以下、本発明の一実施形態に関して、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。
1.トナー収納器
1−1.全体構成
1−2.取付部の構成
1−3.トナーの構成
1−4.メモリの取り付け手順
1−5.作用および効果
2.画像形成装置(画像形成ユニット)
2−1.画像形成装置の構成
2−2.画像形成ユニットの構成
2−3.動作
2−4.作用および効果
3.変形例
<1.トナー収納器>
ここでは、本発明の一実施形態のトナー収納器に関して説明する。
<1−1.全体構成>
まず、本発明の一実施形態のトナー収納器であるトナーカートリッジ100の全体構成に関して説明する。
ここで説明するトナーカートリッジ100は、例えば、電子写真方式のプリンタに用いられる。プリンタの種類は、特に限定されないため、モノクロプリンタでもよいし、フルカラープリンタでもよい。このトナーカートリッジ100は、紙などの媒体の表面に画像を形成するために用いられるトナーを収納している。
図1は、トナーカートリッジ100の斜視構成を表している。このトナーカートリッジ100は、例えば、図1に示したように、トナーを収納する収納部110と、その収納部110に設けられた取付部120と、その取付部120を用いて収納部110に取り付けられたメモリ130とを備えている。すなわち、メモリ130は、取付部120を用いて収納部110に固定されている。このメモリ130は、本発明の一実施形態の「記憶素子」である。
[収納部]
収納部110は、トナーを収納する容器である。この収納部110は、例えば、高分子材料および金属材料などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。収納部110に収納されているトナーの構成に関しては、後述する。
収納部110の立体的形状は、特に限定されない。ここでは、収納部110の立体的形状は、例えば、X軸方向に延在する略四角柱である。
[取付部]
取付部120は、収納部110にメモリ130を取り付けるために用いられる取付機構である。収納部110に取付部120が設けられている位置は、特に限定されない。ここでは、取付部120は、例えば、長手方向(X軸方向)における収納部110の一端部に設けられている。
なお、取付部120の詳細な構成に関しては、後述する(図2〜図10参照)。
[メモリ]
メモリ130は、後述する画像形成装置(図24および図25参照)にトナーカートリッジ100(後述するトナーカートリッジ31)が搭載された際に、その画像形成装置がトナーを用いて画像を形成するために必要な情報を記憶している。
メモリ130に記憶されている情報の内容は、特に限定されないが、例えば、トナーカートリッジ100に関する情報およびトナーに関する情報などである。トナーカートリッジ100に関する情報は、例えば、トナーカートリッジ100の種類および型番などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。トナーに関する情報は、例えば、トナーの色および容量などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。
メモリ130の種類は、特に限定されない。ここでは、メモリ130は、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)タグである。メモリ130の平面形状は、特に限定されないが、例えば、矩形などである。この「平面形状」とは、Z軸方向から見たメモリ130の平面形状である。
<1−2.取付部の構成>
次に、取付部120の構成に関して説明する。
図2および図3のそれぞれは、図1に示したトナーカートリッジ100のうちの部分A(取付部120)の斜視構成を拡大している。ただし、図2では、支持体125にカバー121が取り付けられた状態を示しているのに対して、図3では、支持体125からカバー121が取り外された状態を示している。
図4は、図3に示した支持用突起部126の平面構成を拡大している。図5は、図4に示した支持用突起部126の斜視構成を表していると共に、図6は、図4に示したB−B線に沿った支持用突起部126の断面斜視構成を表している。
図7〜図9のそれぞれは、カバー121の斜視構成を表している。ここでは、例えば、3種類のカバー121(121A,121B,121C)のそれぞれの斜視構成を示している。
図10は、挿入ピン129の斜視構成を表している。なお、図2、図3および図5〜図10のそれぞれでは、後述する収納室125Rに挿入ピン129が導入される方向(導入方向I)を示している。
取付部120は、例えば、図2〜図10に示したように、カバー121と、そのカバー121が取り付けられる支持体125と、そのカバー121を支持体125に取り付けるための挿入ピン129とを備えている。カバー121は、本発明の一実施形態の「蓋部材」である。支持体125は、本発明の一実施形態の「支持部材」である。挿入ピン129は、本発明の一実施形態の「挿入部材」である。
[カバー]
カバー121は、メモリ130が収納される収納室125Rを被覆するために支持体125に取り付けられる部材である。ただし、カバー121は、後述するように、支持体125に取り付け可能であると共に、その支持体125から取り外し可能である。
カバー121の立体的形状は、特に限定されない。ここでは、カバー121の立体的形状は、例えば、図7〜図9に示したように、収納室125Rを被覆可能な略板状である。
支持体125には、後述するように、互いに異なる構成を有する複数種類のカバー121が順に取り付け可能である。ここでは、例えば、上記したように、支持体125に3種類のカバー121(121A〜121C)がこの順に取り付け可能である。すなわち、最初に、支持体125にカバー121Aが取り付けられる。続いて、支持体125からカバー121Aが取り外されたのち、その支持体125にカバー121Bが取り付けられる。続いて、支持体125からカバー121Bが取り外されたのち、その支持体125にカバー121Cが取り付けられる。最後に、支持体125からカバー121Cが取り外される。
カバー121A〜121Cのそれぞれは、後述するカバー用突起部123の位置が互いに異なることを除いて、互いに共通する構成を有している。以下では、カバー121Aの構成に関して詳細に説明したのち、カバー121B,121Cのそれぞれの構成に関して簡単に説明する。
[カバーの構成]
カバー121Aは、図7に示したように、支持体125に向かうようにZ軸方向に延在するカバー用突起部123を含んでいる。このカバー用突起部123には、Z軸方向と交差するX軸方向に延在する貫通口123Kが設けられている。カバー用突起部123は、本発明の一実施形態の「第1突起部」であると共に、貫通口123Kは、本発明の一実施形態の「第1貫通口」である。Z軸方向は、本発明の一実施形態の「第1方向」であると共に、X軸方向は、本発明の一実施形態の「第2方向」である。
より具体的には、カバー121Aは、例えば、上記したカバー用突起部123と共に、収納室125Rを被覆する蓋部122と、Z軸方向と交差する方向に延在する固定用突起部124とを含んでいる。固定用突起部124は、本発明の一実施形態の「第3突起部」である。
(カバー用突起部)
カバー用突起部123は、挿入ピン129を用いて支持体125にカバー121Aを取り付けるために用いられる。
このカバー用突起部123は、例えば、Y軸方向における蓋部122の一端部に連結されている。ここでは、カバー用突起部123は、例えば、蓋部122が収納室125Rを閉塞可能とするために、その蓋部122の一面(収納室125Rに対向する面)に設けられている。
カバー121Aがカバー用突起部123を含んでいるのは、後述する支持体125に設けられている隙間127(挿入隙間127X)にカバー用突起部123が挿入されることにより、その支持体125にカバー121Aが位置合わせされると共に、その支持体125にカバー121Aが仮止めされるからである。この「仮止め」とは、挿入ピン129の挿入前において、支持体125にカバー121Aが一時的に固定されるため、そのカバー121Aの位置が大きくずれにくい状態である。
また、カバー用突起部123に貫通口123Kが設けられているのは、後述するように、その貫通口123Kに挿入ピン129が挿入されることにより、支持体125にカバー121Aが本止めされるからである。この「本止め」とは、挿入ピン129の挿入後において、支持体125にカバー121Aが強固に固定されるため、その支持体125からカバー121Aが離脱しにくい状態である。
カバー121Aのうちのカバー用突起部123の位置は、特定の位置である。具体的には、カバー用突起部123の位置は、支持体125に設けられている複数の隙間127(127A,127B,127C,127D,127E)のうちの1個の隙間127、より具体的には挿入隙間127Xである隙間127Aに対応する位置である。ここで説明するカバー用突起部123は、支持体125にカバー121Aを取り付けるために隙間127Aに挿入されるからである。
貫通口123Kの開口形状は、特に限定されない。ここでは、貫通口123Kの開口形状は、例えば、後述する挿入ピン129の立体的形状(図10参照)に対応して、円形である。この「開口形状」とは、X軸方向から見た貫通口123Kの形状である。なお、貫通口123Kの内径は、その貫通口123Kに挿入ピン129が挿入可能な内径であれば、特に限定されない。
(蓋部)
蓋部122は、カバー用突起部123および固定用突起部124のそれぞれを支持すると共に、収納室125Rを被覆する。蓋部122の立体的形状は、収納室125Rを被覆可能な立体的形状であれば、特に限定されないが、例えば、板状である。
(固定用突起部)
固定用突起部124は、挿入ピン129と同様に、カバー121Aを支持体125に取り付けるために用いられる。
固定用突起部124の延在方向は、上記したように、Z軸方向と交差する方向であれば、特に限定されない。ここでは、固定用突起部124は、例えば、X軸方向およびZ軸方向のそれぞれと交差するY軸方向に延在している。Y軸方向は、本発明の一実施形態の「第3方向」である
この固定用突起部124は、例えば、Y軸方向における蓋部122の他端部に連結されている。すなわち、上記したカバー用突起部123は、例えば、Y軸方向における蓋部122の一端部に設けられているのに対して、固定用突起部124は、例えば、Y軸方向における蓋部122の他端部に設けられている。ここでは、固定用突起部124は、例えば、蓋部122が収納室125Rを閉塞可能とするために、カバー用突起部123と同様に、その蓋部122の一面(収納室125Rに対向する面)に設けられている。
カバー121Aが固定用突起部124を含んでいるのは、後述する支持体125に設けられている挿入口128(図3参照)に固定用突起部124が挿入されることにより、その支持体125にカバー121Aが位置合わせされると共に、その支持体125にカバー121Aが仮止めされるからである。また、固定用突起部124が挿入口128に挿入されることにより、支持体125にカバー121Aが仮止めまたは本止めされた際に、そのカバー121Aが浮きにくくなるからである。
固定用突起部124の数は、特に限定されないため、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。ここでは、固定用突起部124の数は、例えば、2個である。一方の固定用突起部124は、例えば、X軸方向における蓋部122の一端部に設けられているのに対して、他方の固定用突起部124は、例えば、X軸方向における蓋部122の他端部に設けられている。カバー121Aがより浮きにくくなるからである。
[他のカバーの構成]
カバー121B,121Cのそれぞれは、上記したように、カバー用突起部123の位置が互いに異なることを除いて、カバー121Aと同様の構成を有している。
カバー121Bのうちのカバー用突起部123の位置は、図8に示したように、支持体125に設けられている複数の隙間127(127A〜127E)のうちの1個の隙間127、より具体的には挿入隙間127Xである隙間127Cに対応する位置である。ここで説明するカバー用突起部123は、支持体125にカバー121Bを取り付けるために隙間127Cに挿入されるからである。
また、カバー121Cのうちのカバー用突起部123の位置は、図9に示したように、支持体125に設けられている複数の隙間127(127A〜127E)のうちの1個の隙間127、より具体的には挿入隙間127Xである隙間127Eに対応する位置である。ここで説明するカバー用突起部123は、支持体125にカバー121Cを取り付けるために隙間127Eに挿入されるからである。
[複数種類のカバーの識別]
上記したように、カバー121A〜121Cのそれぞれでは、複数の挿入隙間127Xのうちのいずれかの挿入隙間127Xに対応する位置にカバー用突起部123が配置されている。すなわち、カバー121Aでは、挿入隙間127Xである隙間127Aに対応する位置にカバー用突起部123が配置されている。カバー121Bでは、挿入隙間127Xである隙間127Cに対応する位置にカバー用突起部123が配置されている。カバー121Cでは、挿入隙間127Xである隙間127Eに対応する位置にカバー用突起部123が配置されている。
上記したカバー用突起部123の位置の違いを利用して、カバー121A〜121Cのそれぞれは互いに識別可能であると共に、支持体125にカバー121A〜121Cのそれぞれをこの順に取り付け可能である。カバー121A〜121Cのそれぞれの取り付け手順に関しては、後述する(図11〜図22参照)。
なお、カバー121A〜121Cのそれぞれは、上記したカバー用突起部123の位置の違いによらずに、外観に基づいて識別可能であることが好ましい。カバー121A〜121Cのそれぞれが外観に基づいて識別可能であれば、支持体125にカバー121A〜121Cのいずれが取り付けられているかを目視で容易に識別することができるからである。
カバー121A〜121Cのそれぞれの識別方法は、特に限定されない。ここでは、例えば、カバー121A〜121Cのそれぞれの色は、互いに異なっている。具体的には、カバー121Aの色は、例えば、緑色である。カバー121Bの色は、例えば、黄色である。カバー121Cの色は、例えば、赤色である。カバー121Aは、本発明の一実施形態の「蓋部材」であると共に、カバー121B,121Cのそれぞれは、本発明の一実施形態の「他の蓋部材」である。
[支持体]
支持体125は、メモリ130を収納および支持する部材である。ここでは、支持体125は、例えば、収納部110の外装のうちの一部である。
この支持体125は、図2および図3に示したように、メモリ130が収納される収納室125Rと、その収納室125Rの内部に配置された複数の支持用突起部126とを含んでいる。この収納室125Rには、X軸方向に延在する導入口125Sが設けられている。また、収納室125Rには、例えば、導入口125Sに対応する位置に、X軸方向に延在する排出口125Hが設けられている。複数の支持用突起部126は、本発明の一実施形態の「複数の第2突起部」である。
(収納室)
収納室125Rは、例えば、収納部110の一面に設けられた窪みである。メモリ130は、収納室125Rの内部に収納されると共に、その収納室125Rは、上記したように、カバー121により被覆される。
この収納室125Rの内部は、例えば、仕切板125Wにより複数の空間(部屋)に仕切られている。収納室125Rの内部には、例えば、仕切板125Wにより画定された収納用窪み125Uが設けられている。この収納用窪み125Uは、メモリ130の収納位置を画定するために仕切板125Wにより囲まれた空間であり、すなわちメモリ130が収納される空間である。収納用窪み125Uは、本発明の一実施形態の「窪み」である。
収納室125Rの内部に収納用窪み125Uが設けられているのは、その収納室125Rの内部にメモリ130を収納する際に、その収納室125Rにメモリ130が位置合わせされると共に、収納後においてメモリ130の位置がずれにくくなるからである。
(導入口および排出口)
導入口125Sは、収納室125Rの内部に挿入ピン129を導入させるための開口である。これに対して、排出口125Hは、収納室125Rの内部から挿入ピン129を排出させるための開口である。このため、複数の支持用突起部126は、導入口125Sと排出口125Hとの間に配置されている。
(複数の支持用突起部)
複数の支持用突起部126のそれぞれは、図3に示したように、カバー用突起部123の延在方向と同様の方向に延在していると共に、互いに離間されながらX軸方向に配列されている。具体的には、複数の支持用突起部126は、導入口125Sの延在方向(X軸方向)の延長線(線L)に沿うように配置されている。このため、複数の支持用突起部126により複数の隙間127が画定されている。
支持用突起部126の数は、複数であれば、特に限定されない。ただし、後述するように、挿入隙間127Xの数が2個以上であると共に、非挿入隙間127Yの数が1個以上であることを条件とする。
ここでは、支持体125は、例えば、6個の支持用突起部126(126A,126B,126C,126D,126E,126F)を含んでいる。支持用突起部126A〜126Fは、例えば、導入口125Sに近い側からこの順に配置されている。
支持用突起部126A〜126Fのそれぞれは、例えば、互いに共通する構成を有している。図4〜図6のそれぞれでは、例えば、支持用突起部126A〜126Fを代表して、支持用突起部126Aを示している。以下では、例えば、支持用突起部126Aの構成に関して説明するが、支持用突起部126B〜126Fのそれぞれの構成は支持用突起部126Aの構成と同様である。
支持用突起部126Aは、図4〜図6に示したように、X軸方向に延在する貫通口126Kを有している。貫通口126Kは、本発明の一実施形態の「第2貫通口」である。
貫通口126Kは、挿入ピン129が挿入される開口である。貫通口126Kの開口形状は、特に限定されないが、例えば、円形である。図3に示した線Lは、導入口125Sの中心と、支持用突起部126A〜126Fのそれぞれに設けられている貫通口126Kの中心と、排出口125Hの中心とを結ぶ線である。これにより、導入口125Sから収納室125Rの内部に導入された挿入ピン129は、支持用突起部126A〜126Fのそれぞれに設けられている一連の貫通口126Kに順に挿入可能であるため、その一連の貫通口126Kの内部を順に通過可能である。
貫通口126Kの内径Dは、導入方向Iにおいて一定でもよいし、その導入方向Iにおいて変化していてもよい。ここで説明する「一定」とは、内径Dの決定精度に関して貫通口126Kの製造誤差が含まれることを踏まえた上での一定という意味であり、いわゆる「ほぼ一定」という意味である。このため、内径Dが厳密に一定であることを意味しているわけではない。この「一定」に関する定義は、以降においても同様である。
ここでは、貫通口126Kの内径Dは、例えば、導入方向Iにおいて変化している。具体的には、貫通口126Kは、例えば、図5および図6に示したように、導入方向Iにおける前方に位置する第1貫通部分126K1と、その導入方向Iにおける後方に位置する第2貫通部分126K2とを有している。第2貫通部分126K2の内径D2は、第1貫通部分126K1の内径D1よりも大きくなっている。
第2貫通部分126K2が相対的に大きい内径D2を有しているのは、その第2貫通部分126K2を利用して貫通口126Kの内部に挿入ピン129が挿入されやすくなるからである。また、第1貫通部分126K1が相対的に小さい内径D1を有しているのは、貫通口126Kに挿入された挿入ピン129が導入方向Iに押されることにより、その挿入ピン129が貫通口126Kを通過する際に、後述するように、その挿入ピン129の通過を利用して支持用突起部126Aが意図的に破壊されやすくなるからである。
上記した第1貫通部分126K1および第2貫通部分126K2のそれぞれの利点を得るために、内径D1,D2のそれぞれは、後述する挿入ピン129の外径D(第1挿入部分129Aの外径D3および第2挿入部分129Bの外径D4)との関係において適正化されている。内径D1,D2および外径D3,D4のそれぞれの詳細に関しては、後述する。
貫通口126Kの周囲における支持用突起部126Aの寸法(厚さ)は、図4に示したように、部分的に小さくなっている。すなわち、貫通口126Kが設けられた支持用突起部126AをX軸方向から見た場合、その貫通口126Kの周囲における支持用突起部126Aの肉厚(厚さ)は、全体に渡って均一ではなく、一部において他の部分よりも小さくなっている。
貫通口126Kの周囲における支持用突起部126Aの厚さが部分的に小さくなっているのは、後述するように、挿入ピン129が貫通口126Kを通過する際に、その挿入ピン129の通過を利用して支持用突起部126Aを意図的に破壊するためである。
詳細には、貫通口126Kの周囲における支持用突起部126Aの厚さが部分的に小さい場合には、その支持用突起部126Aは、図4に示したように、厚さT2を有する部分P2と、その厚さT2よりも小さい厚さT1を有する部分P1とを含んでいる。これにより、相対的に小さい厚さT1を有する部分P1の物理的強度は、相対的に大きい厚さT2を有する部分P2の物理的強度よりも低くなる。この場合には、後述するように、挿入ピン129のうちの大外径部分(第2挿入部分129B)が貫通口126Kを通過する際に、部分P2よりも部分P1において支持用突起部126Aが切断されやすくなる。よって、貫通口126Kを利用して挿入ピン129を再び保持できないように支持用突起部126Aが部分的に切断されるため、その支持用突起部126Aが意図的に破壊される。
厚さT1を有する部分P1の数は、特に限定されない。このため、貫通口126Kの周囲における支持用突起部126Aの厚さは、1箇所だけにおいて部分的に小さくなっていてもよいし、2箇所以上において部分的に小さくなっていてもよい。
また、厚さT1を有する部分P1の位置は、特に限定されない。このため、貫通口126Kの周囲における支持用突起部126Aの厚さは、その周囲のうちのどの位置において部分的に小さくなっていてもよい。
中でも、支持用突起部126Aは、図4に示したように、2個の部分P1および2個の部分P2を含んでいることが好ましい。2個の部分P1は、X軸方向と交差する任意の方向において貫通口126Kの両側に位置する部分であると共に、2個の部分P2は、上記した任意の方向と交差する方向において貫通口126Kの両側に位置する部分である。すなわち、2個の部分P1は、貫通口126Kを介して互いに対向していると共に、2個の部分P2は、貫通口126Kを介して互いに対向している。2個の部分P1のそれぞれの厚さT1は、2個の部分P2のそれぞれの厚さT2よりも小さくなっている。2個の部分P1は、本発明の一実施形態の「2つの第1部分」であると共に、2個の部分P2は、本発明の一実施形態の「2つの第2部分」である。
支持用突起部126Aが2個の部分P1および2個の部分P2を含んでいると、その2個の部分P1において支持用突起部126Aが切断されやすくなるからである。これにより、支持用突起部126Aが2個に分離されやすくなるため、その支持用突起部126Aが貫通口126Kを利用して挿入ピン129を再び保持できないように破壊されやすくなる。
上記した「任意の方向」とは、2個の部分P1が貫通口126Kを介して互いに対向する方向は特に限定されないことを意味している。すなわち、任意の方向は、Y軸方向およびZ軸方向のうちのいずれかでもよいし、それらの方向以外の方向(Y軸方向およびZ軸方向のそれぞれからずれた方向)でもよい。同様に、「任意の方向と交差する方向」とは、2個の部分P2が貫通口126Kを介して互いに対向する方向は特に限定されないことを意味している。すなわち、任意の方向と交差する方向は、上記した任意の方向と異なる方向であれば、Y軸方向およびZ軸方向のうちのいずれかでもよいし、それらの方向以外の方向でもよい。
特に、図4に示したように、任意の方向は、X軸方向およびX軸方向のそれぞれと交差するY軸方向であると共に、その任意の方向と交差する方向は、Z軸方向であることが好ましい。後述するように、支持用突起部126Aが上下に分離されやすくなるため、その支持用突起部126Aが貫通口126Kを利用して挿入ピン129を再び保持できないように十分に破壊されやすくなるからである(図23参照)。
すなわち、例えば、図4に示したように、2個の部分P1は、Y軸方向において貫通口126Kを介して互いに対向していると共に、2個の部分P2は、Z軸方向において貫通口126Kを介して互いに対向している。
なお、支持用突起部126Aは、例えば、図4に示したように、溝126Mを有している。この溝126Mは、例えば、貫通口126Kの延在方向と同様の方向(X軸方向)に延在していると共に、その貫通口126Kに連結されている。
ここで説明する溝126Mは、貫通口126Kの内部における支持用突起部126Aの内壁面に設けられた切り込みである。支持用突起部126Aが溝126Mを有しているのは、その溝126Mを利用して部分P1の厚さT1が部分P2の厚さT2よりも小さくなると共に、その溝126Mを起点として支持用突起部126Aが切断されやすくなるからである。
溝126Mの形成範囲は、特に限定されない。このため、溝126Mは、例えば、X軸方向において貫通口126Kの全体に連結されていてもよいし、そのX軸方向において貫通口126Kの一部だけに連結されていてもよい。ここでは、溝126Mは、例えば、図5および図6に示したように、X軸方向において貫通口126Kの全体に連結されているため、その貫通口126Kと同様にX軸方向に延在している。このため、溝126Mは、例えば、X軸方向において第1貫通部分126K1の全体に連結されていると共に、X軸方向において第2貫通部分126K2の全体に連結されている。挿入ピン129が貫通口126Kを通過する際に、溝126Mを利用して支持用突起部126Aが破壊されやすくなるからである。
なお、挿入ピン129が第1貫通部分126K1を通過する際に支持用突起部126Aが破壊されやすい場合には、溝126Mは、第2貫通部分126K2に設けられておらずに、第1貫通部分126K1だけに設けられていてもよい。溝126Mを利用して支持用突起部126Aの一部(第1貫通部分126K1に対応する部分)が破壊されやすくなるからである。
ただし、溝126Mを利用して支持用突起部126Aの全体が十分に破壊されやすくするためには、その溝126Mは、上記したように、第1貫通部分126K1および第2貫通部分126K2の双方に設けられていることが好ましい。
溝126Mの数は、特に限定されない。このため、溝の126Mの数は、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。
ここでは、溝126Mは、例えば、貫通口126Kの延在方向と交差する方向において、その貫通口126Kの両側に設けられている。この貫通口126Kの延在方向と交差する方向は、X軸方向と交差する方向であれば、特に限定されないため、Y軸方向およびZ軸方向のうちのいずれかでもよいし、それらの方向以外の方向でもよい。
中でも、図4に示したように、Y軸方向において貫通口126Kの両側に溝126Mが設けられていることが好ましい。すなわち、溝126Mは、Y軸方向において貫通口126Kの一方側に設けられた第1溝126M1と、そのY軸方向において貫通口126Kの他方側に設けられた第2溝126M2とを含んでいることが好ましい。この場合には、2個の溝126M(第1溝126M1および第2溝126M2)が貫通口126Kを介して互いに対向する。支持用突起部126Aが上下に分離されやすくなるため、その支持用突起部126Aが貫通口126Kを利用して挿入ピン129を再び保持できないように十分に破壊されやすくなるからである(図23参照)。
Z軸方向における溝126Mの寸法(幅W)は、Y軸方向において一定でもよいし、そのY軸方向において変化していてもよい。ここでは、幅Wは、例えば、Y軸方向において変化しており、より具体的には、貫通口126Kから離れるにしたがって次第に減少している。このため、溝126Mの開口形状は、例えば、略三角形である。溝126Mの先端部を起点として支持用突起部126Aが開裂しやすくなるため、その溝126Mを利用して支持用突起部125Aがより破壊されやすくなるからである。この「開口形状」とは、X軸方向から見た溝126Mの形状である。
(複数の隙間)
上記したように、複数の支持用突起部126により複数の隙間127が画定されているため、支持体125に複数の隙間127が設けられている。ここでは、例えば、上記したように、支持体125が6個の支持用突起部126(126A〜126F)を含んでいるため、図3に示したように、その支持体125は5個の隙間127(127A〜127E)を有している。
すなわち、支持用突起部126A,126Bの間に隙間127Aが設けられている。支持用突起部126B,126Cの間に隙間127Bが設けられている。支持用突起部126C,126Dの間に隙間127Cが設けられている。支持用突起部126D,126Eの間に隙間127Dが設けられている。支持用突起部126E,126Fの間に隙間127Eが設けられている。
隙間127A〜127Eは、X軸方向に配列されていると共に、導入口125Sに近い側からこの順に配置されている。X軸方向における隙間127A〜127Eのそれぞれの寸法(間隔)は、任意に設定可能である。
隙間127A〜127Eのうち、隙間127A,127C,127Eのそれぞれは、カバー121(121A〜121C)のうちのカバー用突起部123が挿入される挿入隙間127Xである。一方、隙間127B,127Dのそれぞれは、カバー用突起部123が挿入されない非挿入隙間127Yである。このため、挿入隙間127Xおよび非挿入隙間127Yは、X軸方向において交互に配置されている。
支持体125に2種類以上のカバー121を取り付け可能とするために、挿入隙間127Xの数は2個以上であると共に、非挿入隙間127Yの数は1個以上である。ここでは、例えば、上記したように、挿入隙間127Xの数は3個(隙間127A,127C,127E)であると共に、非挿入隙間127Yの数は2個(隙間127B,127D)である。
挿入隙間127Xである隙間127A,127C,127Eのそれぞれは、後述するように、支持体125にカバー121A〜121Cのそれぞれを取り付けるために用いられる。これに対して、非挿入隙間127Yである隙間127B,127Dのそれぞれは、後述するように、支持体125からカバー121A,121Bのそれぞれを取り外すために用いられる。
上記したように、カバー121A〜121Cのそれぞれに設けられているカバー用突起部123の位置は、挿入隙間127Xである隙間127A,127C,127Eのそれぞれの位置に対応している。すなわち、支持体125にカバー121Aが取り付けられる場合には、そのカバー121Aのうちのカバー用突起部123が隙間127Aに挿入される。支持体125にカバー121Bが取り付けられる場合には、そのカバー121Bのうちのカバー用突起部123が隙間127Cに挿入される。支持体125にカバー121Cが取り付けられる場合には、そのカバー121Cのうちのカバー用突起部123が隙間127Eに挿入される。
(挿入口)
収納室125Rの内部における支持体125の内壁面には、例えば、固定用突起部124の延在方向(Y軸方向)と同様の方向に延在する挿入口128が設けられている。この挿入口128は、固定用突起部124に対応する位置に配置されており、その固定用突起部124は、挿入口128に挿入される。
挿入口128の数は、特に限定されないため、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。ここでは、例えば、上記したように、固定用突起部124の数が2個であるため、挿入口128の数も2個である。
[挿入ピン]
挿入ピン129は、導入口125Sから収納室125Rの内部に導入される棒状の部材である。このため、挿入ピン129は、支持用突起部126A〜126Fの配列方向(X軸方向)と同様の方向に延在している。
(挿入ピンの機能1)
この挿入ピン129は、上記したように、導入口125Sから収納室125Rの内部に導入されたのち、導入方向Iに押される。これにより、挿入ピン129は、支持用突起部126A〜126Fのそれぞれに設けられている一連の貫通口126Kに順に挿入されることにより、その一連の貫通口126Kを通過可能である。
すなわち、挿入ピン129は、収納室125Rの内部にメモリ130が収納されると共に複数の挿入隙間127Xのうちの1個の挿入隙間127Xにカバー用突起部123が挿入されることにより収納室125Rがカバー121により被覆された状態において、導入口125Sから収納室125Rの内部に導入される。これにより、挿入ピン129は、互いに隣り合う2個の貫通口126Kと、その2個の貫通口126Kの間(挿入隙間127X)に位置する貫通口123Kとに挿入される。よって、挿入ピン129を用いて支持体125にカバー121が取り付けられる。図3では、支持体125からカバー121が取り外された状態を示しているため、挿入ピン129の図示を省略している。
具体的には、支持体125にカバー121Aが取り付けられる場合には、挿入隙間127Xである隙間127Aにカバー用突起部123が挿入される。この場合には、支持用突起部126A,126Bのそれぞれに設けられている貫通口126Kと、カバー121A(カバー用突起部123)に設けられている貫通口123Kとに、挿入ピン129が挿入される。
支持体125にカバー121Bが取り付けられる場合には、挿入隙間127Xである隙間127Cにカバー用突起部123が挿入される。この場合には、支持用突起部126C,126Dのそれぞれに設けられている貫通口126Kと、カバー121B(カバー用突起部123)に設けられている貫通口123Kとに、挿入ピン129が挿入される。
支持体125にカバー121Cが取り付けられる場合には、挿入隙間127Xである隙間127Eにカバー用突起部123が挿入される。この場合には、支持用突起部126E,126Fのそれぞれに設けられている貫通口126Kと、カバー121C(カバー用突起部123)に設けられている貫通口123Kとに、挿入ピン129が挿入される。
(挿入ピンの機能2)
なお、挿入隙間127Xを通過すると共に、その挿入隙間127Xの隣りに位置する非挿入隙間127Yに配置されるまで、挿入ピン129が導入方向Iに押されることにより、その挿入隙間127Xから挿入ピン129が離脱される。これにより、挿入隙間127Xからカバー用突起部123が離脱可能になるため、支持体125からカバー121が取り外し可能である。
具体的には、支持体125にカバー121Aが取り付けられている場合には、挿入隙間127Aを通過すると共に非挿入隙間127Bに配置されるまで挿入ピン129が導入方向Iに押されることにより、その支持体125からカバー121Aが取り外し可能である。
支持体125にカバー121Bが取り付けられている場合には、挿入隙間127Cを通過すると共に非挿入隙間127Dに配置されるまで挿入ピン129が導入方向Iに押されることにより、その支持体125からカバー121Bが取り外し可能である。
支持体125にカバー121Cが取り付けられている場合には、挿入隙間127Eを通過すると共に排出口125Hから排出されるまで挿入ピン129が導入方向Iに押されることにより、その支持体125からカバー121Cが取り外し可能である。
(挿入ピンの機能3)
また、支持体125にカバー121Aが取り付けられている場合には、挿入ピン129と共にカバー121B,121Cを用いて、そのカバー121Aをカバー121B,121Cのそれぞれに交換可能である。
具体的には、支持体125にカバー121Aが取り付けられている場合には、上記したように、その支持体125からカバー121Aが取り外される。こののち、非挿入隙間127Y(隙間127B)の隣りに位置する挿入隙間127X(隙間127C)にカバー用突起部123が挿入されることにより収納室125Rがカバー121Bにより被覆された状態において、さらに挿入ピン129が導入方向Iに押される。これにより、支持用突起部126A,126Bの隣りに位置する支持用突起部126C,126Dのそれぞれに設けられている2個の貫通口126Kと、その2個の貫通口126Kの間に位置する貫通口123Kとに、挿入ピン129が挿入可能である。よって、支持体125にカバー121Bが取り付けられるため、既に取り付けられていたカバー121Aがカバー121Bに交換される。
カバー121Bは、本発明の一実施形態の「他の蓋部材」である。カバー121Bのうちのカバー用突起部123は、本発明の一実施形態の「他の第1突起部」であると共に、そのカバー121Bに設けられている貫通口123Kは、本発明の一実施形態の「他の第1貫通口」である。挿入隙間127Cは、本発明の一実施形態の「他の挿入隙間」であると共に、支持用突起部126C,126Dのそれぞれに設けられている貫通口126Kは、本発明の一実施形態の「他の2つの第2貫通口」である。
また、支持体125にカバー121Bが取り付けられている場合には、上記したように、その支持体125からカバー121Bが取り外される。こののち、非挿入隙間127Y(隙間127D)の隣りに位置する挿入隙間127X(隙間127E)にカバー用突起部123が挿入されることにより収納室125Rがカバー121Cにより被覆された状態において、さらに挿入ピン129が導入方向Iに押される。これにより、支持用突起部126C,126Dの隣りに位置する支持用突起部126E,126Fのそれぞれに設けられている2個の貫通口126Kと、その2個の貫通口126Kの間に位置する貫通口123Kとに、挿入ピン129が挿入可能である。よって、支持体125にカバー121Cが取り付けられるため、既に取り付けられていたカバー121Bがカバー121Cに交換される。
カバー121Cは、本発明の一実施形態の「他の蓋部材」である。カバー121Cのうちのカバー用突起部123は、本発明の一実施形態の「他の第1突起部」であると共に、そのカバー121Cに設けられている貫通口123Kは、本発明の一実施形態の「他の第1貫通口」である。挿入隙間127Eは、本発明の一実施形態の「他の挿入隙間」であると共に、支持用突起部126E,126Fのそれぞれに設けられている貫通口126Kは、本発明の一実施形態の「他の2つの第2貫通口」である。
(挿入ピンの構成)
この挿入ピン129は、図10に示したように、導入方向Iにおける前方に位置する第1挿入部分129Aと、その導入方向Iにおける後方に位置すると共に第1挿入部分129Aに連結された第2挿入部分129Bとを含んでいる。挿入ピン129の外径Dは、導入方向Iにおいて変化しており、より具体的には、第2挿入部分129Bの外径D4は、貫通口126K(第1貫通部分126K1)の内径D(D1)および第1挿入部分129Aの外径D3のそれぞれよりも大きくなっている。
第1挿入部分129Aの外径D3は、例えば、導入方向Iにおいて一定である。この外径D3は、例えば、貫通口126Kのうちの第1貫通部分126K1の内径D1と同様である。ただし、外径D3は、例えば、内径D1より僅かに小さくてもよい。また、外径D3は、例えば、内径D2よりも小さければ、内径D1より僅かに大きくてもよい。中でも、第1貫通部分126K1に第1挿入部分129Aが挿入されることを利用して、支持体125にカバー121を十分に固定するためには、外径D3は、内径D1以上であることが好ましい。
第2挿入部分129Bの外径D4は、導入方向Iにおいて一定でもよいし、その導入方向Iにおいて変化していてもよい。ここでは、例えば、外径D4は、導入方向Iにおいて変化しており、より具体的には、第1挿入部分129Aから離れるに従って次第に増加している。これにより、外径D4の最大値は、内径D1および外径D3のそれぞれよりも大きくなっている。また、外径D4は、例えば、内径D1よりも十分に大きくなっている。第1貫通部分126K1に第2挿入部分129Bが挿入されやすくなると共に、挿入ピン129が貫通口126Kを通過する際に第2挿入部分129Bを利用して支持用突起部126が破壊されやすくなるからである。
なお、外径D4は、例えば、内径D2と同様である。ただし、外径D4は、例えば、第2挿入部分129Bを利用して支持用突起部126を破壊することが可能であれば、内径D2より僅かに小さくてもよいし、その内径D2より僅かに大きくてもよい。
挿入ピン129(第1挿入部分129Aおよび第2挿入部分129B)の断面形状は、特に限定されないが、例えば、円形である。この「断面形状」とは、YZ面に沿った挿入ピン129の断面の形状である。
なお、挿入ピン129の材質は、特に限定されないが、例えば、高分子材料および金属材料などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。中でも、挿入ピン129は、弾性変形性を有する高分子材料などを含んでいることが好ましい。内径D1よりも外径D3を僅かに大きくすることにより、第1挿入部分129Aが第1貫通部分126K1に圧入されやすくなるからである。これにより、支持体125にカバー121が強固に固定されやすくなる。
<1−3.トナーの構成>
次に、トナーの構成に関して説明する。
トナーカートリッジ100は、例えば、1種類(1色)のトナーを収納している。トナーカートリッジ100に収納されているトナーの種類(色)は、例えば、以下の通りである。
媒体の表面にフルカラーの画像を形成するためには、例えば、4種類(4色)のトナーが用いられる。この4種類のトナーは、例えば、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーおよびブラックトナーである。
これに伴い、イエローの画像を形成するために用いられるトナーカートリッジ100は、イエロートナーを収納している。マゼンタの画像を形成するために用いられるトナーカートリッジ100は、マゼンタトナーを収納している。シアンの画像を形成するために用いられるトナーカートリッジ100は、シアントナーを収納している。ブラックの画像を形成するために用いられるトナーカートリッジ100は、ブラックトナーを収納している。
イエロートナーは、例えば、イエロー着色剤と共に、結着剤、外添剤、離型剤および帯電制御剤などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。イエロー着色剤は、例えば、イエロー顔料などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、そのイエロー顔料は、例えば、ピグメントイエロー74などである。
マゼンタトナーは、例えば、イエロー着色剤に代えてマゼンタ着色剤を含んでいることを除いて、イエロートナーと同様の構成を有している。マゼンタ着色剤は、例えば、マゼンタ顔料などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、そのマゼンタ顔料は、例えば、キナクリドンなどである。
シアントナーは、例えば、イエロー着色剤に代えてシアン着色剤を含んでいることを除いて、イエロートナーと同様の構成を有している。シアン着色剤は、例えば、シアン顔料などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、そのシアン顔料は、例えば、フタロシアニンブルー(C.I.Pigment Blue 15:3)などである。
ブラックトナーは、例えば、イエロー着色剤に代えてブラック着色剤を含んでいることを除いて、イエロートナーと同様の構成を有している。ブラック着色剤は、例えば、ブラック顔料などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、そのブラック顔料は、例えば、カーボンなどである。
<1−4.メモリの取り付け手順>
次に、取付部120を用いたメモリ130の取り付け手順に関して説明する。
図11、図13、図15、図17、図19および図21のそれぞれは、メモリ130の取り付け手順を説明するために、取付部120のうちの一部の断面斜視構成を表している。図12、図14、図16、図18、図20および図22のそれぞれは、図11、図13、図15、図17、図19および図21のそれぞれに対応する取付部120の断面構成を模式的に表している。
ただし、図11、図13、図15、図17、図19および図21のそれぞれでは、支持体125およびカバー121A〜121Cのそれぞれに関しては一部だけを示している。また、挿入ピン129を見やすくするために、その挿入ピン129に斜線を付している。
図12、図14、図16、図18、図20および図22のそれぞれでは、カバー用突起部123、支持用突起部126A〜126Fおよび挿入ピン129だけを示している。
図23は、破壊後における支持用突起部126の斜視構成を表している。図23では、支持用突起部126A〜126Fを代表して、支持用突起部126Aを示している。
メモリ130の取り付け前には、図3に示したように、導入口125Sから収納室125Rの内部に挿入ピン129が導入されていないため、支持体125にカバー121Aが取り付けられていない。
取付部120を用いてメモリ130を取り付ける場合には、必要に応じてメモリ130を交換するために、以下で説明する手順により、支持体125にカバー121A〜121Cがこの順に取り付けられる。以下では、3個のメモリ130を順に取り付ける場合に関して説明する。
[1個目のメモリの取り付け]
最初に、図3に示したように、収納室125Rの内部に1個目のメモリ130を収納する。この場合には、収納用窪み125Uの内部にメモリ130を載置する。
続いて、図11および図12に示したように、支持用突起部126A,126Bの間に設けられている隙間127A(挿入隙間127X)に、カバー121Aのうちのカバー用突起部123を挿入させる。これにより、収納室125Rがカバー121Aにより被覆される。
こののち、導入口125Sから収納室125Rの内部に挿入ピン129を導入させることにより、支持用突起部126A,126Bのそれぞれに設けられている貫通口126Kと、カバー用突起部123に設けられている貫通口123Kとに、挿入ピン129を挿入させる。
支持用突起部126Bに設けられている貫通口126Kでは、例えば、第2貫通部分126K2の全体に第1挿入部分129Aが挿入されると共に、第1貫通部分126K1の途中まで第1挿入部分129Aが挿入されるようにする。
また、支持用突起部126Aに設けられている貫通口126Kでは、例えば、第1貫通部分126K1および第2貫通部分126K2のそれぞれの全体に第1挿入部分129Aが挿入されるため、その第2貫通部分126K2に第2挿入部分129Bが挿入されないようにする。すなわち、支持用突起部126Aに設けられている貫通口126Kの外部に第2挿入部分129Bが配置されるようにする。
これにより、挿入ピン129を利用してカバー121Aが支持体125に固定されるため、取付部120に1個目のメモリ130が取り付けられる。この状態では、収納室125Rの内部にメモリ130が収納されていると共に、その収納室125Rがカバー121Aにより閉塞されているため、その収納室125Rからメモリ130を取り出すことはできない。
なお、導入口125Sから収納室125Rの内部に挿入ピン129を導入させる方法は、特に限定されない。具体的には、例えば、導入口125Sに挿入ピン129を挿入させたのち、細長い治具などを用いて収納室125Rの内部に向かって挿入ピン129を押すことにより、その収納室125Rの内部に挿入ピン129を導入させる。このように治具などを用いて挿入ピン129を押すことは、以降においても同様である。
[1個目のメモリの交換]
続いて、1個目のメモリ130を交換する場合には、図13および図14に示したように、支持用突起部126Aに設けられている貫通口126Kを挿入ピン129の全体が通過すると共に、支持用突起部126Cに設けられている貫通口126Kに挿入ピン129の一部が挿入されるまで、導入方向Iに挿入ピン129を押す。
この場合には、例えば、非挿入隙間127Yである隙間127Bに第1挿入部分129Aの大部分が配置されるまで挿入ピン129を押す。これにより、例えば、支持用突起部126Cに設けられている貫通口126Kの全体に第1挿入部分129Aの一部が挿入される。また、例えば、支持用突起部126Bに設けられている貫通口126Kの途中に第2挿入部分129Bを配置させる。
よって、挿入隙間127Xである隙間127Aを挿入ピン129が通過することにより、その隙間126Aから挿入ピン129が離脱されるため、貫通口123Kから挿入ピン29が離脱される。これにより、支持体125からカバー121Aが取り外されるため、収納室125Rの内部に収納されていた1個目のメモリ130を交換することができる。
ここで、支持用突起部126Aでは、図4に示したように、Y軸方向において貫通口126Kの両側に位置する2個の部分P1のそれぞれの厚さT1は、Z軸方向において貫通口126Kの両側に位置する2個の部分P2のそれぞれの厚さT2よりも小さくなっている。これにより、支持用突起部126Aに設けられている貫通口126Kのうちの第1貫通部分126K1を第2挿入部分129Bが通過する際に、上記した厚さT1,T2の差違を利用して、その第2挿入部分129Bにより支持用突起部126AがZ軸方向において上下に押されるため、その支持用突起部126Aが2個の部分P1において切断される。よって、図13、図14および図23に示したように、支持用突起部126Aが上側部分126A1と下側部分126A2とに分離されるため、その支持用突起部126Aが破壊される。支持用突起部126Aの破壊後には、下側部分126A2だけが残存する。
この場合には、特に、支持用突起部126Aでは、図4に示したように、Y軸方向における貫通口126Kの両側に2個の溝126M(第1溝126M1および第2溝126M2)が設けられている。これにより、2個の溝126Mを利用して支持用突起部126Aが2個の部分P1においてより切断されやすくなるため、その支持用突起部126Aが分離(破壊)されやすくなる。
また、上記した支持用突起部126Aと同様に、支持用突起部126Bも破壊される。すなわち、支持用突起部126Bに設けられている貫通口126Kのうちの第1貫通部分126K1を第2挿入部分129Bが途中まで通過する際に、厚さT1,T2の差違および2個の溝126Mを利用して、その第2挿入部分129Bにより支持用突起部126Bが上下に分離される。
よって、支持体125からカバー121Aが取り外されるため、1個目のメモリ130を交換することはできるが、その支持体125にカバー121Aを再び取り付けることはできない。
なお、メモリ130を交換する理由は、特に限定されない。具体的には、メモリ130を交換する理由は、例えば、収納部110に収納されているトナーの量が減少したため、その収納部110にトナーを補充する場合などである。
[2個目のメモリの取り付け]
続いて、1個目のメモリ130を2個目のメモリ130に交換したのち、図15および図16に示したように、支持用突起部126C,126Dの間に設けられている隙間127C(挿入隙間127X)に、カバー121Bのうちのカバー用突起部123を挿入させる。これにより、収納室125Rがカバー121Bにより被覆される。
こののち、さらに導入方向Iに挿入ピン129を押すことにより、支持用突起部126C,126Dのそれぞれに設けられている貫通口126Kと、カバー用突起部123に設けられている貫通口123Kとに、挿入ピン129を挿入させる。
支持用突起部126Dに設けられている貫通口126Kでは、例えば、第2貫通部分126K2の全体に第1挿入部分129Aが挿入されると共に、第1貫通部分126K1の途中まで第1挿入部分129Aが挿入されるようにする。
また、支持用突起部126Cに設けられている貫通口126Kでは、例えば、第1貫通部分126K1および第2貫通部分126K2のそれぞれの全体に第1挿入部分129Aが挿入されるため、その第2貫通部分126K2に第2挿入部分129Bが挿入されないようにする。すなわち、支持用突起部126Aに設けられている貫通口126Kの外部に第2挿入部分129Bが配置されるようにする。
これにより、挿入ピン129を利用してカバー121Bが支持体125に固定されるため、取付部120に2個目のメモリ130が取り付けられる。この状態では、収納室125Rの内部にメモリ130が収納されていると共に、その収納室125Rがカバー121Bにより閉塞されているため、その収納室125Rからメモリ130を取り出すことはできない。
[2個目のメモリの交換]
続いて、2個目のメモリ130を交換する場合には、図17および図18に示したように、支持用突起部126Cに設けられている貫通口126Kを挿入ピン129の全体が通過すると共に、支持用突起部126Dに設けられている貫通口126Kに挿入ピン129の一部が挿入されるまで、さらに導入方向Iに挿入ピン129を押す。
この場合には、例えば、非挿入隙間127Yである隙間127Dに第1挿入部分129Aの大部分が配置されるまで挿入ピン129を押す。これにより、例えば、支持用突起部126Eに設けられている貫通口126Kの全体に第1挿入部分129Aの一部が挿入される。また、例えば、支持用突起部126Dに設けられている貫通口126Kの途中に第2挿入部分129Bを配置させる。
よって、挿入隙間127Xである隙間126Cを挿入ピン129が通過することにより、その隙間126Cから挿入ピン129が離脱されるため、貫通口123Kから挿入ピン29が離脱される。これにより、支持体125からカバー121Bが取り外されるため、収納室125Rの内部に収納されていた2個目のメモリ130を交換することができる。
この場合には、支持用突起部126Cに設けられている貫通口126Kのうちの第1貫通部分126K1を第2挿入部分129Bが通過する際に、上記した支持用突起部126Aと同様に、厚さT1,T2の差違および2個の溝126Mを利用して、その第2挿入部分129Bにより支持用突起部126Cが上下に押される。これにより、図17および図18に示したように、支持用突起部126Cが上下に分離されるため、その支持用突起部126Cが破壊される。
また、上記した支持用突起部126Cと同様に、支持用突起部126Dも破壊される。すなわち、支持用突起部126Dに設けられている貫通口126Kのうちの第1貫通部分126K1を第2挿入部分129Bが途中まで通過する際に、厚さT1,T2の差違および2個の溝126Mを利用して、その第2挿入部分129Bにより支持用突起部126Dが上下に分離される。
よって、支持体125からカバー121Bが取り外されるため、2個目のメモリ130を交換することはできるが、その支持体125にカバー121Bを再び取り付けることはできない。
[3個目のメモリの取り付け]
続いて、2個目のメモリ130を3個目のメモリ130に交換したのち、図19および図20に示したように、支持用突起部126E,126Fの間に設けられている隙間127E(挿入隙間127X)に、カバー121Cのうちのカバー用突起部123を挿入させる。これにより、収納室125Rがカバー121Cにより被覆される。
こののち、さらに導入方向Iに挿入ピン129を押すことにより、支持用突起部126E,126Fのそれぞれに設けられている貫通口126Kと、カバー用突起部123に設けられている貫通口123Kとに、挿入ピン129を挿入させる。
支持用突起部126Fに設けられている貫通口126Kでは、例えば、第2貫通部分126K2の全体に第1挿入部分129Aが挿入されると共に、第1貫通部分126K1の途中まで第1挿入部分129Aが挿入されるようにする。
また、支持用突起部126Eに設けられている貫通口126Kでは、例えば、第1貫通部分126K1および第2貫通部分126K2のそれぞれの全体に第1挿入部分129Aが挿入されるため、その第2貫通部分126K2に第2挿入部分129Bが挿入されないようにする。すなわち、支持用突起部126Eに設けられている貫通口126Kの外部に第2挿入部分129Bが配置されるようにする。
これにより、挿入ピン129を利用してカバー121Cが支持体125に固定されるため、取付部120に3個目のメモリ130が取り付けられる。この状態では、収納室125Rの内部にメモリ130が収納されていると共に、その収納室125Rがカバー121Cにより閉塞されているため、その収納室125Rからメモリ130を取り出すことはできない。
[3個目のメモリの取り外し]
最後に、3個目のメモリ130を取り外す場合には、図21および図22に示したように、支持用突起部126Eに設けられている貫通口126Kおよび支持用突起部126Fに設けられている貫通口126Kのそれぞれを挿入ピン129の全体が通過するまで、さらに導入方向Iに挿入ピン129を押す。
すなわち、例えば、排出口125Hから挿入ピン129が排出されるまで、その挿入ピン129を押す。よって、挿入隙間127Xである隙間126Eを挿入ピン129が通過することにより、その隙間126Eから挿入ピン129が離脱されるため、貫通口123Kから挿入ピン129が離脱される。これにより、支持体125からカバー121Cが取り外されるため、収納室125Rの内部に収納されていた3個目のメモリ130を取り外すことができる。
この場合には、支持用突起部126Eに設けられている貫通口126Kのうちの第1貫通部分126K1を第2挿入部分129Bが通過する際に、上記した支持用突起部126Aと同様に、厚さT1,T2の差違および2個の溝126Mを利用して、その第2挿入部分129Bにより支持用突起部126Eが上下に押される。これにより、図21および図22に示したように、支持用突起部126Eが上下に分離されるため、その支持用突起部126Eが破壊される。
また、上記した支持用突起部126Eと同様に、支持用突起部126Fも破壊される。すなわち、支持用突起部126Fに設けられている貫通口126Kのうちの第1貫通部分126K1を第2挿入部分129Bが通過する際に、厚さT1,T2の差違および2個の溝126Mを利用して、その支持用突起部126Fが上下に分離される。
よって、支持体125からカバー121Cが取り外されるため、3個目のメモリ130を取り外すことができる。この場合には、支持用突起部126A〜126Fの全てが破壊されたため、支持体125に新たなカバー121を取り付けることはできない。
なお、排出口125Hから排出された挿入ピン129は、例えば、収納部110の外部に排出されるようにしてもよいし、その収納部110の内部に排出されるようにしてもよい。
これにより、3個のメモリ130の取り付けが完了する。
<1−5.作用および効果>
次に、トナーカートリッジ100の作用および効果に関して説明する。
[主要な作用および効果]
このトナーカートリッジ100では、取付部120を用いて収納部110にメモリ130が取り付けられており、その取付部120がカバー121(121A〜121C)、支持体125および挿入ピン129を含んでいる。
この場合には、上記したように、3個のメモリ130を取り付けるために、互いに異なる3種類のカバー121A〜121Cが用いられる。すなわち、1個目のメモリ130を取り付けるためにカバー121Aが用いられ、2個目のメモリ130を取り付けるためにカバー121Bが用いられ、3個目のメモリ130を取り付けるためにカバー121Cが用いられる。
しかも、カバー121A〜121Cのそれぞれを取り外した際に、随時、厚さT1,T2の差違、より具体的には厚さT1,T2の差違に起因する物理的強度の差違を利用して、支持用突起部126A〜126Fのそれぞれが意図的に破壊される。これにより、メモリ130を交換するためにカバー121A〜121Cのそれぞれを取り外したのち、カバー121A〜121Cのそれぞれを再び取り付けることはできない。すなわち、1個目のメモリ130を交換するためにカバー121Aを取り外した際に支持用突起部126A,126Bのそれぞれが破壊されるため、そのカバー121Aを再び取り付けることはできない。2個目のメモリ130を交換するためにカバー121Bを取り外した際に支持用突起部126C,126Dのそれぞれが破壊されるため、そのカバー121Bを再び取り付けることはできない。3個目のメモリ130を取り外すためにカバー121Cを取り外した際に支持用突起部126E,126Fのそれぞれが破壊されるため、そのカバー121Cを再び取り付けることはできない。
よって、メモリ130が支持体125に取り付けられている場合において、そのメモリ130を取り付けるために用いられているカバー121の種類(カバー121A〜121C)を識別することにより、メモリ130の交換回数が容易に把握される。よって、トナーカートリッジ100の使用履歴を容易に確認することができる。
この場合には、特に、支持体125に3個のメモリ130が順に取り付けられるため、メモリ130を交換する度にトナーカートリッジ100を交換する必要がない。よって、メモリ130を交換しながらトナーカートリッジ100を繰り返して使用可能であるため、そのトナーカートリッジ100をリサイクルすることもできる。
[他の作用および効果]
この他、支持用突起部126A〜126Fのそれぞれが、X軸方向と交差する任意の方向において貫通口126Kの両側に位置する2個の部分P1(厚さT1<厚さT2)と、その任意の方向と交差する方向において貫通口126Kの両側に位置する2個の部分P2(厚さT2)とを含んでいれば、その支持用突起部126Aが2個に分離されやすくなる。よって、支持用突起部126A〜126Fのそれぞれが破壊されやすくなるため、より高い効果を得ることができる。
この場合には、任意の方向がY軸方向であると共に、その任意の方向と交差する方向がZ軸方向であれば、支持用突起部126A〜126Fのそれぞれが上下に分離されやすくなる。よって、支持用突起部126A〜126Fのそれぞれがより破壊されやすくなるため、さらに高い効果を得ることができる。
また、カバー121A〜121Cのそれぞれのカバー用突起部123が複数の挿入隙間127Xのうちのいずれかに対応する位置に配置されていれば、各カバー用突起部123の位置が互いに異なる。よって、上記したように、カバー121A〜121Cを順に取り付け可能になるため、トナーカートリッジ100の使用履歴の確認を容易に実現することができる。
この場合には、支持体125にカバー121を取り付けたのち、挿入隙間127Xを通過すると共に非挿入隙間127Yに配置されるまで導入方向Iに挿入ピン129が押されれば、その挿入隙間127Xからカバー用突起部123が離脱可能であるため、その支持体125からカバー121が取り外される。よって、上記したように、複数種類のカバー121を順に取り付け可能になるため、トナーカートリッジ100の使用履歴の確認を容易に実現することができる。
また、支持体125からカバー121を取り外したのち、非挿入隙間127Yの隣りの他の挿入隙間127Xに他のカバー用突起部123が挿入されることにより収納室125Rが他のカバー121により被覆された状態において、挿入ピン120がさらに導入方向Iに押されれば、他の2個の貫通口126Kおよび他の貫通口123Kに挿入ピン129が挿入可能であるため、その支持体125に他のカバー121が取り付けられる。よって、上記したように、カバー121A〜121Cを順に取り付け可能になるため、トナーカートリッジ100の使用履歴の確認を容易に実現することができる。
また、カバー121の色と他のカバー121の色とが互いに異なっており、より具体的には、カバー121A〜121Cのそれぞれの色が互いに異なれば、カバー121A〜121Cのそれぞれを目視で容易に識別しやすくなる。よって、メモリ130の交換回数がより容易に把握されるため、トナーカートリッジ100の使用履歴をより容易に確認することができる。
また、支持用突起部126A〜126Fのそれぞれが貫通口126Kに連結された溝126Mを有していれば、その溝126Mを利用して部分P1の厚さT1が部分P2の厚さT2よりも小さくなると共に、その溝126Mを起点として支持用突起部126A〜126Fのそれぞれが切断されやすくなる。よって、より高い効果を得ることができる。
この場合には、溝126Mの幅Wが貫通口126Kから離れるに従って次第に減少していれば、その溝126Mを起点として支持用突起部126A〜126Fのそれぞれが開裂しやすくなる。よって、溝126Mを利用して支持用突起部126A〜126Fのそれぞれがより破壊されやすくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、2個の溝126M(第1溝126M1および第2溝126M2)がX軸方向と交差する方向にいて貫通口126Kの両側に設けられていれば、その2個の溝126Mを利用して支持用突起部126A〜126Fのそれぞれが2個に分離されやすくなる。よって、支持用突起部126A〜126Fのそれぞれが著しく破壊されやすくなるため、さらに高い効果を得ることができる。
また、貫通口126Kが第1貫通部分126K1(内径D1)および第2貫通部分126K2(内径D2>D1)を有していれば、その第2貫通部分126K2を利用して貫通口126Kの内部に挿入ピン129が挿入されやすくなると共に、その第1貫通部分126K1を利用して支持用突起部126が破壊されやすくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、第2挿入部分129Bの外径D4が第1挿入部分129Aから離れるにしたがって次第に増加していれば、第1貫通部分126K1に第2挿入部分129Bが挿入されやすくなると共に、その第2挿入部分129Bを利用して支持用突起部126が破壊されやすくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、カバー121が固定用突起部124を含んでいれば、支持体125にカバー121が位置合わせされると共に、そのカバー121が浮きにくくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、収納室125Rが収納用窪み125Uを有していれば、その収納室125Rにメモリ130が位置合わせされると共に、収納後においてメモリ130の位置がずれにくくなるため、より高い効果を得ることができる。
<2.画像形成装置(画像形成ユニット)>
次に、本発明の一実施形態の画像形成装置に関して説明する。なお、本発明の一実施形態の画像形成ユニットは、ここで説明する画像形成装置の一部であるため、その画像形成ユニットに関しては、以下で併せて説明する。
ここで説明する画像形成装置は、例えば、トナーを用いて後述する媒体M(図24参照)の表面に画像を形成する装置であり、いわゆる電子写真方式のフルカラープリンタである。媒体Mの材質は、特に限定されないが、例えば、紙およびフィルムなどのうちのいずれか1種類または2種類以上である。
この画像形成装置には、上記したトナーカートリッジ100が適用されている。以下の説明では、随時、トナーカートリッジ100の構成要素を引用する。
<2−1.画像形成装置の構成>
まず、画像形成装置の構成に関して説明する。
図24は、画像形成装置の平面構成を表している。この画像形成装置では、媒体Mは搬送経路R1〜R5に沿って搬送される。図24では、搬送経路R1〜R5のそれぞれを破線で示している。
具体的には、画像形成装置は、例えば、図24に示したように、筐体1の内部に、トレイ10と、送り出しローラ20と、現像ユニット30と、転写ユニット40と、定着ユニット50と、搬送ローラ61〜68と、搬送路切り替えガイド69,70とを備えている。現像ユニット30は、本発明の一実施形態の「画像形成ユニット」である。
[筐体]
筐体1は、例えば、金属材料および高分子材料などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。筐体1には、画像が形成された媒体Mを排出するためのスタッカ部2が設けられており、その画像が形成された媒体Mは、筐体1に設けられた排出口1Hから排出される。
[トレイおよび送り出しローラ]
トレイ10は、例えば、筐体1に対して着脱可能に装着されており、媒体Mを収納している。送り出しローラ20は、例えば、図24の紙面と交差する方向に延在しており、その方向に延在する回転軸を中心として回転可能である。以降において説明する一連の構成要素のうち、名称中に「ローラ」という文言を含む構成要素は、送り出しローラ20と同様に延在していると共に回転可能である。
トレイ10には、例えば、複数の媒体Mが積層された状態で収納されている。このトレイ10に収納されている複数の媒体Mは、例えば、送り出しローラ20によりトレイ10から1つずつ取り出される。
トレイ10の数および送り出しローラ20の数のそれぞれは、特に限定されないため、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。図24では、例えば、トレイ10の数が1個であると共に送り出しローラ20の数が1個である場合を示している。
[現像ユニット]
現像ユニット30は、後述するように、上記したトナーカートリッジ100に対応するトナーカートリッジ31を備えており(図25参照)、そのトナーカートリッジ100に収納されているトナーを用いて現像処理を行う。
具体的には、現像ユニット30は、静電潜像を形成すると共に、クーロン力を利用して静電潜像にトナーを付着させる。
ここでは、画像形成装置は、例えば、4個の現像ユニット30(30K,30C,30M,30Y)を備えている。
現像ユニット30K,30C,30M,30Yのそれぞれは、例えば、筐体1に対して着脱可能に装着されていると共に、後述する中間転写ベルト41の移動経路に沿って配列されている。ここでは、現像ユニット30K,30C,30M,30Yは、例えば、中間転写ベルト41の移動方向(矢印F5)において、上流側から下流側に向かってこの順に配置されている。
現像ユニット30K,30C,30M,30Yのそれぞれは、例えば、トナーカートリッジに収納されているトナーの種類(色)が互いに異なることを除いて、互いに共通する構成を有している。具体的には、現像ユニット30Kのトナーカートリッジ31には、例えば、ブラックトナーが収納されている。現像ユニット30Cのトナーカートリッジ31には、例えば、シアントナーが収納されている。現像ユニット30Mのトナーカートリッジ31には、例えば、マゼンタトナーが収納されている。現像ユニット30Yのトナーカートリッジ31には、例えば、イエロートナーが収納されている。
なお、現像ユニット30(30K,30C,30M,30Y)の詳細な構成に関しては、後述する(図25参照)。
[転写ユニット]
転写ユニット40は、現像ユニット30により現像処理されたトナーを用いて転写処理を行う。具体的には、転写ユニット40は、現像ユニット30により静電潜像に付着されたトナーを媒体Mに転写させる。
この転写ユニット40は、例えば、中間転写ベルト41と、駆動ローラ42と、従動ローラ43と、バックアップローラ44と、1次転写ローラ45と、2次転写ローラ46と、クリーニングブレード47とを含んでいる。
中間転写ベルト41は、媒体Mにトナーが転写される前に、そのトナーが一時的に転写される媒体(中間転写媒体)であり、例えば、無端状の弾性ベルトなどである。この中間転写ベルト41は、例えば、ポリイミドなどの高分子材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。なお、中間転写ベルト41は、駆動ローラ42、従動ローラ43およびバックアップローラ44のそれぞれにより張架された状態において、その駆動ローラ42の回転に応じて移動可能である。
駆動ローラ42は、例えば、モータなどの駆動力を利用して回転可能である。従動ローラ43およびバックアップローラ44のそれぞれは、例えば、駆動ローラ42の回転に応じて回転可能である。
1次転写ローラ45は、静電潜像に付着されたトナーを中間転写ベルト41に転写(1次転写)させる。この1次転写ローラ45は、中間転写ベルト41を介して現像ユニット30(後述する感光体ドラム322,図25参照)に圧接されている。なお、1次転写ローラ45は、中間転写ベルト41の移動に応じて回転可能である。
ここでは、転写ユニット40は、例えば、上記した4個の現像ユニット30(30K,30C,30M,30Y)に対応して、4個の1次転写ローラ45(45K,45C,45M,45Y)を含んでいる。また、転写ユニット40は、1個のバックアップローラ44に対応して、1個の2次転写ローラ46を含んでいる。
2次転写ローラ46は、中間転写ベルト41に転写されたトナーを媒体Mに転写(2次転写)させる。この2次転写ローラ46は、バックアップローラ44に圧接されており、例えば、金属製の芯材と、その芯材の外周面を被覆する発泡ゴム層などの弾性層とを含んでいる。なお、2次転写ローラ46は、中間転写ベルト41の移動に応じて回転可能である。
クリーニングブレード47は、中間転写ベルト41に圧接されており、その中間転写ベルト41の表面に残留した不要なトナーなどを掻き取る。
[定着ユニット]
定着ユニット50は、転写ユニット40により媒体Mに転写されたトナーを用いて定着処理を行う。具体的には、定着ユニット50は、例えば、転写ユニット40により媒体Mに転写されたトナーを加熱しながら加圧することにより、そのトナーを媒体Mに定着させる。
この定着ユニット50は、例えば、加熱ローラ51および加圧ローラ52を含んでいる。
加熱ローラ51は、トナーを加熱する。この加熱ローラ51は、例えば、中空円筒状の金属芯と、その金属芯の表面を被覆する樹脂コートとを含んでいる。
加熱ローラ51(金属芯)の内部には、例えば、ヒータが設置されており、そのヒータは、例えば、ハロゲンランプなどである。加熱ローラ51の近傍には、例えば、その加熱ローラ51から離間されるように、サーミスタが配置されている。このサーミスタは、例えば、加熱ローラ51の表面温度を測定する。
加圧ローラ52は、加熱ローラ51に圧接されており、トナーを加圧する。この加圧ローラ52は、例えば、金属棒などである。
[搬送ローラ]
搬送ローラ61〜68のそれぞれは、媒体Mの搬送経路R1〜R5を介して互いに対向するように配置された一対のローラを含んでおり、送り出しローラ20により取り出された媒体Mを搬送させる。
媒体Mの片面だけに画像が形成される場合には、その媒体Mは、例えば、搬送ローラ61〜64により搬送経路R1,R2に沿って搬送される。また、媒体Mの両面に画像が形成される場合には、その媒体Mは、例えば、搬送ローラ61〜68により搬送経路R1〜R5に沿って搬送される。
[搬送路切り替えガイド]
搬送路切り替えガイド69,70は、媒体Mに形成される画像の様式(媒体Mの片面だけに画像が形成されるか、または媒体Mの両面に画像が形成されるか)などの条件に応じて、その媒体Mの搬送方向を切り替える。
<2−2.画像形成ユニットの構成>
続いて、画像形成ユニットである現像ユニット30の構成に関して説明する。
図25は、図24に示した現像ユニット30(30K,30C,30M,30Y)の平面構成を模式的に表している。
この現像ユニット30は、例えば、図25に示したように、トナーカートリッジ31と、そのトナーカートリッジ31に収納されているトナーを用いて現像処理を行う現像処理部32とを含んでいる。なお、現像処理部32には、例えば、光源33が付設されている。
[トナーカートリッジ]
トナーカートリッジ31の構成は、上記したトナーカートリッジ100の構成と同様である。すなわち、トナーカートリッジ31では、取付部120を用いてメモリ130が収納部110に取り付けられている。このトナーカートリッジ31は、例えば、現像処理部32に対して着脱可能に装着されている。
[現像処理部]
現像処理部32は、例えば、図25に示したように、筐体321の内部に、感光体ドラム322と、帯電ローラ323と、現像ローラ324と、供給ローラ325と、現像ブレード326と、クリーニングブレード327とを含んでいる。
感光体ドラム322は、例えば、円筒状の導電性支持体と、その導電性支持体の外周面を被覆する光導電層とを含む有機系感光体であり、モータなどの駆動源を介して回転可能である。感光体ドラム322の一部は、筐体321に設けられた開口部321K1から露出している。
帯電ローラ323は、例えば、金属シャフトと、その金属シャフトの外周面を被覆する半導電性エピクロロヒドリンゴム層とを含んでいる。この帯電ローラ323は、感光体ドラム322を帯電させるために、その感光体ドラム322に圧接されている。
現像ローラ324は、例えば、金属シャフトと、その金属シャフトの外周面を被覆する半導電性ウレタンゴム層とを含んでいる。この現像ローラ324は、供給ローラ325から供給されるトナーを担持すると共に、感光体ドラム322の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させる。
供給ローラ325は、例えば、金属シャフトと、その金属シャフトの外周面を被覆する半導電性発泡シリコンスポンジ層とを含んでおり、いわゆるスポンジローラである。この供給ローラ325は、現像ローラ324に摺接しながら、感光体ドラム322の表面にトナーを供給する。
現像ブレード326は、現像ローラ324の表面に供給されたトナーの厚さを規制する。この現像ブレード326は、例えば、現像ローラ324から所定の距離を隔てた位置に配置されており、その現像ローラ324と現像ブレード326との間の距離(間隔)に基づいてトナーの厚さが制御される。
クリーニングブレード327は、感光体ドラム322の表面に残留した不要なトナーなどを掻き取る。このクリーニングブレード327は、例えば、感光体ドラム322の延在方向と略平行な方向に延在しており、その感光体ドラム322に圧接されている。
[光源]
光源33は、筐体321に設けられた開口部321K2を通じて感光体ドラム322の表面を露光することにより、その感光体ドラム322の表面に静電潜像を形成する露光装置である。この光源33は、例えば、LED素子およびレンズアレイなどを含む発光ダイオード(LED)ヘッドである。LED素子およびレンズアレイは、そのLED素子から出力された光(照射光)が感光体ドラム322の表面において結像するように配置されている。
<2−3.動作>
次に、画像形成装置の動作に関して説明する。以下では、画像の形成動作に関して説明する。
媒体Mの表面に画像を形成する場合には、画像形成装置は、例えば、以下で説明するように、現像処理、1次転写処理、2次転写処理および定着処理をこの順に行うと共に、必要に応じてクリーニング処理を行う。この場合には、画像(色の組み合わせ)に応じた1種類または2種類以上の色のトナーが用いられる。
[現像処理]
トレイ10に収納された媒体Mは、送り出しローラ20により取り出される。この送り出しローラ20により取り出された媒体Mは、搬送ローラ61,62により搬送経路R1に沿って矢印F1の方向に搬送される。
現像処理では、最初に、現像ユニット30の現像処理部32において、感光体ドラム322が回転すると、帯電ローラ323が回転しながら感光体ドラム322の表面に直流電圧を印加する。これにより、感光体ドラム322の表面が均一に帯電する。
続いて、外部から現像ユニット30に供給される画像データに基づいて、光源33が感光体ドラム322の表面に光を照射する。これにより、感光体ドラム322の表面では、光が照射された領域において表面電位が減衰(光減衰)するため、その感光体ドラム322の表面に静電潜像が形成される。
一方、トナーカートリッジ31に収納されているトナーは、現像処理部32に放出される。
続いて、供給ローラ325に電圧が印加されたのち、その供給ローラ325が回転する。これにより、供給ローラ325の表面にトナーが供給される。
続いて、現像ローラ324に電圧が印加されたのち、その現像ローラ324が供給ローラ325に圧接されながら回転する。これにより、供給ローラ325の表面に供給されたトナーが現像ローラ324の表面に吸着すると共に、そのトナーが現像ローラ324の回転を利用して搬送される。この場合には、現像ローラ324の表面に吸着されているトナーのうちの一部が現像ブレード326により除去されるため、その現像ローラ324の表面に吸着されたトナーの厚さが均一化される。
最後に、現像ローラ324に圧接されながら感光体ドラム322が回転したのち、その現像ローラ324の表面に吸着されていたトナーが感光体ドラム322の表面に移行する。これにより、感光体ドラム322の表面(静電潜像)にトナーが付着するため、現像処理が完了する。
(1次転写処理)
続いて、転写ユニット40において、駆動ローラ42が回転すると、その駆動ローラ42の回転に応じて従動ローラ43およびバックアップローラ44が回転する。これにより、中間転写ベルト41が矢印F5の方向に移動する。
1次転写処理では、1次転写ローラ45に電圧が印加されている。この1次転写ローラ45は、中間転写ベルト41を介して感光体ドラム322に圧接されているため、上記した現像処理において感光体ドラム322の表面(静電潜像)に付着されたトナーは、中間転写ベルト41の表面に転写される。
(2次転写処理)
続いて、搬送経路R1に沿って搬送される媒体Mは、バックアップローラ44と2次転写ローラ46との間を通過する。
2次転写処理では、2次転写ローラ46に電圧が印加されている。この2次転写ローラ46は、媒体Mを介してバックアップローラ44に圧接されるため、上記した1次転写処理において中間転写ベルト41に転写されたトナーは、媒体Mに転写される。
(定着処理)
2次転写処理において媒体Mにトナーが転写されたのち、その媒体Mは、引き続き搬送経路R1に沿って矢印F1の方向に搬送されるため、定着ユニット50に投入される。
定着処理では、加熱ローラ51の表面温度が所定の温度となるように制御されている。加熱ローラ51に圧接されながら加圧ローラ52が回転すると、その加熱ローラ51と加圧ローラ52との間を通過するように媒体Mが搬送される。
これにより、媒体Mの表面に転写されたトナーが加熱されるため、そのトナーが溶融する。しかも、溶融状態であるトナーが媒体Mに圧接されるため、そのトナーが媒体Mに対して強固に付着する。
よって、外部から画像形成装置に供給された画像データに基づいて、媒体Mの表面のうちの特定の領域にトナーが定着するため、画像が形成される。
画像が形成された媒体Mは、搬送経路R2に沿って搬送ローラ63,64により矢印F2の方向に搬送される。これにより、媒体Mは、排出口1Hからスタッカ部2に排出される。
なお、媒体Mの搬送手順は、その媒体Mの表面に形成される画像の様式に応じて変更される。
例えば、媒体Mの両面に画像が形成される場合には、定着ユニット50を通過した媒体Mは、搬送経路R3〜R5に沿って搬送ローラ65〜68により矢印F3,F4の方向に搬送されたのち、搬送経路R1に沿って搬送ローラ61,62により再び矢印F1の方向に搬送される。この場合において、媒体Mが搬送される方向は、搬送路切り替えガイド69,70により制御される。これにより、媒体Mの裏面(未だ画像が形成されていない面)において、現像処理、1次転写処理、2次転写処理および定着処理が行われる。
(クリーニング処理)
現像ユニット30では、感光体ドラム322の表面に不要なトナーが残留する場合がある。この不要なトナーは、例えば、1次転写処理において用いられたトナーのうちの一部であり、中間転写ベルト41に転写されずに感光体ドラム322の表面に残留したトナーなどである。
そこで、現像ユニット30では、クリーニングブレード327に圧接されている状態において感光体ドラム322が回転するため、その感光体ドラム322の表面に残留しているトナーがクリーニングブレード327により掻き取られる。よって、感光体ドラム322の表面から不要なトナーが除去される。
また、転写ユニット40では、1次転写処理において中間転写ベルト41の表面に移行したトナーのうちの一部が2次転写処理において媒体Mの表面に移行されずに、その中間転写ベルト41の表面に残留する場合がある。
そこで、転写ユニット40では、中間転写ベルト41が矢印F5の方向に移動する際に、その中間転写ベルト41の表面に残留したトナーがクリーニングブレード47により掻き取られる。よって、中間転写ベルト41の表面から不要なトナーが除去される。
<2−4.作用および効果>
この画像形成装置では、現像ユニット30のうちのトナーカートリッジ31が上記したトナーカートリッジ100と同様の構成を有しているため、そのトナー収納器31では、取付部120を用いてメモリ130が収納部110に取り付けられている。よって、トナーカートリッジ100に関して説明した場合と同様の理由により、トナーカートリッジ31の使用履歴を容易に確認することができる。ここで説明した利点は、トナーカートリッジ31を備えている現像ユニット30に関しても同様に得られる。
これ以外の画像形成装置および現像ユニット30のそれぞれに関する作用および効果は、トナーカートリッジ100に関する作用および効果と同様である。
<3.変形例>
上記したトナーカートリッジ100の構成は、適宜、変更可能である。
[変形例1]
図3および図11〜図22では、3種類のカバー121(121A〜121C)を取り付けるために、6個の支持用突起部126(126A〜126F)を用いた。しかしながら、支持用突起部126の数は、カバー121の種類に応じて任意に変更可能である。ただし、複数種類のカバー121を用いる場合において、トナーカートリッジ100の使用履歴を容易に確認するためには、2種類以上のカバー121を用いる必要がある。
具体的には、例えば、2種類のカバー121(121A,121B)を取り付けるために、4個の支持用突起部126(126A〜126D)を用いてもよい。この場合には、2個の挿入隙間127X(127A,127C)および1個の非挿入隙間127Y(127B)を用いることにより、2種類のカバー121(121A,121B)を取り付けることができると共に、その2種類のカバー121を取り外すことができる。
また、ここでは具体的に図示しないが、例えば、4種類のカバー121(121A〜121D)を取り付けるために、8個の支持用突起部126(126A〜126H)を用いてもよい。この場合には、4個の挿入隙間127X(127A,127C,127E,127G)および3個の非挿入隙間127Y(127B,127D,127F)を用いることにより、3種類カバー121(121A〜121C)を取り付けることができると共に、その3種類のカバー121を取り外すことができる。
これらの場合においても、支持体125に取り付けられているカバー121の種類を識別することにより、メモリ130の交換回数が容易に把握されるため、同様の効果を得ることができる。
[変形例2]
また、図7〜図9では、カバー121A〜121Cのそれぞれを識別するために、カバー121A〜121Cのそれぞれの色を互いに異ならせた。しかしながら、他の方法を用いてカバー121A〜121Cのそれぞれを互いに識別してもよい。具体的には、例えば、カバー121A〜121Cのそれぞれの表面(図2に示したカバー121の一面)に、カバー121A〜121Cのそれぞれを識別するための文字および図形などのいずれか1種類または2種類以上を描いてもよい。この場合においても、カバー121A〜121Cのそれぞれを識別可能になるため、同様の効果を得ることができる。もちろん、色と文字および図形などとを互いに組み合わせてもよい。
ただし、外観を見ただけでカバー121A〜121Cのそれぞれを容易に識別するためには、カバー121A〜121Cのそれぞれの色を互いに異ならせることが好ましい。
[変形例3]
また、図5および図6では、支持用突起部126に設けられている貫通口126Kが第1貫通部分126K1および第2貫通部分126K2を有している。しかしながら、貫通口126Kは、第2貫通部分126K2を有しておらずに、第2貫通部分口126K1だけを有していてもよい。この場合には、貫通口126Kの内径Dは、全体に渡って一定になる。
この場合においても、第1挿入部分129Aが貫通口126Kに挿入可能であると共に、第2挿入部分129Bが貫通口126Kを通過する際に支持用突起部126を破壊可能であるため、同様の効果を得ることができる。
ただし、貫通口126Kに挿入ピン129を挿入させる際には、その挿入ピン129の延在方向が貫通口126Kの延在方向に対してずれると、その貫通口126Kに挿入ピン129を挿入しにくくなる可能性がある。そこで、貫通口126Kに挿入ピン129を挿入しやすくするためには、貫通口126Kが第1貫通部分126K1と共に第2貫通部分126Kを有していることが好ましい。
[変形例4]
また、図4では、溝126MがY軸方向に延在している。しかしながら、図4に対応する図26に示したように、溝126MがY軸方向からずれた方向に延在していてもよい。図27では、第1溝126M1がY軸方向に対して一方(上方)にずれた方向に延在していると共に、第2溝126M2がY軸方向に対して反対方向(下方)にずれた方向に延在している場合を示している。この場合においても、第1溝126M1および第2溝126M2を利用して支持用突起部126が破壊されやすくなるため、同様の効果を得ることができる。
なお、溝126Mの延在方向とY軸方向とにより規定される角度(ずれ角度θ)は、90°以下であれば、特に、限定されない。ただし、溝126Mを利用して支持用突起部126Aを破壊しやすくするためには、ずれ角度θはできるだけ小さいことが好ましく、より具体的には、ずれ角度θは90°未満であることが好ましい。ずれ角度θが大きすぎると、支持用突起部126が上下に分離されにくくなる可能性があるからである。
[変形例5]
また、図4では、溝126Mの幅WがY軸方向において変化しており、より具体的には、幅Wが貫通口126Kから離れるに従って次第に減少している。しかしながら、図4に対応する図27に示したように、幅WがY軸方向において一定でもよい。この場合においても、貫通口126K(第1貫通部分126K1)を挿入ピン129(第2挿入部分129B)が通過する際に、その第2挿入部分129Bにより支持用突起部126が上下に分離される。よって、溝126Mを利用して支持突起部126が破壊されるため、同様の効果を得ることができる。
ただし、支持用突起部126が上下に分離される場合には、第2挿入部分129Bが支持用突起部126を上下に押す力を利用して、溝126Mの近傍において支持用突起部126に亀裂が発生するため、その亀裂に起因して支持用突起部126Aが上下に分離されると考えられる。そこで、貫通口126Kから遠い側における溝126Mの先端部の形状は、鋭角な形状であることが好ましい。鋭角な形状を有する溝126Mの先端では、その先端を起点として亀裂が発生しやすくなるため、支持用突起部126Aが開裂しやすくなるからである。よって、図4に示したように、幅Wは貫通口126Kから離れるに従って次第に減少していることが好ましい。
[変形例6]
また、図4では、支持用突起部126が貫通口126Kに連結された溝126Mを有している。しかしながら、図4に対応する図28に示したように、支持用突起部126が溝126Mを有していなくてもよい。この場合においても、部分P2の厚さT2よりも部分P1の厚さT1を小さくすることにより、その部分P1の物理的強度が部分P2の物理的強度よりも低くなる。これにより、部分P2よりも部分P1において支持用突起部126が切断されやすくなるため、図23に示したように、その支持用突起部126が上下に分離されやすくなる。よって、厚さT1,T2の差違を利用して支持用突起部126が破壊されるため、同様の効果を得ることができる。
ただし、支持用突起部126が分離(破壊)されやすくするためには、その支持用突起部126は溝126Mを有していることが好ましい。
[変形例7]
また、図10では、挿入ピン129は、一定の外径D3を有する第1挿入部分129Aと、その第1挿入部分129Aから離れるにしたがって次第に増加する外径D4を有する第2挿入部分129Bとを含んでいる。しかしながら、挿入ピン129の構成は、導入方向Iにおける後方の部分が前方の部分(外径D3)よりも大きな外径D4を有していれば、特に限定されない。
具体的には、例えば、図10に対応する図29に示したように、挿入ピン129は、上記した第1挿入部分129Aおよび第2挿入部分129Bと共に第3挿入部分129Cを含んでいてもよい。この第3挿入部分129Cは、例えば、第2挿入部分129Bに連結されていると共に、一定の外径D4を有している。この場合においても、第2挿入部分129Bおよび第3挿入部分129Cを利用して支持用突起部126が破壊されるため、同様の効果を得ることができる。
以上、一実施形態を挙げながら本発明に関して説明したが、本発明の態様は上記した一実施形態において説明された態様に限定されず、種々の変形が可能である。
具体的には、例えば、記憶素子の種類は、RFIDタグに限定されず、メモリカードなどの他の記憶素子でもよい。
また、例えば、画像形成装置の画像形成方式は、中間転写ベルトを用いた中間転写方式に限られず、他の画像形成方式でもよい。他の画像形成方式は、例えば、中間転写ベルトを用いない画像形成方式(直接転写方式)などである。直接転写方式の画像形成方式では、静電潜像に付着されたトナーが媒体に対して中間転写ベルトを介して間接的に転写されず、その静電潜像に付着されたトナーが媒体に対して直接的に転写される。
また、例えば、画像形成装置は、プリンタに限られず、複写機、ファクシミリおよび複合機などの他の画像装置でもよい。