JP6947003B2 - 加飾成形体およびその製造方法 - Google Patents
加飾成形体およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6947003B2 JP6947003B2 JP2017243388A JP2017243388A JP6947003B2 JP 6947003 B2 JP6947003 B2 JP 6947003B2 JP 2017243388 A JP2017243388 A JP 2017243388A JP 2017243388 A JP2017243388 A JP 2017243388A JP 6947003 B2 JP6947003 B2 JP 6947003B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- polypropylene
- decorative
- fiber
- decorative film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Moulding By Coating Moulds (AREA)
- Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
上記部品の材料として使用されるポリプロピレンは、剛性や耐衝撃性、寸法安定性などの特性を高度に、バランスよく有することが必要とされており、従来からタルク、マイカ、炭酸カルシウム等の無機フィラーを配合するといった工夫がなされてきた。
また、特許文献4によれば、繊維含有樹脂と繊維非含有樹脂と加飾フィルムの組み合わせからなる加飾成形品が提案されている。開示された技術によれば、まずインサート成形機に加飾フィルムをセットし、繊維非含有樹脂を射出成型し、繊維非含有樹脂が固化する前に、繊維非含有樹脂の内部に繊維含有樹脂を射出成型することで、フィルム表面に繊維含有樹脂が接触せず、外観に優れる加飾成形品が得られる。しかし、この方法では異なる樹脂を複数回射出するため、工程時間が長くなるばかりでなく、繊維非含有樹脂の存在により、成形品の物性が低下する問題があった。
ポリプロピレン系樹脂(ア)
(ア−i):融解ピーク温度Tm(ア)が、110℃以上である。
(ア−ii):MFR(ア)(230℃、2.16kg荷重)が、0.5g/10分以上200g/10分以下である。
繊維(イ)
(イ−i):繊維(イ)が、ガラス繊維、炭素繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
(a11)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)MFR(A1)は、100g/10分以下である。
(a12)ポリプロピレン系樹脂(A1)の結晶化温度Tc(A1)は、100℃未満である。
また本発明は、前記ポリプロピレン系樹脂(A1)は、プロピレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする前記の加飾成形体である。
(a21)メタロセン触媒系プロピレン系共重合体である
(a22)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)MFR(A2)は、100g/10分以下である。
(a23)ポリプロピレン系樹脂(A2)の融解ピーク温度Tm(A2)は、150℃未満である。
(a24)GPC測定により得られる分子量分布(Mw/Mn(A2))は1.5〜3.5である
また本発明は、前記ポリプロピレン系樹脂(A2)は、プロピレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする前記の加飾成形体である。
また本発明は、Tm(A2)は、140℃以下であることを特徴とする前記の加飾成形体である。
さらに、本発明の加飾成形体の製造方法によれば、その表面に穴やしわがなく、加飾フィルムと樹脂成形体の間に空気の巻き込みが無く、傷が目立たない美麗な加飾成形体を得ることができる。また、従来接着が困難であった形状が複雑な樹脂成形体に対し、加飾フィルムを綺麗に貼着することができる。さらに、このようにして得られた加飾成形体は、熱硬化性樹脂層を含まないためリサイクル時に外観や性能の低下が小さく、リサイクル適性が高い。
ポリプロピレン系樹脂(ア)
(ア−i):融解ピーク温度Tm(ア)が、110℃以上である。
(ア−ii):MFR(ア)(230℃、2.16kg荷重)が、0.5g/10分以上200g/10分以下である。
繊維(イ)
(イ−i):繊維(イ)が、ガラス繊維、炭素繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
本発明の加飾フィルムは、ポリプロピレン系樹脂(A)からなるシール層(I)を含むものである。シール層(I)は、三次元加飾熱成形の際に、樹脂成形体(基体)と接する層である。ポリプロピレン系樹脂(A)は、結晶化開始が遅い樹脂または溶融・緩和しやすい樹脂であることが好ましい。シール層(I)を設けることにより、加飾成形体の表面に穴、しわ、空気の巻き込み等の発生が抑えられ、基体表面についた傷を目立ちにくくすることができる。
α−オレフィンとしては、エチレン及び炭素数が3〜8のα−オレフィンから選ばれる一種または二種以上の組み合わせ等を用いることが出来る。
(a11)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)MFR(A1)は、100g/10分以下である。
(a12)ポリプロピレン系樹脂(A1)の結晶化温度Tc(A1)は、100℃未満である。
なお、Mn、Mwは、「高分子化学の基礎」(高分子学会編、東京化学同人、1978)等に記載されており、GPCによる分子量分布曲線から計算される値である。
(a21)メタロセン触媒系プロピレン系共重合体である
(a22)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)MFR(A2)は、100g/10分以下である。
(a23)ポリプロピレン系樹脂(A2)の融解ピーク温度Tm(A2)は、150℃未満である。
(a24)GPC測定により得られる分子量分布(Mw/Mn(A2))は1.5〜3.5である
なお、Mn、Mwは、「高分子化学の基礎」(高分子学会編、東京化学同人、1978)等に記載されており、GPCによる分子量分布曲線から計算される値である。
このようなエチレン−α−オレフィンランダム共重合体の市販品としては、日本ポリエチレン(株)製のカーネルシリーズ、三井化学(株)製のタフマーPシリーズ、タフマーAシリーズ、デュポンダウ社製エンゲージEGシリーズなどが挙げられる。
このような熱可塑性エラストマーとしては、市販品として、三井化学(株)製のタフマーXMシリーズ、タフマーBLシリーズ、タフマーPNシリーズや、エクソンモービルケミカル社製のVISTAMAXXシリーズなどが挙げられる。
市販品として、JSR(株)製のダイナロンシリーズ、クレイトンポリマージャパン(株)製のクレイトンGシリーズ、旭化成(株)製のタフテックシリーズなどが挙げられる。
本発明の加飾フィルムは、アクリル系樹脂(B)からなる層(II)を含むものである。アクリル系樹脂(B)からなる層(II)を含むことで、アクリル樹脂の、透明性、耐傷付き性、耐候性、印刷のしやすさといった優れた特性を活かした、優れた意匠性を有する加飾成形体を得ることが出来る。
前記したアクリル系樹脂は、市販品として、三菱レイヨン社製 商品名「アクリペット」、住友化学社製 商品名「スミペックス」などを好適に用いることが出来る。
本発明の加飾フィルムは、接着性樹脂からなる接着層(III)を含むものである。接着性樹脂(C)からなる接着層を設けることにより、アクリル系樹脂からなる層(II)と、ポリプロピレン系樹脂(A)からなるシール層(I)とを有機溶剤を用いずに接着することが出来る。
接着性樹脂(C)は、前記ポリプロピレン系樹脂(A)及び前記アクリル系樹脂(B)の両方に接着性を示す樹脂であれば、特に制限はないが、ヘテロ原子を含む極性官能基を有するポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
本発明における加飾フィルムは、ポリプロピレン系樹脂(A)からなるシール層(I)、アクリル系樹脂(B)からなる層(II)及び接着性樹脂からなる接着層(III)を、シール層(I)/接着層(III)/層(II)の順に含む。加飾フィルムは、シール層(I)、接着層(III)、層(II)の他に様々な構成を取ることが可能である。すなわち、加飾フィルムは、シール層(I)、接着層(III)および層(II)からなる三層フィルムであっても、シール層(I)、接着層(III)および層(II)と他の層からなる四層以上の多層フィルムであってもよい。なお、シール層(I)は、樹脂成形体(基体)に沿って貼着する。また、加飾フィルムは、その表面にシボ、エンボス、印刷、サンドプラスト、スクラッチ等が施されていてもよい。
本発明の加飾フィルムは、公知の様々な成形方法により製造することが出来る。
例えば、ポリプロピレン系樹脂(A)からなるシール層(I)、接着性樹脂(C)からなる接着層(III)とアクリル系樹脂(B)からなる層(II)を(さらに他の層と)共押出成形する方法、シール層(I)および接着層(III)とさらに他の層とを共押出成形し、あらかじめ押出成形したアクリル系樹脂(B)からなる層(II)の面の上に、層(II)と接着層(III)とが接するように熱及び圧力をかけて貼り合せる熱ラミネーション法、あらかじめ押出成形したアクリル系樹脂(B)からなる層(II)と、あらかじめ押出成形したポリプロピレン系樹脂(A)からなるシール層(I)とを、接着層(III)を介して貼り合せるドライラミネーション法及びウェットラミネーション法、あらかじめ押出成形したアクリル系樹脂(B)からなる層(II)の面の上に、接着層(III)とポリプロピレン系樹脂(A)からなるシール層(I)とを溶融押出しする押出ラミネーション法やあらかじめ押出成形したアクリル系樹脂(B)からなる層(II)と、あらかじめ押出成形したポリプロピレン系樹脂(A)からなるシール層(I)とを、溶融押出された接着層(III)で接着させるサンドラミネーション法などが挙げられる。加飾フィルムを形成するための装置としては、公知の共押出Tダイ成形機や、公知のラミネート成形機を用いることができる。
本発明において加飾される樹脂成形体(加飾対象)は、ポリプロピレン系樹脂(ア)40重量%〜99重量%と、繊維(イ)1重量%〜60重量%とからなる繊維強化ポリプロピレン系樹脂組成物(ウ)を成形して得られた成形体である。
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂(ア)は、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレン−α−オレフィン共重合体、あるいは、プロピレンブロック共重合体等の公知の様々なタイプのものを選択する事ができ、下記要件(ア−i)〜(ア−ii)を満たす。
(ア−i):ポリプロピレン系樹脂(ア)の融解ピーク温度Tm(ア)が110℃以上である。
(ア−ii):ポリプロピレン系樹脂(ア)のMFR(ア)(230℃、2.16kg荷重)が、0.5g/10分以上200g/10分以下である。
本発明に用いられる繊維(イ)は、次の特性(イ−i)を満たす。
(イ−i):繊維(イ)が、ガラス繊維、炭素繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
本発明に用いられる繊維(イ)は、引張弾性率および引張強度が高いため、樹脂組成物及びその成形体の剛性・耐熱性などの物性、寸法安定性(線膨張係数の低減など)、環境適応性の各向上などに寄与する特徴を有する。
ガラス繊維としては、特に限定されず用いることができ、繊維に用いられるガラスの種類としては、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラスなどが挙げることができ、中でもEガラスが好ましい。ガラス繊維の製造方法は、特に限定されたものではなく、公知の各種製造方法にて製造される。
なお、ガラス繊維を2種以上を併用することもできる。
ここで「実質的に」とは、具体的には、繊維含有ペレット中の繊維の個数全体を基準として、50%以上、好ましくは90%以上において、その長さがガラス繊維含有ペレットの長さ(押出方向)と同じであって、該ペレット調製の際に繊維の折損を殆ど受けないことを意味する。
その具体的な測定は、例えば繊維(イ)がガラス繊維の場合、ガラス繊維を界面活性剤含有水に混合し、該混合水液を薄ガラス板上に滴下拡散した後、デジタル顕微鏡(例えばキーエンス社製VHX−900型)を用いて100本以上の繊維長を測定しその平均値を算出する方法による。
ガラス繊維の具体例としては、日本電気硝子社製(T480H)などを挙げることができる。
このようなガラス繊維含有ペレットの製造方法は、特に制限されず、公知の方法を用い
ることができる。
炭素繊維としては、特に限定されず用いることができる。ここで、炭素繊維とは、微細炭素繊維とも称される例えば繊維径が500nm以下の極細のものも含まれる。なお、炭素繊維は2種以上併用することもできる。
なお、炭素繊維の長さは、前述のガラス繊維と同様の方法で測定される。
繊維径は、公知の方法で測定され、例えば、ISO11567/1995や顕微鏡観察法により測定される。
炭素繊維の含有量が20重量%未満である炭素繊維含有ペレットを本発明において用いた場合、繊維強化組成物及びその成形体の低収縮性、耐傷付性、剛性・衝撃強度などの物性が低下するおそれがあり、一方、70重量%を超えるものを用いた場合には、成形性(流動性)などを低下させるおそれがある。
本発明に用いられる繊維(イ)の含有割合は、ポリプロピレン系樹脂(ア)に対して、1重量%〜60重量%、好ましくは5重量%〜55重量%、より好ましくは10重量%〜50重量%である。繊維(イ)の含有割合が前記の範囲であると、低収縮性、高剛性などの優れた物性を発現される。
ここで、繊維(イ)の含有割合は実量であり、例えば、前記ガラス繊維含有ペレットを
用いる場合は、該ペレットに含有する繊維(イ)の実含有量に基づき算出する。
任意添加成分は、2種以上を併用してもよく、樹脂組成物に添加してもよく、それぞれの成分においても2種以上併用することもできる。本発明において、任意添加成分の含有割合は特に限定されないが、通常、樹脂組成物100重量部において、0.01〜0.5重量部程度であり、その目的に応じて適宜選択される。
オレフィン系エラストマーとしては、例えば、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(EPR)、エチレン・ブテン共重合体エラストマー(EBR)、エチレン・ヘキセン共重合体エラストマー(EHR)、エチレン・オクテン共重合体エラストマー(EOR)などのエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマー;エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・ブタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・イソプレン共重合体などのエチレン・α−オレフィン・ジエン三元共重合体エラストマーなどを挙げることができる。
また、スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック共重合体エラストマー(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック共重合体エラストマー(SIS)、スチレン−エチレン・ブチレン共重合体エラストマー(SEB)、スチレン−エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(SEP)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体エラストマー(SEBS)、スチレン−エチレン・ブチレン−エチレン共重合体エラストマー(SEBC)、水添スチレン・ブタジエンエラストマー(HSBR)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体エラストマー(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体エラストマー(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体エラストマー(SBBS)などを挙げることができる。
さらに、エチレン−エチレン・ブチレン−エチレン共重合体エラストマー(CEBC)などの水添ポリマー系エラストマーなども挙げることができる。
中でも、エチレン・オクテン共重合体エラストマー(EOR)、エチレン・ブテン共重合体エラストマー(EBR)及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも一種を使用すると、樹脂組成物及びその成形体において、低収縮性、触感及び衝撃強度などの性能がより優れ、経済性にも優れる傾向にあることなどの点から好ましい。
なお、熱可塑性エラストマーは、2種以上を併用することもできる。
酸変性ポリオレフィンとしては、特に制限はなく、従来公知のものを用いることができる。酸変性ポリオレフィンは、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン非共役ジエン化合物共重合体(EPDMなど)、エチレン−芳香族モノビニル化合物−共役ジエン化合物共重合ゴムなどのポリオレフィンを、例えば、マレイン酸または無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸を用いてグラフト共重合し、変性したものである。このグラフト共重合は、例えば上記ポリオレフィンを適当な溶媒中において、ベンゾイルパーオキシドなどのラジカル発生剤を用いて、不飽和カルボン酸と反応させることにより行われる。また、不飽和カルボン酸またはその誘導体の成分は、ポリオレフィン用モノマーとのランダムもしくはブロック共重合によりポリマー鎖中に導入することもできる。
また、ヒドロキシ変性ポリオレフィンは、ヒドロキシル基を含有する変性ポリオレフィンである。該変性ポリオレフィンは、ヒドロキシル基を適当な部位、例えば、主鎖の末端や側鎖に有していてもよい。ヒドロキシ変性ポリオレフィンを構成するオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、4−メチルペンテン−1、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセンなどのα−オレフィンの単独または共重合体、前記α−オレフィンと共重合性単量体との共重合体などが例示できる。ヒドロキシ変性ポリオレフィンとして、ヒドロキシ変性ポリエチレン(例えば、低密度、中密度または高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ヒドロキシ変性ポリプロピレン(例えば、アイソタクチックポリプロピレンなどのポリプロピレンホモポリマー、プロピレンとα−オレフィン(例えば、エチレン、ブテン、ヘキサンなど)とのランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体など)、ヒドロキシ変性ポリ(4−メチルペンテン−1)などを挙げることができる。
分子量降下剤は、例えば、各種の有機過酸化物や、分解(酸化)促進剤と称されるものなどが使用でき、有機過酸化物が好適である。
有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーアセテート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチル−ジ−パーアジペート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、メチル−エチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルキュミルパーオキサイド、1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス−t−ブチルパーオキシブタン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−サイメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラ−メチルブチルハイドロパーオキサイド及び2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ハイドロパーオキシ)ヘキサンのグループから選ばれる1種または2種以上からなるものを挙げることができる。
潤剤としては、例えば、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸ブチル、シリコーンオイルなどを挙げることができる。
酸化防止剤として、例えば、フェノール系、リン系やイオウ系の酸化防止剤などを挙げることができる。
これらの任意成分は、種々の製品が多くの会社から市販されており、その目的に応じて、所望の製品を入手し、使用することができる。
本発明の繊維強化ポリプロピレン系樹脂組成物(ウ)は、ポリプロピレン系樹脂(ア)(以下、成分(ア)とも記す。)及び繊維(イ)を、必要に応じて任意添加成分を加え、前記含有割合で、従来公知の方法で配合し、溶融混練する混練工程を経ることにより製造することができる。
さらに、予め繊維(イ)を除く成分を押出機などで溶融混練してペレットと成し、該ペレットと前記のガラス繊維含有ペレットや炭素繊維含有ペレットなどの所謂「繊維(イ)含有ペレット」とを混合することにより繊維強化組成物とする製造方法も前記同様の理由などで好ましい製造方法の一つである。
本発明の成形体は、前記方法で製造された繊維強化ポリプロピレン系樹脂組成物(ウ)を、例えば、射出成形(ガス射出成形、二色射出成形、コアバック射出成形、サンドイッチ射出成形も含む)、射出圧縮成形(プレスインジェクション)、押出成形、シート成形及び中空成形などの周知の成形方法にて成形することによって得ることができる。この内、射出成形または射出圧縮成形にて得ることが好ましい。
本発明において加飾される成形体(加飾対象)として、繊維強化ポリプロピレン系樹脂組成物(ウ)からなる成形体(以下、「基体」と言うことがある。)を用いることが出来る。成形体の成形方法は、特に制限されるものでなく、例えば射出成形、ブロー成形、プレス成形、押出成形等を挙げることができる。
本発明の加飾成形体の製造方法は、上述した加飾フィルムを準備するステップ、樹脂成形体を準備するステップ、減圧可能なチャンバーボックス中に、前記樹脂成形体及び前記加飾フィルムをセットするステップ(シール層がある場合には、前記樹脂成形体と前記加飾フィルムのシール層とが対向するようにセットするステップ)、前記チャンバーボックス内を減圧するステップ、前記加飾フィルムを加熱軟化させるステップ、前記樹脂成形体に前記加飾フィルムを押し当てるステップ、前記減圧されたチャンバーボックス内を大気圧に戻す又は加圧するステップを含むことを特徴とする。
また、加飾対象と加飾フィルムを押し当てるための機構は、加飾対象を移動させるもの、加飾フィルムを移動させるもの、両者を移動させるもの、いずれのタイプでもかまわない。
以下、図を参照しながら、三次元加飾熱成形機を用いて加飾フィルムを加飾対象に貼着する方法について例示的に説明する。
続いて、上下チャンバーボックス11,12内を大気圧下に開放し、加飾成形体6を下チャンバーボックス12から取り出す。最後に、図7に例示するように加飾成形体6の周囲にある不要な加飾フィルム1のエッジをトリミングする。
チャンバーボックス11,12内の減圧は、空気だまりが発生しない程度であれば良く、チャンバーボックス内の圧力が10KPa以下、好ましくは3KPa、より好ましくは1KPa以下である。
このとき、一般的なポリプロピレン系樹脂からなるフィルムは加熱時の粘度低下により、わずかな圧力変動で大きく変形および破膜することがある。
本発明の加飾フィルム1は、ドローダウンしにくいだけでなく、圧力変動によるフィルム変形にも耐性を有する。
そのために、ヒータ温度は加飾対象5を構成するポリプロピレン系樹脂と加飾フィルム1を構成するポリプロピレン系樹脂の融解温度よりも高いことが必要である。ヒータ温度は、好ましくは160℃以上、より好ましくは180℃以上、最も好ましくは200℃以上である。
すなわち、ヒータによって加熱された加飾フィルムは、固体状態から加熱されることで熱膨張し結晶溶融に伴い一度たるみ、結晶融解が全体に進行すると分子が緩和することで一時的に張り戻るスプリングバックが観察され、その後、自重によって垂れ下がるという挙動を示すが、スプリングバック後には、フィルムは完全に結晶が融解しており、分子の緩和が十分であるため、十分な接着強度が得られる。
一方、加熱時間が長くなりすぎると、フィルムは自重によって垂れ下がったり、上下チャンバーボックスの圧力差により変形してしまったりするので、スプリングバック終了後、50秒未満の加熱時間であることが好ましい。
(i)MFR
ISO 1133:1997 Conditions Mに準拠して、230℃、2.16kg荷重で測定した。単位はg/10分である。
示差走査熱量計(DSC)を用い、一旦200℃まで温度を上げて10分間保持した後、10℃/分の降温速度で40℃まで降温して結晶化させた。この時の結晶化最大ピーク温度を結晶化温度(Tc)とした。再び昇温速度10℃/分にて測定した際の、吸熱ピークトップの温度を融解ピーク温度Tmとした。単位は℃である。
以下の装置と条件でGPC測定をおこないMw/Mnの算出をおこなった。
・装置:Waters社製GPC(ALC/GPC 150C)
・検出器:FOXBORO社製MIRAN 1A IR検出器(測定波長:3.42μm)
・カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本)
・移動相溶媒:オルトジクロロベンゼン(ODCB)
・測定温度:140℃
・流速:1.0ml/min
・注入量:0.2ml
・試料の調製:試料は、ODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)を用いて1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させる。
GPC測定で得られた保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレン(PS)による検量線を用いて行う。使用する標準ポリスチレンは、何れも東ソー社製の以下の銘柄である。
F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000
各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して、較正曲線を作成する。較正曲線は、最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。
なお、分子量への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαは、以下の数値を用いる。
PS:K=1.38×10−4、α=0.7
PP:K=1.03×10−4、α=0.78
(1)ポリプロピレン系樹脂
以下のポリプロピレン系樹脂を用いた。
(A−1):チーグラー・ナッタ触媒によるプロピレン−α−オレフィン共重合体(MFR=7.0g/10分、Tc=86℃)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテック(登録商標)FX4G」
(A−2):チーグラー・ナッタ触媒によるプロピレン−α−オレフィン共重合体(MFR=7.0g/10分、Tc=96℃)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテック(登録商標)FW4B」
(A−3):チーグラー・ナッタ触媒によるプロピレン−α−オレフィン共重合体(MFR=7.0g/10分、Tc=107℃)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテック(登録商標)FW3GT」
(A−4):メタロセン触媒によるプロピレン−α−オレフィン共重合体(MFR=7g/10分、Tm=125℃、Mw/Mn=2.5)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ウィンテック(登録商標)WFX4M」
(A−5):メタロセン触媒によるプロピレン−α−オレフィン共重合体(MFR=25g/10分、Tm=125℃、Mw/Mn=2.4)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ウィンテック(登録商標)WSX03」
(A−6):メタロセン触媒によるプロピレン−α−オレフィン共重合体(MFR=7g/10分、Tm=135℃、Mw/Mn=2.3)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ウィンテック(登録商標)WFW4M」
(A−7):メタロセン触媒によるプロピレン−α−オレフィン共重合体(MFR=30g/10分、Tm=145℃、Mw/Mn=2.4)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ウィンテック(登録商標)WMG03」
(B−1):ポリメチルメタクリレート樹脂フィルム、三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリプレン(登録商標)HBS010P、膜厚さ75μm」
(3)接着性樹脂(C)
(C−1):無水マレイン酸変性ポリオレフィン(MFR=7g/10分)、三菱化学(株)製、商品名「モディックAP(登録商標)F534A」
(C−2):無水マレイン酸変性ポリオレフィン(MFR=1.6g/10分)、三菱化学(株)製、商品名「モディックAP(登録商標)F532」
(ア−2):日本ポリプロ(株)社製、商品名「ノバテック(登録商標)」の下記組成のグレードを用いた。
チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合されたプロピレン・エチレンブロック共重合体であり、プロピレン・エチレンブロック共重合体全体の融解ピーク温度Tmが161℃、MFR(230℃、2.16kg荷重)が28g/10分、プロピレン・エチレン共重合体全体に対するプロピレン単独重合体部分の含有量が73重量%、プロピレン・エチレン共重合体部分の含有量が27重量%、プロピレン・エチレン共重合体部分のエチレン含有量が37重量%。
(イ−1):日本電気硝子社製ガラス繊維、「T480H」、チョップドストランド、繊維径10μm、繊維長さ4mm
(イ−2):三菱レイヨン社製炭素繊維、商品名「パイロフィル TR066A」、繊維径7μm、繊維長さ6mm
(ウ−1)〜(ウ−6):前記成分(ア)と(イ)を表1に示す割合で配合し、下記条件で混練・造粒して樹脂組成物ペレットを得た。
混練装置:テックノベル社製「KZW−15−MG」型二軸押出機
混練条件:押出温度=200℃、スクリュー回転数=400rpm、吐出量=3kg/h
なお繊維(イ)は、押出機先端から2バレル手前の位置からサイドフィーダーを用いて所定の濃度となる様にサイドフィードする方法にて配合・混練した。
繊維強化ポリプロピレン系樹脂組成物(ウ−1)〜(ウ−7)を、以下の方法で射出成型を行い、樹脂成形体(基体)を得た。
射出成形機:東芝機械株式会社製「IS100GN」、型締め圧100トン
シリンダー温度:200℃
金型温度:40℃
射出金型:幅×高さ×厚さ=120mm×120mm×3mmの平板
状態調整:温度23℃、湿度50%RHの恒温恒湿室にて5日間保持
口径30mm(直径)のシール層用押出機−1及び口径40mm(直径)の接着層用押出機−2が接続された、リップ開度0.8mm、ダイス幅400mmの2種2層Tダイを用いた。シール層用押出機−1にポリプロピレン系樹脂(A−1)を、接着層用押出機−2にポリプロピレン系樹脂(C−1)をそれぞれ投入し、樹脂温度240℃、シール層用押出機−1の吐出量を4kg/h、接着層用押出機−2の吐出量を8kg/hの条件で溶融押出を行った。溶融押出されたフィルムを、80℃の3m/minで回転する第1ロールにエアナイフでシール層が接するように押付けながら冷却固化させ、厚さ50μmのシール層と、厚さ100μmの接着層が積層された2層の未延伸フィルムを得た。
得られた未延伸フィルムと、アクリル系樹脂(B)からなるフィルム(B−1)とを、長手方向がフィルムのMD方向となるように、それぞれ幅250mm×長さ1,000mmで切り出した。切り出したアクリルフィルムと、切出した未延伸フィルムの接着層とが接する様に重ね、熱ラミネート機を用いて以下の条件にて一体化して加飾フィルムを得た。熱ラミネート条件を下記する。
熱ラミネート機:テスター産業(株)社製「小型卓上テストラミネーター」
加熱条件:アクリルフィルム接触面、130℃
シール層接触面、23℃
加圧条件:1.5kgf/m
ライン速度:0.5m/min
樹脂成形体(基体)5として、上記により得られた繊維強化ポリプロピレン系樹脂組成物(ウ−1)からなる射出成形体を用いた。三次元加飾熱成形装置として、布施真空株式会社製「NGF−0406−SW」を用いた。図2〜7に示すように、加飾フィルム1を、冷却ロール接触面が基体に対向するとともに長手方向がフィルムのMD方向となるように、幅250mm×長さ350mmで切り出し、開口部のサイズが210mm×300mmのフィルム固定用治具13にセットした。樹脂成形体(基体)5は、フィルム固定用治具13よりも下方に位置するテーブル14上に設置された、高さ20mmのサンプル設置台の上に、ニチバン株式会社製「ナイスタック NW−K15」を介して貼り付けた。フィルム固定治具13とテーブル14をチャンバー11,12内に設置し、チャンバーを閉じてチャンバーボックス11,12内を密閉状態とした。チャンバーボックスは、加飾フィルム1を介して上下に分割されている。上下ボックスを真空吸引し、大気圧(101.3kPa)から1.0kPaまで減圧した状態で、上チャンバーボックス11上に設置された遠赤外線ヒータ15を出力80%で始動させて加飾フィルム1を加熱した。加熱中も真空吸引を継続し、最終的に0.1kPaまで減圧した。加飾フィルム1、が加熱され一時的にたるみ、その後、張り戻るスプリングバック現象が終了してから30秒後に、下チャンバーボックス12内に設置されたテーブル14を上方に移動させて、樹脂成形体(基体)5を加飾フィルム1に押し付け、直後に上チャンバーボックス11内の圧力が270kPaとなるように圧縮空気を送り込んで樹脂成形体(基体)5と加飾フィルム1を密着させた。このようにして、樹脂成形体(基体)5の上面及び側面に加飾フィルム1が貼着された三次元加飾熱成形品6を得た。
(1)熱成形性の評価(加飾成形体の外観)
三次元加飾熱成形時の加飾フィルムのドローダウン状態、ならびに基体に加飾フィルムを貼着した加飾成形体の加飾フィルムの貼着状態を目視にて観察し、以下に示した基準で評価した。
○:三次元加飾熱成形時に、加飾フィルムがドローダウンせずに基体と加飾フィルムとの接触が接触面全面にて同時に行われたため、接触ムラが発生せず、均一に貼着されている。
×:三次元加飾熱成形時に、加飾フィルムが大きくドローダウンしたため、基体全面に接触ムラが発生。
株式会社ニトムズ社製「クラフト粘着テープ No.712N」を幅75mm、長さ120mmに切り出し、樹脂成形体(基体)の端部より75mm×120mmの範囲で樹脂成形体(基体)に貼り付けてマスキング処理を施した(基体表面露出部は幅45mm、長さ120mm)。樹脂成形体(基体)のマスキング面が加飾フィルムと接触するように三次元加飾熱成形装置NGF−0406−SWに設置し、三次元加飾熱成形を行った。
加飾フィルムが貼着された加飾成形体の表面(縦1400μm、横1000μm相当面積)を、形状測定レーザマイクロスコープ(株式会社キーエンス製「VK−X200」、倍率10倍)および観察アプリケーション(VK−H1XV)を用いて観察した。得られた観察データを、ISO4287/1997に準拠した解析アプリケーション(VK−H1XA)を用いて横方向の線粗さを任意に20点解析し、得られた算術平均粗さRaで最も高い値を算術平均粗さRaとした。
加飾フィルムが貼着された加飾成形体表面を手で撫で、以下に示した基準で評価した。
○:表面に浮き出た繊維形状の凹凸が感じられず、手触りが良い。
△:各所に凹凸が感じられ、手触りが悪い部分がある。
×:全体的に凹凸が感じられ、手触りが悪い。
加飾フィルムが貼着された加飾成形体の中央付近の光沢(グロス)を日本電色工業(株)社製GLOSS計Gloss Meter VG2000を用いて、入射角60°で測定した。測定方法はJIS K7105−1981に準拠した。
本発明の要件を全て満足しているため、得られた加飾成形体は外観および接着力に優れ、繊維形状特有の凹凸が感じられず、手触りに優れるものであった。
実施例1記載の三次元加飾熱成形において、樹脂成形体(基体)5を繊維強化ポリプロピレン系樹脂組成物(ウ−2)〜(ウ−7)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表2にそれぞれ示す。
いずれも本発明の要件を全て満足しているため、得られた加飾成形体は外観および接着力に優れ、繊維形状特有の凹凸が感じられず、手触りに優れるものであった。
実施例6の加飾フィルムの製造において、接着層に用いた接着性樹脂を(C−1)から(C−2)に変更した以外は、実施例6と同様に評価を行った。評価結果を表2に示す。
本発明の要件を全て満足しているため、得られた加飾成形体は外観および接着力に優れ、繊維形状特有の凹凸が感じられず、手触りに優れるものであった。
実施例6の加飾フィルムの製造において、シール層に用いたポリプロピレン系樹脂を(A−1)から(A−2)に変更した以外は、実施例6と同様に評価を行った。評価結果を表2に示す。
本発明の要件を全て満足しているため、得られた加飾成形体は外観および接着力に優れ、繊維形状特有の凹凸が感じられず、手触りに優れるものであった。
繊維強化ポリプロピレン系樹脂組成物(ウ−1)からなる射出成形体のみを用い、実施例1記載の算術平均粗さRa評価と触感評価を行った。結果を表3に示す。
加飾フィルムが貼着されていないため、繊維形状特有の凹凸が観察され、Raも2.7μmと高いため、ざらざらとした触感であり、実用可能な表面形状ではなかった。
射出成形体を、繊維強化ポリプロピレン系樹脂組成物(ウ−1)から(ウ−2)〜(ウ−7)の射出成形体に変更した以外は、比較例1と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
いずれの射出成形体も加飾フィルムが貼着されていないため、繊維形状特有の凹凸が観察され、Raも2.0μmより高いため、ざらざらとした触感であり、実用可能な表面形状ではなかった。
実施例6加飾フィルムの製造において、ポリプロピレン系樹脂(A−1)を、ポリプロピレン系樹脂(A−3)に変更した以外は、実施例6と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
接着力が著しく劣る結果であった。
実施例6の加飾フィルムの製造において、ポリプロピレン系樹脂(A−1)を、ポリプロピレン系樹脂(A−4)に変更した以外は、実施例6と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
いずれも本発明の要件を全て満足しているため、得られた加飾成形体は外観および接着力に優れ、繊維形状特有の凹凸が感じられず、手触りに優れるものであった。
実施例6の加飾フィルムの製造において、ポリプロピレン系樹脂(A−1)を、ポリプロピレン系樹脂(A−5)に変更した以外は、実施例6と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
いずれも本発明の要件を全て満足しているため、得られた加飾成形体は外観および接着力に優れ、繊維形状特有の凹凸が感じられず、手触りに優れるものであった。
実施例6の加飾フィルムの製造において、ポリプロピレン系樹脂(A−1)を、ポリプロピレン系樹脂(A−6)に変更した以外は、実施例6と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
いずれも本発明の要件を全て満足しているため、得られた加飾成形体は外観および接着力に優れ、繊維形状特有の凹凸が感じられず、手触りに優れるものであった。
実施例6の加飾フィルムの製造において、ポリプロピレン系樹脂(A−1)を、ポリプロピレン系樹脂(A−7)に変更した以外は、実施例6と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
いずれも本発明の要件を全て満足しているため、得られた加飾成形体は外観および接着力に優れ、繊維形状特有の凹凸が感じられず、手触りに優れるものであった。
2 層(II)
3 シール層(I)
5 樹脂成形体(加飾対象、基体)
6 加飾成形体
7 接着層(III)
11 上チャンバーボックス
12 下チャンバーボックス
13 治具
14 テーブル
15 ヒータ
Claims (8)
- 樹脂成形体上に熱成形によってポリプロピレン系加飾フィルムが貼着された加飾成形体であって、前記ポリプロピレン系加飾フィルムは、ポリプロピレン系樹脂(A)からなるシール層(I)、アクリル系樹脂(B)からなる層(II)、及びシール層(I)と層(II)との間に接着性樹脂(C)からなる接着層(III)を含む加飾フィルムであり、前記樹脂成形体は、下記要件(ア−i)〜(ア−ii)を満たすポリプロピレン系樹脂(ア)40重量%〜99重量%と、下記要件(イ−i)を満たす繊維(イ)1重量%〜60重量%(但し、(ア)と(イ)との合計量を100重量%とする)とを含む繊維強化ポリプロピレン系樹脂組成物(ウ)からなり、前記ポリプロピレン系加飾フィルムと前記樹脂成形体とはシール層(I)を介して貼着された成形体であり、前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、下記要件(a11)〜(a12)を満たすポリプロピレン系樹脂(A1)であることを特徴とする加飾成形体。
ポリプロピレン系樹脂(ア)
(ア−i):融解ピーク温度Tm(ア)が、110℃以上である。
(ア−ii):MFR(ア)(230℃、2.16kg荷重)が、0.5g/10分以上200g/10分以下である。
繊維(イ)
(イ−i):繊維(イ)が、ガラス繊維、炭素繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
ポリプロピレン系樹脂(A1)
(a11)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)MFR(A1)は、100g/10分以下である。
(a12)ポリプロピレン系樹脂(A1)の結晶化温度Tc(A1)は、100℃未満である。 - 前記ポリプロピレン系樹脂(A1)は、プロピレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の加飾成形体。
- 前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、下記要件(a21)〜(a24)を満たすポリプロピレン系樹脂(A2)であることを特徴とする請求項1に記載の加飾成形体。
(a21)メタロセン触媒系プロピレン系共重合体である
(a22)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)MFR(A2)は、100g/10分以下である。
(a23)ポリプロピレン系樹脂(A2)の融解ピーク温度Tm(A2)は、150℃未満である。
(a24)GPC測定により得られる分子量分布(Mw/Mn(A2))は1.5〜3.5である - 前記ポリプロピレン系樹脂(A2)は、プロピレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項3に記載の加飾成形体。
- Tm(A2)は、140℃以下であることを特徴とする請求項3または4に記載の加飾成形体。
- 前記接着性樹脂(C)は、少なくとも1種のヘテロ原子を含む極性官能基を有するポリオレフィン樹脂であって、そのMFR(230℃、2.16kg荷重)が100g/10分以下であるポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の加飾成形体。
- 前記加飾成形体の、貼着されたポリプロピレン系加飾フィルム表面側の、ISO4287/1997に準拠して測定された算術平均粗さRaが、2μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の加飾成形体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の加飾成形体を製造する方法であって、ポリプロピレン系加飾フィルムを準備するステップ、樹脂成形体を準備するステップ、減圧可能なチャンバーボックス中に、前記樹脂成形体及び前記加飾フィルムをセットするステップ、チャンバー内を減圧するステップ、前記加飾フィルムを加熱軟化させるステップ、前記樹脂成形体に前記加飾フィルムを押し当てるステップ、チャンバー内を大気圧に戻す又は加圧するステップを含むことを特徴とする加飾成形体の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017043225 | 2017-03-07 | ||
JP2017043225 | 2017-03-07 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018144476A JP2018144476A (ja) | 2018-09-20 |
JP6947003B2 true JP6947003B2 (ja) | 2021-10-13 |
Family
ID=63590445
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017243388A Active JP6947003B2 (ja) | 2017-03-07 | 2017-12-20 | 加飾成形体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6947003B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021066132A1 (ja) * | 2019-10-03 | 2021-04-08 | 出光ユニテック株式会社 | 成形体及び成形体の製造方法 |
JP7467962B2 (ja) * | 2020-02-12 | 2024-04-16 | 王子ホールディングス株式会社 | 加飾フィルム及び加飾成形体 |
GB2619346A (en) * | 2022-06-01 | 2023-12-06 | Arrival Uk Ltd | Composite Sheet and Parts |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1052893A (ja) * | 1996-06-06 | 1998-02-24 | Mitsubishi Chem Corp | プラスチック製共押出多層積層シート及びそれを使用した成形体の製造方法 |
JP2002137344A (ja) * | 2000-11-06 | 2002-05-14 | Grand Polymer Co Ltd | ポリオレフィン樹脂用絵付用シート、絵付方法および加飾成形品 |
JP2004066565A (ja) * | 2002-08-05 | 2004-03-04 | Japan Polychem Corp | 熱成形用ポリプロピレンシート、および、その成形体 |
JP6005911B2 (ja) * | 2011-06-30 | 2016-10-12 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 真空圧空成形または真空成形により一体化された構造体、およびその製造方法 |
JP5613655B2 (ja) * | 2011-12-29 | 2014-10-29 | 日本ポリプロ株式会社 | ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体 |
-
2017
- 2017-12-20 JP JP2017243388A patent/JP6947003B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018144476A (ja) | 2018-09-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6947003B2 (ja) | 加飾成形体およびその製造方法 | |
US6652985B1 (en) | Acrylic resin laminated film and laminated article | |
JP6969353B2 (ja) | 加飾成形体およびその製造方法 | |
JP2018140625A (ja) | 加飾成形体およびその製造方法 | |
JP2019136911A (ja) | 加飾成形体およびその製造方法 | |
JP7163996B2 (ja) | 加飾成形体の製造方法 | |
JP2019142109A (ja) | 加飾成形体およびその製造方法 | |
JP6870525B2 (ja) | 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法 | |
JP6992461B2 (ja) | 加飾成形体およびその製造方法 | |
JP6935758B2 (ja) | 加飾成形体およびその製造方法 | |
JP6846898B2 (ja) | 加飾用シートおよび加飾用積層シート | |
JP2019111666A (ja) | 加飾成形体およびその製造方法 | |
JP4536192B2 (ja) | 化粧シート | |
JP7192543B2 (ja) | 加飾フィルム及びそれを用いた加飾成形体の製造方法 | |
JP6950340B2 (ja) | 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法 | |
JP2019142110A (ja) | 加飾成形体およびその製造方法 | |
JP6874621B2 (ja) | 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法 | |
JP6855956B2 (ja) | 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法 | |
JP6958281B2 (ja) | 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法 | |
JP7163997B2 (ja) | 加飾成形体の製造方法 | |
WO2019098379A1 (ja) | 加飾フィルム及びそれを用いた加飾成形体の製造方法 | |
WO2021124943A1 (ja) | 積層体、成形体及び成形体の製造方法 | |
JP6859894B2 (ja) | 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法 | |
JP6935759B2 (ja) | 加飾成形体およびその製造方法 | |
JP6962064B2 (ja) | 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200831 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210625 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210629 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210719 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210817 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210830 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6947003 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |