JP6947907B2 - 太陽電池素子 - Google Patents

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Description

本開示は、太陽電池素子および太陽電池素子の製造方法に関する。
太陽電池素子には、例えば、主として光を受ける前面の側に反射防止膜が存在しているものがある。この反射防止膜は、例えば、パッシベーション膜としても機能し得る。
このような太陽電池素子では、例えば、半導体基板における前面の側の主面のうち、パッシベーション膜によって覆われている部分の面積が大きければ、パッシベーション効果が高まり得る。このため、例えば、前面の側の電極のほとんどの部分を反射防止膜の上に位置させ、この電極の一部を、反射防止膜に形成された貫通孔を介して、半導体基板に接続させた太陽電池素子が提案されている(例えば、特開昭64−41277号公報、特開平2−123770号公報および特開昭64−89569号公報の記載を参照)。
太陽電池素子が開示される。
太陽電池素子の一態様は、半導体基板と、パッシベーション膜と、電極と、ガラス部と、を備えている。前記パッシベーション膜は、前記半導体基板上に位置している。前記電極は、本体部および複数の接続部、を有する。前記本体部は、前記パッシベーション膜上に位置している。前記複数の接続部のそれぞれは、前記本体部と前記半導体基板とを接続している状態で位置している。前記本体部は、金属と、第1ガラス成分と、を含有する。前記複数の接続部のそれぞれは、前記金属と、前記第1ガラス成分と、該第1ガラス成分とは材料が異なる第2ガラス成分と、を含有する。前記電極は、複数のフィンガー電極、を含む。前記電極を平面透視した場合に、前記複数の接続部は、前記複数のフィンガー電極のそれぞれの一部に位置している複数の第2接続部、を有する。前記ガラス部は、前記パッシベーション膜上に位置し、前記第2ガラス成分を含有している。前記パッシベーション膜、前記電極および前記ガラス部を平面透視した場合に、前記複数の第2接続部のそれぞれは、前記複数のフィンガー電極のそれぞれにおける前記本体部と前記ガラス部との交差部に位置している。
図1は、第1実施形態に係る太陽電池素子の一例を前面側から見た外観を示す平面図である。 図2は、第1実施形態に係る太陽電池素子の一例を裏面側から見た外観を示す平面図である。 図3は、図1および図2のIII−III線に沿った太陽電池素子の仮想的な切断面部の一例を示す図である。 図4は、図1および図2のIV−IV線に沿った太陽電池素子の仮想的な切断面部の一例を示す図である。 図5は、図1および図2のV−V線に沿った太陽電池素子の仮想的な切断面部の一例を示す図である。 図6(a)および図6(b)は、第1実施形態に係る太陽電池素子の製造方法における動作フローの一例を示す流れ図である。 図7(a)は、第1工程で準備された半導体基板の一例の第1面側から見た外観を示す図である。図7(b)は、図7(a)のVIIb-VIIb線に沿った半導体基板の仮想的な切断面部の一例を示す図である。 図8は、半導体基板上に第1パッシベーション膜および第2パッシベーション膜が形成された状態における、図7(b)の仮想的な切断面部に対応する仮想的な切断面部の一例を示す図である。 図9は、第1パッシベーション膜上に第2aペーストが塗布された状態の一例を示す平面図である。 図10は、第1パッシベーション膜上に第1aペーストが塗布された状態の一例を示す平面図である。 図11は、第2パッシベーション膜上に第2bペーストが塗布された状態の一例を示す平面図である。 図12は、第2パッシベーション膜上に第1bペーストおよび第1cペーストが塗布された状態の一例を示す平面図である。 図13は、第2実施形態に係るペーストを塗布する第3工程の動作フローの一例を示す流れ図である。 図14は、第1パッシベーション膜上に第1aペーストが塗布された状態の一例を示す平面図である。 図15は、第1パッシベーション膜上に第2aペーストが塗布された状態の一例を示す平面図である。 図16は、第2パッシベーション膜上に第1bペーストおよび第1cペーストが塗布された状態の一例を示す平面図である。 図17は、第2パッシベーション膜上に第2bペーストが塗布された状態の一例を示す平面図である。 図18は、第3実施形態に係る太陽電池素子の一例を前面側から見た外観を示す平面図である。 図19は、第3実施形態に係る太陽電池素子の一例を裏面側から見た外観を示す平面図である。
例えば、光を主に受光する前面側に反射防止膜が存在している太陽電池素子が知られている。この反射防止膜は、例えば、光の反射を低減するだけでなく、パッシベーション効果を発揮するパッシベーション膜としても機能し得る。そして、例えば、パッシベーション膜によって半導体基板のうちの前面側の面が覆われている部分の面積が増大すれば、パッシベーション効果が高まり得る。
このため、反射防止膜にレーザーの照射あるいはエッチングによって複数の微小な貫通孔を設け、反射防止膜上および複数の微小な貫通孔内に位置するように、バスバー電極およびフィンガー電極を含む前面側の電極を形成することが考えられる。このとき、バスバー電極およびフィンガー電極は、例えば、反射防止膜上に金属とガラス成分とを含む金属ペーストを塗布し、この金属ペーストを焼成することで形成され得る。
しかしながら、例えば、金属ペーストを焼成する際に、反射防止膜に対する焼成貫通を生じないようにする必要がある。このため、例えば、焼成温度ならびに金属ペーストに含有されるガラスフリットの量および種類が限定され得る。これにより、例えば、電極と半導体基板との接着強度を十分に高めることができず、電極が半導体基板から剥離しやすくなる場合がある。その結果、例えば、太陽電池素子の光電変換効率が低下しやすく、太陽電池素子の信頼性の低下を招く場合がある。
また、例えば、レーザーの照射によって反射防止膜に微小な貫通孔を形成すると、第1導電型の半導体基板の表層に一旦形成された第2導電型の領域の一部も除去してしまう場合がある。この場合には、例えば、微小な貫通孔を形成した後に、半導体基板の表層のうちの貫通孔に面した部分に対して、第2導電型のドーパントを再度導入することが考えられる。ただし、半導体基板の表層に対して第2導電型のドーパントの導入を2回も実施すると、太陽電池素子の製造工程の複雑化を招くおそれがある。
また、例えば、長細いフィンガー電極の形成については、反射防止膜に形成された微小な貫通孔を通るように長細く金属ペーストを塗布することは容易でない。このため、例えば、太陽電池素子を製造する際に、高精度な位置合わせを行う装置および工程の複雑化を招く場合がある。また、例えば、長細いフィンガー電極が微小な貫通孔に十分に入り込まずに電極と半導体基板との接続不良が生じて、太陽電池素子の光電変換効率の低下を招く場合もある。
これらの問題は、太陽電池素子の前面側とは逆の裏面側において、パッシベーション膜の上に電極を形成する場合にも生じ得る。
したがって、太陽電池素子については、例えば、信頼性および光電変換効率などの品質を容易に向上させることは容易でない。
そこで、本発明者らは、太陽電池素子について、品質を容易に向上させることができる技術を創出した。
これについて、以下、第1実施形態から第3実施形態を図面に基づいて説明する。図面においては同様な構成および機能を有する部分に同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。図面は模式的に示されたものである。図1から図5、図7(a)から図12および図14から図19には、右手系のXYZ座標系が付されている。このXYZ座標系では、前面バスバー電極61の長手方向が+Y方向とされ、前面フィンガー電極62の長手方向が+X方向とされ、+X方向と+Y方向との両方に直交する方向が+Z方向とされている。
<1.第1実施形態>
<1−1.太陽電池素子の構成の概要>
第1実施形態に係る太陽電池素子10の構成を、図1から図5に基づいて説明する。第1実施形態に係る太陽電池素子10は、PERC(Passivated Emitter and Rear Cell)型の太陽電池素子である。
図1から図5で示されるように、太陽電池素子10は、主に光を受光する面(前面ともいう)10fsと、この前面の逆側に位置している面(裏面ともいう)10bsと、を有する。図1から図5の例では、前面10fsが、+Z方向を向いている状態で位置しており、裏面10bsが、−Z方向を向いている状態で位置している。
太陽電池素子10は、例えば、半導体基板1と、第1パッシベーション膜5と、第2パッシベーション膜9、前面電極6と、裏面電極7と、を有する。
<1−2.半導体基板>
図3から図5で示されるように、半導体基板1は、例えば、第1面1fsと、第2面1bsと、第3面1ssと、を有する。第1面1fsは、前面10fs側に位置している。第2面1bsは、裏面10bs側に位置している。換言すれば、第2面1bsは、半導体基板1のうちの第1面1fsとは逆側に位置している。さらに換言すれば、第1面1fsと第2面1bsとは相互に逆向きである状態で位置している。第3面1ssは、第1面1fsと第2面1bsとを接続している状態で位置している。換言すれば、第3面1ssは、半導体基板1の外周縁を構成している端面である。図3から図5の例では、第1面1fsは、+Z方向を向いている状態で位置している。第2面1bsは、−Z方向を向いている。半導体基板1は、+Z方向に沿った厚さを有する平板状の形態を有する。このため、第1面1fsおよび第2面1bsは、それぞれXY平面に沿った半導体基板1の板面を構成している状態で位置している。
また、半導体基板1は、第1半導体領域2と、第2半導体領域3と、を有する。第1半導体領域2は、例えば、第1導電型を有する半導体によって構成されている状態で位置している。第2半導体領域3は、例えば、第1導電型とは逆の第2導電型を有する半導体によって構成されている状態で位置している。第1半導体領域2は、半導体基板1のうちの第2面1bsの側に位置している。第2半導体領域3は、半導体基板1のうちの第1面1fsの側に位置している。具体的には、第2半導体領域3は、半導体基板1のうちの第1面1fs側に位置している表層部に位置している。図3から図5の例では、第1半導体領域2上に第2半導体領域3が位置している。
ここで、例えば、半導体基板1がシリコン基板である場合を想定する。この場合には、シリコン基板として、多結晶または単結晶のシリコン基板が採用される。シリコン基板は、例えば、250μm以下あるいは150μm以下の厚さを有する。また、シリコン基板は、例えば、平面視して矩形状の外形を有する。このような形状を有する半導体基板1が採用されれば、複数の太陽電池素子10を並べて太陽電池モジュールが製造される際に、太陽電池素子10同士の間の隙間が小さくなり得る。
また、例えば、第1導電型がp型であるとともに第2導電型がn型である場合には、例えば、多結晶あるいは単結晶のシリコンの結晶に、ドーパント元素として、ボロンあるいはガリウムなどの不純物を含有させることで、p型のシリコン基板が製作され得る。この場合には、p型のシリコン基板の第1面1fs側の表層部にn型のドーパントとしてのリンなどの不純物を拡散させることで、n型の第2半導体領域3が生成され得る。このとき、p型の第1半導体領域2とn型の第2半導体領域3とが積層された半導体基板1が形成され得る。これにより、半導体基板1は、第1半導体領域2と第2半導体領域3との界面に位置しているpn接合部を有する。
ここで、半導体基板1の第1面1fsは、例えば、照射された光の反射を低減するための微細な凹凸構造(テクスチャ)を有していてもよい。
また、例えば、半導体基板1のうちの第2面1bs側の表層部に、第1半導体領域2の第1導電型(例えば、p型)と同一である第1導電型を有する第3半導体領域が存在していてもよい。このとき、例えば、第3半導体領域が含有するドーパントの濃度が、第1半導体領域2が含有するドーパントの濃度よりも高ければ、第3半導体領域は、半導体基板1の第2面1bs側において内部電界を形成している状態で位置している。これにより、半導体基板1の第2面1bsの近傍では、半導体基板1において光の照射に応じた光電変換によって生じる少数キャリアの再結合が低減され得る。その結果、太陽電池素子10における光電変換効率の低下が生じにくい。第3半導体領域は、例えば、半導体基板1のうちの第2面1bs側の表層部に、アルミニウムなどのドーパント元素が拡散されることで形成され得る。
<1−3.第1パッシベーション膜>
図1および図3から図5で示されるように、第1パッシベーション膜5は、例えば、半導体基板1の上に位置している。具体的には、第1パッシベーション膜5は、例えば、半導体基板1の第1面1fs上に位置している。第1パッシベーション膜5は、例えば、半導体基板1において、光の照射に応じた光電変換によって生成される少数キャリアの再結合を低減することができる。第1パッシベーション膜5の素材としては、例えば、窒化珪素などが採用され得る。第1パッシベーション膜5は、例えば、1層あるいは互いに異なる素材を含む2層以上によって構成されている状態で位置していてもよい。
ここで、例えば、第1半導体領域2がp型の導電型を有するとともに第2半導体領域3がn型の導電型を有する場合を想定する。この場合には、例えば、窒化珪素の膜は正の固定電荷を有する。このため、n型の第2半導体領域3の上に位置している正の固定電荷を持つ窒化珪素の膜によって、第1パッシベーション膜5によるパッシベーション効果が増大し得る。この第1パッシベーション膜5は、例えば、厚さが適宜調整されることで、反射防止膜としても機能し得る。このとき、第1パッシベーション膜5の屈折率および厚さは、太陽光のうち、半導体基板1に吸収されて発電に寄与し得る波長範囲の光に対して、反射率が低い条件(低反射条件ともいう)を実現することが可能な値に適宜設定され得る。例えば、第1パッシベーション膜5の屈折率を1.8から2.5程度とし、この第1パッシベーション膜5の厚さを、20nmから120nm程度とすることが考えられる。
<1−4.第2パッシベーション膜>
図2から図5で示されるように、第2パッシベーション膜9は、例えば、半導体基板1の上に位置している。具体的には、第2パッシベーション膜9は、例えば、半導体基板1の第2面1bs上に位置している。第2パッシベーション膜9は、例えば、半導体基板1において、光の照射に応じた光電変換によって生成される少数キャリアの再結合を低減することができる。第2パッシベーション膜9の素材としては、例えば、酸化アルミニウムなどが採用され得る。第2パッシベーション膜9は、例えば、1層あるいは互いに異なる素材を含む2層以上によって構成されている状態で位置していてもよい。
ここで、例えば、第1半導体領域2がp型の導電型を有するとともに第2半導体領域3がn型の導電型を有する場合を想定する。この場合には、例えば、酸化アルミニウムの膜は負の固定電荷を有する。このため、p型の第1半導体領域2の上に位置している負の固定電荷を持つ酸化アルミニウムの膜によって、第2パッシベーション膜9によるパッシベーション効果が増大し得る。
<1−5.前面電極>
図1および図3から図5で示されるように、前面電極6は、例えば、太陽電池素子10の前面10fsの側に位置している。この前面電極6は、例えば、金属と、ガラスフリットと、有機ビヒクルと、が混合された金属ペーストなどの塗布および焼成によって形成され得る。
第1実施形態では、前面電極6は、例えば、本体部61a,62aと、複数の接続部61b,62bと、を有する。本体部61a,62aは、例えば、第1パッシベーション膜5上に位置している。複数の接続部61b,62bのそれぞれは、例えば、本体部61a,62aと半導体基板1とを接続している状態で位置している。
また、第1実施形態では、前面電極6は、例えば、前面バスバー電極61と、複数の前面フィンガー電極62とを有する。前面バスバー電極61は、第1方向としての+Y方向に細長い形状を有する。図1の例では、前面電極6は、相互に平行な3本の前面バスバー電極61を有する。前面バスバー電極61の幅は、例えば、2mmから3mm程度とされる。また、複数の前面フィンガー電極62のそれぞれは、例えば、前面バスバー電極61に交差している状態で位置しており、前面バスバー電極61よりも細長い形状を有する。図1の例では、前面電極6は、3本の前面バスバー電極61に直交している状態で位置している、相互に平行な多数の前面フィンガー電極62を有する。前面フィンガー電極62の幅は、例えば、20μmから200μm程度とされる。
ここでは、前面バスバー電極61は、例えば、第1パッシベーション膜5上に位置している本体部(前面第1本体部ともいう)61aと、この前面第1本体部61aと半導体基板1の第1面1fsとを接続している接続部(前面第1接続部ともいう)61bと、を有する。複数の前面フィンガー電極62のそれぞれは、例えば、第1パッシベーション膜5上に位置している本体部(前面第2本体部ともいう)62aと、この前面第2本体部62aと半導体基板1の第1面1fsとを接続している接続部(前面第2接続部ともいう)62bと、を有する。図3および図5の例では、前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bは、それぞれ第1パッシベーション膜5を貫通している状態で位置している。
ここで、前面第1本体部61aおよび前面第2本体部62aは、金属と、第1ガラス成分と、を含有する。金属に、例えば、銀あるいは銅が適用されれば、隣り合う太陽電池素子10を電気的に直列に接続するために前面バスバー電極61に配線材を接合する際に、はんだを用いた接合が可能となる。前面第1本体部61aおよび前面第2本体部62aでは、金属の濃度は、例えば、80質量%から98質量%程度とされ、第1ガラス成分の濃度は、例えば、2質量%から20質量%程度とされる。
また、ここで、前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bは、前面第1本体部61aおよび前面第2本体部62aと同様に、金属と、第1ガラス成分と、を含有する。これらの前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bは、さらに、第1ガラス成分とは材料が異なる第2ガラス成分、を含有する。前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bでも、前面第1本体部61aおよび前面第2本体部62aと同様に、金属に、例えば、銀あるいは銅が適用される。このとき、例えば、第1導電型がp型であるとともに第2導電型がn型である場合には、前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bと、n型の第2半導体領域3と、の間におけるオーミックコンタクトが容易に実現され得る。
前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bでは、金属の濃度は、例えば、60質量%から96質量%程度とされ、第1ガラス成分の濃度は、例えば、2質量%から20質量%程度とされ、第2ガラス成分の濃度は、例えば、2質量%から20質量%程度とされる。前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bは、例えば、金属と第1ガラス成分とを含む金属ペースト(第1ペーストともいう、特に前面10fs側に用いる第1ペーストを第1aペーストという)と、第2ガラス成分を含むペースト(第2ペーストともいう、特に前面10fs側に用いる第2ペーストを第2aペーストという)との重畳箇所で、第1パッシベーション膜5の焼成貫通が生じて形成され得る。
上記構成が採用されれば、例えば、前面電極6の前面第1本体部61aおよび前面第2本体部62aには、金属および第1ガラス成分の他に、第1パッシベーション膜5の焼成貫通に必要な第2ガラス成分までは含まれていない。このため、例えば、前面電極6の前面第1本体部61aおよび前面第2本体部62aに占めるガラス成分の割合を低減することができる。これにより、例えば、前面電極6における前面第1本体部61aおよび前面第2本体部62aの電気抵抗が低減され得る。その結果、例えば、前面電極6を細くすることが可能となり、前面10fsにおいて、半導体基板1に光が入射しやすくすることができる。したがって、例えば、太陽電池素子10における光電変換効率を容易に向上させることができる。また、例えば、前面バスバー電極61および前面フィンガー電極62を形成するための素材の使用量を低減することができる。したがって、例えば、太陽電池素子10における品質を容易に向上させることができる。
また、例えば、第1パッシベーション膜5の焼成貫通が生じにくい金属と第1ガラス成分とを含む第1aペーストの塗布と、第2ガラス成分を含む第2aペーストの塗布と、を組み合わせて、前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bを形成することができる。ここでは、例えば、第1aペーストと第2aペーストとが重畳している箇所で局所的に第1パッシベーション膜5の焼成貫通を生じさせて、前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bを形成することができる。このため、例えば、第1aペーストなどの金属ペーストに関する焼成温度ならびに金属ペーストに含有されるガラス成分の含有量および種類などの諸条件について、選択肢の幅が拡がる。また、例えば、前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bを形成するための第1aペーストと第2aペーストとの組合せについても選択の余地がある。これにより、例えば、前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bと半導体基板1との接着強度を十分に高めることができる。その結果、例えば、前面バスバー電極61および複数の前面フィンガー電極62が半導体基板1から剥離しにくくなり、太陽電池素子10における信頼性を容易に向上させることができる。したがって、太陽電池素子10における品質を容易に向上させることができる。
ここで、第1ガラス成分には、例えば、酸化ビスマス(Bi)および酸化珪素(SiO)の双方を含むものが適用される。この場合には、第1ガラス成分における酸化ビスマスの質量の比率は、例えば、第1ガラス成分における酸化珪素の質量の比率の1倍から10倍程度とされる。さらに、例えば、第1ガラス成分を100質量部とした場合には、第1ガラス成分は、酸化物換算で40質量部から90質量部程度の割合で酸化ビスマスを含有する。また、第2ガラス成分には、例えば、酸化ナトリウム(NaO)あるいは酸化ナトリウム(NaO)および酸化珪素(SiO)の双方を含むものが適用される。例えば、第2ガラス成分が、酸化ナトリウムおよび酸化珪素の双方を有する場合には、第2ガラス成分における酸化ナトリウムの質量の比率は、例えば、第2ガラス成分における酸化珪素の質量の比率の1倍から10倍程度とされる。さらに、例えば、第2ガラス成分を100質量部とした場合には、第2ガラス成分は、酸化物換算で40質量部から90質量部程度の割合で酸化ナトリウムを含有する。ここで、例えば、第1ガラス成分における含有物と第2ガラス成分における含有物とは逆であってもよい。
また、例えば、前面第1本体部61aおよび前面第2本体部62aにおける第1ガラス成分の濃度(第1濃度ともいう)が、前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bのそれぞれにおける第1ガラス成分と第2ガラス成分とを合計したガラス成分の濃度(第2濃度ともいう)よりも低ければ、前面第1本体部61aおよび前面第2本体部62aの電気抵抗が低減され得る。これにより、例えば、前面バスバー電極61および前面フィンガー電極62を含む前面電極6を細くすることが可能となる。その結果、例えば、前面10fs側において、半導体基板1に光が入射しやすくすることができる。したがって、例えば、太陽電池素子10における光電変換効率を容易に向上させることができる。また、このとき、例えば、前面バスバー電極61および前面フィンガー電極62を形成するための金属などの素材の使用量を低減することができる。したがって、例えば、太陽電池素子10における品質を容易に向上させることができる。
第1濃度および第2濃度の分析は、例えば、エネルギー分散型X線分析法(EDX;Energy dispersive X-ray spectrometry)または二次イオン質量分析法(SIMS;Secondary Ion Mass Spectrometry)などで実施することができる。
ここで、例えば、図1で示されるように、前面電極6を平面透視した場合に、前面第1接続部61bは、前面バスバー電極61の内部に位置しており、前面第2接続部62bは、前面フィンガー電極62の一部に位置している。このため、例えば、半導体基板1に対する前面バスバー電極61の接着強度が向上する。これにより、例えば、隣り合う太陽電池素子10を電気的に直列に接続するために前面バスバー電極61に配線材を接合しても、この配線材による外力の付与に拘わらず、前面バスバー電極61が半導体基板1から剥離しにくい。その結果、例えば、太陽電池素子10における信頼性を容易に向上させることができる。したがって、例えば、太陽電池素子における品質を容易に向上させることができる。
ここで、例えば、図1および図4で示されるように、太陽電池素子10は、第1パッシベーション膜5上に位置している、第1ガラス部11をさらに備えていてもよい。この第1ガラス部11は、第2ガラス成分を含有する。ここで、例えば、図1で示されるように、第1パッシベーション膜5、前面電極6および第1ガラス部11を平面透視した場合に、複数の前面第2接続部62bのそれぞれは、複数の前面フィンガー電極62のそれぞれにおける前面第2本体部62aと第1ガラス部11との第1交差部CR1に位置している。このような構成は、例えば、第1パッシベーション膜5の上に、第1aペーストと、第2aペーストと、を互いに交差するように塗布し、第1aペーストおよび第2aペーストを焼成して、第1パッシベーション膜5の局所的な焼成貫通を生じさせることで、実現され得る。このため、例えば、細い前面フィンガー電極62の形成についても、第1aペーストを塗布する領域と第2aペーストを塗布する領域との間における位置合わせを高精度で行わなくても、前面第2接続部62bを容易に形成することができる。換言すれば、例えば、前面電極6と半導体基板1との間における良好な接続が容易に実現され得る。その結果、例えば、太陽電池素子10における光電変換効率を容易に向上させることができる。したがって、例えば、太陽電池素子10における品質を容易に向上させることができる。
ここで、例えば、図1で示されるように、第1ガラス部11は、第1方向(+Y方向)に沿った仮想的な線(第1仮想線ともいう)VL1に沿って位置し、複数の前面フィンガー電極62どうしの間の領域において途切れている不連続な形態を有していてもよい。図1の例では、相互に平行な複数(例えば、10本)の直線状の第1仮想線VL1のそれぞれに沿って、第1ガラス部11が位置している。ここでは、第1ガラス部11は、例えば、直線状に位置していてもよいし、湾曲するように線状に位置していてもよい。このような構成が採用されれば、例えば、第1パッシベーション膜5の上を占める第1ガラス部11の面積の増大を低減することができる。このため、例えば、第1ガラス部11の存在による半導体基板1への光の入射の減少が低減され得る。その結果、例えば、太陽電池素子10における光電変換効率を容易に向上させることができる。ここで、例えば、第1ガラス部11の形状が、厚さが薄い膜状であれば、第1ガラス部11を光が透過しやすく、第1ガラス部11の存在による半導体基板1への光の入射の減少が低減され得る。
<1−6.裏面電極>
図2から図5で示されるように、裏面電極7は、例えば、太陽電池素子10の裏面10bsの側に位置している。この裏面電極7は、例えば、金属と、ガラスフリットと、有機ビヒクルと、が混合された金属ペーストなどの塗布および焼成によって形成され得る。
第1実施形態では、裏面電極7は、例えば、本体部71a,72aと、複数の接続部71b,72bと、を有する。本体部71a,72aは、例えば、第2パッシベーション膜9上に位置している。複数の接続部71b,72bのそれぞれは、例えば、本体部71a,72aと半導体基板1とを接続している状態で位置している。
また、第1実施形態では、裏面電極7は、例えば、裏面バスバー電極71と、複数の裏面フィンガー電極72とを有する。裏面バスバー電極71は、第1方向としての+Y方向に細長い形状を有する。図2の例では、裏面電極7は、相互に平行な3本の裏面バスバー電極71を有する。第1実施形態では、3本の裏面バスバー電極71のそれぞれは、第1方向に沿って並んでいる複数(図2の例では4つ)の島状の部分を有する。裏面バスバー電極71の幅は、例えば、2mmから3mm程度とされる。また、複数の裏面フィンガー電極72のそれぞれは、例えば、裏面バスバー電極71に交差している状態で位置しており、裏面バスバー電極71よりも細長い形状を有する。図2の例では、裏面電極7は、3本の裏面バスバー電極71に直交している状態で位置している、相互に平行な多数の裏面フィンガー電極72を有する。裏面フィンガー電極72の幅は、例えば、20μmから200μm程度とされる。
ここでは、裏面バスバー電極71は、例えば、第2パッシベーション膜9上に位置している本体部(裏面第1本体部ともいう)71aと、この裏面第1本体部71aと半導体基板1の第2面1bsとを接続している接続部(裏面第1接続部ともいう)71bと、を有する。複数の裏面フィンガー電極72のそれぞれは、例えば、第2パッシベーション膜9上に位置している本体部(裏面第2本体部ともいう)72aと、この裏面第2本体部72aと半導体基板1の第2面1bsとを接続している接続部(裏面第2接続部ともいう)72bと、を有する。図3および図5の例では、裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bは、それぞれ第2パッシベーション膜9を貫通している状態で位置している。
ここで、裏面第1本体部71aおよび裏面第2本体部72aは、金属と、第1ガラス成分と、を含有する。金属に、例えば、銀あるいは銅が適用されれば、隣り合う太陽電池素子10を電気的に直列に接続するために裏面バスバー電極71に配線材を接合する際に、はんだを用いた接合が可能となる。裏面第1本体部71aおよび裏面第2本体部72aでは、金属の濃度は、例えば、80質量%から98質量%程度とされ、第1ガラス成分の濃度は、例えば、2質量%から20質量%程度とされる。
また、ここで、裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bは、裏面第1本体部71aおよび裏面第2本体部72aと同様に、金属と、第1ガラス成分と、を含有する。これらの裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bは、さらに、第2ガラス成分、を含有する。裏面第1接続部71bにも、裏面第1本体部71aと同様に、金属として、例えば、銀あるいは銅が適用される。これにより、太陽電池モジュールを作製時において、隣り合う太陽電池素子10を電気的に直列に接続するために、裏面バスバー電極71に配線材を接合する際には、はんだを用いた接合が可能となる。また、裏面第2接続部72bには、金属として、例えば、アルミニウムあるいはアルミニウムに少量の銀を含有したものが適用される。このとき、例えば、第1導電型がp型であるとともに第2導電型がn型である場合には、裏面第2接続部72bとp型の第1半導体領域2との間において、オーミックコンタクトが容易に実現され得る。
裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bでは、金属の濃度は、例えば、60質量%から96質量%程度とされ、第1ガラス成分の濃度は、例えば、2質量%から20質量%程度とされ、第2ガラス成分の濃度は、例えば、2質量%から20質量%程度とされる。裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bは、例えば、金属と第1ガラス成分とを含む金属ペースト(第1ペースト、特に裏面10bs側に用いて、銀あるいは銅を主成分とするものを第1bペースト、アルミニウムを主成分とするものを第1cペーストという)と、第2ガラス成分を含むペースト(第2ペースト、特に裏面10bs側に用いるものを第2bペーストという)との重畳箇所で、第2パッシベーション膜9の焼成貫通が生じて形成され得る。
上記構成が採用されれば、例えば、裏面電極7の裏面第1本体部71aおよび裏面第2本体部72aには、金属および第1ガラス成分の他に、第2パッシベーション膜9の焼成貫通に必要な第2ガラス成分までは含まれていない。このため、例えば、裏面電極7の裏面第1本体部71aおよび裏面第2本体部72aに占めるガラス成分の割合を低減することができる。これにより、例えば、裏面電極7における裏面第1本体部71aおよび裏面第2本体部72aの電気抵抗が低減される。その結果、例えば、裏面電極7を細くすることが可能となり、太陽電池素子10が裏面10bsでも受光するタイプのものであれば、裏面10bsにおいて、半導体基板1に光が入射しやすくなる。したがって、例えば、太陽電池素子10における光電変換効率を容易に向上させることができる。また、例えば、裏面バスバー電極71および裏面フィンガー電極72を形成するための素材の使用量を低減することができる。したがって、例えば、太陽電池素子10における品質を容易に向上させることができる。
また、例えば、第2パッシベーション膜9の焼成貫通を生じにくい金属と第1ガラス成分とを含む第1ペーストの塗布と、第2ガラス成分を含む第2ペーストの塗布と、を組み合わせて、裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bを形成することができる。ここでは、例えば、第1bペーストと第2bペーストとが重畳している箇所および第1cペーストと第2bペーストとが重畳している箇所で局所的に第2パッシベーション膜9の焼成貫通を生じさせて、裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bを形成することができる。このため、例えば、第1bペーストおよび第1cペーストなどの金属ペーストに関する焼成温度ならびに金属ペーストに含有されるガラス成分の含有量および種類などの諸条件について、選択肢の幅が拡がる。また、例えば、裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bを形成するための第1bペーストと第2bペーストとの組合せおよび第1cペーストと第2bペーストとの組合せについても選択の余地がある。これにより、例えば、裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bと半導体基板1との接着強度を十分に高めることができる。その結果、例えば、裏面バスバー電極71および複数の裏面フィンガー電極72が半導体基板1から剥離しにくくなり、太陽電池素子10における信頼性を容易に向上させることができる。したがって、太陽電池素子10における品質を容易に向上させることができる。
ここで、例えば、裏面第1本体部71aおよび裏面第2本体部72aにおける第1ガラス成分の濃度(第1濃度)が、裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bのそれぞれにおける第1ガラス成分と第2ガラス成分とを合計したガラス成分の濃度(第2濃度)よりも低ければ、裏面第1本体部71aおよび裏面第2本体部72aの電気抵抗が低減され得る。これにより、例えば、裏面バスバー電極71および裏面フィンガー電極72を含む裏面電極7を細くすることが可能となる。その結果、例えば、太陽電池素子10が裏面10bsでも受光するタイプのものであれば、裏面10bs側において、半導体基板1に光が入射しやすくすることができる。したがって、例えば、太陽電池素子10における光電変換効率を容易に向上させることができる。また、このとき、例えば、裏面バスバー電極71および裏面フィンガー電極72を形成するための金属などの素材の使用量を低減することができる。したがって、例えば、太陽電池素子10における品質を容易に向上させることができる。
ここで、例えば、図2で示されるように、裏面電極7を平面透視した場合に、裏面第1接続部71bは、裏面バスバー電極71の内部に位置しており、裏面第2接続部72bは、裏面フィンガー電極72の一部に位置している。このため、例えば、半導体基板1に対する裏面バスバー電極71の接着強度が向上する。これにより、例えば、隣り合う太陽電池素子10を電気的に直列に接続するために裏面バスバー電極71に配線材を接合しても、この配線材による外力の付与に拘わらず、裏面バスバー電極71が半導体基板1から剥離しにくい。その結果、例えば、太陽電池素子10における信頼性を容易に向上させることができる。したがって、例えば、太陽電池素子10における品質を容易に向上させることができる。
ここで、例えば、図2および図4で示されるように、太陽電池素子10は、第2パッシベーション膜9上に位置している、第2ガラス部12をさらに備えていてもよい。この第2ガラス部12は、第2ガラス成分を含有する。ここで、例えば、図2で示されるように、第2パッシベーション膜9、裏面電極7および第2ガラス部12を平面透視した場合に、複数の裏面第2接続部72bのそれぞれは、複数の裏面フィンガー電極72のそれぞれにおける裏面第2本体部72aと第2ガラス部12との第2交差部CR2に位置している。このような構成は、例えば、第2パッシベーション膜9の上に、第1bペーストと第2bペーストとを互いに交差するように塗布するとともに、第1cペーストと第2bペーストとを互いに交差するように塗布し、第1bペースト、第1cペーストおよび第2bペーストを焼成して、第2パッシベーション膜9の局所的な焼成貫通を生じさせることで、実現され得る。換言すれば、上記構成は、例えば、第1ペーストと第2ペーストとを互いに交差するように塗布し、第1ペーストおよび第2ペーストを焼成して、第2パッシベーション膜9の局所的な焼成貫通を生じさせることで、実現され得る。このため、例えば、細い裏面フィンガー電極72の形成についても、第1ペーストを塗布する領域と第2ペーストを塗布する領域との間における位置合わせを高精度で行わなくても、裏面第2接続部72bを容易に形成することができる。換言すれば、例えば、裏面電極7と半導体基板1との間における良好な接続が容易に実現され得る。その結果、例えば、太陽電池素子10における光電変換効率を容易に向上させることができる。したがって、例えば、太陽電池素子10における品質を容易に向上させることができる。
ここで、例えば、図2で示されるように、第2ガラス部12は、第1方向(+Y方向)に沿った仮想的な線(第2仮想線ともいう)VL2に沿って位置し、複数の裏面フィンガー電極72どうしの間の領域において途切れている不連続な形態を有していてもよい。図2の例では、相互に平行な複数(例えば、10本)の直線状の第2仮想線VL2のそれぞれに沿って、第2ガラス部12が位置している。ここでは、第2ガラス部12は、例えば、直線状に位置していてもよいし、湾曲するように線状に位置していてもよい。このような構成が採用されれば、例えば、第2パッシベーション膜9の上を占める第2ガラス部12の面積の増大を低減することができる。このため、例えば、太陽電池素子10が裏面10bsでも受光するタイプのものであれば、第2ガラス部12の存在による半導体基板1への光の入射の減少が低減され得る。その結果、例えば、太陽電池素子10における光電変換効率を容易に向上させることができる。ここで、例えば、第2ガラス部12の形状が、厚さが薄い膜状であれば、第2ガラス部12を光が透過しやすく、第2ガラス部12の存在による半導体基板1への光の入射の減少が低減され得る。
<1−7.太陽電池素子の製造方法>
次に、太陽電池素子10の製造方法の一例について、図6(a)から図12に基づいて説明する。ここでは、図6(a)および図6(b)で示される第1工程ST1から第4工程ST4をこの記載の順に実施することで、太陽電池素子10を製造することができる。
まず、半導体基板1を準備する第1工程ST1を実施する。ここでは、図7(a)および図7(b)で示されるように、半導体基板1は、第1導電型の第1半導体領域2と、第2導電型の第2半導体領域3と、を有する。この半導体基板1は、例えば、第1面1fsと、第2面1bsと、第3面1ssと、を有する。第1面1fsは、半導体基板1のうちの第2半導体領域3の側に位置している。第2面1fsは、半導体基板1のうちの第1半導体領域2の側に位置している。
このような半導体基板1は、例えば、次のようにして準備され得る。まず、例えば、既存のチョクラルスキー(Czochralski:CZ)法または鋳造法などを用いて作製された第1導電型の多結晶シリコンのインゴットを、スライスして半導体基板を作製する。半導体基板1の形状および大きさには特段の制限は無いが、半導体基板1には、例えば1辺が150mmから160mm程度の正方形状の表裏面を有するものなどが採用される。この半導体基板の表面に対する、アルカリ性または酸性の水溶液を用いたごく微量のエッチングにより、半導体基板の切断面の機械的なダメージおよび汚染を受けた層を除去する。次に、アルカリ性もしくは酸性の水溶液を用いた湿式エッチングあるいは反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)法を用いた乾式エッチングによって、半導体基板の一主面にテクスチャを形成する。次に、半導体基板のテクスチャを有する一主面側の表層部に、塗布熱拡散法または気相熱拡散法などを用いて、第2導電型の第2半導体領域3を形成する。塗布熱拡散法では、例えば、ペースト状にした五酸化二リンを半導体基板の一主面に塗布してリンを熱拡散させる。気相熱拡散法では、例えば、オキシ塩化リンなどの拡散ガスを含む雰囲気中で600℃から800℃程度の温度で熱処理を施して燐ガラスを半導体基板の一主面に形成し、この半導体基板に対して不活性ガスの雰囲気中で比較的高温(850℃程度)で熱処理を施す。このとき、例えば、第2面1bs側に第2半導体領域が形成されていれば、フッ硝酸の水溶液への浸漬などによって第2面1bs側の第2半導体領域をエッチングで除去し、半導体基板1の第2面1bsにおいて第1導電型を有する第1半導体領域2を露出させる。また、第2半導体領域3の形成時に一主面に付着した燐ガラスをエッチングで除去する。
次に、半導体基板1の第1面1fsの上に第1パッシベーション膜5を形成し、半導体基板1の第2面1bsの上に第2パッシベーション膜9を形成する第2工程ST2を実施する。ここでは、図8で示されるように、半導体基板1の第1面1fsの上に第1パッシベーション膜5を形成するとともに、半導体基板1の第2面1bsの上に第2パッシベーション膜9を形成する。
ここでは、第1パッシベーション膜5は、例えば、プラズマCVD(plasma-enhanced chemical vapor deposition:PECVD)法またはスパッタリング法を用いて形成される。例えば、PECVD法を用いて、窒化珪素を含有する第1パッシベーション膜5を形成する場合を想定する。この場合には、例えば、シランとアンモニアとの混合ガスを、窒素ガスで希釈し、反応圧力を50Paから200Pa程度にして、グロー放電分解でプラズマ化させたものを、加熱された半導体基板1の第1面fs上に堆積させる。これにより、半導体基板1の第1面1fsの上に第1パッシベーション膜5が形成され得る。また、ここでは、第2パッシベーション膜9は、例えば、原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法などを用いて形成される。例えば、ALD法を用いて、酸化アルミニウムを含有する第2パッシベーション膜9を形成する場合を想定する。この場合には、例えば、成膜装置のチャンバー内に載置した半導体基板1を100℃から250℃程度の温度域まで加熱した状態で、次の工程[A]から[D]を複数回繰り返し行う。これにより、半導体基板1の第2面1bsの上に第2パッシベーション膜9が形成され得る。[A]トリメチルアルミニウム(TMA)などのアルミニウム原料を、アルゴンガスまたは窒素ガスなどのキャリアガスとともに、半導体基板1上に供給して、半導体基板1の第2面1bs上にアルミニウム原料を吸着させる。[B]窒素ガスで成膜装置のチャンバー内を浄化することで、チャンバー内のアルミニウム原料を除去する。このとき、半導体基板1に物理吸着および化学吸着したアルミニウム原料のうち、原子層レベルで化学吸着した成分以外のアルミニウム原料が除去される。[C]水またはオゾンガスなどの酸化剤を、成膜装置のチャンバー内に供給することで、TMAに含まれるアルキル基を除去してOH基に置換させる。これにより、半導体基板1の第2面1bs上に酸化アルミニウムの原子層が形成される。[D]窒素ガスによって成膜装置のチャンバー内を浄化することで、チャンバー内の酸化剤を除去する。
次に、第1パッシベーション膜5および第2パッシベーション膜9の上に、第1ペーストと第2ペーストとを塗布する第3工程ST3を実施する。ここでは、例えば、図6(b)で示される第3A工程ST31から第3D工程ST34をこの記載の順に実施する。また、第1ペーストと第2ペーストとの組合せとしては、例えば、前面10fs側に用いる第1aペーストPa1と第2aペーストPa2との組合せ、ならびに裏面10bs側に用いる第1bペーストPa3および第1cペーストPa4と第2bペーストPa5との組合せ、が採用される。
第3A工程ST31では、例えば、第1パッシベーション膜5の上に、第2aペーストPa2を塗布する。ここでは、例えば、図9で示されるように、太陽電池素子10における前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bならびに第1ガラス部11のパターンに対応する領域に、スクリーン印刷法などを用いて、第2aペーストPa2を塗布する。図9の例では、第1パッシベーション膜5の上に、相互に平行な複数(例えば、10本)の直線状の第1仮想線VL1のそれぞれに沿って、第2aペーストPa2を塗布する。このとき、塗布後に乾燥された後の第2aペーストPa2の厚さは、例えば、30μm程度とされる。
第3B工程ST32では、例えば、第1パッシベーション膜5の上に、第1aペーストPa1を塗布する。ここでは、例えば、図10で示されるように、第1パッシベーション膜5の上の前面電極6のパターンに対応する領域に、スクリーン印刷法などを用いて、第1aペーストPa1を塗布する。このとき、塗布後の第1aペーストPa1の厚さは、例えば、30μm程度とされる。
第3A工程ST31および第3B工程ST32では、例えば、第1aペーストPa1が位置する第1部分Pt1と第2aペーストPa2が位置する第2部分Pt2とが重畳するように、第1aペーストPa1と第2aペーストPa2とを塗布する。ここでは、例えば、第1パッシベーション膜5上のうち、前面バスバー電極61のパターンに対応する領域に第1aペーストPa1を塗布する。これにより、前面第1接続部61bのパターンに対応する領域に塗布された第2aペーストPa2を覆うように、第1aペーストPa1が塗布される。このとき、前面バスバー電極61の幅が、例えば、2mmから3mm程度あれば、前面第1接続部61bのパターンに対応する領域に塗布された第2aペーストPa2を覆うように、第1aペーストPa1を容易に塗布することができる。また、ここでは、例えば、第1パッシベーション膜5上のうちの前面第2接続部62bおよび第1ガラス部11のパターンに対応する領域に塗布された第2aペーストPa2に交差するように、複数の前面フィンガー電極62のパターンに対応する領域に第1aペーストPa1を塗布する。
ここで、第1ペースト(第1aペーストPa1、第1bペーストPa3、第1cペーストPa4)には、金属および第1ガラス成分が含まれている。第1aペーストPa1では、この金属および第1ガラス成分は、前面電極6に含まれている金属および第1ガラス成分に相当する。具体的には、第1aペーストPa1は、金属粉末、第1ガラス成分のガラスフリット(第1ガラスフリットともいう)および有機ビヒクルを有する。金属粉末には、例えば、銀の粉末または銅の粉末または銀と銅との混合物の粉末が適用される。金属粉末の粒径は、例えば、0.05μmから20μm程度に設定される。金属粉末の粒径は、例えば、0.1μmから5μm程度に設定されてもよい。第1aペーストPa1における金属粉末の濃度は、例えば、ペースト総質量の75質量%から85質量%程度に設定される。第1aペーストPa1における第1ガラスフリットの濃度は、例えば、2質量%から15質量%程度に設定される。第1aペーストPa1における第1ガラスフリットの濃度は、例えば、5質量%から10質量%程度に設定されてもよい。有機ビヒクルは、有機溶剤にバインダーを溶解させたものである。ここで、有機溶剤には、例えば、ターピネオール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテルまたは2−エトキシエタノールなどが適用される。バインダーには、例えば、エチルセルロースまたはフェノール樹脂などが含有される。第1aペーストPa1における有機ビヒクルの濃度は、例えば、5質量%から20質量%程度に設定される。第1aペーストPa1における有機ビヒクルの濃度は、例えば、10質量%から15質量%程度に設定されてもよい。第1aペーストPa1には、例えば、分散剤などのその他の微量の成分が適当量含有されていてもよい。
また、ここで、第2ペースト(第2aペーストPa2、第2bペーストPa5)には、第2ガラス成分が含まれている。第2aペーストPa2では、この第2ガラス成分は、前面電極6に含まれている第2ガラス成分に相当する。具体的には、第2aペーストPa2には、第2ガラス成分のガラスフリット(第2ガラスフリットともいう)および有機ビヒクルを有する。第2aペーストPa2における第2ガラスフリットの濃度は、例えば、2質量%から15質量%程度に設定される。第2aペーストPa2における第2ガラスフリットの濃度は、例えば、5質量%から10質量%程度に設定されてもよい。第2aペーストPa2の有機ビヒクルには、例えば、第1aペーストPa1の有機ビヒクルと同様なものが適用され得る。第2aペーストPa2における有機ビヒクルの濃度は、例えば、85質量%から98質量%程度に設定される。第2aペーストPa2における有機ビヒクルの濃度は、例えば、90質量%から95質量%程度に設定されてもよい。
第3C工程ST33では、例えば、第2パッシベーション膜9の上に、第2bペーストPa5を塗布する。ここでは、例えば、図11で示されるように、太陽電池素子10における裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bならびに第2ガラス部12のパターンに対応する領域に、スクリーン印刷法などを用いて第2bペーストPa5を塗布する。図11の例では、第2パッシベーション膜9の上に、相互に平行な複数(例えば、10本)の直線状の第2仮想線VL2のそれぞれに沿って、第2bペーストPa5を塗布する。このとき、塗布後に乾燥された後の第2bペーストPa5の厚さは、例えば、30μm程度とされる。また、第2bペーストPa5の成分は、第2aペーストPa2と同等でも良いし、パッシベーション膜9の材質や膜厚などにより第2ガラスフリットの濃度を適宜変更したものでもよい。
第3D工程ST34では、例えば、第2パッシベーション膜9の上に、第1bペーストPa3を塗布する。ここでは、例えば、図12で示されるように、第2パッシベーション膜9の上の裏面電極7の裏面バスバー電極71のパターンに対応する領域に、スクリーン印刷法などを用いて第1bペーストPa3を塗布する。このとき、塗布後の第1bペーストPa3の厚さは、例えば、30μm程度とされる。第1bペーストPa3の成分は、第1aペーストPa1と同等でもよいし、金属粉末として、例えば、銀の粉末または銅の粉末または銀と銅との混合物の粉末に少量のアルミニウムもしくはニッケルなどを添加したものでもよい。
さらに、第3D工程ST34では、例えば、第2パッシベーション膜9の上に、第1cペーストPa4を塗布する。ここでは、例えば、図12で示されるように、第2パッシベーション膜9の上の裏面電極7の裏面フィンガー電極72のパターンに対応する領域に、スクリーン印刷法などを用いて第1cペーストPa4を塗布する。このとき、塗布後の第1cペーストPa4の厚さは、例えば、40μmから60μm程度とされる。第1cペーストPa4には、金属および第1ガラス成分が含まれている。この金属および第1ガラス成分は、裏面電極7の裏面フィンガー電極72に含まれている金属および第1ガラス成分に相当する。具体的には、第1cペーストPa4は、金属粉末、第1ガラスフリットおよび有機ビヒクルを有する。金属粉末には、例えば、アルミニウムの粉末が適用される。アルミニウム粉末の粒径は、例えば、3μmから20μm程度に設定される。第1cペーストPa4における金属粉末の濃度は、例えば、ペースト総質量の60質量%から85質量%程度に設定される。第1cペーストPa4における第1ガラスフリットの濃度は、例えば、1質量%から15質量%程度に設定される。第1cペーストPa4における第1ガラスフリットの濃度は、例えば、5質量%から10質量%程度に設定されてもよい。有機ビヒクルは、有機溶剤にバインダーを溶解させたものである。ここで、有機溶剤には、例えば、ターピネオール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテルまたは2−エトキシエタノールなどが適用される。バインダーには、例えば、エチルセルロースまたはフェノール樹脂などが含有される。第1cペーストPa4における有機ビヒクルの濃度は、例えば、5質量%から25質量%程度に設定される。第1cペーストPa4における有機ビヒクルの濃度は、例えば、10質量%から15質量%程度に設定されてもよい。第1cペーストPa4には、例えば、分散剤、銀、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化アルミニウムなどから選択される、その他の微量の成分が適当量含有されていてもよい。
第3C工程ST33および第3D工程ST34では、例えば、第1bペーストPa3および第1cペーストPa4が位置する第1部分Pt1と第2bペーストPa5が位置する第2部分Pt2とが重畳するように、第1bペーストPa3、第1cペーストPa4および第2bペーストPa5を塗布する。ここでは、例えば、第2パッシベーション膜9上のうち、裏面バスバー電極71のパターンに対応する領域に第1bペーストPa3を塗布する。これにより、裏面第1接続部71bのパターンに対応する領域に塗布された第2bペーストPa5を覆うように、第1bペーストPa3が塗布される。このとき、裏面バスバー電極71の幅が、例えば、2mmから3mm程度あれば、裏面第1接続部71bのパターンに対応する領域に塗布された第2bペーストPa5を覆うように、第1bペーストPa3を容易に塗布することができる。また、ここでは、例えば、第2パッシベーション膜9上のうちの裏面第2接続部72bおよび第2ガラス部12のパターンに対応する領域に塗布された第2bペーストPa5に交差するように、複数の裏面フィンガー電極72のパターンに対応する領域に第1cペーストPa4を塗布する。
次に、第1aペーストPa1、第2aペーストPa2、第1bペーストPa3、第1cペーストPa4および第2bペーストPa5を加熱することで、前面電極6および裏面電極7を形成する第4工程ST4を実施する。これにより、例えば、第1パッシベーション膜5の上に、金属および第1ガラス成分を含有する前面第1本体部61aおよび前面第2本体部62aと、金属、第1ガラス成分および第2ガラス成分を含有する前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bと、を含む前面電極6が形成される。また、例えば、第2パッシベーション膜9の上に、金属および第1ガラス成分を含有する裏面第1本体部71aおよび裏面第2本体部72aと、金属、第1ガラス成分および第2ガラス成分を含有する裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bと、を含んでいる裏面電極7が形成される。ここで、第1aペーストPa1、第2aペーストPa2、第1bペーストPa3、第1cペーストPa4および第2bペーストPa5が加熱される際の雰囲気は、例えば、大気とされる。第1aペーストPa1、第2aペーストPa2、第1bペーストPa3、第1cペーストPa4および第2bペーストPa5の加熱における最高温度は、例えば、720℃から790℃程度とされる。このとき、最高温度には、例えば、10秒間から30秒間程度保持される。
この第4工程ST4では、例えば、第1パッシベーション膜5側においては、例えば、第1aペーストPa1のうちの第1部分Pt1以外の部分が加熱されることで、第1aペーストPa1が焼成される。これにより、第1パッシベーション膜5上に前面第1本体部61aおよび前面第2本体部62aが形成される。また、例えば、第1aペーストPa1のうちの第2aペーストPa2の第2部分Pt2に重畳している第1部分Pt1が加熱されることで、第1aペーストPa1と第2aペーストPa2との混合物が焼成される。これにより、第1パッシベーション膜5の焼成貫通が生じて、前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bが形成される。また、この第4工程ST4では、例えば、第2パッシベーション膜9側においては、例えば、第1bペーストPa3および第1cペーストPa4のうちの第1部分Pt1以外の部分が加熱されることで、第1bペーストPa3および第1cペーストPa4が焼成される。これにより、第2パッシベーション膜9上に裏面第1本体部71aおよび裏面第2本体部72aが形成される。また、例えば、第1bペーストPa3および第1cペーストPa4のうちの第2bペーストPa5の第2部分Pt2に重畳している第1部分Pt1が加熱されることで、第1bペーストPa3と第2bペーストPa5との混合物および第1cペーストPa4と第2bペーストPa5との混合物が焼成される。これにより、第2パッシベーション膜9の焼成貫通が生じて、裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bが形成される。換言すれば、例えば、第1bペーストPa3と第2bペーストPa5との混合物の焼成により、裏面第1接続部71bが形成され、第1cペーストPa4と第2bペーストPa5との混合物の焼成により、裏面第2接続部72bが形成される。
ここでは、第1aペーストPa1、第1bペーストPa3および第1cペーストPa4には、例えば、酸化ビスマスおよび酸化珪素の双方を含む第1ガラス成分、を含有する第1ガラスフリットが存在している。第2aペーストPa2および第2bペーストPa5には、例えば、酸化ナトリウムあるいは酸化ナトリウムおよび酸化珪素の双方を含む第2ガラス成分、を含有する第2ガラスフリットが存在している。この場合には、例えば、第1ガラスフリットおよび第2ガラスフリットは、800℃以上まで加熱されなければ、溶融しない。このため、例えば、第1aペーストPa1および第2aペーストPa2のそれぞれは、窒化シリコンを含有する第1パッシベーション膜5を焼成貫通する能力が低い。これにより、例えば、第1パッシベーション膜5上において第1aペーストPa1が単独で存在している部分あるいは第2aペーストPa2が単独で塗布された部分では、第1パッシベーション膜5の焼成貫通が生じにくい。また、例えば、第1bペーストPa3、第1cペーストPa4および第2bペーストPa5のそれぞれは、酸化アルミニウムを含有する第2パッシベーション膜9を焼成貫通する能力が低い。これにより、例えば、第2パッシベーション膜9上において第1bペーストPa3または第1cペーストPa4が単独で存在している部分あるいは第2bペーストPa5が単独で塗布された部分では、第2パッシベーション膜9の焼成貫通が生じにくい。その結果、例えば、第1パッシベーション膜5上に前面第1本体部61aおよび前面第2本体部62aが形成されるとともに、第2パッシベーション膜9上に裏面第1本体部71aおよび裏面第2本体部72aが形成される。
一方、例えば、第1aペーストPa1と第2aペーストPa2とが重畳している部分では、第1aペーストPa1および第2aペーストPa2との混合が生じ得る。また、例えば、加熱によって第1aペーストPa1と第2aペーストPa2との混合が促進される。このため、例えば、第1aペーストPa1と第2aペーストPa2とが重畳された部分では、第1ガラス成分および第2ガラス成分の双方が存在し得る。換言すれば、例えば、第1aペーストPa1と第2aペーストPa2とが重畳された部分では、第1ガラスフリットおよび第2ガラスフリットの双方が存在している。これにより、第1aペーストPa1と第2aペーストPa2とが重畳された部分では、酸化ビスマス、酸化珪素および酸化ナトリウムを含む少なくとも3つの成分が存在している。この少なくとも3つ成分を含むガラスは、例えば、400℃から500℃程度まで加熱されれば、溶融し得る。このため、例えば、第1aペーストPa1と第2aペーストPa2との混合物は、窒化シリコンを含有する第1パッシベーション膜5を焼成貫通する能力が高い。また、例えば、第1bペーストPa3と第2bペーストPa5との混合物および第1cペーストPa4と第2bペーストPa5との混合物のそれぞれは、酸化アルミニウムを含有する第2パッシベーション膜9を焼成貫通する能力が高い。これにより、例えば、第1パッシベーション膜5および第2パッシベーション膜9上において第1ペーストと第2ペーストとが重畳された部分では、第1パッシベーション膜5および第2パッシベーション膜9の焼成貫通を生じ得る。その結果、例えば、第1パッシベーション膜5の焼成貫通が生じて、前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bが形成されるとともに、第2パッシベーション膜9の焼成貫通が生じて、裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bが形成される。
上記構成が採用されれば、例えば、第1パッシベーション膜5および第2パッシベーション膜9の上において、第1aペーストPa1の一部分と第2aペーストPa2とが重畳するように、または第1bペーストPa3の一部分と第2bペーストPa5とが重畳するとともに第1cペーストPa4の一部分と第2bペーストPa5とが重畳するように、第2aペーストPa2および第2bペーストPa5を塗布する領域の大きさを適宜設定することができる。このとき、第2aペーストPa2および第2bペーストPa5を塗布する領域の大きさは、例えば、スクリーン印刷などによる第1aペーストPa1と第2aペーストPa2との塗布における位置合わせの精度ならびに第1bペーストPa3および第1cペーストPa4と第2bペーストPa5との塗布における位置合わせの精度に応じて適宜設定され得る。これにより、例えば、金属ペーストを塗布する領域の高精度な位置合わせを行う必要がなくなる。その結果、例えば、太陽電池素子10における光電変換効率を容易に向上させることができる。また、別の観点からいえば、例えば、太陽電池素子10の製造に要する時間の短縮化が図られる。このため、太陽電池素子10の量産における生産性が向上し得る。
また、ここでは、例えば、上述したように、第3工程ST3において、第1パッシベーション膜5および第2パッシベーション膜9のそれぞれの上に、第2aペーストPa2ならびに第2bペーストPa5を塗布した後に、第1aペーストPa1ならびに第1bペーストPa3および第1cペーストPa4を塗布することが考えられる。この場合には、例えば、第1aペーストPa1と第2aペーストPa2とが重畳している部分では、第2aペーストPa2上に第1aペーストPa1が存在している状態となる。このとき、例えば、第1aペーストPa1および第2aペーストPa2の加熱時に、金属の有無によって、溶融した第1aペーストPa1の方が、溶融した第2aペーストPa2よりも質量密度が高くなる。このため、例えば、第2aペーストPa2と第1aペーストPa1との混合が促進されやすい。これは、第2bペーストPa5と第1bペーストPa3および第1cペーストPa4とについても同様である。これにより、例えば、第1aペーストPa1および第2aペーストPa2の加熱時間ならびに第1bペーストPa3、第1cペーストPa4および第2bペーストPa5の加熱時間の短縮化などを図ることができる。その結果、例えば、太陽電池素子10における光電変換効率を容易に向上させることができる。また、別の観点からいえば、例えば、太陽電池素子10の製造に要する時間の短縮化が図られる。このため、太陽電池素子10を量産する際における生産性が向上し得る。
<1−8.第1実施形態のまとめ>
第1実施形態に係る太陽電池素子10では、例えば、前面電極6は、第1パッシベーション膜5上の前面第1本体部61aおよび前面第2本体部62aと、これらの前面第1本体部61aおよび前面第2本体部62aと半導体基板1とを接続している状態にある前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bと、を有する。ここで、前面第1本体部61aおよび前面第2本体部62aが、金属と第1ガラス成分とを含有し、前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bが、金属と第1ガラス成分と第2ガラス成分とを含有する。また、例えば、裏面電極7は、第2パッシベーション膜9上の裏面第1本体部71aおよび裏面第2本体部72aと、これらの裏面第1本体部71aおよび裏面第2本体部72aと半導体基板1とを接続している状態にある裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bと、を有する。ここでも、裏面第1本体部71aおよび裏面第2本体部72aが、金属と第1ガラス成分とを含有し、裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bが、金属と第1ガラス成分と第2ガラス成分とを含有する。
このような構成が採用されれば、例えば、前面第1本体部61a、裏面第1本体部71a、前面第2本体部62aおよび裏面第2本体部72aには、金属および第1ガラス成分の他に、第1パッシベーション膜5および第2パッシベーション膜9の焼成貫通に必要な第2ガラス成分は含まれない。このため、例えば、前面第1本体部61a、裏面第1本体部71a、前面第2本体部62aおよび裏面第2本体部72aに占めるガラス成分の割合を低減することができる。これにより、例えば、前面電極6および裏面電極7の電気抵抗が低減され得る。その結果、前面電極6および裏面電極7を細くすることが可能となり、半導体基板1に光が入射しやすくなる。よって、例えば、太陽電池素子10における光電変換効率を容易に向上させることができる。また、例えば、前面電極6および裏面電極7の素材の使用量を低減することができる。したがって、例えば、太陽電池素子10における品質を容易に向上させることができる。
また、例えば、第1パッシベーション膜5の焼成貫通を生じにくい第1aペーストPa1の塗布と、第2ガラス成分を含む第2aペーストPa2の塗布と、を組み合わせて、前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bを形成することができる。例えば、第2パッシベーション膜9の焼成貫通を生じにくい第1bペーストPa3および第1cペーストPa4の塗布と、第2ガラス成分を含む第2bペーストPa5の塗布と、を組み合わせて、裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bを形成することができる。ここでは、例えば、第1aペーストPa1と第2aペーストPa2とを重畳させた箇所で局所的に第1パッシベーション膜5の焼成貫通を生じさせて前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bを形成することができる。例えば、第1bペーストPa3と第2bペーストPa5とを重畳させた箇所で局所的に第2パッシベーション膜9の焼成貫通を生じさせて、裏面第1接続部71bを形成することができる。例えば、第1cペーストPa4と第2bペーストPa5とを重畳させた箇所で局所的に第2パッシベーション膜9の焼成貫通を生じさせて、裏面第2接続部72bを形成することができる。このため、例えば、第1aペーストPa1、第1bペーストPa2および第1cペーストPa3に係る焼成温度ならびにガラス成分の含有量および種類などの諸条件について、選択肢の幅が拡がる。また、例えば、前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bを形成するための第1aペーストPa1と第2aペーストPa2との組合せならびに裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bを形成するための第1bペーストPa3および第1cペーストPa4と第2bペーストPa5との組合せについても選択の余地がある。これにより、例えば、前面第1接続部61b、裏面第1接続部71b、前面第2接続部62bおよび裏面第2接続部72bと半導体基板1との接着強度を十分に高めることができる。その結果、例えば、前面電極6および裏面電極7が半導体基板1から剥離しにくくなる。よって、例えば、太陽電池素子10における信頼性を容易に向上させることができる。したがって、太陽電池素子10における品質を容易に向上させることができる。
また、例えば、第1実施形態に係る太陽電池素子10の製造方法では、第1パッシベーション膜5の上に、第1aペーストPa1と第2aペーストPa2とを、第1aペーストPa1の第1部分Pt1と第2aペーストPa2の第2部分Pt2とが重畳するように塗布する。また、例えば、第2パッシベーション膜9の上に、第1bペーストPa3と第2bペーストPa5とを、第1bペーストPa3の第1部分Pt1と第2bペーストPa5の第2部分Pt2とが重畳するように塗布し、第1cペーストPa4と第2bペーストPa5とを、第1cペーストPa4の第1部分Pt1と第2bペーストPa5の第2部分Pt2とが重畳するように塗布する。ここで、第1aペーストPa1、第1bペーストPa3および第1cペーストPa4は、それぞれ金属と第1ガラスフリットとを含み、第2aペーストPa2および第2bペーストPa5は、それぞれ第2ガラスフリットを含む。そして、第1aペーストPa1および第2aペーストPa2を加熱して、第1パッシベーション膜5の上に前面電極6を形成し、第1bペーストPa3、第1cペーストPa4および第2bペーストPa5を加熱して、第2パッシベーション膜9の上に裏面電極7を形成する。このとき、例えば、第1aペーストPa1のうちの第2aペーストPa2と重畳していない部分、ならびに第1bペーストPa3および第1cペーストPa4のうちの第2bペーストPa5と重畳していない部分が焼成されて、前面第1本体部61a、裏面第1本体部71a、前面第2本体部62aおよび裏面第2本体部72aが形成される。また、例えば、重畳している、第1aペーストPa1の第1部分Pt1と、第2aペーストPa2の第2部分Pt2と、が加熱されて第1パッシベーション膜5の焼成貫通が生じ、前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bが形成される。また、例えば、重畳している、第1bペーストPa3および第1cペーストPa4の第1部分Pt1と、第2bペーストPa5の第2部分Pt2と、が加熱されて第2パッシベーション膜9の焼成貫通が生じ、裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bが形成される。
このような構成が採用されれば、例えば、第1パッシベーション膜5の上において、第1aペーストPa1の一部分と第2aペーストPa2とが重畳するように、第2aペーストPa2を塗布する領域の大きさを適宜設定することができる。また、例えば、第2パッシベーション膜9の上において、第1bペーストPa3の一部分および第1cペーストPa4の一部分と第2bペーストPa5とが重畳するように、第2bペーストPa5を塗布する領域の大きさを適宜設定することができる。これにより、例えば、金属ペーストを塗布する領域の高精度な位置合わせを行う必要がなくなる。その結果、例えば、太陽電池素子10における光電変換効率を容易に向上させることができる。また、別の観点からいえば、例えば、太陽電池素子10の製造に要する時間の短縮化が図られる。このため、太陽電池素子10の量産における生産性が向上し得る。
<2.他の実施形態>
本開示は上述の第1実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
<2−1.第2実施形態>
上記第1実施形態に係る第3工程ST3において、例えば、図13から図17で示されるように、第1パッシベーション膜5および第2パッシベーション膜9のそれぞれの上に、第1ペースト(第1aペーストPa1、第1bペーストPa3、第1cペーストPa4)を塗布した後に、第2ペースト(第2aペーストPa2、第2bペーストPa5)を塗布してもよい。このような構成が採用されれば、例えば、第1ペーストは金属を含むため、第1パッシベーション膜5および第2パッシベーション膜9の上に塗布された第1aペーストPa1、第1bペーストPa3および第1cペーストPa4の存在領域を、画像処理などによって容易に認識することができる。このため、例えば、第1パッシベーション膜5の上に塗布された第1aペーストPa1の上に第2aペーストPa2を容易に局所的に塗布することができる。また、例えば、第2パッシベーション膜9の上に塗布された第1bペーストPa3および第1cペーストPa4の上に第2bペーストPa5を容易に局所的に塗布することができる。これにより、例えば、第1パッシベーション膜5および第2パッシベーション膜9上において、第2aペーストPa2および第2bペーストPa5を塗布する領域を低減することができる。その結果、例えば、第2aペーストPa2および第2bペーストPa5の加熱および冷却によって形成される第1ガラス部11および第2ガラス部12のサイズを低減することができるため、半導体基板1に光が入射しやすくなる。したがって、例えば、太陽電池素子10における光電変換効率を容易に向上させることができる。
この場合には、第3A工程ST31では、例えば、第1パッシベーション膜5の上に、第1aペーストPa1を塗布してもよい。例えば、図14で示されるように、第1パッシベーション膜5を平面視して、太陽電池素子10における前面電極6のパターンに対応する領域に、スクリーン印刷法などを用いて第1aペーストPa1を塗布する。第3B工程ST32では、例えば、第1パッシベーション膜5の上に、第2aペーストPa2を塗布してもよい。例えば、図15で示されるように、太陽電池素子10における前面第1接続部61bおよび前面第2接続部62bならびに第1ガラス部11のパターンに対応する領域に、スクリーン印刷法などを用いて第2aペーストPa2を塗布する。図15の例では、第1パッシベーション膜5の上に、相互に平行な複数(例えば、10本)の直線状の第1仮想線VL1のそれぞれに沿って、第2aペーストPa2を塗布する。ここでも、第3A工程ST31および第3B工程ST32では、例えば、第1aペーストPa1の第1部分Pt1と第2aペーストPa2の第2部分Pt2とが重畳するように、第1パッシベーション膜5の上に、第1aペーストPa1と第2aペーストPa2とを塗布する。例えば、第1パッシベーション膜5上のうち、前面バスバー電極61のパターンに対応する領域に塗布された第1aペーストPa1の上であって、前面第1接続部61bのパターンに対応する領域に第2aペーストPa2を塗布する。このとき、前面バスバー電極61の幅が、例えば、2mmから3mm程度あれば、前面バスバー電極61のパターンに対応する領域に塗布された第1aペーストPa1の上に、第2aペーストPa2を容易に塗布することができる。また、例えば、第1パッシベーション膜5上において、前面フィンガー電極62のパターンに対応する領域に塗布された第1aペーストPa1に交差するとともに前面第2接続部62bおよび第1ガラス部11のパターンに対応する領域に第2aペーストPa2を塗布する。
また、第3C工程ST33では、例えば、第2パッシベーション膜9の上に、第1bペーストPa3および第1cペーストPa4を塗布してもよい。例えば、図16で示されるように、太陽電池素子10における裏面電極7のパターンに対応する領域に、スクリーン印刷法などを用いて、第1bペーストPa3および第1cペーストPa4を塗布する。第3D工程ST34では、例えば、第2パッシベーション膜9の上に、第2bペーストPa5を塗布する。例えば、図17で示されるように、太陽電池素子10における裏面第1接続部71bおよび裏面第2接続部72bならびに第2ガラス部12のパターンに対応する領域に、スクリーン印刷法などを用いて第2bペーストPa5を塗布する。図17の例では、第2パッシベーション膜9の上に、相互に平行な複数(例えば、10本)の直線状の第2仮想線VL2のそれぞれに沿って、第2bペーストPa5を塗布する。ここで、第3C工程ST33および第3D工程ST34では、例えば、第1bペーストPa3および第1cペーストPa4の第1部分Pt1と第2bペーストPa5の第2部分Pt2とが重畳するように、第2パッシベーション膜9の上に、第1bペーストPa3および第1cペーストPa4と第2bペーストPa5とを塗布する。例えば、第2パッシベーション膜9上のうち、裏面バスバー電極71のパターンに対応する領域に塗布された第1bペーストPa3の上であって、裏面第1接続部71bのパターンに対応する領域に第2bペーストPa5を塗布する。このとき、裏面バスバー電極71の幅が、例えば、2mmから3mm程度あれば、裏面バスバー電極71のパターンに対応する領域に塗布された第1bペーストPa3の上に、第2bペーストPa5を容易に塗布することができる。また、例えば、第2パッシベーション膜9上において、裏面フィンガー電極72のパターンに対応する領域に塗布された第1cペーストPa4に交差するとともに裏面第2接続部72bおよび第2ガラス部12のパターンに対応する領域に第2bペーストPa5を塗布する。
また、ここでは、例えば、第1パッシベーション膜5および第2パッシベーション膜9の少なくとも一方の上に、第1ペーストを塗布した後に第2ペーストを塗布してもよい。換言すれば、第1パッシベーション膜5の上に、第1aペーストPa1を塗布した後に第2aペーストPa2を塗布する処理ならびに第2パッシベーション膜9の上に、第1bペーストPa3および第1cペーストPa4を塗布した後に第2bペーストPa5を塗布する処理、の少なくとも一方の処理が実行されてもよい。
<2−2.第3実施形態>
上記第1実施形態および上記第2実施形態のそれぞれにおいて、例えば、図18で示されるように、第1ガラス部11は、第1パッシベーション膜5の上において、第1方向(+Y方向)に沿った第1仮想線VL1に沿って連続的に位置していてもよい。この場合には、第2aペーストPa2を塗布する際に、例えば、第1パッシベーション膜5上に、相互に平行な複数(例えば、10本)の直線状の第1仮想線VL1のそれぞれに沿って、前面第2接続部62bおよび第1ガラス部11のパターンに対応する領域に、第2aペーストPa2を塗布してもよい。
また、上記第1実施形態および上記第2実施形態のそれぞれにおいて、例えば、図19で示されるように、第2ガラス部12は、第2パッシベーション膜9の上において、第1方向(+Y方向)に沿った第2仮想線VL1に沿って連続的に位置していてもよい。この場合には、第2bペーストPa5を塗布する際に、例えば、第2パッシベーション膜9の上に、相互に平行な複数(例えば、10本)の直線状の第2仮想線VL2のそれぞれに沿って、裏面第2接続部72bおよび第2ガラス部12のパターンに対応する領域に、第2bペーストPa5を塗布してもよい。
また、例えば、図18で示されるように、前面電極6は、複数の前面フィンガー電極62を電気的に接続している、前面フィンガー電極62と同様の形状を有する前面補助電極63を含んでいてもよい。この前面補助電極63は、例えば、半導体基板1の+X方向の側および−X方向の側にそれぞれ存在している縁部に沿って位置している。また、例えば、図19で示されるように、裏面電極7は、複数の裏面フィンガー電極72を電気的に接続している、裏面フィンガー電極72と同様の形状を有する裏面補助電極73を含んでいてもよい。この裏面補助電極73は、例えば、半導体基板1の+X方向の側および−X方向の側にそれぞれ存在している縁部に沿って位置している。
<3.その他>
上記第1実施形態から上記第3実施形態のそれぞれにおいて、例えば、第3C工程ST33および第3D工程ST34が行われた後に、第3A工程ST31および第3B工程ST32が行われてもよい。さらに、例えば、第3A工程ST31、第3B工程ST32、第3C工程ST33および第3D工程ST34は、任意の順番で行われてもよい。
上記第1実施形態から上記第3実施形態のそれぞれにおいて、例えば、前面電極6が形成された後に、裏面電極7が形成されてもよいし、裏面電極7が形成された後に、前面電極6が形成されてもよい。この場合には、例えば、第3A工程ST31および第3B工程ST32が行われた後に、第4工程ST4に相当する加熱処理が行われ、その後、第3C工程ST33および第3D工程ST34が行われた後に、第4工程ST4に相当する加熱処理が行われてもよい。また、例えば、第3C工程ST33および第3D工程ST34が行われた後に、第4工程ST4に相当する加熱処理が行われ、その後、第3A工程ST31および第3B工程ST32が行われた後に、第4工程ST4に相当する加熱処理が行われてもよい。
上記第1実施形態から上記第3実施形態のそれぞれに係る太陽電池素子10は、例えば、裏面10bs側では受光しないタイプの太陽電池素子10とされてもよい。この場合には、例えば、裏面電極7は、裏面フィンガー電極72の代わりに、裏面10bsのうちの裏面バスバー電極71が存在している領域を除く全面にわたって集電電極が位置していてもよい。
上記第1実施形態から上記第3実施形態のそれぞれにおいて、例えば、前面電極6における前面バスバー電極61の本数ならびに裏面電極7における裏面バスバー電極71の本数は、3本に限られず、2本以下であってもよいし、4本以上であってよい。
上記第1実施形態および上記第2実施形態のそれぞれにおいて、例えば、第1ガラス部11および第2ガラス部12は、平面視した場合に、線状の形状を有していたが、これに限られず、点状などのその他の形態を有していてもよい。
上記第1実施形態から上記第3実施形態および上記の複数の変形例のそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、いうまでもない。
1 半導体基板
1bs 第2面
1fs 第1面
1ss 第3面
2 第1半導体領域
3 第2半導体領域
5 第1パッシベーション膜
6 前面電極
7 裏面電極
9 第2パッシベーション膜
10 太陽電池素子
10bs 裏面
10fs 前面
11 第1ガラス部
12 第2ガラス部
61 前面バスバー電極
61a 本体部(前面第1本体部)
61b 接続部(前面第1接続部)
62 前面フィンガー電極
62a 本体部(前面第2本体部)
62b 接続部(前面第2接続部)
71 裏面バスバー電極
71a 本体部(裏面第1本体部)
71b 接続部(裏面第1接続部)
72 裏面フィンガー電極
72a 本体部(裏面第2本体部)
72b 接続部(裏面第2接続部)
CR1 第1交差部
CR2 第2交差部
Pa1 第1aペースト
Pa2 第2aペースト
Pa3 第1bペースト
Pa4 第1cペースト
Pa5 第2bペースト
Pt1 第1部分
Pt2 第2部分
ST1 第1工程
ST2 第2工程
ST3 第3工程
ST31 第3A工程
ST32 第3B工程
ST33 第3C工程
ST34 第3D工程
ST4 第4工程
VL1 第1仮想線
VL2 第2仮想線

Claims (6)

  1. 半導体基板と、
    該半導体基板上に位置しているパッシベーション膜と、
    該パッシベーション膜上に位置している本体部および、該本体部と前記半導体基板とを接続している状態で位置している複数の接続部、を有する電極と、
    前記パッシベーション膜上に位置しているガラス部と、を備え、
    前記本体部は、金属と、第1ガラス成分と、を含有し、
    前記複数の接続部のそれぞれは、前記金属と、前記第1ガラス成分と、前記第1ガラス成分とは材料が異なる第2ガラス成分と、を含有
    前記電極は、複数のフィンガー電極、を含み、
    前記電極を平面透視した場合に、前記複数の接続部は、前記複数のフィンガー電極のそれぞれの一部に位置している複数の第2接続部、を有し、
    前記ガラス部は、前記第2ガラス成分を含有し、
    前記パッシベーション膜、前記電極および前記ガラス部を平面透視した場合に、前記複数の第2接続部のそれぞれは、前記複数のフィンガー電極のそれぞれにおける前記本体部と前記ガラス部との交差部に位置している、太陽電池素子。
  2. 請求項1に記載の太陽電池素子であって、
    前記本体部における前記第1ガラス成分の第1濃度は、前記複数の接続部のそれぞれにおける、前記第1ガラス成分と前記第2ガラス成分とを合計したガラス成分の第2濃度よりも低い、太陽電池素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載の太陽電池素子であって、
    前記電極は、前記フィンガー電極と交差している状態で位置している、第1方向に長細いバスバー電極、を含み、
    前記電極を平面透視した場合に、前記複数の接続部は、前記バスバー電極の内部に位置している第1接続部、を有する、太陽電池素子。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の太陽電池素子であって、
    前記ガラス部は、前記複数のフィンガー電極の長手方向に直交する方向に沿った仮想線に沿って位置し、前記複数のフィンガー電極どうしの間の領域において途切れている不連続な形態を有する、太陽電池素子。
  5. 請求項1から請求項の何れか1つの請求項に記載の太陽電池素子であって、
    前記半導体基板は、第1面と、該第1面とは逆向きの第2面と、を有するとともに、前記第2面の側に位置しているp型の導電型の第1半導体領域と、前記第1面の側に位置しているn型の導電型の第2半導体領域と、を含み、
    前記パッシベーション膜は、前記第2半導体領域の上に位置し、窒化珪素を含む、太陽電池素子。
  6. 請求項1から請求項の何れか1つの請求項に記載の太陽電池素子であって、
    前記半導体基板は、第1面と、該第1面とは逆向きの第2面と、を有するとともに、前記第2面の側に位置しているp型の導電型の第1半導体領域と、前記第1面の側に位置しているn型の導電型の第2半導体領域と、を含み、
    前記パッシベーション膜は、前記第1半導体領域の上に位置しており、酸化アルミニウムを含む、太陽電池素子。
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