以下、図面を参照しながら、本開示に係る照明装置の実施形態の一例について詳細に説明する。図1は実施形態の一例である照明装置10の斜視図、図2は照明装置10の分解斜視図である。図3および図4は、照明装置10の断面図である。
図1〜図4に例示するように、照明装置10は、軸方向一端が開口した筒状の装置本体11と、装置本体11の内部に設けられる発光モジュール20とを備える。照明装置10は、装置本体11の開口を鉛直下方に向けた状態で天井の埋め込み孔に挿入される天井埋め込み型の照明装置である。照明装置10は、一般的にダウンライトと呼ばれる。本明細書では、説明の便宜上、照明装置10を天井に取り付けた状態で、照明装置10の鉛直上方側を「上」、鉛直下方側を「下」とする。
照明装置10は、例えば住居の室内において水平な天井に取り付けられるが、水平方向および鉛直方向に対して傾斜した天井に取り付けることも可能である。また、照明装置10は住居の廊下、玄関などの天井、或いは図書館等の公共施設、デパート等の商業施設、オフィス、店舗、工場などの天井に取り付けることもできる。照明装置10が取り付けられる天井は、建築空間の上方を区画する部位であればよく、例えば玄関ポーチ、テラスなどの天井であってもよい。なお、本開示に係る照明装置は、ダクトレール等に取り付けられてもよく、天井埋め込み以外の形態で天井に取り付けられてもよい。
照明装置10は、装置本体11に固定され、発光モジュール20を保持するホルダ30と、ホルダ30に係合し、発光モジュール20から出射した光を透過するレンズ40と、装置本体11に固定される筒状の枠体50とを備える。ホルダ30のレンズ40側に向いた下面、および枠体50の内周面50aは、例えば光を反射させる反射面として機能する。また、照明装置10は、装置本体11と枠体50との間に介在する樹脂シート70を備える。
照明装置10には、複数の取付バネ16が設けられている。取付バネ16は、板バネ構造を有し、水平方向に延びている。照明装置10は、取付バネ16が天井裏空間において天井の埋め込み孔の周囲に当接することで天井に固定される。本実施形態では、枠体50を構成する外枠51の筒壁52に取付バネ16が固定されている。一般的に、照明装置10は、発光モジュール20に電力を供給する電源ユニット(図示せず)を備える。電源ユニットは、装置本体11と一体化されていてもよい。
詳しくは後述するが、枠体50は、内周面に形成される開口部58を有し、レンズ40は、外側に突出して開口部58に挿入されるツメ42を有する。ホルダ30は、ツメ42に係合する把持部37を有する。また、レンズ40の外周面と枠体50の内周面との間には隙間80(後述の図10参照)が存在し、樹脂シート70は、ホルダ30およびレンズ40の少なくとも一方の外周面に当接して、ホルダ30およびレンズ40を枠体50の中心側に押す複数の折り曲げ片72を有する。
装置本体11は、軸方向一端(下端)が開口した筒状体であって、筒壁12と、軸方向他端(上端)に形成された天板13とを有する。装置本体11は、例えば軸方向に垂直な断面が真円形状の円筒状部材であって、上端から下端まで略一定の直径を有する。装置本体11は、金属材料で構成され、絞り加工、ダイカスト成形等により製造される。装置本体11に好適な金属材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金である。なお、装置本体11は、有底円筒状の部材に限定されず、軸方向に垂直な断面が矩形状を有する筒状体であってもよい。
本実施形態では、ホルダ30及び枠体50が装置本体11の天板13にネジ止めされている。ホルダ30及び枠体50は、天板13の外側から装置本体11の内側に挿入されるネジ14,15を用いてそれぞれ固定される。このため、天板13にはネジ14,15を通すための貫通孔13a(図2参照)が複数形成されている。また、天板13には、リード線挿通部13bが設けられている。リード線挿通部13bは、上記電源ユニットと発光モジュール20をつなぐリード線が通る部分であって、天板13の開口部にホルダ30の一部を挿入して構成されている。また、天板13の中央部には外側から内側に膨出した凸部13cが形成されている。
発光モジュール20は、ホルダ30によって保持され、装置本体11の内部に設けられる。発光モジュール20は、例えば光源21と、光源21が配置される基板22とを有する。光源21を構成する発光素子は、LED(Light Emitting Diode)等の半導体発光素子が好ましい。発光素子は、蛍光体を含む封止層で封止されてもよい。この場合、蛍光体によって発光素子の青色光の一部がより長波長の光に変換され、青色光の残りの一部と混色されることで白色光が出射されてもよい。発光モジュール20は、光源21の熱を拡散させる放熱板を有していてもよい。発光モジュール20は、例えば基板22または放熱板が天板13の凸部13cに接触した状態で装置本体11内に配置される。
以下、図5〜図10をさらに参照しながら、ホルダ30、レンズ40、枠体50、および樹脂シート70について詳説する。
図5は、ホルダ30の斜視図である。図2〜図5に例示するように、ホルダ30は、中央に窓孔33が形成された基部31と、基部31の外周縁に沿って形成された円筒状の筒壁32とを有する。ホルダ30は、装置本体11の内部においてネジ14を用いて天板13に固定され、発光モジュール20を保持する。また、ホルダ30は、レンズ40と係合してレンズ40を支持する。発光モジュール20は、基部31の窓孔33を通して光が下方へ出射されるように、光源21が実装された基板22の面を下に向けてホルダ30内に配置される。
ホルダ30は、発光モジュール20の基板22を支持する支持部34と、ネジ14が締結されるボス部35とを有する。支持部34は、基部31の窓孔33の周囲において、基板22の周りを囲む枠状に形成されている。また、ホルダ30は、筒壁32の外周面よりも筒壁32の径方向外側に張り出したガイド部36を有する。ガイド部36は、ホルダ30の外側を通るネジ15を、枠体50に形成された後述のネジ孔56に導く。
ホルダ30は、一般的に樹脂材料で構成される。ホルダ30に好適な樹脂は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステルである。ホルダ30のレンズ40側に向いた下面には、発光モジュール20の光を反射させる被膜が形成されていてもよい。或いは、酸化チタン等の白色顔料など、光の反射率が高いフィラーを含有する樹脂によってホルダ30が構成されていてもよい。ホルダ30の下面に形成される被膜としては、上記フィラーを含有する塗膜、蒸着、メッキ、スパッタリング等により成膜される金属層、無機化合物層などが例示できる。
ホルダ30は、レンズ40のツメ42に係合する把持部37を有する。把持部37は、ガイド部36と同様に、筒壁32の外周面よりも径方向外側に張り出している。把持部37は、筒壁32に沿って下方に延びる一対のアーム状に形成され、把持部37の先端がツメ42の下に回り込んでツメ42を抱え込み、ツメ42をしっかり把持する。把持部37の先端は、図3に例示するように筒壁32の下端と略同じ高さに位置してもよく、筒壁32の下端より下方に位置してもよい。詳しくは後述するが、把持部37は、ツメ42と同様に枠体50の開口部58に挿入される。なお、把持部37は、ツメ42に係合してレンズ40を支持できる形状であればよく、図示する形状に限定されない。
把持部37は、レンズ40のツメ42の数および配置に対応して形成され、一般的にはツメ42と同数形成される。把持部37の数は、2つであってもよいが、好ましくは3つ以上である。本実施形態では、筒壁32の周方向に離れたホルダ30の3箇所に把持部37がそれぞれ形成されている。各把持部37は、筒壁32の周方向に略同じ間隔で、即ち筒壁32の中心軸の回りに約120°間隔で形成される。この場合、ホルダ30とレンズ40の良好な係合状態が得られ易い。
図6は、レンズ40の斜視図である。図2〜図4および図6に例示するように、レンズ40は、円板状ないし円筒状のレンズ本体41と、レンズ本体41の外周部から当該本体の径方向外側に突出したツメ42とを有する。レンズ40(レンズ本体41)は、発光モジュール20から出射される光を発散または収束させる光学部材である。レンズ本体41は、例えば光軸の回りに回転対称な形状を有し、光出射面(下面)が略真円形状を呈する。レンズ本体41のホルダ30側に向いた上面には、例えば環状の凸部が複数形成されている。なお、レンズ本体41の形状は特に限定されず、目的とする配光状態等に応じて適宜変更できる。
レンズ40は、例えばアクリル系樹脂、ポリカーボネート等の透明性の高い樹脂、またはガラスで構成される。一般的に、レンズ40を構成する樹脂は、ホルダ30を構成する樹脂よりも硬質で破損し難い。本実施形態では、レンズ40の下端部が径方向外側に張り出してフランジ状に形成され、当該フランジ部分にホルダ30の筒壁32が嵌合する溝44が形成されている。筒壁32の下端部が嵌る溝44を設けることで、例えばホルダ30とレンズ40の係合が容易になる。溝44は、レンズ本体41の全周にわたって形成されることが好ましい。
レンズ40は、ツメ42と同様に、外側に突出して枠体50の開口部58に挿入される突起43を有する。ツメ42はホルダ30の把持部37によって把持されているが、突起43はホルダ30との係合に使用されていない点でツメ42と異なる。つまり、レンズ40は、ホルダ30との係合部である第1突起と、非係合部である第2突起とを有する。なお、照明装置10には、第2突起を有さないレンズを用いることもできる。
ツメ42および突起43は、溝44が形成される上記フランジ部分の外周縁であって、溝44よりも外側からそれぞれ突出している。ツメ42および突起43は、レンズ本体41の外周部から当該本体の径方向外側に突出して枠体50の開口部58に挿入されている。このため、ホルダ30の把持部37が破損したとしても、ツメ42および突起43の少なくとも一方が枠体50に引っ掛かり、レンズ40が落下することを防止できる。
ツメ42は、先端部が付根部よりもホルダ30側、即ち上方に位置するように屈曲した形状を有する。ツメ42はL字状に形成されており、ツメ42の先端部は突起43よりも上方に位置する。本実施形態では、ツメ42を把持するホルダ30の把持部37の下端が突起43の下端と略同じ高さ、または突起43の下端よりも上方に位置している。換言すると、ツメ42は、把持部37の下端が突起43の下端を超えないようにホルダ30側に屈曲している。
ツメ42は、2つであってもよいが、好ましくは3つ以上形成される。ツメ42は、レンズ40の周方向に離れた少なくとも3箇所にそれぞれ形成されることが好適である。例えば、レンズ40の周方向に略同じ間隔で、即ちレンズ40の光軸の回りに約120°間隔で3つのツメ42が形成される。この場合、ホルダ30とレンズ40の良好な係合状態が得られ易い。3つのツメ42は、互いに異なる形状、寸法を有していてもよいが、好ましくは同じ形状、寸法を有する。
突起43は、1つであってもよいが、好ましくは複数形成され、より好ましくはツメ42と同数形成される。突起43は、ツメ42から離れた位置に形成されてもよいが、ホルダ30の把持部37に干渉しない範囲でツメ42の近傍に形成されることが好適である。即ち、突起43は、レンズ40の周方向に離れた少なくとも3箇所に形成される。突起43は、例えばレンズ40の光軸の回りに約120°間隔で3つ形成される。突起43は、途中で屈曲することなく、外側に向かって突出している。ツメ42および突起43の突出長さ(レンズ本体41の径方向に沿った長さ)は、互いに同じであってもよい。
図7は、枠体50の斜視図である。図2〜図4および図7に例示するように、枠体50は、外枠51と、外枠51の内部に取り付けられる内枠61とを有する。外枠51および内枠61は、いずれも軸方向両端(上下両端)が開口した筒状体であって、円筒状に形成された筒壁52,62をそれぞれ有する。枠体50には、外枠51と内枠61の間に、ホルダ30の把持部37、レンズ40のツメ42、突起43を挿入可能な空間が形成されている。枠体50は、装置本体11と軸方向が一致するように配置され、例えばレンズ40を天井面から離してグレアを低減する。なお、枠体50の形状は、円筒状に限定されず、軸方向に垂直な断面が矩形状であってもよい。
本実施形態では、内枠61の内周面が枠体50の内周面50aとなり、外枠51の外周面が枠体50の外周面50bとなる。内枠61は、例えば補助反射板であって、その内周面50aは、上述の通り反射面として機能する。内周面50aには、白色顔料等のフィラーを含有する塗膜、蒸着、メッキ、スパッタリング等により成膜される金属層、無機化合物層などが形成されていてもよい。また、内周面50aは鏡面仕上げされていてもよく、バッフル形状を有していてもよい。
枠体50は、金属材料で構成され、絞り加工、ダイカスト成形等により製造される。枠体50に好適な金属材料は、鉄または鉄合金である。装置本体11がアルミニウムを主成分とする金属で構成され、枠体50が鉄を主成分とする金属で構成される場合に、両部材を直接接触させると、熱膨張係数の相違に起因して異音が発生することがある。照明装置10では、装置本体11と枠体50の間に樹脂シート70を介在させることで、かかる異音の発生を抑制できる。
外枠51には、筒壁52の下端にフランジ53が、上端に環状支持部54がそれぞれ形成されている。筒壁52は、フランジ53および環状支持部54が形成された部分を除き略一定の直径を有する。筒壁52には、取付バネ16が挿し込まれるバネ固定部57が形成されている。フランジ53は、外枠51の全周にわたって径方向外側に張り出している。フランジ53は、照明装置10が天井に取り付けられた状態、即ち装置本体11および枠体50のフランジ53を除く部分が埋め込み孔から天井裏空間に挿入された状態で、天井面の埋め込み孔の周縁に沿って配置される。
環状支持部54は、樹脂シート70を介して装置本体11が配置される部分である。環状支持部54は、外枠51の全周にわたって径方向内側に張り出している。環状支持部54には、ネジ15が締結されるネジ孔56が複数形成されている。また、環状支持部54には、複数の切欠き55が形成されている。切欠き55は、環状支持部54の内周縁から形成され、内枠61の切欠き65と共に開口部58を形成する。開口部58を形成することで、外枠51と内枠61の間に存在する空間に、把持部37、ツメ42、および突起43を挿入することが可能になる。
内枠61には、外枠51に係合する複数の鉤部63が形成されている。鉤部63は、筒壁62の上端に形成され、径方向外側に突出している。枠体50では、内枠61の鉤部63を外枠51の環状支持部54に引っ掛けることで、内枠61が外枠51に固定されている。筒壁62は、下端に向かって拡径した末広がりの形状を有する。このため、外枠51と内枠61の間に形成される空間は、枠体50の下部よりも上部で大きくなっている。
内枠61には、複数の切欠き65が形成されている。切欠き65は、筒壁62の上端から上下方向中央部にわたって形成され、外枠51の切欠き55と共に開口部58を形成する。各切欠き55,65は、枠体50の周方向に略等間隔で形成され、1つの切欠き55と1つの切欠き65を一致させることで、1つの開口部58が形成される。つまり、開口部58は、外枠51と内枠61に跨って形成されている。開口部58は、把持部37、ツメ42、および突起43の数、寸法等に合わせて形成される。本実施形態では、ツメ42と同数の開口部58が、枠体50の中心軸の回りに約120°間隔で形成されている。
図8は、ホルダ30、レンズ40、内枠61、および樹脂シート70を抜き出して示す図である。図3および図8に例示するように、切欠き55,65を合わせて形成される1つの開口部58には、把持部37、ツメ42、および突起43が1つずつ挿入されている。突起43をツメ42の近傍に形成することで、ツメ42および突起43を同じ開口部58に挿入でき、開口部58の数を減らすことができる。
ツメ42および突起43は、部品公差等を考慮して、把持部37がツメ42に係合した状態において枠体50と接触していないことが好適である。即ち、把持部37がツメ42に係合した状態では、ツメ42および突起43と、内枠61の切欠き65の縁部との間には所定の隙間が形成されている。同様に、把持部37についても、内枠61の切欠き65の縁部との間に隙間が存在し、枠体50と接触していないことが好ましい。この場合、照明装置10の組立が容易になる。
一方、把持部37が破損した場合は、ツメ42および突起43の少なくとも一方、例えば突起43が内枠61の筒壁62(切欠き65の縁部)に引っ掛かる。このため、把持部37が破損してもレンズ40は落下しない。また、ツメ42および突起43の一方がさらに破損しても、ツメ42および突起43の他方が内枠61に引っ掛かるため、レンズ40の落下を防止できる。
図8に例示するように、ホルダ30は、樹脂シート70の貫通孔73に挿通されている。詳しくは後述するが、本実施形態では、ホルダ30の筒壁32に樹脂シート70の折り曲げ片72が当接する。また、樹脂シート70には、把持部37等との干渉を避けるための凹部74が複数形成されている。
図9は樹脂シート70の斜視図、図10は照明装置10の底面図である。図2〜図4および図9に例示するように、樹脂シート70は、環状に形成されたシート状の部材であって、複数の折り曲げ片72を有する。上述のように、樹脂シート70は装置本体11と枠体50の間に配置され、複数の折り曲げ片72がホルダ30およびレンズ40を枠体50の中心側に押す。なお、枠体50の中心とは、枠体50(内枠61)の中心軸が通る位置を意味する。
図10に例示するように、複数の折り曲げ片72を有する樹脂シート70を用いることで、レンズ40の外周面と枠体50の内周面50aとの間に形成される隙間80の均一化を図ることができる。これにより、レンズ40の光軸が枠体50の中心から大きくずれることを防止できる。本実施形態では、各折り曲げ片72が、ホルダ30の筒壁32の外周面に当接している。レンズ40はホルダ30と係合しているので、各折り曲げ片72がホルダ30の外周面を押圧することで、レンズ40を枠体50の中心側へ移動させる、所謂センタリングを行うことができる。
なお、折り曲げ片72によるレンズ40のセンタリングは、装置本体11にホルダ30をネジ止めする前に行われる。装置本体11、ホルダ30、レンズ40、枠体50、および樹脂シート70を所定の状態にセットすることで、折り曲げ片72がレンズ40と係合したホルダ30に当接してレンズ40の周囲に均一な隙間80を形成する。この状態でホルダ30を装置本体11にネジ止めすることにより、レンズ40の光軸と内枠61の中心軸が揃った照明装置10が得られる。
また、樹脂シート70は、装置本体11と枠体50の熱膨張係数の相違に起因して発生し得る異音を抑制する。樹脂シート70は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルを主成分として構成されることが好ましい。PET製の樹脂シート70は、異音の抑制効果に優れる。樹脂シート70の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.1mm〜0.7mmであり、より好ましくは0.2mm〜0.4mmである。異音抑制のための摩擦係数は、組み合わせる部材により異なるが、好ましくは0.3程度以下であり、より好ましくは0.2程度以下である。
樹脂シート70は、装置本体11と枠体50の間に介在する環状の基部71を有する。基部71は、装置本体11の筒壁12と、枠体50の環状支持部54とによって挟持されている。基部71に囲まれた樹脂シート70の貫通孔73は、ホルダ30およびレンズ40が挿通可能な大きさで形成される。環状支持部54には切欠き55およびネジ孔56が形成され、内枠61の鉤部63が引っ掛けられるので、基部71には、これらとの干渉を避けるための複数の凹部74が形成されている。即ち、貫通孔73の周縁(基部71の内周縁)には、複数の凹凸が形成されている。他方、基部71の外周縁の大部分は、曲率が略一定の円弧状に形成されている。
複数の折り曲げ片72は、基部71の内周縁から延出し、基部71の周方向に離れた少なくとも3箇所に形成されることが好ましい。折り曲げ片72の数は2つであってもよいが、折り曲げ片72を3つ以上設けることで、レンズ40の位置合わせが容易になる。折り曲げ片72は、例えばホルダ30の把持部37等と干渉しないように3つ形成される。各折り曲げ片72の間隔は均一でなくてもよいが、例えば樹脂シート70の中心を通る直線で当該シートを2分割した場合に、両方に折り曲げ片72が存在することが好ましい。
折り曲げ片72は、先端部が付根部よりも枠体50の中心側に位置するように屈曲し、弾性(バネ性)を有することが好ましい。弾性を有する折り曲げ片72を形成することで、レンズ40を枠体50の中心側に付勢でき、隙間80の幅を均一化することが容易になる。複数の折り曲げ片72は、装置本体11側に折れ曲がっていてもよいが、組立性等の観点から、枠体50側に折れ曲がり、枠体50側に延出していることが好ましい。本実施形態では、全ての折り曲げ片72が略同じ形状、寸法を有し、いずれも枠体50側に折れ曲がっている。
樹脂シート70は、複数の折り曲げ片72が環状支持部54の内周縁に引っ掛かった状態で環状支持部54上に配置されている。そして、各折り曲げ片72は、環状支持部54の内周縁から内枠61の筒内に延びている。換言すると、各折り曲げ片72は、環状支持部54の内周縁に沿って配置されるように、基部71の内周縁に形成される。図10に例示するように、各折り曲げ片72はホルダ30の外周面と内枠61の内周面50aの間に挿し込まれ、レンズ40と一体化されたホルダ30を内枠61の中心軸側に付勢する。
また、樹脂シート70の基部71は、折り曲げ片72が環状支持部54の内周縁に引っ掛かった状態で環状支持部54よりも外側に張り出している。基部71の外周縁は、装置本体11と枠体50の間から、これらの外周面の位置を超えて径方向外側に張り出している。基部71は、装置本体11および枠体50の略全周にわたって、装置本体11と枠体50の間からはみ出していることが好ましい。この場合、装置本体11と枠体50が直接接触することをより確実に防止できる。
以上のように、上記構成を備えた照明装置10によれば、経年劣化等によりホルダ30とレンズ40の係合部が破損しても、レンズ40の落下を防止できる。また、1つの樹脂シート70を用いて、上記異音の発生を抑制できると共に、レンズ40の光軸が枠体50の中心からずれることを抑制できる。
なお、上述の実施形態は、本開示の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。例えば、上述の実施形態では、外枠51と内枠61に跨って形成された開口部58を有する枠体50を例示したが、枠体には、開口部の代わりにツメ等が挿入可能な凹部が形成されていてもよい。また、当該開口部または凹部は、内枠のみに形成されていてもよい。また、枠体は単一部材で構成されていてもよい。