JP6947747B2 - 医療デバイス用潤滑コーティング - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
〔関連出願の相互参照表示〕
本件出願は、シリアルナンバーが62/316,186であり、2016年3月31日に出願され、タイトルが「LUBRICIOUS COATING FOR MEDICAL DEVICE」である仮出願が有する利益を請求する。当該仮出願は、参照により、その全体が、本件出願中に援用される。
〔技術分野〕
本開示は、潤滑コーティングに関し、より具体的には、医療デバイス用潤滑コーティングに関する。
〔背景技術〕
様々な医療デバイスの中には、長期に亘って体内に埋め込まれるデバイス、一時的に体内に埋め込まれるデバイス、そして、体内への埋め込みが全く行われないデバイスがある。多くの種類の医療デバイスは、特にデバイスの挿入中に起こる、該デバイスとそれを取り巻く環境との間の摩擦を低減させることによって改良される。1つの例として、少なくとも一時的に対象者の身体に挿入される、カテーテルが挙げられる。摩擦の低減がもたらし得る恩恵は数々あるが、患者の快適性の向上、介助者が行う処置の軽減、感染症リスクの低減、および組織破壊の低減が挙げられる。医療デバイスとそれを取り巻く環境との間の摩擦を低減させる手法として、該医療デバイスへの潤滑コーティングの塗布が挙げられる。
〔発明の概要〕
本発明の実施形態は、医療デバイスのための潤滑コーティング、該コーティングを形成する方法、およびコーティングされた該医療デバイスの使用に関する。
一実施形態において、本発明は、潤滑コーティングを有する医療デバイスであって、該潤滑コーティングは、アクリル酸重合体である第1の重合体と、少なくとも1つの光反応性基を有するアクリルアミド共重合体である第2の重合体と、少なくとも2つの光反応性基を有する架橋剤とを含むコート層を含み、上記コート層が医療デバイス表面と接触しており、かつ、使用時に患者と接触するよう構成されている、医療デバイスを提供する。上記コーティングは、必要に応じて、アクリルアミド、光反応性基、またはその両方を含み得る第3の重合体を含んでよい。
他の実施形態において、本発明は、医療デバイスに潤滑コーティングを形成する方法であって、アクリル酸重合体である第1の重合体と、少なくとも1つの光反応性基を有するアクリルアミド共重合体である第2の重合体と、少なくとも2つの光反応性基を有する架橋剤とを含むコーティング組成物を、医療デバイス表面に配置する工程を含む方法を提供する。配置は、ディップコーティング法を用いて行い得る。いくつかの実施の態様において、上記コーティングは約6未満のpH(例えば、pH約5)で行われ、これによって上記コーティング組成物の粘度が有益に上昇し、数々の利点がもたらされる。その後、上記コーティングを紫外線光で処理して上記光反応性基を活性化させることで、上記コーティングの結合と形成を行い得る。また、必要に応じて、形成された上記コーティングを重炭酸塩溶液で処理し、コーティングされた表面上に塩の基(salt groups)を形成してもよい。
他の実施形態において、本発明は、コーティングされた上記医療デバイスを用いて医療処置を行う方法であって、コーティングされた上記医療デバイスを対象者に挿入する工程を含み、身体の一部における上記デバイスの移動に伴う摩擦を、上記潤滑コーティングによって低減させる方法を提供する。本発明のコーティングは非常に良好な潤滑性を有し、水性の環境に暴露されたときの粒子の放出が少ないため、生体内における使用に非常に望ましい。
〔図面の簡単な説明〕
図1は、デバイスコーティングの長さに対する引張力(g)を示すグラフである。
図2は、各デバイスコーティングの平均粒子数(10μm、25μm)を示すグラフである。
〔発明を実施するための形態〕
本明細書に記載されている本開示の実施形態は、以下に記載する詳細な説明において開示されている厳密な形態に本開示を限定すること、または網羅的であることを意図するものではない。むしろ、本実施形態は、当業者が本開示の本質および実施を正しく認識し得、理解し得るように選択されており、記載されている。
本明細書で言及している全ての刊行物および特許は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に開示されている刊行物および特許は、それらの開示のためにのみ提供される。本明細書は、発明者が、任意の刊行物および/または特許(本明細書に引用されている任意の刊行物および/または特許を含む)に先行する権利を有していないという承認として解釈されるべきではない。
医療デバイスとそれを取り巻く環境との間の摩擦を低減させる手法としては、上述の通り、該医療デバイスへの潤滑コーティングの塗布が挙げられる。しかしながら、多くの潤滑コーティングは、上記デバイスとそれを取り巻く環境(例えば、血管内腔など)との間の摩擦を低減することに対してはあまり効果的でない。さらに、多くの潤滑コーティングは耐久性が十分でないため、使用に伴って摩擦が急増することになる。
上記コーティングは、上記デバイス上の単一のコート層として存在してもよい。上記単一の層をコーティングと表現してもよい。いくつかの実施の態様において、上記コーティングは、単一のコーティング組成物を用いて有益に形成することができる。例えば、コーティング組成物は、第1の重合体、第2の重合体および架橋剤を含んでいてもよく、デバイス表面に配置されて上記コーティングを形成するための処理を施される。そのため、上記コート層は医療デバイス表面と接触し、使用時に患者と接触するよう構成されている。
本開示のコーティングは、アクリル酸重合体(例えば、上記コーティング組成物において“第1の重合体”として用いられる)を含む。本明細書にて用いられる“アクリル酸重合体”は、アクリル酸の単量体単体を含む重合体を意味する。上記アクリル酸重合体は、アクリル酸ホモ重合体、または、アクリル酸共重合体であり得、該アクリル酸共重合体は、アクリル酸と、1つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ、5つなど)の、アクリル酸とは異なる他の単量体単位とを含んでいる。
実施形態において、ポリ(アクリル酸)共重合体では、アクリル酸は、主要な単量体(モル量)であり得、例えば、50%(mol)超、55%(mol)以上、60%(mol)以上、65%(mol)以上、70%(mol)以上、75%(mol)以上、80%(mol)以上、85%(mol)以上、90%(mol)以上、92.5%(mol)以上、95%(mol)以上、97.5%(mol)、または、99%(mol)以上の量にて存在する。実施形態の例では、アクリル酸は、約75%(mol)〜約99.99%(mol)、約85%(mol)〜約99.99%(mol)、約95%(mol)〜約99.99%(mol)、または、約98%(mol)〜約99.99%(mol)の範囲で、上記共重合体中に存在する。いくつかの実施形態において、上記重合体のアクリル酸基のうちの一部または全ては、塩の形態である。上記重合体は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの重合体組成物に塩基性塩を添加することにより、部分的または完全に塩化することが可能である。
アクリル酸共重合体は、アクリル酸と共重合可能な1つ以上の共単量体を含んでもよい。アクリル酸共重合体の作製に使用可能な共単量体の例としては、メタクリル酸、イタコン酸、モノメチルイタコン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、およびそれらの塩などのカルボン酸基を有する共単量体が挙げられる。他の共単量体の例としては、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、およびそれらの塩などのスルホン酸基含有単量体が挙げられる。2つ以上の異なる酸性基含有単量体の組み合わせから作製されたアクリル酸共重合体を用いることも可能であり、1つ以上の酸性基含有単量体および1つ以上の非酸性基含有単量体から作製された共重合体を用いることも可能である。アクリル酸共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、またはそれらの混合物を含んでいてもよい。アクリル酸基含有共重合体の作製に用いることのできるカルボン酸含有単量体の他の例としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体(PSMA)を作製するために共重合される、スチレンおよび無水マレイン酸が挙げられる。
上記アクリル酸重合体は、必要に応じ、そのpHを参照して説明されてもよい。例えば、上記アクリル酸重合体のpHは約1〜約5であってもよく、約1.2〜約5であってもよく、約1.5〜約5であってもよく、約2.5〜約5であってもよく、約2.75〜約4.5であってもよく、約3〜約4.25であってもよい。
いくつかの実施形態において、上記アクリル酸重合体の平均分子量は、150kDa以上であってもよい。さらに他の実施形態において、上記アクリル酸重合体の平均分子量は500kDa以上であってもよく、750kDa以上であってもよく、1000kDa以上であってもよく、1000kDa以上の場合は、約1000kDa〜約2500kDaであってもよく、約1000kDa〜約2000kDaであってもよく、約1000kDa〜約2000kDaであってもよい。
いくつかの作製の態様において、上記アクリル酸重合体は、(例えば、約0.8Mの濃度の)アクリル酸を脱イオン水中で遊離基重合することによって作製される。酸性基の一部が中和されている態様においては、NaOHなどの濃縮塩基をアクリル酸溶液に加える。次に、過硫酸アンモニウムなどの開始剤を撹拌しながら加える。上記重合溶液を窒素でガス抜きし、昇温(例えば、50℃超)しつつ数時間(例えば、12時間〜24時間)撹拌してもよい。その後、上記重合体は12〜14Kの透析チューブを用いて連続流脱イオン水に対して重合され、凍結乾燥により分離してもよい。
また、上記コーティングは、少なくとも1つの光反応性基を有するアクリルアミド共重合体(例えば、上記コーティング組成物において“第2の重合体”として用いられる)を含む。本明細書にて用いられる“アクリルアミド重合体”は、アクリルアミドまたはメタクリルアミド単量体単位を有し、さらに、アクリルアミド高分子骨格からの1つ以上の光反応性ペンダント基を有する重合体を意味する。実施形態において、上記アクリルアミド共重合体は、光反応性ペンダント基を形成するためにさらに修飾されたアクリルアミドホモ重合体であってもよく、アクリルアミドまたはメタクリルアミド単量体とそれ以外の1つ以上の共単量体、初期重合体、またはその混合体とを重合反応させて形成した、アクリルアミド共重合体であってもよい。
実施形態において、アクリルアミド重合体では、アクリルアミドまたはメタクリルアミドが主要な単量体(モル量)であり、例えば、50%(mol)超、55%(mol)以上、60%(mol)以上、65%(mol)以上、70%(mol)以上、75%(mol)以上、80%(mol)以上、85%(mol)以上、または、90%(mol)以上の量にて存在する。実施形態の例では、アクリルアミドまたはメタクリルアミドは、約50%(mol)〜約99%(mol)、約75%(mol)〜約98%(mol)、約80%(mol)〜約97%(mol)、または、約85%(mol)〜約95%(mol)の範囲で、上記共重合体に存在する。
実施形態において、上記アクリルアミド重合体は、酸性基を有する1つ以上の共単量体を含む。酸性基を有する共単量体の例としては、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、およびそれらの塩などのスルホン酸基含有単量体、および、メタクリル酸、イタコン酸、モノメチルイタコン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、およびその塩などのカルボン酸基を有する単量体が挙げられる。実施形態において、酸性基含有共重合体は、約0.1%(mol)〜約20%(mol)、約0.5%(mol)〜約15%(mol)、または約1%(mol)〜約10%(mol)の範囲の量で上記アクリルアミド共重合体(第2の重合体)中に存在してもよい。
実施形態において、上記アクリルアミド重合体は1つ以上のオキシアルキレン単量体、または、オキシアルキレン重合体の1つ以上のセグメントを含む。例えば、上記アクリルアミド重合体は、1つ以上のエチレンオキサイド単位および/またはプロピレンオキサイド単位を有してもよい。上記アクリルアミド重合体は、それ自身を組み込んでアクリルアミド共重合体を形成することが可能な、1つ以上の反応性化学作用を有するオキシアルキレン初期重合体から形成されてもよい。上記オキシアルキレンセグメントは、エチレングリコール重合体またはHO−(CH−CH−O)−Hの構造を有するオリゴマーに基づいてもよい。nの値は、例えば、約3〜約150であり、上記ポリ(エチレングリコール)の数平均分子量(Mn)は、例えば、約250Da〜約40kDaの間であり、より一般的には約300Da〜約20kDa、約400Da〜約10kDa、約500Da〜約5000Da、または約600Da〜約1000Daの間である。オキシアルキレン重合体を効果的に誘導体化し、重合可能な基を加えてオキシアルキレン系初期重合体を作製してもよい。アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸、またはメタクリル酸などの重合可能な基をこれらの重合体のヒドロキシル末端基と反応させ、重合可能な末端基を作製してもよい。
上記アクリルアミド重合体の作製に使用可能なアルキレンオキサイド重合体系初期重合体のいくつかの具体例としては、ポリ(プロピレングリコール)540−ジアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)475−ジメタクリレート、ポリ(プロピレングリコール)900−ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)250−ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)575−ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)550−ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)750−ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)700−ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)1000−ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)2000−ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)1000−モノメチルエーテルモノメタクリレート、およびポリ(エチレングリコール)500−モノメチルエーテルモノメタクリレートが挙げられる。これらの種類のアルキレンオキサイド重合体系マクロマーは、Sigma-Aldrich(St. Louis, MO)またはPolysciences(Warrington, PA)から入手可能である。
アクリルアミド共重合体中のオキシアルキレンは、該重合体におけるモル量または該共重合体に対する重量パーセントによって定義可能である。オキシアルキレン初期重合体をその他の単量体と反応させて上記アクリルアミド共重合体を形成する場合、オキシアルキレンの量を該共重合体中の重量パーセントによって表すと便利である。いくつかの実施形態において、上記オキシアルキレンは、約0.5重量%〜約25重量%、約2重量%〜約20重量%、または約5重量%〜約15重量%の範囲の量で存在している。
また、上記アクリルアミド共重合体(第2の重合体)は、光反応性基(photogroups)を所望の量、含んでもよい。光反応性ペンダント基を有するアクリルアミド共重合体の作製のための試薬および方法は、米国特許第4,979,959号、米国特許第5,002,582号、米国特許第5,263,992号、米国特許第5,414,075号、米国特許第5,512,329号、および米国特許第5,637,460号などの参考文献(参照によってそれらの教示が本明細書に組み込まれる)において見つけることができる。いくつかの実施の態様において、光反応性基を有するアクリルアミド共重合体は、アクリルアミド、1−ビニル−2−ピロリドン、およびN−(3−アミノプロピル(メタ)アクリルアミド)を共重合させることによって形成してもよく、必要に応じて、上記以外の1つ以上の共重合体またはオキシアルキレン初期重合体などの初期重合体を用いてもよい。次に、形成した共重合体を、アシルクロライド(例えば、4−ベンゾイルベンゾイルクロライドなど)を用い、ショッテン・バウマン条件下で誘導体化してもよい。つまり、上記アシルクロライドは、上記共重合体におけるN−(3−アミノプロピル)部分のアミノ基と反応する。アミドが形成され、それにより上記アリールケトンが上記重合体に接着する。
また、光反応性基を有するアクリルアミド共重合体は、アクリルアミド(および、必要に応じて、その他の1つ以上の共重合体または初期重合体)を、光反応性基によって誘導体化した単量体と共重合することによって作製してもよい。単量誘導体の例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、およびAMPSなどの、遊離基重合可能な親水性の単量体のアリールケトン誘導体が挙げられる。光反応性ペンダント基を有するメタクリルアミド系単量体の一例としては、N−[3−(4−ベンゾイルベンズアミド)プロピル]メタクリルアミド(BBA−APMA)が挙げられ、この合成は、米国特許第5,858,653号(Duran et al.)の実施例1〜3にて説明されている。光反応性ペンダント基を有するメタクリルアミド系単量体の他の例としては、N−[3−(7−メチル−9−オキソチオキサンテン−3−カルボキシアミド)プロピル]メタクリルアミド(MTA−APMA)が挙げられ、この合成は米国特許第6,156,345号(Chudzik et al.)の実施例1〜2にて説明されている。
実施形態の例において、上記第2の重合体は、アクリルアミド−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩(AMPS)およびポリ(エチレングリコール)を含有するサブユニットを含み、さらに、本明細書に記載の通り、光反応性ペンダント基(pendent photogroups)を含む。
いくつかの実施形態において、上記コーティングは必要に応じて、上記第1の重合体および上記第2の重合体とは異なる、第3の重合体をさらに含む。上記第3の重合体は別のアクリルアミド共重合体であってもよく、該アクリルアミド共重合体は、必要に応じて光反応性基を有してもよい。いくつかの実施形態において、上記第3の重合体は光反応性ペンダント基を有するが、オキシアルキレンセグメントは含まないアクリルアミド共重合体である。実施形態の例において、上記第3の重合体はアクリルアミド共重合体であり、アクリルアミドまたはメタクリルアミドが主要な単量体(モル量)で、例えば、50%(mol)超、55%(mol)以上、60%(mol)以上、65%(mol)以上、70%(mol)以上、75%(mol)以上、80%(mol)以上、85%(mol)以上、または90%(mol)以上の量にて、上記共重合体中に存在する。実施形態の例において、アクリルアミドまたはメタクリルアミドは約50%(mol)〜約99%(mol)、約75%(mol)〜約97%(mol)、約80%(mol)〜約100%(mol)、または約98%(mol)〜約100%(mol)の範囲で上記第3の重合体中に存在している。
例として、第3の共重合体は、(例えば、95〜99%molの)アクリルアミドを(例えば、1〜5%molの)APMAと共重合させてアクリルアミド−APMA共重合体を形成し、クロロホルム中で過剰の4−ベンゾイルベンゾイルクロライドと反応させて光反応性ペンダント基を形成することによって作製してもよい。
さらなる他の実施形態において、上記コーティングは、生物的適合性を有するその他の重合体を含んでもよい。上記生物的適合性を有するその他の重合体は、上記任意の第3の重合体として用いてもよく、第4、第5の重合体などとして用いてもよい。生物的適合性を有する重合体の例としては、ポリ(エチレンオキサイド)(PEO)、ポリ(プロピレンオキサイド)(PPO)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、ポリ(ビニルメチルエーテル)などのエーテル基を有するもの、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)(PHEA)、ポリ(2−ヒドロキシエチルビニルエーテル)(PHEVE)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)(PEOX)、ポリ(n−アセチルイミノエチレン)(PAIE)などの高分子アルコール、およびメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシエチルセルロースなどの水溶性多糖類が挙げられる。
また、上記コーティング組成物は、該組成物における重合体、デバイス表面、またはその両方と反応し得る、2つ以上の光反応性基を有する架橋剤を含む。好適な光反応性基としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、アントラキノン、アントロン、キノンおよびアントロン様のヘテロ環などの、アリールケトンが挙げられる。光反応性基を有する架橋剤は、光架橋剤または光活性化可能な架橋剤と呼ばれ得る。光活性化可能な架橋剤は、イオン性であり得、水性組成物において良好な可溶性を有し得る。従って、いくつかの実施形態において、少なくとも1つのイオン性の光活性化可能な架橋剤を、上記コーティングを形成するために使用し得る。イオン性の架橋剤としては、例えばスルホン酸、カルボン酸、ホスホン酸およびそれらの塩などから選択される、酸性基またはその塩が挙げられる。対イオンの例としては、アルカリ、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびプロトン化アミンなどが挙げられる。
イオン性の、光活性化可能な架橋剤の例としては、4,5−ビス(4−ベンゾイルフェニルメチレンオキシ)ベンゼン−1,3−ジスルホン酸または塩;2,5−ビス(4−ベンゾイルフェニルメチレンオキシ)ベンゼン−1,4−ジスルホン酸または塩;2,5−ビス(4−ベンゾイルメチレンオキシ)ベンゼン−1−スルホン酸または塩;N,N−ビス[2−(4−ベンゾイルベンジルオキシ)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸または塩などが挙げられる。米国特許第6,077,698号(Swan et al.)、米国特許第6,278,018号(Swan)、米国特許第6,603,040号(Swan)および米国特許第7,138,541号(Swan)(参照によってそれらの開示が本明細書に組み込まれる)を参照。
イオン性の、光活性化可能な架橋剤のその他の例としては、エチレンビス(4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウム)ジブロミドおよびヘキサメチレンビス(4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウム)ジブロミドなどが挙げられる。米国特許第5,714,360号(Swan et al.)(参照によってその開示が本明細書に組み込まれる)を参照。
さらなる他の実施形態において、光活性化可能な架橋基を有している、抑制されている多官能性試薬が、本開示のデバイスの実施形態に関連して使用され得る。一部の例において、これらの抑制されている多官能性試薬としては、ペンタエリスリトールのテトラキス(4−ベンゾイルベンジルエーテル)およびペンタエリスリトールのテトラキス(4−ベンゾイル安息香酸エステル)が挙げられる。米国特許第5,414,075号(Swan et al.)および米国特許第5,637,460号(Swan et al.)(参照によってそれらの開示が本明細書に組み込まれる)を参照。
架橋剤としては、式Photo−LG−Photoを有している架橋剤が挙げられ得る。式中、PhotoおよびPhotoは独立して、少なくとも1つの光反応性基を表し、LGは、少なくとも1つのシリコン原子または少なくとも1つのリン原子を含んでいる連結基を表す。分解可能な連結剤は、少なくとも1つの光反応性基および連結基の間に共有結合を含んでおり、該共有結合は、少なくとも1つのヘテロ原子によって遮断されている。米国特許第8,889,760号(Kurdyumov, et al.)(参照によってその開示が本明細書に組み込まれる)を参照。さらなる架橋剤としては、1つ以上の帯電している基を有しているコア分子と、1つ以上の分解可能なリンカーによって当該コア分子に共有結合されている1つ以上の光反応性基とを有している架橋剤が挙げられ得る。米国特許出願公開第2011/0144373号(Swan, et al.)(参照によってその開示が本明細書に組み込まれる)を参照。
少なくとも2つの光反応性基を含む架橋剤は、本開示のコーティングの実施形態に関連して使用され得る。例示的な架橋剤は、米国特許第8,889,760号(参照によってその内容の全てが本明細書に組み込まれる)に記載されている。
いくつかの実施形態において、約1500kDa未満の分子量を有する架橋剤が本開示のコーティングの実施形態に関連して使用され得る。いくつかの実施形態において、上記架橋剤は、約1200、1100、1000、900、800、700、600、500または400未満の分子量を有し得る。
いくつかの実施形態において、式Photo−LG−Photoを有している連結剤を含む架橋剤が本開示のコーティングの実施形態に関連して使用され得る。PhotoおよびPhotoは独立して、少なくとも1つの光反応性基を表し、LGは、少なくとも1つのシリコン原子または少なくとも1つのリン原子を含む連結基を表し、少なくとも1つの光反応性基および上記連結基の間に共有結合があり、少なくとも1つの光反応性基および上記連結基の間における当該共有結合が、少なくとも1つのヘテロ原子によって遮断されている。
いくつかの実施形態において、本開示のデバイスの実施形態は、下記式(a)〜(d)から選択される式で表される連結剤を含む架橋剤と、関連付けられていてもよい。
Figure 0006947747
(式(a)中、R、R、RおよびRは任意の置換であり、R、R、RおよびRは、アルキル、アリールまたはそれらの組み合わせであり、Rは任意の置換であり、Xのそれぞれは独立して、O、N、Se、S、アルキル、またはそれらの組み合わせである。)
Figure 0006947747
(式(b)中、RおよびRは任意の置換であり、RおよびRは、OHを除く任意の置換であり得、Rは、アルキル、アリール、またはそれらの組み合わせであり、Xは独立して、O、N、Se、S、アルキレン、またはそれらの組み合わせである。)
Figure 0006947747
(式(c)中、R、R、RおよびRは任意の置換であり、Rは任意の置換であり、RおよびRは、アルキル、アリール、またはそれらの組み合わせであり、Xのそれぞれは独立して、O、N、Se、S、アルキレン、またはそれらの組み合わせであり得る。)
Figure 0006947747
特定の実施形態において、上記架橋剤は、ビス(4−ベンゾイルフェニル)リン酸塩であり得る。
いくつかの実施形態において、水性組成物において良好な可溶性を有するイオン性の光活性化可能な架橋剤が本開示のコーティングの実施形態に関連して使用され得る。好適な任意のイオン性の光活性化可能な架橋剤が使用され得る。いくつかの実施形態において、上記イオン性の光活性化可能な架橋剤は、式I:X−Y−X(式中、Yは、酸性基、塩基性基または酸性基もしくは塩基性基の塩の少なくとも1つを含んでいるラジカルである)の化合物である。XおよびXはそれぞれ独立して、潜在的な光反応性基を含んでいるラジカルである。当該光反応性基は、本明細書に記載されている光反応性基と同じであり得る。また、スペーサは、上記潜在的な光反応性基とともにXまたはXの一部であり得る。いくつかの実施形態において、上記潜在的な光反応性基として、アリールケトンまたはキノンが挙げられる。
式IにおけるラジカルYは、イオン性の光活性化可能な架橋剤に所望の水溶性を与える。水溶性(室温および至適pHにおける)は、少なくとも約0.05mg/mLである。いくつかの実施形態において、上記可溶性は、約0.1〜約10mg/mLまたは約1〜約5mg/mLである。
式Iのいくつかの実施形態において、Yは、少なくとも1つの酸性基またはその塩を有しているラジカルである。そのような光活性化可能な架橋剤は、コーティング組成物のpHに依存してアニオン性であり得る。好適な酸性基としては、例えば、スルホン酸、カルボン酸およびホスホン酸などが挙げられる。そのような基の好適な塩としては、例えば、スルホン酸塩、カルボン酸塩およびリン酸塩が挙げられる。いくつかの実施形態において、イオン性の架橋剤としては、スルホン酸基またはスルホン酸塩基が挙げられる。好適な対イオンとしては、アルカリ、アルカリ土類金属、アンモニアおよびプロトン化アミンなどが挙げられる。
例えば、式Iの化合物は、スルホン酸基またはスルホン酸塩基を含んでいるラジカルYを有し得;XおよびXは、光反応性基(例えばアリールケトン)を含み得る。そのような化合物としては、4,5−ビス(4−ベンゾイルフェニルメチレンオキシ)ベンゼン−1,3−ジスルホン酸または塩;2,5−ビス(4−ベンゾイルフェニルメチレンオキシ)ベンゼン−1,4−ジスルホン酸または塩;2,5−ビス(4−ベンゾイルメチレンオキシ)ベンゼン−1−スルホン酸または塩;ならびにN,N−ビス[2−(4−ベンゾイルベンジルオキシ)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸または塩;などが挙げられる。米国特許第6,278,018号を参照。上記塩の対イオンは、例えば、アンモニアまたはアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウム)であり得る。
式Iの他の実施形態において、Yは、塩基性基またはその塩を含んでいるラジカルであり得る。そのようなYラジカルとしては、例えば、アンモニウム基、ホスホニウム基またはスルホニウム基が挙げられる。当該基は、コーティング組成物のpHに依存して中性であり得るか、または正に帯電し得る。いくつかの実施形態において、ラジカルYとしてはアンモニウム基が挙げられる。好適な対イオンとしては、例えば、カルボン酸塩、ハライド、硫酸塩およびリン酸塩が挙げられる。例えば、式Iの化合物は、アンモニウム基を含んでいるYラジカルを有し得;XおよびXは、アリールケトンを含む光反応性基を含み得る。そのような光活性化可能な架橋剤としては、エチレンビス(4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウム)塩;ヘキサメチレンビス(4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウム)塩;1,4−ビス(4−ベンゾイルベンジル)−1,4−ジメチルピペラジンジウム)塩、ビス(4−ベンゾイルベンジル)ヘキサメチレンテトラアミンジウム塩、ビス[2−(4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニオ)エチル]−4−ベンゾイルベンジルメチルアンモニウム塩;4,4−ビス(4−ベンゾイルベンジル)モルホリニウム塩;エチレンビス[(2−(4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニオ)エチル)−4−ベンゾイルベンジルメチルアンモニウム]塩;および1,1,4,4−テトラキス(4−ベンゾイルベンジル)ピペルジンジウム塩が挙げられる。米国特許第5,714,360号を参照。対イオンは、通常、カルボン酸塩イオンまたはハライドである。一実施形態において、ハライドはブロミドである。
他の実施形態において、イオン性の光活性化可能な架橋剤は、式:
Figure 0006947747
(式中、Xは第1の光反応性基を含んでおり;Xは第2の光反応性基を含んでおり;Yはコア分子を含んでおり;Zは少なくとも1つの帯電している基を含んでおり;Dは第1の分解可能なリンカーを含んでおり;Dは第2の分解可能なリンカーを含んでいる)を有している化合物であり得る。さらなる例示的な、分解可能なイオン性の光活性化可能な架橋剤は、米国特許出願公開第2011/0144373号(Swan et al.,“Water Soluble Degradable Crosslinker”)(参照によってその開示が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
一部の態様において、非イオン性の光活性化可能な架橋剤が使用され得る。一実施形態において、非イオン性の光活性化可能な架橋剤は、式XRを有している(式中、Xは化学骨格であり、R,R,RおよびRは、潜在的な光反応性基を含んでいるラジカルである)。例示的な非イオン性の架橋剤は、例えば、米国特許第5,414,075号および米国特許第5,637,460号(Swan et al.,“Restrained Multifunctional Reagent for Surface Modification”)に記載されている。化学的に、第1および第2の光反応性基ならびにそれぞれのスペーサは、同じか、または異なり得る。
他の実施形態において、非イオン性の光活性化可能な架橋剤は、式:
PG−LE−X−LE−PG
(式中、PGおよびPGは独立して、1つ以上の光反応性基(例えば、アリールケトン光反応性基(アセトフェノン、ベンゾフェノン、アントラキノン、アントロン、アントロン様のヘテロ環などのアリールケトン、それらの置換されている誘導体またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない))を含んでおり;LEおよびLEは独立して、連結要素(例えば、尿素、カルバミン酸塩またはこれらの組み合わせを含んでいるセグメントが挙げられる)であり;Xは、重合性または非重合性であり得るコア分子(炭化水素(直鎖、分枝鎖、環状もしくはこれらの組み合わせ;芳香族性、非芳香族性もしくはこれらの組み合わせ;単環式、多環式、炭素環式、複素環式もしくはこれらの組み合わせ;ベンゼンまたはそれらの誘導体;またはこれらの組み合わせである炭化水素が挙げられる)が挙げられるが、これらに限定されない)を表す。他の非イオン性の架橋剤は、例えば、米国特許出願第13/316,030号(2011年12月9日出願、米国特許出願公開第2012/0149934号)(Kurdyumov, “Photocrosslinker”)(参照によってその開示が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
例示的な非イオン性の光活性化可能な架橋剤としては、例えば、米国特許出願公開第2013/0143056号(Swan et al.,“Photo-Vinyl Primers/Crosslinkers”)(参照によってその開示が本明細書に組み込まれる)に記載されている架橋剤も挙げられ得る。例示的な架橋剤としては、一般式R−X−R(式中、Rはビニル基を含んでいるラジカルであり、Xは、約1〜約20の炭素原子を含んでいるラジカルであり、Rは光反応性基を含んでいるラジカルである)を有している非イオン性の光活性化可能な架橋剤が挙げられ得る。
単一の光活性化可能な架橋剤または複数の光活性化可能な架橋剤の任意の組み合わせが、本開示のデバイスの実施形態に関連したコーティングを形成するときに使用され得る。例えば、少なくとも1つの非イオン性の架橋剤(例えば、ペンタエリスリトールのテトラキス(4−ベンゾイルベンジルエーテル))が、少なくとも1つのイオン性の架橋剤とともに使用され得る。例えば、少なくとも1つの非イオン性の光活性化可能な架橋剤は、少なくとも1つのカチオン性の光活性化可能な架橋剤(例えば、エチレンビス(4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウム)塩)または少なくとも1つのアニオン性光活性化可能な架橋剤(例えば、4,5−ビス(4−ベンゾイル−フェニルメチレンオキシ)ベンゼン−1,3−ジスルホン酸もしくは塩)とともに使用され得る。他の例において、少なくとも1つの非イオン性の架橋剤は、少なくとも1つのカチオン性の架橋剤および少なくとも1つのアニオン性の架橋剤とともに使用され得る。さらなる他の例において、少なくとも1つのカチオン性架橋剤は、非イオン性の架橋剤なしに、少なくとも1つのアニオン性の架橋剤とともに使用され得る。
例示的な架橋剤は、ジナトリウム4,5−ビス[(4−ベンゾイルベンジル)オキシ]−1,3−ベンゼンジスルホン酸塩(DBDS)である。この試薬は、4,5−ジヒドロキシルベンジル−1,3−ジスルホン酸塩(CHBDS)を、THF中の4−ブロモメチルベンゾフェノン(BMBP)、および水酸化ナトリウムと混合し、それから混合物を還流し、冷却し、続いて精製および再結晶化することによって、調製され得る(参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,714,360号にも記載されている)。
さらなる架橋剤としては、米国特許出願公開第2010/0274012号(Guire et al.に付与)および米国特許第7,772,393号(Guire et al.に付与)(参照によってその内容が本明細書に組み込まれる)に記載されている架橋剤が挙げられ得る。
本開示のコーティングの実施形態に関連したコーティングとしては、米国特許出願公開第2013/0302529号(Kurdyumov et al. “Boron-Containing Linking Agents”、参照によってその内容が本明細書に組み込まれる)に開示されているホウ素含有連結剤などのホウ素含有連結剤が挙げられ得る。例示を目的として、連結剤としては、ホウ酸塩基、ボラジン基またはボロン酸塩基、そのような連結剤を組み込んでいるコーティングおよびデバイス、ならびに関連する方法が挙げられる。一実施形態において、連結剤としては、構造(I):
Figure 0006947747
(ここで、Rは、光反応性基を含んでいるラジカルであり;Rは、OH、ならびに光反応性基、アルキル基およびアリール基を含んでいるラジカルから選択され;Rは、OH、ならびに光反応性基を含んでいるラジカルから選択される)を有している化合物が挙げられる。いくつかの実施形態において、結合B−R、B−RおよびB−Rは独立して、ヘテロ原子(例えば、O、N、Sまたはこれらの混合)によって遮断されるように選択され得る。
本明細書におけるデバイスの実施形態による使用のためのさらなる剤としては、スチルベンに基づく反応性化合物(米国特許第8,487,137号(Kurdyumov et al. “Stilbene−Based Reactive Compounds, Polymeric Matrices Formed Therefrom, and Articles Visualizable by Fluorescence”、参照によってその内容が本明細書に組み込まれる)に開示されている化合物が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられる。
さらなる光反応性剤、架橋剤、親水性コーティングおよび関連する試薬は、米国特許第8,513,320号(Rooijmans et al.に付与);米国特許第8,809,411号(Rooijmansに付与);米国特許出願公開第2010/0198168号(Rooijmansに付与)(参照によってそれら全ての内容が本明細書に組み込まれる)に開示されている。
上記コーティングは、潤滑コーティングを形成するために、所定量の重合体を含んでもよい。
実施形態において、上記第1の重合体(アクリル酸重合体)は、上記コーティングにおける重量的に主要な重合体である。つまり、上記第1の重合体(アクリル酸重合体)は、他のどの重合体よりも重量的に多い量で上記コーティング組成物中に存在している。例えば、上記第1の重合体(アクリル酸重合体)は、上記第2の重合体(アクリルアミド光重合体)または上記任意の第3の重合体(例えば、上記第2の重合体以外のアクリルアミド重合体)よりも重量的に多い量で存在してもよく、上記第1の重合体と第2の重合体との合計量よりも重量的に多い量で存在してもよい。いくつかの実施形態において、上記第2の重合体と上記第3の重合体との合計量は、重量的に上記第1の重合体の量とほぼ同じになっている。実施形態において、上記第1の重合体および上記第2の重合体は、上記コーティング組成物の高分子物質または上記コーティング組成物の全固形分のうちの約90重量%以上、95重量%以上、98重量%以上、または100重量%を構成している。実施形態において、上記第1の重合体、上記第2の重合体、および上記第3の重合体は、上記コーティング組成物の高分子物質または上記コーティング組成物の全固形分のうちの約90重量%以上、95重量%以上、98重量%以上、または100重量%を構成している。
いくつかの実施形態において、上記第1の重合体(アクリル酸重合体)は、上記コーティング組成物の固形成分のうちの約20〜約80重量%、約30〜約70重量%、または約40〜約60重量%の範囲の量で存在している。いくつかの実施形態において、上記第2の重合体(アクリルアミド光重合体)は、上記コーティング組成物の固形成分のうちの約10〜約60重量%、約20〜約50重量%、または約30〜約40重量%の範囲の量で存在している。いくつかの実施形態において、上記任意の第3の重合体(例えば、上記第2の重合体以外のアクリルアミド重合体)は、上記コーティング組成物の固形成分のうちの約1〜約35重量%、約5〜25重量%、または約10〜約20重量%の範囲の量で存在している。いくつかの実施形態において、上記架橋剤は、上記コーティングの固形成分のうちの約0.1重量%〜約5重量%、約0.5重量%〜約4重量%、または約0.75重量%〜約3重量%の範囲の量で存在している。
いくつかの実施の態様において、上記第1の重合体(アクリル酸重合体)、上記第2の重合体(アクリルアミド光重合体)、上記架橋剤、および(必要に応じて)第3の重合体(例えば、上記第2の重合体以外のアクリルアミド光重合体)を溶媒または溶媒の混合液中に含むコーティング溶液が形成される。いくつかの実施形態において、上記コーティング組成物用の溶媒として、水、アルコール、または水とアルコールの混合液を挙げ得る。アルコールの例としては、イソプロピルアルコール(IPA)が挙げられる。
水とアルコールとの混合液の例としては、水とアルコール(例えば、IPA)との比率(vol:vol)が約99:1〜約95:5の範囲、約95:5〜約50:50の範囲、または約90:10〜約75:25の範囲のものが挙げられる。
いくつかの実施の態様において、上記溶液のpHは約6以下であり、例えば、約2〜約6の範囲または約3〜約5の範囲である。所望のpHを得るために、上記溶液を化合物で調整してもよい。上記コーティング組成物はアクリルアミド重合体を含むので、上記組成物の粘度が増加し、それによりコーティングが有利になる。コーティング組成物の濃度が増加するほど、コーティング処理が改善され、上記コーティング組成物における固形物(重合体および架橋剤)の濃度が低下し、経済面でも処理面でも有利になる。
いくつかの実施形態において、上記コーティング組成物の粘度は約15センチポイズ(cP)以上であり、例えば、約17cP〜約200cPの範囲である。
従って、いくつかの実施の態様において、上記組成物における固形物の濃度は約30mg/mL以下または約25mg/mL以下であり、例えば、約5mg/mL〜約30mg/mLまたは約10mg/mL〜約25mg/mLの範囲である。
上記コーティング溶液を基材に塗布してもよい。第1のコーティング溶液を上記基材に塗布する前に、様々に異なる1つ以上の前処理工程を行ってもよい。いくつかの実施形態においては、上記基材の表面を洗浄してもよい。例えば、上記表面を拭いてもよいし、イソプロピルアルコールなどのアルコールに浸漬してもよい。いくつかの実施形態においては、上記基材をVALTRON溶液などの洗浄液に投入し、超音波処理してもよい。いくつかの実施形態においては、化合物を上記基材の表面に配置し、結合層として機能させてもよい。いくつかの実施形態においては、上記基材の表面を滅菌してもよい。
上記溶液の上記基材への塗布には、様々に異なる技術を用いることができる。上記技術の例としては、ドロップコーティング、ブレードコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティングなどが挙げられる。様々な実施形態において、上記溶液はディップコーティングによって塗布される。ディップコーティング処理は、上記基材を上記コーティング組成物中でコーティングされるよう配置し、上記基材を上記コーティング組成物中で一定の期間休ませ(滞留させ)、その後、上記コーティング組成物から上記基材を引き揚げる工程を含んでもよい。
上記滞留期間は、1秒間または数秒間など非常に短くてもよく、数分間などの長い期間に亘ってもよい。ディップコーティングの速度は可変である。例えば、上記基材を上記コーティング溶液に浸漬して引き揚げる速度は、約0.01〜約10cm/sの範囲、約0.1〜約4cm/sの範囲、または約0.5〜約2cm/sの範囲であってもよい。
上記基材に上記コーティング溶液を塗布した後、紫外線などの化学線を照射し、上記コーティングを形成する上記コーティング溶液の成分中の光反応性基を活性化してもよい。化学線は、上記光反応性基の活性化を促進する任意の好適な光源によって提供されてよい。好ましい光源(Dymax Corp.より入手可能なものなど)は、190nm〜360nmの範囲の紫外線を提供する。紫外線の光源の例としては、Dymax 2000−ECシリーズの、400ワットメタルハライド電球を有する紫外線フラッドランプが挙げられる。好適な照射線量は、約0.5mW/cm〜約2.0mW/cmの範囲である。照射時間は、例えば、数秒間から数分間(約30秒間〜約2分間など)の範囲である。必要に応じ、上記化学線の照射の前または後に、上記コーティング溶液を乾燥させてもよい。
いくつかの実施の態様において、上記コーティング中のアクリル酸重合体からの酸性ペンダント基の一部または全ては、対応する塩に変換される。これは、上記コーティングを紫外線光で処理した後、上記コーティングを重炭酸塩処理することによって達成することができる。上記コーティングを紫外線光で処理した後、重炭酸塩処理を行ってもよい。重炭酸塩方法の例においては、コーティングされたデバイスを、一定の期間、重炭酸ナトリウム水溶液に含浸し、完全に乾燥させる。コーティングの重炭酸塩処理のための材料および方法は、同一出願人によって2015年12月29日に出願された、米国仮出願第62/272,440号“Lubricious Coatings With Surface Salt Groups”(参照によってその教示が本明細書に組み込まれる)に見つけることができる。
その上にコーティングが形成され得る基材は、部分的または全体的に、金属、セラミック、ガラスなど、またはこれらの組み合わせから製造され得る。基材は、例えば、ポリウレタンおよびポリウレタン共重合体、ポリエチレン、ポリオレフィン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、イソブチレン−イソプレン共重合体(ブチルゴム)(ハロゲン化ブチルゴムを含む)、ブタジエン−スチレン−アクリロニトリル共重合体、シリコーン重合体、フルオロシリコーン重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルクロライド、ポリエーテル−ポリエステル共重合体、ポリエーテル−ポリアミド共重合体などの重合体を含み得る。該基材は、単一の材料から製造してもよいし、または材料の組み合わせによって製造してもよい。
基材の重合体はまた、合成重合体の形態であり得、当該合成重合体としては、オリゴマー、ホモ重合体、および、付加重合または縮合重合のいずれかから得られた共重合体が挙げられる。好適な付加重合体の例としては、アクリル(例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、グリセリルアクリレート、グリセリルメタクリレート、メタクリルアミド、および、アクリルアミドから重合されたもの)、およびビニル(例えば、エチレン、プロピレン、ビニルクロライド、ビニルアセテート、ビニルピロリドン、ビニリデンジフルオライド、およびスチレン)が挙げられるが、これらに限定されない。縮合重合体の例としては、ナイロン(例えば、ポリカプロラクタム、ポリラウリルラクタム、ポリヘキサメチレンアジパミド、および、ポリヘキサメチレンドデカンジアミド)、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリ(エチレンテレフタラート)、ポリジメチルシロキサン、並びに、ポリエチルケトンが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、上記基材は、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルブロックアミド(PEBAX)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン、ポリウレタン、およびポリエチレンビニルアセテートからなる群より選択される重合体を含む。
医療器具内の基材として用いられ得る金属としては、白金、金、タングステン、およびその他の金属(例えば、レニウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、チタン、ニッケル、およびこれらの金属の合金(例えば、ステンレススチール、チタン/ニッケル、ニチノール合金、コバルトクロム合金、非鉄合金、および白金/イリジウム合金)が挙げられる。合金の例の一つとしては、MP35が挙げられる。
本開示の方法および物質は、表面に潤滑コーティングを施すことが望ましい、実質的に全ての医療デバイスをコーティングするために用いることができる。上記コーティングは、身体内に挿入して身体内を移動させることのできる医療器具に対して特に有益である。有益なことに、上記コーティングは、本開示の様々な物質上に、下塗層または別個のトップコートなしで形成することができる。そのため、上記第1の重合体、上記第2の重合体、上記架橋剤、および任意の第3の重合体を有する上記コーティング組成物は、医療デバイス表面と接触しており、使用時に患者と接触するよう構成されている。
医療器具の例としては、血管インプラントおよび血管移植組織、移植組織、外科デバイス;人工装具;体内で使われる人工器官、ステント移植組織、および血管内ステント複合体を含む人工血管;小径移植組織、腹部大動脈瘤移植組織;創傷被覆材および創傷処置デバイス;止血バリア;メッシュおよびヘルニアプラグ;子宮出血パッチ、心房中隔欠損症(ASD)パッチ、卵円孔開存(PFO)パッチ、心室中隔欠損症(VSD)パッチ、およびその他の一般的な心臓パッチを含むパッチ;ASD、PFOおよびVSDの閉鎖材(closure);経皮閉鎖デバイス、僧帽弁修復デバイス;左心耳フィルター;弁輪形成デバイス、カテーテル;中心静脈アクセスカテーテル、血管アクセスカテーテル、排膿用カテーテル、薬剤注入用カテーテル、非経口的栄養補給カテーテル、静脈内カテーテル(例えば、抗血栓剤を処置)、脳卒中治療用カテーテル、血圧およびステント移植カテーテル;吻合デバイスおよび吻合閉鎖;動脈瘤除外デバイス、グルコースセンサーを含むバイオセンサー;心臓センサー;受胎調節デバイス;胸部インプラント;感染調節デバイス;メンブレン;組織スキャフォールド;組織関連材料;脳脊髄液(CSF)シャントおよび緑内障ドレインシャントを含むシャント;歯科デバイスおよび歯科インプラント;耳漏チューブおよび中耳腔換気用ベントチューブなどの耳用デバイス;眼科用デバイス;デバイスのカフおよびカフ部分(排水チューブカフ、移植薬剤注入チューブカフ、カテーテルカフを含む);ソーイングカフ;脊髄および神経系デバイス;神経再生導管;神経用カテーテル;神経パッチ;整形外科用ジョイントインプラント、骨修復/増強デバイス、軟骨修復デバイスなどの整形外科デバイス;泌尿器インプラント、膀胱デバイス、腎臓デバイスおよび血液透析デバイス、人工肛門形成バッグ取り付けデバイスなどの泌尿器科デバイスおよび尿道用デバイス;胆汁排出製品、大静脈フィルター、および塞栓症保護フィルターおよびデバイス、および電気生理学マッピングおよびアブレーションカテーテルが挙げられる。いくつかの実施形態において、本開示のコーティングは、網状カテーテルなどを例として挙げることのできる医療デバイスに用いてもよい。さらなる他の実施形態において、上記コーティングは、網状カテーテル(例えば、PEBAX(登録商標))に有利に用いることが可能である。
いくつかの態様において、上記コーティングは、尿道用カテーテル、腎臓用カテーテル、静脈内カテーテル、人工肺用カテーテル、血圧およびステント移植カテーテル、アテローム切除用カテーテル、血栓摘出用カテーテル、経皮経管冠動脈形成(PTCA)用カテーテル、薬剤注入用カテーテル、血管造影用カテーテル、神経用カテーテル(例えば、神経血管用バルーンカテーテル)、胸腔吸引排出用カテーテル、電気生理学用カテーテル、脳卒中治療用カテーテル、排膿用カテーテル、中心静脈アクセスカテーテル、血液透析用カテーテル、および非経口的栄養補給カテーテルからなる群から選択されるカテーテル上に形成されてもよい。
いくつかの実施形態において、上記コーティングの厚さは約100nm〜約5.0μm、約250nm〜約5.0μm、約250nm〜約1.0μm、または約1.0μm〜約5.0μmの範囲であってよい。上記厚さは、走査型電子顕微鏡検査法(SEM)または原子間力顕微鏡法(AFM)などの顕微鏡技術のような、1つ以上の技術を用いて測定することができる。
上記コーティングは、比較的低い摩擦として認められ得る潤滑性を示すことができる。いくつかの実施形態において、上記コーティングは水に曝されることによって潤滑になることができる。上記コーティングは、濡らされた場合、垂直ピンチテスト(例えば後述する)で測定して0から30グラムの力の潤滑性を示し得る。いくつかの実施形態において、上記コーティングは、濡らされた場合、約20グラム未満の力の潤滑性を示し得る。いくつかの実施形態において、上記コーティングは、濡らされた場合、約15グラム未満の力の潤滑性を示し得る。
さまざまな実施形態において、上記コーティングは耐久性と潤滑性の点から説明し得る。例えば、上記コーティングが摩擦力に曝された場合、潤滑性が長期間保たれ得る。例えば、いくつかの実施形態において、複数回の摩擦テストサイクルに亘って潤滑性が保たれ得る。いくつかの実施形態において、上記コーティングは、少なくとも10回の連続するテストサイクルに亘って濡らされた場合、0から30グラムの力の潤滑性を示し得る。いくつかの実施形態(例えば、少なくとも15回の摩擦テストサイクルが行われる実施形態)において、測定された潤滑性は、テストのサイクル1からサイクル5の平均とサイクル10からサイクル15の平均との間で、30%以下、上昇する。
上記コーティングは、水性の環境に曝された場合、比較的少ない量の粒子放出を示し得る。流離レベルが低い親水性コーティングを有する医療デバイスは、生体内での使用に非常に望ましい。
粒子レベルの説明は、所定のコーティング領域およびコーティング厚さに基づいて行い得る。測定の一態様において、粒子のカウントは、コーティング厚さが500nmから10μmの範囲にある、600mmのコーティングされた表面に対して行われる。しかし、粒子のカウントは、600mmより広いまたは狭いコーティング領域に対しても行い得る。例えば、上記コーティングは、水性の環境中で、10ミクロン超のサイズの粒子を15000個未満、発生させるであろう。いくつかの実施形態では、上記コーティングは、水性の環境中で、10ミクロン超のサイズの粒子を10000個未満、発生させるであろう。いくつかの実施形態では、上記コーティングは、水性の環境中で、10ミクロン超のサイズの粒子を5000個未満、発生させるであろう。いくつかの実施形態では、上記コーティングは、水性の環境中で、10ミクロン超のサイズの粒子を3000個未満、発生させるであろう。いくつかの実施形態では、上記コーティングは、水性の環境中で、10ミクロン超のサイズの粒子を1000個未満、発生させるであろう。本明細書に記載のさまざまな実施形態によれば、潤滑性と低粒子放出という性質がともに存在することがわかるであろう。
本明細書に記載した各実施例について、水溶液中での粒子の発生を調べるテストを、以下の手順に従って行った。ASTM F2394に記載の手順の派生物として、基材は水溶液中で蛇行した経路を通過させた。
〔実施例1〕
実施例を作成するとき、以下の試薬、コーティング溶液、および基材を用いた。
PA−BBA−AMPS−PEG:N−アセチル化ポリ[アクリルアミド93.6%−コ−ナトリウム−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩4.9%−コ−N−(3−(4−ベンゾイルベンズアミド)プロピル)メタクリルアミド0.9%]−コ−メトキシポリ(エチレングリコール)1000モノメタクリレート0。6%(百分率はモルパーセント)を得た(PA−BBA−AMPS−PEG)。PA−BBA−AMPS−PEGを調製するための試薬および方法と、Photo-PAは、文献(例えば、米国特許第4,979,959号、第5,002,582号、第5,263,992号、第5,414,075号、第5,512,329号、および第5,637,460号(それらの教示は参照によって本明細書に援用される)に見ることができる。
BPP:架橋剤であるビス(4-ベンゾイルフェニル)リン酸ナトリウムを、米国特許出願公開第2012/0046384号に記載の方法に従って調製した。
PAA:平均分子量が1200〜1800kDaの範囲にあるポリ(アクリル酸)を用いた。
コーティング溶液:5g/LのPAA、3.5g/LのPA−BBA−AMPS−PEG、1.5g/Lのphoto-PA、および0.15g/LのBPPを、15%のイソプロピルアルコールおよび85%の水からなる溶媒中で混合して、コーティング溶液を調製した。
重炭酸塩処理:重炭酸塩処理溶液を、0.1MのNaHCO水溶液を用いて調製した。基材を重炭酸ナトリウム水溶液に5秒間漬け、完全に乾かした。
テスト用機材:Medicine Lake Extrusion, Plymouth, MNから入手したPEBAX(登録商標)チューブ(I.D. 0.018" O.D. 0.039"; 72D)、およびBavaria Medizin Technologie Argelsrieder Feld 8, D-82234, Weblingから入手したPebax/Nylon カテーテル(O.D. 0.039";catalog No. 08BQ-3020A )。
ディップコーティング:ディップコート法を用いて上記コーティング溶液を上記基材に塗布した。上記基材は、ベースコートコーティング溶液に、2秒間の滞留時間で浸漬させた。それから基材を該溶液から1.2cm/sの速度で引き出した。それから、ベース層を2分間、空気乾燥させた。
照射:それから、上記コーティングを紫外線硬化させた。具体的には、上記コーティングされた基材を、Dymax 2000−ECシリーズの、400ワットのメタルハライド電球を有する紫外線フラッドランプの前で、光源から約20cm離して60秒間回転させた。
重炭酸塩処理:上記コーティング溶液を、ディップコート法を用いて上記基材に塗布した。上記基材は、重炭酸ナトリウム溶液に、5秒間の滞留時間で浸漬させた。それから基材を該溶液から1.2cm/sの速度で引き出した。それから、ベース層を少なくとも10分間、空気乾燥させた。
摩擦(潤滑性)および耐久性の試験方法:国際出願番号WO03/055611に記載の垂直ピンチ法を以下のように修正して用いた摩擦測定によって、実施例のコーティングされた基材の潤滑性/耐久性を評価した。コーティングされた基材のサンプルを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)中で1分間以上、水和させ、その後、ロッドホルダーの端部へ挿入した。当該ロッドホルダーをピンチテスターの2つの顎の間に配置して、そしてPBSのシリンダーへ浸漬した。上記ピンチテスターの顎を閉じてサンプルを移動速度1cm/sにて垂直方向へ10cm引っ張り、そしてコーティングされたサンプルが元の位置Aに戻った時点で顎を開いた。
コーティングされた基材を、挟んだ顎によって引っ張りながら、500gの力を加えた。その後、基材上に加えられた引張力を測定した(グラム)。引張力(g)は、摩擦係数(COF)にピンチ力(g)を乗じた値に等しい。垂直ピンチテスト法に使用されたデバイスは、米国特許第7,348,055号に記載されており、その内容は参照によって本明細書に引用される。
粒子の試験法:本明細書の実施例における水溶液中に生成された粒子の試験は、次の手順によって実施された。ASTM F2394に記載の手順の派生として、基材を、以下に記載の水溶液中にて蛇行した経路を通過させた。6フレンチガイドカテーテル(Vista Brite Tip, Cordis)の遠位部を、カテーテルの長さが30cmになるように切断および廃棄した。当該ガイドカテーテルをASTM F2394−07モデルへと挿入した。止血バルブコネクタ(Qosina)を上記ガイドカテーテルに接続した。当該モデルを、60mLシリンジを用いて120mLのアイソトン(Becton, Dickinson, and Company)を流すことによって洗浄し、そして流したアイソトンを廃棄した。60mLのアイソトンを用いたベースラインフラッシュを光遮断方式によって分析して粒子のバックグラウンド濃度を決定した。20cmのコーティングが施された90cmのチューブ(直径1mm)を、アイソトン中で1分間以上、水和させた。当該チューブをガイドカテーテル中に挿入し、ロッドの遠位部が上記モデルから出るまで進めた。120mLのアイソトンを用いた洗い流しを実施し、ガラスビーカー中に収集した。収集したアイソトンを、10ミクロン以上の粒子について光遮断方式によってすぐに分析した。上記チューブを取り除き、当該モデルを120mLのアイソトンを用いて洗浄し、そして次のコーティングされたロッドについて試験を行った。
各デバイスコーティングの長さに対する引張力(g)を示すグラフである。 各デバイスコーティングの平均粒子数(10μm、25μm)を示すグラフである。

Claims (21)

  1. 潤滑コーティングを有する医療デバイスであって、
    該潤滑コーティングは、コート層を含み、当該コート層は、
    (i)50%(mol)を超えるアクリル酸を含むアクリル酸重合体である第1の重合体と、(ii)50%(mol)を超えるアクリルアミド、0.5重量%〜25重量%の範囲の量のオキシアルキレン、および少なくとも1つの光反応性基を有するアクリルアミド共重合体である第2の重合体と、(iii)少なくとも2つの光反応性基を有する架橋剤とを含む重合体混合物を含み、
    上記コート層の上記重合体混合物が医療デバイス表面と接触しており、かつ、使用時に患者と接触するよう構成されている、医療デバイス。
  2. 上記アクリル酸重合体が150kDa以上の平均分子量を有する、請求項1に記載の医療デバイス。
  3. 上記アクリル酸重合体がアクリル酸ホモ重合体である、請求項1に記載の医療デバイス。
  4. 上記第2の重合体が、アクリルアミド−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩(AMPS)を含むサブユニットおよびポリ(エチレングリコール)を含むサブユニットを有する、請求項1に記載の医療デバイス。
  5. 上記重合体混合物が、上記第2の重合体とは異なる第3の重合体をさらに含み、上記第3の重合体は、少なくとも1つの光反応基を有するアクリルアミド共重合体である、請求項1に記載の医療デバイス。
  6. 上記第2の重合体、上記第3の重合体、またはその両方が、上記第1の重合体よりも少ない量で存在している、請求項に記載の医療デバイス。
  7. 上記第2の重合体と上記第3の重合体との合計量が、上記第1の重合体の量とほぼ同じである、請求項5に記載の医療デバイス。
  8. 上記コーティングにおける固形成分に対して、第1の重合体が30〜70重量%の範囲の量で存在しており、上記第2の重合体が20〜50重量%の範囲の量で存在しており、上記第3の重合体が5〜25重量%の範囲の量で存在している、請求項5に記載の医療デバイス。
  9. 上記コーティングにおける上記固形成分に対して、第1の重合体が40〜60重量%の範囲の量で存在しており、上記第2の重合体が30〜40重量%の範囲の量で存在しており、上記第3の重合体が10〜20重量%の範囲の量で存在している、請求項8に記載の医療デバイス。
  10. 上記コーティングにおける固形成分に対して、上記架橋剤が0.1〜5重量%、0.5〜4重量%、または0.75%〜3重量%の範囲の量で存在している、請求項1に記載の医療デバイス。
  11. 上記架橋剤が、下記式(a)〜(d)から選択される式で表される化合物である、請求項1から10のいずれか1項に記載の医療デバイス。
    Figure 0006947747

    (式(a)中、R、R、R、およびRは任意の置換であり、R、R、R、およびRは、アルキル、アリール、またはそれらの組み合わせであり、Rは任意の置換であり、Xのそれぞれは独立して、O、N、Se、S、アルキル、またはそれらの組み合わせである。)
    Figure 0006947747

    (式(b)中、RおよびRは任意の置換であり、RおよびRは、OHを除く任意の置換であり得、Rは、アルキル、アリール、またはその組み合わせであり得、Xのそれぞれは独立して、O、N、Se、S、アルキル、またはその組み合わせである。)
    Figure 0006947747

    (式(c)中、R、R、R、およびRは任意の置換であり、Rは任意の置換であり、RおよびRは、アルキル、アリール、またはそれらの組み合わせであり、Xのそれぞれは独立して、O、N、Se、S、アルキル、またはそれらの組み合わせである。)
    Figure 0006947747
  12. 上記架橋剤のうち少なくとも1つが、ビス(4−ベンゾイルフェニル)リン酸ナトリウムである、請求項11に記載の医療デバイス。
  13. 上記医療デバイス表面が、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルブロックアミド(PEBAX)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン、ポリウレタン、またはポリエチレンビニルアセテートからなる群から選択される基材物質を含むことを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  14. カテーテルを備える、請求項1から13のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  15. 3000個未満の、10ミクロン超の大きさの粒子を放出する、請求項1から14のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  16. 医療デバイスをコーティングするための液体コーティング組成物であって、
    (i)50%(mol)を超えるアクリル酸を含むアクリル酸重合体である第1の重合体と、(ii)50%(mol)を超えるアクリルアミド、0.5重量%〜25重量%の範囲の量のオキシアルキレン、および少なくとも1つの光反応性基を有するアクリルアミド共重合体である第2の重合体と、(iii)少なくとも2つの光反応性基を有する架橋剤とを含む、液体コーティング組成物。
  17. pHが約6未満であるか、pH2〜6の範囲にあるか、またはpH3〜5の範囲にある、請求項16に記載の液体コーティング組成物。
  18. 水とアルコールとを含む、請求項16または17に記載の液体コーティング組成物。
  19. 上記アルコールが5〜45%(v/v)の範囲の量で存在している、請求項18に記載の液体コーティング組成物。
  20. 医療デバイスにコーティングを形成する方法であって、
    (a)請求項1619のいずれか1項に記載の液体コーティング組成物で医療デバイスをディップコーティングする工程と、
    (b)上記コーティングを少なくとも部分的に乾燥させる工程と、
    (c)上記コーティングに紫外線光を照射する工程と、
    を含む、方法。
  21. 医療デバイスにコーティングを形成する方法であって、
    上記コーティングされた医療デバイスを、重炭酸ナトリウムを含む液体組成物に接触させる工程をさらに含む、請求項20に記載の方法。
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