JP6947636B2 - カプセル化された気体または部分真空のct造影材料 - Google Patents

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Description

[0001] 関連出願の相互参照
本出願は、2015年4月20日に出願された米国仮出願第62/149,815号の利益を米国特許法第119条(e)下に請求するものであり、その全体は参照することによりすべての目的のために本明細書に援用される。
[0002] 資金提供を受けた研究開発
本発明は、National Institutes of Healthによって授与された補助金番号EB013816およびTR000004のもとで政府の助成により行われた。米国政府は本発明において一定の権利を有する。
[0003] 医用CT画像化のための造影材料の使用は、特に多数の内臓および血管が非常に複雑な解剖学を示す腹部および骨盤における多くの臨床シナリオのために不可欠である。腸造影剤は口によってまたは管を介して腸の中へ与えられ、腸を膨らませてその可視化を改善することができる。
[0004] 腸のための造影材料は「陽性」であり、水より実質的に高い信号を与えることができる(例えば>60ハンスフィールドユニット、またはHU)。これらの薬剤は高いX線減弱特性を備えた材料を利用する。あるいは、腸のための造影材料は「中性」であり、水または軟組織の信号と類似する信号を与えることができる(例えば−20HU〜60HUの間のCT数)。腸のための造影材料は「陰性」でもあり、水の信号よりも低い信号を与えることができ(例えば−20HU未満のCT数)、これらの薬剤は低いX線減弱特性を備えた材料を使用する。
[0005] すべての商業的な陽性のCT造影材料はヨウ素またはバリウムに基づく。これらの薬剤中の他の原子は身体の軟組織および水の原子に類似しているので、陽性薬剤と身体の軟組織との間のX線減弱における差は、ほとんどまたは完全にヨウ素またはバリウムに起因する。
[0006] CT画像化では腸管腔を明るい信号でマークする陽性の腸管CT造影剤が、腸管外液の集積および腫瘤(それは広範囲の疾患においてCT判断時に染影されない腸に類似し得る)の検出について高い価値があることには、異論がない。
[0007] 陽性の腸管造影剤の価値にもかかわらず、明るい腸管造影材料は、最も破壊的な疾患のうちのいくつかについて、静脈内造影剤のCT所見を逆説的に不明瞭にし、それらには、1)外傷(造影材料の漏出が、血管出血起源vs腸管腔起源からであることについて曖昧であり得る);2)腸虚血および梗塞(強調されない腸壁が、明るい管腔内腸管造影材料によって不明瞭になり得る);3)腸炎症(IV造影剤による腸壁の超強調が、活動性疾患の最も信頼できる特色である);4)腸管出血(腸または強調腫瘍の中へのヨード化造影剤の管外溢出が腸管造影剤の存在によってマスクされる);および5)血管の三次元画像の再構成が含まれる。
[0008] 現在利用可能な陽性の臨床用造影材料に関する別の問題は、互いにまたは他の放射線不透過性構造(CT画像化時に、金属片、石灰化、外科手術用ステープルラインまたはインプラント等)と、それらを区別することができないということである。デュアルエネルギーCT(DECT)またはマルチエネルギーCTもしくはスペクトラルCT(個々の物質の既知の80:140kVpのCT数の比に基づいて、画像化されたボクセルを物質弁別できる、現在ますます広く普及した臨床技術)をもってしても、ヨウ素およびバリウムベースの造影材料は、80:140kVpのCT数の比は実質的には同一であるので、互いは容易に識別されない。この限定は臨床的な過失および遅延を引き起こす。例えば、腹膜の中への造影剤の漏出を示す陽性の腸バリウム造影剤および静脈内ヨウ素造影剤により強調されたCTスキャンは、その漏出が、出血(ヨウ素)、腸穿孔(バリウム)、または尿路傷害(排泄されたヨウ素)(その各々は臨床的な緊急事態であるが、まったく異なる管理を要求する)に起因するかどうかについて曖昧なことがある。かかる曖昧性を解消するために、時間および治療機会の損失を犠牲にしてスキャンを反復する必要があるだろう。CTスキャンの反復は、放射線量の追加ももたらす。CT放射線量に関する公衆の関心の増大は、CT線量の低減に焦点を当てた2011年のNIHサミットをもたらした。マルチエネルギー画像またはスペクトルラル画像が可能なCTスキャナーは開発中であるが、改善された能力をもってしても、これらの新しいCT技術は、恐らくバリウムベースの造影材料とヨード化されたものを容易に識別することはできない。
[0009] 現行の陽性の腸管CT造影材料の更なる限定は、毒性および合併症である。バリウムベースの薬剤は、漏出部位で、重篤な致死性の可能性のある腹膜炎を引き起こすか、または感染を悪化させることがあり、部分的な腸閉塞症を完全な腸閉塞症に変換し得る。ヨード化された薬剤は不注意に吸引された場合に重篤な致死性でさえある肺炎を引き起こし、生命を脅かすアレルギー型の反応も引き起こすことがあり、この懸念のために、以前に反応があることが知られている患者の1%までにその使用が限定されている。このことは、おそらくこれらの薬剤の高浸透圧性と部分的に関連する。さらに、これらの薬剤のうちのいくつかは褐色であり、味が悪い。若干の患者(1〜3%まで)は、ヨード化造影材料への反応を有する。
[0010] 「中性」の腸管CT造影材料はCT画像化に有益である。中性の腸管造影材料の例は、水、ミルク、または最小の量のみのヨウ素もしくはバリウム(例えばVoLumen(登録商標))なしまたはありでの非吸収性炭水化物(ソルビトールまたはメチルセルロース等)を含有する液体である。中性の腸管CT造影剤は、腸管腔を膨張させ、静脈内造影材料が、陽性の腸管造影材料では不明瞭になってしまう腸壁の相対的な血管分布過多または血管分布過少を鮮明に示すことを可能にするために、一般的に使用される。中性薬剤からの信号が天然の軟組織または水の信号に類似するので、それらは、腸漏出、管腔外の液体集積、腹腔内膿瘍、または血腫について、陽性の腸管造影剤ほど診断を確信することができないこともある。
[0011] 「陰性」腸管造影剤は一般的には使用されないが、−20HU未満のCT数値を有する。これらの低X線減弱造影材料の例は、炭化水素油(落花生油または植物油等)、パーフルオロカーボン、および気体(送気された空気もしくは二酸化炭素、または化学的に生成された二酸化炭素等)である。陰性の腸管造影剤は、静脈内造影剤と共に与えられた場合に、腸壁および腸壁強調の優れた描出を提供することができる。最も一般的に使用される陰性の腸管薬剤は胃拡張または結腸拡張のための二酸化炭素である。しかしながら、利用可能な陰性薬剤の小腸使用は、耐容性が良好ではない。陰性の腸管造影材料はCTにおいては天然に存在する脂肪に類似し得るが、CTでの疾患の検出は、腸中での異常な量の脂肪の同定にほとんど依存しない。気体状の腸管造影剤(気体は、腸管腔の中へ送気されるか、または腸管腔中で生成される)は、腸漏出を描出するのに、陽性の腸管造影材料ほど有用でないかもしれない。デュアルエネルギーCTをもってしても、利用可能な陰性薬剤の信号は、天然に存在する脂肪または異常な気体集積の信号と区別することができない。液体形状で送達することができる実践的な非膨張性の非油ベースの陰性造影剤は、現在利用可能ではない。
[0012] 造影剤としての腸管へ送気された気体または気体発生剤の更なる限定は、腸管の気体が腸管の液体よりもCTでモーションアーチファクトを引き起こすということである(図2および19)。
[0013] カプセル化された気体造影材料は以前に超音波およびMRIのために記載されている(通常パーフルオロカーボン)。カプセル化された気体造影材料はCTのためにも調査された(例えばMRX80、パーフルオロカーボンに基づく)。部分真空剤は造影材料としてCTのために調査されていない。
[0014] 現代のデュアルエネルギーCT画像およびスペクトラルCT画像は、仮想単色エネルギー画像(CTスキャン画像が、任意の所与のX線エネルギー(40〜140keVから選択されるエネルギー等)の単色エネルギーX線により得られたかのように見えるものをシミュレートする画像)として再構築することができる。これらの仮想単色エネルギー画像において、ヨード化造影材料およびバリウム造影材料は、低keV設定(40〜70keV)で高度に陽性であるように見え、高keV設定(140keV)では、ヨード化造影材料およびバリウム造影材料の信号が、水または軟組織の信号(およそ−20〜50HU)まで減退するように、信号を徐々に減少させる。換言すれば、バリウムおよびヨウ素は、低keVで陽性造影剤および高keVで中性造影剤として働くことができる。しかしながら、ヨード化された薬剤およびバリウム薬剤からの信号をデュアルエネルギーCTでも仮想単色エネルギー画像をもってしても、依然として互いと識別することができず、このことは、造影材料の陽性CT信号を中性CT信号へ変換することができるという利点を大いに損なう。同様に、利用可能な中性薬剤の信号は水の信号に類似し、利用可能な陰性造影剤の信号はデュアルエネルギーCTでの脂肪または気体の信号に類似し、デュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCTによる他の色信号への意味のある変換ができない。
[0015] 商業的に入手可能な腸管CT造影材料は、デュアルエネルギーCTをもってしても、陽性造影剤、中性造影剤、および陰性造影剤として同時に働くことができない。
[0016] CTでの他のタイプの信号(陽性、中性または陰性)のうちの1つまたは複数を示すように、画像の後加工によって変換することもできる1つのタイプ(陽性、中性または陰性)の腸管造影媒体の使用を介して、CT診断を改善するであろう、複数の臨床シナリオが一般に存在する。例えば、腸虚血の疑いにおいて、中性または陰性の腸管造影剤は、それぞれ炎症または虚血を検出するための腸壁の超強調または低強調のいずれかを見出すのに有用であろう。この同じシナリオにおいて、陽性造影剤は、腸穿孔、膿瘍および瘻孔の同定を可能にするだろう。商業的な腸管薬剤は陽性および陰性の両方であり得ることはないので、画像化する医師はどちらかの薬剤を選ばなければならず、任意の利用可能なCTプロトコルによって、ある所見は明らかにされ得るが、他の重要な所見は不明瞭になり得ることを承知しており、したがってCTスキャンは次善の策である。
[0017] ヨード化された薬剤およびバリウム薬剤または開発中の他の造影剤(タングステン、イッテルビウムまたはタンタル等の重金属に基づくもの等)と同時に使用できるが、識別できる、安全な臨床用腸管造影材料の開発は、数百万人の幅広い範囲の疾患の患者のためのCT画像化を変化させるだろう。異なる「色」の造影剤を複数の身体のコンパートメントに注射し、同時に問い合わせることができ、単一CT、DECTまたはマルチエネルギーCT検査が、迅速且つ確信的な診断のための、時宜を得た高解像度の各々のシステムの完全に位置合わせされる解剖学的な画像を提供することを可能にする。この性能は、外傷、浸潤性腫瘍、外科手術合併症、および炎症性の疾患からの多臓器障害を緊急且つ正確に評価できるように我々の能力を変えるだろう。本出願人の先行特許は、低原子番号(Z<30)の造影剤またはケイ素ベースのポリマー薬剤が、DECTでヨウ素ベースの造影剤およびバリウムベースの造影剤と識別され得る、陽性のCT信号を提供することができることを示す。
[0018] 解釈する医師の制御下で、陰性、中性、または陽性の造影材料として見えるようにデジタル的に操作することができる、安全な臨床用腸管CT造影材料の開発は、強力な診断的能力を提供し、診断過失に加えて当て推量およびプロトコル過失も取り除くだろう。過失の低減は、より迅速な診断および追加の精密検査の必要性の低減をもたらすだろう。医師は、所与の臨床シナリオについて、中性または陰性vs陽性の腸管造影材料を投与する利点と欠点を天秤にかける必要はもはやないだろう。
[0019] CT画像化と共に使用するために試験される非ヨード化陽性造影材料には、広範囲の高原子番号(Z)元素:とりわけ、タングステン、タンタル、イッテルビウム、ビスマス、ランタニド元素(ガドリニウム等)および金が含まれる[Yu S,Watson A.Metal−Based X−ray Contrast Media.Chem Rev.1999;99(9):2353−2378;and Mongan J,Rathnayake S,Fu Y,Wang R,Jones EF,Gao DW,Yeh BM.In vivo Differentiation of Complementary Contrast Media at Dual−Energy CT.Radiology.2012;265(1):267−272]。シリコーンベースの低原子番号の造影剤は、本出願人のグループによって最近発明された。
[0020] デュアルエネルギーCTは比較的新しい技術であり、実践的なDECTスキャナーが利用可能になって8年しか経ってない。
[0021] 臨床用CT画像化では、水のCT数は0HU、一方室内空気/真空のCT数は−1000HUとして、kVpの設定にかかわらず定義される。非脂肪軟組織のCT数は一般的には10〜60HUの範囲である。
[0022] 非脂肪軟組織よりも低いX線減弱を備えた材料の例には、120kVpで画像化される場合に−20〜−150HUの範囲のCT数を有する脂肪および油が含まれる。さらに、気体のCT数は、一般的には気体の非常に低い物理的密度に起因して−500HU未満である。
[0023] 非脂肪軟組織よりも高いX線減弱を備えた材料の例には、8より高い実効Zを備えた固体相または液体相の材料が含まれる。これらの材料には上記の陽性造影材料が含まれる。
[0024] デュアルエネルギーCTでは、ヨード化造影材料または他の陽性血管内造影材料とは実質的に異なる80:140kVpのCT数の比を有する陽性の腸管造影材料を、CT画像からデジタル的に差し引いて、血管内造影材料のみにより得られるCTスキャンに類似する画像を提供することができる。しかしながら、この信号分離は、診断的な曖昧性または混乱を引き起こす可能性があり得るいくつかの画像アーチファクトおよびノイズを導入し得る。かかる薬剤の信号が、正常組織または疾患組織において存在し得る水、液体、脂肪または気体の信号とそれぞれ確実に識別されないので、従来のCTでの中性または陰性の腸管造影材料を強調表示することは、現在非常に困難である。
[0025] 本発明は、デュアルエネルギーCTおよびスペクトラルCTが含まれるCTの画像化時に、ヒト使用に好適な造影材料として安全且つ効果的なカプセル化された気体または部分真空の粒子を提供することによって、これらおよび他の問題を解決する。例示的な実施形態において、造影材料は、カプセル化された気体または真空である粒子を含有し、シェルは、主として二酸化ケイ素、ケイ素含有ゴム、セラミック、または他の不活性の不溶性物質からなり、製剤は、水または油の媒体中で懸濁される、カプセル化された気体または真空の粒子からなる。様々な実施形態において、添加物は、シェルへ添加されるか、シェルをコートするか、シェルの内腔中に含有されるか、または懸濁媒体へ添加されて、造影材料の全体の80:140kVpのCT数の比を修飾する。様々な実施形態において、本発明は、これらのタイプの腸管造影媒体についてのいかなる判断の不備なしに、CTでの陰性、中性および陽性の腸管造影剤の利点を提供する。様々な実施形態において、本発明は従来のCTでは陰性造影材料として見え得るが、造影材料の信号はデュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCTの画像化では、さらにより強い陰性、中性または陽性の信号に変換することができる。あるいは、様々な実施形態において、本発明は従来のCTでは陽性造影材料として見え得るが、造影材料の信号はDECTまたはスペクトラルCTの画像化では、陰性または中性の信号に変換することができる。あるいは、様々な実施形態において、本発明は従来のCTでは中性造影材料として見え得るが、造影材料の信号はDECTまたはスペクトラルCTの画像化では、陰性または陽性の信号に変換することができる。陽性の腸管造影剤の信号の利点には、腸管漏出の優れた同定、管腔外の集積(膿瘍等)の検出、腹骨盤内の腫瘍および腫瘤の検出、腸管通過時間の評価、腸閉塞症転移点の評価、腸壁肥厚についての優れた評価が含まれる。陽性の腸管造影剤の不備には、血管内造影材料が同時に与えられた場合の、腸壁虚血または腸炎症についての非常に重要な所見の不明瞭化、腹骨盤血管の不明瞭化、CT血管造影の3D再構成の阻止、溢出した造影材料の起源の曖昧性、および活動中の管腔内消化管出血の不明瞭化が含まれる。陰性または中性の腸管造影剤の利点には、腸壁の超強調または低強調の優れた評価;管腔内腫瘤を強調する優れた評価;CT血管造影の三次元再構成に対する非干渉;およびCTスカウト画像上での陰性薬剤のより低いX線減弱に起因する自動露出制御によりCTスキャンが得られる場合のより低い放射線量が含まれる。中性または陰性の腸管造影剤の不備には、腸漏出もしくは管腔外の液体集積、膿瘍、脂肪への傷害、または血腫を検出する能力の低減が含まれる。
[0026] CT画像化では、本発明の材料は、水および非脂肪軟組織によって産生される範囲(範囲、−20〜60ハンスフィールドユニットまたはHU)よりもより低いまたはより高いCT数を与え得る。実質的な割合における低X線減弱材料および高X線減弱材料の組み合わせは、1)新しいX線減弱は、CT画像での他の身体材料または医学関連材料の減弱とは大いに異なるように、および2)異なるX線エネルギースペクトルでの新しいX線減弱は、デュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCTの画像での他の医学関連材料の減弱とは大いに異なるように、新材料のX線減弱を修飾することを可能にする。
[0027] 例えば、気体および真空は、およそ−1000HUの低いCT信号を産生することができ、一方二酸化ケイ素は水中の50%w/wの懸濁物でおよそ550HUの高いCT信号を産生する。二酸化ケイ素でカプセル化された気体および真空の粒子内の気体および真空は、気体および真空の極端に負のCT数が、すべてのCTのkVpの設定にわたって、全体的な粒子によって産生された全体的なCT数を劇的に減少させることを可能にする。このCT数の低減を使用して、ヨウ素造影材料およびバリウム造影材料またはヒト身体中に天然に存在する他の材料のCT数の比とは著しく異なるレベルへ、材料の低kVpのCT数対高kVpのCT数の比を実質的に改変することができる。例えば、二酸化ケイ素、気体および真空の80:140kVpのCT数の比(それぞれおよそ1.3、1.0および1.0である)は0.3へ変化させることができ、それは軟組織(1.0)またはヨウ素造影材料(1.7)もしくはバリウム造影材料(1.7)のCT数の比とは実質的に異なる。別の実施例において、ヨウ素造影材料またはバリウム造影材料の80:140kVpの比は、カプセル化された気体および真空の粒子が懸濁媒体中でヨウ素材料またはバリウム材料と混合される場合に、2.4より高いように変化させることができる。別の実施例において、ヨウ素造影材料またはバリウム造影材料の80:140kVp数の比は、ヨウ素またはバリウムが希釈され、比較的多量のカプセル化された気体および真空の粒子と混合される場合に、0.6未満へ低減させることができる。
[0028] 特定のガラスのカプセル化シェル(硼ケイ酸塩ガラス等)の利点には、不活性、低溶解度、安定性、高強度、および非常に低い熱膨張係数が含まれる。これらの特性は、カプセル化された気体または部分真空が広範囲の生理的pHおよび温度にわたって安定的なままであることを可能にする。
[0029] CTのための腸管薬剤は、以下の複数の理由のために注射可能なものよりも一般的には安全である。1)腸管薬剤は血管内薬剤よりも材料の実質的により低い用量および濃度を必要とする。典型的な静脈内のヨード化された薬剤の投与は、腹部CTスキャンのために150mLの350mgのヨウ素/mL造影剤(52グラムの用量)までを必要とする。典型的な経口用量は、800mLのわずか10mgのヨウ素/mL造影剤(8グラムの全ヨウ素用量)である;2)造影材料は腸壁を介して血管の中へほとんど吸収されない;3)粘度および浸透圧は腸管造影材料について最小限の懸念である;4)すべての血管内薬剤により見られる腎臓毒性は腸管薬剤により起こりそうもない;5)アナフィラキシー様反応および免疫反応が腸管投与により起こることは、おそらく血管内投与よりもはるかに少ない。
[0030] 注目すべきことに、腸管製剤の安全性およびCT画像化の有効性以外に、物理的均一性、貯蔵安定性、流動能力(したがって場合によっては高いが許容される粘度)、および経口味覚さえも含まれる他の態様は、最終的な腸管造影製剤を最適化して実践的な臨床用途を満たすために、考慮される。
[0031] さらに、本発明のカプセル化された気体または部分真空の粒子の腸管造影剤は、DECTまたはマルチエネルギーCTによって容易に識別することができる、腸管薬剤および分離した血管内薬剤または他の身体のコンパートメント薬剤の同時投与を可能にする利点を提供する。薬剤が身体中に同時に存在するときに画像化されるので、一実施形態において、各々の薬剤から信号が抽出される場合に造影領域の画像の本質的に完全な位置合わせが提供される。十分に位置合わせされたもたらされた画像は、造影材料が各々独立して送達され、画像化され、分離したCTスキャンが実行されるよりも、診断的評価のための優れた情報を提供する。さらに、例示的な実施形態において、放射線量は、2回の分離したスキャン(各々の造影剤によるもの)が照射するものの半分以下である。様々な実施形態において、本発明の媒体および製剤は反復CTスキャニングを促進し、以前に送達された異なる材料に基づく経口造影剤によって引き起こされる曖昧性を低減させる。様々な実施形態において、複数の腸管薬剤(カプセル化された気体または部分真空の粒子および他の腸管薬剤を含む)は、CT画像化時に同時に存在する。
[0032] 本発明の製剤および方法は、反復/追跡画像化スキャンについての必要性の低減に起因して患者への放射線量が低減するという利点も提供する。
[0033] 例示的な実施形態において、腸管内容物があまり放射線不透過性でない(例えば中性または負のCT数)場合に、診断レベルの画像ノイズの達成に十分なX線束を生成するためにより少ないCT管電流が必要なので、本発明の使用は、現在利用可能な陽性の腸管造影材料の使用と比較して、CT放射線量を低減させる。例えば、CTでの自動露出制御は、スカウトビュー中での被験体のX線密度に基づいて、要求されるX線管電流を決定することができる。
[0034] 例示的な実施形態において、本発明は、本発明の様々な実施形態の2.4を上回る非常に高い80:140kVpのCT数の比、または非常に低い80:140kVpのCT数の比(例えば0.5未満)に起因して、他の以前に記載された造影材料よりも、デュアルエネルギーCTでヨード化造影剤またはバリウム造影剤からおよび軟組織または水の両方から十分に分離することができる薬剤を提供する。
[0035] 例示的な実施形態において、本発明は、腸管造影媒体製剤である水懸濁中のカプセル化された気体または部分真空の粒子を提供する。例示的な製剤は、シェル材料内でカプセル化された気体または真空を含む腸管造影媒体を含んで、小さな粒子を形成する。材料は、粒子が懸濁される薬学的に許容される水性または油ベースのベヒクル中で製剤化される。例示的な実施形態において、本発明の粒子のシェル材料はケイ素を含有し、この材料はケイ素ベースのポリマーである。例示的な実施形態において、シェル材料はケイ素を含有し、この材料はガラス(硼ケイ酸塩等)の形状である。例示的な実施形態において、シェル材料は、ポリマープラスチック、ゴム、ワックス、セラミック、または樹脂である。例示的な実施形態において、シェル材料は、40〜84の間のzを備えた追加の高原子番号の材料を含有するか、またはそれらによりコーティングされる。例示的な実施形態において、ベヒクルは、高X線減弱を示す材料(バリウムまたはヨウ素を含有する材料等)を含有し、それによって、もたらされた造影剤のCT数および低CT数対高CT数の比を改変する。
[0036] 例示的な実施形態において、本発明は、消化器系、および天然の(膣または膀胱等)もしくは外科的に生成された(新膀胱等)ものであってもよい他の身体の空洞、または人工的な医療デバイス(管、カテーテル、パウチ、リザーバー、またはポンプ等)の中へも送達され得る造影媒体製剤を提供する。
[0037] 本発明の追加の例示的な利点、目的および実施形態は、以下の記載中で示される。
[0038] 本発明の腸管造影剤は、超音波画像診断において使用されるマイクロバブル造影剤とは実質的に異なる。超音波中のマイクロバブルは通常パーフルオロカーボンガスまたは窒素ガスの気体マイクロバブルであり、アルブミン、炭水化物、脂質、または超音波が泡の膨張および収縮を引き起こして、それによって超音波画像診断での信号を増幅することを可能にする生体適合性ポリマー等の材料によって表面コートされる。超音波造影剤マイクロバブルの平均サイズは通常2〜6ミクロンの範囲中であり、一般的な濃度レベルは1mLあたり約1000万のマイクロバブルである。したがってマイクロバブルタイプの超音波造影製剤の体積のうちの1%未満が、気体で満たされるかまたは中空であることが計算され、気体またはボイド空間のかかる小さな体積分率は、CTまたはX線画像化時に有用な十分に大きな信号を産生しない。最近の2つの総説がここで示される。
1)Ultrasound microbubble contrast agents:Fundamentals and application to gene and drug delivery Ferrara,Katherine;Pollard,Rachel;Borden,Markによる。Book Series:ANNUAL REVIEW OF BIOMEDICAL ENGINEERING Volume:9 Pages:415−447 2007年に出版;2)Microbubbles in medical imaging:current applications and future directions.Lindner,JR.による。NATURE REVIEWS DRUG DISCOVERY,Volume:3 Issue:6 Pages:527−532 2004年6月に出版。
[0039] 本発明の腸管CT造影材料は、CTおよびMRおよびX線の画像化のために提案された先行するパーフルオロカーボン経口造影材料とは実質的に異なる。これらの先行する薬剤は液体パーフルオロカーボンを含み、それらは乳化されるか、または乳化されなくてもよく;パーフルオロカーボンは臭化されるか、または臭化されなくてもよい。これらの先行する薬剤において、パーフルオロカーボンは体温で気体へと膨張し、陰性造影剤の信号および更なる腸膨張を生成し得る。パーフルオロカーボン薬剤の欠点は、投与が難しいかもしれないということであり、疾患のある腸区分へと投与された場合にそれらの膨張性特徴は安全性についての懸念を持つ(米国特許第5,205,290号;第4,951,673号;Spilde et al.,”Evaluation of an Experimental Low−Attenuation Gastrointestinal Contrast Agent for CT Imaging of Intestinal Ischemia in an Animal Model”.Acad.Radiol.1999;6:94−101)。臭化パーフルオロカーボンはCT造影剤として記述されており、正のCT数の信号を産生し得る。
[0040] 本発明の他の実施形態、目的および利点は以下の詳細な記載から明らかになるだろう。
[0041]1〜100の範囲の原子番号(Z、下側)を備えた個々の原子についての80:140kVpのCT数の比(黒色から白色へのグレースケール、上側、黒色でアウトラインされたボックス内)のコンピューターシミュレーションである。このシミュレーションは、典型的な臨床用CTスキャナーの予想されるCTエックス線管アウトプットスペクトルおよびNational Institute of Standards and Technologyの個々の元素のX線減弱係数に基づいた。このシミュレーションは、従来のヨウ素ベースおよびバリウムベースのCT造影剤(それぞれIおよびBa)がおよそ1.7の高い80:140kVpのCT数の比を有すること、カルシウムベースの材料(骨等)が1.4をわずかに上回る中間の80:140kVpのCT数の比を有すること、およびシリカ(SiO)が約1.27の中間の80:140kVpのCT数の比を有することを正確に予測する。しかしながら、明らかに、この原子ベースのモデルは、材料が1.8を上回る非常に高い80:140kVpのCT数の比または0.9未満もしくは負の数を有するだろうことを予測しなかった(上側、グレースケール勾配、黒色でアウトラインされたボックスの外側)。ケイ素ベースポリマー(例示的にはポリジメチルシロキサン(PDMS))がかかる高い80:140kVpのCT数の比(2.6〜2.8)を有するという本出願人の従来の知見(WO2015/024025A1)は、自身によっても最初は予想されないものであった。同様に、カプセル化された気体または部分真空の粒子が0.8未満の80:140kVpのCT数の比の幅広い範囲(負または2.0を十分上回る比が含まれ、それは最初のコンピューターシミュレーションによって予測された範囲を超える)を提供することができたという本出願人の知見も、予想されないものであった。 [0042]横断(左側画像)および冠状(右側画像)CT画像は、液体で満たされた腸(小さな矢印)の周囲ではなく、気体で満たされた腸(黒色の腹腔内構造)の周囲のモーションアーチファクトを示す。腸管腔内の気体は、CT数において高度に負で(−950〜−1005HU)であり、腸の周囲の明るい信号(大きな矢印)および暗い信号(矢頭)であり得るアーチファクトを引き起こし得る。 [0043]重金属の添加による、硼ケイ酸塩でカプセル化された気体および部分真空のマイクロスフェア懸濁物のCT数の調整。A)水性懸濁物への重金属添加:添加された高X線減弱材料(水性媒体中で0.1%のヨウ素)ありまたはなしで硼ケイ酸塩でカプセル化された気体および部分真空のマイクロスフェア粒子(比重0.6g/mL)の水性懸濁物のCT数が示される。2つの材料の組み合わせは、低い仮想単色エネルギーkeVではるかに高いCT数および低いkeVから高いkeVでのより急な勾配の信号損失を備えた新しい造影剤をもたらす。この新しい造影材料は、仮想単色エネルギーkeVが75より高い場合に強く負のCT信号、および仮想単色エネルギーkeVが55未満である場合に強く正のCT信号を提供する。硼ケイ酸塩マイクロスフェア懸濁物単独は、ヨウ素および硼ケイ酸塩マイクロスフェアの組み合わせの製剤ほど高い信号を提供しない。製剤への多量のヨウ素またはバリウムの添加は、より低い単色エネルギーkeVレベルでCT数信号の上向きの調整を可能にする(図示せず)。B)粒子の中へ重金属添加。異なる硼ケイ酸塩でカプセル化された気体および部分真空のマイクロスフェア粒子の2つの20%wt/wtの水性懸濁物(比重0.50g/mL)(1つはシェル材料の中へ取り込まれる0.5%のバリウムあり、他のものはなし)のCT数が示される。この場合もやはり、バリウムの添加は、より低い仮想単色エネルギーkeVのCT画像範囲でのCT数の測定における増加を優先的に引き起こす。この例において、バリウムドープされたマイクロスフェア懸濁物についてのCT数は、60keVよりも高いkeVで強く負のままである一方で、40keVで正になる。異なる結果は異なるタイプおよび量の重金属により得ることができる(図示せず)。 [0044]80kVp(左側)および140kVp(右側画像)で画像化された、異なる材料のバイアルの従来のCTスキャン。1=iM30Kの18ミクロンの中空シリカマイクロスフェア、15mgのI/mLの水中のイオヘキソールで30%w/w;2=Pepto−bismol(登録商標)サリチル酸ビスマス;3=水中のヨウ素(15mgのI/mLイオヘキソール);4=水中の40%w/wでのiM30Kの18ミクロンの中空シリカマイクロスフェア;5=ソルビトールおよび水と共に1%w/wのバリウムおよび30%w/wのiM30K;6=2%のBaSO4(Readi−Cat2(登録商標))(水中にソルビトールを含有する);7=水中の40%w/wのS60HDの30ミクロンのシリカマイクロスフェア;8=水中の2%の硫酸バリウム。部分的に懸濁された中空シリカマイクロスフェア(#4および7)は、80および140kVpで水ほど放射線不透過性ではなく、80kVpでよりも140kVpでより低い信号でさえある。水(中空シリカマイクロスフェアよりも物理的に高い比重である)の層状化は、これらのバイアル両方の底部で見られる。少量の高X線減弱材料(非中空ボロシリカを提示)はS60HDバイアルの底部にある。バイアル#1中で、イオヘキソールは水中で一様に溶解され、それはバイアルの底部で層状化する。ヨウ素造影材料およびバリウム造影材料(#3、6および8)は各々80から140kVpへ減少した信号を示す。ヨウ素(1)およびバリウム(5)と混合された中空シリカマイクロスフェアによる管は、80から140kVpへのCT信号の非常に実質的な相対的な低下を示す。ヨウ素シリカマイクロスフェア混合物についての80:140kVpのCT数の比は2.8であり、バリウムシリカマイクロスフェアについて4.1であった。ビスマス材料(Pepto−bismol(登録商標))は、80〜140kVpの間のCT数の比較的少ない変化を示す。 [0045]仮想単色エネルギーの40keV(左側)および140keV(右側画像)で再構築された、異なる材料のデュアルエネルギーCTスキャン。1=iM30Kの18ミクロンの中空シリカマイクロスフェア、15mgのI/mLの水中のイオヘキソールで30%w/w;2=Pepto−bismol(登録商標)サリチル酸ビスマス;3=水中のヨウ素(15mgのI/mLイオヘキソール);4=水中の40%w/wのiM30Kの18ミクロンの中空シリカマイクロスフェア;5=ソルビトールおよび水と共に1%w/wのバリウムおよび30%w/wのiM30K;6=2%のBaSO(Readi−Cat2(登録商標))(水中にソルビトールを含有する);7=水中の40%w/wでのS60HDの30ミクロンのシリカマイクロスフェア;8=水中の2%の硫酸バリウム。部分的に懸濁された中空シリカマイクロスフェア(#4および7)は、40keVからの信号損失を示し、140keVで非常に低い信号になる。水(シリカマイクロスフェアよりも重い)の層状化は、これらの管の底部で見られる。バイアル#1中で、イオヘキソールは水中で一様に溶解され、それはバイアルの底部で層状化する。信号が140keVで水の信号に類似するように、ヨウ素造影材料およびバリウム造影材料(#3、6および8)は各々40keVから140keVへ減少した信号を示す。CT数が140keVの画像再構築上で−100HU未満であるように、ヨウ素(1)およびバリウム(5)と混合されたシリカマイクロスフェアによる管は、140keVの画像上のCT信号の実質的な低下を示す。ビスマス材料(Pepto−bismol(登録商標))は、40〜140keVの間のCT数の比較的少ない変化を示す。 [0046]40、70のおよび140keVでの仮想単色エネルギー画像再構成によるデュアルエネルギーCTで画像化された造影材料。1=水;2=0.1%のヨード液;3=0.1%のバリウム懸濁物;4=水中の硼ケイ酸塩中空マイクロスフェア30%w/w;5=水中の30%w/w硼ケイ酸塩中空マイクロスフェアによる0.1%のヨード液;6=水中の30%w/w硼ケイ酸塩中空マイクロスフェアによる0.1%のヨード液。水は単色エネルギー再構成にわたってCT数においてあまり変化しない。水中のヨウ素およびバリウムは低keVで高keVでよりもわずかに高いCT数を示す。水中の硼ケイ酸塩中空マイクロスフェアは、低いkeVで陽性の信号および高いkeV再構成で陰性の信号を示す。1%のヨウ素または1%のバリウムが、硼ケイ酸塩中空マイクロスフェアの混合物へ添加された場合に、CT数は低keVで実質的に増加する。 [0047]CT数の値は図6の造影材料の画像に対応する。 [0048]300mLの腸管の30%wt/wtの硼ケイ酸塩中空マイクロスフェアおよび静脈内のヨード化造影剤によるデュアルエネルギーCTで画像化された3.8kgのウサギ。腸壁強調(例えばウサギ盲腸(矢頭)の)は、140kVp(左側画像)で十分に観察されて静脈内のヨード化造影剤を示すが、小さな血腫(細い矢印)および遊離体液(大きな矢印)は十分に観察されない。−50HUの閾値を備えた2物質弁別を実行して腸管造影剤から信号を抽出し、次いで信号を反転させ2倍にして経口造影剤画像中で見られた陽性の信号を産生した(中央画像)。この画像が、軟組織、脂肪、およびヨード化造影剤からの信号を示さないことに注目されたい。次いで経口造影剤の信号を140kVp画像へ追加して合成画像を生成した。ここで、血腫(細い矢印、右側画像)および遊離体液(大きな矢印)は、より鮮明に提示される。陽性の腸管造影剤による任意の画像でのように、静脈内造影材料による腸壁の強調は陽性造影材料の信号を含有する腸のセグメントにおいて不明瞭になる。従来のヨード化された薬剤およびバリウム薬剤のみが利用されたならば、この例において腸管造影剤および静脈内造影剤からの信号の分離は得ることができない。 [0049]少量の硫酸バリウムおよび静脈内のヨード化造影剤によりドープされた300mLの腸管の30%wt/wtの硼ケイ酸塩中空マイクロスフェアによるデュアルエネルギーCTで画像化された3.9kgのウサギ。腸管腔信号は、低い仮想単色画像(40keV)の使用によって強く陽性(左側画像)、中間の仮想単色画像(65keV)の使用によって中性(中央の画像)、または高い仮想単色画像(100keV)により観察することによって陰性(右側画像)にすることができる。膀胱中の液体(画像の下部)および肝臓等の軟組織(画像の上部)が異なる仮想単色エネルギーkeVにわたって信号を実質的に変化させないことに注目されたい。 [0050]高X線減弱材料(ヨード化化合物またはケイ素含有化合物等)と炭化水素を組み合わせることによって生成された、高い80:140kVpのCT数の比を備えた、以前に特許取得されたかまたは開示された薬剤の実施例。従来の方法によって高い80:140kVpのCT数の比を達成することができるが、本発明のカプセル化された気体材料はより幅広い範囲で可能な80:140kVpのCT数の比(0.9未満の比が含まれる)を提供する(図11を参照)。注:定義によって、水はすべてのkVpの設定でおよそ0HUのCT数を有する。 [0051]1.0〜1.8の範囲をはるかに越える80:140kVpのCT数の比を備えた材料を生成するように、高X線減弱材料を気体または部分真空と混合する実施例。実質的な量の気体が高X線減弱材料と組み合わせられる場合に、材料のCT数および80:140kVpのCT数の比は、実質的に変化させることができる。 [0052]仮想単色エネルギーのデュアルエネルギーCT画像またはスペクトラルCT画像の再構成でのCT数(例えば低X線減弱材料(気体/真空)、高X線減弱材料、および高X線減弱材料シェルによりカプセル化された気体または部分真空の粒子)の表。定義によって、純水のCT数はすべての仮想単色エネルギー画像の再構成で0HUとして設定される。 [0053]異なるkVpの管電位の設定で、およびデュアルエネルギーCT仮想単色エネルギーCTの設定で、実施例の高X線減弱材料、カプセル化された気体または部分真空の粒子製剤、および製剤への他の高X線減弱材料の更なる追加のCT数の表。注:これらの事例における気体/真空のCT数はおよそ−1000HUである。 [0054]商業的な以前に記載された腸管CT造影剤と比較された、カプセル化された気体または部分真空の粒子造影材料の潜在的利益の表。 [0055]General Electric(GE)およびSiemensのCTスキャナーでスキャンされた場合に、中空マイクロスフェアベースの造影材料は類似するCT数および80:140kVpのCT数の比を示す。CT数は、商業的な臨床用デュアルエネルギーCTスキャナー上で80、100、120および140kVpのCT管電位で測定された。General Electricについては、スキャナーは750HDであった。Siemensについては、スキャナーはSomatom Definitionであった。Readi−cat(登録商標)造影材料は水性懸濁中で2.1%w/v硫酸バリウムを含有する。硼ケイ酸塩中空マイクロスフェアは3Mの製品(iM30K)である。異なるCTスキャナー製造業者からの2つの商業的なデュアルエネルギーCTスキャナーで画像化された場合に、本発明のこれらの例示的な造影材料製剤の好ましい高いまたは低い80/140kVpのCT数の比は類似していた。 [0056]例示的な中空硼ケイ酸塩ガラスマイクロスフェア(例えば3M IncからのiM30K)が、この概略図において示される。この例示的なマイクロスフェアの密度は0.60g/cmであり、平均直径は18ミクロンである。比較すると、バルクの硼ケイ酸塩ガラスの密度は2.4g/cmである。硼ケイ酸塩ガラスマイクロスフェアの体積のうちのおよそ75%は中空性である(灰色で示される気体充填性または部分真空)。シェル材料(黒色)は、マイクロスフェアの半径の約10%の平均の厚さを有し、およそ0.9ミクロンの厚さである。トラップされた気体および部分真空の小さな欠陥はシェル材料中に存在し得る。本発明の例示的な実施形態において、懸濁化剤を使用して、水性製剤中で中空マイクロスフェアを維持し、追加の高Z造影剤(ヨウ素剤またはバリウム材料)の存在または非存在において、単一エネルギースペクトルCTによる使用のために好ましいCT数を備えおよびデュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCTによる使用のために好ましい80/140kVpのCT数の比を備えた有用な腸管造影材料を産生する。シェルはその内に小さな欠陥を有しても有してなくてもよい。全体的な粒子は主要な中空空間を有することができるか、またはシェル材料の隔膜によって細分することができる。 [0057]80kVpおよび140kVpで対応するCT数を備えた水中の30%w/wの懸濁中のカプセル化された気体または部分真空の粒子の実施例。著しく広範囲のCT数および広範囲の80:140kVpのCT数の比はシェル組成物および厚さに依存して達成される。 [0058]静脈内のヨード化造影材料(黒色矢頭)および本発明の例示的な腸管製剤(白色矢印)による、ラットの冠状のデュアルエネルギーCT画像。腸管製剤は、ソルビトールおよびメチルセルロースを使用して懸濁された2.5%w/wのヨウ素(イオヘキソール、General Electric Healthcare)による、30%w/wのカプセル化された気体および部分真空の硼ケイ酸塩マイクロスフェア(iM30K、3M)である。60keVの画像はCTスキャナーから得られる仮想単色画像である。3物質弁別をソースデータとして40keVおよび140keV仮想単色画像を使用して実行して、ヨウ素造影剤画像、経口造影剤画像、および水画像を産生した。ヨウ素画像は、腸管薬剤の信号なしのヨウ素造影剤からの陽性信号を示す。経口造影剤画像は、静脈内薬剤の信号なしの腸管薬剤の陽性信号を示す。水画像は、いずれかの薬剤なしの強調されていないCTスキャンをシミュレートする。 [0059]静脈内のヨード化造影材料および本発明の例示的な腸管製剤により画像化された、ウサギ腹部の腸壊死の横断のデュアルエネルギーCT画像。前方の腸は、経皮マイクロ波アブレーション(17g P15アンテナ、Certus 140ジェネレーター、NeuWave,Madison,WIを使用して、65ワットで12分間のアブレーション)によって壊死させた。腸管造影製剤は、水中の0.3%のキサンタンガムを使用して懸濁された30%w/wのカプセル化された気体および部分真空の硼ケイ酸塩マイクロスフェア(iM30K、3M)である。140kVpの画像(左側画像)は、左側および右側の腹部の腸について静脈内造影剤による正常な腸壁強調を示す。腸管腔(星印)は−60HUを測定する陰性造影材料により満たされ、それは、この実施例において−80HUを測定する腹膜後の脂肪の信号に類似する。前方中央腹部において、腸壁強調の減少が観察され(矢印)、壊死を示唆する。40keVの仮想単色エネルギー画像(右側画像)は、前方中央腸壁が静脈内造影剤により強調されないことをより鮮明に示す。腸壁強調の非存在は、これらの腸セグメントの腸壁壊死を確認する。これとは対照的に、左側および右側の腹部の腸は、40keVで正常な明るい静脈内造影剤の強調を示す。腸管腔造影材料の信号は40keVで45HUである。これとは対照的に、腹膜後の脂肪は、この40keV画像上でおよそ−150HUである。換言すれば、たとえ腸管造影材料および腹膜後の脂肪が140kVpで類似するHU値を有していても、2つの材料はデュアルエネルギーCTの40keVの画像で異なることが示される。注目すべきことに、たとえ腸管造影材料が陰性信号でも、実質的なアーチファクトはこの陰性造影材料により満たされた腸の周囲に見られない。しかしながら、明るいアーチファクトが、腸の気体で満たされたセグメント(細い矢印)に隣接するように見られる。腸の気体画像アーチファクトが相対的に非存在であることは、非カプセル化気体の陰性腸管造影剤の利益を超える本発明の陰性腸管造影剤の利益である(図2を参照)。 [0060]商業的に入手可能な腸管造影剤と比較した、カプセル化された気体および部分真空の硼ケイ酸塩マイクロスフェアの腸管造影材料によるCTおよびデュアルエネルギーCTでの腹部疾患についての改善された感度。3つの腸管造影剤が、静脈内のヨウ素造影剤の強調されたCTで画像化された腹部疾患のウサギモデルにおいて比較され、それらは、陽性造影剤、2%w/wの硫酸バリウム(ReadiCat2、Bracco);中性造影剤、ソルビトール溶液(VoLumen、Bracco);および陰性造影剤、中空のカプセル化された気体および部分真空の硼ケイ酸塩マイクロスフェア(「中空」、iM30K、3M)である。陰性造影剤のカプセル化された気体および部分真空の薬剤はデュアルエネルギーCT(「中空DECT」)で後加工もされて、腸管造影剤信号の陽性および中性の外観を備えた追加の画像を産生した。ウサギ腹部に約2cm血腫を移植するか、または焦点マイクロ波のアブレーションを行って、腸虚血または腸充血の領域を生成した。病巣は肉眼および顕微鏡により病理学的に確認された。6名の放射線科医がDICOMビューアー上の画像の各々のセットを精査して、腹部の病巣を検出した。陽性バリウムまたは陰性中空腸管造影剤が使用された(DECT後加工ありまたはなし)場合に、血腫についての感度はほとんど完全であったが、中性薬剤ではわずか57%であった。反対に、腸の虚血または充血についてのリーダー感度は、陽性のバリウム造影剤についてそれぞれわずか26および17%であったが、中性のソルビトール造影剤についてそれぞれ82および73%であり、陰性の中空腸管造影剤についてはより高くさえあった。DECT後加工の追加は、腸の虚血および充血の検出についての感度をなお更に改善した。各々のタイプの腹部病巣についての異なる腸管造影剤の特異性は、すべて94%を上回っていた。
I.導入
[0061] CTのための現行の腸管造影剤についての重要な問題は、各々のタイプ(陽性、陰性および中性)が、様々なCT診断に必要とされる重要な解剖学的サブセットのみを確実に識別するということである。陽性の腸管造影材料は腸管腔を明るい信号によりマークすることができ、それは液体集積および疾患性の非腸組織と腸の識別を可能にするが、この陽性信号は静脈内造影材料からの陽性信号と識別することができない。中性の腸管造影材料は、CTで、陽性の静脈内造影剤による腸壁強調の可視化を可能にするが、軟組織および液体に類似する。これまでに記載された陰性の腸管造影剤は、FDAにより認可されていない。これらの陰性の腸管造影剤は上記の解剖学および陽性の静脈内造影剤の信号をすべて十分に示すが、望まれない副作用を引き起こす場合があり、投与に不都合であり得、CTでアーチファクトを引き起こし得る。
[0062] 任意のタイプの臨床用CTでは、他の造影材料および軟組織からの造影材料のある程度の分離度は、CT数の閾値の使用によって得ることができる。例えば、>80HUのCT数は正常な軟組織によって産生されそうもなく、<−20HUのCT数は脂肪以外の正常な軟組織によって産生されそうもない。80HUより高いCT数を与える陽性造影材料は、非軟組織材料として容易に同定される。同様に、−20HU未満である陰性の造影材料は、脂肪が類似するCT数を与え得るという例外を除いて、非軟組織材料として確実に同定することができる。顕著に、脂肪は、腸管腔においてほとんど考慮されない病理学的プロセスである。
[0063] あるいは、デュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCTでは、材料は、低エネルギーX線vs高エネルギーX線のそれらの相対的な減弱に基づいて識別することができる。デュアルエネルギーCTおよびスペクトラルCTは現代のスキャナーでますます一般的になった性能である。現行のデュアルエネルギー技術は、2つの以上の異なる管電位(80および140kVp、またはあるいは100および140kVp等)によって提供される等の、2つの以上の異なるエネルギースペクトルのX線により患者の同時画像化を可能にするものである。デュアルエネルギーCTおよびスペクトラルCT画像化は、他の方法(サンドイッチ検出器、異なる材料によってフィルターされるスプリットビームX線、または検出器によって観察されるX線のエネルギーを定量化もしくは分類する光子計数が含まれる)を使用しても取得することができる。身体中の材料は、それらの低い管電位のCT数対高い管電位のCT数の比(例えば80:140kVpのCT数の比)に基づいて識別され、それは材料中の原子の原子番号およびそれらの物理的密度に関連する。臨床用CTスキャナーについてのCT数の比のシミュレーションは、ヨウ素およびバリウムが、ハンスフィールドユニット(HU)によって測定されたCT数で、およそ1.7の高い80:140kVpのCT数の比を表わすことを示し、これは現行の臨床用スキャナーのために周期表上の所定の元素について予測された最大値に近い。より広く異なる比を備えた材料はDECTによってより明瞭に識別され、したがってヨウ素およびバリウムは、水または大部分の軟組織(約1.0の80:140kVpのCT数の比を有する)とかなり十分に識別することができる。中間の80:140kVpのCT数の比(1.25〜1.45)を備えた材料からの信号は、2物質弁別、3物質弁別、または多物質弁別のアルゴリズムの使用によって、水または大部分の軟組織の両方に加えてヨード化造影材料またはバリウム造影材料の信号と多少識別することができる。非常に高いかまたは非常に低い80:140kVpのCT数の比(それぞれ、>2.1または<0.6)を備えた材料からの信号は、軟組織およびヨード化造影材料の信号とより良好に分離される。本発明の腸管造影剤は、これらの非常に高いかもしくは非常に低いかまたは場合によっては負である80:140kVpのCT数の比を有するように調整され得る。
[0064] 単一エネルギースペクトルCTでは、本発明の陽性の腸管造影材料の特定のものからの信号は、陽性の静脈内のヨード化造影剤または他の重原子造影剤の信号と区別するのが難しいかもしれない。しかしながら、デュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCTでは、本発明の陽性の腸管造影剤の80:140kVpのCT数の比は、ヨード化された造影剤(1.7〜1.8)または他の重原子造影剤(0.9〜1.3)の比とは実質的に異なる(例えば>2.1または0.9未満)ように選択することができるので、本発明の陽性の腸管造影材料からの信号は、ヨード化された静脈内造影材料と容易に区別される。
[0065] 単一エネルギースペクトルCTでは、本発明の中性の腸管造影材料の特定のものからの信号は、静脈内の陽性造影材料と容易に識別されるが、現在利用可能な中性の腸管薬剤と同じように、水、生物学的液体、または軟組織と区別することが難しいかもしれない。しかしながら、デュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCTでは、80:140kVpのCT数の比は、水、軟組織またはヨウ素造影材料の比(それぞれ、約1.0、約1.0、および約1.7〜1.8)とは実質的に異なるように、1.0未満または1.8より高く選択することができるので、本発明の中性の腸管造影材料からの信号は、水、生物学的液体、または軟組織と容易に区別することができる。
[0066] 単一エネルギースペクトルCTでは、本発明の陰性の腸管造影材料からの信号は、脂肪と区別するのが難しいが、他のすべての組織および静脈内造影剤と区別可能である。しかしながら、デュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCTでは、80:140kVpのCT数の比は、脂肪の比(約1.2)とは実質的に異なるように、1.0未満または1.5より高く選択することができるので、本発明の陰性の腸管造影材料からの信号は、脂肪と容易に区別することができる。
[0067] カプセル化された気体または部分真空の有機ポリマー粒子はCTのための造影材料として以前に記述されている(例えば、CTで陽性または陰性の信号およびMR画像で陰性の信号を産生することができるカプセル化されたフルオロカーボン)(米国特許第5,205,290号)。しかしながら、シェル材料がCT数(ハンスフィールドユニット)それ自体に実質的に(例えば少なくとも約30HU)寄与するように選択される、カプセル化された気体または部分真空のマイクロ粒子の従来の記載はない。同様に、マイクロ粒子製剤が低X線管電位vs高X線管電位(例えば80kVp vs 140kVp)で画像化される場合に、シェル材料が実質的なCT数の差を提供するように選択される、カプセル化された気体または部分真空のマイクロ粒子の従来の記載はない。カプセル化された気体粒子は超音波のための造影剤として記述されたが、これらの薬剤はCTでの水の信号に類似し、水および軟組織の比とは実質的に異なる80:140kVpのCT数の比を示さない。
[0068] 歴史的には、CTのための陽性造影剤は、造影剤の信号を生成するレポーター原子として、単一の高X線減弱元素(ヨード化された造影剤中のヨウ素または硫酸バリウム薬剤中のバリウム等)を優先的に使用してきた。CT(デュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCTが含まれる)による使用のために、もたらされた材料の信号を修飾する高X線減弱材料への気体または部分真空の添加は以前に記載されていない。様々な実施形態において、本発明は、全体的な本造影剤の製剤の信号を修飾するために気体または部分真空を利用して、造影剤としてのCTおよびデュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCTのための価値を改善する。
[0069] 歴史的には、気体を使用したCT造影剤は、CTでの気体信号の修飾に他の元素を利用しなかった。気体で満たされたマイクロスフェア造影剤(フルオロカーボン造影剤が含まれる)は、カプセル化された気体のCT数を実質的に変化させるためにシェル材料を利用せず、カプセル化された気体の80:140kVpのCT数の比を実質的に変化させるシェル材料を利用しなかった。様々な実施形態において、本発明は、CTでの気体および真空によって産生された信号を修飾するために他の非気体の原子および分子を利用して、造影剤としてのCTおよびデュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCTのための価値を改善する。
[0070] 本発明は、様々な実施形態において、CTのために1つまたは両方の以下の特性を備えた造影剤を提供する。1)重要な軟組織または静脈内造影剤とは実質的に異なるCT信号(CT数);および2)重要な軟組織、脂肪、または静脈内造影剤とは実質的に異なる低kVpのCT数対高kVpのCT数の比。
II.定義
[0071] 特別に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、一般的には、本発明が属する技術分野の当業者によって共通して理解されるものと同じ意味を有する。一般的に、本明細書において使用される命名法ならびに有機化学、医薬製剤および医用画像化における実験室での手順は、当該技術分野において周知で共通して用いられるものである。
[0072] 「a」および「an」という冠詞は、1つまたは2つ以上(すなわち少なくとも1つ)の冠詞の文法的な対象物を指すように本明細書において使用される。一例として、「元素(an element)」は、1つの元素または2つ以上の元素を意味する。ヨウ素、バリウムまたは40より高いZの他の原子を備えた造影剤は、例示的な「高Z」材料である。
[0073] 「疾患」とは、動物が恒常性を維持することができず、次いで疾患が寛解されないならばその動物の健康が悪化し続ける、動物の健康状態である。
[0074] 「同時」投与は、被験体で実行される医用画像化の手順と併用した造影剤の使用を指す。当業者によって理解されるように、被験体への造影剤の同時投与には、造影剤が被験体の医療用画像中で目視可能であるように医用画像化の手順が遂行される間または前の投与が含まれる。
[0075] 「半減期」または「t1/2」という用語は、本発明の腸管造影媒体を患者へ投与する文脈において本明細書において使用される時、患者中の薬物の腸管内濃度が2分の1まで低減するのに要求される時間として定義される。複数のクリアランスメカニズム、再分布、および当該技術分野において周知の他のメカニズムに依存して、造影媒体と関連する2つ以上の半減期があり得る。「半減期」の更なる説明は、Pharmaceutical Biotechnology(1997,DFA Crommelin and RD Sindelar,eds.,Harwood Publishers,Amsterdam,pp101−120)中で見出される。
[0076] 「腸管造影媒体製剤」は、本明細書において使用される時、特別の指示の無い限り、被験体への投与のための薬学的に許容される液体またはペーストの製剤を意味し、それは、少なくとも1つの腸管造影媒体を、少なくとも1つの媒体を懸濁する薬学的に許容される賦形剤ありまたはなしで含み、それは、本明細書において記載されるような腸管造影媒体を、被験体への投与のための使用の前に、例えば粉末、エマルションまたはマッシュの形状で、薬学的に許容されるベヒクル中に溶解、乳化、または懸濁することによって調製される。好ましくは、懸濁媒体は水である。
[0077] 「滞留時間」という用語は、腸管造影媒体を患者へ投与する文脈において本明細書において使用される時、腸管造影媒体が投薬後に患者の身体中でとどまる平均時間として定義される。
[0078] 「デュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCT」という用語は、検出器が、少なくとも2つの異なるX線スペクトルであるX線束を記録する、CT画像を指す。X線スペクトルは、画像化される対象物を透過するX線に先立って生成することができ、異なる管電位で設定される異なるX線源、異なる材料によりフィルターされる異なるX線源、または異なる管電位の間で切り替えられる所与のX線源等により生じさせることができる。あるいは、X線スペクトルは画像化される対象物の透過後に分離することができ、多層検出器アレイの使用または光子計数検出器等によって得ることができる。
[0079] 本明細書において使用される時、「薬学的に許容される担体」には、コンジュゲートと組み合わせた場合に、コンジュゲート活性の活性を保持し、被験体の免疫系と非反応性である任意の材料が含まれる。例には、リン酸緩衝食塩水溶液、水、エマルション(油/水エマルション等)、および様々なタイプの湿潤剤等の標準的な医薬担体のうちの任意のものが含まれるが、これらに限定されない。他の担体には滅菌された溶液も含まれ得る。典型的には、かかる担体は、デンプン、ミルク、糖、ソルビトール、メチルセルロース、特定のタイプの粘土、ゼラチン、ステアリン酸もしくはその塩、ステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウム、タルク、植物脂もしくは植物油、ガム、グリコール等の賦形剤、または他の公知の賦形剤を含有する。かかる担体には、香料、テクスチャーおよび着色料または他の成分も含まれ得る。かかる担体を含む組成物は、周知の従来の方法によって製剤化される。
[0080] 本明細書において使用される時、「投与すること」は、経口投与、坐薬としての投与、局所的な接触、直腸内投与、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、病巣内投与、鼻腔内投与もしくは皮下投与、脊髄内投与、または外科的に生成されたパウチまたは外科的に設置されたカテーテルもしくはデバイスの中への点滴、または遅延放出デバイス(例えばミニ浸透圧ポンプ)の被験体への埋め込みを意味する。
[0081] 「腸管造影媒体」という用語は、本明細書において使用される時、少なくとも1つのX線吸収物質、および随意に少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤(それ自体は、例えば矯味剤、抗酸化剤、湿潤剤、乳化剤等の他の構成要素を含むことができる)を含む、乾燥構成要素もしくは非懸濁構成要素または構成要素の混合物を意味すると理解される。「乾燥懸濁混合物」を、続いて懸濁媒体中で溶解または懸濁して、本発明の腸管造影媒体製剤を形成することができる。「懸濁媒体」および「薬学的に許容される賦形剤」等という用語は、本明細書において使用される時、腸管造影媒体の構成要素(複数可)が乳化または懸濁される媒体を指す。
[0082] 「コーティング」および「コートされた」という用語は、本明細書において使用される時、酸性または中性または塩基性のpH値を有する環境内で生体適合性のあるコーティングを含むと理解される。
[0083] 「粒子(単数)」および「粒子(複数)」という用語は、本明細書において使用される時、約1nmより大きい任意の形の自由流動物質(結晶、ビーズ(平滑、円形または球状の粒子)、ペレット、球体、および顆粒等)を指す。粒子は、中空バブルであるか、または複数の内部空洞を含有することができる。粒子について例示的な特異的なサイズには約1nm〜約500ミクロン(例えば1ミクロン〜約100ミクロン)が含まれ、すべてのエンドポイントにわたってより大きな範囲内の各々の単一直径値および各々の直径範囲を包含し;様々な実施形態において、粒子は約5ミクロンよりも大きい。更に有用な粒子サイズには、例えば約5ミクロン〜約100ミクロン(例えば約20ミクロン〜約70ミクロン)が含まれる。粒子は気体または部分真空を含有し得る。粒子は固体であり得る。
[0084] 「懸濁化剤」という用語は、本明細書において使用される時、液体(例えば水性または油)中で固体の懸濁を形成および/または維持することに使用される当技術分野において公知の任意の好都合な薬剤を指す。例示的な懸濁化剤は、キサンタンガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸塩から選択され、キサンタムガムを含むナトリウムカルボキシルメチルセルロースが好ましい。懸濁化剤は、任意の有用な量で用いることができる。例示的な有用な量は、粉末製剤の重量で約0〜約20%、および経口懸濁物の重量で約0〜約10%の範囲内である。
[0085] 本発明の文脈において、「安定的である」は、懸濁物の製造と画像化研究における被験体への投与との間で、異なる相または層としてそれらの構成要素へと有意に分離しない、懸濁物を指す。
[0086] 「カプセル化された気体または部分真空」という用語は、本明細書において使用される時、最小量の気体または真空が期待される生物学的使用の滞留時間の間に狭隘空間から放出されるように、閉じ込められて外部環境とのコミュニケーションから高度に制限された気体または真空を指す。カプセル化された気体は、周囲の気圧または懸濁液体ベヒクルよりも低いか、同じか、または高い圧力であり得る。
[0087] 「高X線減弱」という用語は、本明細書において使用される時、単一エネルギースペクトルCT画像化で、水および非脂肪軟組織よりも高いCT数を産生する材料を指す。
[0088] 「低X線減弱」という用語は、本明細書において使用される時、単一エネルギースペクトルCT画像化で、水および非脂肪軟組織よりも低いCT数を産生する材料を指す。
[0089] 「不快味および/または苦味」は、本明細書において使用される時、大多数のヒト患者が、摂取後に不快な味および/または苦味および/または極端な苦味を有していると、含まれる前記腸管造影媒体を判断することを意味する。
[0090] CT数に影響する本発明の造影媒体中の粒子のシェル材料の能力を参照すると、「実質的に」という用語は以下のことを指す。例示的なシェル材料は、造影媒体および/またはCT画像が取得される時に造影媒体が存在する身体の空洞のCT数に実質的に寄与する。「実質的に」寄与するは、造影媒体および/またはCT画像が取得される時に造影媒体が存在する身体の空洞のCT数への少なくとも約30HUの追加を指す。様々な実施形態において、シェル材料は、CT数へ、少なくとも約50HU、少なくとも約100HU、少なくとも約150HU、または少なくとも約200HUで寄与する。例示的な実施形態において、シェル材料は、同じ密度で等しい量の有機ポリマーが同じ画像化条件下で寄与するであろうよりもCT数により多く寄与する。様々な実施形態において、シェル材料は、同じ密度で等しい量の有機ポリマーが同じ画像化条件下で寄与するであろうよりも、CT数に少なくとも約10%多い、少なくとも約25%多い、少なくとも約50%多い、少なくとも約75%多い、または少なくとも約100%多いHU単位で寄与する。
[0091] 現行の臨床用CTスキャナーは、画像化のために異なるX線スペクトルを生成することができる。エネルギースペクトルは、主として機械のスキャナー管電位(kVp)設定(典型的には80〜140kVpの範囲)、および異なる金属(例えばスズ、アルミニウム、銅、金等)から作製することができるX線フィルターに依存する。これらのkVpの設定は、最大エネルギーのX線が80kVpの管電位設定で80keVおよび140kVpで140keVである、エネルギーのスペクトルを備えたX線を生成するCTスキャナーをもたらす。既知の材料を介して通過する所与の単色エネルギーX線エネルギーについて、X線減弱の程度はBeer−Lambertの法則によって定義され、a)原子の密度、b)X線が材料を介して通過する距離、およびc)その特定のX線エネルギーでのその特定の原子または材料についてのX線減弱係数、に比例する。X線スペクトルは所与のスキャナーについての任意の所与のkVpの設定で比較的一定であるので、80kVp vs 140kVpでのX線減弱の比は、ハンスフィールドユニット(HU)によって測定される場合に、任意の所与の材料について決定することができる。一般的に、ヨウ素およびバリウムは約1.7〜1.8の80:140kVpのCT数の比を有する。水がCTでの任意の所与のX線スペクトルについて0HUを有すると定義されるので、水は定義によって1.0の80:140kVpのCT数の比を有する。周期表の元素は、約0.9〜1.8の範囲の80:140kVpのCT数の比を有する。より広く分散した80:140kVpのCT数の比を備えた材料は、デュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCTでより容易に区別される。デュアルエネルギーCTを得る他の方法には、異なる管電位設定の選択(例えば70、100および120kVp)が含まれ、80kVpおよび140kVpのデュアルエネルギーCTに類似する結果を与える。デュアルエネルギーCTまたはマルチエネルギーCTを得るための代替の方法は、X線スペクトルを修飾してエネルギースペクトルのより高い分離を得ることができるか(例えばkVp設定管のうちの1つへスズまたは金のフィルターを適用することによって)、または他の方法を利用して異なるエネルギーのX線の吸収量を定量化することができる(例えば、X線検出器およびフィルターの上部層(複数可)が低エネルギーX線を検出およびブロックし、それによって低部層(複数可)が曝露されるX線スペクトルを修飾する、サンドイッチ検出器;検出されたX線がエネルギーに応じて分類される、光子計数検出器)ことである。これらの他の方法の使用はヨード化材料をバリウムベースの材料と識別するにはまだ限定的であり、大きく異なる原子番号の原子を備えた材料はより良好に識別することができる。
[0092] 仮想単色エネルギーCT画像は、デュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCTのデータから得られる画像再構築であり、それによる、所与の単色エネルギーX線エネルギーでの画像の個々のボクセルのX線吸収は、推定値である。仮想単色エネルギーCT画像を達成する1つの方法は、画像化された対象物が完全に2つの材料(ヨウ素および水等)から構成されると推測し、デュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCTのデータに基づいて2物質弁別を実行して、画像の各々のボクセルに対するヨウ素および水に起因する相対的なX線減弱を決定することである。次いで、仮想単色エネルギーCT画像を、ヨウ素および水に対応する参照X線減弱係数(National Institutes of Standards and Technologyで見出すことができる等)の使用によって、任意の単色エネルギーX線エネルギーについて逆外挿して、画像の各々のボクセルに対応するX線エネルギーでのCT数を決定することができる。この様式によって、仮想単色エネルギー画像は、広範囲のkeV(40keVもしくは140keV、またはこれらの閾値の間もしくはその上もしくはその下の任意のエネルギー等)について得られる。仮想単色エネルギー画像をフィルタリングして、ノイズを減少させて画像の質を改善することができる。仮想単色エネルギー画像は、多物質弁別または光子計数法によっても得ることができる。
III.例示的な実施形態
A.組成物
[0093] 様々な実施形態において、本発明は、CT画像化で、身体の組織と、市場に出ているかまたは過去に記載される利用可能なCT造影材料とから容易に識別することができる、腸管造影剤または非血管造影剤を提供する。カプセル化された気体または部分真空の粒子の使用によって、高X線減弱材料(ヨウ素またはバリウム等)がありまたはなしでも、身体の組織または従来のヨード化CT造影材料およびバリウムCT造影材料とは著しく異なる相対的なCT数の信号を有する造影剤を、生成することができる。一例として、気体または真空は、任意の生体適合性のある材料(有機ポリマーおよび無機ポリマーが含まれる)およびガラスによってカプセル化することができる。例示的な材料には、ケイ素ベースの材料(例えばSiO、例えばガラス)、セラミック、プラスチック、または他のシェル材料が含まれる。様々な実施形態において、カプセル化材料は、全体的な粒子のX線減弱を修飾し、それによって有用なX線減弱特性を備えた新しい造影材料製剤を生成するのに使用される。一例として、かかるカプセル化された気体または部分真空の粒子造影材料は、従来のCTで、従来のヨード化CT造影材料およびバリウムCT造影材料と、加えて軟組織および水と、容易に区別することができる。デュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCTの使用は、商業的なヨード化造影剤およびバリウム造影剤と、ならびに脂肪、軟組織および水と、これらの造影剤のなお更なる識別を可能にする。例えば、高エネルギーの仮想単色エネルギーCT画像(120keV等)で、材料は陰性の造影剤の信号を示すことができ、低いエネルギーの仮想単色エネルギーCT画像(40keV等)で、材料は中性または陽性の造影剤の信号を示すことができる。本発明の薬剤は、調整可能なCT数、および、互いに、加えて既存の造影剤および天然に存在する身体組織から分離することができる低kVpのCT数対高kVpのCT数の比を備えた新しいクラスの造影材料の開発を可能にする。
[0094] 様々な実施形態において、本発明の造影媒体の粒子のシェルは、無機材料(例えばシリカ、アルミナ、セラミック)から形成される。例示的な粒子シェルは、有機原子よりも重量で多くの無機原子を含む。例示的な粒子シェルは、有機ポリマー以外の材料から形成される。例示的な粒子は、アクリル酸、メタクリル酸、エチレンイミン、クロトン酸、アクリルアミド、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、乳酸、グリコール酸、ε−カプロラクトン、アクロレイン、シアノアクリレート、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン(epichlorhydrin)、ヒドロキシアルキルアクリレート、シロキサン、ジメチルシロキサン、エチレンオキシド、エチレングリコール、ヒドロキシアルキル−メタクリレート、N置換アクリルアミド、N置換メタクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、2,4−ペンタジエン−1−オール、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、p−アミノ−スチレン、p−アミノ−ベンジルスチレン、ナトリウムスチレンスルホネート、ナトリウム2−スルホキシエチルメタクリレート、ビニルピリジン、アミノエチルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシ−トリメチルアンモニウムクロリド、およびポリビニリデンから調製されるポリマーまたはコポリマーから形成されない。様々な実施形態において、本発明の粒子のシェルは、多官能性の架橋モノマー(N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、2,2’−(p−フェニレンジオキシ)ジエチルジメタクリレート、ジビニルベンゼン、トリアリルアミンおよびメチレンビス−(4−フェニル−イソシアネート)またはその組み合わせ等)以外の材料から形成される。本発明の粒子の例示的なシェルには、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレート、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ乳酸、ポリε−カプロラクトン)、エポキシレジン、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレングリコール)、およびポリアミド(ナイロン)以外の材料が含まれる。本発明の粒子の更に例示的な粒子シェルには、以下の:ポリビニリデン−ポリアクリロニトリル、ポリビニリデン−ポリアクリロニトリル−ポリメチルメタクリレート、およびポリスチレン−ポリアクリロニトリルが含まれるコポリマー以外の材料が含まれる。例示的な実施形態において、本発明の造影媒体の粒子のシェルは、コポリマーポリビニリデン−ポリアクリロニトリル以外の材料から形成される。
[0095] 様々な実施形態において、粒子の比重は約0.05g/cmより高い。様々な実施形態において、本発明の造影媒体の粒子の具体的な密度は、少なくとも約0.1、少なくとも約0.3、少なくとも約0.5、少なくとも約0.7、少なくとも約1、少なくとも約1.5、または少なくとも約2g/cmである。様々な実施形態において、本発明の造影媒体の粒子の比重は、少なくとも水の比重である。
[0096] 本発明の例示的な粒子は、少なくとも部分的に真空にされる。様々な実施形態において、粒子の内部空間は、約1気圧以下の圧力(例えば約0.8atm未満、約0.6atm未満、約0.3atm未満、または約0.1atm未満)を有する。
[0097] 様々な実施形態において、本明細書において議論されるように、粒子の内部空間は少なくとも部分的に気体で満たされる。粒子の内部が空気以外の気体により少なくとも部分的に満たされる場合、気体は好ましくは炭化水素、フルオロカーボンまたはハイドロフルオロカーボンではない。様々な実施形態において、気体は元素ガスである。様々な実施形態において、気体は、二酸化炭素、酸素、窒素、キセノン、アルゴン、ネオン、ヘリウム、空気またはその組み合わせ以外である。
[0098] 本発明の例示的な粒子は、「低密度」粒子と判断されない。低密度によって、本発明の媒体の粒子が、粒子の全体積のうちの少なくとも約75%である内部のボイド(空洞)体積を有することが意味される。低密度は、粒子の全体積のうちの少なくとも約80%(例えば少なくとも約85%、例えば少なくとも約90%)のボイド体積を有する粒子も指す。本発明の媒体中の例示的な粒子は、粒子の全体積のうちの75%未満(例えば70%未満、65%未満、60%未満、50%未満、または約30%未満)であるボイド体積を含む。
[0099] 操作において、本発明の造影媒体の粒子は、他の微粒子造影媒体と比較して、際立った特性を有する。例えば、粒子は、胃腸管の管腔または他の身体の空洞の含有物よりも高い比重を一般に有するので、本造影媒体の様々な粒子は胃腸管の管腔または他の身体の空洞の含有物の密度を減少させない。様々な実施例において、媒体の粒子は、腸管の管腔または他の身体の空洞の含有物の密度を増加させる。
[0100] 本発明の例示的な造影媒体は、胃腸管の管腔もしくは他の身体の空洞のCT数を減少させないか、またはCT画像においてCT数を有意に減少させない。造影媒体の例示的な粒子は、管腔のCT数を少なくとも約−30HUへ減少させない。例示的な粒子は、約−30HU〜約−150HUの間へのHUにおける減少を提供せず、腸または他の身体の空洞の内部をマークするのに十分である。
[0101] 本発明の例示的な腸管造影媒体は、CT数を、水性懸濁物の体積で腸管造影媒体製剤の10%の体積あたり100HU未満で実質的に減少させ、その結果、−100HUのCT数を達成するために、製剤の全体積のうちの少なくとも12.5%以上が腸管造影媒体である必要があり、−200HUのCT数を達成するために、製剤の全体積のうちの少なくとも25%以上が腸管造影媒体である必要がある。本発明の他の実施形態において、本発明の腸管造影媒体は、腸管造影媒体製剤のCT数を増加させることもできる。
[0102] 本発明の造影剤は、以下の利益のうちの1つまたは複数を備えた改善されたCT適用を提供することができる。
1)本発明の造影材料によって染影される腸管腔または非血管構造は、現在利用可能なCT造影材料によって染影されるよりも、軟組織とより容易に識別されることができる。
2)腸または非血管構造は本発明の造影材料によって染影され、CT画像化で現在利用可能なCT造影材料によって染影される血管構造物または軟組織と区別することができる;
3)腸管または非血管構造は、単一エネルギースペクトルCTでのCT信号に基づいて、またはデュアルエネルギーCTもしくはスペクトラルCTでの相対的な低エネルギーX線減弱対高エネルギーX線減弱の比によって、構造(炎症または新生物等の関連する疾患が含まれる、腸壁、膀胱壁、他の壁)の血管内の造影材料関連性の壁強調の査定を妨害せずに、CT画像化のために本発明の造影剤により染影することができる。
[0103] 様々な実施形態において、本発明は、カプセル化された気体または部分真空の粒子に基づいた腸管造影剤を提供する。様々な実施形態において、造影剤は、単一エネルギースペクトルCTで、陰性、中性、または陽性の信号を与えるように選択することができる。様々な実施形態において、造影剤は、粒子または懸濁媒体の中へ取り込まれる他の異なる原子の相対数およびタイプに依存して、低kVp画像対高kVp画像からの非常に高いCT数の比(約2.1より大きい80:140kVpのCT数の比等、および約2.7よりもさらに高くてもよい);または約1.25〜約1.5;または約0.6未満;または0.0未満を有するように選択することができる。様々な実施形態において、造影剤製剤は、単一エネルギースペクトルCTによる使用のためにCT数を修飾し、デュアルエネルギーまたはスペクトラルCTによる使用のために80:140kVpのCT数の比を修飾するように、ヨード化された材料またはバリウム材料を含む。
[0104] 本発明の薬剤の利益は、薬剤の新規X線画像化特性の結果である。CTスキャンにおいて、従来の陽性CT造影材料はすべて類似する信号を産生し、それらは存在する場合すべて増加したX線減弱(陽性造影)を引き起こし、コンテキストによって以外は区別することができない。本発明の材料はデュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCTで、著しく異なる相対的な低エネルギーX線減弱対高エネルギーX線減弱の比を有するので、デュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCTを使用して容易に他の陽性造影剤と識別される。例えば、ヨード化CT造影剤またはバリウムベースのCT造影剤は、約1.7〜約1.8の80:140kVpのCT数の比を有する。コンピューターシミュレーションにおいて、周期表の元素は約0.9〜約1.8の80:140kVpのCT数の比を有することが示された。顕著なことには、水の80:140kVpのCT数の比は定義によって1.0である。シミュレーションにおいて、ヨウ素ベースの材料およびバリウムベースの材料は、周期表上のすべての元素のうちで最も高い理論的な80:140kVpのCT数の比を有していた。材料がヨウ素およびバリウムよりも実質的により高い80:140kVpのCT数の比を有し得ることや、薬剤が水よりも実質的により低い80:140kVpのCT数の比を有し得ることは予測されなかった。図1。
[0105] したがって、インビトロの実験が、約0.9よりも実質的に低いかまたは約1.8よりも高い80:140kVpのCT数の比を有する材料が存在または生成され得ると示したことは実際驚くべきことである。低X線エネルギースペクトル対高X線エネルギースペクトルからの著しく異なるCT数の比を備えた2つの造影材料の濃度は、混合溶液中にある場合に互いにより類似する低X線エネルギースペクトル対高X線エネルギースペクトルのCT数の比を備えた造影材料と比較して、デュアルエネルギーCTで、はるかにより正確に定量化される。例えば、ヨウ素ベースの薬剤およびバリウムベースの薬剤の濃度を非常に正確に定量化できなかった。複合の低X線減弱材料および高X線減弱材料の粒子の本発明は、軟組織、水、および文献中で以前に記載された任意の化合物のヨード化/バリウムの造影材料(我々の先行特許出願中のものが含まれる)と比較して、80:140kVpのCT数の比においてずば抜けて大きな差を提供する。換言すれば、これらの薬剤は、他の実験的なまたは従来の利用可能な薬剤よりも、他の造影剤および軟組織とより容易に区別可能である。マイクロ粒子またはマイクロスフェアのメンバー(生体適合性のあるシェルまたはコーティングの有無にかかわらず)は、腸管造影材料としての使用に最小且つ許容される毒性であることが公知である。
[0106] したがって、例示的な実施形態において、本発明は、被験体の腹部上で実行される医用画像化の手順と同時の被験体への腸内投与のために製剤化される腸管造影媒体製剤を提供する。例示的な製剤は、少なくとも1つのカプセル化された気体または部分真空の粒子の懸濁物を含む腸管造影媒体、水性または油ベースの構成要素、および懸濁化剤を含む。懸濁化剤は、薬学的に許容される腸管造影材料として水性または油の懸濁中で少なくとも1つのカプセル化された気体または部分真空の粒子を維持する。別の例示的な製剤は、放射線不透過性材料(粒子内のまたは水性もしくは油の懸濁媒体中のヨウ素、バリウム、タングステン、タンタル、ビスマス、またはイッテルビウム等)を取り込む、少なくとも1つのカプセル化された気体または部分真空の粒子を含む腸管造影媒体を含む。
[0107] 例示的な実施形態において、本発明は、腸管造影媒体、および単一エネルギースペクトルCT画像およびデュアルエネルギーCT画像またはスペクトラルCT画像で容易に他の現在利用可能な造影材料と識別されるその製剤を提供する。本発明は腸管造影媒体製剤への参照によって例証される。例示的な製剤は、少なくとも1つのカプセル化された気体または部分真空の粒子の懸濁物を含む腸管造影媒体、水性または油の構成要素、および懸濁化剤を含む。懸濁化剤は、薬学的に許容される水性または油のベヒクルである水性または油の構成要素を備えた水性または油の懸濁中で、少なくとも1つのカプセル化された気体または部分真空の粒子を維持する。様々な実施形態において、粒子は、かかる投与を必要とする被験体への製剤の腸管投与と適合性のある材料によりコートされる。
[0108] 本発明のカプセル化された気体または部分真空の粒子の例示的なカプセル化材料は、ガラス、ゲル、樹脂、セラミック、金属、もしくはゴム、または複数のこれらの材料あり得る。
[0109] 例示的な実施形態において、粒子の気体または部分真空のためのカプセル化材料は、ガラスである。本発明において使用される例示的なガラスは、二酸化ケイ素(例えば添加物(カリ(酸化カリウム)、ソーダ(炭酸ナトリウムまたは酸化ナトリウム)、酸化ナトリウム、石灰(酸化カルシウム)、三酸化ホウ素、ホウ酸、マグネシア、アルミナ、酸化鉄、または他の酸化物等)とブレンドされた二酸化ケイ素)を含有するものである。例示的な実施形態において、中空マイクロスフェアのガラスシェルは、土台または中心部材として酸化ケイ素を含有し、ガラス工業の現行の技術分野において見出されるように、上記のガラス中の他の化学成分(主として酸化物)は、融解改善、加工および特性修飾の目的のためにマイナーな量で存在する。例示的な実施形態において、硼ケイ酸塩ガラスのシェルは、約80%のシリカ、約13%の酸化ホウ素、約4%の酸化ナトリウム、および約2〜3%の酸化アルミニウムからなる。
[0110] 様々な実施形態において、粒子は、内部の空間を画成するシェル材料から形成される。例示的なシェル材料は、造影媒体および/またはCT画像が取得される時に造影媒体が存在する身体の空洞のCT数へ少なくとも約30HUで寄与する。様々な実施形態において、シェル材料は、CT数へ、少なくとも約50HU、少なくとも約100HU、少なくとも約150HU、または少なくとも約200HUで寄与する。例示的な実施形態において、シェル材料は、同じ密度で等しい量の有機ポリマーが同じ画像化条件下で寄与するであろうよりもCT数により多く寄与する。様々な実施形態において、シェル材料は、同じ密度で等しい量の有機ポリマーが同じ画像化条件下で寄与するであろうよりも、CT数に少なくとも約10%多い、少なくとも約25%多い、少なくとも約50%多い、少なくとも約75%多い、または少なくとも約100%多いHU単位で寄与する。
[0111] 例示的な実施形態において、ガラスマイクロ粒子の比重は0.45g/mLである。ガラスの比重はおよそ2.3g/mLであるので、その時マイクロ粒子の体積のうちのおよそ20%はガラスであり、80%は気体/部分真空である。この例示的な微粒子材料が製剤中で20%重量/重量で製剤化される場合、カプセル化された気体または部分真空のマイクロ粒子は、製剤の体積のうちのおよそ35%を構成し、ここで気体および部分真空の部分は製剤の体積のうちの28%を構成し、ガラスは製剤の体積のうちの7%を構成する。CT画像では、気体および部分真空はすべてのkVpで−1000HUであり、固体ガラスは80kVpで約1241HUおよび140kVpで1041HUであり、水は定義によってすべてのkVpで0HUである。したがって、この例示的な製剤において、気体および部分真空の部分は28%×(すべてのkVpで−1000HU)=−280HUで寄与し、水は0HUで寄与し(定義によって)、ガラスは7%×(80kVpで1332HU)=93HUおよび7%×(140kVpで1031HU)=72HUで寄与し、全体的なCT数については80kVpで−187HUおよび140kVpで−208HUの製剤である。物理的低減の実践の実例において、水中の0.45g/mLの硼ケイ酸塩ガラス中空マイクロスフェアの20%重量/重量の製剤は、80kVpで−103HUおよび140kVpで−151HUを示した。HU値のわずかな矛盾は、計算において使用されるガラスと比較して、実施例の中空マイクロスフェアにおいて使用される実際の硼ケイ酸塩ガラスの組成物における差におそらく起因した。
[0112] 例示的な実施形態において、粒子のカプセル化された気体は、硫黄含有ガスまたは酸素または二酸化炭素である。様々な実施形態において、気体は二酸化硫黄またはサルファイトである。
[0113] 例示的な実施形態において、粒子のカプセル化された部分真空は0.01〜1.0の気圧である。
[0114] 例示的な実施形態において、粒子内部の気体の圧力は大気圧以上であり、部分真空はない。
[0115] 例示的な実施形態において、カプセル化された気体または部分真空の粒子は約0.2〜約1.6g/ccの平均比重を有する。例示的な実施形態において、カプセル化された気体または部分真空の粒子は0.1〜1.0g/ccの平均比重を有する。例示的な実施形態において、カプセル化された気体または部分真空の粒子は約0.3〜約0.6g/ccの平均比重を有する。
[0116] 本発明の製剤に使用される例示的なカプセル化された気体または部分真空の粒子は、水の比重に類似する比重(例えば約0.3〜約1.5g/cc)を有する硼ケイ酸塩マイクロスフェアを含む。好ましい比重は約0.4〜約1.4g/ccである。
[0117] カプセル化された1つまたは2つ以上の気体または部分真空の粒子を、一緒に使用することができる。
[0118] 任意の有用な懸濁化剤または複数の懸濁化剤の組み合わせを、本発明の製剤において利用することができる。様々な実施形態において、懸濁化剤はチキソトロピーであり、静止時にゲル様の媒体であるが撹拌では液体を形成する。
[0119] 例示的な実施形態において、腸管造影媒体は、カプセル化された気体または部分真空の粒子が懸濁される薬学的に許容される担体の中へ製剤化される。
[0120] 様々な実施形態において、カプセル化材料は高度に放射線不透過性材料(バリウムまたはヨウ素等)を含有する。様々な実施形態において、カプセル化材料は、重原子番号元素(タングステン、タンタル、イッテルビウム、金またはビスマス等)を含有する。
[0121] 様々な実施形態において、放射線不透過性材料(ヨウ素、バリウム、タングステン、タンタル、イッテルビウム、金、またはビスマス等)は、分離した懸濁粒子として、または水性もしくは油ベースのベヒクル中に溶解された材料として、造影製剤中に存在する。
[0122] 例示的な実施形態において、カプセル化された気体または部分真空の粒子をコートして、造影材料のために有用な特質(媒体中での懸濁の改善、比重の増加、または低X線エネルギースペクトルもしくは高X線エネルギースペクトルにより画像化された場合のX線減弱の改変等)を提供する。
[0123] 例示的な実施形態において、コーティングは、約3kd未満、約2kd未満、または約1.5kd未満の分子量を備えた有機分子を含む。例示的な実施形態において、コーティングは、約3kd未満、約2kd未満、または約1.5kd未満の分子量を備えた有機分子を含み、それは有機酸(またはアルコール、アミン)およびその誘導体または類似体、オリゴサッカライドならびにその組み合わせから選択されるメンバーである。
[0124] 例示的な実施形態において、コーティングはタンパク質(例えばアルブミン)である。
[0125] 様々な実施形態において、本発明の粒子は、生体適合性のあるコーティングによりコートされる。適切なコーティングは当技術分野において公知であり、それは、特定の製剤および/または適用に適切なコーティングを選択することは、当業者の能力内である。例えば、Yeh BM,Fu Y,Desai T、WO2014145509A1を参照されたい。
[0126] 本発明の製剤の懸濁相は、任意の有用なサイズの粒子を含むことができる。粒子について例示的な具体的なサイズには約1nm〜約500ミクロン(例えば1ミクロン〜約100ミクロン)が含まれ、すべてのエンドポイントにわたってより大きな範囲内の各々の単一直径値および各々の直径範囲を包含し;様々な実施形態において、粒子は約5ミクロンよりも大きい。更に有用な粒子サイズには、例えば約5ミクロン〜約100ミクロン(例えば約20ミクロン〜約70ミクロン)が含まれる。
[0127] 本発明の製剤は、単一の腸管造影媒体または2つの以上の腸管造影媒体を含むことができる。媒体は、任意の有用な濃度の測定値に従って類似または異なる濃度で存在することができる。例示的な実施形態は、全体的な造影製剤中で、水のX線減弱と比べて、各々が実質的にX線減弱に寄与する、異なる濃度の1つまたは複数の粒子または可溶性薬剤を含む。したがって、様々な実施形態において、約5%(w/w、重量パーセントとして表現される、例えば約100グラムの全造影製剤中で約5グラムの造影剤粒子が含有される)〜90%(w/w)の前記製剤の重量が、前記粒子である。例示的な実施形態において、製剤は約10%(w/w)〜約50%(w/w)の粒子を含む。
[0128] 例示的な実施形態において、本発明は、少なくとも約5%(例えば少なくとも約20%)の前記カプセル化された気体または部分真空の粒子を含む製剤を提供する。
[0129] 本発明の製剤は、薬学的に許容されるベヒクル中に懸濁された本発明のカプセル化された気体または部分真空の粒子の集団を含む。ベヒクルは、他の有用な構成要素を含む。例えば、いくつかの実施形態において、ベヒクルは水性媒体を含み、それは添加物を更に含んで製剤へ第2の特性(例えば、腸中での前記製剤の脱水を遅らせること、香味を提供すること、懸濁物を安定化すること、懸濁物の流動性を促進すること、懸濁物を濃厚化すること、pH緩衝を提供すること、およびその組み合わせ)を与える。
[0130] 本発明の製剤は分子的におよび機能的に別個であり、両方の特徴によって認識することができる。例えば、一実施形態において、腸管造影媒体は、120kVpのCT画像で−200HUのCT数を有する。別の例示的な実施形態において、腸管造影媒体は約0.8以下の80:140kVpのCT数の比を有する。この比について例示的な有用な値を備えた製剤には、約0.1〜約0.8(例えば約0.3〜約0.5、例えば約0.5〜0.7)の80:140kVpのCT数の比を備えた製剤が含まれる。この比について例示的な有用な値を備えた他の製剤には、約2.1〜6.0(例えば約2.3〜2.7、例えば約2.7〜3.5)の80:140kVpのCT数の比を備えた製剤が含まれる。この量は、当業者によって、本発明の任意の造影媒体のために容易に決定できる。
[0131] 例示的な実施形態において、本発明は腸管造影媒体製剤を提供し、腸管造影媒体は約2.1より高い80:140kVpのCT数の比を有する。例示的な実施形態において、本発明は腸管造影媒体製剤を提供し、腸管造影媒体は約1.5〜2.1の80:140kVpのCT数の比を有する。例示的な実施形態において、本発明は腸管造影媒体製剤を提供し、腸管造影媒体は約1.5未満の80:140kVpのCT数の比を有する。
[0132] 例示的な実施形態において、本発明の製剤は第1の造影媒体とは異なる第2の造影媒体を含む。第2の造影媒体は薬学的に許容されるベヒクル中で可溶性または不溶性であり得る。第2の造影媒体が微粒子薬剤である場合に、第2の造影媒体は、第1の造影媒体と比べて、微粒子コア中の異なる原子、異なるコーティングを含む、異なる直径である等であり得る。第2の造影媒体は、ヨード化造影媒体、Baベースの造影媒体、Gdベースの造影媒体、Biベースの造影媒体、Wベースの造影媒体、Mgベースの造影媒体、Taベースの造影媒体、Ybベースの造影媒体、または他のSiベースの造影媒体のうちの1つまたは複数でもあり得る。
[0133] 例示的な実施形態において、第2の造影媒体は、ヨード化造影材料(例えばイオヘキソール、イオジキサノール、ディアトリゾエート、イオパミドール)である。
[0134] 例示的な実施形態において、第2の造影媒体は、バリウムベースの造影材料(例えば硫酸バリウム)である。
[0135] 本発明の範囲内で、製剤は単一投薬量の投与のためにデザインされる。これらの単位投薬量形式は、それらが投与される被験体における検出可能な造影を提供するのに十分な量の本発明の製剤を含有する。例示的な実施形態において、単位投薬量製剤は、単位投薬量が投与される被験体の診断的画像を、診断的に意味のある様式において、強調するのに十分な腸管造影媒体を保持する容器を含む。容器は、バイアル、輸液バッグまたは他の適切な入れ物であり得る。腸管造影媒体は、あらかじめ製剤化された液体、濃縮物または粉末の形状であり得る。例示的な実施形態において、被験体は約70kgの重さである。例示的な実施形態において、画像は、被験体の腹部、被験体の骨盤、またはその組み合わせを介して測定される。
[0136] 様々な実施形態において、単位投薬量製剤は、成体ヒト用量あたり約800〜約1500mLの造影剤を含み、それは、約300〜約600mL等のサイズの小さな容器の中へ分割することができる。例示的な実施形態において、腸管造影媒体製剤は、約50〜約100mLの単位投薬量製剤である。例示的な実施形態において、腸管造影媒体製剤は、約100mL〜約800mLの単位投薬量製剤である。
[0137] 本明細書において記載される任意の製剤は、任意の様々な経路を介する投与のために製剤化および利用することができる。例示的な投与経路には、経口、直腸、膣内、血管内、脊髄内、膀胱内、および同種のものが含まれる。
[0138] 高濃度のカプセル化された気体または部分真空の粒子造影材料は、CTによる使用のための造影材料として記述されてこなかった。例示的な実施形態において、製剤中でカプセル化される気体または部分真空の粒子は高度に濃縮される(例えば約50〜500mg/g、例えば約100〜約500mg/g、例えば約150〜約300mg/g)。例示的な実施形態において、粒子は、製剤のうちの約5%(w/w)〜90%(w/w)(例えば約5%(w/w)〜約60%(w/w))を占める。
[0139] 様々な実施形態において、本発明の腸管造影媒体および好ましくはその製剤は、幅広いpH領域(例えば約1.5〜約10)にわたって化学的安定性を示す。腸管含有物は胃により1.5の低いpHへ曝露され、腸管含有物は胆汁および小腸により10までの高いpHへを曝露され得る。物理化学的安定性は安全性の重要な構成要素であり、反応のリスクまたは有害事象を最小限にすることを支援する。材料の過剰な溶解もしくは分解が胃腸管中で起こったならば、または分解産物が毒性である可能性があるならば、有害反応が起こり得る。
[0140] 様々な実施形態において、本発明は、カプセル化された気体または部分真空の粒子が対象となる領域内で十分に高いままの濃度により画像実験の完了を可能にするのに十分に長いt1/2を備えた腸管造影媒体および造影媒体の製剤を提供する。様々な実施形態において、本発明は、被験体の身体によって改変(代謝、加水分解、酸化等)される前に、投与されたカプセル化された気体または部分真空の粒子のすべてが被験体の身体から排出されることを本質的に可能にするのに十分に短いインビボの滞留時間を有する腸管造影媒体および製剤を提供する。
[0141] 様々な実施形態において、製剤の小腸の腸管通過時間は正常な被験体において12時間未満である。例示的な実施形態において、製剤はソルビトール、ポリエチレングリコールまたは両方を含んで腸管通過時間を加速する。
[0142] 例示的な実施形態において、本発明は、大多数の投与されたカプセル化された気体または部分真空の粒子が被験体の身体によって改変される前に胃腸管を介して排出され、溶解または改変された部分は尿路によって排泄されるように、徐々に溶解する腸管造影媒体を提供する。
[0143] 本発明の医薬製剤は、随意に賦形剤および他の成分(1つまたは複数の甘味料、香料および/または苦味もしくは不快味をマスクする追加の味覚修飾物質、懸濁化剤、流動促進剤、抗酸化剤、保存剤ならびに必要に応じて他の従来の賦形剤等)を含み得る。
[0144] 本発明の懸濁物は、1つまたは複数の抗酸化剤、必要であるならば味覚修飾物質、甘味料、流動促進剤、懸濁化剤および保存剤を随意に含み得る。
[0145] 認識されるように、上記の随意の成分は、本発明の粉末製剤または本発明の経口懸濁物へ添加され得る。
[0146] 本明細書における使用に好適な抗酸化剤には、この目的のために当技術分野において公知の任意の好都合な薬剤(メタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、塩酸システイン、クエン酸、コハク酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、リンゴ酸、EDTA等)が含まれ、メタ重亜硫酸ナトリウムまたは重亜硫酸ナトリウムが好ましい。
[0147] 抗酸化剤は、当業者に明らかであるように、製剤を酸化から保護する量で用いられ得る。
[0148] 本発明の製剤で使用される甘味料は、この目的のために当技術分野において公知の任意の好都合な薬剤であり得、任意の適合性のある甘味料群(ショ糖、フルクトース、デキストロース、キシリトール、ソルビトールまたはマニトールのような天然甘味料に加えて、アスパルテーム、アセスルファムKおよびスクロロース(sucrolose)等の人工甘味料等)から選択することができる。キシリトールおよびアスパルテームは好ましい甘味料である。
[0149] 香料および香味修飾物質または味覚修飾物質も、味を更に改善するために使用することができ、この目的のために当技術分野において公知の任意の好都合な薬剤であり得、これらには、オレンジ香料、バニラ香料、カンゾウ香料、オレンジバニラ香料、クレームドミント、チェリー香料、チェリーバニラ香料、ベリーミックス香料、パッションフルーツ香料、西洋ナシ香料、イチゴ香料、マンダリンオレンジ香料、バブルガム香料、トロピカルパンチ香料、ブドウ用のジュース配合物、ブドウ香料、人工ブドウ香料、ブドウバブルガム香料、トゥッティフルッティ香料、柑橘類香料、レモン香料、チョコレート香料、コーヒー香料、およびその組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
[0150] 懸濁化剤はこの目的のために当技術分野において公知の任意の好都合な薬剤であり得、キサンタンガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸塩、およびナトリウムカルボキシルメチルセルロースから選択することができ、キサンタムガムが好ましい。懸濁化剤は、粉末製剤の重量で約0〜約20%、および経口懸濁物の重量で約0〜約10%の範囲内の量で用いることができる。
[0151] 保存剤はこの目的のために当技術分野において公知の任意の好都合な薬剤であり得、薬物活性(active)と適合性のある任意の化合物からなる群(メチルパラベンおよびプロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム等)から選択することができ、メチルパラベンが好ましい。
[0152] 本発明は、臨床設定および/または研究設定で使用されるキットも提供する。例示的なキットは、以下の:(a)本発明の腸管造影媒体を含有する第1のバイアルと;(b)懸濁剤を含有する第2のバイアルと;(c)懸濁物として腸管造影媒体を使用および/または製剤化するための指示書とを含む。様々な実施形態において、キットは、第2の造影媒体を含有する別のバイアルと;臨床設定または研究設定において第1および第2の腸管造影媒体を投与および/または製剤化するための指示書とを更に含む。
[0153] 第2のバイアル中で含有される造影媒体は、薬学的に許容されるベヒクル中で可溶性または不溶性であり得る。第2の造影媒体が微粒子薬剤である場合に、第2の造影媒体は、第1の造影媒体と比べて、微粒子コア中の異なる原子、異なるコーティング、異なるカプセル化材料を含む、異なる気体を含有する、異なる直径である等であり得る。第2の造影媒体は、ヨード化造影媒体、Baベースの造影媒体、Gdベースの造影媒体、Wベースの造影媒体、Biベースの造影媒体、Ybベースの造影媒体、Siベースの造影媒体、またはTaベースの造影媒体のうちの1つまたは複数でもあり得る。
[0154] B.方法
本発明は、本発明の製剤を利用して、本発明の製剤が投与される被験体からの臨床的に意味のあるCT画像を取得および強調する方法も提供する。したがって、例示的な実施形態において、本発明は、被験体の造影剤強調CT投影データを取得し、次いでそれをCT画像へと再構築する方法を提供する。方法は、診断的に効果的な量の本発明の前記腸管造影媒体製剤を被験体へ投与することと;被験体のCT投影データを取得し、次いでCT画像へと再構築することとを含む。様々な実施形態において、腸管造影媒体は、DECT画像化研究における前記画像で約0.8未満の80:140kVpのCT数の比を有する。様々な実施形態において、腸管造影媒体は、DECT画像化研究における前記画像で約2.0より高い80:140kVpのCT数の比を有する。
[0155] 例示的な実施形態において、本発明は、本発明の腸管造影媒体が分布する被験体の領域を通して、被験体の造影剤強調CT画像を提供する。
[0156] 本発明の画像および本発明の方法によって取得されるものは、本発明の造影媒体を利用する。画像は被験体の身体の任意の区分を介して得られる。例示的な方法において、画像は被験体の腹部および/または骨盤を介する。
[0157] 本発明は、CT投影データ、CT画像または両方を後加工して、軟組織、体液、または別の造影媒体によって産生されたCT信号から本発明の腸管造影媒体によって産生されたCT信号をデジタル的に分離する方法も提供する。様々な実施形態において、2物質弁別、3物質弁別、多物質弁別、または仮想単色エネルギー画像、およびその組み合わせを使用して、低X線エネルギースペクトルvs高X線エネルギースペクトルでのX線減弱における相対的差異に基づいて、別の造影媒体または身体の組織によって産生されたCT信号から、本発明の腸管造影材料によって産生されたデュアルエネルギーCTまたはスペクトラルCTの信号を分離する。様々な実施形態において、信号の強度(閾値信号等)も、他の画像化される材料によって産生されたCT信号から本発明の造影媒体によって産生されたCT信号を分離することを支援する物質弁別方法において考慮される。本発明の例示的な実施形態において、本発明の造影材料からのCT信号が、他の造影材料または身体の組織によって産生されたCT信号から強調表示されるかまたは差し引かれる場合、物質弁別画像の後加工は、新しいCT画像を産生する。本発明の例示的な実施形態において、本発明の造影剤以外の造影材料からのCT信号が、本発明の造影材料または身体の組織によって産生されたCT信号から強調表示されるかまたは差し引かれる場合、物質弁別画像の後加工は、新しいCT画像を産生する。
[0158] 造影媒体および本発明の製剤の利点のうちの1つは、任意の所望される経路を介する1つまたは複数の追加の造影剤の投与と適合性があることである。様々な実施形態において、本方法は、本発明の腸管造影媒体とは異なる第2の造影媒体を被験体へ投与することを更に含む。様々な実施形態において、第2の造影媒体は、血管内投与、腸管投与、肛門投与、および天然であるか(例えば膣、膀胱)、傷害によって引き起こされるか(例えば瘻孔、膿瘍、洞管)、外科的に生成されるか(例えば新膀胱、回腸嚢)、または人工的である(例えばカテーテル、リザーバー、管またはポンプ等の医療デバイス)、異なる身体の空洞の中への投与から選択される経路を介して投与される。複数の造影材料は異なる身体のコンパートメントへ投与することができる。例示的な実施形態において、第2の造影媒体はヨウ素またはバリウムベースの媒体であり、第3の造影媒体はタンタル、ビスマス、イッテルビウム、ガドリニウム、またはタングステンベースの造影媒体である。例示的な実施形態において、第2または第3の造影媒体は本発明の造影媒体の実施形態である。
[0159] 例示的な実施形態において、本発明の造影剤は、ヨード化された薬剤およびバリウム薬剤または開発中の他の造影剤(タングステン、イッテルビウム、ビスマス、またはタンタル等の重金属に基づくもの等)と同時に使用され、それらと識別される。1つまたは複数の身体のコンパートメントに注射し、2つ以上の身体コンパートメントの事例において、単一DECTまたはマルチエネルギーCTの検査のために同時に問い合わせて、迅速且つ確信的な診断のための、時宜を得た高解像度の各々のシステムの完全に位置合わせされる解剖学的な画像を提供する。本発明の方法は、外傷、腫瘍、外科手術合併症および炎症性疾患からの多臓器障害を正確に評価する手段を提供する。
[0160] 例示的な実施形態において、第1および第2の造影剤は、第1および第2の造影媒体が分布する領域を包含する画像セットにおいて互いと区別可能である。例示的な第2の造影媒体はヨード化造影媒体である。
[0161] 第2の造影媒体は薬学的に許容されるベヒクル中で可溶性または不溶性であり得る。第2の造影媒体が微粒子薬剤である場合に、第2の造影媒体は、第1の造影剤と比べて、微粒子コア中の異なる原子、異なるコーティングを含む、異なる直径である等であり得る。第2の造影媒体は、ヨード化造影媒体、Baベースの造影媒体、Gdベースの造影媒体、Wベースの造影媒体、Siベースの造影媒体、Mgベースの造影媒体、Ybベースの造影媒体、Biベースの造影媒体、またはTaベースの造影媒体のうちの1つまたは複数でもあり得る。
[0162] 例示的な実施形態において、第2の造影媒体はヨウ素ベースまたはバリウムベースの媒体である。
[0163] 例示的な実施形態において、第2の造影媒体はケイ素ベースの媒体である。
[0164] CTでの他のタイプの信号(陽性、中性または陰性)のうちの1つまたは複数を示すように、画像の後加工によって変換することもできる1つのタイプ(陽性、中性または陰性)の腸管造影媒体の使用を介してCT診断を改善する方法を、本発明は提供する。例えば、腸虚血の疑いにおいて、中性または陰性の腸管造影剤は、それぞれ炎症または虚血を検出する腸壁の超強調または低強調のいずれかを見出すのに有用である。別の例示的な方法において、陽性造影剤は、腸穿孔、膿瘍および瘻孔の同定を可能にする。
[0165] 解釈する医師の制御下で、陰性、中性、または陽性の造影材料として見えるようにデジタル的に操作することができる、安全な臨床用腸管CT造影材料の開発は、強力な診断的能力を提供し、診断過失に加えて当て推量およびプロトコル過失も取り除くだろう。過失の低減は、より迅速な診断および追加の精密検査の必要性の低減をもたらすだろう。医師は、所与の臨床シナリオについて、中性または陰性vs陽性の腸管造影材料を投与する利点と欠点を天秤にかける必要はもはやないだろう。
[0166] 以下の実施例は、本発明の例示的な実施形態を例証するために提供され、その範囲を定義または限定しない。
実施例
[0167] 実施例1
カプセル化された気体または部分真空のマイクロ粒子は一般的であり、商業的に入手可能であり、当業者に周知の多くの手法で産生することができる。方法の一般的な範囲は「発泡剤」を利用し、それは高温へ加熱された時に気体を放出できる物質である。カプセル化された気体または部分真空のマイクロ粒子の産生の例は、シェル材料を溶融するのに十分な温度へ、シェル材料(ガラスもしくはセラミックのフリット、粉末、または溶液の形状で)および発泡剤を加熱し、次いで発泡剤からの気体放出を引き起こして中空マイクロ粒子を生成し、次いでそれを冷却することである。異なるタイプのカプセル化された気体または部分真空のマイクロ粒子を作製するために、シェル材料の変動の必要に応じて、例えば温度の加熱は摂氏800〜1500度の範囲であり得る。別のプロセスは、多孔性ガラスまたはセラミック材料を加熱して、わずかに融解し、気体または部分真空が粒子の内側に保持されるように表面を密封することである。加熱チャンバー中の部分真空を上記の方法により利用して、産物中のもたらされたカプセル化された気体または部分真空のマイクロ粒子のもたらされた画分および物理的特性を調整することができる。上昇気流または下降気流ありまたはなしで重力を利用して加熱ゾーン中の粒子の滞留時間を修飾し、それによってもたらされたカプセル化された気体または部分真空のマイクロ粒子の直径および比重に影響を及ぼすことができる。マイクロ粒子サブ集団の更なる選択は、物理的特性(直径または比重等)に基づいた多くの機械的手段によって得ることができる。
[0168] 腸管CT造影製剤の安全性の考察に起因して、マイクロ粒子シェル材料(シリカ、硼ケイ酸塩またはガラス等)は、生物学的に安全で不活性であるように選択される(例えば鉛、カドミウムおよび同種のもの等の元素の毒性レベルのないそれらの材料)。
[0169] 実施例2
水溶液中のカプセル化された気体または部分真空のマイクロ粒子の安定的な懸濁物は、懸濁剤の使用によって得ることができる。例えば、0.2〜0.5%のキサンタンガムの使用を使用して、水中で10〜50%wt/wtのiM30K(3M)のカプセル化された気体または部分真空の粒子を懸濁する。もたらされる粒子の懸濁物は7か月を上回る間でCT画像化で均一のままであった。すべてのkVp設定でCT数のわずかな増加が最初の2か月後に懸濁物で観察された。CT数中のこれらのわずかな増加は、デュアルエネルギーCT画像化で、水、軟組織または従来のヨード化造影材料もしくはバリウム造影材料から製剤が分離される能力を実質的に改変しなかった。懸濁物の粘度は50〜2400g/cm−secの範囲であった。
[0170] 溶解されたヨード化されたイオヘキソールまたは懸濁された硫酸バリウムによる水溶液中のカプセル化された気体または部分真空のマイクロ粒子の安定的な懸濁物は、0.2〜0.5%のキサンタンガムを使用して作製された。懸濁物は、30%wt/wtのiM30K、0.1%〜2%wt/wtのヨウ素または0.1%〜2%wt/wtのバリウムを含んでいた。ヨウ素を含有する懸濁物は、製剤後に8か月を上回る間でCT画像化で均一のままであった。すべてのkVp設定でCT数のわずかな増加が最初の2か月後に懸濁物で観察された。CT数中のこれらのわずかな増加は、デュアルエネルギーCT画像化で、水、軟組織または従来のヨード化造影材料もしくはバリウム造影材料から製剤が分離される能力を実質的に改変しなかった。懸濁物の粘度は50〜1000g/cm−secの範囲であった。
[0171] ウサギ、ラット、およびマウスにおけるインビボの画像化実験から、単一DECTスキャンにおいて、本発明のカプセル化された気体または部分真空の粒子造影剤が、同時に陽性、中性および陰性の腸管造影を提供することが実証された。図8、9、18および19。
[0172] 本発明は様々な例示的な実施形態および実施例への参照によって例証された。当業者に明らかであるように、他の実施形態および本発明の変形は、本発明の真の趣旨および範囲から逸脱せずに、当業者によって考案され得る。添付の請求項は、かかる実施形態および等価な変形をすべて含めるように解釈すべきである。
[0173] 各々およびすべての特許、特許出願、および本明細書において引用される出版物の開示は、それらの全体を参照することによって本明細書に援用される。

Claims (20)

  1. 被験体の腹部上で実行される医用画像化の手順と同時の前記被験体への経口送達のために製剤化される腸管造影媒体製剤であって、
    気体または部分真空をカプセル化する複数の中空二酸化ケイ素ガラスシェル粒子と、
    学的に許容される水性ベヒクルであって、その中に前記複数の粒子が安定的に懸濁している、水性ベヒクルと、
    前記水性ベヒクルに含まれる懸濁化剤と、を備え
    前記製剤全体の重量に対する前記粒子の重量の割合は、10%〜50%である、腸管造影媒体製剤。
  2. 前記製剤が、診断的に効果的な量の前記腸管造影媒体を含む単位投薬量製剤である、請求項1に記載の腸管造影媒体製剤。
  3. 前記製剤が、成体ヒト用量あたり800mL〜1500mLの単位投薬量製剤である、請求項1に記載の腸管造影媒体製剤。
  4. 前記製剤が、50〜100mLの体積での単位投薬量製剤である、請求項1に記載の腸管造影媒体製剤。
  5. 前記製剤が、100mL〜800mLの体積での単位投薬量製剤である、請求項1に記載の腸管造影媒体製剤。
  6. 前記懸濁剤が、キサンタンガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸塩、ポリエチレングリコール鎖、およびナトリウムカルボキシルメチルセルロースから選択される、請求項1に記載の腸管造影媒体製剤。
  7. 前記製剤が、単位投薬量製剤であり、それが20gを超える前記カプセル化された気体または部分真空の粒子を含有する、請求項1に記載の腸管造影媒体製剤。
  8. 前記懸濁剤が、キサンタンガムを含む、請求項1に記載の腸管造影媒体製剤。
  9. 前記薬学的に許容されるベヒクルが、腸中で前記製剤の脱水を遅らせる添加物、着香剤、増粘剤、流動剤、pHバッファー、緩下剤、浸透圧調整剤、およびその組み合わせを更に含む、請求項1に記載の腸管造影媒体製剤。
  10. 前記腸管造影媒体が、2.1より高い80:140kVpのCT数の比を有する、請求項1に記載の腸管造影媒体製剤。
  11. 前記腸管造影媒体が、0.6〜0.8の80:140kVpのCT数の比を有する、請求項1に記載の腸管造影媒体製剤。
  12. 前記腸管造影媒体が、0.3〜0.5の80:140kVpのCT数の比を有する、請求項1に記載の腸管造影媒体製剤。
  13. 前記腸管造影媒体が、0.3未満の80:140kVpのCT数の比(0未満の比が含まれる)を有する、請求項1に記載の腸管造影媒体製剤。
  14. 前記カプセル化された気体または部分真空の粒子が、0.7〜1.2g/ccの比重を有する、請求項1に記載の腸管造影媒体製剤。
  15. 前記カプセル化された気体または部分真空の粒子が、0.2〜0.8の比重を有する、請求項1に記載の腸管造影媒体製剤。
  16. 前記カプセル化された気体または部分真空の粒子が、5〜60μmの平均直径を有する、請求項1に記載の腸管造影媒体製剤。
  17. 前記カプセル化された気体または部分真空の粒子が、60〜200μmの平均直径を有する、請求項1に記載の腸管造影媒体製剤。
  18. 前記カプセル化された気体または部分真空の粒子が、0.5〜5μmの平均直径を有する、請求項1に記載の腸管造影媒体製剤。
  19. 被験体の腹部上で実行される医用画像化の手順と同時の前記被験体への経口送達のために製剤化される腸管造影媒体製剤の単位投薬量製剤であって、
    (i)気体または部分真空をカプセル化する複数の中空二酸化ケイ素ガラスシェル粒子と
    (ii)0.2〜0.5%のキサンタンガムを有し薬学的に許容される水性ベヒクルであって、その中に前記中空二酸化ケイ素ガラスシェル粒子が安定的懸濁している、水性ベヒクルと、を備え、
    前記製剤全体の重量に対する前記粒子の重量の割合は、10%〜50%である、単位投薬量製剤。
  20. (a)請求項1に記載の腸管造影媒体を含有する第1のバイアルまたはバイアルのセットと、
    (b)第2の造影媒体を含有する第2のバイアルと、
    (c)前記第2の造影媒体ありまたはなしで、前記腸管造影媒体を製剤化するための指示書と、
    を含む、キット。
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