JP6950800B2 - 二次電池、電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器 - Google Patents

二次電池、電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器 Download PDF

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Description

本技術は、正極および負極を含む巻回電極体を備えた二次電池、ならびにその二次電池を用いた電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器に関する。
携帯電話機などの多様な電子機器が広く普及しており、その電子機器の小型化、軽量化および長寿命化が要望されている。そこで、電源として、小型かつ軽量であると共に高エネルギー密度を得ることが可能な二次電池の開発が進められている。
この二次電池は、上記した電子機器に限らず、他の用途への適用も検討されている。一例を挙げると、電子機器などに着脱可能に搭載される電池パックと、電気自動車などの電動車両と、家庭用電力サーバなどの電力貯蔵システムと、電動ドリルなどの電動工具とである。
具体的には、二次電池は、電池素子である巻回電極体を備えている。巻回電極体は、正極および負極がセパレータを介して積層されたのち、その正極、負極およびセパレータが巻回されることにより形成されている。正極には、正極リードが接続されていると共に、負極には、負極リードが接続されている。
巻回電極体を備えた二次電池の構成は、その巻回電極体の構造安定性に影響を及ぼし、ひいては電池特性に大きな影響を及ぼす。そこで、巻回電極体を備えた二次電池の構成に関しては、さまざまな検討がなされている。
具体的には、電極の巻きずれを防止するために、集電体に設けられた未塗布部のうちの上部領域に電極タブが溶接されている場合において、その未塗布部のうちの下部領域に絶縁テープが貼り付けられている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第5535465号明細書
電子機器などは、益々、高性能化および多機能化している。このため、電子機器などの使用頻度は増加していると共に、その電子機器などの使用環境は拡大している。よって、巻回電極体を備えた二次電池の構成は、より電池特性に影響を及ぼしやすい状況にあるため、その電池特性に関しては、未だ改善の余地がある。
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、優れた電池特性を得ることが可能な二次電池、電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器を提供することにある。
本技術の一実施形態の二次電池は、正極端子と、負極端子と、(A)セパレータを介して互いに積層されると共に巻回軸を中心として巻回された正極および負極を含み、(B)巻回軸と交差する断面が長軸および短軸により規定される扁平形状を有し、(C)正極が、正極集電体と、その正極集電体の一部に設けられた正極活物質層とを含み、(D)負極が、負極集電体と、その負極集電体の一部に設けられた負極活物質層とを含み、(E)正極が、巻回方向における巻内側の端部に、長軸の方向に延在すると共に正極端子が取り付けられた第1正極巻回部を含み、(F)負極が、巻回方向における巻内側の端部に、長軸の方向に延在すると共にセパレータを介して第1正極巻回部に対向し、短軸の方向において正極端子と重ならないように負極端子が取り付けられた第1負極巻回部を含む、巻回電極体と、長軸の方向において正極端子よりも正極の巻回方向における巻外側の第1領域と、長軸の方向において負極端子よりも負極の巻回方向における巻外側の第2領域と、正極端子と負極端子との間の第3領域とのうちの少なくとも1つにおいて、第1正極巻回部および第1負極巻回部のうちの少なくとも一方に設けられ、正極端子および負極端子のそれぞれの存在に起因して発生する段差が巻回電極体の扁平形状に影響を与えることを緩和する1または2以上の段差緩和部材とを備え、負極が、さらに、第1負極巻回部よりも負極の巻回方向における巻内側に配置され、長軸の方向に延在すると共にセパレータを介して第1負極巻回部に対向する第4負極巻回部を含み、第4負極巻回部のうちの負極集電体が、第1領域、第2領域および第3領域のうちの少なくとも1つに、負極活物質層が設けられていない第4負極露出部を含み、段差緩和部材が、第4負極露出部に設けられているものである。
本技術の一実施形態の電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器のそれぞれは、二次電池を備え、その二次電池が上記した本技術の一実施形態の二次電池と同様の構成を有するものである。
ここで、段差緩和部材の形成位置および個数に関する詳細は、以下の通りである。
第1に、段差緩和部材は、第1領域だけに設けられていてもよいし、第2領域だけに設けられていてもよいし、第3領域だけに設けられていてもよい。また、段差緩和部材は、第1領域および第2領域の双方に設けられていてもよいし、第2領域および第3領域の双方に設けられていてもよいし、第1領域および第3領域の双方に設けられていてもよい。さらに、段差緩和部材は、第1領域、第2領域および第3領域の全てに設けられていてもよい。
第2に、段差緩和部材は、第1正極巻回部だけに設けられていてもよいし、第1負極巻回部だけに設けられていてもよいし、第1正極巻回部および第1負極巻回部の双方に設けられていてもよい。
第3に、段差緩和部材の数は、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。
本技術の一実施形態の二次電池によれば、第1領域、第2領域および第3領域のうちの少なくとも1つにおいて、正極端子および負極端子のそれぞれの存在に起因して発生する段差が巻回電極体の扁平形状に影響を与えることを緩和する1または2以上の段差緩和部材が第1正極巻回部および第1負極巻回部のうちの少なくとも一方に設けられていると共に、第4負極巻回部のうちの負極集電体が第1領域、第2領域および第3領域のうちの少なくとも1つに負極活物質層が設けられていない第4負極露出部を含み、その第4負極露出部に段差緩和部材が設けられているので、優れた電池特性を得ることができる。また、本技術の一実施形態の電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器のそれぞれにおいても、同様の効果を得ることができる。
なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるわけではなく、本技術中に記載されたいずれの効果であってもよい。
本技術の一実施形態の二次電池の構成を表す斜視図である。 図1に示したII−II線に沿った巻回電極体の構成を表す断面図である。 図2に示した巻回電極体の構成のうちの一部を拡大して表す断面図である。 図2に示した正極および負極のそれぞれを模式的に表した図である。 図2に示した正極および負極のそれぞれの主要部の構成を拡大して表す断面図である。 図5に示した正極および負極のそれぞれの主要部の構成に関する変形例を表す断面図である。 図5に示した正極および負極のそれぞれの主要部の構成に関する他の変形例を表す断面図である。 二次電池の適用例(電池パック:単電池)の構成を表す斜視図である。 図8に示した電池パックの構成を表すブロック図である。 二次電池の適用例(電池パック:組電池)の構成を表すブロック図である。 二次電池の適用例(電動車両)の構成を表すブロック図である。 二次電池の適用例(電力貯蔵システム)の構成を表すブロック図である。 二次電池の適用例(電動工具)の構成を表すブロック図である。
以下、本技術の一実施形態に関して、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。

1.二次電池
1−1.全体構成
1−2.巻回電極体の構成
1−3.段差緩和テープの構成
1−4.動作
1−5.製造方法
1−6.作用および効果
1−7.変形例
2.二次電池の用途
2−1.電池パック(単電池)
2−2.電池パック(組電池)
2−3.電動車両
2−4.電力貯蔵システム
2−5.電動工具
<1.二次電池>
まず、本技術の一実施形態の二次電池に関して説明する。
ここで説明する二次電池は、例えば、電極反応物質としてリチウムを用いた二次電池であり、より具体的には、リチウムの吸蔵現象およびリチウムの放出現象を利用して電池容量(負極の容量)が得られるリチウムイオン二次電池である。この「電極反応物質」とは、電極反応(充放電反応)を進行させるために用いられる物質である。
<1−1.全体構成>
まず、二次電池の全体構成に関して説明する。図1は、二次電池の斜視構成を表していると共に、図2は、図1に示したII−II線に沿った巻回電極体100の断面構成を表している。
以降では、X軸方向の寸法を「幅」、Y軸方向の寸法を「厚さ」、Z軸方向の寸法を「高さ」とする。
この二次電池は、例えば、フィルム状の外装部材1を用いたラミネートフィルム型の二次電池である。
具体的には、二次電池は、例えば、図1に示したように、フィルム状の外装部材1と、巻回電極体100と、正極リード2と、負極リード3とを備えている。なお、図1では、外装部材1の構成および巻回電極体100の構成を見やすくするために、その外装部材1の内部に巻回電極体100が収納される前の状態(外装部材1と巻回電極体100とが互いに離間されている状態)を示している。
[外装部材]
外装部材1は、主に、巻回電極体100などを収納する収納部材である。
この外装部材1は、例えば、図1に示したように、矢印Rの方向に折り畳み可能な1枚のフィルムであり、その外装部材1には、例えば、巻回電極体100を収納するための窪み1Uが設けられている。
具体的には、外装部材1は、例えば、ラミネートフィルムなどである。ラミネートフィルムの構成は、特に限定されないが、例えば、融着層と、金属層と、表面保護層とがこの順に積層された多層構造を有している。
二次電池の製造工程では、融着層同士が巻回電極体100を介して互いに対向するように1枚の外装部材1が折り畳まれたのち、互いに対向する融着層の外周縁部同士が互いに融着されることにより、その外装部材1が封止される。ただし、2枚の外装部材1が巻回電極体100を介して互いに対向するように配置されたのち、互いに対向する融着層同士が互いに融着されてもよい。または、2枚の外装部材1が巻回電極体100を介して互いに対向するように配置されたのち、その2枚の外装部材1の外周縁部同士が接着剤を介して互いに貼り合わされてもよい。
融着層は、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのフィルムのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。金属層は、例えば、アルミニウム箔などの金属箔のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。表面保護層は、例えば、ナイロンおよびポリエチレンテレフタレートなどのフィルムのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
中でも、外装部材1は、ポリエチレンフィルムと、アルミニウム箔と、ナイロンフィルムとがこの順に積層されたアルミラミネートフィルムであることが好ましい。優れた封止性および耐久性などが得られるからである。ただし、外装部材1は、例えば、他の多層構造を有するラミネートフィルムでもよい。または、外装部材1は、例えば、ラミネートフィルムに限られず、ポリプロピレンなどのうちのいずれか1種類または2種類以上を含む1枚のフィルムでもよいし、アルミニウムなどのうちのいずれか1種類または2種類以上を含む1枚の金属箔でもよい。
[巻回電極体]
巻回電極体100は、主に、充放電反応を担う電池素子であり、例えば、正極10と、負極20と、セパレータ30と、液状の電解質である電解液とを含んでいる。
具体的には、巻回電極体100は、図2に示したように、正極10および負極20がセパレータ30を介して互いに積層されたのち、その正極10、負極20およびセパレータ30が巻回軸Jを中心として巻回されることにより形成されている。電解液は、例えば、正極10、負極20およびセパレータ30のそれぞれに含浸されている。巻回電極体100の最外周部は、例えば、保護テープなどにより保護されていてもよい。
特に、巻回電極体100は、上記した手順により形成されたのちに加圧されることにより、扁平形状を有している。すなわち、巻回電極体100の断面形状は、扁平形状である。この「断面」とは、巻回軸Jと交差する断面であり、XY面に沿った面である。また、「扁平形状」とは、長軸(X軸)および短軸(Y軸)により規定される形状であり、より具体的には、幅が厚さよりも大きい略楕円形である。
なお、巻回電極体100の詳細な構成に関しては、後述する(図3参照)。
[正極リード]
正極リード2は、正極10に取り付けられた正極端子であり、より具体的には、例えば、後述する正極集電体11に取り付けられている。
この正極リード2は、例えば、外装部材1の内部から外部に向かって導出されており、アルミニウムなどの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。正極リード2の形状は、例えば、薄板状および網目状のうちのいずれか1種類または2種類以上である。
[負極リード]
負極リード3は、負極20に取り付けられた負極端子であり、より具体的には、例えば、後述する負極集電体21に取り付けられている。
この負極リード3は、例えば、外装部材1の内部から外部に向かって導出されており、銅、ニッケルおよびステンレスなどの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。負極リード3の導出方向は、例えば、正極リード2の導出方向と同じ方向であると共に、負極リード3の形状は、例えば、正極リード2の形状と同様である。
[密着フィルム]
なお、外装部材1と正極リード2との間には、例えば、密着フィルム4が挿入されていると共に、外装部材1と負極リード3との間には、例えば、密着フィルム5が挿入されている。
密着フィルム4,5のそれぞれは、主に、外装部材1の内部に外気が侵入することを防止する部材であり、例えば、密着性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。この「密着性材料」とは、正極リード2および負極リード3のそれぞれに対して密着性を有する材料であり、例えば、ポリオレフィン樹脂などである。このポリオレフィン樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンおよび変性ポリプロピレンなどである。
<1−2.巻回電極体の構成>
続いて、巻回電極体100の構成に関して説明する。図3は、図2に示した巻回電極体100の断面構成のうちの一部を拡大している。図4は、図2に示した正極10および負極20のそれぞれを模式的に表している。図5は、図2に示した正極10および負極20のそれぞれの主要部の断面構成を拡大している。なお、図4では、正極10および負極20のそれぞれを1本の線状に示している。この場合には、正極10と負極20とを互いに区別しやすくするために、正極10を太線で示していると共に、負極20を細線で示している。
[正極]
正極10は、例えば、図3に示したように、正極集電体11と、その正極集電体11の両面に設けられた2つの正極活物質層12とを含んでいる。ただし、正極活物質層12は、正極集電体11の一部だけに設けられている。正極集電体11に対する正極活物質層12の設置範囲の詳細に関しては、後述する。
(正極集電体)
正極集電体11は、例えば、アルミニウム、ニッケルおよびステンレスなどの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。この正極集電体11は、単層でもよいし、多層でもよい。
(正極活物質層)
正極活物質層12は、正極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、正極活物質層12は、さらに、正極結着剤および正極導電剤などの他の材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
特に、正極活物質層12は、上記したように、正極集電体11の両面に設けられている。このため、正極10は、例えば、正極集電体11の内周側の面に設けられた内周側正極活物質層12Aと、その正極集電体11の外周側の面に設けられた外周側正極活物質層12Bとを含んでいる。なお、「内周側」とは、巻回軸Jに近い側であると共に、「外周側」とは、その巻回軸Jから遠い側である。
正極材料は、リチウム含有化合物であることが好ましい。高いエネルギー密度が得られるからである。リチウム含有化合物の種類は、特に限定されないが、例えば、リチウム含有複合酸化物およびリチウム含有リン酸化合物などである。
リチウム含有複合酸化物は、リチウムと1種類または2種類以上の他元素とを構成元素として含む酸化物の総称であり、例えば、層状岩塩型およびスピネル型などのうちのいずれかの結晶構造を有している。リチウム含有リン酸化合物は、リチウムと1種類または2種類以上の他元素とを構成元素として含むリン酸化合物の総称であり、例えば、オリビン型などの結晶構造を有している。この「他元素」とは、リチウム以外の元素である。
他元素の種類は、特に限定されないが、中でも、長周期型周期表のうちの2族〜15族に属する元素であることが好ましい。具体的には、他元素は、例えば、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)および鉄(Fe)などである。高い電圧が得られるからである。
層状岩塩型の結晶構造を有するリチウム含有複合酸化物は、例えば、下記の式(1)〜式(3)のそれぞれで表される化合物である。
Lia Mn(1-b-c) Nib M11c (2-d) e ・・・(1)
(M11は、コバルト(Co)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)のうちの少なくとも1種である。a〜eは、0.8≦a≦1.2、0<b<0.5、0≦c≦0.5、(b+c)<1、−0.1≦d≦0.2および0≦e≦0.1を満たす。ただし、リチウムの組成は充放電状態に応じて異なり、aは完全放電状態の値である。)
Lia Ni(1-b) M12b (2-c) d ・・・(2)
(M12は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)のうちの少なくとも1種である。a〜dは、0.8≦a≦1.2、0.005≦b≦0.5、−0.1≦c≦0.2および0≦d≦0.1を満たす。ただし、リチウムの組成は充放電状態に応じて異なり、aは完全放電状態の値である。)
Lia Co(1-b) M13b (2-c) d ・・・(3)
(M13は、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)のうちの少なくとも1種である。a〜dは、0.8≦a≦1.2、0≦b<0.5、−0.1≦c≦0.2および0≦d≦0.1を満たす。ただし、リチウムの組成は充放電状態に応じて異なり、aは完全放電状態の値である。)
層状岩塩型の結晶構造を有するリチウム含有複合酸化物の具体例は、LiNiO2 、LiCoO2 、LiCo0.98Al0.01Mg0.012 、LiNi0.5 Co0.2 Mn0.3 2 、LiNi0.8 Co0.15Al0.052 、LiNi0.33Co0.33Mn0.332 、Li1.2 Mn0.52Co0.175 Ni0.1 2 およびLi1.15(Mn0.65Ni0.22Co0.13)O2 などである。
なお、層状岩塩型の結晶構造を有するリチウム含有複合酸化物がニッケル、コバルト、マンガンおよびアルミニウムを構成元素として含む場合には、そのニッケルの原子比率は、50原子%以上であることが好ましい。高いエネルギー密度が得られるからである。
スピネル型の結晶構造を有するリチウム含有複合酸化物は、例えば、下記の式(4)で表される化合物である。
Lia Mn(2-b) M14b c d ・・・(4)
(M14は、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)のうちの少なくとも1種である。a〜dは、0.9≦a≦1.1、0≦b≦0.6、3.7≦c≦4.1および0≦d≦0.1を満たす。ただし、リチウムの組成は充放電状態に応じて異なり、aは完全放電状態の値である。)
スピネル型の結晶構造を有するリチウム含有複合酸化物の具体例は、LiMn2 4 などである。
オリビン型の結晶構造を有するリチウム含有リン酸化合物は、例えば、下記の式(5)で表される化合物である。
Lia M15PO4 ・・・(5)
(M15は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、タングステン(W)およびジルコニウム(Zr)のうちの少なくとも1種である。aは、0.9≦a≦1.1を満たす。ただし、リチウムの組成は充放電状態に応じて異なり、aは完全放電状態の値である。)
オリビン型の結晶構造を有するリチウム含有リン酸化合物の具体例は、LiFePO4 、LiMnPO4 、LiFe0.5 Mn0.5 PO4 およびLiFe0.3 Mn0.7 PO4 などである。
なお、リチウム含有複合酸化物は、下記の式(6)で表される化合物でもよい。
(Li2 MnO3 x (LiMnO2 1-x ・・・(6)
(xは、0≦x≦1を満たす。ただし、リチウムの組成は充放電状態に応じて異なり、xは完全放電状態の値である。)
この他、正極材料は、例えば、酸化物、二硫化物、カルコゲン化物および導電性高分子などでもよい。酸化物は、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムおよび二酸化マンガンなどである。二硫化物は、例えば、二硫化チタンおよび硫化モリブデンなどである。カルコゲン化物は、例えば、セレン化ニオブなどである。導電性高分子は、例えば、硫黄、ポリアニリンおよびポリチオフェンなどである。もちろん、正極材料は、上記した一連の材料以外の他の材料でもよい。
正極結着剤は、例えば、合成ゴムおよび高分子化合物などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。合成ゴムは、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムおよびエチレンプロピレンジエンなどである。高分子化合物は、例えば、ポリフッ化ビニリデンおよびポリイミドなどである。
正極導電剤は、例えば、炭素材料などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。この炭素材料は、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックおよびケッチェンブラックなどである。ただし、正極導電剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料および導電性高分子などでもよい。
[負極]
負極20は、例えば、図3に示したように、負極集電体21と、その負極集電体21の両面に設けられた2つの負極活物質層22とを含んでいる。ただし、負極活物質層22は、負極集電体22Aの一部だけに設けられている。負極集電体21に対する負極活物質層22の設置範囲の詳細に関しては、後述する。
(負極集電体)
負極集電体21は、例えば、銅、アルミニウム、ニッケルおよびステンレスなどの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。この負極集電体21は、単層でもよいし、多層でもよい。
負極集電体21の表面は、粗面化されていることが好ましい。いわゆるアンカー効果を利用して、負極集電体21に対する負極活物質層22の密着性が向上するからである。この場合には、少なくとも負極活物質層22と対向する領域において、負極集電体21の表面が粗面化されていればよい。粗面化の方法は、例えば、電解処理を利用して微粒子を形成する方法などである。電解処理では、電解槽中において電解法により負極集電体21の表面に微粒子が形成されるため、その負極集電体21の表面に凹凸が設けられる。電解法により作製された銅箔は、一般的に、電解銅箔と呼ばれている。
(負極活物質層)
負極活物質層22は、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能である負極材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、負極活物質層22は、さらに、負極結着剤および負極導電剤などの他の材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
なお、負極活物質層22は、上記したように、負極集電体21の両面に設けられている。このため、負極20は、例えば、負極集電体21の内周側の面に設けられた内周側負極活物質層22Aと、その負極集電体21の外周側の面に配置された外周側負極活物質層22Bとを含んでいる。
充電途中において負極20の表面にリチウム金属が意図せずに析出することを抑制するために、負極材料の充電可能な容量は、正極10の放電容量よりも大きいことが好ましい。すなわち、リチウムを吸蔵および放出することが可能である負極材料の電気化学当量は、正極10の電気化学当量よりも大きいことが好ましい。
負極材料は、例えば、炭素材料である。リチウムの吸蔵時およびリチウムの放出時における結晶構造の変化が非常に少ないため、高いエネルギー密度が安定に得られるからである。また、炭素材料は負極導電剤としても機能するため、負極活物質層22の導電性が向上するからである。
炭素材料は、例えば、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素および黒鉛などである。ただし、難黒鉛化性炭素に関する(002)面の面間隔は、0.37nm以上であることが好ましいと共に、黒鉛に関する(002)面の面間隔は、0.34nm以下であることが好ましい。より具体的には、炭素材料は、例えば、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、活性炭およびカーボンブラック類などである。このコークス類は、ピッチコークス、ニードルコークスおよび石油コークスなどを含む。有機高分子化合物焼成体は、フェノール樹脂およびフラン樹脂などの高分子化合物が適当な温度で焼成(炭素化)された物質である。この他、炭素材料は、約1000℃以下の温度で熱処理された低結晶性炭素でもよいし、非晶質炭素でもよい。なお、炭素材料の形状は、繊維状、球状、粒状および鱗片状のうちのいずれでもよい。
また、負極材料は、例えば、金属系材料である。この「金属系材料」とは、金属元素および半金属元素のうちのいずれか1種類または2種類以上を構成元素として含む材料の総称である。高いエネルギー密度が得られるからである。
金属系材料は、単体でもよいし、合金でもよいし、化合物でもよいし、それらのうちの2種類以上でもよいし、それらのうちの1種類または2種類以上の相を少なくとも一部に含む材料でもよい。ただし、合金には、2種類以上の金属元素からなる材料に加えて、1種類以上の金属元素と1種類以上の半金属元素とを含む材料も含まれる。また、合金は、非金属元素を含んでいてもよい。この金属系材料の組織は、例えば、固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物およびそれらの2種類以上の共存物などである。
金属元素および半金属元素のそれぞれは、例えば、リチウムと合金を形成可能な元素である。具体的には、金属元素および半金属元素は、例えば、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)および白金(Pt)などである。
中でも、ケイ素およびスズのうちの一方または双方が好ましい。リチウムを吸蔵および放出する能力が優れているため、著しく高いエネルギー密度が得られるからである。
ケイ素を構成元素として含む材料は、ケイ素の単体でもよいし、ケイ素の合金でもよいし、ケイ素の化合物でもよいし、それらのうちの2種類以上でもよいし、それらのうちの1種類または2種類以上の相を少なくとも一部に含む材料でもよい。
また、スズを構成元素として含む材料は、スズの単体でもよいし、スズの合金でもよいし、スズの化合物でもよいし、それらのうちの2種類以上でもよいし、それらのうちの1種類または2種類以上の相を少なくとも一部に含む材料でもよい。
ここで説明する「単体」とは、あくまで一般的な意味合いでの単体を意味しているため、その単体は、微量の不純物を含んでいてもよい。すなわち、単体の純度は、必ずしも100%に限られない。
ケイ素の合金は、例えば、ケイ素以外の構成元素として、スズ、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモンおよびクロムなどのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ケイ素の化合物は、例えば、ケイ素以外の構成元素として、炭素および酸素などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。なお、ケイ素の化合物は、例えば、ケイ素以外の構成元素として、ケイ素の合金に関して説明した一連の元素のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
ケイ素の合金の具体例およびケイ素の化合物の具体例は、SiB4 、SiB6 、Mg2 Si、Ni2 Si、TiSi2 、MoSi2 、CoSi2 、NiSi2 、CaSi2 、CrSi2 、Cu5 Si、FeSi2 、MnSi2 、NbSi2 、TaSi2 、VSi2 、WSi2 、ZnSi2 、SiC、Si3 4 、Si2 2 O、SiOv (0<v≦2)、およびLiSiOなどである。なお、SiOv におけるvは、0.2<v<1.4でもよい。
スズの合金は、例えば、スズ以外の構成元素として、ケイ素、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモンおよびクロムなどのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。スズの化合物は、例えば、スズ以外の構成元素として、炭素および酸素などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。なお、スズの化合物は、例えば、スズ以外の構成元素として、スズの合金に関して説明した一連の元素のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
スズの合金の具体例およびスズの化合物の具体例は、SnOw (0<w≦2)、SnSiO3 、LiSnOおよびMg2 Snなどである。
特に、スズを構成元素として含む材料は、例えば、第1構成元素であるスズと共に第2構成元素および第3構成元素を含む材料(スズ含有材料)であることが好ましい。第2構成元素は、例えば、コバルト、鉄、マグネシウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、銀、インジウム、セシウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、タンタル、タングステン、ビスマスおよびケイ素などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。第3構成元素は、例えば、ホウ素、炭素、アルミニウムおよびリンなどのうちのいずれか1種類または2種類以上である。高い電池容量および優れたサイクル特性などが得られるからである。
中でも、スズ含有材料は、スズとコバルトと炭素とを構成元素として含む材料(スズコバルト炭素含有材料)であることが好ましい。このスズコバルト炭素含有材料では、例えば、炭素の含有量が9.9質量%〜29.7質量%、スズおよびコバルトの含有量の割合(Co/(Sn+Co))が20質量%〜70質量%である。高いエネルギー密度が得られるからである。
スズコバルト炭素含有材料は、スズとコバルトと炭素とを構成元素として含む相を有しており、その相は、低結晶性または非晶質であることが好ましい。この相は、リチウムと反応可能な相(反応相)であるため、その反応相の存在に起因して優れた特性が得られる。この反応相のX線回折により得られる回折ピークの半値幅(回折角2θ)は、特定X線としてCuKα線を用いると共に挿引速度を1°/minとした場合、1°以上であることが好ましい。リチウムが円滑に吸蔵および放出されると共に、電解液との反応性が低減するからである。なお、スズコバルト炭素含有材料は、低結晶性または非晶質である相に加えて、各構成元素の単体または一部が含まれている相を有する場合もある。
X線回折により得られた回折ピークがリチウムと反応可能な反応相に対応する回折ピークであるか否かを判断するためには、例えば、リチウムとの電気化学的反応の前後におけるX線回折チャートを比較すればよい。リチウムとの電気化学的反応の前後において回折ピークの位置が変化すれば、その回折ピークは、リチウムと反応可能な反応相に対応する回折ピークである。この場合には、例えば、低結晶性または非晶質である反応相の回折ピークが2θ=20°〜50°の範囲に検出される。この反応相は、例えば、上記した一連の構成元素を含んでおり、主に、炭素の存在に起因して低結晶化または非晶質化していると考えられる。
スズコバルト炭素含有材料では、構成元素である炭素のうちの少なくとも一部が他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合していることが好ましい。スズの凝集およびスズの結晶化などが抑制されるからである。元素の結合状態に関しては、例えば、X線光電子分光法(XPS)を用いて確認可能である。市販の装置では、例えば、軟X線としてAl−Kα線またはMg−Kα線などが用いられる。炭素の一部または全部が金属元素または半金属元素などと結合している場合には、炭素の1s軌道(C1s)の合成波のピークが284.5eVよりも低い領域に検出される。ただし、金原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVのエネルギー位置に検出されるようにエネルギー較正されていることとする。この場合には、通常、物質表面に表面汚染炭素が存在しているため、その表面汚染炭素のC1sのピークが検出されるエネルギー位置を284.8eVとして、そのピークをエネルギー基準とする。XPS測定において、C1sのピークの波形は、通常、表面汚染炭素のピークとSnCoC含有材料中の炭素のピークとを含んだ状態で得られる。このため、例えば、市販のソフトウエアを用いてピークを解析することにより、表面汚染炭素のピークとSnCoC含有材料中の炭素のピークとに分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークのエネルギー位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
このスズコバルト炭素含有材料は、構成元素がスズ、コバルトおよび炭素だけである材料(SnCoC)に限られない。このスズコバルト炭素含有材料は、例えば、スズ、コバルトおよび炭素に加えて、さらにケイ素、鉄、ニッケル、クロム、インジウム、ニオブ、ゲルマニウム、チタン、モリブデン、アルミニウム、リン、ガリウムおよびビスマスなどのうちのいずれか1種類または2種類以上を構成元素として含んでいてもよい。
スズコバルト炭素含有材料の他、スズとコバルトと鉄と炭素とを構成元素として含む材料(スズコバルト鉄炭素含有材料)も好ましい。このスズコバルト鉄炭素含有材料の組成は、任意である。一例を挙げると、鉄の含有量を少なめに設定する場合は、炭素の含有量が9.9質量%〜29.7質量%、鉄の含有量が0.3質量%〜5.9質量%、スズおよびコバルトの含有量の割合(Co/(Sn+Co))が30質量%〜70質量%である。また、鉄の含有量を多めに設定する場合は、炭素の含有量が11.9質量%〜29.7質量%、スズ、コバルトおよび鉄の含有量の割合((Co+Fe)/(Sn+Co+Fe))が26.4質量%〜48.5質量%、コバルトおよび鉄の含有量の割合(Co/(Co+Fe))が9.9質量%〜79.5質量%である。高いエネルギー密度が得られるからである。なお、スズコバルト鉄炭素含有材料の物性(半値幅など)は、例えば、上記したスズコバルト炭素含有材料の物性と同様である。
この他、負極材料は、例えば、金属酸化物および高分子化合物などでもよい。金属酸化物は、例えば、酸化鉄、酸化ルテニウムおよび酸化モリブデンなどである。高分子化合物は、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリンおよびポリピロールなどである。
中でも、負極材料は、以下で説明する理由により、炭素材料および金属系材料の双方を含むことが好ましい。
金属系材料、特に、ケイ素およびスズのうちの一方または双方を構成元素として含む材料は、理論容量が高いという利点を有する反面、充放電時において激しく膨張収縮しやすいという懸念点を有する。一方、炭素材料は、理論容量が低いという懸念点を有する反面、充放電時において膨張収縮しにくいという利点を有する。よって、炭素材料および金属系材料の双方を用いることにより、高い理論容量(言い換えれば電池容量)を得つつ、充放電時において負極材料の膨張収縮が抑制される。
なお、負極活物質層22Bは、例えば、塗布法、気相法、液相法、溶射法および焼成法(焼結法)などのうちのいずれか1種類または2種類以上の方法を用いて形成されている。
塗布法は、例えば、粒子(粉末)状の負極活物質と負極結着剤などとの混合物が有機溶剤などに溶解または分散された溶液を負極集電体21に塗布する方法である。気相法は、例えば、物理堆積法および化学堆積法などである。より具体的には、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、熱化学気相成長、化学気相成長(CVD)法およびプラズマ化学気相成長法などである。液相法は、例えば、電解鍍金法および無電解鍍金法などである。溶射法は、溶融状態または半溶融状態の負極活物質を負極集電体21に噴き付ける方法である。焼成法は、例えば、上記した溶液を負極集電体21に塗布したのち、負極結着剤などの融点よりも高い温度で溶液を熱処理する方法である。この焼成法は、例えば、雰囲気焼成法、反応焼成法およびホットプレス焼成法などである。
この二次電池では、上記したように、充電途中において負極20の表面にリチウム金属が意図せずに析出することを防止するために、リチウムを吸蔵および放出することが可能である負極材料の電気化学当量は、正極の電気化学当量よりも大きいことが好ましい。また、完全充電時の開回路電圧(すなわち電池電圧)が4.25V以上であると、その完全充電時の開回路電圧が4.20Vである場合と比較して、同じ正極活物質を用いても単位質量当たりのリチウムの放出量が多くなるため、そのことを考慮した上で正極活物質の量と負極活物質の量は互いに調整されていることが好ましい。これにより、高いエネルギー密度が得られる。
[セパレータ]
セパレータ30は、例えば、図3に示したように、正極10と負極20との間に介在している。これにより、セパレータ30は、正極10と負極20との接触に起因する電流の短絡を防止しながらリチウムイオンを通過させる。なお、図2では、図示内容を簡略化するために、セパレータ30を太線状に示している。
このセパレータ30は、例えば、合成樹脂およびセラミックなどの多孔質膜のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、2種類以上の多孔質膜の積層膜でもよい。合成樹脂は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどである。
特に、セパレータ30は、例えば、上記した多孔質膜(基材層)と、その基材層の片面または両面に設けられた高分子化合物層とを含んでいてもよい。正極10に対するセパレータ30の密着性が向上すると共に、負極20に対するセパレータ30の密着性が向上するため、巻回電極体100の歪みが抑制されるからである。これにより、電解液の分解反応が抑制されると共に、基材層に含浸された電解液の漏液も抑制されるため、充放電を繰り返しても、抵抗が上昇しにくくなると共に二次電池が膨れにくくなる。
高分子化合物層は、例えば、ポリフッ化ビニリデンなどの高分子化合物のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。物理的強度に優れていると共に、電気化学的に安定だからである。この高分子化合物層を形成する場合には、例えば、有機溶剤などに高分子化合物が溶解された溶液を基材層に塗布したのち、その基材層を乾燥させる。または、例えば、溶液中に基材層を浸漬させたのち、その基材層を乾燥させてもよい。
なお、高分子化合物層は、例えば、無機粒子などの絶縁性粒子のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。無機粒子の種類は、例えば、酸化アルミニウムおよび窒化アルミニウムなどである。
[電解液]
電解液は、溶媒および電解質塩を含んでいる。ただし、電解液は、さらに、添加剤などの他の材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
(溶媒)
溶媒は、有機溶媒などの非水溶媒のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。非水溶媒を含む電解液は、いわゆる非水電解液である。
非水溶媒は、例えば、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、ラクトン、鎖状カルボン酸エステルおよびニトリル(モノニトリル)などである。優れた電池容量、サイクル特性および保存特性などが得られるからである。
環状炭酸エステルは、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレンおよび炭酸ブチレンなどである。鎖状炭酸エステルは、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルおよび炭酸メチルプロピルなどである。ラクトンは、例えば、γ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンなどである。鎖状カルボン酸エステルは、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチルおよびトリメチル酢酸エチルなどである。ニトリルは、例えば、アセトニトリル、メトキシアセトニトリルおよび3−メトキシプロピオニトリルなどである。
この他、非水溶媒は、例えば、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、燐酸トリメチルおよびジメチルスルホキシドなどでもよい。同様の利点が得られるからである。
中でも、環状炭酸エステルおよび鎖状炭酸エステルのうちのいずれか1種類または2種類以上が好ましく、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルなどのうちのいずれか1種類または2種類以上がより好ましい。高い電池容量、優れたサイクル特性および優れた保存特性などが得られるからである。この場合には、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンなどの高粘度(高誘電率)溶媒(例えば、比誘電率ε≧30)と、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルおよび炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒(例えば、粘度≦1mPa・s)との組み合わせがさらに好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するからである。
また、非水溶媒は、例えば、不飽和環状炭酸エステル、ハロゲン化炭酸エステル、スルホン酸エステル、酸無水物、ジシアノ化合物(ジニトリル化合物)、ジイソシアネート化合物、リン酸エステルおよび炭素間三重結合を有する鎖状化合物などである。電解液の化学的安定性が向上するからである。
不飽和環状炭酸エステルは、1個または2個以上の不飽和結合(炭素間二重結合または炭素間三重結合)を有する環状炭酸エステルの総称である。この不飽和環状炭酸エステルは、例えば、炭酸ビニレン、炭酸ビニルエチレンおよび炭酸メチレンエチレンなどである。非水溶媒中における不飽和環状炭酸エステルの含有量は、特に限定されないが、例えば、0.01重量%〜10重量%である。
ハロゲン化炭酸エステルは、1個または2個以上のハロゲン元素を構成元素として含む環状または鎖状の炭酸エステルの総称である。ハロゲン化炭酸エステルが2個以上のハロゲン元素を構成元素として含む場合、その2個以上のハロゲン元素の種類は、1種類だけでもよいし、2種類以上でもよい。環状のハロゲン化炭酸エステルは、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンおよび4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどである。鎖状のハロゲン化炭酸エステルは、例えば、炭酸フルオロメチルメチル、炭酸ビス(フルオロメチル)および炭酸ジフルオロメチルメチルなどである。非水溶媒中におけるハロゲン化炭酸エステルの含有量は、特に限定されないが、例えば、0.01重量%〜50重量%である。
スルホン酸エステルは、例えば、モノスルホン酸エステルおよびジスルホン酸エステルなどである。非水溶媒中におけるスルホン酸エステルの含有量は、特に限定されないが、例えば、0.01重量%〜10重量%である。
モノスルホン酸エステルは、環状モノスルホン酸エステルでもよいし、鎖状モノスルホン酸エステルでもよい。環状モノスルホン酸エステルは、例えば、1,3−プロパンスルトンおよび1,3−プロペンスルトンなどのスルトンである。鎖状モノスルホン酸エステルは、例えば、環状モノスルホン酸エステルが途中で切断された化合物などである。ジスルホン酸エステルは、環状ジスルホン酸エステルでもよいし、鎖状ジスルホン酸エステルでもよい。
酸無水物は、例えば、カルボン酸無水物、ジスルホン酸無水物およびカルボン酸スルホン酸無水物などである。カルボン酸無水物は、例えば、無水コハク酸、無水グルタル酸および無水マレイン酸などである。ジスルホン酸無水物は、例えば、無水エタンジスルホン酸および無水プロパンジスルホン酸などである。カルボン酸スルホン酸無水物は、例えば、無水スルホ安息香酸、無水スルホプロピオン酸および無水スルホ酪酸などである。非水溶媒中における酸無水物の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.5重量%〜5重量%である。
ジニトリル化合物は、例えば、NC−R1−CN(R1は、アルキレン基およびアリーレン基のうちのいずれかである。)で表される化合物である。このジニトリル化合物は、例えば、スクシノニトリル(NC−C2 4 −CN)、グルタロニトリル(NC−C3 6 −CN)、アジポニトリル(NC−C4 8 −CN)およびフタロニトリル(NC−C6 4 −CN)などである。非水溶媒中におけるジニトリル化合物の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.5重量%〜5重量%である。
ジイソシアネート化合物は、例えば、OCN−R2−NCO(R2は、アルキレン基およびアリーレン基のうちのいずれかである。)で表される化合物である。このジイソシアネート化合物は、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(OCN−C6 12−NCO)などである。非水溶媒中におけるジイソシアネート化合物の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.5重量%〜5重量%である。
リン酸エステルは、例えば、リン酸トリメチルおよびリン酸トリエチルなどである。非水溶媒中におけるリン酸エステルの含有量は、特に限定されないが、例えば、0.5重量%〜5重量%である。
炭素間三重結合を有する鎖状化合物は、1個または2個以上の炭素間三重結合(−C≡C−)を有する鎖状の化合物の総称である。この炭素間三重結合を有する鎖状化合物は、例えば、炭酸プロパルギルメチル(CH≡C−CH2 −O−C(=O)−O−CH3 )およびメチルスルホン酸プロパルギル(CH≡C−CH2 −O−S(=O)2 −CH3 )などである。非水溶媒中における炭素間三重結合を有する鎖状化合物の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.5重量%〜5重量%である。
(電解質塩)
電解質塩は、例えば、リチウム塩のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、電解質塩は、例えば、リチウム塩以外の塩を含んでいてもよい。このリチウム以外の塩は、例えば、リチウム以外の軽金属の塩などである。
リチウム塩は、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、過塩素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 )、テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C6 5 4 )、メタンスルホン酸リチウム(LiCH3 SO3 )、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、テトラクロロアルミン酸リチウム(LiAlCl4 )、六フッ化ケイ酸二リチウム(Li2 SiF6 )、塩化リチウム(LiCl)および臭化リチウム(LiBr)などである。優れた電池容量、サイクル特性および保存特性などが得られるからである。
中でも、六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、過塩素酸リチウムおよび六フッ化ヒ酸リチウムのうちのいずれか1種類または2種類以上が好ましく、六フッ化リン酸リチウムがより好ましい。内部抵抗が低下するからである。
電解質塩の含有量は、特に限定されないが、中でも、溶媒に対して0.3mol/kg〜3.0mol/kgであることが好ましい。高いイオン伝導性が得られるからである。
[正極の巻回構成]
正極10および負極20は、例えば、図2に示したように、正極10が外側に配置されると共に負極20が内側に配置されるように巻回されている。
正極活物質層12は、上記したように、正極集電体11の一部だけに設けられている。このため、内周側正極活物質層12Aは、例えば、正極集電体11の内周側の面の一部だけに設けられていると共に、外周側正極活物質層12Bは、例えば、正極集電体11の外周側の面の一部だけに設けられている。
具体的には、正極10の巻外側の端部では、例えば、正極集電体11の内周側の面に内周側正極活物質層12Aが設けられていないと共に、その正極集電体11の外周側の面に外周側正極活物質層12Bが設けられていない。このため、正極10の巻外側の端部では、例えば、正極集電体11が露出している。ここで説明する「巻外側」とは、正極10の巻回方向における外側(外側の端部に近い側)である。
正極10の巻外側の端部において、正極集電体11の内周側の面に内周側正極活物質層12Aが設けられていない範囲、言い換えれば、正極10の巻外側における内周側正極活物質層12Aの端部の位置は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
また、正極10の巻外側の端部において、正極集電体11の外周側の面に外周側正極活物質層12Bが設けられていない範囲、言い換えれば、正極10の巻外側における外周側正極活物質層12Bの端部の位置は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
ここでは、内周側正極活物質層12Aの巻外側の端部は、例えば、外周側正極活物質層12Bの巻外側の端部よりも巻外側に位置している。
一方、正極10の巻内側の端部では、例えば、正極集電体11の内周側の面に内周側正極活物質層12Aが設けられていないと共に、その正極集電体11の外周側の面に外周側正極活物質層12Bが設けられていない。このため、正極10の巻内側の端部では、例えば、正極集電体11が露出している。ここで説明する「巻内側」とは、正極10の巻回方向における内側(内側の端部に近い側)であり、いわゆる巻心側である。
正極10の巻内側の端部において、正極集電体11の内周側の面に内周側正極活物質層12Aが設けられていない範囲、言い換えれば、正極10の巻内側における内周側正極活物質層12Aの端部の位置は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
また、正極10の巻内側の端部において、正極集電体11の外周側の面に外周側正極活物質層12Bが設けられていない範囲、言い換えれば、正極10の巻内側における外周側正極活物質層12Bの端部の位置は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
ここでは、内周側正極活物質層12Aの巻内側の端部は、例えば、外周側正極活物質層12Bの内周側の端部よりも巻内側に位置している。
[負極の巻回構成]
負極活物質層22は、上記したように、負極集電体21の一部だけに設けられている。このため、内周側負正極活物質層22Aは、例えば、負極集電体21の内周側の面の一部だけに設けられていると共に、外周側負極活物質層22Bは、例えば、負極集電体21の外周側の面の一部だけに設けられている。
具体的には、負極20の巻外側の端部では、例えば、負極集電体21の内周側の面に内周側負極活物質層22Aが設けられていないと共に、その負極集電体21のが外周側の面に外周側負正極活物質層22Bが設けられていない。このため、負極20の巻外側の端部では、例えば、負極集電体21が露出している。
負極20の巻外側の端部において、負極集電体21の内周側の面に内周側負極活物質層22Aが設けられていない範囲、言い換えれば、負極20の巻外側における内周側負極活物質層22Aの端部の位置は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
また、負極20の巻外側の端部において、負極集電体21の外周側の面に外周側負極活物質層22Bが設けられていない範囲、言い換えれば、負極20の巻外側における外周側負極活物質層22Bの端部の位置は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
ここでは、内周側負極活物質層22Aの巻外側の端部は、例えば、外周側負極活物質層22Bの巻外側の端部よりも巻内側に位置している。
一方、負極20の巻内側の端部では、例えば、負極集電体21の内周側の面に内周側負極活物質層22Aが設けられていないと共に、その負極集電体21の外周側の面に外周側負極活物質層22Bが設けられていない。このため、負極20の巻内側の端部では、例えば、負極集電体21が露出している。
負極20の巻内側の端部において、負極集電体21の内周側の面に内周側負極活物質層22Aが設けられていない範囲、言い換えれば、負極20の巻内側における内周側負極活物質層22Aの端部の位置は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
また、負極20の巻内側の端部において、負極集電体21の外周側の面に外周側負極活物質層22Bが設けられていない範囲、言い換えれば、負極20の巻内側における外周側負極活物質層22Bの端部の位置は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
ここでは、内周側負極活物質層22Aの巻内側の端部は、例えば、外周側負極活物質層22Bの巻内側の端部よりも巻外側に位置している。
[正極リードおよび負極リード]
正極10の巻内側の端部である正極集電体11には、正極リード2が取り付けられている。ここでは、正極リード2は、例えば、正極集電体11の外周側の面に設けられている。ただし、正極リード2は、正極集電体11の内周側の面に設けられていてもよい。正極集電体11に対する正極リード2の取り付け方法は、特に限定されないが、例えば、溶接法などである。
負極20の巻内側の端部である負極集電体21には、負極リード3が取り付けられている。ここでは、負極リード3は、例えば、負極集電体21の外周側の面に取り付けられている。ただし、負極リード3は、負極集電体21の内周側の面に設けられていてもよい。この負極リード3は、短軸(Y軸)の方向において正極リード2と重ならないように配置されている。負極集電体21に対する負極リード3の取り付け方法は、例えば、正極集電体11に対する正極リード2の取り付け方法と同様である。
正極10の巻外側の端部である正極集電体11には、例えば、巻止めテープ58が貼り付けられている。ここでは、巻止めテープ58は、例えば、正極集電体11の外周側の面に貼り付けられている。これにより、正極10の巻外側の端部である正極集電体11は、巻回電極体100の本体に固定されている。この巻止めテープ58は、例えば、接着テープなどである。
[保護テープ]
正極10および負極20には、例えば、保護テープ50が貼り付けられている。この保護テープ50は、例えば、絶縁性の高分子化合物などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。絶縁性の高分子化合物の種類は、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン(PP)などである。保護テープ50の厚さは、特に限定されないが、例えば、5μm〜40μmである。
保護テープ50の数は、特に限定されないため、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。ここでは、例えば、7個の保護テープ50(50A〜50G)が用いられている。保護テープ50A〜50Gの設置位置などに関する詳細は、例えば、以下で説明する通りである。
保護テープ50Aは、主に、正極10の巻外側における内周側正極活物質層12Aの端部(角部)およびその周辺を被覆(保護)することにより、その角部に起因して不具合が発生することを抑制する。すなわち、保護テープ51は、例えば、内周側正極活物質層12Aと共に正極集電体11を被覆している。
詳細には、内周側正極活物質層12Aの角部が露出している場合には、その角部がセパレータ30を介して負極20(外周側負極活物質層22)などに食い込みやすくなる。これにより、角部の存在に起因して負極20が変形または破損する可能性がある。この「破損」とは、例えば、負極20に亀裂が発生する現象および負極20およびセパレータ30のそれぞれが切断される現象などである。この場合には、セパレータ30も負極20と同様に変形または破損する可能性がある。
これに対して、内周側正極活物質層12Aの角部が保護テープ50Aにより被覆されていると、その角部の鋭角性が保護テープ50Aにより緩和されるため、その角部が負極20に食い込みにくくなる。これにより、角部の影響が低減するため、負極20が変形または破損しにくくなると共に、セパレータ30も変形または破損しにくくなる。
なお、保護テープ50Aの設置範囲は、任意に設定可能であるため、巻内側および巻外側のうちの一方または双方に拡張されてもよい。図2では、例えば、保護テープ50Aの設置範囲が巻外側に拡張されているため、広い範囲において保護テープ50Aが正極集電体11の内周側の面を被覆している場合を示している。
保護テープ50Bは、主に、正極10の巻外側における外周側正極活物質層12Bの端部(角部)およびその周辺を被覆することにより、その角部に起因して不具合が発生することを抑制する。
なお、保護テープ50Bの設置範囲は、任意に設定可能であるため、巻内側および巻外側のうちの一方または双方に拡張されてもよい。図2では、例えば、保護テープ50Bの設置範囲が巻外側に拡張されているため、広い範囲において保護テープ50Bが正極集電体11の外周側の面を被覆している場合を示している。
保護テープ50Cは、主に、正極10の巻内側における外周側正極活物質層12Bの端部(角部)およびその周辺を被覆することにより、その角部に起因して不具合が発生することを抑制する。
なお、保護テープ50Cの設置範囲は、任意に設定可能であるため、巻内側および巻外側のうちの一方または双方に拡張されてもよい。図2では、例えば、保護テープ50Cの設置範囲が巻内側に拡張されているため、広い範囲において保護テープ50Cが正極集電体11の外周側の面を被覆している場合を示している。
保護テープ50Dは、主に、正極10の巻内側における内周側正極活物質層12Aの端部(角部)およびその周辺を被覆することにより、その角部に起因して不具合が発生することを抑制する。
なお、保護テープ50Dの設置範囲は、任意に設定可能であるため、巻内側および巻外側のうちの一方または双方に拡張されてもよい。図2では、例えば、保護テープ50Dの設置範囲が巻内側に拡張されているため、広い範囲において保護テープ50Dが正極集電体11の内周側の面を被覆している場合を示している。ここでは、保護テープ50Dの設置範囲は、例えば、正極リード2と重なる領域およびその周辺まで拡張されている。
保護テープ50Eは、主に、正極リード2およびその周辺を被覆することにより、その正極リード2の端部(角部)に起因して不具合が発生することを抑制する正極端子保護部材である。すなわち、保護テープ50Eは、例えば、正極リード2と共に正極集電体11を被覆している。正極リード2の角部に起因して不具合が発生する理由は、上記した内周側正極活物質層12Aの角部に起因して不具合が発生する理由と同様である。
なお、保護テープ50Eの設置範囲は、任意に設定可能であるため、巻内側および巻外側のうちの一方または双方に拡張されてもよい。図2では、例えば、保護テープ50Eの設置範囲が巻外側に拡張されているため、広い範囲において保護テープ50Eが正極集電体11の外周側の面を被覆している場合を示している。ここでは、保護テープ50Eは、例えば、保護テープ50Cと接続(一体化)されている。
保護テープ50Fは、主に、負極リード3およびその周辺を被覆することにより、その負極リード3の端部(角部)に起因して不具合が発生することを抑制する負極端子保護部材である。すなわち、保護テープ50Fは、例えば、負極リード3と共に負極集電体21を被覆している。
なお、保護テープ50Fの設置範囲は、任意に設定可能であるため、巻内側および巻外側のうちの一方または双方に拡張されてもよい。
保護テープ50Gは、主に、負極20の巻内側の端部である負極集電体21のうち、負極リード3と重なる領域およびその周辺を被覆することにより、上記した保護テープ50Fと同様に、負極リード3の角部に起因して不具合が発生することを抑制する。
なお、保護テープ50Gの設置範囲は、任意に設定可能であるため、巻内側および巻外側のうちの一方または双方に拡張されてもよい。
[正極および負極のそれぞれの主要部の構成]
正極10は、図4に示したように、巻回軸Jを中心として巻回されている。このため、正極10は、正極10のうちの一部である複数の長軸方向延在部分10Aと、その正極10のうちの他の一部である複数の短軸方向延在部分10Bとを含んでいる。すなわち、正極10は、複数の長軸方向延在部分10Aと複数の短軸方向延在部分10Bとが交互に連結された構造を有している。「複数の長軸方向延在部分10A」とは、巻回軸Jを中心として巻回されている正極10のうち、長軸(X軸)の方向に延在する複数の部分であると共に、「複数の短軸方向延在部分10B」とは、その正極10のうち、短軸(Y軸)の方向に延在する複数の部分である。
なお、図4では、複数の長軸方向延在部分10Aと複数の短軸方向延在部分10Bとを互いに区別しやすくするために、複数の長軸方向延在部分10Aを実線で示していると共に、複数の短軸方向延在部分10Bを破線で示している。また、図示内容を簡略化するために、複数の短軸方向延在部分10Bのそれぞれを直線状に示している。図2から明らかなように、実際には、複数の短軸方向延在部分10Bのそれぞれは湾曲線状である。
また、負極20は、図4に示したように、巻回軸Jを中心として巻回されているため、上記した正極10と同様の構造を有している。すなわち、負極20は、複数の長軸方向延在部分20Aおよび複数の短軸方向延在部分20Bを含んでおり、複数の長軸方向延在部分20Aと複数の短軸方向延在部分20Bとが交互に連結された構造を有している。複数の長軸方向延在部分20Aおよび複数の短軸方向延在部分20Bのそれぞれに関する詳細は、例えば、いずれも負極20のうちの一部であることを除いて、複数の長軸方向延在部分10Aおよび複数の短軸方向延在部分20Bのそれぞれに関する詳細と同様である。
なお、図4では、複数の長軸方向延在部分10Aおよび複数の短軸方向延在部分10Bに関して説明した場合と同様に、複数の長軸方向延在部分20Aを実線で示していると共に、複数の短軸方向延在部分20Bを破線で示している。また、図示内容を簡略化するために、複数の短軸方向延在部分20Bのそれぞれを直線状に示しているが、実際には複数の短軸方向延在部分10Bのそれぞれは湾曲線状である。
正極10(複数の長軸方向延在部分10A)および負極20(複数の長軸方向延在部分20A)は、図2、図4および図5に示したように、巻回軸Jの近傍に、巻回位置に応じて区別される6つの部分を含んでいる。この6つの部分とは、正極10の一部(長軸方向延在部分10A)である第1正極巻回部10Xおよび第2正極巻回部10Yと、負極20の一部(長軸方向延在部分20A)である第1負極巻回部20X、第2負極巻回部20Y、第3負極巻回部20Zおよび第4負極巻回部20Wとである。
具体的には、正極10は、巻内側の端部に、長軸の方向に延在する第1正極巻回部10Xを含んでおり、正極リード2は、第1正極巻回部10Xに取り付けられている。第1正極巻回部10Xでは、例えば、正極集電体11の内周側の面に内周側正極活物質層12Aが設けられていないと共に、その正極集電体11の外周側の面に外周側正極活物質層12Bが設けられていない。
なお、第1正極巻回部10Xの内周側には、例えば、上記したように、保護テープ50Dが貼り付けられていると共に、その第1正極巻回部10Xの外周側には、例えば、上記したように、保護テープ50Eが貼り付けられている。
また、正極10は、例えば、第1正極巻回部10Xよりも巻外側に配置されると共に長軸の方向に延在する第2正極巻回部10Yを含んでいる。この第2正極巻回部10Yは、例えば、セパレータ30を介して第1正極巻回部10Xに対向している。第2正極巻回部10Yでは、例えば、正極集電体11の内周側の面の一部に内周側正極活物質層12Aが設けられていると共に、その正極集電体11の外周側の面の一部に外周側正極活物質層12Bが設けられている。
なお、第2正極巻回部10Yの内周側には、例えば、上記したように、保護テープ50Dが貼り付けられていると共に、その第2正極巻回部10Yの外周側には、例えば、上記したように、保護テープ50Cが貼り付けられている。
一方、負極20は、巻内側の端部に、長軸の方向に延在する第1負極巻回部20Xを含んでおり、負極リード3は、第1負極巻回部20Xに取り付けられている。この第1負極巻回部20Xは、セパレータ30を介して第1正極巻回部10Xに対向している。第1負極巻回部20Xでは、例えば、負極集電体21の内周側の面に内周側負極活物質層22Aが設けられていないと共に、その負極集電体21の外周側の面の一部に外周側負極活物質層22Bが設けられている。
なお、第1負極巻回部20Xの外周側には、例えば、上記したように、保護テープ50Fが貼り付けられている。
また、負極20は、第1負極巻回部20Xよりも巻外側に配置されると共に長軸の方向に延在する第2負極巻回部20Yを含んでいる。この第2負極巻回部20Yは、例えば、セパレータ30を介して第1負極巻回部20Xに対向している。第2負極巻回部20Yでは、例えば、負極集電体21の内周側に内周側負極活物質層22Aが設けられていないと共に、その負極集電体21の外周側の面に外周側負極活物質層22Bが設けられている。
また、負極20は、第2負極巻回部20Yよりも巻外側に配置されると共に長軸の方向に延在する第3負極巻回部20Zを含んでいる。この第3負極巻回部20Zは、例えば、セパレータ30を介して第2負極巻回部20Yに対向している。第3負極巻回部20Zでは、例えば、負極集電体21の内周側の面の一部に内周側負極活物質層22Aが設けられていると共に、その負極集電体21の外周側の面に外周側負極活物質層22Bが設けられている。
なお、第3負極巻回部20Zの内周側には、例えば、上記したように、保護テープ50Gが貼り付けられている。
また、負極20は、第1負極巻回部20Xよりも巻内側に配置されると共に長軸の方向に延在する第4負極巻回部20Wを含んでいる。この第4負極巻回部20Wは、例えば、セパレータ30を介して第1負極巻回部20Xに対向している。第4負極巻回部20Wでは、例えば、負極集電体21の内周側の面に内周側負極活物質層22Aが設けられていないと共に、その負極集電体21の外周側の面に外周側負極活物質層22Bが設けられていない。
<1−3.段差緩和テープの構成>
正極10および負極20には、上記した保護テープ50に加えて、段差緩和テープ40が貼り付けられている。
[機能]
段差緩和テープ40は、主に、正極リード2および負極リード3のそれぞれの存在に起因して発生する段差の影響を緩和することにより、巻回電極体100の形状(扁平形状)をできるだけ平坦な状態に近づける段差緩和部材である。この段差緩和テープ40を用いることにより、正極10と負極20との間において充放電反応が円滑かつ安定に進行しやすくなるため、電池特性が向上する。
詳細には、正極10(正極集電体11)に正極リード2が取り付けられているため、その正極リード2の存在に起因して段差が発生すると共に、負極20(負極集電体21)に負極リード3が取り付けられているため、その負極リード3の存在に起因して段差が発生する。
正極10および負極20に段差緩和テープ40が設けられていない場合には、巻回電極体100の製造工程において正極10および負極20が巻回される際に、上記した段差が正極10および負極20の巻回状態に影響を及ぼすため、その段差に起因して巻回電極体100が歪みやすくなる。
具体的には、正極リード2および負極リード3のそれぞれの近傍の領域では、正極10および負極20の巻回強度が意図せずに高くなるのに対して、それ以外の領域では、正極10および負極20の巻回強度が意図せずに低くなる。この「巻回強度が高くなる」とは、正極10および負極20の巻回状態がきつくなることを意味していると共に、「巻回強度が低くなる」とは、正極10および負極20の巻回状態が緩くなることを意味している。この場合には、上記した巻回状態の差異に起因して、正極10と負極20との間の距離(充放電距離)がばらつきやすくなるため、充放電時において充電量および放電量のそれぞれがばらつきやすくなる。
また、正極リード2および負極リード3のそれぞれの近傍の領域では、当初は正極10および負極20の巻回強度が高くても、充放電を繰り返すにしたがって正極10および負極20の巻回状態が緩和されるため、その巻回強度が変動する。この場合には、二次電池を継続的に使用すると、充放電距離が変化しやすくなるため、充電量および放電量のそれぞれも変動しやすくなる。
これらのことから、正極10と負極20との間において充放電反応が円滑かつ安定に進行しにくくなることに起因して、充電量および放電量のそれぞれがばらつきやすくなると共に変動しやすくなるため、電池特性が低下する。
これに対して、正極10および負極20に段差緩和テープ40が設けられている場合には、上記したように、正極10および負極20の巻回状態に及ぼす段差の影響が緩和される。これにより、巻回電極体100の製造工程において正極10および負極20が巻回される際に、正極10および負極20に段差緩和テープ40が設けられていない場合と比較して、巻回電極体100の形状(扁平形状)が平坦な状態に近づくため、その巻回電極体100が歪みにくくなる。
この場合には、正極リード2および負極リード3のそれぞれの近傍の領域であるか否かに依存せずに、正極10および負極20の巻回強度がほぼ均一になる。これにより、充放電距離がばらつきにくくなるため、充放電時において充電量および放電量のそれぞれがばらつきにくくなる。
しかも、正極10および負極20の巻回強度がほぼ均一になるため、充放電を繰り返しても巻回強度が変動しにくくなる。これにより、二次電池を継続的に使用しても、充放電距離が変化しにくくなるため、充電量および放電量のそれぞれが変動しにくくなる。
これらのことから、正極10と負極20との間において充放電反応が円滑かつ安定に進行しやすくなることにより、充電量および放電量のそれぞれが安定化するため、電池特性が向上する。
[材質]
段差緩和テープ40は、例えば、絶縁性の高分子化合物などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。絶縁性の高分子化合物の種類は、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリイミド(PI)などである。段差緩和テープ40の絶縁性が担保されるからである。
[形態]
段差緩和テープ40の形態は、正極10および負極20のそれぞれに定着されることが可能であれば、特に限定されない。
具体的には、段差緩和テープ40は、粘着層を有している接着テープでもよいし、その粘着層を有していない非接着テープでもよい。非接着テープである段差緩和テープ40は、例えば、接着剤を介して正極10および負極20に接着される。なお、段差緩和テープ40は、柔軟性(可撓性)を有するフィルムなどでもよいし、剛性を有するシートなどでもよい。
[寸法]
段差緩和テープ40の厚さは、特に限定されないが、中でも、極端に薄すぎないと共に、正極リード2および負極リード3のそれぞれの厚さ以下であることが好ましい。段差緩和テープ40の厚さが極端に薄すぎると、正極10および負極20の巻回状態に及ぼす段差の影響が緩和されにくくなるからである。一方、段差緩和テープ40の厚さが正極リード2および負極リード3のそれぞれの厚さよりも大きいと、かえって正極10および負極20の巻回状態に及ぼす段差の影響が助長される可能性があるからである。
具体的には、正極リード2および負極リード3のそれぞれの厚さT1に対する段差緩和テープ40の厚さT2の割合Tは、15%〜80%であることが好ましい。正極10および負極20の巻回状態に及ぼす段差の影響が十分に緩和されるからである。なお、割合Tは、割合T(%)=(厚さT2/厚さT1)×100により算出される。ただし、(厚さT2/T1)の値に関しては、小数点第2位の値を四捨五入する。
より具体的には、厚さT1は、例えば、50μm〜100μmであると共に、厚さT2は、例えば、8μm〜80μmである。
段差緩和テープ40の幅は、特に限定されない。中でも、後述する第3領域R3(図5参照)に段差緩和テープ40が配置される場合には、その段差緩和テープ40の幅は、極端に小さすぎないと共に、正極リード2と負極リード3との距離よりも十分に小さいことが好ましい。段差緩和テープ40の幅が極端に薄すぎると、正極10および負極20の巻回状態に及ぼす段差の影響が緩和されにくくなるからである。一方、段差緩和テープ40の幅が正極リード2と負極リード3との距離よりも十分に小さくないと、かえって正極10および負極20の巻回状態に及ぼす段差の影響が助長される可能性があるからである。
具体的には、正極リード2と負極リード3との間の距離W1に対する段差緩和テープ40の幅W2の割合Wは、50%〜90%であることが好ましい。正極10および負極20の巻回状態に及ぼす段差の影響が十分に緩和されるからである。なお、割合Wは、割合W(%)=(幅W2/距離W1)×100により算出される。ただし、(幅W2/距離W1)の値に関しては、小数点第2位の値を四捨五入する。
より具体的には、距離W1は、例えば、8mm〜30mmであると共に、幅W2は、例えば、4mm〜27mmである。
段差緩和テープ40の高さは、特に限定されないが、中でも、極端に小さすぎないと共に、正極集電体11および負極集電体21のそれぞれの高さよりも極端に大きすぎないことが好ましい。段差緩和テープ40の高さが極端に小さすぎると、正極10および負極20の巻回状態に及ぼす段差の影響が緩和されにくくなるからである。一方、段差緩和テープ40の高さが正極集電体11および負極集電体21のそれぞれの高さよりも極端に大きすぎると、かえって正極10および負極20の巻回状態に及ぼす段差の影響が助長される可能性があるからである。
具体的には、正極集電体11および負極集電体21のそれぞれの高さH1に対する段差緩和テープ40の高さH2の割合Hは、20%〜105%であることが好ましい。正極10および負極20の巻回状態に及ぼす段差の影響が十分に緩和されるからである。なお、割合Hは、割合H(%)=(高さH2/高さH1)×100により算出される。ただし、(高さH2/高さH1)の値に関しては、小数点第2位の値を四捨五入する。
より具体的には、高さH1は、例えば、30mm〜180mmであると共に、高さH2は、例えば、6mm〜189mmである。
[設置数]
段差緩和テープ40の設置数は、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。ただし、段差緩和テープ40の設置数が多くなるほど、正極10および負極20の巻回状態に及ぼす段差の影響が緩和されやすくなる。
段差緩和テープ40の設置数が2個以上である場合、その2個以上の段差緩和テープ40の材質、形態および寸法は、互いに同じでもよいし、互いに異なってもよい。もちろん、2個以上の段差緩和テープ40のうちの任意の2つ以上の材質、形態および寸法だけが互いに同じでもよい。
[設置位置]
段差緩和テープ40の設置位置に関する詳細は、以下で説明する通りである。なお、図5では、段差緩和テープ40の一連の設置位置を分かりやすくするために、候補となる全ての設置位置に段差緩和テープ40が設けられている場合を示している。このため、図5を参照しながら以下で説明する全ての設置位置に段差緩和テープ40が設置されていなければならないわけではない。
(主要な設置位置)
段差緩和テープ40は、第1領域R1、第2領域R2および第3領域R3のうちの1つまたは2つ以上の領域において、第1正極巻回部10Xおよび第1負極巻回部20Xのうちの一方または双方に設けられている。
このため、段差緩和テープ40は、第1領域R1だけに設けられていてもよいし、第2領域R2だけに設けられていてもよいし、第3領域R3だけに設けられていてもよい。また、段差緩和テープ40は、第1領域R1および第2領域R2の双方に設けられていてもよいし、第2領域R2および第3領域R3の双方に設けられていてもよいし、第1領域R1および第3領域R3の双方に設けられていてもよい。さらに、段差緩和テープ40は、第1領域R1、第2領域R2および第3領域R3の全てに設けられていてもよい。
また、段差緩和テープ40は、第1正極巻回部10Xだけに設けられていてもよいし、第1負極巻回部20Xだけに設けられていてもよいし、第1正極巻回部10Xおよび第1負極巻回部20Xの双方に設けられていてもよい。
段差緩和テープ40が第1正極巻回部10Xに設けられている場合、その段差緩和テープ40は、内周側だけに設けられていてもよいし、外周側だけに設けられていてもよいし、内周側および外周側の双方に設けられていてもよい。
段差緩和テープ40が第1負極巻回部20Xに設けられている場合、その段差緩和テープ40は、内周側だけに設けられていてもよいし、外周側だけに設けられていてもよいし、内周側および外周側の双方に設けられていてもよい。
もちろん、段差緩和テープ40の設置数は、上記したように、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。以下では、段差緩和テープ40の具体例として、段差緩和テープ40A〜40Iに関して説明する。ただし、段差緩和テープ40A〜40Iの全てが設けられていなければならないわけではなく、その段差緩和テープ40A〜40Iのうちの1つ以上が設けられていればよい。
具体的には、段差緩和テープ40(40A〜40D)は、正極リード2が取り付けられている第1正極巻回部10Xに設けられている。ここでは、第1正極巻回部10Xは、例えば、第1領域R1を経由して第2領域R2まで延在している。
この第1正極巻回部10Xでは、例えば、正極集電体11の内周側の面に内周側正極活物質層12Aが設けられていないと共に、その正極集電体11の外周側の面に外周側正極活物質層12Bが設けられていない。これにより、第1正極巻回部10Xのうちの正極集電体11は、例えば、内周側正極活物質層12Aおよび外周側正極活物質層12Bが設けられていない第1正極露出部11XPを含んでいるため、段差緩和テープ40は、例えば、第1正極露出部11XPに設けられている。
すなわち、第1領域R1における第1正極露出部11XPの内周側の面には、段差緩和テープ40Aが設けられている。ただし、第1正極露出部11XPの内周側の露出面に保護テープ50Dが貼り付けられている場合には、段差緩和テープ40Aは、保護テープ50Dの上に設けられていてもよい。
第1領域R1における第1正極露出部11XPの外周側の面には、段差緩和テープ40Bが設けられている。ただし、第1正極露出部11XPの外周側の露出面に保護テープ50Eが貼り付けられている場合には、段差緩和テープ40Bは、保護テープ50Eの上に設けられていてもよい。
第2領域R2における第1正極露出部11XPの内周側の面には、段差緩和テープ40Cが設けられている。ただし、第1正極露出部11XPの内周側の面に保護テープ50Dが貼り付けられている場合には、段差緩和テープ40Cは、保護テープ50Dの上に設けられていてもよい。なお、段差緩和テープ40Cは、例えば、保護テープ50Dと共に第1正極露出部11XPの内周側の面を被覆していてもよい。
第2領域R2における第1正極露出部11XPの外周側の面には、段差緩和テープ40Dが設けられている。ただし、第1正極露出部11XPの外周側の面に保護テープ50Eが設けられている場合には、段差緩和テープ40Dは、保護テープ50Eの上に設けられていてもよい。なお、段差緩和テープ40Dは、例えば、保護テープ50Eと共に第1正極露出部11XPの外周側の面を被覆していてもよい。
また、段差緩和テープ40(40E〜40I)は、負極リード3が取り付けられている第1負極巻回部20Xに設けられている。ここでは、第1負極巻回部20Xは、例えば、第1領域R1から第2領域R2を経由して第3領域R3まで延在している。
この第1負極巻回部20Xでは、例えば、負極集電体21の内周側の面に内周側負極活物質層22Aが設けられていないと共に、その負極集電体11の外周側の面の一部(第1領域R1)に外周側負極活物質層22Bが設けられている。これにより、第1負極巻回部20Xのうちの負極集電体21は、例えば、内周側負極活物質層22Aおよび外周側負極活物質層22Bが設けられていない第1負極露出部21XPを含んでいるため、段差緩和テープ40は、例えば、第1負極露出部21XPに設けられている。
すなわち、第1領域R1における第1負極露出部21XPの内周側の面には、段差緩和テープ40Eが設けられている。
第2領域R2における第1負極露出部21XPの内周側の面には、段差緩和テープ40Fが設けられている。
第2領域R2における第1負極露出部21XPの外周側の面には、段差緩和テープ40Gが設けられている。ただし、第1負極露出部21XPの外周側の面に保護テープ50Fが貼り付けられている場合には、段差緩和テープ40Gは、保護テープ50Fの上に設けられていてもよい。
第3領域R3における第1負極露出部21XPの内周側の面には、段差緩和テープ40Hが設けられている。
第3領域R3における第1負極露出部21XPの外周側の面には、段差緩和テープ40Iが設けられている。ただし、第1負極露出部21XPの外周側の面に保護テープ50Fが設けられている場合には、段差緩和テープ40Iは、保護テープ50Fの上に設けられていてもよい。
ここで、第1正極巻回部10Xおよび第1負極巻回部20Xのうちの一方または双方に段差緩和テープ40が設けられているのは、正極リード2が第1正極巻回部10Xに取り付けられていると共に、負極リード3が第1負極巻回部20Xに取り付けられているからである。すなわち、段差が発生する第1正極巻回部10X自体に段差緩和テープ40が設けられることにより、その段差緩和テープ40を利用して正極リード2(段差)に起因する影響が効果的に緩和されやすくなる。また、段差が発生する第1負極巻回部20X自体に段差緩和テープ40が設けられることにより、その段差緩和テープ40を利用して負極リード3(段差)段差に起因する影響が効果的に緩和されやすくなる。
(任意の設置位置)
なお、段差緩和テープ40は、上記した一連の設置位置に加えて、さらに、以下で説明する一連の設置位置のうちの1つまたは2つ以上に設けられていてもよい。正極10および負極20の巻回状態に及ぼす段差の影響がより緩和されるため、電池特性がより向上するからである。
第1に、段差緩和テープ40(40R,40S)は、例えば、第2正極巻回部10Yに設けられていてもよい。この段差緩和テープ40は、第2正極巻回部10Yの内周側および外周側のうちの一方または双方に設けられていればよい。ここでは、第2正極巻回部10Yは、例えば、第1領域R1から第2領域R2を経由して第3領域R3まで延在している。
この第2正極巻回部10Yでは、例えば、正極集電体11の内周側の面の一部(第2領域R2および第3領域R3)に内周側負極活物質層22Aが設けられていると共に、その負極集電体11の外周側の面の一部(第2領域R2および第3領域R3)に外周側負極活物質層22Bが設けられている。これにより、第2正極巻回部10Yのうちの正極集電体11は、内周側正極活物質層12Aおよび外周側正極活物質層12Bが設けられていない第2正極露出部11YPを含んでいるため、段差緩和テープ40は、例えば、第2正極露出部11YPに設けられている。
すなわち、第1領域R1における第2正極露出部11XPの内周側の面には、段差緩和テープ40Rが設けられていてもよい。ただし、第2正極露出部11XPの内周側の面に保護テープ50Dが貼り付けられている場合には、段差緩和テープ40Rは、保護テープ50Dの上に設けられていてもよい。第1領域R1における第2正極露出部11XPの外周側の面には、段差緩和テープ40Sが設けられていてもよい。ただし、第1正極露出部11XPの外周側の面に保護テープ50Cが貼り付けられている場合には、段差緩和テープ40Sは、保護テープ50Cの上に設けられていてもよい。
第2に、段差緩和テープ40(40L〜40N)は、例えば、第2負極追加部20Yに設けられていてもよい。この段差緩和テープ40は、第2負極巻回部20Yの内周側および外周側のうちの一方または双方に設けられていればよい。ここでは、第2負極巻回部20Yは、例えば、第1領域R1から第2領域R2を経由して第3領域R3まで延在している。
この第2負極巻回部20Yでは、例えば、負極集電体21の内周側の面に内周側負極活物質層22Aが設けられていないと共に、その負極集電体11の外周側の面に外周側負極活物質層22Bが設けられている。これにより、第2負極巻回部20Yのうちの負極集電体21は、例えば、内周側負極活物質層22Aおよび外周側負極活物質層22Bが設けられていない第2負極露出部21YPを含んでいるため、段差緩和テープ40は、例えば、第2負極露出部21YPに設けられている。
すなわち、第1領域R1における第2負極露出部21YPの内周側の面には、段差緩和テープ40Lが設けられていてもよい。第2領域R2における第2負極露出部21YPの内周側の面には、例えば、段差緩和テープ40Mが設けられていてもよい。第3領域R3における第2負極露出部21YPの内周側の面には、例えば、段差緩和テープ40Nが設けられていてもよい。
第3に、段差緩和テープ40(40P,40Q)は、例えば、第3負極巻回部20Zに設けられていてもよい。この段差緩和テープ40は、第3正極巻回部20Zの内周側および外周側のうちの一方または双方に設けられていればよい。ここでは、第3負極巻回部20Zは、例えば、第1領域R1から第2領域R2を経由して第3領域R3まで延在している。
この第3負極巻回部20Zでは、例えば、負極集電体21の内周側の面の一部(第1領域R1)に内周側負極活物質層22Aが設けられていると共に、その負極集電体21の外周側の面に外周側負極活物質層22Bが設けられている。これにより、第3負極巻回部20Zのうちの負極集電体21は、内周側負極活物質層22Aおよび外周側負極活物質層22Bが設けられていない第3負極露出部21ZPを含んでいるため、段差緩和テープ40は、例えば、第3負極露出部21ZPに設けられている。
すなわち、第2領域R2における第3負極露出部21ZPの内周側の面には、段差緩和テープ40Pが設けられていてもよい。第3領域R3における第3負極露出部21ZPの内周側の面には、段差緩和テープ40Qが設けられていてもよい。
第4に、段差緩和テープ40(40J,40K)は、例えば、第4負極巻回部20Wに設けられていてもよい。この段差緩和テープ40は、第4負極巻回部20Wの内周側および外周側のうちの一方または双方に設けられていればよい。ここでは、第4負極巻回部20Wは、例えば、第3領域R3において延在している。
この第4負極巻回部20Wでは、例えば、負極集電体21の内周側の面に内周側負極活物質層22Aが設けられていないと共に、その負極集電体11の外周側の面に外周側負極活物質層22Bが設けられていない。これにより、第4負極巻回部20Wのうちの負極集電体21は、例えば、内周側負極活物質層22Aおよび外周側負極活物質層22Bが設けられていない第4負極露出部21WPを含んでいるため、段差緩和テープ40は、例えば、第4負極露出部21WPに設けられている。
すなわち、第3領域R3における第4負極露出部21WPの内周側の面には、段差緩和テープ40Jが設けられていてもよい。第3領域R3における第4負極露出部21WPの外周側の面には、例えば、段差緩和テープ40Kが設けられていてもよい。
もちろん、第2正極巻回部10Y、第2負極巻回部20Y、第3負極巻回部20Zおよび第4負極巻回部20Wのうちのいずれか1つだけに段差緩和テープ40が設けられてもよいし、第2正極巻回部10Y、第2負極巻回部20Y、第3負極巻回部20Zおよび第4負極巻回部20Wのうちの任意の2つ以上に段差緩和テープ40が設けられてもよい。
ここで、第2正極巻回部10Y、第2負極巻回部20Y、第3負極巻回部20Zおよび第4負極巻回部20Wのそれぞれに段差緩和テープ40が設けられているのは、第2正極巻回部10Y、第2負極巻回部20Y、第3負極巻回部20Zおよび第4負極巻回部20Wのそれぞれは、第1正極巻回部10Xおよび第1負極巻回部20Xのそれぞれに続いて巻回軸Jに近い場所に配置されているからである。すなわち、段差を発生させる正極リード2および負極リード3のそれぞれに近い場所に配置されている第2正極巻回部10Y、第2負極巻回部20Y、第3負極巻回部20Zおよび第4負極巻回部20Wのそれぞれに段差緩和テープ40が設けられることにより、段差に起因する影響が緩和されやすくなるからである。
<1−4.動作>
続いて、二次電池の動作に関して説明する。この二次電池は、以下のように動作する。
充電時には、例えば、正極10からリチウムイオンが放出されると共に、そのリチウムイオンが電解液を介して負極20に吸蔵される。一方、放電時には、例えば、負極20からリチウムイオンが放出されると共に、そのリチウムイオンが電解液を介して正極10に吸蔵される。
<1−5.製造方法>
続いて、二次電池の製造方法に関して説明する。この二次電池は、例えば、以下の手順により製造される。
正極10を作製する場合には、最初に、正極活物質と、必要に応じて正極結着剤および正極導電剤などとを混合することにより、正極合剤を得る。続いて、有機溶剤などに正極合剤を分散させることにより、ペースト状の正極合剤スラリーを得る。続いて、正極集電体11の両面に正極合剤スラリーを塗布したのち、その正極合剤スラリーを乾燥させることにより、正極活物質層12(内周側正極活物質層12Aおよび外周側正極活物質層12B)を形成する。最後に、ロールプレス機などを用いて正極活物質層12を圧縮成型する。この場合には、正極活物質層12を加熱してもよいし、圧縮成型を複数回繰り返してもよい。
負極20を作製する場合には、上記した正極10の作製手順と同様の手順により、負極集電体11の両面に負極活物質層12(内周側負極活物質層12Aおよび外周側負極化通物質層12B)を形成する。具体的には、負極活物質と、負正極結着剤および負極導電剤などとを混合することにより、負極合剤を得たのち、有機溶剤などに負極合剤を分散させることにより、ペースト状の負極合剤スラリーを得る。続いて、負極集電体21の両面に負極合剤スラリーを塗布したのち、その負極合剤スラリーを乾燥させることにより、負極活物質層22を形成する。最後に、ロールプレス機などを用いて負極活物質層22を圧縮成型する。もちろん、負極活物質層22を加熱してもよいし、圧縮成型を複数回繰り返してもよい。
電解液を調製する場合には、溶媒に電解質塩を加えたのち、その溶媒を撹拌する。
二次電池を組み立てる場合には、最初に、溶接法などを用いて正極10(正極集電体11)に正極リード2を取り付けると共に、溶接法などを用いて負極20(負極集電体21)に負極リード3を取り付ける。続いて、正極10および負極20のそれぞれに段差緩和テープ40および保護テープ50を貼り付ける。続いて、セパレータ30を介して正極10および負極20を互いに積層させたのち、巻回軸Jを中心として正極10、負極20およびセパレータ30を巻回させることにより、巻回体を得る。続いて、巻回体の巻き終わり部分に巻止めテープ58を貼り付けることにより、その巻き終わり部分を固定する。
続いて、巻回体を挟むように外装部材1を折り畳んだのち、熱融着法などを用いて外装部材1のうちの一辺の外周縁部を除いた残りの外周縁部を接着させることにより、袋状の外装部材1の内部に巻回体を収納する。この場合には、外装部材1に設けられている窪み1Uの内部に巻回体を収納する。続いて、袋状の外装部材1の内部に電解液を注入したのち、熱融着法などを用いて外装部材1を密封する。これにより、巻回体に電解液が含浸されるため、巻回電極体100が得られると共に、その巻回電極体100が外装部材1の内部に封入される。この場合には、外装部材1と正極リード2との間に密着フィルム4を挿入すると共に、外装部材1と負極リード3との間に密着フィルム5を挿入する。
最後に、巻回電極体100が封入された外装部材1を加温しながら加圧することにより、扁平形状となるように巻回電極体100を成型する。この場合には、外装部材1を加温してもよい。これにより、ラミネートフィルム型の二次電池が完成する。
<1−6.作用および効果>
この二次電池によれば、第1領域R1、第2領域R2および第3領域R3のうちの1つまたは2つ以上の領域において、第1正極巻回部10Xおよび第1負極巻回部20Xのうちの一方または双方に段差緩和テープ40(40A〜40I)が設けられている。この場合には、上記したように、第1正極巻回部10Xに正極リード2(段差)が設けられていると共に第1負極巻回部20Xに負極リード3(段差)が設けられていても、正極10および負極20の巻回状態に及ぼす段差の影響が緩和されるため、巻回電極体100の形状(扁平形状)が歪みにくくなる。これにより、二次電池を継続的に使用しても、正極10と負極20との間において充放電反応が円滑かつ安定に進行やすくなるため、充電量および放電量のそれぞれが安定化する。よって、電池特性を向上させることができる。
特に、第1正極巻回部10Xの内周側および外周側のうちの一方または双方に段差緩和テープ40が設けられていれば、正極10および負極20の巻回状態に及ぼす段差の影響が緩和されやすくなるため、より高い効果を得ることができる。また、第1負極巻回部20Xの内周側および外周側のうちの一方または双方に段差緩和テープ40が設けられていれば、正極10および負極20の巻回状態に及ぼす段差の影響が緩和されやすくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、第2正極巻回部10Y、第2負極巻回部20Y、第3負極巻回部20Zおよび第4負極巻回部20Wのうちの1つ以上に段差緩和テープ40(40J〜40N,40P〜40S)が設けられていれば、正極10および負極20の巻回状態に及ぼす段差の影響がより緩和されるため、より高い効果を得ることができる。
また、段差緩和テープ40と共に保護テープ50(50A〜50G)を用いれば、正極10、負極20およびセパレータ30のそれぞれの変形または破損が抑制されながら、正極10と負極20との間において充放電反応が円滑かつ安定に進行やすくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、割合Tが15%〜80%であり、割合Wが50%〜90%であり、または割合Hが20%〜105%であれば、正極10および負極20の巻回状態に及ぼす段差の影響が十分に緩和されるため、より高い効果を得ることができる。
また、段差緩和テープ40がポリプロピレンなどを含んでいれば、その段差緩和テープ40の絶縁性が担保されるため、より高い効果を得ることができる。
<1−7.変形例>
上記した二次電池の構成は、適宜、変更可能である。
[変形例1]
例えば、図5に対応する図6に示したように、第1正極巻回部10Xおよび第1負極巻回部20Xのうちの一方または双方に段差緩和テープ41(41A〜41L)を追加で設置してもよい。すなわち、図5では段差緩和テープ40が設置されていない位置に、新たに段差緩和テープ41を設置してもよい。段差緩和テープ41の構成は、例えば、段差緩和テープ40の構成と同様である。ただし、段差緩和テープ41A〜41Lの全てが設けられていなければならないわけではなく、その段差緩和テープ41A〜41Lのうちの1つ以上が設けられていればよい。この場合においても、同様の効果を得ることができる。
具体的には、例えば、第1負極巻回部20Xでは、図5に示したように、第1領域R1における負極集電体21の外周側の面に外周側負極活物質層22Bが設けられているため、その負極集電体21の外周側の面に段差緩和テープ40を設けないようにした。
しかしながら、例えば、図6に示したように、第1領域R1における負極集電体21の外周側の面に外周側負極活物質層22Bを設けないことにより、その負極集電体21(第1負極露出部21XP)の外周側の面に段差緩和テープ41Aを設けてもよい。
このように追加の段差緩和テープ41を設けてもよいことは、第2正極巻回部10Y、第2負極巻回部20Yおよび第3負極巻回部20Zに関しても同様である。
例えば、第2正極巻回部10Yでは、図5に示したように、第2領域R2および第3領域R3のそれぞれにおける正極集電体11の内周側の面に内周側正極活物質層12Aが設けられているため、その正極集電体11の内周側の面に段差緩和テープ40を設けないようにした。
しかしながら、例えば、図6に示したように、第2領域R2における正極集電体11の内周側の面に内周側正極活物質層12Aを設けないことにより、その正極集電体11(第2正極露出部11YP)の内周側の面に段差緩和テープ41Cを設けてもよい。また、例えば、第3領域R3における正極集電体11の内周側の面に内周側正極活物質層12Aを設けないことにより、その正極集電体11の内周側の面に段差緩和テープ41Bを設けてもよい。
また、例えば、第2正極巻回部10Yでは、図5に示したように、第2領域R2および第3領域R3のそれぞれにおける正極集電体11の外周側の面に外周側正極活物質層12Bが設けられているため、その正極集電体11の外周側の面に段差緩和テープ40を設けないようにした。
しかしながら、例えば、図6に示したように、第2領域R2における正極集電体11の外周側の面に外周側負極活物質層12Bを設けないことにより、その正極集電体11(第2正極露出部11YP)の外周側の面に段差緩和テープ41Eを設けてもよい。また、例えば、第3領域R3における正極集電体11の外周側の面に外周側正極活物質層12Bを設けないことにより、その正極集電体11の外周側の面に段差緩和テープ41Dを設けてもよい。
また、例えば、第2負極巻回部20Yでは、図5に示したように、第1領域R1、第2領域R2および第3領域R3のそれぞれにおける負極集電体21の外周側の面に外周側負極活物質層22Bが設けられているため、その負極集電体21の外周側の面に段差緩和テープ40を設けないようにした。
しかしながら、例えば、図6に示したように、第1領域R1における負極集電体21の外周側の面に外周側負極活物質層22Bを設けないことにより、その負極集電体21(第2負極露出部21YP)の外周側の面に段差緩和テープ41Fを設けてもよい。また、例えば、第2領域R2における負極集電体21の外周側の面に外周側負極活物質層22Bを設けないことにより、その負極集電体21の外周側の面に段差緩和テープ41Hを設けてもよい。さらに、例えば、第3領域R3における負極集電体21の外周側の面に外周側負極活物質層22Bを設けないことにより、その負極集電体21の外周側の面に段差緩和テープ41Gを設けてもよい。
また、例えば、第3負極巻回部20Zでは、図5に示したように、第1領域R1における負極集電体21の内周側の面に内周側負極活物質層22Aが設けられているため、その負極集電体21の内周側の面に段差緩和テープ40を設けないようにした。
しかしながら、例えば、図6に示したように、第1領域R1における負極集電体21の内周側の面に内周側負極活物質層22Aを設けないことにより、その負極集電体21(第3負極露出部21ZP)の内周側の面に段差緩和テープ41Iを設けてもよい。
また、例えば、第3負極巻回部20Zでは、図5に示したように、第1領域R1、第2領域R2および第3領域R3のそれぞれにおける負極集電体21の外周側の面に外周側負極活物質層22Bが設けられているため、その負極集電体21の外周側の面に段差緩和テープ40を設けないようにした。
しかしながら、例えば、図6に示したように、第1領域R1における負極集電体21の外周側の面に外周側負極活物質層22Bを設けないことにより、その負極集電体21(第3負極露出部21ZP)の外周側の面に段差緩和テープ41Jを設けてもよい。また、例えば、第2領域R2における負極集電体21の外周側の面に外周側負極活物質層22Bを設けないことにより、その負極集電体21の外周側の面に段差緩和テープ41Lを設けてもよい。さらに、例えば、第3領域R3における負極集電体21の外周側の面に外周側負極活物質層22Bを設けないことにより、その負極集電体21の外周側の面に段差緩和テープ41Kを設けてもよい。
[変形例2]
例えば、図5に対応する図7に示したように、第1正極巻回部10Xの延在範囲を変更すると共に、第4負極巻回部20Wの延在範囲を変更することにより、段差緩和テープ41(41M,41N,41P〜41S)を設置してもよい。ただし、段差緩和テープ41M,41N,41P〜41Sの全てが設けられていなければならないわけではなく、その段差緩和テープ41M,41N,41P〜41Sのうちの1つ以上が設けられていればよい。この場合においても、同様の効果を得ることができる。
具体的には、例えば、第2領域R2まで第1正極巻回部10Xを延在させることにより、第2領域R2における正極集電体11(第1正極露出部11XP)の内周側の面に段差緩和テープ41Mを設けてもよいし、その第2領域R2における正極集電体11の外周側の面に段差緩和テープ41Nを設けてもよい。
また、例えば、第3領域R3を経由して第1領域R1まで第4負極巻回部20Wを延在させることにより、第1領域R1おける負極集電体21(第4負極露出部21WP)の内周側の面に段差緩和テープ41Pを設けてもよいし、その第1領域R1における負極集電体21の外周側の面に段差緩和テープ41Qを設けてもよい。また、第3領域R3における負極集電体21(第4負極露出部21WP)の内周側の面に段差緩和テープ41Rを設けてもよいし、その第3領域R3における負極集電体21の外周側の面に段差緩和テープ41Sを設けてもよい。
もちろん、第4負極巻回部20Wの延在範囲を変更する場合には、その第4負極巻回部20Wを第1領域R1まで延在させずに第3領域R3まで延在させることにより、段差緩和テープ41R,41Sだけを設けてもよい。
[変形例3]
上記した段差緩和テープ40の各設置位置において、その段差緩和テープ40の設置数を増加させてもよい。
例えば、図5に示したように、第1正極巻回部10Xでは、第1領域R1における第1正極露出部11XPの内周側の面に1個の段差緩和テープ40Aを設置した。しかしながら、例えば、第1正極露出部11XPの内周側の面に2個以上の段差緩和テープ40Aを設置してもよい。この場合には、例えば、2個以上の段差緩和テープ40Aを並列に設置してもよい。この場合においても、同様の効果を得ることができる。
もちろん、第1正極巻回部10Xのうちの他の設置位置においても同様に、2個以上の段差緩和テープ40を設置してもよい。また、第2正極巻回部10Y、第1負極巻回部20X、第2負極巻回部20Y、第3負極巻回部20Zおよび第4負極巻回部20Wのそれぞれの各設置位置において、2個以上の段差緩和テープ40を設置してもよい。
[変形例4]
図5に示したように、保護テープ50を用いることにより、その保護テープ50の上に段差緩和テープ40を設置した。
しかしながら、保護テープ50を用いず、または保護テープ50の設置範囲を変更することにより、新たに段差緩和テープ40を設けてもよい。この場合においても、同様の効果を得ることができる。
具体的には、第1に、例えば、保護テープ50Dを用いず、または保護テープ50Dの設置範囲を変更することにより、第1領域R1における第1正極露出部11XPの内周側の面に段差緩和テープ40Aを設けてもよい。また、例えば、保護テープ50Eを用いず、または保護テープ50Eの設置範囲を変更することにより、第1領域R1における第1正極露出部11XPの外周側の面に段差緩和テープ40Bを設けてもよい。
第2に、例えば、保護テープ50Dを用いず、または保護テープ50Dの設置範囲を変更することにより、第1領域R1における第2正極露出部11YPの内周側の面に段差緩和テープ40Rを設けてもよい。また、例えば、保護テープ50Cを用いず、または保護テープ50Cの設置範囲を変更することにより、第1領域R1における第2正極露出部11YPの外周側の面に段差緩和テープ40Sを設けてもよい。
第3に、例えば、保護テープ50Fを用いず、または保護テープ50Fの設置範囲を変更することにより、第3領域R3における第1負極露出部21XPの外周側の面に段差緩和テープ40Gを設けてもよい。また、例えば、保護テープ50Fを用いず、または保護テープ50Fの設置範囲を変更することにより、第2領域R2における第1負極露出部11XPの外周側の面に段差緩和テープ40Iを設けてもよい。
第4に、例えば、保護テープ50Gを用いず、または保護テープ50Gの設置範囲を変更することにより、第3領域R3における第3負極露出部21ZPの内周側の面に段差緩和テープ40Pを設けてもよい。また、例えば、保護テープ50Gを用いず、または保護テープ50Gの設置範囲を変更することにより、第2領域R2における第3負極露出部21ZPの内周側の面に段差緩和テープ40Qを設けてもよい。
[変形例5]
図5に示したように、正極10および負極20のうち、巻回軸Jに近い場所に配置されている6つの部分(第1正極巻回部10X、第2正極巻回部10Y、第1負極巻回部20X、第2負極巻回部20Y、第3負極巻回部20Zおよび第4負極巻回部20W)に段差緩和テープ40を設けた。
しかしながら、正極10のうち、第1正極巻回部10Xおよび第2正極巻回部10Yよりも外周側の部分に段差緩和テープ40を設けてもよい。また、負極20のうち、第1負極巻回部20X、第2負極巻回部20Y、第3負極巻回部20Zおよび第4負極巻回部20Wよりも外周側の部分に段差緩和テープ40を設けてもよい。
ただし、正極10のうちの巻回軸Jに近い部分に段差緩和テープ40を設けるほど、その正極10の巻回状態に及ぼす段差の影響が緩和されやすくなる。このため、正極10のうちの巻回軸Jに近い部分(第1正極巻回部10Xおよび第2正極巻回部10Y)に段差緩和テープ40を設けることが好ましい。
また、負極20のうちの巻回軸Jに近い部分に段差緩和テープ40を設けるほど、その負極20の巻回状態に及ぼす段差の影響が緩和されやすくなる。このため、負極20のうちの巻回軸Jに近い部分(第1負極巻回部20X、第2負極巻回部20Y、第3負極巻回部20Zおよび第4負極巻回部20W)に段差緩和テープ40を設けることが好ましい。
<2.二次電池の用途>
次に、上記した二次電池の適用例(用途)に関して説明する。
二次電池の用途は、その二次電池を駆動用の電源および電力蓄積用の電力貯蔵源などとして利用可能な機械、機器、器具、装置およびシステム(複数の機器などの集合体)などであれば、特に限定されない。電源として用いられる二次電池は、主電源でもよいし、補助電源でもよい。主電源とは、他の電源の有無に関係なく、優先的に用いられる電源である。補助電源は、例えば、主電源の代わりに用いられる電源でもよいし、必要に応じて主電源から切り替えられる電源でもよい。二次電池を補助電源として用いる場合には、主電源の種類は二次電池に限られない。
二次電池の用途は、例えば、以下の通りである。ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯電話機、ノート型パソコン、コードレス電話機、ヘッドホンステレオ、携帯用ラジオ、携帯用テレビおよび携帯用情報端末などの電子機器(携帯用電子機器を含む)である。電気シェーバなどの携帯用生活器具である。バックアップ電源およびメモリーカードなどの記憶用装置である。電動ドリルおよび電動鋸などの電動工具である。着脱可能な電源としてノート型パソコンなどに搭載される電池パックである。ペースメーカおよび補聴器などの医療用電子機器である。電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)などの電動車両である。非常時などに備えて電力を蓄積しておく家庭用バッテリシステムなどの電力貯蔵システムである。もちろん、二次電池の用途は、上記以外の他の用途でもよい。
中でも、二次電池は、電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器などに適用されることが有効である。これらの用途では優れた電池特性が要求されるため、本技術の二次電池を用いることにより、有効に性能向上を図ることができるからである。なお、電池パックは、二次電池を用いた電源である。この電池パックは、後述するように、単電池を用いてもよいし、組電池を用いてもよい。電動車両は、二次電池を駆動用電源として作動(走行)する車両であり、上記したように、二次電池以外の駆動源を併せて備えた自動車(ハイブリッド自動車など)でもよい。電力貯蔵システムは、二次電池を電力貯蔵源として用いるシステムである。例えば、家庭用の電力貯蔵システムでは、電力貯蔵源である二次電池に電力が蓄積されているため、その電力を利用して家庭用の電気製品などを使用することが可能である。電動工具は、二次電池を駆動用の電源として用いて可動部(例えば、ドリルなど)が可動する工具である。電子機器は、二次電池を駆動用の電源(電力供給源)として各種機能を発揮する機器である。
ここで、二次電池のいくつかの適用例に関して具体的に説明する。なお、以下で説明する適用例の構成は、あくまで一例であるため、その適用例の構成は、適宜変更可能である。
<2−1.電池パック(単電池)>
図8は、単電池を用いた電池パックの斜視構成を表していると共に、図9は、図8に示した電池パックのブロック構成を表している。なお、図8では、電池パックが分解された状態を示している。
ここで説明する電池パックは、1個の二次電池を用いた簡易型の電池パック(いわゆるソフトパック)であり、例えば、スマートフォンに代表される電子機器などに搭載される。この電池パックは、例えば、図8に示したように、ラミネートフィルム型の二次電池である電源111と、その電源111に接続される回路基板116とを備えている。この電源111には、正極リード112および負極リード113が取り付けられている。
電源111の両側面には、一対の粘着テープ118,119が貼り付けられている。回路基板116には、保護回路(PCM:Protection・Circuit・Module )が形成されている。この回路基板116は、タブ114を介して正極112に接続されていると共に、タブ115を介して負極リード113に接続されている。また、回路基板116は、外部接続用のコネクタ付きリード線117に接続されている。なお、回路基板116が電源111に接続された状態において、その回路基板116は、ラベル120および絶縁シート121により保護されている。このラベル120が貼り付けられることにより、回路基板116および絶縁シート121などは固定されている。
また、電池パックは、例えば、図9に示したように、電源111と、回路基板116とを備えている。回路基板116は、例えば、制御部121と、スイッチ部122と、熱感抵抗素子(PTC素子)123と、温度検出部124とを備えている。電源111は、正極端子125および負極端子127を介して外部と接続可能であるため、その電源111は、正極端子125および負極端子127を介して充放電可能である。温度検出部124は、温度検出端子(いわゆるT端子)126を用いて温度を検出する。
制御部121は、電池パック全体の動作(電源111の使用状態を含む)を制御する。この制御部121は、例えば、中央演算処理装置(CPU)およびメモリなどを含んでいる。
この制御部121は、例えば、電池電圧が過充電検出電圧に到達すると、スイッチ部122を切断することにより、電源111の電流経路に充電電流が流れないようにする。また、制御部121は、例えば、充電時において大電流が流れると、スイッチ部122を切断することにより、充電電流を遮断する。
一方、制御部121は、例えば、電池電圧が過放電検出電圧に到達すると、スイッチ部122を切断することにより、電源111の電流経路に放電電流が流れないようにする。また、制御部121は、例えば、放電時において大電流が流れると、スイッチ部122を切断することにより、放電電流を遮断する。
なお、過充電検出電圧は、特に限定されないが、例えば、4.2V±0.05Vである。過放電検出電圧は、特に限定されないが、例えば、2.4V±0.1Vである。
スイッチ部122は、制御部121の指示に応じて、電源111の使用状態、すなわち電源111と外部機器との接続の有無を切り換える。このスイッチ部122は、例えば、充電制御スイッチおよび放電制御スイッチなどを含んでいる。充電制御スイッチおよび放電制御スイッチのそれぞれは、例えば、金属酸化物半導体を用いた電界効果トランジスタ(MOSFET)などの半導体スイッチである。なお、充放電電流は、例えば、スイッチ部122のON抵抗に基づいて検出される。
温度検出部124は、電源111の温度を測定すると共に、その温度の測定結果を制御部121に出力する。この温度検出部124は、例えば、サーミスタなどの温度検出素子を含んでいる。なお、温度検出部124により測定される温度の測定結果は、異常発熱時において制御部121が充放電制御を行う場合、残容量の算出時において制御部121が補正処理を行う場合などに用いられる。
なお、回路基板116は、PTC素子123を備えていなくてもよい。この場合には、別途、回路基板116にPTC素子が付設されていてもよい。
<2−2.電池パック(組電池)>
図10は、組電池を用いた電池パックのブロック構成を表している。
この電池パックは、例えば、筐体60の内部に、制御部61と、電源62と、スイッチ部63と、電流測定部64と、温度検出部65と、電圧検出部66と、スイッチ制御部67と、メモリ68と、温度検出素子69と、電流検出抵抗70と、正極端子71および負極端子72とを備えている。この筐体60は、例えば、プラスチック材料などを含んでいる。
制御部61は、電池パック全体の動作(電源62の使用状態を含む)を制御する。この制御部61は、例えば、CPUなどを含んでいる。電源62は、2個以上の二次電池を含む組電池であり、その2個以上の二次電池の接続形式は、直列でもよいし、並列でもよいし、双方の混合型でもよい。一例を挙げると、電源62は、2並列3直列となるように接続された6個の二次電池を含んでいる。
スイッチ部63は、制御部61の指示に応じて、電源62の使用状態、すなわち電源62と外部機器との接続の有無を切り換える。このスイッチ部63は、例えば、充電制御スイッチ、放電制御スイッチ、充電用ダイオードおよび放電用ダイオードなどを含んでいる。充電制御スイッチおよび放電制御スイッチのそれぞれは、例えば、金属酸化物半導体を用いた電界効果トランジスタ(MOSFET)などの半導体スイッチである。
電流測定部64は、電流検出抵抗70を用いて電流を測定すると共に、その電流の測定結果を制御部61に出力する。温度検出部65は、温度検出素子69を用いて温度を測定すると共に、その温度の測定結果を制御部61に出力する。この温度の測定結果は、例えば、異常発熱時において制御部61が充放電制御を行う場合および残容量の算出時において制御部61が補正処理を行う場合などに用いられる。電圧検出部66は、電源62中における二次電池の電圧を測定すると共に、アナログ−デジタル変換された電圧の測定結果を制御部61に供給する。
スイッチ制御部67は、電流測定部64および電圧検出部66のそれぞれから入力される信号に応じて、スイッチ部63の動作を制御する。
このスイッチ制御部67は、例えば、電池電圧が過充電検出電圧に到達すると、スイッチ部63(充電制御スイッチ)を切断することにより、電源62の電流経路に充電電流が流れないようにする。これにより、電源62では、放電用ダイオードを介して放電だけが可能になる。なお、スイッチ制御部67は、例えば、充電時に大電流が流れると、充電電流を遮断する。
また、スイッチ制御部67は、例えば、電池電圧が過放電検出電圧に到達すると、スイッチ部63(放電制御スイッチ)を切断することにより、電源62の電流経路に放電電流が流れないようにする。これにより、電源62では、充電用ダイオードを介して充電だけが可能になる。なお、スイッチ制御部67は、例えば、放電時に大電流が流れると、放電電流を遮断する。
なお、過充電検出電圧は、特に限定されないが、例えば、4.2V±0.05Vである。過放電検出電圧は、特に限定されないが、例えば、2.4V±0.1Vである。
メモリ68は、例えば、不揮発性メモリであるEEPROMなどを含んでいる。このメモリ68には、例えば、制御部61により演算された数値および製造工程段階において測定された二次電池の情報(例えば、初期状態の内部抵抗など)などが記憶されている。なお、メモリ68に二次電池の満充電容量が記憶されていれば、制御部61が残容量などの情報を把握できる。
温度検出素子69は、電源62の温度を測定すると共に、その温度の測定結果を制御部61に出力する。この温度検出素子69は、例えば、サーミスタなどを含んでいる。
正極端子71および負極端子72のそれぞれは、電池パックを用いて稼働される外部機器(例えば、ノート型のパーソナルコンピュータなど)および電池パックを充電するために用いられる外部機器(例えば充電器など)などに接続される端子である。電源62は、正極端子71および負極端子72を介して充放電可能である。
<2−3.電動車両>
図11は、電動車両の一例であるハイブリッド自動車のブロック構成を表している。
この電動車両は、例えば、金属製の筐体73の内部に、制御部74と、エンジン75と、電源76と、駆動用のモータ77と、差動装置78と、発電機79と、トランスミッション80およびクラッチ81と、インバータ82,83と、各種センサ84とを備えている。この他、電動車両は、例えば、差動装置78およびトランスミッション80に接続された前輪用駆動軸85および前輪86と、後輪用駆動軸87および後輪88とを備えている。
この電動車両は、例えば、エンジン75およびモータ77のうちのいずれか一方を駆動源として用いて走行することが可能である。エンジン75は、主要な動力源であり、例えば、ガソリンエンジンなどである。エンジン75を動力源とする場合には、例えば、駆動部である差動装置78、トランスミッション80およびクラッチ81を介して、エンジン75の駆動力(回転力)が前輪86および後輪88に伝達される。なお、エンジン75の回転力が発電機79に伝達されるため、その回転力を利用して発電機79が交流電力を発生すると共に、その交流電力がインバータ83を介して直流電力に変換されるため、その直流電力が電源76に蓄積される。一方、変換部であるモータ77を動力源とする場合には、電源76から供給された電力(直流電力)がインバータ82を介して交流電力に変換されるため、その交流電力を利用してモータ77が駆動する。このモータ77により電力から変換された駆動力(回転力)は、例えば、駆動部である差動装置78、トランスミッション80およびクラッチ81を介して前輪86および後輪88に伝達される。
なお、制動機構を介して電動車両が減速すると、その減速時の抵抗力がモータ77に回転力として伝達されるため、その回転力を利用してモータ77が交流電力を発生させるようにしてもよい。この交流電力は、インバータ82を介して直流電力に変換されるため、その直流回生電力は、電源76に蓄積可能であることが好ましい。
制御部74は、電動車両全体の動作を制御する。この制御部74は、例えば、CPUなどを含んでいる。電源76は、1個または2個以上の二次電池を含んでいる。この電源76は、外部電源と接続されていると共に、その外部電源から電力供給を受けることにより、電力を蓄積させてもよい。各種センサ84は、例えば、エンジン75の回転数を制御すると共に、スロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御するために用いられる。この各種センサ84は、例えば、速度センサ、加速度センサおよびエンジン回転数センサなどのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
なお、電動車両がハイブリッド自動車である場合を例に挙げたが、その電動車両は、エンジン75を用いずに電源76およびモータ77だけを用いて作動する車両(電気自動車)でもよい。
<2−4.電力貯蔵システム>
図12は、電力貯蔵システムのブロック構成を表している。
この電力貯蔵システムは、例えば、一般住宅および商業用ビルなどの家屋89の内部に、制御部90と、電源91と、スマートメータ92と、パワーハブ93とを備えている。
ここでは、電源91は、例えば、家屋89の内部に設置された電気機器94に接続されていると共に、家屋89の外部に停車している電動車両96に接続可能である。また、電源91は、例えば、家屋89に設置された自家発電機95にパワーハブ93を介して接続されていると共に、スマートメータ92およびパワーハブ93を介して外部の集中型電力系統97に接続可能である。
なお、電気機器94は、例えば、1台または2台以上の家電製品を含んでおり、その家電製品は、例えば、冷蔵庫、エアコン、テレビおよび給湯器などである。自家発電機95は、例えば、太陽光発電機および風力発電機などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。電動車両96は、例えば、電気自動車、電気バイクおよびハイブリッド自動車などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。集中型電力系統97は、例えば、火力発電所、原子力発電所、水力発電所および風力発電所などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
制御部90は、電力貯蔵システム全体の動作(電源91の使用状態を含む)を制御する。この制御部90は、例えば、CPUなどを含んでいる。電源91は、1個または2個以上の二次電池を含んでいる。スマートメータ92は、例えば、電力需要側の家屋89に設置されるネットワーク対応型の電力計であり、電力供給側と通信することが可能である。これに伴い、スマートメータ92は、例えば、外部と通信しながら、家屋89における電力の需要と供給とのバランスを制御することにより、高効率で安定したエネルギー供給を可能とする。
この電力貯蔵システムでは、例えば、外部電源である集中型電力系統97からスマートメータ92およびパワーハブ93を介して電源91に電力が蓄積されると共に、独立電源である自家発電機95からパワーハブ93を介して電源91に電力が蓄積される。この電源91に蓄積された電力は、制御部90の指示に応じて電気機器94および電動車両96に供給されるため、その電気機器94が稼働可能になると共に、その電動車両96が充電可能になる。すなわち、電力貯蔵システムは、電源91を用いて、家屋89内における電力の蓄積および供給を可能にするシステムである。
電源91に蓄積された電力は、必要に応じて使用することが可能である。このため、例えば、電気使用料が安い深夜において、集中型電力系統97から電源91に電力を蓄積しておき、電気使用料が高い日中において、その電源91に蓄積された電力を用いることができる。
なお、上記した電力貯蔵システムは、1戸(1世帯)ごとに設置されていてもよいし、複数戸(複数世帯)ごとに設置されていてもよい。
<2−5.電動工具>
図13は、電動工具のブロック構成を表している。
ここで説明する電動工具は、例えば、電動ドリルである。この電動工具は、例えば、工具本体98の内部に、制御部99と、電源100とを備えている。この工具本体98には、例えば、可動部であるドリル部101が稼働(回転)可能に取り付けられている。
工具本体98は、例えば、プラスチック材料などを含んでいる。制御部99は、電動工具全体の動作(電源100の使用状態を含む)を制御する。この制御部99は、例えば、CPUなどを含んでいる。電源100は、1個または2個以上の二次電池を含んでいる。この制御部99は、動作スイッチの操作に応じて、電源100からドリル部101に電力を供給する。
本技術の実施例に関して説明する。
(実験例1〜59)
以下の手順により、図1〜図5に示したラミネートフィルム型の二次電池(リチウムイオン二次電池)を作製したのち、その二次電池の電池特性を評価した。
[二次電池の作製]
正極10を作製する場合には、最初に、正極活物質(コバルト酸リチウム)91質量部と、正極結着剤(ポリフッ化ビニリデン)3質量部と、正極導電剤(黒鉛)6質量部とを混合することにより、正極合剤を得た。続いて、有機溶剤(N−メチル−2−ピロリドン)に正極合剤を投入したのち、その有機溶剤を撹拌することにより、ペースト状の正極合剤スラリーを得た。続いて、コーティング装置を用いて帯状の正極集電体11(アルミニウム箔,厚さ=12μm,高さ=90mm)の両面に正極合剤スラリーを塗布したのち、その正極合剤スラリーを乾燥させることにより、正極活物質層12(内周側正極活物質層12Aおよび外周側正極活物質層12B)を形成した。最後に、ロールプレス機を用いて正極活物質層12を圧縮成型した。
負極20を作製する場合には、最初に、負極活物質(人造黒鉛)97質量部と、負極結着剤(ポリフッ化ビニリデン)3質量部とを混合することにより、負極合剤を得た。続いて、有機溶剤(N−メチル−2−ピロリドン)に負極合剤を投入したのち、その有機溶剤を撹拌することにより、ペースト状の負極合剤スラリーを得た。続いて、コーティング装置を用いて帯状の負極集電体21(銅箔,厚さ=10μm,高さ=91.2mm)の両面に負極合剤スラリーを塗布したのち、その負極合剤スラリーを乾燥させることにより、負極活物質層22(内周側負極活物質層22Aおよび外周側負極活物質層22B)を形成した。最後に、ロールプレス機を用いて負極活物質層22を圧縮成型した。
電解液を調製する場合には、溶媒(炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエチルおよび炭酸ビニレン)に電解質塩(六フッ化酸リチウム)を加えたのち、その溶媒を撹拌した。溶媒の混合比(重量比)は、炭酸エチレン:炭酸プロピレン:炭酸ジエチル:炭酸ビニレン=20:20:59:1とした。電解液中における電解質塩の含有量は、1mol/kgとした。
二次電池を組み立てる場合には、最初に、正極10(正極集電体11)にアルミニウム製の正極リード2(幅=10mm,厚さ=80μm)を溶接すると共に、負極20(負極集電体21)にニッケル製の負極リード3(幅=10mm,厚さ=80μm)を溶接した。この場合には、正極リード2と負極リード3との間の距離を12mmとした。
続いて、正極10および負極20のそれぞれに段差緩和テープ40(ポリプロピレン製の接着テープ)および保護テープ50(50A〜50G:ポリプロピレン製の接着テープ)を貼り付けた。段差緩和テープ40の設置位置、設置数(個)および種類は、表1〜表4に示した通りである。この場合には、表1〜表4に示したように、段差緩和テープ40の厚さ(μm)、割合T(%)、幅(mm)、割合W(%)、高さ(mm)および割合H(%)を設定した。なお、表4(実験例54〜58)では、各段差緩和テープ40の厚さ(μm)、割合T(%)、幅(mm)、割合W(%)、高さ(mm)および割合H(%)を示している。
なお、比較のために、正極10および負極20のそれぞれに段差緩和テープ40を貼り付けなかった。段差緩和テープ40の有無は、表1〜表4に示した通りである。
続いて、セパレータ30(微多孔性ポリエチレンフィルム,厚さ=15μm)を介して正極10および負極20を互いに積層させることにより、積層体を得た。続いて、長手方向において積層体を巻回させたのち、その積層体の巻き終わり部分に巻止めテープ58を貼り付けることにより、巻回体を得た。続いて、巻回体を挟むように外装部材1を折り畳んだのち、減圧環境中において外装部材1のうちの3辺の外周縁部同士を熱融着した。この外装部材1としては、ナイロンフィルム(厚さ=25μm)と、アルミニウム箔(厚さ=40μm)と、ポリプロピレンフィルム(厚さ=30μm)とが外側からこの順に積層されたアルミラミネートフィルムを用いた。この場合には、外装部材1と正極リード2との間に密着フィルム4(ポリプロピレンフィルム,厚さ=60μm)を挿入すると共に、外装部材1と負極リード3との間に密着フィルム5(ポリプロピレンフィルム,厚さ=60μm)を挿入した。
続いて、外装部材1の内部に電解液を注入することにより、その電解液を巻回体に含浸させたのち、減圧環境中において外装部材1の残りの1辺の外周縁部同士を熱融着した。これにより、巻回電極体100が得られたと共に、外装部材1の内部に巻回電極体100が封入された。最後に、巻回電極体100が封入された外装部材1を加温しながら加圧することにより、扁平形状となるように巻回電極体100を成型した。
これにより、ラミネートフィルム型の二次電池(幅=40mm,高さ=100mm)が完成した。
[電池特性の評価]
二次電池の電池特性を評価するために、その二次電池のサイクル特性を調べたところ、表1〜表4に示した結果が得られた。サイクル特性を調べる場合には、サイクル試験を行うことにより、容量維持率(%)を求めた。
具体的には、最初に、二次電池の状態を安定化させるために、常温環境中(温度=23℃)において二次電池を充放電(1サイクル)させた。充電時には、1Cの電流で電圧が4.2Vに到達するまで定電流充電したのち、4.2Vの電圧で電流が0.05Cに到達するまで定電圧充電した。放電時には、1Cの電流で電圧が3.0Vに到達するまで定電流放電した。なお、「1C」とは、電池容量(理論容量)を1時間で放電しきる電流値であると共に、「0.05C」とは、電池容量を20時間で放電しきる電流値である。
続いて、同環境中において二次電池を再び充放電させることにより、2サイクル目の放電容量を測定した。充放電条件は、充電時の電流を0.7Cに変更すると共に放電時の電流を0.7Cに変更したことを除いて、二次電池の状態を安定化させる際の充放電条件と同様にした。なお、「0.7C」とは、電池容量を10/7時間で放電しきる電流値である。
続いて、同環境中において、サイクル数の合計が500サイクルに到達するまで二次電池を繰り返して充放電させることにより、500サイクル目の放電容量を測定した。充放電条件は、2サイクル目の充放電条件と同様にした。
最後に、容量維持率(%)=(500サイクル目の放電容量/2サイクル目の放電容量)×100を算出した。
Figure 0006950800
Figure 0006950800
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[考察]
表1〜表4に示したように、段差緩和テープ40を用いた場合(実験例1〜58)には、その段差緩和テープ40を用いなかった場合(実験例59)と比較して、容量維持率が増加した。
特に、段差緩和テープ40を用いた場合には、以下で説明する傾向が得られた。第1に、段差緩和テープ40の設置数が増加すると、容量維持率がより増加した。第2に、割合Tが15%〜80%であると、容量維持率がより増加した。第3に、割合Wが50%〜90%であると、容量維持率がより増加した。第4に、割合Hが20%〜105%であると、容量維持率がより増加した。
表1〜表4に示した結果から、第1領域R1、第2領域R2および第3領域R3のうちの1つまたは2つ以上の領域において、正極10(第1正極巻回部10X)および負極20(第1負極巻回部20X)のうちの一方または双方に段差緩和テープ40が設けられていると、サイクル特性が改善された。よって、二次電池において優れた電池特性が得られた。
以上、一実施形態および実施例を挙げながら本技術を説明したが、その本技術に関しては、一実施形態および実施例において説明した態様に限定されず、種々の変形が可能である。
具体的には、リチウムの吸蔵現象およびリチウムの放出現象を利用して電池容量が得られる二次電池(リチウムイオン二次電池)に関して説明したが、これに限られない。例えば、リチウムの析出現象およびリチウムの溶解現象を利用して電池容量が得られる二次電池(リチウム金属二次電池)でもよい。または、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能である負極材料の容量を正極の容量よりも小さくすることにより、リチウムの吸蔵現象およびリチウムの放出現象を利用した容量とリチウムの析出現象およびリチウムの溶解現象を利用した容量との和により電池容量が表される二次電池でもよい。
また、ラミネートフィルム型の二次電池に関して説明したが、これに限られない。例えば、扁平形状を有する巻回電極体が平たい電池缶の内部に収納される角型の二次電池などでもよい。
また、電極反応物質としてリチウムを用いる場合に関して説明したが、これに限られない。電極反応物質は、例えば、ナトリウムおよびカリウムなどの長周期型周期表における他の1族の元素でもよいし、マグネシウムおよびカルシウムなどの長周期型周期表における2族の元素でもよいし、アルミニウムなどの他の軽金属でもよい。また、電極反応物質は、上記した一連の元素のうちのいずれか1種類または2種類以上を含む合金でもよい。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
なお、本技術は、以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
正極端子と、
負極端子と、
(A)セパレータを介して互いに積層されると共に巻回軸を中心として巻回された正極および負極を含み、(B)前記巻回軸と交差する断面が長軸および短軸により規定される扁平形状を有し、(C)前記正極が、正極集電体と、前記正極集電体の一部に設けられた正極活物質層とを含み、(D)前記負極が、負極集電体と、前記負極集電体の一部に設けられた負極活物質層とを含み、(E)前記正極が、巻回方向における巻内側の端部に、前記長軸の方向に延在すると共に前記正極端子が取り付けられた第1正極巻回部を含み、(F)前記負極が、巻回方向における巻内側の端部に、前記長軸の方向に延在すると共に前記セパレータを介して前記第1正極巻回部に対向し、前記短軸の方向において前記正極端子と重ならないように前記負極端子が取り付けられた第1負極巻回部を含む、巻回電極体と、
前記長軸の方向において前記正極端子よりも前記正極の巻回方向における巻外側の第1領域と、前記長軸の方向において前記負極端子よりも前記負極の巻回方向における巻外側の第2領域と、前記正極端子と前記負極端子との間の第3領域とのうちの少なくとも1つにおいて、前記第1正極巻回部および前記第1負極巻回部のうちの少なくとも一方に設けられた1または2以上の段差緩和部材と
を備えた、二次電池。
(2)
前記段差緩和部材は、前記第1正極巻回部の内周側および外周側のうちの少なくとも一方に設けられていると共に、
前記段差緩和部材は、前記第1負極巻回部の内周側および外周側のうちの少なくとも一方に設けられている、
上記(1)に記載の二次電池。
(3)
前記第1正極巻回部のうちの前記正極集電体は、前記正極活物質層が設けられていない第1正極露出部を含み、
前記段差緩和部材は、前記第1正極露出部に設けられている、
上記(1)または(2)に記載の二次電池。
(4)
前記第1正極露出部に、前記正極端子およびその周辺を被覆するように正極端子保護部材が設けられており、
前記段差緩和部材は、前記正極端子保護部材の上に設けられている、
上記(3)に記載の二次電池。
(5)
前記第1負極巻回部のうちの前記負極集電体は、前記負極活物質層が設けられていない第1負極露出部を含み、
前記段差緩和部材は、前記第1負極露出部に設けられている、
上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の二次電池。
(6)
前記第1負極露出部に、前記負極端子およびその周辺を被覆するように負極端子保護部材が設けられており、
前記段差緩和部材は、前記負極端子保護部材の上に設けられている、
上記(5)に記載の二次電池。
(7)
前記正極は、さらに、前記第1正極巻回部よりも前記正極の巻回方向における巻外側に配置され、前記長軸の方向に延在すると共に前記セパレータを介して前記第1正極巻回部に対向する第2正極巻回部を含み、
前記第2正極巻回部のうちの前記正極集電体は、前記第1領域、前記第2領域および前記第3領域のうちの少なくとも1つに、前記正極活物質層が設けられていない第2正極露出部を含み、
前記段差緩和部材は、前記第2正極露出部に設けられている、
上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の二次電池。
(8)
前記負極は、さらに、前記第1負極巻回部よりも前記負極の巻回方向における巻外側に配置され、前記長軸の方向に延在すると共に前記セパレータを介して前記第1負極巻回部に対向する第2負極巻回部を含み、
前記第2負極巻回部のうちの前記負極集電体は、前記第1領域、前記第2領域および前記第3領域のうちの少なくとも1つに、前記負極活物質層が設けられていない第2負極露出部を含み、
前記段差緩和部材は、前記第2負極露出部に設けられている、
上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の二次電池。
(9)
前記負極は、さらに、前記第2負極巻回部よりも前記負極の巻回方向における巻外側に配置され、前記長軸の方向に延在すると共に前記セパレータを介して前記第2負極巻回部に対向する第3負極巻回部を含み、
前記第3負極巻回部のうちの前記負極集電体は、前記第1領域、前記第2領域および前記第3領域のうちの少なくとも1つに、前記負極活物質層が設けられていない第3負極露出部を含み、
前記段差緩和部材は、前記第3負極露出部に設けられている、
上記(8)に記載の二次電池。
(10)
前記負極は、さらに、前記第1負極巻回部よりも前記負極の巻回方向における巻内側に配置され、前記長軸の方向に延在すると共に前記セパレータを介して前記第1負極巻回部に対向する第4負極巻回部を含み、
前記第4負極巻回部のうちの前記負極集電体は、前記第1領域、前記第2領域および前記第3領域のうちの少なくとも1つに、前記負極活物質層が設けられていない第4負極露出部を含み、
前記段差緩和部材は、前記第4負極露出部に設けられている、
上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の二次電池。
(11)
前記正極端子および前記負極端子のそれぞれの厚さに対する前記段差緩和部材の厚さの割合は、15%以上80%以下である、
上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の二次電池。
(12)
前記段差緩和部材は、前記第3領域に配置されており、
前記正極端子と前記負極端子との間の距離に対する前記段差緩和部材の幅の割合は、50%以上90%以下である、
上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の二次電池。
(13)
前記正極集電体および前記負極集電体のそれぞれの高さに対する前記段差緩和部材の高さの割合は、20%以上105%以下である、
上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の二次電池。
(14)
前記段差緩和部材は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートおよびポリイミドのうちの少なくとも1種を含む、
上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の二次電池。
(15)
リチウムイオン二次電池である、
上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の二次電池。
(16)
上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の二次電池と、
前記二次電池の動作を制御する制御部と、
前記制御部の指示に応じて前記二次電池の動作を切り換えるスイッチ部と
を備えた、電池パック。
(17)
上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の二次電池と、
前記二次電池から供給された電力を駆動力に変換する変換部と、
前記駆動力に応じて駆動する駆動部と、
前記二次電池の動作を制御する制御部と
を備えた、電動車両。
(18)
上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の二次電池と、
前記二次電池から電力を供給される1または2以上の電気機器と、
前記二次電池からの前記電気機器に対する電力供給を制御する制御部と
を備えた、電力貯蔵システム。
(19)
上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の二次電池と、
前記二次電池から電力を供給される可動部と
を備えた、電動工具。
(20)
上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の二次電池を電力供給源として備えた、電子機器。
1…外装部材、2…正極リード、3…負極リード、10…正極、10X…第1正極巻回部、10Y…第2正極巻回部、11…正極集電体、12…正極活物質層、20…負極、20W…第4負極巻回部、20X…第1負極巻回部、20Y…第2負極巻回部、20Z…第3負極巻回部、21…負極集電体、22…負極活物質層、30…セパレータ、40(40A〜40N,40P〜40S)…段差緩和テープ、50(50A〜50G)…保護テープ、J…巻回軸。

Claims (18)

  1. 正極端子と、
    負極端子と、
    (A)セパレータを介して互いに積層されると共に巻回軸を中心として巻回された正極および負極を含み、(B)前記巻回軸と交差する断面が長軸および短軸により規定される扁平形状を有し、(C)前記正極が、正極集電体と、前記正極集電体の一部に設けられた正極活物質層とを含み、(D)前記負極が、負極集電体と、前記負極集電体の一部に設けられた負極活物質層とを含み、(E)前記正極が、巻回方向における巻内側の端部に、前記長軸の方向に延在すると共に前記正極端子が取り付けられた第1正極巻回部を含み、(F)前記負極が、巻回方向における巻内側の端部に、前記長軸の方向に延在すると共に前記セパレータを介して前記第1正極巻回部に対向し、前記短軸の方向において前記正極端子と重ならないように前記負極端子が取り付けられた第1負極巻回部を含む、巻回電極体と、
    前記長軸の方向において前記正極端子よりも前記正極の巻回方向における巻外側の第1領域と、前記長軸の方向において前記負極端子よりも前記負極の巻回方向における巻外側の第2領域と、前記正極端子と前記負極端子との間の第3領域とのうちの少なくとも1つにおいて、前記第1正極巻回部および前記第1負極巻回部のうちの少なくとも一方に設けられ、前記正極端子および前記負極端子のそれぞれの存在に起因して発生する段差が前記巻回電極体の扁平形状に影響を与えることを緩和する1または2以上の段差緩和部材と
    を備え、
    前記負極は、さらに、前記第1負極巻回部よりも前記負極の巻回方向における巻内側に配置され、前記長軸の方向に延在すると共に前記セパレータを介して前記第1負極巻回部に対向する第4負極巻回部を含み、
    前記第4負極巻回部のうちの前記負極集電体は、前記第1領域、前記第2領域および前記第3領域のうちの少なくとも1つに、前記負極活物質層が設けられていない第4負極露出部を含み、
    前記段差緩和部材は、前記第4負極露出部に設けられている、
    二次電池。
  2. 前記段差緩和部材は、前記第1正極巻回部の内周側および外周側のうちの少なくとも一方に設けられていると共に、
    前記段差緩和部材は、前記第1負極巻回部の内周側および外周側のうちの少なくとも一方に設けられている、
    請求項1記載の二次電池。
  3. 前記第1正極巻回部のうちの前記正極集電体は、前記正極活物質層が設けられていない第1正極露出部を含み、
    前記段差緩和部材は、前記第1正極露出部に設けられている、
    請求項1または請求項2に記載の二次電池。
  4. 前記第1正極露出部に、前記正極端子およびその周辺を被覆するように正極端子保護部材が設けられており、
    前記段差緩和部材は、前記正極端子保護部材の上に設けられている、
    請求項3記載の二次電池。
  5. 前記第1負極巻回部のうちの前記負極集電体は、前記負極活物質層が設けられていない第1負極露出部を含み、
    前記段差緩和部材は、前記第1負極露出部に設けられている、
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の二次電池。
  6. 前記第1負極露出部に、前記負極端子およびその周辺を被覆するように負極端子保護部材が設けられており、
    前記段差緩和部材は、前記負極端子保護部材の上に設けられている、
    請求項5記載の二次電池。
  7. 前記正極は、さらに、前記第1正極巻回部よりも前記正極の巻回方向における巻外側に配置され、前記長軸の方向に延在すると共に前記セパレータを介して前記第1正極巻回部に対向する第2正極巻回部を含み、
    前記第2正極巻回部のうちの前記正極集電体は、前記第1領域、前記第2領域および前記第3領域のうちの少なくとも1つに、前記正極活物質層が設けられていない第2正極露出部を含み、
    前記段差緩和部材は、前記第2正極露出部に設けられている、
    請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の二次電池。
  8. 前記負極は、さらに、前記第1負極巻回部よりも前記負極の巻回方向における巻外側に配置され、前記長軸の方向に延在すると共に前記セパレータを介して前記第1負極巻回部に対向する第2負極巻回部を含み、
    前記第2負極巻回部のうちの前記負極集電体は、前記第1領域、前記第2領域および前記第3領域のうちの少なくとも1つに、前記負極活物質層が設けられていない第2負極露出部を含み、
    前記段差緩和部材は、前記第2負極露出部に設けられている、
    請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の二次電池。
  9. 前記負極は、さらに、前記第2負極巻回部よりも前記負極の巻回方向における巻外側に配置され、前記長軸の方向に延在すると共に前記セパレータを介して前記第2負極巻回部に対向する第3負極巻回部を含み、
    前記第3負極巻回部のうちの前記負極集電体は、前記第1領域、前記第2領域および前記第3領域のうちの少なくとも1つに、前記負極活物質層が設けられていない第3負極露出部を含み、
    前記段差緩和部材は、前記第3負極露出部に設けられている、
    請求項8記載の二次電池。
  10. 前記正極端子および前記負極端子のそれぞれの厚さに対する前記段差緩和部材の厚さの割合は、15%以上80%以下である、
    請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の二次電池。
  11. 前記段差緩和部材は、前記第3領域に配置されており、
    前記正極端子と前記負極端子との間の距離に対する前記段差緩和部材の幅の割合は、50%以上90%以下である、
    請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の二次電池。
  12. 前記段差緩和部材は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートおよびポリイミドのうちの少なくとも1種を含む、
    請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の二次電池。
  13. リチウムイオン二次電池である、
    請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の二次電池。
  14. 請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の二次電池と、
    前記二次電池の動作を制御する制御部と、
    前記制御部の指示に応じて前記二次電池の動作を切り換えるスイッチ部と
    を備えた、電池パック。
  15. 請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の二次電池と、
    前記二次電池から供給された電力を駆動力に変換する変換部と、
    前記駆動力に応じて駆動する駆動部と、
    前記二次電池の動作を制御する制御部と
    を備えた、電動車両。
  16. 請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の二次電池と、
    前記二次電池から電力を供給される1または2以上の電気機器と、
    前記二次電池からの前記電気機器に対する電力供給を制御する制御部と
    を備えた、電力貯蔵システム。
  17. 請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の二次電池と、
    前記二次電池から電力を供給される可動部と
    を備えた、電動工具。
  18. 請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の二次電池を電力供給源として備えた、電子機器。
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