JP6949741B2 - 蒸気加減弁及び蒸気加減弁の組み付け方法 - Google Patents
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すなわち、本発明の一態様に係る蒸気加減弁は、軸部と弁部とを有する弁棒と、前記軸部を摺動可能に保持し、前記軸部が摺動する摺動面側に開口を有するとともに、前記軸部の半径方向に空間を形成するポケット部が設けられたブッシュと、前記ポケット部の前記半径方向の周壁部に形成され、前記ブッシュの外部に通じている蒸気出口とを備え、前記軸部と前記摺動面との隙間から前記ポケット部に流入した蒸気の少なくとも一部が、前記蒸気出口が形成された前記周壁部に向かうように偏向される偏向構造を備えることを特徴とする。
なお上方、下方とは図の紙面に対するものであり、本発明に係る蒸気加減弁の長手軸方向の設置向きは、鉛直上下方向でも水平方向でも斜め方向でも良く、鉛直上方、鉛直下方を限定するものではない。
以下、本発明に係る第1実施形態について図1乃至4を用いて説明する。
まず、図1を用いて、本発明に係る蒸気加減弁が採用されて好適な火力プラントの系統図の例について説明する。
図1に示す火力プラントは、例えば蒸気を生成するボイラ70、蒸気の熱エネルギを回転エネルギに変換する複数の発電用蒸気タービン72,74,76、発電用蒸気タービン72,74,76から排出された蒸気を冷却し復水させる復水器78、復水器78内の水をボイラ70に供給する給水ポンプ80、給水ポンプ80を駆動するポンプ用蒸気タービン82を備える。
本実施形態に係る蒸気加減弁10は、前述した高圧蒸気加減弁10に採用されて好適な蒸気加減弁である。以下、各実施形態において、高圧蒸気加減弁10を単に「蒸気加減弁10」と言う。
なお、溝テーパ部14Aの紙面下端の位置とポケット部24の紙面下端の位置とが対応しているとは、位置の厳密な一致を示すものではなく、溝テーパ部14Aの紙面下端の位置が、ポケット部24の紙面下端の位置に対して、ポケット部24の軸部12Aの軸方向長さの±20%以内にある、更に好ましくは±10%以内にあることを示している。これは、温度分布による熱伸び差等を考慮したものである。また、湾曲部14Bの紙面上端の延長線と蒸気出口26の中心位置との対応についても同様である。
図2に示す上流側蒸気流路44は、高温高圧の蒸気で満たされている。弁棒12は、油圧機構(図示せず)によって紙面上下方向に動作可能とされ、弁部12Bと弁座42との隙間を調整することで、上流側蒸気流路44から下流側蒸気流路46へと流れ込む蒸気の流量を調整している。図2に示すように、蒸気加減弁10が閉状態となり、弁部12Bと弁座42とが隙間なく当接している場合、上流側蒸気流路44内の蒸気は下流側蒸気流路46に流入しない。このとき、上流側蒸気流路44内の高圧の蒸気の一部が、ブッシュ20,21の摺動面22と軸部12Aとの隙間(例えば、直径隙間にして0.1〜0.2mm程度)を流通して、上流側蒸気流路44側からポケット部24側に向かって漏出する。この漏出した蒸気を「ステムリーク蒸気」と言う。各図において、ステムリーク蒸気の流れを実線矢印で示す。なお、実線矢印で示したステムリーク蒸気の流れは、全てのステムリーク蒸気の流れを示しているものではない。実線矢印で示したステムリーク蒸気の流れ以外にも、ステムリーク蒸気の流れが形成されていることは言うまでもない。
軸部12Aの周囲には、溝テーパ部14Aと湾曲部14Bとを備えることで軸径が一部細くなるくびれ状の偏向溝14を備えることとした。これによれば、ブッシュ20,21の摺動面22と軸部12Aとの隙間を流れてポケット部24に流入したステムリーク蒸気の少なくとも一部は、偏向溝14に沿った流れを形成する。偏向溝14の紙面上端(ステムリーク蒸気の流れ下流側の端部)、即ち、湾曲部14Bの紙面上端を、ブッシュ20に設けられたポケット部24の周壁部24Aに向けて形成することで、偏向溝14に沿って流れるステムリーク蒸気の少なくとも一部を、蒸気出口26が形成された周壁部24Aへと導き、蒸気出口26を介して系外に排出することができる。結果として、ブッシュ20,21の摺動面22と軸部12Aとの隙間を流れてポケット部24に流入したステムリーク蒸気の少なくとも一部は、蒸気出口26が形成された周壁部24Aに向かって流れ、蒸気出口26を介して系外に排出される。図4に示すように、軸部12Aに偏向溝14等の偏向構造が設けられていない場合、ステムリーク蒸気の流れの少なくとも一部には、そのままポケット24部の紙面上側の隙間につながるポケット部24の壁部に衝突するものがある。これよって、ステムリーク蒸気が衝突した部分において、動圧が静圧に変換されて部分的な圧力上昇を生じる虞がある。部分的な圧力上昇が生じた場合、ステムリーク蒸気の一部が蒸気出口26から十分に排出されず、予定した蒸気出口26以外からブッシュ20の外部や蒸気加減弁10の系外に漏出する虞がある。図3に示すように、偏向溝14によってステムリーク蒸気の少なくとも一部を、蒸気出口26が形成された周壁部24Aに導くことができれば、ポケット24部の紙面上側の隙間につながるポケット部24の壁部への、ステムリーク蒸気の衝突を防止でき、結果として、部分的な圧力上昇を抑制することができる。したがって、予定した蒸気出口26以外からブッシュ20の外部や蒸気加減弁10の系外にステムリーク蒸気が漏出することを防ぐことができる。
もし、溝テーパ部14Aの紙面下端の位置が、ポケット部24の紙面下端の位置より過度に高い位置にある場合、ポケット部24の紙面下側の壁面に沿った渦が形成され、ステムリーク蒸気の偏向溝14に沿った流れの形成を妨げる。また、溝テーパ部14Aの紙面下端の位置が、ポケット部24の紙面下端の位置より過度に低い位置にある場合、本来形成されるべき渦(図3に示す右回りの渦)が形成されにくくなり、ステムリーク蒸気の偏向溝14に沿った流れの形成を妨げる。
次に、本発明に係る第2実施形態について図5を用いて説明する。
本実施形態は、上述した第1実施形態に対して、軸側ブッシュ20’の形態が異なり、その他の点については同様である。したがって、第1実施形態と異なる点についてのみ説明し、その他は同一の符号を用いてその説明を省略する。
ブッシュ20,21の摺動面22と軸部12Aとの隙間を流れてポケット部24’に流入したステムリーク蒸気の一部は、ブッシュテーパ部28に沿った流れも形成する。これにより、ブッシュテーパ部28によってもステムリーク蒸気の一部を蒸気出口26が形成された周壁部24A’へと導くことができる。したがって、ステムリーク蒸気の一部が予定した蒸気出口26以外からブッシュ20の外部や蒸気加減弁10の系外に漏出することを更に防ぐことができる。
また、ブッシュテーパ部28’によって、ステムリーク蒸気の流れの一部が、そのままポケット部24’の紙面上側の隙間につながるポケット部24’の壁部に衝突する場合があっても、壁部がブッシュテーパ部28’となっているので、テーパ状の傾斜により、ステムリーク蒸気の衝突が少なくなり動圧が静圧に変換されて部分的な圧力上昇も少なくなるので、ステムリーク蒸気の一部が予定した蒸気出口26以外からブッシュ20の外部や蒸気加減弁10の系外に漏出することを更に防ぐことができる。
12 弁棒
12A 軸部
12B 弁部
14 偏向溝(偏向構造)
14A 溝テーパ部
14B 湾曲部
20,20’ 軸側ブッシュ(ブッシュ)
21 弁側ブッシュ(ブッシュ)
22 摺動面
24,24’ ポケット部
24A,24A’ 周壁部
26 蒸気出口
28,28’ ブッシュテーパ部(偏向構造)
40 弁ケーシング
42 弁座
44 上流側蒸気流路
46 下流側蒸気流路
48 排出ポケット部
50 排出流路
Claims (6)
- 軸部と弁部とを有する弁棒と、
前記軸部を摺動可能に保持し、前記軸部が摺動する摺動面側に開口を有するとともに、前記軸部の半径方向に空間を形成するポケット部が設けられたブッシュと、
前記ポケット部の前記半径方向の周壁部に形成され、前記ブッシュの外部に通じている蒸気出口と、
前記軸部と前記摺動面との隙間から前記ポケット部に流入した蒸気の少なくとも一部が、前記蒸気出口が形成された前記周壁部に向かうように偏向される偏向構造と、
を備え、
前記偏向構造は、前記軸部の周囲に形成されたくびれ状の偏向溝を有し、
該偏向溝は、前記蒸気の流れ方向における下流側の端部の延長線が、前記周壁部に向けられていることを特徴とする蒸気加減弁。 - 前記偏向溝は、テーパ形状の溝テーパ部と、該溝テーパ部の前記蒸気の流れの下流側に設けられた湾曲形状の湾曲部と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の蒸気加減弁。
- 前記弁棒が閉状態の位置にあるとき、前記軸部の前記偏向溝は、前記蒸気の流れの上流側の端部の位置が、前記ポケット部の前記蒸気の流れの上流側の端部の位置に対応することを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸気加減弁。
- 前記弁棒が閉状態の位置にあるとき、前記軸部の前記偏向溝は、前記蒸気の流れの下流側の端部の延長線が、前記ポケット部に設けられている前記蒸気出口の中心位置に対応する位置の前記周壁部に向けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の蒸気加減弁。
- 前記偏向構造は、前記ポケット部の前記蒸気の流れの上流側の端部から前記周壁部側へと向かうブッシュテーパ部を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の蒸気加減弁。
- 軸部と弁部とを有する弁棒と、
前記軸部を摺動可能に保持し、前記軸部が摺動する摺動面側に開口を有するとともに、前記軸部の半径方向に空間を形成するポケット部が設けられているブッシュと、
前記ポケット部の前記半径方向の周壁部に形成され、前記ブッシュの外部に通じている蒸気出口と、を備え、
前記軸部と前記摺動面との隙間から前記ポケット部に流入した蒸気の少なくとも一部が、前記蒸気出口が形成された前記周壁部に向かうように偏向される前記軸部に設けられた偏向溝を備えることを特徴とする蒸気加減弁の組み付け方法であって、
前記蒸気による熱伸びを考慮して、前記弁部が閉状態の位置にあるときに、前記偏向溝の前記蒸気の流れの上流側の端部の位置が、前記ポケット部の前記蒸気の流れの上流側の端部の位置に対応し、前記偏向溝の前記蒸気の流れの下流側の端部の延長線が、前記蒸気出口の中心位置に対応する位置の前記周壁部に向くように組み付けることを特徴とする蒸気加減弁の組み付け方法。
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