JP6950178B2 - 水洗大便器 - Google Patents

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Description

本発明は、水洗大便器に係り、特に、便器に供給する洗浄水を貯水する貯水タンクを備える水洗大便器に関する。
近年、水洗大便器において、貯水タンク内の洗浄水を便器に供給するようになっている水洗大便器が知られている。
特開2009−2075号公報
特許文献1のような水洗大便器においては、貯水タンクから便器への洗浄水の供給を開始してから、下方フロートスイッチがオン状態からオフ状態に切り替わったときに、貯水タンクから便器への洗浄水供給を停止するように構成されている。しかし、便器へ供給する洗浄水量の多い大洗浄と便器へ供給する洗浄水量の少ない小洗浄の何れか一方を選択可能な水洗大便器の場合、大洗浄においては死水水位が下方フロートスイッチの検出可能な水位よりも低いため、下方フロートスイッチの検出に応じて貯水タンクから便器への洗浄水の供給を停止できるが、小洗浄においては死水水位が下方フロートスイッチの検出可能な水位よりも高いため、下方フロートスイッチの検出に基づいた貯水タンクから便器への洗浄水供給の制御を行なうことができない。そのため、こういった場合、小洗浄においては貯水タンクから便器への洗浄水の供給開始からタイマー制御を行なうことで、貯水タンクから便器への洗浄水供給を制御する方法が一般的である。
しかし、タイマー制御によって洗浄水供給の制御を行なうと、便器の製造誤差の影響によって貯水タンクから便器へ供給される洗浄水の量にバラつきが生じてしまう虞がある。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、貯水タンクから便器への洗浄水の供給を行なう時、大洗浄および小洗浄のどちらにおいても、貯水タンクから便器へ供給される洗浄水の量にバラつきが生じてしまうことを抑制した水洗大便器を提供することを目的とする。
本発明の一態様に関わる水洗大便器は、便器本体と、前記便器本体に供給する洗浄水を貯水する貯水タンクと、前記貯水タンク内の洗浄水を前記便器本体に供給する洗浄水供給手段と、前記貯水タンク内における止水水位よりも下方に設けられ前記貯水タンク内に洗浄水が供給されるときの前記貯水タンク内の水位を検出する上方水位検出手段と、前記貯水タンク内における前記上方水位検出手段よりも下方に設けられ前記貯水タンクから前記便器本体に洗浄水が供給されるときの前記貯水タンク内の水位を検出する下方水位検出手段と、を有する水位検出手段と、使用者による大洗浄もしくは小洗浄の選択に応じて、前記洗浄水供給手段を制御して前記貯水タンクから前記便器本体へ供給される洗浄水の総水量を調整する制御手段と、を備えた水洗大便器であって、前記制御手段は、前記大洗浄時および前記小洗浄時において、前記水位検出手段による検出に基づいて前記洗浄水供給手段を制御し、前記小洗浄時において、前記上方水位検出手段が前記貯水タンク内の水位の下降を検出してから所定時間経過した後に、前記貯水タンクから前記便器本体への洗浄水の供給を停止させる
この構成によれば、大洗浄および小洗浄のどちらにおいても、水位検出手段による検出に基づいて洗浄水供給手段を制御しているため、貯水タンクから便器へ供給される洗浄水の量にバラつきが生じてしまうことを抑制することができる。
また、小洗浄時において、上方水位検出手段による貯水タンク内の水位検出に基づいて洗浄水供給手段を制御しているため、貯水タンクから便器へ供給される洗浄水の量にバラつきが生じてしまうことを抑制することができる。
本発明の一態様に係る水洗大便器において、好ましくは、便器本体と、前記便器本体に供給する洗浄水を貯水する貯水タンクと、前記貯水タンク内の洗浄水を前記便器本体に供給する洗浄水供給手段と、前記貯水タンク内における止水水位よりも下方に設けられ前記貯水タンク内に洗浄水が供給されるときの前記貯水タンク内の水位を検出する上方水位検出手段と、前記貯水タンク内における前記上方水位検出手段よりも下方に設けられ前記貯水タンクから前記便器本体に洗浄水が供給されるときの前記貯水タンク内の水位を検出する下方水位検出手段と、を有する水位検出手段と、使用者による大洗浄もしくは小洗浄の選択に応じて、前記洗浄水供給手段を制御して前記貯水タンクから前記便器本体へ供給される洗浄水の総水量を調整する制御手段と、を備えた水洗大便器であって、前記制御手段は、前記大洗浄時および前記小洗浄時において、前記水位検出手段による検出に基づいて前記洗浄水供給手段を制御し、前記下方水位検出手段は、前記小洗浄時における前記貯水タンク内の死水水位よりも上方に設けられ、前記制御手段は、前記小洗浄時において、前記下方水位検出手段が前記貯水タンク内の水位の下降を検出したときに、前記貯水タンクから前記便器本体への洗浄水の供給を停止させる
この構成によれば、大洗浄および小洗浄のどちらにおいても、水位検出手段による検出に基づいて洗浄水供給手段を制御しているため、貯水タンクから便器へ供給される洗浄水の量にバラつきが生じてしまうことを抑制することができる。
また、大洗浄時および小洗浄時どちらにおいても下方水位検出手段による検出に基づいて洗浄水供給手段を制御しているため、貯水タンクから便器へ供給される洗浄水の量にバラつきが生じてしまうことを抑制することができる。
本発明によれば、貯水タンクから便器への洗浄水の供給を行なう時、大洗浄および小洗浄のどちらにおいても、貯水タンクから便器へ供給される洗浄水の量にバラつきが生じてしまうことを抑制した水洗大便器である。
本発明の実施形態による水洗大便器の側面図である。 図1に示す水洗大便器の平面図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器を示す全体構成図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器の便器洗浄開始からタンク給水開始までについて説明したフローチャートである。 本発明の第1実施形態による水洗大便器を示す全体構成図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
先ず、図1乃至図3により、本発明の実施形態による水洗大便器の構造を説明する。図1は、本発明の実施形態による水洗大便器の側面図である。図2は、図1に示す水洗大便器の平面図である。図3は、本発明の第1実施形態による水洗大便器を示す全体構成図である。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態による水洗大便器1は、便器本体2と、この便器本体2の上面に配置された便座4と、便座4を覆うように配置されたカバー6と、便器本体の後方上部に配置された局部洗浄装置8と、を備えている。さらに、便器本体2の後方には、機能部10が配置されており、この機能部10はサイドパネル11により覆われている。
便器本体2には、汚物を受けるボウル部12と、このボウル部12の底部から延びる排水トラップ管路14と、排水トラップ管路14の下端に接続された排水管15と、ジェット吐水を行うジェット吐水口16と、リム吐水を行うリム吐水口18が形成されている。
ジェット吐水口16は、ボウル部12の底部に形成されており、排水トラップ管路14の入口に指向してほぼ水平に配置され、洗浄水を排水トラップ管路14に向けて吐水するようになっている。リム吐水口18は、ボウル部12の左側上部後方に形成されており、ボウル部12の上縁に沿って洗浄水を吐出するようになっている。
排水トラップ管路14は、入口部14aと、この入口部14aから上昇するトラップ上昇管14bと、このトラップ上昇管14bから下降するトラップ下降管14cとからなり、トラップ上昇管14bとトラップ下降管14cとの間が頂部14dとなっている。トラップ下降管14cの下端に上述した排水管15が接続されている。
本実施形態による水洗大便器1は、洗浄水を供給する水道に直結されており、水道の給水圧力によりリム吐水口18から洗浄水が吐出される。また、ジェット吐水に関しては、後述するように、機能部10に内蔵された貯水タンク20に貯水された洗浄水を加圧ポンプ22によって加圧して、大流量でジェット吐水口16から吐出させるようになっている。
次に、図3により、本実施形態による水洗大便器1の機能部10を詳細に説明する。
図3に示すように、機能部10には、水道から洗浄水が供給される給水路24が設けられ、この給水路24には、上流側から、止水栓26、ストレーナ28、分岐金具30、定流量弁32、ダイヤフラム式の電磁開閉弁34、給水路切替弁36がそれぞれ設けられている。定流量弁32は、止水栓26、ストレーナ28、分岐金具30を介して流入した洗浄水を、所定の流量以下に絞るためのものである。
これらの定流量弁32、電磁開閉弁34、及び、給水路切替弁36は、図3に示すように、バルブユニット37(給水手段)として、一体的に組み立てられたものとなっている。また、給水路切替弁36の下流側には、リム吐水口18に洗浄水を供給するためのリム側給水路38、及び、貯水タンク20に洗浄水を供給するためのタンク側給水路40が接続されている。
ここで、定流量弁32を通過した洗浄水は、電磁開閉弁34に流入し、電磁開閉弁34を通過した洗浄水は、給水路切替弁36により、リム側であるリム側給水路38からリム吐水口18へ、又は、タンク側であるタンク側給水路40から貯水タンク20に供給されるようになっている。給水路切替弁36は、リム側給水路38とタンク側給水路40の両方に同じタイミングで洗浄水を供給可能であって、リム側とタンク側への給水量の割合を任意に変更出来る切替弁である。
これらの電磁開閉弁34の開閉操作、及び、給水路切替弁36の切替操作は、機能部10のコントローラ62(制御手段)により制御される。そして、電磁開閉弁34を開弁して給水路切替弁36がタンク側給水路40に連通させることにより貯水タンクへ水を供給することができる。
また、貯水タンク20の下部には、ジェット側給水路46が接続されており、このジェット側給水路46の下流端は、ジェット吐水口16に接続されている。また、ジェット側給水路46の途中に上述した加圧ポンプ22が設けられている。この加圧ポンプ22は、貯水タンク20に貯水された洗浄水を加圧して、ジェット吐水口16から吐出させるためのものである。加圧ポンプ22の回転数や作動時間等は、機能部10に設けられたコントローラ62により制御される。
ジェット側給水路46は、加圧ポンプ22より上流側の上流ジェット側給水路46aと下流側の下流ジェット側給水路46bとから構成されている。ここで、下流ジェット側給水路46bは、図3に示すように、先ず、加圧ポンプ22から上方に延び、水洗大便器1のボウル部12の溜水面Aよりも上方に配管が配置され、その後、配管が下方に向けて延びて構成されている。このように上方に向けた凸型に形成されている下流ジェット側給水路46bにおいて、その凸型部分の最も高い部分である頂部46cは、貯水タンク20からジェット吐水口16に至るジェット側給水路46の中で最も高い部分になっている。
次に、上述したリム側給水路38には、リム吐水用バキュームブレーカ48が設けられており、給水路24に負圧が発生したときに洗浄水のリム吐水口18からの逆流を防止している。また、リム吐出用バキュームブレーカ48は、図3に示すように、ボウル部12の上端面よりも上方に配置され、これにより、逆流を確実に防止している。さらに、リム吐水用バキュームブレーカ48の大気開放部から溢れた洗浄水は、戻り管路50を通って貯水タンク20に流入するようになっている。
タンク側給水路40にも、逆止弁であるバキュームブレーカ42が設けられており、洗浄水の貯水タンクからの逆流を防止している。
ここで、貯水タンク20は、密閉タイプの貯水タンクであり、タンク側給水路40と貯水タンク20との接続部には、逆止弁43が設けられている。この逆止弁43により、貯水タンク20が満水状態になった場合でも、逆止弁43が浮上して、タンク側給水路40との接続部を閉鎖するので、洗浄水がタンク側給水路40に逆流することがないようになっている。
同様に、戻り管路50と貯水タンク20の接続部にも、逆止弁44が設けられており、貯水タンク20が満水状態となった場合でも、洗浄水が戻り管路50に逆流することはないようになっている。
さらに、ジェット側給水路46の上流ジェット側給水路46aには、逆止弁であるジェット吐水用フラッパー弁56及び水抜栓58が設けられている。これらのジェット吐水用フラッパー弁56及び水抜栓58は、加圧ポンプ22よりも下方の、貯水タンク20の下端部付近の高さに配置されている。このため、水抜栓58を開放することにより、メンテナンス時等に貯水タンク20内及び加圧ポンプ22内の洗浄水を排水することができるようになっている。
また、貯水タンク20と加圧ポンプ22の間にジェット吐水用フラッパー弁56を配置することにより、貯水タンク20内の水位が加圧ポンプ22の高さよりも低くなった場合に、洗浄水が加圧ポンプ22から貯水タンク20に逆流し、加圧ポンプ22内の洗浄水が抜け、加圧ポンプ22が空運転してしまうことを防止している。また、加圧ポンプ22の下方には、水受けトレイ60が配置されており、結露した水滴や漏水を受けるようになっている。
さらに、貯水タンク20の上方フロートスイッチ64aよりも上方位置に、その一端が開口し(開口70a)、他端70bが下流ジェット側給水路46bに接続されたオーバーフロー流路70が設けられている。このオーバーフロー流路70には、逆止弁であるフラッパー弁72が取り付けられている。
このオーバーフロー流路70は、貯水タンク20において、水位が開口70aより高くなるような場合、その貯水タンク20内の水をジェット側給水路46を介してジェット吐水口16から便器本体2に逃がして、貯水タンク20から水が溢れ出すことがないようにするものである。
また、このオーバーフロー流路70及びフラッパー弁72により、洗浄水のジェット吐水口16からの逆流を防止すると共に、これらの間の縁切りを行うことができるようになっている。また、オーバーフロー流路70の他端70bが、ボウル部12内の溜水の水位よりも上方に設けられているため、洗浄水のジェット吐水口16からの逆流をより確実に防止するようにしている。
上述した電磁開閉弁34、給水路切替弁36、加圧ポンプ22などの動作内容を説明する。コントローラ62は、使用者による便器洗浄スイッチ(図示せず)の操作により、電磁開閉弁34、給水路切替弁36を作動させ、先ずリム吐水口18から吐水し、リム吐水を継続させながら、次に加圧ポンプ22を作動してジェット吐水口からの吐水を開始させて、サイホン作用を発生させてボウル部12の溜水を汚物と共に排出洗浄する。さらに、コントローラ62は、加圧ポンプ22の作動停止した後もリム吐水を継続してボウル部12に溜水を貯めて洗浄終了する。その洗浄終了後、給水路切替弁36を貯水タンク20側に切り替えて洗浄水を貯水タンク20に補給する。貯水タンク20内の水位が上昇し、上方フロートスイッチ64aが規定の貯水量を検出すると、コントローラ62は、電磁開閉弁34を閉鎖して給水を停止する。
次に、貯水タンク20の内部には、上方フロートスイッチ64a、及び、下方フロートスイッチ64bが配置されている。上方フロートスイッチ64aは、貯水タンク20内に洗浄水が供給されるときの貯水タンク20内の水位を検出する上方水位検出手段であって、貯水タンク20内の水位が所定の水位L1よりも上方へ上昇するとオフからオンに切り替わり、コントローラ62はこれを検知して、電磁開閉弁34を閉鎖させる。これにより、最終的に貯水タンク20内に貯水される洗浄水は止水水位(WFL)まで貯まる。
下方フロートスイッチ64bは、貯水タンク20内における上方フロートスイッチ64aよりも下方に設けられ貯水タンク20から便器本体2に洗浄水が供給されるときの貯水タンク20内の水位を検出する下方水位検出手段であって、貯水タンク20内の水位が所定の水位L3よりも下方へ下降するとオフからオンに切り替わる。
水洗大便器1は、便器本体2に供給される洗浄水の量が多くなる状態(大洗浄)と、便器本体2に供給される洗浄水の量が少なくなる状態(小洗浄)と、のいずれかを使用者が便器洗浄スイッチ(図示せず)を操作することで選択できるようになっている。便器洗浄が開始される前は、貯水タンク20内の水位は止水水位(WFL)となっており、使用者の便器洗浄スイッチの操作によって便器洗浄が指示されると、貯水タンク20からジェット吐水口16への洗浄水の供給が開始され、貯水タンク20内の水位が下降し始める。
ここで、使用者が操作した便器洗浄スイッチで大洗浄が選択されていた場合、貯水タンク20からジェット吐水口16への洗浄水の供給が開始してから貯水タンク20内の水位が水位L3よりも下方へ下降したときに、下方フロートスイッチ64bがオンに切り替わることでコントローラ62は加圧ポンプ22の作動を停止し、貯水タンク20からジェット吐水口16への洗浄水の供給が停止される。最終的に、貯水タンク20内の水位は、死水水位WDL1まで下降する。
次に、使用者が操作した便器洗浄スイッチで小洗浄が選択されていた場合、まずは貯水タンク20からジェット吐水口16への洗浄水の供給が開始してから貯水タンク20内の水位が水位L1よりも下方へ下降するまで上方フロートスイッチ64aで水位の検出を行い、水位L1よりも下方の水位下降についてはタイマー制御を行なう。このタイマー制御により、死水水位が死水水位WDL2となるようにコントローラ62は加圧ポンプ22の作動を制御し、貯水タンク20からジェット吐水口16への洗浄水の供給が停止される。
次に、図4により、本発明の第1実施形態による水洗大便器の動作フローについて説明する。図4は、本発明の第1実施形態による水洗大便器の便器洗浄時について説明したフローチャートである。
図4に示すように、便器洗浄が開始されると、リム吐水口18からリム吐水を開始する(ステップS1)。つまり、コントローラ62は給水路切替弁36を切り替え制御して、全洗浄水をリム側に供給する状態(リム100%)にし、リム側給水路38からリム吐水口18へ洗浄水を供給する。なお、このリム吐水口18からのリム吐水は、タンク給水が開始される前(ステップS12)まで継続して行われる。
ステップS1においてリム吐水口18からのリム吐水が開始されてから所定時間T1が経過したときに、ジェット吐水口16からのジェット吐水を開始する(ステップS2,3)。つまり、コントローラ62は、加圧ポンプ22を作動させて、貯水タンク20に貯水された洗浄水をジェット側給水路46を介してジェット吐水口16へ供給する。
なお、ステップS3においてジェット吐水口16からのジェット吐水が開始されるにあたり、使用者によって押された便器洗浄スイッチの種類が大洗浄であったか、それとも小洗浄であったかによってフローが分かれる(ステップS4)。
ステップS4において大洗浄であった場合、つまり使用者によって押された便器洗浄スイッチの種類が大洗浄であった場合、貯水タンク20内の水位が大洗浄時の死水水位に到達するまで貯水タンク20からジェット吐水口16への洗浄水の供給を行なった後に、ジェット吐水を停止する(ステップS5,6,10)。
具体的にいうと、コントローラ62は、貯水タンク20内の下方フロートスイッチ64bがオンに切り替わったか否かを判断する(ステップS5)。ステップS5において、下方フロートスイッチ64bがオンに切り替わっていないと判断した場合、コントローラ62は、ジェット吐水を開始してから所定時間T2が経過したか否かを判断する(ステップS6)。このステップS6は、下方フロートスイッチ64bが故障していてオンに切り替わらなかった場合の安全タイマーである。ステップS6において、ジェット吐水を開始してから所定時間T2が経過したと判断した場合、もしくは、ステップS5において、下方フロートスイッチ64bがオンに切り替わったと判断した場合、ジェット吐水を停止する(ステップS10)。すなわち、コントローラ62は、加圧ポンプ22を停止させて貯水タンク20からのジェット側給水路46を介したジェット吐水口16への洗浄水の供給を停止させる。
なお、本実施形態においては、ステップS5において下方フロートスイッチ64bがオンに切り替わったときにジェット吐水を停止する(ステップS20)こととしたが、本発明はこれに限らず、貯水タンク20からジェット吐水口16への洗浄水の供給量や下方フロートスイッチ64bが設けられる位置に応じて、ステップS5において下方フロートスイッチ64bがオンに切り替わってから所定時間が経過したときにジェット吐水を停止させてもよい。
ステップS4において小洗浄であった場合、つまり使用者によって押された便器洗浄スイッチの種類が小洗浄であった場合、貯水タンク20内の水位が小洗浄時の死水水位に到達するまで貯水タンク20からジェット吐水口16への洗浄水の供給を行なった後に、ジェット吐水を停止する(ステップS7〜10)。
具体的にいうと、コントローラ62は、貯水タンク20内の上方フロートスイッチ64aがオフに切り替わったか否かを判断する(ステップS7)。ステップS7において、上方フロートスイッチ64aがオフに切り替わったと判断した場合、上方フロートスイッチ64aがオフに切り替わってから所定時間T3が経過した後にジェット吐水を停止する(ステップS8,10)。ステップS7において、上方フロートスイッチ64aがオフに切り替わっていないと判断した場合、コントローラ62は、ジェット吐水を開始してから所定時間T4が経過したか否かを判断する(ステップS9)。このステップS9は、上方フロートスイッチ64aが故障していてオフに切り替わらなかった場合の安全タイマーである。ステップS9において、ジェット吐水を開始してから所定時間T4が経過した場合、ステップS10へと進み、ジェット吐水を停止する。
ステップS10においてジェット吐水を停止してから所定時間T5が経過した後、リム吐水口18からのリム吐水を停止して、貯水タンク20へ洗浄水を供給するタンク給水を開始する(ステップS11〜13)。つまり、ジェット吐水を停止してから所定時間T5が経過したとき、コントローラ62は、給水路切替弁36を切り替え制御して、全洗浄水をリム側に供給する状態(リム100%)から全洗浄水をタンク側に供給する状態(タンク100%)に切り替えてタンク給水を開始する。
その後、貯水タンク20内が満水になるまでタンク給水を行い、貯水タンク20内が満水になったときにタンク給水を停止する(ステップS14,15)。
次に、本実施形態における水洗大便器の作用効果を説明する。
本実施形態において、水洗大便器1のコントローラ62は、大洗浄時においては便器洗浄を開始してから下方フロートスイッチ64bがオンに切り替わったときに、貯水タンク20から便器本体2への洗浄水の供給を停止し、小洗浄時においては便器洗浄を開始してから上方フロートスイッチ64aがオフに切り替わり、その後所定時間T3が経過した後に貯水タンク20から便器本体2への洗浄水の供給を停止する。これにより、大洗浄時において水位検出手段(下方フロートスイッチ64b)の検出に基づいて貯水タンク20から便器本体2への洗浄水の供給を制御するだけでなく、小洗浄時においても、便器洗浄開始から停止まで全てタイマー制御によって貯水タンク20から便器本体2への洗浄水の供給を制御するのではなく、便器洗浄開始から上方フロートスイッチ64aがオフに切り替わるまでは水位検出手段(上方フロートスイッチ64a)による検出を用いて貯水タンク20から便器本体2への洗浄水の供給を制御しているため、貯水タンク20から便器本体2への洗浄水の供給量のバラつきを抑制することができる。
次に、本発明の第2実施形態による水洗大便器の動作フローについて説明する。図5は、本発明の第1実施形態による水洗大便器を示す全体構成図である。
本発明の第2実施形態による水洗大便器100は、貯水タンク20内の水位に関する構成以外は、上述した第1実施形態と同様である。したがって、ここでは、本実施形態の第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の点については説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態においては、下方フロートスイッチ64bが小洗浄時における貯水タンク20内の死水水位WDL102よりも上方となるように構成される。これにより、小洗浄時においてコントローラ62は、貯水タンク20からジェット吐水口16への洗浄水の供給が開始してから貯水タンク20内の水位が水位L13まで下降したときに、下方フロートスイッチ64bがオンに切り替わることでコントローラ62は加圧ポンプ22の作動を停止し、貯水タンク20からジェット吐水口16への洗浄水の供給が停止される。最終的に、貯水タンク20内の水位は、死水水位WDL102まで下降する。
なお、大洗浄時においては、貯水タンク20からジェット吐水口16への洗浄水の供給が開始してから貯水タンク20内の水位が水位L13まで下降したときに、下方フロートスイッチ64bがオンに切り替わってからコントローラ62はタイマー制御へと切り替え、下方フロートスイッチ64bがオフに切り替わってから所定時間が経過した後にコントローラ62は加圧ポンプ22の作動を停止し、貯水タンク20からジェット吐水口16への洗浄水の供給が停止される。最終的に、貯水タンク20内の水位は、死水水位WDL101まで下降する。
このように、本発明の第2実施形態による水洗大便器100においては、大洗浄および小洗浄のいずれにおいても下方フロートスイッチ64bがオンに切り替わる水位L3までは下方フロートスイッチ64bによる検出に基づいて貯水タンク20内の水位の検出を行なうことで、貯水タンク20から便器本体2への洗浄水の供給量のバラつきを抑制することができる。
以上、本願の開示する技術の実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態においては、貯水タンク20内の洗浄水をジェット側給水路46を介してジェット吐水口16へ供給することとしたが、本発明はこれに限らず、貯水タンク20内の洗浄水をリム吐水口18へ供給するような構成としてもよい。
前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1 水洗大便器
2 便器本体
4 便座
6 カバー
8 局部洗浄装置
10 機能部
11 サイドパネル
12 ボウル部
14 排水トラップ管路
14a 入口部
14b トラップ上昇管
14c トラップ下降管
14d 頂部
15 排水管
16 ジェット吐水口
18 リム吐水口
20 貯水タンク
22 加圧ポンプ
24 給水路
26 止水栓
28 ストレーナ
30 分岐金具
32 定流量弁
34 電磁開閉弁
36 給水路切替弁
37 バルブユニット(給水手段)
38 リム側給水路
40 タンク側給水路
42 バキュームブレーカ
43 逆止弁
44 逆止弁
46 ジェット側給水路
46a 上流ジェット側給水路
46b 下流ジェット側給水路
48 リム吐水用バキュームブレーカ
50 戻り管路
56 ジェット吐水用フラッパー弁
58 水抜栓
60 水受けトレイ
62 コントローラ(制御手段)
64a 上方フロートスイッチ(上方水位検出手段)
64b 下方フロートスイッチ(下方水位検出手段)
70 オーバーフロー流路
70a 開口
70b 他端
A 溜水面

Claims (2)

  1. 便器本体と、
    前記便器本体に供給する洗浄水を貯水する貯水タンクと、
    前記貯水タンク内の洗浄水を前記便器本体に供給する洗浄水供給手段と、
    前記貯水タンク内における止水水位よりも下方に設けられ前記貯水タンク内に洗浄水が供給されるときの前記貯水タンク内の水位を検出する上方水位検出手段と、前記貯水タンク内における前記上方水位検出手段よりも下方に設けられ前記貯水タンクから前記便器本体に洗浄水が供給されるときの前記貯水タンク内の水位を検出する下方水位検出手段と、
    を有する水位検出手段と、
    使用者による大洗浄もしくは小洗浄の選択に応じて、前記洗浄水供給手段を制御して前記貯水タンクから前記便器本体へ供給される洗浄水の総水量を調整する制御手段と、
    を備えた水洗大便器であって、
    前記制御手段は、前記大洗浄時および前記小洗浄時において、前記水位検出手段による検出に基づいて前記洗浄水供給手段を制御し、前記小洗浄時において、前記上方水位検出手段が前記貯水タンク内の水位の下降を検出してから所定時間経過した後に、前記貯水タンクから前記便器本体への洗浄水の供給を停止させる水洗大便器。
  2. 便器本体と、
    前記便器本体に供給する洗浄水を貯水する貯水タンクと、
    前記貯水タンク内の洗浄水を前記便器本体に供給する洗浄水供給手段と、
    前記貯水タンク内における止水水位よりも下方に設けられ前記貯水タンク内に洗浄水が供給されるときの前記貯水タンク内の水位を検出する上方水位検出手段と、前記貯水タンク内における前記上方水位検出手段よりも下方に設けられ前記貯水タンクから前記便器本体に洗浄水が供給されるときの前記貯水タンク内の水位を検出する下方水位検出手段と、
    を有する水位検出手段と、
    使用者による大洗浄もしくは小洗浄の選択に応じて、前記洗浄水供給手段を制御して前記貯水タンクから前記便器本体へ供給される洗浄水の総水量を調整する制御手段と、
    を備えた水洗大便器であって、
    前記制御手段は、前記大洗浄時および前記小洗浄時において、前記水位検出手段による検出に基づいて前記洗浄水供給手段を制御し、
    前記下方水位検出手段は、前記小洗浄時における前記貯水タンク内の死水水位よりも上方に設けられ、
    前記制御手段は、前記小洗浄時において、前記下方水位検出手段が前記貯水タンク内の水位の下降を検出したときに、前記貯水タンクから前記便器本体への洗浄水の供給を停止させる水洗大便器。
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