JP6950246B2 - 金属調加飾成形体 - Google Patents
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かかる問題を解決するために、例えば、特許文献1の手段が提案されている。
しかし、特許文献1のように、アンカーコート層及び接着剤層の設計を調整するのみでは、白化を抑制することは不十分であった。
[1]密着層、金属膜及び表面プラスチック基材をこの順に有する加飾シート(A)の金属膜を基準として密着層側の面と、被着体(B)とが積層されてなる金属調加飾成形体であって、前記金属調加飾成形体は、前記加飾シート(A)側の表面に凹部及び/又は凸部を有し、前記加飾シート(A)は、少なくとも前記凹部及び/又は凸部の箇所で伸長されてなり、前記金属調加飾成形体の全面の全光線反射SCI及び拡散光線反射SCEを前記加飾シート(A)側から測定し、前記測定から得られた全光線反射SCIの分光スペクトルから算出したL*a*b*表色系のL*値をL*SCI、前記測定から得られた拡散光線反射SCEの分光スペクトルから算出したL*a*b*表色系のL*値をL*SCEとして、各箇所のL*SCE/L*SCIを算出した際に、L*SCE/L*SCIの最小値Dminと、L*SCE/L*SCIの最大値Dmaxとが、Dmax/Dmin≦2.1の関係を満たす、金属調加飾成形体。
本発明の金属調加飾成形体は、密着層、金属膜及び表面プラスチック基材をこの順に有する加飾シート(A)の金属膜を基準として密着層側の面と、被着体(B)とが積層されてなる金属調加飾成形体であって、前記金属調加飾成形体は、前記加飾シート(A)側の表面に凹部及び/又は凸部を有し、前記加飾シート(A)は、少なくとも前記凹部及び/又は凸部の箇所で伸長されてなり、前記金属調加飾成形体の全面の全光線反射SCI及び拡散光線反射SCEを前記加飾シート(A)側から測定し、前記測定から得られた全光線反射SCIの分光スペクトルから算出したL*a*b*表色系のL*値をL*SCI、前記測定から得られた拡散光線反射SCEの分光スペクトルから算出したL*a*b*表色系のL*値をL*SCEとして、各箇所のL*SCE/L*SCIを算出した際に、L*SCE/L*SCIの最小値Dminと、L*SCE/L*SCIの最大値Dmaxとが、Dmax/Dmin≦2.1の関係を満たすものである。
図1の金属調加飾成形体100は、加飾シート(A)10と、被着体(B)20とが積層されてなる。また、図1の加飾シート(A)10は、密着層4、金属膜3、アンカー層2及び表面プラスチック基材1をこの順に有している。
本発明では、金属調加飾成形体の全面の全光線反射SCI及び拡散光線反射SCEを前記加飾シート(A)側から測定し、前記測定から得られた全光線反射SCIの分光スペクトルから算出したL*a*b*表色系のL*値をL*SCI、前記測定から得られた拡散光線反射SCEの分光スペクトルから算出したL*a*b*表色系のL*値をL*SCEとして、各箇所のL*SCE/L*SCIを算出した際に、L*SCE/L*SCIの最小値Dminと、L*SCE/L*SCIの最大値Dmaxとが、Dmax/Dmin≦2.1の関係を満たすことが必要である。
まず、Dmax/Dminの技術的意義を説明する前に、SCI及びSCEについて説明する。
代表的なSCI及びSCEの測定装置は、JIS Z8722:2009の幾何条件cに準拠した構成となっている。より具体的には、代表的なSCI及びSCEの測定装置は、積分球分光光度計の光源としてD65を用い、受光器の位置はサンプルの法線に対して+8度であり、受光器の開口角は10度であり、ライトトラップの位置はサンプルの法線に対して−8度であり、ライトトラップのカバー範囲は10度である。
上記条件を満たす測定装置としては、例えば、コニカミノルタ社製のハンディ型の分光測色計(商品名「CM−700d」)が挙げられる。ハンディ型の分光測色計を用いてSCE及びSCIを測定する場合、サンプル表面(金属調加飾成形体の加飾シート側の表面)と、測定装置の測定面とが平行になるように測定装置を配置し、かつ、サンプル表面と測定装置とを密着させるものとする。
なお、本明細書では、金属調加飾成形体の全面のSCI及びSCEを測定するが、これは、SCI及びSCEを略正確に測定可能な箇所の全面という意味である。例えば、成形体の凹凸の角部では、角部を境として傾斜角が変曲する。測定領域に変曲した傾斜面を含む場合、SCI及びSCEの正確な測定が期待できない。このため、傾斜角が変曲する領域を含む箇所は測定の対象外とする。
また、金属膜の意匠を変動させるパターンが金属加飾成形体の特定の箇所のみに形成されている場合、該パターンを有する箇所と該パターンを有さない箇所とでは、SCI及びSCEが大きく変動する。このため、金属膜の意匠を変動させるパターンが金属加飾成形体の特定の箇所のみに形成されている場合、該パターンが形成された箇所を除いた金属調加飾成形体の全面においてSCI及びSCEを測定するものとする。なお、金属膜の意匠を変動させるパターンとは、例えば、金属膜よりも表面プラスチック基材側に形成される着色層等による色や模様のパターン、エンボス加工等によって加飾シート(A)に形成される凹凸パターン等が挙げられる。
L*SCIは、上記測定から得られた全光線反射SCIの分光スペクトルに基づき、L*a*b*表色系のL*値を算出することにより得ることができる。L*SCEは、上記測定から得られた拡散光線反射SCEの分光スペクトルに基づき、L*a*b*表色系のL*値を算出することにより得ることができる。なお、L*a*b*表色系とは、1976年に国際照明委員会(CIE)により規格化されたものであり、JIS Z8781−4:2013において採用されている。
Dmax/Dminが2.1を超える場合、金属調加飾成形体の表面において拡散反射成分の割合のムラが大きいことを意味する。そして、このムラが大きい場合、人間の目には白化が目立つように認識されてしまう。一方、Dmax/Dminを2.1以下とすることにより、白化を目立ちにくくすることができる。
Dmax/Dminは、2.0以下であることが好ましく、1.9以下であることが好ましく、1.7以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
本発明では、金属調加飾成形体の材料である加飾シートとしてあえてOD値の低いものを用いることにより、金属調加飾成形体のDmax/Dminを2.1以下として白化を目立ちにくくすることを可能としたものである。
この結果は、金属調加飾成形体の材料である加飾シートとしてOD値が低いものを用いることにより、成形後(金属膜が成形によって伸長された後)のL*SCIの減少が抑制される一方で、L*SCEの増加が抑制されることを意味している。言い換えると、加飾シートとしてOD値が低いものを用いることにより、成形後の金属光沢感の低下を抑制しつつ、白化が生じることを抑制できることを意味している。
OD値が低い加飾シートは成形前後で上述の特性を示すことから、Dmax/Dminを2.1以下にしやすくできると考えられる。
L*SCEmax/L*SCEminを1.8以下とすることにより、白化をより目立ちにくくすることができる。
L*SCImax/L*SCIminを1.3以下とすることにより、金属調加飾成形体の表面における全反射成分の割合のムラを小さくすることができ、ひいては面内の金属光沢感のムラを小さくすることができる。
加飾シート(A)は、密着層、金属膜及び表面プラスチック基材をこの順に有する。
また、加飾シート(A)は、密着層、金属膜及び表面プラスチック基材をこの順に有すればよく、これらの層の間や表面等に、保護層、アンカー層、バッカー層等の他の層を有していてもよい。
表面プラスチック基材は、例えば、加飾シート(A)の支持体としての役割や、金属膜を保護する役割を有する。
これらの中でも、耐光性、成形性に優れるとともに、屈折率が低いため透明性に優れ、かつ傷が目立ちにくい、アクリル系樹脂フィルムが好適である。
また、表面プラスチック基材は、JIS K7361−1:1997の全光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
表面プラスチック基材中には、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を含有されていてもよい。
加飾シート(A)は成形時に少なからず伸長され、特に、凹部及び/又は凸部の箇所が大きく伸長される傾向にある(例えば、図1の凸部の各層の厚みは平坦部よりも薄くなっている)。そして、表面プラスチック基材等の加飾シート(A)を構成する各層は、伸長された程度に応じて厚みが減少する。したがって、P2/P1は、加飾シート(A)の最大伸長率と、加飾シート(A)の最小伸長率との比を間接的に示している。
P2/P1が1.2以上であることは、金属調加飾成形体の場所によって加飾シート(A)の伸長率が十分異なっていることを意味している。通常、P2/P1が大きいと、通常は金属調加飾成形体の場所によって白化の程度が異なりやすくなるため、白化が目立ちやすくなる。しかし、本発明では、P2/P1が大きいにも関わらず、白化が目立ちやすくなることを抑制している。
P0/P1が大きいと、通常は白化が目立ちやすくなるが、本発明では、P0/P1が大きいにも関わらず、白化が目立ちやすくなることを抑制している。
P0/P1は、1.5以上3.0以下であることがより好ましく、1.7以上2.8以下であることがさらに好ましい。
表面プラスチック基材の厚みは、例えば、垂直断面を電子顕微鏡等で観察することにより測定できる。
表面プラスチック基材と金属膜との間には、金属膜の密着性を高めるためにアンカー層を有することが好ましい。
アンカー層を構成する樹脂は、表面プラスチック基材と金属膜との密着性を高める樹脂を選択することが好ましい。例えば、表面プラスチック基材がアクリル系樹脂フィルムの場合、アンカー層はアクリル系樹脂から構成することが好ましい。また、アンカー層のアクリル系樹脂は、主剤としてのアクリルポリオール、及び硬化剤としてのイソシアネート化合物との反応生成物であることが好ましい。
アンカー層を上述の構成とすることにより、より白化を抑制することができる。
アンカー層中には、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を含有してもよい。
金属膜を構成する金属としては、インジウム、スズ、アルミニウム、ニッケル、銅、銀、金、白金、真鍮、クロム及び亜鉛等の金属、並びに、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、インジウム、スズ、アルミニウム、亜鉛及びこれらの合金から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。また、インジウムは、耐候性、白化抑制、金属光沢のバランスに優れる観点で最も好ましい。
密着層は、加飾シート(A)を構成する層において被着体(B)と接する層であり、例えば、被着体(B)への密着性を向上するために形成される。
感熱性又は感圧性の樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、塩化ビニル系樹脂若しくは酢酸ビニル系樹脂、又はこれらの2種以上の混合物若しくは共重合体等が挙げられる。
また、密着層を被着体と同種の熱可塑性樹脂から構成すれば、密着層が感熱性や感圧性に劣るものであっても、被着体との密着性を良好にすることができる。
なお、密着層は後述するバッカー層を兼用することもできる。密着層がバッカー層を兼用する場合、密着層は、被着体と同種の熱可塑性樹脂(例えば、後述するインモールド成形に用いる射出樹脂と同種の熱可塑性樹脂)からなるプラスチックフィルムから構成することが好ましい。また、該プラスチックフィルムの成形前の厚みは100μm以上1000μm未満が好ましく、150μm以上500μm以下がより好ましい。また、密着層がバッカー層を兼用する場合、密着層と金属膜との間には接着剤層を有することが好ましい。接着剤層を構成する接着剤は、汎用の接着剤を用いることができる。
加飾シート(A)は、密着層と金属膜との間にバッカー層を有していてもよい。バッカー層は、例えば、加飾シート(A)及び金属調加飾成形体の強度を高めたり、成形体の形状を保持したりする役割を有する。
なお、加飾シート(A)が密着層と金属膜との間にバッカー層を有する場合、バッカー層と金属膜との間には接着剤層を有することが好ましい。接着剤層を構成する接着剤は、汎用の接着剤を用いることができる。
バッカー層の金属膜側の面の色を上述の構成とすることにより、金属膜を透過した光がバッカー層の表面で反射することを抑制することができるため、Dmax/Dminを2.1以下にしやすくすることができる。
なお、バッカー層の金属膜側の面を上述の構成とする手段としては、例えば、バッカー層中に顔料を混合する手段、あらかじめバッカー層の表面を黒化処理する手段、などが挙げられる。
表面プラスチック基材の金属膜とは反対側の面には、例えば、耐擦傷性を向上するために保護層を形成してもよい。
電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましい。また、金属調加飾成形体を製造する過程で樹脂層が傷つくことを抑制する観点からは、電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
加飾シート(A)の具体例としては、例えば、下記(1)〜(10)の構成が挙げられる。なお、「/」は各層の境界を意味する。
(1)密着層(感熱性接着剤層又は感圧性接着剤層)/金属膜/表面プラスチック基材
(2)密着層(バッカー層兼用密着層)/接着剤層/金属膜/表面プラスチック基材
(3)密着層(感熱性接着剤層又は感圧性接着剤層)/金属膜/アンカー層/表面プラスチック基材
(4)密着層(バッカー層兼用密着層)/接着剤層/金属膜/アンカー層/表面プラスチック基材
(5)密着層(感熱性接着剤層又は感圧性接着剤層)/金属膜/表面プラスチック基材/表面保護層
(6)密着層(バッカー層兼用密着層)/接着剤層/金属膜/表面プラスチック基材/表面保護層
(7)密着層(感熱性接着剤層又は感圧性接着剤層)/バッカー層/接着剤層/金属膜/表面プラスチック基材
(8)密着層(感熱性接着剤層又は感圧性接着剤層)/バッカー層/接着剤層/金属膜/アンカー層/表面プラスチック基材
(9)密着層(感熱性接着剤層又は感圧性接着剤層)/バッカー層/接着剤層/金属膜/表面プラスチック基材/表面保護層
(10)密着層(感熱性接着剤層又は感圧性接着剤層)/バッカー層/接着剤層/金属膜/アンカー層/表面プラスチック基材/表面保護層
被着体(B)としては、特に限定されることなく、金属、ガラス、セラミックス、樹脂等からなる成形体が挙げられる。
なお、被着体(B)は、あらかじめ成形体の形状に成形されたものを用いてもよいし、真空成形やインサート成形などで成形時に成形体の形状としてもよい。
被着体(B)の厚みは特に限定されないが、通常、1mm以上であり、1〜10mmであることが好ましい。
被着体(B)の加飾シート(A)と接する側の面の色を上述の構成とすることにより、被着体(B)と加飾シート(A)との界面の反射を抑制することができるため、被着体(B)の表面形状に関わりなく、Dmax/Dminを2.1以下にしやすくすることができる。
なお、被着体(B)の加飾シート(A)と接する側の面の色を上述の構成とする手段としては、例えば、被着体(B)中に顔料を混合する手段、あらかじめ被着体(B)の表面を黒化処理する手段、などが挙げられる。
なお、加飾シート(A)がバッカー層を有し、かつ、バッカー層の金属膜側の面が白を除く無彩色(灰色、黒色)で形成されている場合には、被着体(B)の加飾シート(A)と接する側の面の色を上記構成としなくても、同様の効果を得ることができる。
金属調加飾成形体は、加飾シート(A)及び被着体(B)を用いて成形することにより製造することができる。
(y1)加飾シート(A)の密着層側の面と、被着体(B)とを密着させた積層体を作製する。
(y2)上記積層体の被着体(B)側の面を型に向けて配置して真空成形する。
(z1)加飾シート(A)をインモールド成形用型内に配置する。この際、インモールド成形用型を構成する一対の型(雄型及び雌型)のうち、樹脂を射出注入する側の型の内側と、加飾シート(A)の金属膜を基準として密着層側の面とが対向するようにして、加飾シート(A)を配置する。なお、型の内側とは、一対の型の間に形成される空隙側のことを指す。
(z2)インモールド成形用型内に樹脂を射出注入し、被着体(B)である樹脂成形体を成形するとともに、該成形体と加飾シート(A)とを密着させる。
実施例及び比較例で得られた金属調加飾成形体について以下の評価、測定を行った。結果を表1に示す。
コニカミノルタ社製のハンディ型の分光測色計(商品名「CM−700d」)を用いて、明細書本文の記載に従い、実施例及び比較例の金属調加飾成形体の全面の全光線反射SCI及び拡散光線反射SCE、並びに、L*SCI及びL*SCEを測定した。測定直径は3mmとした。測定結果から算出した、Dmin、Dmax、Dmax/Dmin、L*SCEmin、L*SCEmax、L*SCEmax/L*SCEmin、L*SCImin、L*SCImax、L*SCImax/L*SCIminを表1に示す。
実施例及び比較例の金属調加飾成形体の垂直断面から、表面プラスチック基材の厚みの最も薄い箇所であるP1、及び、表面プラスチック基材の厚みの最も厚い箇所であるP2の厚みを測定し、P2/P1を算出した。P0/P1とあわせて表1に示す。
実施例及び比較例の金属調加飾成形体の白化の程度を、蛍光灯の照明下で、あらゆる箇所をあらゆる方向から目視で観察した。
白化が全く気にならなかったものを3点、白化が若干気になったものを2点、白化が非常に気になったものを1点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出し、下記基準でランクした。
<評価基準>
AA:平均点が2.7以上
A:平均点が2.4以上2.7未満
B:平均点が2.0以上2.4未満
C:平均点が1.5以上2.0未満
D:平均点が1.5未満
[実施例1]
厚み125μmのアクリル樹脂系フィルムからなる表面プラスチック基材(全光線透過率:92%、ヘイズ:0.6%)上に、下記処方のアンカー層形成用塗布液を塗布、乾燥し、厚み2μmのアンカー層を形成した。
<アンカー層形成用塗布液>
・アクリルポリオール 3.0質量部
(荒川化学工業社製、商品名アラコートDA105)
・イソシアネート系化合物 1.0質量部
(荒川化学工業社製、商品名アラコートCL102H)
・溶剤 適量
次いで、密着層と、上記積層体の金属膜側とを貼り合わせ、加飾シート(A)を得た。加飾シート(A)を40℃環境で3日間エイジング処理を行った後、シリコーン剥離処理した厚み38μmのポリエステルフィルムを剥離し、露出した密着層と、被着体(B)(厚み3.0mmの黒色ABS樹脂フィルム)とを貼り合わせた積層体を得た。
金属膜の厚みを変更して、アクリル樹脂系フィルム、アンカー層及びインジウムからなる金属膜を有する積層体のOD値を0.80に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の金属調加飾成形体を得た。
金属膜の厚みを変更して、アクリル樹脂系フィルム、アンカー層及びインジウムからなる金属膜を有する積層体のOD値を0.94に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の金属調加飾成形体を得た。
金属膜の厚みを変更して、アクリル樹脂系フィルム、アンカー層及びインジウムからなる金属膜を有する積層体のOD値を1.25に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の金属調加飾成形体を得た。
2:アンカー層
3:金属膜
4:密着層
10:加飾シート(A)
20:被着体
100:金属調加飾成形体
Claims (7)
- 密着層、金属膜及び表面プラスチック基材をこの順に有する加飾シート(A)の金属膜を基準として密着層側の面と、被着体(B)とが積層されてなる金属調加飾成形体であって、
前記金属調加飾成形体は、前記加飾シート(A)側の表面に凹部及び/又は凸部を有し、前記加飾シート(A)は、少なくとも前記凹部及び/又は凸部の箇所で伸長されてなり、
前記金属調加飾成形体の全面の全光線反射SCI及び拡散光線反射SCEを前記加飾シート(A)側から測定し、前記測定から得られた全光線反射SCIの分光スペクトルから算出したL*a*b*表色系のL*値をL*SCI、前記測定から得られた拡散光線反射SCEの分光スペクトルから算出したL*a*b*表色系のL*値をL*SCEとして、各箇所のL*SCE/L*SCIを算出した際に、L*SCE/L*SCIの最小値Dminと、L*SCE/L*SCIの最大値Dmaxとが、Dmax/Dmin≦1.9の関係を満たす、金属調加飾成形体。 - 前記Dmaxが0.40以下である、請求項1に記載の金属調加飾成形体。
- 前記L*SCIの最小値SCIminと、前記L*SCIの最大値SCImaxとが、L*SCImax/L*SCImin≦1.3の関係を満たす、請求項1又は2に記載の金属調加飾成形体。
- 前記L*SCIminが55以上である、請求項1〜3の何れか1項に記載の金属調加飾成形体。
- 前記加飾シート(A)の表面プラスチック基材の厚みの最も薄い箇所をP1、前記加飾シート(A)の表面プラスチック基材の厚みの最も厚い箇所をP2とした際に、1.2≦P2/P1の関係を満たす、請求項1〜4の何れか1項に記載の金属調加飾成形体。
- 前記金属膜が、インジウム、スズ、アルミニウム、亜鉛及びこれらの合金から選ばれる1種以上からなる、請求項1〜5の何れか1項に記載の金属調加飾成形体。
- 前記被着体(B)が黒色である請求項1〜6の何れか1項に記載の金属調加飾成形体。
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