JP6948702B2 - 高圧型吐出装置 - Google Patents

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本発明は吐出装置に係り、特に樹脂材料や接着剤等の粘性流動体を吐出供給するのに好適な高圧型吐出装置に関する。
樹脂材料等を定量吐出供給するために用いられる吐出装置は、加圧供給される材料を吐出弁の開閉により行うようにしている。このような吐出装置で、供給材料としての樹脂など粘性流動体が熱等により変質してしまうことを防止するために、吐出弁の閉弁時に開放される第2の弁を設け、吐出弁の閉弁時に吐出装置内に材料が滞留することがないようにした装置が提案されている。例えば、特許文献1には、吐出装置として、流体供給口と排出口とが開口されたチャンバを有するとともに吐出ノズルを開口してなる吐出ヘッドと、前記吐出ノズルを開閉する吐出弁手段と、前記流体供給口と排出口間の流路を遮断可能な第2の排出弁手段と、前記吐出ヘッドに取付けられ前記弁手段を開閉駆動する駆動手段とを有する構造とされている。これは駆動手段であるシリンダピストンの作動により、二重軸構造とされた吐出弁手段と第2の排出弁手段とを同時に駆動して、吐出弁が開弁されると同時に排出弁手段が流体供給口と排出口との間を閉弁するようにし、逆に吐出弁が閉弁されるときには排出弁手段が流体供給口と排出口との間を開弁する、いわゆる流路切替弁として構成されている。
この従来の吐出装置では、吐出弁と排出弁との距離を可変として吐出量を調整できるようにしており、これは二重軸構造の外套軸側の排出弁の端部から内軸側の吐出弁の端部を突出させてこれに抜け止めを螺着し、外套軸側の排出弁端部外周にはネジ面を形成してこれに調整ナットからなるアジャスターを螺着させるとともに、当該調整ナットは吐出弁に回転自在に組み付けた構造とされている。したがって、調整ナットを回転することにより、外套の排出弁を吐出弁に沿って前後移動できるようにし、もって吐出弁のストローク調整をなすようにしたものである。弁の開閉駆動操作は、外套側の排出弁の途中外周面にピストン固定用のネジを刻設し、このネジにピストンを螺着固定しており、ピストンの作動により外套排出弁を駆動し、調整ナットを介して中心軸側の吐出弁を駆動するようにしている。
ところで、二重軸構造の弁手段は弁体部をチャンバ内に挿入しつつ、軸方向移動されるため、チャンバを封止するシール機構が必要であり、外套側の排出弁外周面とチャンバ端部内壁との間にシールを介装している。そして、従来の吐出装置では、このシールの抜け止めスプリングによる弾圧力によって行っていた。
ところが、従来の方式では、吐出方式が押し開き方式であり、吐出を行わない場合は弁体の引き動作により弁を閉じるようになっていた。また、前記吐出弁手段に対して排出弁手段を外装して二重軸構造として前記チャンバ内に挿通し、外周側の排出弁手段を前記吐出ヘッドの内周面にパッキン機構を介してチャンバを封止するとともに、シール機構の外端面部には前記吐出ヘッドに螺着されてシールの締め代を調整可能としたアジャスターに取付け、このアジャスターには円周方向に沿って回転操作穴を形成し、前記シリンダピストン手段におけるシリンダの吐出ヘッドへの連結部には前記回転操作穴を臨ませる開口窓を形成した構造となっている。
このような従来の吐出装置では、吐出流動体の圧力をそれほど大きくできないという問題があった(8MPa)。すなわち、従来の構造では吐出流動体をチャンバ内に導入した際、内圧が高いと吐出弁を閉じていてもそこから漏れ出る可能性があった。また、吐出弁を閉じた状態のときには排出弁が開かれるが、排出弁の後方に置かれた二重軸構造の外周面に設けられたシール機構は、抜け止めスプリングによる弾圧力によって行っていため、シール機構が高い内圧を有する吐出流動体の圧力を受けて、ここから漏れ出る可能性があった。
特開平10−43653号公報 実公平02-15587号公報
このようなことから従来構造の吐出装置では、チャンバ内圧をそれほど高くできず、高圧を受けた際、流体の外部流出を引き起こし、よって計量誤差が大きくなるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る高圧型吐出装置は、流体供給口と排出口とが開口されたチャンバを有するとともに吐出ノズルを開口してなる吐出ヘッドと、前記吐出ノズルを開閉する吐出弁手段と、前記流体供給口と排出口間の流路を遮断可能な排出弁手段と、前記吐出ヘッドに取付けられ前記弁手段を開閉駆動するアクチュエータとを有してなる吐出装置において、前記吐出弁手段は前記チャンバ内の高圧領域に位置して押し出しによる閉弁動作可能とした高圧対応型としている。
斯かる構成において、前記排出弁手段は吐出弁手段と同軸に形成され、前記吐出弁手段の閉弁動作に伴って流体供給口と排出口との間に置かれた弁座を開放する開弁動作をなすように構成されている。
さらに、前記吐出弁手段と排出弁手段とを同時駆動可能とする弁手段作動軸を設けるとともに、この弁手段作動軸は前記チャンバを貫通してアクチュエータに接続されており、途中のチャンバ貫通部にてシールされている。
また、前記排出弁手段の弁座を吐出弁方向に位置を調整する位置調整機構を設け、この位置調整機構により吐出弁手段の吐出量を可変とした構成としている。
上記構成において、前記吐出弁手段は前記チャンバ内の高圧領域に位置して押し出しによる閉弁動作可能とした高圧対応型としたことにより、チャンバに入る作動流体の圧力が高い場合であっても、この圧力は吐出弁手段を閉弁方向に押し付ける方向に作用するため、圧力を高圧に保持できる。また、前記排出弁手段は吐出弁手段と同軸に形成され、前記吐出弁手段の閉弁動作に伴って流体供給口と排出口との間に置かれた弁座を開放する開弁動作をなすため、チャンバ内の作動流体を高圧循環させることができる。弁を動かす軸の貫通部にシールを形成しているため、二重軸の外周面でのシール機構より高圧に耐えうるシール機構とすることができる。したがって、全体として高圧型の吐出装置とすることができる。また、排出弁手段の閉弁位置をアジャスター機構により調整し、吐出弁手段との間の距離を可変としたので、吐出量が容易に加減調整できる。
以上説明したように、本発明に係る高圧型吐出装置では、流体供給口と排出口とが開口されたチャンバを有するとともに吐出ノズルを開口してなる吐出ヘッドと、前記吐出ノズルを開閉する吐出弁手段と、前記流体供給口と排出口間の流路を遮断可能な排出弁手段と、前記吐出ヘッドに取付けられ前記弁手段を開閉駆動するアクチュエータとを有してなる吐出装置において、前記吐出弁手段は前記チャンバ内の高圧領域に位置して押し出しによる閉弁動作可能とし、前記排出弁手段は吐出弁手段と同軸に形成され、前記吐出弁手段の閉弁動作に伴って流体供給口と排出口との間に置かれた弁座を開放する開弁動作をなすように構成されている。このように構成することにより、本発明では、従来構造の吐出装置が持っている問題、すなわち、チャンバ内圧をそれほど高くできず、流体の外部流出を引き起こして生じていた計量誤差が大きくなるという問題を解消できる。
本発明に係る高圧型吐出装置の横断面図である。 本発明に係る高圧型吐出装置の縦断面図である。
以下に、本発明に係る高圧型吐出装置の具体的実施の形態を、図面を参照して、詳細に説明する。
図1、2は実施形態に係る高圧型吐出装置の断面図を示している。図示のように、この高圧型吐出装置10は、弁の作動方向を左右方向にした軸型弁として構成され、内部にチャンバ12を形成し、チャンバ12の中央部に形成した排出弁手段14によって仕切られる作動流体の供給口16と排出口18とを軸方向に分離して形成している。また、高圧型吐出装置10の先端部(図中左端部)に吐出弁手段20を備え、これは供給口16から供給される作動流体を高圧で吐出できるようにしている。
この吐出装置10は、吐出弁手段20による作動流体の吐出動作と、作動流体の吐出動作を停止し排出弁手段14を開いて作動流体を循環させるための循環配送動作とを、一つの弁体22によって選択的に行わせるようにしている。このためチャンバ内には排出弁手段14と吐出弁手段20に至る弁軸24が設けられ、その両端に押し出しによる閉弁動作が可能な第1ニードル弁26と、やはり押し出しによる閉弁動作が可能な第2ニードル弁28とが設けられ、排出弁手段14と吐出弁手段20とは開動作と閉動作が交互に選択されるように構成している。
弁軸24の両端に設けた第1ニードル弁26と第2ニードル弁28とは、前者が受圧面積を大きくなるように設定されている。
このような第1ニードル弁26と第2ニードル弁28とを含む弁体22の長さは、排出弁手段14および吐出弁手段20の弁座間距離よりも短く設定され、弁体22が吐出装置10の軸方向(左方)に動くことで、弁体22の先端に形成されている第2ニードル弁28が対向する第2弁座30に押し込まれて閉弁動作をなし、同時に第1ニードル弁26が対向する第1弁座32から離反して開弁動作をなすようになっている。一方、逆に第1ニードル弁26が第1弁座32に押し付けられて閉弁動作をなしているときには、第2ニードル弁28が第2弁座30から離反して開弁し、吐出動作をなすようになっている。
弁手段14,20の開弁と閉弁をなすために、弁体22には弁軸駆動シャフト34が取り付けられている。この弁軸駆動シャフト34は、弁軸24と同芯配置され、弁軸25の第1ニードル弁26の端面中心にねじ込により結合されたもので、チャンバ12を貫通し、吐出装置10の後端部まで延在している。吐出装置10の後端部側には、アクチュエータ36が装備され、これは弁軸駆動シャフト34に固定されたエアピストン38と、エアピストン38を左右に駆動させるためのエアシリンダ40と、エアピストン38を作動させるための一対のエア給排口42,44から構成されている。
吐出動作をなすときにはエアピストン38を後退移動させれば弁体22はこれに伴って後退(右方向に移動)し、吐出弁手段20を開放し、同時に排出弁手段14を閉弁する。作動流体は吐出弁手段20から第2ニードル弁28が開かれた量にしたがってその隙間から吐出する。このとき、排出弁手段14側では第1ニードル弁26が第1弁座32を押し込みにより閉止しているので、作動流体の圧力が高くても漏れは生じない。
一方、吐出動作を止め、作動流体を循環させるときには、エアピストン38を前進させれば弁体22はこれに伴って前進(左方向に移動)し、吐出弁手段20を閉鎖し、同時に排出弁手段14を開放する。供給口16からチャンバ12内に流入した作動流体は、排出弁手段14から第1ニードル弁26が開かれた量にしたがってその隙間から吐出し、排出口18から流出する。このとき、排出弁手段14の開口面積が大きく、弁軸駆動シャフト34のチャンバ12の貫通部は小さいので、作動流体の圧力が高くても漏れは生じない。
ここで弁軸駆動シャフト34のチャンバ12の貫通部では、多段シール部材46によってシールされている。この多段シール部材46は複数のシール材を細径のシャフトに配列して重ねたもので、耐圧面積を小さくして20MPaの圧力の耐えるだけの多段シール機能を発揮する。また、この多段シール部材46の配置位置に隣接して、その後方部には作動流体の硬化防止材(可塑材)を弁軸駆動シャフト34に塗布するための手段が組み込まれている。これは多段シール部材46を伝わって漏れ出た作動流体が空気と触れることにより固化することを防止するもので、ポット部50を設け、その先端(多段シール部材46との境界部)に接続された充填機52からなっている。
また、前記チャンバ12の内部には排出弁手段14を構成する第1弁座32が配置されているが、この第1弁座32が設けられた部分は当該第1弁座32を第2弁座30に対し距離を調整できるように位置調整機構(アジャスター機構)54が設けられている。このため、チャンバ12中央部に大径部12Lを形成しておき、この内面部に大径部12Lより長さを小さくした中空スライダ56を螺進移動可能に配置している。大径部12Lは供給口16と排出口18を分離する位置に置かれており、中空スライダ56には前記第1弁座32が取り付けられ、前述した第1ニードル弁26が当たる位置を調整できるようにしている。具体的には、チャンバ12を形成する装置本体は前後に2分割され、中空スライダ56の第1弁座32が設けられている側の先端外周と、装置本体11Aの内周面とを螺着して、その中空スライダ56の回転位置により第1弁座32の位置を可変としている。
これにより、アクチュエータ36により吐出弁手段20を押し付けにより閉鎖しているときには、排出弁手段14が開いて作動流体が第1弁座32を通じて排出口18から出て、循環する。逆に、アクチュエータ36により排出弁手段14を第1弁座32に押し付けにより閉鎖しているときには、吐出弁手段20が開いて作動流体が第2弁座30との間の開口を通じて外部に吐出される。
吐出量を加減するときは、装置本体11の表面中央にある横穴から中空スライダ56を回転操作し、第1弁座32を前進移動(左方移動)させることにより、第2弁座30との距離を縮め、吐出弁手段20からの吐出量を減らすことができる。逆に、第1弁座32を後退移動(右方移動)させることにより、第2弁座30との距離を開き、吐出弁手段20から吐出量を増大させることができる。これにより吐出装置10は、中空スライダ56の回転量を調整することにより、任意に吐出量を加減することが出来るのである。また、作動流体は高圧状態で供給口16から導入したとしても吐出弁手段20の閉弁時には弁閉方向に高圧が作用し、なおかつ、作動流体は第1弁座32を通じて排出口18から排出循環されるので、高圧供給が可能である。そして、排出弁手段14を閉じると、今度は吐出弁手段20が開き、作動流体の圧力に応じて吐出されるのである。
10……高圧型吐出装置、11(11A、11B)……装置本体、12……チャンバ、12L……大径部、14……排出弁手段、16……供給口、18……排出口、20……吐出弁手段、22……弁体、24……弁軸、26……第1ニードル弁、28……第2ニードル弁、30……第2弁座、32……第1弁座、34……弁軸駆動シャフト、36……アクチュエータ、38……エアピストン、40……エアシリンダ、42……エア給排口、44……エア給排口、46……多段シール部材、50……ポット部、52……充填機、54……位置調整機構(アジャスター機構)、56……中空スライダ。

Claims (1)

  1. 流体供給口と排出口とが開口されたチャンバを有するとともに吐出ノズルを開口してなる吐出ヘッドと、前記吐出ノズルを開閉する吐出弁手段と、前記流体供給口と排出口間の流路を遮断可能な排出弁手段と、前記吐出ヘッドに取付けられ前記両方の弁手段を開閉駆動するアクチュエータとを有してなる吐出装置において、
    前記吐出弁手段は前記チャンバ内の高圧領域に位置して押し出しによる閉弁動作可能とし、
    前記排出弁手段は前記吐出弁手段と同軸に形成され、前記吐出弁手段の閉弁動作に伴って前記流体供給口と前記排出口との間に置かれた弁座を開放する開弁動作をなすように構成され、
    前記吐出弁手段と前記排出弁手段とを同時駆動可能とする弁手段作動軸を設けるとともに、この弁手段作動軸は前記チャンバを貫通して前記アクチュエータに接続されて、チャンバ貫通部にてシールされ、
    前記排出弁手段の弁座を吐出弁方向に位置を調整する位置調整機構を設け、この位置調整機構により前記吐出弁手段の吐出量を可変としたことを特徴とする高圧型吐出装置。
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