JP6947132B2 - ウエハ加工用仮接着剤、ウエハ積層体、ウエハ積層体の製造方法、及び薄型ウエハの製造方法 - Google Patents
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1.(A)下記式(1)で表される構成単位、下記式(2)で表される構成単位及び下記式(3)で表される構成単位を含む熱硬化性エポキシ変性シリコーン樹脂を含む第1仮接着層、並びに
(B)熱可塑性樹脂を含む第2仮接着層を備える、
ウエハを支持体に仮接着するためのウエハ加工用仮接着剤。
p、q及びrは、0.05≦p≦0.7、0.3≦q≦0.95、0.4≦p+q≦1、0≦r≦0.6、及びp+q+r=1を満たす数である。
L2−X1−L3は、下記式(2−1)、(2−2)又は(2−3)で表される有機基である。L4−X2−L5は、下記式(3−1)、(3−2)、(3−3)又は(3−4)で表される有機基である。
R23〜R26及びR43〜R46は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の1価炭化水素基である。
R27及びR47は、それぞれ独立に、炭素数1〜15の2価炭化水素基である。
R48及びR49は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基である。
m1及びm3は、それぞれ独立に、1〜1,000の整数である。
m2及びm4は、それぞれ独立に、0〜998の整数である。
Y1は、単結合、又は炭素数1〜15の2価の有機基である。
a及びbは、それぞれ独立に、0、1又は2である。
L1は、L2又はL3と結合する結合手である。L2は、L1と結合する結合手である。L3は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8の1価炭化水素基、又はL1若しくはL4と結合する結合手である。L4は、−(CH2)c−を介してL3と結合する結合手である。cは、2又は3である。L5は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8の1価炭化水素基、又は−(CH2)c−を介してL3と結合する結合手である。)]
2.前記熱可塑性樹脂が、非シリコーン系熱可塑性樹脂である1のウエハ加工用仮接着剤。
3.第1仮接着層及び第2仮接着層の間に、前記熱硬化性エポキシ変性シリコーン樹脂とは異なる熱硬化性シリコーン樹脂を含む第3仮接着層を備える1のウエハ加工用仮接着剤。
4.前記熱硬化性エポキシ変性シリコーン樹脂とは異なる熱硬化性シリコーン樹脂が、
(C1)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(C2)1分子中に2個以上のSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C3)白金系触媒、及び必要に応じて
(C4)反応制御剤
を含む組成物を硬化して得られるシリコーン樹脂である3のウエハ加工用仮接着剤。
5.支持体と、該支持体上に積層された1〜4のいずれかのウエハ加工用仮接着剤と、該ウエハ加工用仮接着剤上に裏面に回路非形成面を有するウエハとを備えるウエハ積層体であって、
前記支持体の表面に第1仮接着層が剥離可能に接着され、前記ウエハの表面に第2仮接着層が剥離可能に接着されたものであるウエハ積層体。
6.(a)支持体の表面に、式(1)で表される構成単位、式(2)で表される構成単位及び式(3)で表される構成単位を含む熱硬化性エポキシ変性シリコーン樹脂を含む第1仮接着層を形成し、表面に回路を有し、裏面を加工すべきウエハの前記表面に、熱可塑性樹脂を含む第2仮接着層を形成する工程、
(a')必要に応じて、前記第1仮接着層上に前記熱硬化性エポキシ変性シリコーン樹脂とは異なる熱硬化性シリコーン樹脂を含む第3仮接着層を形成する工程、
(b)第1仮接着層及び第2仮接着層を介して、又は第3仮接着層を形成した場合は第3仮接着層及び第2仮接着層を介して、前記支持体とウエハとを接合する工程、並びに
(c)前記第1仮接着層を熱硬化させる工程
を含む5のウエハ積層体の製造方法。
7.(d)5のウエハ積層体のウエハの裏面を研削又は研磨する工程、
(e)前記研削又は研磨したウエハの裏面に加工を施す工程、及び
(f)前記加工を施したウエハを前記支持体から剥離する工程
を含む薄型ウエハの製造方法。
8.工程(f)の後に、前記剥離したウエハの表面に残存する前記仮接着層を除去する工程を含む7の薄型ウエハの製造方法。
(A)第1仮接着層に含まれる熱硬化性エポキシ変性シリコーン樹脂は、下記式(1)で表される構成単位、下記式(2)で表される構成単位及び下記式(3)で表される構成単位を含むものである。
第2仮接着層は、熱可塑性樹脂を含むものである。段差を有するシリコンウエハ等への適用性から、良好なスピンコート性を有する熱可塑性樹脂が第2仮接着層を形成する材料として好適に使用される。
本発明のウエハ加工用仮接着剤は、前記第1仮接着層と第2仮接着層との間に、更に前記熱硬化性エポキシ変性シリコーン樹脂とは異なる熱硬化性シリコーン樹脂を含む第3仮接着層を有していてもよい。
(C1)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(C2)1分子中に2個以上のSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C3)白金系触媒、及び必要に応じて
(C4)反応制御剤、
を含む組成物(以下、シリコーン樹脂組成物Cともいう。)を硬化して得られるシリコーン樹脂(以下、シリコーン樹脂Cともいう。)が好ましい。
本発明のウエハ積層体は、支持体と、その上に積層された前記ウエハ加工用仮接着剤と、表面に回路形成面を有し、裏面に回路非形成面を有するウエハとを
備えるウエハ積層体であって、前記支持体の表面に前記第1仮接着層が剥離可能に接着され、前記ウエハの表面に前記第2仮接着層が剥離可能に接着されたものである。
工程(a)は、支持体の表面に、前記熱硬化性エポキシ変性シリコーン樹脂を含む第1仮接着層を形成し、表面に回路を有し、裏面を加工すべきウエハの前記表面に、前記熱可塑性樹脂を含む第2仮接着層を形成する工程である。
前記ウエハ加工用仮接着剤が第3仮接着層を含む場合、工程(a')において、前記第1仮接着層上に前記エポキシ変性シリコーン樹脂とは異なる熱硬化性シリコーン樹脂を含む第3仮接着層を形成する。
工程(b)は、第1仮接着層及び第2仮接着層を介して、又は第3仮接着層を形成した場合は第3仮接着層及び第2仮接着層を介して、前記支持体とウエハとを接合する工程である。このとき、好ましくは40〜200℃、より好ましくは60〜180℃の温度範囲で、好ましくは1〜100Pa、より好ましくは3〜80Paの減圧下、前述した仮接着層どうしを貼り合わせ、これを均一に圧着させ、ウエハと支持体とを接合させる。貼り合わせは、市販のウエハ接合装置、例えばEVG社のEVG520IS、850TB、SUSS社のXBC300等を用いて行うことができる。
工程(c)は、前記第1仮接着層を熱硬化させる工程である。このとき、工程(a')において第3仮接着層を形成した場合は、第3仮接着層も熱硬化される。熱硬化は、好ましくは120〜220℃、10分〜4時間、より好ましくは150〜200℃、30分〜2時間加熱することで行うことができる。
本発明の薄型ウエハの製造方法は、下記工程(d)〜(f)を含むものである。
工程(d)は、支持体と接合したウエハ(ウエハ積層体)の裏面(回路非形成面)を研削又は研磨する工程である。すなわち、前記ウエハの裏面を研削又は研磨して、該ウエハを薄くする工程である。ウエハ裏面の研削加工の方式には特に制限はなく、公知の研削方式が採用される。研削又は研磨は、ウエハと砥石(ダイヤモンド等)に水をかけて冷却しながら行うことが好ましい。ウエハの裏面を研削又は研磨加工する装置としては、例えば(株)ディスコ製DAG810等が挙げられる。また、ウエハの裏面をCMP研磨してもよい。
工程(e)は、研削又は研磨したウエハ積層体の裏面に加工を施す工程である。すなわち、裏面研削又は研磨によって薄型化されたウエハ加工体の回路非形成面に加工を施す工程である。この工程には、ウエハレベルで用いられる様々なプロセスが含まれる。例としては、電極形成、金属配線形成、保護膜形成等が挙げられる。より具体的には、電極等の形成のための金属スパッタリング、金属スパッタリング層をエッチングするウェットエッチング、金属配線形成のマスクとするためのレジストの塗布、露光、及び現像によるパターンの形成、レジストの剥離、ドライエッチング、金属めっきの形成、TSV形成のためのシリコンエッチング、シリコン表面の酸化膜形成等、従来公知のプロセスが挙げられる。
工程(f)は、工程(e)で加工を施したウエハをウエハ積層体から剥離する工程である。この剥離工程は、一般に室温から60℃程度の比較的低温の条件で実施される。剥離方法としては、ウエハ積層体のウエハ又は支持体の一方を水平に固定しておき、他方を水平方向から一定の角度を付けて持ち上げる方法や、研削又は研磨されたウエハ面に保護フィルムを貼り、ウエハと保護フィルムとをピール方式でウエハ積層体から剥離する方法等が挙げられる。
(f1)加工を施したウエハのウエハ面にダイシングテープを接着する工程、
(f2)ダイシングテープ面を吸着面に真空吸着する工程、及び
(f3)吸着面の温度が10〜100℃の温度範囲で、前記支持体を、加工を施した前記ウエハからピールオフにて剥離する工程
を含むことが好ましい。このようにすることで、支持体を、加工を施したウエハから容易に剥離することができ、また、後のダイシング工程を容易に行うことができる。
(g)剥離したウエハの回路形成面に残存する仮接着剤層を除去する工程
を行うことが好ましい。前記工程(f)により支持体より剥離されたウエハの回路形成面には、第2仮接着層が一部残存している場合があり、該第2仮接着層の除去は、例えば、ウエハを洗浄することにより行うことができる。
[合成例1]
窒素ガス導入管、温度計、ジムロート型コンデンサー、バキュームコントローラー及びアスピレーターを備えた2Lのセパラブルフラスコに、式(A−1)で表される化合物35.6g(0.05モル)(信越化学工業(株)製)及び式(A−2)で表される化合物37.2g(0.20モル)(信越化学工業(株)製)を入れた後、トルエン1,000gを加え、70℃まで加熱した。その後、塩化白金酸トルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.25gを投入し、式(A−3)で表される化合物(t=38、信越化学工業(株)製)88.4g(0.03モル)及び式(A−4)で表される化合物47.6g(0.245モル)(信越化学工業(株)製)を1時間かけて滴下した(ヒドロシリル基の合計/アルケニル基の合計=1/1(モル比))。滴下終了後、100℃まで加熱し、6時間熟成した後、反応溶液からトルエンを減圧留去して、エポキシ変性シリコーン樹脂A1を得た。エポキシ変性シリコーン樹脂A1のMwは、45,000であった。エポキシ変性シリコーン樹脂A1にシクロヘキサノンを加え、樹脂の濃度が50質量%シクロヘキサノン溶液とした後、得られた樹脂溶液50gに、架橋剤としてエポキシ架橋剤であるEOCN-1020(日本化薬(株)製)を7.5g、硬化触媒としてビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン(BSDM、富士フイルム和光純薬(株)製)を0.2g、及び酸化防止剤としてアデカスタブ(登録商標)AO-60((株)ADEKA製ヒンダードフェノール系酸化防止剤)を0.1g添加し、1μmのメンブレンフィルターで濾過して、樹脂溶液A1を得た。
窒素ガス導入管、温度計、ジムロート型コンデンサー、バキュームコントローラー及びアスピレーターを備えた2Lのセパラブルフラスコに、式(A−1)で表される化合物53.5g(0.075モル)(信越化学工業(株)製)を入れた後、トルエン700gを加え、70℃まで加熱した。その後、塩化白金酸トルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.25gを投入し、式(A−3)で表される化合物(t=100、信越化学工業(株)製)166.2g(0.023モル)及び式(A−4)で表される化合物17.5g(0.090モル)(信越化学工業(株)製)を1時間かけて滴下した(ヒドロシリル基の合計/アルケニル基の合計=1/1(モル比))。滴下終了後、100℃まで加熱し、3時間熟成した後、反応溶液からトルエンを減圧留去して、エポキシ変性シリコーン樹脂A2を得た。エポキシ変性シリコーン樹脂A2のMwは、55,000であった。エポキシ変性シリコーン樹脂A2にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を加え、樹脂の濃度が50質量%のPGMEA溶液とした後、得られた樹脂溶液100gに、架橋剤として4官能フェノール化合物であるTEP-TPA(旭有機材工業(株)製)を9g、及び硬化触媒としてテトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化(株)製リカシッドHH-A)を0.2g添加し、1μmのメンブレンフィルターで濾過して、樹脂溶液A2を得た。
撹拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を備えた2Lフラスコに、式(A'−1)で表される化合物43.1g、式(A−3)で表される化合物(t=40、信越化学工業(株)製)29.5g、トルエン135g、及び塩化白金酸0.04gを仕込み、80℃まで加熱した。その後、式(A−4)で表される化合物17.5gを1時間かけてフラスコ内に滴下した。このとき、フラスコ内の温度は、85℃まで上昇した。滴下終了後、更に80℃で2時間熟成した後、トルエンを留去し、シクロヘキサノンを80g添加して、樹脂の濃度が50質量%のシクロヘキサノン溶液を得た。この溶液中の樹脂のMwは、45,000であった。更に、この樹脂溶液50gに、架橋剤としてエポキシ架橋剤であるEOCN-1020(日本化薬(株)製)を7.5g、硬化触媒としてBSDM(富士フイルム和光純薬(株)製)を0.2g、及び酸化防止剤としてアデカスタブAO-60を0.1g添加し、1μmのメンブレンフィルターで濾過して、樹脂溶液R1を得た。
撹拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を備えた5Lフラスコに、式(A'−2)で表される化合物84.1gを入れ、更にトルエン600gを加え、溶解した後、式(A−3)で表される化合物(t=40、信越化学工業(株)製)294.6g、及び式(A−5)で表される化合物25.5gを加え、60℃まで加熱した。その後、カーボン担持白金触媒(5質量%)1gを投入し、内部反応温度が65〜67℃に昇温するのを確認した後、更に、90℃まで加熱し、3時間熟成した。次いで、室温まで冷却した後、メチルイソブチルケトン(MIBK)600gを加え、これをフィルターを用いて加圧濾過することで白金触媒を取り除き、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液中の溶剤を減圧留去し、PGMEAを加え、樹脂の濃度が60質量%のPGMEA溶液を得た。この溶液中の樹脂のMwは、28,000であった。更に、この樹脂溶液100gに、架橋剤として4官能フェノール化合物であるTEP-TPA(旭有機材工業(株)製)を9g、及び硬化触媒としてテトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化(株)製、リカシッドHH-A)を0.2g添加し、1μmのメンブレンフィルターで濾過して、樹脂溶液R2を得た。
[調製例1]
水素添加ポリスチレン系熱可塑性樹脂であるセプトン4033((株)クラレ製、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン共重合体、スチレン含有量30質量%、水素添加率98%以上、Tg=102℃、Mw=95,000)24gをイソノナン176gに溶解し、12質量%のセプトン4033のイソノナン溶液を得た。得られた溶液を0.2μmのメンブレンフィルターで濾過して、熱可塑性樹脂溶液B1を得た。
[調製例2]
0.5モル%のビニル基を分子側鎖に有し、数平均分子量(Mn)が3万のポリジメチルシロキサン80質量部及びイソドデカン400質量部からなる溶液に、下記式(B−1)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを3.0質量部及びエチニルシクロヘキサノール0.7質量部を添加し、混合した。更に、白金触媒CAT-PL-5(信越化学工業(株)製)を0.5質量部添加し、0.2μmのメンブレンフィルターで濾過して、熱硬化性シリコーン樹脂溶液C1を得た。
0.5モル%のビニル基を分子側鎖に有し、Mnが3万のポリジメチルシロキサン60質量部、及び0.15モル%のビニル基を両末端鎖に有し、Mnが6万のポリジメチルシロキサン20質量部及びイソドデカン400質量部からなる溶液に、式(B−1)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを2.5質量部及びエチニルシクロヘキサノールを0.7質量部添加し、混合した。更に、白金触媒CAT-PL-5(信越化学工業(株)製)を0.5質量部添加し、0.2μmのメンブレンフィルターで濾過して、熱硬化性シリコーン樹脂溶液C2を得た。
[実施例1]
直径200mm(厚さ:500μm)のガラス板である支持体に、樹脂溶液A1をスピンコートした後、ホットプレート上で、150℃で3分間加熱することで、第1仮接着層を表1に記載された膜厚でガラス支持体上に形成した。また、表面に高さ10μm、直径40μmの銅ポストが全面に形成された直径200mのシリコンウエハ(厚さ:725μm)に熱硬化性シリコーン樹脂溶液C1溶液をスピンコートした後、ホットプレート上で、150℃で5分間加熱することで、第2仮接着層を、表1に示す膜厚でウエハバンプ形成面に成膜した。
表1に記載された組成になるように、実施例1と同様にウエハ積層体を作製した。
直径200mm(厚さ:500μm)のガラス板である支持体に、樹脂溶液A1をスピンコートした後、ホットプレート上で、150℃で3分間加熱することで、第1仮接着層を表1に記載された膜厚でガラス支持体上に形成した。また、表面に高さ10μm、直径40μmの銅ポストが全面に形成された直径200mのシリコンウエハ(厚さ:725μm)に熱硬化性シリコーン樹脂溶液C1溶液をスピンコートした後、ホットプレート上で、150℃で5分間加熱することで、第2仮接着層を、表1に示す膜厚でウエハバンプ形成面に成膜した。その後、第1仮接着層を有するガラス板と、第2仮接着層を有するシリコンウエハとを、第1仮接着層及び第2仮接着層が合わされるように、真空貼り合わせ装置内で表1に示す接着温度で貼り合わせ、ウエハ積層体を作製した。
直径200mm(厚さ:500μm)のガラス板である支持体に、樹脂溶液A1をスピンコートした後、ホットプレート上で、150℃で3分間加熱することで、第1仮接着層を表1に記載された膜厚でガラス支持体上に形成した。次に、表面に高さ10μm、直径40μmの銅ポストが全面に形成された直径200mのシリコンウエハ(厚さ:725μm)と、第1仮接着層を有するガラス板とを、真空貼り合わせ装置内で表1に示す接着温度で貼り合わせ、ウエハ積層体を作製した。
200mmのウエハ接着は、EVG社のウエハ接合装置EVG520ISを用いて行った。接合温度は表1に記載の値、接着時のチャンバー内圧力は1Pa以下、荷重は5kNで実施した。接合後、一旦、180℃で1時間オーブンを用いて基板を加熱し、第1仮接着層の硬化を実施したのち、室温まで冷却し、その後の界面の接着状況を目視で確認し、界面での気泡等の異常が発生しなかった場合を良好と評価して「○」で示し、異常が発生した場合を不良と評価して「×」で示した。
グラインダー((株)ディスコ製DAG810)でダイヤモンド砥石を用いてシリコンウエハの裏面研削を行った。最終基板厚50μmまでグラインドした後、光学顕微鏡(100倍)にてクラック、剥離等の異常の有無を調べた。異常が発生しなかった場合を良好と評価して「○」で示し、異常が発生した場合を不良と評価して「×」で示した。
シリコンウエハを裏面研削した後の積層体をCVD装置に導入し、2μmのSiO2膜の生成実験を行い、その際の外観異常の有無を調べた。外観異常が発生しなかった場合を良好と評価して「○」で示し、ボイド、ウエハ膨れ、ウエハ破損等の外観異常が発生した場合を不良と評価して「×」で示した。CVD耐性試験の条件は、以下のとおりである。
装置名:プラズマCVD PD270STL(サムコ(株)製)
RF500W、内圧40Pa
TEOS(テトラエチルオルソシリケート):O2=20sccm:680sccm
耐熱性は、CVD耐性試験を終えたウエハ積層体の50μmまで薄型化したウエハを窒素雰囲気下の250℃のオーブンに2時間入れた後、270℃のホットプレート上で10分加熱した後の外観異常の有無を調べた。ボイドや剥離などの外観異常が発生しなかった場合を良好と評価して「○」で示し、外観異常が発生した場合を不良と評価して「×」で示した。
基板の剥離性は、まず、耐熱性試験を終えたウエハ積層体の50μmまで薄型化したウエハ側にダイシングフレームを用いてダイシングテープを貼り、このダイシングテープ面を真空吸着によって、吸着板にセットした。その後、室温にて、ガラス基板側にポリエステル粘着テープ((株)寺岡製作所製646S#25)を前面に貼り、接着層に対し垂直方向にテープを引張り、ガラス基板を剥離することで剥離性を確認した。50μmのウエハを割ることなく剥離できた場合を「○」で示し、ウエハの一部で剥離が発生しているものを「△」で示し、割れ等の異常が発生した場合を不良と評価して「×」で示した。
剥離性試験実施後、薄型化したウエハをペンタン槽に10分間浸漬し、イソプロピルアルコールでリンスした後、風乾により乾燥処理を行った。乾燥処理後のウエハの表面に残渣がない場合を良好と評価して「○」で示し、残渣が見られた場合を不良と評価して「×」で示した。
2 仮接着層
2a 第1仮接着層
2b 第2仮接着層
2c 第3仮接着層
3 ウエハ
Claims (8)
- (A)下記式(1)で表される構成単位、下記式(2)で表される構成単位及び下記式(3)で表される構成単位を含む熱硬化性エポキシ変性シリコーン樹脂を含む第1仮接着層、並びに
(B)熱可塑性樹脂を含む第2仮接着層を備える、
ウエハを支持体に仮接着するためのウエハ加工用仮接着剤。
p、q及びrは、0.1≦p≦0.4、0.4≦q≦0.9、0.5≦p+q≦1、0≦r≦0.5、及びp+q+r=1を満たす数である。
L2−X1−L3は、下記式(2−1)、(2−2)又は(2−3)で表される有機基である。L4−X2−L5は、下記式(3−1)、(3−2)、(3−3)又は(3−4)で表される有機基である。
R23〜R26及びR43〜R46は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の1価炭化水素基である。
R27及びR47は、それぞれ独立に、炭素数1〜15の2価炭化水素基である。
R48及びR49は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基である。
m1及びm3は、それぞれ独立に、1〜1,000の整数である。
m2及びm4は、それぞれ独立に、0〜998の整数である。
Y1は、単結合、又は炭素数1〜15の2価の有機基である。
a及びbは、それぞれ独立に、0、1又は2である。
L1は、L2又はL3と結合する結合手である。L2は、L1と結合する結合手である。L3は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8の1価炭化水素基、又はL1若しくはL4と結合する結合手である。L4は、−(CH2)c−を介してL3と結合する結合手である。cは、2又は3である。L5は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8の1価炭化水素基、又は−(CH2)c−を介してL3と結合する結合手である。
ただし、前記エポキシ変性シリコーン樹脂中に含まれるシロキサン単位の含有量は、25〜75質量%である。)] - 前記熱可塑性樹脂が、非シリコーン系熱可塑性樹脂である請求項1記載のウエハ加工用仮接着剤。
- 第1仮接着層及び第2仮接着層の間に、前記熱硬化性エポキシ変性シリコーン樹脂とは異なる熱硬化性シリコーン樹脂を含む第3仮接着層を備える請求項1記載のウエハ加工用仮接着剤。
- 前記熱硬化性エポキシ変性シリコーン樹脂とは異なる熱硬化性シリコーン樹脂が、
(C1)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(C2)1分子中に2個以上のSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C3)白金系触媒、及び必要に応じて
(C4)反応制御剤
を含む組成物を硬化して得られるシリコーン樹脂である請求項3記載のウエハ加工用仮接着剤。 - 支持体と、該支持体上に積層された請求項1〜4のいずれか1項記載のウエハ加工用仮接着剤と、該ウエハ加工用仮接着剤上に裏面に回路非形成面を有するウエハとを備えるウエハ積層体であって、
前記支持体の表面に第1仮接着層が剥離可能に接着され、前記ウエハの表面に第2仮接着層が剥離可能に接着されたものであるウエハ積層体。 - (a)支持体の表面に、下記式(1)で表される構成単位、下記式(2)で表される構成単位及び下記式(3)で表される構成単位を含む熱硬化性エポキシ変性シリコーン樹脂を含む第1仮接着層を形成し、表面に回路を有し、裏面を加工すべきウエハの前記表面に、熱可塑性樹脂を含む第2仮接着層を形成する工程、
(a')必要に応じて、前記第1仮接着層上に前記熱硬化性エポキシ変性シリコーン樹脂とは異なる熱硬化性シリコーン樹脂を含む第3仮接着層を形成する工程、
(b)第1仮接着層及び第2仮接着層を介して、又は第3仮接着層を形成した場合は第3仮接着層及び第2仮接着層を介して、前記支持体とウエハとを接合する工程、並びに
(c)前記第1仮接着層を熱硬化させる工程
を含む請求項5記載のウエハ積層体の製造方法。
p、q及びrは、0.1≦p≦0.4、0.4≦q≦0.9、0.5≦p+q≦1、0≦r≦0.5、及びp+q+r=1を満たす数である。
L2−X1−L3は、下記式(2−1)、(2−2)又は(2−3)で表される有機基である。L4−X2−L5は、下記式(3−1)、(3−2)、(3−3)又は(3−4)で表される有機基である。
R23〜R26及びR43〜R46は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の1価炭化水素基である。
R27及びR47は、それぞれ独立に、炭素数1〜15の2価炭化水素基である。
R48及びR49は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基である。
m1及びm3は、それぞれ独立に、1〜1,000の整数である。
m2及びm4は、それぞれ独立に、0〜998の整数である。
Y1は、単結合、又は炭素数1〜15の2価の有機基である。
a及びbは、それぞれ独立に、0、1又は2である。
L1は、L2又はL3と結合する結合手である。L2は、L1と結合する結合手である。L3は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8の1価炭化水素基、又はL1若しくはL4と結合する結合手である。L4は、−(CH2)c−を介してL3と結合する結合手である。cは、2又は3である。L5は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8の1価炭化水素基、又は−(CH2)c−を介してL3と結合する結合手である。
ただし、前記エポキシ変性シリコーン樹脂中に含まれるシロキサン単位の含有量は、25〜75質量%である。)] - (d)請求項5記載のウエハ積層体のウエハの裏面を研削又は研磨する工程、
(e)前記研削又は研磨したウエハの裏面に加工を施す工程、及び
(f)前記加工を施したウエハを前記支持体から剥離する工程
を含む薄型ウエハの製造方法。 - 工程(f)の後に、前記剥離したウエハの表面に残存する前記仮接着層を除去する工程を含む請求項7記載の薄型ウエハの製造方法。
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