JP2024518164A - 低x線減弱度変化ハードシェル経口造影材料 - Google Patents

低x線減弱度変化ハードシェル経口造影材料 Download PDF

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Abstract

本発明は、原子番号が10より大きい非ケイ素元素の8%未満の酸化物を含有するシェル材料を備える、CT画像化における使用のための中空ホウケイ酸塩微粒子造影媒体を提供する。例示的実施形態では、本発明は、水、軟部組織及び脂肪のものと異なるCT値を提供する腸内造影媒体製剤を提供する。例示的製剤は、(a)水中に懸濁された中空ホウケイ酸塩微粒子を含む腸内造影媒体を含む。様々な実施形態では、この中空ホウケイ酸塩微粒子は、かかる投与を必要としている対象への製剤の腸内投与に適合性のある薬剤により、水性媒体中に懸濁される。本発明は、腸管腔への中空ホウケイ酸塩微粒子造影材料の送達と同時のCT画像化により、腹部及び骨盤を画像化する方法も提供する。

Description

発明の背景
[0001] 医用コンピュータ断層撮影(CT)画像化は、腹痛を含む幅広い臨床適応疾患の評価、悪性腫瘍の可能性の評価、腫瘍の進展度診断及びモニタリング、腸の傷害又は炎症の判定に用いられており、腸疾患及び非腸疾患を更に評価するために用いられている。CT画像化時、画像化する組織のX線減弱度(CT値)がハウンズフィールド単位(HU)で測定され、HUは、-1000HU(空気又は真空、これは、無視できる程度のX線減弱のみを示す)から0HU(水、これは、定義上、0HUである)に至り、3000超(X線減弱度が極めて高い金属を含む、極めて高密度の材料)に至るまでの範囲をとる。
[0002] CT画像化時、患者などの対象の画像化に種々のX線スペクトルが用いられ得る。現在のCTスキャナは、臨床上の要件に応じて70kVp~150kVpに設定することのできるX線管電圧によって発生するX線スペクトルを用い得る。X線管電圧を低く設定すると、高い管電圧設定と比べて比較的低いエネルギーのX線スペクトルが発生する。任意の所与のX線管電圧について、水のCT値は、0HUと定義され、空気/真空のCT値は、-1000HUと定義される。ヒトにおける実際の測定値は、画像ノイズ及び他のアーチファクトに起因して、約20HUほどのばらつきが見られることが多い。従って、他の材料について、水と比べた相対的なX線減弱度が測定される。
[0003] 筋肉、固形臓器実質及び血液など、主に原子番号が20未満の原子で構成されるヒト非脂肪性軟部組織は、X線管電圧(kVp)の低値対高値でそのCT値が大きく変化しない点に限り、水に類似している。ヒト非脂肪性軟部組織は、管電圧設定に関係なく、概して20~70HUのCT値を示す。同様に、概して小さい原子番号の分子で構成される室内空気の気体分子は、CT管電圧設定に関係なく、約-1000HUのCT値を示す傾向がある。
[0004] 解剖学的構造をよりよく描出するため、CT画像化時に陽性造影剤が静脈内又は経口的に送達されることが一般的である。臨床で用いられる全ての静脈内造影剤及び陽性経口造影剤のほとんどは、現在、ヨード(z=53)をベースとしており、ヨードは、特に低いkVpで画像化されるとき、軟部組織又は水よりもはるかに強くX線を減弱させる。一部の陽性経口造影剤は、バリウム(z=56)をベースとしており、バリウムは、その原子番号が類似していることに起因して、ヨードと極めて類似したX線減弱特性を有し、そのため、画像化技法に関係なく、マルチエナジーCTを含むCT画像化時にヨードシグナルとバリウムシグナルとを区別することができない。
[0005] 陽性造影媒体が、概して水性の溶液又は懸濁液中にあることを所与として、こうした陽性造影剤は、水性希釈に関係なく、概して0より大きいCT値を示す。陽性造影材料が濃縮すると、CT画像化時点でそれが存在する体液又は組織のCT値が増加する。典型的には、1mgヨード/mLは、造影剤で強調した組織におけるヨードのほぼ検出限界であり、この閾値は、概して、最も一般的なCT kVp設定である120kVpで造影したときの約20~25HUの強調を指す。視覚的に納得できるものであるために、陽性造影材料は、概して、造影剤使用後のCT画像上のCT値を造影剤使用前のCT画像と比較して50HU以上増加させる必要があり、これは、約2mgヨード/mL以上に対応する。1mgヨード/mL未満の造影剤強調の定量的検出は、0.8mgヨード/mLなどの更に低い閾値の検出も信頼できる可能性があると考える向きもあるが、概して、臨床CTでは画像ノイズ又はアーチファクトに起因して信頼できない。同様に、造影剤使用前から使用後の臨床CTの20HU以下の変化の視覚的検出は、信頼できないと見なされる。
[0006] CTにおける一部の経口造影剤は、「中性」又は「陰性」と呼ばれ、CTにおける水又は軟部組織のCT値(0~50HU)によく類似している。こうした薬剤は、水又は腸が水を急速に再吸収することを防ぐ賦形剤を有する水の溶液を含む。こうした経口造影剤により、陽性経口造影剤を与えたときに描出が困難な腸壁毛細血管強調の陽性静脈内造影剤による可視化が可能になる。しかしながら、こうした中性造影剤は、医用CT画像化に使用されるあらゆるkVpで水及び非強調軟部組織のCT値に類似しているため、こうした薬剤では、膿瘍、貯留液、血腫及び乏血管性又は壊死腫瘍など、CT画像化時に医用画像化に用いられるCT kVpの全範囲にわたって同じく0~50HU又はそれより僅かに高いCT値を主に示す、隣接する軟部組織CT減弱病変部から腸を描出することが一層困難になり得る。
[0007] CT造影剤のX線減弱度は、従来、水性溶媒中におけるレポーター原子/材料の濃度に全面的に基づいて決定される。ヨード造影剤は、ヨードのmg数/mLに基づいて記載される。硫酸バリウム造影剤は、w/w%硫酸バリウムとして記載される。中性造影剤は、水と比べてCT減弱度を実質的に変化させるいかなる材料も有しない(従って0±20HU、これは、水のCT減弱度である)。
[0008] ヒトが異なると知覚できる濃淡は、約30階調に過ぎないが、医用CT値は、-1000~3000HU超の範囲にわたるため、医用CT画像は、異なる構造(骨、肺、軟部組織等)の判定に合わせて絞り込んだCT値ウィンドウ及びレベルを用いて観察される。軟部組織を評価するために、「レベル」(中間レベルの濃淡階調)は、軟部組織の予想CT値(40又は50HU)に設定され、「ウィンドウ」は、脂肪及び中輝度~高輝度の陽性造影剤強調の典型的な範囲(それぞれ-100及び200HU)を捕捉するように設定される。重要な軟部組織を評価するために、腹部CT観察の表示に最も一般的なウィンドウ/レベル設定は、350/50HU(これは、-125HUを下回るボクセルを純黒色として、及び225HUを上回るボクセルを純白色として表示し、-125~225HUのボクセルを、徐々に輝度が増すシグナルとして表示する)又は400/40HU(これは、-160HUを下回るボクセルを純黒色として、及び240HUを上回るボクセルを純白色として表示し、-160~240HUのボクセルを、徐々に輝度が増すシグナルとして表示する)である。
[0009] 陽性及び中性経口造影剤の使用に関する大きい問題は、観察ウィンドウ/レベル設定に関係なく、腸管腔内容物の外観が一様でないことである。腸管腔は、区間毎にばらつきが見られることが多く、一部の区間にはガスが含まれ、一部には体液が含まれ、一部には固形物が含まれ、及び一部にはこれらの材料が混じり合ったものが含まれる。腸内ガスは、濃染のCT値(-50~-1000HU、混じり合った材料の量に依存する)を有する。そのため、使用される経口造影剤が陽性(100~400HU)であるか又は中性(0~40HU)であるかに関係なく、著しく濃染するガスシグナルが経口造影剤と混合した範囲に起因して、腸管腔の不均一性がほぼ常に存在する。この不均一性により、人間又は機械による画像解釈に関して複雑性が生じる。
[0010] 濃染経口造影剤についての先行技術の記載では、室内空気又は二酸化炭素などの吹送ガスが挙げられているが、これは、管腔において-1000HUに近い極端に濃染度の高いCT値をもたらし、吹送ガスは、患者にとって物理的に不快である。こうした薬剤は、概して、腸内挿管及び腸の吹送が必要となり、これは、侵襲的である。代わりに、経口摂取された造影材料は、腸内で化学反応を経て二酸化炭素などのガスを放出し得る。こうしたガスを放出する薬剤もガスによる膨満感又は化学物質の関与から不快感を引き起こし得る。他の提案されている濃染経口造影剤としては、パーフルオロカーボンが挙げられ、これは、腸内で体積が膨張することも又はしないこともあり、腸管腔で極めて濃染するシグナルを引き起こし得るが、肛門からの漏出及び腹部の不快感と関連付けられた。
[0011] 濃染腸内造影剤についての他の記載では、直腸投与用又は経口投与用(米国特許出願公開第20200000942号)など、濃染CT値(-100~-800HU)を与えるように製剤化され得る泡状の液体が挙げられている。こうした薬剤は、気泡の周囲に硬質シェルがなく、従って安定性に問題があり得るため、それを小腸に使用することができず、又は数百HUに及ぶ範囲の不均一なCT値を呈し得る。更なる制約は、こうした製剤を現場で調製するのに特別な機械が必要とされ得ることである
[0012] 他の記載されている濃染造影剤としては、Calogen又はコーン油エマルション6~8などの油性エマルション及びパラフィン懸濁液が挙げられる。こうした濃染造影剤は、-20~-60HUの弱く濃染する有用なCT値を有し得るが、基礎となる造影用材料は、全kVp及びkeVにわたってヒト脂肪と同様のX線減弱度を示す脂質/炭化水素でできているため、従来のCT又はデュアルエナジー/マルチエナジーCTでも画像化時に造影剤を天然の体脂肪と区別することができなくなる。
[0013] マイクロバブル造影剤は、水性懸濁液中に製剤化したときに強度に陰性のCT値を与えるポリマーシェル剤(米国特許出願公開第005726121A号、米国特許出願公開第5205290A号)を含めて、CT向けに記載されている。こうした造影剤は、市販のCT用途に開発されたわけではなかった。更に、かかる材料中の粒子の物理的安定性は、少なくとも1時間安定している必要がある小腸画像化での使用に不十分であるものと見込まれる。
[0014] フォトンカウンティングCT(PCCT)を含むデュアルエナジーCT(DECT)及びマルチエナジーCT(MECT)スキャナが臨床画像化のために開発されている。これらのスキャナは、画像化される対象のX線減弱度を異なるX線スペクトルで同時に評価することにより、従来の単色エネルギースペクトルCTを改良する。DECTについて、エネルギー低値対高値のX線スペクトルによる画像化対象の相対的な減弱度が比較される。X線エネルギースペクトル低値対高値は、概して、CT管電圧(kVp)をそれぞれ低値(例えば、80kVp)又は高値(例えば、140kVp)に設定することによって入手される。X線ビームのスズ及び金によるフィルタリング、又はより低い若しくはより高いエネルギーのX線を優先的に検出するスプリットレイヤーX線検出器の使用、又は検出されたX線のエネルギーをより良好に定量化し、分類するフォトンカウンティング検出器を含む様々な他の実装形態も利用される。
[0015] こうしたDECT、MECT及びPCCTスキャナは、画像化される対象の原子が、異なるエネルギーのX線を、原子番号に基づく特徴的な程度まで減弱させるという事実を活用する。水又は空気の画像化に使用されるX線エネルギーに関係なく、水は、0HUのCT値を割り当てられるため、真空/室内空気は、-1000HUのCT値を割り当てられ、他の全ての材料のCT値は、これらの2つの基準との相対で決定される。
[0016] HOの実効原子番号は、約7.5であり、これは、成分原子である酸素(z=8)及び水素(z=1)の加重平均である。プロトンのサイズ及びそれが水の全体的なX線減弱度に及ぼす効果は小さいため、水の実効原子番号は、酸素の実効原子番号にはるかに近い。水のCT値は、kVp設定に関係なく、定義上、0HUであるため、低い及び高いkVp設定における他の材料のCT値は、水との相対で決定される。概して、実効原子番号が水より小さい分子(炭素z=6及び水素z=1でできている脂肪/炭化水素など)は、低kVpで高kVpと比べて比較的低いCT値を示すことになる(図2)。及び実効原子番号が水より大きい分子(ヨード、z=53など)は、高kVpと比べて低kVpで比較的高いCT値を示すことになる(図2)。主に炭素、水素、酸素及び窒素で構成される軟部組織は、約20~50HUの、水よりやや高いCT値を有するが、実効原子番号が水と同様であるため、高kVp CT設定と比べて低kVpではるかに高いCT値を示すわけではない。
[0017] DECT、MECT及びPCCTの一義的な価値は、非強調CTスキャンを別途取得する必要なく、画像のボクセルにおける静脈内造影材料の強調の大きさを定量化する能力である。ヨードは、高kVp CT設定と比べて低kVpで著しく高いCT値を示す。水溶液中では、ヨードの80:140kVp CT値比は、約1.75であるのに対して、水は、1.0(定義上)であり、軟部組織は、1.05であるなどである。DECTでは、この差を用いてヨードを定量化し、ヨードマップにすることができる。ヨード造影剤強調のMECT及びPCCT定量化についても、非造影CTスキャンを別途必要とすることなく同様の方法が用いられる。多くの理由に起因してCT画像アーチファクトを示す生体におけるCTデータのノイズに起因して、約1mgヨード/mLを下回ると、ヨードの定量化は、信頼できなくなる。CTアーチファクトは、量子モトル、厚い身体部位、骨、動き、金属及び画像化対象の非円形の形状における質量減衰に起因して生じることが一般的である。典型的には、ヨードマップ画像は、仮想非造影(VNC)又は仮想非強調(VUE)画像としても知られる水マップ画像との対として再構成される。ヨードマップは、水マップの逆と見なすことができる。低kVp及び高kVpの親画像からのCT値の値は、ヨードの値がヨードマップに割り当てられ、他の値が水マップに割り当てられるように分割される。
[0018] 検出器に当たったX線エネルギーの総和を積分する検出器を使用する従来のCTと異なり、PCCTスキャナは、検出器に当たったそれぞれの個別のX線のエネルギーを決定する特別なX線検出器を使用する。X線源によって生成されるX線エネルギースペクトルは、既知であるため、従って、フォトンカウンティングCTは、画像化対象によって優先的に減弱されたX線がいずれであるかを決定することができる。これにより、画像化される元素/材料の区別は、デュアルエナジーCTで可能であるよりも一層良好に可能となる。デュアルエナジーCT及びフォトンカウンティングCTは、まとめてマルチエナジーCTと称される。
[0019] DECT、MECT及びPCCT画像は、異なるモノエナジーX線エネルギーでのCTスキャンの外観を模擬するように再構成することができる。ヨードマップと水マップとの対を使用して、通常、40keV~200keVで選択される任意の所与のkeVでの模擬したモノエナジーCTスキャンのボクセル強度が決定される。異なる材料は、keVに対してプロットすると、特徴的なCT値曲線を示す(図2)
発明の簡単な概要
[0020] 本発明は、従来のCT及びマルチエナジーCTで小腸が造影されたとき、これまで表されていたものと比べて、本発明の薬剤が小腸の解剖学的構造をより精密な方法で描出することが可能となるように、通常の中空ホウケイ酸塩微粒子(RHBM)経口造影剤の製剤を実質的に改良する。有利な薬剤の実現には、幾つかの予期しない技術革新と、CT画像化時に意外にも通常の中空ホウケイ酸塩微粒子(RHBM)と異なる高ケイ素中空ホウケイ酸塩微粒子(HSHBM)の有益な特性の好運な発見とが関わった。更に、腸内造影剤について特定のCT値範囲を目標とすることにより、従来のCT若しくはDECT又はマルチエナジーCTが使用されるか否かに関係なく、腸の解剖学的詳細の描出を意外にも改善することが可能になる。
[0021] 多くの中空ホウケイ酸塩微粒子、即ちRHBMのシェル材料は、二酸化ケイ素(SiO、概して60%超、Si z=14)と酸化ホウ素(B、5%超、B z=5)とのブレンドに、酸化ナトリウム(NaO、Na z=11)、酸化アルミニウム(Al、Al z=13)、酸化マグネシウム(MgO、Mg z=12)、酸化カルシウム(CaO、Ca z=20)及び酸化亜鉛(ZnO、Zn z=30)を含む他の複数の酸化物並びに原子番号が更に高い他の痕跡材料を少量加えたものを含む。CT時、従来の造影剤のX線減弱度は、概して、最も多く見られる原子及び高原子番号の原子に左右される。先行技術のホウケイ酸ガラス粒子は、高kVpと比べて低kVpのCTで画像化したときに実質的により大きいX線減弱度を示した。この相対的な減弱度は、水(HO)と比べた減弱度であり、水は、CTでの画像化に使用されるkVpに関係なく、定義上、0HUのCT値を割り当てられる。米国特許出願公開第20180110492A1号は、バリウム(z=56)又は他の高原子番号の酸化物を加えて、80:140kVp CT値比を更に増加させると、それによりMECT時のヨードマップ上における計算値であるものの、アーチファクトとなるヨード濃度が更に増加することを更に開示している。
[0022] 経口CT造影剤としての純二酸化ケイ素に関する先行研究では(米国特許出願公開第20140276021A1号)、80:140kVp CT値比が1.25~1.56であったと示されたが、これは、即ち、140kVpと比べて80kVpで画像化したとき、二酸化ケイ素についてCT値が25~56%高いという実質的な差があったと共に、この比が1.0からほど遠いことを意味している。
[0023] このように、二酸化ケイ素の量が極めて多く、ホウ素及び他の酸化物の量が極めて少ない高ケイ素中空ホウケイ酸塩微粒子(HSHBM)を、低kVp対高kVpでCT画像化時のRHBMと比較したX線減弱度が最小限だけ高くなるような、1.0に近い80:140kVp CT値比を示す造影剤となるように操作できることが分かったのは、意外であり、直観に反した驚きであった。
[0024] 実効原子番号に基づき、HSHBMのシェル材料がより高い実効原子番号を有し、従ってRHBMのシェルと比較して高kVpよりも低kVpでより高い相対的CT値を示すであろうと予測し得るが、その逆が真であることが分かった。例示的高ケイ素ホウケイ酸塩は、ケイ素(z=14)の酸化物を92%以上有し、ホウ素(z=4)三酸化物(これは、比較的小さい実効原子番号を有する)が2%未満である。比較すると、通常のホウケイ酸塩は、ケイ素酸化物が約70%~80%に過ぎず、三酸化ホウ素の量が多く(約15%)、組成の残りのほとんどがNa、Mg及びAl(それぞれz=11、12及び13、これらの原子は、それぞれケイ素z=14よりも小さい)の酸化物に起因している。
[0025] 更なる評価時に限り、ケイ素の酸化物は、SiOの2つの酸素原子当たりケイ素原子を1つのみ有する(モル比1:2)ことが一層明確になり、従って、SiOの実効原子番号は、実際には、酸素と比べた相対的なモル比が2:1、1:1及び2:3とそれぞれより高いNa、Mg及びAlの酸化物の実効原子番号と同様であるか又はそれより小さい。同様に、更なる分析時、高ケイ素ホウケイ酸塩は、カルシウムの酸化物(z=20)及び亜鉛(z=30)酸化物並びに原子番号がより高い他の原子を含む、標準的なホウケイ酸塩で見られる他の低比率の材料の量が比較的少ない。
[0026] HSHBMを医用画像化目的で使用することは、新規である。概して、HSHBMは、航空宇宙又は海洋用途向けなどのために、他の材料とブレンドしてそうした材料を物理的に軽くするために使用されるか、又はHSHBMは、低い誘電効果が必要なエレクトロニクス及びデバイスに使用されるか、又はHSHBMは、熱アブレーション製品(熱遮蔽)に使用される。医療機器のためのHSHBMについてのある記載では、こうした材料を、乳房インプラントの重量を物理的に軽くするために、HSHBMをシリコーンポリマーゲルに配合することによって使用している(米国特許出願公開第20120277860A1号)。この乳房インプラント特許の記載では、HSHBMを診断医用画像化造影材料として使用することが提案されていない。そのため、診断医用画像化目的でのHSHBMの使用は、自明ではない。
[0027] 本発明者らの発明の更なる革新性は、RHBM造影剤について過去に試験されたものよりも低い真密度のホウケイ酸塩中空粒子の使用である。米国特許出願公開第20180110492A号は、造影材料に使用されるある範囲の可能な比重の粒子を開示したが、これは、水と同様の比重(1g/mLに近い)の粒子を使用することについて、かかる粒子が水性製剤に容易に懸濁され得るという理由で価値があると記載した。この開示は、比重が0.45g/cmより低いホウケイ酸塩中空粒子に関して言及していない。ホウケイ酸塩中空粒子の濃度が20%w/wを下回る水性製剤は、明示的に開示されていない。意外にも、本発明は、HBMの濃度が約0.5~約10%w/wである水性製剤を使用したその効果的な結果を実現する。
[0028] 例示的実施形態では、本発明は、低濃度の低密度中空ホウケイ酸塩微粒子の滅菌水性医薬製剤を提供する。本発明の例示的製剤は、製剤の約10%以下、例えば約9%以下、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は約1%以下(w/w)の濃度の低密度中空ホウケイ酸塩微粒子を含む。例示的製剤は、対象の腹部(例えば、腸)の少なくとも一断面から画像を取得する直前、取得と同時(又はこれらの組み合わせ)の対象への腸内投与に適切である。製剤は、安定しており、「安定している」とは、製剤の調製及び対象への投与並びに画像の取得に必要な時間が続く間、粒子の実質的な部分(例えば、約50%超、60%、70%、80%、90%又は約95%超)が、薬学的に許容可能な水性溶媒中の懸濁液に残っているような本発明の製剤を指す。造影材料の経口摂取と画像取得との間にかかる典型的な時間(製剤が安定している時間)は、食道及び胃の画像化について数分(例えば、20分未満)から、小腸の画像化について約20~約120分、結腸の画像化について約1時間~約2日に及ぶ範囲であり得る。
[0029] 様々な実施形態では、粒子は、少なくとも部分的に、懸濁剤の製剤中に配合することにより懸濁状態で維持される。例示的懸濁剤は、製剤中に約0.1%~約20%、例えば約0.5%~約15%、例えば約1%~約10%、例えば約3%~約8%の量で配合される。本発明の例示的製剤は、単位投薬量製剤として調製され、投薬量は、個別の患者について薬剤の投与前に決定され、製剤は、臨床セッティングにおいて対象へのその投与直前に調製される。
[0030] 様々な実施形態では、本発明は、低真密度中空ホウケイ酸塩微粒子を低濃度、例えば約1~約10%w/wで使用して、約-20~約-70HU又は約-160~約-300HUの目標CT値範囲の製剤を実現するための製剤及び方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、デュアルエナジーCT又はマルチエナジーCT画像再構成時、最小ヨード濃度計算値が約1mgヨード/mL未満である製剤を実現するための、低濃度の低真密度中空ホウケイ酸塩微粒子の使用を提供する。低真密度中空ホウケイ酸塩微粒子のこうした低濃度は、様々な実施形態では、水性懸濁液の約0.2%~約12%w/wの範囲である。代わりに、低真密度中空ホウケイ酸塩微粒子のこうした低濃度は、様々な実施形態では、水性懸濁液の約0.5%~約9%w/w又は水性懸濁液の約0.5%~約4%若しくは約5%~約9%の範囲である。本発明の低真密度中空ホウケイ酸塩微粒子は、様々な実施形態では、約0.10~約0.40g/cmの真密度の範囲である。他の実施形態では、本発明の低真密度中空ホウケイ酸塩微粒子は、真密度が約0.2~約0.35g/cmの範囲である。
[0031] 様々な実施形態では、本発明者らの発明は、腸管腔を約-160HU未満に濃染するため、CTに典型的な軟部組織ウィンドウレベル観察設定(例えば、400/40HUのウィンドウ/レベル設定、これは、目に見える濃淡階調スケールを-160~+240HUのボクセルシグナルに割り当て、純黒色を、約-160HUを下回るボクセルシグナルに割り当て、純白色を、約+240HUを上回るボクセルシグナルに割り当てる)のすぐ範囲外にあるCT値となるような濃染HSHBM経口造影材料の製剤について記載する。様々な実施形態では、本発明は、HSHBM製剤の情報に基づく選択を取り入れて、典型的な軟部組織観察ウィンドウ及びレベル設定で腸管腔がCT値の点ではるかに一様に見える(全て濃染)ことを可能にし(図9及び図14)、それにより一層淡染となる疾患の知覚及び描出を容易にする方法を、本発明者らのHSHBM製剤で入手されたスキャンの結果として得られるCT画像の人工知能セグメンテーション又は評価を含めて提供する。
[0032] 様々な実施形態では、本発明は、腸壁のCT値を約50~約300HU下回る値に腸管腔を濃染するため、腸壁の厚さをより正確に測定し、知覚できるようになる濃染経口造影材料の製剤を提供する(図4、図15及び図16)。本発明の様々な実施形態の情報に基づく濃度は、腸壁のCT値と脂肪のCT値との間にある腸管腔造影材料のCT値を提供するか、又は脂肪のCT値を下回るが、典型的な腹部CTウィンドウ及びレベル設定で純黒色としてレンダリングされる最も高いHU値を、約100HUを超えて下回ることのない腸管腔造影材料のCT値を提供する。
[0033] 様々な実施形態では、本発明は、典型的な軟部組織腸で観察したときに腸のひだのより高い空間分解能を提供するような濃染経口造影材料の製剤を提供する(図15)
[0034] 様々な実施形態では、本発明は、約-20HU未満のCT値を有し、及び80:140kVp CT値比が約0.90~約1.00である、経口造影材料としてのHSHBMの製剤を提供する。様々な実施形態では、本発明は、デュアルエナジーCT、マルチエナジーCT及びフォトンカウンティングCTスキャンからのヨード画像再構成時、約1.0mgヨード/mL未満の見かけのヨード濃度を示すHSHBM造影材料の製剤を提供する。様々な実施形態では、本発明者らの発明は、デュアルエナジーCT、マルチエナジーCT及びフォトンカウンティングCTスキャンからのヨード画像再構成時(図17)、約0.8mgヨード/mL未満の見かけのヨード濃度を示すHSHBM造影材料の製剤について記載する。
[0035] 様々な実施形態では、糖アルコール類、水酸化マグネシウム、ポリエチレングリコール、セルロース又は腸通過速度を増加させることが公知の他の材料は、単独又は組み合わせで水性医薬製剤に加えられ得る。
[0036] 様々な実施形態では、製造時又は粉末製品(即ち中空粒子又は中空粒子及び1つ以上の懸濁剤又は水性医薬製剤の生産において水和前に有用な他の添加剤の粉末分散を改善するため、リン酸三カルシウム、粉末セルロース、ステアリン酸マグネシウム、重炭酸ナトリウム、フェロシアン化ナトリウム、フェロシアン化カリウム、フェロシアン化カルシウム、リン酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、三ケイ酸マグネシウム、タルカムパウダー、アルミノケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムアルミニウム、アルミノケイ酸カルシウム、ベントナイト、ケイ酸アルミニウム、ステアリン酸、ポリジメチルシロキサンシリカ又は他の流動剤の1つ以上が加えられ得る。
[0037] 様々な実施形態では、腸の膨満感の程度を改善するため、賦形剤が加えられ得る。この目標を達成するために、キサンタンガム、ジェランガム、グアーガム、ポリエチレングリコール、水酸化マグネシウム、セルロース、シリカ、糖アルコール類又は他の充填剤などの賦形剤を導入して、製剤の濃厚さ(例えば、粘度又は容量オスモル濃度)を改変し得る。様々な実施形態では、濃厚な製剤ほど、粘度の低い製剤と比較して腸管腔、特に近位の小腸及び胃の圧潰が防止される。様々な実施形態では、重量オスモル濃度が高い製剤ほど、腸管腔からの水の吸収が防止され、従って容量オスモル濃度が低い製剤と比較して腸管腔の膨満感が維持される。様々な実施形態では、重量オスモル濃度は、1キログラム当たり約90~約450ミリオスモル、又は1キログラム当たり約120~約180ミリオスモル、又は1キログラム当たり約180~約295ミリオスモルの範囲である。様々な実施形態では、造影剤の粘度は、約150~約2000センチポイズ(cP)、又は300~約1500cP、又は約600~約1500cPの範囲である。
[0038] 本発明の陰性腸内造影剤は、CT画像化のための静脈内造影剤あり又はなしのいずれでも使用され得る。本発明の陰性腸内造影剤は、腸壁及び隣接する血管が発達した構造の静脈内造影材料強調の明瞭さを改善するCT値をもたらすように製剤化され得る。
[0039] 様々な実施形態では、本発明の腸内造影剤は、模擬胃液と共に4時間インキュベートしたとき、1つ以上の溶出性ヒ素(As)、カドミウム(Cd)、鉛(Pb)及び水銀(Hg)レベルが1用量当たりそれぞれ15、5、5及び30マイクログラム未満であることを示す。様々な実施形態では、本発明の腸内造影剤は、模擬胃液と共に4時間インキュベートしたとき、溶出性ヒ素(As)、カドミウム(Cd)、鉛(Pb)及び水銀(Hg)レベルが1用量当たりそれぞれ1.5、0.5、0.5及び3.0マイクログラム未満であることを示す。
[0040] 様々な実施形態では、本発明は、非腸構造からの腸の描出、腸の中心線の描出、腸の区間長さの測定及び異常に肥厚した腸壁、異常に過剰強調若しくは低強調される腸壁又は腸若しくはその周囲の限局性病変部の同定を含めて、CT及び画像解釈時における腸のセグメンテーションのための人工知能又は深層学習を含むソフトウェアと併せて使用される、本発明の濃染HSHBM腸内造影剤強調CTスキャンのCT画像を提供する。
[0041] 例示的実施形態では、本発明は、腸内造影媒体製剤である水懸濁液中のHSHBMを提供する。この材料は、粒子が懸濁される薬学的に許容可能な水性溶媒中に製剤化される。例示的実施形態では、シェル材料は、水性媒体中の分散を改善するため、ポリマー、有機材料又はヒドロゲルに共有結合的に又はより弱い分子間力によって結合している。例示的実施形態では、溶媒は、腸管腔に流体を保持するための添加剤を含有する。例示的実施形態では、水性溶媒は、腸運動を促進する薬剤を含有する。例示的実施形態では、シェル材料は、高いCT kVp設定と比較して低いCT kVpでの製剤全体のCT値を低下させるポリマー、有機材料又はヒドロゲルに共有結合的に又はより弱い分子間力によって結合している。
[0042] 様々な実施形態では、製剤に利用されるHSHBMは、非浮遊粒子、例えば壊れた又は破損した微粒子並びに小さい内部空隙及び高密度の外側シェルを備えた微粒子を5重量%未満含有する。
[0043] 等静圧破砕強度は、指定の圧力を加えたときに潰れるか又は壊れるHBMの体積パーセンテージを決定する。HBMが壊れると、造影剤中に望ましくない小さい不規則な粒子が生じる恐れがあり、結果として得られる製剤の有用性が低下し得る。様々な実施形態では、本発明は、製剤中に利用されるHSHBMの体積の約10%未満が500psiの圧力で壊れるようなHSHBMの使用を提供する。様々な実施形態では、製剤中に利用されるHSHBMの体積の3%未満が500psiの圧力で壊れる。正確な破壊測定を目的としたHSHBMの破壊は、液体製剤中にあるときよりむしろ、HSHBMが単離された乾燥粉末形態であるときに行われる。例示として、例示的実施形態では、体積とは、製剤前の乾燥粉末HSHBMの体積を指し、ピクノメーターで測定される。
[0044] 非浮遊粒子は、壊れた又は破損した微粒子及び内部空隙が小さく、外側シェルが高密度の微粒子を含み得るため、水性懸濁液中のHBMの非浮遊粒子が望ましいとは言えない。かかる粒子は、腸管腔に望ましくない層状化を生じさせ得る。本発明者らの発明の様々な実施形態では、本発明の製剤に使用されるHSHBMの体積の約5%未満が非浮遊である。本発明の様々な実施形態では、HSHBM粒子の体積の約3%未満が非浮遊である。非限定的な例示として、非浮遊体積画分のこの測定は、試料の質量を真の重力で除すことにより決定したときの既知の体積のHSHBMの水中における単純な浮遊、次に依存端にメスシリンダーを備えた分液フラスコを使用して非浮遊画分の体積をmL単位で測定することによって行われ得る。代わりに、非浮遊体積画分の測定は、浮遊及び非浮遊画分を単離して乾燥させて、ガスピクノメーターによって各々の体積を測定することによって行われ得る。
[0045] 例示的実施形態では、本発明は、消化器系及び膣若しくは膀胱などの天然であり得る他の体腔、又は代用膀胱などの外科的に作られた体腔、又はチューブ、カテーテル、パウチ、リザーバ若しくはポンプなどの人工的な医療機器にも送達され得る造影媒体製剤を提供する。
[0046] 本発明の更なる例示的利点、目的及び実施形態を以下の説明に示す。
[0047] 本発明の腸内造影剤は、超音波画像化に使用されるマイクロバブル造影剤と実質的に異なる。超音波におけるマイクロバブルは、通常、超音波によってバブルの拡大及び収縮が生じ、それにより超音波画像化に際したシグナルの増幅を可能にするアルブミン、炭水化物、脂質又は生体適合性ポリマーなどの可撓性材料によって表面がコーティングされたパーフルオロカーボンガス又は窒素ガスのガスマイクロバブルである。超音波造影剤マイクロバブルの平均粒径は、通常、2~6ミクロン範囲であり、よく使用される濃度レベルは、1mL当たり約1000万マイクロバブルである。従って、マイクロバブル型の超音波造影剤製剤の体積の1%未満がガス入り又は中空であると計算され、ガス又は空隙空間の体積画分がこのように小さいと、CT画像化時に陰性造影剤として有用となるのに十分に低いシグナルが生じない。バブルが純粋なガスであったとしても(-1000HU、これは、CT値スケール上で最も低いHU CT値である)、水(CT時に0HU)の懸濁液中にあるマイクロバブルが1%の体積であれば、約-10HUのCT値を与えることになり、これは、水自体とあまり差がない。超音波マイクロバブル造影剤に関する2件の最近のレビュー論文をここに挙げる。
1)Ultrasound microbubble contrast agents: Fundamentals and application to gene and drug delivery By: Ferrara, Katherine; Pollard, Rachel; Borden, Mark. Book Series: ANNUAL REVIEW OF BIOMEDICAL ENGINEERING Volume: 9 Pages: 415-447 Published: 2007;
2)Microbubbles in medical imaging: current applications and future directions. By: Lindner, JR. NATURE REVIEWS DRUG DISCOVERY, Volume: 3 Issue: 6 Pages: 527-532 Published: JUN 2004
[0048] 本発明の腸内CT造影材料は、CT及びMR及びX線画像化に提案されたこれまでのパーフルオロカーボン経口造影材料と実質的に異なる。こうしたこれまでの薬剤は、乳化されていることも又はされていないこともあるパーフルオロカーボン液を含み;このパーフルオロカーボンは、臭素化されていることも又はされていないこともある。こうしたこれまでの薬剤では、体温でパーフルオロカーボンが膨張してガスになり、陰性造影シグナル及び更なる腸の膨満感を生じさせる。パーフルオロカーボン剤の欠点は、それが投与しにくいものであり得ること、油状の質感を呈するため、患者にとって受け入れ難いものであり得ること及びその膨張力があるという特性が、罹患している腸区間に投与したときに安全性の懸念を伴うことである(同様に米国特許第5,205,290号;同第4,951,673号)。臭素化されたパーフルオロカーボンがCT造影剤として記載されており、これは、陽性CT値シグナルを生成し得る。
[0049] 本発明の他の実施形態、目的及び利点は、以下の詳細な説明から明らかであろう。
[0050]非強調CT及び静脈内造影剤で強調したCTに典型的に見られる軟部組織、脂肪、中性経口造影剤(OC)及び陽性OCのCT値の範囲を示す。水と脂肪との間(-20~-70HU)及び脂肪(-120HU)を下回る範囲に空白が見られる。この図の右側には、400/40HUの典型的な軟部組織ウィンドウ/レベル観察設定で表示されるCT値の範囲を示す括弧も図示される。-1000~-160HUのボクセルは、黒色として表示され、次に徐々に白い階調になって240HUに至り、それを上回ると、ボクセルは、純白色として表示される。本発明の例示的実施形態は、脂肪と水との間のCT値(-70HU~-20HU)を提供するHSHBM製剤を含むことにより、脂肪及び水との区別を可能にする。本発明の例示的実施形態は、脂肪を下回るCT値及び軟部組織観察ウィンドウ/レベル設定の下限を下回るCT値(-160HU及び-300HU)を示すHSHBM製剤を含むことにより、典型的な腹部ウィンドウ及びレベル設定で観察したときに腸管腔のほぼ一様な濃染の外観を提供する。 [0051]様々な材料のCT値(y軸)及び仮想単色エネルギー画像keV(x軸)のグラフ。ヨード溶液は、低keVで特徴的に高いCT値を示し、keVが高くなるとCT値が小さくなる。逆に、水は、0HUで変化しないままである。筋肉又は他の固形臓器実質などの軟部組織は、低いkeVでCT値が僅かに上昇することを除いて、全keVでCT値がほとんど変化しないままである。標準的な中空ホウケイ酸塩微粒子の水性懸濁液は、高keVで陰性CT値を示し、低keVでCT値が増加する。通常の中空ホウケイ酸塩微粒子(RHBM)のこれらの水性懸濁液の曲線の傾きは、ヨード溶液に類似しているため、かかる懸濁液は、ヨードマップで実質的な望ましくない見かけのヨードシグナルを示すように見える。ヨードと異なり、脂肪は、keVの増加に伴ってCT値の傾きが右上がりになることを示す。本発明の様々な実施形態は、高ケイ素中空ホウケイ酸塩微粒子(HSHBM)の水性懸濁液を利用し、これは、低keVの画像再構成で最小限のCT値の上昇のみを示す。このように負の傾きが最小限であるため、本発明のこれらの様々な実施形態は、脂肪と容易に区別することが可能であり、傾きの程度が小さいことにより、本発明の様々な実施形態がヨードマップ上で偽のヨード濃度として現れることが回避される。keV=キロ電子ボルト。 [0052]水性高ケイ素中空ホウケイ酸塩微粒子(HSHBM)腸内CT造影材料製剤で入手されたCTを示す。A)400/40HUの軟部組織ウィンドウ/レベルで表示されるCTスキャン。B)1500/-600HUの肺ウィンドウ/レベルで表示される同じCTスキャン画像。HSHBM CT造影材料のCT値は、腸後部において-200HUであり(細い矢印)、右のCT画像上の周囲の脂肪(-100HU)よりも濃染される中間的な階調として見られる。HSHBM腸内CT造影材料の腸壁は、周囲の脂肪よりもやや濃染度が高いCT値であるものとして右の軟部組織ウィンドウ/レベルCT画像上に明確に見ることができる(細い矢印)。逆に、空気を含有する腸について(太い矢印)、腸壁は、見えない。空気が充満した腸について腸壁の可視化が失われるのは、軟部組織腸壁(CT値50HU)と隣接する空気(CT値-1000HU)の体積が平均化され、それにより、界面ボクセルが、-160HUを下回るCT値を示すものとレンダリングされ(軟部組織ウィンドウ/レベル外)、従って標準的な軟部組織観察ウィンドウで観察したとき、腸壁がCTスキャン上で黒色としてレンダリングされることが原因である。 [0053]インビトロでの異なる経口造影剤による腸壁測定の正確さを実証するため、腸壁のCT値及び厚さを模擬する2mm厚プラスチックシートに対する異なる材料のCTスキャン。開口しているプラスチックシリンダーを、非強調腸壁のCT値を模擬するように特異的に操作した斜めに置いたプラスチックシート(CIRS phantom)に取り付けた。シリンダーにReadi-Cat 2(商標)硫酸バリウム陽性経口造影剤(CT値375HU)、室内空気(CT値-1000HU)、VoLumen(商標)中性経口造影剤(CT値23HU)、9%w/w被験物質HSHBM腸内CT造影剤(水性懸濁液中の真密度0.29の9%w/w HSHBM、CT値-185HU)及び4%w/w被験物質HSHBM腸内CT造影剤(水性懸濁液中の真密度0.29の4%w/w HSHBM、CT値-85HU)を充填し、このセットアップをキャノーラ油に部分的に浸漬して、周囲の腸間膜脂肪CT値を模擬した。画像は、標準的な軟部組織ウィンドウ/レベルで観察した。ImageJを使用して、2cm長さの関心領域全体におけるバックグラウンドノイズからゼロ±3標準偏差以内であるボクセルの数により腸壁の厚さを測定した。模擬プラスチックシート腸壁の測定された厚さは、硫酸バリウム陽性経口造影剤について1.4mm、空気について0.9mm、VoLumen中性経口造影剤について6mm、9%w/w被験物質HSHBM腸内CT造影剤について2.0及び4%w/w被験物質HSHBM腸内CT造影剤について2.0であった。これらの結果は、例示的HSHB水性懸濁液が、陽性、中性及びガスCT造影剤と比較してインビトロで腸壁の高度に正確な描出を提供することを示している。 [0054]HSHBMを摂取したボランティアのCT腹部画像を示し、ここでは、過剰な濃度のHSHBMが望ましくない偽のヨードシグナルを作り出している。A)15%w/w被験物質HSHBM腸内CT造影剤の水性懸濁液1200mL(水性懸濁液中真密度0.35の15%w/w HSHBM、CT値-195HU)を摂取した後、水、同じHSHBM造影材料(小さい白色の矢印)及びヨード造影剤(太い白色の矢印)を収容するバイアルを腹部の上に置き、患者をデュアルエナジーCTスキャナでスキャンした。B)同じスキャンのヨードマップオーバーレイ上では、ヨード造影剤バイアルに特徴的に異なるヨードシグナル(赤色)が見られ、及びHSHB造影剤バイアルに望ましくない偽のヨードシグナルが見られた。同様に、HSHB造影材料を含んだ腸に望ましくない偽のヨードシグナルが見られた(小さい黒色の矢印)。 [0055]異なるウィンドウ及びレベル観察設定で表示される造影材料のバイアルのCT画像(上段2列)及びヨードマップ(下段)を示す。少量のヨードを収容するバイアル(列A及びB)が示され、列Bは、ヨードをデュアルエナジーCTで検出可能であるヨードの閾値である1mgヨード/mLのヨードを含む。比較のため、ヨードを収容していない水のバイアルを列Cに示す。注記:このインビトロスキャンは、はるかに高いノイズ及びアーチファクトを有することが多く見られる臨床CTスキャンと比べてノイズがはるかに低い。0.27g/cm HSHBM水性懸濁液のバイアルを列D、E及びFに示す。これらのうち、9、5及び3%w/w HSHBMのバイアルは、1mgヨード/mL未満の見かけのヨード濃度を示した一方、より高い濃度のHSHBMバイアルは、1mgヨード/mLより高い望ましくない見かけのヨード濃度を示した。比較のRHBM水性懸濁液は、高い望ましくない見かけのヨード濃度を示した(列I、J及びK)。このCT実験の数値結果を図7に示す。 [0056]様々な造影剤のCT値、80:140kVp CT値比及び見かけのヨード濃度を示すCT実験。HSHBM剤は、270TA及び350TAである。RHBM剤は、45P25、60P18、iM30K及び34Pである。-20~-70HUの経口造影剤についての目標CT値は、水性懸濁液中3%w/wのそれぞれ350TA及び270TAにより実現した。-160HU~-290HUの経口造影剤についての目標CT値は、水性懸濁液中9%w/wの270TAを使用することにより実現した。バイアルA~Kは、図6のCT画像に対応する。n.a=該当なし。Y=イエス。N=ノー。 [0057]デュアルエナジーCTを使用しない静脈内ヨード化及び腸内HSHBM造影材料のCT処理後表示の実証。1200mLの9%w/w被験物質HSHB腸内CT造影剤(水性懸濁液中の真密度0.29の9%w/w HSHBM、CT値-180HU)を摂取した後の患者で入手された静脈内陽性造影剤強調CT。A)ボリュームレンダリング画像は、血管及び一部の臓器を示す。腸内管腔は、その放射線透過性に起因して不透明に表示されない。B)同じ画像であり、ここでは、腸のシード成長セグメンテーションに基づいて腸内造影もボリュームレンダリングしている。静脈内及び腸内の両方の造影材料のこの種の表示は、現在の中性又は陽性腸内造影剤では不可能である。 [0058]デュアルエナジーCTを使用した静脈内ヨード化及び腸内HSHBM造影材料のCT処理後表示の実証。A)軟部組織ウィンドウ/レベル観察設定で表示される、1200mLの9%w/w被験物質HSHBM腸内CT造影剤(水性懸濁液中の真密度0.29の9%w/w HSHBM、CT値-180HU)を摂取した後の及び静脈内造影剤のない腹部のCT。B)軟部組織ウィンドウ/レベル観察設定で表示される、続く静脈内ヨード化陽性造影剤強調CTによる2分後に入手されたデュアルエナジーCTスキャン。矢印は、腸壁の明瞭な静脈内強調による胃及び空腸の解剖学的構造の優れた詳細を示す。腸管腔は、この軟部組織ウィンドウ/レベル観察設定では、それが濃染造影剤(黒色の矢印)を含有するか又はガス(白色の矢印)を含有するかに関係なく、予想どおり黒色であり、従って腸管腔の一様な外観が提供されている。C)ヨードマップオーバーレイは、腸管腔における望ましくない偽のヨードシグナルを示さない。経口造影剤の種類に関係なく、あらゆるDECTスキャンに典型的であるように、幾らかの望ましくない偽のヨードシグナルが筋肉に見られる。D)1500/-600HUの肺ウィンドウ/レベル観察設定により、胃及び空腸の腸管腔に濃染造影剤が含まれることが明らかになり、これは、脂肪CT値と比べてやや濃染度の高い中間的な階調として見える(矢印)。E)ヨードマップは、腸管腔に望ましくない偽のヨードシグナルを示さない。注記:結腸には便が一部存在し、これは、結腸のそれらの区間にHSHBM造影剤が依然として到達していないためである。この便材料は、軟部組織観察設定では中間的なシグナルのように見え、及び偽のヨードシグナルのように見える。 [0059]デュアルエナジーCTを用いた静脈内ヨード化及び腸内HSHBM造影材料についてのCT処理後表示の実証。A)1200mLの9%w/w被験物質HSHBM腸内CT造影剤(水性懸濁液中の真密度0.29の9%w/w HSHBM、CT値-180HU)を摂取した後の及び軟部組織ウィンドウ/レベル観察設定で表示した静脈内ヨード化陽性造影剤による腹部のCT。腸管腔が濃染される。B)ヨードマップ、ここで、ヨードシグナルは、オレンジ色として示される。腸管腔に望ましくない偽のヨードシグナルは見られない(しかし、筋肉には、臨床デュアルエナジーCTでよく見られるとおりの幾らかの望ましくない偽のヨードシグナルが存在する)。C)CT上紫色のオーバーレイとしての腸管腔HSHBM造影レンダリング及びオレンジ色のオーバーレイとしての静脈内ヨード造影レンダリングによるデュアルエナジーCT再構成。軟部組織からの経口から静脈内までの造影のこの種のソフトウェア描出を実現するのは、従来の経口造影剤では、陽性経口造影剤のCT値が陽性IV造影に類似しており、中性経口造影剤のCT値が軟部組織及び生体液に類似しているために容易ではない。 [0060]様々な中空微粒子水性懸濁液によるCT結果の表。HSHBM剤は、CTでの脂肪からの描出を可能にするCTでの-160HU未満を実現する。更に、HSHBM剤は、0.90を上回り及び1.0を下回る80:140kVp CT値比を実現し、これは、デュアルエナジーCTで脂肪及び真のヨードシグナルの両方からの描出に理想的である。注記:ポリマーフェノール系中空微小球もこれらの範囲を実現することができるが、潜在的に毒性があり、安定性が低く、水性懸濁液への可溶化が困難である。 [0061]様々な中空ホウケイ酸塩微粒子(HBM)からの溶出性重金属の表。クラス1元素不純物ヒ素(As)、カドミウム(Cd)、鉛(Pb)及び水銀(Hg)の経口許容1日曝露量(PDE)を本表の第2行に示し、それを145グラムの用量のHBMに推定して、本表の第3行に示す。元素不純物の毒性は、その曝露程度に関係する。中空ホウケイ酸塩微粒子中の溶出性元素不純物のレベルを2つの方法によって評価した。第1の方法は、試料の75%王水消化を用いた後、続いてICP-MS分析した。この表では、結果を百万分率(ppm)で報告する。第2の方法は、胃と同様の酸性環境を模倣した模擬胃液溶液中摂氏40度で8時間の試料インキュベーションを用いた。ろ過後、ろ液をICP-MSによって分析する。以下の表では、通常のレギュラーHBM(RHBM)及び代表的な高ケイ素HBM(HSHBM)材料並びに経口水性製剤について、結果をマイクログラム(ug)として報告する。 [0062]XRF(X線蛍光)により決定したときの、RHBM(通常の中空ホウケイ酸塩微粒子)及びHSHBM(高ケイ素中空ホウケイ酸塩微粒子)の酸化物シェル組成の比較を示す表。 [0063]400/40HUの標準的な軟部組織ウィンドウ/レベル設定を用いて観察した、陽性経口造影剤(左)及びHSHBM経口造影剤(右の画像)で入手された腹部の冠状CTスキャン。陽性経口造影剤スキャンにおける腸管腔(左)は、CT値が-1000(ガス)~+350の範囲であり、黒色~純白色のグレースケール全体にわたるため、腸の濃淡階調の極めて大きいばらつきに起因して、腸を他の構造と区別するのが紛らわしいことがあり得る。濃染HSHBM経口造影剤スキャンの腸管腔は、標準的な軟部組織ウィンドウレベル観察設定で黒色として表示されるであろうCT値をごく僅かに下回る-180HUとなるようにHSHBMを製剤化したため、腸管腔は、一様に黒色又はほぼ黒色であるため、描出がはるかに容易である。更に、両方のスキャンについて、血管は、200HU超である陽性血管内造影剤で強調され、陽性経口造影剤で強調した腸との区別が困難であり得るが(左の画像)、HSHBM経口造影剤で強調した腸と区別することが極めて容易である(右の画像)。これは、本発明者らの発明のHSHBM造影剤が精密に製剤化されていることにより、人間の読影者及び人工知能の両方にとって画像解釈がいかに簡単になるかを例示している。 [0064]CTで120kVpにおいてスキャンした空間分解能CTファントム。空間分解能CTファントムは、1グループ4本のプラスチックバーを5つの同じ厚さの中空スリット間に備えたプラスチックのブロックである。中空スリット及びプラスチックカラムは、1.7、1.3、1.0、0.90、0.73及び0.57mm厚さである(x軸に示す)。プラスチックは、150HUである。プラスチックバーは、CT時の腸ひだを模擬しており、このひだは、厚さが3mm未満、薄ければ1mm厚さ以下まであり得る。スリットに空気(-1000HU)、HSHBGM 9%w/w(-180HU)、水(0HU)及びイオヘキソール希釈液9%I/mL(220HU)の異なる種類の経口造影剤を充填する。CT画像は、400/40HUの典型的な腹部ウィンドウ/レベル設定を用いて表示させる。ファントムスリットにHSHBGMを充填したとき、最良の空間分解能が見られた。HSHBGMを充填したとき、0.90mm厚さ/間隔に至るまであるグループの4本全てのプラスチックバーを見ることができた一方、水を充填すると、4本全てのバーを見ることが可能であったのは、1.0mmまでであり、イオヘキソール陽性経口造影剤では1.3mmまで及び空気では1.7mmまでであった。典型的な腹部ウィンドウ/レベル設定のグレースケールから懸け離れることなく、HSHBGMとプラスチックバーとの間のHUの大きい差により、HSHBGMではプラスチックバーを最良に描出することが可能である。 [0065]「腸壁」CTファントムの厚さ測定値は、-50~-300HUで測定する腸管腔内容物が、異なるCTスキャナ及び異なる視野で腸壁厚さの最も正確な決定を提供することを示している。図4のものと同様のファントムを豚脂に部分的に浸漬し、次に空気(-1000HU)、-700~-50HUのHU値を実現するための様々なHSHBGM水性懸濁液、キャノーラ油(-110HU)、水(0HU)、生理食塩水(5HU)、50~600HUのHU値を実現するためのイオヘキソールの水中希釈液及び市販の経口造影剤Breeza(0HU)、VoLumen(商標)(20HU)、Omnipaque 12%I/mL(300HU)又はReadi-Cat 2(商標)(400HU)(x軸を参照されたい)を含む異なる造影剤又は材料を充填した。2mm厚プラスチックプレートを、40HUの非強調腸壁CT減弱度(図16A)又は165HUの5mg I/mL造影剤強調腸壁(図16B)を模擬するように操作した。ファントムを2つの異なるCTスキャナ(Philips IQon及びGeneral Electric Revolution 256)において2つの異なる視野(0.43mmのボクセルサイズを与える22cm及び0.98mmのボクセルサイズを与える50cm)でスキャンした。各スキャナ及び視野について画像を分析して、プラスチックプレート上に矩形の関心領域を定め、プラスチックプレートのHU測定値の3標準偏差以内である全てのボクセルをカウントし、次にボクセル面積を乗じることにより、プラスチックプレートの見かけの厚さを測定した。非強調腸壁ファントムについて(図16A)、-50~-300HUの腸管腔造影剤について腸壁厚さの測定値が真の2mm厚さを最良に近似した。腸管腔内容物が-300HUより低く及び100HUより高くなると、腸壁厚さが過度に過小評価された一方、腸管腔内容物が0~100HUであると、腸壁厚さが過度に過大評価されたが、後者は、腸壁CT減弱度が腸管腔CT減弱度に近過ぎたことが理由である。IV造影剤強調腸壁ファントムについて(図16B)、この場合にもやはり-50~-300HUの腸管腔造影剤について腸壁厚さ測定値が真の2mm厚さを最良に近似した。腸管腔内容物が-300HUより低く及び100HUより高くなると、腸壁厚さが過度に過小評価された一方、腸管腔内容物が0~100HUであると、腸壁厚さが過度に過大評価されたが、後者は、腸壁CT減弱度が腸管腔CT減弱度に近過ぎたことが理由である。両方の実験とも、CT視野が広くなるほど、結果としてボクセルサイズが大きくなり、従って一層多くの体積が平均化されたため、腸壁厚さ測定値の乱れが悪化した。 400/40HUの典型的な腹部ウィンドウ/レベル設定で示された、異なる濃度及び真密度のHSHBMによる患者のDECTスキャン。上段:350TA HSHBM 15%w/wの経口投与後に入手されたDECTスキャンは、120kVp様画像上で胃管腔(S)において-200HUのCT減弱度を示す(左上)。胃管腔造影材料は、純黒色として示されるために必要な典型的な腹部ウィンドウ/レベルのHUをごく僅かに下回るため、胃壁は、120kVp様画像上でよく描出されている。残念ながら、対応するヨードマップ上では(右上)、黒色でない階調のシグナルとして描出される(黄色の矢印)、2.1mgヨード/mLという受け入れ難い偽のヨード濃度が見られ、これは、真のヨードシグナルと誤解される恐れがあるか、又はその画像再構成上の隣接するヨード造影剤強調構造の真のヨードシグナルを隠す恐れがある。下段:270TA HSHBM 9%w/wの経口投与後に入手されたDECTスキャンは、120kVp様画像上で胃管腔(S)において-180HUのCT減弱度を示す(左下)。このスキャンについて、静脈内ヨード造影剤も提供する。この場合にもやはり、胃管腔造影材料は、純黒色として示されるために必要な典型的な腹部ウィンドウ/レベルのHUをごく僅かに下回るため、胃壁は、よく描出されている。加えて、対応するヨードマップ(右下)は、胃管腔に目に見えるヨードシグナルがないことを示しており(黄色の矢印)、胃管腔における定量的測定値は、1mgヨード/mL未満を示すことから、実質的なヨードシグナルアーチファクトがないことが指摘される。高輝度のヨード造影剤による腸壁の強調が美しく示されている。HSHBM真密度を個々に合わせて調整した適切な濃度の経口造影材料を情報に基づいて製剤化することにより、腸壁の適切なDECTヨードマップ評価が可能となる。 General Electric 750 HD DECTスキャナで入手された、異なるホウケイ酸塩中空微小球懸濁液によるファントムのDECTスキャンであり、120kVp様再構成画像(左の画像)及びヨードマップ(右の画像)である。CTファントムは、7本の空のシリンダーを豚脂で取り囲んで構築し、後者は、ヒト脂肪を模擬するためのものであった。中央のシリンダー内には、水(W)(中央左上)及び水溶液中2mg I/mLを含有するヨードの1つ(I)(中央右下)のバイアルがある。外側のシリンダーには、右上から出発して時計回りに進んで、270TA HSHBM 9%w/w(右上)、270TA HSHBM 7.5%、270TA HSHBM 3%、45P RHBM 30%w/w、45P RHBM 20%w/w及び350TA 15%w/w(左上)を充填する。270TAは、真密度0.27g/cmの被験物質高ケイ素中空ホウケイ酸塩微粒子を指し、45Pは、真密度0.45g/cmの通常の中空ホウケイ酸塩微粒子を指す。350TAは、真密度0.35g/cmの被験物質高ケイ素中空ホウケイ酸塩微粒子を指す。RHBM及びHSHBM懸濁液の全ては、それぞれ-178、-143、-68、-209、-158及び-213HUのHU値で120kVp様CT画像上において濃染するように見え、予想どおり、水は、-9HUであり、2mg I/mLは、38HUである。270TA HSHBM 9及び7.5%w/w懸濁液は、脂肪よりも濃染され、270TA HSHBM 3%w/w懸濁液は、-95HUと測定されて、脂肪よりも輝度が高く、従って120kVp画像上で脂肪と区別できることに留意されたい。ヨード画像再構成上では、予想どおり、水は、-0.4mg I/mLと測定され、ヨードは、1.7mg I/mLと測定される。270TA HSHBM懸濁液は、それぞれ0.7mg I/mL未満と測定され、これは、ヨードの存在の確認となる0.8mg I/mLの閾値を下回るため、ヨードシグナルと誤解されることもなく、隣接構造のヨードの検出を妨げることにもならないであろう。270TA HSHBMは、9、7.5及び3%w/w懸濁液について、それぞれ0.66、0.45及び0.15mgI/mLと測定される。しかしながら、45P RHBM 20及び30%w/w懸濁液は、実際のヨード溶液バイアルより高くても極めて輝度の高いシグナルを示し、それぞれ3.1及び3.9mg I/mLのヨード濃度測定値を示す。350TA HSHBM 15%w/wも1.2mg I/mLのアーチファクト的に高いヨード濃度を示し、これは、実際のヨード含有量との誤解が生じ得るか、又は隣接構造のヨードの存在を不明瞭にし得る。
II.定義
[0066] 特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、概して、本発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解するのと同じ意味を有する。概して、本明細書で使用される命名法及び有機化学の実験室手順、薬学的に許容可能な製剤並びに医用画像化は、当技術分野で周知の一般的に用いられているものである。
[0067] 冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、本明細書では、その冠詞の文法上の指示対象の1つ又は2つ以上(即ち少なくとも1つ)を指して使用される。例として、「要素」は、1つの要素又は2つ以上の要素を意味する。
[0068] 「疾患」は、動物が恒常性を維持できず、及び疾患が改善しなければ動物の健康が悪化し続けるような動物の健康状態である。
[0069] 「同時」投与は、対象に対して実施される医用画像化手順と併せた造影剤の使用を指す。当業者が理解するとおり、対象への造影剤の同時投与は、対象の医用画像において造影剤が目に見えるようにするための医用画像化手順を実施する間又は実施する前の投与を含む。
[0070] 用語「半減期」又は「t1/2」は、本明細書において本発明の腸内造影媒体を患者に投与することに関連して使用されるとき、患者における薬物の有効腸内濃度が2分の1に低下するまでに必要な時間として定義される。造影媒体に関連する半減期は、複数のクリアランス機構、再分布及び当技術分野で周知の他の機構に依存して2つ以上あり得る。造影材料の有効性が中空空隙の完全性に依存する中空粒子造影材料について、有効濃度は、インビボでの水性製剤中の粒子の中空空隙体積の濃度に直接関係している。「半減期」についての更なる説明は、Pharmaceutical Biotechnology (1997, DFA Crommelin and RD Sindelar, eds., Harwood Publishers, Amsterdam, pp 101 - 120)が参照される。
[0071] 「腸内造影媒体製剤」は、本明細書において使用されるとき、特に指定されない限り、対象への投与のための薬学的に許容可能な液体又はペースト製剤であって、少なくとも1つの腸内造影媒体を含み、その媒体を懸濁する少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を伴うことも又は伴わないこともあり、例えば粉末、エマルション又はマッシュの形態における、本明細書に記載されるとおりの腸内造影媒体を、対象への投与に使用する前に薬学的に許容可能な溶媒中に溶解、乳化又は懸濁させることによって調製される製剤を意味する。好ましくは、懸濁媒体は、水である。
[0072] 用語「中空ホウケイ酸塩微粒子」、略して「HBM」は、本明細書では、外径が500ミクロン未満であり、及びガス又は部分真空を含有し得る内部空隙を備えた、ホウケイ酸塩で構成された粒子を記載して使用される。用語「通常のHBM」、略して「RHBM」は、本明細書では、約60~85%のSiOでシェル材料が構成され、及び原子番号が10より大きい原子の酸化物(例えば、酸化ナトリウム又は酸化アルミニウム等)を2%超有するような一部のHBMを指して使用される。用語「高ケイ素HBM」、略して「HSHBM」は、本明細書では、約92%を超える二酸化ケイ素及び約2%未満の原子番号が10より大きい原子の酸化物でシェル材料が構成されるようなHBMを指して使用される。
[0073] 用語「微小球」は、本明細書で使用されるとき、外形が球状であるような一部の微粒子を指す。用語「微粒子」は、本明細書で使用されるとき、直径が約1~約800ミクロンの範囲の微小球及び他の粒子を含む。
[0074] 用語「滞留時間」は、本明細書において腸内造影媒体を患者に投与することに関連して使用されるとき、投与後に腸内造影媒体が患者の体に留まる平均時間として定義される。
[0075] 用語「CT」は、低線量、デュアルエナジー、マルチエナジー及びフォトンカウンティングCTを含む任意の種類のコンピュータ断層撮影画像化を指す。
[0076] 本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容可能な担体」は、微小球(粒子)と組み合わせたとき、微小球と適合性があり、及びその微小球とその担体とを配合する医薬製剤の投与対象が忍容性を示す、任意の材料を含む。例としては、限定されないが、リン酸緩衝生理食塩水溶液、水、油/水エマルションなどのエマルション及び各種の湿潤剤など、標準的な医療用担体のいずれかが挙げられる。他の担体としては、滅菌溶液も挙げることができる。典型的には、かかる担体は、デンプン、乳、糖、ソルビトール、メチルセルロース、特定の種類の粘土、ゼラチン、ステアリン酸若しくはその塩、ステアリン酸マグネシウム若しくはカルシウム、タルク、植物性脂肪若しくは油、ゴム、グリコール類又は他の公知の賦形剤などの賦形剤を含有する。かかる担体としては、香味用、質感用及び着色用添加剤又は他の原料も挙げることができる。かかる担体を含む組成物は、周知の従来方法により製剤化される。
[0077] 本明細書で使用されるとき、「投与すること」は、対象に対する経口投与、局所接触、直腸内、静脈内、腹腔内、病巣内、鼻腔内若しくは皮下投与、髄腔内投与又は外科的に作られた嚢若しくは外科的に設置されたカテーテル若しくは機器への点滴或いは徐放用機器、例えばミニ浸透圧ポンプの植え込みを意味する。
[0078] 用語「腸内造影媒体」は、本明細書で使用されるとき、少なくとも1つのX線吸収物質と、任意選択で少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤であって、それ自体が他の成分、例えば味マスキング剤、抗酸化剤、湿潤剤、流動剤又は抗ケーキング剤、乳化剤等を含み得る賦形剤とを含む乾燥した又は懸濁されていない成分又は成分の混合物を意味すると理解される。「乾燥懸濁混合物」は、後に懸濁媒に溶解又は懸濁されて、本発明の腸内造影媒体製剤を形成し得る。「懸濁媒」及び「薬学的に許容可能な賦形剤」などの用語は、本明細書で使用されるとき、腸内造影媒体の1つ又は複数の成分を乳化又は懸濁させる媒体を指す。
[0079] 用語「コーティング」及び「コートされた」は、本明細書において使用されるとき、酸性、又は中性、又は塩基性pH値を有する環境内にあるときに生体適合性であるコーティングを含むと理解される。
[0080] 用語「濃染」は、本明細書において造影材料について記載するために使用されるとき、約-20HU未満のCT値を有することを指す。
[0081] 用語「粒子(particle)」、「粒子(particles)」及び「微粒子」は、本明細書で使用されるとき、結晶、ビーズ(平滑な、丸い又は球状の粒子)、ペレット、球体及び顆粒など、約1nmより大きい任意の形状の自由流動性の物質を指す。粒子は、中空のバブルであり得るか、又は複数の内部空洞を備え得る。粒子の例示的な具体的粒径としては、それぞれの単一の直径値及びあらゆる端点にわたるより大きい範囲内にある各直径範囲を包含する約1nm~約500ミクロン、例えば1ミクロン~約100ミクロンが挙げられる。様々な実施形態では、粒子は、約5ミクロンより大きい。更に有用な粒径としては、例えば、約5ミクロン~約100ミクロン、例えば約20ミクロン~約70ミクロンが挙げられる。粒子は、ガス又は部分真空を含有し得る。粒子は、固体であり得る。
[0082] 用語「懸濁剤」は、本明細書で使用されるとき、液体(例えば、水性又は油)中への固体の懸濁液の形成及び/又は維持に役立つ、当技術分野で公知の任意の好都合な薬剤を指す。例示的懸濁剤は、キサンタンガム、ジェランガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸塩及びカルボキシルメチルセルロースナトリウムから選択され、キサンタンガムが好ましい。懸濁剤は、任意の有用な量で用いられ得る。例示的な有用な量は、粉末製剤の約0~約20重量%及び経口懸濁液の約0~約10重量%の範囲内である。例示的懸濁剤は、製剤中に約0.1%~約20%、例えば約0.5%~約15%、例えば約1%~約10%、例えば約3%~約8%の量で配合される。
[0083] 「安定している」は、本発明に関連して、懸濁液の製造と、画像診断において対象へのその投与後に医用画像を取得する時点との間又は薬学的に許容可能な担体中に薬剤を懸濁する時点と、画像診断において対象へのその投与後に医用画像を取得する時点との間に異なる相又は層としてその成分に著しく分離することのない懸濁液を指す。非限定的な例示として、画像化は、食道、胃又は小腸の画像化について造影剤の摂取後約1分~約180分の期間が経った後及び結腸の画像化について造影剤の摂取後少なくとも約1時間~約2日に行われ、その時間が経つ間、本発明の懸濁液が異なる層としてその成分に著しく分離することはない。
[0084] 「真密度」は、この用語が本明細書で使用されるとき、ガスピクノメーターを使用して測定され得るなど、大気と自由に連通している周囲ガスを除いた、それが占める体積当たりの材料の質量を指す。「平均真密度」は、この用語が本明細書で使用されるとき、大気と自由に連通している周囲ガス及び材料の粒子間にあるガスを除いた、それが占める体積当たりの材料の所与の試料の質量を指す。平均真密度は、ガスピクノメーターを使用して測定され得る。
[0085] 用語「中空」は、本明細書で使用されるとき、生体使用時の予想される滞留時間中、閉じ込められた空間から放出されるガス又は真空の量が最小限であり、及び閉じ込められた空間に入り込む流体の量が最小限であるような、閉じ込められた、外部環境との連通が高度に制限されているガス又は真空を指す。中空ホウケイ酸塩微粒子内にある任意のガスは、圧力が周囲大気又は懸濁液溶媒より低いか、同じであるか又は高くてもよい。
[0086] 用語「濃染造影剤」は、本明細書で使用されるとき、水よりも低いCT値シグナル(CT値<-20HU)を生じる材料を指す。
[0087] 「不快な味」は、本明細書で使用されるとき、大多数のヒト患者が、含まれる前記腸内造影媒体を経口摂取時に不快な味がすると判断することを意味する。
III.例示的実施形態
A.組成物
[0088] 様々な実施形態では、本発明は、CT画像化時に約-20HUより低い濃染CT値を生じる腸内又は非血管造影剤を提供する。様々な実施形態では、本発明は、水のCT値を下回り、及び脂肪のCT値より高い約-20~約-70HUの製剤の全体的なCT値を有する中空ホウケイ酸塩微粒子を含有する造影剤を提供する。様々な実施形態では、本発明は、標準的な軟部組織ウィンドウ及びレベル観察設定(400及び40のウィンドウ及びレベル)で観察した標準的なCT画像上で黒色として表示されるであろうCT値の範囲を下回るが、腸壁の視認性を過度に喪失させるほど陰性のCT値ではない約-160~約-300HUの製剤の全体的なCT値を有する中空ホウケイ酸塩微粒子を含有する造影剤を提供する。例示的材料としては、SiOを約90%より多く含有し、及びz>10の他の非ケイ素原子の酸化物を約10%未満含有するシェル材料を備えた中空ホウケイ酸塩微粒子が挙げられる。
[0089] 様々な実施形態では、本発明の造影媒体の粒子のシェルは、主にSiOで形成される。様々な実施形態では、本造影媒体の粒子のシェルは、約90%を超えるSiOを含有する。様々な実施形態では、本造影媒体の粒子のシェルは、約90%を超えてSiOを含有し、Bを約5%未満含有し、及び原子番号が10より大きい原子の酸化物を約4%未満含有する。
[0090] 様々な実施形態では、粒子の真密度は、約0.05g/cmより高い。様々な実施形態では、本発明の造影媒体の粒子の真密度は、少なくとも約0.1、少なくとも約0.2又は少なくとも約0.25g/cmである。様々な実施形態では、粒子の真密度は、0.5g/cm未満、0.4g/cm未満又は0.35g/cm未満である。
[0091] 様々な実施形態では、粒子の内部空間は、本明細書で考察するとおり、少なくとも部分的にガスが充満している。粒子の内部に空気以外のガスが少なくとも部分的に充満しているとき、そのガスは、好ましくは、炭化水素、フッ化炭素、硫黄化合物又はヒドロフルオロカーボンではない。様々な実施形態では、ガスは、元素ガスである。様々な実施形態では、ガスは、二酸化炭素、酸素、窒素、空気又はこれらの組み合わせを含有する。
[0092] 本発明の例示的粒子は、真密度が低いが、実質的な等静圧破砕強度を維持し、医用超音波画像化の力で壊れないため、中空空隙が画像化対象生物の体内にある生理的力によって容易に破壊されなくなる。本発明の例示的粒子は、500psiの等静圧の圧力に供したとき、中空体積の5%以下の損失を示す。本発明の例示的粒子は、従来の超音波バブル造影材料のバーストに使用されるパルスを含めて、超音波画像化及び医用画像化時のパルスに約15分間供されたとき、中空体積の約2%を超える損失を示さない。
[0093] 本発明の例示的造影媒体は、胃腸管の管腔又は他の体腔のCT値を、軟部組織ウィンドウ/レベル観察設定で純黒色を下回るCT値まで低下させる。本発明の例示的造影媒体は、CT画像化時における胃腸管の管腔又は他の体腔のCT値を水と脂肪との間のCT値まで低下させる。
[0094] 本発明者らの発明の造影剤は、以下の利益の1つ以上を伴う改良されたCT画像化適用を提供することができる:
1)本発明の造影材料を含有する腸管腔又は非血管構造は、現在利用可能な造影材料を充満させた場合と比べて軟部組織とより容易に区別することができる。
2)腸又は非血管構造を本発明の造影材料で充満させて、CT画像化時、静脈内陽性CT造影剤によって強調される血管構造又は軟部組織と区別することができる。
3)CT画像化のために腸内又は非血管構造を本発明の造影剤で不透明にすることができ、それは、単色エネルギースペクトルCTにおけるCTシグナルに基づくか、又はデュアルエナジー若しくはスペクトルCTでの低エネルギー対高エネルギーのX線減弱度相対比による、そうした構造の血管内陽性造影材料に関連する壁の強調(腸壁、膀胱壁、他の壁、炎症又は新生物などの関連疾患を含むもの)の判定を妨げない。
[0095] 様々な実施形態では、本発明は、腸内造影剤中空ホウケイ酸塩微粒子を提供する。様々な実施形態では、本造影剤は、-20~-70HUのCT値を提供するように選択することができる。様々な実施形態では、本造影剤は、-160~-300HUのCT値を提供するように選択することができる。様々な実施形態では、本造影剤製剤は、水性媒体中に中空ホウケイ酸塩微粒子を含む。
[0096] 様々な実施形態では、中空ホウケイ酸塩微粒子のシェル材料は、約0.3~約8%、例えば約0.5~約7%、約1%~約6%、例えば約2%~約4%の三酸化ホウ素を含む
[0097] 例示的実施形態では、本粒子の中空ルーメン内容物は、二酸化炭素であるか、又は大部分が酸素、窒素及び二酸化炭素である。様々な実施形態では、本中空粒子の内容物は、硫黄を含有しないか又は本質的に硫黄を欠いている。
[0098] 例示的実施形態では、中空ホウケイ酸塩微粒子は、約0.1~約0.4g/cmの平均真密度を有する。例示的実施形態では、中空ホウケイ酸塩微粒子は、約0.2~約0.35g/cmの平均真密度を有する。
[0099] 1つ又は2つ以上の中空ホウケイ酸塩微粒子タイプを一緒に使用し得る。
[00100] 任意の有用な懸濁剤又は懸濁剤の組み合わせを本発明の製剤に利用することができる。様々な実施形態では、懸濁剤は、チキソトロピー性を示し、静止時にゲル様媒体を形成するが、撹拌に伴って液体を形成する。
[00101] 例示的実施形態では、腸内造影媒体は、薬学的に許容可能な担体中にHBMが懸濁されて製剤化される。
[00102] 例示的実施形態では、中空ホウケイ酸塩微粒子は、コートされることにより、媒体中の懸濁の改善、真密度の増加など、造影材料に有用な特性を提供するか、又はCT値若しくは80:140kVp CT値比を改変するか、又はCT、若しくはDECT、若しくはマルチエナジーCT又はフォトンカウンティングCT画像化時の見かけのヨード濃度を改変する。
[00103] 例示的実施形態では、コーティングは、約3kd未満、約2kd未満又は約1.5kd未満の分子量の有機分子を含む。例示的実施形態では、コーティングは、約3kd未満、約2kd未満又は約1.5kd未満の分子量の有機分子を含み、この有機分子は、有機酸(又はアルコール、アミン)及びその誘導体若しくは類似体、オリゴ糖並びにこれらの組み合わせから選択されるメンバーである。
[00104] 例示的実施形態では、コーティングは、タンパク質、例えばアルブミンである。
[00105] 様々な実施形態では、本発明の粒子は、生体適合性コーティングでコートされる。適切なコーティングは、当技術分野で公知であり、特定の製剤及び/又は適用に適切なコーティングを選択することは、当業者の技能の範囲内にある(例えば、Yeh BM, Fu Y, Desai T、国際公開第2014145509 A1号を参照されたい)。
[00106] 本発明の製剤の懸濁相は、任意の有用な粒径及び粒径範囲の粒子を含み得る。粒子についての例示的な具体的粒径としては、各単一の直径値及びあらゆる端点にわたるより大きい範囲内にある各直径範囲を包含する約1nm~約500ミクロン、例えば1ミクロン~約100ミクロンが挙げられ;様々な実施形態では、粒子は、約5ミクロンより大きい。更に有用な粒径としては、例えば、約5ミクロン~約100ミクロン、例えば約20ミクロン~約70ミクロンが挙げられる。
[00107] 本発明の製剤は、単一の腸内造影媒体又は2つ以上の腸内造影媒体を含み得る。媒体は、任意の有用な濃度尺度によるとき、同様の又は異なる濃度で存在し得る。例示的実施形態は、異なる濃度の1つ以上の粒子又は可溶性薬剤を含み、そのため、造影製剤全体において各々が水と比べたX線減弱度に実質的に寄与することになる。このように、様々な実施形態では、前記製剤の重量の約1%(w/w、重量パーセントとして表され、例えば約1グラムの造影剤粒子が約100グラムの全造影製剤中に含まれる)~約10%(w/w)が前記粒子である。例示的実施形態では、製剤は、約3%(w/w)~約9%(w/w)の粒子を含む。例示的実施形態では、製剤は、約1%~約3%(w/w)の粒子を含む。
[00108] 例示的実施形態では、本発明は、前記ホウケイ酸塩中空粒子が約1%以上、例えば約2%以上約10%以下を占める製剤を提供する。
[00109] 本発明の製剤は、薬学的に許容可能な溶媒中に懸濁された本発明の中空ホウケイ酸塩微粒子の集団を含む。溶媒は、任意の他の有用な成分を含む。例えば、一部の実施形態では、溶媒は、水性媒体を含み、それは、製剤に第2の特性を付与する、例えば腸内での前記製剤の脱水を遅らせ、香味を提供し、懸濁液を安定化させ、懸濁液の流動性を亢進させ、懸濁液を増粘し、pH緩衝を提供し、及びこれらの組み合わせの添加剤を更に含む。
[00110] 本発明の範囲内には、単回投薬量投与のために設計された製剤がある。このような単位投薬量剤形は、それが投与される対象において検出可能なコントラストを提供するのに十分な量の本発明の製剤を含有する。例示的実施形態では、単位投薬量製剤は、その単位投薬量が投与された対象の診断用画像を診断上有意味な方法で強調するのに十分な腸内造影媒体を保持する容器を含む。容器は、バイアル、注入バッグ、ボトル、サシェ又は任意の他の適切なベッセルであり得る。腸内造影媒体は、予め製剤化された液体、濃縮液又は粉末の形態であり得る。例示的実施形態では、対象は、体重が約70kgである。例示的実施形態では、画像は、対象の腹部、対象の骨盤又はこれらの組み合わせを通して測定される。
[00111] 様々な実施形態では、単位投薬量製剤は、1回の成人ヒト用量当たり約800~約1500mLの造影剤を含み、これは、約300~約600mLのサイズなど、小型の容器に分割され得る。例示的実施形態では、腸内造影媒体製剤は、約50~約100mLの単位投薬量製剤である。例示的実施形態では、腸内造影媒体製剤は、約100mL~約800mLの単位投薬量製剤である。
[00112] 本明細書に記載される製剤のいずれも、種々の経路のいずれかを通した投与のために製剤化して利用することができる。例示的投与経路としては、経口、直腸、膣内、血管内、髄腔内、小胞内などが挙げられる。
[00113] CT画像化で造影材料として使用するための低濃度のHBM造影材料については、記載されていない。例示的実施形態では、製剤中のHBMは、低濃度であり、例えば製剤の約0.5%(w/w)~約10%(w/w)、例えば約1%~約4%、例えば約1.5%~約3%である。
[00114] 様々な実施形態では、本発明の腸内造影媒体及び好ましくはその製剤は、広いpH範囲(例えば、約1.5~約10)にわたって化学安定性を呈する。胃は、腸内内容物を1.5の低pHに曝露し、胆汁及び小腸は、腸内内容物を最高10に至る高いpHに曝露し得る。物理化学的安定性は、安全性の決定的に重要な要素であり、反応又は有害事象のリスクを最小限に抑えることを促進する。有害反応は、胃腸管において材料の過剰な溶解若しくは分解が起こった場合又は分解産物が潜在的に毒性である場合に起こり得る。
[00115] 様々な実施形態では、本発明は、目的の解剖学的構造内に十分に高いHBM濃度が残っている状態で画像化実験を完了することを可能にするのに十分に長いt1/2の腸内造影媒体及び造影媒体の製剤を提供する。様々な実施形態では、本発明は、対象の身体によって変化する前に(代謝、加水分解、酸性化等)、投与されたHBMの本質的に全てが対象の体外に排出されることを可能にするのに十分に短いインビボ滞留時間を有する腸内造影媒体及び製剤を提供する。
[00116] 様々な実施形態では、製剤の小腸腸内通過時間は、正常な対象において12時間未満である。例示的実施形態では、製剤は、腸内通過時間を加速させるため、ポリエチレングリコール又はソルビトール、マンニトール及びキシリトールなどの糖アルコール類又は両方を含む。
[00117] 例示的実施形態では、本発明は、溶解が緩徐であるため、投与されたHBM粒子の大部分が、対象の身体によって変化する前に胃腸管から排出され、及び溶解又は変化した部分が尿路によって排泄されるような腸内造影媒体を提供する。
[00118] 本発明の薬学的に許容可能な製剤は、任意選択で、賦形剤及び他の成分、例えば1つ以上の甘味料、香味料及び/又は苦味若しくは不快な味を隠すための追加的な味覚修飾剤、懸濁剤、流動化剤、抗酸化剤、保存剤及び他の従来の賦形剤などを必要に応じて含み得る。
[00119] 本発明の懸濁液は、任意選択で、必要に応じて1つ以上の抗酸化剤、味覚修飾剤、甘味料、流動化剤、懸濁剤及び保存剤を含み得る。
[00120] 理解されるであろうとおり、上記の任意選択の成分は、本発明の粉末製剤に加えられ得るか、又は本発明の経口懸濁液に加えられ得る。
[00121] 本明細書での使用に好適な抗酸化剤としては、当技術分野でこの目的のために公知の任意の好都合な薬剤が挙げられ、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、塩酸システイン、クエン酸、コハク酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタ重亜硫酸ナトリウム又は亜硫酸水素ナトリウム含有EDTAなどが好ましい。
[00122] 抗酸化剤は、当業者に明らかであろうとおり、製剤を酸化から保護するであろう量で利用され得る。
[00123] 本発明の製剤における使用のための甘味料は、当技術分野でこの目的のために公知の任意の好都合な薬剤であり得、スクロース、フルクトース、デキストロース、キシリトール、ソルビトール又はマンニトールのような天然甘味料並びにアスパルテーム、アセスルファムK及びスクラロースなどの人工甘味料など、任意の適合性のある甘味料群から選択され得る。スクラロース及びソルビトールが好ましい甘味料である。
[00124] 香味料及び香味修飾剤又は味覚修飾剤も味を更に改善するために使用され得、当技術分野でこの目的のために公知の任意の好都合な薬剤であり得、限定されないが、オレンジフレーバー、バニラフレーバー、タフィーフレーバー、甘草フレーバー、オレンジバニラフレーバー、クレームドマント、チェリーフレーバー、チェリーバニラフレーバー、ベリーミックスフレーバー、パッションフルーツフレーバー、セイヨウナシフレーバー、イチゴフレーバー、マンダリンオレンジフレーバー、風船ガムフレーバー、トロピカルパンチフレーバー、ブドウ用ジューシーコンパウンド、ブドウフレーバー、人工ブドウフレーバー、ブドウ風船ガムフレーバー、トゥッティフルッティフレーバー、柑橘類フレーバー、レモンフレーバー、チョコレートフレーバー、コーヒーフレーバー、抹茶フレーバー及びこれらの組み合わせが挙げられる。
[00125] 懸濁剤は、当技術分野でこの目的のために公知の任意の好都合な薬剤であり得、キサンタンガム、ジェランガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸塩、カルボキシルメチルセルロースナトリウム及びこれらの組み合わせから選択され得、一部の実施形態ではキサンタンガムが好ましい。
[00126] 保存剤は、当技術分野でこの目的のために公知の任意の好都合な薬剤であり得、メチルパラベン及びプロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム並びにこれらの組み合わせなど、薬物活性分と適合性のある任意の化合物からなる群から選択され得、一部の実施形態ではメチルパラベンが好ましい。
[00127] 本発明は、臨床及び/又は研究設定における使用のためのキットも提供する。例示的キットは、(a)本発明の腸内造影媒体を収容する第1のバイアル;(b)懸濁剤を収容する第2のバイアル;及び(c)腸内造影媒体を懸濁液として使用及び/又は製剤化するための指示書を含む。様々な実施形態では、本キットは、第2の造影媒体を収容する別のバイアル;及び臨床又は研究設定で第1及び第2の腸内造影媒体を投与及び/又は製剤化するための指示書を更に含む。
B.方法
[00128] 本発明は、本発明の製剤を利用して、本発明の製剤が投与される対象から臨床的に有意味なCT画像を取得及び強調する方法も提供する。この方法は、対象に診断上有効な量の本発明の前記腸内造影媒体製剤を投与すること;及び対象のCT画像を取得することを含む。
[00129] 本発明は、本発明の製剤が投与される対象から臨床的に有意味なCT画像を取得して強調するために注入又は経口摂取され得るヨード化剤などの追加のCT造影剤と同時に本発明の製剤を利用する方法も提供する。この方法は、対象に診断上有効な量の本発明の腸内造影媒体製剤を投与すること、次に別のCT造影剤を注入すること、次に対象のCT画像を取得することを含む。CT画像は、従来のCTスキャナで又はデュアルエナジーCT、マルチエナジーCT若しくはフォトンカウンティングCTスキャナによって取得され得る。
[00130] 例示的実施形態では、本発明は、本発明の腸内造影媒体が分布する対象の領域からの対象の造影剤強調CT画像を提供する。本発明の前記造影剤強調CT画像は、従来の単色エネルギースペクトルCT画像であり得るか、又はデュアルエナジー、マルチエナジー若しくはフォトンカウンティングCT技術を活用する関連するCT画像の再構成を伴う若しくは伴わないデュアルエナジー、マルチエナジー若しくはフォトンカウンティングCT画像であり得る。例示的実施形態では、本発明のCT画像は、本発明の腸内造影媒体がヨード化造影材料と共に分布する対象の領域からのヨード画像又はヨードマップを提供する。
[00131] 本発明の画像及び本発明の方法により取得されたものは、本発明の造影媒体を利用する。画像は、対象の身体の任意の断面で撮られる。例示的方法において、画像は、対象の腹部及び/又は骨盤からのものである。
[00132] 以下の実施例は、本発明の例示的実施形態を説明するために提供され、その範囲を定義又は限定するものではない。
実施例1
[00133] 95%SiO、2%B及び3%未満の原子番号が10より大きい酸化物(ナトリウム、アルミニウム、マグネシウム及び酸化カルシウムなど)で構成されたシェル材料を備えるホウケイ酸ガラス中空微粒子「被験物質」(TA)を、ヘリウムガスピクノメトリーにより決定したときに0.35g/cmの真の重力として形成した。中空ホウケイ酸塩微粒子の形成には、硫黄は関わらなかった。この被験物質を350TAと命名した。シェル組成は、X線蛍光により確認した。次に、350TAを被験物質の30%、20%、15%、10%、5%及び3%w/w懸濁液として水溶液中に懸濁し、水溶液は、0.2~0.4%w/wキサンタンガム及び3%w/wソルビトールを含有した。
[00134] 4つの350TA懸濁液をデュアルエナジーCTスキャナにおいてインビトロでスキャンし、これは、図7に示す結果を示した。これらの350TA懸濁液のうち、3%及び10%w/w350TA製剤は、従来のCTで水/軟部組織(-20~50HU)及び脂肪(-70~-120HU)の両方と区別するのに十分なCT値範囲(それぞれ-43~-48HU及び-125~-143HU)を提供した一方、検出可能なヨード(1mgI/mL)未満のヨードマップヨード濃度計算値(それぞれ0.38及び0.92mg I/mL)も提供した。他の350TA製剤は、いずれも1mg I/mLより高いヨードマップヨード濃度計算値を示すか(15%、20%及び30%w/w 350TA製剤)、又は正常な脂肪(5%w/w 350TA製剤)と重なり得るCT値を示した。小型のファントム/インビトロ実験におけるヨードマップ上での計算によるヨード濃度の正確さは、より大きい患者サイズ及び内臓の動きに起因して、インビボで予想し得るよりもはるかに少ないノイズを示すことに留意されたい。インビボでは、更に高いノイズ及び低いヨード濃度検出限界が予想される
[00135] 最高4%の香味料及び2%のスクラロース及び保存剤を含む追加的な賦形剤で製剤を再試験したところ、同様のCT結果となった。
[00136] 4%香味料及び2%スクラロースを含む15%w/w 350TA懸濁液を健常ボランティアに経口経路により与えた。350TA懸濁液を摂取する前及び摂取した後、ボランティアをDECTスキャナでスキャンした。350TA懸濁液の体積は、400~2000mLの範囲であった。-170HUのCT値平均の350TA懸濁液によって腸がマークされたことが見出され、これにより圧倒的多数の場合に体脂肪から容易に描出することが可能になった。しかしながら、DECTヨードマップ再構成は、筋肉などのバックグラウンド軟部組織と同程度であるか又はそれより高い望ましくない低レベルのヨード濃度計算値を示した(図5)。血中にケイ素の取込みは見られず、270TA製剤を摂取した後の1時間、4時間及び1日の時点でボランティアから尿中ケイ素がバックグラウンドレベルを上回って増加したパターンは見らなかった。重篤有害事象は認められなかった。
実施例2
[00137] 真の重力が0.27g/cmの、95%SiO、2%B及び2%未満の原子番号が10より大きい酸化物(例えば、酸化ナトリウム、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム)で構成されたシェル材料を有する中空ホウケイ酸塩微粒子「被験物質」(TA)。中空ホウケイ酸塩微粒子の形成には硫黄は関わらなかった。真の重力は、ヘリウムガスピクノメトリーにより確認した。この被験物質を270TAと命名した。シェル組成物は、X線蛍光により確認した。次に、270TAを20%、15%、9%、5%及び3%w/wの被験物質の懸濁液として水溶液中に懸濁し、水溶液は、0.2~0.5%w/wキサンタンガム及び3%w/wソルビトールを含有した。
[00138] 4つの270TA懸濁液をデュアルエナジーCTスキャナにおいてインビトロでスキャンし、これは、図6及び図7に示す結果を示した。これらの270TA懸濁液のうち、3%及び9%w/w 270TA製剤は、従来のCTで水/軟部組織(-20~50HU)及び脂肪(-70~-120HU)の両方と区別するのに十分なCT値範囲(それぞれ-62.1~-62.7HU及び-159~-171HU)を提供し、検出可能なヨード(1mgI/mL)未満のヨードマップヨード濃度計算値(それぞれ0.21及び0.75mg I/mL)も提供した。他の270TA製剤は、いずれも1mg I/mLより高いヨードマップヨード濃度計算値を示すか(10%、15%及び20%w/w 270TA製剤)、又は正常な脂肪(5%w/w 270TA製剤)と重なり得るCT値を示した。小型のファントム/インビトロ実験におけるヨードマップ上での計算によるヨード濃度の正確さは、より大きい患者サイズ及び内臓の動きに起因して、インビボで予想し得るよりもはるかに少ないノイズを示すことに留意されたい。
[00139] 最高4%の香味料及び2%のスクラロース及び保存剤を含む追加的な賦形剤で270TA製剤を再試験したところ、同様のCT結果となった。
[00140] 0.3%キサンタンガム、3%ソルビトール、4%香味料及び2%スクラロースを含む9%w/w 270TAの製剤を1200mL用量として32例の患者ボランティアに経口投与した。ボランティアは、270TA製剤を摂取する前及び摂取した後にCTで画像化した。270TA製剤を摂取した後のCTスキャンは、デュアルエナジーCTを利用し、静脈内造影材料を注入した。例示的画像を図7、図9及び図10に示す。胃では-180HU並びに遠位回腸及び盲腸では-220HUの平均CT値の270TA製剤によって腸管腔がマークされ、及び膨張し、これにより従来のCT画像でのヨード化造影材料、軟部組織及び脂肪からの270TA造影材料製剤の容易な描出が可能になった(図8及び図9)。DECTヨードマップ画像の再構成時、腸管腔に1mg I/mLを上回る目に見える望ましくない偽のヨードシグナル計算値は見られなかった(図9、図10及び図17)。DECT画像は、270TAシグナルから真のヨードシグナルを明瞭に描出することが可能であり、胆嚢及び膀胱のものなど、生体液から並びに脂肪及び筋肉からも270TAシグナルを描出することができる(図9及び図10)
[00141] 血中にケイ素の取込みは見られず、270TA製剤を摂取した後の1時間、4時間及び1日の時点で270TA製剤を摂取したボランティアに尿中ケイ素がバックグラウンドレベルを上回って増加したパターンは見られなかった。重篤有害事像は認められなかった。
実施例3
[00142] 患者が硫黄に曝露すると、望ましくない反応が生じ得るため、薬物又は医療機器中の硫黄の量は、最小限に抑えるべきである。Leco硫黄分析器で測定したときのRHBM(通常の中空ホウケイ酸塩微粒子、iM30K、45P25及び60P18を含む)と、HSHBM(高ケイ素ホウケイ酸ガラス中空微粒子、真密度が0.27及び0.35のものを含む)との間の全硫黄分。方法には、HBM試料を誘導炉で試料に酸素流を送り込みながら1350℃に加熱することが関わる。試料から放出された二酸化硫黄がIR検出により測定され、全硫黄分が報告される。試験したHSHBMは、それぞれ検出可能値を下回る硫黄分(0.01%未満)を示した一方、RHBMのiM30K、45P25及び60P18は、それぞれ0.08%、0.15%及び0.16%の硫黄分を示した。
[00143] 様々な例示的実施形態及び例を参照することにより本発明を説明した。当業者に明らかであろうとおり、当業者により、本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の他の実施形態及び変形形態が考案され得る。添付の特許請求の範囲は、かかる実施形態及び均等な変形形態の全てを包含すると解釈されるべきである。
[00144] 本明細書に引用されるあらゆる特許、特許出願及び刊行物の開示は、全体として参照により本明細書に援用される。
実施例4
[00145] 開口しているプラスチックシリンダーを、40HUである非強調腸壁のCT値(図4及び図16A)又は約165HUであるように選択した静脈内ヨード造影剤強調腸壁(図16B)に対応するように操作した2.0mm厚プラスチックシートに取り付けて、CTファントムを構築した。ファントムをキャノーラ油(図4)又は豚脂(図16A及び図16B)に部分的に浸漬することにより、腹部において典型的に腸を取り囲んでいるヒト脂肪を模擬し、次にシリンダーに、ある範囲のCT値を有する様々な造影媒体を充填した。CT時の模擬した腸壁の測定された厚さは、-50HU~-300HUのCT値の造影媒体について、操作した腸壁ファントムが強調されていないか、又はヨード静脈内造影材料で強調されているか否かに関係なく、ほぼ緊密に及び一貫して真の2.0mm厚さを近似した。これらの優れた性能を発揮する例示的造影媒体は、2%~25%のHSHBGM濃度を有した。
[00146] ヨード静脈内造影材料で強調したある範囲の厚さの腸壁ひだを模擬する、プラスチックで構築した空間分解能ファントムに異なる市販の経口造影媒体及び例示的HSHBGM造影媒体を充填し、このうちの後者は、-180HUのCT値を有した(図15)。標準的なCTスキャンパラメータを使用して120kVpでCT画像化し、400/40HUの典型的な腹部ウィンドウ/レベル設定で表示したとき、例示的HSHBGM造影媒体で入手されたCT画像は、市販のCT経口造影媒体で見られるよりも良好な空間分解能を示した。
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Claims (30)

  1. 対象の腹部又は骨盤に対して実施される医用CT画像化手順と同時の前記対象への経口送達のために製剤化される腸内造影媒体製剤であって、
    90%超のSiO及び8%未満の、z>10の非酸化ケイ素を含有するシェルを備える中空ホウケイ酸塩微粒子と、水性溶媒成分であって、薬学的に許容可能な水性溶媒である水性溶媒成分との懸濁液を含む腸内造影媒体
    を含み、CT画像化時、120kVpで画像化されたときに-70~-20HU又は-160~-300HUのCT値を与える腸内造影媒体製剤。
  2. 対象の腹部又は骨盤に対して実施されるCT画像化手順と同時の前記対象への経口送達のために製剤化される腸内造影媒体製剤であって、シェル材料及び請求項1に記載のCT画像化特性を備える中空ホウケイ酸塩微粒子を含む腸内造影媒体製剤。
  3. 診断上有効な量の前記腸内造影媒体を含む単位投薬量製剤である、請求項1又は2に記載の腸内造影媒体製剤。
  4. 400mL~600mLの体積などのより小さい容器に分割され得る、1回の成人ヒト用量当たり約800mL~約2000mLの単位投薬量製剤である、請求項1~3のいずれか一項に記載の腸内造影媒体製剤。
  5. 約50~約100mLの体積の単位投薬量製剤である、請求項1~4のいずれか一項に記載の腸内造影媒体製剤。
  6. 約100mL~約800mLの体積の単位投薬量製剤である、請求項1~5のいずれか一項に記載の腸内造影媒体製剤。
  7. デュアルエナジーCT、マルチエナジーCT又はフォトンカウンティングCTにおける前記製剤の見かけのヨード濃度は、ヨード画像再構成時に1.0mgヨード/mL未満である、請求項1~6のいずれか一項に記載の腸内造影媒体製剤。
  8. 前記中空ホウケイ酸塩微粒子は、硫黄を含有しない、請求項1~7のいずれか一項に記載の腸内造影媒体製剤。
  9. 前記中空ホウケイ酸塩微粒子の少なくとも約0.5%重量/重量百分率(水性製剤中の重量/重量百分率に関して約1.0%~約15%)を占める、請求項1~8のいずれか一項に記載の腸内造影媒体製剤。
  10. 前記懸濁剤は、キサンタンガム、グアーガム、ジェランガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸塩、ポリエチレングリコール鎖及びカルボキシルメチルセルロースナトリウムから選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の腸内造影媒体製剤。
  11. 単位投薬量製剤であり、及び400mLの水性懸濁液当たり約3g超の前記中空ホウケイ酸塩微粒子を含有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の腸内造影媒体製剤。
  12. 前記懸濁剤は、キサンタンガム又はジェランガムを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の腸内造影媒体製剤。
  13. 前記薬学的に許容可能な溶媒は、腸内で前記製剤の脱水を遅らせるための添加剤、香味剤、増粘剤、流動剤、pH緩衝液、緩下剤、浸透圧調整剤、保存剤及びこれらの組み合わせを更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の腸内造影媒体製剤。
  14. 前記中空ホウケイ酸塩微粒子は、約0.15~約0.40の真の重力を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の腸内造影媒体製剤。
  15. 前記中空ホウケイ酸塩微粒子は、約10~約60マイクロメートルの平均直径を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の腸内造影媒体製剤。
  16. 前記中空ホウケイ酸塩微粒子は、約60~約200マイクロメートルの平均直径を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の腸内造影媒体製剤。
  17. 前記腸内造影媒体は、CT画像化のための投与時点の近くで水又は他の前記許容可能な医療用水性溶媒と混合される粉末状又は他の濃縮された形態において、投与可能な腸内造影媒体を調製するための説明書及び任意選択で前記投与可能な腸内造影媒体を対象に投与するための1つ以上の機器と共に提供される、請求項1~16のいずれか一項に記載の腸内造影媒体製剤。
  18. 前記中空ホウケイ酸塩微粒子は、前記製剤の重量の1.0%以上を構成する、請求項1~17のいずれか一項に記載の腸内造影媒体製剤。
  19. 対象の造影剤強調CT画像化を取得する方法であって、診断上有効な量の、請求項1~18のいずれか一項に記載の腸内造影媒体製剤を前記対象に投与することを含む方法。
  20. 前記CT投影データは、CT画像に再構成される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記CT画像は、前記腸内造影媒体製剤を腹部又は骨盤内の他の材料又は組織から区別するために使用される、請求項19又は20に記載の方法。
  22. 機械学習又は人工知能は、前記CT画像内の解剖学的構造をセグメント化するために使用される、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. コンピュータ支援診断、機械学習又は人工知能は、前記CT画像内のCT所見を同定するために使用される、請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. コンピュータ支援診断、機械学習又は人工知能は、前記CT画像内の診断を同定するために使用される、請求項19~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記画像は、前記対象の腹部及び骨盤から選択される領域の画像である、請求項19~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記腸内造影剤は、
    (a)口、膣、膀胱、直腸及び尿道から選択される天然の体腔;
    (b)回腸嚢、ハルトマン嚢及び代用膀胱から選択される、外科的に作られた空間;
    (c)瘻、洞管及び膿瘍から選択される、傷害によって作られた空間;又は
    (d)カテーテル、チューブ、リザーバ、パウチ及びポンプから選択される医療機器
    を通した送達によって前記対象に投与される、請求項19~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. (a)請求項1~17のいずれか一項に記載の腸内造影媒体を収容する第1のバイアル又はバイアルの組;
    (b)第2の造影媒体を収容する第2のバイアル;及び
    (c)前記腸内造影媒体を、前記第2の造影媒体を伴って又は伴わずに製剤化するための指示書
    を含むキット。
  28. 前記対象を診断することを含む、請求項19~25のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記対象は、悪性腫瘍、炎症、感染及び虚血並びにこれらの組み合わせから選択される傷害を有すると診断される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記対象は、腸又は腸に隣接する組織が関わる解剖学的詳細について評価される、請求項29に記載の方法。
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