JP4004680B2 - 蒸気タービン設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電プラント等で使用される蒸気タービン設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
火力発電プラントの蒸気条件の高温・高圧化は、その効率向上に寄与する非常に重要かつ基本的な要因である。1960年代後半に24.1MPa、538/566℃の一段再熱の蒸気条件がわが国の事業用火力タービンの標準的なものとして確立されてからは、最近に至るまで画期的な進展はみられていなかった。しかし、オイルショック以来、省エネルギー化が強力に推進され、その後の地球温暖化問題に対する急速な関心の高まりから火力発電プラントの高効率化が押し進められている。
【0003】
発電効率を上げるためには、蒸気タービンの蒸気温度を上げるのが最も有効である。従来の蒸気タービン設備の蒸気条件は600℃級以下の蒸気温度であり、さらなる高温化を従来の材料のままで行うことは困難である。現在、600℃級以上の蒸気温度を持つ蒸気タービン設備には、オーステナイト系材料を使用することになるが、このオーステナイト系材料は、高価であり大型のものを製作することが困難とされている。
【0004】
そこで、650℃以上の蒸気を使用する超々高圧高温タービン(SPタービン)を従来の蒸気タービン設備に加えた蒸気タービン設備が考えられている。これは、SPタービンにのみオーステナイト系材料を用いて650℃以上の蒸気を使用し、他の蒸気タービンは従来から使用されている材料を用いて650℃以下の蒸気温度で運転するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、蒸気タービンのケーシング容積が増大しかつ使用条件も高温化するなか、ロータシャフトの長さおよびシャフト径はますます大型化する傾向にあり、これに伴ってタービンの起動時および低負荷時におけるタービンケーシングとロータの相対的な熱膨張による伸び差が無視できないほど大きくなってきている。特に、SPタービンを従来の蒸気タービン設備に加えた蒸気タービン設備では、熱膨張による伸び差が無視できないほど大きくなることが考えられる。
【0006】
タービンケーシングとロータの相対的な熱膨張による伸び差を減少するものとして、特公昭55-14888号公報に示されるものがある。これは、低圧車室スプレー装置によりシャフトシールを冷却することで伸び差を減少させるものであるが、高圧、中圧における伸び差を減少するものは実用化されていない。
【0007】
一般に、材料は温度が上昇すると熱膨張によって伸びる。特に、蒸気タービンのような使用温度範囲が広く全長が長い場合は熱膨張による伸びは大きい。ロータとケーシングとの間の熱伝達、あるいは熱伝導の違い、材料の違いなどに基づく熱膨張差により伸び差はロータとケーシングの間に発生する。
【0008】
図10は、SPタービンを従来の蒸気タービン設備に加えた蒸気タービン設備の構成図である。SPタービン1a、1bは、従来のタービン設備である超高圧タービン(VHPタービン)2、高圧タービン(HPタービン)3、中圧タービン(IPタービン)4a、4b、低圧タービン(LPタービン)5a、5bのうちのVHPタービン2に連結されている。
【0009】
SPタービン1a、1bはSPケーシング6、VHPタービン2及びHPタービン3はVHP−HPケーシング7、IPタービン4a、4bはIPケーシング8、LPタービン5aはLP−Aケーシング9a、LPタービン5bはLP−Bケーシング9bに収納されている。そして、SPタービン1のSPロータ10はVHPタービン2及びHPタービン3のVHP−HPロータ11と連結され、以下同様に、VHP−HPロータ11はIPロータ12に、IPロータ12はLP−Aロータ13aに、LP−Aロータ13aはLP−Bロータ13bにそれぞれ連結されている。そして、これらロータは第1軸受台14、第2軸受台15、第3軸受台16、第4軸受台17の軸受で保持される。第3軸受台16にはスラスト軸受18が設けられている。
【0010】
また、SPロータ10の伸び差を計測するSP伸び差計24がSPロータ10の先端部に設けられ、LPロータ13の伸び差を計測するLP伸び差計25がLPロータ13に設けられている。
【0011】
次に、これらロータとケーシングとの間の軸方向の伸び差について説明する。LP−Aケーシング9aおよびLP−Bケーシング9bは重量が重いため、LP−A固定点A、LP−B固定点Bによって基礎に固定されている。LP−Aケーシング9a、IPケーシング8、VHP−HPケーシング7、SPケーシング6は繋がっているので、温度上昇とともにLP−A固定点Aから左へケーシングが伸びる。一方、ロータは第3軸受台16にあるスラスト軸受18を起点として、右側にIPロータ12、LP−Aロータ13a、LP−Bロータ13bが伸び、左側にVHP−HPロータ11、SPロータ10が伸びる。
【0012】
図11は、図10におけるタービン設備の伸び差及び軸方向間隙の説明図である。縦軸は伸び差、横軸はロータの軸位置である。また、RLはロータがケーシングより伸びが大きい場合の最大伸び差(ロータロング)、RSはロータの伸びがケーシングより小さい場合の最大伸び差(ロータショート)、SSは定常連続運転時の伸び差(伸び差定格定常値)である。図11に示すように、ロータロングRL、ロータショートRS、定格定常値SSは共に、スラスト軸受18の位置X0を起点として、左右方向に拡大する特性を有している。
【0013】
ここで、各ロータ軸位置での間隙設定値は、その部位でのロータロングRL及びロータショートRSに対して余裕をもって設定される。例えば、ロータ軸位置X1での間隙設定値は、ロータ軸位置X1でのロータロングRLの値A1及びロータショートRSの値A2に、安全上の観点からマージンB1、B2をそれぞれ加算したCL1、CL2と決められる。
【0014】
蒸気タービンにおいて伸び差が及ぼす影響は非常に大きい。例えば、回転部と静止部との隙間から蒸気が漏れることを防ぐラビリンスパッキン(軸封装置)や、回転部と静止部との間隙部に多大の影響を及ぼす。
【0015】
図12は、SPタービン1の概略構成図である。SPタービン1では、SPケーシング6とSPロータ10との間やノズル19とSPロータ10との間に、ラビリンスパッキンが設けられるが、伸び差は、このラビリンスパッキンに影響を与え、また、ノズル19や羽根20が設けられた部位での静止部と回転部との間隙部に影響を与える。
【0016】
図13に示すように、SPケーシング6とSPロータ10との間は、ラビリンスパッキンと呼ばれるパッキンリング21を用いたシール方法で、高温高圧の蒸気が回転部と静止部との隙間からの漏れを防いでいる。パッキンリング21には静止部側フィン22が設けられ、SPロータ10にはロータ側フィン23が設けられている。このシール方法の考え方は、蒸気を迷路のような通路を通すことで漏れ蒸気の速度を殺し、漏れ蒸気流量を減らす。
【0017】
伸び差が大きくなると、図14に示すようにロータ側フィン23と静止部側フィン22が接触しないように、フィン間隙x1、x2を調整し、溝幅xを拡げなくてはならない。溝幅xを広げると蒸気の通路が迷路から直線に近くなるので、蒸気速度は下がらなくなり多くの蒸気が漏れる。漏れを少なくするためにパッキンリング21を増やすと、SPロータ10、SPケーシング6の長さは長くなるだけでなり、伸び差はさらに大きくなりコストも増大する。
【0018】
図15はノズル19や羽根20が設けられた部位での静止部と回転部との間隙部の説明図である。各々の部位での回転部と静止部の間隙CLは、前述したように、ロータロングRLまたはロータショートRSにマージンB1、B2を考慮して決定する。伸び差が大きいと、安全性や信頼性の観点から間隙CLを大きくとる。そうすると、漏れる蒸気量が多くなるので、蒸気タービンの性能低下の大きな原因となる。
【0019】
例えば、図11に示すSPタービン1を追加した蒸気タービン設備は、従来型の蒸気タービン設備に比べてSPタービン1分だけ全長が長くなる。従って、従来型の蒸気タービン設備の伸び差に、SPタービン1の伸び差が加えられることになるので、伸び差はさらに大きくなる。SPタービン1はオーステナイト系材料で製作されることになるが、オーステナイト系材料は熱膨張による伸びが大きい上に使用温度も高いので、SPロータ10とSPケーシング6との間の伸び差は従来の蒸気タービン設備のものより大きくなる。
【0020】
SPタービン1は非常に高い圧力の蒸気を使用するため、伸び差が大きくなることはそれだけ間隙を拡げなければならず、そうすると、多くの蒸気が仕事をすることなく逃げることになるので、大きな性能低下につながる。
【0021】
本発明の目的は、回転部と静止部との伸び差を吸収できる蒸気タービン設備を得ることである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
請求項の発明に係わる蒸気タービン設備は、蒸気温度が650℃以上で駆動される超々高圧高温タービンと、蒸気温度が650℃以下で駆動される超高圧タービン、高圧タービン、中圧タービン、低圧タービンと、前記超高圧タービンの抽気を再熱し前記超々高圧高温タービンに蒸気温度が650℃以上で供給する第1段再熱器と、高圧タービンの抽気を再熱し前記中圧タービンに蒸気温度が650℃以下で供給する第2段再熱器とを備え、前記超々高圧高温タービンは、ノズル、羽根、ロータの材料にNiを35%以上含むNi基合金鋼を使用した蒸気タービン設備において、前記超々高温高圧タービンと前記超高圧タービンとの間に、回転部と静止部との伸び差を減少させる伸び差低減装置を設けたことを特徴とする。
【0025】
請求項の発明に係わる蒸気タービン設備では、ボイラ過熱器や第1段再熱器で得られた蒸気温度が650℃以上の蒸気で駆動される超々高温高圧タービンと蒸気温度が650℃以下で駆動される超高圧タービンとの間に設けられた伸び差低減装置により、回転部と静止部との伸び差を減少させる。
【0026】
請求項の発明に係わる蒸気タービン設備は、請求項の発明において、前記超々高圧高温タービン、超高圧タービン、高圧タービン、中圧タービン、低圧タービンは、一軸で構成されたタンデムコンパウンド型、または前記超々高圧高温タービン、超高圧タービン、高圧タービン、中圧タービンを一軸で構成すると共に前記低圧タービンを別の一軸で構成したクロスコンパウンド型としたことを特徴とする。
【0027】
請求項の発明に係わる蒸気タービン設備では、請求項の発明の作用に加え、タンデムコンパウンド型またはクロスコンバウンド型の超々高温高圧タービンと超高圧タービンとの間に設けられた伸び差低減装置により、回転部と静止部との伸び差を減少させる。
【0032】
請求項の発明に係わる蒸気タービン設備は、請求項1または請求項の発明において、前記伸び差低減装置は、前記超々高圧高温タービンロータと前記超高圧タービンロータとの間に設けられ軸方向変位吸収機構を有する軸継手装置であることを特徴とする。
【0033】
請求項の発明に係わる蒸気タービン設備では、請求項1または請求項の発明の作用に加え、前記超々高圧高温タービンロータと前記超高圧タービンロータとの間に設けられた軸継手装置により、軸方向変位を吸収して回転部と静止部との伸び差を減少させる。
【0034】
請求項の発明に係わる蒸気タービン設備は、請求項1または請求項の発明において、前記伸び差低減装置は、前記超々高圧高温タービンの静止部の位置を変化させる静止部移動装置であることを特徴とする。
【0035】
請求項の発明に係わる蒸気タービン設備では、請求項1または請求項の発明の作用に加え、静止部移動装置により、超々高圧高温タービンの静止部の位置を変化させて回転部と静止部との伸び差を減少させる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わる蒸気タービン設備の構成図である。この第1の実施の形態は、図10に示した蒸気タービン設備に対し、回転部と静止部との伸び差を減少させる伸び差低減装置としての軸継手装置26がSPロータ10とVHP−HPロータ11との間に追加して設けられている。
【0037】
SPタービン1は蒸気温度が650℃以上で駆動され、VHPタービン2、HPタービン3、IPタービン4、LPタービン5は、蒸気温度が650℃以下で駆動される。SPタービン1は、ノズル、羽根、ロータの材料にNiを35%以上含むNi基合金鋼を使用して形成されている。
【0038】
軸継手装置26は軸方向変位を吸収して回転部と静止部との伸び差を減少させる軸方向変位吸収機構を有している。また、第3軸受装置16のスラスト軸受18aに加え、第1軸受装置14にスラスト軸受18bが設けられている。そして、スラスト軸受18bを設けたことに伴い、SP伸び差計24は軸継手装置26側に設け、その軸継手装置26を挟んでVHP伸び差計27が追加して設けられている。
【0039】
図2は軸継手装置26の説明図である。図2に示すように、軸継手装置26はSPロータ10とVHP−HPロータ11との間に設けられ、第1軸受装置14にスラスト軸受18bを起点とする伸び差、及び第3軸受装置16のスラスト軸受18aを起点とする伸び差を吸収する。その他の構成は、図10に示した蒸気タービン設備と同一であるので、同一要素には同一符号を付しその説明は省略する。
【0040】
図3は本発明の第1の実施の形態における蒸気タービン設備での伸び差と軸方向間隙の説明図である。図3に示すように、ロータロングRL、ロータショートRS、定格定常値SSは共に、スラスト軸受18aの位置X0a及びスラスト軸受18bの位置X0bを起点とし、軸継手装置26の位置で不連続となっている。従って、VHPタービン2の伸び差とHPタービン3の伸び差とがSPタービン1の伸び差に全く影響しない。これにより、SPタービン1の伸び差が低く抑えられる。
【0041】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図4は本発明の第2の実施の形態に係わる蒸気タービン設備の構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、回転部と静止部との伸び差を減少させる伸び差低減装置としての静止部移動装置28がSPロータ10とVHP−HPロータ11との間に追加して設けられている。この静止部移動装置28はSPタービン1の静止部の位置を変化させ、回転部と静止部との伸び差を減少させる。
【0042】
第2の実施の形態では、SPタービン1からLP−Aタービン4aまで繋がっていたケーシングを、SPケーシング6だけ繋ぎを開放し独立させる。独立したSPケーシング6は、静止部移動装置28により軸方向に移動可能となっている。静止部移動装置28は、第1の軸受台14を前部軸受台14aと後部軸受台14Bとで構成したものであり、図示省略の油圧やモータなどで軸方向に移動できるようになっている。すなわち、SP伸び差計24及びVHP伸び差計27からの情報を基に、図示省略の油圧やモータなどで軸方向に動かすことによって伸び差を制御する。その他の構成は、図1に示した蒸気タービン設備と同一であるので、同一要素には同一符号を付しその説明は省略する。
【0043】
図5は本発明の第2の実施の形態における蒸気タービン設備での伸び差と軸方向間隙の説明図である。図4では、SP伸び差計24の値を0となるように、静止部移動装置28(前部軸受台14a、後部軸受台14b)によりSPケーシング6を移動制御した場合の伸び差を示す。
【0044】
図5に示すように、ロータロングRL、ロータショートRS、定格定常値SSは、スラスト軸受18の位置X0を起点とし、静止部移動装置28の位置で不連続となっている。従って、SPタービン1の伸び差は第2の実施の形態によるケーシング制御を使用すると、VHPタービン2及びHPタービン3の伸び差がSPタービン1の伸び差に全く影響しない。これにより、SPタービン1の伸び差が低く抑えられる。
【0045】
次に、図6はSPタービン1を独立して設置したタンデムコンパウンド型の2段再熱蒸気タービン設備の構成図であり、このような2段再熱の蒸気タービン設備に対して、回転部と静止部との伸び差を減少させる伸び差低減装置としての軸継手装置26や静止部移動装置28を設けることも可能である。なお、図6では伸び差低減装置の図示は省略しているが、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様に、伸び差低減装置はSPタービン1とVHPタービン2との間に設けられる。
【0046】
図6において、SPタービン1は独立して設置され、ノズル、羽根、ロータの材料にNiを35%以上含むNi基合金鋼を使用して高温強度を維持できるように構成されている。そして、SPタービン1はVHPタービン2に連結され、SPタービン1、VHPタービン2、HPタービン3、IPタービン4、LPタービン5a、5b、発電機32は、一軸で連結されてタンデムコンパウンド型となっている。
【0047】
SPタービン1にはボイラ過熱器29から蒸気温度が650℃以上の蒸気が供給され駆動される。SPタービン1で仕事を終えた蒸気は650℃以下の蒸気となってVHPタービン2及びHPタービン3に導かれる。VHPタービン2で仕事を終えた蒸気は第1段再熱器30で再過熱され、再過熱された蒸気は蒸気温度が650℃以上となってSPタービン1に導かれる。
【0048】
一方、HPタービン2で仕事を終えた蒸気は第2段再熱器31で再過熱されIPタービン4に供給される。このIPタービン4に供給される蒸気は蒸気温度が650℃以下の蒸気である。以下、IPタービン4で仕事を終えた蒸気はLP−Aタービン5a及びLP−Bタービン5bに供給される。
【0049】
このように、タンデムコンパウンド型の蒸気タービン設備のSPタービン1にはボイラ過熱器29及び第1段再熱器30から蒸気温度が650℃以上の蒸気を流し、SPタービン1以外の蒸気タービン、すなわちVHPタービン2、HPタービン3、IPタービン4、LP−Aタービン5a、LP−Bタービン5bには蒸気温度が650℃以下に抑えた蒸気を流す。
【0050】
次に、図7はSPタービン1を独立して設置したクロスコンパウンド型の2段再熱蒸気タービン設備の構成図であり、このような2段再熱の蒸気タービン設備に対して、回転部と静止部との伸び差を減少させる伸び差低減装置としての軸継手装置26や静止部移動装置28を設けることも可能である。なお、図7では伸び差低減装置の図示は省略しているが、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様に、伸び差低減装置はSPタービン1とVHPタービン2との間に設けられる。
【0051】
図7において、SPタービン1は独立して設置され、ノズル、羽根、ロータの材料にNiを35%以上含むNi基合金鋼を使用して高温強度を維持できるように構成されている。そして、SPタービン1はVHPタービン2に連結され、SPタービン1、VHPタービン2、HPタービン3、IPタービン4、発電機32aは一軸で構成されると共に、LPタービン5a、5b、発電機32bは別の一軸で構成されたクロスコンパウンド型となっている。その他の蒸気の流れの構成は、図6に示したものと同一であるので同一要素には同一符号を付しその説明は省略する。
【0052】
このように、クロスコンパウンド型の蒸気タービン設備のSPタービン1には、ボイラ過熱器29及び第1段再熱器30から蒸気温度が650℃以上の蒸気を流し、SPタービン1以外の蒸気タービン、すなわちVHPタービン2、HPタービン3、IPタービン4、LP−Aタービン5a、LP−Bタービン5bには蒸気温度が650℃以下に抑えた蒸気を流す。
【0053】
次に、図8はSPタービン1を独立して設置したタンデムコンパウンド型の1段再熱蒸気タービン設備の構成図であり、VHPタービン2の設置を省略しSPタービン1はHPタービン3に連結されるタンデムコンパウンド型の1段再熱蒸気タービン設備である。
【0054】
このような1段再熱の蒸気タービン設備に対して、回転部と静止部との伸び差を減少させる伸び差低減装置としての軸継手装置26や静止部移動装置28を設けることも可能である。なお、図8では伸び差低減装置の図示は省略しているが、伸び差低減装置はSPタービン1とHPタービン3との間に設けられる。
【0055】
図8において、SPタービン1は独立して設置され、ノズル、羽根、ロータの材料にNiを35%以上含むNi基合金鋼を使用して高温強度を維持できるように構成されている。そして、SPタービン1はHPタービン3に連結され、SPタービン1、HPタービン3、IPタービン4、LPタービン5a、5b、発電機32は、一軸で連結されてタンデムコンパウンド型となっている。
【0056】
SPタービン1にはボイラ過熱器29から蒸気温度が650℃以上の蒸気が供給され駆動される。SPタービン1で仕事を終えた蒸気はHPタービン3に導かれる。HPタービン4に供給される蒸気は蒸気温度が650℃以下の蒸気である。HPタービン2で仕事を終えた蒸気は第1段再熱器30で再過熱されIPタービン4に供給される。IPタービン4に供給される蒸気は蒸気温度が650℃以下の蒸気である。以下、IPタービン4で仕事を終えた蒸気はLP−Aタービン5a及びLP−Bタービン5bに供給される。
【0057】
このように、タンデムコンパウンド型の蒸気タービン設備のSPタービン1にはボイラ過熱器29から蒸気温度が650℃以上の蒸気を流し、SPタービン1以外の蒸気タービン、すなわちHPタービン3、IPタービン4、LP−Aタービン5a、LP−Bタービン5bには蒸気温度が650℃以下に抑えた蒸気を流す。
【0058】
次に、図9はSPタービン1を独立して設置したクロスコンパウンド型の1段再熱蒸気タービン設備の構成図であり、VHPタービン2の設置を省略しSPタービン1はHPタービン3に連結されるクロスコンパウンド型の1段再熱蒸気タービン設備である。
【0059】
このような1段再熱の蒸気タービン設備に対して、回転部と静止部との伸び差を減少させる伸び差低減装置としての軸継手装置26や静止部移動装置28を設けることも可能である。なお、図9では伸び差低減装置の図示は省略しているが、伸び差低減装置はSPタービン1とHPタービン3との間に設けられる。
【0060】
図9において、SPタービン1は独立して設置され、ノズル、羽根、ロータの材料にNiを35%以上含むNi基合金鋼を使用して高温強度を維持できるように構成されている。そして、SPタービン1はHPタービン3に連結され、SPタービン1、HPタービン3、IPタービン4、発電機32aは一軸で構成されると共に、LPタービン5a、5b、発電機32bは別の一軸で構成されたクロスコンパウンド型となっている。その他の蒸気の流れの構成は、図8に示したものと同一であるので同一要素には同一符号を付しその説明は省略する。
【0061】
このように、クロスコンパウンド型の蒸気タービン設備のSPタービン1には、ボイラ過熱器29から蒸気温度が650℃以上の蒸気を流し、SPタービン1以外の蒸気タービン、すなわちHPタービン3、IPタービン4、LP−Aタービン5a、LP−Bタービン5bには蒸気温度が650℃以下に抑えた蒸気を流す。
【0062】
以上のように、伸び差低減装置として軸継手装置26を設けた場合には、軸継手装置26でロータの伸びを吸収し伸び差を小さくする。一方、静止部移動装置28を設けた場合には、伸び差計などの情報を基にロータの軸方向にケーシングを移動させるので、他のケーシングの伸びに影響されることなくロータとケーシングの伸び差を調整できる。
【0063】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、SPタービンを有した蒸気タービン設備に対して、回転部と静止部との伸び差を減少させる伸び差低減装置を設けるので、回転部と静止部との伸び差が抑制される。伸び差が小さくなることにより、漏れる蒸気量が少なくなり蒸気タービンの性能は向上する。従って、安全性や信頼性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる蒸気タービン設備の構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態における伸び差低減装置としての軸継手装置の説明図。
【図3】本発明の第1の実施の形態における蒸気タービン設備での伸び差と軸方向間隙の説明図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係わる蒸気タービン設備の構成図。
【図5】本発明の第2の実施の形態における蒸気タービン設備での伸び差と軸方向間隙の説明図。
【図6】SPタービンを独立して設置したタンデムコンパウンド型の2段再熱蒸気タービン設備の構成図。
【図7】SPタービンを独立して設置したクロスコンパウンド型の2段再熱蒸気タービン設備の構成図。
【図8】SPタービンを独立して設置したタンデムコンパウンド型の1段再熱蒸気タービン設備の構成図。
【図9】SPタービンを独立して設置したクロスコンパウンド型の1段再熱蒸気タービン設備の構成図。
【図10】従来型の蒸気タービン設備にSPタービンを加えた蒸気タービン設備の構成図。
【図11】図10の蒸気タービン設備での伸び差と軸方向間隙の説明図。
【図12】SPタービンの概略構成図。
【図13】ラビリンスパッキンの説明図。
【図14】ラビリンスパッキンの間隙の説明図。
【図15】羽根およびノズルの間隙の説明図。
【符号の説明】
1 SPタービン
2 VHPタービン
3 HPタービン
4 IPタービン
5 LPタービン
6 SPケーシング
7 VHP−HPケーシング
8 IPケーシング
9 LP−Aケーシング
10 SPロータ
11 VHP−HPロータ
12 IPロータ
13 LPロータ
14 第1軸受台
15 第2軸受台
16 第3軸受台
17 第4軸受台
18 スラスト軸受
19 ノズル
20 羽根
21 パッキンリング
22 静止部側フィン
23 ロータ側フィン
24 SP伸び差計
25 LP伸び差計
26 軸継手装置
27 VHP伸び差計
28 静止部移動装置
29 ボイラ過熱器
30 第1段過熱器
31 第2段過熱器
32 発電機

Claims (4)

  1. 蒸気温度が650℃以上で駆動される超々高圧高温タービンと、蒸気温度が650℃以下で駆動される超高圧タービン、高圧タービン、中圧タービン、低圧タービンと、前記超高圧タービンの抽気を再熱し前記超々高圧高温タービンに蒸気温度が 650 ℃以上で供給する第1段再熱器と、高圧タービンの抽気を再熱し前記中圧タービンに蒸気温度が 650 ℃以下で供給する第2段再熱器とを備え、前記超々高圧高温タービンは、ノズル、羽根、ロータの材料にNiを35%以上含むNi基合金鋼を使用した蒸気タービン設備において、前記超々高温高圧タービンと前記超高圧タービンとの間に、回転部と静止部との伸び差を減少させる伸び差低減装置を設けたことを特徴とする蒸気タービン設備。
  2. 前記超々高圧高温タービン、超高圧タービン、高圧タービン、中圧タービン、低圧タービンは、一軸で構成されたタンデムコンパウンド型、または前記超々高圧高温タービン、超高圧タービン、高圧タービン、中圧タービンを一軸で構成すると共に前記低圧タービンを別の一軸で構成したクロスコンパウンド型としたことを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービン設備。
  3. 前記伸び差低減装置は、前記超々高圧高温タービンロータと前記超高圧タービンロータとの間に設けられ軸方向変位吸収機構を有する軸継手装置であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蒸気タービン設備。
  4. 前記伸び差低減装置は、前記超々高圧高温タービンの静止部の位置を変化させる静止部移動装置であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蒸気タービン設備。
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