JP6946624B2 - 広告表示化粧板の施工方法、および積層体 - Google Patents

広告表示化粧板の施工方法、および積層体 Download PDF

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Description

本発明は広告表示化粧板の施工方法、および積層体に関する。
建物の内壁や家具等の意匠性を高めるために化粧板が用いられる場合がある。
特許文献1には、表面に耐スクラッチ層を備え、反対側に接着層がラミネートされた装飾シートが記載されている。
特表2011−516299号公報
しかし、建物の内壁等にポスター等の広告を掲示しようとする場合には、化粧板を覆って広告体を取り付けることとなり、また、長期に掲示すると広告体が痛んだり色あせたりして審美性が損なわれるおそれがあった。
本発明は、容易に広告内容の変更が可能な広告表示化粧板の施工方法を提供する。
本発明によれば、
媒体と、
前記媒体の上に積層される、第2の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された、広告表示面を有する第2の広告表示化粧板と、
第1の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された、マグネット
層を備える第1の広告表示化粧板と、
を準備し、
前記媒体及び前記第2の広告表示化粧板の一方または両方が、磁性体を含み、
前記第2の広告表示化粧板の前記広告表示面に対し、前記第1の広告表示化粧板を積層して脱着可能に固定し、
前記媒体が、第3の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された広告媒体である、広告表示化粧板の施工方法が提供される。
本発明によれば、
媒体と、
前記媒体の上に積層された、第1面側から第2の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された化粧シートを含む、第2の広告表示化粧板と、
第1の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された、マグネット層を備える第1の広告表示化粧板と、
を備え、
前記媒体及び前記第2の広告表示化粧板の一方または両方が磁性体を含み、
前記第1の広告表示化粧板が前記第2の広告表示化粧板の前記第1面に対して脱着可能に覆っており、
前記媒体が第3の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された広告媒体である、積層体が提供される。
本発明によれば、容易に広告内容の変更が可能な広告表示化粧板の施工方法を提供できる。
第1の実施形態に係る広告表示化粧板の施工方法を例示する断面図である。 第1の実施形態に係る広告表示化粧板の施工方法を説明するための図である。 第1の実施形態に係る広告表示化粧板の構造を例示する断面図である。 第1の実施形態に係る第1の広告表示化粧板の変形例を示す断面図である。 第2の実施形態に係る広告表示化粧板の施工方法を例示する断面図である。 第3の実施形態に係る広告表示化粧板の構造を例示する断面図である。 第4の実施形態に係る広告表示化粧板の構造を例示する断面図である。 第5の本実施形態に係る広告表示化粧板の構造を例示する断面図である。 第6の実施形態に係る広告表示化粧板の構造を例示する断面図である。 (a)〜(d)は、それぞれ実施例2〜4、および6における受光角と反射率との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、「〜」は特に断りがなければ「以上」から「以下」を表す。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る広告表示化粧板の施工方法を例示する断面図である。本施工方法では、第1の広告表示化粧板10aを、広告表示面30に対し、積層して固定する。第1の広告表示化粧板10aは、第1の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された化粧板である。また、広告表示面30は、第2の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された面である。以下に詳しく説明する。
図2は、本実施形態に係る広告表示化粧板の施工方法を説明するための図である。図1は、図2のA−A断面に相当する。本図では、第1の広告表示化粧板10aを、エレベータの内壁に対して固定する例を示している。本実施形態において、広告表示面30は、化粧シートを含む第2の広告表示化粧板10bの第1面101bである。このような場合、施工した第2の広告表示化粧板10bを除去するには労力とコストがかかるが、第2の広告表示化粧板10bに第1の広告表示化粧板10aを重ねることにより、容易に広告内容を変更できる。なお、以下では第1の広告表示化粧板10aと第2の広告表示化粧板10bとを総称して広告表示化粧板10とも呼ぶ。
本施工方法によれば、第1の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された第1の広告表示化粧板10aと、第2の広告表示化粧板10bとを備え、第1の広告表示化粧板10aが第2の広告表示化粧板10bの第1面101bを覆っている積層体40が得られる。ここで、第2の広告表示化粧板10bは、第2の広告表示化粧板10bの第1面101b側から第2の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された化粧シートを含む。
広告表示面30は、広告媒体において第2の広告コンテンツを表示している面である。その広告の掲示期間が終了した場合、広告表示面30に第1の広告表示化粧板10aが重ねて施工され、新たな広告(第1の広告コンテンツ)が表示される。こうすることで、第2の広告コンテンツを除去することなく、新たな広告コンテンツを表示できる。広告媒体は建物の内壁や柱、家具の表面等である。ここで、建物の内壁としてはたとえば具体的には部屋や通路、エレベータ等の内壁が挙げられる。
広告コンテンツは、文字、写真、図形、記号等を適宜組み合わせて構成され、一連の広告内容を示している。広告コンテンツは、なかでも文字を含むことが好ましい。
図3は、本実施形態に係る広告表示化粧板10の構造を例示する断面図である。各広告表示化粧板10において、広告コンテンツは第1面101側から視認可能に構成されている。第1面101は広告表示化粧板10の主面のうちの一方である。また、広告表示化粧板10の主面のうち第1面101とは反対側の面を第2面102と呼ぶ。第1の広告表示化粧板10aは、第1面101a側から第1の広告コンテンツが視認可能である。
図2に示す例では、広告表示化粧板10aをエレベータの内壁に対して固定する例を示している。複数の広告表示化粧板第1の広告表示化粧板10aが、広告媒体20の表面に平行な方向に並べて固定されている。第1の広告表示化粧板10aのサイズは内壁のサイズに合わせて調整され、内壁は複数の第1の広告表示化粧板10aによりほぼ全体が覆われている。このように複数の第1の広告表示化粧板10aを用いることにより、一枚の第1の広告表示化粧板10aのみで覆う場合よりも第1の広告表示化粧板10aの製造や運搬、施工が容易になる。この場合、一つの第1の広告コンテンツが複数に分割されて各第1の広告表示化粧板10aに表示されてもよい。すなわち、複数の第1の広告表示化粧板10aの組み合わせにより第1の広告コンテンツが構成されていてもよい。なお、第1の広告コンテンツは一つの第1の広告表示化粧板10aのみで構成されていてもよい。また、必ずしも内壁の全体が広告表示化粧板10aで覆われていなくても良い。
また、本実施形態において、第1の広告表示化粧板10aと広告媒体20との間には第2の広告表示化粧板10bが位置している。第1の広告表示化粧板10aの第2面102aは第2の広告表示化粧板10bの第1面101bと対向している。図1に示す例において、特に第1の広告表示化粧板10aの第2面102aは第2の広告表示化粧板10bの第1面101bと接している。第2の広告表示化粧板10bの第2面102bは、広告媒体20に対向している。本図の例において、特に第2の広告表示化粧板10bの第2面102bは、広告媒体20の表面に接している。ただし、第2の広告表示化粧板10bはさらに他の広告表示化粧板10の第1面101と対向していてもよい。すなわち、広告媒体20と第2の広告表示化粧板10bとの間にはさらに別の広告表示化粧板10が位置していてもよい。
複数の第2の広告表示化粧板10bもまた、広告媒体20の表面に平行な方向に並べて固定されている。第2の広告表示化粧板10bのサイズは内壁のサイズに合わせて調整され、内壁は複数の第2の広告表示化粧板10bによりほぼ全体が覆われている。このように複数の第2の広告表示化粧板10bを用いることにより、一枚の第2の広告表示化粧板10bのみで覆う場合よりも第2の広告表示化粧板10bの製造や運搬、施工が容易になる。この場合、一つの第2の広告コンテンツが複数に分割されて各第2の広告表示化粧板10bに表示されてもよい。すなわち、複数の第2の広告表示化粧板10bの組み合わせにより第2の広告コンテンツが構成されていてもよい。なお、第2の広告コンテンツは一つの第2の広告表示化粧板10bのみで構成されていてもよい。
図1に示す例において、複数の第2の広告表示化粧板10bと複数の第1の広告表示化粧板10aとは、各広告表示化粧板10の端が第1面101に垂直な方向から見て揃うように配置されているが、これに限定されない。第1の広告表示化粧板10aの端と第2の広告表示化粧板10bの端とは、互いにずれていてもよい。
また、複数の広告表示化粧板10は、主面に平行な方向に互いに離間させた状態で並べて固定されていてもよい。後述する化粧シート12が紙などを含む場合、吸湿により膨張が生じることがある。それに対し、このように複数の広告表示化粧板10を互いに離間させて施工することにより、膨張に起因する広告表示化粧板10の位置ずれや浮き上がりを防止することができる。ただし、広告表示化粧板10が紙などを含まない構造の場合など、複数の広告表示化粧板10は互いに接触させた状態で固定してもよい。
また、複数の広告表示化粧板10の表面粗さRaは互いに異なっていてもよいし、複数の広告表示化粧板10は同じ表面粗さRaを有する2以上の広告表示化粧板10を含んでいてもよい。たとえば文字コンテンツを表示している面積が大きい広告表示化粧板10ほど、第1面101の表面粗さRaを大きくすることが好ましい。そうすれば、第1面101の光沢を抑え、特に色のコントラストが視認しやすくなることで、広告表示化粧板10を見る人に文字情報が認識されやすくなる。
図3に戻り、広告表示化粧板10について以下に詳しく説明する。本実施形態において広告表示化粧板10は、化粧シート12および接着層13を備える。
化粧シート12の構造は特に限定されないが、本実施形態において広告表示化粧板10は表面層120および芯材層129を含む。化粧シート12は、たとえばメラミン系樹脂、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン樹脂、および(メタ)クリル樹脂により構成される群から選択される一以上の樹脂を含んで構成される。また、表面層120は、印刷基材122、印刷部121、第1樹脂層123、および第2樹脂層124を含んで構成される。
広告表示化粧板10は全体として可撓性を有することが好ましい。そうすれば湾曲した広告媒体にも固定することができる。具体的には広告表示化粧板10は、25℃において10mmの曲げ半径で湾曲させたとき、亀裂が生じない程度の可撓性を有することが好ましい。
化粧シート12は、広告コンテンツを表示する部分である。化粧シート12は、第1面101側から印刷部121、すなわち印刷された広告コンテンツを視認可能に構成されている。
表面層120は、たとえば広告面となる第1面101側にメラミン樹脂を含有する樹脂(第1樹脂層123)を担持し、芯材層129と接する第2面102側に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分(第2樹脂層124)を担持する印刷基材122からなる表面層材料で構成される。以下に詳しく説明する。
印刷基材122は、たとえばパルプ、リンター、合成繊維、ガラス繊維である。また、印刷基材122は、酸化チタンなどの顔料を含有する酸化チタン含有化粧紙であってもよい。
印刷部121は、広告コンテンツを示す。印刷部121は印刷により印刷基材122に担持されたインクである。印刷部121は、印刷基材122の表面に層状に形成されていてもよいし、少なくとも一部が印刷基材122に含浸していてもよい。印刷法は、特に限定されないが、グラビア印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷等を用いることができる。
第1樹脂層123は、樹脂(A)を含む層であり、印刷基材122の第1面101側に位置する透明な層である。樹脂(A)は、メラミン系樹脂を含む。樹脂(A)は中でもメラミン樹脂を含むことが好ましい。これにより、化粧シート12の表面に好適な硬度を付与することができる。
メラミン樹脂としては、特に限定されず、例えば、メラミンとホルムアルデヒドを中性または弱アルカリ下において反応させて得られるものを用いることができ、広告表示化粧板10の耐久性を向上させることができる。
また、メラミン樹脂としては、住友化学(株)製のメラミン樹脂等、市販のものを用いることもできる。
樹脂(A)を印刷基材122の第1面101側に担持させる方法としては、特に限定されず、例えば、樹脂(A)を溶剤に溶解した樹脂ワニスを、例えば、スプレー装置、シャワー装置、キスコーター、コンマコーター等の装置を用いて塗工した後、80〜130℃程度で加熱乾燥する方法等が挙げられる。
樹脂(A)を溶解する溶剤としては、特に限定されず、例えば、水、メタノールが挙げられる。中でも水が好ましい。また、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。樹脂ワニスの固形分(溶剤を除く全成分)は、特に限定されないが、樹脂ワニスの30〜70質量%であるのが好ましく、45〜60質量%であるのがより好ましい。これにより、樹脂ワニスの基材への含浸性を向上できる。
第2樹脂層124は、樹脂(B)を含む層である。樹脂(B)は、たとえば熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分である。なお、本明細書中おいて、熱可塑性エマルジョン樹脂とは、熱可塑性樹脂を含むが溶剤に分散してエマルジョン状態となったものである。また、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分とは、熱可塑性エマルジョン樹脂から溶剤を除いた成分を意味する。
熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、エマルジョン樹脂粒子として存在する成分を含み、金属や各種素材との接着特性を有し、化粧シート12に柔軟性を付与する。したがって、表面層120の第2面102側に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分が担持されることにより、表面層120と芯材層129との接着強度を向上させることができるとともに、化粧シート12の曲げ加工性を向上させることができる。
熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分としては、たとえば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル系共重合体、ウレタンアクリル複合粒子、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)等の熱可塑性樹脂のエマルジョン粒子が挙げられる。これらの中でもウレタンアクリル複合粒子が好ましい。本明細書中において、ウレタンアクリル複合粒子とは、単一粒子内にアクリル樹脂とウレタン樹脂との異相構造を有するものを意味する。
ウレタン樹脂とアクリル樹脂とは、各々が芯材層129との接着強度が高いため、ウレタンアクリル複合粒子を用いることで、芯材層129との良好な接着強度を発現することができる。さらに、ウレタン樹脂は、特に強靭性、弾性、柔軟性に優れ、アクリル樹脂は、特に透明性、耐久性、耐候性、耐薬品性、造膜性に優れる。
また、本明細書中において「異相構造」とは、1個の粒子内に異なる種類の樹脂からなる相が複数存在する構造を意味し、例えば、コアシェル構造、局在構造、海島構造が挙げられる。
なお、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分としては、これらの中の1種類が単独で含まれるものを用いることもできるし、異なる2種類以上の熱可塑性樹脂を混合して含むものを用いることもできる。
また、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分には、上記熱可塑性樹脂のエマルジョン粒子以外にも、必要に応じて少量の増粘剤、浸透促進剤、消泡剤等を含んでいてもよい。
熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、平均粒径が30〜100nmのエマルジョン樹脂粒子を含むことが好ましく、エマルジョン樹脂粒子の平均粒径は、60〜90nmであることがより好ましい。これにより、表面層基材の繊維間への含浸性が向上し、より表面層基材の内部に含浸させることができるため、表面層120に良好な柔軟性を付与することができる。
熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を印刷基材122の第2面102側に担持させる方法としては、特に限定されず、樹脂(A)を印刷基材122の第1面101側に担持させる上述の方法と同様にして行うことができる。つまり、溶剤に溶解されたエマルジョン状態の熱可塑性エマルジョン樹脂を塗工、加熱乾燥する方法等が挙げられる。
熱可塑性エマルジョン樹脂に用いられる溶剤としては、特に限定されず、例えば、水が挙げられる。また、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分(溶剤を除く全成分)は、特に限定されないが、熱可塑性エマルジョン樹脂の25〜60質量%であるのが好ましく、30〜45質量%であるのがより好ましい。これにより、熱可塑性エマルジョン樹脂の基材への含浸性を向上できる。
なお、第1樹脂層123および第2樹脂層124は単独で層を形成していなくてもよい。すなわち、樹脂(A)および樹脂(B)は印刷基材122に担持されていればよい。ここで、印刷基材122が樹脂を担持するとは、樹脂が基材(担体)の表面に付着し、または、基材内部の空隙部に含浸され、表面層材料の成形後に担持させた樹脂の性能を発現することを可能にする状態であることを意味する。第1樹脂層123および第2樹脂層124はたとえば、表面層120において層状の分布を有している。なお、樹脂は、基材の表面および基材の内部に均一に分布していなくてもよい。
芯材層129は、化粧シート12のうち、第1面101側とは反対側に設けられている。芯材層129は、たとえばガラスクロス、またはガラスクロスを基材とするプリプレグを含んで構成されている。これにより、化粧シート12に、耐熱性、不燃性、剛性などを付与することができる。
芯材層129の厚みは、50μm以上とすることが好ましい。これにより、化粧シート12に充分な耐熱性、不燃性を付与することができる。また、厚みの上限については、特に限定されないが、厚みが大きいほど化粧シート12の厚みと重量が増大すると共に、コストも嵩むため、最終的な製品における設計上、許容される範囲で設定することが好ましく、350μm以下にすることが好ましい。
芯材層129の第2面102側の面には接着層13が位置している。接着層13は特に限定されないが、たとえば、主として粘着剤で構成されている。この粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を挙げることができる。広告表示化粧板10は接着層13により広告媒体20や他の広告表示化粧板10に対して固定される。
アクリル系粘着剤は、たとえば粘着性を与える低Tgの主モノマー成分、接着性や凝集力を与える高Tgのコモノマー成分、架橋や接着性改良のための官能基含有モノマー成分を主とする重合体または共重合体よりなる。
主モノマー成分としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステルを挙げることができる。
コモノマー成分としてはアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
官能基含有モノマー成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマーや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルメタクリレートが挙げられる。
また、ゴム系粘着剤としては、例えば、天然ゴム系、イソプレンゴム系、スチレン−ブタジエン系、再生ゴム系、ポリイソブチレン系のものや、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン等のゴムを含むブロック共重合体を主とするものを挙げることができる。
また、シリコーン系粘着剤としては、ジメチルシロキサン系、ジフェニルシロキサン系のもの等を挙げることができる。
以上のような粘着剤は、非架橋型、架橋型のいずれのものも使用可能である。後者の場合、必要に応じ、架橋剤を添加することができる。架橋剤としては、例えば、エポキシ系化合物、イソシアナート系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド系化合物等が挙げられる。このような粘着剤は、有機溶剤系、エマルション系のいずれでもよい。
また、接着層13には、可塑剤、粘着付与剤、増粘剤、充填材、老化防止剤、防腐剤、防カビ剤、染料、顔料等の各種添加剤が必要に応じ添加されていてもよい。
なお、芯材層129に接着剤が含浸されている場合等、芯材層129が接着層13を兼ねていても良い。
広告表示化粧板10の第1面101の表面粗さRaは5μm以下であることが好ましい。また、広告表示化粧板10の第1面101において、波長550nmの光の入射角45°での反射率が、受光角0°以上70°以下の範囲にわたり40%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。そして、広告表示化粧板10の第1面101において、波長440nm、550nm、および700nmの各光の入射角45°での反射率がいずれも、受光角0°以上70°以下の範囲にわたり40%以下であることがより好ましく、30%以下であることがさらに好ましい。そうすれば、広告表示化粧板10に表示された広告を特に視認しやすくなる。具体的には、見る角度によって色味の違いが出にくく、また、色のコントラストが認識しやすくなる。ここで、波長440nmの光は赤色の光であり、波長550nmの光は緑色の光であり、波長700nmの光は青色の光である。
なかでも広告表示化粧板10が文字コンテンツを表示している場合、第1面101の表面粗さRaは0.3μm以上5μm以下であることが好ましい。そうすれば、第1面101の光沢を抑え、広告表示化粧板10を見る人に文字情報が認識されやすくなるとともに、表面の凹凸が大きすぎることによって文字が見にくくなることがない。
一方、広告表示化粧板10が図形や写真を表示している場合には、第1面101の表面粗さRaは0.3μm以下であることが好ましい。そうすることにより、広告表示化粧板10の第1面101に適度な光沢をもたせ、広告表示化粧板10を見る人にインパクトを与えることができる。
広告表示化粧板10の第1面101の表面粗さや反射率は、たとえば第1面101を構成する層を、所定の凹凸パターンを付したロール等で加圧成型することで調整できる。
化粧板を単に内装の壁紙として用いる場合には意匠性のみを重視すればよいのに対し、広告表示化粧板10では、上記のように、単なる意匠性、審美性とは異なった観点で広告コンテンツの内容に対応した表面形状等を広告表示化粧板10に持たせることが重要である。
広告表示化粧板10の製造方法について以下に説明する。化粧シート12は、表面層120と芯材層129とを重ね合わせ、これを加熱加圧成形して積層することにより得られる。また、化粧シート12の成形時に、所定の板材を重ねることにより、広告表示化粧板10の第1面101の表面粗さや光の反射率等を調整することができる。広告表示化粧板10は、化粧シート12に接着層13を形成することにより製造される。具体的には、化粧シート12に接着層13を構成する粘着剤等を塗布する。
表面層120は、以下の様にして得られる。まず、印刷基材122に広告コンテンツを印刷することにより印刷部121を形成する。次いで、印刷部121を設けた印刷基材122の一方の面に第1樹脂層123を形成し、他方の面に第2樹脂層124を形成する。
なお、広告表示化粧板10の製造方法は上記した方法に限定されない。たとえば、必要に応じて担体フィルムを使用してもよい。担体フィルムは製造時においていずれかの層を保護したり、製造を容易にしたりするために用いられ、その後除去されることにより、広告表示化粧板10には含まれない。
なお、印刷部121が化粧シート12の内部に位置する例について上述したが、印刷部121は化粧シート12の第1面101側の表面に位置していてもよい。
また、第1の広告表示化粧板10aの構造は第2の広告表示化粧板10bの構造と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図4は、本実施形態に係る第1の広告表示化粧板10aの変形例を示す断面図である。本変形例において、第1の広告表示化粧板10aは第2の広告表示化粧板10bに対して脱着可能に構成されている。本図の例において第1の広告表示化粧板10aは、マグネット層14をさらに備える。広告媒体20や第2の広告表示化粧板10bが磁性体を含む場合、本変形例の第1の広告表示化粧板10aは、広告表示面30に対し、脱着可能に固定される。なお、第1の広告表示化粧板10aはマグネット層14を備える代わりに、第2面102a側に、広告表示面30または化粧シート12に対して剥離可能な接着層を備えていてもよい。マグネット層14を備える広告表示化粧板10について以下に詳しく説明する。
マグネット層14は、化粧シート12の第2面102側に固定されている。第2面102とは、広告表示化粧板10の主面のうち、第1面101とは反対側の面である。広告表示化粧板10がマグネット層14を備えることにより、表面に磁性体を含む広告媒体に脱着可能に取り付けることができる。広告表示化粧板10が広告媒体に十分強く固定されるためにマグネット層14の磁束密度は20mT以上であることが好ましい。
マグネット層14は、磁石粉末をバインダー(結合樹脂)で結合してなる層である。磁石粉末は、優れた磁気特性を有するものが好ましい。このような磁石粉末としては、例えば、R(ただし、Rは、Yを含む希土類元素のうちの少なくとも1種)を含む合金、特にR(ただし、Rは、Yを含む希土類元素のうちの少なくとも1種)とTM(ただし、TMは、遷移金属のうちの少なくとも1種)とB(ボロン)とを含む合金が挙げられる。
バインダーは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66、ナイロン6T、ナイロン9T)、熱可塑性ポリイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、ビスフェノール型、ノボラック型、ナフタレン系等の各種エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。なお、使用される熱硬化性樹脂(未硬化)は、室温で液状のものでも、固形(粉末状)のものでもよい。
マグネット層14の厚さ(平均厚さ)は、審美的な観点から適宜変更されるが、0.15〜6mmであるのが好ましく、0.6〜2mmであるのがより好ましい。マグネット層14の大きさ・形状は、壁面のデザイン等によって適宜変更することができる。
マグネット層14は接着層13によって化粧シート12に固定される。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態によれば、広告表示化粧板10は建物の内壁や家具等の内壁材であると共に、単体又は複数で耐久性、審美性に優れた広告体として機能しうる。また、第2の広告コンテンツを除去する必要なく、容易に第1の広告コンテンツを表示できる。
さらに、化粧板の施工コストを広告費でまかなうこともできる。具体的には、エレベータ等の内壁が老朽化して新しい化粧板を施工したい場合、施工費が必要となる。ここで、本実施形態のような広告表示化粧板を施工すれば、施工主は広告主から広告費を徴収でき、それを施工費にあてることができる。したがって、施工主は少ない費用負担で内装の審美性を高めることができる。
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係る広告表示化粧板の施工方法を例示する断面図である。本実施形態に係る広告表示化粧板の施工方法は、化粧板を施されていない広告媒体20の表面が広告表示面30である点を除いて第1の実施形態に係る広告表示化粧板の施工方法と同じである。
広告媒体20の広告表示面30にはペイント等により第2の広告コンテンツが表示されている。第1の広告表示化粧板10aは、広告媒体20の広告表示面30を覆うように施工される。第1の広告表示化粧板10aの第2面102aは、広告媒体20に対向しており、さらには接している。
本実施形態の施工方法によれば、第1の実施形態と同様の作用および効果を奏する。
(第3の実施形態)
図6は、第3の実施形態に係る広告表示化粧板10の構造を例示する断面図である。本実施形態に係る施工方法は、広告表示化粧板10の構造を除いて第1の実施形態又は第2の実施形態に係る施工方法と同じである。広告表示面30が第2の広告表示化粧板10bの表面である場合、第1の広告表示化粧板10aおよび第2の広告表示化粧板10bの少なくともいずれかが、以下に説明する広告表示化粧板10の構造を有する。
本実施形態において、表面層120は、金属層125を含む。そうすることにより、第1面101側から見て広告表示化粧板10に金属光沢感を生じさせ、広告の印象を強めることができる。具体的には、広告表示化粧板10の第1面101と金属層125との間に印刷部121が位置することにより広告コンテンツの背景に金属光沢感が生じる。なお、広告表示化粧板10では、第1面101から見て金属層125の全体を覆うように印刷部121が形成されていてもよい。その場合であっても、印刷部121を透過して金属光沢感が感じられる。
金属層125はアルミ、金、銀等である。金属層125の厚さは特に限定されないが、1nm以上300μm以下が好ましい。そうすれば、広告表示化粧板10の可撓性を損なうことなく、金属光沢感を生じさせることができる。
本実施形態において、印刷基材122はたとえば透明な樹脂フィルムである。印刷基材122はたとえばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂のうちの一以上を含む。
本実施形態に係る広告表示化粧板10は、表面層120の製造方法を除いて第1の実施形態に係る広告表示化粧板10と同様に製造できる。本実施形態において、印刷部121は印刷基材122のうち第2面102側となる面に印刷で形成される。そして、印刷部121を覆うように第2樹脂層124が形成され、さらに金属箔を重ねることにより金属層125が積層される。一方、印刷基材122のうち第1面101側となる面に第1樹脂層123が形成される。すなわち、第1樹脂層123、印刷基材122、印刷部121、第2樹脂層124、および金属層125がこの順に広告表示化粧板10の第1面101側から積層された表面層120を得られる。ただし、本実施形態に係る表面層120は、本図の例に限定されず、たとえば印刷部121が第1の実施形態と同様に印刷基材122のうち第1面101側となる面に印刷で形成されていてもよい。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用及び効果を奏する。くわえて、広告コンテンツの背景に金属光沢を付与することができる。
(第4の実施形態)
図7は、第4の実施形態に係る広告表示化粧板10の構造を例示する断面図である。本実施形態に係る施工方法は、広告表示化粧板10の構造を除いて第1〜第3の実施形態のうち少なくともいずれかに係る施工方法と同じである。広告表示面30が第2の広告表示化粧板10bの表面である場合、第1の広告表示化粧板10aおよび第2の広告表示化粧板10bの少なくともいずれかが、以下に説明する広告表示化粧板10の構造を有する。
本実施形態において化粧シート12は第1樹脂層123、第2樹脂層124、および印刷部121を備える。そして第2樹脂層124が印刷基材122として機能する。
第1樹脂層123は、透明な樹脂フィルムである。第1樹脂層123は、合成樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン樹脂、又は(メタ)クリル樹脂を含む。第1樹脂層123は、たとえばエンボス圧延加工によるラミネートによって、第2樹脂層124に積層される。第1樹脂層123の厚さはたとえば10μm以上80μm以下である。
第2樹脂層124は、合成樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンポリエステル、ポリオレフィン樹脂、又は(メタ)クリル樹脂を含む。第2樹脂層124は、さらに、不燃性の無機充填材を含んでもよい。無機充填材としては、CaCO、Mg(OH)、Al(OH)、SiO、粘土(例えば、モンモリロナイト又はカオリン)等が挙げられる。第2樹脂層124の厚さはたとえば60μm以上150μm以下である。第2樹脂層124はたとえばキャスティング、またはカレンダリングにより形成することができる。
本実施形態に係る広告表示化粧板10は化粧シート12の形成方法を除いて第1の実施形態に係る広告表示化粧板10の製造方法と同じである。本実施形態において化粧シート12は、第2樹脂層124のうち第1面101側となる面に印刷により印刷部121を形成し、次いで、印刷部121を覆うように第1樹脂層123を形成することで得られる。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用及び効果を奏する。
(第5の実施形態)
図8は、第5の本実施形態に係る広告表示化粧板10の構造を例示する断面図である。本実施形態に係る施工方法は、広告表示化粧板10の構造を除いて第1〜第4の実施形態のうち少なくとも何れかに係る施工方法と同じである。広告表示面30が第2の広告表示化粧板10bの表面である場合、第1の広告表示化粧板10aおよび第2の広告表示化粧板10bの少なくともいずれかが、以下に説明する広告表示化粧板10の構造を有する。
本実施形態において化粧シート12は金属層125を含む。金属層125は、第3の実施形態で説明した金属層125と同様である。金属層125は、第2樹脂層124と接着層13との間に位置する。本実施形態において、第2樹脂層124は透明な樹脂である。ただし、第2樹脂層124は着色されていてもよい。
本実施形態に係る広告表示化粧板10の製造方法において、第2樹脂層124に第1樹脂層123が積層された後、化粧シート12に接着層13が積層される前に、第2樹脂層124に対して蒸着することにより金属層125が積層される。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用及び効果を奏する。くわえて、広告コンテンツの背景に金属光沢を付与することができる。
(第6の実施形態)
図9は、第6の実施形態に係る広告表示化粧板10の構造を例示する断面図である。本実施形態に係る施工方法は、広告表示化粧板10の構造を除いて第1〜第5の実施形態のうち少なくともいずれかに係る施工方法と同じである。広告表示面30が第2の広告表示化粧板10bの表面である場合、第1の広告表示化粧板10aおよび第2の広告表示化粧板10bの少なくともいずれかが、以下に説明する広告表示化粧板10の構造を有する。本図は、第4の実施形態に対応する例を示している。
本実施形態において、広告表示化粧板10は、化粧シート12の第1面101側に保護層126をさらに備える。保護層126は、耐スクラッチ性を有する透明な層である。広告表示化粧板10の第1面101の表面は保護層126により構成される。保護層126は特に限定されないが、たとえば樹脂(C)及び充填材を含んで構成される。保護層126の厚さは特に限定されないが、たとえば5μm以上100μm以下である。
樹脂(C)は反応性ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、アクリル−ウレタン樹脂、シリコーン、およびフルオロポリマーのうち少なくともいずれかを含む。
充填材としてはたとえばアルミナ、シリカ、酸化クロム、酸化鉄、ジルコニウム、チタニウム、又はこれらの混合物からなるビーズ又は粒子が挙げられる。ただし充填材は、これらに限定されない。充填材の粒子形状には、球形、房毛状、長球形、針状、多面体、円筒形又は不定形等が挙げられるが、これらに限定されない。充填材の硬さは、たとえば8〜15モース硬度である。充填材の平均粒子径は乾燥後の保護層126の厚さ以上であってよく、たとえば10μm以上110μm以下である。充填材は、保護層126に均一に分散されていることが好ましい。
保護層126はさらに架橋剤を含んでもよい。架橋剤としてはたとえば、ビスアミド架橋剤、アジリジン架橋剤、カルボジイミド架橋剤、エポキシ架橋剤、イソシアネート架橋剤が挙げられる。架橋剤の含有量は、樹脂(C)100重量部に対し、固体分でたとえば5重量部以上30重量部以下である。
保護層126は、上記の成分を混合した材料を例えばバーコーティング法等により第1樹脂層123の第1面101となる側に塗布し、加熱したロールと非加熱のニップロールとで押圧することで形成できる。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用及び効果を奏する。加えて、広告表示化粧板10の耐久性が向上する。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 第1の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された第1の広告表示化粧板を、第2の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された広告表示面に対し、積層して固定する広告表示化粧板の施工方法。
2. 1.に記載の広告表示化粧板の施工方法において、
前記広告表示面は、化粧シートを含む第2の広告表示化粧板の第1面である広告表示化粧板の施工方法。
3. 2.に記載の広告表示化粧板の施工方法において、
前記第2の広告表示化粧板は、前記化粧シートの前記第1面側に保護層をさらに備え
前記保護層は樹脂(C)及び充填材を含む広告表示化粧板の施工方法。
4. 3.に記載の広告表示化粧板の施工方法において、
樹脂(C)は反応性ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、アクリル−ウレタン樹脂、シリコーン、およびフルオロポリマーのうち少なくともいずれかを含む広告表示化粧板の施工方法。
5. 2.〜4.のいずれか一つに記載の広告表示化粧板の施工方法において、
前記第2の広告表示化粧板は、前記化粧シートのうち前記第1面側とは反対側に芯材層をさらに備え、
前記芯材層はガラスクロスを含む広告表示化粧板の施工方法。
6. 1.〜5.のいずれか一つに記載の広告表示化粧板の施工方法において、
前記広告表示面に対し、前記第1の広告表示化粧板を脱着可能に固定する広告表示化粧板の施工方法。
7. 1.〜6.のいずれか一つに記載の広告表示化粧板の施工方法において、
前記第1の広告表示化粧板を、エレベータの内壁に対して固定する広告表示化粧板の施工方法。
8. 第1の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された第1の広告表示化粧板と、
第1面側から第2の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された化粧シートを含む、第2の広告表示化粧板とを備え、
前記第1の広告表示化粧板が前記第2の広告表示化粧板の前記第1面を覆っている積層体。
以下、本実施形態を、実施例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
実施例1〜6において、第1の実施形態で説明したのと同様の構造を有する広告表示化粧板を作製した。実施例1〜6は、互いに表面形状が異なるようにした。また、各広告表示化粧板は、広告として白地に黒色の文字およびカラー写真を表示するものとした。
実施例1〜5の表面粗さRaを、表面粗さ測定器(東京精密社製、SURFCOM 130A)を用いてJIS B 0633:2011に従い測定した。結果を表1に示す。各結果は、3つの試料を作製、計測した平均値である。また、各実施例において、文字の見やすさ(視認性)を確認した。いずれの角度からも文字を視認しやすかった場合を「○」、一部の角度からは文字を視認しにくかった場合を「△」、いずれの角度からも文字が視認しにくかった場合を「×」として評価した。結果を表1にまとめて示す。
Figure 0006946624
表1に示す結果の通り、表面粗さRaが0.3μm以上5μm以下の実施例3〜5において、文字の視認性が良かった。
さらに、実施例2〜4および6の広告化粧板について、三次元変角分光測色システム(村上色彩技術研究所社製、GCMS−4)を用いて反射率を測定した。測定においては、入射角を45°、あおり角を0°とし、受光角を0°以上70°以下の範囲で変化させた。また、測定は440nm、550nm、および700nmの各波長の光で行った。図10(a)〜(d)は、それぞれ実施例2〜4、および6における受光角と反射率との関係を示す図である。なお、本システムでは解析の都合上、正反射等の非常に反射率が高い場合において、100%を超える反射率が測定値とされることがある。得られた反射率のうち100%を超える値については、実際は90〜100%程度の反射率であると推測される。0°以上70°以下の複数の受光角で得た反射率のうち、受光角10°、43°、45°、47°、60°での反射率を表2〜表4に示す。表2では波長440nm、表3では波長550nm、表4では波長700nmの結果を示している。また、各実施例において、広告の見やすさ(視認性)を確認した。いずれの角度からも広告全体が視認しやすかった場合を「◎」、一部の角度からは広告の一部分が視認しにくかった場合を「○」、一部の角度からは広告の全体が視認しにくかった場合を「△」、いずれの角度からも広告の全体が視認しにくかった場合を「×」として評価した。結果を表3に合わせて示す。
Figure 0006946624
Figure 0006946624
Figure 0006946624
図10(a)〜(d)および表2〜4に示す結果の通り、実施例3および4では、440nm、550nm、および700nmのいずれの波長においても、0°以上70°以下の受光角の範囲にわたって反射率が40%以下であった。実施例2では、45°(正反射)において反射率が高かったが、正反射を除いては反射率が40%以下であった。そして実施例6では、45°近辺の受光角において反射率が高く、波長550nmにおいて40%を超えていた。そして、実施例3および4ではいずれの角度から見ても広告の視認性がよかったのに対し、実施例2および6では、一部の角度から見た場合において、照明灯が強く移り込むことにより少なくとも広告の一部分が視認しにくかった。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
10 広告表示化粧板
10a 第1の広告表示化粧板
10b 第2の広告表示化粧板
12 化粧シート
13 接着層
14 マグネット層
20 広告媒体
30 広告表示面
40 積層体
120 表面層
121 印刷部
122 印刷基材
123 第1樹脂層
124 第2樹脂層
125 金属層
126 保護層
129 芯材層

Claims (7)

  1. 媒体と、
    前記媒体の上に積層される、第2の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された、広告表示面を有する第2の広告表示化粧板と、
    第1の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された、マグネット
    層を備える第1の広告表示化粧板と、
    を準備し、
    前記媒体及び前記第2の広告表示化粧板の一方または両方が、磁性体を含み、
    前記第2の広告表示化粧板の前記広告表示面に対し、前記第1の広告表示化粧板を積層して脱着可能に固定し、
    前記媒体が、第3の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された広告媒体である、広告表示化粧板の施工方法。
  2. 請求項1に記載の広告表示化粧板の施工方法において、
    前記広告表示面は、化粧シートを含む前記第2の広告表示化粧板の第1面である広告表示化粧板の施工方法。
  3. 請求項に記載の広告表示化粧板の施工方法において、
    前記第2の広告表示化粧板は、前記化粧シートの前記第1面側に保護層をさらに備え
    前記保護層は樹脂(C)及び充填材を含む広告表示化粧板の施工方法。
  4. 請求項に記載の広告表示化粧板の施工方法において、
    前記樹脂(C)は反応性ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、アクリル−ウレタン樹脂、シリコーン、およびフルオロポリマーのうち少なくともいずれかを含む広告表示化粧板の施工方法。
  5. 請求項のいずれか一項に記載の広告表示化粧板の施工方法において、
    前記第2の広告表示化粧板は、前記化粧シートのうち前記第1面側とは反対側に芯材層をさらに備え、
    前記芯材層はガラスクロスを含む広告表示化粧板の施工方法。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の広告表示化粧板の施工方法において、
    前記第1の広告表示化粧板を、エレベータの内壁に対して固定する広告表示化粧板の施工方法。
  7. 媒体と、
    前記媒体の上に積層された、第1面側から第2の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された化粧シートを含む、第2の広告表示化粧板と、
    第1の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された、マグネット層を備える第1の広告表示化粧板と、
    を備え、
    前記媒体及び前記第2の広告表示化粧板の一方または両方が磁性体を含み、
    前記第1の広告表示化粧板が前記第2の広告表示化粧板の前記第1面に対して脱着可能に覆っており、
    前記媒体が第3の広告コンテンツの少なくとも一部が視認可能に構成された広告媒体である、積層体。
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