JP2018171836A - 金属調加飾シート及びその成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた成形性、密着性及び耐チッピング性を有する金属調加飾シートを提供する。【解決手段】アクリルフィルム、アンカー層及び金属膜をこの順に有する金属調加飾シートであって、該アンカー層が、主剤としての(A)アクリルポリオール、及び硬化剤としての(B)イソシアネート化合物との反応生成物を含み、前記アンカー層のJIS K7162:1994に規定される引張試験による160℃におけるヤング率が17.0MPa未満であり、23℃におけるヤング率が2.2GPa超である、金属調加飾シート。【選択図】図1
Description
本発明は、金属調加飾シート及びその成形体に関する。
従来より、成形体の意匠性を高めるために、成形体の表面に金属光沢を付与することが行われている。金属光沢を付与する手段としては、古くから金属メッキが行われている。しかし、金属メッキは工程が複雑で製造コストがかかること、廃液が発生して環境に負荷がかかることなどの問題があった。また、成形体の表面が凹凸形状を有する場合、均一で綺麗なメッキ膜を施すことは困難であった。
金属メッキの代替手段として、金属光沢を有する加飾シートを用いて、樹脂成形体等の被着体の表面を加飾する手段が提案されている。
金属光沢を有する加飾シートとしては、透明基材上に金属膜を有するものが使用され、該透明基材として、耐傷性、耐候性の観点から、アクリルフィルムが使用されることがある。しかし、アクリルフィルムと金属膜とは、密着強度が弱いことから、界面で剥がれが生じやすく、これを抑制するために、アンカー層が必要であった。
かかる問題を解決するために、例えば、特許文献1の手段が提案されている。
金属光沢を有する加飾シートとしては、透明基材上に金属膜を有するものが使用され、該透明基材として、耐傷性、耐候性の観点から、アクリルフィルムが使用されることがある。しかし、アクリルフィルムと金属膜とは、密着強度が弱いことから、界面で剥がれが生じやすく、これを抑制するために、アンカー層が必要であった。
かかる問題を解決するために、例えば、特許文献1の手段が提案されている。
特許文献1では、基材フィルム、アンカーコート層、金属蒸着層、接着層を有する成形用シートが開示され、基材フィルムと金属蒸着層との密着強度、また成形性を向上させている。しかし、耐チッピング性については検討がされていなかった。ここで、チッピングとは、例えば、加飾シートを車両体である自動車等の外装用として使用した際、走行中に石などの物体が当たることで、加飾シートの一部の層、たとえば基材フィルム及びアンカーコート層、もしくは全量、つまりは基材フィルム、アンカーコート層、金属蒸着層、及び、接着層もしくは粘着層の、加飾を施した被着体からの剥がれを意味する。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、優れた成形性、密着性及び耐チッピング性を有する金属調加飾シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の(1)、(2)を提供する。
(1)アクリルフィルム、アンカー層及び金属膜をこの順に有する金属調加飾シートであって、該アンカー層が、主剤としての(A)アクリルポリオール、及び硬化剤としての(B)イソシアネート化合物との反応生成物を含み、前記アンカー層のJIS K7162:1994に規定される引張試験による160℃におけるヤング率が17.0MPa未満であり、23℃におけるヤング率が2.2GPa超である、金属調加飾シート。
(2)上記(1)に記載の金属調加飾シートと被着体とを用いてなる、金属調加飾成形体。
(1)アクリルフィルム、アンカー層及び金属膜をこの順に有する金属調加飾シートであって、該アンカー層が、主剤としての(A)アクリルポリオール、及び硬化剤としての(B)イソシアネート化合物との反応生成物を含み、前記アンカー層のJIS K7162:1994に規定される引張試験による160℃におけるヤング率が17.0MPa未満であり、23℃におけるヤング率が2.2GPa超である、金属調加飾シート。
(2)上記(1)に記載の金属調加飾シートと被着体とを用いてなる、金属調加飾成形体。
本発明によれば、優れた成形性、密着性及び耐チッピング性を有する金属調加飾シートを提供することができる。
[金属調加飾シート]
本発明の金属調加飾シートは、アクリルフィルム、アンカー層及び金属膜をこの順に有する金属調加飾シートであって、該アンカー層が、主剤としての(A)アクリルポリオール、及び硬化剤としての(B)イソシアネート化合物との反応生成物を含み、前記アンカー層のJIS K7162:1994に規定される引張試験による160℃におけるヤング率が17.0MPa未満であり、23℃におけるヤング率が2.2GPa超であることを特徴としている。
本発明の金属調加飾シートは、アクリルフィルム、アンカー層及び金属膜をこの順に有する金属調加飾シートであって、該アンカー層が、主剤としての(A)アクリルポリオール、及び硬化剤としての(B)イソシアネート化合物との反応生成物を含み、前記アンカー層のJIS K7162:1994に規定される引張試験による160℃におけるヤング率が17.0MPa未満であり、23℃におけるヤング率が2.2GPa超であることを特徴としている。
図1は、本発明の金属調加飾シートの実施形態を示す断面図である。図1の(a)の金属調加飾シート1Aは、金属膜4、アンカー層3及びアクリルフィルム2をこの順に有している。図1の(b)の金属調加飾シート1Bは、密着層5、金属膜4、アンカー層3及びアクリルフィルム2をこの順に有している。
図2は、本発明の金属調加飾シートを用いて得た金属調加飾成形体の一実施形態を示す断面図である。図2の金属調加飾成形体10は、金属調加飾シート1Bと、被着体6とが積層されてなる。
図2は、本発明の金属調加飾シートを用いて得た金属調加飾成形体の一実施形態を示す断面図である。図2の金属調加飾成形体10は、金属調加飾シート1Bと、被着体6とが積層されてなる。
金属調加飾シートは、アクリルフィルム、アンカー層及び金属膜をこの順に有する。また、金属調加飾シートは、アクリルフィルム、アンカー層及び金属膜をこの順に有すればよく、これらの層の間や表面等に、保護層、密着層等の他の層を有していてもよい。
まず、本発明の金属調加飾シートの特徴であるアンカー層について説明する。
(アンカー層)
アクリルフィルムと金属膜との間には、アンカー層を有する。アンカー層は、金属調加飾シートの成形性、密着性及び耐チッピング性を向上させるために設ける。
アンカー層は、主剤としての(A)アクリルポリオール、及び硬化剤としての(B)イソシアネート化合物との反応生成物を含む。
アクリルフィルムと金属膜との間には、アンカー層を有する。アンカー層は、金属調加飾シートの成形性、密着性及び耐チッピング性を向上させるために設ける。
アンカー層は、主剤としての(A)アクリルポリオール、及び硬化剤としての(B)イソシアネート化合物との反応生成物を含む。
(A)アクリルポリオールとしては、分子中に水酸基を2個以上有するアクリルポリマーであれば、特に制限されない。(A)アクリルポリオールとしては、水酸基含有アクリレートと、水酸基含有アクリレートと共重合可能な共重合性ビニルモノマーとを、共重合させることによって得られる共重合体が好ましい。
水酸基含有アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2−ジヒドロキシメチルブチル(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシアルキルマレエート、ポリヒドロキシアルキルフマレートなどが挙げられる。好ましくは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
共重合性ビニルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル、例えば、(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などのカルボキシル基を含むビニルモノマー、または、そのアルキルエステル、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アクリルポリオールは、これら水酸基含有アクリレート、及び共重合性ビニルモノマーを、適当な溶剤および重合開始剤の存在下において共重合させることにより得ることができる。
前記アクリルポリオールの数平均分子量は、5,000〜50,000が好ましく、10,000〜30,000がさらに好ましい。アクリルポリオールの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の分子量である。
水酸基含有アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2−ジヒドロキシメチルブチル(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシアルキルマレエート、ポリヒドロキシアルキルフマレートなどが挙げられる。好ましくは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
共重合性ビニルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル、例えば、(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などのカルボキシル基を含むビニルモノマー、または、そのアルキルエステル、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アクリルポリオールは、これら水酸基含有アクリレート、及び共重合性ビニルモノマーを、適当な溶剤および重合開始剤の存在下において共重合させることにより得ることができる。
前記アクリルポリオールの数平均分子量は、5,000〜50,000が好ましく、10,000〜30,000がさらに好ましい。アクリルポリオールの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の分子量である。
(B)イソシアネート化合物としては、芳香族系、脂肪族系の各種イソシアネート化合物等を使用できる。トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)から選ばれる1種以上であることが好ましい。この中で、TDIがさらに好ましい。
イソシアネート化合物のイソシアネート基1モルに対するアクリルポリオールの水酸基のモル比が、8.0/1〜2.5/1であることが好ましく、8.0/1〜3/1であることがより好ましく、8.0/1〜4/1であることがさらに好ましい。イソシアネート化合物のイソシアネート基1モルに対する前記アクリルポリオールの水酸基のモル比が、上記の範囲にあるとアンカー層のヤング率を本発明の規定の範囲にしやすくできる。
アンカー層のJIS K7162:1994に規定される引張試験による160℃におけるヤング率が17.0MPa未満であり、かつ23℃におけるヤング率が2.2GPa超である。アンカー層のJIS K7162:1994に規定される引張試験による160℃におけるヤング率が17.0MPa以上であると、成形性が悪くなる。また、23℃におけるヤング率が2.2GPa以下であると、アンカー層と金属膜の密着強度が低くなり、耐チッピング性が低下しやすくなる。
アンカー層の160℃におけるヤング率が2.7〜16.0MPaであることが好ましく、2.8〜12.0MPaであることがさらに好ましい。また、23℃におけるヤング率が2.4〜3.1GPaであることが好ましく、2.4〜3.0GPaであることがさらに好ましい。
アンカー層の23℃かつ160℃におけるヤング率が、上記の範囲にあり、かつアンカー層と金属膜の密着強度が高い場合、成形性、密着性及び耐チッピング性を同時に満たしやすくなる。
アンカー層の160℃におけるヤング率が2.7〜16.0MPaであることが好ましく、2.8〜12.0MPaであることがさらに好ましい。また、23℃におけるヤング率が2.4〜3.1GPaであることが好ましく、2.4〜3.0GPaであることがさらに好ましい。
アンカー層の23℃かつ160℃におけるヤング率が、上記の範囲にあり、かつアンカー層と金属膜の密着強度が高い場合、成形性、密着性及び耐チッピング性を同時に満たしやすくなる。
アンカー層の厚みは特に限定されず、通常、0.1〜10μm程度である。
アンカー層中には、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を含有されていてもよい。
アンカー層中には、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を含有されていてもよい。
アンカー層形成方法としては、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方法が挙げられる。
(アクリルフィルム)
アクリルフィルムは、例えば、金属調加飾シートの支持体としての役割や、金属膜を保護する役割を有する。
アクリルフィルムは、例えば、金属調加飾シートの支持体としての役割や、金属膜を保護する役割を有する。
アクリルフィルムは、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチルなどのアクリル系樹脂からなる。アクリルフィルムは、透明性、耐光性に優れる。
アクリルフィルムは、JIS K7136:2000のヘイズが5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。
また、アクリルフィルムは、JIS K7361−1:1997の全光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
また、アクリルフィルムは、JIS K7361−1:1997の全光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
アクリルフィルムの厚みは特に限定されないが、成形性及び金属膜の保護のバランスの観点から、50〜250μmであることが好ましく、60〜200μmであることがより好ましく、70〜150μmであることがさらに好ましい。
アクリルフィルム中には、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を含有されていてもよい。
アクリルフィルム中には、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を含有されていてもよい。
(金属膜)
金属膜を構成する金属としては、インジウム、スズ、アルミニウム、ニッケル、銅、銀、金、白金、真鍮、クロム及び亜鉛等の金属、並びに、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、インジウム、スズ、アルミニウム、亜鉛及びこれらの合金から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。また、インジウムは、耐候性、白化抑制、金属光沢のバランスに優れる観点で最も好ましい。
金属膜を構成する金属としては、インジウム、スズ、アルミニウム、ニッケル、銅、銀、金、白金、真鍮、クロム及び亜鉛等の金属、並びに、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、インジウム、スズ、アルミニウム、亜鉛及びこれらの合金から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。また、インジウムは、耐候性、白化抑制、金属光沢のバランスに優れる観点で最も好ましい。
金属膜の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられる。これらの中でも、あらゆる素材に処理可能である蒸着法が好ましい。
金属膜層の厚みは、用いる金属によって適宜調整する必要があるが、金属光沢性の観点から10〜300nmであることが好ましく、30〜150nmであることがより好ましく、30〜100nmであることがさらに好ましい。
(密着層)
金属調加飾シートは、金属膜の、アンカー層とは反対の面にさらに密着層を有していてもよい。密着層は、例えば、被着体への密着性を向上するために形成される。
金属調加飾シートは、金属膜の、アンカー層とは反対の面にさらに密着層を有していてもよい。密着層は、例えば、被着体への密着性を向上するために形成される。
密着層は、感熱性又は感圧性の樹脂から構成することが好ましい。言い換えると、密着層は、いわゆる感熱性接着剤層や感圧性接着剤層(粘着層)であることが好ましい。感圧性接着剤層(粘着層)は、貼り合せプロセスの簡便さからより好ましい。
感熱性又は感圧性の樹脂としては、汎用のアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、塩化ビニル系樹脂若しくは酢酸ビニル系樹脂、又はこれらの2種以上の混合物若しくは共重合体を用いることができる。
また、密着層を被着体と同種の熱可塑性樹脂から構成すれば、密着層が感熱性や感圧性に劣るものであっても、被着体との密着性を良好にすることができる。
感熱性又は感圧性の樹脂としては、汎用のアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、塩化ビニル系樹脂若しくは酢酸ビニル系樹脂、又はこれらの2種以上の混合物若しくは共重合体を用いることができる。
また、密着層を被着体と同種の熱可塑性樹脂から構成すれば、密着層が感熱性や感圧性に劣るものであっても、被着体との密着性を良好にすることができる。
密着層の厚みは、1〜100μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。
なお、密着層は後述するバッカー層を兼用することもできる。密着層がバッカー層を兼用する場合、密着層は、被着体と同種の熱可塑性樹脂(例えば、後述するインモールド成形に用いる射出樹脂と同種の熱可塑性樹脂)からなるプラスチックフィルムから構成することが好ましい。また、該プラスチックフィルムの成形前の厚みは100μm以上1000μm未満が好ましく、150μm以上500μm以下がより好ましい。また、密着層がバッカー層を兼用する場合、密着層と金属膜との間には接着剤層を有することが好ましい。接着剤層を構成する接着剤は、汎用の接着剤を用いることができる。
なお、密着層は後述するバッカー層を兼用することもできる。密着層がバッカー層を兼用する場合、密着層は、被着体と同種の熱可塑性樹脂(例えば、後述するインモールド成形に用いる射出樹脂と同種の熱可塑性樹脂)からなるプラスチックフィルムから構成することが好ましい。また、該プラスチックフィルムの成形前の厚みは100μm以上1000μm未満が好ましく、150μm以上500μm以下がより好ましい。また、密着層がバッカー層を兼用する場合、密着層と金属膜との間には接着剤層を有することが好ましい。接着剤層を構成する接着剤は、汎用の接着剤を用いることができる。
(バッカー層)
金属調加飾シートは、密着層と金属膜との間にバッカー層を有していてもよい。バッカー層は、例えば、金属調加飾シート及び金属調加飾成形体の強度を高めたり、成形体の形状を保持したりする役割を有する。
金属調加飾シートは、密着層と金属膜との間にバッカー層を有していてもよい。バッカー層は、例えば、金属調加飾シート及び金属調加飾成形体の強度を高めたり、成形体の形状を保持したりする役割を有する。
バッカー層はプラスチックフィルムから構成することが好ましい。バッカー層のプラスチックフィルムとしては、例えば、後述するインモールド成形に用いる射出樹脂と同種の熱可塑性樹脂から形成されたプラスチックフィルムが挙げられる。
バッカー層の成形前の厚みは、100μm以上1000μm未満が好ましく、150〜500μmがより好ましい。
なお、金属調加飾シートが密着層と金属膜との間にバッカー層を有する場合、バッカー層と金属膜との間には接着剤層を有することが好ましい。接着剤層を構成する接着剤は、汎用の接着剤を用いることができる。
なお、金属調加飾シートが密着層と金属膜との間にバッカー層を有する場合、バッカー層と金属膜との間には接着剤層を有することが好ましい。接着剤層を構成する接着剤は、汎用の接着剤を用いることができる。
<保護層>
アクリルフィルムの金属膜とは反対側の面には、例えば、耐擦傷性を向上するために保護層を形成してもよい。
アクリルフィルムの金属膜とは反対側の面には、例えば、耐擦傷性を向上するために保護層を形成してもよい。
保護層は、硬化性樹脂組成物の硬化物を含むことが好ましい。硬化性樹脂組成物の硬化物は、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が挙げられ、これらの中でも電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましい。また、金属調加飾成形体を製造する過程で樹脂層が傷つくことを抑制する観点からは、電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましい。また、金属調加飾成形体を製造する過程で樹脂層が傷つくことを抑制する観点からは、電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
保護層の厚みは、0.5〜30μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましく、3〜10μmであることがさらに好ましい。
[金属調加飾シートの層構成の例]
金属調加飾シートの具体例としては、例えば、下記(1)〜(4)の構成が挙げられる。なお、「/」は各層の境界を意味する。
(1)密着層(感熱性接着剤層又は感圧性接着剤層)/金属膜/アンカー層/アクリルフィルム
(2)密着層(バッカー層兼用密着層)/接着剤層/金属膜/アンカー層/アクリルフィルム
(3)密着層(感熱性接着剤層又は感圧性接着剤層)/バッカー層/接着剤層/金属膜/アンカー層/アクリルフィルム
(4)密着層(感熱性接着剤層又は感圧性接着剤層)/バッカー層/接着剤層/金属膜/アンカー層/アクリルフィルム/保護層
金属調加飾シートの具体例としては、例えば、下記(1)〜(4)の構成が挙げられる。なお、「/」は各層の境界を意味する。
(1)密着層(感熱性接着剤層又は感圧性接着剤層)/金属膜/アンカー層/アクリルフィルム
(2)密着層(バッカー層兼用密着層)/接着剤層/金属膜/アンカー層/アクリルフィルム
(3)密着層(感熱性接着剤層又は感圧性接着剤層)/バッカー層/接着剤層/金属膜/アンカー層/アクリルフィルム
(4)密着層(感熱性接着剤層又は感圧性接着剤層)/バッカー層/接着剤層/金属膜/アンカー層/アクリルフィルム/保護層
本発明の金属調加飾シートは、優れた耐チッピング性を有することから車両体の外装用に用いられることが好ましい。ここで、車両体とは、耐チッピングが求められるものであれば、特に制限されないが、道路、空路等において移動を伴う、自動車、自転車、電車、トラック、バス、飛行機等が挙げられる。
<金属調加飾シートの製造方法>
本発明の金属調加飾シートの製造方法は、アクリルフィルム上にアンカー層を形成する工程、該アンカー層上に金属膜を形成する工程を含む。
本発明の金属調加飾シートの製造方法は、アクリルフィルム上にアンカー層を形成する工程、該アンカー層上に金属膜を形成する工程を含む。
(アンカー層形成工程)
アンカー層形成工程は前記アクリルフィルム上にアンカー層を形成する工程である。アンカー層の形成方法としては、前述した通りである。
アンカー層形成工程は前記アクリルフィルム上にアンカー層を形成する工程である。アンカー層の形成方法としては、前述した通りである。
(金属膜形成工程)
金属膜形成工程は、前記アンカー形成工程で得られたアンカー層上に金属膜を形成する工程である。金属膜の形成方法としては、前述した通りである。
金属膜形成工程は、前記アンカー形成工程で得られたアンカー層上に金属膜を形成する工程である。金属膜の形成方法としては、前述した通りである。
(密着層形成工程)
金属調加飾シート製造方法には、さらに密着層形成工程を含んでもよい。密着層形成工程は、金属膜形成工程で得られた金属膜に密着層を形成する工程である。密着層は、公知の方法で形成することができる。
金属調加飾シート製造方法には、さらに密着層形成工程を含んでもよい。密着層形成工程は、金属膜形成工程で得られた金属膜に密着層を形成する工程である。密着層は、公知の方法で形成することができる。
<金属調加飾成形体>
本発明の金属調加飾成形体は、本発明の金属調加飾シート及び被着体を用いて成形することが好ましい。
本発明の金属調加飾成形体は、本発明の金属調加飾シート及び被着体を用いて成形することが好ましい。
[被着体]
本発明の金属調加飾シートの金属調加飾成形体に用いられる被着体としては、特に限定されることなく、金属、ガラス、セラミックス、樹脂等からなる成形体が挙げられる。
なお、被着体は、あらかじめ成形体の形状に成形されたものを用いてもよいし、真空成形やインサート成形などで成形時に成形体の形状としてもよい。
被着体の厚みは特に限定されないが、通常、1mm以上であり、1〜10mmであることが好ましい。
本発明の金属調加飾シートの金属調加飾成形体に用いられる被着体としては、特に限定されることなく、金属、ガラス、セラミックス、樹脂等からなる成形体が挙げられる。
なお、被着体は、あらかじめ成形体の形状に成形されたものを用いてもよいし、真空成形やインサート成形などで成形時に成形体の形状としてもよい。
被着体の厚みは特に限定されないが、通常、1mm以上であり、1〜10mmであることが好ましい。
(金属調加飾成形体の製造方法)
金属調加飾成形体は、本発明の金属調加飾シート及び被着体を用いて成形することにより製造することができる。
金属調加飾成形体は、本発明の金属調加飾シート及び被着体を用いて成形することにより製造することができる。
例えば、下記(y1)〜(y2)の工程を有する真空成形により、金属調加飾成形体を製造することができる。
(y1)金属調加飾シートの密着層を介して板状の熱可塑性樹脂(被着体)に貼着する。
(y2)所望の成形形状を準備し、真空成形法により、(y1)で準備した金属調加飾シート付き板状熱可塑性樹脂を成形する。
(y1)金属調加飾シートの密着層を介して板状の熱可塑性樹脂(被着体)に貼着する。
(y2)所望の成形形状を準備し、真空成形法により、(y1)で準備した金属調加飾シート付き板状熱可塑性樹脂を成形する。
あるいは、下記(z1)〜(z2)の工程を有するインモールド成形により、金属調加飾成形体を製造することができる。
(z1)金属調加飾シートをインモールド成形用型内に配置する。この際、インモールド成形用型を構成する一対の型(雄型及び雌型)のうち、樹脂を射出注入する側の型の内側と、金属調加飾シートの金属膜を基準として密着層側の面とが対向するようにして、金属調加飾シートを配置する。なお、型の内側とは、一対の型の間に形成される空隙側のことを指す。
(z2)インモールド成形用型内に樹脂を射出注入し、被着体である樹脂成形体を成形するとともに、該成形体と金属調加飾シートとを密着させる。
(z1)金属調加飾シートをインモールド成形用型内に配置する。この際、インモールド成形用型を構成する一対の型(雄型及び雌型)のうち、樹脂を射出注入する側の型の内側と、金属調加飾シートの金属膜を基準として密着層側の面とが対向するようにして、金属調加飾シートを配置する。なお、型の内側とは、一対の型の間に形成される空隙側のことを指す。
(z2)インモールド成形用型内に樹脂を射出注入し、被着体である樹脂成形体を成形するとともに、該成形体と金属調加飾シートとを密着させる。
インモールド成形の場合には、射出樹脂は熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂(耐熱ABS樹脂を含む)、AS樹脂、AN樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、およびポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、実施例に記載の形態に限定されるものではない。
1.評価、測定
実施例及び比較例で得られた金属調加飾シートに係る諸特性(成形性、耐チッピング性、金属膜とアンカー層との密着性、アンカー層のヤング率)を、下記要領に従って評価した。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で得られた金属調加飾シートに係る諸特性(成形性、耐チッピング性、金属膜とアンカー層との密着性、アンカー層のヤング率)を、下記要領に従って評価した。結果を表1に示す。
1−1.成形性
実施例及び比較例で得られた加飾成形体を目視で外観を観察した。評価基準は以下のとおりである。
<評価基準>
○:外観に割れ等の不具合がない。
×:外観に割れ等の不具合がある。
1−2.耐チッピング性
耐チッピング性試験は、規格番号SAE J−400、規格名称Test for Chip Resistance of Surface Coatings準拠、グラベロ試験にて実施した。図3は、実施例及び比較例で得られた加飾成形体の耐チッピング性を評価するグラベロ試験装置の模式図である。グラベロ試験装置20を用いて、−20℃で、試験用支持体22(材質:セラミック)上の実施例及び比較例で得られた加飾成形体10に7号砕石21(50g)を、金属調加飾成形体10の垂直方向、距離350mmの位置から、射出圧0.4MPaにて1秒間照射した後、金属調加飾成形体10のフィルムの剥がれ具合を確認した。評価基準は以下のとおりである。
<評価基準>
○:目視で観察し、フィルムの剥がれがない。
×:目視で観察し、フィルムの剥がれがある。
1−3.密着性
金属調加飾シートの密着性(金属膜とアンカー層との密着性)について、セロハンテープをアクリルフィルムに貼り付けて剥離試験を行った。剥離試験は、アクリルフィルムの表面を2mm間隔の縦横10区分の碁盤目状にカッターで切り、粘着性テープ(ニチバン(株)製「セロテープ(登録商標)」、幅24mm)を貼った後に、45度の方向に剥がし、ます目の剥がれの程度で評価した。剥がれの表記方法としては、100個の碁盤目の剥離した升目の個数を数えた。評価基準は以下のとおりである。
<評価基準>
○:100個のます目のうち、剥離したます目は1個未満である。(金属膜とアンカー層は充分に密着しており密着性に問題はない。)
△:100個のます目のうち、剥離したます目は1個以上、5個未満である。(金属膜とアンカー層は密着しており密着性に実用上問題がない。)
×:100個のます目のうち、剥離したます目は5個以上である。(金属膜とアンカー層は密着性が弱く、実用上問題がある。)
1−4.ヤング率
シリコーン製の軽剥離シートに、実施例及び比較例で使用するアンカー層形成用混合塗布液2mlを直径5cmとなるように塗布し、100℃で5分の硬化工程、さらに23℃で48時間の乾燥工程を経てアンカー層を得た。なお、乾燥後の膜厚は2μmであった。このアンカー層を軽剥離シートから剥離し、JIS K7162:1994に規定される引張試験による23℃及び160℃のヤング率を卓上型試験機Series5565(Instron社製)を用い、測定した。
実施例及び比較例で得られた加飾成形体を目視で外観を観察した。評価基準は以下のとおりである。
<評価基準>
○:外観に割れ等の不具合がない。
×:外観に割れ等の不具合がある。
1−2.耐チッピング性
耐チッピング性試験は、規格番号SAE J−400、規格名称Test for Chip Resistance of Surface Coatings準拠、グラベロ試験にて実施した。図3は、実施例及び比較例で得られた加飾成形体の耐チッピング性を評価するグラベロ試験装置の模式図である。グラベロ試験装置20を用いて、−20℃で、試験用支持体22(材質:セラミック)上の実施例及び比較例で得られた加飾成形体10に7号砕石21(50g)を、金属調加飾成形体10の垂直方向、距離350mmの位置から、射出圧0.4MPaにて1秒間照射した後、金属調加飾成形体10のフィルムの剥がれ具合を確認した。評価基準は以下のとおりである。
<評価基準>
○:目視で観察し、フィルムの剥がれがない。
×:目視で観察し、フィルムの剥がれがある。
1−3.密着性
金属調加飾シートの密着性(金属膜とアンカー層との密着性)について、セロハンテープをアクリルフィルムに貼り付けて剥離試験を行った。剥離試験は、アクリルフィルムの表面を2mm間隔の縦横10区分の碁盤目状にカッターで切り、粘着性テープ(ニチバン(株)製「セロテープ(登録商標)」、幅24mm)を貼った後に、45度の方向に剥がし、ます目の剥がれの程度で評価した。剥がれの表記方法としては、100個の碁盤目の剥離した升目の個数を数えた。評価基準は以下のとおりである。
<評価基準>
○:100個のます目のうち、剥離したます目は1個未満である。(金属膜とアンカー層は充分に密着しており密着性に問題はない。)
△:100個のます目のうち、剥離したます目は1個以上、5個未満である。(金属膜とアンカー層は密着しており密着性に実用上問題がない。)
×:100個のます目のうち、剥離したます目は5個以上である。(金属膜とアンカー層は密着性が弱く、実用上問題がある。)
1−4.ヤング率
シリコーン製の軽剥離シートに、実施例及び比較例で使用するアンカー層形成用混合塗布液2mlを直径5cmとなるように塗布し、100℃で5分の硬化工程、さらに23℃で48時間の乾燥工程を経てアンカー層を得た。なお、乾燥後の膜厚は2μmであった。このアンカー層を軽剥離シートから剥離し、JIS K7162:1994に規定される引張試験による23℃及び160℃のヤング率を卓上型試験機Series5565(Instron社製)を用い、測定した。
2.金属調加飾シート及び加飾成形体の作製
[実施例1]
厚み125μmのアクリルフィルム上に、イソシアネート化合物のイソシアネート基1モルに対する前記アクリルポリオールの水酸基のモル比が3.0である、下記アンカー層形成用塗布液を塗布、乾燥し、厚み2μmのアンカー層を形成した。
<アンカー層形成用塗布液>
・アクリルポリオール(荒川化学工業株式会社製、商品名アラコートDA105)
3.0質量部
・イソシアネート系化合物(荒川化学工業株式会社製、商品名アラコートCL102H)
1.0質量部
・溶剤:メチルエチルケトン、酢酸ブチル
[実施例1]
厚み125μmのアクリルフィルム上に、イソシアネート化合物のイソシアネート基1モルに対する前記アクリルポリオールの水酸基のモル比が3.0である、下記アンカー層形成用塗布液を塗布、乾燥し、厚み2μmのアンカー層を形成した。
<アンカー層形成用塗布液>
・アクリルポリオール(荒川化学工業株式会社製、商品名アラコートDA105)
3.0質量部
・イソシアネート系化合物(荒川化学工業株式会社製、商品名アラコートCL102H)
1.0質量部
・溶剤:メチルエチルケトン、酢酸ブチル
次いで、アンカー層上に、真空蒸着法により、インジウムからなる金属膜を厚み70nmとなるように形成した。
次いで、金属膜上に、以下により形成した粘着層を貼り合わせ、実施例1で用いる金属調加飾シートを得た。
アクリル系粘着剤(綜研化学社製、商品名:SKダイン2094、固形分25質量%)100質量部に対して、エポキシ系架橋剤(綜研化学社製、商品名:E−AX、固形分5質量%)0.27質量部を混合し、粘着層用組成物を得た。シリコーン剥離処理した厚み38μmのポリエステルフィルム(東洋紡社製、商品名:E7304)の離型処理面に、粘着層用組成物を乾燥後の厚みが40μmになるように塗布、乾燥し、粘着層(感圧性接着剤層)を形成した。
アクリル系粘着剤(綜研化学社製、商品名:SKダイン2094、固形分25質量%)100質量部に対して、エポキシ系架橋剤(綜研化学社製、商品名:E−AX、固形分5質量%)0.27質量部を混合し、粘着層用組成物を得た。シリコーン剥離処理した厚み38μmのポリエステルフィルム(東洋紡社製、商品名:E7304)の離型処理面に、粘着層用組成物を乾燥後の厚みが40μmになるように塗布、乾燥し、粘着層(感圧性接着剤層)を形成した。
次いで、金属調加飾シートの粘着層側を介して、厚み3mmの板状ABSに貼着した。
所望の成形形状の型を準備し、ABS側の面を該型に向けて配置して真空成形し(ABS板到達温度160℃)、実施例1の金属調加飾成形体を得た。
所望の成形形状の型を準備し、ABS側の面を該型に向けて配置して真空成形し(ABS板到達温度160℃)、実施例1の金属調加飾成形体を得た。
[実施例2]
水酸基/イソシアネート基のモル比を4.0に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の金属調加飾成形体を得た。
水酸基/イソシアネート基のモル比を4.0に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の金属調加飾成形体を得た。
[実施例3]
水酸基/イソシアネート基のモル比を8.0に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の金属調加飾成形体を得た。
水酸基/イソシアネート基のモル比を8.0に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の金属調加飾成形体を得た。
[比較例1]
水酸基/イソシアネート基のモル比を2.0に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の金属調加飾成形体を得た。
水酸基/イソシアネート基のモル比を2.0に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の金属調加飾成形体を得た。
[比較例2]
水酸基/イソシアネート基のモル比を20.0に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の金属調加飾成形体を得た。
水酸基/イソシアネート基のモル比を20.0に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の金属調加飾成形体を得た。
表1の結果から、160℃におけるヤング率が17.0MPa未満であり、23℃におけるヤング率が2.2GPa超である実施例1〜3の金属調加飾シートは成形性、密着性及び耐チッピング性に優れることが確認できる。
本発明の金属調加飾シートは、耐チッピング性を有することから自動車等の車両体の外装用、また高度な意匠性が求められる各種の成形体(例えば、自動車の内外装、家電製品、家具等の部材)に好適に用いることができる。
1A,1B:金属調加飾シート
2:アクリルフィルム
3:アンカー層
4:金属膜
5:密着層
6:被着体
10:金属調加飾成形体
20:グラベロ試験装置
21:7号砕石
22:試験用支持体
2:アクリルフィルム
3:アンカー層
4:金属膜
5:密着層
6:被着体
10:金属調加飾成形体
20:グラベロ試験装置
21:7号砕石
22:試験用支持体
Claims (7)
- アクリルフィルム、アンカー層及び金属膜をこの順に有する金属調加飾シートであって、該アンカー層が、主剤としての(A)アクリルポリオール、及び硬化剤としての(B)イソシアネート化合物との反応生成物を含み、前記アンカー層のJIS K7162:1994に規定される引張試験による160℃におけるヤング率が17.0MPa未満であり、23℃におけるヤング率が2.2GPa超である、金属調加飾シート。
- 前記イソシアネート化合物が、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の金属調加飾シート。
- 前記イソシアネート化合物のイソシアネート基1モルに対する前記アクリルポリオールの水酸基のモル比が、8.0/1〜2.5/1である、請求項1又は2に記載の金属調加飾シート。
- 前記金属膜が、インジウム、スズ、アルミニウム、亜鉛、及びそれらの合金から選ばれる少なくとも1種以上からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属調加飾シート。
- 前記金属調加飾シートが、さらに金属膜の、アンカー層とは反対の面に粘着層を含む、請求項1に記載の金属調加飾シート。
- 車両体外装用に用いられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属調加飾シート。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属調加飾シートと被着体とを用いてなる、金属調加飾成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017072863A JP2018171836A (ja) | 2017-03-31 | 2017-03-31 | 金属調加飾シート及びその成形体 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020183064A (ja) * | 2019-05-07 | 2020-11-12 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 水分バリア性積層フィルム |
JP7400460B2 (ja) | 2019-12-26 | 2023-12-19 | 大日本印刷株式会社 | 金属調加飾シート、並びにそれを用いた金属調加飾成形体及び表示装置、並びに金属調加飾シートの製造方法 |
-
2017
- 2017-03-31 JP JP2017072863A patent/JP2018171836A/ja active Pending
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