JP6947373B2 - 放射線治療装置及びその作動方法 - Google Patents
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この技術分野に関連し、特許文献1には、コンピュータ化された(空間的および時間的)多次元の画像解析を、人体部位の連続した画像による3次元スキャン(CTスキャナ等)における変化(構造的または機能的)の自動数量化、異物位置検出、一貫した診断の提供などに適用する概念が記載されている。
従来は、CTスキャナの3次元データ同士の比較、もしくは、X線画像(2次元画像)同士の対比に基づいて、位置ずれの有無を判定していた。しかしながら、CTスキャナによる3次元データを比較する場合、X線による被曝の問題が生じる。また、X線画像(2次元画像)同士を対比する場合もX線による被曝の問題が生じると共に、(3次元情報に比べ情報量が少ないため)対比精度の問題が生じる。
本発明に係る放射線治療装置の第一実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
固定部100は、放射線治療室の床面FLに固定される。床面FLに固定された固定部100は、放射線照射部101と、回転支持部102と、3Dスキャナ部103と、を支持する。
放射線照射部101は、寝台2に固定された患者に向けて、治療のための放射線を照射する。
回転支持部102は、固定部100に対して、軸部102aの軸線Azを中心に回転駆動される。回転支持部102は、放射線照射部101を支持しており、回転駆動により放射線照射部101を軸部102aの軸線Azの回りに回転させる。回転支持部102は、当該回転駆動により放射線照射部101を、寝台2に固定された患者の回りに回転させる。なお、以下、回転支持部102の回転する方向を「回転方向Dc」という。
例えば、軸部102aの軸線Azに対し、寝台2に固定された患者OBJの体位軸の軸線を自由に変更できるように寝台2を構成してもよい。具体的には、固定部100を中心として、寝台2を水平面内で旋回可能に構成してもよい。
また、軸部102aの軸線Azに対し、寝台2に固定された患者OBJの体位軸の軸線が水平面内で直交するように構成すれば、患者OBJの左右の画像を取得しにくくなるが、頭頂部から腹部の画像の取得することができる。
さらに、軸部102aの軸線Azと寝台2に固定された患者OBJの体位軸の軸線とのなす角度が異なる複数の3Dデータを検出することで、総合的な座標を判断することもできる。
腕部102cは、基端102dにおいて、回転部102bと一体化している。よって、腕部102cは、回転部102bと共に軸部102aの軸線Azの回りを回転する。
本実施形態では、放射線照射部101は、X線照射部104aと異なるエネルギーのX線を照射している。よって、放射線検出部109は、X線検出部104bが検出するX線と異なるエネルギーのX線を検出することができる。例えば、放射線検出部109及びX線検出部104bでレントゲン画像を取得するなら、X線検出部104bが検出するレントゲン画像と、放射線検出部109が検出するレントゲン画像とで、異なるエネルギーのレントゲン画像を取得することができる。
図4に示すように、3Dスキャナ部103は、寝台2に固定されている患者OBJに向かってセンサ光SL(例えば、赤外光)を走査する。
3Dスキャナ部103は、センサ光SLを照射するセンサ光照射部103aと、反射光を検出するセンサ光検出部103bと、を有する。3Dスキャナ部103は、センサ光照射部103aから照射されたセンサ光SLを対象物の表面に対して走査し、当該表面からの反射光を解析し、当該表面の3Dデータ(3次元データ)を検出する。
本実施形態の場合、3Dスキャナ部103と放射線照射部101とを隣接させて設けることによって、センサ光照射部103aが照射するセンサ光SLの位置を、放射線照射部101が放射線を照射する領域(照射野)内に合わせている。変形例として、センサ光照射部103aが照射するセンサ光SLの位置を、放射線照射部101の照射野の周辺に合わせてもよい。他の変形例として、センサ光照射部103aが照射するセンサ光SLの位置を、放射線照射部101の照射野と異なる位置に合わせてもよい。
本実施形態の場合、回転方向Dcへの回転によって、Z方向と交差する方向に走査できるため、レーザ光の延びる方向と交差する方向にセンサ光SLを走査できる。よって、患者OBJの体や顔の表面を面走査することができる。
その後、2回目の放射線治療時に検出した患者OBJの体の3Dデータを記憶部106に記憶する。そして、判定部107において、記憶部106に記憶された1回目に得られた患者OBJの体の3Dデータと、記憶部106に記憶された2回目に得られた患者OBJの体の3Dデータと、を比較して位置ずれを判定する。
ここでは、1回目と2回目とのデータ比較について説明したが、データの比較は1回目と2回目だけでなく、1回目と3回目以降とのデータ比較等、任意の回数同士のデータ比較を行うことも可能である。基準の3Dデータも任意のものを設定することが可能である。
また、データ比較だけでなく、図6に示すように1回目に検出した画像(3Dデータ)を基準の画像として、2回目以降と基準の画像を重ね合わせることでXYZ座標の具体的な数値の差を求め、そのずれている差の分、患者OBJや寝台2を移動させ、正しい位置で治療を行う。
例えば、XYZ座標の具体的な数値の差は、基準の画像に対して2回目の画像を3次元的に動かすことによって求める。基準画像と2回目の画像がぴったり重なり合う位置まで2回目の画像を動かす。そして、その動かした分の座標の差を補正する移動距離とする。
3Dスキャナ部103により検出された3Dデータにより、患者OBJの認証を行うことができれば、患者OBJの取違い、又は患者OBJのデータの取違いを判定することができる。特に3Dデータを比較することによって、患者OBJの顔立ちや骨格が比較され、患者OBJの個体情報の違いを判定できるため、患者OBJの取違い、又は患者OBJのデータの取違いを正確に判定することができる。
患者OBJの取違い、又は患者のデータの取違いが検出された場合、操作者によって、患者OBJの確認や是正、又は患者OBJのデータの確認や是正を行う。
本実施形態の放射線治療装置10は、回転支持部102の回転を利用して、3Dスキャナ部103を軸線Azの回りに回転させる。よって、3Dスキャナ部103を回転駆動するための機構を個別に設ける必要がないため、放射線治療装置10の機構を極めて簡素にすることができる。
本実施形態の場合、回転支持部102のフレームに3Dスキャナ部103を固定具や接着材によって取り付けているように、簡単な改造によって、既存の放射線治療装置の回転支持部に3Dスキャナ部を増設している。変形例として、既存の放射線治療装置の設計や製造工程を変更することによって、設計段階や製造段階で回転支持部102に3Dスキャナ部103を組み込んだり、一体成型したりしてもよい。
例えば、3Dスキャナ部103と放射線照射部101とを共通の回転機構に設けず、個別の回転機構に設けた場合、3Dスキャナ部103と放射線照射部101との回転面および回転軸を完全に一致させることは難しい。
しかし、3Dスキャナ部103と放射線照射部101との回転面及び回転角度を一致させないと、ある回転方向Dcの位置において、センサ光照射部103aが照射するセンサ光SLの照射位置を放射線照射部101の照射野に合わせても、他の回転方向Dcの位置において、センサ光SLの照射位置と放射線照射部101の照射野とがずれてしまう。
もし3Dスキャナ部103と放射線照射部101との回転面および回転軸を一致させることができたとしても、同じ回転面及び回転角度で回転させるために、回転機構同士の位置合わせ(回転軸合わせ、原点合わせ)や、回転角度を合わせる制御が必要となる。
これに対し、本実施形態の場合、3Dスキャナ部103と放射線照射部101とを共通の回転機構で回転させているため、3Dスキャナ部103と放射線照射部101との回転面および回転軸を難なく一致させることができる。さらに、複雑な位置合わせを行う必要もないため、簡単な機構でありながら、3Dスキャナ部103と放射線照射部101との回転面及び回転角度を高い精度で一致させることができる。
加えて、センサ光SLの照射位置を放射線照射部101が放射線の照射野に一度合わせれば、どのような回転方向Dcの位置においても、センサ光SLの照射位置と放射線照射部101の照射野とがずれてしまうことがない。
放射線照射部101の回転支持部102を利用しているため、放射線照射部101と同様な制御が可能である。よって、再現性が高く、高精度な3Dデータを検出でき、精度の高いセットアップを行うことができる。加えて、3Dデータを用いているため、2Dデータを検出する場合に比べて、患者OBJの面情報ではなく、空間情報を用いて位置ずれを判定することができる。
同様に、患者OBJにX線を照射するレントゲン画像を検出する場合と比べても、X線による被曝の問題が生じることがない。加えて、レントゲン画像(2次元画像)という2Dデータを検出する場合よりも情報量が多いため、精度の高いセットアップを行うことができる。
患者OBJの体や顔の位置や向きを特定できればセットアップが可能となる。よって、患者OBJの体や顔にセットアップのためのマーキングを施すことなく、患者OBJの体や顔のセットアップが可能であるため、マーキングを施すことによる患者OBJへのストレスが軽減される。
変形例として、3Dスキャナ部103は、回転支持部102のうち、軸線Azの回りの位置、すなわち回転支持部102の回転に伴って軸線Azの回りを回転方向Dcに回転する位置であれば、どのような位置に設けてもよい。
例えば、回転支持部102のうち、軸線Azの回りを回転方向Dcに回転する位置として、腕部102cの基端102dに3Dスキャナ部103を設けてもよい。
また、回転支持部102のうち、軸線Azの回りを回転方向Dcに回転する位置として、回転部102bに3Dスキャナ部103を設けてもよい。
ただし、3Dスキャナ部103を設ける位置は、軸線Azから離れた位置であるほど、3Dスキャナ部103の回転方向Dcへの移動距離が大きくなるため、比較的解像度の高い3Dデータを検出することができる。
このような位置に設けることによって、3Dスキャナ部103は、放射線照射部101は放射線の放出を妨げず、回転支持部102の回転を利用して軸線Azの回りを回転することができる。
一例として、第一実施形態の放射線治療装置の作動方法について、図7を参照して説明する。
まず、放射線治療装置10は、回転支持部102に取り付けられた3Dスキャナ部103を、回転支持部102の回転を利用して、軸線Azの回りに回転方向Dcに回転させながら、患者OBJの体や顔の表面に対して光を走査する(走査ステップ:S1)。
本発明に係る放射線治療装置の第二実施形態について、図8を参照して説明する。
図8に示すように、放射線治療装置510は、固定部600と、放射線照射部601と、回転支持部602と、3Dスキャナ部103と、寝台2と、を備える。
固定部600は、放射線治療室の床面FLに固定される。床面FLに固定された固定部600は、放射線照射部601と、回転支持部602と、3Dスキャナ部103と、を支持する。固定部600は、軸線Azを軸とする円柱形状の中空空間を有する。
回転支持部602は、固定部600に対して、軸線Azを中心に回転駆動される。回転支持部602は、リング形状の円周の一部において、放射線照射部601を支持しており、回転駆動により放射線照射部601を軸線Azの回りに回転させる。本実施形態の場合、放射線照射部601は、回転支持部602の内部に収容されている。
回転支持部602は、当該回転駆動により放射線照射部601を、寝台2に固定された患者の回りに回転させる。
さらに患者OBJにストレスがかからないようであれば、患者OBJの体や顔の表面に図6のようなマーカMKを付して、付されたマーカを走査してもよい。
また、X線撮影部104や放射線検出部109から得られた座標と、3Dスキャナ部103により検出された3Dデータとの比較だけでなく、例えば、X線撮影部104(又は放射線検出部109)で検出されたX線画像同士の比較と、3Dスキャナ部103により検出された3Dデータ同士の比較の両方を行うこととしてもよい。デバイス毎の基準で比較するようにすれば、それぞれの座標の情報が紐付けられるので、異なるデバイスでの評価ではなく同じデバイス同士の評価で、それぞれの座標のずれの違いを比較することができる。
10 放射線治療装置
100 固定部
101 放射線照射部
102 回転支持部
102a 軸部
102b 回転部
102c 腕部
102d 基端
102e 先端
102f 下面
102g 側面
103 スキャナ部
103a センサ光照射部
103b センサ光検出部
104 X線撮影部
104a X線照射部
104b X線検出部
105 処理部
106 記憶部
107 判定部
109 放射線検出部
510 放射線治療装置
600 固定部
601 放射線照射部
602 回転支持部
Az 軸線
Dc 回転方向
FL 床面
OBJ 患者
SL センサ光
MK マーカ
Claims (4)
- 患者に放射線を照射する放射線照射部と、
前記放射線照射部を支持し、前記放射線照射部を前記患者の回りに回転させる回転支持部と、
前記放射線照射部又は前記回転支持部に取り付けられ、前記患者の回りに回転され、前記患者に向かってセンサ光を照射する3Dスキャナ部と、を備え、
X線撮影部又は放射線検出部から得られた前記患者の座標と、前記3Dスキャナ部で取得した前記患者の3次元データと、に基づいて、前記患者の認証による判定を行う判定部をさらに備える放射線治療装置。 - 前記判定部は、前記3Dスキャナ部で取得した前記患者の3次元データに基づいて、前記患者の位置ずれをさらに判定する請求項1に記載の放射線治療装置。
- 前記3Dスキャナ部は、前記放射線照射部と共に回転する請求項1または2に記載の放射線治療装置。
- 前記放射線治療装置が、前記回転支持部を回転駆動させて、前記3Dスキャナ部を前記患者の回りに回転させながら、前記3Dスキャナ部から前記患者に向かって前記センサ光を照射する走査ステップを実施する請求項1から3のいずれか一項に記載の放射線治療装置の作動方法。
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