JP6947265B1 - インクジェットインク及び錠剤 - Google Patents
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Abstract
Description
従来、インクジェットインクには、色材の劣化により、印刷した文字や画像等において色材の色味(色調)が変化する変色や、色材の彩度低下等による褪色が発生するものがある。例えばインクジェットインクにおいて耐光性が不足している場合、光の作用により色材が分解(光分解)されることによって変褪色(光変褪色)が生じ得る。このような変褪色は、印刷した文字や画像等(以下、「印刷画像」と総称する)における視認性の低下として認識される。
また上記目的を達成するために、本発明の他の態様に係るインクジェットインクは、食用染料として、赤色102号または青色1号のうち少なくとも一方を含み、固着剤として、20℃の水100mlに対する溶解度が20g未満である二糖類を含み、前記固着剤の配合割合は、インク全体の質量に対して、0.5質量%以上10質量%以下の範囲内であり、溶媒として、水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール及びイソプロピルアルコールのうち少なくとも1種を含み、前記イソプロピルアルコールの配合割合は、インク全体の質量に対して、8質量%以上60質量%以下の範囲内であることを特徴とする。
本実施形態に係るインクジェットインクは、可食性を有するインクジェットインクであって食用染料(食用色素)として、食用赤色102号または食用青色1号のうち少なくとも一方を含んでいる。以下、これらの食用染料を単に「赤色102号」、「青色1号」と記載する。また、本実施形態に係るインクジェットインクは、被印刷物(例えば固体製剤)の表面にインクを固着させるための固着剤として、水に対する溶解度が所定条件を満たす糖類を含んでいる。具体的には、本実施形態では、固着剤として20℃の水100mlに対する溶解度が20g未満である二糖類が用いられる。このような構成によれば、印刷画像の光変褪色を十分に抑制し、インクジェットインクの耐光性を向上することができる。以下、この点について、図1を参照しつつ説明する。
インクジェットインクに用いられる種々の色材のうち例えば食用染料として用いるタール系色素では、固体製剤などの表面に印刷した文字や画像等において変褪色が発生し得る。例えばタール系色素のうち赤色102号および青色1号は、時間経過に伴う固体製剤への浸透や、光分解によって印刷画像の変褪色が発生していた。これに対し、インクジェットインクに糖類を添加することで、染料が固体製剤に浸透することを抑制し、印刷画像の変褪色を抑制する方法が知られている。
本実施形態に係るインクジェットインクは、耐光試験前後でJIS Z 8781における色差△Eが15以下であればよい。ここで、耐光試験とは、例えば、本実施形態に係るインクジェットインクを用いて印刷された印刷画像について、可視光の照射前後における色度及び光学色濃度の変化量を示す色差ΔE(JIS Z 8781に準拠するもの)を比較する試験である。具体的には、当該印刷画像に累積120万ルクスの可視光を照射する前後で色差ΔEを測定し、その値を比較する。可視光の照射には、例えばキセノンウェザーメーター(東洋精機製作所 Ci4000)を用いる。また、耐光試験における印刷画像は、例えば印刷対象物である錠剤(例えばフィルムコーティング錠)にベタ印刷されたものである。
(色材)
上記のように、本実施形態によるインクジェットインクは、食用染料として赤色102号または青色1号のうち少なくとも一方を含んでいる。赤色102号および青色1号は食用タール系色素であって、赤色102号はニューコクシンとも称される。また青色1号はブリリアントブルーFCFとも称される。本実施形態によるインクジェットインクには、食用染料として、赤色102号および青色1号の両方が含まれてもよいし、赤色102号または青色1号のうちいずれか一方のみが含まれてもよい。
本実施形態に係るインクジェットインクは、上述のとおり、被印刷物の表面に特定のタール系色素(赤色102号、青色1号)を含むインクを固着させるための固着剤を含んでいる。具体的には、本実施形態に係るインクジェットインクに含まれる固着剤は、20℃の水100mlに対する溶解度が20g未満である二糖類であって、例えば乳糖(ラクトース)、セロビオースである。20℃の水100mlに対する乳糖の溶解度は、16gである。また、20℃の水100mlに対するセロビオースの溶解度は、14gである。固着剤が当該構成であれば、上記特定のタール系色素を含むインクを被印刷物の表面に固着させることができる。これにより、本実施形態によるインクジェットインクは、印刷画像の光変褪色を十分に抑制し、耐光性を向上することができる。また、本実施形態において固着剤として用いられる上記二糖類(例えば乳糖、セロビオース)は、インクジェットインクの光照射による分解(光分解)を抑制する機能も有する。このため、光変褪色の発生自体を抑制することもできる。
本実施形態に係るインクジェットインクは、上記特定のタール系色素(赤色102号、青色1号)および上記固着剤に加え、当該特定のタール系色素および当該固着剤を溶解(分散)させるために溶媒(分散媒)を含有していてもよい。本実施形態に係るインクジェットインクには、溶媒として、水(例えば精製水)、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール及びイソプロピルアルコールのうち少なくとも1種が含まれていればよい。
また、プロピレングリコールは、湿潤剤として機能し、インクジェットノズルでのインクの乾燥を防止して、インクに十分な間欠再開性を付与することができる。また、エタノール、イソプロピルアルコールは揮発性が高いことから、インクジェットインクの耐転写性(乾燥性)を向上することができる。水に加えて上述のアルコール類を溶媒に添加することで、インクジェットインクの耐光性をさらに向上させるとともに、各成分に応じた性能をインクジェットインクに付与することができる。
本実施形態に係るインクジェットインクは、上述の色素や溶媒以外に、内添樹脂を含有してもよい。本実施形態に係るインクジェットインクに添加可能な内添樹脂は、可食性を有し、且つ水溶性粉末、ペースト、フレーク状の樹脂様物質であって、印字後の乾燥により錠剤表面に皮膜を形成可能な物質であればよい。上記内添樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール4000/ポリエチレングリコール1540等の高分子量ポリエチレングリコール(PEG)、セラック樹脂、メタクリル酸コポリマー(製品名:オイドラギットS100)、マルトデキストリン、エリスリトール等が挙げられる。
本実施形態に係るインクジェットインクは、上述の色素や溶媒、或いは内添樹脂以外に、レベリング剤を含有してもよい。本実施形態に係るインクジェットインクに添加可能なレベリング剤は、可食性を有し、且つ水溶性の界面活性剤であればよい。上記レベリング剤としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル(例:太陽化学社製ジステアリン酸デカグリセリンQ−182S、同社製モノラウリン酸デカグリセリンQ−12S)、ソルビタン脂肪酸エステル(例:日光ケミカルズ社NIKKOLSL−10)、ショ糖脂肪酸エステル(例:第一工業製薬社製 DKエステルF−110)、ポリソルベート(花王社製 エマゾールS−120シリーズ)等が挙げられる。
本実施形態に係るインクジェットインクは、印刷方法について特に限定されず、市販のインクジェットプリンタ等のインクジェット装置を用いた印刷が可能である。このため、本実施形態に係るインクジェットインクは、応用範囲が広く、非常に有用である。例えば、本実施形態に係るインクジェットインクは、ピエゾ素子(圧電セラミックス)をアクチュエータとする、所謂ドロップオンデマンド方式のインクジェット装置で印刷し得るし、他の方式のインクジェット装置でも印刷し得る。
本実施形態では、本実施形態に係るインクジェットインクを、上述の印刷方法を用いて、例えば錠剤の表面に印字、印画してもよい。つまり、本実施形態に係る錠剤は、本実施形態に係るインクジェットインク用いて印刷した印刷部、すなわち印刷画像を備えていればよい。本実施形態に係るインクジェットインクであれば、例えば、医療用錠剤の表面にインクジェット印刷法を用いて施された印刷画像(例えば、印刷画像3)の耐光性を向上させることができる。以下、実施形態に係るインクジェットインクで印刷した印刷画像を備える錠剤の構成について説明する。
本実施形態に係る錠剤は、例えば、医療用錠剤である。ここで、「医療用錠剤」とは、例えば、素錠(裸錠)、糖衣錠、腸溶錠、口腔内崩壊錠などのほか、錠剤の最表面に水溶性表面層が形成されているフィルムコーティング錠などを含むものである。
図3は、印刷(印字、印画)がなされた医療用錠剤(フィルムコーティング錠)の一例を示す概略断面図である。図3には、断面視で、表面にフィルムコート層7が形成された錠剤の基材1の上面に文字などの印刷画像3が印刷されたフィルムコート錠印刷物9が示されている。
なお、本実施形態では、図4に示すように、素錠印刷画像11としてベタ画像を印刷してもよく、図5に示すように、フィルムコート錠印刷画像13として二次元バーコードを印刷してもよい。
(1)本実施形態に係るインクジェットインクは、食用染料として、赤102号または青1号のうち少なくとも一方を含み、固着剤として、20℃の水100mlに対する溶解度が20g未満である二糖類を含んでいる。
このような構成であれば、従来技術と比較して、印刷画像の光変褪色を十分に抑制し、インクジェットインクの耐光性を向上することができる。
(2)本実施形態に係るインクジェットインクは、固着剤として、乳糖またはセロビオースのうち少なくとも一方を含んでいる。
このような構成であれば、従来技術と比較して、印刷画像の光変褪色を十分に抑制し、インクジェットインクに優れた耐光性を付与することができる。
このような構成であれば、従来技術と比較して、インクジェットインクの耐光性をより向上させつつ、溶媒の各成分に応じた性能(間欠再開性の向上や、錠剤の乾燥性の向上)をインクに付与することができる。
このような構成であれば、従来技術と比較して、インクジェットインクの耐光性を向上しつつ、インクジェットインクに高い視認性および間欠再開性を付与することができる。
このような構成であれば、従来技術と比較して、インクジェットインクの耐光性を確実に向上しつつ、インクジェットインクに間欠再開性を付与することができる。
(6)本実施形態に係る錠剤は、上述したインクジェットインクで印刷した印刷画像(印刷部の一例)3を備えている。
このような構成であれば、従来技術と比較して、錠剤の表面等に直接印刷した印刷画像3等における光変褪色を十分に抑制し、印刷画像3の耐光性を十分に向上することができる。さらに、錠剤の表面に印刷された印刷画像部分に対しても可食性を付与することができる。
(7)本実施形態に係る錠剤は、医療用錠剤であってもよい。
本実施形態によるインクジェットインクを用いることで、医療用錠剤において光変褪色が十分に抑制され、印刷画像の視認性の低下による誤った調剤や服用の発生を低減させることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、実施例により何ら限定されるものではない。
以下、実施例1によるインクジェットインクの調製手順を説明する。
(インクジェットインクの製造)
まず、印刷用インクを調製した。インクジェットインクは、色素(色材)、溶媒、固着剤の各成分を含んでいる。調製の順序としては、まず、溶媒に固着剤を添加して透明ベース液を得た。次いで、その透明ベース液に、食用染料を添加した。こうして、本実施例に係るインクを調製した。以下、具体的に各種成分について説明する。
溶媒として精製水およびエタノールをそれぞれ用いた。具体的には、精製水にエタノールを添加し、よく撹拌して溶媒(混合溶媒)を得た。インク全体に対して、溶媒のうち精製水の配合割合を78.0質量%とし、エタノールの配合割合を12.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同様にして実施例2のインクジェットインクを得た。
精製水およびイソプロピルアルコールを混合して溶媒(混合溶媒)を得た。インク全体に対して、溶媒のうちイソプロピルアルコールの配合割合を12.0質量%とした。それ以外は、実施例2と同様にして実施例3のインクジェットインクを得た。
精製水、グリセリン、プロピレングリコールおよびイソプロピルアルコールを混合して溶媒(混合溶媒)を得た。インク全体に対し、溶媒のうち精製水の配合割合を52.0質量%とし、グリセリンの配合割合を10.0質量%とし、プロピレングリコールの配合割合を20.0質量%とし、イソプロピルアルコールの配合割合を8.0%とした。それ以外は、実施例1と同様にして実施例4のインクジェットインクを得た。
精製水およびエタノールを混合して溶媒(混合溶媒)を得た。インク全体に対して、溶媒のうち精製水の配合割合を30.0質量%とし、当該エタノールの配合割合を60.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同様にして実施例5のインクジェットインクを得た。
精製水およびイソプロピルアルコールを混合して溶媒(混合溶媒)を得た。インク全体に対して、溶媒のうち精製水の配合割合を30.0質量%とし、当該イソプロピルアルコールの配合割合を60.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同様にして実施例6のインクジェットインクを得た。
精製水、プロピレングリコールおよびイソプロピルアルコールを混合して溶媒(混合溶媒)を得た。インク全体に対して、精製水の配合割合を80.5質量%とし、プロピレングリコールの配合割合を1.5質量%とし、イソプロピルアルコールの配合割合を12.0%とした。また、インク全体に対して、固着剤である乳糖の配合割合を1.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同様にして実施例7のインクジェットインクを得た。
<実施例8>
溶媒(混合溶媒)の構成成分を実施例7と同様とし、インク全体に対して精製水の配合割合を76.5質量%とした。それ以外は、実施例1と同様にして実施例8のインクジェットインクを得た。
<実施例9>
溶媒(混合溶媒)の構成成分を実施例7と同様とし、インク全体に対して精製水の配合割合を71.5質量%とした。また、インク全体に対して、固着剤としての乳糖の配合割合を10.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同様にして実施例9のインクジェットインクを得た。
溶媒(混合溶媒)の構成成分を実施例7と同様とし、インク全体に対して精製水の配合割合を66.5質量%とした。また、インク全体に対して、固着剤としての乳糖の配合割合を15.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同様にして実施例10のインクジェットインクを得た。
<実施例11>
インク全体に対して、色材である赤色102号の配合割合を1.0質量%とした。また、溶媒(混合溶媒)の構成成分を実施例7と同様とし、インク全体に対して精製水の配合割合を80.5質量%とした。それ以外は、実施例1と同様にして実施例11のインクジェットインクを得た。
<実施例12>
インク全体に対して、赤色102号の配合割合を7.0質量%とし、青色1号の配合割合を8.0質量%として、色材の配合割合を合計で15.0質量%とした。また、溶媒(混合溶媒)の構成成分を実施例7と同様とし、インク全体に対して精製水の配合割合を66.5質量%とした。それ以外は、実施例1と同様にして実施例12のインクジェットインクを得た。
色材として青色1号を用い、インク全体に対して当該青色1号の配合割合を8.0質量%とした。また、溶媒(混合溶媒)の構成成分を実施例7と同様とし、インク全体に対して精製水の配合割合を78.0質量%とした。また、インク全体に対して固着剤である乳糖の配合割合を0.5質量%とした。それ以外は、実施例1と同様にして実施例13のインクジェットインクを得た。
<実施例14>
溶媒(混合溶媒)の構成成分を実施例7と同様とし、インク全体に対して精製水の配合割合を73.5質量%とした。またインク全体に対して、固着剤である乳糖の配合割合を5.0質量%とした。それ以外は、実施例13と同様にして、実施例14のインクジェットインクを得た。
<実施例15>
溶媒(混合溶媒)の構成成分を実施例7と同様とし、インク全体に対して精製水の配合割合を63.5質量%とした。また、インク全体に対して、固着剤である乳糖の配合割合を15.0質量%とした。それ以外は、実施例13と同様にして、実施例15のインクジェットインクを得た。
固着剤としてセロビオースを添加し、当該セロビオースの配合割合をインク全体に対して10.0質量%とした以外は、実施例9と同様にして実施例16のインクジェットインクを得た。
<実施例17>
固着剤としてセロビオースを添加し、当該セロビオースの配合割合をインク全体に対して15.0質量%とした以外は、実施例15と同様にして実施例17のインクジェットインクを得た。
<実施例18>
溶媒(混合溶媒)の構成成分を実施例7と同様とし、インク全体に対して精製水の配合割合を81.0質量%とした。また、固着剤としてセロビオースを添加し、当該セロビオースの配合割合をインク全体に対して0.5質量%とした。それ以外は、実施例16と同様にして実施例18のインクジェットインクを得た。
糖類を無添加とし、溶媒のうち精製水の配合割合をインク全体に対して81.5質量%とした以外は、実施例18と同様にして比較例1のインクジェットインクを得た。
<比較例2>
20℃の水100mlに対する溶解度が38gである還元イソマルツロースを、インク全体に対して10.0質量%の配合割合で添加した。それ以外は実施例9と同様にして比較例2のインクジェットインクを得た。
<比較例3>
固着剤として、20℃の水100mlに対する溶解度が52gであるマルトースを、インク全体に対して10.0質量%の配合割合で添加した。それ以外は実施例9と同様にして比較例3のインクジェットインクを得た。
<比較例4>
色材として赤色3号を用い、インク全体に対して当該赤色3号の配合割合を5.0質量%とした。それ以外は比較例1と同様にして比較例4のインクジェットインクを得た。
<比較例5>
色材として赤色3号を用い、インク全体に対して当該赤色3号の配合割合を5.0質量%とした。それ以外は実施例8と同様にして比較例5のインクジェットインクを得た。
上記各実施例及び各比較例のインクによる上記精製インクについて、以下の方法で耐光性、間欠再開性および錠剤乾燥性を評価した。評価結果を上記各実施例及び各比較例のインク組成と併せて後述の表1、表2に示す。
印刷解像度が主走査方向600dpi、副走査方向(錠剤等記録媒体の搬送方向)600dpi、トータルノズル数2,656の圧電セラミック駆動のドロップオンデマンド型インクジェットヘッドを用い、上記実施例1〜18および比較例1〜5の精製インクを1ドロップ6plの印刷ドロップ量にて画像を、下記錠剤にそれぞれ印刷した。
印刷対象の錠剤は、テスト用フィルムコーティング錠(基剤:調整澱粉、コーティング剤:ヒドロキシプロピルメチルセルロース70%・酸化チタン30%の混合、直径:6.5mm)とした。また、印刷画像は、円形のベタ画像(直径4.0mm)とした。これによりフィルムコーティング錠印刷物を得た。
印刷解像度が主走査方向600dpi、副走査方向(錠剤等記録媒体の搬送方向)600dpi、トータルノズル数2,656の圧電セラミック駆動のドロップオンデマンド型インクジェットヘッドを用い、規定時間(15分間〜60分間)フラッシング無く放置した後、1ドロップ6plの印刷ドロップ量にて、テストパターンを印刷し、全ノズルから不吐出量なく吐出できていることを確認した。なお、以下表1および表2では、間欠再開性の評価結果として、インクの吐出が可能な放置時間を測定した。評価基準は以下の通りである。
◎:60分間以上120分間未満
〇:30分間以上60分間未満
△:15分間以上30分間未満
×:15分間未満
下記錠剤に、印刷解像度が主走査方向600dpi、副走査方向(錠剤等記録媒体の搬送方向)600dpi、トータルノズル数2,656の圧電セラミック駆動のドロップオンデマンド型インクジェットヘッドを用い、1ドロップ10plの印刷ドロップ量にて実施例および各比較例のインクジェットインクにより画像をそれぞれ印刷した。
印刷10秒後、印刷された錠剤に、デジタルフォースゲージに貼り付けた白色コピー用紙を4〜5Nの圧力で、0.4〜0.5秒間接触させ、印刷したインクが転写しないことを確認した。なお、表1および表2では、耐転写性(乾燥性)の評価結果として、転写したインクの濃度を目視した。評価基準は以下の通りである。
◎:インクの転写がない場合
○:インクの転写がごく僅かであり、目視確認が難しい場合
×:インクが色濃く転写した場合
1S 表面
3 印刷画像
4 特定染料
5 素錠印刷物
7 フィルムコート層
9 フィルムコート錠印刷物
11 素錠印刷画像(ベタ画像)
13 フィルムコート錠印刷画像(二次元バーコード)
Claims (9)
- 食用染料として、赤色102号または青色1号のうち少なくとも一方を含み、
固着剤として、20℃の水100mlに対する溶解度が20g未満である二糖類を含み、
前記固着剤の配合割合は、インク全体の質量に対して、0.5質量%以上10質量%以下の範囲内であり、
溶媒として、水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール及びイソプロピルアルコールのうち少なくとも1種を含み、
前記プロピレングリコールの配合割合は、インク全体の質量に対して、1.5質量%以上40質量%以下の範囲内である
ことを特徴とするインクジェットインク。 - 前記固着剤として、乳糖またはセロビオースのうち少なくとも一方を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットインク。 - 前記食用染料の配合割合は、インク全体の質量に対して、1質量%以上15質量%以下の範囲内である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェットインク。 - 前記プロピレングリコールの配合割合は、インク全体の質量に対して、1.5質量%以上20質量%以下の範囲内である
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。 - 前記イソプロピルアルコールの配合割合は、インク全体の質量に対して、8質量%以上60質量%以下の範囲内である
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のインクジェットインク。 - 食用染料として、赤色102号または青色1号のうち少なくとも一方を含み、
固着剤として、20℃の水100mlに対する溶解度が20g未満である二糖類を含み、
前記食用染料の配合割合は、インク全体の質量に対して、1質量%以上15質量%以下の範囲内であり、
前記固着剤の配合割合は、インク全体の質量に対して、0.5質量%以上10質量%以下の範囲内であり、
溶媒として、プロピレングリコール及びエタノールを含み、
前記プロピレングリコールの配合割合は、インク全体の質量に対して、1.5質量%以上40質量%以下の範囲内であり、
前記エタノールの配合割合は、インク全体の質量に対して、6.5質量%以上40質量%以下の範囲内である
ことを特徴とするインクジェットインク。 - 食用染料として、赤色102号または青色1号のうち少なくとも一方を含み、
固着剤として、20℃の水100mlに対する溶解度が20g未満である二糖類を含み、
前記固着剤の配合割合は、インク全体の質量に対して、0.5質量%以上10質量%以下の範囲内であり、
溶媒として、水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール及びイソプロピルアルコールのうち少なくとも1種を含み、
前記イソプロピルアルコールの配合割合は、インク全体の質量に対して、8質量%以上60質量%以下の範囲内である
ことを特徴とするインクジェットインク。 - 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のインクジェットインクを用いて印刷した印刷部を備える
ことを特徴とする錠剤。 - 医療用錠剤であることを特徴とする請求項8に記載の錠剤。
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