳票連続体10Aから前記検針票11を切り離す際は、ロールタイプの前記帳票連続体10と同様に、前記第一の切り離し部15A、前記第三の切り離し部15C、および前記第二の切り離し部15Bからなる前記切り離し線15において行われる。
更に図4(a)を参照すると、前記折り返し部14Cは、前記検針票11Aを前記切り離し線15から切り離す際に、前記帳票排紙口23に備えられた前記カット刃26によって切り取られず、次に連続形成された前記検針票11Bと一体に残る必要がある。その為、前記折り返し部14Cにおける前記カット部14fを形成せず、前記カット部15c1により挟まれた領域を全て前記アンカット部14eとすれば、アンカット部分が長くなることで強度が高くなり、簡単には切ら取られないようにすることできるが、一方で、アンカット部分が長すぎると、前記折り返し部14Cが折り返し難くなり、また、例え折り返しができても、前記折り返し部14Cに折り返し癖が強く残ることが考えられる。
そこで本発明の異なる実施例における前記折り返し部14Cは、既に詳述したように、前記折り返し部14Cのアンカット部14eと前記第三の切り離し部15Cのアンカット部15dの寸法を、アンカット部14eの寸法>アンカット部15dの寸法とする条件を維持しつつ、前記カット部15c1に加え、前記アンカット14eに挟まれるように所定の長さの前記カット部14fが形成されていることにより、この折り返し部14Cは折り返し易さを有し、しかも、前記帳票連続体10Aの搬送時には、前記折り返し部14Cに付いた折り癖が容易に取れ易くしたことから、前記折り返し部14Cの存在があっても、前記帳票連続体10Aの搬送性に影響を与えることがない。
また、この折り返し部14Cは、前記カット部14fが形成されていても、前記検針票11Aの切り離しに際して、前記カット刃23により切り取られることのない(換言すれば、アンカット部15dの方が先に破断される程度の)強度を持たせることができる。
更に言えば、本発明の異なる実施例では、前記帳票連続体10Aを前記折り返し線14において一度折り返すことで、前記第一の切り離し部15A、および前記第二の切り離し部15Bは前記アンカット部15bの強度が弱くなり、上述のロールタイプの帳票連続体10の場合と比較して、前記第一の切り離し部15A、および前記第二の切り離し部15Bは切り離しやすくなる。一方、前記折り返し部14Cのアンカット部14eも同様に、折り返しによって強度が弱くなるものの、既に述べたように、前記折り返し部14Cのアンカット部14eと前記第三の切り離し部15Cのアンカット部15dの寸法を、アンカット部14eの寸法>アンカット部15dの寸法とした構成であることから、前記検針票11の切り離しに際して、格別に注意することなく前記帳票連続体10Aから切り離しを行っても、前記カット刃25が前記折り返し部14Cの前記アンカット部14eを切り離すことなく、前記切り離し線15における切り離しを確実に行うことができる。
以上、本発明の異なる実施例によれば、ファンフォールドタイプの帳票連続体10Aにおいても、前記検針票11における前記切り欠き部17が形成される他方の辺13を折りの開始端とし、前記突出部16が形成される辺12を折りの終端となるとなるよう形成したものであるから、上述したロールタイプの前記帳票連続体10と同じ作用効果を得ることができる。
また、前記帳票連続体10Aを前記プリンタ部30に向けて搬送するときは、前記突出部16が形成されている領域は、前記アンカット部15dを介して隣接する検針票11同士が連設されているので、前記折り返し部14Cは他の折り返し部(この異なる実施例では、前記第一の切り離し部15A、および前記第二の切り離し部15B)と同様に、平坦な状態で接続されることから、前記帳票連続体10Aの搬送時において、前記折り返し部14Cが搬送性に影響を与えることがないハンディーターミナル用帳票連続体10Aを提供できる。
以下に、発明者による評価結果を基に具体的な実施例を示し、本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
前記帳票連続体10の基材として、厚さ65μmの感熱記録用紙を用い、該基材からなる前記検針票11の一つ分の大きさは、前記検針票11の幅方向の寸法(図4(b)中のXで示された寸法)が79.5mm、幅方向に直交する方向の寸法(図4(b)中のYで示された、前記第三の切り離し部15Cにおける前記アンカット部15dと、隣接する前記切り離し線15における前記第一の切り離し部15Aと前記第二の切り離し部15Bを結ぶ仮想線との間の寸法)が230.6mmである。本発明の実施例による帳票連続体10は、上述の構成からなる前記検針票11が前記切り離し線15を介して連続形成されたものである。
この検針票11からなる前記帳票連続体10において、図4(a)の実施例により示される前記切り離し線15(破線で囲った区間)は、
第一の切り離し部15A、および第二の切り離し部15Bは、
カット部15aの寸法=1.0mm
アンカット部15bの寸法=0.6mmであり、
第三の切り離し部15Cは、
カット部15c1の寸法=0.3mm
カット部15c2の寸法≒3.2mm
アンカット部15dの寸法=0.6mm
突出長L=2.0mm(突出部16の突出長)
幅W=4.8mm(カット部15c1を除いた寸法=突出部16の幅寸法)である。
尚、前記カット部15c1と連設されてなる前記カット部15c2の長さは前記第三の切り離し部15Cの形状や前記アンカット部15dの寸法、個数に応じて決まり、カット部15c2の寸法≒3.2mmは、図4(a)の実施例のように湾曲させた形状で、前記アンカット部15dが一個の場合の寸法である。尚、前記第三の切り離し部15Cは、この湾曲させた形状以外に、例えば前記アンカット部15dを上底とする台形、或いは凸状に形成されていても良い。
同様に、図4(a)の実施例により示される前記折り返し部14C(一点鎖線で囲った区間)は、
カット部15c1の寸法=0.3mm
アンカット部14eの寸法=1.9mm
カット部14fの寸法=1.0mmである。
折り返し部の幅=5.4mm(0.3×2+1.9×2+1.0)である。
上記構成の前記切り取り線15を介して前記検針票11が連続形成された前記帳票連続体10を、市販のハンディーターミナルに用い、隣接する前記検針票11同士の接続の状態、および該検針票11が前記帳票連続体10から切り離された時の前記切り離し線15の切り離し具合の評価を行った。
図9を参照して、上記実施例1の評価結果を説明する。図9の評価結果は、前記第三の切り離し部15C部分の構成に着目した結果であり、該第三の切り離し部15Cを介して隣接する前記検針票11同士の接続状態(平坦度)と、前記検針票11を切り離した時の前記第三の切り離し部15Cにおける切り離しの状態(切れ具合)を示している。尚、図9の評価結果において示される評価のマークの意味は下記の状態を示す。
◎:評価結果=良好な結果が得られたことを示す。
〇:評価結果=完全ではないものの、実用上問題ないことを示す。
△:評価結果=完全ではないが、実用上の許容限であることを示す。
先ず、前記カット部15dの寸法に着目した評価結果について説明する。この評価では前記アンカット15dが0.6mmに形成された上記実施例1(図4(a))と、前記アンカット部15dが0.3mmに形成された変形例Aを比較した。上記実施例1は前記アンカット部15dが一か所で、その寸法は0.6mmであるから、図9の評価結果から、前記第三の切り離し部15C部分において、隣接する前記検針票11同士は略平坦な状態で接続されていることが確認できた(平坦度:〇)。一方、前記検針票11を前記帳票連続体10から切り離した後は、前記アンカット部15dが破断した部分が、前記突出部16(または前記切り欠き部17)に僅かに残り、きれいな湾曲状にはならないことが確認できた(切れ具合:〇)。このように上記実施例1は、平坦度も切れ具合も完全ではないものの、実用上は問題なく使用できる構成であることが分かった。
前記カット部16dの寸法を0.3mmとした以外は上記実施例1と同じ条件の変形例Aでは、前記アンカット部15dが一か所で、その寸法は0.3mmであるから、この評価結果から、前記第三の切り離し部15C部分において、隣接する前記検針票11同士は略平坦な状態で接続されていることが確認できた(平坦度:〇)。一方、前記検針票11を前記帳票連続体10から切り離した後は、前記アンカット部15dはきれいに破断して、前記突出部16(前記切り欠き部17)は略湾曲状に切り離されることが確認できた(切れ具合:◎)。この変形例Aは、上記実施例1と同様に平坦度は完全でないものの、上記実施例1と比して切れ具合が良好であり、実用上は問題なく使用できる構成であることが分かった。
次に、前記アンカット部15dの個数に着目した評価について説明する。この評価では前記アンカット15dが一か所形成された上記実施例1(図4(a))と、三か所形成された変形例B(図8)を比較した。上記実施例1はアンカット部15dの寸法が0.6mmであるから、この寸法のアンカット部15dを三か所備えさせた変形例Bの場合は、図9の評価結果から、前記第三の切り離し部15C部分において、隣接する検針票11同士は平坦な状態で接続されていることが確認できた(平坦度:◎)。一方、検針票11を切り離した後は、前記アンカット部15dが破断した部分が、前記突出部16(または前記切り欠き部17)に大きく残り、きれいな湾曲状にはならないことが確認できた(切れ具合:△)。このように変形例Bの場合、上記実施例1に比して平坦度は良いものの、切れ具合が悪く破断した部分が切り欠き部17の近傍に印字された二次元コード41に達する虞があるため、前記二次元コード41が印字される前記二次元コード印字領域40の位置を、前記第三の切り離し部15Cから僅かに遠ざけるなどの考慮をすることにより、実用上においては許容限として利用できる構成であることが分かった。
次に、前記カット部16dの寸法が0.3mmからなる変形例Cの場合について検討を行った。この変形例Cではアンカット部15dの寸法は0.3mmであり、この寸法のアンカット部15dを三か所備えさせた場合は、この評価結果から、前記第三の切り離し部15C部分において、隣接する検針票11とは平坦な状態で接続されていることが確認できた(平坦度:◎)。一方、検針票11を切り離した後は、前記カット部15dはきれいに破断して、前記突出部16(前記切り欠き部17)は略湾曲状に切り離されることが確認できた(切れ具合:◎)。この変形例Cは、上記実施例1、変形例A、変形例Bに比して平坦度も切れ具合も良好であることが分かった。
この評価結果より、隣接する検針票11同士の平坦度は、アンカット15dの数が多いほど良好になり、検針票11の切れ具合はアンカット15dの寸法が短いほど良好になるのが分かった。以上から、前記第三の切り離し部15Cにおけるアンカット15dは次のように形成されるのが良い。
アンカット15dの寸法=0.1〜0.3〜0.6mm(好ましくは0.3mm)
アンカット15dの数=1〜3〜5個(好ましくは3個)
次に、前記第三の切り離し部15Cにおける突出長L、及び幅Wについて評価したところ、突出長L=1〜3mmでは前記切り離し線15において切り離し可能である(換言すれば、突出部16は切り離されない)ことが、また、幅W=4.8mm〜8.0mmでは切り離し可能である(換言すれば、突出部16は切り離されない)ことが、それぞれ実験的に確認できた。
ここで、前記第三の切り離し部15cの突出長Lについて検討する。この突出長Lの長さは、換言すれば前記第三の切り離し部15Cにおいて切り離される突出部16の長さLでもあるから、この突出部16の長さLが長い場合は、その長さLに応じて切り欠き部17の凹みも大きくなり、前記検針票11の印字面18の有効面積が狭くなるといった問題がある。また、前記突出部16の腰が弱くなり、該突出部16が持つ本来の作用である、前記検針票11の上部を前記誘導部26や前記カット刃25などの排紙機構から前記帳票排紙口23に向けて誘導することができ難くなるばかりでなく、長すぎる突起部16が排紙機構に引っ掛かる恐れが高くなる。
逆に、前記突出部16の長さLを短くすると、前記切り欠き部17の凹みも小さくなり、前記検針票11の印字面18の有効面積を広く取ることができるが、前記突出部16の先端が排紙機構に当接すると略同時に、前記検針票11の上端である辺12の一部が排紙機構に当接することが考えられるため、前記突出部16の先端が排紙機構にまず当接して、前記検針票11を前記帳票排紙口23に導くと言った、前記突出部16が持つ本来の作用が低下し、前記検針票11が排紙機構に引っ掛かる虞が高くなる。
次に、前記第三の切り離し部15cの幅Wについて検討する。この幅Wは、換言すれば前記第三の切り離し部15Cにおいて切り離される前記突出部16の幅Wであるから、この幅Wを広くすれば前記検針票11が前記帳票連続体10から切り離されるときに、前記突出部16が前記カット刃25により切り離される虞が無くなるので良いが、幅Wが広すぎると、前記突出部16の長さLが長い場合と同様に、前記検針票11の印字面18の有効面積が狭くなるといった問題がある。
更に言えば、前記突出部16の幅Wを広くすると、該突出部16に対応するように形成される前記切り欠き部17も幅広になるので、本発明の実施例のように、前記検針票11に前記二次元コード印字領域40を備えさせる例を考えると、視覚障害者は、前記突出部16、或いは前記切り欠き部17の位置の判別を容易に行うことができるようになるものの、その分、前記突出部16、或いは前記切り欠き部17の近傍に位置するように備えられる前記二次元コード印字領域40(換言すれば、前記音声コード41)の正確な位置の特定がし難くなる虞が生じる。
逆に、前記突出部16の幅Wを狭くすれば、前記検針票11の印字面18の有効面積を広く取ることができるが、前記検針票11が前記帳票連続体10から切り離されるときに、前記突出部16が前記カット刃25により切り離される虞が生じる。また、前記突出部16の腰が弱くなり、前記突出部16が持つ本来の作用を持たせることができなくなるといった問題が考えられる。
以上から、前記第三の切り離し部15Cの突出長L、幅W(カット部15c1を除く寸法)は、実験により得られた結果より、次のように形成されるのが良い。
突出長L=1.0〜3.0mm(好ましくは1.5mm)
幅W=4.8mm〜8.0mm(好ましくは4.8mm)
次に、前記折り返し部14Cの構成について評価を行った結果を説明する。本発明の実施例による前記折り返し部14Cは、図4(a)によく示されているように、前記カット部15c1と、前記カット部14f、及び該カット部14fを挟むように配列された前記アンカット部14eとから構成されているが、この実施例に限定されるものではなく、例えば図10(a)によく示されているように、前記第三の切り離し部15Cの幅W(カット部15c1除く)の範囲内において、前記アンカット部14eと前記カット部14fの比率を変えても良い。ただし、既に詳述したように、前記検針票11の切り離しにおいて、前記カット刃25により前記折り返し部14C(換言すれば、前記突出部16となる領域)が切り離されないようにするため、前記折り返し部14Cのアンカット部14eと前記第三の切り離し部15Cのアンカット部15dの寸法を、アンカット部14eの寸法>アンカット部15dの寸法とする必要がある。この条件で前記アンカット部14eと前記カット部14fの比率について評価したところ、アンカット部14eの寸法がアンカット15dの寸法の2倍以上であれば、前記折り返し部14Cは切り離されることがなく、前記アンカット部14eと前記カット部14fの比率の影響は認められなかった。尚、前記折り返し部14Cをロールタイプの帳票連続体10に適用する場合、前記カット部14fは無くても良い。
以上から、前記折り返し部14Cは次のように形成されるのが良い。
アンカット部14eの寸法≧アンカット15dの寸法×2の条件において、
アンカット部14eとカット部14fの寸法の比率は任意に設定してよい。
[実施例2]
図10を参照して、本発明の異なる実施例による帳票連続体10について説明する。この異なる実施例(以下、実施例2と記載する)と上述の実施例1とは、前記切り離し線15の構成が異なる。図10は実施例2による帳票連続体10に形成される切り離し線15´の説明図であり、(a)は切り離し線15´の要部を拡大した説明図、(b)は切り離し線15´とカット刃25との位置関係を模式的に示す説明図である。
この実施例2の切り離し線15´は、上述した実施例1(変形例を含む)の前記切り離し線15に対して、前記切り離し線15を構成する前記第三の切り離し部15Cの構成が異なり、それ以外は同じ構成である。
実施例2の第三の切り離し部15Cについて詳しく説明する。図10(a)によく示されているように、この実施例2の第三の切り離し部15Cは、該第三の切り離し部15Cを構成する前記カット部15cが、前記カット部15c1、および前記カット部15c2と、前記カット部15c1と前記カット部15c2との接続点から、前記第三の切り離し部15Cの突出方向とは反対方向に突出するように形成されたカット部15c3(第四の切り離し部)とからなり、前記カット部15c1、前記カット部15c2、および前記カット部15c3はそれぞれ連設されるように形成されている。つまり、この実施例2の前記第三の切り離し部15Cは、前記カット部15c3が備えられている点において、上記実施例1(変形例を含む)の前記第三の切り離し線15Cと相違する。
この実施例2における前記カット部15c3は、前記カット部15c1と前記カット部15c2との接続点から形成された例を示したが、前記カット部15c1の寸法の範囲内の任意の位置より形成できる。また、この実施例2における前記カット部15c3は、前記第一の切り離し線15Aと前記第二の切り離し線15Bとを結ぶ仮想線に直交するように形成されているが、以下に示す条件を満たすのであれば、この実施例に限定されるものではない。
この切り離し線15´を備えてなる前記帳票連続体10において、図10(a)により示される前記切り離し線15´(破線で囲った区間)は、
第三の切り離し部15Cは、
カット部15c1の寸法=0.3mm
カット部15c3の寸法=1.5mm
アンカット部15dの寸法=0.3mm
突出長L=3.0mm(突出部16の突出長)
幅W=4.8mm(カット部15c1を除いた寸法=突出部16の幅寸法)である。
尚、前記カット部15c2の長さは前記第三の切り離し部15Cの形状やアンカット15dの寸法、個数(実施例2では3個)に応じて決まる。
図10(b)を参照して、前記切り離し線15´についてより詳しく説明する。一般的に、印字が完了した前記検針票11は、前記切り離し線15´(より詳しくは、前記第一の切り離し部15Aと前記第二の切り離し部15B。以下同様)と前記カット刃25が略対向するようにハンディーターミナル1の帳票排紙口23から排出されることで、前記検針票11が前記切り離し線15´において切り離される構成となっている。ところが、ハンディーターミナル1によっては、前記検針票11を排出する際の停止位置精度により、正確に前記切り離し線15´と前記カット刃25が対向せず、前記切り離し線15´の位置がカット刃25より僅かに外方向に行き過ぎたり、僅かに届かなかったりする場合が生じる。
実施例2の切り離し線15´とカット刃25との位置関係をより詳しく説明する。この図10(b)において、ジグザグ線25a、25b、25cで示されているのは、それぞれ前記カット刃25の位置を示すための仮想線であり、このうちジグザグ線25aは、前記検針票11が所定の位置で停止し、前記切り離し線15´と前記カット刃25が対向配置された場合の状態を示している(実施例1で説明した状態)。ジグザグ線25bは、前記検針票11が、所定の停止位置より僅かに手前で停止した状態、つまり、前記切り離し線15´の位置がカット刃25の位置に僅かに届かない状態の前記カット刃25の位置を示している。ジグザグ線25cは、前記検針票11が、所定の停止位置より僅かに行き過ぎて停止した状態、つまり、前記切り離し線15´の位置がカット刃25の位置より僅かに行き過ぎた状態の前記カット刃25の位置を示している。
先ず、前記切り離し線15´の位置がカット刃25の位置に僅かに届かない状態を考える。この状態で前記検針票11を切り離す場合、上記実施例1のように前記切り離し線15´において切り離されればよいが、前記カット刃25が当接した部分において前記検針票11が切り離されてしまう虞がある。具体的には、図10(b)に示すジグザグ線25bに沿うように切り離される可能性が考えられる。この時、例えば前記第三の切り離し部15Cの突出長Lが上記実施例1で評価した最小寸法Lmin=1.0mmで、前記検針票11の停止位置の最大公差Tmax(換言すれば、ハンディーターミナル1の最大公差)が1.5mm(絶対値)であるとすると、最悪の条件において最小突出長Lmin<最大公差Tmaxとなるから、この状態で前記検針票11が前記カット刃25により切り離されると、前記突出部16、および該突出部16に対応する前記切り欠き部17が形成されないことになる。
そして、図10(b)によく示されるように、停止位置の公差Tがゼロに近づくにつれて(突出長L>停止位置の公差T≧0)、少なくとも前記第三の切り離し部15Cの部分は、前記カット刃25に沿うように切り離されず、前記カット部15c2から順に、アンカット部15d、カット部15c2に沿うように切り離されるので、前記突出部16、および該突出部16に対応する前記切り欠き部17が形成される。
以上から、この実施例2における前記第三の切り離し部15Cの突出長Lは次のように形成されるのが良い。
最大突出長Lmax≧突出長L≧停止位置の最大公差Tmax+最小突出長Lmin
尚、最大突出長Lmaxは、本発明の評価結果から3.0mmが好ましく、
最小突出長Lminは、本発明の評価結果から1.0mmが好ましい。
次に、前記切り離し線15´の位置がカット刃25の位置より僅かに行き過ぎた状態を考える。この状態で前記検針票11を切り離す場合においても、上記実施例1のように前記切り離し線15´において切り離されればよいが、前記カット刃25が当接した部分において前記検針票11が切り離されてしまう虞がある。具体的には、図10(b)に示すジグザグ線25cに沿うように切り離される可能性が考えられる。ここで、新たに加えた前記第三の切り離し部15Cの前記カット部15c3が無い場合(即ち、実施例1と同じ構成の場合)を考えると、前記突出部16、および該突出部16に対応する前記切り欠き部17が形成されることはない。
そこで、この実施例2では、前記切り離し線15´の位置が前記カット刃25の位置より僅かに行き過ぎた状態となった場合であっても、前記前記突出部16、および該突出部16に対応する前記切り欠き部17が形成されるよう、前記第三の切り離し部15Cに、該第三の切り離し部15Cの突出方向とは反対方向に突出する新たなカット部15c3を備えさせた構成を採用している。
この実施例2によると、上述のように前記検針票11の停止位置の最大公差Tmaxが1.5mm(絶対値)とした場合、前記カット部15c3の寸法Hを1.5mmとすれば、最悪の条件においてカット部15c3の寸法H=最大公差Tmaxとなるから、少なくとも前記第三の切り離し部15Cの部分は、前記カット部15c3から順に、カット部15c2、アンカット部15d、カット部15c2に沿うよう順に切り離されるので、前記突出部16、および該突出部16に対応する前記切り欠き部17が形成される。
以上から、実施例2において前記第三の切り離し部15Cに新たに備えさせた前記カット部15c3の寸法Hは、次のように形成されるのが良い。
カット部15c3の寸法H≧停止位置の最大公差Tmaxである。
尚、カット部15c3の寸法Hは停止位置の最大公差Tmaxと同じ寸法が好ましい。
実施例1の前記切り離し線15と実施例2の前記切り離し線15´の相違点は、前記第三の切り離し部15Cの前記カット部15cに備えさせた前記カット部15c3の有無だけであり、その他の構成については上述の実施例1、およびその変形例と同じ構成なため、その詳細は省略する。
以上、本発明の実施例2による前記第三の切り離し線15´によると、前記第三の切り離し部15Cを構成する前記カット部15cに前記カット部15c3を備えさせたことにより、前記第三の切り離し部15Cは、前記第一の切り離し部15Aと前記第二の切り離し部15Bとの配列に対して、隣接する前記検針票11側に突出するよう形成された切り離し部と、その突出方向とは反対方向にも突出するよう形成された切り離し部を備えるようになったことから、前記検針票11を前記帳票連続体10から切り離す際に、前記切り離し線15´と前記カット刃25が対向するように配置されないことで、前記検針票11が前記切り離し線15´に沿うように切り離されなくても、少なくとも前記第三の切り離し部15Cに対応する部分は、該第三の切り離し部15Cに沿うように切り離され、前記突出部16、および該突出部16に対応する前記切り欠き部17が必ず形成されるから、前記検針票11の停止位置の精度が悪くても対応可能なハンディーターミナル用帳票連続体が提供できる。