JP6949975B2 - 磁気的に結合されたシールレス遠心ポンプ - Google Patents

Description

本発明の分野は、磁気的に係合されるポンプである。

開／半開インペラを利用するポンプは、ポンプケースに対して軸方向にインペラを調整する手段を必要とする。インペラおよびケースが経時的に摩耗するにつれて、インペラとケースとの間のクリアランスが広がる。これは、性能を低下させ、ポンプ効率が低下し、生成されるポンプ圧が低下し得る。インペラは、その後、ポンプの外部設備を用いて、各メンテナンスサイクルの間にケースから適切なクリアランスに設定され、これによりポンプが運転中止とされることを必要としない。外部で調整可能であるロータを有するという概念は、通常の封止されたポンプにとって業界標準である。封止されたポンプにおける軸方向の調整に付随する機構は、一般的に、動力フレームに位置する。これは、インペラがシャフト等を通して（動力フレームにおける）ボールベアリングに機械的に接続されるため、封止されたポンプで可能である。

他の構成が一般に用いられている。流された処理流体は、ベアリング表面の潤滑のために頻繁に用いられる。磁気的に結合されたシールレスポンプでは、ベアリング表面および磁気結合の内側磁石は従来濡れている一方、外側磁石は大気中にある。このような配置は、多数の要素上のベアリングおよび磁石の取付部を必要とする。

ラブリングは、一般に、壊滅的なベアリング故障の際の偏心回転を抑制するために構成部品とともに用いられる。このような回転は、封止キャニスタにダメージを与える場合がある。壊滅的な構成部品の故障から作業者を保護するために、プレートも用いられる。しばしば、これらのおよび他の詳細部を配置することにおける部品の複雑性は、通常インペラシャフトを含む、駆動ロータアセンブリの同心的に外側にあるポンプ駆動によって磁気的に結合されるポンプにおいて述べられる。

本発明は、ポンプケースと、インペラと、スタフィングボックスと、インペラロータと駆動部との間の磁気結合とを含む、磁気的に駆動される遠心ポンプに関する。キャニスタが、磁気結合を通って延在してインペラロータ側とポンプの駆動部側との間のバリアを形成する。

本発明の別個の第１の局面では、スタフィングボックスは、ポンプケースに固定されるスタフィングボックスアウターと、インペラ回転軸を中心としてスタフィングボックスアウターにねじ係合されるスタフィングボックスインナーとを含む。インペラロータは、スタフィングボックスインナーに対して軸方向に固定される。スタフィングボックスアウターに対するスタフィングボックスインナーの回転は、その後、ポンプケースにおけるインペラクリアランスを調整し得る。

本発明の別個の第２の局面では、ロータとスタフィングボックスインナーとの間に環状ロータブッシュがあり、インペラハブとスタフィングボックスインナーとの間に環状インペラブッシュがあり、スタフィングボックスインナーとロータとの間に２つの対向するスラストブッシュがある。すべてが駆動部の外側に設置され得る。この一般的なアクセスは、スタフィングボックスを単純化し、サービスのしやすさを促進する。

本発明の別個の第３の局面では、駆動部が、ポンプケースに対して固定され、駆動出力を含む。ラブリングが、スタフィングボックスに設置され、駆動出力を周方向に取り囲むように内側に延在してキャニスタを保護する。ラブリングは、スタフィングボックスの周囲から内側に延在することによって、駆動出力の周りでスタフィングボックスの端部を閉鎖する。

本発明の別個の第４の局面では、処理流体シャントが、順次、環状インペラブッシュ、スラストブッシュの第１のもの、環状ロータブッシュ、スラストブッシュの第２のもの、およびキャニスタの外側の磁気結合を通って延在する。配置は、さらに構成部品の単純化を提供する。

先述の別個の局面は、互いに組み合わされて用いられるべきであるとも解釈される。したがって、改良された磁気的に結合された遠心ポンプを提供することが、本発明の目的である。他のおよびさらなる目的ならびに利点は、以下に現れる。

インペラ回転軸を通る磁気的に駆動される遠心ポンプの断面立面図である。 図１に示されるスタフィングボックスの断面詳細図である。 図２のスタフィングボックスにおける磁石およびブッシュの詳細図である。 インペラ回転軸を通る磁気的に駆動される遠心ポンプの第２の実施形態の断面立面図である。 図４に示されるスタフィングボックスの断面詳細図である。 図５のスタフィングボックスにおける磁石およびブッシュの詳細図である。

図面について詳細に見ると、図は、各々、インペラ回転アクセス１０を通る部分の表面を示す。それぞれボリュートおよび取付部のために非対称であるポンプケースおよびポンプハウジングを除けば、主要な構成部品は、インペラ回転軸を中心として実質的に対称的である。第１の実施形態（図１〜図３）は、インペラのための支持構成によって、第２の実施形態（図４〜図６）と異なる。両実施形態において、ブッシュは、回転可能なインペラをしっかりと支持するために、インペラのハブの周りにある。

インペラキャビティおよびボリュートを規定するポンプケース１２は、さらにハウジング構造１３によって規定される。ポンプケース１２は、オープンベーンインペラ１４を取り囲む一方、ハウジング構造１３はスタフィングボックス１６を覆うように延在する。インペラ１４は、インペラ１４の羽根から離れるように延在するインペラハブ１５を含む。ポンプケース１２およびハウジング構造１３は、従来、ボルトで組み立てられる。ハウジング構造１３は、この例では外周の周りに穴を有する開放配置を有するように示される。

スタフィングボックス１６は、ポンプケース１２に係合する外側フランジ１９を有するカラーであり、かつハウジング構造１３によって所定位置に保持される、スタフィングボックスアウター１８を含む。スタフィングボックス１６は、ねじ係合２２でスタフィングボックスアウター１８に係合されるスタフィングボックスインナー２０をさらに含む。ねじ係合２２は、スタフィングボックスインナー２０が、スタフィングボックスアウター１８に対して回転されて、スタフィングボックスアウター１８、および同様にポンプケース１２に対するスタフィングボックスインナー２０の軸方向移転を可能にすることをもたらす。スタフィングボックスインナー２０の所望の軸方向位置が達成された後、スタフィングボックスインナーの回転位置は、ねじ摩擦または外部の止めねじのいずれかによって保持され得る。スタフィングボックスインナー２０は、円筒としてのねじ係合２２からスタフィングボックスインナー取外し可能キャップ２４まで延在する。スタフィングボックスインナー取外し可能キャップ２４は、固定具によって所定位置に保持される。

ロータ２６は、スタフィングボックスインナー２０内に規定される環状キャビティ内に位置する。ロータ２６は、また、前壁を有する円筒形である。円筒形前壁上に固定される取付ハブ２７は、インペラ１４がロータ２６に取外し可能に固定されるように、インペラハブ１５をねじ係合する。ロータ２６が以下に説明されるスラストブッシュとともに環状キャビティの中に位置することによって、ロータ２６は、スタフィングボックスインナー２０とともにスタフィングボックスアウター１８に対して軸方向に移動する。スタフィングボックスアウター１８がポンプケース１２に係合し、ロータ２６が取付ハブ２７によってインペラハブ１５に係合することによって、スタフィングボックスアウター１８に対するスタフィングボックスインナー２０の軸方向の調節は、インペラ１４とポンプケース１２との間に適切なクリアランスを形成するように用いられる。

ロータ２６の内側に、駆動部２８が配置される。駆動部２８は、トルク伝達のためにモータ（図示せず）と結合される駆動シャフトを受容するための係合を有する円筒形部である、駆動出力２９を含む。駆動部は、モータからの回転動力を伝達するように示されるベアリングとともに従来シャフトが配置される駆動シャフト動力フレーム３０をさらに含む。ハウジングは、従来、ボルトによってハウジング構造１３に結合される。

駆動部２８からのロータ２６への動力は、磁気結合３１を通して伝達される。磁気結合３１は、駆動部２８と関連する駆動用磁石３２およびロータ２６と関連する駆動される磁石３４を慣習的に含む。キャニスタ３６が、磁気結合を通って延在する。キャニスタ３６は、スタフィングボックスインナー取外し可能キャップ２４と一体的に形成される。スタフィングボックスインナー取外し可能キャップ２４および関連するキャニスタ３６は、スタフィングボックスインナー２０の端部で固定具によって保持される。したがって、キャニスタ３６は、ロータ２６または駆動部２８のいずれかによって回転しないが、インペラ１４が軸方向に調整されない限りポンプに固定されたままとなる。キャニスタ３６は、ポンプ処理流体からの圧力負荷下でキャニスタ３６の歪みをより少なくする凹状端部を含む。

好ましい実施形態では、スタフィングボックス１６内の回転する構成部品はブッシュを通して設置される。これらの実施形態で用いられるブッシュは、各々、スタフィングボックスインナー２０と関連する静止ブッシュと、各々ロータ／インペラアセンブリ２６／１４と関連する動的ブッシュとを有する、ブッシュ対である。これらの構成部品は、従来の方法によって所定位置に保持される。スタフィングボックスインナー２０とロータ２６との間には、環状ロータブッシュ３８が位置する。スタフィングボックスインナー２０とインペラハブ１５との間には、環状インペラブッシュ４０がある。図１〜図３に示されるような第１の実施形態では、取付ハブ２７は、外側リング４１を含む。環状インペラブッシュ４０は、取付ハブ２７に係合される。したがって、この配置は、すべてのブッシュのロータ２６との係合を可能にする。同時に、環状インペラブッシュ４０は、スタフィングボックスインナー２０とインペラハブ１５との間に留まって、インペラ１４をしっかりと取り付ける。第２の実施形態では、図４〜図６に見られるように、ブッシュ４０は、インペラハブ１５の端部に直接係合する。いずれかの配置によって、ロータ２６は、環状ロータブッシュ３８および環状インペラブッシュ４０によってスタフィングボックスインナー２０内に回転可能に設置される。

スタフィングボックスインナー取外し可能キャップ２４とロータ２６との間には、前方スラストブッシュ４２が配置される。スタフィングボックス壁２５とロータ２６との間には、後方スラストブッシュ４４が位置する。したがって、スラストブッシュ４２，４４は、スタフィングボックスインナー２０内に軸方向に固定されるロータ２６を保持する。また、すべての環状のスラストブッシュは、慣習的にポンプ内に配置される。

処理流体シャント４６は、ロータの周りに配置されるブッシュを滑りやすくする。シャント入口４８は、インペラハブ１５の外側に位置して環状インペラブッシュ４０を通って延在する。ロータ２６とスタフィングボックス壁２５との間の隙間は、後方スラストブッシュ４４を通して処理流体を方向付ける。その後、スタフィングボックスインナー２０とロータ２６との間の環状隙間は、流された処理流体が環状ロータブッシュ３８までおよび環状ロータブッシュ３８を通って移動することを可能にする。その後、スタフィングボックスインナー取外し可能キャップ２４に規定される環状ロータブッシュ３８に隣接する環状キャビティは、前方スラストブッシュ４２を通して流された処理流体を方向付ける。その後、流された処理流体は、濡れた磁石３４、その後インペラ回転アクセス１０に沿ってシャントリターン５０まで通過するキャニスタ３６の周りに解放される。シャント入口４８は、インペラ回転アクセス１０に沿って位置するシャントリターン５０のオープンベーンインペラ１４上に外側に位置する。したがって、インペラ１４の回転は、流された処理流体の循環を駆動することを可能にする。

ラブリング５２は、駆動部２８に向かって内側に延在することによって、スタフィングボックスインナー２０の駆動端部を閉鎖する。スタフィングボックスインナー２０を閉鎖することに加えて、ラブリング５２は、駆動部２８上に位置する外周リング５４と関連する。リング５４の最大圧縮変形は、キャニスタ３６と磁石アセンブリ３２，３４のいずれかとの間の隙間よりも小さい。これは、ベアリングのいずれかの壊滅的な故障によるキャニスタ３６へのダメージを防止する。

Claims (5)

1. インペラ回転軸（１０）を有する、磁気的に駆動される遠心ポンプであって、
   ポンプケース（１２）と、
   前記インペラ回転軸（１０）を中心として回転可能に設置される前記ポンプケース（１２）におけるインペラハブ（１５）を含む、オープンベーンインペラ（１４）と、
   前記ポンプケース（１２）に対して固定されるスタフィングボックスアウター（１８）および前記インペラ回転軸（１０）を中心として前記インペラ回転軸（１０）の周りに延びるねじ構造によって前記スタフィングボックスアウター（１８）にねじ係合されるスタフィングボックスインナー（２０）を含む、スタフィングボックス（１６）と、
   軸方向に固定され、前記スタフィングボックスインナー（２０）の中で前記インペラ回転軸（１０）を中心として回転可能に設置される、ロータ（２６）と、を備え、前記インペラ（１４）は、前記ロータ（２６）とともに回転するように固定されており、前記磁気的に駆動される遠心ポンプはさらに、
   前記ポンプケース（１２）に対する軸方向の相対位置が固定された駆動部（２８）であって、前記インペラ回転軸（１０）を中心として回転可能に設置される駆動出力（２９）を含み、前記駆動出力（２９）が前記スタフィングボックス（１６）の中に位置するように延在する、駆動部（２８）と、
   前記ロータ（２６）と前記駆動出力（２９）との間の、磁気結合（３１）と、
   前記スタフィングボックス（１６）に固定され、前記磁気結合（３１）を通って延在して前記ロータ（２６）を前記駆動部（２８）から隔離する、キャニスタ（３６）と、を備える、磁気的に駆動される遠心ポンプ。
2. 前記ロータ（２６）と前記スタフィングボックスインナー（２０）との間の、環状ロータブッシュ（３８）と、
   前記インペラハブ（１５）と前記スタフィングボックスインナー（２０）との間の、環状インペラブッシュ（４０）と、
   ２つの対向するスラストブッシュ（４２，４４）と、をさらに備え、前記対向するスラストブッシュの第１のもの（４４）は、前記スタフィングボックスインナー（２０）と前記ロータ（２６）との間にあり、かつ前記スタフィングボックスインナー（２０）および前記ロータ（２６）の両方に当接する、請求項１に記載の磁気的に駆動される遠心ポンプ。
3. 前記スタフィングボックスインナー（２０）は、前記スタフィングボックスインナーから取外し可能な取外し可能キャップ（２４）を含み、２つの前記スラストブッシュの第２のもの（４２）は、前記取外し可能キャップ（２４）と前記ロータ（２６）との間にある、請求項２に記載の磁気的に駆動される遠心ポンプ。
4. 前記環状インペラブッシュ（４０）は、前記インペラハブ（１５）に係合する、請求項２に記載の磁気的に駆動される遠心ポンプ。
5. 前記スタフィングボックス（１６）に設置され、内側に延在して前記駆動出力（２９）を周方向に取り囲む、ラブリング（５２）をさらに備え、前記駆動出力（２９）は、外周リング（５４）を含み、前記ラブリング（５２）は、前記外周リング（５４）に向かって延在しており、前記外周リング（５４）は、最大圧縮変形を有し、前記キャニスタ（３６）は、前記最大圧縮変形よりも大きい距離で前記駆動出力（２９）から径方向に離間されている、請求項１に記載の磁気的に駆動される遠心ポンプ。

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