JP2017060551A - アイソセンタ評価装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射線の照射によって撮影される放射線吸収体の画像の信頼性及び精度を高めると共に、アイソセンタのずれの検出精度を高めることができるアイソセンタ評価装置を提供する。
【解決手段】一形態に係るアイソセンタ評価装置10は、アイソセンタの基準位置を示す基準点に位置合わせされ、回転経路に沿って回転するガントリ又は画像用放射線照射部からの放射線を受ける位置に配置される放射線吸収体12eと、放射線吸収体12eを囲むように形成された本体部11と、放射線吸収体12eに向かって照射される放射線による放射線吸収体12eの像を記録するフィルム15を、上記回転経路の内側における本体部11の複数の箇所に着脱可能に固定するフィルム固定部材14とを備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、所定の回転軸線を中心に回転すると共に治療用の放射線を照射するガントリを備えた放射線照射装置に用いられるアイソセンタ評価装置に関する。
一般的に、アイソセンタとは、ガントリから回転角度(回転位置)ごとに照射される放射線の線束が集中する点を示しており、放射線による治療は、多くの場合、アイソセンタと患部とを一致させた状態で行われる。また、アイソセンタと患部とを一致させない場合であっても、アイソセンタと患部との相対的な幾何学位置を一致させた状態で治療が行われる。特開2013−46709号公報には、ガントリ、治療台及び診断用X線撮影装置を備えた放射線治療装置と、この放射線治療装置で用いられる変位測定用ファントムとが記載されている。この放射線治療装置は、更に、ガントリから照射された治療用X線を受けてX線画像を収集する画像収集手段を備えている。ガントリと画像収集手段は、治療台側に突出するアーム状となっており、所定の回転軸線を中心として共に回転する。
診断用X線撮影装置は、画像取得用X線を撮影対象(例えば患者の患部)に照射するX線照射部と、撮影対象を通過したX線を検出するX線検出部とを備えている。X線照射部及びX線検出部も所定の回転軸線を中心として共に回転可能となっている。このX線照射部及びX線検出部によって、撮影対象が様々な回転角度から撮影される。X線照射部及びX線検出部は、治療台側に突出するアーム状となっている。以上のように、この放射線治療装置では、ガントリからの治療用X線と、X線照射部からの画像取得用X線とが照射される。
また、放射線治療装置が設けられる放射線照射室では、X軸基準レーザとY軸基準レーザとZ軸基準レーザとが照射され、X軸、Y軸及びZ軸基準レーザの交点が仮想アイソセンタ(基準点)となっている。ここで、前述したガントリの放射線アイソセンタと、診断用X線撮影装置の画像アイソセンタとが上記の基準点に一致した状態が理想である。しかしながら、実際は、運転操作、地震等の振動又は経年劣化等によって、放射線アイソセンタ及び画像アイソセンタの少なくともいずれかが基準点からずれている場合がある。
前述の変位測定用ファントムは、放射線アイソセンタ及び画像アイソセンタが基準点からどれくらい変位しているかを測定するアイソセンタ評価装置である。この変位測定用ファントムは、X線吸収体(放射線吸収体)と、放射線吸収体を内部で保持するX線透過性の棒状体と、棒状体の表面に十字状に形成されて放射線吸収体の位置を示す指標部とを備えている。この指標部の交点に放射線吸収体が位置している。
この変位測定用ファントムは、放射線治療装置の治療台に載せられた状態で放射線吸収体の位置が基準点に一致するように移動する。このように放射線吸収体の位置を基準点に一致させた状態とした後は、ガントリを回転させて種々の方向から放射線吸収体にX線を照射し、画像収集手段で放射線吸収体の画像を取得することによって基準点からの放射線アイソセンタのずれを表示する。また、放射線吸収体の位置を基準点に一致させた状態において、診断用X線撮影装置のX線照射部を回転させて種々の方向から放射線吸収体の画像を取得することにより、基準点からの画像アイソセンタのずれを表示する。
特開2013−46709号公報
前述したように、ガントリ及びX線照射部等の照射部と、ガントリからの治療用X線を受ける画像収集手段と、X線照射部からの画像取得用X線を受けるX線検出部とは、いずれも治療台側に突出するアーム状となっている。また、これらの照射部、画像収集手段及びX線検出部は、いずれも重量が大きいので、重力によって、アーム状となった部分の先端が僅かに下に傾くことがある。この傾きが生じている場合、画像収集手段及びX線検出部によって得られる画像は、画像収集手段及びX線検出部の回転位置の影響を受けることとなるため、信頼性及び精度が低い可能性がある。このように、前述の変位測定用ファントムでは、放射線の照射によって撮影される画像の信頼性及び精度、並びに画像から認識されるアイソセンタのずれの検出精度について改善の余地がある。
本発明は、放射線の照射によって撮影される放射線吸収体の画像の信頼性及び精度を高めると共に、アイソセンタのずれの検出精度を高めることができるアイソセンタ評価装置を提供することを目的とする。
本発明に係るアイソセンタ評価装置は、放射線照射室内で所定の回転軸線を中心に回転経路に沿って回転しながら放射線をアイソセンタに向かって照射する照射部を備えた放射線照射装置に用いられるアイソセンタ評価装置であって、アイソセンタの基準位置を示す基準点に位置合わせされ、照射部からの放射線を受ける位置に配置される放射線吸収体と、放射線吸収体を囲むように形成された本体部と、放射線吸収体に向かって照射される放射線による放射線吸収体の像を記録するフィルムを、回転経路の内側における本体部の複数の箇所に着脱可能に固定するフィルム固定部材と、を備える。
このアイソセンタ評価装置では、所定の回転軸線を中心に回転する照射部からの放射線を受ける放射線吸収体と、放射線から放射線吸収体の像を記録するフィルムを固定するフィルム固定部材とを備えている。従って、このアイソセンタ評価装置では、画像収集手段及びX線検出部とは別にフィルムが像を記録しているため、フィルムに記録された像は、画像収集手段及びX線検出部に作用する重力や回転位置による影響を受けない。よって、フィルムでは、照射部からの放射線におけるアイソセンタのずれの影響のみを受けた放射線吸収体の像を取得することができ、信頼性及び精度が高い放射線吸収体の画像を取得することができる。従って、フィルムからの画像によって得られるアイソセンタのずれの検出精度を高めることができる。更に、フィルムは、放射線吸収体を囲むように形成された本体部の複数の箇所に着脱可能となっている。よって、本体部に対するフィルムの取付位置を変更することによって、複数の角度からの放射線による放射線吸収体の像を取得することができる。従って、アイソセンタ評価装置そのものの位置を調整しなくても、フィルムの位置を変えるだけで複数の角度における放射線吸収体の像を取得することができる。このように、放射線の照射ごとにアイソセンタ評価装置の位置調整を行う必要がないので、アイソセンタの評価を短時間で効率よく行うことができる。
また、本体部は、複数の空間部を有し、放射線は、空間部を通って放射線吸収体に照射されてもよい。この場合、照射部からの放射線は、空間部を通って放射線吸収体に照射されるので、照射部から放射線吸収体の間に放射線を遮る部材が配置されないようにすることができる。従って、フィルムで放射線吸収体以外の像が写り込むのを回避すると共に、余分な構造物からの散乱線(出力されたX線が構造物により散乱した放射線等)による影響を防ぐことができる。よって、フィルムから得られる放射線吸収体の画像の信頼性及び精度を一層高めることができる。
また、フィルムは、放射線の経路における放射線吸収体の下流側に位置する空間部を塞ぐように配置され、フィルム固定部材は、本体部との間でフィルムを挟み込むことによってフィルムを固定してもよい。この場合、放射線が通る空間部をフィルムの貼り付けに転用することができる。すなわち、放射線吸収体から見て一の方向から他の方向に向かって放射線を照射するときには、一の方向に位置する空間部を放射線が通過する通路にすると共に他の方向に位置する空間部にフィルムを貼り付けることができ、放射線吸収体から見て他の方向から一の方向に向かって放射線を照射するときには、他の方向に位置する空間部を放射線が通過する通路にすると共に一の方向に位置する空間部にフィルムを貼り付けることができる。また、フィルム位置固定部は、本体部との間でフィルムを挟み込むことによってフィルムの位置を固定しているので、固定したフィルムの位置ずれを抑制することができる。
本発明によれば、放射線の照射によって撮影される放射線吸収体の画像の信頼性及び精度を高めると共に、アイソセンタのずれの検出精度を高めることができる。
実施形態に係るアイソセンタ評価装置が適用される放射線照射装置及び放射線照射室の一例を示す斜視図である。 基準レーザを示す斜視図である。 (a)は、放射線アイソセンタを示す図である。(b)は、画像アイソセンタを示す図である。 実施形態に係るアイソセンタ評価装置を示す斜視図である。 図4のアイソセンタ評価装置の側面図である。 (a)は、図4のアイソセンタ評価装置を示す平面図である。(b)は、図4のアイソセンタ評価装置を示す側面図である。 図4のアイソセンタ評価装置の放射線吸収体付近を拡大させた斜視図である。 フィルムによる放射線吸収体の像の取得を模式的に説明する図である。 (a)は、フィルムから取得される放射線吸収体の画像の一例を示す図である。(b)は、(a)の画像における画像処理の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明に係るアイソセンタ評価装置の実施形態について詳細に説明する。最初に、実施形態に係るアイソセンタ評価装置10が適用される放射線照射装置1について図1を参照しながら説明する。放射線照射装置1は、治療用の直線加速器を備えており、この直線加速器はリニアックとも称される。
図1に示されるように、放射線照射装置1は、治療台2と、ガントリ3と、放射線撮影装置4と、回転装置5と、画像収集手段6とを備えている。放射線照射装置1は、例えば患者の体内に位置するがん細胞(がん組織)を死滅させる等、患者の患部に所定量の放射線を照射して治療を行う。具体的には、ガントリ3が水平方向に伸びる所定の回転軸線Aを中心として回転しながら治療用放射線L1を患部に照射して治療を行う。この放射線照射装置1は放射線照射室R内に設けられている。
以下では、説明の便宜上、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」及び「右」と方向を定めて説明を行う。まず、鉛直上下方向を上下方向とし、回転軸線Aが伸びる方向を前後方向とし、上下方向及び前後方向に直交する方向を左右方向とする。これらの方向は、単に説明の便宜上のものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
治療台2は、放射線治療を受ける患者を寝かせて患者の位置を固定させ、放射線治療を実施するための寝台である。治療台2は、アイソセンタ評価装置10が載置される載置台でもある。治療台2は、ガントリ3及び放射線撮影装置4に対する相対位置を調整可能となっている。具体的には、治療台2は、前後左右上下方向それぞれへの直線移動が可能になっていると共に、放射線照射室Rの床面Fに設けられた円形状の回転部2aの外周に沿って水平面上で180度回転可能となっている。
ガントリ3は、患部に照射する治療用放射線L1を発生させ、治療台2の上に横たわっている患者の患部に向けて治療用放射線L1を照射する。治療用放射線L1の照射野は、例えば一辺が1cm〜40cmである矩形状となっており、この照射野の大きさは疾患の大きさに応じて適宜変更することが可能である。治療用放射線L1は例えばX線である。ガントリ3は、治療用放射線L1を照射する照射ヘッド3aを備えており、照射ヘッド3aには治療用放射線L1の照射野を決定するコリメータが設けられている。照射ヘッド3aは、例えば上下方向に伸びる軸線回りに回転可能となっている。
放射線撮影装置4は、例えば患者のレントゲン写真を撮影する。放射線撮影装置4は、患者に対して放射線治療を実施する前に放射線撮影を行う装置である。この放射線撮影装置4で取得した画像を用いて骨等の体内構造の位置を確認しながら行う放射線治療は画像誘導放射線治療(IGRT:Image Guided Radiation Therapy)と称される。放射線照射装置1ではこのIGRTを行うことが可能である。
放射線撮影装置4は、画像用放射線照射部4aと、画像用放射線検出部4bとを備えている。画像用放射線検出部4bは例えばフラットパネルディテクタである。画像用放射線照射部4a及び画像用放射線検出部4bはガントリ3に対して前後左右に移動自在なアーム形状となっており、画像用放射線照射部4aと画像用放射線検出部4bとが対向した状態で画像用放射線照射部4aから画像用放射線検出部4bに向かって画像用放射線L2が照射される。画像用放射線L2は例えばX線である。また、画像用放射線L2の照射方向は、治療用放射線L1の照射方向と直交している。
患者の患部の撮影時には、画像用放射線照射部4aから患部に向かって画像用放射線L2が照射され、画像用放射線L2が患者の体内を通過して画像用放射線検出部4bで検出されることによって、画像用放射線検出部4bが患者の骨構造画像を取得する。このように骨構造画像を取得することによって、患者の体内における患部の位置を正確に把握することができる。
回転装置5は、ガントリ3、放射線撮影装置4及び画像収集手段6を所定の回転軸線Aを中心として360度回転させる。これにより、ガントリ3からの治療用放射線L1の照射、及び画像用放射線照射部4aからの画像用放射線L2の照射、を回転軸線A回りのあらゆる方向から行うことが可能となっている。
画像収集手段6は、回転軸線Aから見てガントリ3の反対側に設けられており、画像収集手段6及びガントリ3は、回転軸線Aに対して互いに対称となる位置に配置されている。画像収集手段6は、前方に揺動可能となっており、前方に揺動した状態でガントリ3からの治療用放射線L1を受けることによってX線画像を収集可能となっている。
また、放射線照射室R内には、基準レーザSを照射するレーザ投光器Xと、治療台2における患者の位置決めをするときに用いられる2台の赤外線カメラYと、照射室床部に埋め込まれた一対のX線管球7a,7bと、照射室天井部に取り付けられた一対のX線受光部8a,8bと、が設けられる。X線受光部8a,8bは例えばフラットパネルディテクタである。赤外線カメラYは、放射線照射室Rの天井に取り付けられており、赤外線Eを患者に照射する。
そして、赤外線カメラYによって患者体表面に取り付けられた赤外線マーカーの位置を読み取り、患者の位置合わせを例えば0.1mm単位で自動的に行う。また、X線管球7aからX線受光部8aに斜めにX線を照射すると共に、X線管球7bからX線受光部8bに斜めにX線を照射する。患者の撮影時には、X線管球7a,7bからX線受光部8a,8bに向かってX線が照射され、このX線が患者の体内を通過してX線受光部8a,8bで検出されることによって、患者のX線写真が撮影される。
また、レーザ投光器Xは、例えば放射線照射室Rの壁面及び天井に設けられている。レーザ投光器Xから照射される基準レーザSは、前述した治療用放射線L1、画像用放射線L2及び患部の位置(例えば、患部の皮膚面に貼り付けられた十字状の印の交点位置)を合わせるために用いられる。
図2に示されるように、基準レーザSは、前後に伸びる第1基準レーザS1と、左右にに伸びる第2基準レーザS2と、上下に伸びる第3基準レーザS3とを含んでいる。基準レーザSは、肉眼で視認できる可視光であり、例えば赤色となっている。第1基準レーザS1、第2基準レーザS2及び第3基準レーザS3の交点が位置合わせの基準点Pとなる。基準レーザS1,S2,S3はレーザ投光器Xから患者に向かって照射され、患者の患部の位置が基準点Pと一致するように治療台2の位置が調整され、基準点Pと患部とが完全に一致したときに治療台2の位置が固定される。
図3(a)及び図3(b)に示されるように、ガントリ3及び画像用放射線照射部4aは、それぞれ回転経路W1,W2に沿って回転しながら治療用放射線L1及び画像用放射線L2のそれぞれを照射する。ここで、ガントリ3を回転させながら治療用放射線L1の照射を行うときに治療用放射線L1の線束が集中する点である放射線アイソセンタC1と、画像用放射線照射部4aを回転させながら画像用放射線L2の照射を行うときに画像用放射線L2の線束が集中する点である画像アイソセンタC2と、を患部の位置と完全に一致させることが望ましい。
ここで、放射線アイソセンタC1は、回転するガントリ3等によって定められる機械的なアイソセンタと、照射ヘッド3aからの治療用放射線L1の照射野等によって定められる放射線アイソセンタとを含んでいる。また、患部の位置は、前述した基準点Pに位置合わせされるため、放射線アイソセンタC1及び画像アイソセンタC2の位置は、基準点Pと完全に一致していることが望ましい。この基準点Pは、放射線アイソセンタC1及び画像アイソセンタC2の基準位置を示す点である。
しかしながら、ガントリ3及び画像用放射線照射部4aは、その重量が大きいため、若干傾く等、機械的なずれが生じている場合があり、このような場合にアイソセンタC1,C2が基準点Pから微妙にずれることがある。また、放射線L1,L2の照射野がずれている場合があり、この場合もアイソセンタC1,C2が基準点Pから微妙にずれることがある。
このように、想定している放射線L1,L2の照射位置と実際の放射線L1,L2の照射位置とで微小なずれが生じている場合がある。そこで、本実施形態に係るアイソセンタ評価装置10ではアイソセンタC1,C2の基準点Pからのずれを評価・検証することが可能となっており、更に一度のアイソセンタ評価装置10のセットアップで複数のアイソセンタC1,C2の位置解析を同時に行うことが可能となっている。以下では、アイソセンタ評価装置10の構成について説明する。
図4及び図5に示されるように、治療台2に載置されるアイソセンタ評価装置10は、矩形枠状に形成される本体部11と、本体部11の内側で棒状に伸びる被照射部12と、本体部11と被照射部12とを接続する接続部13と、本体部11に固定されるフィルム固定部材14とを備えている。本体部11、接続部13及びフィルム固定部材14は、例えば、透明なアクリル樹脂で構成されているが、透明でない樹脂、又は別の樹脂で構成されていてもよい。要は、本体部11、接続部13及びフィルム固定部材14は、水に近い素性を持っていて硬質な材料で構成されていればよい。
本体部11は、上板部11aと、上板部11aに対向する底板部11bと、上板部11aの一端及び底板部11bの一端を接続する側板部11cと、上板部11aの他端及び底板部11bの他端を接続する側板部11dとを備えている。上板部11a、底板部11b、側板部11c及び側板部11dは、共に矩形状となっている。
上板部11a及び側板部11c,11dは互いに固定されており、底板部11bは、上板部11a及び側板部11c,11dに対して着脱可能となっている。また、側板部11c,11dの内側面の下端に底板取付部11kが固定されている。各底板取付部11kは、ボルトB4が挿入されるスリット11mを備え、底板部11bのスリット11mに対向する位置にはボルトB4が螺合されるネジ穴11nが形成されている。よって、底板部11bの上に底板取付部11kを載置してネジ穴11nとスリット11mの位置を合わせ、上からボルトB4を挿入してネジ穴11nに螺合させることにより、底板部11bが底板取付部11kに取り付けられる。
上板部11a、底板部11b及び側板部11c,11dのそれぞれは、治療用放射線L1、画像用放射線L2及び基準レーザSを通す空間部11eと、ボルトB1が螺合されるネジ穴11fとを有する。空間部11eは、被照射部12から見て例えば上下左右4箇所の位置に配置されており、上下左右から被照射部12に治療用放射線L1、画像用放射線L2及び基準レーザSが照射される。
空間部11eは、例えば円形状となっているが、円形でなくてもよく、空間部11eの形状は適宜変更可能である。空間部11eは、上板部11a、底板部11b及び側板部11c,11dそれぞれの中央部で貫通して形成されている。ネジ穴11fは各空間部11eの外側4箇所に形成されており、4個のネジ穴11fは空間部11eの円周方向に等間隔に配置されている。
底板部11bは、上板部11a及び側板部11c,11dよりも後方に突出する突出部11hを備えており、この突出部11hの上面に接続部13が着脱可能に固定される。接続部13は、矩形板状となっており、接続部13の端面13aには2つのネジ穴13bが形成されている。底板部11bのネジ穴13bと対向する部分にはボルト挿通孔11gが形成されている。このボルト挿通孔11g及びネジ穴13bにボルトB2が下から挿入され、ネジ穴13bにボルトB2が螺合されることによって、接続部13が本体部11に固定される。
また、底板部11bには、その下面にネジ筒11jが固定されている。このネジ筒11jには、下からボルトB3が螺合されており、ネジ筒11jとボルトB3とによってアイソセンタ評価装置10の脚部10aが構成されている。アイソセンタ評価装置10は、3個の脚部10aを備えており、平面視において3個の脚部10aが二等辺三角形状に配置されているので(図6(a)参照)、アイソセンタ評価装置10をバランスよく立てることが可能となっている。脚部10aでは、ネジ筒11jに対するボルトB3の締め付け具合が調整される。このように、ボルトB3の締め付け具合が調整されることによって、アイソセンタ評価装置10の高さ及び傾きの調整が可能となっている。
図6(a)、図6(b)及び図7に示されるように、被照射部12は、接続部13の上端に固定されている。被照射部12は、接続部13との接続部分から前方に突出し、矩形枠状に形成される本体部11の枠内に入り込んでいる。被照射部12は、棒状に伸びる直方体状のベース12aと、ベース12aで前後方向に伸びる第1指標部12bと、ベース12aで左右方向に伸びる第2指標部12cと、ベース12aで上下方向に伸びる第3指標部12dと、指標部12b,12c,12dの交点に位置する放射線吸収体12eとを備えている。ベース12aは、例えば、透明なアクリル樹脂で構成されているが、別の材料で構成されていてもよい。
第1指標部12bは、ベース12aの上面、下面、左側面及び右側面のそれぞれに形成されている。第2指標部12cはベース12aの上面、下面及び前端面のそれぞれに形成されており、ベース12aの上面及び下面に位置する第2指標部12cは第1指標部12bに直交している。第3指標部12dは、ベース12aの左側面、右側面及び前端面のそれぞれに形成されており、左側面及び右側面に位置する第3指標部12dは第1指標部12bに直交し、前端面に位置する第3指標部12dは第2指標部12cに直交している。
以上のように、第1指標部12b、第2指標部12c及び第3指標部12dは、ベース12aの各面において十字状に形成されている。第1指標部12b、第2指標部12c及び第3指標部12dは、例えば、罫書きによって形成されている。しかしながら、第1指標部12b、第2指標部12c及び第3指標部12dは、白色で着色する等、罫書き以外の手段によって形成されていてもよい。
放射線吸収体12eには、治療用放射線L1及び画像用放射線L2が照射され、これにより、後述するフィルム15に放射線吸収体12eの像が記録される。放射線吸収体12eは、例えば、鉄球であり、放射線吸収体12eの直径は数mm(例えば5mm)である。また、放射線吸収体12eの材料としては、タングステン又は銅等、鉄以外の金属を用いることも可能である。ここで、放射線吸収体12eの材料としては、できるだけ原子番号が大きなものを使うことが好ましい。原子番号が大きな材料を用いた場合には、より鮮明な放射線吸収体12eの画像を得ることが可能となる。
放射線吸収体12eは、例えばベース12aの表面にドリルで穴が空けられ、この穴に収容された後にアクリル樹脂で埋め込まれることによって、ベース12a内に配置されている。また、放射線吸収体12eは、ベース12aの上面における第1指標部12b及び第2指標部12cの交点と、ベース12aの下面における第1指標部12b及び第2指標部12cの交点とを通る基準線Z1と、ベース12aの前端面における第2指標部12c及び第3指標部12dの交点を通り前後方向に伸びる基準線Z2と、の交点に放射線吸収体12eの中心が位置するように配置される。
放射線吸収体12eに向かって照射された放射線L1,L2を受けるフィルム15は、例えばガフクロミックフィルムであり、可視光で感光しない材料によって構成されている。フィルム15は、フィルム固定部材14によって本体部11の外側面に固定される。具体的には、フィルム15は、空間部11eを塞ぐように本体部11の外側面に貼り付けられ、フィルム固定部材14と本体部11の外側面に挟み込まれた状態で、フィルム固定部材14が4個のボルトB1でネジ止めされることにより固定される。このように、フィルム固定部材14を用いてボルト締めでフィルム15を固定させることにより、固定後のフィルム15の位置ずれ又はがたつきを防ぎ、精密な放射線吸収体12eの像をフィルム15に記録させることが可能となる。
また、フィルム固定部材14は、フィルム15を、ガントリ3及び画像用放射線照射部4aの回転経路W1,W2の内側における本体部11の複数の箇所に着脱可能に固定する。フィルム固定部材14及びフィルム15は、上下左右4箇所の空間部11eのいずれに対しても着脱可能となっている。よって、上下左右の任意の位置から治療用放射線L1又は画像用放射線L2を放射線吸収体12eに照射すると共に、その照射による放射線吸収体12eの像を上下左右の各位置ごとに取得することができる。
本体部11には赤外線マーカー用土台16が配置される。赤外線マーカー用土台16は、2台の赤外線カメラYから照射される赤外線Eを反射させる赤外線マーカーが配置される土台である。赤外線マーカー用土台16は、例えば、本体部11の上面に5個配置されており、各赤外線マーカー用土台16の上面に球状の赤外線マーカーが載置される。このように本体部11に赤外線マーカー用土台16を配置し、赤外線マーカー用土台16の上に赤外線マーカーを配置して、赤外線カメラYから赤外線マーカーに向かって赤外線Eの照射を行って赤外線マーカーからの反射光を検出する。アイソセンタ評価装置10では、この赤外線Eの座標中心の検証を行うことが可能である。
次に、アイソセンタ評価装置10を用いて、放射線アイソセンタC1及び画像アイソセンタC2を評価する方法について説明する。この放射線アイソセンタC1及び画像アイソセンタC2の評価は、定期的に行うことが望ましく、例えば月に1回程度又は2月に1回程度行われる。
まず、図1に示されるように、治療台2の上面にアイソセンタ評価装置10を配置し、治療台2をガントリ3及び放射線撮影装置4に向かって移動させる。このとき、レーザ投光器Xから基準レーザS(第1基準レーザS1、第2基準レーザS2及び第3基準レーザS3)を照射させ、例えば図8に示されるように、基準レーザS1,S2,S3が交差する基準点Pの位置が放射線吸収体12eの中心位置と一致するように治療台2を移動させる。具体的には、第1基準レーザS1に第1指標部12bを一致させ、第2基準レーザS2に第2指標部12cを一致させ、第3基準レーザS3に第3指標部12dを一致させることによって、基準点Pに放射線吸収体12eの中心を一致させる。
このとき、治療台2の移動と共に、又は治療台2の移動に代えて、アイソセンタ評価装置10の位置を移動させてもよい。また、脚部10aにおけるボルトB3のねじ込み具合を調整して治療台2に対するアイソセンタ評価装置10の高さ及び傾きを調整してもよい。以上のように移動又は調整を行って、基準点Pの位置が放射線吸収体12eの中心位置と完全に一致したときに、治療台2及びアイソセンタ評価装置10の位置を固定する。
上記のように基準点Pの位置に放射線吸収体12eの中心を一致させる前後に、予め定めた治療用放射線L1の経路における放射線吸収体12eの下流側に位置する空間部11eをフィルム15で塞いだ状態としてフィルム固定部材14でフィルム15を固定させる。同様に、予め定めた画像用放射線L2の経路における放射線吸収体12eの下流側に位置する空間部11eにもフィルム15を塞いだ状態としてフィルム固定部材14でフィルム15を固定させる。
次に、ガントリ3によって、予め定めた治療用放射線L1の経路における放射線吸収体12eの上流側から放射線吸収体12eに治療用放射線L1を照射させる。この照射によって、治療用放射線L1は、放射線吸収体12eに遮られると共に、放射線吸収体12eの周囲を通過し治療用放射線L1の経路の下流側に位置するフィルム15に到達する。これによりフィルム15が感光し、フィルム15に治療用放射線L1による放射線吸収体12eの像が記録される。
同様に、画像用放射線照射部4aによって、予め定めた画像用放射線L2の経路における放射線吸収体12eの上流側から放射線吸収体12eに画像用放射線L2を照射させる。この照射によって、画像用放射線L2は、放射線吸収体12eに遮られると共に、放射線吸収体12eの周囲を通過し画像用放射線L2の経路の下流側に位置するフィルム15に到達する。これによりフィルム15が感光し、フィルム15に画像用放射線L2による放射線吸収体12eの像が記録される。
その後は、回転装置5によってガントリ3及び画像用放射線照射部4aを例えば90度ごとに回転させながら、フィルム固定部材14及びフィルム15の着脱、並びに放射線吸収体12eへの放射線L1,L2の照射を行って、回転角度ごとに放射線L1,L2の像をフィルム15に記録させる。
フィルム15に記録された放射線吸収体12eの像Qは、例えば図9(a)に示されるように表示される。この例では、予め放射線L1の照射野を十字に形成し、そしてフィルム15への照射を行うことによって、十字状の印部15aを形成する。この印部15aの中心に対する像Qの中心のずれが検出されることによって、放射線L1,L2の照射位置、及びアイソセンタC1,C2のずれが把握可能となる。
放射線吸収体12eの像Qを記録したフィルム15は、例えば、アイソセンタ評価装置10から外されてスキャナに読み込まれ、これにより放射線吸収体12eの画像が電子データとして取得される。その後の画像処理としては、例えば、画像に非線形フィルタ処理を施し、その後ハフ変換を施すことによって、放射線L1,L2の照射位置及びアイソセンタC1,C2のずれを把握できる。
図9(b)では、一例として像Qの辺縁H1とハフ変換された円形の画像H2を示している。この例では画像の中央に放射線吸収体12eがあるというモデル画像を作成してアルゴリズム解析を行っているが、ソフトウェアの精度として良好な結果が得られていることが分かる。なお、ソフトウェアによる画像処理を行わずに、放射線L1,L2の照射位置及びアイソセンタC1,C2のずれを目視で確認してもよい。
なお、アイソセンタC1,C2のずれを確認した後には、例えば、治療用放射線L1及び画像用放射線L2が確実に患部に照射されるように照射野を広げてもよいし、治療用放射線L1及び画像用放射線L2の照射方向を調整してもよいし、種々の対応が可能である。
次に、本実施形態に係るアイソセンタ評価装置10によって得られる作用効果について説明する。
アイソセンタ評価装置10では、例えば図6に示されるように、放射線L1,L2を受ける放射線吸収体12eと、放射線L1,L2による放射線吸収体12eの像を記録するフィルム15を固定するフィルム固定部材14とを備えている。従って、アイソセンタ評価装置10では、画像収集手段6及び画像用放射線検出部4bとは別にフィルム15が像を記録しているため、フィルム15に記録された像は、画像収集手段6及び画像用放射線検出部4bに作用する重力や回転位置による影響を受けない。よって、フィルム15では、放射線L1,L2における基準点PからのアイソセンタC1,C2のずれの影響のみを受けた放射線吸収体12eの像を取得することができ、信頼性及び精度が高い放射線吸収体12eの像を取得することができる。従って、フィルム15からの画像によって得られるアイソセンタC1,C2のずれの検出精度を高めることができる。
更に、フィルム15は、放射線吸収体12eを囲むように形成された本体部11の複数の箇所に着脱可能となっている。よって、本体部11に対するフィルム15の取付位置を変更することによって、様々な角度からの放射線L1,L2による放射線吸収体12eの像を取得することができる。従って、アイソセンタ評価装置10そのものの位置を調整しなくても、フィルム15の位置を変えるだけで様々な角度における放射線吸収体12eの像を取得することができる。このように、放射線L1,L2の照射ごとにアイソセンタ評価装置10の位置調整を行う必要がないので、アイソセンタC1,C2の評価を短時間で効率よく行うことができる。
また、本体部11は、複数の空間部11eを有し、放射線L1,L2は、空間部11eを通って放射線吸収体12eに向かって照射される。よって、ガントリ3又は画像用放射線照射部4aからの放射線L1,L2は、空間部11eを通って放射線吸収体12eに照射されるので、ガントリ3及び画像用放射線照射部4aから放射線吸収体12eの間に放射線L1,L2を遮る部材が配置されないようにすることができる。従って、フィルム15で放射線吸収体12e以外の像が写り込むのを回避すると共に、余分な構造物からの散乱線(出力されたX線が構造物により散乱した放射線等)による影響を防ぐことができる。このため、フィルム15から得られる放射線吸収体12eの画像の信頼性及び精度を一層高めることができる。
また、フィルム15は、放射線L1,L2の経路における放射線吸収体12eの下流側に位置する空間部11eを塞ぐように配置され、フィルム固定部材14は、本体部11との間でフィルム15を挟み込むことによってフィルム15を固定する。よって、放射線L1,L2が通る空間部11eをフィルム15の貼り付けに転用することができる。
すなわち、放射線吸収体12eから見て例えば右方向から左方向に向かって放射線L1,L2を照射するときには、右方向に位置する空間部11eを放射線L1,L2が通過する通路にすると共に左方向に位置する空間部11eにフィルム15を貼り付けることができ、放射線吸収体12eから見て左方向から右方向に向かって放射線L1,L2を照射するときには、左方向に位置する空間部11eを放射線L1,L2が通過する通路にすると共に右方向に位置する空間部11eにフィルム15を貼り付けることができる。また、フィルム固定部材14は、本体部11との間でフィルム15を挟み込むことによってフィルム15の位置を固定しているので、固定したフィルム15の位置ずれを抑制することができる。
また、空間部11eは、放射線吸収体12eから見て上下左右に設けられており、放射線L1,L2は互いに直交している。従って、放射線吸収体12eに向かって放射線L1,L2を同時に照射して、治療用放射線L1による放射線吸収体12eの画像と、画像用放射線L2による放射線吸収体12eの画像とを同時に取得することができる。よって、上下左右4方向からの放射線L1,L2の照射によるアイソセンタC1,C2の評価を一層効率よく行うことができる。
更に、アイソセンタ評価装置10は、基準点Pに対する位置固定が一度行われた後には、その状態で複数の角度から放射線アイソセンタC1と画像アイソセンタC2の評価が一度に行われる。すなわち、基準点Pに対する位置固定をした後には、再度アイソセンタ評価装置10の位置調整を行う必要がない。従って、放射線アイソセンタC1と画像アイソセンタC2の評価にかかる時間を大幅に短縮させることができる。
更に、従来は、放射線アイソセンタC1を検証する専用のファントム(アイソセンタ評価装置)と、画像アイソセンタC2を検証する専用のファントムとを用いてアイソセンタの検証が行われることがあった。これらの専用のファントムを用いた場合には、各ファントムを検証毎に入れ替える必要がある。従って、検証試験の実施者のセットアップに起因して解析値に誤差が生じることがあると共に、各ファントムの精度に応じて解析に誤差が生じることがあった。これに対し、本実施形態のアイソセンタ評価装置10では、検証毎に入れ替える必要がないので、セットアップに起因する誤差、及び各ファントムの精度に応じた誤差、のいずれも低減させることができ、一層高精度な検証が可能となる。
ここで、放射線アイソセンタC1と画像アイソセンタC2の評価は、治療の前後の限られた時間で行われるのが一般的であるため、できるだけ速やかに行うことが好ましい。しかしながら、従来のアイソセンタ評価装置では、アイソセンタ評価装置の位置調整やアイソセンタの評価の計算にかかる時間が長かったため臨床現場にかかる負担が大きいという問題があった。これに対し、本実施形態に係るアイソセンタ評価装置10では、前述のように放射線アイソセンタC1と画像アイソセンタC2の評価にかかる時間が大幅に短縮されているので、臨床現場の負担を軽減させることができ経済効果の向上にも寄与する。
また、アイソセンタ評価装置10は、底板部11bがボルトB4によって着脱可能とされている。従って、ボルトB4を外せば底板部11bを分解することができるので、容易にコンパクト化することができる。更に、接続部13は本体部11に対してボルトB2によって固定されており、被照射部12及び接続部13は本体部11に対して着脱可能となっている。従って、被照射部12及び接続部13を本体部11から容易に外すことができるのでコンパクト化を一層容易に実現させることができる。
なお、本実施形態の放射線照射装置1では、フィルム15を用いずに、例えばガントリ3から画像収集手段6に治療用放射線L1を照射して放射線アイソセンタC1の検証を行うことも可能ではある。また、画像用放射線照射部4aから画像用放射線検出部4bに画像用放射線L2を照射して画像アイソセンタC2の検証を行うことも可能である。
しかしながら、画像収集手段6及び画像用放射線検出部4bは重量が大きいので、重力によって僅かに下に傾いていることがある。従って、画像収集手段6及び画像用放射線検出部4bによって得られる放射線吸収体12eの画像の信頼性は低いため、画像収集手段6及び画像用放射線検出部4bはアイソセンタC1,C2の検証用には向いていない。但し、フィルム15によるアイソセンタC1,C2の検証と、画像収集手段6による放射線アイソセンタC1の検証、及び画像用放射線検出部4bによる画像アイソセンタC2の検証と、を併用して比較することは可能である。
更に、フィルム15による検証と、画像収集手段6による放射線アイソセンタC1の検証、及び画像用放射線検出部4bによる画像アイソセンタC2の検証とを、併用して比較することによって誤差量を予め把握してもよい。そして、この誤差量を把握した上で、フィルム15を用いることなく、画像収集手段6による放射線アイソセンタC1の検証、及び画像用放射線検出部4bによる画像アイソセンタC2の検証のみを行って、アイソセンタC1,C2の検証を継続して試験してもよい。
また、アイソセンタ評価装置10では、フィルム15がボルトB1によって本体部11に固定されるので、フィルム15を確実に本体部11に固定できると共に、フィルム15の着脱を容易に行うこともできる。更に、フィルム15は、正方形状に配置される4個のボルトB1によって本体部11に固定されるので、バランス良く且つ強固にフィルム15を固定させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、本発明は、特許請求の範囲に記載した要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、前述の実施形態では、上下左右の四方向から放射線吸収体12eに放射線L1,L2を当てる例について説明した。しかしながら、放射線吸収体12eに放射線を当てる方向は、上記の例に限定されず適宜変更可能である。
また、アイソセンタ評価装置10では、X線管球7a,7bから出力されたX線のアイソセンタを検証することも可能である。具体的には、アイソセンタ評価装置10の赤外線マーカー用土台16に赤外線マーカーを取り付けて、赤外線Eの座標中心に治療台2を自動移動させる。そして、X線管球7a,7bからX線を出力してX線受光部8a,8bによって放射線吸収体12eの像を取得することにより、座標中心のずれの有無を検証することができる。更に、放射線吸収体12eの画像解析としては、前述したハフ変換による解析が可能である。このように、上下左右以外のアイソセンタの検証も行えるので、一層高精度なずれの評価を実現させることができる。
また、前述の実施形態では、ボルトB1によってフィルム15が固定されていたが、ボルト以外の手段、例えばスライド固定又は凹凸による嵌合等によってフィルム15を固定させてもよい。しかしながら、前述したように、ボルトB1を用いることは、強固にフィルム15を固定させることができるという点で好ましい。
また、前述の実施形態では、空間部11eが被照射部12から見て上下左右4箇所の位置に配置されておりフィルム固定部材14及びフィルム15が上下左右4箇所の空間部11eに対して着脱可能となっている例について説明した。しかしながら、空間部11eの配置位置、フィルム固定部材14及びフィルム15の取付位置は、上下左右4箇所の位置に限定されず適宜変更可能である。
また、前述の実施形態では、画像用放射線照射部4aからの画像用放射線L2の照射方向が、ガントリ3からの治療用放射線L1の照射方向と直交している例について説明した。しかしながら、画像用放射線L2の照射方向は、治療用放射線L1の照射方向と直交していなくてもよい。
また、前述の実施形態では、アイソセンタ評価装置10が、放射線撮影装置4及び画像収集手段6を備えた放射線照射装置1に適用される例について説明した。しかしながら、本発明に係るアイソセンタ評価装置は、放射線照射装置1以外の装置にも適用可能であり、例えば、放射線撮影装置4が無い装置、又は画像収集手段6が無い装置にも適用することが可能である。このようにアイソセンタ評価装置が用いられる放射線照射装置の構成は適宜変更可能である。
1…放射線照射装置、2…治療台、2a…回転部、3…ガントリ(照射部)、3a…照射ヘッド、4…放射線撮影装置、4a…画像用放射線照射部(照射部)、4b…画像用放射線検出部、5…回転装置、6…画像収集手段、7a,7b…X線管球、8a,8b…X線受光部、10…アイソセンタ評価装置、10a…脚部、11…本体部、11a…上板部、11b…底板部、11c,11d…側板部、11e…空間部、11f…ネジ穴、11g…ボルト挿通孔、11h…突出部、11j…ネジ筒、11k…底板取付部、11m…スリット、11n…ネジ穴、12…被照射部、12a…ベース、12b…第1指標部、12c…第2指標部、12d…第3指標部、12e…放射線吸収体、13…接続部、13a…端面、13b…ネジ穴、14…フィルム固定部材、15…フィルム、15a…印部、16…赤外線マーカー用土台、A…回転軸線、B1,B2,B3,B4…ボルト、C1…放射線アイソセンタ、C2…画像アイソセンタ、E…赤外線、F…床面、H1…辺縁、H2…画像、L1…治療用放射線(放射線)、L2…画像用放射線(放射線)、P…基準点、Q…像、R…放射線照射室、S,S1,S2,S3…基準レーザ、X…レーザ投光器、Y…赤外線カメラ、Z1,Z2…基準線。

Claims (3)

  1. 放射線照射室内で所定の回転軸線を中心に回転経路に沿って回転しながら放射線をアイソセンタに向かって照射する照射部を備えた放射線照射装置に用いられるアイソセンタ評価装置であって、
    前記アイソセンタの基準位置を示す基準点に位置合わせされ、前記照射部からの放射線を受ける位置に配置される放射線吸収体と、
    前記放射線吸収体を囲むように形成された本体部と、
    前記放射線吸収体に向かって照射される前記放射線による前記放射線吸収体の像を記録するフィルムを、前記回転経路の内側における前記本体部の複数の箇所に着脱可能に固定するフィルム固定部材と、
    を備えたアイソセンタ評価装置。
  2. 前記本体部は、複数の空間部を有し、
    前記放射線は、前記空間部を通って前記放射線吸収体に照射される、
    請求項1に記載のアイソセンタ評価装置。
  3. 前記フィルムは、前記放射線の経路における前記放射線吸収体の下流側に位置する前記空間部を塞ぐように配置され、
    前記フィルム固定部材は、前記本体部との間で前記フィルムを挟み込むことによって前記フィルムを固定する、
    請求項2に記載のアイソセンタ評価装置。
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